映画『兵馬俑の城』公開記念舞台挨拶が17日、グランドシネマサンシャイン池袋にて開催され、福山潤、寿美菜子、中島ヨシキが出席し、作品の魅力やオーディションでの裏話を語り合った。本作は、2021年に中国で公開されると、大ヒットを記録し、第24回上海国際映画祭最優秀アニメーション作品賞にノミネートされた中国のアニメ会社・FANTAWILD制作の冒険劇。心を持った兵俑のモンユエンと家族を奪われた人間の少女シーユイとの出会い、旅路の中で生まれる恋、そして世界を揺るがす霊獣との闘いが、圧巻のフルCGで描かれる。福山演じる兵馬俑の雑用係・モンユエンは、楽天家で心優しい持ち主。夢は兵俑軍の精鋭部隊である「鋭士」になること。一方、中島演じるシャオバオは、青銅でできた山羊。チャラい性格だが、肝心な場面で役に立つというキャラクターだ。実は福山と中島は、それぞれモンユエンとシャオバオどちらのオーディションも受けていたという。中島は「最初にモンユエンのオーディションを受けていて、二次審査のスタジオオーディションを受けに行って終わって待っていたら、スタッフさんから『シャオバオ』というキャラクターもあるんですと言われて。セリフを言ったあと、スタッフさんが手を叩いて喜んでくれたんです。これまでどちらかと言うと二枚目の役をやることが多かったので、こういうキャラクターで選んでいただけるのが、役者として一皮むけた感があって嬉しかった」と裏話を披露する。中島ヨシキそれを聞いた福山は「僕はモンユエンと、シャオバオのオーディションを受けていて、僕的にはモンユエンのようなまっすぐな青年は若手の子の方がいいのかなと思っていて、シャオバオなのかなと思っていたんです。そうしたら二次に通ったのがモンユエンだったんです」とこちらも貴重なトークを展開した。福山潤寿が演じたのは俑ではなく人間の女性・シーユイ。剣術の達人であり一見姉御肌で気が強いが、少女らしい一面もある。寿は「シーユイがいろいろな人と出会って変化している姿を見ていただきたいのですが、最初、シーユイはとても分厚い壁を作っています。そのなか、私自身がノー壁のような状態だったので、役との関係性でしっかりスイッチオンオフを意識しました」と役作りについて語っていた。寿美菜子物語では、壮大なスケールの映像美をはじめ、それぞれのキャラクターの成長、さらには恋物語など、多面的な要素が詰まっている。寿は「ぜひ兵馬俑の世界を堪能してほしい。没入感たっぷりに楽しめると思います」と語ると、福山も「アニメーション作品の良さがたくさん詰まっている作品です。自分たちが冒険したような高揚感と達成感が味わえると思います」と作品をアピールした。取材・文=磯部正和
2023年06月17日日本語吹き替え版に福山潤、寿美菜子、さらに中島ヨシキや星野貴紀が参加、躍進が進む中国のアニメ会社・FANTAWILDが製作したフルCGアニメ映画『兵馬俑の城』が6月16日(金)より公開。この度、古代中国の兵馬俑の世界観を作り上げるための緻密な作業に圧倒される、製作メイキング映像&場面写真が到着した。兵馬俑とは、古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑のうち、兵士及び馬をかたどったもの。今作は、兵馬俑たちが眠る巨大な地下都市で、兵馬俑たちは神から命を授けられもう一つの世界が作られている、という設定となっている。今回、“兵馬俑”をテーマに映画を製作しようと思った理由についてプロデューサーは「まず兵馬俑は世界的に影響力を持つ中華文明のシンボルの一つでもあり、文化の継承と革新の象徴でもある。もともと兵馬俑は『世界八番目の不思議』と呼ばれる東洋文化を代表する世界文化遺産なので、今回の題材にしました」と語り、「また、兵馬俑自体が非常に神秘であり、ストーリー性もあるため、新しいコンテンツと物語を作ることで、イノベーションをベースに伝統文化を継承していきたいという思いもありました」と、この“兵馬俑”という題材の魅力と取り上げた意義について語る。さらに今回解禁されたメイキングでは、「私たちはみなさんの想像を超えるような地下の兵馬俑の世界を表現したい」と美術監督が意気込むように、この世界観を構築するために博物館など兵馬俑の存在する場所を何度も訪れ、大量の資料に目を通し、緻密な調査によって作り上げられたという。また、圧巻のフルCGで描かれているという点も本作の魅力の1つ。メイキングでは製作陣が「『兵馬俑の城』のポストプロダクションでの音や特殊効果はこの作品の肝でもあり特にその複雑さと多様性は私たちにとっても大きな挑戦でした」と語るように、主人公・モンユエンが剣を手にする迫力のシーンなど、背景から人物の動きまで、何層ものエフェクトを重ね精緻に映像が作り上げられている様子がうかがえる。より良い効果を得るために多くのショットで20回、30回以上の修正が行われた。特に重要な戦闘シーンの製作では「1つのショットに特集効果要素が40~50層も含まれており、これらのショットを完成させるために約2か月もの時間を費やしました」と、そのクオリティや迫力を表現するために膨大な作業量を経て作り上げられたことが伝わるメイキング映像となっている。『兵馬俑の城』は6月16日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年06月07日中国が制作した3DCGアニメーション映画『兵馬俑の城』の日本語吹き替え版声優が決定した。中国歴代の皇帝によって作られた兵馬俑。その兵馬俑達が眠るはずの巨大な地下都市には、大きな秘密があった。兵馬俑達は、神から命を授けられ、もう一つの世界が作られていたのだった。兵馬俑の雑用係・モンユエンが住む秦陽城は、凶暴な霊獣たちの襲撃に悩まされていた。その霊獣に拮抗するシアホウ将軍の姿に憧れたモンユエンは精鋭部隊「鋭士」への入隊を希望するが、将軍から「霊獣・地吼(ディーホウ)を捕まえる」という条件を出される。霊獣・地吼を追う旅の途中、モンユエンは謎多き少女シーユイと出会う。旅の途中で2人は地下の世界では見られない美しい風景や世界の広さを知る。次第に惹かれ合う2人。モンユエンは、家族を探すシーユイの力になりたいと考えるようになる。そして、2人はついに、地吼を追い詰めるが…。本作は、2021年7月に中国で公開、約7000万元(約14億円)を記録。第24回上海国際映画祭最優秀アニメーション作品賞にノミネート。日本では、2022年中国映画の上映企画「電影祭」にて中国版が上映された。今回の吹き替え版では、福山潤が楽天家で優しい心を持った主人公の兵馬俑・モンユエンを、寿美菜子が家族を奪われた人間の少女・シーユイを演じる。福山さんは「モンユエンは真っ直ぐ自分の夢に向かって進みます。その過程で出逢う人と出来事に自分なりに真っ直ぐ演じました。より多くの方々にご覧になって頂けますと幸いです。宜しくお願い致します!」とコメント。寿さんは「アフレコは共演者とスタッフの皆さまと駆け抜けることができました。飽きさせない展開、絵や音のこだわりから、アフレコ中も沢山刺激をもらい大興奮でした。ぜひ劇場で、兵馬俑のみんなが暮らす世界を旅してください」と呼びかける。また、中島ヨシキがチャラい性格だが肝心な場面では役に立つユニークなキャラクター、青銅でできた山羊のシャオバオ、星野貴紀がモンユエンのあこがれの存在でもあるシアホウ将軍を吹き替える。中島さんは「青銅製の山羊の見た目をしているシャオバオは、その場を和ませてくれる可愛らしい本作のマスコット的存在…でしょうか。なかなか担当させていただくことの少ないキャラクターなのですが、とても楽しく収録させていただきました!」とふり返る。星野さんは「オリジナリティあふれ、見どころの多い作品です。ド派手なアクションとほんのり切なくなるストーリー…是非、ご期待ください!!」と語っている。そして、モンユエンとシーユイの後ろ姿と、壮大な地底の世界の奥に佇む巨大な像が印象的な日本版ビジュアルも到着した。『兵馬俑の城』は6月16日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2023年03月29日上野の森美術館では、11月22日(火)より、日中国交正常化50周年を記念して『兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~』展が開催される。紀元前221年、始皇帝が中国大陸に史上初めて強大な統一王朝を打ち立てた秦と、同202年、劉邦が再び中国を統一した漢。中国の基礎を確立したと言われるこの秦漢両王朝の中心地域であった陝西省の出土品を中心に、日本初公開となる貴重な文物を多数展覧。悠久の歴史を紐解いていく展覧会だ。最大の見どころは、兵馬俑36体が一堂に会する過去最大級のスケールの展示である。兵馬俑とは、兵士や馬をかたどり、陵墓に収められた像のこと。とくに約8000体が埋蔵されていた始皇帝陵の兵馬俑は有名だ。そのなかでも11体しか確認されていない像が、高位の武官をかたどった将軍俑。同展ではこの大変稀少な《戦服将軍俑》が1体、日本で初めて公開される。そのほか、古代の青銅器や日本の「漢倭奴国王」の金印にも似た《「王精」龜鈕金印》など、中国では国宝級を指す「中国国家一級文物」から日本初公開の出土品まで、貴重な文物約200点が集結する。日本では36年ぶりの公開となる光輝く《鎏金青銅馬》も古代中国の歴史好きにはたまらないはず。前漢の武帝が遠征してまでも欲しがった「汗血馬(かんけつば)」をかたどった作品だ。また戦国時代には極小だった兵馬俑が、秦の始皇帝陵では等身大となり、漢時代には再び小さくなるという、兵馬俑をめぐる歴史ミステリーに迫っているのも同展の特徴。なお、音声ガイドには、展覧会ナビゲーターも務める俳優の谷原章介と声優の浪川大輔が担当。春秋戦国時代を描いた人気漫画「キングダム」を通して時代背景を伝える特別展示コーナーも展開する。兵馬俑坑騎馬俑 戦国秦 咸陽市文物考古研究所 一級文物鎏金青銅馬 前漢 茂陵博物館 一級文物「王精」龜鈕金印 漢 西安博物院 一級文物【開催情報】『日中国交正常化50周年記念兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~』会期:2022年11月22日(火)~2023年2月5日(日)会場:上野の森美術館開館時間:9:30~18:00(入館は閉館の30分前まで)休館日: 12月31日(土)、1月1日(日)料金:一般2,100円、大高1,300円、中小900円※日時指定予約制展覧会公式サイト:
2022年11月10日秦の始皇帝陵から発見された兵馬俑をはじめ、春秋戦国・漢時代を含めた約200点の文物が来日。「日中国交正常化50周年記念兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産」として、11月22日から翌年2月5日まで、東京・上野の森美術館で開催される。そこで展覧会ナビゲーターと音声ガイドを担当する谷原章介に、本展の魅力を語ってもらった。漫画やゲームをきっかけに、昔から古代中国史に強い興味があったと言う谷原。当時の中国について、「やっぱりスケールが違いますよね」と切り出す。「自分が死んだあとにあれだけのことを成し遂げられた、やらせることが出来たわけですから。その権力の大きさは、この展覧会からもひしひしと伝わってくるものがあります。それこそ兵馬俑がバーッと並んでいる現地の写真を見た時、この人はなんてことをやったんだ!と驚かれた方も多いのではないでしょうか。同じころ日本では、やっと稲作を覚えたくらいですから(笑)。それほど当時の中国というのは、間違いなく世界で一番文明が発達し、国力が強い国だった。本展ではその一端をご覧いただけると思います」展覧会の理解をより深めることが出来るのが、谷原が担当する音声ガイド。その収録では、「あまり声を張らず、ぼそぼそっと話すことを意識しました」とのこと。これだけスケールの大きな展覧会であれば、その逆でも良さそうだが…。「一級の美術品が並ぶわけですから。悠久の時を経て、ここまで残り続けてきた国宝級の文物というのは、もうそれだけで断然説得力があるんですよね。お客様にしても、スポーツ観戦時のように高揚しているわけではなく、すごく静謐な気持ちでご覧になっているはず。その気持ちに寄り添うには、僕も静かに、落ち着いたトーンでガイドした方がいいだろうと思いました」これまでも好評を得てきた兵馬俑の展覧会だが、今回は36体もの兵馬俑が来日。過去最大級のスケールを誇る。「今って記憶もスマホ、記録もスマホ、調べ物もスマホと、なんでもスマホを通してしまいますよね。でも実際にこういった本物の文物を目の前にすると、そのエネルギーに圧倒されると思うんです。しかも今回は位の高い将軍俑の中から、これまで来日したことのない一体が展示されます。ぜひそのすごさを生で体感していただきたいですね。別に無理に歴史を学んだりする必要もないですし、純粋に楽しんでいただけたらと。でも…もし詳しく知りたいという方がいれば、ぜひ音声ガイドを利用してみてください!」取材・文:野上瑠美子
2022年11月01日11月から上野の森美術館で『日中国交正常化50周年記念兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~』がはじまります。この展覧会のナビゲーターに、俳優の谷原章介さんが就任。音声ガイドのナレーションも担当された谷原さんに、展示の見どころやお好きなアートについてうかがいました。谷原章介さんがナビゲーター!谷原章介さん【女子的アートナビ】vol. 264『兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~』では、秦漢両王朝の中心地域であった陝西省の出土品を中心に、中国における国宝レベルの貴重な文物など約200点が集結。日本初公開となる文物も多数含まれています。特に注目したいのが、兵馬俑の展示。兵馬俑とは、陵墓(皇帝の墓所)に収められていた兵士や馬をかたどった像のこと。始皇帝陵には、およそ8000体もの兵馬俑があったと推定され、その像は一つひとつ顔や服装が異なるといわれています。本展では、戦国、漢時代を含めた総計36体もの兵馬俑が来日。日本初公開の希少な将軍俑も展示され、過去最大級のスケールでの展示を楽しめます。そんな注目の本展・東京版でナビゲーターを務めるのは、谷原章介さん。俳優だけでなく司会者としても活躍され、声も“イケボ”な谷原さんに展覧会の見どころなどを語っていただきました!憧れの世界…――本展のオファーを受けて、どのように思われましたか。谷原さん古代の中国は、幼いころから三国志のマンガやゲームで親しんできたので憧れの世界です。しかも兵馬俑はまだ見たことがないので、とても楽しみです。――古代中国、どんな点に憧れていたのですか。谷原さん秦の始皇帝は、はじめて中国を統一しました。やはり、その権力を勝ち取っていくところに僕は惹かれるのだと思います。兵馬俑も、何千体もつくり、一緒に葬られていますよね。それをつくることができるのが権力の証。莫大な財があり、自分の偉大さを後世に喧伝したかったのだと思います。こんなすごい人がこの世にいたのだと思うのと同時に、畏怖の念も抱きます。――兵馬俑もたくさん展示されるそうですね。谷原さん発掘された兵馬俑の写真を見て、この国の人たちは、なんてすごいことをやっているのだろうと思いました。展覧会で、中国の大きなスケールを感じていただきたいですね。当時、彼らは馬車で戦争をして、函谷関のような大きな城壁もあり、世界において間違いなく国力は強かった。その一端を見ていただければうれしいです。ボソボソっと収録…――私は歴史や古代中国にあまり詳しくないのですが、そんな人間でも展覧会を楽しめますか。イケメン兵馬俑とか、いるといいのですが…。谷原さん切り口は、なんでもいいと思いますよ。例えば、その時代の歴史ドラマでイケメン俳優が出ているものとかを見たりすると興味が持てるようになるかもしれないですし、あるいは、まず展覧会に来てみて、それで後からアニメやドラマを見てもいいですよね。――さらに谷原さんの音声ガイドを聞くと、初心者でも理解が深まりそうですね。谷原さん僕は、今回のガイドでは作品を見ている方の耳元で「ボソボソっ」と話すイメージで、あまり声を張らずに収録をさせていただきました。声を張らないと、のどを使うので疲れるのですけど、がんばってやりましたので、ぜひガイドを聞いてください。――なぜボソボソっと話されたのですか?谷原さん展示されているのは昔の文物で、一級の美術品でもあります。長い時を経て、ここまで生き残ってきたものですし、作品自体が強い存在ですから、声を張るよりは、僕は抑えていきたいな、と。ご覧になる方自身も、スポーツ観戦みたいに高揚するのではなく、静ひつな気持ちになると思うので、僕も静かに落ち着いたトーンにしました。――ちなみに、古代中国に限らず、何か歴史ドラマでご自身が演じてみたい時代とかありますか?谷原さん僕が興味を持っているのは、坂上田村麻呂が征夷大将軍になるときの蝦夷(えみし)。族長のアテルイとか。奥州藤原氏にしても、東北の人たちが、中央から離れていたときの時代をやってみたいですね。ロマンを感じます。思い出に残るアート体験は…――谷原さんは、以前デザインの番組で司会をされていたこともあり、アートやデザインなどのジャンルにもお詳しいと思います。ご自身で何か思い出に残るアート体験はありますか?谷原さんもう30年近く前になりますが、世田谷美術館でアウトサイダーの方々の作品を集めた展覧会がありました。そこではじめて、ヘンリー・ダーガーの作品を見ました。彼は精神疾患があり、自分の妹とは生き別れている方で、その妹をモチーフにしたと思われるような少女たちが悪と戦う物語を創造し、絵にした作品です。すごく長い壮大な物語で、大きな紙に描いてあるのですが、多くの子どもたちが殺されてしまうのです。ヘンリー・ダーガーは、病院の掃除夫として働き、稼ぎをすべて作品制作に使っていたらしいのです。その展覧会で僕が見た西洋の方々の作品には、やはり宗教的なキリストの救いのようなものが埋め込まれていたように思えました。作らずにはいられない衝動や、救われたいという思いもあるのかなと感じて、見ていて切なくなりました。生のスゴさを感じて!――最後に、読者の方にメッセージをいただけますか。谷原さん兵馬俑は、何度か日本に来ていて、毎回ご好評をいただいているとうかがっています。そのなかでも、今回は日本初公開の将軍俑が来日するので、それは過去にはなかったものです。ぜひスマホの画面ではなく、生のスゴさを展覧会で感じていただけたらうれしいです。インタビューを終えて…歴史からアートのジャンルまで、本当に博識な谷原さん。特に、30年前の展覧会を鮮明に覚えていらっしゃったのが印象的でした。谷原さんの話されていたヘンリー・ダーガーの作品を見てみたくなり、世田谷美術館で開催された『パラレル・ヴィジョン―20世紀美術とアウトサイダー・アート』展の図録を入手。ダーガー作品はかなり衝撃的で、当時の若き谷原さんが受けた驚きや感動が伝わってくるようでした。そんな博学な谷原さんが、わかりやすく語りかけてくれる音声ガイドを聞きながら、ぜひ展覧会で古代中国の世界を楽しんでみてください。Information「日中国交正常化50周年記念兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」会期: 2022年11月22日(火)~2023年2月5日(日)会場: 上野の森美術館開館時間:9:30~18:00※入館は閉館の30分前まで休館日:2022年12月31日(土)、2023年1月1日(日)観覧料(税込):一般¥2,100、高校・専門・大学生¥1300、小・中学生¥900※2022年11月2日(水)10時よりチケット発売開始予定※本展は日時指定予約制です。※最新情報などの詳細は展覧会公式HPをご覧ください問合せ:ハローダイヤル 050-5541-8600
2022年10月20日『日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~』が3月25日、京都市京セラ美術館にて開幕した。「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」チケット情報古代の中国では、王侯が亡くなると従者や周囲の動物も死者の墓室に収められる従死(殉葬とも)という風習が存在した。その代わりに埋葬されるようになったのが人や動物の姿を写し取った像「兵馬俑(へいばよう)」である。1974年、中国・西安の畑で井戸掘りをしていた農民が偶然見つけた陶器の欠片。掘削を進めると、2000年以上前に作られた実物大の兵士や馬の陶器が大量に出土し、「20世紀最大の発見」と世界中が驚嘆。中国の歴史上初めて統一帝国を打ち立てた秦の始皇帝陵墓近くから出土した兵馬俑の数は約8000体と推測され、被葬者を守るため埋葬されたと考えられる。本展の見どころは、何といってもズラリと並ぶ計36体もの兵馬俑だ。中でも、一級文物(中国での国宝にあたる)「将軍俑」に注目を。高級軍人を模した11体の俑で、高さ196cmもの体躯を誇る「戦服将軍俑」は日本初公開のもの。他にも弩(いしゆみ)を構えて待機する「跪射武士俑」など迫力ある俑からは、秦国の強靭な兵力が想起される。それぞれ実在した人物を再現しているとされ、一体たりとも同じ表情はない。秦国統一前夜の春秋戦国時代では、当時の騎兵の姿を分かりやすく示した高さ22cmの「騎馬俑」のように、小ぶりなものが主流。その後、秦の始皇帝時代に等身大へとサイズアップし、続く前漢時代では再び小さな兵馬俑へと移り変わっていった。中国史上、唯一等身大の兵馬俑だったのが天下統一を成し遂げた秦の始皇帝時代なのだ。本展が示すテーマは、この3時代の兵馬俑を通して中国史を振り返ること。監修を務めた鶴間和幸・学習院大学名誉教授は、「私たちが知らないことはまだまだある。兵馬俑を通して、こんな世界があったのかと歴史の面白さに触れてください」と語る。また、馬の俑も数多く、秦の人々と馬の強いつながりも感じられる。実に36年ぶりの日本展示となった一級文物「鎏金青銅馬」は、漢の武帝から姉に贈られたとされる秘宝。古代中国の最高峰の技術による青銅製の車馬「2号銅車馬」では始皇帝の巡行の様子を垣間見ることができ、その威光を感じ取れることだろう。他にも秦の時代を分かりやすく楽しめる漫画『キングダム』の名場面を集めたコーナーも。兵馬俑の姿から悠久のドラマに生きる人々の力強い生きざまを見届けてほしい。開催は5月22日(日)まで。取材・文・撮影:後藤愛
2022年04月08日1972年の日中国交正常化宣言から50周年をを記念して『兵馬俑(へいばよう)と古代中国~秦漢文明の遺産~』展が、京都、東京ほか4都市で開催される。映画『キングダム』の中国史監修も務めた、中国古代史が専門の鶴間和幸・学習院大学名誉教授が本展の監修を行う。俑とは、生きた人間の姿を木や土に写し取ったもの。古代中国の人々は死後の世界で被葬者を守るために埋葬した遺体に備えたという。展示では、 秦漢両帝国の中心地域であった陝西省(せんせいしょう)の出土品を中心に、 貴重な文物を多数展覧する。中でも見どころは、日本初公開となる、高さ196センチもの大きさの将軍俑。1974年に偶然発見された秦始皇帝陵の兵馬俑から見つかった。秦始皇帝陵には8000体の俑が納められていたが、そのうち将軍俑は11体しか発見されていない。今回展示されるのはその11体の中のひとつ。生前、 始皇帝に仕えた人物とされており、その生き生きした姿を見ることができる。この将軍俑に加え、 武士俑、 騎兵俑など計36体の兵馬俑に加え、 レプリカの銅車馬や兵馬俑の隊列展示、 ヒツジやブタなどの動物俑、 青銅器、 金印など多彩な遺物から古代中国文明が紹介されている。『日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~』(1)京都市京セラ美術館 / 2022年3月25日(金)~ 5月22日(日)(2)静岡県立美術館 / 2022年6月18日(土)~ 8月28日(日)(3)名古屋市博物館 / 2022年9月10日(土)~ 11月6日(日)(4)上野の森美術館 / 2022年11月22日(火)~ 2023年2月5日(日)
2021年12月17日○世界遺産データ「始皇帝陵と兵馬俑坑」(文化遺産)。中国。1987年登録。1974年の「20世紀最大の考古学的発見」をご存知ですか? 干ばつがひどい土地で農民が井戸を掘り始めたところ、陶器の破片のようなものが出てきたのです。これが中国の西安郊外にある「兵馬俑坑」発見のきっかけでした。兵馬俑坑がある場所から1.5km離れたところに始皇帝陵がありますが、兵馬俑坑は始皇帝陵の副葬品として、8,000体近くの等身大の兵士や馬の俑(「俑」とは粘土を焼いた焼き物)が埋められたものです。始皇帝といえば、紀元前221年に史上初の中国統一を成し遂げた人物として知られています。不老不死を切望し、その薬を探す使者は日本にもやってきたと言われています。現在、東京国立博物館で開催されている「始皇帝と大兵馬俑」展(2016年2月21日まで開催。その後は福岡と大阪を巡回)では、始皇帝や秦王朝に関する貴重な史料や、本物の兵馬俑を見ることができます。とても充実した展示ですし、間近でみる兵馬俑はとても迫力があるのでオススメです!そうそう、大発見した農民のおじさんのその後ですが、わずか数百円程度の報償(?)をもらっただけでしたが、博物館の「名誉館長」との身分を与えられました。字が書けなかったので特訓して、売店で売っている写真集にサインをしているとか。兵馬俑はおじさんの人生をも一変させたのでした。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年12月14日東京・上野の東京国立博物館で、10月27日から『特別展始皇帝と大兵馬俑』がはじまります。中国の歴史上でもっとも有名な人物のひとり、秦の始皇帝。天下統一を果たし、中国最初の皇帝となった始皇帝は、度量衡の統一やインフラの整備を行って支配体制を確立し、絶大な権力を誇りました。本展では、秦王朝の軌跡と始皇帝の実像、そして始皇帝が夢見た「永遠の世界」を貴重な出土品を通して紹介しています。秦初期の歴史を伝える鐘や、秦の高度なインフラ技術をしめす陶製の水道管、さらには始皇帝の住んでいた宮殿を飾った壁画の一部など、壮大な歴史を感じさせてくれる品を多数展示。歴女でなくてもワクワクします。そして、一番の見どころは、兵馬俑です。秦始皇帝陵の副葬品として埋められていた陶製の軍団「兵馬俑」は、ほぼ等身大のつくりで、兵士の顔や髪型はひとつずつ異なり、階級にあわせた格好をしています。今回来日したのは、房飾りつきの立派な鎧を着た「将軍俑」や、弓の準備をととのえ半身に構えている射手をモデルにした「立射俑」など、バラエティ豊かな兵馬俑たち10体。しかも、会場では、兵馬俑が出土した巨大な発掘現場「兵馬俑坑」を本物そっくりのレプリカで再現しています。死後もずっと皇帝として君臨することを夢見ていた始皇帝。その「永遠の世界」を圧倒的なスケールで体感できます。館内には記念撮影コーナーも設置されているので、兵馬俑と一緒に写真を撮ってみるのも楽しいかも。古代中国の世界にタイムスリップできる展覧会は、2016年2月21日まで開催。どうぞお見逃しなく。イベントデータ:『特別展始皇帝と大兵馬俑』会期:2015年10月27日(火)~ 2016年2月21日(日)※休館日は月曜日(ただし、11月2日(月)、11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館。11月4日(水)、11月24日(火)、1月12日(火)は休館。)時間:9:30 ~ 17:00(12月18日までの金曜日、10月31日(土)、11月1日(日)・2日(月)は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで会場:東京国立博物館料金:一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 900円/中学生以下無料画像クレジット:兵馬俑(右から)跪射俑/軍吏俑/将軍俑/歩兵俑/立射俑秦始皇帝陵博物院蔵@Shaanxi Provincial Cultural Relics Bureau, Shaanxi Cultural Heritage Promotion Center, EmperorQin Shihuang’s Mausoleum Site Museum1号兵馬俑坑秦始皇帝陵博物院蔵@Shaanxi Provincial Cultural Relics Bureau, Shaanxi Cultural Heritage Promotion Center, EmperorQin Shihuang’s Mausoleum Site Museum※画像無断転載禁止
2015年10月14日