作曲家・西村朗のオペラ《紫苑物語》が、2月17日に世界初演の幕を開けた。初日直前の2月15日、ゲネプロが報道陣らに公開された。【チケット情報はこちら】《紫苑物語》は、今シーズンから新国立劇場オペラ芸術監督に就任した大野和士の肝入り企画「日本人作曲家委嘱シリーズ」の第1弾。石川淳の同名小説を原作に、佐々木幹郎が台本を、笈田ヨシが演出を手がけた。芸術監督として初めて指揮するこの作品を、大野は「日本オペラの革命」と公言している。最初から緞帳が上がっている舞台は、照明装置を吊るしたバトンも降りたまま、聴衆に晒されている。そしてそのまま、客席の日常と物語空間をシームレスにつなぐように前奏曲が始まる。平安時代、先祖代々の和歌の家に生まれた国の守・宗頼は、歌よりも弓の道に関心を示すが、それを許さない父は、権勢の家の娘・うつろ姫との婚礼を用意して弓から遠ざける。こうした前段が前奏曲の間に無言劇で示されたあと、照明バトンが上がり、舞台はいきなり華やかな婚礼の宴のシーンに変わって、いよいよ本編が始まる。合唱が舞台いっぱいに広がった動的な空間の中で、うつろ姫が肉欲と権力欲の歌を歌い、音楽は高揚してゆく。やがて姫の「き・ら・い!」のひと言をきっかけに、なんとインドネシアのケチャが始まり舞台は興奮に包まれる。原作小説で石川淳が「鬼のうた」と書いた終幕の静かな旋律に至るまで、濃厚なエネルギーが渦を巻いて立ち昇ってくるような音楽の連続に息を飲む。西村の色彩豊かで官能的なオーケストレーションはもちろん健在。しかしそれが歌をマスクするようなことはなく、歌手の声ははっきりと聴こえる。かねて大野がこだわってきた重唱も効果的に多用されている。二重唱から四重唱まで、各人物が別々の思いをパラレルに歌うという、音楽劇だからこそ可能な手法が、ドラマツルギーをスピーティにし、音楽を豊かに広げる。歌手陣では、まず何と言っても主役の高田智宏(バリトン)。ほぼ出ずっぱりの宗頼役を渾身の熱演。うつろ姫役・清水華澄(メゾ・ソプラノ)の、欲望あらわなギラギラとしたインパクトもすごい。そのギラつきと対照をなす清廉な声(しかし存在は艶っぽい)が、小狐の化身で宗頼の愛人・千草役の臼木あい(ソプラノ)。超絶技巧満載の〈狐のカデンツァ〉は圧巻だ。奸臣・藤内の、原作よりも強調された「へたれ」具合を演じる村上敏明(テノール)も巧みだ。シリアスなばかりではない。たとえば「鼻から煙が出るほどに」という歌詞(うつろ姫)や、合唱のコミカルな動きには笑った。西村、佐々木、笈田と、関西出身の制作陣ならではのサービス精神と言えそうだ。ぐいぐい引き込まれる日本のオペラの新たな金字塔。必見だ。オペラ『紫苑物語』は、2月20日(水)、23日(土)、24日(日)。東京・新国立劇場オペラパレスで。取材・文:宮本明※高田智宏の「高」ははしごだか
2019年02月18日おっさんたちの公園シバイヌライフを描いたドラマ「柴公園」が、テレビ神奈川、TOKYO MXほかにて現在放送中。この度、主演を務める渋川清彦と共演の佐藤二朗が、登場する柴犬たちについてや、共演してみてのお互いの印象を語ってくれた。『人狼ゲーム』シリーズの綾部真弥監督が手掛ける本作は、街の公園で“柴犬連れおっさん3人”が、ダラダラと喋るだけの会話劇。柴犬を飼っているおっさんたちは、古い街に突如建ったタワマンに越してきた新参者。毎日、散歩で顔を合わせるが、お互いの名前も知らない適度な距離感。ベンチに座って話すのは、決まって他愛の無い世間話。ところが、やたらIQの高い3人の会話はいつもエスカレートし、柴犬たちは置いてけぼりに…。主演の渋川さんが演じているのは、赤柴のオス・あたるパパ役。渋川さんといえば、『パンク侍、斬られて候』『止められるか、俺たちを』などに出演し、2018年の映画出演数は14本を数え、映画関係者がいま最も起用したい俳優のひとり。そんな渋川さんが今作で連続ドラマ初主演を果たしている。一方、「勇者ヨシヒコ」シリーズや『銀魂』、「今日から俺は!!」などで唯一無二の存在感を発揮し、いまや日本のエンターテイメント界で欠かせない存在といえる佐藤さんは、芝二郎役で出演。「マメシバ」シリーズのあのニートが、今作にも登場している。――佐藤さんは4作品製作された「マメシバ」シリーズの芝二郎としての参加ですね。佐藤:小日向文世さんの「犬飼さんちの犬」にも芝二郎は登場してまして。中年おやじと小動物のシリーズですね。僕も30代で最初に芝二郎をやり始めて、まさか50歳手前になってまたこの役をできるとは思ってませんでしたけど。思い入れのある役なので嬉しいです。――渋川さんは佐藤さんの「マメシバ」シリーズはご存知でしたか?渋川:名前は知ってますけど…。佐藤:正直に言ってください。渋川:観てはいなかったです。佐藤:なんだと!渋川:す、すみません(苦笑)<おっさん3人+柴犬3匹の公園ダベリエンターテインメント>ということで、本作には可愛すぎる様々な柴犬たちが登場。渋川さんは、自由で気ままな赤柴のオス・あたるを飼っており、佐藤さんは赤柴の子犬・一郎と人生模索中(?)――今回渋川さんは、あたるパパとして連続ドラマと映画版と撮影されましたが、あたると一郎と、2匹を世話する場面も出てきますね。渋川:正直、あたるは初め一郎に緊張しているように思いました。一郎は誰かれ構わずわ~っと遊びに来るんですけど、あたるはそのテンションについていけてなかったんじゃないかなと。だから台本通りに仲良くとかはできないので、一郎は抱っこした状態であたるを散歩してました。暴れたら暴れたで臨機応変に。あまり決めずにやってましたね。監督もそうでしたし。佐藤:この間、渋川さんが一郎を抱っこしてるとき、ものすごく安定してました。頭を撫でたらすごく大人しくしてて。渋川:そうでしたね。佐藤:僕よりお上手でしたよ。渋川:そんなことないですよ(苦笑)。セカンドバックみたいにっていう、二朗さんのあの感じを盗みました。佐藤:安定すると安心するみたいですね。渋川:そうですね。ただやっぱりあたるのほうに自分は目が行ってしまいますね。一郎は、あんなにちっちゃくて可愛いから、みんな行くんですよね。だからまあ、僕はそこにはいかずに、あたるがやっぱり可愛いかなと。――それはやっぱりあたるパパとして触れてきたからですかね。渋川:うーん、分からないですけど。佐藤:何かちょっと分かる気はしますね。みんながわ~ってなってるほうじゃない側に愛着が沸くという。渋川:そうそう。なんか、二朗さんも僕もガラケーなんですよ。佐藤:ん?ごめんなさい、後半の部分にはあまり共感できないです。ガラケーは関係ないです。渋川:あはは。ガラケーの話をしたときに、半ば意地になってるところもあるとお話されていて、自分もそういうところがあるなと思ったんです。佐藤:でも渋川さんは、タブロイド、じゃなくて。渋川:タブレット(笑)。佐藤:そうそう、タブレットは持ってるんですよね?渋川:はい。佐藤:なので、若干リードされてるんですよねぇ。――作品の外で共通のお友達を通じて会ったりは。2人:ないですね。佐藤:共通の友人はたくさんいると思いますけどね。僕は渋川さんって、役のイメージもあって、ちょっと怖い人なのかなと思ってたんです。でも会って15秒くらいで、「あ、この人は話しやすい人だ」って思いましたね。年も近いし。ある意味、普通のおじさんという。渋川:そうですね。佐藤:今回、僕は絡む人が本当に少なくて。ほとんどが渋川さんとのシーンなんです。ぶっちゃけ2日間だけの撮影なんですが、特に1日目は渋川さんとずっと一緒で。非常に濃密なおやじふたりの楽しい時間を過ごせました。――濃密なお時間を過ごされてみて、どんな。佐藤:ちょ、ちょっと待って。おやじふたりの濃密な時間って。ちょっと違ったね。俺が表現を間違えた。渋川:ははは。佐藤:楽しい時間ね(笑)。「マメシバ」シリーズは4作あったんですけど、ひと癖ある芝二郎のことを分かっている人たちが相手だったんです。でもあたるパパは芝二郎を知りませんから。なんだこいつはってなりますよね。いきなりこんなヤツが現れて。それが新鮮でしたね。――渋川さんは佐藤さんとお芝居されていかがでしたか?渋川:いろいろと二朗さんの作品を拝見してきましたが、変なことをやってくるのかなと思ってたんです。佐藤:ははは。…どういうことですか!渋川:いや、きっとみなさんも感じると思うんです。どういうことを二朗さんがやってくるだろうと。いろんなことを仕掛けてくるだろうから、そこにどう対処していこうと思っていたら、すごく台本通りなんです。「う、うん」っていう芝二郎のキャラクターの感じも台本通り。すごく真面目な人なんだなと思って。佐藤:ちょっと、いま、良いこと言った!絶対使ってください!真面目な人で、台本通りだと!世間には勘違いしている人が多いので。渋川:しかもちゃんと計算されてやられてるんだなと思いました。佐藤:台本通りですよねっ。そこはもう本当にみなさんに伝えたい。もう一度。渋川:台本通りです。佐藤:もう満足です。この対談は僕にとって意味があった(笑)――佐藤さんは「柴公園」という作品を外からご覧になって、どういうところに面白みを感じますか?佐藤:永森裕二という人がいてですね、僕のときの「マメシバ」も、小日向さんの「犬飼さんちの犬」も、大杉漣さんの「ネコナデ」も彼が書いてるんです。渋川:全部。佐藤:全部そうなんです。中年おやじと小動物もの。いわゆる普通の動物映画とは違って、そんなにべたべたしないし、動物自身が大きな活躍をしたりとか、擬人化したり、動物が死んじゃって泣かせるとか、そういうのは一切なくて、動物は基本的にただそこにいるだけみたいな距離感が、ほかの動物映画とはちょっと違うんですよね。そこに加えて今回は会話劇ということで、またさらに違いますが、見事に今までのテイストもあって。観る人が観たらすごくぐっとくる作品だと思います。渋川:同感です。佐藤:ね。それと、佐藤二朗は、セリフを。渋川:台本通りに演じられています。佐藤:はははは!本作には、個性豊かな会話劇を繰り広げる3人のおっさんとして、渋川さんに加え、大西信満(じっちゃんパパ役)、ドロンズ石本(さちこパパ役)が出演。そのほか、ヒロイン・ポチママ役の桜井ユキ、校長先生役の山下真司、“謎の男”として水野勝も参加している。ドラマ「柴公園」は毎週木曜日23時~テレビ神奈川にて、ほか全国12局以上で放送中。映画『柴公園』は6月14日(金)より全国のイオンシネマ、シネマート新宿ほかにて公開。(cinemacafe.net)
2019年02月03日ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの共演で話題の『ルイスと不思議の時計』で、俳優の佐藤二朗がジャックの吹き替えを担当することが分かった。またそれに併せて、佐藤さんの吹き替えによる特報映像も公開となった。スティーヴン・スピルバーグが設立したアンブリン・エンターテインメント製作の本作は、“ハリー・ポッターの原点”とも言われているジョン・ベレアーズの著書を実写化した、少年と魔法使いたちのマジックファンタジー。■佐藤二朗、洋画実写版吹き替え初挑戦!佐藤さんが吹き替えを担当するジャックが本作で演じているのは、主人公の叔父・ジョナサン。彼は、両親を亡くした甥であるルイスを引き取り愛情深く育てる反面、厳しさも見せる頑固親父。ところが、実はポンコツで、情けない一面も持つ愛すべきキャラクターだ。本作で初めて洋画実写版の吹き替えに挑戦した佐藤さんは、ジョナサンとの共通点を「ポンコツというところです。僕は日本でポンコツの10人くらいに入ると思います。長くなるので全部は言いませんが、まずは寒さに弱くて暑さに弱い、非常に面倒な体質なんです。弱いものが沢山あって、静電気にも弱いです。あと嫁、お化け屋敷にも弱いし、方向音痴です」と語り、自身のポンコツぶりをアピール。そんな佐藤さんだが、自身が吹き替えを担当するジャックについては『スクール・オブ・ロック』を観て良い俳優だとの印象を持っていたそうで、「光栄だと思ってやりました」とのこと。「ジャック・ブラックさんは良い意味でふざけたイメージがありますが、今回は、おちゃらけているけど甥っ子のルイスをすごく大事にしていたりなど、真剣なジャックさんの芝居を見れたので、僕もそこは外さないように一所懸命やりました」と、ジャック同様、真剣に取り組んだようだ。■佐藤さんの吹き替えによる特報もまた今回、佐藤さん吹き替えによる特報映像も公開となった。ルイスの“声”を務める「名探偵コナン」シリーズの高山みなみのナレーションと共に佐藤さんの“声の演技”にも注目が集まる。この秋、家族、友達、恋人…誰と観ても笑顔になれる、必見のファミリームービーをお楽しみに。『ルイスと不思議の時計』は10月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ルイスと不思議の時計 2018年10月12日より全国にて公開Ⓒ2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC
2018年08月23日映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(8月17日公開)に出演する、佐藤二朗のインタビュー映像が9日、公開された。同作は、漫画家・空知英秋が『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンをとる。パラレルワールドの江戸を舞台に、宇宙からやってきた"天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く。2017年に公開された映画『銀魂』は、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した。今回は原作でも人気の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」のハイブリッド作であることが明かされた同作。菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、三浦春馬、窪田正孝、吉沢亮、勝地涼、夏菜、戸塚純貴、長澤まさみ、岡田将生、ムロツヨシ、キムラ緑子、佐藤二朗、堤真一、中村勘九郎、堂本剛と、前作から続投のキャスト、新キャストが続々と発表されている。今回公開されたのは、最初に出演が発表されながら、前作にて演じた鬼兵隊・武市変平太とは異なる役柄での出演となり、未だ役名が明らかになっていない佐藤の特別インタビュー映像。“俳優 佐藤二朗 本音を語る独占取材”と名付けられた同映像は映画撮影期間中に収録が行われた。役衣装のまま、取材に応じる佐藤は、続編制作決定に対する率直な感想や、また、佐藤の出演に関する世の中の反応についてコメント。このインタビューの続きは、テレビ東京系列にて放送を再開したアニメ『銀魂銀ノ魂篇』(毎週日曜 25:35〜)のO.A.後、全4回に分けて公開される。(C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会
2018年07月09日映画『銀魂2掟は破るためにこそある』から、この度、“大物俳優・佐藤二朗~本音を語る~”と題し、本作に出演する佐藤二朗の特別インタビュー映像が到着した。連日、様々な情報が解禁され、その度大きな話題となっている本作。今回新たに公開されたのは、前作『銀魂』で演じた鬼兵隊・武市変平太とは異なる役柄で出演することとなっているが、未だ役柄は明らかになっていない佐藤さんのインタビュー映像。この収録は、映画撮影期間中に行われたそうで、役衣装のまま、続編制作決定について「またやるのか」といった率直な感想を述べる佐藤さんの姿が映し出されている。なお、このインタビューの続きは、テレビ東京系列にて放送を再開したTVアニメ「銀魂 銀ノ魂篇」のオンエア後、全4回に分けて公開される。『銀魂2掟は破るためにこそある』は8月17日(金)より全国にて公開。TVアニメ「銀魂 銀ノ魂篇」は毎週日曜日深夜1時35分~テレビ東京系にて放送。※テレビ大阪は毎週月曜日深夜1時5分~(7月9日は深夜1時10分~)放送(cinemacafe.net)■関連作品:銀魂2掟は破るためにこそある 2018年8月17日より全国にて公開©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会
2018年07月09日取材部屋に山田孝之にムロツヨシ、そして佐藤二朗(※パンチパーマ)が入ってきただけで、その場の空気に「笑」という色が帯びる――。「勇者ヨシヒコ」シリーズなど、おなじみ福田雄一監督作において、安定の笑いをもたらしてくれる3人。もちろん、今回の映画『50回目のファーストキス』でも、映画館が爆笑の渦に包まれることは言うまでもないが、ひとつ、大きく違うのは、本作が正真正銘、感動のラブストーリーであるということ。天文学者になる夢を抱えるプレイボーイと短期記憶障害を負ったヒロインの恋に、ハンカチが必要となること請け合いなのだが、これら熱い涙のシーンに3人はどのように向き合ったのか?アダム・サンドラー&ドリュー・バリモア主演のハリウッド映画『50回目のファースト・キス』の日本版リメイクとなる本作。事故の後遺症で新しい記憶が1日でリセットされてしまう短期記憶障害を負っている瑠衣(長澤まさみ)に恋する主人公で、天文学者になる夢を抱え、ハワイで働く大輔を山田さんが演じ、その親友をムロさん、そして瑠衣を傷つけまいと事故の日と全く同じ出来事を毎日繰り返す父親を佐藤さんが演じている。――「あの福田雄一監督がラブストーリーを」、「福田雄一に泣かされる!」と話題の本作ですが、みなさんはいつもとひと味違う福田作品をどのように受け止めたんでしょうか?山田:最初に話をいただいて、オリジナル版の映画を観たら、すごく面白かったし福田さんっぽいなと思ったんですよね。福田さんに合ってるなと。どこがって聞かれるとわかんないけど、テンポとかコメディ色とかですかね?これを日本でやるなら、福田さんだろうって思えたんです。実際、脚本を読んでも日本版としてうまいなと思いました。これは面白くなるなと。ムロ:僕は、福田さんとは一緒に舞台もやってて、福田さんが実は“いい話”も書けるってことは知ってたんでね。佐藤:実はね(笑)。ムロ:だから、すんなりと入れたんですけど。まあ、まさかこのメンバーでこういうラブストーリーをやれるとは思ってなかったんで。主人公とその親友、ヒロインの父親ってポジションで…。――完成した映画を観て、特に「泣けた!」というシーンは?ムロ:まあ、本人の前では絶対に言わないけど、佐藤二朗の涙には弱いので、そこかなぁ…?佐藤:目の前にいるよ(笑)!いや、僕もムロと同じなんですけどね。以前、福田の演出で「THE 39 STEPS」という舞台に出させてもらったんです。そのとき、渡部篤郎さんを撃つシリアスなシーンで、どうしようかと思ってたら、福田に「上手まで歩いてきて」と言われたんです。そうすると渡部さんを見ないで撃つことになるんだけど、そのひと言の演出で、シリアスなシーンがグッと良くなったの。――その経験もあって、福田監督が笑いだけでなく、シリアスな作品やラブストーリーでもいい演出をするであろうことはわかっていた?佐藤:WOWOWのシリアスなドラマ(「同期」)を書いたりもしてるしね。ネタとして「福田がラブストーリー…体調でも悪いのか?」とか言ってますけど、世間で言うほど実際は意外でもなくて。今回も、テーマは結構、重いものをはらんでいるけど、不思議なほど悲壮感なく描かれているところが福田らしいなと。老若にゃんにょ…(苦笑)。ムロ:わかりますよ。大丈夫です(笑)。佐藤:老いも若きも男性も女性も楽しんでもらえるんじゃないかと(笑)。――佐藤さんのお気に入りのシーンは?佐藤:僕は孝之が勤めてる旅行会社での、同僚の勝矢と山崎紘菜と一緒の3人のシーンが好きだね。テンポがよくて面白くて。山田:ホントですか(笑)?佐藤:ホント、山崎がね。映画の中で大輔が、瑠衣を元気づけるために作るビデオがあって、それを父親も見てグッとくるシーンがあるんだけど、芝居の中でビデオを見たとき、(ほかの共演者と比べて若い)山崎はまだ委縮して、ちょっと緊張してるのかな? と思ったの。でも、完成した映画で改めて見たら、すごく良くなってて、福田に「いい演出だね」ってメールしたもん。――福田監督によるラブストーリー自体に3人とも意外性は感じなかったようですが、実際の現場でもいつもとの違いや変化はなかったんですか?ムロ:僕はそんなに感じなかったけど…ただ、みなさんがよく想像するであろういつもの作品と比べて、コメディしなくていいシーンが多かったのは事実ですね。みなさん、お気づきかとは思いますが、僕らももちろん“役者”ですから…(笑)。山田:そうですね(笑)佐藤:あははは。うん、そこちゃんと言っとこうな(笑)!――決してコメディアンや芸人ではなく…。ムロ:役者です! そこで役者に集中できる時間がいつもよりは長かったです。いつもは、そういう時間に加えて「このシーン、成立させてくれるよね?」「何かちょっと足してくれるよね?」という無言の圧力との戦いがあるから(笑)。――恋と夢とどちらを選ぶべきか悩む大輔との2人の砂浜でのシーンも感動的です。ムロ:山田孝之とそういうシーンをやることはもうないのかな? とあきらめかけていた頃に巡ってきたんでね(笑)。肩の力を入れずに、ずっとやりたいと思っていたことがやれるんだなぁって。山田:楽しかったですね。もちろん大輔は悩んでるし、決断しなきゃいけないシーンなんだけど、真剣にやればやるほど「え?ムロさんと何やってるんだろう?」「ハワイのこんないいロケーションで、なんで泣きそうになってんだ?」って(笑)。佐藤:僕も、これは決して楽をしようと思って言うんじゃないけど(笑)、ムロが言ったのと全く同じです。ムロの発言を僕の意見として書いてほしい(笑)。いつも「なんか面白いことやってくれよ」という無言の圧力を感じてるのも同じ。だから今回、肩の力を抜いて、孝之や長澤と芝居ができるのは嬉しかったね。いつもは雲の上から孝之を見てたけど(※「ヨシヒコ」シリーズの仏)、やっと孝之と同じ目線で芝居ができると(笑)。――瑠衣を傷つけまいと、事故の日の新聞とニュース映像を用意し、毎日、同じ1日を繰り返そうとする父親の姿に涙する観客も多いかと思います。佐藤:すごくつらい境遇にいる娘を持った父親なので、そこは土台としてしっかりと持っていようと思っていました。そこに大輔が現れて「なんだこいつ?」って感じなんだけど、おそらくはそういう状況にいる父親って、誰かに助けてほしいという、藁(わら)をもすがる想いを抱いてると思うんですよ。その藁がこいつなのかも?と思い、頼りつつも、でもこいつはいずれハワイを出て行くんじゃないか? という思いもあって。そういう感情の変化を計算しつつの芝居を孝之とやれたというのは、この映画での一番の収穫というか、すごく嬉しいことでしたね。ムロ:(瑠衣の弟役の)太賀の存在が大きかったですよね。佐藤:そうなの。大きかったね。ムロ:太賀がいることで、この苦しい状況を笑いにしていいんだなって。「ボケ」と「ツッコミ」という言い方はあまりしたくないんだけど、僕らって実はボケ側の人間じゃないんですよ。どっちかというと受け身で「それ違うだろ」と言う側。太賀がいたことで、お父さんのいい部分がすごく出てたし。佐藤:太賀がいてよかったのは、まず僕自身にとって、同じシーンにいるときに彼が笑いを担ってくれたから、力を抜いて芝居に集中できたってこと。もうひとつ、物語にとってもそうで、全体として結構、悲惨なお話ですけど、そんな状況でも人は毎日、飯を食うし笑うし、そんな悲壮になってばかりいられないんです。彼の存在でそれが観客にも伝わるんだよね。ムロ:あのシーン、良かったね!車で病院に向かうところ!――自身の障害を知らされた瑠衣と父親、弟、大輔が、瑠衣が治療を受けていた病院に向かう車中のやり取りですね?ムロ:あのシーン、シリアスなはずが途中からコメディになっていくの。あれが福田さんの凄さですね。普通ならあそこはずっとシリアスなままでしょ。あそこにコメディ要素を入れるって、いま、他の監督にはない部分だなと思いますね。――山田さんは、いつもの福田組との違いは現場で感じられましたか?山田:いや僕自身、普段からこの監督だからこういうストーリーで…というスタンスがあるわけでもないので、あんまり「福田さんだから」とか関係ないんですけどね。まあとはいえ、ふとした瞬間に「なんで福田組で…」という思いはよぎるんですけど(笑)。佐藤:ふとした瞬間にな(笑)。山田:なんで福田さんとこんな真剣な話をしてるんだ? と(笑)。――久々のラブストーリーという点に関してはいかがでしたか?山田:楽しかったですね。正直、不安もすごくあったんですよ。10年近くやってなかったので、24~25歳の時と34~35歳じゃ感覚は全然違うし、あの当時みたいに素直に目の前の状況に笑ったり、泣いたりできるのかな?って。でもやってみたら、逆にいまのほうが素直にできましたね。無駄にあれこれ考えず、「見え方」とかを気にせずに自然とできたなと思います。――ここまでも十分に語っていただきましたが、改めて福田監督の凄さ、福田作品の魅力についてお聞かせください。ムロ:改めて言うと…(真剣なまなざしで佐藤さんのほうを向き直り)ふざけた“フリ”をできる人、普通のことをするのが実は難しいと知ってる人は、どうやったら普通のことをできるのか?とすごく考えてると思うんですよね。普通の状況がないと、逸脱した面白さって作れないんです。それは、福田さんもそうだし、僕の大好きな佐藤二朗という役者にも言えることだと思います。「普通」ということができるってことは、「ふざけたこと」をできるということ。そのバランスを福田雄一と佐藤二朗は持ってるんじゃないかと。佐藤:(こらえきれず)うはははは(笑)!ムロ:すごいでしょ?いまのやりとりの面白さ、文章にしたら絶対に伝わらないでしょ?佐藤:これ伝わらないよ(笑)。どういう顔でムロが言ってたのか…文章だけで読むとめっちゃ気持ち悪いわっ!ムロ:僕は面白いこととして言ったけど、文章で読んだらクソ真面目ですからね。山田:もったいないな。「ボクらの時代」であってほしかった…。ムロ:いや、「冗談」と言いつつ、それはホントです。普通ができることの難しさを知ってるんですよね。――山田さんは?山田:やっぱり笑いですよね。ジャンルで言うところのコメディとかそういうのはわかんないけど、笑いって全ての要素が詰まっていて、そうじゃないとできないと思うので。これだけずっと笑いをやり続け、求められるって、それだけですごいことだと思います。佐藤:僕の意見は、ムロと全く同じなので(笑)、インタビューの「ムロ」というのをそのまま「佐藤」にしてもらえたら大丈夫(笑)。(text:Naoki Kurozu/photo:EMI)■関連作品:50回目のファーストキス 2018年6月1日より全国にて公開© 2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
2018年05月29日俳優の小栗旬が主演を務める映画『銀魂2(仮)』(8月17日公開)に出演する、佐藤二朗のキャラクタービジュアルが11日、公開された。同作は、漫画家・空知英秋が『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンをとる。パラレルワールドの江戸を舞台に、宇宙からやってきた"天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く。2017年に公開された映画『銀魂』は、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した。現在、銀時を演じる小栗、役柄不明の佐藤、志村新八役の菅田将暉、神楽役の橋本環奈の出演が発表されている。銀時・新八・神楽の万事屋3人が『銀魂2(仮)』にちなみ、ピースポーズをとったポスタービジュアルも解禁された。佐藤は続投ながら、前作で演じた“武市変平太”とは異なる役柄で出演することで話題に。役柄に関しての情報開示は行われず、未だ謎のベールに包まれたまま、今回キャラクタービジュアルが公開された。ビジュアルで佐藤は、『ラストサムライ』の渡辺謙や『47RONIN』の真田広之を彷彿とさせる"大御所間"溢れた姿に。有名ギャング映画のポスターのような気迫すら感じさせる佐藤だが、一体何の役を演じたのかは、今後明らかになっていく。(C)空知英秋/集英社(C)2018映画「銀魂2(仮)」製作委員会
2018年05月11日5月9日、俳優の佐藤二朗(49)がTwitterを更新。俳優の上川隆也(53)と誕生日、血液型も一緒であることを明かし、反響を読んでいる。 佐藤は「母さん。誕生日も血液型もこの方と一緒です」とツイート。そして「母さん。綺麗なお顔立ちの横にハンペン見えますか?それ僕です」というコメントとともに、同じ誕生日の上川とのツーショットをアップ。 写真には、現在テレビ東京系ドラマ『執事西園寺の名推理』で共演中の上川と一緒に、撮影現場でスタッフから2人の似顔絵が描かれたお誕生日ケーキで祝われている2人の姿もおさめられている。 さらに佐藤は「母さん、星座占いと血液型占いって何でしょう」と占いに対する疑問を投げかけた。佐藤と上川はともに5月7日産まれのA型である。 これに対しファンは「私もお二方と、誕生日も血液型も一緒です。本当に、星占いも血液型占いも当てになりません」「二朗さん、分かります。 ねー。誕生日一緒なのに、 見た目とかね、ありますよね。 私も、占いなんて! ってなっております」と占いに対してのコメントや、佐藤が自身をはんぺんと称したことから、「はんぺん大好きです!」「おでんの具でハンペン、1番好きですよ」とはんぺんに対するコメントも相次いている。
2018年05月09日映画やドラマばかりでなく、バラエティ番組や情報番組などで幅広い活躍をみせる俳優・佐藤二朗。その圧倒的な個性は、どんな短時間の出演でも強いインパクトを残すほどだが、4月からスタートするテレビドラマ「やれたかも委員会」(MBS:4/22~、TBS:4/24~)では、これまでの演技スタイルとは違う役柄に挑んでいる。本作について佐藤さんは「こういう役もありがたい」と語ったが、その真意はどこにあるのだろうか――。■いつもの佐藤さんのコミカルさを徹底排除佐藤さん演じる「やれたかも委員会」主宰者であり弧星塾塾長・能島譲は、相談者が語る異性との忘れがたき(でも、結局はやれなかった)エピソードに耳を傾け、「やれた」「やれたとは言えない」どちらかの札を上げる判定に命がけでのぞむ男だ。この設定のキャラクターを佐藤さんが演じると聞いたとき、数々の作品で強いインパクトを与えているコミカルな演技を想像した人は多かったのではないだろうか。佐藤さん自身も「こういったバカバカしい設定で僕が演じるとなると、笑える芝居を期待する人は多いんじゃないかな」と想定していたという。しかし、劇中ではこうしたコミカルな芝居はいっさい封印しているという。「山口(雅俊)監督も、今回は僕のコミカルな芝居は求めていないという話でした。あくまで、能島は相談者に対して真剣に寄り添い、大げさな言い方かもしれませんが、命をかけて判定を下す。ほかの邪念はいっさい排除しました」。確かに、バカバカしいことを真剣に、一生懸命行う姿がおかしみとして、笑いを巻き起こすこともあるが「そういったことを考えてしまうと、どうしても自分のなかで笑いの虫がうずいてしまい、いつものようなコミカルな演技になってしまうと思ったので、頭のなかから消しました」と徹底してコミカルな演技を排除したという。■俳優人生を振り返る!こうした演出に対して「ありがたいことです」としみじみと語った佐藤さん。その真意を問うと、自身の俳優活動をゆっくりと振り返り始める。俳優を始めたてのころは「課長1」や「刑事1」という名前のない役が多かったという佐藤さんは、俳優だけで食べていくためには、「尖った芝居」をする必要があったという。そこで「手垢のついた方ですが、短い出番のなかで“つめ跡”を残す必要があった」と佐藤さんの代名詞とも言える瞬発力抜群の演技を行うようになっていった。そして破壊力のあるコミカルな演技は、多くの人の印象に残り、短い出番でも癖のある役が佐藤さんに集まっていった。一方で「滞空時間が長くて、しっかりと演出家の意図に沿った芝居もできるぞ」という思いは常に持っていたという。だからこそ、本作で山口監督が、しっかりしたビジョンのもと、コミカルな演技を排除し、ストレートな芝居を佐藤さんに求めたことが「ありがたかった」というのだ。「もちろん『お任せしますので二朗さんの好きにやってください』と言われることも、ものすごく光栄だし楽しいことなんですよ」と佐藤さんは語るが「やっぱり俳優って欲張りなので、なんでもやりたいというか『できるぞ』って思われたいんでしょうね。これまで自由な芝居を存分にやらせてもらっているからこそ、こう思うのかもしれませんが…」と照れ笑いを浮かべる。■自分のことよりも作品のためになにができるかを考えた方が楽しい!さらに、こうした思いに至った理由には、俳優としてのある心境の変化も大きく起因しているという。「好感度を上げようと思っているわけでは全然なく(笑)、いまは自分のために芝居をするよりも、作品のためになにができるかと考える方が楽しいんです」。本作でも「疲れて油断すると、いつもの“面白いことをしよう”という虫が出てしまうことがあるのですが、そこを山口監督がしっかり軌道修正してくれる。仮に、いつものような演技をしたら、その部分だけは笑いが起こるかもしれませんが、作品全体を見れば、相談者に真剣に寄り添う能島であるべきだし、そう考えて演じていると楽しいんです」と“個よりも作品”という考え方が強かったという。ただ“とにかくつめ跡を残したい”と思っていた若い時代でも、佐藤さんには、絶対に守るべきことがあった。「どんなに目立つような芝居をしても、その行為が、作品としてクオリティを下げるものではいけないという思いは常に持っていました。しっかりと芝居の色合いやシーンの意味を理解し、なにがいいのかは最低限考えていました。まあ、そうじゃなければ評価はされないでしょうし、どこからも声はかからないですからね」と作品への愛は、俳優を始めたときから変わっていないようだ。「両手両足を縛られるような感じだった」と本作で山口監督から受けた演出を表現した佐藤さん。そんな佐藤さんが魂を込めた、とにかく真面目で真剣、そして命がけで「やれた」という札を出す能島をぜひ堪能してもらいたい。(text/photo:Masakazu Isobe)
2018年04月23日俳優の佐藤二朗(48)が自身のツイッターに投稿した“人としてのあり方”が素敵だと話題を呼んでいる。現在、ツイートには20万件を超える「いいね!」が押されている。 佐藤は3月11日に自身のツイッターを更新。「一流大学?勿論入れた方がいい。一流企業?勿論入れた方がいい。ただ息子よ。父いま酔ってる。酔ってるが言いたい」と息子に向けた言葉を切り出した。 つづけて「人の不幸をちゃんと悲しむ。人の幸せをちゃんと喜ぶ。そっちの方が、遥かに、遥かに尊い」と人としてのあり方をつづった。佐藤は「綺麗事か。綺麗事かもしれんが、酔ってる父は、わりと、それを断言したい」と強く語りかけた。 同ツイートは瞬く間に拡散され、4万6,000件以上のリツイートと、20万件以上のいいね!を記録。ファンからは「二朗さんのような父を持った息子さんは幸せですね」「素敵です!」「本当にそうだと思う」と共感するコメントが寄せられている。
2018年03月13日『「ポセイドンの牙」Version蛤』が10月13日(金)に開幕する。本作に出演する岡田達也と愛原実花、脚本・演出を手掛ける伊藤靖朗に話を聞いた。舞台『「ポセイドンの牙」Version蛤』チケット情報本作は、昨年6月に初演された「ポセイドンの牙」の2017年版。海と魚介類と女子が大好きな男子高校生5人組・スイサンズが、財政難に陥った高校を男子校にしないために伝説の“黄金の釣り針”を探しに海に行き……という物語で、エンターテインメント作品でありながら現代社会への痛烈な寓話劇となっている。初参加の岡田は本作について「表面的には笑いが散りばめられてるのですが、根底には、人間が生んだ文明に対する人間の冒涜だったり、人は生まれる時代も選べないし場所も選べないというテーマを僕は感じて。それを決して重くなく、楽しいシーンを交えながらも、じっと考えさせられる脚本です」と語る。少年たちの冒険譚と共に今の社会問題を深く描く本作。1年4か月ぶりという短めのスパンでの再演となるが、2017年版での変化について伊藤は「戦争と人間の業みたいなものを、2016年から2017年、そしてこの夏は殊更に強く感じるようになって。それに僕自身も打ちのめされるのですが、その一方で、負けてる場合じゃないよとも思うわけで。そういったことを男子たちの駆け抜ける姿に乗せたいですし、この作品をこのキャストでつくるというこの行為そのものにも気合いを込めたいです。より一層物事が迫ってきていることを体感できる作品になればと思っています」。そんな今作の稽古を愛原は「再演ってどうしても『初演のときは……』となると思うんですけど、伊藤さんはそうならず、全く新しい作品をつくろうとされているのを感じます。だからなのか、続投キャストと新キャストが両方いる稽古場でも最初から溶け込みやすかった。稽古がすごく楽しいです」。ポセイドン役の岡田と、英語教師役の愛原。岡田は「(ポセイドンは)トリックスター的な存在ですし破天荒な役なので、スイサンズに多大な迷惑と影響を与えられるといいなと今は思っています」、愛原も「スイサンズの子たちの成長に自分がどういう風に関われるか。役柄としても、彼らを俯瞰で見る立ち位置なので。そこを大事に、冷静にやっていきたいです」と、若手とは違う視点で本作に臨んでおり、伊藤も「立ちはだかるおふたりに若者たちがぶつかる、そのダイナミズムをお客様に味わっていただきたい」と語る。「この先を生きていく元気と活力を味わって持って帰っていただけたら」(伊藤)という本作は10月13日(金)から21日(土)まで、東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2017年10月10日舞台芸術集団 地下空港を主宰する伊藤靖朗の脚本・演出で、2016年6月に発表された『ポセイドンの牙』。今秋、タイトル末尾に「Version蛤」と冠された新バージョンが上演されるにあたり、キャストの小早川俊輔、小松準弥、森田桐矢、および伊藤の4人が作品について語った。【チケット情報はこちら】本作は、中津県乙亀市の水産高校に通う男子高校生グループ・スイサンズの面々が、海底に眠る“黄金の釣針”をめぐって海の神々や深海の生物と戦う冒険譚。スイサンズのリーダー格・須永宇宙期(前田航基)、信仰とエロの間で煩悶するクリスチャン・道井磨多井(原嶋元久)、貝殻オタクの葛先賢人(小早川)、エロで頭がいっぱいの生方英(小松)、母親が外国人で視点がユニークな萩原安打尊(森田)の5人は、通学する高校が防衛人材育成の男子校に変わるのを全力で阻止しようとするが……。衣装の制服姿で撮影に臨んだ3人は、いずれも再演からの参加。自身の演じるキャラクターについて紹介を求めると、貝殻オタクを演じる小早川は「とにかく貝と触れ合って役をつかみます!」と抱負を述べた。小松もエロで頭がいっぱいな役どころを目の当たりにして「思春期の自分に戻って、とにかく“エロ”に生きます!」と勢いよく続き、森田は「“おバカ筆頭”キャラということで、現場を盛り上げられるようなムードメーカー的な存在になれたら」とほほ笑んだ。初演では男子高校生の軽妙な会話をバックに、戦争や環境問題に対する痛烈なメッセージが浮き彫りになった。再演の狙いを尋ねると、伊藤は「2016年の内容を、より鮮烈に世間にぶつける必要性があると感じた」とひと言。根底にあるのは、戦争へのステップを踏み、先鋭化する日本や世界情勢を嘆く思い。「劇中では、戦争をもう一度やり直そうとする者たちにスイサンズの少年たちが立ち向かう。打ち勝つためには彼らの若いパワー、止められない勢いが必要なんです」とキャラクターに込めた思いを打ち明け、3人に期待を寄せた。伊藤の話を聞いていた3人は、揃って「気が引き締まりました!」と背筋を伸ばす。貝オタクの役を担う小早川は「貝について、『美味しい』以外の特別な感情を持ったことがないのですが、貝を愛していきつつ、殻に閉じこもることなく、皆さんとたくさんコミュニケーションをとっていきたい」、小松は「スイサンズの5人はさまざまな葛藤を抱えながらも、とにかくエネルギッシュ。男子高校生ならではのエネルギーや仲間を思う気持ちを、みんなで心をひとつにして演じていきたい」とそれぞれ意気込み、森田は「作品の背景となる部分をもっと考えていきたいと思いました。何も知らないで演じるより深い演技ができそうです」と頼もしい一面を覗かせた。公演は、10月13日(金)から21日(土)まで、東京・紀伊國屋ホールにて。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2017年09月13日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志との確執を告白し、騒動となった格闘家の角田信朗のブログ「ウェルエイジング日記」が26日、リニューアルされた。この日、メッセージとして「リニューアルに伴い、メッセージ・コメントは当ブログでは受け付けておりませんので、ご了承下さい」と発表。「本人宛のメッセージがある場合は下記のアドレスまでお送りください」とメールアドレスを記し、「今後とも宜しくお願い致します。スタッフ一同」としている。角田は16日に更新したブログで、過去にダウンタウンの番組でゲームのレフェリーのオファーを受けるも、K-1のミスジャッジ騒動の渦中だったため出演を辞退。そのことで松本を怒らせてしまい、それ以降、ダウンタウンの番組に全く呼ばれなくなってしまったと告白した。この発言に対し、松本は22日のフジテレビ系『ワイドナショー』で、収録の2日前に角田サイドがドタキャンし、代役が見つからなかったためにその日の収録が中止になったと明かし、「8年経ってブログでというのもルール違反」と苦言。その後、角田は23日にブログで「私の認識が甘く、松本氏を始め、お仕事に携わられた多数の方々にご迷惑をおかけ致しましたこと、誠に申し訳ありません」「恥じるべき自己中心的な行動だったと猛省しております」などと謝罪した。
2017年01月27日格闘家の角田信朗が23日、自身のブログを更新。お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志との確執を告白したことについて謝罪した。角田は「この度は、私自身の思慮に欠ける突然の発信で、松本人志氏、そして関係各位の皆様に、大変不愉快な思いをさせてしまった事を、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「8年前に松本氏から最初に頂いたお仕事のオファーを一旦受けたにも関わらず、事務所を通じて私からお断りした事は事実です。それが収録直前であった事も当時の記録で判明しております」とし、「私の認識が甘く、松本氏を始め、お仕事に携わられた多数の方々にご迷惑をおかけ致しましたこと、誠に申し訳ありません」と記した。そして、「信義則違反をしておきながら、その事実を省みずに一方的に、ブログ記事中で、こちら側が被害にあったかのような表現をしてしまった事は、全くもって私の不徳の致すところです」と続け、「また、私の中でくすぶっていたからと言って、8年も経ってからブログの記事という手段で一方的に伝達したことについては、今更ながら、恥じるべき自己中心的な行動だったと猛省しております」とつづった。さらに、「この度も、性懲りも無く、このような騒動を起こしてしまった事は、慚愧に堪えません。特に松本氏に対しては、私と松本氏の個人間の話では到底無かった事柄だったにもかかわらず、名指しでブログ記事に書くという軽率な行為を行ってしまい、弁明の余地もありません」と角田。「一連の騒動を反省し、まずはこのような形でお伝えさせて頂きました。改めまして心よりお詫び申し上げます」と反省の言葉を重ねた。角田は16日に更新したブログで、ダウンタウンの番組への出演を断ったところ松本を怒らせてしまい、それ以降、ダウンタウンの番組に全く呼ばれなくなってしまったと告白し、関係修復を懇願。この発言に対し、松本は22日のフジテレビ系『ワイドナショー』で、収録の2日前に角田サイドがドタキャンし、代役が見つからなかったためにその日の収録が中止になったと明かし、「8年経ってブログでというのもルール違反じゃないか」と苦言を呈していた。
2017年01月23日歌手の和田アキ子が21日、ニッポン放送のラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(毎週土曜11:00~13:00)に生出演し、角田信朗が原因で『ダウンタウンDX』の収録が中止になったとする話を否定した。角田は今月に入って自身のブログで、ダウンタウン・松本人志と確執があることを告白。10年前に『ダウンタウンDX』(読売テレビ・日本テレビ系)から出演オファーがあったものの、マネージャーから「松本さんが台本を見て角田の名前を見つけた途端に収録は中止や!!ということになった…」と聞かされたと明かしていた。しかし、この収録に参加したという和田は、中止になったということを明確に否定。和田は「マネージャーがおせんべいかおまんじゅうを持ってきて、『すいません、今日は角田が出る予定だったんですけど、都合で出られなくなってので、くれぐれもよろしくお伝えください』って言われた。でも番組は中止になっていません」と説明した。その後、和田は角田の弟子に空手を習っていたこともあり、角田に「どしたん?」と聞いたところ、「よく分からんのですけど、(K-1の)ミスジャッジの件からNGになったみたいで…」と言われたそう。ただ、和田は、それぞれに事情があるとして「松本アカンで、という話でもない」と伝えたそうだ。だが、それから年月がたって、角田がこの件を告白したことに、和田は「『は? どしたの? 今?』っていう感じです」と戸惑いを隠せない様子だった。和田は、27日に放送されるフジテレビ系バラエティ番組『ダウンタウンなう』(毎週金曜21:55~)で、「本音でハシゴ酒」企画にゲスト出演。この中で、ダウンタウン、坂上忍とともに「共演NGは誰か」という話題になっったそうだが、「(OAで)使われるかどうか分からない」とした。
2017年01月21日格闘家の角田信朗が17日、自身のブログを更新し、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志との確執を告白したことについて、売名行為ではないと主張した。「波紋」というタイトルで更新した角田は、「ボクが投げ掛けたメッセージは思わぬ波紋を呼び…」と書き出し、「瞬く間に各ネットニュースがこれを取り上げ遂にはフジテレビの『みんなのニュース』が電話インタビューを依頼してきてそれが今日の生放送で流れるという事態に発展してしまいました」と伝えた。その上で、「よく"炎上商法"みたいな言われ方で売名行為だと叩かれるタレントさんがいますが憚りながらこの角田信朗今さら売名行為に走らなくてもそれなりに足跡は残してきてますので(笑)」と売名を否定。スポンサーの名前などを挙げて「一時期の様なバブリーな勢いは無くてもちゃんと人生を全うしていますから下世話なアクションを起こす必要はさらさら無いのです」と説明した。そして、「ボクは"松本人志"というこの世界の達人に何か言いたいのではなくて元から何の因縁もなかったボクと松ちゃんの関係がこうなった裏に不都合な真実の裏で自らの保身の為にこそこそしていつまでたっても関係修復に尽力しない連中がいたとしたらそいつらを燻し出してやろう…とまぁ、そこまで言いませんが(笑)ただただこうなってしまった事が残念なだけで」と、約8年前の"事件"で生まれた確執を告白した思いをつづった。続けて、「そんな事をわざわざほじくり返したら業界からは疎ましがられて売名どころか敬遠され居場所がなくなるかも知れませんだから長いものには巻かれて寄らば大樹の陰そんな生き方をボクが望むと思いますか?(笑)」とコメント。さらに、自身の生き方を記し、「ボクが投げ掛けた波紋を関係各所がどう受け止めどう動くかはわかりませんがボクは"流水"つまり水の低きに流れるが如く自然体で振る舞うだけです」と締めくくった。
2017年01月18日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志との確執を告白した格闘家の角田信朗が17日、再びブログを更新し、確執の原因を推測した。角田は16日のブログで、「ある事件」をきっかけにダウンタウンの番組に全く呼ばれなくなったと告白していたが、「続 松ちゃんに伝えたいこと」というタイトルで再びこの件について言及。「ダウンタウンの松ちゃんとのちょっとしたボタンの掛け違いのお話をしましたがアクセス数が急上昇してそれなりに反響があったのだなと思います」と書き出し、「いつか松ちゃんの元に想いが届くといいのですが」と期待した。また、「携帯にあの時僕の相談に乗ってくれた芸人さんからのメールが今も大切に保存されている事を思い出しました」と文面を紹介。2009年3月3日に送られてきたというメールは、「了解いたしました!!いろんな人を介して気持ちが間違って伝わりしこりを残すというのがありがちな世界です。そういうのが一番つまらないですね。ですので、角田さんの誠意伝わるよう努力いたします。ご安心ください!!なにか変わったことありましたら連絡しますので。ご丁寧にありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します」という内容だった。角田は「ボク自身が誤解を解くために取るべきだった行動取れた行動は他にもたくさんあったかも知れません」としながらも、「ボクはこのメールの言葉に全てを託した事も間違いであったとは思っていません」ときっぱり。「正しく伝わる事も間違って伝わることも含めてそれもご縁なのです」とした。そして、この芸人が数日後に携帯番号もメールアドレスも変えて連絡が取れなくなったこと、収録現場のスタッフが角田の直談判の申し出を頑なに拒んだことから、「当人同士の図り知らないところで何かの因子が働いてボタンの掛け違いはより複雑になったのだろうなぁ」と推測。「どこの世界にも不都合な真実は存在するのですそれが世の中の仕組みなのです」とつづった。
2017年01月17日格闘家の角田信朗が16日、自身のブログを更新。お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志との確執を告白し、真実が本人に伝わって関係修復につながることを願った。角田は「ダウンタウン松ちゃんに伝えたいこと」というタイトルで更新。かつては日本テレビ系『ダウンタウンDX』や、浜田雅功が司会を務めるフジテレビ系『ジャンクSPORTS』に頻繁に出演していたことを説明した上で、「ある事件をきっかけにボクはダウンタウンの番組に全く呼ばれなくなってしまったのです」と告白した。事の発端は、あるダウンタウンの人気番組の制作から「芸人対抗・叩いて被ってジャンケンポン選手権」のレフェリーをやってほしいと出演オファーがあったこと。角田は喜んだが、「当時K-1はジャッジやレフェリングに様々な問題提起が為され物議を醸していた時期でしたミスジャッジの存在やそれこそ武田幸三引退試合のボクのレフェリング然り世界に広がる競技を統括する最高責任者のボクが果たしてそんな状況下でバラエティー番組に出て『叩いて被ってジャンケンポン』のレフェリーを務める事が格闘技ファンから許容されるだろうか」とジレンマがあったという。そして、K-1のイベントサイドからも自粛してほしいと言われたため、泣く泣く経緯を説明してレフェリーは断った角田。その際、「レフェリーが無理でも解説として実況席に座るとか何か別の形で松ちゃんからのお申し出に応える事は出来ませんか?」と提案したというが、結局出演はなくなり、ショックを受けたという。それから1年後、『ダウンタウンDX』から久しぶりに出演依頼があり、久々のダウンタウンとの共演、そして、松本に直接当時のお詫びができるチャンスがきたと喜ぶも、収録当日に中止に。マネージャーから「松本さんが台本を見て角田の名前を見つけた途端に収録は中止や!!ということになった…」と理由を聞かされた角田は、「もうとっくに丸く治まったことだと思っていただけにまさに青天の霹靂でした」と当時の心境を明かした。それから約10年が経過。角田は「松ちゃんの提案にボクの出演を安請け負いして名乗り出た担当者がまさかのNGの回答に松ちゃんに対する自分の体面を保つ理由を作るには他人(角田)を悪者にするしかなかったのではないか?」と推測しているそうで、「ボクは今でもダウンタウンが大好きで番組は欠かさず観て笑うたびに一抹の寂しさも痛感しています」と思いをつづった。さらに、「あの時強引にでも松ちゃんの控え室に乗り込んでいって直接経緯を説明すれば絶対にこんなふうにはなっていなかったろうという想いは強いです」と打ち明け、「このブログに書くことでこの真実が回り回って松ちゃんのもとに届くことを祈っています」と関係修復を願った。
2017年01月16日●ニュースに取り上げられるのはありがたい映画・ドラマに欠かせない個性派俳優・佐藤二朗。出演作品はとにかく多数だが、現在はTBS系ドラマ『神の舌を持つ男』(毎週金曜22:00~)に出演、10月からはテレビ東京系ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの最新作『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の放送を控えている。そんな佐藤だが、実は「Twitterが面白い」と評判を呼び、フォロワー数は現在19万人。ついには面白いツイートを集めた『佐藤二朗なう』(AMGブックス/税込1058円)という著書が発売された。俳優とインターネット、そしてSNSについて、佐藤二朗流の関わり方を探る。○文を書くことに興味があった――実際に発売された本を手にとっていかがでしょうか。いやね、本当にこれ、ダメ人間役者の酔っ払って書いたものが本になるって(笑)。――そんなことは……! そもそもどうしてTwitterを始められたんでしょうか?最初は、100%宣伝目的でした。もともとは僕個人がやっている演劇ユニット「ちからわざ」のアカウントで、舞台の時だけ稼働していたんですけど、舞台そのものが数年ごとなので、公演が終わったら放置状態になっていました。2014年ごろ、映画『幼獣マメシバ』プロデューサーに宣伝のためにTiwtterを勧められて、放置していたアカウントを引き継いで、個人Twitterにしました。――そこから、今のように色々と書くようになられたんですね。振り返れば細々と舞台の戯曲やドラマの脚本も書いていて、やっぱり文を書くということに、興味があったんですね。最初は宣伝目的で始めたんだけど、公の目に触れるものなのでサービス精神が働くし、毎回毎回、それなりに真剣に書くじゃないですか。「今日のランチはこれだよん」みたいなかわいいツイートを僕がやっても誰も喜ばないし(笑)。で、写真ではなく文重視で書いていたら、いろいろニュースにも取り上げられるようになり、フォロワーも増えていきました。僕も家族ネタは書いてますけど、やはり「俳優は、プライベートを秘する方がカッコイイ」という思いは今でもあるんです。でも、それより"書くこと"への興味の方が勝っちゃいましたね。○おもてなしの気持ちで――マイナビニュースでもTwitterやブログの内容を記事にさせていただくとかなり読者の反応がよかったりするのですが、ぶっちゃけそういう記事は、取り上げられる側からしたらどのようなお気持ちですか……?「ぶっちゃけ」とおっしゃったってことは、「他人のふんどしで勝負をしてけしからん」的にこちらが思うことを危惧していますよね(笑)。でも、僕は「おもてなし」するつもりで書いているので、取り上げていただき素直に嬉しいです。ただ記事によって「よく見てくれてるな~」というものもあれば、「ちょっと違うな~」というものもありますよね。――逆に、記事を書く方も見られてるぞ、ということですね。当然当然。でも、いずれにしても記事にしてくれる人って「僕のこと好きなんだな」とは思いますね。また僕は割と長い間、名前と顔が一致しない俳優で、街でも「よく出る脇役の人」と声をかけられることが多かったんです。それはそれで嬉しかったんですが、最近は「佐藤さん」と声をかけられるようになり、記事にも「俳優の佐藤二朗さん(47)」と書かれて、「わかってくれるんだ」と感慨深いものはあります。そういえば先日は、雑誌に記事が。高円寺のカフェでセリフを覚えてたんですが「佐藤二朗が昼下がりに、奇声を発していた」と書かれているんですけど、もちろんそんな声出さないし僕は!(笑) セリフを覚えてるのは事実ですけど、それはちょっと驚きましたね。●「公に発信する」ことは常に意識○毛嫌いはしていられない現代――佐藤さんのツイートは、一文一文完成された、短文エッセイのような印象がありますよね。やっててよかったと思うのはどのような点でしょうか。昔の俳優さんは銀幕でしか見れなかったり、プライベートも破天荒だったりしますが、それは昔だからよかったんですよね。これだけネット社会になっている時代に俳優として生きているので、ネットを利用してみるのもありかなとは思いました。僕はガラケーですし、アナログ人間なんですけど、毛嫌いするより「この時代に生きてるから、関わってみようかな」と。日記的な意味合いもありますが、常に公に出ることを意識して書いてはいます。Twitterって、ものすごい面白い文を書くと、一般の人でもすごくフォロワーがついたりしますよね。俳優は芝居の良し悪しは数値に現れません。Twitterのように、純粋に面白い文があればフォロワーが伸びていくというのは素晴らしいことじゃないかなと思います。――周りの俳優さん、共演される方から「見ましたよ」と言われることもよくあるんですか?今『神の舌を持つ男』で一緒の向井理くんは、この本のことをかなり気にかけてくれています(笑)。他には、六平直政さんのことを書いたら、六平さんが出演する舞台『ビニールの城』の稽古場で話題になっていたらしくて、六平さんから「お前のツイッターすごいね、みんな見てるんだね!」と言われました。――かなり話題になっているんですね。今回は、脚本家・演出家の福田雄一さんが文章を寄せてくれていますが、こちらについてはいかがでしょうか。僕が頼んだんですが「こんなテイストで書くだろうな」と思った通りのテイストです。「こんな本買わんで良しみたいに書き始めて、最終的には少し褒める」みたいな感じなんだろうなと思ったら、その通りでした。そのあと「大丈夫だったかなあれで……」とメールが来るのも想定内です(笑)。もう全部僕の手のひらです。○1つだけ酔っ払っていないツイートも――お酒を飲んで書かれたツイートも人気ですが、お酒はお家で嗜まれているというのも驚きでした。やっぱり一番うちがリラックスしていますし、本当にベロベロになってしまったら書けないですからね。実は1回だけ、全くの素面で、ベロベロに酔っ払ってるふりをしてみたツイートがあるんです。――そうなんですか!!「みんな聞いて!"スクショ"ってスクリーンショットの略じゃないよ!学校(スクール)で小便漏らすことだよ!」というツイートなんですが……友達から「さすがにあれだけ酔っ払ってツイートしちゃまずいでしょ」と言われたから、「あれは実は素面なんだよ」と(笑)。夢を壊して申し訳ないですが(笑)。でもそれ以外は本当に酔っ払ってます!――酔っ払って、ますますおもてなしの気持ちが大きくなったりとか。するのかもしれません。でもやっぱり文の精度は落ちますよね。○誹謗中傷は絶対に書かない――何か普段から書くときに気をつけていることなどはありますか?ネガティブなことは書かないようにしているんです。自分が悔しいから頑張る、とかは書きますけど、他人の誹謗中傷をしないのはもちろんのこと、社会批評などもやりません。そういう言葉を発信する方がいてもいいと思うんですけど、僕にとってTwitterはそういうこと以外の表現で勝負したい場なんです。――内輪の繋がりではなく、世に発信するという意識があるのは、ネットの感度が高いような気がします。そうなんですかねぇ。でもアナログ人間なので、インターネットに合っていたというより、役者だからという点が大きいかもしれないですね。「佐藤二朗」という名のもとにやっているので。――ちなみに本の中で気に入ってるページや、気に入っているツイートなどはありますか?全部、思い入れがあるといえばあるし、ないといえばないです! まあ大体が本になると思って書いてないですからねぇ。――今の『全部思い入れがあり全部思い入れがない』というフレーズ、すごく刺さりました。僕も刺さると思って言いましたからね(笑)『佐藤二朗なう』俳優・佐藤二朗のTwitter投稿から厳選した117のツイートに、本人のツッコミをつけて掲載した究極の自作自演本。アミューズメントメディア総合学院 AMG出版、税抜き980円。
2016年07月29日フリーアナウンサーの福澤朗が、28日(21:00~23:10)に放送されるフジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語’16春の特別編』に、本職の司会者として出演する。今回の『世にも奇妙な物語』で語られるエピソードは4本で、福澤が出演するのは「クイズのおっさん」。何の面白みもない毎日に嫌気が差した古賀三郎(高橋一生)が、軽い気持ちで出演したクイズ番組の司会者として登場し、スタジオ中に響き渡る声で古賀の優勝の瞬間を彩る。しかし古賀は、この番組をきっかけに、クイズを出題してくるおっさん(松重豊)に追いかけ回されるという、奇妙な日々を送ることになる。さらに、俳優・浦井健治が、佐々木希主演の「美人税」に出演することも決定。美人であるが故に"美人税"を払わされることになった愛子(佐々木)に、救いの手をさしのべる魅力的な男性・野々村健一役を演じる。ほかにも、さまざまな出演者が4作品の随所に登場。加えて、番組の最後のエンドロールにも趣向が凝らされており、それぞれの作品内容に関わるスペシャル映像が準備されている。
2016年05月23日現代美術家の大竹伸朗が、15年から連続刊行しているカタログシリーズ『SO X TN』から新たに2タイトルを発売。あわせてこれまでのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売し、5月15日から6月26日まで東京・渋谷のNADiff a /p/a/r/tでこれを記念した展覧会「SO X TN: #1」を開催する。『SO X TN』は、大竹伸朗の展覧会やフェアなどのプロジェクトが行われる度に、東京・東麻布のギャラリー・Take Ninagawaが販売してきたカタログシリーズ。08年に開催された一番最初の展覧会である3部シリーズ『貼、貼貼、貼貼貼』を除くすべての個展プロジェクトが収録されている。5月には、これまでの4種に、新たに『時憶』と『網膜』の2タイトルが加わり、計6タイトルのカタログがラインアップ。これらのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売される。なお、見返し部分には大竹伸朗手書きの限定ナンバー入り。今回開催される展示会では、この『SO X TN: #1』の豊富なバリエーションの中から約100点を展示販売。絵画でもあり、彫刻でもある、重厚、膜厚な大竹伸朗ならではのユニークなピースの数々が展開される。5月15日の18時30分から20時までは、トークイベント「大竹伸朗を囲む初夏の夕べ」も開催。5月14日から6月30日までは、Take Ninagawaにて展覧会『時憶』も同時開催される。また、『SO X TN: #1』の購入者には、慶応義塾大学アート・センター企画のShow-Case Project No.3として大竹伸朗が個展を開催した際に制作された、他で手に入らない未販売のカタログ『時憶 / フィードバック』をプレゼント。デザインは同カタログシリーズと同様、Edit.35の小関学が手掛けた。【展覧会情報】「SO X TN: #1」会場:NADiff a /p/a/r/t住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4期間:5月15日~6月26日定休日:月曜日【書籍情報】『SO X TN: #1』著者:大竹伸朗310×240×40発刊:2016年価格:3万5,000円
2016年05月01日ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』の特別試写会が7月3日に、都内で行われ、日本語吹替え版で声優を務める俳優の佐藤二朗が出席。「3歳になる子どものことを考えたら、父親として号泣し嗚咽してしまった」と本作が描き出す家族愛に“パパ目線”で感動していた。『インサイド・ヘッド』特別試写会その他の写真『トイ・ストーリー』を皮切りに、数々の名作を生み出すピクサー長編アニメーション20周年を記念し、この夏公開される感動ファンタジー。11歳の少女・ライリーの幸せな成長を願う5つの感情(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)が、彼女の脳内で大冒険を繰り広げる。佐藤はライリーが幼い頃に作り上げた“想像上の友だち”ビンボンの声を演じている。名脇役として幅広いジャンルで活躍するが、「声優は初めて」だといい、「しかも、ディズニー作品でしょ?こんな薄汚れた中年男でいいんだろうかと不安でしたよ」。劇中には歌唱シーンもあり「楽譜も読めないし、『そこは半音あげてください』って言われてもね…。体感的には800回くらい(笑)歌った気がする」と悪戦苦闘だったが、「感情のふり幅を普段の100~200倍にし、純粋に童心に戻れた。刺激的な体験でした」と初の声優に手応えを示した。また、ヨロコビ役の竹内結子、カナシミ役の大竹しのぶとの共演を「竹内さんは普段から明るくて笑顔が印象的だから、ヨロコビにぴったり。大竹さんが演じるカナシミもチャーミングで、こちらもぴったりですよね。大先輩なので、こういう言い方は失礼かもしれませんが…」と振り返った。一番好きなキャラクターは、カナシミだといい「負の部分こそ、生きる糧になるというテーマに感動しました。なんせ頭の中が舞台ですから、誰もが“自分の物語”として共感できるはず」とアピールした。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年07月04日俳優の佐藤二朗がディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』の日本語版で物語の重要なキャラクター、ビンボンの声を演じることが発表になった。その他の写真本作の舞台は11歳の少女ライリーの頭の中。そこではヨロコビ(JOY)、カナシミ(SADNESS)、イカリ(ANGER)、ムカムカ(DISGUST)、ビビリ(FEAR)が暮していて、彼女の感情を決めているが、ライリーの一家が引越しをしたのを機に様々なトラブルが発生。映画は、ライリーと感情たちの予想もつかないドラマを描く。ビンボンはライリーが幼い頃に空想で作り上げた“友だち”で、ライリーの頭の中で暮している。ある事件が発生して、司令部から放り出されたヨロコビとカナシミは、司令部へと帰ろうと奔走する中でビンボンに出会う。「普段はふくみのある役や、ひねくれ役、または思慮深い役が多いので、本当にビンボンのように童心で素直な役は今までやったことがない。まったく初めての挑戦でした」という佐藤は「とにかく童心にかえる、ということを心がけました。なるべく感情のふり幅を大きく持つようにしました。楽しい時は本当に楽しいし、悲しい時に本当に悲しいし、というふり幅を、大人になった自分とは比べて100倍200倍のふり幅でやってみたいなと思いました」とコメント。また、佐藤は本作について「世の中って公平では決して無いし、理不尽もたくさんあるじゃないですか。そんな理不尽に対しても腐らずに頑張るということがひとつのメッセージだと思うんです。そういう意味で、カナシミも必要だというのはすごく良いテーマですよね。人生経験を積んだ大人の心にこそ響く作品だと思います」と語っている。『インサイド・ヘッド』7月18日(土) 全国ロードショー
2015年06月29日STRIDEは、ママ向け情報サイト「Ameba mama(アメーバママ)」と日本財団が共同で運営する「ママ総研」に参画し、「ママの"朗働(朗らかに働く)"をみんなで考えるプロジェクト」を発足する。同社が参画した「ママ総研」は、育児中の女性に最新情報を提供する「アメーバママ」と、日本財団の「ママの笑顔を増やすプロジェクト」が2014年1月に共同で立ち上げたもので、育児中の女性の声を社会に発信する活動を行っている。このほど、「ママ総研」に参画する3団体は、"ママが働くことを通じて、ワクワクしながら朗らかになれる未来を考える"を活動指針に、「ママの"朗働(朗らかに働く)"をみんなで考えるプロジェクト」を発足した。2015年3月までに延べ30万人に同プロジェクトの想いを届けることを目標に活動を行う。プロジェクトでは「朗働」を考えるセミナーやイベントを開催。第1弾企画として渋谷ヒカリエで開催されるTWDW(Tokyo WorkDesign Week)期間内に共同セミナーを実施する。テーマは「渋谷ではたらくママ社員」。その他にも、同社が運営する女性向けクラウドソーシングサービス「Woman&Crowd(ウーマン&クラウド)」や「アメーバママ」のユーザーなどを対象にしたセミナーを順次開催する。また、「ウーマン&クラウド」「アメーバママ」のインターネットサービスを活用し、育児中の女性のリアルな声を社会に発信し、"ママにとっての働くこと"について考える機会を提供する活動もあわせて行っていく。
2014年10月30日ドリアン助川氏提唱!読めばやせる「叫ぶ詩人の会」を結成し手活動するなど、作家として、詩人として、またアーティストとして多彩に活躍するドリアン助川(明川哲也)氏。彼が最近提唱している「朗読ダイエット」が話題を呼んでいる。この朗読ダイエットは、左右社より同名書籍としても最近発売されている。朗読を行うことによって体芯を鍛えることができ、脳も活性化、語学も身に付いて、心も体もスッキリ、リバウンドなくやせられるという。新しいダイエット法、エクササイズスタイルとして、テレビや雑誌など各種メディアにも多数とりあげられてきている注目のものだ。いいことづくめ!動画でも指南中頭と体の表現であり、心も豊かにしながらエクササイズできるといううれしい「朗読ダイエット」。ドリアン助川氏は、YouTubeを通して、動画でその方法を指南することにも取り組んでいる。方法としては、まず黒豆を10分くらいゆで、その茹で汁でうがいをして、のどの調子を良くするのだとか。残った黒豆は食物繊維も豊富でダイエット食にも向くので、料理に生かしたい。呼吸はしっかりとした腹式呼吸を。腹式呼吸はほかのことと同時に行うのではなく、その呼吸のみに集中することがポイントという。朗読を行うときは、必ず立って行うことが重要で、なるべく身体を拘束せず、自然に体が動くような全身表現として行うとよいそうだ。朗読する題材は何でもよく、気に入ったものでOKとのことだが、はじめは手をつけやすい短編、とくに童話や詩集などリズム感あふれる文章がお勧めという。実践後には、その記録を朗読日記としてつけていくと、上達に生かせるとしている。そして、ひとりでやるだけではなかなか続けられないので、朗読会や朗読ボランティアなどを行うことも、大きなポイントなのだそうだ。障がい者の方のための朗読ボランティアなどであれば、社会的貢献もできて達成感も高い。体を鍛え、内臓から元気にして、健康美なスッキリ体型になれるほか、作品で心が満たされて、人を感動させることもできると、まさにいいことづくめ。ちょっとユニークな、だがとても素敵な新ダイエット法として、あなたもチャレンジしてみては。(まずはじめるウォーミングアップ参考動画)元の記事を読む
2013年02月02日