2020年5月23日に亡くなった、プロレスラーの木村花さん。22歳という若さでの旅立ちは多くの人に衝撃を与えました。木村さんはバラエティ番組への出演をきっかけに、不特定多数からネットで誹謗中傷を受けていたといいます。SNSに「さようなら」と投稿するほか、木村さんは自宅に遺書とされるメモを残していました。今回の件を受け、多くの人が言葉が時には人を深く傷付けることを再認識したのではないでしょうか。木村花が遺した『子猫』が新たな家族の元へ生前、『からあげ』という名前の子猫を飼っていた木村さん。亡くなる前に木村さんは子猫をカゴに入れ、所属事務所のドアの外に置いていきました。きっと最期に力を振りしぼり、愛するペットをなんとかしてあげたかったのでしょう。同年6月3日、木村さんが所属していた女子プロレス団体『スターダム』の代表であるロッシー小川さんは、子猫についてこのように投稿しました。本日、からあげクンが次の飼い主の元に行きました。からあげ、また会う日まで! pic.twitter.com/mDMlkdfLiv — ロッシー小川 (@rossystardom) June 3, 2020 木村さんが亡くなった際、子猫について「この子猫は花の形見のようだ」とつづっていた、ロッシーさん。大切な忘れ形見である子猫を、きっと信頼できる新しい家族に預けたことでしょう。投稿に対し、多くの人からロッシーさんへの感謝の声や、子猫の幸せを願う声が寄せられています。・本当によかった。花ちゃんのぶんまで幸せになってほしい。・からあげくんには長生きしてほしいな。それが花さんの願いでもある。・新しいお家が決まって安心しました!ありがとうございます。生前、子猫の写真とともに「愛してる。楽しく長生きしてね」と残していた木村さん。その願いが叶うよう、ともに祈らずにはいられません。[文・構成/grape編集部]
2020年06月04日neko neko(neko_to_kosodate)さんは、娘や愛猫の話、過去に体験した出来事などを漫画に描き、Instagramで紹介しています。「同じ土俵で争うな」とはいうけれど?泥棒と疑われた女性の反論に考えさせられる今回は、子供のころに飼っていた愛犬の『チャッピー』が亡くなった時の出来事を投稿。チャッピーが亡くなった日の朝、1人で食事をしていると…。チャッピーが、すぐそばで食べ物をねだっているような気配がしたという投稿者さん。当時を振り返り「お別れの時は、人からすると気のせいや思い込みのようなことでも、当事者にとっては意味を見出だしたいような事象が起こるものなのかもしれない」と語っていました。亡くなったチャッピーは、まだ2歳くらいの元気な盛りだったそうです。突然の旅立ちに戸惑っていた幼い飼い主に、最後のお別れをいいに来てくれたのかもしれませんね。不思議な体験談に、心がじんわりと温かくなります。[文・構成/grape編集部]
2020年06月02日世の中には、科学の力をもってしても解明できない不思議なことがあります。みつつぐ(@mitutugu)さんが人から聞いた、老犬と飼い主の青年にまつわる話もその1つ。切なくも、1匹と1人の絆を感じるエピソードに反響が上がっています。毎日決まった時間に飼い犬を散歩させていた青年人から聞いた不思議な話を漫画にしてみた2 pic.twitter.com/BCV9IcbvqM — みつつぐ (@mitutugu) April 12, 2020 大切な家族だった愛犬を亡くし、悲しみに暮れていた青年。新しい犬を迎え入れるつもりはなかったものの、ある日の夜、亡くなったはずの愛犬の言葉を夢の中で聞いて、気持ちが変わります。「帰ってきたよ。駅の前で待っているから」翌日、愛犬の言葉通り駅に向かうと、なんとそこには亡き愛犬とそっくりの子犬が。亡き愛犬が生まれ変わってまた青年の前に現れたのでしょうか…。『偶然』のひと言では片付けられない不思議な出来事の連続に、「泣いた」「不思議な縁ですね」と、さまざまなコメントが寄せられています。・この世のすべては偶然ではなく、必然だといいます。ジョンも、飼い主がとても好きで早く戻ってきたかったのだと思います。・いいなあ…。うちの犬も帰ってこないかな。・私も先代犬を亡くしました。ある日、私は先代犬が自分の小屋の前に帰ってくる夢をみました。「帰ってきてくれると信じてた」といって、泣きながら目覚めたのを覚えてます。生まれ変わりなんて、にわかには信じがたいもの。しかし、青年と亡き愛犬に似た子犬との出会いは、理屈では説明できない奇跡だと信じたくなります。幸せそうに暮らす、青年と『ジョン2世』の姿が目に浮かぶようですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月14日ご両親が亡くなるなど、相続はいつか必ず経験するものです。人生の中で何度も経験するものではありませんので、何から手を付けてよいか分からなくなってしまうものです。いざというときに慌てないように、まずは相続手続きの全体の流れを解説していきます。■ 1.相続の開始(相続人の死亡)makaron* / PIXTA(ピクスタ)1-1死亡届の提出(相続発生後7日以内)相続は人の死亡で開始します。人が亡くなった場合、まず死亡届を役所に提出しなければなりません。届け出をする役場は、亡くなった方の本籍地、死亡地、届け出をする方の所在地を管轄するいずれかの市区町村役場です。1-2「死体埋火葬許可証」がないとお葬式はできないmakaron* / PIXTA(ピクスタ)死亡届を出す際「死亡診断書」「死体検案書」のどちらかが必要になります。死亡診断書は病院で亡くなった場合または死亡理由が明らかな場合に医師が作成します。死亡検案書はそれ以外の場合に死亡の事実が確認された後に作成されます。これらが役所に受理されると「死体埋火葬許可証」が発行され、はじめてお葬式を行うことができます。■ 2. 遺言書などの確認(目安:初七日)CORA / PIXTA(ピクスタ)死亡の手続きが一通り終了したら、お葬式の手配をするのと同時に遺言書を遺品の中から探します。亡くなった人が住んでいた家のほか、貸金庫を借りていた場合などは、その中に保管されているケースが多いようです。2-1遺言書には3種類ある遺言書には、亡くなった人が自ら書いた自筆証書遺言のほか、公証役場にて作成する公正証書遺言や秘密証書遺言というものがあります。いずれも最新の日付のものが有効となります。自筆証書遺言の場合は家庭裁判所にて「検認手続き」が必要になるため、勝手に開封しないようにしましょう。2-2保険、年金関係の確認をする遺言書を探すのに加えて社会保険や生命保険などの保険関係や年金関係の手続きも確認します。関係機関の窓口を尋ねるか電話で問い合わせをし、亡くなった事実を伝え、その後どのような手続きをすべきかを確認します。■ 3.相続財産、相続人の調査(目安:四十九日)相続財産と相続人の調査を合わせて行います。これらを行うことは、適切な遺産分割を行うため、または相続税申告を行うために必ず行います。遺産の額や内容が分からないと正確な相続税の申告ができず、過少申告してしまうと加算税を課されることになります。3-1相続財産の調査kai / PIXTA(ピクスタ)相続財産の調査対象となるのは、不動産、預貯金、株式、投資信託、公社債、生命保険金のほか現金、ゴルフ場の会員権、骨董品などの動産などが該当します。宝石などの貴金属も相続財産です。3-2相続人の特定相続人の特定は、被相続人の現在の戸籍(除籍)謄本を取得することから始まります。これですべての相続人が分からない場合、死亡時からさかのぼって出生したときの戸籍までを順番に取得します。本籍の移動が伴う場合、複数の役所で謄本を取得する必要があります。「婚姻」「離婚」「養子縁組」などの身分事項から前妻との間に子供がいないか、養子や養親がいないかなどを確認し、知らない相続人がいたら、その相続人が被相続人の死亡時に生存していることを確認します。すでに亡くなっていた場合は相続関係が変わってきますので注意が必要です。■ 4.相続放棄をする(目安:相続後3~4か月)akiyoko / PIXTA(ピクスタ)相続において、プラスの遺産だけ引き継ぐことはできません。相続とは亡くなった人の財産をまるごと引き継ぐという制度です。相続放棄をしないまま期限が過ぎると、相続することを承認したとみなされます(=単純承認)。4-1手続きを放置すると単純承認とみなされる相続した財産を処分(消費、売却など)したときも単純承認したとみなされます。一度単純承認したとみなされると、期限が過ぎる前であっても以後放棄することはできません。相続放棄には家庭裁判所での手続きが必要です。この手続きは3か月を目途に行いましょう。4-2放棄により相続人が変わる夫が亡くなった場合、妻と子の相続放棄によって、夫の父と母に相続権が移ります。このことがあまり知られていないため、トラブルになることが多くあります。妻と子が相続放棄する場合、手続きをする前から意思表示しておかないと、父母や兄弟に迷惑がかかりますのでよく話し合っておきましょう。相続放棄による相続権の移動は、法定相続人の相続範囲である兄弟姉妹までとなっています。■ 5.遺産分割協議(目安:相続後4~10か月)Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)遺産分割協議とは、相続人全員で被相続人(亡くなった人)の遺産の分け方を決める「話し合い」のことです。遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。話し合いで決まった内容を書面におこしたものが「遺産分割協議書」です。5-1協議はなるべく早く行うトラブルを起こさず協議を終えるには、できるだけスピーディーに行うことがポイントです。様々な書類には、全相続人の実印が必要だからです。例えば、株などは換金のタイミングを逃せば大損する可能性があり、賃貸不動産を所有していた場合は、相続が発生した翌日から遺産分割協議が成立するまでの賃貸収入は、相続人全員に法定相続分での配分を求められるケースが多く、厄介です。5-2協議はやり直しがきかない遺産分割はやり直しができません。そのため、一歩間違うと、税金を余分に支払ったり、身内でトラブルになったりしかねません。さらに、法律改正が近年行われ、税金の計算はさらに複雑になっています。相続人だけでなく、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家を交えて行うのも1つの手です。■ 6.不動産や預貯金などの解約・名義変更(目安:相続後4~10か月)Graphs / PIXTA(ピクスタ)不動産がある場合は遺産分割協議書にのっとり、名義変更を行います。単独の名義もあれば、複数の人の共有名義になることもあります。貯金や証券の名義変更も一緒に行いましょう。6-1預貯金の名義変更被相続人が死亡すると、被相続人名義の口座は凍結されて入出金が一切できなくなってしまいます。この凍結は自動的に解除されることはありません。相続人等の預貯金を相続した人が解除の手続きを行わない限り、そのお金は使えませんので手続きを行いましょう。必要書類がたくさんあるので、予め問い合わせておくのがベターです。6-2不動産の名義は単独にするのがおすすめ不動産を売却する際には、共有者(相続人の相続人等)全員の遺産分割協議が必要です。法律上は、自分の持ち分だけ売却することも可能ですが、現実的にはかなり難しくなります。そのため、不動産の共有名義はあまりおすすめできません。■ 7.相続税の申告(目安:相続後4~10か月)相続財産が一定額を超える場合は、相続税の申告と納付を行います。納付が必要な場合は相続が発生してから10か月以内に行う必要があります。相続税の申告が必要なのは、納付すべき相続税の金額がある相続人です。相続税の特例を利用して相続税がかからない場合でも、特例を利用するために相続税の申告は必要なケースがあるので注意が必要です。7-1相続財産は「時価」で評価相続財産の「評価額」を算定する際の原則は時価主義と言われるものです。取得後の価値の上下は考慮されません。ゴルフ会員権を500万円で購入後、相続発生時に100万円になっていたら、評価額は100万円とみなされます。7-2土地の評価方法では時価ではない不動産の場合は「路線価方式」という計算方法で算定されます。間違いやすいのですが、実勢価格や、公示価格、固定資産税の評価額とは異なります。目安としては「実勢価格の8割程度」と言われることが多いようです。また「小規模宅地」や「貸家建付地」などの特例があり、実勢価格に比べて相続の評価額が安くなるので、相続税対策に不動産を購入する人が多くいます。■ 8.まとめこのように相続には細かなタイムスケジュールが設定されているため、期限を過ぎてしまうと取り返しがつかなくなってしまううえ、かなり多くの手続きが必要となります。揃えておく書類もたくさんあります。これらの流れをフローチャートにして、1つ1つチェックしていくとよいでしょう。流れをしっかりと押さえて、相続が発生したときに慌てないようにしましょう。
2019年06月07日本連載の最終回である今回は、習い事にかかるお金について考えてみます。子どもが小さいと、教育費にさほどお金がかからない分、習い事にお金をかけがち。「僕はほとんどの家庭は、習い事をさせすぎだと感じています」と言うのは、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん。習い事のお金をムダにしない秘訣を教えていただきました。【手取り20万円 教育費どうやって貯める?】 Vol.1 わが家は、子どもを大学に通わせることができる? Vol.2 大学入学まで毎月の貯金額は「7500円」で大丈夫のワケ Vol.3 夫に万一のことがあったら? 子育て世代の保険選び基準はこの2つ ■ほとんどの家庭は習い事をさせすぎ横山さんの「ほとんどの家庭は、習い事をさせすぎだと感じています」という見解について、もう少し突っ込んでお話しを聞いてみました。「『子ども同士で遊ばせず、忙しい思いをさせるのが教育なのかな?』と、僕はつねづね思っているんですよね」(横山さん)横山さんは、6児の父。とても説得力のあるお話だと思う一方で、やっぱり「周りが習い事をしていると、不安になってしまう」というのも親心なのではないでしょうか? そこで習い事にかけるお金をムダにしない方法を聞いてみました。「ズバリ『やめ時』を見逃さないということです」(横山さん)。横山さんがいろいろな子育て世帯を見てきて思うことは、「子ども本人はたいして好きでもないし、やる気もないのに、惰性や親の願望だけで習い事をしているご家庭も多い」ということ。■「やめ時」を見逃さないために必要なこと「習い事を惰性で続けるとストレスになるし、お金もムダになります」(横山さん)。筆者自身、そんな状態に陥ったとき「少し我慢させて、続けさせるのも大事なのではないだろうか?」と、迷ってしまった経験があります。どう判断すれば良いのでしょうか?「そこは、子どもをよく観察しましょう」(横山さん)。たとえば「やりたがらない」「休みたがる」、また通信教育系にありがちな「たまっていく」というのは、「やめ時」の大きな兆候だとか。「わが家ではそういう兆候が見えたら、そのタイミングで話し合いをします。それ以外でも、3ヶ月に一度くらいのペースで話を聞いて、子どものやる気を確認するようにしています」(横山さん)。■本人のやる気を確認する時のコツ横山さんの奥さまである関口さんは、本人のやる気を確認するときのコツをこんなふうに教えてくれました。▼本人のやる気を確認する時のコツいかにもやる気がない時に、「そんなんだったら、やめちゃいなさい!」と頭ごなしに言うと、「怒られるから続けなきゃ!」と子供が委縮し、かえって習い事が惰性化してしまいます。わが家では、「どうなの?」と尋ねて、本人のやる気を確認するようにしています。出典: 『手取り20万円 子育て家族の貯金の教科書』 (横山光昭・朝倉真弓/きこ書房)「そんなんだったら、やめちゃいなさい!」。筆者はそのセリフ、何度も言ったことがあります(涙)。声のかけ方って、すごく大事なんですね。■子どもが「やりたい!」と言ったら?子どものやる気がない場合、惰性で習い事を続けさせるのはムダだというのはわかりました。では子どもが「やりたい!」と言った場合はどうしたら良いのでしょうか?「子どもの『やりたい』は、たくさんあります。とくに幼稚園や小学校くらいの年齢だと『お友だちがやっているのを真似したい』と、思うことも多いんです」(横山さん)。でも全部やらせてあげることなんて、金銭的に無理。そんなとき、自分が悪い親のような気がしてしまいます。「わが家では、『どれが一番やりたいのか』を子ども自身に考えさせることを大切にしています」(横山さん)。自分が本当にやりたいことであれば、たしかに長続きしそう。「子どもが『やりたい』と本気で決めた習い事なのであれば、われわれ親も子供が続けられるように目を配り、声かけもします。要は、お金を出すだけじゃなく、子どもがどんな風に習い事に取り組んでいるのかを、親が見守ってあげるといった姿勢が大切なんですよね」(横山さん)横山さんの子育て観が垣間見える発言は、いい意味で「お金の話」という枠を飛び超えていると感じます。そんな横山さんが、「最後にひとつだけ、申し上げておきたいことがあります」と、おっしゃいました。気を引き締めて伺いましょう。■教育資金と老後資金はシーソーの関係「教育費をかけてあげたいと考えるのは親心。この連載を読むような方は、家計のバランスをとりながら、教育費や子どもとの時間を最優先されている親御さんが多いのではないでしょうか?」はい、たしかにそうですね…。筆者も同感です。「でもね、お子さんにお金をかけすぎると、老後が確実に圧迫されます。これはもうシーソーの関係です。ぜひ、老後を置き去りにして教育費を第一に考えすぎないようにということをアドバイスしたいんです」(横山さん)30代にとって、老後はまだまだ先の話。でも、横山さんはこんなふうにおっしゃいます。「老後の資金作りは40歳ぐらいから、20年ぐらいかけてやっていただきたいんです」■人生100年時代に、教育費で考えるべきは「かけてあげられる額」仮に30歳で第1子が生まれたとして、親が40歳になったとき、子どもは10歳。教育費が本格的にかかる時期ではないけれど、その先にはもっとも教育費がかかる時期が控えています。そんな時期に「老後のことを考える」なんていう心境には、正直なところなれないのではないでしょうか? 「そのとおりです。けれども、これからは人生100年時代などと言われています。老後と呼ばれる期間が長くなればなるほど、まとまったお金をキープしておかないと困るということになるんです」(横山さん)30代の頃から「40代になったら老後のお金も意識していく」ということを知っておき、頭の片隅に置いておく…。それが、大切なのかもしれませんね。「そこで意識していただきたいのは、『自分たちが、子どもにかけてあげられる教育費の額』なんです。『教育費は一般的にいくら必要』という話ではなく、『自分たちは、教育費をいくらかけられるのか?』ということを考えましょう」(横山さん)。「自分たちは、子どもに教育費をいくらかけられるのか?」という問い、とてもすてきですね。なぜならこの問いは「自分たちは、どんな子育てをしたいのか?」ということと向き合うキッカケになると感じたからです。教育記事も書いている筆者は、親が主体的に自覚的に子育てをする時代が、これからやってくると考えています。この連載が一人でも多くの子育て世代が、「自分たちの子育て」を考えるキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った横山光昭さんのご著書 『手取り20万円 子育て家族の貯金の教科書』 (横山光昭・朝倉真弓/きこ書房 ¥1,100(税別))手取り月収20万円、ボーナスなし、昇給見込みなし…。子育てのお金にまつわる不安は、ちょっとしたコツさえ知っていれば、大学資金をしっかり貯めて、習い事もさせてあげられます。相談者・高梨(たかなし)が、横山先生に率直な質問をぶつけるストーリー形式で、いつのまにか教育費の考え方が変わっていきます!手取り20万円を前提に書かれていますが、手取りが異なる家庭でも、教育資金の貯め方や保険の選び方など参考にしながらお金について考える機会となります。横山光昭さん家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。株式会社マイエフピー代表取締役。お金の使い方を改善する独自の家計再生プログラムで、これまで15,000万人以上の家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。
2019年01月18日共働きの世帯が増え、万一のときの保障は夫が亡くなったときだけではなく、妻が亡くなったときのことも考えておく必要がある。今回は、ファイナンシャル・プランナーの村松祐子さんに解説していただく。○遺族厚生年金、夫受給の場合は年齢制限が平成26年4月から「父子年金」が創設され、子のいる夫にも遺族基礎年金が支給されるようになりました。しかし、夫がある年齢以下のときに妻が亡くなると、遺族厚生年金は受けられず、生活が困窮するケースもあります。3月までは、働く妻が死亡した場合は丸々生命保険等で補わなければなりませんでしたが、父子年金が支給されることで、その分保障額は少なくて済むようになったといえるでしょう。しかし、夫が遺族厚生年金を受け取る際には、妻が受給する場合にはなかった年齢制限が残っています。年収850万円未満という条件を満たしていても、妻が死亡時に夫が55才以上であることが条件となっており、受給開始も60才(遺族基礎年金の受給が可能な場合のみ55才以上で受給できる)。そのため、妻が亡くなったときに夫が条件を満たしていないと、共働きから片働きとなり、世帯収入が大きく減る中、何の援助もないまま生計を成り立たせていく必要がある、というケースも考えられます。妻の収入が世帯収入に占める割合が多い家庭ほど、妻の保障を考える必要があるといえるでしょう。働く妻の場合、夫の必要保障額の方がむしろ低くてよいというケースもあります。夫が亡くなった場合、遺された家族には、遺族厚生年金や中高齢寡婦加算、遺族基礎年金という遺族年金が支払われ、妻の方が手厚く保護されているからです。夫が受給する場合は年齢制限がありましたが、妻の場合は年齢制限はありません(遺族厚生年金の受給額や受給期間に違いはある)。ただ、共働き世帯といっても、その家庭の状況により保障の考え方は異なります。例えば、マイホームを所有しているケースでも、住宅ローンの組み方によって保障内容は変わってくるでしょう。夫のみが契約者で夫のみに団体信用保険が組まれている場合、もちろんのことながら妻が亡くなっても住宅ローンは完済されません。従って、夫が引き続き残りの住宅ローンを払っていくことになります。なお、夫と妻がそれぞれ契約者になって団体信用保険が組まれている場合、妻が亡くなると妻分の住宅ローンは完済されますが、夫分の住宅ローンは残ることになります。また、子が小さいうちに妻が亡くなると、夫は家計管理と子育てを1人で背負っていくことになります。夫が仕事をしている間、お子さんの世話は誰かに託せますか。実家が近所で必要なときにはいつでも頼める好環境にあれば、その負担も軽減できるでしょう。でも、そうはいかない家庭も多いはず。その場合は保育園の延長保育代に加え、シッター代などが加算されていくことでしょう。さらには、家事代行サービスを依頼することも想定し、お子さんが大きくなるまでは育児と家事のサポート費用を見積もっておくことも必要です。生活費と将来の様々なライフイベントにかかる費用を夫1人で準備するとなると、遺族年金で不足する分だけでなくお子さんの教育資金なども想定して1,500万~2,000万円程度の死亡保障を備えておくと安心ではないでしょうか。ただし、保障額は個々の事情により差異があるため、改めて自分の家庭に過不足ない保障額を試算しておくことをおすすめします。
2014年12月18日