イノーバは9月16日、東京都・文京区の本社にて報道陣向けに事業戦略発表会を開催した。同発表会には、イノーバ 代表取締役社長 CEOの宗像淳氏が登壇し、コンテンツマーケティングに特化したクラウド型ソリューション「Cloud CMO」の機能強化により、中小企業を対象とした「コンテンツマーケティングを軸とするマーケティングオートメーションツール」として刷新したことを発表した。○中小規模のBtoB企業にフォーカスした "マーケティングオートメーション"へ2014年10月より本格的な提供が開始された「Cloud CMO」はこれまで、コンテンツマーケティングの実践に必要な「オウンドメディアの構築」や「コンテンツ制作」「SEO対策」「アクセス解析」「メルマガ配信」「リード管理」などの機能を提供。その中でも「オウンドメディアの構築と情報発信」に注力し、Cloud CMOのほか、同社のコンテンツストラテジストが企画・設計を行い、同社の選考を通過したライターが執筆を行う「コンテンツマーケティング企画・制作サービス」などを展開してきた。「中堅中小企業こそ、積極的に情報発信をしてほしいと思ってきました。これだけインターネットが普及し、グローバル化が進んだ社会において情報発信を行わない企業は存在しないものと同じです。しかし言い換えれば、膨大な広告費を使わずとも、企業や商品が認知されるということでもある」(宗像氏)このようにしてコンテンツマーケティングの促進に努めてきた同社だが、中堅中小企業、特にBtoB企業のマーケターが直面する次なる課題として、「そのコンテンツを用いてどのように顧客を集客・獲得し、どのように育成していくか」だと説明する。その課題を解決するため、同社はCloud CMOの機能強化による"マーケティングオートメーション"への刷新に至ったのだ。「集客」機能においては、Cloud CMO CMSにてオウンドメディアなどのサイトを構築することで、マーケターのみで安易に更新が行える仕様としたほか、SEO対策における効果分析と改善を可能とする「SEOキーワード管理」を実装。GoogleやYahoo!の検索エンジンにて、サイトが狙ったSEO キーワードにて上位表示できているかなどを確認することができる。また、ネイティブ広告配信サービス「logly lift」との連携により、制作したコンテンツを活用した集客を実現した。「見込み顧客の獲得 (リードジェネレーション)」機能では、リード情報を取得するためのフォームやLP (ランディングページ)のテンプレートを用意。これにより、時間やコストをかけず、資料請求やホワイトペーパーダウンロードページを作成することが可能に。そのほか、既存のCRMとの連携機能やマーケティングのレポート機能など、今冬にも新機能の提供を開始する予定だ。また、「検討顧客の獲得 (リードナーチャリング)」機能としては、顧客がいつ・どのサイトを訪問したかや、どのページを閲覧したかなど個人レベルでリードを管理できる機能を搭載。検討状況をアクティビティに応じて「潜在 / 興味・理解 / 比較・検討 / 導入判断」という4段階に自動で判別するため、マーケターだけでなく営業部門も顧客の確度を一目で確認することが可能となる。なお、Cloud CMOの価格は、初期費用が10万円(税別)で、ページ作成数などに制限のあるスタンダードプランが月額7万9,800円(税別)、エンタープライズプランが月額23万9,800円(税別)。今後は、CRMだけでなく、中堅中小企業が使用するシステムや広告配信プラットフォームとの連携やパートナー制度の拡充、多言語化などを行っていく。
2015年09月17日さて、本連載ではここまで計8回に渡り、コンテンツマーケティングの定義や基礎、取り組むべき理由、はじめるためのステップ、コンテンツについて紹介してきました。最終回となる本稿では、実践的な内容からは少し離れ、私が考える "これからのマーケティング" についてお話したいと思います。○まずは、経営に求められるものが変わる私は、今後の企業経営におけるキーワードを「デジタル化」と「グローバル化」であると捉えています。本稿でいうデジタル化の定義とは、世界中の人がスマートフォン(スマホ)を持ち、インターネットを自由に使う時代になるということ。一方、グローバル化は、世界中が一つの市場として統合されていくということです。これらにより、すべての企業は「ターゲットを世界へ広げ、今後のビジネスをどう展開していくのか」を真剣に考えるべき局面を迎えようとしています。特に、日本企業の海外進出や訪日観光客の誘致など、グローバル化をテーマにした動きがますます加速していくことは間違いがありません。これは、多くの企業にとって "極めて大きなビジネスチャンス" だと言えます。○ビジネスチャンスを掴む 新たな視点「顧客創出」とは一方で、私は「せっかくこうしたビジネスチャンスがありながら、多くの日本企業が旧来型のビジネスから抜け出せていないのではないか」という危機感を強く感じています。端的に言うと、いいものを作れば売れるという「もの作り信仰」から抜け出せていないということです。「競合よりも良い商品を作る」「競合よりも安く作る」―― これらのやり方は、もはや通用しません。いいものを作ることは大前提であり、それだけでは売れないのです。では、企業はどうすればよいのでしょうか。私は、今後企業に求められることを「顧客創出」だと捉えています。自社の商品やサービスに対し、これまでまったく見向きもしなかった顧客をどのように見つけ出し、欲しいと感じてもらうのか ―― すなわち、これは「マーケティング」に通じるわけですが ―― これができない企業は、ビジネスチャンスを逃すばかりか、売上が縮小していくでしょう。○マーケティングって、何から始めればよいのだろうさて、先日、大阪のある製造業にて役員を務める方とお話をする機会がありました。同社は、プラント関連の非常にすぐれた技術を持っており、海外での販売実績もあります。その企業が今後、「マーケティング機能の強化」に取り組んでいくというのです。というのも同社はこれまで、商社や代理店を通じて取引を行ってきましたが、今後、新規取引先を開拓するためには、自社のマーケティング機能を強化する必要があると考えたようです。しかし、一言でマーケティング機能の強化と言っても、「まず何から取り組むべきなのか」や「どのような順序を経て進めていくのか」などの課題があったと言います。何から取り組むべきなのか ―― その答えは「情報発信」です。○コンテンツマーケティングとは、顧客視点で情報発信することコンテンツマーケティングは、ターゲット顧客の情報ニーズをきちんと理解し、ターゲットに見つけてもらうことのできるコンテンツを提供する手法です。これにより、コンテンツの受け取り側となる顧客への理解が深まることは必然的ですし、自社の「情報発信力」も強化されていきます。たしかにコンテンツマーケティングは、決して、目新しい手法ではありません。顧客理解や情報発信など、「当たり前の取り組みをちゃんとやりましょう」と訴えるものといった方が正しいかもしれません。ただ、ここで強調したいことは、今まで先送りしてきた情報発信に今取り組まなければ、競争に乗り遅れてしまうということです。既に、アメリカでは企業の9割がコンテンツマーケティングに取り組んでいるという調査結果もあります。これは、アメリカ企業が、デジタル化とグローバル化といった2つのトレンドを活用し、ビジネスにつなげようとする大きな動きにほかなりません。日本には、本当に素晴らしい製品やサービスを開発・提供する企業が多く存在します。これらの大部分は、世界で通用するレベルですが、同時に、情報の発信ができていないために、取引先が広がらず売上も伸びないという "もったいない状態" にあるとも言えます。自社の優れた商品やサービスを世界中の人に届けるため、ぜひ積極的に情報発信を行っていってほしいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。
2015年09月10日コンテンツマーケティングにおいての"基本"は「ビジネスブログ」となりますが、コンテンツマーケティングにおける"コンテンツ"とは、なにもビジネスブログだけではありません。今回も、前回に引き続き、ビジネスブログ以外のコンテンツの種類を紹介していきます。○ソーシャルメディア(SNS)FacebookやTwitterに代表されるソーシャルメディアは、ユーザーとの長期的なつながり関係を構築するのに適したツールです。まれに、複数のソーシャルメディアに対して同じ文面・メッセージで情報発信をしている例が見受けられますが、各ソーシャルメディアはメディアごとに特性が異なります。ユーザー属性や使われ方を把握して、それぞれに合った使い方をすることが重要です。今回は代表的な2つだけ取り上げてみましょう。FacebookFacebookは14億人以上が利用する世界最大のソーシャルメディアです。ビジネスでの情報発信で利用できる「Facebookページ」機能は、そのページに「いいね!」をしたユーザーのニュースフィードに情報を届けることができます。また、Facebookページは複数人による管理が可能なこと、投稿がユーザーにどれだけ届いたかなどを分析する「インサイト」機能が用意されているなど、ビジネス利用に向いていると言えます。加えて、Facebookページ運用初期の集客には、Webサイトへの「いいね!ボックス」の設置や少額のFacebook広告の配信といった施策が有効です。Facebookでは、ユーザーと関連性の高い投稿や興味対象に近い投稿ほど、多くそのユーザーに対して表示される傾向がありますので、想定したペルソナがどんな投稿に興味を示すかを考えながら、よりエンゲージメントを深められるよう継続的に改善していくことが必要です。TwitterTwitterは、140文字以内の文章を投稿するソーシャルメディアです。Facebookが実名を前提としているのに対し、Twitterは実名でも匿名でも自由にアカウントを作成することが可能のほか、「一般ユーザー用」「ビジネス用」といったアカウントの区別も存在しません。Twitterは、リアルタイムで短文の投稿が配信されていくのが最大の特徴です。その特性を活かし、例えば時間帯に合わせた挨拶や開催中のイベントの話題など、リアルタイム性が高くユーザーが身近に感じやすい内容を提供してみるのも良いでしょう。また、Twitter上では見知らぬユーザー同士がリプライやリツイート機能で気軽にコミュニケーションを取っています。自社のことを話題にしているツイートを見つけたらリツイートするなど、ユーザーと直に対話することにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。なお、ブログや動画などで新しいコンテンツを公開した時の告知手段としても、是非Twitterを活用してみてください。○動画ブロードバンド環境の浸透やモバイル通信の高速化、スマートフォン・タブレットといった動画視聴に適したデバイスの普及によって、Webマーケティングのいち手法としての動画の存在感が増してきました。近年、Facebookではニュースフィードに動画が現れると自動的に表示するようになるなど、文書や写真といった静的コンテンツと同じように自然と動画を視聴するスタイルが生活者に浸透してきています。また、これまでよりも安価に動画コンテンツを発信するための環境も整ってきましたので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。冒頭で続きを見たくなる動画に動画は、再生されたからといって最後まで視聴されるわけではありませんし、飛ばして見られることもあります。最後まで視聴してもらうには、最初の15秒が特に重要だと言われています。例えば、「冒頭で疑問を投げかける」や「印象的なシーンを持ってくる」「動画のポイントを伝える」といった工夫で、続きを見たくなるよう訴えかけましょう。アップロードはYouTubeに動画の配信には、外部の動画プラットフォームサービスの利用がおすすめです。今であれば、世界中で利用されているYouTubeがよいでしょう。動画本体はYouTube上に置いておき、自社のビジネスブログにはリンクを埋め込むことで、誰でも簡単にブログ記事に動画を取り入れることができます。また、YouTubeでは"チャンネル"という自分のページを作成でき、公開した動画をまとめて表示することが可能です。さらに、無料で使える編集機能や動画に利用できる音楽なども用意されており、簡単な動画であればYouTube上で作成することも不可能ではありません。Vine / Instagramビデオ「Vine」は6秒の動画、「Instagramビデオ」は15秒の動画を投稿できるサービスです。時間が短く、スマートフォン等で気軽に撮影可能ですが、その分マーケティング目的での利用にはアイデアと構成力の勝負となります。海外では特に多くの企業がプロモーションに利用しはじめていますので、参考にしてみてください。今後さらに拡大していく領域と言えそうです。いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したもの以外にも、コンテンツマーケティングを行う上で活用できるコンテンツにはさまざまなものがあり、それぞれに異なった特性があります。対象と目的にあわせてこれらを組み合わせることで、よりよい顧客コミュニケーション作りに役立てていただければ幸いです。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年06月16日前回は、コンテンツマーケティング実施においての"基本"となる「ビジネスブログ」について説明しました。オウンドメディアによる情報発信のハブとして機能するビジネスブログですが、コンテンツマーケティングにおける"コンテンツ"とは、なにもビジネスブログだけではありません。今回より2回に分けて、ビジネスブログ以外に焦点をあて、さまざまなコンテンツの種類について紹介します。○ホワイトペーパー / eBookコンテンツマーケティングの実践において、ホワイトペーパーやeBookは、ダウンロードコンテンツとして用意される方法が主流です。ビジネスブログやソーシャルメディアで集めた潜在顧客に対し、ユーザー事例や市場環境の調査レポートといった役立つコンテンツを提供することでリード情報を獲得します。ホワイトペーパーは、自社の顧客の導入事例や商品の仕様、市場環境分析、調査レポートなどを記載します。一方eBookは、商品のスタートガイドや活用のペストプラクティスをまとめたものなどを指しますが、どちらもPDFなどの形式を取る"電子版小冊子"のようなイメージです。これらは、ダウンロードしてもらい腰を据えて読んでもらうことを想定していますので、ブログ記事やWebサイトのコンテンツよりも、より詳しい情報や実践的な情報をしっかりと盛り込むようにしましょう。また、ただWebサイト上に置いておくだけでなく、内容が関連するブログ記事の最後に誘導バナーを設置するなど、ダウンロードを促すようにしましょう。このように、読者の行動を喚起するようなバナーやリンクを「CTA (Call To Action : アクションの呼びかけ)」と呼ぶこともあります。ブログに設置することで、CTAのクリック率やダウンロード率などを計測し、記事の品質や貢献度の評価が可能です。○オンラインセミナー国土の広い米国では、オンラインセミナー(Webセミナー / ウェビナーとも呼ぶ)が活発に行われており、無料の専用ソフトウェアもあります。オンラインセミナーのメリットは、その場で参加者の質問に答えたり、フィードバックを行ったりと、録画動画ではできない双方向のコミュニケーションを行える点にあります。例えば「Googleハングアウト」というサービスでは、最大10人でのビデオ通話が可能です。これを使えば、少人数のオンラインセミナーを開催することができます。また、最近Twitterが提供をはじめた「Periscope」というアプリでは、スマートフォンから世界中に生配信することもでき、注目を集めています。○インフォグラフィックスインフォグラフィックス(Infographics)とは、情報を意味する「インフォメーション(Information)」と「グラフィック(Graphic)」からなる造語で、データや情報、知識、ノウハウなどを視覚的に表現したものです。ビジュアル化することで、文章だけでは伝わりにくいメッセージや複雑な統計情報を視覚的に届けることができます。例えば、定量的なデータをビジュアルで見せたり、年表を分かりやすく伝えるほか、Webサイト上で閲覧者が表示するグラフやデータなどを任意に変更できるインタラクティブなインフォグラフィックスもあり、ソーシャルメディアとの相性がいい(シェアされやすい)という特徴があります。インフォグラフィックスの作成インフォグラフィックスを作成するときには、まず、利用するデータ・情報を整理し、伝えたいメッセージを決めます。その上でどのようなデザイン・レイアウトにするかをデザイナーと決定します。"デザイン"という要素が入るとは言え、基本的な流れは他のコンテンツ作成時と同様です。斬新なデザインや華美な装飾ありきではなく、あくまで読み手にとって分かりやすいことや、伝わりやすいことを最優先にしましょう。インフォグラフィックスが完成したら、ブログへの掲載やソーシャルメディアに投稿します。有益なデータや情報が分かりやすくまとまっていれば、インフォグラフィックスはソーシャルメディアでシェアされやすいほか、イラストの下部に自社のブランドロゴやURLを入れておくことで、ブランド認知の向上も期待できるでしょう。○プレスリリースプレスリリースは、新聞社やWebメディアなどの報道機関向けに用意する広報用の報道資料です。多くの会社では広報・PR部門の管轄であり、コンテンツマーケティングを運用するマーケティング部門の方にはピンとこないかも知れませんが、企業がコストをかけずに発信できる強力なコンテンツの1つです。プレスリリースの目的は、新商品やサービスのリリース、そのほか企業の活動についてメディアに知らせることで、記事として取り上げてもらい露出を得ること。うまくメディアの目に留まりニュースとして紹介してもらえれば、広告費をかけずに多くの人々に情報を届けることが可能です。しかし、報道機関では毎日たくさんのプレスリリースを受け取ります。その中で取り上げてもらうためには、「プレスリリースのフォーマットに従い作成すること」や「必要な情報が網羅されていること」「ニュース性のある話題が含まれていること」が最低条件となります。ブログ記事などオウンドメディアでのコンテンツ発信では、ペルソナ(読者像)を意識してコンテンツを制作しますが、プレスリリースだけは報道機関の担当者が最初の読者となることが他のコンテンツとの違いです。タイトルやリード文、本文といった各要素でメディアの記者や編集者の興味を引くための工夫をすることが重要です。さて、後半では、ソーシャルメディアや動画コンテンツに関して紹介したいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年06月09日ここまで5回の連載の中で、コンテンツマーケティング実施にあたっては目的・ゴールを明確に設定し、ペルソナ設計を通して "読者の情報ニーズ" に寄り添った情報発信が重要であることをお伝えしてきました。顧客視点に立つことがコンテンツマーケティング成功の何よりの秘訣ですが、その際に考えたいのが「コンテンツをどんな形で」届けるか。今回は、コンテンツマーケティングに取り組む際に、最も基本的かつ重要な施策となる「ビジネスブログ」について少し丁寧に説明します。○ビジネスブログはコンテンツマーケティングのハブビジネスブログは、コンテンツマーケティングの実施において最も基本的なものであると同時に最も重要な施策ですが、ブログ記事を1本公開するだけの取り組みに意味はありません。定期的にコンテンツを公開し続けることは、蓄積(ストック)された記事にGoogle検索などを利用した新規の読者がたどり着く可能性が高めるためです。このように、ストック型のビジネスブログにコンテンツ資産を貯めていきながら、フロー型と呼ばれるソーシャルメディア等でさらなる集客を図るという手法が、コンテンツマーケティングの1つの王道です。運用にはある程度の手間とコストがかかりますが、情報発信の "ハブ" となるオウンドメディアの核ですので、是非継続的な運用を確立してください。○高品質なブログ記事で、信頼を獲得するブログと言うと、Amebaブログのような無料のWebサービスを利用した、いわゆる個人の日記のようなものを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、企業がビジネスブログを運用する際には全く異なる水準で記事の内容を吟味する必要があります。そのブログでなければ読めないことなど、読者の知りたい情報を惜しみなく発信することで信頼を獲得できるほか、競合他社との差別化にもつながります。一方で、不十分な論拠による記事や間違った情報、他で書かれている内容をまとめただけ、といった記事は企業の好感度を下げ、信頼を損なう可能性もあります。「コンテンツマーケティングを成功に導く5つのステップ」で紹介したゴールとペルソナを意識しながらコンテンツを企画しましょう。○キーワードを意識して検索流入を増やす読者がブログにたどり着く経路は、GoogleやYahoo!といった検索エンジン経由と、ソーシャルメディアのシェアに大別されます。検索からの流入を増やすには、適切なキーワードを組み合わせたコンテンツを重点的に用意することが重要です。これにより、検索結果で上位に表示されるようになり、関連するトピックに注目している読者に見つけてもらいやすくなります。なお、この時に設定するブログのキーワードとして、会社名や商品名を選ぶことは効果的ではありません。なぜなら、会社名や商品名で検索する人は、すでにそれらの存在を知っているためです。これらの指名キーワードに対しては、検索後、会社のサービスページや商品ページが表示されるようにしましょう。では、ブログで意識すべきキーワードとは何でしょう。答えは、会社名や商品名は知らないものの、漠然と解決したい問題を抱えており、それを解決するためにあなたのビジネスに関連した情報を調べている人が検索しそうなキーワードとなります。○ブログを通してまだ見ぬ潜在顧客に存在を認知してもらう例えば、あなたがワインのネット販売を手掛けているとしましょう。具体的な銘柄や作り手の名前で検索する人たちには、そのワインの販売ページを表示してあげるのが一番です。すでにニーズが顕在化しているため、その場で購入してくれる可能性も高いと想像できます。しかし、例えば「ワインボルドー飲み方」といった検索キーワードでサイトにたどり着いた人はどうでしょう? 何かの記念にボルドーワインをもらったものの飲み方が分からないのかもしれません。おそらく、あなたの会社や店名は知らずに、サイトを訪問しているのでしょう。その時に、ワインの飲み方を詳しく説明しているブログ記事を見つけ、内容が参考になるものであれば、そのブログを運営する会社や商品にも興味をもってくれるかもしれません。つまり、商品名や会社名を売り込む前に、コンテンツを通して認知してもらえるのです。○コンテンツはどこに公開する? 自社メディアか、外部サービスかコンテンツマーケティングのためのビジネスブログを立ち上げる際には、大きく2つの方法があります。1つは「WordPress(ワードプレス)」や「Movable Type(ムーバブル・タイプ)」といったブログ用のCMS(コンテンツマネジメントシステム)を用いて独自に制作する方法。もう1つは「Amebaブログ」や「はてなブログ」といった外部のブログサービスを活用する方法です。外部のブログサービスを利用する最大の利点は、専門知識がなくても手軽に無料で利用できることでしょう。しかし、公開出来るコンテンツの自由度は低く、多くの制限が存在します。例えば、「ダウンロード用のコンテンツを用意して、ブログ記事からのリード獲得をはかる」といった仕組みも、用意できないことが多いようです。また、長期的な取り組みが前提となるコンテンツマーケティングにおいて、外部サービスは運営企業の事情でサービスを停止する可能性もあります。もともと個人利用を想定して作られており、規約変更などによってビジネス目的の利用を禁じられる可能性もゼロとは言い切れません。こうした場合、それまで蓄積したコンテンツは別のサービスに移行することになりますが、検索エンジン対策(SEO)など、それまで積み上げた蓄積を失ってしまうことになります。長期的な運用を考えると、自社で独自にビジネスブログを構築することをオススメします。○運営に必要な人材と、継続のための仕組みづくり長期的にブログを運営するためには、チームを作って運用することが有効です。理想的な構成としては、全体を管理する編集長と記事を書くライター、編集者といった役割を分担し、社内に無いリソースに関しては必要に応じて外部のカメラマンやWeb制作会社、デザイナー、校正士といったプロフェッショナルに協力を仰ぐことで補完するといった具合でしょう。この時のポイントは、内製と外注のバランスです。すべてを外部の会社に任せるのではなく、(兼任でも良いので)自社のコンテンツ発信戦略とブランディングに責任を持つ担当者を置くことをオススメします。これにより、ブランドメッセージがぶれるリスクを回避することができます。次回は、ビジネスブログと連携させることでコンテンツ発信の効果をさらに拡大してくれる「ブログ以外のコンテンツ」についてお伝えしたいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年05月26日コンテンツマーケティングを正しく理解し、正しく実践するための本連載。今回からはいよいよ、コンテンツマーケティングを成功させるために "押さえておくべきポイント" をご紹介します。まず、コンテンツマーケティングの実践は、大きく5つのステップを踏むことが基本となります。この5つとは、「ゴールの設定」と「ペルソナの設定」「コンテンツ設計」「エディトリアルカレンダーの作成と運用」「KPIの測定」です。前編では、ゴールとペルソナの設定における考え方を解説します。○ステップ1. ゴールの設定コンテンツマーケティングは、顧客にとって価値があるコンテンツを提供することで、商品の関連分野に対する顧客の関心を高め、最終的に売上につなげる取り組み。役立つコンテンツでファンを獲得できれば、見込み客の購入意欲向上や既存顧客のリピーター化だけでなく、企業の信頼度を高めるブランディング効果も期待できます。このように、さまざまな効果を生むことができるからこそ、適切なゴール設定が重要。ゴール設定なくしては効果測定もままならず、継続的に改善することもできません。では、設定し得るゴールの例をいくつかご紹介しましょう。1. ブランド認知度の向上スタートアップ企業や新商品の場合に主要なゴールとされることが多いのが「ブランド認知の向上」です。発信するコンテンツにおいて、企業名やブランド名を押し出していなくても、読者にとって情報価値の高いコンテンツを発信し続けると、読者は発信者を次第に意識していきます。なぜなら、良いコンテンツを見つけた読者は、今後の参考としてその情報ソースを覚えておこうとするためです。反対に、コンテンツの質が低ければ、企業としての専門性を疑われ、ブランド毀損につながってしまうでしょう。2. リード獲得/リードナーチャリング資料ダウンロードやメールマガジンの登録などを通して、読者のリード情報(氏名・企業名・連絡先など)を獲得することや、コンテンツの配信により継続的にコミュニケーションを取ることで見込み客に購入を検討してもらうことも、ゴールの1つとなります。3. エンゲージメントの増加ブランド認知をさらに意義あるものにするため、コンテンツを通して生活者とのつながり(エンゲージメント)を強めることも、ゴールとして設定可能です。特にソーシャルメディアは、投稿を介して生活者と交流するような取り組みに適していると言えるでしょう。4. 既存顧客のロイヤリティ向上同じブランドの商品を継続的に購入する人は、「ロイヤリティの高い顧客」と呼ばれます。既存顧客に対して充実したコンテンツを用意できれば顧客満足度が高まり、リピーターの獲得につながります。5. オピニオンリーダー化特にBtoB企業などにとって重要なゴールとなり得るのが「オピニオンリーダー化」です。特定の領域において良質なコンテンツを発信し続けることによって、業界関係者が一目置く存在として認知されることができれば、信頼獲得につながり、競合と差別化しやすくなります。○ステップ2. ペルソナ設計(ターゲット設計)コンテンツマーケティングでは、「想定する読者の立場に立ってコンテンツを発信しなくては、価値ある情報を提供できない」と考えます。したがって、想定する読者像は、コンテンツを制作するチーム内で「ペルソナ」として明確に共有されている必要があります。ペルソナとは、商品やサービスを購入する架空の顧客像。漠然とした見込み客をターゲットとするのではなく、詳細なプロフィールが設定されたペルソナ "Aさん" を想定し、コンテンツを作るのです。ペルソナの設計ペルソナを設計する際には、実際の顧客との対のほか、アンケート調査や顧客属性データの分析といった多面的な調査をもとに、性別や年齢、職業、家族構成といった属性を設定。さらに、1日の生活パターンや趣味嗜好といった定性的な要素も盛り込んでいきます。コンテンツマーケティングのためのペルソナ設計においては、情報収集の手段や日々接触しているメディアといった項目も入れておくと良いでしょう。ペルソナを設計するメリットペルソナ無きコンテンツマーケティングの実践は、発信者視点の "誰にも共感されない" コンテンツ発信になりかねません。チーム内で具体的な読者像(ペルソナ)を共有し、その行動を意識することで、「読者の関心や興味にあったコンテンツの発信につなげやすくなる」というメリットがあるのです。さて、後編(5月15日公開)では、ペルソナに合わせた「コンテンツの設計方法」と、施策の継続化を可能とする「エディトリアルカレンダーの作成と運用」、そしてこれら施策の「KPI測定」についてお話します。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年05月12日コンテンツマーケティングを正しく理解し、正しく実践するための本連載。前回までは、コンテンツマーケティングの概論や実施の際のおおまかなステップ、そして今コンテンツマーケティングが求められる背景をご紹介しました。3回目となる今回は、「これからコンテンツマーケティングに取り組みたいのだけれど社内の理解を得るのが大変……」というマーケティング担当者の方向けに、上司説得術を伝授いたします。○1. コンテンツマーケティングの成果は測定可能ですコンテンツマーケティングは、効果が分からないのではないか――これは、実施する際に最も"ありがち"な反応です。確かに、直接的に自社の商品やサービスを宣伝しない手法のため、効果が分かりにくい印象があります。ですが、実はそうではなく、定期的に測定することでコンテンツマーケティングの効果を定量化することが可能なのです。マスメディアでの広告露出よりもむしろ計測しやすい、といってもよいでしょう。測定のポイントは、KPI設計効果を定量的に計るためには、あらかじめ「KPI (Key Performance Indicators: 重要業績指標)」を決めておくことが重要です。例えば、コンテンツを閲覧した人数「ユニーク訪問者」や、コンテンツを表示している時間「ページ滞在時間」からは、どれだけのユーザーがコンテンツを見て、関心を持っているかが分かりますし、ソーシャルメディアの「フォロワー数」からはブランド認知度が、コンテンツの「シェア数」からはコンテンツの人気度(共感度)が分かります。また、シェアされたコンテンツの種類や、それらへのコメントを読むことで読者の興味関心や意見を知ることも可能です。ダウンロードコンテンツを活用すれば、売上への貢献度も可視化できるまた、eBookやホワイトペーパー、お役立ちテンプレートといったダウンロードコンテンツを用意しておけば、見込み客のリード情報(属性情報)を取得することもできますし、その後実際に商品を買ったかどうかを評価することも可能です。どのコンテンツを見たユーザーが、会員登録・メルマガ登録・ダウンロード・問い合わせ・購入をしたか分かれば、売上に対するコンテンツごとの貢献度も数値化でき、より効果的なコンテンツを準備する際には重要な目安にもなります。コンテンツマーケティングでは「ユーザーが何に興味を持ち、どのような経路で購入するのか」を数字で把握することができるのです。○2. 小予算からでも始めることができます予算がないから始められない! ――これも、コンテンツマーケティングを提案したときに、上司から言われそうな一言ですよね。これに対しては、「一般的な広告に比べ、コスト削減につながります!」と堂々と切り返してください。広告の多くは、露出料に応じて出稿費用がかかりますが、コンテンツマーケティングは、(極端に言えば)自社サイトにコンテンツを置いておけば始められる手法ですのでコスト削減に繋がります。蓄積効果で継続に応じてROIが改善していくまた、広告は一般的に、出稿し続けるとその分費用が発生しますが、コンテンツは、一度公開してしまえばコストはかかりません。加えて、コンテンツの掲載を継続すればするほどその量は増えていくため、1ユーザーを取得するためにかかるコスト(CPA)は改善していきます。米カポスト(Kapost)のレポートによると、「コンテンツマーケティングはコンテンツ制作時に費用が掛かるものの、コンテンツを長期間にわたって公開できるため、公開後5カ月でリード情報の獲得単価が一気に下がる」ことが明らかになっています。○3. 人的リソースは、社内に隠れています競争の激しい今の時代において、社内に十分な人的リソースがあるような会社ばかりではないでしょう。むしろ、一人の担当者が数多くの業務を兼任するようなケースも多いのではないでしょうか。こういった企業のマーケティング担当者が抱える導入障壁は、「コンテンツマーケティングには興味があるが、社内には取り組める人材がいない」ことです。しかし、コンテンツマーケティングは新しい取り組みです。現状のマーケティング部門やWeb担当部門だけに着目していたら、経験者はいないかもしれません。(業界全体を見渡しても、まだまだ「コンテンツマーケティングのプロ」が少ないというのが現状です。)では、少し広い視野で社内を見渡してみましょう。手掛けている仕事のアウトプットを「コンテンツ」と呼んでいなかったとしても、日常業務でコンテンツ制作に携わってきた社員は、思いのほか少なくないのではありませんか?例えば、ほとんどの企業はWebサイトを持ち、日々運用しているはずです。商品販売用のECサイトを持っている企業もあるでしょう。そういったサイトの制作チームや、外部の制作会社との調整業務を行っている社員は、コンテンツマーケティングの担い手候補です。また、営業や販売促進の担当者として、顧客向けの説明資料やメールマガジンの制作に携わる社員はいませんか? 表品開発部門で商品パッケージのデザインを担当しているデザイナーは?このほかにも、メディア対応の窓口となり、ニュースリリースの執筆を行う広報担当者や、社内報の担当者などもコンテンツマーケティングにはうってつけと言えるでしょう。このように、社内外へ向けた何かしらのコンテンツを制作した経験のある社員から、マーケティングに興味を持ちそうな人を探してみましょう。最初は担当者ができることから始め、効果を見ながら徐々に取り組みを拡大していくことが成功の秘訣です。一定以上の規模に拡大する際には、社外のコンテンツ制作会社などを利用するのも手でしょう。いかがでしょうか?大きな投資をせず、まずは小さい規模でから始められることも、コンテンツマーケティングの利点の1つです。アメリカから盛り上がった手法ではありますが、すでに国内企業も続々と挑戦しています。競合他社に出し抜かれてしまう前に、ぜひ一歩を踏み出してみて下さい。次回は、コンテンツマーケティングを成功に導く5つのステップをご紹介します。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年05月01日2014年、多くの注目を集めた「コンテンツマーケティング」を紐解く本連載。前回は、その概論と歴史、実施する際の5つのステップを紹介しました。今回は、コンテンツマーケティングが多くの注目を集めた背景を解説します。○消費者のメディア接触が変容 - 広告をスキップする消費者さて、皆さんは日々、どのようなメディアに、どのくらいの時間接触しているでしょうか。総務省は、10~60代を対象に、テレビ・ネット・新聞・ラジオの4メディアにおける平均利用時間と利用者の割合を調査し、「情報通信白書」として発表しています。同白書の最新版となる平成25年版によると、全世代において、最も接触時間が長いメディアはテレビ(184.7分)で、それはネット(71.6分)の約2.6倍となります。一見、圧倒的にテレビの利用率が高いように見受けられます。しかし、同結果に大きく寄与する年代は、50代や60代の高年齢層。10代では、ネット利用時間の方が長いほか、20代においてもネットがテレビに肉薄する勢いです。同調査は平成25年のものですが、この2年間において、幅広い世代でスマートフォン(スマホ)が普及しましたし、各年代のネット利用時間はさらに伸びているであろうことは想像に難しくありません。特に若い世代にとっては、もはやテレビよりもネットのほうが身近なメディアになっていることがうかがえる結果です。また、テレビの視聴スタイルの変容も無視できません。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が、消費者のメディア接触や、メディアのデジタル化に伴うハードウェア・サービスの利用実態を把握することを目的に毎年実施する「メディア定点調査」の2013年度版を参考に見てみましょう。同調査によれば、「携帯やスマホを操作しながらテレビを見ることがある」と回答した人は全体の48.6%で、「気になることがあるとすぐに携帯やスマホで調べることがある」との回答は42.8%でした。このことから、テレビの情報を真剣に見るというより、生活の中の背景としてテレビをつけながら、ネットを使って調べ物や情報閲覧をしたり、テレビから得た情報を検索してさらに詳しい情報を確認していたりする人が半数近くいることが想像できます。いわゆる「ながら視聴」と呼ばれるこの行為ですが、番組と番組の間のCM中に行われることが多いのではないでしょうか。つまり、消費者はスマホによって「CMをスキップ」しているのではと考えられるわけです。○デジタルパワーを得て変わる 消費者行動加えて同調査では、若年層の新聞離れや、ネットのニュースサイトで十分だと考えている実態が見て取れるように思います。30代以下の世代は、情報収集の手段がネットへシフトしているという傾向が非常に顕著に表れていると言えるでしょう。では、このようにメディアへの接触態度が変容した結果、消費者行動はどのように変わったのでしょうか。この図版は、ネットが普及する以前と現在の購買プロセスの違いを示したものです。「AIDMA(アイドマ)」という消費者行動モデルをご存じの方も多いのではないでしょうか。「ネット普及以前」に一般的だったこの購買プロセスをもとに、冷蔵庫を購入する際の消費行動を考えてみましょう。「ネット普及以前」の消費者は、まず、CMで宣伝を行うメーカーAの冷蔵庫に注意を向けます(Attention)。そして、その冷蔵庫の特徴に興味・感心を抱きます(Interest)。やがて、冷蔵庫の魅力を理解し、家にも1台置きたいと思うようになります(Desire)。その後、メーカーAのCMを何度も見ているうちに、メーカーAのブランドを記憶するようになり(Memory)、自分が「過去に買った商品と比較して」十分に魅力的であれば、店頭で購入という行動(Action)を起こします。「ネット普及以前」には、消費者が比較できる対象として、過去の自分の経験か、せいぜい家族や友人からのクチコミ程度だったのではないでしょうか。比較対象が少ないので、広告主は、「商品の良さ」を繰り返しアピールすることで販売に結びつけることが可能だったのです。ところが、「ネット普及以後」の消費者は、能動的に情報収集をするようになりました。特に、大きな影響を与えた存在は、Googleに代表される「検索 (Search)」とFacebookなどのソーシャルメディアによる「共有 (Share)」の2つです。消費者は、興味をもったらまずネットで「検索」し、購入後には製品体験の感想や意見をソーシャルメディアで広く「共有」する――。ソーシャルメディア上での「共有」は、かつての「クチコミ」とはケタ違いの影響力をもち、その伝播の速さと量は劇的に増加しています。○訪問者が必要な情報。「おもてなし」としてのコンテンツ消費者が能動的に情報収集をするようになったということは、広告主側としてもこの行動を前提としたコミュニケーションを考えなくてはなりません。消費者が折角、製品やサービスに関心を持ってくれたとしても、「検索」の段階で彼らのニーズを満たす情報を「見つけてもらえ」なかったら、購買行動には繋がらないのです。「検索」を通じてWebサイトにやってくる消費者は、どのような情報を必要としているのか――それを考え、その情報(コンテンツ)を用意することで、訪問者を「おもてなし」する。これが、インターネット検索時代のコンテンツマーケティングの基本です。さて、最後に。このように、コンテンツマーケティングが注目された背景には、消費者の購買行動の変化という、極めて本質的な変化があります。これは、一時的な流行などではなく、インフラ化したインターネットによってもたらされた不可逆的な変化と言えるでしょう。一人ひとりの消費者が能動的に情報収集をし、かつ情報発信力が極大化したことにより、企業は、彼らが求める情報(コンテンツ)の提供なくして商品を売ることができなくなりつつあるのです。これが、コンテンツマーケティングが「マーケティングのパラダイムシフト」と呼ばれる理由なのです。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年04月28日皆さんは、「コンテンツマーケティング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? マーケティング先進国となるアメリカでは5年ほど前から、国内でも一昨年ごろからよく聞かれるようになった新しいWebマーケティング手法です。このように申し上げると「また、FacebookやTwitterの時みたいな新しい流行り物か」と受け取られるかもしれませんが、コンテンツマーケティングはインターネットが生活インフラ化したことで変容した人々の消費行動に対応した、極めて本質的かつ普遍的な進化「マーケティングのパラダイムシフト」だと言われています。この連載では、コンテンツマーケティングの概論や、昨今注目されてきた社会的・技術的背景、実際に導入する上でのステップ、社内説得術などを6回に渡ってお伝えしていきます。○コンテンツマーケティング、それは"古くて新しい"マーケティング手法冒頭にて、「コンテンツマーケティングは新しいWebマーケティング手法」とご紹介しました。しかし、コンテンツマーケティングの考え方自体は、「最近生まれたまったく新しいもの」というわけではありません。むしろ、インターネットやコンピューターが登場する遙か以前から存在していた手法です。レストランガイドで有名な「ミシュラン (Michelin)」は1900年、フランスのタイヤメーカーが自動車旅に役立つ地図や自動車整備などの情報を掲載した400ページのガイドブック「ミシュランガイド」を初めて無料配布しました(図を参照)。今から100年以上も前のことです。彼らは、自社製品となるタイヤを売るのではなく、自動車旅行の楽しさやカーライフの便利さを広く伝えることで、自動車業界そのものを活性化し、タイヤ需要の底上げを狙ったと言われています。その直後となる1904年には、フルーツゼラチンミックス「JELL-O (ジェロ)」を開発した米国企業が、自社製品を使うレシピ本を無料で配布。まったくの無名ブランドが2年後には年間売上高300万米ドルを稼ぐまでに成長したといいます。○商品を売ることよりも、顧客に有益な知識を100年前から顧客獲得の手段として取り組まれていたコンテンツマーケティング――2つの事例に共通することは、「直接的に商品を売りこむのではなく、顧客にとって有益な知識を提供することで間接的に売上につなげている」ことです。さまざまな定義やネット関連のカタカナ用語によって複雑怪奇な印象を持たれることもあるコンテンツマーケティングですが、その本質はここに集約されています。「顧客の獲得を目的にコンテンツを制作し、提供することに注力したマーケティング手法」それこそがコンテンツマーケティングなのです。○コンテンツで見込み客に「見つけてもらう」コンテンツマーケティングに興味のある方であれば、「インバウンドマーケティング」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。米ハブスポット(Hubspot)が提唱したこの用語を理解するために、対義語となる「アウトバウンドマーケティング」からご説明しましょう。アウトバウンドマーケティングとは、商品を売ることを目的に「訪問販売」や「電話のセールス」「ダイレクトメール」「メールマガジン」などで見込み客にアプローチするプッシュ型のマーケティング手法です。ひと言で表せば「売り込み」と呼ばれる手法で、近年では急速に効果が低くなっていると言われています。訪問販売や電話でのセールスに対し、多くの人が警戒・拒絶するようになっているためです。一方、インバウンドマーケティングは正反対の考え方となります。消費者に嫌がられるような「売り込み」をせず、見込み客に自ら「見つけてもらう」ことを目標とします。では、いったいどうやって見込み客に「見つけてもらう」のでしょうか――そう、コンテンツです。「見込み客がどのような情報を必要とし、何を探しているのか」を正しく理解し、その情報を「見つけやすい形」で提供することこそ、インバウンドマーケティングの要諦となります。そして、顧客の方から寄ってくる(インバウンド)状況を作り出すために有益なコンテンツの発信に注力したインバウンドマーケティングが、コンテンツマーケティングであるとも言えるでしょう。○「見つけてもらい、ニーズを育成し、定着させる」コンテンツマーケティングの5ステップ前述のように、見込み客に見つけてもらい、そして製品やサービスを購入してもらうため、コンテンツマーケティングには5つのステップを要します。この中でも得に重要なステップは、「Webサイトやブログで情報を提供することでWebサイトへの訪問数を増やす」ことです。生活者は、モノを購入する前にインターネットを使って自分で情報を収集し、知識を得ることが当たり前になっています。彼らが探している情報を、いかに適切にタイムリーに提供できるか――それが生活者に商品やサービスを購入してもらう動機付けとなるのです。次回は、アウトバウンドマーケティングが効かなくなった背景や、なぜこれほどまでにコンテンツマーケティングが注目されたのかを社会的要因・技術的要因から紐解いてみたいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年04月24日●9つのシナリオでOfficeのフル活用を提案日本マイクロソフトは20日、「Office Premium」搭載PCの拡充と、Surfaceに関するキャンペーンの実施、そして新たなデバイス(周辺機器)を発表した。今回は各キャンペーン内容と新デバイス「Universal Mobile Keyboard」「Wireless Display Adapter」に関して報告する。○9つのシナリオでOfficeのフル活用を提案登壇した日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏は、2014年10月にリリースしたOffice Premium搭載PCの反響について「アップグレードにお金がかからない点がうれしいなど、仕組みを理解している方には好評を得た。だが、より便利な使い方や目的を実現する具体的な方法が分からないという声も寄せられている」と述べた。そこで日本マイクロソフトは、学生、社会人、ファミリーという3つのターゲットに対して、PCにそれほど詳しくないユーザー向けに、9つのシナリオを提案。「Office搭載パソコンで変わる新生活」と題した販売促進を行い、さらなるOffice搭載PCの販売台数向上を目指す。例えば「学生」であれば、新学期をパワフルに迎えるため、講義内容のテキストや画像、音声といったデータをOneNoteに集約。そしてOneDrive経由で共有すれば効率的に講義をまとめられると宗像氏は語る。その他にもスマートフォンで撮影した画像をOneDriveに保存し、撮りためた写真をPowerPointのテンプレートを使ってフォトムービー作成や、フリーハンドによるメモやイラストの保存といったシナリオも説明した。宗像氏の説明によると学生の間でOneNoteの利用はさほど多くなく、使い方や応用例を提案すると驚く学生も少なくないという。●社会人やファミリー、Officeをどう使うと便利?「社会人」なら、外出先で仕事をする機会も多い(職種にもよるが)。そこでOneNoteの撮影機能と、マルチデバイスで利用できる点を踏まえたシナリオを提案した。また、クリッピングを用いてカップル同士の情報共有や、結婚式の2次会といったライフイベント時もPowerPointでスライド作成し、情報共有にSkypeのグループ通話を使うと便利だとアピール。宗像氏は販売店やユーザーの声に耳を傾けるほど、「具体的な提案が重要であることが分かった。だからこそ今回のシナリオ提案に至っている」と説明した。そして「ファミリー」。Office Premium搭載PCを買うと、OneDriveの容量が1TBに増える点や、Officeが自動バージョンアップされる点を踏まえつつ、撮りためた写真を使ってフォトムービーの作成シナリオを提案。さらに家族旅行のアジェンダ作成シナリオや、Skype同士の無料通話と固定電話(海外は固定&携帯電話)に対して毎月60分間無料であることをアピール。宗像氏は「そもそもTBという単位やクラウドを理解していないエンドユーザーが多く、そのまま説明しても呪文のようになってしまう。この点を重視して顧客対応しなければならない」と述べつつ、テクニカルサポートを何度でも受けられる点も強調した。これらのシナリオで提案したテンプレートは、日本マイクロソフトのWebページ「楽しもうOfficeライフ」からダウンロード可能。昨年(2014年)末の時点で約715万ページビューに達し、年賀状用テンプレートも60万本のダウンロードを数えたことに対して、宗像氏は「数千万枚の年賀状がPowerPointで作られたことになって喜んでいる」と述べつつ、「楽しもうOfficeライフ」色々な使い方を見付けて欲しいと語った。なお、2015年2月20日から同年4月19日の間「Office 365 Solo」購入者に対して、3,000円をキャッシュバックするキャンペーンも実施する。●モバイルキーボードとMircastの新モデル○持ち歩きたいモバイルキーボード、プレゼンに使えるワイヤレスアダプタ次に登壇した日本マイクロソフト Surface&PCハードウェア戦略本部長 三野達也氏はまず、「Surface Pro 3」が2-in-1デバイスとして広くエンドユーザーに受け入れられた点をアピールした。同社の独自調査によれば、デバイス性能や起動&シャットダウンの速さなどが評価され、全体の満足度は91.9パーセントに達したという。三野氏は「街中でもSurfaceを使っている方を見かけるようになり、認知度も高まったように感じる」と述べた。なお上図の折れ線グラフは、Surface Pro 3の販売累計台数をイメージ化したもので、具体的な数字は明らかにしていない。だが、より幅広いユーザーに受け入れてもらうためのIntel Core i3モデルの追加や、Surface Pro 3 Type Coverプレゼントキャンペーンのタイミングで上昇していることが見て取れるはずだ。この勢いを加速させるため、本日(2015年2月20日)から4月5日まで、学生向けに10,000のキャッシュバックを行う「Surface学割キャンペーン」と、2014年末同様の「Surface Pro 3専用キーボードをプレゼント」を実施する。ちなみに2014年末のキャンペーンでは、Surface Pro 3 Type Cover赤色モデルが品薄になり、出荷を一時停止している状態だが、この点はいまだ改善されていない。三野氏は「現在、再提供を行うため準備中」と述べ、購入時に選択できる配色は限られる。そして新デバイス「Universal Mobile Keyboard」の説明が行われた。形状や名称からも分かるように、持ち運びを前提にしたモバイルキーボードだ。Bluetoothによって、Windows 8やiOS、Android搭載デバイスで接続し、カバー(取り外し可能)の溝部分にデバイスを立て掛けるように使用する。最大3台までの同時接続を可能にしており、本体右側にあるスイッチを切り替えることで、各OSで異なるキーボードレイアウトに対応する仕組みだ。また下図のとおり、キーボードレイアウトは日本語配列のみで英語配列の販売は予定されていない。もう1つの「Wireless Display Adapter」は、ワイヤレスディスプレイ規格であるMiracastを使用し、HDMI入力端子を備えたTVに接続することで、タブレットやスマートフォンの画面をワイヤレスで表示するデバイスだ。なお、USBは給電のみに用いるが、HDMI入力端子とUSBポートが離れている場合を想定し、180ミリメートルのHDMI拡張ケーブルが付属する。会場ではWireless Display Adapterを使ったデモンストレーションも行われたが、接続までに少々の時間を要した。MiracastはWi-Fi Direct経由で接続するため、ネットワークデバイスが多数ある状態で混雑していたのだろう。最終的にはWindows 8.1の画面が大型ディスプレイに映し出され、リビングのTVで動画や写真鑑賞、職場のプロジェクターでプレゼンテーションといった用途に利用できるとアピールした。今回のキャンペーンは特設サイト「新生活応援! 春トク情報特集」で確認できる。阿久津良和(Cactus)
2015年02月20日「今の小学生のうち、6割以上は、今存在しない職業に就く。自分で自分の未来を切り拓いていかなければならないのです。だからこそ、自分を発信する力を身につけてほしい」。小学生を対象にしたプレゼンコンテストの決勝大会に、NECパーソナルコンピュータ、東芝、富士通とともに協力した日本マイクロソフトだが、審査員として登壇した同社執行役コンシューマー & パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏の挨拶の言葉だ。第2回目となるこの大会、今年のテーマは「学校・地元・家族自慢」で、昨年9月に全国の小学生を対象に作品を募集、合計1751作品の応募があり、グループでの参加もあり、その参加者は3678名に達した。2月7日に日本マイクロソフトの品川本社で開催された決勝大会では、その1751作品から1次審査、2次審査を勝ち抜いた10組の小学生が戦った。特別審査員として元体操選手の田中理恵さんも駆けつけた。田中さんは、東京オリンピック招致のときの自分のプレゼンテーションを振り返り、とても緊張したことを思い出したと述べ、その緊張の中でもみんながんばってほしいと戦う小学生たちを激励した。予定審査時間を30分近く延長した厳正なる審査会議の結果、主催の朝日小学生新聞賞を受賞したのは、加藤千尋(4年生)、西野文華(4年生)、山田陽和太(4年生)さんらによる福井県越前市立岡本小学校チームだった。「神と紙のまち岡本」をテーマに越前和紙の産地である地元をアピールした。また、NEC賞として「あの有名人が愛した能!」福島県会津若松市立日新小学校チーム(寺田一瑳(6年生)宮川祐真(6年生)佐藤直也(6年生)小島のどか(6年生)さんら)、東芝賞として「ビバ! ぼくらのあそび場」東京都世田谷区立桜丘小学校、東京都世田谷区立城山小学校混成チーム(橋本大駕(4年生)、渡邊岳大(6年生)、渡邊春菜(3年生)さんら)、富士通賞として「輝き続ける清泉小学校」神奈川県清泉小学校チーム(雨宮真子(6年生)、石田結愛(6年生)、森万由葉(6年生)さんら)が各賞を受賞した。マイクロソフトは、Officeの活用領域を、仕事の現場としての企業オフィスのみならず、家庭や学校といったところまで拡げようと、さまざまなチャレンジを継続的に行っている。こうしたイベントへの協力もその一環だ。「もう、Microsoft Officeというネーミングはどうにかしないといけないかもしれませんね。何かいい製品名はないものでしょうか」と宗像氏は笑う。この大会を受け、プレゼン甲子園的なコンテストを定例化することも考えているそうだ。いわばデジタル版の「私の主張」といったところだろうか。10組のプレゼンテーションは、本当にどれも工夫に満ちあふれた素晴らしいものだった。スクリーンに投影されるスライドに完結せず、リアルな小道具を使い、さらにアクションを交えたプレゼンそのものも勢いがあった。どんなに素晴らしいプレゼンテーションアプリとそれで作った工夫に満ちあふれたスライドも、子どもたちのプレゼンテーションの勢いの前には色あせて見える。東京オリンピックの開催される5年後でも、彼らはまだ中学生、高校生。大人にとっての5年間はアッという間だが、彼らにとっては想像を超えるような先の話だ。その果てしない未来が実にうらやましく感じられたのはナイショにしておこう……。(山田祥平 @syohei)
2015年02月09日NECパーソナルコンピュータは18日、同社およびレノボ・ジャパン製のPC・タブレットをMicrosoft Officeの新機能とともに訴求する「NEC×Lenovo デジタルクリスマスイベント」を東京都・秋葉原で開催した。「NEC×Lenovo デジタルクリスマスイベント」は、10月に発表されたNEC製2014年秋冬新製品や12月に発表されたWindows・Androidタブレット、レノボ・ジャパンのタブレット製品などを、Microsoft Office Premiumサービスの特徴と合わせ紹介するもの。イベントではゲストとして、ますだおかだの岡田圭右さん、元アイドリング!!!メンバーでタレントの菊地亜美さん、シンガーソングライターのchayさんが登場。岡田圭右さんのSkypeを使った"デジタルギャグ"やchayさんのライブなどが披露され、来場客らとともに盛り上がった。菊地亜美さんはトークショーでNECの13.3型モバイルPC「LaVie Z」や13.3型の2-in-1 PC「LaVie U」に触り、LaVie Zに対しては「女性でも持ち運べてストレスにならない」、LaVie Uに対しては「一つでも二つの役割ができる」とコメント。レノボ・ジャパンの「YOGA Tablet 2」については、「ランニングマシンの前にかけてエクセサイズを楽しんだり、料理の時にレシピを見たりできそう」とはしゃいだ様子をみせた。また、「今日は沢山のPCやタブレットに触れられたが、もっと詳しくなって操作法をマスターしていきたい。あと一週間でクリスマスなので、大事な人にプレゼントとかどうですか」とPCへの興味を語ったほか、chayさんは「PCはいじるのが難しいと思っていたが、クリスマスカードも簡単に作れた。年賀状作りにも挑戦したい」と意気込みをコメントした。イベントには、NECレノボ・ジャパングループコンシューマ事業統括エグゼクティブ・ディレクターの留目真伸氏、日本マイクロソフト株式会社のコンシューマ&パートナーグループオフィスプレインストール事業統括本部執行役本部長宗像淳氏も登壇。留目氏はイベント開催の理由を「国内トップシェアのNECと、世界No.1のPCメーカーレノボは合弁事業を進めているが、今回2社が協力することで、日本のユーザーに合った幅広いレンジの製品を提供できる。NECPCの国内シェアも35%弱まで伸びてきている。今回はクリスマスを機会に、PCやタブレットで我々が目指すデジタルライフで何ができるかを訴求したい」と語った。
2014年12月18日Satya Nadella氏がCEO(最高経営責任者)の席に就いてから、Microsoftは「モバイルファースト、クラウドファースト」というキーワードを掲げて、パッケージやオンプレミス製品からクラウド製品への移行を推し進めている。Nadella氏がMicrosoft Cloud and Enterprise GroupのEVP(執行副社長)出身というのも、同社の戦略に大きな影響を与えているのだろう。○iPhone/iPad用Officeを無料で使用できる機能は限定的そして既報のとおり、11月6日(米国時間)に新たなサプライズとして、iPhone/iPad用の「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」の無料提供を開始した。プレスリリースのタイトルは「Microsoft brings Office to everyone, everywhere」、意訳すると「Microsoftは、いつでもどこでも誰にでもOfficeを提供する」という具合だろうか。ここで少し過去を振り返ってみよう。2013年10月には前CEOであるSteve Ballmer氏がiPad用Officeをリリース予定にあることを明らかにし、2014年3月下旬に「Microsoft Word for iPad」や「Office Mobile for iPhone」など各Office製品をリリースした。ただ、あくまでも無料使用範囲はビューアーにとどまり、編集できるのはOffice 365サブスクリプションユーザーに限定している。だが、今回発表されたバージョンは基本的な編集機能も可能だ。このiPhone/iPad用Office製品を語るうえで、最初に述べなければならないのが「完全に無料ではない」ということだ。実際にiPhone/iPad用Office製品を起動してみると、Microsoftアカウントによるサインイン後に「プレミアム機能」使用の有無をうながされる。ここで多くのユーザーは「プレミアム?」と疑問に思うことだろう。iPhone/iPad用Officeでは一部の機能はロックされており、アプリ内課金「Office 365 Solo(1,200円/月)」によって、下図で示したような機能が使用可能になる。筆者はExcel以外のアプリケーションは使用頻度が低いため、正しい評価を下せないが、Excelにおけるグラフ追加・編集がプレミアム機能に属していることに不便を感じて、必要な当月のみ課金してしまうのではないだろうか。このようなパターン課金ユーザーが増える可能性は大きい。つまり、今回リリースしたiPhone/iPad用Officeは「Office 365への呼び水」のような存在と言えるのだ。○iPhone/iPad用Officeは「Office 365 Solo」と同等の存在かここで思い返してほしいのが「Office 365 Solo」の存在だ。「Office Premium」はPCプレインストール製品であり、ユーザーが新規購入するのはOffice 365 Soloのみである。こちらは1,274円/月(12,744円/年)の料金を支払うと、2台のPC/Mac+2台のタブレット/スマートフォンのライセンスに加えて、1TBのオンラインストレージ、60分間/月のSkype通話、アンサーデスクによるサポートが付随する仕組みだ。ライセンスフィーの価格設定などを踏まえると、iPhone/iPad用Officeのプレミアム機能とOffice 365 Soloは同等の存在と言える。さらに月額課金というハードルの低さは、従来のデスクトップアプリ版である「新しいOffice(Office 2013)」から移行する際、有効な選択肢となるのではないだろうか。さらに米国で先行発表したOneDriveの容量無制限を日本国内製品においても適用する。11月12日に行われたWDLC年末商戦向けパソコン販売促進施策記者発表会で、日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループオフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏は、Webやプレミアム機能の説明が1TBのままであることに対して、「時期は未定だが、早々に準備を終えて発表する」と、OneDrive容量無制限化を近々実施すると説明した。Microsoftは「Office for Android Tablet」を2015年初頭にリリースすること、そして、新たなタッチ操作に最適化したWindows 10向けOfficeの存在も明らかにしている。現在のMicrosoftが、Microsoft AzureによるクラウドプラットホームとOfficeのクラウド化で、AppleやGoogleといったライバル企業との接戦を勝ち抜き、"10年の競争を有利"に進めようとしているのは明白だ。日本国内のOffice 365は法人導入が基本的に前提となるが、コンシューマー向けは、プレインストール版のOffice Premium、単独購入するOffice 365 Solo、そして今回のiPhone/iPad用Officeと足並みがそろったことなる。我々コンシューマーもパッケージ/オンプレミス製品にとどまる時期は終わったようだ。阿久津良和(Cactus)
2014年11月17日●推進大使の林修先生、二度目の流行語大賞を狙う?ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は、年末商戦向けパソコン販売促進施策として、Office Premiumを搭載した最新パソコンを前面に打ち出した「新しいOffice搭載パソコンはスゴい!」キャンペーンを開始した。年末年始商戦を含む2014年1月12日まで実施する。昨年のキャンペーンに引き続き、今年も東進ハイスクールの林修先生をキャンペーンキャラクターに起用。「新しいOffice搭載パソコン推進大使」に任命し、Office Premium搭載パソコンを訴求する。WDLCの金古毅会長代理(日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループOEM統括本部長)は、「昨年(2013年)、林先生には量販店の店員に扮していただいたが、今年は大使として、パソコン業界の顔となって活躍していただきたい」とコメント。林先生は、「新しいOffice搭載パソコンの魅力を多くの人に伝えていきたい。責任が重い役割だが、やり遂げたい」と抱負を語った。WDLCは、PCメーカーやソフトメーカー、量販店などのほか、業界の枠を超えた112社の企業が参加。2007年11月の設立以来、情報機器や情報サービスに関して業界を超えた形で連携し、新たなデジタルライフスタイルの提案を目指している。2011年7月の地デジへの完全移行に伴う、地デジチューナー搭載パソコンの販売促進や、昨年の年末商戦ではWindows XPのサポート終了に関する認知度向上、および新たなパソコンへの乗り換え促進キャンペーンを実施した経緯がある。今年の「新しいOffice搭載パソコンはスゴい!」キャンペーンは、新しいOffice搭載パソコン推進大使となった林先生が、Office Premium搭載パソコンのポイントを訴求。「ずっと最新バージョンのOfficeを使えるから、ずっとおトクなんです」、「たっぷり保存できて、いつでも取り出せる1TBのストレージもついているんです」(OneDrive)、「スマホやタブレットにも対応。外出先から、自宅のパソコンと同じ感覚で編集できるんです」、「毎月60分無料のSkype世界通話がついているので、通話料も節約できるんです」、「教え上手なテクニカルサポートを、無償で何度も受けられるんです」といったメッセージで訴える。なお、すでに発表しているOneDriveの容量無制限化の時期については、決定しだい正式に発表するとのこと。11月12日から全国約3,000店舗の店頭に、順次、キャンペーン用POPを配置。キャンペーンサイトや交通広告、オンライン広告を通じて訴求する。また、Webサイトのクイズに回答してOffice公式アカウントをフォローすれば、誰でも応募できる総額500万円のオープン懸賞を用意。抽選で1組2名に300万円分の世界旅行、4組8名に各50万円分の国内旅行をプレゼントする。加えて、NECパーソナルコンピュータ、東芝、富士通、マウスコンピューター、レノボ・ジャパンというPCメーカー5社(キャンペーン協賛メーカー)の対象製品購入者を対象に、抽選で1000名に5,000円相当のクーポンセットをプレゼントするキャンペーンを行う。そのほか、インテルが全国18カ所のショッピングモールで開催するタッチ&トライイベントでも活動する。日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループオフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳執行役は、「お金で買えない価値を提供するのが新たなOffice。幸せな笑顔を提供したい」として、Officeで提供される新たな機能を説明。Officeを常に最新版にアップデートして利用できることや、OneDriveによる容量無制限のオンラインストレージ利用、Skypeを利用した月60分間の公衆回線への無料通話、iPadやスマートフォンでもOfficeが利用できるようになるマルチデバイス対応、何度でも電話での問い合わせが可能なマイクロソフトアンサーデスクの利用といったサービスについても説明した。これに対して林先生は、新Officeの機能を自らの仕事や生活にどう利用できるかといった観点から回答。「私の場合は、授業に関するデータをOneDriveに保存すると便利そう。データを信頼できるスタッフと共有できる。しかも、無制限に保存できるということには驚く」とコメント。「だが私は親しい知人が少なく、情報を共有したいと思っている先生はいない」と発言して笑いを誘った。また、「私は、移動距離が日本でもっとも多い予備校講師。今年は300泊しているほど。Officeをどこでも使えるという点は、私にとってありがたい。これは本当にスゴい」とした。無料のテクニカルサポートについては、「分からないことを誰に聞いたらいいのか、こんなことを聞いていいのかという不安があること、さらには従来は最初のコールから90日間に限定されていたため、いつ最初の電話をするのかが勝負だった。それを考えなくていいことは大きい。これは両親にもすすめたい。まずは年賀状に間に合わせたいと思う」と述べた。そのほか、インプレス発行の「できるシリーズ」5冊分(7,000円相当)をOneNote上で閲覧できる形で無償提供。電話サポートだけでなく、解説書でもユーザーサポートできるようにしたことや、来年の干支である羊のイラストをはじめ、年賀状に関するテンプレートを約400種類用意(無料)していることなども説明した。記者会見では、WDLCの理事を務めるPCメーカーの担当者も登壇。NECパーソナルコンピュータ 取締役 執行役員 常務の留目真伸氏は、「今年のパソコンは、新たな提案が盛りだくさん。林先生にはぜひそれを伝えてもらいたい」とコメント。東芝 パーソナル&クライアントソリューション社 国内営業統括部 統括部長の長嶋忠浩氏は、「今年も業界一丸となって市場を盛り上げたい」と語り、富士通 ユビキタスビジネス戦略本部 本部長の高木達也氏は「一緒に盛り上げ、林先生からもご指導をいただきたい」と述べた。また、タレントの坂口杏里さんが登壇。Office搭載パソコンを利用して交換日記が行いやすくなるという事例に関する説明を聞いた。OneDriveを利用して、無制限の容量で知人と日記の内容を共有でき、さらに長い間保管できること。さらにはOneNoteを利用して、様々なデータを入れることができ、交換日記がやりやすくなることなどの説明を受けて、坂口さんは「スゴい」を連発。「みなさんも、家族や仲のいい友達と交換日記をしてほしい」と語った。●パソコン推進大使、ヨドバシカメラAkibaとビックカメラ有楽町へ○ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの店頭でOfficeセミナー記者会見のあと、林先生は、新しいOffice搭載パソコン推進大使の最初の仕事として、東京・秋葉原のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaと、有楽町のビックカメラ有楽町店を訪問。林先生の大使就任と、量販店店頭の展示を同キャンペーン向けに一新したことを記念して、テープカットやくす玉割を行ったほか、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba店頭では、「新しいOfficeの3つのここがスゴい」といったタイトルで、「ずっと最新でおトク」、「たっぷり保存いつでも取り出せる」、「マルチデバイス」という3つの観点からOfficeの魅力を伝えるセミナーを行った。ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店頭において、新しいOffice搭載パソコン推進大使就任の抱負を聞かれた林先生は、「新たなOfficeは、本当に便利である。私自身が使っていた感じたメリットや魅力を、多くの人に分かりやすく伝えたい」と述べた。ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの御代川忍店長は、「新しいOfficeについては、ヨドバシカメラの店員も、林先生に負けないぐらい勉強してきた。秋冬モデルのパソコンが出そろい、店員も万全の体制。ぜひ店員に質問してもらって、新しいOfficeを搭載したパソコンを理解して購入してほしい」とコメント。「新たなOfficeの良さを、まだご理解いただいてないお客様も多い。10月17日の新Office登場以降、これまでの訴求は少しおとなしめだったといえる。今日をきっかけにして、もっと盛り上げていきたい。今回の新たなOfficeは、大きな特徴を持ち、良さを訴求しやすい。お客様はOneDriveのサービスに高い関心を寄せている。これまでのパソコンとの差をしっかりと説明していきたい。WDLCという業界全体をあげた取り組みに期待している」(御代川忍店長)。○林先生のポスターを貼ったら売り上げが伸びたまた、ビックカメラ有楽町店の塚本智明店長は、「昨年はWDLCのキャンペーンにおいて、店員に扮した林先生のポスターで売り場の壁を埋めた。新Office搭載パソコンは年末商戦の大きな柱。今年も林先生とともにキャンペーンを推進してきたい。Officeが使いやすくなった点や電話サポートを何度も受けられるといったメリットを訴求したい。また、ビックカメラ全体としては10大特典として様々なサービスを用意しており、新Office搭載パソコンの販売に弾みをつけたい」と述べた。「昨年、林先生のポスターを掲示した途端に売り上げが伸びた。林先生のポスターを掲示することが、そのままパソコンが売れることにつながると考えている。今年は前年に比べて林先生のポスターを1.5倍に増やして、しかもパソコン売り場以外を含む、地下2階から6階まで、すべての売り場にポスター展示を掲示した。ほかの売り場にいっても、パソコンに気付いてもらい、そろそろ買い換えなくてはということも感じてもらいたい。パソコンを売らないと量販店のビジネスは厳しい。その柱になるのが新たなOffice。パソコン市場の低迷を感じないように、これを起爆剤にして盛り上げていきたい。ポスター掲示量が1.5倍ならば、売上高も1.5倍を目指したい」(塚本智明店長)。林先生は、「ビックカメラでは私の写真を売り場に飾っていただく『暴挙』ともいえる展開が見られ、もう少し私のルックスが良ければと反省していた。しかし、今年は店員から大使へと大きく出世しており、昨年以上に年末商戦をみなさんと一緒に盛り上げ、お役に立てればと思っている。少し古くなるが、『いつ買うか、いまでしょ』。そして、見て帰るだけでは『ダメヨー、ダメダメ』ということでお願いしたい」と挨拶して会場を沸かした。さらに「今度は、『スゴい!』で二度目の流行語大賞を狙いたい」として、口を大きくあけて、手を口に当てる「スゴい!」のポーズを披露した。
2014年11月12日●クラウドに一番近い場所で新Officeイベント - 「Office Premium」搭載PCと「Office 365 Solo」発売○クラウドに一番近い場所で新Officeを既報の通り、本日10月17日から、「Office Premium」プレインストールPCと「Office 365 Solo」のリリースが始まる。その発売を記念して日本マイクロソフトは、「日本のパソコンが変わる」と題したイベントを、東京スカイツリータウンのプラネタリウム「天空」(コニカミノルタ提供)にて開催した。最初に登壇した日本マイクロソフト 執行役専務 マーケティング&オペレーションズ担当の平野拓也氏は、「『クラウド』に一番近い(宇宙をイメージできる)、プラネタリウムという場所を選んだ」と語りかけ、訪れた報道陣をなごませた。続けて「3年ぶりに欧州から日本に帰国し、日本のデバイス環境が大きく変化したことに深く感慨を覚えた」としつつ、「街中で皆がスマートフォンやタブレットを使いこなしているが、デジタルライフを充実させるには、スマートフォン&タブレットだけでは足りず、3Cと呼ばれる『使う・つながる・作る』を満たすためにPCが欠かせないことを再確認した」とも。さらに日本マイクロソフトの視点に立てば、日本がユニークな市場であることについても言及した。Microsoft OfficeをプレインストールするPCが支持を集めるのは日本特有であり、高品質なPCを求めるユーザーが多いことも特徴的だという。Office PremiumおよびOffice 365 Soloに関する説明は、Officeビジネス本部プロダクトマネージャの中川智景氏が行った。基本的には、10月1日の日本マイクロソフト発表会レポートと同じ内容だ。中川氏は、サブスクリプション型のOffice 365サービスを提供することによって、ユーザーがローカルに存在していたアプリケーションやデータがクラウドに移行し、好みのタイミングでデバイスを利用可能になることを強調。そして従来の「デバイス+ソフトウェア」から、「デバイス+ソフトウェア、そしてサービス」の時代に移行しつつあると語った。ここでOffice PremiumおよびOffice 365 Soloについて少し解説しよう。前者はPCにライセンスが紐付き、デスクトップアプリのWordやExcelは永続ライセンスを取得できるが(常に最新版へアップデートされる)、PCを買い換えたり破棄した場合、ライセンスは消滅する。そしてOffice 365を筆頭に、OneDriveの1TB容量プラスやSkypeの1時間/月の通話、Office for iPadを含むマルチデバイスの提供といったサービスは、Microsoftアカウントに紐付く。そのため、家族で1台のPCを共有する場合、デスクトップアプリのOffice Premiumはみんなで利用可能だが、前述したサービス群は1つのMicrosoftアカウントで利用し、1年ごとの更新(参考価格:5,800円)が必要となる。Office 365 Soloは、自作PCや非Office PremiumプレインストールPCを購入したユーザー向け製品だ。ただし、従来のようなパッケージではなく、コンビニエンスストアなどで見かけるPOSA(Point of Sales Activation)で提供する。Office 365 Soloは、デスクトップアプリおよびOffice 365、そして各種サービスに対するライセンスは1年限りだ。2年目以降は、Office Premiumと同じく更新(参考価格:11,800円)が必要だ。Office Premiumとの違いとして、WordやExcelなどのデスクトップアプリも、1年ごとのライセンス更新になる点を覚えておきたい。個人的には、従来の(サポート期間が続く限りの)永続ライセンスに慣れているため、煩雑な印象が残るのが正直な感想だ。しかし、中川氏は今後Office Premiumが浸透することで、大多数のユーザーがクラウドを使用する利便性を肌で感じ、PCを含めたデジタルライフが大きく変化すると予測。さらにクラウドの普及はライフスタイルの変革につながり、各個人の生産性向上にもつながると語った。この背景には以前から日本マイクロソフトの関係者が語るとおり、国内プレインストールモデルの大々的な普及や、商業利用権という他国では見られない、日本固有の市場が大きく影響しているのだろう。●PCベンダーと小林麻耶さん・麻央さん姉妹が駆けつけた○今後のPC需要に展望を見いだすマイクロソフトとPCベンダー陣さらに会場では、Office Premium搭載PCをリリースするPCベンダーのキーマンを招き、トークセッションを開催した。冒頭、日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ ゼネラルマネージャの高橋美波氏は、PCベンダーを筆頭にしたパートナー企業との連携を強調。2014年末までに、10社から300機種以上(10月16日時点)のOffice Premium搭載PCがリリースされる述べた。司会役を担当した日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏は、今回の会場(プラネタリウム)を選んだ1つの理由として、Office PremiumおよびOffice 365 Soloの開発コードを「Gemini」(ジェミニ:双子座)と名付けていたことを紹介。会場となったコニカミノルタプラネタリウム「天空」の投影機名も、「ジェミニスター」という。トークセッションに登場したPCベンダーとキーマンは、NECパーソナルコンピュータ 取締役 執行役員常務の留目真伸氏、東芝 国内営業東海部 部長の長島忠浩氏、富士通 ユビキタスビジネス戦略本部 本部長の高木達也氏だ。「PCというハードウェアと新しいOfficeの融合」という質問にNECの留目氏は、今回秋冬モデルを一新しつつ、多彩な顧客にニーズに応えるため、モバイルPCのラインナップを強化とアピール。東芝の長島氏も同様に、秋冬モデルを一新し、スマートフォンやタブレットが台頭する現状を踏まえ、コンテンツを制作する上でPCの可能性を改めて強調した。ユーザーの多様化するニーズに応えるため、4K搭載ノートPCから値頃感のあるモバイルPCをそろえたという。さらに年末にはペン対応デバイスのリリースも予定しているそうだ。富士通の高木氏は、あくまでユーザーの立場に立って、子どもでも簡単に角度を変えられるアジャストスライダーを搭載した一体型デスクトップPCのESPRIMO WH77/Sをアピールした。3Dカメラを搭載し、家族で使って楽しいPCを目指したという。筆者の興味を引いたのは、スマートフォン/タブレットの普及当初はPC市場が追いやられていたが、マルチデバイスによる使い分けが普及しつつ、PCが情報の中心に戻るのではないか、という宗像氏の質問である。クリエイティブを実現してきたデバイスであるPCと、スマートフォン/タブレットの役割は大きく異なっているのは、改めて述べるまでもない。その回答として留目氏は、日本のデジタルライフが変わると強調した。現状を踏まえると多くのアナログデータがデジタル化されず、とどまっているいう。そして、大多数のユーザーは本来の楽しみを享受していないのでは、と提言した。新しいOfficeやクラウド時代に沿ったPCの登場で、日本人固有の生活に見合ったデジタルライフをベンダー側から提案するのが大事だと述べた。長島氏の発言も興味深い。ちょうど1年前はWindows XPのサポート終了と重なる時期で、東芝でも買い換え促進キャンペーンを行ったが、(同社顧客の)半分ぐらいがPCを押し入れにしまい込んでいるのでは、と思うほど不調だったという。だが、サポート終了に伴う買い換え需要を見渡すと、75%程度のユーザーがPCを買い換え、改めてPCが不可欠な存在であること認識したそうだ。以下は、タッチ&トライコーナーに展示されていた、各社のOffice Premium搭載PC。ユーザーとして気になる点の1つに、既存のOffice 2013との関係があるだろう。日本マイクロソフトは、今後もOffice 2013を継続して販売していく。その理由として宗像氏は、バージョンコントロールを求めるユーザーニーズに対応するためと回答した。我々は永続ライセンスを持つデスクトップアプリ版と、クラウドアプリケーションへの移行のいずれかを、自身の利用スタイルや利便性を踏まえて選択する岐路に立たされたともいえるだろう。○小林麻耶さん・麻央さん姉妹トークセッションとフォトセッション会場には、ゲストとしてフリーアナウンサーの小林麻耶さんと麻央さんの姉妹が。お二人とも写真をよく撮っては見るそうで、1TBのOneDriveには一体どれだけの写真を保存できるのかという話題に、目を丸くしていた。Skypeは海外通話に使いたいという。阿久津良和(Cactus)
2014年10月17日日本マイクロソフトは1日、日本市場向けオフィススイート「Office」の新製品を発表する「New Office Press Briefing」を開催。プレインストール版とサブスクリプション制度を融合させた新しい提供形態などを明らかにした。関連記事■Core i3版「Surface Pro 3」、10月17日にOffice 365付きで発売■日本マイクロソフト、サブスクリプション版含む日本市場向け新Officeを発表■日本マイクロソフト、iPad用Officeアプリを2014年内に国内発売かつて日本マイクロソフトが、日本国内・個人向けOffice 365を初めて公にしたのは、2014年7月に開催した新年度経営方針記者会見だった。日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏は、大手企業や教育機関などがOffice 365を採用しつつあることをアピールしながら、「日本市場に最適化した『Office 365 for Consumer』を2014年内にリリースする」と発言。担当役員であるコンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏も「国内はプレインストール版Officeが多いため、パートナーと培ってきた関係性を維持しつつ、Office 365 for Consumerの発売を目指す」と語っていた。それから3カ月。10月1日に「New Office Press Briefing」と題した記者会見を行い、日本市場向けOffice 365を発表した。概要を説明する前に、まずはOffice 365の立ち位置から解説しよう。Office 365が発表されたのは2010年10月。デスクトップアプリのMicrosoft Officeスイートを月額課金で使用可能にするエディションと、Exchange ServerやSharePoint Serverなどのサーバープランも同時に提供するエディションが複雑に絡み合っているため、正直分かりにくい。今回発表されたのは、米国のMicrosoft本社が提供している個人向けOffice 365とは異なり、日本独自の構成を採用した。○日本市場に最適化したOffice 365日本国内での名称は「Office PremiumプラスOffice 365サービス」(以下、Office Premium)」と、「Office 365 Solo」である。米国とはまったく異なる日本独自のエディションなので、はじめに概要を紹介しておく。今回の新Officeは、従来と提供形態が変わっただけで、少なくとも発表時点では機能的な強化点はないとのことだ(現行のOffice 2013と同等)。Office Premiumプラス Office 365サービスOffice 365 SoloOffice Premiumは「永続的に使用できるデスクトップアプリ+1年間のOffice 365サブスクリプション(購読)」。Office 365 Solo は「デスクトップアプリ+Office 365サブスクリプション、いずれも1年間」、と述べると分かりやすいだろう。今までのパッケージ版を使ってきたユーザーは違和感を覚えるかもしれないが、プレインストール版ユーザーの場合、1年間のOffice 365サービスが付いてくる。細かい計算は飛ばして、OneDriveのディスク容量プランを1TB追加すると22,800円/年、Skypeの通常回線通話料金は1時間135.6円のため、年間では約1,627円の無料使用権が付属する仕組みだ。(2年目以降は有料と言いつつも)お得なサービスと言えるだろう。米国のOffice 365と構成が異なる理由として、日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏は「(同社の調査によれば)日本市場は約94パーセントのPCにOfficeがインストールされている。だが、米国のOfficeユーザーは30パーセント以上がサブスクリプションを選択し、毎四半期で100万人以上が移行中。そして米国本社との連携や日本市場を踏まえた上で、独自の構成を用意した」と述べた。なお、Office Premiumのエディション構成は下記のとおり。Office 365 SoloのPC版はOffice Personal Premiumと同等の構成となり、Mac版はOffice for Mac 2011と同じWord/Excel/PowerPoint/Outlookが含まれる。ちょうどOffice Personal PremiumとOffice Home&Business Premiumの中間に位置する内容だ。「Office 365 Home」の最大ユーザーは5人だが、Office 365 Soloは2台に制限されている。この点について質問があがると、日本マイクロソフトの担当者は「日本の場合、5台も使うユーザーは少ない。1人が使うデバイスとして2台が最適と考えている」と回答した。○米MicrosoftのCEOも登壇。エコシステムをアピール今回の発表会はOffice 365が主役だが、もう1つの目玉がSatya Nadella氏の訪日だ。筆者の記憶が確かなら、同氏が訪日し、メディアに登場したのは今回が初めてである。登壇したNadella氏は、CEO就任以来掲げている「モバイルファースト、クラウドファースト」について語った。その内容は過去の寄稿記事と重複するため割愛するが、Nadella氏は「日本はOfficeがもっとも活用されている国の1つ」と評価しつつ、「Office for iPad」の日本語版を2014年内にリリースすることを明らかにした。会場ではOffice for iPadのデモンストレーションも披露。基本的には2014年3月にリリースしたものと変わらないが、日本語版UIや利用シナリオに応じて厳選したリボンを表示する仕組みをアピールしていた。なお、文書ファイルの閲覧は無料だが、編集時はOffice Premiere/Office 365 Soloのサブスクリプションライセンスが必要となる点も同じである。Nadella氏がスピーチした「モバイルファースト、クラウドファースト」は文字どおり、iPadやWindowsタブレット、およびクラウドとインフラが欠かせない。マルチプラットフォーム化を目指すMicrosoftにとって、サブスクリプションタイプのOffice 365とOffice for iPadの存在は大きいはず。そのため、今月(2014年10月)の17日とかなり早いタイミングでリリースするのだろう。なお、日本マイクロソフトのSurfaceや各社Windows PC/タブレットのプレインストール版Officeも、同日から順次Office Premiumに切り替わる。樋口氏やNadella氏が言うように、Officeのシェア率が高い日本国内において、Office Premium/Office 365 Soloが浸透するか否か…。これは「最初から全部入りが好まれる」日本という地域で、サブスクリプションに対する理解度をいかに高められるかと、そのための継続的かつ丁寧な説明が求められる。阿久津良和(Cactus)
2014年10月01日みなさん、こんにちは。コンサルタントの木村隆志です。先日、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが結婚しました。女優からモデル、アーティスト、グラビアアイドルまで、数々の美女と浮き名を流してきた淳さんだけに、相手女性に注目が集まりましたが、フタを開けてみたらアラサーの一般女性。それだけに「他の女性とくらべて、どこが良かったのか?」「そもそも男性が結婚を考える女性とは?」などと大きな話題になっています。今回は田村淳さんの妻・香那さんに見る、“男性が結婚を意識する女性”の特徴を挙げていきます。■あらゆる人に優しい女性は恋人の男性に、「自分だけ特別扱いしてほしい」「他の女性に優しくしないで」と思うことが多いのですが、男性は逆。「自分の友人や同僚にどれだけ優しくできるか」を見ていますし、家族に対しても「大切に扱ってくれるか」を見ています。また、飲食店のスタッフやショップ店員への接し方が優しい女性は、「結婚してもずっとその優しさが続きそう」という安心感を抱くものです。実際、香那さんは、淳さんの両親や芸人仲間はもちろん、顔を合わせる全ての人に優しく接しているそうで、これだけ騒がれても悪い評判が一切漏れてきません。■笑顔が多く、感情の起伏が少ない結婚会見で淳さんは、「隣で笑ってくれる女性がいる僕は幸せ者」と言っていました。仕事熱心な男性も、仕事嫌いでグチの多い男性も、「家に帰ったら仕事を忘れて落ち着きたい」ことに変わりはありません。男性が自分の家に求めるのは、癒しや安らぎなのですが、そのイメージを決定づけるのが妻。「どんな精神状態で家に帰ってきても、変わらない笑顔がある」というだけで男性は愛情を感じるのです。逆に、ストレスや怒りを家に持ち帰り、パートナーに話したがる女性は、徐々に距離を置かれてしまうので気をつけましょう。■包容力があり、柔軟な過ごし方ができる多くの独身男性は、“恋人と過ごす時間”と“それ以外の時間”を分けて考える傾向があります。その理由は、「ずっと2人でいても楽しくないし、別々に楽しんでいる時間があるから、2人きりの時間がより楽しくなる」と考えているから。その点、香那さんは、2人きりのときは淳さんのノリに合わせて楽しみ、別々のときは自分の趣味に集中しているそうです。そんな柔軟性は、彼に「帰りの遅い日は電話しなきゃいけない」「ただ家で待っていられても困る」などの窮屈さを感じさせないことにつながっていきます。また、結婚会見で淳さんは、「香那さんの“包容力”にホレた」と言っていました。これは「私を受け入れて」という女性が多い中で、まず「先に彼を受け入れよう」とする姿勢によるものでしょう。小さな違いに思えるかもしれませんが、「先に相手を受け入れてから、私はあとで受け入れてもらう」という順番こそが包容力なのです。■“実は”しっかり者であること男性が穏やかで心優しい女性を求めるのは事実ですが、それだけで結婚を意識することはありません。精神的・金銭的に自立していない恋人には、「もう少し大人になるまで結婚は無理だな」と感じています。男性は、長い年月一緒にいれば、いいことばかりではなく、ピンチも訪れることを分かっているもの。それだけに、「彼女ならピンチがあっても一緒に乗り越えていける」という女性を求めているのです。よく「かかあ天下の方がうまくいく」と言いますが、これは単に強い女性のことではなく、「男性に好きなことをさせ、間違っているところはビシッと伝えられる」という意味を含んでいます。■好きなタイミングで結婚できる淳さんは仕事で何度かインタビューしたことがあるのですが、とても頭の回転が速く、相手の気持ちを常に考える優しい男性でした。「モテて当然」の男性なのですが、ここで挙げた項目がそろっているからこそ、他の美女ではなく香那さんを選び、何度も復縁を懇願したのでしょう。今回のテーマは、結婚だけでなく、「本命の恋人として大事に扱ってもらえるか」、引いては「主導権を握れるか」の分かれ目でもあります。あなたの結婚願望はさておき、「彼女以上の女性はいないかもしれない」と思わせておけば、自分の好きなタイミングで結婚話を進められるのですから、彼に結婚を意識させるくらいの存在でいてほしいと思います。(木村隆志/ハウコレ)
2013年09月29日