意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「マイナンバーカード」です。普及率の伸び悩みは、利便性の実感がないから。マイナンバー制度が始まって、今年で3年目になります。ところが、マイナンバーカードの普及がなかなか進まず、政府は頭を抱えています。交付開始前に政府が掲げた目標交付枚数は2019年3月末で8700万枚。実際には、昨年8月末の時点で1230万枚、人口比でいうと普及率は9.6%にすぎず伸び悩んでいるのです。住民票や基礎年金、健康保険被保険者証などにはそれぞれに番号があり、個人の特定に労力を費やしていました。マイナンバー制度はそれらを一本化して、「社会保障、税、災害対策」の分野で活用するために始められましたが、いまはまだ過渡期にあり、マイナンバーカードでできることといえば、コンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書が取れるくらいです。法務省は、今後マイナンバーを使い、婚姻届やパスポートの発給申請、老齢年金請求に必要な戸籍証明書が不要になる、戸籍法改正案を来年の通常国会で提出する方針を発表しました。地震災害が発生したときには罹災証明書が発行されるのですが、世帯ごとに1通のみ。2世帯以上で住んでいた大家族が、被災して一つの家に住めなくなったとき、子供や孫の世帯は罹災証明書を受け取れないという問題が熊本地震で起こりました。これも、マイナンバーカードで個人を特定して証明書を出すという案が検討されています。マイナンバーカードには、生体認証にも使えるICチップが入っています。この認証機能が活用できれば、健康保険証や銀行のキャッシュカード、転売不可のチケットなどに有効活用される可能性を秘めています。ただ、これからの時代に「カード」という形態がふさわしいのか。総務省は、マイナンバーカードを持ち歩かなくても、スマートフォンにカード情報を取り込み、本人確認ができるような実証実験も進めているそうです。しかし、これには対応する端末を開発しなければならないため、企業側の努力も必要になります。いまは、住所や名前に加えて、マイナンバーの記入を要請されますが、今後、マイナンバーカードひとつで全てこと足りるくらいになったら、便利さを実感できるのかもしれませんね。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年1月24日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年01月22日矢崎広、柳下大、小川ゲン、佐野岳という今注目の若手俳優による4人芝居『Shakespeare’s R&J~シェイクスピアのロミオとジュリエット~』が1月19日(金)に開幕する。出演者4人に話を聞いた。舞台「Shakespeare’S r&J」チケット情報本作は、アメリカの劇作家ジョー・カラルコが不朽の名作『ロミオとジュリエット』を斬新な発想で脚色し、世界的に話題を集めた戯曲。厳格なカソリックの男子高校生4人が寄宿舎を抜け出し、禁断の書に定められた『ロミオとジュリエット』のページを開く――というストーリーで、演出は新国立劇場演劇研修所のコーチを務め、自身のユニットでも作品を発表している田中麻衣子。「シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をやるわけではないことは、観に来る方に知っておいてもらいたいです」と柳下。4人の役名は<学生1><学生2><学生3><学生4>。名もなき彼らが夜中にこっそりと起き出し、はちきれんばかりの好奇心で『ロミオとジュリエット』を演じ始める。しかし、「やっぱりシェイクスピアの言葉は強い。引っ張られちゃいます」(佐野)と、油断すると『ロミオとジュリエット』をそのまま演じてしまう苦労を語る4人。彼らがみせたいのはそこではないのだ。「寄宿舎の同じ部屋で暮らしている男子学生4人が、この本を手にすることで、しまっていた感情や想いがどんどん溢れていく。それをお客様に覗き見していただくような作品です」(矢崎)。「かなりしっかり掘って、その下でみんなでつながっていかないとうまく見せられないのかなと思っています。だから稽古場ではその性格や関係性を掘り下げる作業をしています」(佐野)。取材は稽古が始まって2週間というタイミングであったが「なかなかカタチにならないというか。けっこうたくさんこねてるんですけど、ひとつ作っては壊し、ひとつ作っては壊し、みたいな。本当にいろんな解釈、方向性、見せ方があるので」(矢崎)、「これからは、すごく細かい作業、例えば声のボリュームだったり、誰を見る見ないだったり、物を取る仕草、座る姿勢…そういう部分を詰めていくことになると思います。本当にちょっとしたことの積み重ねです」(柳下)と繊細に、けれど頑丈に稽古を重ねていた。“学生”の“芝居”という二重構造だが「さらにもう一個層があるというか。『ロミオとジュリエット』を演じている学生たちを僕たちが演じてるっていう。やっぱり身体も精神も変えられないから、完全に学生を演じようとしても滲み出るものは必ずあるので。だからこそ、その俳優がやる意味がある。そういうところも面白いんじゃないかなと思います」(小川)。公演は1月19日(金)から 2月4日(日)まで東京・シアタートラムにて。1月23日(火)・30日(火)アフタートークあり。取材・文:中川實穗
2018年01月16日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2017年3大トピックス」についてです。今年もさまざまな出来事がありましたが、まず僕が注目したのは、AI本格化時代の到来です。AIは、金融業界でいち早く取り入れられ、ゴールドマン・サックスのニューヨーク本社の現物株式取引では、600人いたトレーダーがいまや2人。あとはAIに取引は任されています。日本でも、みずほ、三菱東京UFJ、三井住友のメガバンク3行で3万2000人超分の業務削減を発表。リアル店舗は縮小し、AIの担う業務が増えていきます。メディアでも、映像の粗編集やラジオパーソナリティのアシスタント業務、専門用語の文章チェック作業などはAIができるようになりました。そんななか、今秋Google、Amazon、LINEがAIスピーカー(スマートスピーカー)を発売。AIスピーカーに話しかければ、調べものも家電操作も、雑談の相手までしてくれる。AIの波はついに家庭にまで押し寄せてきたんですね。2つ目は仮想通貨。第4次産業革命といわれる、金融とITの融合、フィンテックが大きく前進したのを実感した一年でした。象徴的なのがビットコインです。中国は「貨幣として認めない」と宣言し、ゴールドマン・サックスは「リスクが多大なので社員に取引を禁じる」と発表。ビットコインを使ったVALUも盛り上がりました。4月には、情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する、通称「仮想通貨法」が施行されました。三菱東京UFJは独自の仮想通貨「MUFGコイン」を発行。今後、お金革命が本格化しそうです。3つ目は、訪日外国人旅行者の増大。観光庁は欧米豪に照準をあて、訪日プロモーションを強化しました。LCC整備を受け入れ、専用ターミナルを作り、Airbnbのサービスも広げた。それらが功を奏し、2016年の訪日客数は2400万人になり、増え続けています。政府は2020年に4000万人の観光客誘致という目標を掲げました。富裕層向けの旅行誌『コンデナスト・トラベラー』の読者投票で、「世界で最も魅力的な都市」に東京が2年連続1位に選出。異文化が入り、日本の様相も変わっていきそうです。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年1月3・10日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
2017年12月31日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「NPO」です。社会問題の数だけ必要とされるのが非営利団体・組織。NPOとは、Nonprofit Organizationの略で非営利団体のこと。よく混同されるNGOはNon‐Governmental Organizationで、非政府組織。どちらも社会的問題に対応した事業を行い、営利目的ではない民間団体という意味では同じです。日本では、一般的には、街づくりや子育て、教育など国内の課題に対して活動を行っている団体をNPO、人道支援や紛争解決など、国際的な取り込みをしている組織をNGOと呼び分けています。日本でNPOの活動が注目されるようになったのは、阪神淡路大震災がきっかけといわれています。ボランティア組織だけでは支援が足りず、たくさんのNPOが立ち上げられました。NPOは非営利団体と訳されますが、利益を生んではいけないわけではありません。NPO職員にも給与は必要ですし、事業も継続させなければいけません。株式会社のように、利益を再分配したり、それを元に資金運用などをしてはいけないということなんです。平成10年には特定非営利活動促進法が施行され、特定非営利活動を行う団体を法人化できるようになりました。「特定非営利活動」とは、保健医療、福祉、社会教育、人権擁護など、国が定める20の分野に該当する活動を、社会全体の利益増進のために行うこと。欧米に比べ、社会的信頼の低い日本のNPO。法人化することで信頼が高まり、社会貢献活動がしやすくなります。子どもの貧困、虐待や自殺対策、高齢者の移動支援、環境問題…。お金よりやりがいを重視して、NPOを立ち上げ、それらの社会的課題を事業により解決しようとする若い世代も増えています。ある官僚は、いま日本が直面している社会問題のリストを公開しました。国や自治体でも補助金を出して、すでに問題解決に取り組んでいるNPOに手を挙げてもらい、代わりに活動してほしいと考えているのです。すばらしい活動をしているNPOはたくさんありますが、世に知られていません。NPOと一般市民をつなぎたくて、僕は「GARDEN」という場(会社)を作りました。NPOの活動は今後もっと必要になってくると思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年にニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。※『anan』2017年12月27日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年12月20日バラエティ番組『要博士の異常な映画愛~勝手にセリフ変えてみました~』について、MCを務める俳優の要潤さんにお話を伺いました。ボケもいとわず!?初冠番組で見事なMCぶりを披露!豪華絢爛な衣装に身を包み、バラエティ番組のメインMCを務める要潤さん。オファーが来た時は「まさか冠番組のバラエティにキャスティングされるとは」と驚いたそう。引き受けたのは、映画史に残る名画に、新しい台詞をつけて遊ぶという企画が面白かったから。『吉本新喜劇』を観て育ったこともあって、「お笑いにリスペクトがあり、バラエティ対応力も素晴らしい」(番組P)とキャスティングされたものの、やはり役者の現場とは勝手も違うよう。「役者は決められた台詞を言いますが、バラエティで芸人さんたちは、何もないところから面白いことを言っていく。その過程がクリエイティブで新鮮です。それと、スピード感。ドラマではカットを細かく割るけど、バラエティはいったん始まるとノンストップ。舞台に近い感覚かも」お笑い芸人たちが予測不能なトークを繰り広げても、ゆったりと構え、時には要さんからボケるなど、余裕の感じられるMC術が、お見事!「流れに身を任せているだけで、普段の僕を知ってる人からは“素だね”と言われます。ゲストの方がいろんなパターンでくるので対応は大変だけど、芸人さんが生み出す笑いや流れは潰したくないですね。自分がボケて現場が盛り上がるなら、カットされても全然構いません(笑)」現場の流れで生まれるボケ以外に、「ちなみに、この映画は、〇〇〇回観ました」という、要博士の映画愛のすごさを強調する、定番の回数ボケも。では、要さんご自身がリアルに、もっとも多く観ている映画は?「『スター・ウォーズ』ですね。100回以上観てるんじゃないかな。ストーリーは追わなくてもわかってるので、BGMみたいに流してます」番組では名画のワンシーンに、「異常な映画委員会」の会員たちが全く新しい台詞をあてることで、作品の新たな味わいを見出していく。会員は、芸人、落語家、放送作家など多ジャンルで活躍する人たち。「みなさんまったく違う角度から台詞を作られるので、毎回、ワクワクしながら見ています。僕とは脳みその作りが違うんだろうなあ」番組を通じて、古い作品を観ることが勉強になるとも。「映画作りは、あの時代の映画人が作り出したことがすべてのベースにあり、その延長線上で僕らはやってるんだと感じますね。CGもなく、編集技術が限られた中で、生身の人間が演じるさまはすごいですよ。今は役者が守られているところがあるから、あの時代に生きていたら自分にできただろうかとすら思います」名画に独自の切り口で台詞をつけ、新しい味わい方を提案する動画バラエティ。12/4のゲストは、柴田英嗣(アンタッチャブル)、小沢一敬(スピードワゴン)。テレビ東京にて毎週月曜深夜0:12~放送中。かなめ・じゅん1981年、香川県生まれ。’01年、『仮面ライダーアギト』でデビューしてから、昼ドラ『新・愛の嵐』や大河ドラマ『龍馬伝』など数々の作品に出演。現在、映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』が12月9日より公開。※『anan』2017年12月6日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2017年12月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「投票率」です。有権者の約半分の意見しか反映されてない!?10月の衆議院議員選挙の自民党の圧勝は、投票率の低さにも大きく起因しています。日本の投票率は現在50%台。先日の衆院選は、台風という悪天候も影響しましたが、戦後2番目に低い53.68%でした。約30年前、昭和の時代の投票率は70%前後でした。ところが、平成2年を境に急降下します。リクルート事件や東京佐川急便事件など、政治家の汚職事件が相次いで起こり、国民の政治不信が募ったからです。2009年に民主党政権が誕生したときには一瞬盛り上がり、69.28%に上がりました。しかし、民主党政権は実行力が伴わず、マニフェストはただの理想にすぎないことを思い知らされます。国民の政治離れは進み、投票率は再び下降しました。政治腐敗は中選挙区制にあると、1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されました。選挙自体は簡単にはなったのですが、与党の自民党と野党第1党の社会党が絶妙なバランスでいた「55年体制」が崩壊し、小政党が乱立。国民は、どの政党を選べばよいのかが、わからなくなってしまいました。大学生などに、投票に行かない理由を聞いてみると、政治に関心がないわけではなく、将来を託せる政治家がいない、自分の一票がダメな政治家の後押しをしてしまうのが怖いと言います。問題はあるものの、トランプ大統領ともいい関係を築き、経済面でもそれなりの成果を出しているという点で、やはり自民党に、と今回の圧勝につながりました。世論調査では、「自民党は支持するが、安倍さんは支持しない」という回答も多く上がっています。選挙のたびに投票率の低さが話題になりますが、その前に、票を入れたくなるように政治家ももうちょっと公約を実現させてください、という気持ちにもなりますよね。また、選挙はゴールではありません。当選後、その政治家が国会でどんな発言をしているか。公約を法案にまで進められたか。それらをチェックするのも国民の務めです。前にも言いましたが、他人が決めたルールで生きてよいなら、選挙に行かなくても構いません。でも、自分の望む未来があるのなら、それを作るために投票するべきだと僕は思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2017年12月13日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年12月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「『保守』と『リベラル』」です。政策で見ると両者は矛盾だらけ。二分はできない。衆議院選挙は自由民主党の圧勝に終わりました。選挙のニュースなどでもよく使われた「保守」と「リベラル」ですが、実は「保守」の対義語は「リベラル」ではなく「革新」なんです。そもそも保守派とは、受け継がれてきた慣習や伝統、地域のルール、家族を重んじ、慎重に歩みを進める姿勢を指します。対して、革新派は、古いものを打破して新しいものを作り上げていく姿勢。1970年代の学生運動のころは、まさに革命を求める人たちが革新派と呼ばれてきました。時代とともに、いつの間にか「革新」は「リベラル」と言い換えられるようになりましたが、「リベラル」は、個人の自由を尊重するという主義ですから、意味合いが少し違うんですね。政党でいうと、自由民主党が保守の政党とされています。伝統を守り、昔ながらの家父長制度、家族観を大事に守ります。農家や企業を守り、地域地盤を固めることに腐心します。それに対して、家族や企業、地域を優先するのではなく、あくまで個人の幸福追求を基本にして成り立つ社会を目指すのが「リベラル」。共産党や社民党、立憲民主党はリベラルといわれていますが、ひとつひとつの政策を比べてみるとまた、矛盾が生じてしまうんです。たとえば原発。原子力発電というエネルギー自体は、石油をベースにするエネルギーからすれば革新的なものです。自民党は賛成しており、その他の政党は反対しています。TPPを自民党は推進していますが、TPPを進めれば、海外の安いものがたくさん日本に入ってきて、従来の日本の農林水産業は脅かされる恐れもある。地域産業を尊重する自民党のスタンスとは真逆になりますよね。つまり、「保守」や「リベラル」は、政党をわかりやすく色分けするためにメディアが使っている言葉。実際には明確に分けることはできません。自民党員に聞くと「党内には保守の人もリベラルの人もいる」と話しています。わかりにくいと思われるかもしれませんが、最も大事なのは政党ではなく政策。自分が賛同できる政策をうたっているのは誰なのか、有権者はそれを見極める必要があるんですね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2017年11月15日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年11月10日七輪で焼くレトロな雰囲気が魅力のホルモンバル大阪の天満にある「肉問屋・ワイン・ダーツ ホルモン小川商店」は、焼肉屋さんとは思えないかわいらしい外観が特徴です。オレンジ色の電球が光るレトロな店名の看板が目印。店内は昭和モダンな雰囲気で、タイル張りのカウンターやテーブル席には七輪が用意され、肩肘張らずに一人でも入りやすいお店です。お店の奥にはダーツがあり、食事を済ませるとダーツで遊ぶことができるユニークなお店です。食べごたえのある看板メニュー「メガ丸腸」「メガ丸腸」(972円)は、全長がおよそ30センチもある食べごたえのある一品。プリプリでジューシーなレア部位が丸ごと味わえます。七輪で焼いた新鮮なホルモンは、おいしさがギュッと閉じ込められ、さばきたてのホルモンの臭みのない味わいがクセになります。焼いている途中で切ると旨味が逃げてしまうので、焼きあがるまで我慢して食べるのがおすすめ。他のホルモンメニューも豊富なので、色々な味わいを少しずつ楽しめます。特性ダレに絡めていただく「炙りシャブリブロース」リブロースのとろける旨味が味わえる「炙りシャブリブロース」(1,058円)は、自家製のこだわり玉子ダレにくぐらせていただくのがおすすめ。焼き色が付き始めるくらいにサッと焼いてタレに絡めて食べると、肉の甘みが口いっぱいに広がります。きれいにサシが入った特大のリブロースは薄切りで、柔らかく口どけも滑らか。肉問屋の看板を掲げるお店の上質なお肉が楽しめます。こだわり素材の「蘭王玉子を使ったフレンチトースト」人気のデザートメニューのひとつが、「蘭王玉子を使ったフレンチトースト」(486円)。甘さ控えめなあつあつのフレンチトーストに冷たいバニラアイスがよく合います。コクがあり濃厚な「蘭王玉子」をたっぷり使ったソースに、バケットをしっかりと浸しふっくらと焼き上げました。お肉だけでなくデザートまで、こだわり素材を使ったおいしい味わいが堪能できます。お肉もワインもダーツも一度に楽しめるお店こちらのお店では厳選されたお肉とおいしい純正ホルモンが味わえます。七輪で焼き上げる絶品ホルモンのとりこになり、リピーター続出中のお店ですが、焼肉なしでも、ワインバーやバルとしても利用できます。店内奥のダーツで400点以上ゲットすれば、生ビールやソフトドリンクなどのサービスもあり、いつもとはひと味違った楽しみ方ができるお店です。「肉問屋・ワイン・ダーツ ホルモン小川商店」は、阪急千里線・大阪市営地下鉄堺筋線・谷町線「天神橋筋六丁目駅」12番出口から徒歩6分、JR大阪環状線「天満駅」から徒歩5分と、アクセスの良い場所にあります。おいしいお肉や七輪焼きのホルモンはもちろん、ワインやダーツも楽しめるお店へぜひ足を運んでみてください。スポット情報スポット名:肉問屋・ワイン・ダーツホルモン小川商店住所:大阪府大阪市北区池田町7-11電話番号:06-6352-2941
2017年10月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「自殺予防週間」です。日本は自殺大国。9 月はとくに注意月間なんです。9月10日は世界自殺予防デー。それにちなんで、日本では9月10日~16日を自殺予防週間に定めています。期や年度の替わる3月と9月は、自殺する人が多いのですが、18歳以下に限ると9月1日が突出して自殺者が多いんです。1972年~2013年に自殺した18歳以下の子どもの数は1万8048人。平均すると1日約50人ですが、9月1日に自殺した数は131人で平均の2.6倍にものぼります。また、9月2日は4番目、8月31日は5番目に多く、夏休み明けのプレッシャーが精神を不安定にさせるようです。いじめ問題もありますが、学校に行かせようとする親の期待に応えられないことから、自分を責め、存在意義を見失い、自殺に至るケースも少なくありません。自殺者数が把握できる世界90か国で、人口10万人あたりの自殺者数を比べてみると、日本はワースト6位。女性に限ればワースト3位に入っています。それほど、日本は自殺大国なんですね。厚生労働省の自殺対策白書によれば、平成10年以降、14年間連続で3万人を超えていた自殺者の数が、平成24年には2万人台にとどまり、日本全体で見れば、減少方向にはあります。しかし、問題は10代後半~30代の若年層の自殺者が増えていること。平成27年の15歳~39歳の死因のトップは「自殺」だったんですね。自殺の原因はいくつもの要因が複雑に絡んでおり、特定はできませんが、遺書などから推測すると、「うつ病などを含む健康不安」「経済、生活面の不安」「家庭問題」「勤務問題」などが上位に挙がっています。政府はこの現状を重く受け止め、平成18年に「自殺対策基本法」を制定し、国を挙げて自殺防止に取り組もうとしています。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」では、借金やいじめ、人間関係など、トラブル別の電話相談窓口を紹介しています。いつなんどき、あなたやお友達が崖っぷちに追い込まれるかわかりません。ぜひ元気なうちにウェブサイトを覗いてみてください。学校でも会社でも、命を落としてまで、通わなければいけない場所はどこにもありません。無理をせずに逃げてほしいと思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2017年9月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年09月08日アンソロジー(ANTHOLOGIE)デザイナーの小川圭司がセレクトしたアイテムを取り揃えるセレクトショップ「ART(アート)」が、2017年8月26日(土)に渋谷にオープンする。ファッションアイテムを中心に、強いこだわりを持って表現された作品を小川圭司が厳選し、「作る人、着る人の感性を表現する場」として発信。渋谷2丁目にファッションの新たな空気感を生み出すセレクトショップとして営業する。biscuithead、UNSLACKSなど、独自の世界観を表現するブランドをセレクトして取り扱う。小川圭司がコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)での経験を経て設立したブランドであるアンソロジーも販売。アンソロジーは取扱店舗を絞り、「ART」が都内唯一の展開店舗となる。店舗にはアーティストの木村浩一郎によるアート作品を内装に取り入れ、ショップ空間そのものが表現を発信する場になるように演出されている。オープンに際して、特別商品や一点ものの販売を行う。また、シーズンに捉われず、不定期で新しいブランドやアート作品を展開していく。【詳細】セレクトショップ「ART」オープン日:2017年8月26日(土)住所:渋谷区渋谷2-8-2 2F営業時間:12:00-20:00
2017年08月28日人気アイドルグループ・嵐の松本潤(33)が17日放送のフジテレビ系『VS嵐』で、ジャニー喜多川社長の天然エピソードを明かした。 この日はゲストに山下智久(32)を迎え、サンドウィッチマン、永野ら芸能事務所グレープカンパニー所属のお笑い芸人らと対決。番組内で山下は、KAT-TUNの亀梨和也(31)とユニット「亀と山P」で音楽番組に出演した際、衣装が真っ黒のスーツだったため、ジャニー社長が「YOUたち黒くて見えないよ」と、その場でバラの造花を用意してくれたという秘話を告白した。山下は「愛だな、と思った。そういうのがJr.時代から変わらずあってほっこりしました」と振り返った。 つづいて松本も、ジャニー社長の印象的だったエピソードを公開。嵐のリハーサル現場の隣でジャニーズJr.も練習をしていたため、見に来ていたジャニー社長と久しぶりに会ったという。 そこで「最近引っ越して、僕の家すごいんだよ。YOUたち今から見においでよ」と誘われ、ジャニー社長の自宅へ移動中、突然「ヤバイ、僕らつけられているよ。後ろに車がたくさんいるよ」とジャニー社長が慌てだしたというのだ。 実は、嵐とジャニー社長を尾行していた車は、全て嵐の移動車。しかし、ジャニー社長は気づかない様子で「絶対あれ(週刊誌の)記者だよ、ヤバイ」と困り顔だったという。 ジャニー社長の知られざる天然な一面に「かわいい」とスタジオは大きな笑いに包まれた。
2017年08月17日人気ジャニーズグループ『嵐』の櫻井翔さん(35)と、テレビ朝日の小川彩佳アナウンサー(32)が真剣交際していると、『スポニチアネックス』が報じました。櫻井さんと小川アナの親密交際の様子は、2月27日発売の『週刊ポスト』に掲載されるということです。なお、スポニチによると、小川アナはテレビ朝日側へ、『櫻井さんと真剣にお付き合いさせていただいています』と報告済だといいます。また、関係者の話として、二人はそれぞれの親とも会っているそうで、結婚も視野に入れているのではないかということです。櫻井さんの父親は元総務省事務次官。小川アナの父親は慶大の医学部教授で大学病院部長なのだそう。二人に共通する“エリート一家育ち”という華麗な経歴にも注目が集まっています。櫻井さんと小川アナの交際報道にファンはショックを受けているかと思いきや、同じ『嵐』メンバーの二宮和也さんと伊藤綾子アナウンサーの熱愛報道や、松本潤さんとセクシー女優の葵つかささんの交際報道が出たときとは打って変わり、祝福の声があふれていました。●ネット上では櫻井さんと小川アナの交際に祝福の声が多数!『お互いにとって申し分ないパートナー』『さすが櫻井くん。自分の立場をわきまえた上での相手だと思う』『ニノや松潤とは違う。相手に好感が持てる』『素敵なカップルだと思います。ファンだけど幸せになってほしいです』『お似合いです!結婚してほしいな』『この二人なら結婚してほしい!にしても伊藤綾子との差がすごい…』『小川アナならしっかりしたイメージだし、匂わせとかしなそうだし、いいと思います!』『小川アナなら許せる。このまま結婚してほしいな』『伊藤アナとは好感度が全然違う。この二人なら納得』『好感持てるカップル!寂しいけど、小川アナなら文句のつけようがない』など、ネット上には二人の交際を祝福するファンの声が多数あがっていました。●一方、二宮和也さん、松本潤さんの交際報道時にはファンが大激怒&軽蔑!二宮和也さんと伊藤綾子アナウンサーの熱愛が2016年7月7日に発売された『女性セブン』で報じられたときには、『結婚したらファンやめます』『ファンにとっては相手が誰でも認めたくないけど、伊藤だけは許さない』『彼女アピールのやり口が姑息。ニノ、もっといい人選んで!』などとファンは大激怒。伊藤アナとの交際を認めないと宣言する声がネット上で多数あがりました。また、女優の井上真央さんとの交際が報じられていた松本潤さんが、セクシー女優の葵つかささんとの二股交際を2016年12月28日発売の『週刊文春』で報じられたときには、『これはヒドい!もうアイドルやっていけないでしょ?』『プロ意識なさすぎ。井上真央がかわいそう。見損なった』『よりによってアイドルがセクシー女優と浮気www軽蔑するわー』『彼女を裏切って二股なんて…。松潤は一途なイメージだったんだけどな…』など、ファンからも軽蔑の声があがるほどでした。----------櫻井さんと小川アナの交際報道は、“人気アイドルと女子アナの交際報道”という点で、二宮さんと伊藤アナの場合と同じですが、ファンからの受け入れられ方や反応は大きく異なるようです。人気者になればなるほど、相手はよく選ばないといけないようですね……。●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年02月27日俳優の坂口健太郎が、松本潤主演の映画『ナラタージュ』(10月公開)に出演することが20日、わかった。同作は、作家・島本理生による同名の恋愛小説を実写化。高校の時の演劇部顧問教師・葉山(松本)に想いをよせる泉(有村架純)は、卒業以来1年ぶりの再会に想いをつのらせ、葉山の方もまた泉に複雑な感情を抱える。坂口は泉に想いを寄せ、一度は恋人になる大学生・小野玲二を演じる。葉山を忘れられない泉の姿に苦悩し、嫉妬する役どころとなる。坂口は「初めて本を読ませていただいた時、小野君は繊細な男の子で、どこか壊れてしまいそうな、少しづつ歪んでいく感情を表現する事が難しそうな役だと感じました」と役の印象について語った。さらに坂口は「切なく、悲しい気持ちに感情移入してみてくださる方もいるかと思います」と観客の心境を慮り、「楽しみにしていてください」とメッセージを贈った。メガホンをとった行定勲監督は、長年にわたり同作の映画化を熱望してきた。坂口について「普段はポーカーフェイスの彼が突然、笑み破顔する顔は誰もが心を奪われ小野の役にぴったりだと思った」と、キャスティングの経緯を説明。「ある意味、敵役のような存在ながら恋に苦悩する彼の表情に切なさが何度もこみ上げる瞬間がありました」と撮影時の様子を振り返り、「未来が楽しみな俳優に出会えました」と称賛した。
2017年01月20日人気アイドルグループ『嵐』のメンバー・松本潤さん(33)との交際が『週刊文春』によって報じられた、セクシー女優の葵つかささん(26)。交際報道後、サイン会を中止するなど活動を休止。Twitterの更新もお休みしていましたが、1月16日に投稿を再開。『今日から活動スタートします!昨年は色々と心配掛けてごめんなさい。でも、こんな私を応援してくれて、本当に本当にありがとう。今年もよろしくお願いします!』と活動を再開することをツイートしました。その後も変わらぬ様子でTwitterを更新。心配していたファンを喜ばせています。しかし、嵐ファンはさすがにこれを良く思っていないようで、ネット上では葵さんに対して批判の声が多数あがっています。●「面の皮の厚さにびっくり」「松潤にも引く」とネットは再び炎上活動を再開した葵さんに対しネット上では、『面の皮の厚さにびっくりした』『「こんな私を応援してくれて、本当に本当にありがとう」って、大スターにでもなったつもり?』『売名おつかれさまです』『どうせまた炎上するだけなんだからずっと休んでればいいのに』『売名成功?よかったね』『活動再開したってわざわざツイートしなくてもいいんだけど…』『売名成功でこれからも露出していくつもりみたいだね』『ジャニヲタ敵に回しても平然としていられるなんてすごい』『このたくましさはすごいと思う』など、批判的なコメントが多く、またもや炎上しているようです。一方、葵さんの活動再開で再び松本さんへの批判の声も高まっています。『松潤のゲスさも暴露された感じ』『松潤の株はかなり下がった』『テレビでは一切報じられてないけど、松潤のイメージダウンは免れない』『本当にこんなのと付き合ってたの?松潤にも引くわー』『こんな女を選んだ松潤にはほんとガッカリ』『人様のお通夜でナンパしたっって、松潤のほうが悪いと思うけど…』『松潤のバカさがバレちゃったね。ファンかわいそう』など、松本さんに落胆する人も少なくないようです。二人の交際が真剣なものだったのか、それとも遊びだったのか真相は謎ですが、嵐ファンにとっては衝撃的すぎる報道だったことに間違いはありません。葵さんとの交際報道によって大きくイメージダウンした感のある松本さん。今後、そのイメージを回復していくことはできるのでしょうか。●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年01月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「経済波及効果」です。***「広島東洋カープ優勝による経済波及効果が331億円」だとか、映画『君の名は。』のヒットで聖地に多くの人が訪れ「モデルとなった飛騨市への経済波及効果が100億円を超える予想」など、経済波及効果という言葉をよく耳にしますね。これは、何かものごとが起きることにより商品が売れ、生産者や直接の関係者の所得が増える。周辺の関連業界への好影響、さらにその人たちの消費が伸びることで、無関係の産業でも利益を生む、二次的波及までを含めた予測を指します。総務省のホームページには、経済波及効果を算出する「産業連関表」が掲載されています。この産業連関表は1936年、アメリカの経済学者のレオンチェフ博士が最初に発表。第二次世界大戦後のアメリカの経済を予測し、高い精度を示したことから、活用されるようになりました。日本の産業連関表は1951年に、当時の通商産業省によって作成されました。経済波及効果があったと報じられれば、人々の投資意欲や消費意欲を高めますよね。そうやって景気を良い方に向かわせるのはよいことなのですが、国が経済波及効果という言葉を持ち出したときには、少し懐疑的になったほうがよいかもしれません。なぜなら、推し進めたい政策を通すための説得材料として、都合のいい情報だけを流している場合もあるからです。日本銀行の算出によると、2020年までの東京五輪開催の経済効果は、訪日観光者数が約3300万人に達し、1人当たりの消費額も増加、建設投資総額は10兆円に。実質GDP成長率も'18年まで毎年0.2~0.3ポイント押し上げると予想されています。しかし、あくまで試算ですから、そこまで楽観視してよいかはわかりません。TPPに関しても、政府は日本が参加すれば、貿易が盛んになり生産性が上がり、賃金も雇用も増え、貯蓄や投資にお金が回り…と、良い循環が生まれると言っています。しかし、良い面だけでなく、農林水産省のホームページでは、農林水産物の生産減少額が1300億~2100億円と予想されています。このマイナスの経済効果の報道は、あまり聞こえてこないんですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年11月9日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年11月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフリカ開発会議」です。***8月に第6回アフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれました。アフリカの開発支援のために、日本が世界に呼びかけて1993年に始まった会議で、5年に一度開催され、今年初めてアフリカで行われました。アフリカは人類発祥の地といわれ、ナイル文明など、豊かな文化や歴史があります。ところが19世紀に欧州諸国が肥沃な土地を奪い合うようになり、アフリカを勝手に分割統治、植民地にしてしまいました。その後、アフリカ諸国は独立しはじめますが、欧州各国によって決められた国境は、先住民族の文化や生活を無視した線引き。その問題は現在の内戦や民族紛争にもつながっています。また、アフリカはほかにも、食糧不足や干ばつ、感染症、教育を受けられない子どもたちなど、多くの問題を抱えていますね。近年のボコ・ハラムやアルカイダなど、テロ組織の暗躍も、根底にあるのは貧困や教育問題。経済を好転させることで解消される問題は多い。今年のTICADではテロとの戦いと国際協調が訴えられ、安倍総理は日本から3兆円の支援をすることを約束しました。これに対して、中国は「国連の常任理事国入りをしたい日本が、アフリカ諸国を味方につけようとTICADを政治利用している」と批判しました。近年、中国は、アフリカに携帯電話を普及させ、携帯電話による送金システムを輸出するなど、ものすごい勢いでアフリカに進出してきているんですね。水道も電気も通ってない地域で、携帯電話だけは使われているという異様な光景も。ほかにも道路や港を作る支援をし、代わりにレア・メタルの採掘権を得ようとしています。発展途上のアフリカには、たくさんのビジネスチャンスが眠っています。日本も開発支援だけでなく、民間企業がもっとアフリカと密接につながるといいのですが、距離的な問題もあり少々及び腰です。それでも、日本で消費されるバニラビーンズやカカオ豆、蚊取り線香に使われる除虫菊はアフリカ産がほとんどなんですよ。今後、アフリカと日本は、ますます結びつきが深くなっていくことでしょう。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年11月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年10月30日10月29日(土)放送の「チョイ住み」は、「チョイ住み in リスボン」と題し、プロレスラー・小川直也と、俳優・竹内涼真が出演する。NHK・BSプレミアムにて放送中の「チョイ住み」は、その街にまるで引っ越したような、全く新しい旅番組。ガイドブック片手に、忙しい旅をしがちな現代の日本人に、新しい旅のスタイルを提案していく。コンセプトは「その国にちょっとだけ住んでみる」。アパートを借りて、近所の市場に出かけ、食事を作っては、その日ふと思い立った場所で気ままに過ごす。現地の人と同じ目線に立つことで、ガイドブックには載っていないその国の素顔を浮き彫りにするのだ。今回「チョイ住み」するのは、バルセロナオリンピック柔道銀メダリスト、プロの格闘家に転向後は「暴走王」の異名で人気を博す小川さんと、土屋太鳳と共演した『青空エール』や、7月期放送のドラマ「時をかける少女」の出演が記憶に新しい、いま旬の若手俳優竹内さん。第8弾を迎える今回の旅先は、ユーラシア大陸の西の果て、大航海時代の歴史と文化を残すレトロで不思議な街「ポルトガル」。テージョ川の河口に開けた首都リスボンを舞台に、初対面の2人がハプニング続出!おかしなチョイ住みを繰り広げるようだ。迷路のような路地、郷愁を駆り立てる音楽“ファド”がこぼれる下町で、2人が見い出した楽しみとは?どんな旅になるのかお楽しみに。「チョイ住み in リスボン」は10月29日(土)19時30分~BSプレミアムにて放送。(cinemacafe.net)
2016年10月20日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「消費者物価指数」です***「消費者物価指数(CPI)」とは、全国の消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を時系列で測るもので、5年に一度、基準年を定めて、それと比較して算出します。毎月、総務省統計局が発表しており、景気が良いかどうかの判断基準になるので、「経済の体温計」ともいわれています。消費者物価指数を見て、政府は経済政策や年金の改定などを行うのです。日本経済の最大課題は、デフレからの脱却ですよね。デフレとは、物の値段(物価)が下がると、企業の収益も下がることになるので、企業は賃金を上げられない。なので、懐の冷えた消費者は物を買うのを控えるという状態。物が売れないので企業はさらに商品を安くする…という連鎖が起きます。これがデフレスパイラルです。改善策として、政府は金融緩和を行います。日本銀行が市場にお金を多く流して、相対的に円の価値が下がる状態に誘導するのです。市場に円があふれれば、自然と円安になります。希少価値のものは値段が高くなるけれど、世の中にたくさんあるものは安くなる、というのと同じ原理ですね。日本の主要産業は輸出産業なので、円安になれば企業は儲かります。トヨタなどの輸出企業は利益を増やし、「景気は良くなった」「アベノミクスは成功した」ともいわれますが、多くの一般市民にはあまり良くなった実感がありません。そこで実態を知るのに有効なのが「消費者物価指数」です。消費者物価指数が下がっているということは、市民が前よりも物を買わなくなった(買えなくなった)ということ。2015年の基準年に対して、今年は総合的に消費者物価指数が毎月下がり続けています。これは、一部の企業が好調でも利益が社員に還元されていない(賃金が上がっていない)ということ。非正規雇用者にはもっと回ってきていませんね。政府はこの状態を認識しており、企業に対して賃金を上げるように働きかけ、消費税増税も先送りにしました。消費者物価指数が上がれば、本当に景気が良くなっているという証拠です。毎月ニュースで発表される消費者物価指数を見ながら、自分の体感景気とぜひ比べてみてください。◇ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年10月19日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年10月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ドーピング」です。***リオ五輪の開催前、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽行為が発覚し、問題になりました。世界にドーピングの衝撃が走ったのは、1988年のソウルオリンピック。100m走で、ベン・ジョンソンがカール・ルイスに勝ち、人類初9・8秒台を切るタイムを叩き出しました。ところが、ドーピング検査で陽性になり、ジョンソン選手の金メダルは剥奪されてしまいました。ほかにも陽性の選手が後を絶たず、これをきっかけに1991年にジョンソンの祖国、カナダでアンチ・ドーピングの機関が誕生。1999年には世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されたのです。ドーピングは必ずしも、選手が故意にしているとは限りません。たまたま飲んだ薬の中に禁止成分が入っていて、引っかかるケースも。テニスのマリア・シャラポワ選手が2年間の出場停止処分になりましたが「禁止薬物とは知らなかった」と提訴しています。禁止成分は随時更新されますから、ドーピングを避けるには、選手だけでなく、チームやコーチ、医師や薬剤師も正しい知識が必要。WADAやJADA(日本アンチ・ドーピング機構)はそれぞれの立場での注意を促しています。ドーピングは、製薬会社のビジネスとも密接な関わりがあると指摘する声もあります。合法的に運動能力が上がる薬となれば、ビッグビジネスになりますよね。最近はWADAと大手製薬会社が情報を共有してドーピングを未然に防ごうとしていますが、これも諸刃の剣。規制をすり抜ける新薬が開発され、後にその成分が規制されるというイタチごっこにもなってしまいます。今回のリオ五輪で、IOC(国際オリンピック委員会)が、ロシアの参加を全面禁止にしなかったことに対して、処分が甘いという意見もありました。しかし、五輪は平和の祭典。開催期間は休戦し、人種や国境を超えて皆が参加すること、五輪を続けることに意義があります。大国ロシアが抜けてしまったら、その秩序が崩れてしまう可能性も。そもそも、スポーツとは何を競い合うものなのか?原点に立ち戻り、清い戦いを見せてほしいですね。フェアな戦いこそが感動を与えてくれます。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月21日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事」です。***新しい東京都知事が、初の女性知事・小池百合子さんに決まりましたね。東京がどれほどの大都市なのか、数字の面から見てみましょう。2016年度の東京都の年間予算は、13兆6560億円。日本の国家予算総額が96兆7218億円ですから、比較しても相当な額というのがわかります。また、この東京の予算額は、スウェーデンの国家予算に匹敵する(!)規模です。GDP(国内総生産)では、東京都は2015年度見込みで92兆9000億円=約1兆1326億ドルです。世界のGDP順位を見ると、1位はアメリカ約18兆ドル。2位中国、3位日本が4兆ドル台。数字上では東京は12位に匹敵し、スペインやメキシコのGDPより勝っているのです。都市別に見ると、2014年の1位は東京。2位NY、3位ロサンゼルスと続きます。東京は経済的には、国レベルといってもいい大きさなんですね。日本の総理大臣は議会が選びますが、都知事は直接民主制によって、私たちが直接選べます。つまり、東京都知事は東京という一つの国の大統領のようなもの。また、東京には、日本の全人口の約1割が集中。大企業の本社や外国企業の5割は東京にあり、日本の税収のうちの約4割は東京から集められています。これだけの人とお金が動いている少なくないんです。たとえば、石原慎太郎さんが都知事だったとき、東京の空気の浄化のために、ディーゼル車の走行を規制しました。これにより、自動車メーカーは、世界一基準の厳しい排気ガス規制に対応できるクリーンな自動車を開発。日本の技術力を上げるきっかけになりました。石原都知事はほかにも、日本史を都立高校の必須科目にしたり、横田基地の返還要請をし、航空管制の一部を返してもらうなど独自の政策を実行していきました。近年は任期が短くて、実績を残す機会は減っていますが、都知事は日本全体にも少なからぬ影響を与える存在ということに変わりはありません。予算が膨らむ東京五輪問題や土壌汚染を抱える築地市場移転問題など、小池流改革手腕でバッサリ切り込んでいってほしいなと期待しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき社会」です。***みなさんは、8月6日、9日が何の日かわかりますか?71年前のこの日、世界で初めて、原子爆弾が投下されました。8月6日は広島に、9日は長崎に。一瞬にして街は焼け焦げ、その年の12月までに広島では約14万人、長崎では約7万人の方が亡くなりました。数年後に白血病やガンを発症したり、子供に原爆症が出るケースもあり、総被害は数知れません。日本は原爆の恐ろしさを知る、唯一の被爆国なんです。現在、核保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国。これほど恐ろしい兵器を、なぜ皆持ちたがるのか?悲しいことですが、核を保有することで、敵対する国同士の抑止力になっている、というのも現実なんです。とはいえ、核兵器がこのまま増え続けたら、地球規模の危機に晒されます。2009年、オバマ大統領はプラハで、核保有国として初めて「核なき社会を目指そう」と国際社会に訴えかけました。その後、アメリカ・ロシア間では核軍縮の合意が取れ、処分後もテロリストに核兵器が渡らないよう、注意を払っています。一昨年、国連総会で「核兵器使用禁止条約」がオーストリアから提案されました。化学兵器や生物兵器は国際条約で、使用したら戦争犯罪として裁かれることになっています。それに核兵器も加えようという提案。賛成125か国、反対50か国、棄権7か国で可決されましたが、実は日本はこのとき棄権しました。日本は自国では核兵器を持ちませんが、同盟を結ぶアメリカに、中国や北朝鮮の脅威から守ってもらっている立場。その手前、賛成することができなかったと言われています。今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地の広島を訪れ、平和を訴えましたね。これが実現したのも、毎年、原爆記念日に世界に向けて平和のメッセージを発信し、核保有国の首脳に手紙を送り続けた広島市の不断の努力の賜物です。原爆の惨劇を伝えられるのは、世界で日本だけです。戦争体験者が次々いなくなる今後、二度と悲劇が起こらないよう、8月6日、9日のことを私たちは忘れてはいけないと思います。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税」です。***ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をする制度です。寄付をすると、その額から2000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。日本は東京が中心となり、大都市ばかりに人もお金も集まってしまっています。地方にお金が回るようにと、ふるさと納税制度は2008年に公布されました。寄付した人には地方の特産品などのお礼の品が送られます。理念は素晴らしいのですが、年々、自治体ごとの寄付金獲得競争が加速、返礼品がエスカレートして豪華になってきてしまいました。自治体の方でも返礼品が重荷になったり、返礼で受け取った金券を転売する寄付者が出てくるなど、本末転倒な事例も。公布から8年たち、そろそろ制度の見直しが必要なのかもしれません。また、ふるさと納税を使って、高額所得者が高額の寄付をし、寄付額がほとんど還付される、節税対策に使われていることを問題視する人もいます。いわば、日本のタックスヘイブンです。ただ、都市と地方の格差は広がる一方。地方は財源を得るのが本当に大変です。ですから、たとえタックスヘイブンになったとしても、地方にお金が回るのは良いことなんじゃないかと思います。最近では被災地にふるさと納税する人も増えていますね。熊本への寄付金も増えて、復興に役立っています。問題は、寄付をする側の姿勢ですね。ただの節税対策や、返礼品目当てのショッピングモールになってしまうのは残念。集まった寄付金の使い道は各自治体で公開していますので、寄付をしたら、ぜひチェックしてください。また、一度その土地に足を運んで、実際に見てきてほしいですね。都市部はどうしても消費が中心。地方が生産を支えています。農業、林業、水産業の「生産者を守る」という意識で地方を応援していきたいですね。実際に生産の現場の大変さを知ると、無駄な消費をしなくなります。日本はレストランでもコンビニでもたくさん食品を捨てていて、食品ロスが多いんです。過剰な消費から生まれる社会問題は少なくありません。生産と消費、都市と地方のいいバランスを目指していきたいですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月20日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「参議院選挙」です。***皆さんは「三権分立」を覚えていますか?法律は立法権を持つ国会で作られ、法律に基づいて政治を行う内閣は行政権を、法律に基づいて裁判する司法権は裁判所にあります。これらは暴走しないように互いに監視し合う、ということになっていますが、実際は行政府と立法府が一本化しているよう。内閣が望む法案が、成熟した討議のなされないまま、数の論理で決まることが多い印象があります。国会答弁の数は与党が1割、野党が9割と割合が決まっていますから、これには反論する野党側の責任も少なくありません。大統領と上院下院が対等に、緊張感を持って存在し、常に意見を戦い合わせているアメリカとは大きく違いますね。日本の場合、総理大臣や各大臣は、立法府(国会)で議席を多く取った党内から選ばれます。また、「党議拘束」といって、党員は政党の方針に従わねばならないという規則があります。自分が所属する政党と違う意見に票を入れると、体制に逆らったと罰せられたり、党の公認を得られなくなったり、除名処分になることも。そのため、全体が数の多い与党の意見に流れることが構造的に起きてしまうんですね。国会には衆議院と参議院があって、衆議院で可決された法案を、参議院で再討議します。参議院は衆議院のように途中で解散することなく、任期は6年。半期ごとに半分の議員が選挙で選ばれます。衆議院とは別の角度からじっくり法案に取り組むことが求められています。しかし、党議拘束は参議院にもかかりますから、残念ながら、衆議院との役割の違いがあまり見えてきません。選挙前には国民が喜ぶような聞こえの良い法案が掲げられたり、結局、「選挙に勝つための政治になっていないか?」という疑問も拭えず、国民の政治離れが進んでしまいました。7月10日は参議院議員通常選挙の投票日です。代表演説やマニフェストをチェックして、ぜひ政策の中身で政治家を選んでください。日本は、お上の決定に民が従う歴史が長かったものですから、政治を政治家にまかせる慣習が染みついています。でも今、当事者意識を持って、政治家に働きかける積極性が求められているんです。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月13日号より。
2016年07月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「待機児童」です。***条件を満たし、入所申請をしているにもかかわらず、保育所に入れない「待機児童」の数は2015年4月の段階で約4万5000人。キャンセル待ちの多さに諦めて、最初から申請していない家庭もあるので、潜在的な待機児童数を含めるとその数はもっと多くなるでしょう。待機児童問題は、保育所の数を増やすだけでは解決にはなりません。というのも、保育士さんの数が足りないんですね。保育士の資格を持ちながら現場を離れた「潜在保育士」の数は全国で約80万人。離職した大きな理由は、賃金の低さと言われています。保育士の賃金は、35歳平均で月額21.9万円。全産業の平均は33.3万円ですから、かなり下回っています。安倍総理は4月に一億総活躍社会の一環として、保育士の賃金を2%、月額約6000円アップを宣言。潜在保育士をなんとか呼び戻そうと対策を立てています。保育所が足りないのは、近隣の反対により建てられないというケースもあります。「子供の声がうるさい」といったクレームも聞きますが、それだけではなく、道が狭くて、子供の送り迎えの車や自転車が来ると住民の移動ができないという切実な理由も。街づくりやインフラ面から抜本的に変えなければいけません。また、保育所開設の規制緩和も必要でしょうね。企業内に保育施設がもっと開設できれば助かりますよね。待機児童問題は、すぐには解決しないでしょう。これから就職や転職を考えている方は、育児休業のあるなしだけでなく、バリエーションをチェックしてみてください。1年フルに休めなくても、時短で働ける時期を長く取れる方がありがたい場合もあります。今から約100年前に母性保護論争が起きました。女性解放運動家の平塚らいてうは「子供を産み育てることは国のためでもあるから、国が保護するべき」と主張。対して歌人の与謝野晶子は「女性は男性にも国にもよりかかるべきじゃない。自立して稼ぎなさい」と意見しました。子育てのお金は、国か個人、どちらが出すべきなのか。子供は誰のものなのか?100年前の論争の答えはまだ出ていないんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月22日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月19日19日に最終回を迎えるTBS系ドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』(毎週日曜21:00~)の公式ツイッターで、主演を務める嵐・松本潤の人柄が伝わるエピソードが明かされ、話題を呼んでいる。公式ツイッターでは、「今日の潤様」と題して、頻繁に松本の撮影現場での様子を紹介。この日は、「明日撮影するクライマックスシーンの台詞について、どうするのがベストか、この1週間ずっとやり取りを重ねているのですが、先ほど『はい、これ』と一枚の紙を渡された。これまでやり取りして、手書きでたくさん書き込んだ台本を、PCで全部打ち直して台本形式にしたものだった」というエピソードを明かした。続けて、「『いろいろ考えて書き直したんだけど、手書きのものを見せるのも失礼かなと思って』とのこと」と説明。「誰よりも忙しく、誰よりも寝ていないのに、スタッフに対してさえこの気遣いをしてしまう、気遣いができるところが、松本潤である所以なんだなと、改めて思いました」とつづり、「うちの座長は素敵な人です」とたたえた。この投稿に、「さすが潤様」「やっぱり潤様ステキすぎ!!」「潤くんの人柄がにじみ出る素敵なエピソード」「涙が止まりません」「感動で涙が溢れます」「座長素敵すぎます…涙出てきた…」とファンは感動。また、「座長とスタッフさんがたくさん考えて作った最終回、すっごい楽しみです!!」「そんな考え抜いた最終回は正座してみないと!!」「どんなラストになるかワクワクしてます」と最終回への期待の声や、「ぜひセカンドシーズンを!」という声も寄せられている。(C)TBS
2016年06月15日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。***タックスヘイブンとは日本語で「租税回避地」。税金を免除、またはとても低い税率にして、海外資本を獲得している国や地域のことを指します。ヨーロッパの小国、モナコ公国やサンマリノ共和国、カリブ海の英領ヴァージン諸島やケイマン諸島などが有名です。それらの国や地域が税率を下げるのは、もともと産業や鉱物資源がなく、税金をとる先がないからなんですね。海外企業を誘致できれば、雇用が生まれ、富裕層が集まれば消費が活発になり、その地域の利益につながります。企業にとってみれば、世界に展開するのに、本拠地をタックスヘイブンに登記し、収益を集約できれば、国によって税率が異なることを気にせず、円滑に取引が進められます。必ずしも誰しもが税金逃れのために使っているわけではないんです。ただ、麻薬や人身売買、テロ、政治家の汚職などのマネーロンダリング(資金洗浄。口座を転々とさせて、資金の出所を不明確にする)の温床になりやすいのも事実。北朝鮮やロシアなど、欧米諸国から経済制裁を受けている国のお金のやり取りに使われているともいわれています。4月に「パナマ文書」がニュースになりました。パナマの法律事務所から、タックスヘイブンを利用する企業の、過去40年分の膨大なデータが流出。それによると、約21万の企業の関係者リストのなかに、プーチンや習近平、アイスランドの首相など、国の要人も含まれていました。文書はドイツの新聞社と国際調査報道ジャーナリスト連合に送られ、現在詳しく調べている最中ですが、リストのデータベースは誰でも見られるよう5月にネット上で公開されました。タックスヘイブンに集められた企業の税逃れ額は、約500兆円あるとか。それらが国税として支払われれば、社会保障に使えますよね。日本では早い時期からタックスヘイブン対策税制を設け、法人税率20%以下の国に登記している会社は、国税庁に届け出ることになっており、国内の子会社から、相応の税がとられています。世界の格差問題につながるテーマ。今後、各国がどう対策をとるのか、要注目です。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月14日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「一億総活躍社会」についてです。***去年の10月に第3次安倍改造内閣が発足したときに内閣は「一億総活躍社会」というプランを掲げました。安倍政権の経済目標の一番大きい規模のものって、何だかわかりますか?それは2020年までに日本のGDPを600兆円に引き上げるというものです。現在、日本のGDPは500兆円前後。‘80年代の後半に400兆円の大台を突破し、約15年かけてやっと500兆円になりました。バブル期を含んだ成長ですから、今から4年で約100兆円を上げるというのは、簡単ではない数字なんですね。GDPを上げるには方法は2つ。移民に積極的に働いてもらうか、国内に眠っている労働力を掘り起こすか。安倍さんは保守派ですから、移民の受け入れにはあまり積極的ではありません。そこで、女性やお年寄り、障害のある方、難病の方などでも、働ける人を総動員して、国の経済成長を促したいと考えているんです。バブル崩壊後、リーマンショックの起きた2008年頃までは、働きたくても働き口がない、という状況でした。けれども今、日本は人手不足です。サービス産業、製造業、介護や医療の現場で働き手を求めています。「一億総活躍社会」は言い換えてみれば「一億総労働社会」。少子高齢化で、働く年代の人口が減っているのに歯止めをかけたいんですね。今後は定年も延び、年金の受給開始年齢も引き上げられるでしょう。ただ、見方を変えれば悪いことばかりではありません。家庭、地域、職場で個性を生かした多様な働き方を社会全体で支援する。男性女性、障害のあるなし、年齢に関係なく、皆がいきいきと働ける社会を目指すということ。これから日本の労働環境が大きく変わるのかもしれませんね。政府は緊急政策として、「希望出生率を1.8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育や介護のサービスの拡大を目指しています。今、日本では、働いても生活が楽にならないという貧困の問題がありますね。一億総動員はするものの、市場原理にのまれて、ただ安い賃金で働かされ、ちっとも暮らしが豊かにならない、というふうにならないことを祈りたいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月18日より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月15日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会の時間」。今回のテーマは「ブラック企業」。***ブラック企業とは、労働基準法に明らかに違反している会社のことを言います。残業の未払いや過重労働の末、不当に解雇されるとか、労災隠しなどなど。ただ実際には、たとえサービス残業が多くても、その分ボーナスの上乗せや、休日の優遇などのフォローがあったり、将来のキャリアアップにつながる場合は、働き手はブラック企業とは考えませんよね。問題なのは、そういうフォローが何もなく、働き手の未来を潰してしまうような企業です。最近はSNSなどの発達で、ブラック企業問題が明るみに出るようになりました。牛丼チェーンの『すき家』のように、それをきっかけに労働環境が改善されたケースもあります。『すき家』では、深夜に「ワンオペ(ワンオペレーション)」という、たった一人で仕入れから調理、接客までを行うシステムを導入し、24時間営業の店舗を広く展開しました。しかし、長時間トイレにも行けず、明らかな過重労働。深夜には強盗に入られるトラブルも多発。従業員のSNSでの悲鳴が世に広まり、株主らの忠告を受け、『すき家』はいくつかの店舗を閉め、深夜営業も制限しました。もしもあなたが、不当に過重労働を強いられている、労働基準法に大きく反していると思われたら、一人で抱え込まずに誰かに相談してください。会社内部の通報窓口も企業側にたっていて、あてにならない場合もないとは言い切れないので、第三者機関に相談することをお勧めします。会社に労働組合がない人のためのユニオンや、「派遣ユニオン」など正社員でない人のためのユニオンもあります。今は「ブラック企業大賞」が毎年発表されていますし、厚生労働省も長時間労働など、年に3回以上勧告をした大企業の名前は公表すると発表しました。企業もいきすぎると自分の首を絞めかねません。とはいえ、人件費を抑えて利益をあげようとするのが企業の常…。もしも、割に合わないと思うならば、心身を壊してしまう前に他を探したほうがよいでしょう。自分の将来につながるかどうか考えてみてください。幸い、今は人手不足。今いるところが全てではないはずです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月23日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年03月21日連続ドラマ史上初の刑事専門弁護士の巻き起こす痛快逆転劇を描くドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」。本作で、自身初の日曜劇場主演を務める「嵐」の松本潤の代表作「花より男子」が、この度、「春休み!!特別編集版」として放送決定!毎放送後には、「99.9-刑事専門弁護士-」の特別映像に加え、キャスト陣に直撃する現場レポートが放送されるという。探偵役や料理人役、御曹司役など様々な役どころを演じてきた松本さんが、自らが納得するまでとことん追及する超型破りな若手弁護士・深山大翔役を演じる本作。共演者には、深山とひょんなことからチームを組むことになる弁護士・佐田篤弘役の香川照之と、佐田同様に深山とチームを組むことになる立花彩乃役の榮倉奈々、そのほか「相棒」シリーズの岸部一徳、「龍馬伝」「平清盛」の青木崇高、多方面で活躍する奥田瑛二、片桐仁、マギー、渡辺真起子ら豪華俳優陣が名を連ねる。この度、初弁護士役に挑戦することで注目を集める松本さんの代表作ドラマのひとつ「花より男子」&「花より男子2(リターンズ)」が、「春休み!!特別編集版」として放送されることが決定。「花より男子」は、少女漫画誌「マーガレット」(講談社)にて連載された神尾葉子氏による人気コミック。超お金持ち名門高校に通う主人公の貧乏少女が、学園を牛耳る御曹司4人組「F4」とぶつかり合い、様々なトラブルに巻き込まれながらも、持ち前の明るさと雑草魂でたくましく生きていく姿が描かれた痛快青春ラブストーリーだ。2005年、松本さんをはじめ、いまや大河ドラマ「花燃ゆ」で主演を務め上げる井上真央や小栗旬、松田翔太、阿部力ら若手俳優たちを迎えて実写化ドラマ化。シーズン2、劇場版まで制作され人気を博した。今回の特別編集版では、2005年10月期放送「花より男子」を、3月12日(土)14時~、13日(日)15時~、19日(土)15時~、20日(日)15時~の4回に渡り放送。2007年1月期放送「花より男子2(リターンズ)」を、4月2日(土)16時~、3日(日)16時~、9日(土)14時~、16日(土)16時~、17日(日)14時~の5回に渡り放送される。また、放送の最後には、4月17日(日)21時からスタートする日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」の特別映像や、主演・松本さんが共演者たちに直撃する現場レポートを、放送日ごとに異なるバリエーションで放送することも決定。名作ドラマと、期待度MAXの最新ドラマの特別映像を一気に堪能できることになりそうだ。日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」は4月17日(日)21時よりTBS系にて放送。「『花より男子』春休み!!特別編集版」は3月12日(土)から4月17日(日)まで、土・日曜の午後帯にて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年03月10日