KDDI研究所は11月19日、AR画像をリアルタイムの映像に重ねて表示できる遠隔作業支援システムを12月1日から「VistaFinder Mx」のオプション機能として発売すると発表した。リアルタイムの映像にAR画像を重ねて表示する遠隔作業支援システムの商用化は世界初だという。システムは、従来からのマーカーを使わず、ARエンジンがAR画像を認識する。学習機能を搭載しており、作業中にカメラを動かしても、AR画像を自動的に追従し、正しい位置で認識する。また、従来必要としていたAR専用サーバーが不要であるため、スマートフォン・タブレット端末とソフトウェアのみで利用できる。これにより、開発費用の軽減も実現できるという。価格は、VistaFinder Mxの最小システムが19万円~で、ARシステムが10万円。発売に先立ち、11月20日~21日に東京ビッグサイトで開催される「ハイウェイテクノフェア2014」に出展する。
2014年11月20日東北大学と東芝は11月14日、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」を共同開発したと発表した。両社は2013年8月にヘルスケアビックデータ研究に関する連携・協力に関する協定を締結して以来、医工学連携の下で取り組んでいく様々なヘルスサイエンス分野の研究知見と、東芝が持つセンシング技術やヘルスケアクラウド技術を統合して、各個人の生体情報とライフスタイル情報に基づく、心身の健康管理を行う社会構築に向けた研究を進めてきた。「ジャポニカアレイ」は、日本人ゲノム情報を高精度かつ低コストで解析可能とする遺伝子解析ツール。東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が同定した日本人に特徴的な約67.5万カ所のゲノム情報を1枚のチップに搭載してワンステップで解読することができる。今後、個人の疾病リスクやより個人の体質にあった有効な薬剤の選択、個々人のゲノム情報ならびにライフセンシングデータ装着型ガジェット等のビッグデータを統合化して活用するヘルスケアサービスなどに展開できるよう、研究が進められるという。
2014年11月14日ロガリズムは11月12日、スマートフォン向けゲームアプリのユーザーログデータを階層化し、解析データを自動でレポートするクラウド型サービス「BUNSEKI」の提供を開始した。BUNSEKIは、特別なSDKを必要とせず、ロガリズム側で用意するサーバにアプリのログデータを送ることで、自動的に分析を行う。分析したデータは専用の管理画面で閲覧することが可能で、ユーザーセグメント別のDAU(デイリーアクティブユーザー)やセグメント毎の離脱ルートの一覧といったデータを閲覧できる。利用プランは、1万MAU(マンスリーアクティブユーザー)までのアプリを対象とし無料で導入可能な「トライアル版」のほか、30万MAUまでのアプリが対象で月額1万円(税別)からの「スタンダード版」と、30万MAU以上の人気アプリ向けで個別の料金設定となる「プレミアム版」が用意されている。同サービスの導入により、日々のログ集計・精査・データ加工といった手間を省くことができるだけでなく、新たに分析システムを構築することなくログ解析が行え、分析スタッフの人材不足解決と運営やプロモーションへの活用によるゲームアプリの収益拡大が実現できるという。
2014年11月13日もはや当たり前のように行われるWeb解析。現在では、多種多様な解析ツールが公開されており、ノウハウも蓄積されてマーケティングなどに活用されている。だが、これらのほとんどはPCからのアクセスを前提としたもの。スマートフォンなどのモバイル端末についての解析は、まだまだこれからというのが現状である。2014年12月9日、秋葉原UDXにて開催される「マイナビニュースフォーラム2014」では、データ活用をテーマに最新のトピックスを紹介する予定となっている。今回、同フォーラムのセッションに登壇予定である株式会社ユーザーローカルの渡邊和行氏に、スマートフォンにおけるWeb解析の現状について解説いただいた。○Web解析はPC前提が8割。一方、アクセスの半数以上はスマートフォンユーザーローカルは、ビッグデータ分析に特化したさまざまなマーケティングツールを提供する企業である。同社が提供するヒートマップを用いた可視化が特徴的な「User Insight」は、ユーザー動向を直感的に把握できるものとして、大きな支持を集め、大手企業を中心に500社を超えるサイトで利用され、そのほか無料で提供しているツールを含めると20万を超えるサイトで利用されている。そこから得られた情報によると、「おそらく、現在のWeb解析は、その8割がPCからのアクセスを前提としていると思われます」と渡邊氏はいう。その一方で、多くのWebサイトにおいて、スマートフォンからのアクセスがPCのそれを凌駕しつつある現状も存在する。「弊社のクライアントサイトの平均的なイメージとしては、2年前までは6割がPCからのアクセスでした。それが1年前でほぼ五分五分。おそらく、今ではスマートフォンのほうが多いでしょう。ここ1~2年の環境の変化は、実感としてもの凄いものがあります」(渡邊氏)○スマートフォンのアクセス解析は、まだまだこれからの未知なる世界スマートフォンが本格的に普及し始めて、まだ数年程度。現在は、「ようやく企業もスマートフォン向けに最適化したサイトを用意してみたという段階」というのが渡邊氏の見立てである。まだ十分な検証が行われておらず、現状のスマートフォン向けサイトは「制作者や管理者目線で設計されているケースが多いと感じています」とのことだ。「今、はやりのレスポンシブWebデザインも、ユーザーから見て便利かどうかの検証を行っているサイトが多いとはいえません。ただ、スマートフォンユーザーが広がる速度を考えると、そろそろ"とりあえず作った"から、次の段階に移行する時期だと考えています」(渡邊氏)○この1年で蓄積したスマートフォンのWeb解析事例を公開同社は2013年12月に、スマートフォンサイト訪問者の一人ひとりのタッチ操作が解析できる機能を備え、スマートフォンやタブレットのヒートマップ分析が可能な「User Insight」の新バージョンをリリースした。その後、現在まで約200社が新規に導入し、実際にスマートフォンからのアクセスに対するWeb解析を実行中とのことだ。そして、今回のセッションでは、具体的な導入事例をもとに、PCとスマートフォンの違いを紹介する予定となっている。「PCとスマートフォンのユーザー動向をヒートマップで見ると、その違いは一目瞭然です。それをぜひ、ご覧ください」(渡邊氏)今後、増え続けるスマートフォンからのアクセスに対応するためにも、企業のマーケティング担当はもちろん、Web制作者にとっても必見のセッションといえるだろう。
2014年11月12日NEWSYは11月10日、かっこと共同で、オープンデータや各企業が個別に保有するビッグデータの解析結果を活用した、コンテンツマーケティングサービスの提供を開始した。同サービスでは、NEWSYの編集力・企画力と、かっこのデータ解析力・活用力を掛けあわせ、データをコンテンツとしたマーケティング支援を実施。顧客企業の課題に合わせ、オープンデータや各企業が個別に保有するデータを活用した話題性のあるコンテンツ開発やビッグデータの解析、同結果を基にした記事の制作までをサポートする。NEWSYでは、以前よりニュースサイト「しらべぇ」を運営。編集ノウハウやマーケティングコミュニケーションの企画・プロデュース力を活かし、オウンドメディアでのコンテンツマーケティングを支援するサービスを提供してきた。また、かっこは、ビッグデータの解析や可視化に定評があり、ニュースサイト「しらべぇ」でも、データの切り口や解析力から多数の記事を寄稿しているという。
2014年11月11日日本IBMは11月8日、外部からの通信を識別および制御し、企業システムへの脅威や不正侵入を防止する侵入防御システム(IPS:Intrusion Prevention System)製品に、新ラインアップとなるハイエンドモデル「IBM Security Network Protection XGS 7100」を追加したと発表した。同製品は既に提供している次世代IPS製品が実装するSSL暗号化通信の解析、Webアプリケーションのアクセス制御、ならびに悪意のあるIPアドレスをデータベース化した情報をもとにアクセス制御する機能などきめ細かい侵入防御対策を行う。それに加え、膨大な通信量の中から高速に脅威を検知する高いスループットを実現する。従来から実装する各種機能と合わせて、データセンターや大規模な企業ネットワークを支える10GBのネットワークを保護できるように設計。最大4つのネットワーク・インタフェース・モジュール(NIM)のインストールが可能で、10GBのネットワーク・インタフェースを最大4セグメント、または1GBのネットワーク・インタフェースを最大16セグメント保護する。保護可能なスループットは毎秒20GBに対応。これにより、顧客の業務スピードを減速せず、堅牢なセキュリティーを提供する。また、利用するネットワーク機器の規模に合わせて柔軟に変更することができるフレキシブル・パフォーマンス・ライセンスを4段階に拡張し、パフォーマンスや帯域に合わせた導入、ならびに導入後そのままの筐体でシステムを拡張することが可能になる。提供方法は、機器を含むアプライアンス形式となり、最小構成の参考価格は1738万500円(税別)から。11月12日よりIBMおよびIBMパートナー経由で出荷が開始される。さらにIBMでは、この提供に合わせて、IBM Security Network Protectionの全モデルに適合する最新のファームウェア(Firmware 5.3)の提供を開始。最新版においては、「オープンソースの不正侵入検知システムであるSNORTが侵入を認識するために定める検知ロジックのカスタムシグネチャをそのまま活用できるSNORT互換への対応」「パフォーマンス、インタフェース、プロトコル分析モジュール(PAM)の統計などのアプライアンスの稼働状況の監視」「米国連邦情報・技術局(NIST)によって公開された要件(NIST 800-131A)への対応」等の機能拡張が行われた。
2014年11月10日ルネサス エレクトロニクスは11月6日、自動車の運転支援システム実現に向け、センサ・フュージョン、ゲートウェイ、シャシーシステム用途の40nmプロセス採用32ビットマイコン「RH850/P1xシリーズ」のハイエンド版となる「RH850/P1x-Cシリーズ」を製品化したと発表した。同シリーズは「RH850/P1H-C」ならびに「RH850/P1M-C」の2グループが用意されており、いずれも自動運転システムが正常に機能しているかどうかを監視する「セーフティ機能」、外部からのハッキングなどに対する堅牢性を確保した「セキュリティ機能」、各種センサからの情報を収集・処理可能な「センサ機能」、複数の運転支援システムを協調制御する「ネットワーク機能」の4つのニーズに応える機能を1チップに搭載したオールインワンソリューション。「RH850/P1H-C」は高度な協調制御が求められるハイエンドならびに一般的な協調制御が求められるミドルレンジ向け、「RH850/P1M-C」が個別制御が行われるスタンダード向けという位置づけとなっている。いずれもCPUにはRH850G3M(動作周波数240MHz)のデュアルロックステップ版を採用。RH850/P1H-Cには都合4コア(ロックステップ仕様のため、2コア1組で1CPUコアとして動作)、RH850/P1M-Cは都合2コア(ロックステップ仕様のため、実際は1コアとして動作)という構成となっており、Memory Protection Unit(MPU)やFPU、ハードウェア・セキュリティ・モジュール、最大8MBのフラッシュメモリなども搭載しながら0.9W(worst)の消費電力を実現しているという。なお、2シリーズともに2015年2月よりサンプル出荷を、2016年9月より量産出荷をそれぞれ開始する予定で、2020年1月には月産200万個規模を計画しているという。また、サンプル価格はチップ単体が8000円、システム/ソフトウェアのデバッグ向けの専用エミュレーションデバイスが10万8000円としている。
2014年11月06日インターネットイニシアティブ(IIJ)は10月30日、企業のシステムに侵入し様々な被害を与えるマルウェアを検知・解析する「IIJマルウェア解析ソリューション」の提供を開始すると発表した。同ソリューションでは、「PaloAlto Networks PAシリーズ」「FireEye NX/EXシリーズ」のようなサンドボックス型のセキュリティ製品や、「FFR yarai」などの標的型攻撃対策製品で検知した検体を、専門のアナリストが調査・解析。マルウェアの危険度や感染状況などの情報を提供する。これらの情報が明らかになることで、顧客は自社の対応方針に応じた早急な処置が行なえるため、対応効率を向上できるという。3段階のメニュー「1.初期判定」「2.簡易解析」「3.詳細解析」が用意されているため、目的に応じて解析内容が選択可能だ。マルウェア解析では、セキュアブレインの専門アナリストが協力し、同社が保有するツール等を利用している。
2014年10月31日NECソリューションイノベータは10月29日、「果菜栽培向け営農指導支援システム」販売を開始すると発表した。「果菜栽培向け営農指導支援システム」は、多数の農家に栽培技術や経営の指導を行う営農指導員の業務を効率化し、果実や野菜の園地・農地での現場指導を充実させるというもの。農業協同組合や大規模農業生産法人に向けて販売する。営農指導の現場では、農家が現地での生産指導を期待する一方、指導員は事務作業に時間をとられ、現地での指導時間を十分に確保できていない。同システムは、味や見栄えなどの品質が売価に影響する果菜を対象とし、園地情報や生育状況、出荷評価データなど営農指導に必要な情報をクラウドで一元管理してデータを可視化する。これによって事務作業の効率化だけでなく、データを活用した生産指導も可能となるという。なお、「果菜栽培向け営農指導支援システム」は11月20日、11月21日に東京国際フォーラムで東京国際フォーラムにて開催される「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014」において展示される予定。同社は、同システムの他、水産養殖物の陸上飼育をICTで支援する「NEC 養殖管理ポータル」など一次産業を支援するサービスを開発、「これからも強い農林水産業づくりに貢献するソリューションを提供していく」とコメントしている。
2014年10月29日日立製作所は、活動量計で計測した歩行などの身体活動のデータをクラウド上に蓄積して解析し、可視化することで、健康増進を支援する「健康増進サービス」を10月31日から販売開始する。同サービスは、支援スタッフ(サポーター)が自治体や企業が運営する地域住民向けの健康サロン(集会所など)で活用して、利用者の活動量計のデータを蓄積・解析・可視化し、その結果を地域住民に提供するとともに、結果に基づいた健康増進に役立つアドバイスを行うといった運用が想定されている。支援スタッフによる的確なフィードバックを実現するため、東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室室長の青栁幸利氏による身体活動と健康状態の相関に関する研究(中之条研究)の成果を活用し、活動量のデータと疾病との相関をグラフで表示し、具体的な数値指標を用いた活動量の目標管理を可能にする。また、利用者が単独で取り組むのではなく、支援スタッフと直接会話を行う形態にすることで、健康増進効果を高めるとともに、体調変化や認知症の兆候などの早期発見も期待できるという。同社は、スマート情報分野における製品・サービス群をIntelligent Operations(インテリジェント オペレーションズ)として体系化しており、そのラインアップの1つとして同サービスを提供する。価格は、100ユーザーライセンスで月額28万円から(税別)で、初期費用として、環境設定およびコンサルティング費用、活動量計およびデータ収集用PCの購入費用などが別途必要。
2014年10月29日本田技研工業(ホンダ)は10月24日、新たな安全運転支援システム「Honda SENSING」を発表した。同システムは、フロントグリル内に設置したミリ波レーダーと、フロントウインドウ内上部に設置した単眼カメラという2種類のセンサーで構成されている。ミリ波レーダーは、対象物体の位置や速度だけでなく、検知が難しいとされてきた電波の反射率が低い歩行者まで検知対象を拡大するなど機能の向上を実現。また、単眼カメラは車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性や大きさなどを識別することを可能とした。こうしたセンシング技術の精度向上により、これまでの運転支援システムに「歩行者事故低減ステアリング」など新たに6つの機能を追加。多機能化に合わせてデータの処理能力を向上させ、周囲の状況に加えて、ドライバーの意思と車両の状態を認識し、ブレーキやステアリングなどの車両各部を協調制御する。同社は「今回、新たに発表したHonda SENSINGを加え、これらの先進運転支援技術をグローバルで展開することで、さらなる安心・快適性の向上を目指していく」とコメントしており、国内においては年内発売を予定している新型「LEGEND」から同システムを適用し、今後順次拡大していくとのこと。
2014年10月24日凸版印刷は10月23日、組織標本から全自動でがん遺伝子の変異型の検出を行う小型全自動遺伝子解析システムを開発したと発表した。現在、抗がん剤の効果予測などのために、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルからがんの遺伝子変異の検出が行われているが、DNAを分離し取り出す操作が、非常に煩雑であるとともに、劇物薬品の取り扱いも必要となるため、熟練した技術が要求され、検査センターや一部の病院検査室で行われている。今回、同社は、理化学研究所、理研ジェネシスと共同開発してきた全自動小型遺伝子型解析システムを応用し、FFPEサンプルから、がん組織細胞の遺伝子変異を全自動で検出するシステムを開発した。これにより、検査工程の大幅な簡易化を実現し、検査時間を従来方法の約4分の1となる、約2時間に短縮することができるという。また、10月下旬からがん研究会有明病院と共同で、臨床検体を用いた本解析システムの実証試験を実施する予定だ。同社は「今後も臨床現場でのニーズが高まっている解析困難な遺伝子検査、たとえば、血清中に存在する極微量のがん遺伝子の変異を検出できる全自動解析システムの研究開発にも着手していく」とコメントしている。
2014年10月23日日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)は10月20日、米OpGenと共同で、大規模なゲノム構造変化の発見・解析を支援するクラウドソリューション「Human Chromosome Explorer」のアーリーアクセスプログラム(EAP)を開始すると発表した。「Human Chromosome Explorer」は、日立ハイテクのCE(キャピラリー電気泳動式)DNAシーケンサ事業による豊富な経験や実績および日立グループのICT技術と、OpGenの全ゲノムマッピング技術を融合して開発したクラウドソリューション。大規模なゲノム構造変化の発見など、迅速で高精度なヒトゲノム構造解析を実現するという。今回のEAPでは、対象となる顧客に対し、全ゲノムマッピングデータやヒトゲノム構造解析ツールなどにアクセスできるポータルや、ヒトゲノムの完全な遺伝子評価結果が得られる解析モジュールを提供する。両社はEAPを経て、2015年に米国での本格的なサービス提供開始を目指しているという。次世代DNAシーケンサの普及によってゲノム構造解析の高速化が進む一方、完全なゲノム配列を解析するには多くの工程と時間がかかるとともに、ゲノム配列内での大規模な転位や欠失などといった構造変化を解析できないという課題がある。ゲノムの構造変化の多くは、がんや自閉症、アルツハイマー病などと関連しており、このような遺伝子情報は新たな治療法の開発を可能にし、将来的には患者それぞれの遺伝子情報を元にした疾病の診断や治療法決定の指針となることが期待される。
2014年10月20日サイバネットシステム(サイバネット)は10月15日、toorが開発したビッグデータ見える化する解析エンジン「toorPIA(トピア)」の販売開始を発表した。toorPIAは、データサイエンティストなどの専門家でなくても、データをさまざまな属性で分析し、類似性をマップ化するミドルウェアツール。解析可能なデータは、Twitter、Wikipedia、社内文章、特許などの英文・和文情報、POSデータ、各種ログ情報のほか、センサーが出力する数値データなどの非テキスト情報も含む。分析に使用する属性数に制限がないため、分析軸や仮定が定まらない段階であっても、ビッグデータの全体を俯瞰することが可能となる。これにより、膨大なデータの中から分析対象とするデータ層を発見して切り出し、他のBIツールなどでそれらのデータをより詳細に分析することもできる。また、同ツールで得ることができるマップや時刻、位置、ユーザーなどの情報の属性データを組み合わせることで、時間的な傾向や将来予測、局所性・地域性、顧客ごとの傾向などをさまざまな角度で分析することを可能にする。同ツールでは、MapReduce&KVS エンジン「maguna」を採用し、少ないサーバ台数でも高速なビッグデータ処理を可能としたほか、独自のアーキテクチャにより、従来の限界を超えたクラスタリング処理ができるという。なお、ミドルウェアであるため、データを読み込むためのプログラムや、可視化した結果を表示するためのプログラムの作成が別途必要。同社は、2~3日のトレーニングと実習でマップ化を習得し、さまざまなAPIを含む開発キットも提供する。同ツールの価格は、1サーバあたり、サポートを含む年間利用ライセンスが初年度310万円、次年度からは180万円(いずれも税別)。オプションとして提供する開発キットは、初年度が510万円で、次年度は300万円(いずれも税別)となる。
2014年10月17日システムダイアリーはこのたび、システム手帳用の「エンディングノート」を発売した。販売商品は、「エンディングノート・マキシマムセット」(税別2万8,800円)と「エンディングノート・ベーシックセット」(税別8,800円)の2種類。同商品は、携帯して気が付いたときに少しずつ書き込むことができ、バインダー式のため変更や追加があっても入れ替えが容易にできる。また、高耐久性のオリジナル用紙「アクアスマート紙」を使用し、長期間の保管にも適しているという。ファイナンシャルプランナー・一橋香織氏が監修し、充実した内容でありながら、シンプルで分かりやすい分類と各ページの書き込みのしやすさが特徴とのこと。マキシマムセットは、最高級ドイツボックスカーフ使用のバインダー、エンディングノート、スケジュール2種、エンディングノートを保管するための革製バインダーの5点セット。ベーシックセットは、革製バインダー、エンディングノート、スケジュール2種の4点セットとなる。
2014年10月17日Ptmindは10月14日、同社が提供するマルチデバイス・アクセス解析ツール「Pt engine」のバージョンアップを実施した。「Pt engine」とは、PCやスマートフォン、タブレットといったさまざまなデバイスからのサイトアクセスを解析できるアナリティクスツール。ユーザーのクリック(画面タッチ)や閲覧といった行動をサーモグラフィーで「見える化」するヒートマップ機能を搭載し、世界9000サイト以上で導入されているという。今回のアップデートでは、価格帯の料金プランとPayPalでの決済が可能なWeb決済プランを設置したほか、データの計算処理能力を従来の10倍以上に改善。これにより、中小企業から大規模サイトの運営企業まで、幅広く導入可能となったという。なお、クレジットカード決済も今後導入する予定だ。
2014年10月15日エバージーンは、がんや生活習慣病、体質などに関係する遺伝子を解析してスマートフォンやPCなどで結果を知らせる遺伝子解析サービス「ディアジーン」の「がん遺伝子解析サービス」に、7種類の体質に関する解析項目を追加した。「ディアジーン」は自宅で手軽に実施できる、がん遺伝子解析サービス。Webサイト上で解析キットを購入し、採取容器に少量の唾液を入れて返送するだけで解析結果が閲覧できる。がんのほかに生活習慣病、体質などの遺伝子を解析することも可能。価格は9,800円(税込)。今年4月に提供が開始されたディアジーンのがん遺伝子解析サービスに、新たに7種類の体質に関する解析を追加された。これにより価格は据え置きのまま、がん8種類と合わせ計15項目の解析が可能になる。また、11種類の生活習慣病をプラスし計26項目の解析ができる「がん+生活習慣病 遺伝子解析サービス」も用意。こちらの価格は19,800円(税込)となる。なお同社では、すでに解析キットを購入済のユーザーで、今回の追加項目の解析を希望するユーザーを対象に、追加料金および検体の発送なしで結果を通知するとしている。同サービスの詳細は、「ディアジーン」のWebサイトで確認可能。同社は、今後も解析項目の追加など価値向上を図り、「多くの人々の生活習慣の見直しや、健康意識を高めるきっかけに役立つサービスの提供を目指す」としている。
2014年10月14日JR東日本メカトロニクスと三菱UFJニコスはこのたび、共同運営のクラウド型決済システム「J-Mups(ジェイマップス)」で、プリペイド型電子マネー「nanaco(ナナコ)」に対応するシステム開発に着手した。なお、「J-Mups」におけるサービス提供開始は2015年初夏を予定しているという。「nanaco」は、セブン・カードサービスが発行するプリペイド方式の電子マネー。発行枚数は累計約3345万枚(8月時点)にのぼり、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなどの全国のnanaco加盟店(約15万2500店・8月時点)で利用が可能。「J-Mups」は、クレジットカード、銀聯カード、ジェイデビットといった決済サービスの他、各種規格の電子マネーにも対応可能だという。決済端末、非接触型リーダライターともに従来に比べ低価格を実現、インターネット回線利用により導入加盟店の通信コスト削減も可能となっているという。また、決済端末にセンシティブ情報を残さず、安全性にも配慮した設計になっているとしている。JR東日本メカトロニクス、三菱UFJニコスでは、来年のnanaco取扱いで、「J-Mups」における決済サービスのラインアップを拡充し、加盟店の広範な決済に応えていこうとしている。
2014年10月10日企業のWebマーケティングを支援するギャプライズは10月7日、同社のオフィシャルパートナーで、競合サイト解析ツールを提供するイスラエルのSimilarWebが、アプリストア向け解析ツール「SimilarWebPRO for apps」を正式にリリースしたほか、モバイル版「SimilarWeb」のベータテストを開始したことを発表した。「SimilarWebPRO for apps」は、対象のアプリページのストア内検索やランキング、開発者ページ、外部リンクからのトラフィックの割合を数値化するツール。それぞれのトラフィックソースに対して、具体的な検索キーワードや、ストア内ページ・外部サイト等のリンク元の情報をアクセスシェアの高い順に解析することが可能。対象のアプリがどんなワードで検索されているかや、どんなリンクからトラフィックを集めているかなど、具体的な数値割合とともに把握することができる。同サービス内の「Google Playキーワード解析」機能では、解析対象を特定のアプリではなく、任意の検索キーワードとし、検索からどのようなアプリのページに飛んでいるのかをアクセスシェア順に表示することが可能だ。同サービスにより、自社および競合のアプリストア内におけるトラフィック状況の解析や、レッドオーシャン・ブルーオーシャンの把握、アプリストア内のマーケティング活動の促進を実現するという。なお、競合サイト解析ツール「SimilarWeb」のモバイル版は、日本国内において年内に製品版としてリリースされる予定だ。
2014年10月08日タカラバイオは、同社の米国子会社クロンテックラボラトリーズが開発した、次世代シーケンサ向けDNA解析キット「DNA SMART ChIP-Seq Kit」の販売を開始したと発表した。同キットは、クロンテックが保有するPCRアダプターを直接付加して完全長cDNA合成することから感度が良く、微量の核酸サンプルでの使用が可能な技術「Switching Mechanism at 5’ End of RNATemplate(SMART)技術」を応用し、クロマチン免疫沈降(ChIP)により得られたDNAを次世代シーケンサで解析するための調製用試薬。これを用いることで、従来比1/5のDNAおよび従来比1/2の時間で、次世代シーケンサの解析用試料を調製することが可能になるという。なお当社では、次世代シーケンサ向けの新製品開発に注力していくとしており、今後も同分野の製品ラインアップを拡充していく予定としている。
2014年10月07日三菱重工業は10月2日、従来の新交通システムの約2倍に相当する120km/時の最高速度を持つ「高速新交通システム」を開発したと発表した。新交通システムは、路線計画の自由度の高さや、環境負荷の低さから都市部の支線や空港の路線で幅広く導入されている。同社が開発した「高速新交通システム」は高速化を達成したことで乗り換えなしに都市部と郊外をつなぐことを可能とし、利便性の向上が期待できる。また、新開発の高速台車によって振動・騒音の低減も実現したとのこと。同社は、日本の新交通システムを空港向けAPM(全自動無人運転車両)や都市内向けAGT(自動案内軌条式旅客輸送システム)として「Crystal Mover」ブランドで世界各地に展開しており、今回の「高速新交通システム」の投入により、都市交通システムのさらなる受注拡大に力を注いでいく。
2014年10月03日エプソンは2日、ゴルフスイング解析システム「M-Tracer For Golf」の新モデル「MT500G II」を発表した。クラブへの着脱性やアプリの機能強化など使い勝手を改善。10月8日から発売し、価格はオープン、店頭予想価格は2万円台後半(税別)。「M-Tracer For Golf」は、自社開発の小型センサーをゴルフクラブのグリップにアタッチメントを使って装着し、スイングすることでスイングのインパクト、スピード、シャフト回転、テンポなどのデータを計測するシステム。計測データはスマートフォン/タブレットにBluetooth転送してグラフや画像で自分のスイング状態を把握できるとともに、プロによる理想のスイングと比較したりと、改善ポイントを分かりやすく明示してくれる。新製品では、センサー本体をアタッチメントから取り外しやすくするとともに、誤操作防止のために電源ボタンの形状を変更するなど、使い勝手を改善した。今回、専用ソフトウエアもバージョンアップ。チェック機能の強化として、従来の「Vゾーン」に加え「ハーフウェイバック(HWB)」と「トップ(TOP)」表示を追加。ゴルフクラブを3DCG表示にすることでフェース状態の視認性も向上した。10月中旬公開予定のWebサービス「M-Tracer View For Golf」ベータ版にも、新機能を追加する。「M-Tracer For Golf」の計測データをクラウドサービスに最大2,000件までアップロードし、PCの大きな画面でスイングデータを見ることができるものだ。新たに「ダッシュボード機能」を搭載することで、フェース角の安定度などスイングの数値データを表示するほか、複数のグラフを並べて分析できる。さらに、過去データとの比較や、1日/1カ月/1年などに行ったスイング数、使用したゴルフクラブの割合も把握できる。主な仕様は、通信方式がBluetooth 2.1+EDR、通信距離は約10m、リチウムポリマー二次電池内蔵で動作時間は約4時間、充電時間は約2時間、USBバスパワー充電に対応。本体サイズはW50×D27×H16mm、重量は約15g。アタッチメント(L/M/Sサイズ各1個)、MicroUSBケーブル、ストラップを同梱。
2014年10月02日(画像はプレスリリースより)富士フイルムが断層画像解析システムを開発富士フイルムは光による肌の見え方について研究の際に、肌内部における光の透過・反射により見え方に差が出ると仮説を立てた。今回、特定の波長ごとに可視化できる断層画像解析システムを開発。可視光の波長ごとに肌の断層画面を撮影し、透過・反射光を解析した。研究結果青色光、緑色光、赤色光のうち、赤色光は肌深部の真皮上層まで多くの光が透過し、光を反射する皮膚の領域が広く、また、多くの光を反射することを確認した。赤色光は多くの反射光が得られるため、肌を内側から照らし出し、肌に透明感を与えることが判明。赤色光のシミや毛穴などの凹凸を目立たせずに、肌を美しくみせるのはこのメカニズムに基づくことを解明。今後の展開断層画像解析システムのデータは1回の撮影で奥行きと広がりの情報を瞬時に得ることができることから、ヒトの肌のような生体サンプルでも撮影可能。医学的な応用が期待される。富士フイルムは化粧品の開発にも応用することを発表。このデータは6月26日に開催に「日本光学会主催第39回光学シンポジウム」にて発表予定。【参考】・富士フイルムプレスリリース
2014年06月26日日立製作所は6月5日、サイバー攻撃に悪用されるマルウェアの挙動を自動的に解析するマルウェア解析システムの試作に成功したと発表した。同システムでは、OSやソフトウェアのバージョンが異なる環境下で、マルウェアの挙動解析を自動的に行えることに加え、環境依存型のマルウェアの挙動把握やマルウェアが影響を受ける環境の特定を容易に行うことができる。これまで高度な専門知識を有したマルウェア解析者が手作業で行ってきた一連の解析作業(動的解析、観測、挙動解析、レポート)を自動で行うことで、解析全体にかかる時間を75%短縮する。試作したマルウェア解析システムに用いた主な技術は、「多種動的解析環境の構築」「マルウェア特徴情報の抽出」「外部のマルウェア解析サービスと連携」。「多種動的解析環境の構築」では、環境によって挙動の異なるマルウェアを解析するため、複数種類の解析エンジンや、動的解析環境を用いてマルウェア解析システムを構築。動的解析環境は、従来から培ってきたマルウェア解析ノウハウに基づいてマルウェアの攻撃傾向を分析し、攻撃を受けやすい環境を選定・構築した。「マルウェア特徴情報の抽出」では、専門家のマルウェア解析ノウハウ(暗黙知)を形式知化して挙動を解析するとともに、解析結果からマルウェア特有の挙動を抽出する技術を開発。これはマルウェアが解析を逃れるために備えている隠匿機能や不審なネットワーク接続のマルウェア特有の不正行動を抽出するもので、容易にマルウェアの脅威を明らかにする。文書ファイルなどの機密情報に寄生するマルウェアはマルウェアの解析作業を外部に委託しづらいという課題があったが、マルウェアが寄生する機密情報を外部に提供することなく、外部のマルウェア解析サービスと連携することで、機密保護しながら解析の精度を高める技術を開発した。試作したシステムは、総務省実証事業「サイバー攻撃解析・防御モデル実践演習の実証実験の請負」におけるマルウェア解析の実証の成果を活用している。
2014年06月06日サンワダイレクトは13日、iPad mini / iPad mini Retinaをシステム手帳に綴じ込んでおける専用ケース「iPad miniシステム手帳ケース(リフィルタイプ・A5対応・簡単取り外し・スタンド機能付) 200-PDA145」を発売した。通販サイト「サンワダイレクト」での価格は3,222円。iPad mini / iPad mini RetinaをA5の6穴タイプのシステム手帳に取り付けられる専用ケース。リフィルと同じようにiPad miniを収納でき、システム手帳と1つにまとめることで、取り回しが便利になる。ケースはマグネットでシステム手帳に取り付けられているので、iPad miniだけを使いたいときでも簡単に取り外せる。ケース背面にはスタンド機能とゴム製ホルダーも装備。ケースはクリアタイプで、Lightningコネクタやボリュームなどの各種ボタンもケースを付けたまま操作できる。本体サイズはW153×D13×H204mm、重量は約86g。
2014年05月13日富士フイルムは4月7日、静岡県立静岡がんセンターと共同で開発した人工知能の技術を用いて、画像診断をサポートする類似症例検索システム「SYNAPSE Case Match」に、新たに肝臓がんの画像検索機能を加えたと発表した。同製品は、過去の症例データベースから、病変の画像の特徴が類似した症例を瞬時に検索し、似ている順に表示するシステムである。医師は、表示された画像やその診断結果を参考にして、CT画像の診断を行うことができる。富士フイルムは、2012年10月より肺がんを対象に同製品を展開してきたが、対象疾患を拡大して欲しいとの要望が多かった。そこで今回、類似症例検索の対象に肝臓がんを新たに追加した。肝臓がんは、がんの中でも罹患数、死亡数が多い疾患の1つで、肝臓がんの疑いがある患者には、造影剤を使用するCT検査が行われる。肝臓がんは早期発見が重要なため、画像診断医には、CT画像における腫瘤の濃染のパターンや形状などから、肝臓腫瘤を正確かつ迅速に診断することが求められる。今回の「SYNAPSE Case Match(Ver.2.4)」は、静岡がんセンターで蓄積された約1000の肺がんの症例データベースに加え、約300例の確定診断のついた肝臓腫瘤の症例データベースが搭載されている。さらに、導入施設ごとに自院の症例を追加登録して症例データをより充実させることができる。独自の画像解析技術を組み込んだ画像検索機能は、肝臓腫瘤の病変部の複雑かつ多様な画像を、濃染のパターンや形状などの特徴で分類して数値化し、医師が診断の際に留意する観点に基づいて画像の類似性を定量化している。また、画像診断医や臨床医が自院で診断した症例を登録し教育目的に使用できる「ティーチングファイル機能」の他、「電子医学書」などを標準搭載。充実した機能で幅広く医師をサポートする。加えて、同社の放射線読影レポーティングシステムと組み合わせて使うことで症例の管理、実症例を用いた学習への活用を効率的かつ効果的に行える機能を備えている。なお、同製品は、富士フイルムメディカルを通じて5月下旬より発売する。
2014年04月07日理化学研究所(理研)とリコー、東北大学の3者は4月1日、分離照射電子線ホログラフィを改良し、微小な絶縁体試料が帯電する様子を詳細に解析できるようにしたことで、高精細かつ省エネルギーのプリンタ開発において鍵となる、トナー粒子とキャリア粒子間の電位分布の解析に成功したと発表した。同成果は、同所 創発物性科学研究センター 創発現象観測技術研究チームの進藤大輔チームリーダー(東北大学 多元物質科学研究所 教授)、谷垣俊明研究員、赤瀬善太郎客員研究員(東北大学 多元物質科学研究所 助教)、村上恭和客員研究員(東北大学 多元物質科学研究所 准教授)、リコー 研究開発本部の川瀬広光研究主担らによるもの。詳細は、米国の科学雑誌「Applied Physics Letters」オンライン版に掲載された。静電気の力を利用して画像形成を行うレーザプリンタは、常に高画質化や省エネルギー化が求められているが、実現するためには、画像品質を左右するトナー粒子とキャリア粒子間の静電相互作用を解明する必要がある。その有効な手法の1つが、電磁場の可視化と同時に、局所箇所の電位を精度良く計測できる電子線ホログラフィである。しかし、試料の内部だけでなく、外部にも無視できない強さの電磁場が存在する場合には、電子線ホログラフィの実験で必要な参照波が大きく歪んでしまい高精度な計測ができない。また、トナー粒子とキャリア粒子は絶縁体のため、電子線が試料に照射されると試料自身が帯電し本来の電位分布解析を妨げる、という問題もあった。そこで今回、研究グループでは、電子線バイプリズムで電子波を分け、一方が観察領域を、もう一方が試料から離れた参照領域を通過するようにした分離照射電子線ホログラフィ、および電子顕微鏡の照射部にマスクを設置して試料を電子波から隠す技術を開発した。電荷を帯びた試料には、トナー粒子が正の電荷を帯びた正帯電型と負の電荷を帯びた負帯電型の2つがある。この2つのモデル試料を、開発した分離照射法で比較解析したところ、どちらの試料も局所的な電位分布を持つことが分かった。また、トナー粒子とキャリア粒子の接触箇所での電荷のやり取りによる電位分布と、その電場により誘発される分極を示す電位分布の解析にも成功したという。今後、この成果を応用した高精細かつ省エネルギーのレーザプリンタの開発が期待できる。また、同技術は、他の材料や電子デバイスにおける高精度電磁場計測にも活用が期待できるとコメントしている。
2014年04月01日横河ディジタルコンピュータは1月20日、開発効率および信頼性の向上といった要求に応えるために解析機能/測定機能を充実させたJTAGデバッグツール「adviceLUNA II」を発表した。近年、組み込み製品のソフトウェア開発は、高機能化、多様化という市場ニーズに応えるため、システムは大規模化、複雑化の傾向にあり、その一方で開発期間の短縮、信頼性の確保が課題とされている。また、開発効率、および製品品質の向上を実現するために、割り込み処理や例外処理などシステムの動きを意識したデバッグやテストを効率良く行える環境が求められている。これら開発現場の要求に応えるため、システムの可視化、解析/分析機能の強化をコンセプトに同製品を開発したという。具体的には、プログラムの実行状況をチャートで視覚的に確認することができるトレース解析機能や、プログラムの実行網羅率を測定するカバレッジ測定機能、キャッシュヒット率測定機能など、システムの動きを可視化して、より効率的にデバッグ/解析できる機能を実装している。また、高速・高精度トレースを実現するために、高速差動伝送インタフェースに対応した。さらに、同製品には、Linux/Androidをはじめとする多種OSのデバッグや、AMP型/SMP型マルチコアシステムのデバッグに対応した、最新版のGUIデバッガ「microVIEW-PLUS Ver.6」が付属されており、新たに追加された機能はもちろん、既存のJTAGデバッグ機能に対しても、より快適な操作性を提供するとしている。また、「adviceLUNA II/microVIEW-PLUS Ver.6」の主な追加機能のうち、トレースデータを使った関数・タスク遷移表示機能は、従来のトレースレポート機能に関数/タスク遷移表示という概念を取り入れ、チャートで表示することが可能。ユーザプログラムの動きはもちろん、プログラム実行中の割り込み処理や例外処理など、システムの動きを視覚的に捉えることができる。さらに、カバレッジ機能では、プログラム(関数)の実行状況を測定し、実行路裏率を表示する。未実行箇所を特定することにより、テスト漏れを未然に防ぐことができる。プロファイル機能では、JTAG経由でリアルタイムにプロファイルデータを定周期でPCサンプリングし、測定期間中に指定区間(関数や処理など)が実行されていた回数と割合を表示する。処理時間の遅延箇所やボトルネックを特定し、パフォーマンス向上を図ることができる。キャッシュヒット率測定機能では、ARMコアのPMU(Performance Monitoring Unit)と連携し、キャッシュのアクセス数、ミスヒット数を表示する。
2014年01月21日村田製作所の子会社であるムラタソフトウェアは1月8日、解析シミュレーションソフトウェア「Femtet」のバージョンアップを行い「Femtet 2013.2」をリリースしたと発表した。最新版の特徴は、3次元解析でソリッドボディ上に配置したシートボディの扱いを改良したこと。例えば、青色ボディが赤色ボディよりも膨張してZ軸マイナス方向に反りが発生するモデルの場合、シートボディを平面応力(面の垂直方向の応力をゼロとみなした近似法)シートとして処理し、薄いソリッドの場合と同等の結果が得られるようになったという。また、新たに3次元モデルから2次元解析や軸対称解析モデルを生成できるようになったほか、矩形領域を設定して格子状に結果を出力する機能が追加されたという。さらに、3D CADソフトのSolidWorks用のアドインを改良し、新たに3次元モデルのボディ属性、材料定数、境界条件等を保持したままモデル形状のインポート/更新ができるようになったほか、SpaceClaimに専用アドインをインストールすることで、SpaceClaimから同製品へモデル形状を自動的にインポートができるようになったという。なお、同社は2014年1月15日~17日に東京ビッグサイトで開催される「第15回 プリント配線板EXPO(ネプコンジャパン2014内)」に出展し、同製品のデモ機を展示する。
2014年01月08日ユーザーローカルは12月2日、アクセス解析ツール「User Insight」に、Webサイトを訪れたユーザーのマウス操作を録画し、まとめて再生できる新機能「一括マウスリプレイ機能」を追加したことを発表した。User Insightは、Webサイトを訪れたユーザーの行動を可視化するためのアクセス解析ツールで、訪問ユーザーのマウスの動きを表示する機能を備えている。今回新たに搭載された一括マウスリプレイ機能は、PCのマウス操作やスマートフォン / タブレット端末のタッチ操作を録画し、Webサイト内での複数ユーザーの行動をまとめて動画で再生できる。訪問者のマウスの動きを1人分ずつ再生すると時間がかかるが、同機能を使うことでより効率的に訪問ユーザーの傾向を分析することが可能になる。また同機能とあわせて、特定条件のユーザーの動きだけを再生する「フィルター再生機能」も搭載されている。これにより、「ログインしているユーザー」「神奈川県からの訪問ユーザー」などの特定条件にあてはまるグループの行動を簡単に確認できるようになる。User Insightの利用料金は月額5万円(税別)から。
2013年12月03日