2014年4月1日 17:52
理研、プリンタ開発の鍵となるトナー粒子/キャリア粒子間の電位分布を解析
理化学研究所(理研)とリコー、東北大学の3者は4月1日、分離照射電子線ホログラフィを改良し、微小な絶縁体試料が帯電する様子を詳細に解析できるようにしたことで、高精細かつ省エネルギーのプリンタ開発において鍵となる、トナー粒子とキャリア粒子間の電位分布の解析に成功したと発表した。
同成果は、同所 創発物性科学研究センター 創発現象観測技術研究チームの進藤大輔チームリーダー(東北大学 多元物質科学研究所 教授)、谷垣俊明研究員、赤瀬善太郎客員研究員(東北大学 多元物質科学研究所 助教)、村上恭和客員研究員(東北大学 多元物質科学研究所 准教授)、リコー 研究開発本部の川瀬広光研究主担らによるもの。詳細は、米国の科学雑誌「Applied Physics Letters」オンライン版に掲載された。
静電気の力を利用して画像形成を行うレーザプリンタは、常に高画質化や省エネルギー化が求められているが、実現するためには、画像品質を左右するトナー粒子とキャリア粒子間の静電相互作用を解明する必要がある。その有効な手法の1つが、電磁場の可視化と同時に、局所箇所の電位を精度良く計測できる電子線ホログラフィである。