核融合科学研究所(核融合研)は6月1日、スーパーコンピュータシステム「プラズマシミュレータ」を、従来システム比で8倍以上の演算性能を有するシステムへと更新し、同日より稼働を開始したと発表した。今回更新したプラズマシミュレータには、富士通のスーパーコンピュータ「PRIMEHPCFX100」を採用、システム全体として総合理論演算性能2.62PFLOPSの性能を実現した。これは、昨年11月に発表された「TOP500 Supercomputer Sites」において、日本に設置されているスーパーコンピュータの中で3番目の演算性能に相当し、従来のシステムと比較して8倍以上の性能向上となる。主記憶容量はシステム全体で81TBを実装しており、同研究所で利用される大容量メモリを必要とするプログラムに対しても、最適な計算環境を実現できるという。また、大規模シミュレーションで生成される膨大な数値データに対し、並列分散ファイルシステムで構築された10PBの高速ストレージシステムを採用し、大容量データの保存に充分耐えうる性能を実現した。核融合研は、今回のプラズマシミュレータの更新によって、核融合プラズマの複雑な挙動の物理メカニズムの解明、実験結果の解析や予測、核融合炉材料の物性シミュレーションなどを、これまで以上に大規模かつ短期間に行うことができるようになるとしている。
2015年06月01日住友電工情報システムは5月28日、文書管理・情報共有システムの最新版として「楽々Document Plus(らくらくドキュメント プラス) Ver.3.7」を発表した。パッケージ・ライセンス価格は150万円(税別)から、販売開始は6月1日。同製品は、企業内に分散して存在する文書やデータを登録・保存・管理し、必要な時に必要な情報を高度な検索で速やかに取り出せるという文書管理・情報共有システム。オフィス文書の管理の他、契約書管理やISO文書管理、複合機との連携による紙文書活用などの機能を備えるとのこと。新バージョンでは、文書フォルダの新規作成が従来に比べて簡単になったという。また、文書へのコメント投稿機能やグループウエアとのシームレスな連携機能を追加し、より便利な使い方が可能になったとのこと。ユーザー企業の業務効率化を実現し、社内の情報共有に活用できるとしている。同製品の旧バージョンで文書フォルダを新規作成する場合、文書フォルダの作成、閲覧権限設定、登録フォーム作成、承認経路設定の4ステップが必要であり、特に大きな組織では権限と経路の設定が大きな負荷になっていたとのことだ。新バージョンでは、事前に準備したテンプレートを元にしたり、既存の文書フォルダの設定をコピーして、文書フォルダを作成可能になった。このテンプレートの設定内容はユーザーがカスタマイズ可能。よく使う設定内容をテンプレートとして用意しておくことで、文書フォルダを新規作成する際の作業を大きくに減らし、文書フォルダ管理者の負荷を軽減するという。また、公開した文書へのコメント投稿機能を新たに追加。承認申請中の承認者からのコメント入力に加え、承認後や承認申請に関与しないユーザーによる補足のコメント投稿も可能になった。文書を改訂する必要が無い些細な変更や補足などをコメントとして投稿する、社内で共有された情報に関係者がコメントを寄せ合うといった用途を、同社は想定している。グループウエアとの連携では、同製品のログイン認証がグループウエアでよく使われているSAML認証に対応。グループウエアから同製品へのユーザーIDとパスワードの入力が不要になった。また、グループウエアの画面に同製品の申請・承認状況を示すガジェット(情報画面)を表示可能にした。これにより、グループウエア画面からワンクリックで同製品の承認画面に遷移できるとのことだ。動作環境は、サーバOSがWindows Server、アプリケーション・サーバとしてTomcat、データベースはPostgreSQL/Oracle/SQL Server、クライアントはInternet Explorer/Firefox/Android (Firefox)/iPad (Safari)。
2015年05月29日デンソーは5月28日、超小型電気自動車(超小型EV)を活用した独立電源ネットワークシステム「Pico Grid System」を開発し、同システムを使った構内移動の運用を愛知県安城市の安城製作所で開始したと発表した。「Pico Grid System」は小規模な太陽光発電と蓄電池、超小型EVを活用して電力を供給する独立型の直流分散電力システムに、車両管理システムを組み合わせたもの。太陽光で発電した電力を直流のまま超小型EVや蓄電池に蓄えることで、直流から交流への電力変換ロスを抑制し、効率的に自然エネルギーを活用することができるとされている。また、電力を蓄えた超小型EVを「移動する電源」として、災害時など商用電源が停止した場合でも電源供給が可能になる。車両管理システムでは、超小型EVの位置情報や充電状態を管理し、カーシェアリング機能を提供する。同社ではこのシステムを構内移動手段として用い、社員証を超小型EVの鍵として使用するほか、モバイル端末からの利用予約も可能にするなどの取り組みを行っていく。
2015年05月28日ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンク C&S)は5月27日、画像入りQRコード作成システム「LogoQ Code Marketing(ロゴキューコードマーケティング)SoftBank C&S Edition」の提供を開始したと発表した。LogoQ Code Marketingは、フルカラー画像入りのQRコード「ロゴQ」を簡単に作成できるクラウド型のシステム。A・Tコミュニケーションとソフトバンク C&Sが共同で開発した。ブラウザー経由でクラウドシステム上にアクセスし、ウェブサイトのURLとロゴマークやキャラクター、文字などの画像素材をアップロードすることで簡単にロゴQを作成できる。作成したQRコードは、一般的なQRコードリーダーやアプリケーションでの読み込みに対応する。また、さまざまなキャンペーンやマーケティング施策で情報媒体やエリア別、個人別など目的や用途に応じた情報収集が可能とする個別ID機能を搭載する。さらに、2次元コードに関する複数の特許技術を採用してセキュリティを高めたほか、アクセス解析機能を搭載することで、OS・キャリア情報や日別でのアクセス状況の取得が可能とした。料金は初期費用が10万円、月額利用料金が10万円(1ライセンスで30ID)。最低契約期間は3カ月。利用期間内に作成した「ロゴQ」は、契約期間終了後はアクセスすることができない。対応ブラウザーは、Microsoft Internet Explorer 7.0(SP1)以上、Google Chrome 15.0以上、Firefox8.0以上、Safari5.0以上。
2015年05月28日ヤマハは、iPhone/iPad /iPod touch内にあるオーディオファイルを自動解析し、コード譜を表示できるアプリ「Chord Tracker」を発表した。価格は無料。同アプリは、iPhone/iPad /iPod touchに保存されたiPodライブラリ内の楽曲を指定し、自動解析させることでコード譜を生成可能。曲を再生し、コード進行を見ながら右手でメロディー、左手でコードを演奏したり、右手でコード、左手でベースを演奏するなどして楽しめる。また、コード情報の編集、テンポやピッチの変更、ボーカルなどのメロディーパートを小さくするメロディーキャンセル機能も装備。加えて、iOSデバイスと対応楽器を接続することで、抽出したコード情報を楽器に送信したり、演奏を録音したりすることもできる。なお、デジタル著作権管理(DRM)で保護されている曲は利用できないということだ。
2015年05月27日博報堂は5月25日、メタップスとアプリ向けの統合マーケティング分野において協業していくことを発表した。その第一段として、スマートフォンアプリのデータ解析ツール「Vision-Graphics for Apps powered by Metaps」を共同開発したという。同ツールは、博報堂DYグループのマーケティング・ダッシュボードとなる「Vision-Graphics」の機能に、メタップスが開発・提供する、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援するアプリ開発者向けプラットフォーム「Metaps Analytics」の機能を掛け合わせたもの。テレビCMとアプリのダウンロード、アプリ内アクティビティの相関をタイムリーに追跡でき、広告効果の可視化が可能となるほか、ダウンロードの流入経路としてテレビCMが有効かの見立てや、ネット集客、コンバージョンまでの統合的な管理・分析を実現する。同ツールの提供は、今夏頃を予定。また、博報堂は、博報堂DYメディアパートナーズと連携したスタートアップ系企業のマーケティングや成長支援を行う「Startup Growth Team」により、メタップスと共同で、国内外におけるアプリの総合マーケティングキャンペーンを推進していく考えだ。なお、中長期的な計画として、人工知能による予測モデルの開発に向けた研究についても協業していく予定で、今後、膨大なデータをシステムに学習させ、さまざまなソリューション開発を行い、先進的なサービスの開発・提供を目指すという。
2015年05月25日●「SCORPION/スコーピオン」の魅力を徹底解析これまでの海外ドラマでは、様々なスペシャリストが描かれてきた。そんな中、新たな“天才”のドラマが日本に上陸する。それが、5月22日(金)より、スーパー! ドラマTVで放送スタートする犯罪捜査ミステリー「SCORPION/スコーピオン」だ。トータルIQ700の4人組が、最新テクノロジーを駆使して難事件の解決に挑むというストーリー。今回はその放送を記念しマイナビニュース会員に向け、「あなたは何の“天才”ですか?」というアンケートを実施。その結果を基にドラマの魅力について紹介していこう。○天才集団が、最新テクノロジーを駆使して巨悪に挑む「SCORPION/スコーピオン」最大の魅力は、4人の個性的なキャラクターだ。11歳でNASAにハッキングした経験をもつIQ197(アインシュタインよりも高い!)のコンピュータの天才ウォルター。相手の些細な表情や仕草で心理を見抜く行動学者トビー。唯一の女性メンバーであり、機械工学の天才ハッピー。人間計算機のような知能を誇る天才数学者シルヴェスター。彼らは持ち前の技術を活かそうと、会社“スコーピオン”を結成するも、社会性がことごとく足りていないために、仕事を得られず、悶々とした日々を過ごしていた。第1話は、そんな彼らが国土安全保障の捜査官ガロから依頼され、墜落の危機に瀕した旅客機を救うところから始まる。ウォルターたちは“適材適所”で自身の才能を存分に発揮。互いに信頼を寄せ合う彼らの抜群のチームワークが1話完結でテンポ良く描かれる。天才というと「パソコンの前に座ってひたすら得意分野に没頭するオタク」のイメージをもつ人もいるかもしれないが、本作が斬新なのは、頭脳はもちろん、4人が“身体”を駆使するという点。第1話での、低空飛行する旅客機とオープンカーを並走させるカー・アクションにはド肝を抜かれる!作品のテーマにちなみ、マイナビニュースでは「あなたは何の“天才”ですか?」というアンケートを実施した。最初の質問で、「あなたは自分を『○のプロ』『○の天才』だと思ったことがありますか?」と聞いたところ、実に92%もの人が「いいえ」と回答。確かに、周囲から言われない限り、なかなか自分では技術や能力について認めづらい、というのはよく分かる。また、「はい」と答えた少数派に、「どんな時に自分の才能を感じるか?」を聞いたところ、「勉強」(16.7%)、「仕事」(12.5%)、「人間関係」(16.7%)にまつわる回答が目立った。「その他」の回答としては次のような回答が目を引いた。「短期間で資格試験に合格したとき」(女性・23歳・事務系専門職)「調整のプロ」(男性・50歳以上・技術職)「かなり高い確率で正解を導き出せること」(男性・46歳・クリエイティブ職)「天才ではないが給料をもらっている限り、プロ意識はある」(男性・30歳・営業職)「初めて会う人でもすぐに親しくなれる」(男性・27歳・技術職)さらに、「時間配分ぎりぎりで、遊ぶ場所を次から次に変えて、すべてがうまく進んだとき」(男性・36歳・機械、精密機器)「与えられたものでそれなりに遊ぶことができる」(男性・35歳・情報、IT)「ギャンブルで勝ったとき」(男性・50歳以上・金融、証券)など、自身を「遊びの天才」だと自己分析する人も。意外に伸びなかったのは「恋愛」だった。中には「人を思い通りに操ったとき天才と感じる」(男性・27歳・営業職)なんて“催眠術師”ばりの猛者もいたが、いつの時代も、異性を理解することは恋愛における永遠のテーマ。ここはぜひ“スコーピオン”トビーのスーパー読心術を見習いたいところ。中には、こんな回答も。「『笑点』のテーマをピアノで弾いて周りを笑わせることができたとき」(男性・23歳・音楽)なるほど。日常生活の中で“ネタ”をどれだけ多く持っているかも、才能のひとつと言えるのか……。上記のような回答が集まったものの、やはり一つ目の質問の結果を見ると、大半の人は、自分のポテンシャルに対してほとんど自覚的でないということがうかがえる。一方、他人に対して「スゴい!」と思うシチュエーションも多数寄せられているのでいくつかご紹介していこう。まず上司の場合。「仕事の整理能力が半端でなく、複数並行して仕事ができる」(男性・50歳以上・技術職)「人当りがよくて、その人がその場にいるだけで空気が明るくなる。みんなが歓迎ムードになる」(男性・36歳・営業職)「毎日仕事で大変なのに、休日は朝4時起きで遊びに行っていた」(女性・32歳・専門職)「会議中寝ていても、仕事が誰よりも早く、理解のできる内容で丁寧に作られていた」(女性・33歳)仕事を卒なく進められるのはもちろん、遊びや人間関係も充実している“バランス感覚”に憧れている人が多い様子。さらに一日24時間を最大限に使いこなす“調整力”にも注目している回答も多かった。が、しかし……会議で寝てはいけません!一方、身近な友人や同僚には、ポジティブな生き方や巧みな恋愛テクニックに一目置いているケースが多いようで、「家事を完璧にこなしているのに身なりにも気を使っている」(女性・31歳・秘書・アシスタント職)「どんな些細なことでも楽しいことに変えてしまうから」(女性・22歳・その他)「世渡り上手だから」(女性・20歳・その他)「合コンで必ず電話番号をゲットできる友人」(男性・31歳・技術職)「常に恋愛している」(女性・23歳・事務系専門職)という回答が出揃った。●天才は意外なところに潜んでいる!さらに「天才は意外なところに潜んでいる!」という一例がコチラ。「近所のスーパーのレジのおばちゃん。レジ打ちがやたら早くて、しかも丁寧」(女性・29歳・専門職)あまりにもレジ打ちが早すぎて、こちらが焦らされる経験……心当たりがある人も多いのではないだろうか。これらの回答から分かるのは、自分にとっては些細に思えるものでも、見る人によっては「才能」に感じるということ。「自分にはないものを持っている」という強烈な憧れが、そう感じさせるのかもしれない。職場やバイト先には“天才”がまだまだ眠っているはず。そして自覚がないだけで、自分も何かしらの“天才”と呼べるのかもしれない---アナタもぜひ第2の“スコーピオン”を結成してみては?○人の気持ちが分からない!? 天才であるがゆえの“悩み”も頭が冴えて、身体能力も抜群……まさに完全無敵のスペシャリストに思えるウォルターたちだが、その一方で、天才であるがゆえの葛藤や生きづらさも抱えている。例えばウォルターは、かつて自分の能力が大量殺戮の武器製造に利用されたことへのトラウマを抱え、シルヴェスターは様々な強迫性障害と闘っている。そんな他人とのコミュニケーションが困難な彼らに代わって、チームの渉外的な役割を担うことになるのが、9歳の息子を育てるシングルマザーのペイジだ。一般人である彼女の参加をきっかけに、人間性に難アリなウォルターたちは、これまで無縁と思われた“常識”を学んでいく。前述のアンケートでも、人間関係にまつわる能力に憧れる回答が多かったように、ウォルターたちは、自分にはないペイジの人間性や調整力を頼もしく感じ、“天才”だと認めている。そしてペイジもまた、彼らによって自分では気づかなかった才能を引き出されていくのだ。そう、まるでスーパーのおばちゃんのように……。互いの才能を活かし合いながら、結束力を強めていく“スコーピオン”。ドラマが進むにつれて、メンバー同士の恋愛模様も描かれていくが、そこは人間性に問題アリの彼らだけあって、やはり一筋縄ではいかない様子。何かが足りない、悩み多き天才たちの“成長物語”としても楽しめる「SCORPION/スコーピオン」。まずは、スカパー!オンデマンドで無料配信中のスペシャル動画&第1話をチェックしよう。
2015年05月21日サイバーエージェントの連結子会社であるシロクは5月21日、スマートフォンアプリ向け解析ツール「Growth Analytics」の提供を開始したと発表した。同ツールは、スマートフォンアプリの運用に必要なデータの取得・解析や、改善施策の効果検証を行うことができるアプリ開発者向けの解析ツール。同社は、データサイエンティストがクラウド上で改善施策を提案するクラウドデータサイエンティストサービスも実施しており、アプリの分析支援もあわせて行うという。また、同社が提供する共通のSDKを導入することで、プッシュ通知配信サービス「GrowthPush」や、ユーザー行動分析サービス「Growth Replay」との併用が可能になり、アプリの運用におけるPDCAを一元管理で実現することができるようになった。
2015年05月21日システムサポートは5月14日、データベースシステムの問題個所にフォーカスした新たなデータベース診断サービス「ズバッとDB診断サービス」を提供開始すると発表した。同サービスは、Oracle Databaseを対象に、STATSPACKやAWRでは取得することが困難なOSおよびデータベースのリソース情報を、より短いサイクル(1秒単位)で取得し、診断・改善提案するもの。同社はすでにシステム全体を診断するためのデータベース診断サービスとして「まるっとDB診断サービス」を提供しているが、システム全体ではなく、すでに問題が発生している部分にフォーカスした診断を希望する利用者向けに、同サービスを提供する。「ズバッとDB診断サービス」と「まるっとDB診断サービス」の価格はいずれも1データベース当たり70万円となっている。
2015年05月14日みずほ情報総研は5月7日、生体親和材料である「ハイドロキシアパタイト」と「微小タンパク質(人造ペプチド)」の相互作用の系統的な大規模計算解析に成功したと発表した。同成果は、東京大学の加藤千幸教授、立教大学の望月祐志教授、日本大学の福澤薫助教、みずほ情報総研の加藤幸一郎コンサルタントらの研究グループによるもので、文部科学省が推進するプロジェクトとして独自開発を進めてきたフラグメント分子軌道(FMO)計算プログラム「ABINIT-MP」とその可視化インタフェース「BioStationViewer」を用いて実現されたという。今回の成果について研究グループでは、ナノバイオテクノロジー分野におけるFMO4法の適用性・有効性の実証とABINIT-MP/BioStationViewerのシミュレーションシステムとしての価値を高めるものであり、シリコンとシリカ、あるいはハイドロキシアパタイトとクォーツの混在するような複合固体もモデリングすることが可能であることが示されたことから、インプラントやデバイスの分子設計で求められる相互作用情報を導出することが可能となるとする。そのため、今後の応用の1つとして、歯表面と歯科材料との結合を誘導するプライマーとしてのペプチドの機能デザインなどへの展開が考えられるとするほか、日本のスーパーコンピュータ「京」に代表される高性能計算機資源(HPCI)を活かし、アルブミンやコラーゲンなどの実タンパク質がハイドロキシアパタイト表面に吸着する様子をシミュレーションすることも考えられ、骨形成メカニズムの解明や高品質なインプラント、高感度のバイオセンサ、あるいは薬品輸送用のナノ粒子の表面設計への貢献が期待されるとしている。また、アミノ酸置換による「人工変異」を与えた一連のタンパク質を計算機の中で「生成」し、それらと表面との相互作用を系統的にシミュレーションし、吸着能の高い人造タンパク質を選択することも可能となるとしている。
2015年05月08日富士通は5月7日、生活支援ロボット関連事業を展開するRT.ワークスに対して、IoTと介護ロボットを融合するインフラシステムを提供したと発表した。新システムは、RT.ワークスが開発した生活支援ロボット「歩行アシストカート」が搭載するセンサーから収集した情報を、富士通のIoTプラットフォーム上で管理・蓄積・分析することで、家族や介護施設関係者が位置情報や歩行距離などをリアルタイムに把握でき、利用者の活動量の確認や異常検知などの見守りを可能にするもの。使用状況から歩行アシストカートのバッテリー状態や機器情報などを分析し、富士通から機器の故障対応などの新たなサービスも提供可能になるという。富士通のIoTプラットフォームは、日本IQPの簡易アプリ開発実行環境をクラウド上で利用でき、実現性を検証したIoTモデルをもとに、センサー・デバイス/ネットワーク/ミドルウェア/アプリケーションなどの組み合わせが可能なトータルなシステム環境とのこと。新システムでは、RT.ワークスの歩行アシストカートが搭載するGPSや6軸モーション・センサーなどのセンシング情報を、機器内で接続した、富士通エレクトロニクスが開発したネットワーク通信デバイスから数秒おきに配信し、富士通のIoTプラットフォーム上で管理・蓄積・分析する。これにより、利用者の歩行距離や歩行速度などの日々のデータから健康状態の把握が可能になる他、機器の傾きや転倒といった状態をリアルタイムに検知することで利用者の異変などを予測し、アラートの通知が可能になるという。使用状況や健康状態、歩行速度などの設定情報といった利用者情報や各種要望、トラブルなどの問い合わせは、富士通エフサスのサポートセンターが請け負う。一貫した情報を把握し分析することで、歩行アシストカート利用における課題や改善点を見出し、利便性を追求した今後のサービス開発に反映していくという。また、歩行アシストカートの稼働時間や経年数などにより、活動量の少ない利用者にカートの利用を促したり、機器の計画的なメンテナンスや故障の予測などが可能になる。富士通はIoTプラットフォームを活用して、機器のセンサーから得られる多様な情報に基づく見守りサービスやヘルスケアといった新しい価値を創出し、RT.ワークスとともに超高齢化社会に向けた新たなビジネスを、医療・介護分野や自治体などに向けて展開していくという。なお、IoTプラットフォームを利用した歩行アシストカートは、5月14日・15日の両日に東京国際フォーラムで開催する「富士通フォーラム2015」に出展するとのことだ。
2015年05月07日富士通エフサスとサイオステクノロジーは4月23日、クラウドシステムの安定稼働を実現すべく、クラウドシステムの構築分野において協業すると発表した。これにより、両社はサイオスの HA クラスターソフトウェア「LifeKeeper」を活用し、同一クラウドのリージョン間での冗長化を実現するとともに、オンプレミスシステムとクラウド間、異種クラウド間の冗長化技術の開発に取り組む。あわせて、富士通エフサスは、「FUJITSU Managed Infrastructure Service パブリッククラウド導入・運用サービス」を6月より拡充し、同技術を活用したクラウドの冗長化の導入・運用サービスを順次提供する予定。同サービスは、パブリッククラウド上へのシステム導入にあたり、システム基盤の設計・導入・運用までをサービスとして提供するもの。FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5、FUJITSU Cloud A5 for Microsoft Azure、ニフティクラウドに加え、Amazon Web Services、VMware vCloud Air など、複数のパブリック・クラウドに対応している。また、同技術は、富士通の「FUJITSU Cloud Integration Service」にも適用し、より可用性の高いシステムを実現していく。
2015年04月23日BIGLOBEは4月22日、企業のWebサイト分析を支援するサービス「BIGLOBE サイト改善サポート」の提供を開始すると発表した。同サービスは、アクセス解析ツールを導入したものの、取得したデータを解析するための時間や専門知識がなく、サイト改善に生かせていないと感じている企業を対象としたもの。サービスでは、アクセス解析を行う前に、まずWebサイトの役割や目指すべき目標、対象ユーザ、施策の優先順位を整理した「問題解決シート」を作成。また、目標の達成を適切に確認できるよう設定を行う。同社はその後、企業が取得したアクセスデータを解析し、グラフやチャートを使用しながらレポートを作成したうえで、レポートを解説する報告会を開催する。現状の課題を解決するための対策案も提案するという。対策の効果を確認したい企業向けに、再度アクセス解析、レポート作成、説明会を行う「アクセス解析オプションレポート」(10万円:税抜)や、解析対象のサイト変更などに伴う設定を変更する「設定見直し」(5万円:税抜)が提供される。これらのオプションは、同サービス実施後12カ月以内に限り利用することができる。なお、同サービスの利用には、Google AnalyticsまたはRTmetricsの導入が必要となる。
2015年04月22日タカラバイオは4月10日、エムティーアイの子会社であるエバージーンが提供する一般消費者向け遺伝子解析サービス「DearGene スターターキット」の遺伝子解析を担当すると発表した。「DearGene」は少量の唾液からDNAを抽出して解析することで、利用者が生活習慣と関連がある病気についての発症リスクを知ることができるサービス。利用する場合はまず「DearGene スターターキット」(税抜き4980円)を購入する。現在は食道がん、胃がんなど計10種類のがんリスクを知ることができ、今後、体質や生活習慣病などのメニューが追加されていく予定だ。タカラバイオは検体サンプルのDNA抽出から遺伝子情報のデータ解析を手がけるとのことで、長年蓄積してきた遺伝子解析技術を駆使し、高品質で高精度な解析情報を提供するとしている。
2015年04月10日富士フイルムは4月8日、デジタルX線画像診断システム「BENEO」シリーズの最新機種「FUJIFILM DR BENEO-Fx(BENEO-Fx)」を4月15日に発売すると発表した。「BENEO-Fx」は独自の画像読取方式によって少ないX線量でも高画質な診断画像が得られるデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO HC SQ」を搭載したほか、画像診断をサポートする機能として、1回の撮影で角度を変えながらX線を連続照射し、得られた複数の画像から断層画像を生成できるトモシンセシス機能が追加された。このトモシンセシス機能は、微細骨折などが観察しやすくなる、金属を含む人工骨を埋め込んだ患部でも金属影をなるべく抑えた断層画像が得られるなどのメリットがある。このほか、胸部撮影で骨成分のみを除去した画像を生成することができるエネルギーサブトラクション撮影機能や、全脊椎や全下肢などの広範囲を対象とした長尺撮影にも対応した。価格は標準構成で1億2300万円(税別)となっており、富士フイルムメディカルを通じて販売される。
2015年04月08日イー・ガーディアンは4月2日、大手ブログサービスや画像共有サービスなどユーザー投稿型メディア4社に人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」を提供し、すべての企業で導入前に定めた目標値を達成したと発表した。システム導入前と比較し、最大400%の広告売上アップ、90%のコスト削減を実現したという。同システムは、世界トップクラスの画像認識の機械学習システム(人工知能)を持つ東京大学大学院原田研究室とイー・ガーディアンが共同で開発したディープラーニングを活用した人工知能型画像認識システム。大量の画像・動画データを目視により分類したものを教師データとして事前にエンジンに学習させた後、実際の対象画像・動画をシステムに判定させ、結果を数値で表す。結果が誤っていれば、再度学習するという作業を繰り返し行うことで判別能力を向上していく。従来、導入企業4社はいずれも、広告配信先ページの適切是非を確認するために、ページ内の投稿画像をヒューマンオペレーションでチェックした後に広告を配信せざるを得なかった。そのため、閲覧数が一番高い公開直後のタイミングで広告を配信するチャンスを逃していた。しかし、同システムにおいては、事前に不適切なコンテンツを学習させることで、投稿画像が適切か不適切か瞬時に判定することが可能。これにより、ほぼリアルタイムで投稿画像をチェックし広告を配信できるため、目標とした売上の達成に貢献したと考えられる。また、ヒューマンオペレーションで実施する場合と同等の健全性を維持しつつ、従来の工程で発生する人件費やマネジメント工数、管理費用などを大幅に圧縮することも可能となった。
2015年04月03日●ギネス認定紙飛行機は何がすごいのか、熱流体解析ソフトでシミュレーション突然ですが、皆さんは紙飛行機を飛ばしたことがあるでしょうか。たぶん、多くの人が子どもの頃に一度は折って飛ばした経験をお持ちなのではないかと思います。僕も小学生の頃はよく学校でもらうプリントを折って投げては叱られていました。そんな紙飛行機ですが、実はめちゃくちゃ奥の深い競技だということは、あまり知られていないのではないでしょうか。ちゃんとギネス記録も認定されており、その距離はなんと69.14m! 約70mです。70mといったら全力で走ったって10秒くらいはかかる距離ですよ。屋内の無風環境で記録した数値ということなので風の影響ってわけでもないですし、いやはやすごい世界ですよね。で、ふと思ったのですが、70m飛ぶギネス紙飛行機も、僕が昔折って飛ばしていた紙飛行機も、同じ1枚の紙を折って作っているわけですよ。それなのに、そんなに飛距離が違うって、いったいどういう力が働いているのでしょうか。ここはひとつ、ギネス紙飛行機と普通の紙飛行機を用意して、実際に飛ばし比べてみようじゃないですか。ということで、実験のためにやってきたのはマイナビ社内。せっせと紙飛行機を折るわれわれを、まじめなセミナーを終えてぞろぞろと出てくるスーツの皆さんがガン見。こ、これも仕事なんです!ギネスに認定された紙飛行機の折り方はネットで公開されているのですが、そちらを見てしまうと知らず知らず影響を受けて真似してしまいそうなので、僕はギネスの折り方は見ずに自分の記憶を頼りに折ることにしました。ところが、ここで問題が……。紙飛行機って、どうやって折るんだっけ……。そうなんです、子どもの頃にはあれだけ紙飛行機を折りまくっていたクセに、数十年経つともうすっかり折り方を忘れてしまっていたのです。加えて、今回の用紙がギネス方式に合わせて長方形だったこともあり、正方形でしか折った記憶のない僕は大混乱。何とかかんとか辻褄を合わせて飛行機の形に無理やりしたものが、こちらになります。……。編集「なんですかこれ。ゴミですか」紙飛行機……です……。何という劇的ビフォアーアフターでしょう。長方形の真っ白な用紙が、この通り、単なる紙くずに!いや、違う。これは飛行機です。そう、ギネスに対抗するために折った山田井スペシャルです。編集「私が普通のやつを折りますね」……。いきなり出鼻をくじかれましたが、ここまでは前置き(!)。ここからがいよいよ本番です。ギネスの紙飛行機と、いわゆる一般的な折り方で作った普通の紙飛行機、そして、お情けで山田井スペシャルも一緒に飛ばすことにしました。さて、どの紙飛行機が一番飛ぶのでしょうか? 順当に行けばギネス紙飛行機になるはずですが、意外と山田井スペシャルがミラクルを起こしたりして……そのときはちゃんとギネス認定してもらわないと。さて、さっそく飛ばしてみましょう!●ギネス紙飛行機の実力は…?!まずは普通の紙飛行機からいってみましょう。投げ方によって成功したり失敗したりしそうなので、3回投げて成績のよかった記録を採用することにしました。ほいっ!普通の紙飛行機はやはりごく普通に飛び……距離は670cm!おお、なかなかいいんじゃないですか?最初だからまだ何とも言えないけど。さて、次は大本命のギネス紙飛行機。果たして670cmという記録を超えられるのか?結果は……なんと1074cm! 10m超えが出ました! さすがにギネス記録には遠く及びませんでしたが、それでも普通の紙飛行機をはるかに上回る好成績をたたき出しました。これはすごい。やっぱりギネス紙飛行機は前評判通りすごかった!ただ、最後に大穴が控えています。本命が逃げ切ると思わせておいて、最後に伏兵が差し切るのがレースの怖さ(レース?)。山田井スペシャル、いざ発進!……。結果は219cm。納得いかずに何度か投げてみましたが、いずれも200cm前後と、安定した低成績を記録しました。投げた瞬間は勢いよく飛び出すのですが、2m付近で見えない壁があるかのように垂直に落下するのです。ある意味、すごくないか、この安定感。編集「ていうか、最初の方も飛んでいるんじゃなくて、単に投げた勢いですよね」……。さて、黒歴史と化した山田井スペシャルはさておき、結果は見事にギネス紙飛行機が圧倒的な飛距離で1位となりました。ギネス記録はまぐれではなかったわけですが、そうなると最初の疑問が再び湧いてきます。なんで、ギネス紙飛行機はそんなに飛ぶんだろう?そこで、紙飛行機にいかなる力が働いているのかを、熱流体シミュレーションソフトを専門に開発しているソフトウェアクレイドルさんに、今回特別に普通の紙飛行機とギネスの紙飛行機の違いをシミュレーションで比較していただきました。●普通の紙飛行機とギネス紙飛行機の違いとは?ソフトウェアクレイドルさんによると、普通の紙飛行機とギネス紙飛行機の違いは、翼の先端部分にあるのだといいます。ご覧いただくとわかりますが、普通に折った紙飛行機の場合、大きな2枚の翼よりも前側に、尖ったボディ部分が突き出しています。この出っ張り部分が空気の流れを乱してしまい、機体の片面のみに大きな力(圧力)がかかり、左右のバランスが崩れやすいのだとか。少しでも機体バランスが崩れると、紙飛行機はローリングしながら落ちてしまうのだそうです。そういえば、紙飛行機が落ちるときってたしかに裏返しになっていることが多いですよね。ギネス紙飛行機にはこの翼部分の出っ張りがなく、空気の流れが乱れることなく安定して翼に伝わっています。このため、機体のバランスを崩すことなく、長距離を安定して跳べるのだとか。うーん、なるほど。たしかに、実際に飛ばした後をシミュレーションした結果を見ると一目瞭然。早くから高度を下げていく普通の紙飛行機に対して、ギネス紙飛行機は最初の機首の角度を保ったまま上昇し続けています。あの出っ張り、そんなにダメだったのか。むしろ「細くて鋭い機首が空気を切り裂くからよく飛びそう」とか思ってましたよ。ということで、熱流体解析の専門家によるシミュレーションの結果、ギネス紙飛行機が本当にすごかったことがわかりました。大人になると紙飛行機を折る機会も減りますが、たとえば親御さんであれば、お子さんと一緒に折ったり飛ばしたりして遊ぶこともあるのではないかと思います。そんなときはぜひギネス方式で折って大人の実力を見せつけた上で、今回明らかになった「どうしてよく飛ぶのか」という理由も教えてあげてください。たかが紙飛行機、されど紙飛行機。奥の深い世界でした。
2015年03月31日Teledyne LeCroyの日本法人であるテレダイン・レクロイ・ジャパンは、リアルタイム・オシロスコープ用のPAM4信号を解析するソフトウェアを発表した。PAM4伝送方式によってデータ伝送容量を従来の2倍に向上させようとする次世代高速電気/光通信においては、新しい伝送方式に応じた評価/解析手法を求められており、この新しいソフトウェアはこうした要望に応えるもので、PAM4信号の3つのアイで個別にアイパターン、ジッタおよびノイズ解析を行う。PAM4伝送方式は、1シンボルを4つのレベルで表現することで、1シンボルで2ビットの情報を送ることができる。しかし、情報量を2倍にすることで2レベルしかないNRZ伝送と比較して信号が複雑になる。アイがNRZ伝送は1に対してPAM4伝送においては3つあり、遷移がNRZ伝送は2種類に対してPAM4伝送においては12種類もある。このため、送信機デバイス、チャネルやリンクがどのようにPAM4信号に影響しているかを理解したり、PAM4信号の信号品質をビット・エラーと関連付けて定量的に評価することが必要となる。従来のオシロスコープ用のシリアル・データ解析ソフトウェアは、NRZ信号を前提に作られており、PAM4信号の解析には4レベルの信号を解析する新たなソフトウェアが求められている。今回発表した新しいソフトウェアは、4レベルの信号伝送に特化して作成されており、PAM4信号の3つのアイで個別にアイパターン、ジッタおよびノイズの解析が行える。ジッタとノイズは各々ランダム成分とデタミニスティック成分に分離してジッタとノイズの振る舞いを完全に把握する。ジッタとノイズの定量的な計測とEyeHeightやEyeWidthの計測に加えて、ヒストグラムやトラック、スペクトラムとしたさまざまな表示方式を用いることで問題の根本原因を探ることができる。
2015年03月30日パスロジは3月26日、メールで受信したクイズに回答するだけで不正送金を防止する「クイズ型取引防護システム・メール版」の提供を開始すると発表した。システムでは、利用者がパソコンのブラウザなどで振込操作を指示すると、取引防護システムから、振込先の口座番号や金額などの取引情報を一部欠損させた穴埋め問題と、その欠損部分を補う回答の選択肢を表示した電子メールを受信。利用者は、正しい回答の選択肢にふられた確認番号をインターネットバンキングの画面で入力することで、送金操作を完了する。もし受信した電子メールの内容が、利用者が指示した取引と合致しない取引情報であれば、取引情報が偽装されている可能性があると判断できる。選択式クイズに回答するだけの誰でも簡単に分かりやすい方式で、使用手順は、受信した電子メールを確認し、確認番号を入力するだけとなっている。2経路認証とクイズへの正確な回答が必要なため、不正送金を確実に阻止できるほか、専用デバイスの管理・所持が不要となる。金融機関側についても、メールを使用するため、すべてのインターネットバンキング利用者に提供可能であるほか、専用デバイスを使用しないため、利用者への提供が低コストで行える。また、システム導入における既存システムへの変更は数が少なく、速やかに導入できるとしている。ユーザビリティ・コストパフォーマンス・防護確実性のすべてを備えたシステムとなっており、電子メールの受信の代わりに、同社がiOSとAndroidにて提供中のスマートフォン用アプリ「PassClip -パスクリップ-」上にクイズ画面を表示できる。
2015年03月27日宇都宮大学、埼玉医科大学、早稲田大学、三次元工学会、アリゾナ大学による共同研究グループは、任意の偏光を持つテラヘルツ光の偏光状態をスナップショットで解析する手法を開発した。同技術はテラヘルツ光の偏光を制御するために重要となる。同研究では、テラヘルツアクロマティック軸対称波長板(TAS plate)とテラヘルツ検光子で透過後のテラヘルツ光の光強度分布をパイロカメラによって1枚撮像するだけで、テラヘルツ光の偏光を決める手法を実証した。詳しく調べるために、テラヘルツ検光子の角度方向に対するテラヘルツ強度分布を複数枚測定し、フーリエ変換することにより、入射偏光のストークスパラメータをすべて算出。このストークスパラメータを用いてテラヘルツの強度分布を再計算することにより、未知の入射偏光だけでなく、TAS plate透過後のベクトルビームの偏光状態も解析できることを示した。さらに、TAS plateを用いると、検出するだけでなく、逆に発生に使うこともでき、テラヘルツ光ベクトルビームの生成にも適用できることを示したとのことで、これらのことから、任意の偏光をもつテラヘルツ光の偏光を解析する革新的な手法が開発されたことになる。今回の成果は、ベクトルビームとしてのテラヘルツ光の偏光を解析する新しい手法を実証した。これにより、テラヘルツ波の偏光を制御するために必要な計測系ができたことを意味する。今後は、同手法でテラヘルツ光の電場の向きをモニタしながらテラヘルツ光の偏光を設計することによって、物性科学、情報通信、生体計測、天文学、セキュリティなどのテラヘルツ光に関する分野への貢献が期待される。例えば、偏光状態がよく制御されたテラヘルツ光により分子振動や物質の構造骨格などを解析する物性科学などに寄与することになり、将来的にはレーザ加工機や高密度記録媒体、顕微分光分析装置の開発を目指した応用発展も期待される。また、この偏光解析法は、テラヘルツ光のみならず、遠赤外線から、可視光、X線にいたる電磁波全般にも今後活用されるものと期待される。同研究は、宇都宮大学大学院工学研究科の東口武史准教授、及川大基(博士前期課程大学院生)ら、埼玉医科大学保健医療学部の若山俊隆准教授、米村元喜客員教授ら、早稲田大学理工学術院総合研究所の坂上和之講師、鷲尾方一教授ら、三次元工学会の吉澤徹理事長、アリゾナ大学のタイヨスコット教授、宇都宮大学オプティクス教育研究センターの大谷幸利教授との共同研究として実施され、研究成果の詳細は、3月24日付の英科学誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載される予定だという。
2015年03月25日Mentor Graphicsは、高速プリント基板(PCB)設計向けのシグナルインテグリティ(SI)/パワーインテグリティ(PI)解析ツール「HyperLynx」の最新バージョンを発表した。新しいパワーアウェアモデル技術を活用することで、複雑な信号プロトコルのシミュレーションを正確に高速実行し、時間とコストを大幅に削減する。なお、最新バージョンは現在入手可能となっている。HyperLynx SI/PIの新機能には、パワーアウェアIBISモデルのサポート、DDR4/LPDDR4(ローパワー設計向け次世代メモリ)の妥当性確認ためのDDRxウィザードが含まれている。追加されたパワーアウェアSIシミュレーションは、DDR3やDDR4をはじめとする高速パラレルリンクの精密なモデル化と信号性能解析を実現。パワーアウェアIBIS v5.0モデリングに基づき、同時スイッチングノイズ(SSN)、タイミングの電源効果、SIを正確にシミュレートするほか、最新JEDEC規格に準拠するDDRxウィザードで、次世代DDR4とLPDDR4を含むあらゆる種類のDDRおよびLPDDRメモリを検証する。他手法と比べて5倍から10倍高速な統合Sパラメータ抽出とシミュレーションを実現。高性能のDC電圧降下/熱コシミュレーションは、電圧降下、高電流エリア、結果として生じる温度変化を、競合ソリューションと比較して何桁も速く予測する。最新バージョンは、非理想電源の効果を表すIC向けのIBIS(Input/output Buffer Information Specification)v5.0モデルをサポートしている。同機能は、プリドライバ効果や供給電圧降下によるスイッチング動作の遅れなど、供給される電流を正確にモデル化するとともに、バッファのキャパシタンスのモデル性能を高める。パワーアウェアIBISモデルは、DDRx解析を含むすべてのタイプのシミュレーションに適用可能で、タイミングの電源効果と信号品質を確認できる。HyperLynxは、次世代メモリのインターコネクトを設計する際に決定的に重要となるSSNをモデル化する。DDRxウィザードは最新のJEDEC規格に準拠しており、DDR4とそのローパワー版に相当するLPDDR4など、すべての種類のDDRメモリを検証できる。また、DDR3ならびに次世代のDDR4メモリシステムを完全に検証するためにアイダイアグラムを生成する。シミュレーション内の個々のビットすべての妥当性を確認するために、DDRxとLPDDRxのための統合タイミング解析などアイダイアグラムに基づくメトリクスチェックを実行する。適切なスタブ除去に伴うビアを正確にシミュレーションするためのバックドリルのサポート。「what-if」シナリオを迅速に確立し、ドリルを有効化あるいは無効化する。Touchstone Viewer機能は、IEEE 802.3 Ethernet仕様に定義されたILDやICRをはじめとするメトリクスに基づいて計算し、標準からミックスモードへのSパラメータモデル変換を含む、インターコネクトの差動クロストーク特性を評価する。SerDes機能の追加によって、新しいIBIS 6.0の機能、FastEyeウィザード内のCTLEイコライゼーション、バッチAMI実行のための128b/130bエンコーディングとコンフィギュレーションファイルをサポートする。
2015年03月19日サイト改善を行う際、ページビューなど、従来の解析方法で把握できる数値だけでは、本当に価値のあるコンテンツを見つけ出すことは難しくなってきた。そのため、来訪したユーザーの行動をつぶさに追うことで、サイトの価値を支えるコンテンツの良し悪しを見分けることが大切になってくる。今回、ヒートマップ対応のアクセス解析ツール「User Insight」やソーシャルメディア分析ツール「Social Insight」などを提供する株式会社ユーザーローカルの渡邊和行氏に、2015年に入ってから見えつつある、ウェブ解析の変化について解説いただいた。○モバイルとSNSの普及により到来した新たなメディアの潮流「昨年末あたりからキュレーションメディアやバイラルメディアのような、新しいメディアのサービス事業者さんから、問い合わせが急激に増えてきています。今、ウェブ解析で一番熱い話題は、この分野に関するものです」(渡邊氏)かつてウェブサイトへの流入は、バナーなどのウェブ広告や、もしくは検索エンジンからのアクセスが主流だった。だからこそ、検索エンジンで上位に表示されるため、多くの人々がSEO対策に知恵を絞ったわけだ。しかし、スマートフォンの普及に伴い、SNSやキュレーションメディアのような新たなメディアからの流入が急速に増加している。○ページビュー数からはコンテンツの質を判断できない?もし単純にページビューを重視するのであれば、各SNSのタイムラインに表示されるタイトルやサムネイルをインパクトのあるものにすればいい。反響を上げるための定石とも言える行為である。そして、実際そのような手法をとるメディアも多い。「ですが、それでPV数が稼げたとしても、訪れた先のコンテンツに内容が伴っていなければ、ユーザーは失望して、簡単に離れていってしまいます。それではユーザーがサイトに定着してくれません」(渡邊氏)安易なシェアや引用などを用い、ユーザを煽るようなタイトルやサムネイルで集客を行う行為が一般的になるにつれ、コンテンツの質を測る指標として、ページビューだけでは、有効な指標と呼べない状況となってきた。こうした背景の中で、ページビューの多寡だけでなく、来訪者がそのコンテンツを最後まで読み通せたかどうかを把握することができれば、"内容が伴っているか"を測るのに有効だと言える。「現在、客観的にコンテンツの良し悪しを測るのであれば、ヒートマップを用いたウェブ解析が最も有効だと考えています。(渡邊氏)」○ヒートマップによるアクセス解析でコンテンツの質を評価ヒートマップは、ウェブサイトにおけるユーザーの行動(マウスカーソルの動き、滞在時間など)を、サーモグラフィー風に可視化するツールである。ユーザーローカルではヒートマップ機能に加え、多種多様な解析機能を持つアクセス解析ツール「User Insight」を提供している。例えば、ページビューが多い記事であっても、ヒートマップで見た時にページ上部しか読まれていないのであれば、タイトルと記事の内容に乖離があるか、もしくは記事の質そのものに問題があると考えられる。一方、ページの最後まで読まれているのであれば、タイトルと記事内容に乖離はなく記事の質にも問題はないと判断できる。「単に訪れた数だけを示すPV数を比較するよりも、ユーザーが最後まで読んだかどうかを可視化するヒートマップの方が、より正確にコンテンツの質を評価することができます」(渡邊氏)○流入元となるメディアとの相性を考慮した解析が必要メディアの多様化が進む昨今では、コンテンツの質を高めると同時に、SNSやキュレーションメディアなどの外部メディアとの相性を把握することも大切だ。「メディアにはそれぞれ特徴があります。SNSでも、FacebookやTwitter、そしてLineでは、ユーザー層も、利用する目的も大きく異なります。また、キュレーションメディアも利用目的がユーザー層によって異なります。それらを有効利用するためには、そのメディアと相性が良いコンテンツは何かを知ることが必要です」(渡邊氏)Facebookでは多くのシェアを獲得した記事でも、Twitterではほとんどリツイートされないこともある。質の高いコンテンツであっても、流入元となるメディアとの相性が悪ければ、十分な効果は得られない。「最近分析して興味深かったのはとあるメディアでFacebookとTwitterでどれくらいコンテンツが拡散されているか調べてみたらTwitterのほうが拡散しているボリュームは大きいのですが、Facebookでシェアされたのを見てサイトを訪れたユーザーのほうがよく記事を読み込んでいて、サイトへのエンゲージメントも高いということがわかりました。こうしたことからどのメディアから流入したユーザーなのか。そして、そのユーザーに対して有効なコンテンツが提供できているか。それらを合わせて分析し、改善のPDCAを回すことが、これからのウェブサイト運営には必要となるでしょう」(渡邊氏)メディアとデバイスの多様化が進む今、ウェブ解析は、より正確に、そしてより高度なものとなるだろう。これまで、ページビュー数や、担当者の主観でしか判断されなかったコンテンツの質を、ヒートマップなどの客観的な指標によって評価することができるようになった。こうした分析結果を受け、コンテンツの質が高まるように改善できれば、他社との差別化を図るうえでの鍵になりそうだ。
2015年03月18日ミズノは3月16日、野球のバットスイングの解析を可能とするシステム「スイングトレーサー」を開発したと発表した。同システムは、バットのグリップエンドにミズノが独自に開発したプログラムを組み込んだセイコーエプソン製専用センサを取り付け、スイングをすることで、打者のバットスイングの傾向などを知ることができるというもの。これまでバットスイングの分析というと、スイングの様子をビデオで撮影し、以前のものと比較する、といったことが多く、スイングを科学的に解析し、それを実際の練習に活用するといった取り組みは少なかった。今回、同社では同システムを実用化するにあたって、スイング解説を元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民氏が、データ監修・解説を早稲田大学 スポーツ科学学術院の矢内利政 教授がそれぞれ行い、以下の8つの数値データを解析することで、バットスイングを正確に知ることができることを突き止めたという。スイング時間スイング回転半径ヘッドスピード(MAX)ヘッドスピード(インパクト)ヘッド角度インパクト加速度ローリングスイング軌道これらの計測データは、選手用アプリケーションを利用することで、閲覧が可能なほか、カレンダー機能を用いて、過去の情報と比較することができる。また、スイング軌道をアニメーションとして見ることもでき、選択した2つのスイングを重ねて比較することもできるため、選手の調子の波を調べることも可能だという。さらに素振りモードの活用により、スイングの回数やスイング速度、練習時間などのデータ計測も可能。これにより、練習の質などの向上を図ることができるようになる。加えて、プロ野球選手のスイングデータも収録。自分の軌道を重ねて見たりすることもできる。一方、コーチ向けにもアプリケーションが用意されている。こちらは登録したプレーヤー全員の素振り結果やデータを一覧でみたり、分類分け、比較などが可能。時系列で見て、選手の調子などを客観的に把握することが可能なほか、選手のスイング1つ1つにコメントを付けることも可能となっており、選手の上達を早める強い武器になると同社では説明している。なお、発売日は2015年5月9日。価格はセンサが2万9800円(税別)、センサを取り付けるアタッチメントが1800円(同)。アプリはサーバ使用料が31日あたり980円(同)、コーチ用が2980円(同)となっており、同社 ダイヤモンドスポール事業部 事業部長の久保田憲史氏は、「野球の練習では、コーチなどが指導する際に伝えたい感覚を言葉で表すのが難しい、例えば最短でバットを出せ、とよく言われるが、感覚的にはどういったものか良くわからないという課題があった。しかし、同システムを用いて、実際の数値を使って指導ができるようになれば、もっと練習の効率を挙げられるようになる」と期待を述べ、中学生をはじめとして大学生、社会人幅広く使ってもらいたいとした。なお、ミズノでは、ウェラブルやセンサを活用したビジネスの強化を図っていきたいとしており、同システムについて、販売初年度で6000万円、5年後には2億円規模の事業に育てたいとしている。また、会見には元プロ野球選手の田口壮氏も登場。実際に同システムを付けたバットをスイングしてみて、「このシステムは現役の時に欲しかった。ビデオも用意することなく、スマホだけあれば良いのも手軽。マシンでもティーバッティングでも良いけど、オフシーズンに使って、スイングの改造とかに役立てたかった」と語り、プロ野球選手でも活用が可能であることを指摘していた。
2015年03月16日NECは3月10日、豊島区において、防災カメラで撮影された群衆映像から混雑状況の把握・異変検知を行う「群衆行動解析技術」を用いたシステムを含む「豊島区総合防災システム構築業務委託」を受注したと発表した。同システムは2015年5月に稼働、6月に本格運用を予定している。「群衆行動解析技術」とは、異変につながる「群衆全体の動きの変化」を、個人を特定することなく解析する同社が開発した技術。混雑度を高精度に推定し、異常混雑や滞留者の流れの異常などを、カメラ映像を用いて検知する。新システムでは、群衆行動解析技術により、防災カメラの映像から、人と人が重なって見えるほどの混雑時も群衆の状況を高精度に解析すること、異常が発生した場所の混雑レベルや群衆の流れを速やかに解析することが可能。異常が発生した場合は自動的に職員に対しアラートを通知する。そのため、異常の発生場所や状況を即座に把握でき、支援要請や情報発信などが迅速に行えるようになるほか、混雑状況の監視に係る職員の業務負荷を軽減することも可能となる。豊島区では、1日約259万人の利用者を有する池袋駅をはじめとする主要駅周辺、幹線道路、救援センター(災害時の避難場所となる学校など)に、51台の防災カメラを設置。これらのカメラ映像を新庁舎災害対策センターにて収集し、災害時には区民による通報情報などとともに一元的に管理する。
2015年03月11日凸版印刷は3月6日、装着型アイカメラの視線データを自動解析するプログラムを開発し、同プログラムを活用して実際の店舗での購買者の視線について高精度な定量分析が行えるリアル行動視線調査サービス「Insight Viewer Real(インサイト ビュアー リアル)」を、消費財メーカーや流通に向け3月より本格的に提供すると発表した。同サービスでは、売場にマーカー(目印)を付けることなく、装着型アイカメラで撮影した動画上の視線データを自動解析し、複数の被験者の視線データを同時に高い精度でプロットすることができる。そのため、従来の装着型アイカメラ調査では難しかった、視野全体や複数棚が並んだ売場全体の視線の停留個所を色で表現する「Heat Map(ヒートマップ)」や、視線を集めたエリアの分布を%表示する「AOI(Area of Interest:エーオーアイ)」など、定量的な視線データの可視化が可能になる。また、購買者はカートを押しながら買い物をするため通常の目線より比較的下に視線がいくことや、シニアの視線はより下目線で視野が狭くなること、動いている時は水平に視線が移動するが、立ち止まった時は縦方向に大きく振れることなど、観察調査やインタビュー調査だけではわからないことを、数値的に可視化することもできる。さらに、新開発した自動解析プログラムにより、視線解析にかかる時間を短縮。従来のサービスに比べ同じ期間でサンプル数を増やすことも可能となった。基本料金は、12サンプル×3パターンを調査する場合で130万円からとなっている(調査設計、アイカメラ調査と視線解析、事後アンケート調査、報告書を含む)。凸版印刷は同サービスを、主に消費財メーカーや、流通の商品パッケージデザインや店頭販促物のデザイン検証、棚割り検証などに向けて提供。ショールームのデザインやサイン・看板デザインの検証、タブレットコンテンツのユーザーインタフェース(UI)検証など、新たな活用も促進することにより、科学的な検証データをもとにした提案活動に力を入れ、2017年度に関連受注も含めて約10億円の売上を目指す。
2015年03月09日Ptmindは3月5日、同社が提供するアクセス解析ツール「Ptengine」のWordpressプラグイン「Ptengine - Real time web analytics and Heatmap」を提供開始したと発表した。Ptengineは誰でも簡単に使えるアクセス解析ツールとして提供されてきたが、ユーザーが利用する際にはアカウントの登録/設定と、計測のための解析タグをサイトへ実装する必要があった。特に解析タグの実装においては、Wordpressの場合どこへ解析タグを実装したらよいのかわからないという声が多かった。今回、PtengineのWordpressプラグインが用意されたことにより、ユーザーは解析タグの実装に迷うことなく利用できるようになった。また、Wordpressの管理画面内にてPtengineの解析画面が閲覧可能なので、Ptengineを別画面で立ち上げる必要がなくなり、操作性が向上したといえる。
2015年03月06日ヴァイナスは、米Intelligent Lightが開発を行っている流体解析(CFD)用インテリジェントポストプロセッサ「FieldView」の最新版となる「FieldView 15」国内リリースを開始したと発表した。FieldViewは、流体解析業務の効率化を推進する可視化ソフトウェアで、最新版となるFieldView 15では、近年利用者が増加しているオープンソースの流体解析ソルバOpenFOAMのダイレクトリーダーが強化され、表示精度やメモリ使用量の向上が行われたほか、レンダリング機能の改善によるグラフィックメモリ使用量の削減、カラー/白黒共用の印刷に適したカラーマップの追加やマルチウィンドウレイアウトの設定機能の追加といった使い勝手の向上がなされている。また、同社では併せてライセンスフリーの可視化ビューア「XDBview 1」も同時にリリースしており、これによりFieldViewから必要な情報だけを抽出して出力した専用フォーマットのファイルを読み込むことが可能となることから、FieldViewのライセンス数に制限されずに可視化結果を共有化できるようになり、打ち合わせや発表の場でのさらなる説得力を持たせたプレゼンテーションなどが可能になると同社では説明している。なお同社では、国内の自動車・重工業・機械メーカーおよび関連企業、公的研究機関などへ「FieldView 15」の販売を計画しており、初年度で100ライセンスの販売を見込んでいる。また、販売価格は、標準ライセンス(8 並列)で年間ライセンス料金120万円(税別)、永久ライセンス料金295万円(同)としている。
2015年03月03日トプコンは2月24日、ドローンなどのUAS(Unmanned Aerial Systems=無人航空機システム)で撮影された画像から広範囲の3点地形モデルを作成することができる3D画像計測統合ソフトウェア「Image Master UAS」を発売すると発表した。同製品は新開発の画像解析エンジンにより、UASに搭載されたデジタルカメラの画像を自動で評定することができるため、簡単に大量の空撮画像から詳細な3D点群データを作成できる。また、算出した3D点群データをもとに、TIN作成、等高線作成、体積計算などの機能を用いて各種応用計算も可能だ。また、撮影間隔や飛行速度、地上分解能など空撮計画の策定に必要な撮影条件を計算するソフトウェアと、現場で撮影した画像の良否判定が即座に行えるソフトウェアが付随している。標準価格は新規単体パッケージで86万4000円。
2015年02月24日テレダイン・レクロイ・ジャパンは商用電源の入力から高速のコントローラのデジタル信号まで幅広い信号を計測の対象とする必要があるモータ・ドライブの解析手法を学ぶことができるセミナー「パワエレ効率化を支援するモータ・ドライブ解析テクニカル・セミナー」を3月6日、東京都・千代田区竹橋のパレスサイドビルにて開催する。組み込み機器の省エネ化などのニーズにより、パワーエレクトロニクスにはさらなる効率化が求められている。そうした要望に応えるには、定常状態における効率化に加え、起動時、停止時、負荷の急激な変動時などの過渡的動作における最適制御が求められ、従来のパワーアナライザでの解析だけでは不十分となってきている。中でもモータ・ドライブは、高速のコントローラを用いて高度なコントロールを行う先進の組み込み機器となっており、計測の対象は商用電源の入力から高速のコントローラのデジタル信号まで、と幅広く、かつ定常状態だけではなく、過渡的動作の動的な解析も必要となっており、解析を行うための敷居は高くなっている。今回のセミナーでは、そうしたモータ・ドライブの解析をより容易に行う手法を学ぶことを目的に開催されるもので、2.5GS/s、12ビット、8チャンネル、ロングメモリを備え、専用の解析ソフトウェアによりこれらの要望を1台で実現可能な、2月9日に発表されたばかりのモータ・ドライブ解析用オシロスコープ「MDA800シリーズ」を用いて、モータ・ドライブ解析におけるパワー解析や、MDA800シリーズによる新たな解析手法とその効果などを学ぶことができる。なお、定員は28名で参加費は無料(事前登録制)。申し込み方法は、テレダイン・レクロイ・ジャパンのWebサイト上にある申し込み受付にアクセスし、必要事項を記入する形となっている。○パワエレ効率化を支援するモータ・ドライブ解析テクニカル・セミナー日時:2015年 3月 6日(金) 14:00~16:00(受付開始 13:30~)会場:パレスサイドビル 東コア2F マイナビルーム X(東京都千代田区一ツ橋1-1-1)定員:28名参加費:無料(事前登録制)主催:テレダイン・レクロイ・ジャパン申込み:テレダイン・レクロイ・ジャパンWebサイトより
2015年02月18日大林組は2月16日、東京都綾瀬市の技術研究所においてスマートエネルギーシステムを完成させたと発表した。同システムでは820kWの太陽光発電システムに加え、これを安定かつ有効に活用するために出力500kW、容量3000kWhの大型蓄電池と、450kWのマイクロコンバインド発電システムを導入。これにより商用電力のピークを3割以上低減し、電力負荷の平準化やエネルギーコスト削減を目指す。発電・蓄電・節電をコントロールするEMS(エネルギーマネジメントシステム)は、気象状況や機械の稼働状況、過去の運用実績などのデータを解析することで電力需給を予測するとともに、太陽光発電量の予測機能を有する。また、在勤者から建物の使用予定をリアルタイムで収集し、予測の基礎データに反映するほか、電力の逼迫時には在勤者に向けてメールを発信し使用量の低減を図る行動を促す。同社は、スマートエネルギーシステムの運用を通じてノウハウをパッケージ化し、計画から運用・管理に至るまでのサービスを提供することで、顧客のエネルギーコストの削減と省CO2の実現、さらには持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
2015年02月16日