石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日ミュージシャンとしてだけではなく、役者としても、全身全霊“表現者”たることを選び続けて来た石橋凌の最新ツアー「Neo Retro Music 2016」が2月6日、福岡・DRUM LOGOSにて幕を開けた。【チケット情報はこちら】ステージ上には池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)という鉄壁不動のメンバーがズラリと顔を揃えている。前回のツアーよりもさらに深く広がった音の世界。今回はオープニングも含めて、ある演出が施されており、圧倒的な声量でフロア全体を包み込む、声そのものの魅力に加えて、時にブルージーに、時にファンキーに、絡み合う楽器同士のアンサンブルが、より豊潤な景色を描いていく。この日演奏されたのは、バンド初期のナンバーから最新のソロ曲まで、これでもか!というくらいにたっぷりと並んだ新旧不問のタイトル20数曲。政治的なものから、“目には見えないもの”について歌った曲まで、いずれも時代を問わない輝きと多くの人の胸を打つ、強くて優しい言葉にあふれた曲ばかり。中でも、エッグシェーカーを会場にバラまき「日頃の鬱憤やストレスを吐き出して帰ってください!」とオーディエンスを煽った後のワンシーンは、実に印象的だった。お決まりのコール&レスポンスに加えて、軽快な手拍子と「ヘイ!」という掛け声が、ある曲において自然発生的に巻き起り、曲後に思わず「嬉しい!やはり私の地元です!」と満面の笑みを浮かべた石橋。その抜群の呼吸をして、より深まったファンとの絆にグッと熱いものがこみ上げてきた瞬間だった。MCでは今年7月に60歳を迎えることに触れ、「R=60 PROJECT」を立ち上げたことを報告。ただ「昔から言われているあの辛気くさい漢字ふた文字は禁句です」「“れ”を“げ”に変えて貰ったら、石橋凌、60歳、感激です」とユーモアたっぷりに笑い飛ばす辺りは、さすが石橋凌といった感じだ。プロジェクトとしては今月3日にリリースしたライヴ・アルバム『LIVE Neo Retro Music 2015』が第1弾で、今回のツアーが第2弾。第3弾としては「全国各地で開催されるイベントやフェスにひとつでも多く出て歌っていく」とのことで、今後の動きにも是非、注目していてほしい。ツアーはこの後、2月9日(火)大阪・心斎橋BIG CAT、2月10日(水)愛知・名古屋BOTTOM LINE、3月6日(日)東京・六本木EX THEATER、3月17日(木)北海道・札幌 cube gardenにて開催。チケットは発売中。取材・文:なかしまさおり
2016年02月09日渡辺美里が7月12日に、全国ツアー「渡辺美里 日本全国ツアー 30th Revolution」の神奈川・CLUB CITTA’公演を開催。デビュー30周年を記念して行われる同ツアーは、ファイナルの12月23日(水・祝)大阪・フェスティバルホールまで、全国47都道府県を周る。【チケット情報はこちら】ここ数日、雨模様が続いていたがこの日はまさに真夏日。ライブ冒頭、「とっても久しぶりのような、そしてどこか懐かしささえ感じられるCLUB CITTA’ですが、ライブを迎えるに相応しい素晴らしい夏日になりました!」と語り始めた美里は、暑さとスタンディング・ライブという環境でファンの年齢や体調を気遣う。続けて「今日の日を想いながら選曲しました」と語るとおり、このツアーでは、30年のキャリアでお馴染みの名曲と、最新アルバム『オーディナリー・ライフ』収録の新曲を見事に織り交ぜ、会場によって異なるセットリストを披露している。この日のバンドメンバーは、バンマスのスパム春日井(perc)、設楽博臣(g)、澤田浩史(b)、真藤敬利(key)、松永俊弥(ds)という30周年ツアー不動の顔ぶれと、サックスは竹野昌邦に代わり庵原良司が務めた。そしてこの日は美里の誕生日という貴重なステージ。ライブのクライマックスで「ちょうど昨年のこの日に出来た歌を聴いてください」と前置きして、タイトル曲『オーディナリー・ライフ』を情感込めて披露。「ありふれた日々があまりにも愛おしい」というメッセージがファンひとりひとりの心に染み入るようだった。アンコールが数曲演奏され、名残惜しそうな美里はあと1曲できるかどうか悩んでいる様子だったが、バンマスのスパムはなにやらステージの袖に引っ込んだり、真藤と話したり、と慌しい。すると不意にハッピーバースデイのフレーズが流れて、バースデイケーキが登場。サプライズで美里の誕生日を祝う演出で、場内も一体となって盛り上がった。ツアーを終えた年明け1月9日(土)には「2016年渡辺美里30thアニバーサリー オーディナリー・ライフ祭り」を神奈川・横浜アリーナで開催する。取材・文:浅野保志
2015年07月14日渡辺美里のデビュー30周年を記念して、ぴあMOOK本「30thAnniversary Special Issue~渡辺美里ぴあ~」の発刊が決定した。【チケット情報はこちら】発売日は、今年行われる全国ツアー「春の美里祭り 30th Revolution」の初日で、彼女のデビュー記念日でもある5月2日(土)。同誌にはデビュー翌年から20年連続で開催された「西武球場ライブ」や「美里祭り」など彼女の軌跡や、最新インタビューを掲載。そのほか4月1日(水)にリリースされるオリジナルアルバム『オーディナリー・ライフ』や、8か月に渡って47都道府県を巡る全国ツアーの情報も満載。彼女の「これまで」「今」そして「これから」が堪能できる内容だ。また、同誌発売決定に伴い、ファンから渡辺美里の思い出やメッセージ、お宝自慢などを募集。寄せられたメッセージは編集部による選考のうえ、同誌に掲載予定。特設ページ()で3月31日(火)まで受け付けるので、気になる方はご確認を。
2015年03月20日渡辺知夏子は「美容と健康マニア」女性雑誌「Oggi」や「美的」で人気のモデル渡辺知夏子。オシャレに決して手を抜かず、健康・美容に気を配る姿勢は有名で、彼女のオフィシャルブログ「Chikako HOTEL」は美容情報の宝庫だ。自身を「美容と健康マニア」と呼ぶ彼女は、同ブログ2月21日付けの記事でグルテンフリーについて述べている。春は花粉症などアレルギーに悩まされる時期。グルテンフリーは免疫力がアップするといわれており、アレルギー体質改善に効果があるという。ヘルシーメニューを紹介また、ヘルシーメニューの紹介も必見だ。同ブログの3月11日付けの記事では、取り寄せた相模屋の豆腐でつくった豆乳鍋を披露した。材料は豆腐の他、豚肉や豆苗、きのこ、ネギ、そして決め手はごま油だ。モデルのブログでよく見かける「発酵玄米ご飯」についてもコメントしており、同ブログの3月2日付けの記事において「暖かいものから酵素が取れるから、最高!」と絶賛している。「美的.com」ブログ連載開始!彼女の高い美容意識が買われ、WEBサイト「美的.com」でブログ連載が開始!同ブログの3月11日付け記事で報告した。ビューティーやライフスタイルの事を発信していきたいと意気込みを語っており、こちらも見逃せない。【参考】・渡辺知夏子オフィシャルブログ「Chikako HOTEL」
2015年03月14日ミュージシャンと役者のふたつの顔を持つ石橋凌のツアーが、2月21日愛知・ボトムラインよりスタートした。【チケット情報はこちら】今回のツアーは今年1月発売のソロ活動第2弾ミニアルバム『Neo Retro Music』の名が冠されたものだが、セットリストはソロ1作目『表現者』からの曲やバンド時代の曲、カバー曲など新旧多彩。バンドメンバーはソロ1作目からレコーディングを共にしている池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)らが務め、ツアー初日の不安を感じさせない骨太なパフォーマンスを披露してくれた。最新作からの新曲パートでは、「サウンドは多様化するけれど、何を歌うかは九州のアマチュアバンドをやってた頃から変わっていない。それは自分の周りで起きたことや世界のこと」「歌は人に歌われて初めて“歌”になる」「中身のないサラブレッドより、中身のある駄馬でいたい」など、各曲ごとにMCで様々な想いを伝えてくれた。また場内に卵型シェイカーを配り、風刺の効いた歌詞をニューオリンズ的サウンドで表現したナンバーでは、会場全体と一緒に歌い、笑い、拳を上げ、体を揺らし、その目が子どものように輝いていたのも印象的。終盤になるとバンド時代の名曲が多く披露され、観客のテンションは一気に最高潮になり、「みんな上手だね」と本人が笑うほどのかけあいもあった。ライブ後には、「ソロとして3年ぶりの名古屋でしたが、お客さんの待っていてくれた感が凄く伝わってきて思わず力が入ってしまいました(笑)」と石橋本人からコメントが届いた。また「今回のツアーでは冒頭にバラードやミディアムテンポの曲を入れたり実験的な試みを数多く行っています。全体的には“音楽の持つダイナミズム”みたいなものを打ち出したかったのですが、名古屋を終えてそれがお客さんに伝わった手応えを感じられました」とも。“音楽の持つダイナミズム”=“ライブの醍醐味”だとしたら、この日はそれを存分に感じられる圧巻のステージであった。ツアーはこの後、2月27日(金)札幌ジャスマックプラザ・ホテルザナドゥ、3月6日(金)大阪BIG CAT、3月7日(土)福岡DRUM LOGOS、3月20日(金)東京Zepp DiverCityで開催。チケットは発売中。※札幌公演のみ藤井一彦&伊東ミキオによるアコースティック編成取材・文:澤井 敏夫
2015年02月26日おニャン子渡辺美奈代、DVD発売おニャン子クラブ世代の憧れのアイドルといえば渡辺美奈代だろう。正統派アイドルとして人気を博していた彼女が、懐かしいヒットナンバーがつまったDVDを発売した。彼女のオフィシャルブログ「Minayo Land」の1月13日付け記事によると、同DVDは2014年のBirthdayライブで歌われた全26曲が収録されており、80年代の魅力が堪能できる1枚に仕上がっているという。イベントでは品良く黒コーデ同日別記事では、同DVD発売イベントで全身黒でキメた彼女の写真もアップされた。トップにボリュームをもたせた華やかなヘアスタイルに、軽やかなミニスカート。胸元のネックレスが品格をそえている。上品なスタイルには定評があるようで、同ブログ読者からも彼女のファッションについて質問が寄せられている。1月9日付け記事では、質問があったセットアップについて紹介。ダブスタのセットアップをセールで購入したと告白した。ぱっちり目の秘密は?彼女のチャームポイントであるぱっちりした目についても秘密を公開。同日別記事をのぞくと、表参道にあるまつエク店「MAHR」へ朝一番に訪れる様子が掲載された。ますます美しさに磨きがかかる渡辺美奈代。今後も彼女の活躍に注目したい。【参考】・渡辺美奈代オフィシャルブログ「Minayo Land」
2015年01月17日手塚治虫タッチのパロディー漫画『神罰』で知られ、著名作家の絵柄をまねたシモネタギャグを得意とする漫画家の田中圭一氏。デビュー当時からサラリーマンを兼業する"二足のわらじ漫画家"としても有名で、現在はBookLiveに勤務する一方で、京都精華大学の講師も務める。そのほか、「田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-」(ぐるなび)、「うつヌケ~うつトンネルを抜けた人たち~」(文芸カドカワ/note)、「ハピラジ!」(ニコニコ生放送)など、インターネットを中心に幅広く活動している田中氏。今回、紙からインターネットへ移行した経緯や、インターネットの魅力、漫画家としての今後の展開などをインタビューした。――田中先生はインターネットを積極的に活用されていて、2013年に漫画発表の場を紙媒体からインターネットに移されたとのことですが、どういった経緯だったのでしょうか。ちょうどその少し前から僕の紙の本が売れなくなってきていて、世間でも、雑誌も売れない単行本も売れないという傾向が顕著になってきてますよね。だから、これから先、漫画家で食べていくのに希望的な状況じゃないなと思ったんです。そんな時に、電車で周りを見渡すとみんなスマホをいじっていたんですね。新聞や漫画雑誌を読んでる人はずいぶん減ったけどスマホは見ている。だったらスマホの中で自分の存在感を大きくすることが生き残りの1つの手だなと感じたんです。当初は、特にマネタイズは考えていなかったんですが、Twitterで面白いネタをつぶやいたり面白い画像を載せるとフォロワーが増えるし、これから先スマホやインターネットでみんなもっと情報を得るようになっていくだろうから、その中で生き残るための第1歩と考えたんです。――編集者で漫画原作者の竹熊健太郎さんにも後押しされたとか。竹熊さんが2010年くらいから、これからは「街のパン屋さんのような漫画家を目指せ」とおっしゃっていて。彼が紙の本からの仕事がなくなってスランプになっていた時期に、周りから勧められて『たけくまメモ』というブログを立ち上げたんですよ。そうしたら一気に固定ファンが数万人できて。これからの漫画家は、大手のメジャー雑誌に載ってミリオンセラーを出して豪邸を建ててというのが年々難しくなってくるから、数万人でもいいから固定ファンを捕まえてその人たちが欲しいもの、望むものを提供することでマネタイズをしていくのが良いと。それはすごく正しいなぁと思っていて。それを見ていたから、最初は自分も興味本位でおもしろ画像などを上げている内に、リツイートが増えて、フォロワーが増えて、「あー、これはメディアなんだ」とわかったです。――実際にSNSを始められて実感したんですね。当時、前の会社で「コミPo!」という漫画制作ソフトを発表する際に、プロモーションムービーを作って発売前に一部の関係者用にWEBにアップしたんですよ。その時にアルファブロガーの小飼弾さんにも見てもらったんだけど、「発表会が来週ありますよ」という告知をした時に、「ようやく発表ですね」と一部の関係者しか公開していなかったムービーのURLをうっかりTwitterに載せてしまって…。そしたら一気にダーッとリツイートされてサーバーもパンクして、その時にツイートをエゴサーチするとドンドン話題が増えていくのがリアルタイムで見れて、「バズられるってこういうことなんだ」とわかったんです。それまでもバズるとかバイラルっていう言葉は知っていたんだけど、1秒に何十人もリツイートされるという経験を初めてしたんですよ。――個人がすごい影響力を持つ、と。「コミPo!」でコンテストをした時、中に1人すごく面白い漫画を作ってくる人がいて、それがダ・ヴィンチ・恐山さんでした。彼は芸能人でもない普通の人なんだけど、彼のツイートはものすごく面白くて、それがドンドンとバズられて多くのフォロワーが付いたんです。その時、「Twitterって、有名人でなくてもバズられればフォロワーが集められるんだ」とあらためて思ったんですよ。僕も初めは、なにげなくおもしろ画像を投稿していたら、ついっぷるの人気画像ランキングに入って、僕のフォロワーじゃない人の目にも触れてドンドンとリツイートされて、フォロワーも増えたので、「これは面白いな」と思いました。ツイートや画像を何時ごろに上げればバズられやすいかとか、どんなネタが受けるのかとか、Twitterを使って、個人でのマーケティングリサーチをできることに気付いたんですね。――ご自身でマーケティングリサーチまでされているなんて驚きです。私はこれまで雑誌のアンケート結果ってあまり教えてもらえなかったんですよ。ギャグ漫画でページが少ないとアンケート上位に行くことは難しくて、編集さんも気を遣ってくれて「一部では好評みたいですよ」くらいしか教えてくれなかった。ただ、個人的には、今回こういうネタだからこういう反響があった、というデータが欲しかったんですね。この時間にこのタイミングでこのネタを上げたらリツイートされた、勝因は何だろう、自信満々のネタが全然ウケなかった、敗因は何だろう、みたいな。こんなことを繰り返し、ずーっと自分のデータとして蓄積していったんです。そこから、もちろんマネタイズは無視して、「ウケたいという気持ちだけで、いかに多くの人を笑わせられるか?」ということをやり始めたんです。――ファンの方と直接的な交流が生まれたんですね。そんなことをしているうちに、僕のネタ画像を見た編集者からWEBでの連載依頼が来て、そこに載った作品をTwitterやFacebookで情報発信してバズられて…という良いスパイラルになった。紙の雑誌に固執していたら、世の中に作品を発表できなかったかもしれない。これによって、「田中圭一をフォローしておくと面白いものが色々とくるぞ」というフォロワーとの信頼関係ができたっていうのは、これから電子化が進むという時期に、うまくSNSの波に乗れたなと思いますね。――そうしてインターネットの影響力を実感される中で、電子書籍の可能性と課題についてもお聞かせください。日本の家電メーカーにぜひ言いたいのは、日本って世界的に珍しく国民がすごく本を読む国だということ。日本人は知識欲が旺盛で、本を読むことが好きですよね。にもかかわらず、なんで電子書籍デバイスを日本人に合う形で作らないのかと思うんですよ。スマホはアメリカ製か韓国製で、手帳サイズで、さすがに漫画を読むにはきついですよね。タブレットは、サイズはちょうどいいですけど重い。だったら、もっと薄くて軽くてペラペラで、筒から巻物のように液晶画面がひゅっと出せて、雑誌の見開きサイズで読めるような端末ができるといいですよね。日本のメーカーが本気出せば簡単にできそうなもんじゃないですか。それによって電子書籍の市場ってもっと広がりそうなのに、やらないでしょ、どこも。電子書籍の漫画が読みづらいという人もいますが、新しいデバイスなら解決できる。ガラパゴスでもいい。日本市場って本に関しては大きいはずなので。――デバイスの進化には期待ですね。コンテンツ側で電子書籍に期待することはありますか。たくさん言いたいことはありますね。昔、ケータイコミックなどで音が出るものがありましたが、あまり流行らなかった。デジタルならではの面白い仕組みはあったんですが、それを最大限に使う作品・キラーコンテンツがなかった。やはりこういったものを普及させるのはキラーコンテンツありきですよ。例えば、デジタルデータなんだから、1ページ目からラストまで1本道である必要はないですよね。ゲームが得意としているストーリーの分岐とか、最初に自分の名前を登録すると、漫画の主人公の名前が自分の名前になるとか。分岐に関しても、アドベンチャーのように選ばせるのもあれば、ランダムに変わるというのもあるとか。そういった仕様も技術的には難しくない。問題は、そういう面白い仕組みを活かしたキラーコンテンツがあるかどうか。器を作ったら、器に見合う料理を考えなきゃいけなくて、漫画家さんなりクリエイターさんが、新しい仕組みに見合う作品を作って、1作品でもヒットが出れば、「この手法があるなら俺ならこう活用するぜ」という人が続々と出てくる。それが電子デバイスで本を読む新しい形にならないかなと思っています。――田中先生もそういう作品を作ってみたいですか。作りたいですね。たとえば、(主人公が複数存在し物語が並行して進む)ザッピングの作品ができないか、とか。とある夫婦が登場する作品で、奥さん目線では幸せなストーリーなんだけど、旦那さん目線では悲劇だとか。他には、最初のページで「あなたはどの漫画家が好きですか」というアンケートがついていて、手塚治虫とか松本零士とか選択肢を選んでもらって、ストーリーは同じでも、選んだ作家の絵柄に変わるとか。手塚治虫の絵で読んだ後に松本零士の絵に切り替えると微妙に違っていて、「こう違うんだ」というようなところを楽しむとか。デジタルの時代の表現方法の1つだと思います。――いろんな可能性がまだまだあるんですね。あるんですよ。誰かがキラーコンテンツを出して、そればブレイクした時こそ、新時代が来ると思います。僕も実験的に、なにかやってみたいと思うんですよね。ホラー漫画は僕の絵じゃ合わないかもしれないけど、じつはやりたいんですよ。例えば作品の中に、"読んだら死んじゃう漫画"というものが登場して、登場人物がその漫画を読んで次々に死んでいくというストーリー。これは、当然フィクションなので、実際にこのデジタル漫画を読んだ読者が死ぬわけじゃない。でも、ストーリーを読み進めていくと、最後に「この漫画は絶対に読み返してはいけない」と書いてあるページが開かれて、作品は終わる。それを、たまたま2回目に読んだ読者がいたとしたら、冒頭に「なぜ読み返すなと言ったのに読んだのか!」と書いてあって、つまり1回目に読んだときと中身が変わってしまっている。この恐怖ってハンパないと思います。これで読者が作品の中にイッキに引き込まれていくとか。――田中先生は現在、電子書籍の「BookLive!」にお勤めですが、最近話題の漫画家さんへのインタビューコーナー「わが生涯に一片のコマあり」についても教えてください。どういった経緯で始まった企画なんですか。BookLiveの社員の方から、以前に私が実施した藤田和日郎先生のインタビューがすごく好評だったので、ああいうものを定期的にできないかという依頼があったんです。コーナー化するにあたっては、ネットで読ませるための文字数の上限やテーマ設定など、いろいろと改良が必要な点がありました。そうした時にある方から、「"作者の渾身の1コマ"に絞ってはどうですか」というアイデアが出た。それならワンテーマだし文章も短くて済むし、焦点もはっきりする。他でもやっていないと。そして別の方が「わが生涯に一片のコマあり」というぴったりのタイトルを考えてくれた。そうしてこのインタビュー企画が始まりました。第1回ゲストの新條まゆ先生が、こちらが望んでいたとおりのお話をしてくれましてね。新條先生の連載が打ち切りになりそうだった時期に、「渾身の1コマ」を描くことで盛り返して人気が回復して行った、というような。そこで弾みがついてコーナーが続いています。――このコーナーはTwitterなどでもすごく評判なのですが、インタビュー時にこういうことを聞こうというのは何かあるのでしょうか。そうですね。僕も漫画家なので、この作品のここはすごく苦労して描いててるなっていうのがわかるんです。例えば東村アキコさんの場合は、『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ/秋田書店)や岡田あーみんさんの漫画が大好きで、それが引き出しになっていて今の作品を描いているとおっしゃっていて。自分もギャグ漫画家として、小さい頃好きだった漫画はあれとこれとこれで、それが組み合わさって今の漫画になっているというのがあるので、すごくわかるというか、お互い「そうだよね」というのがあるのは作家同士ならではだと思いますね。――なるほど。漫画家同士だからこそわかる世界観が、あのインタビューを生んでいるんですね。そうした幅広い活動をされている田中先生ですが、今年から京都精華大学で「ギャグマンガコース」の講師もされています。そのお話もぜひ聞かせてください。本当は竹熊健太郎さんの助手で入る予定だったんだけど、急きょ竹熊さんが休学されるということになって、あとは任せたと(笑)。経験もないし、忙しくて準備もできてないしで、バタバタとしたスタートでした。始めてみて思ったのは、生徒に教えるためにはロジックを自分で整理して伝えなきゃいけないということ。今まで直感で、つまり右脳でやっていたものをロジカルに整理することで自分にも気づきがあったんです。例えば、読者に「こっちだよ」とわざと思考をミスリードさせておいて、実はこっちだったみたいな意外性というかギャップが笑いを生むんだ…とかね。――教えることを通じて、田中先生ご自身も表現の理論を改めて整理できたんですね。どうしてこれは面白いんだろう、と常に分析しながら見るという視点も持つようになって、他の仕事にも良い効果が生まれましたね。先ほどのインタビューコーナーも、この作品はどうして泣けるんだろう、とか分析しながら作品を読んでいますし、今ぐるなびで連載している『ペンと箸』も、事実をそのままの順番で漫画にするのではなく、話の順番を入れ替えることでより感動が伝わるな、とか。いろいろと並行してやっている仕事がそれぞれ役に立っているんです。――これまで若い漫画家志望の方に教える機会はあったのでしょうか。今まで何人か、漫画家志望の若いアシスタントが来たことはあったけど、あまりギャグ漫画家になりたいという人はいなかったから、教えられることがあまりなかったですね。でも今は、大学でギャグ漫画家になりたいという人に教える訳だからやりがいもあります。京都精華大には「ストーリーマンガコース」と「ギャグマンガコース」があって、ストーリーマンガコースに落ちたからギャグマンガコースに来た人もいるんだけど、そうした中にもすごくギャグセンスのある学生もいる。プロになろうと思ってなくてもポテンシャルがあったり、センスを秘めている人はいっぱいいて、そういう人には「君はギャグに向いているから磨いていこうよ」という話もできますよね。――違う道を目指そうとしていた人が、ギャグ漫画家になって良い作品を生み出して、読者を楽しませていくというのは素晴らしいですね。本人もたぶん、ストーリーマンガコースに行ってたら生徒数も多くて競争率が高かったりで挫折してしまったかもしれないけど、ギャグマンガコースは人数も少ないから、その中で「イケてるぞ」となれば、自信もつくんじゃないでしょうか。竹熊健太郎さんが「電脳マヴォ」っていう無料の漫画サイトをやってるんですが、ギャグマンガコースで才能を持った人はそこでも紹介していきたいと言っていて、生徒さんが納得してくれればそこに作品をアップして世の中の多くの人に見てもらう機会を持つというのも、ありかなと思っています。そこで編集者の目に止まって商業誌デビューを果たす、という道もあるかもしれないですし。――インターネットならではの作品の見せ方ですよね。「note」っていうSNSで人気の『岡崎に捧ぐ』という漫画がものすごく読まれていて、作者の山本さほさんは、現在いろんなところから引っ張りになっているんですよ。内容は「ちびまる子ちゃん」的な作品なんですが、「ちびまる子ちゃん」よりももう20才くらい下の世代にすごくささっていて。ちびまる子って10年ごとに、つまり年代ごとに作ればいいんじゃないかと思ったりね(笑)。とにかくその漫画、面白いんですよ。ネットで人気を博して商業誌に行くっていうのもあるんですよね。こういう言い方はよくないんだけど、漫画家志望って編集さんとそりが合わなくて、デビューはしたものの連載を取れないまま何年かの時間をすり減らしてしまうこともある。でもネットに上げると、支持してくれる人が何人いるかが数字でわかるので、結果が悪ければすべて自分の責任です。冷酷ではあるものの非常に平等な発表の仕方ですよね。そういう方法でのデビューもあると思ってまして、竹熊さんの「電脳マヴォ」などからデビューするというのもあると思うんですね。――このようにファンの方と直接つながれる時代に、出版社の役割とは何だとお考えでしょうか。やっぱり大手の出版社の編集さんって、すごく特殊なノウハウを貯めている方がいて、新人が持ち込みしてきてから一人前にして世に送り出すまでのトレーナーとして一流な人もたくさんいるんですよ。それを分っていない人は編集者を軽視する発言をしがちですよね。WEBとかブログで人気になった漫画家さんが10年、20年と食べていけるかというのは、トレーナーの力量も大きいと思います。あとはアシスタントに入ってそこの先生に学ぶとかね。そういう道のメリットもたくさんあると思いますよ。ネットはそういう工程をすっとばせるから便利だと言われがちですけど、最初はビギナーズラックでヒットを打てても、2打席目から打てない人もいて、とにかく編集者や師匠から教えや、漫画家としての基礎体力作りを軽視してはいけないと思いますね。――ある作家エージェントの方がおっしゃっていたんですが、「0を1まで売るのはエージェントの役割だけど、1を100にするのはやはり出版社さんが強い」と。どちらが良いではなくて、それぞれ役割があるということでしょうか。大手の出版社さんって編集者が優秀だからミリオンセラーが出ると思われていますが、それに加えて営業の方のスキルも高いからだと思いますよ。僕も営業やっていたからわかるんですが、良いものを良いと伝えて書店さんを説得するのは営業さんの力なんですよね。だから1万部を100万部にするのは、販促やキャンペーンも含めた営業力だと思うんですよ。ネットで作品を出した人がそこまで行けるかというと、営業さんが後押ししてくれないとなかなか難しいですよね。ネットでヒットした『きょうの猫村さん』(ほしよりこ/マガジンハウス)とか、『となりの801ちゃん』(小鳥アジコ/宙出版)とかは、紙の本になって初めて大きくマネタイズができたわけじゃないですか。ネットだとただの人気者で終わってたかもしれない。だから、出版社が今も作家さんにお金をもたらす重要な役割を担っているのは確かですよね。今後は電子書籍ストアとか先ほどの「note」とかで作家が直接売るというの時代が来るかもしれませんが、それはそれで作家自身の営業力が必要だと思いますよ。ネット上には様々なコンテンツがものすごくたくさんあるので。――田中先生が先日から参加されている「ハピラジ!」についても教えてください。ニコ生(ニコニコ生放送)で「ハピラジ!」というWEBラジオを始めることになりまして。この番組というかシリーズは、声優さんを中心にやってきて、漫画家は僕が初かもしれません。番組としては、企画の担当者が面白いコーナーとかを考えてくれていて、ニコ生を使うので、音だけじゃなくて時々絵を描いたり大喜利のようなこともやっていきます。僕が描いた絵に声優さんが声を当てたり、4コマ漫画の3コマまでを僕が描いて4コマ目を募集とか。ラジオなんだけど、ところどころ絵も入っている感じで今の時代ならではの番組ですね。――田中先生はTwitterやFacebookも活用されていますが、ニコ生をやろうと思ったのはなぜですか。もともとニコ生は個人でもやりたかったんですが忙しくて手をつけられていなかったところに、ハピラジ!のお話をいただいてぜひやらせてくださいと。一人で全部やるのは大変ですからね。FacebookとTwitterとニコ生は個人で出来るプロモーションとして、3つでセットと考えています。Twitterは瞬発力、バイラル力はあるけど、すぐタイムラインが流れてしまう。Facebookはもう少し滞留しますし、もう少しお友達限定というクローズドな部分がある。音声は生放送でリアルタイム性がある。この3つを組み合わせるのが1番効果的だと思っていたんです。だから、ニコ生を始めたのはちょうどいいタイミングでした。今後、以前に勤めていたソフト会社で企画していた『ライブアニメ』という、音声に反応してアニメのキャラが操作できるソフトを使った放送などもやってみたいなと思っています。アニメキャラによる生放送です。――次々と新しい取り組みをされている田中先生ですが、最後に、漫画家・田中圭一としての今後の展開について教えてください。僕が今52歳だから、健康にペンが握れるのはあと20年なんですよね。土日しか描いてないから、計算するとあと単行本15冊しか死ぬまでに出せないな、と最近考えています。つまり、残された時間と描ける作品数は限られています。なので、山のようにある「やりたい企画や作品」の中から「何を諦めて、何をやるか」を考えなきゃいけない歳なんですよね、52歳って。これまで温めて実現できていない企画の中で早めに着手しないとダメなものを、優先的にやっていきたいと思っています。ここ2、3年はそこに力を注ぎたいなと。さっき言ったインタラクティブな漫画もその1つなのでぜひ実現したいですね。
2014年12月26日「自分の考えていることが思ったとおりに相手に伝わらない」。この悩みに頭を抱えている人は数多く存在します。あなただけではないのです! では、この問題をどうしたら解消できるのでしょうか。45万部を超えた大ベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんに話を伺いました。■2013年は日本人にとって“伝え方元年”「2020年大会のオリンピック東京招致決定は、日本人が国際舞台において伝え方で勝利した、歴史的な瞬間でした。滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』という言葉も印象的でしたが、安部首相のプレゼンにも、私自身は心を惹かれました。なぜかと言うと、人が票を入れたくなるような技術が盛り込まれていたからです。安部首相のプレゼンでのコトバを要約すると、以下になります。『東京を選ぶということは、スポーツで世界をより良くしようとする国を選ぶことです』IOCの実現したいことは、スポーツを通して世の中を良くすることです。つまり、相手の好きなこと=IOCが実現したいことを、そのまま表現していたのです。これまで“伝え下手”だと言われてきた日本人がプレゼンで勝利したことで、国全体が明るい雰囲気になったと思います」DJポリスの活躍やドラマから名セリフが生まれるなど、2013年はまさに「伝え方」が鍵を握る1年でしたね。「DJポリスは人が動きたくなる『チームワーク化』という技術を使って、やんちゃな若者達の心を動かしたのです。お願いをする時に相手対自分と対立するのではなく、『一緒にやりましょう』と同じ方向を向くと、思わず聞いてしまうという本能を人は持っているんです。ドラマの名セリフにも、伝える技巧がきちんと組み込まれています。例えば『半沢直樹』では、正反対のコトバを使うとセリフが強くなる『ギャップ法』が用いられていました。流行語大賞に選ばれた『倍返しだ!』というコトバの前に、『やられたら、やり返す』というギャップを前に持ってくることで、あのセリフが強烈に浸透したのです。2013年ほど名言が生まれた年は珍しいですよね。人々がいかに伝え方が重要か、という事実に気づいた1年でもありました。日本人は“学ぶモード”に入ると一気にレベルを上げられる特長を持っているので、なるべく早い時点で伝える技術を身につけることをオススメします」■伝え方は「センス」ではなく「技術」ですが、自分の気持ちや意思を思いどおりに伝えることに、苦手意識を持つ人も多いかと。「それは、伝え方にはセンスが必須という先入観があるからです。伝え方に必要なことは、センスではなく技術。料理を例に挙げてみましょう。キャベツの千切り初心者の小学生が知識もないままにトライしても、上手く切ることができませんが、母親に教えてもらうだけで格段にレベルが上がります。この例でもわかるとおり、技術もないままに上手く伝えようとするのは、初めて千切りをする小学生と同じ状況なのです。技術は、先に技術を身につけた人から教えてもらえば、誰にでも習得できる、ということです」技術はプロから学ぶのが近道! ということで、次回からは伝え方の第一人者・佐々木さんに、読者からの質問に答えていただきます。 ・「伝え方」のお悩みにアドバイスしてほしい方募集! ・『伝え方が9割』の佐々木圭一氏に聞く、心に響く伝え方
2014年01月30日ビヨンセのものまね芸で人気の渡辺直美が初主演を飾った映画『SPOTLIGHT』が、現在開催中の第4回沖縄国際映画祭・地域発信型プロジェクト部門にて上映され、渡辺をはじめ浜崎綾監督、小林星蘭、木村祐一が舞台あいさつを行った。舞台あいさつの模様地域発信型プロジェクトは、昨年から始まった新プログラムで、全国各地で映画を撮影し、その土地の良さや魅力を世界へ発信しようというもの。浜崎監督が選んだ地域は“東京都”。昭和12年に開業した歴史あるキャバレーでダンサーになることを夢見る女性が、挫折しながら自分の夢に立ち向かっていく姿を描く人間ドラマ。浜崎監督は「歌手になりたいとかサッカー選手になりたいとか夢を持っていても、実際には難しく、いまひとつ頑張れない弱さを誰もが持っているもの。この映画では、夢が叶ったか叶わなかったかではなく、寄り道すること、自分の弱さに向き合うこと、そうやって成長していくことを説教くさくなく伝えたかった」と、映画に込めた想いを語った。浜崎監督は、フジテレビの『新堂本兄弟』『ミュージックフェア』などの音楽番組を担当、2010年に『ピカルの定理』の立ち上げに加わるなど、人気番組で経験を積んできた有望株だ。ヒロインに大抜擢された渡辺は、「まさか自分が映画の主演を務めるとは思わなかった。不安の方が大きかったけれど、浜崎監督とは仕事をしたことがあるので仲のいいスタッフさんも多く、楽しい現場でした。初のお披露目は緊張しますね」と、芸人としてではなく“女優”として淑やかにあいさつし、「渡辺直美のいろいろな顔が詰まっています。ダンスも注目してほしい」とアピール。そんな渡辺の女優っぷりを共演の木村は、「彼女は主演顔ですよ、だって脇にいたら邪魔ですからね(笑)。ビーチの大きなスクリーンでも耐えられると思います」と、冗談をまじえながらも絶賛し「映画は芸術なので、好きか嫌いかでいいと思うんです。僕はこの映画好きです!」と監督を称えた。また、同映画祭の第1回目からすべて参加している木村は、「毎回、僕ら(芸人)が来て笑いを届けていると言われていますが、実際はその逆。声援をもらって、握手を求めてもらって、沖縄で映画祭が開催されることを心から喜んでもらって、僕らの方が感動と元気をもらっています」と、感謝を伝えた。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月29日渡辺謙、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファらが出演する米中合作映画『シャンハイ』の特別試写会が16日に丸の内ピカデリーで行なわれ、渡辺、菊地凛子とミカエル・ハフストローム監督が舞台あいさつに立った。その他の写真映画『シャンハイ』は、太平洋戦争前夜にあたる1941年の上海を舞台に、親友の死の真相を探るべく上海を訪れた米国諜報員の男(キューザック)が、中国・アメリカ・日本を巡る巨大な陰謀に巻き込まれながら、運命の愛に出会い、激動の時代を生き抜いていく姿を描いたサスペンス・ドラマ。渡辺は「日本映画と違って歴史的な作品をハリウッドで作ると、世界中に配信されるので、その国が持っているバックグラウンドにどういうふうにマッチしていくかということがあきらかに違う。本作は中国や韓国では既に公開されているんですが、自分の役は果たしてどう受け入れられるのだろうかというある種の怖さと興味がある」と言い、渡辺と初共演の菊地は「謙さんのいろんな方向からいろいろなアイディアを持って挑戦する姿勢は勉強になったし、後の作品に活かされている」とコメント。ハフストローム監督は「1941年の上海という歴史的な背景はあるが、ストーリーには人間同士の普遍性があり、登場人物が抱える野心や想いはどの人にも伝わるものがある」とPRした。最後に渡辺は「70年前の太平洋戦争の直前の歴史的な背景もありますが、ここで描かれているのは男と女が必死で愛を紡ぎ、困難な状況でも命を繋いでいこうとしたドラマだと思っています。今年は非常に日本全体が揺らいでいて、社会情勢や価値観など、いろいろな変化を余儀なくされているときですが、困難なときに何かを乗り越え、生きていこうとするときにつながる映画だと思います」と力強く語りかけた。『シャンハイ』8月20日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2011年08月17日