画家の田中千智の個展「田中千智展」が、16年1月29日から2月7日まで東京・渋谷にあるBunkamura1階のギャラリーにて開催される。田中千智は、国内外での多数の展覧会を行う他、小説の表紙や挿絵、舞台や映画のイメージビジュアルなどを手掛ける、近年目覚ましい活躍を見せる画家。果てのない夜や燐光の森、淡くゆらぐ雪の丘、置き去りにされた情景など、黒と白の鮮烈なコントラストによって独自の死生観が描き出された作品は、見る者にセンチメンタルな物語を想起させる。Bunkamuraで開催する2回目の個展となる同展では、未発表の新作を中心に多数の油彩原画を展示・販売。今最も注目される画家のうちのひとりである田中が持つ引力をたっぷりと体感出来る個展となっている。【イベント情報】「田中千智展」会場:Bunkamura Box Gallery住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 1F メインロビーフロア会期:16年1月29日~2月7日時間:10:00~19:30(最終日は17:00まで)入場無料
2016年01月06日『そして父になる』『海街diary』の是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』が来年5月21日(土)から公開されることが決定した。阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、樹木希林らが出演し、現代を生きる家族の姿を描くという。その他の画像本作で阿部が演じる良多は、15年前に1度だけ文学賞をとった売れない作家で、現在は“取材”と言い訳しながら探偵業をしている大人になりきれない男。息子がいるが、妻と離婚しており、母は団地でひとりで暮らしている。そんなある日、たまたま母の家に集まった良太と元妻、息子は台風のために翌朝まで帰れなくなり、夜が明けるまで“家族”として過ごすことになる。是枝監督は「この映画に登場する、阿部寛さん演じる息子も、樹木希林さん演じる母親も、真木よう子さん演じる別れた元嫁も、みな『こんなはずじゃなかった』という思いを抱きながら、夢見た未来とは違ってしまった今を生きています。そして、映画の主な舞台になる公団住宅も、建設された当時は思いもしなかったであろう、老人ばかりの現在を生きています。今回の映画は、そんなどうしようもない現実を抱えながらも、夢を諦めることも出来ず、だからこそ幸せを手に出来ないでいる、そんな等身大の人々の今に寄り添ったお話です」と説明。「なんというか、僕が死んだ後に、神様か閻魔様の前に連れて行かれて、お前は下界で何をしたんだ、と問われたら、真っ先にこの『海よりもまだ深く』を観せると思います。集大成とか、代表作といった言葉がふさわしいわけではないのですが、自分の今を一番色濃く反映出来た作品であることは間違いないです」と語っている。また主演の阿部は「是枝監督の現場は初めてではありませんが、監督は僕らの演技をしっかりと見ていてくださるので、すごく安心感があります。監督の判断にゆだねれば絶対大丈夫だという安心感。作品を最良のものにするための監督の精神は、本当に尊敬しています」と語る。劇中に登場する団地のシーンは、是枝監督が9歳から28歳まで住んでいた東京都清瀬市の旭が丘団地で行われ、樹木は「撮影中、子供時代を知ってる方々にすれちがう、我が団地の出世頭『コレエダ!』わたしは忘れものしても、とりに戻らない。さてこの映画、まあまあなのか上出来なのか、蓋をあけてみるのが楽しみ」とコメントを寄せている。『海よりもまだ深く』2016年5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2015年12月25日「カバチタレ!」「極悪がんぼ」などで知られる、田島隆による司法書士漫画の新シリーズを田中圭主演で映画化する『劇場版 びったれ!!!』。このほど、田中さん始め、ライバル弁護士役の山本耕史や黒幕の実父役・竹中直人らも登場する、待望の予告編映像が公開となった。本作は、「お人好しで頼りないシングルファーザー」「切れ者の司法書士」「元・極道」という3つの顔を持つ伊武努(田中圭)が、理不尽な目にあう庶民を助けるべく奮闘する痛快・裏リーガルドラマの劇場版。かつては暴力団組織の金バッヂ、狂犬と恐れられた伊武は、いまでは極道から足を洗い、司法書士となって亡き姉の娘・かりん(岩崎未来)を男手一つで育てている。ドラマ最終話で無事に娘を取り戻し、平和な生活に戻ったかのように思えたが、幼稚園のパパ友はまたも不当解雇に怯え、大事な補助者・杉山(森カンナ)の実家は不正な取引で立ち退きを迫られ、かりんまで人質にとられてしまう…。テレビドラマ放送時にも好評を博し、満を持して映画化となった本作。「カバチタレ!」「極悪がんぼ」などを手がけてきた田島隆による同名漫画が原作となるだけに、1つ1つのエピソードがとにかくリアル。今回の劇場版も、田島さん自身初のオリジナル脚本を共同執筆し、全面監修した。予告編映像では、さまざまな困難に直面する伊武(田中さん) 、それを支える杉山(森さん)が登場。田中さんは、元・極道の姿からメガネ男子のシングルファーザー、そして司法書士と見事に演じ分けている。さらに、法律家でありながら「法は人間を救ってなんかくれない」と宣戦布告をするライバル弁護士・霧浦(山本さん)、そして裏から操る伊武の実の父・制覇 (竹中さん)が、伊武の前に立ちはだかる。かりんや杉山、善良な市井の人々を守るため、義理と人情の“たんかを切る”田中さん演じる伊武の姿を、まずは予告編から確かめてみて。『劇場版 びったれ!!!』は11月7日(土)よりバルト11ほか広島にて先行上映、11月28日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月07日WOWOWの連続ドラマW「石の繭」で初めて刑事役に挑戦した木村文乃と共演の青木崇高、内片輝監督が8月5日(水)に製作発表記者会見に臨んだ。麻見和史の人気警察小説「警視庁殺人分析犯」シリーズの第1作の実写化。父の遺志を継いで刑事になり、捜査一課に配属となった塔子が、人間をセメントで塗り固めて殺すという猟奇殺人事件を追いかける。木村さんは初の刑事役について「初めてですが、塔子にとっても悲惨な現場に行くことになったり、銃を抜くことはいままでなかったので、初めての経験をうまくリンクさせることができればと思いました」と語る。前髪を切って撮影に臨んだことが大きな話題を呼んだが、それ以外にも「原作では小柄なので、華奢な感じを出そうと(小さめの)7号の上着を着続けました」と明かす。「いままでの私の役の中で、一番、女の子の役。感情の揺れを出さないといけなかった」と内面についても語った。青木さんは「僕も前髪をちょっとは切ったんですが」と陽気に語るが、演じた先輩刑事の鷹野は「クールで物事を俯瞰で見るタイプ。いままで演じてきた役と違った」と語る。青木さんのほか、捜査一課の面々には段田安則、渡辺いっけい、北見敏之、平岳大、小柳友らベテランから若手まで重厚な面々が居並ぶ。木村さんは「男性陣がみなさん、仲良くて、井戸端会議を始めたらいつまでも男の子なんだなと分かりました。ワイワイ楽しかったです」と和気あいあいとした現場の様子を明かす。昨日、クランクアップしたばかりで、酷暑の中をスーツで動き回らなくてはならず、さぞつらかったかと思いきや、木村さんは「(撮影が)始まった頃はまだ肌寒いくらいで、だんだん暑くなってきて、汗がいい演出になりました」と余裕の表情。これに青木さんが「それは彼女だけです!」と慌てて異議!「そういえば思い返すと(木村さんの)汗を見てないです。男連中は汗でビショビショでした(苦笑)。防弾チョッキを着るとさらに暑くて…」と述懐する。青木さんは水着姿で現場入りしたこともあったとか…。「アイスをちょくちょく差し入れしたり、昨日はスイカを差し入れしました。撮影中ですがせめて“夏感”を出せればと思って…」と笑顔で語っていた。作品について内片監督は「サイコサスペンスの傑作が原作ですが、WOWOWでこそ楽しめるエンターテイメントになってます」と猟奇殺人の描写なども含めて濃厚なドラマに自信をのぞかせる。木村さんは「ミステリは犯人が分かるまでが一般的ですが、この作品が普通じゃないのは(犯人が)分かってからも、なぜそうなったのか?人の心、根っこの部分が色濃く描かれているところです」と人間ドラマ、心理ドラマとしての見どころも強調した。ドラマW「石の繭」は8月13日(日)より放送開始。(text:cinemacafe.net)
2015年08月05日●プレイヤーキャラ「イカ」にこめられたデザイン面の"ひみつ"任天堂のWii Uソフト「Splatoon(スプラトゥーン)」。発売から1カ月ほどで世界累計販売本数が100万本を突破するなど、非常に勢いのあるスタートを切った同社の新規タイトルは、「マリオ」「ゼルダ」などの歴史あるゲームタイトルと比べると「やんちゃ」に映るキャラクターデザインや、インクの鮮やかな色選びなど、ビジュアル面にも目を惹くものがある。また、筆者自身、このゲームを始めたある知人のデザイナーから、「Wii U本体と一緒に買ってでもやるべきだ」と猛烈なプッシュを受けた。買う前に評判を調べたところ、このゲームに熱中し、日々インクにまみれた生活をしているクリエイターは結構いる、ということが分かった(そしてミイラ取りがミイラになる格好で、筆者も現在進行形でプレイしている)。そこで今回、スプラトゥーンをプレイしているデザイナーやイラストレーター、サウンドクリエイターなどの協力を受け、彼らが同作に向ける「クリエイターの視点」をヒントに、同作の"イカ"したデザインを裏打ちする設定や開発エピソードについて、任天堂 情報開発本部 制作部の野上恒氏(プロデューサー)、井上精太氏(アートディレクター)の両名からお話を伺った。※本稿では、スプラトゥーンをプレイしているデザイナーやイラストレーター、サウンドクリエイターなどの協力を受け、彼らが同作に向ける「クリエイターの視点」をヒントに、同じくプレイ中の筆者が質問を構成。適宜クリエイターからのコメントを引用しながらお届けする。――プレイヤーの操るキャラクター「インクリング」について、ゲーム開始直後に「ボーイ」と「ガール」から選ぶことになります。アメコミ風でありながらかわいい要素も含まれたデザインになっていて、その容姿に愛着を持たれているクリエイターの声もありましたが、プレイヤーキャラがこの容姿に決定した理由を教えてください。■デザイナー・27歳・男性■お気に入りのブキ:カーボンローラーかわいさを全面に押し出したキャラクターはアピールが強すぎて引いてしまう方なのだが、スプラトゥーンのキャラクターには媚びないかわいさがあって、愛着が持てる。アメコミテイストは日本では受けない傾向が強いが、それをうまくアジャストできている。特に、インクリングの目の周りが黒いのはかなりデザイン的に挑戦していると思う。井上 :インクリングの「ヒト」の時の容姿は、スケートボーダーのファッションや思想、ポーズ、表情などを参考にしています。しかし、キャラクターの容姿を単体で設定したのではなく、まずこのゲームの主題である"インクを塗る遊び"の舞台として、一番生きるシーンが「街中」であることが根幹にあります。ファンタジーな世界、言うなればマリオシリーズのような世界も試作したのですが、「不思議なところに不思議な物体(インク)が撃たれる」よりも、アスファルトなど、私たちの身の回りにあるものに対してインクを撃つほうが、ゲームの手応えとして良かったんです。そうした場所で遊ぶヒトを考えた時に自然に思い浮かぶものとして、スケートボーダーが連想されたという流れですね。――「インクリング」の「ボーイ」と「ガール」は。どちらも「男性らしさ」「女性らしさ」が極端に強くはない、中性的な印象のあるデザインですが、あえて「らしさ」を抑えた容姿にされたのでしょうか?■クリエイター集団NC帝國・デザイナー・Nasos■お気に入りのブキ:ジェットスイーパーガールの絶妙に中性的なデザインが大好きです。井上 :スケートボードやパンクロックを愛好する女性って、勝ち気な感じというか、ボーイッシュな感じの方が多いので、そういった雰囲気を参考にしています。そもそも、最初はプレイヤーキャラはガールだけで行こうと考えていましたので、デザインはガールが先に完成していたんです。野上 :ですが、やはり感情移入しようと思うと、プレイヤー自身の性別と同じものを選びたいという方もいらっしゃるのではないかというところから、ボーイのデザインを制作しました。井上 :(ガールは)イカの触腕が髪型にしっくりきているので、そのあたりを見ていただけると嬉しいですね。※触腕…イカの触手のうち、他と比べて長く伸びている2本の腕のこと。――たくさんパターンを出して、このデザインに落ち着いたのでしょうか?井上 :いえ、あまり数は出していないですね。ひとつの案を詰めていったという印象です。――前髪が眉上で短めなのがとてもかわいいですよね。井上 :ああ、前髪はイカの切り身なんですよ。――そうなんですか!?野上 :すいていない厚めの前髪のようですが、真ん中のあたりにちょっと切れ込みが入っている、イカのお刺身のイメージなんです。何せ、彼らはイカなので。よく見ると厚みがちゃんとあります。――これ(前髪)、イカの切り身だったんですね…。野上 :はい、そうなんです。Twitterで公開されていたあるファンアートの漫画を拝見していた中で、ガールが「前髪伸びてきたな~」と言ってまな板に置いて、包丁でストンと切っているという作品を描いていた方がいらっしゃったのですが、まさにそんなイメージです。井上 :よく見ると、(インクリングの)手の指もイカソーメンのかたちになっているんです。amiiboを見ていただくと分かりやすいかと思うんですけれど、断面を四角いかたちにしていまして。野上 :触手の先に切れ目を入れていって、手になったというような感じです。イラストも、指先は意識して四角く描いていますね。――ポップな画風なので、デフォルメの一環だと思っていました。野上 :わざと四角くしているんです、イカソーメンなので。――では、耳のかたちは…。野上・井上 :エンペラですね。※エンペラ…イカの耳の部分――なるほど、そのほかにヒト形態のときのイカらしさはどこかに現れているのでしょうか。野上 :足が10本、ありますね井上 :インクリングは、ボーイもガールも髪の毛が2束(2本)、そして手足が4本、さらに襟足が4本に分かれていて、それらを合計すると、実際のイカの足の数と同じ10本になるんです。野上 :イカ形態のときの足と、ヒト形態のときの襟足のデザインはあわせてあって、そこが共通しているということになっています。このことはゲームの発売前、昨年末に『スプラトゥーン』公式Twitterでお伝えしました。イカの足は全部で10本。例のイカがヒト型になった時、手足で4本、髪の毛で2本、残り4本はどこに行ったのかと思っていたら……こんなところに。ということで、これが年内最後の報告となる。来年もイカ研究所の調査報告にご期待いただきたい。 pic.twitter.com/QBsAUYjz3h— Splatoon(スプラトゥーン) (@SplatoonJP) 2014, 12月 26井上 :そのほかのポイントですと、目にはほぼハイライトを入れていません。イカの目は、ほ乳類の目とはちょっと違う見た目をしているので。――また、同作でプレイヤーが選べるのは、イカの「性別」のほか、「瞳の色」、「肌の色」とかなり限定された要素です。Wii Uでは自分の似顔絵のような感覚でMiiを作ることも可能で、他のゲームでもキャラクターの容姿をカスタマイズ可能なものもある中、姿かたちを固定した理由は?野上 :その部分については議論があったんですけどね。ですが、新しいタイトルなので、アイコンとしての認知を広げるために、キャラクターの容姿は2パターンに限定しようと決めました。あまりたくさんかたちを作ると、イメージがぶれてアイコンとしての機能が下がってしまうので。そのかわり、自分の分身として思い入れを持っていただくために、性別や肌の色などを選べるようにしました。――肌や目の色がカスタム可能になっているのは、発売当初から世界展開することへ向けたものだったのでしょうか。野上 :そうですね。日本の方だけでなく、さまざまな国の方に遊んでいただけるように制作しました。――また、同作のイカは海洋生物のイカと異なり、ステージ中にある水に触れると溺れてしまう設定で、かなり生態が異なるようです。イカ(インクリング)の基本設定について、教えてください。野上 :正直なところ、「インクリングが水に入るとおぼれる」のは、ゲームルールから来ているんですね。「決められたコースから落下するとアウトになる」というルールを定めるために、何らかの理由づけが必要だったのですが、「おぼれる」ということが、表現としてよかったんです。井上 :本当はマグマなどのほうが(アウトになるエリアとして)分かりやすいんですけれど、街中にあると不自然なので…。街中にあるものとして水が扱いやすいということになって、そこから逆に設定が固まっていきました。野上 :機能的なところから決まった事ですね。イカなんですけれど、体は液体に近いもので出来ているので、水の中にはいると溶けてなくなっちゃう、という(笑)――なるほど、インクだけに水に溶けてしまうと。野上 :そうです、インクだけに。皮膚が弱いので水につかると浸透圧でじゅっと出て行ってしまうのでしょう。●"イカ界のアイドル"シオカラーズはかつて巫女だった?――ゲームルールのお話が少し出たところで、「スプラトゥーン」のゲームシステムについても少しお聞かせください。今回聞き取りをしたクリエイターの中には、「ルールが画期的」とコメントする方や、「こういったジャンルのゲームはやったことがなかった」というような声が複数ありました。現実に存在する銃を武器として「敵を倒した数」を競うのではなく「塗った面積」を競うというルールが生まれたきっかけを教えていただけますか?■イラストレーター・agoera (29)・男性■お気に入りのブキ:スプラシューターコラボTPS(Third-Person Shooter/Shooting)はには初心者が挫けてしまうのではという先入観がありましたが、殺伐としていないポップな雰囲気で入り込みやすく、ルールはシンプルなようでいざ突き詰めていくと色々な戦い方の発見があったりと、飽きさせない要素が各所に散りばめられているのがすごいです。■アートディレクター・岩屋民穂・男性■お気に入りのブキ:プロモデラーRGTPSなど銃器を用いるゲームが戦争を主とした“殺し合い”の戦場を楽しむものだったのに対し、ポップなキャラクターとグラフィック、“陣取り”というルールを組み合わせることによって誰でも楽しめる“スポーツ”として扱った点。それでいてマニア向けなゲームを大衆向けにアレンジする際に有りがちな「運」に左右される要素を一切入れずに、プレイヤー同士の実力勝負を貫いている点がいいですね。ゲームの優位性に関わるやり込み要素が薄いので、仕事のちょっとした合間に短時間で集中して遊べるという部分も大きいかなと思います。■イラストレーター・田中寛崇 (28)・男性■お気に入りのブキ:スプラシューターコラボこれまでは互いを撃ち合いスコアを競うのが主だったTPSゲームを、インクを塗った面積で競わせるという画期的なルール設定に脱帽。■作・編曲家 ・こおろぎ (32)・男性■お気に入りのブキ:プロモデラーMGスプラトゥーンのためにWii Uも一緒に購入。はじめてゲーム機を買いました。それほどまでに、見てるだけでも楽しさが伝わってきました。僕はオンラインゲームでは人間関係が発生するのがめんどくさいなと思っているタイプなのですが、スプラトゥーンは人間関係に煩わされず、スポーツのようにスッキリと楽しむことができます。マッチングで敵味方がランダムになったり、味方にも「ナイス」など、ポジティブなメッセージしか送れません。このあたりの設計はかなり配慮を感じます。野上 :そもそも、このタイトルが「TPSを作る」というところから始まっていないんです。一番最初にプログラマが試作したプログラムが「インクを発射して陣取り合戦をする」というものだったんですね。それがおもしろかったので、商品にしようと発展させていったのが今の「スプラトゥーン」なんです。「ナワバリバトル」という名前もあとからできたものです。インクを塗って遊ぶのが楽しいという前提があって、背景をつけるならどういうところがいいだろうと考えたら、先ほど井上がお話しした通り、ファンタジーよりは現実に近い世界のほうが、いたずらっぽさが強調されていいだろうと。それなら、そこにいるヒトは、いかにもそんな遊びをするようなティーンエイジャーだろう、と。こうして積み重ねていった結果、おっしゃったような「ホンモノの銃で打ち合う世界」ではなくて、イカの若者たちが遊びでやっている、半スポーツ・半遊びみたいな雰囲気へと必然的にまとまっていきました。井上 :「インクで塗る」という行為は、ゲームで表現していることとしては規模が小さいんですね。例えば、ゲームの中であれば魔法で何かを壊すだとか、そういう表現だってできるわけです。魔法であればジャンプでかなり高いところまで行けたりすると思うですが、このイカたちは(スーパージャンプというコマンドを除いて)あまり高いところまでジャンプができない。なので、現実的な動きを気持ちよく感じてもらうため、インクで撃つということ自体が大きなアクションに見えるように設計しています。――なるほど。確かに、さまざまな種類のブキがありますが、どれも使った時の手応えが違って、かつ「最強」のものが固定されていないように感じます。野上 :ブキに関しては、本当に時間をかけて磨き上げました。インクの出方や音もブキごとにひとつひとつ変えてあったりするので、手応えが違うように感じていただけるのだと思います。「このブキが最強」だとおっしゃっているかたがいるのは認識しておりますが、いろんなブキにおいて、このブキが最強だと言っている方がいらっしゃるので(笑)、それはそれでバランスがとれているのかなと思っています。――その方にとっての最強、ということですね。ちなみにおふたりの使いやすいブキは?野上 :僕は一番よく使うのが「スプラチャージャー」です。対戦ルールやステージによって3種類くらい使い分けていますね。井上 :「N-ZAP 85」を一番よく使います。私がこのブキを使うと、バトルの結果への貢献が大きいわけではないのですが、自分が(ステージ上の自陣における)ラインを守ったとか、センサーで味方を助けたとか、そういったところが実感できるのが面白いと思います。野上 :最終的なスコアとか、敵を何回倒したかという「数字になる」貢献ももちろん大切なんですが、自分自身が戦いの中で味方にこれだけ貢献できたという感覚を持てるのが一番大事なことだと思っています。強い弱い、だけではなくて、そういう感覚を持てるブキを使っていただくのもいいのかなと思っています。――話がキャラクターの方へと戻るのですが、先ほど「インクリングの見た目を限定した」とおっしゃった一方、同じ種族の中で容姿の違うキャラクターとして、アイドルのシオカラーズ(アオリ、ホタル)がいます。プレイヤーには熱烈なファンが多く、広場には彼女たちのイラストを描いたイラスト(Miiverse)も投稿されていますが、彼女たちを登場させた理由は何だったのでしょうか?■美容師(22)・女性■お気に入りのブキ:.52ガロンとにかくキャラもかわいくて、ゲームをしていなくてもキャラに見惚れてしまう時があります。シオカラーズはもう、可愛すぎます!!アオリちゃんに返すホタルちゃんの言葉が面白くていつも微笑んじゃいます!井上 :「ごはんとパン、どちらが好き?」など、特定のお題をもとにふたつの陣営に分かれて戦う「フェス」というイベントをやりたかったのが大本にあります。ゲームの外に広がって行くようなイベントをやりたかったんです。それを先導するというか、象徴するヒトとして、対になるふたりのキャラクターを考えました。野上 :シオカラーズは、今の形になる前は「チアリーダー」や「巫女」というイメージを持っていたんです。「カミさまからお告げを受けて代弁するヒト」という役割なので。でも、巫女ってカタいよねという話になって、この世界ならアイドルが合うだろう、と。――シオカラーズの容姿や性格はどういったイメージから構想を広げていかれたのですか?井上 :シオカラーズの雰囲気は、ローティーンという設定のインクリングが親近感や憧れを抱ける、デビューしたてのアイドルというようなものにしました。野上 :地方テレビに出始めたころのゆるい雰囲気をイメージしています。井上 :たとえるなら、埼玉や神奈川であれば全員知っているアイドル、みたいな。野上 :「ハイカラニュース」はハイカラシティのローカル放送というイメージなので。あの街ではすごい有名人だけれども、まだ全国区には行っていないかもしれないですね。井上 :深夜番組にもそういったところがあると思うんですが、勢いがあって、ちょっとだらけてやっていても、それがいいよねと言われているくらいの雰囲気にしました。そのくらいの方が見ていて面白いなというのがあったので。――たしかに、シオカラーズがステージ発表をする時のかけあいも、やりとりが何というか…野上 :適当ですよね。―― (笑) いわゆる「ゴールデンタイム」風ではない、インディーズのゆるい良さがありますね。野上 :また、シオカラーズが「イカ、よろしく~」のポーズをする時には手が強調されますが、あの場面を見ていただくと、先ほど申し上げた「イカソーメン」、指先が四角くなっているのが分かりやすいと思います。――巫女というコンセプトはアイドルに置き換わりましたが、不思議な「カミさま」はゲーム中に登場します。「カミさま」は何かわれわれの知っている家電に近いように見えるのですが…?野上 :どこかで見たことあるような形ですよね。井上 :イカたちが暮らしている1万2000年後の世界に、これまでのフェスのお題になった「午後の紅茶」や「赤いきつね」と「緑のたぬき」はないんですけれど、今の世界で発信した電波がゆっくりと跳ね返ってきて、6000光年くらい向こうに行ってから、跳ね返ってきて受信したみたいなイメージです。野上 :ボイジャーみたいな探査機のなかに発信器が積まれていて、地球からはどんどん遠ざかって行っているんですけど、そこからちょっとずつ電波が飛んできて、「ミルクティーとレモンティー、どっちが好き?」みたいな、しょうもない質問が送られてくる。イカたちはよくわかってないけれど、聞かれたからには何となく答えておこう…みたいな感じで、フェスに参加しているんだと思います。後編では、スプラトゥーンにおける「ファッション」、そして魅力的なサブキャラクターのひみつに迫っていく。(c)2015 Nintendo
2015年08月05日“視覚と知覚の関係性”をテーマに作品を発表する写真家・鈴木崇の個展「Form-Philia」展が、5月29日から7月12日まで六本木のIMA CONCEPT STORE内のIMA galleryで開催される。今回の個展のタイトル「Form-Philia」とは、形を意味する“Form”と嗜好、偏愛などを意味する“Philia”を組み合わせた造語。期間中は代表作「BAU」や「ARCA」に加えて、新作を合わせた3つのシリーズが展示される。昨年、オランダで行われた写真フェア「Unseen」でも人気を博した「BAU」シリーズは、カラフルなスポンジを組み合わせて様々なフォルムを構築していく作品。黒い背景をバックに、様々な色や形のスポンジを多様なパターンで組み合わせることで、日用品であるスポンジが「BAU」が意味する“建物”や“構造”へと変容し、別の側面を浮かび上がらせる。今回は500点にも及ぶシリーズの中から、IMA galleryの空間に合わせたインスタレーションで展示する。「ARCA」は影を正面から写した作品。大判カメラで撮影し、大きく引き伸ばされたイメージは、輪郭やサイズなどの情報が奪われ、影本来の意味を超えた新しい構造物となって現れる。さらに同展では新シリーズとして、日本の混沌とした家々の写真をモンタージュしながら、建築物が重なることによって生まれる奇妙な風景を写し出した作品も出展される。また関連イベントとして、5月30日には批評家の布施英利と鈴木崇とのトークショー「写真とフォルムの関係性」を開催。被写体の形態を通じて何を撮ろうとしているのか、鈴木崇の写真史をたどりながらその作品の変遷と、写真とフォルムの関係性に迫る。6月21日には、美術ジャーナリスト・鈴木芳雄との対談によるトークショー「美術史で読み解く鈴木崇作品」も実施。鈴木崇がアメリカやドイツで学んだ写真の考え方やコンセプトの作り方から、アウトプットの仕方まで、現代作家と密接に関わる美術史について語られる。【イベント情報】「Form-Philia」会場:IMA gallery住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階IMA CONCEPT STORE内会期:5月29日~7月12日時間:12:00~22:00(土、日、祝日は11:00~20:00)入場無料
2015年05月29日エコー・ジャパンはこのほど、4月1日付で北欧発・コンフォートシューズブランド『ECCO(エコー)』がフィギュアスケートの無良崇人選手と1年間のスポンサー契約を締結したことを明らかにした。ECCOは、1963年にデンマークで創業したブランド。ビジネスシーンからプライベート・スポーツまでオン&オフ問わずさまざまなシーンに適したコンフォートシューズを、全世界90カ国以上で展開している。無良選手は2014年の四大陸選手権で優勝し、同年のチャレンジカップ、スケートカナダでも優勝した。プライベートでは一児の父でもある。今回、選手という"オン"の世界も、家族や友人との"オフ"の時間も大切にするという同選手のライフスタイルにECCOが共感したことから、スポンサー契約を締結するに至った。ECCOは、「フィギュアスケート選手は世界遠征も多く、常に移動を要されている。本番で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、選手にとって要でもある『足』にプライベートシーンで最高の履き心地を提供することでサポートしていきたい」としている。契約の締結により、無良選手は取材時および練習時に同ブランドのロゴ付ジャージーを着用するほか、同社のPR活動への協力も行う予定。ECCOのシューズを日ごろから使用しているという無良選手は、今回のスポンサー契約について「応援いただけることに感謝とともに身の引き締まる思い」と喜びを語った。「ECCOの靴は疲れにくく足を守ってくれます。機能的でありながらデザイン性と品質の高いECCOの靴は、これからの自分のあるべき姿にも重なります」ともコメントした。
2015年04月03日(画像はプレスリリースより)田中道子!炭酸美容液のイメージキャラクターとして登場!銀座・イマージュ化粧品は「ミスワールド2013」で日本グランプリ受賞者『田中道子』さんを、炭酸美容液 D.スプラッシュ・ラベッラのイメージキャラクターに起用した。この美容液はアットコスメの口コミ ランキングで見事1位になった、新しい感覚の炭酸美容液。炭酸の濃厚な泡による血行の育成効果により、体内から輝く美しい素肌へと導いてくれるアイテムだ。近年アンチエイジングが人気の中で、炭酸コスメによるケアは、現在熱い視線をあびている美容方法の一つであるという。また『田中道子』さんが採用された理由の一つは、炭酸が持っている“炭酸と美肌の強さ”のイメージと、『田中道子』さんの健康的な美しい素肌と、世界クラスのすばらしいスタイルがピッタリとマッチしたからだという。田中道子さんについて1989年生まれで静岡県出身。「ミスワールド2013」で日本グランプリを受賞した。特技はスポーツやピアノ、ダンスなど。さらに小学館の「美的」および「GINGER」(出版社:幻冬舎)のレギュラーモデルや、「2011ミス ユニバース ジャパン」で第3位を受賞している。またタレントとして、今後を期待されている。【参考】・株式会社アーク プレスリリース (PR TIMES)・銀座・イマージュ化粧品・炭酸美容液 D.スプラッシュ・ラベッラ・田中道子オフィシャルブログ
2014年10月15日阿部寛はメールを見て驚いた。送り主は仲間由紀恵。14年におよぶ「トリック」シリーズの終幕を飾る『トリック劇場版 ラストステージ』の撮影最終日。全てのシーンの撮影を終えたという報告と共にスタッフ、キャスト陣で撮った記念写真が添付されていた。そこに阿部さんの姿はない…。数日前にすでに自らの出演シーンは全て撮り終えていたからだ。「その1週間くらい前です。(意外と)あっさり終わりました。その日のラストシーンですらなくて、(スタッフも)『はい、移動です』って感じで、極めてサラリと…(苦笑)。だからメールを見てびっくりしました。泣いてる人までいるよ!って(笑)。その場にいないのが悔しかったですね」。上田らしい、いや『トリック』らしいと言うべきか…。目の前にいるのは役からすっかり離れ、落ち着いた佇まいの仲間さんと阿部さんなのに、語られるエピソードの中の2人は山田奈緒子と上田次郎そのものである。自称・超売れっ子天才美人マジシャン(金欠・貧乳)の山田と、騙されやすい天才物理学者(巨根・童貞)の上田のコンビが、殺人事件や怪奇現象の裏に隠されたトリックを暴いていく人気シリーズがついに幕を下ろす。人気作品を次々と生み出す堤幸彦監督にとっても歴代最長のシリーズとなったが、その中核を担った2人のコンビネーションはどのように生まれたのか――?14年前、仲間さんは20歳。不安と緊張を胸に連続ドラマの撮影に臨んでいた。「民放初主演ですごく緊張してました。阿部さんに生瀬(勝久)さんと周りは大先輩ばかりで…。掛け合いということもよく分かってない中で、最初は一生懸命、投げるばかりで、阿部さんが全てを受け止めて方向性から何から決めてくださいました」。阿部さんにとっても上田というコミカルで奇妙なキャラクターは未知の領域。「最初は手探りだった」と言いつつ、グイグイとコミカルな方向へと足を踏み出していった。これまでにない3枚目のキャラとして、上田の人物像が固まっていく過程を阿部さんはこうふり返る。「最初は『カッコよくいこうか?』って考えてたんです。(同じ堤作品の)『ケイゾク』の渡部(篤郎)さんみたいに。いろいろ可能性を模索したんだけど、それがこうなるとは…(苦笑)。連ドラで上田が大ウソを吐いた回があったんです。シューマッハがどうのって(※上田がF1世界王者のシューマッハに運転を教えたのは自分だと主張する)。そのあたりで観念しました(笑)。当初、台本を読んだときは疑問だったんです。『これを言って成立するのかな?』って。でも、連ドラが毎話、出来ていき、完成したものを見てまた作っていくわけですけど、『確かにこれは面白い!』って思うようになっていきました」。山田と上田の2人のコンビネーションも回を追うごとに深まり、それがまたそれぞれのキャラクターをはっきりと際立たせていくことにも繋がった。決して山田も上田も人間として成長はしないのだが…。仲間さんは、シーズンを重ねる中で覚えた“駆け引き”の面白さをこう語る。「シーズン1では上田にやられっぱなしでしたけど、シリーズを重ねていくうちに掛け合いが面白いと思うようになりました。上田の言うことに反応したりアドリブで返したり。最初のうちは笑いが止まらなくてNGを連発していました(笑)。シーズン2は『今度は笑わないぞ』と決意して臨んで、気の抜けない現場だと実感しつつ楽しかった。蒔田(光治)さんの脚本を読み込み、回を重ねるごとに奈緒子というキャラの幅が見えてきました。最初は上田さんに対しても敬語なのに、だんだん変わっていって、呼び捨てになって、殴ったりウソついたり…。そういう中でだんだん、私も観念していきました(笑)」。阿部さんも掛け合いの中での仲間さんの変化をひしひしと感じていた。「最初の頃の奈緒子は、過去やいろんなものに精神的にも囚われていて、そこに上田が土足で踏み込んでいくような感じで、まさに仲間さんの目の中に入っていくような芝居でした。それがシリーズが進むにつれて、奈緒子がだんだんと手強くなってきた(笑)。殴り返してきたり、一筋縄ではいかなくなってきて。今回、久々にお会いしてやってみると、やっぱり安心感を持ってやらせてもらえるんですよ。僕がどんな芝居をやっても助けてくれるという信頼感があるんです」。「長いような、あっという間だったような――」。仲間さんは14年という歳月をそんな言葉で表現する。「今回で本当に終わりですが、あの世界観は私たちの知らないところでずっと続いているような気がします。終わってせいせいするという気持ちでもないし、寂しさもあるけど、一生お別れという気もしない…不思議な感じです」といまだはっきりとした実感を伴わない別れを語る。阿部さんは、堤監督からもメールを受け取った。それは仲間さんからメールを受け取った撮影最終日よりもさらにずっと後のこと。編集の最終段階でスタジオから送られたものだった。「『編集していて、涙が止まらくなった。寂しいです』って。あの強い堤さんらしくない…いや、普段は強い人だからこそ、メールで本音をのぞかせて、寂しさを語ってくれたんだなと思います」。ラスト近く、これまでの14年の山田と上田の姿が映し出される。「14年間、一緒に歩いてきたから、パッと見せられてもどこのシーンなのかすぐに分かるんですよ」と阿部さん。「ホントに『やめてよ!』って思いましたね」とスクリーンに映し出された20代前半の姿に仲間さんは苦笑する。その声は照れくさそうで、そして少しだけ寂しげだった。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:トリック劇場版 ラストステージ 2014年1月11日より全国東宝系にて公開(C) 2014「トリック劇場版 ラストステージ」製作委員会
2014年01月08日直木賞作家・道尾秀介氏の本格ミステリーを映画化した『カラスの親指』。本作で人生の哀しみを背負うサギ師の中年男を好演した俳優・阿部寛が、頭脳明晰な刑事や古代ローマ人など、まるでカメレオンのようにさまざまなキャラクターに挑み続けている理由を明かした。その他の写真タケこと武沢竹夫(阿部)は新米のテツ(村上ショージ)と組み、競馬や骨董をネタに作戦を考え、シノギを上げるサギ師だ。「サギをするシーンが3か所ほどありますが、毎回違うキャラクターでサギを仕掛けるのは面白かったです」とまずはサギ師役の感想を吐露する阿部。映画は、この中年コンビと偶然出会う3人の若者たちが、タケの過去にまつわる一世一代の大勝負に出るまでを描く。「伊藤(匡史)監督は強いこだわりと愛情を持っていて、カット数が尋常じゃなかった(笑)。ただ、だからこそ自分が演じたどのキャラクターたちよりも、タケという男には人間臭い側面がより強く出ていたように思いました」と人世の悲哀を背負った“人間”を演じることが出来て感謝の念を抱いたという。宣伝コピーにあるように近年の阿部は出演映画に限ってみても、頭脳明晰な刑事や古代ローマ人など、まるでカメレオンのようにさまざまなキャラクターに挑み続けている。今作ではサギ師という新たな表情も話題の的で、そこには「自分ではまったくできないと思っているようなことに挑戦したくて」という俳優としての本質的な、課題にも似た願いがあるという。「先日、舞台でシェイクスピアの戯曲に50歳を前にして挑戦しましたが、大恥かいてもいいと思っていましたよ(笑)」と想いを打ち明ける。「そうやって自分を鍛えていくことで、違う自信を持っちゃう自分を抑えているみたいなことはあると思いますね」。演技について、「間違った方向に進んでいても、役者は気づかないことがある。10年ぐらい切り替えができない場合があります」と明かす阿部。最後に本作で重要なモチーフとなる“親指”に掛けて、「それこそ“これでいい”みたいな間違った“親指”を作ることが一番怖いと思いますよ。つねに自分をイジメ抜いて、何度も失敗していい、そういう意気込みで今はやっています」と語っていた。『カラスの親指』公開中取材・文・写真:鴇田 崇
2012年11月26日直木賞作家・道尾秀介の人気ミステリーを映画化した『カラスの親指』の完成会見が8月16日(木)に都内ホテルで開かれ、主演の阿部寛に村上ショージ、原作者の道尾さんが出席した。哀しい過去を抱えた詐欺師に彼とコンビを組むことになった新米の中年男、スリの少女とその姉とその彼氏の5人。奇妙な共同生活をすることになった彼らが実行するある大作戦の行方を描く。阿部さんは「人間の悲哀を奥深いところまで描いた作品。観たら温かい気持ちがあふれてくる映画に仕上がっています」と完成した作品に自信をのぞかせる。ほとんど演技初挑戦のショージさんとコンビを組み、石原さとみ、能年玲奈、小柳友といった若手キャストとの現場となったが「現場の雰囲気をそのまま出していけばいいという感じで、力の抜けた感じでやりました」と語り、初挑戦の詐欺師役についても「世間の聞こえは悪いけど(苦笑)、それを(ショージさんと)2人でユーモラスにやってます。楽しみながら作れました」と笑顔を見せた。ショージさんは「プレッシャーを感じながらやった」とふり返る。長ゼリフには相当苦戦したようで「終わった直後は“二度とやるか!”と思った」と語るが、「試写で完成した作品を見たらハマったような感じ」と役者業への手応えをつかんだよう?「死ぬまでに代表作ができて嬉しい。吉本を辞めたとしてもこの作品があるからいいかと思える」と強い思い入れを明かし「このまま(劇中の詐欺師コンビの)タケ&テツとして歩みたい!」と阿部さんにコンビ結成をラブコール。阿部さんからは「自信ないです…」と断られたが、めげることなく演技中の阿部さんのカッコよさを熱弁し「こういう人とコンビ組んだら楽しいだろうと思った」と再三にわたり新コンビ結成をアピールしていた。道尾さんは「初めて5人が暮らす借家のセットを見たとき、あまりにもイメージにぴったりで驚きました。原作では全く書いてないのに、イメージをくみ取ってくださった。あれを見て『これは絶対に面白い映画になる』と思った」と明かす。実際に完成した映画についても大満足のようで「映画を観て自分の作品を素で味わい『いい物語だな』と改めて思えた。こんなに声を出して笑ったりボロボロ泣いたのは久しぶり」とその完成度の高さを称賛した。映画の中のように、これまで騙された経験について問われたショージさんは「前にお米のCMの仕事で、吉本の担当のお偉いさんから『ほとんどお前に決まりや』と言われたのに待てど暮らせど何もないので、聞いてみたら『残念ながら(オーディションで)素人に負けた』と言われた。芸人は目先のお金を計算して経理に前借するので(笑)、そのお金を返すのに走り回った。あのときは騙されたと思いました」と苦い経験を告白。実は、この日も映画のどんでん返しさながらのドッキリをショージさんに敢行!事前に何も知らせないままショージさんが本作のプロモーションのための全国行脚に出ることが突然、発表された。これにはショージさんも「嘘やろ?アホなこと言うな!」と信じられない様子だったが、阿部さんから「僕は忙しいので。コンビは組めないけどテツ一人で行ってきて下さい」と託されると、観念したように「阿部さんが言うなら行きます」と応じ、そのまま全国への旅に出発した。最後に阿部さんは改めて映画について「人間再生のドラマです。温かい気持ちになっていただければ」と語り、サプライズ仕立ての会見は幕を閉じた。『カラスの親指』は11月23日(金・祝)より公開。■関連作品:カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズ
2012年08月16日2月に離婚届提出。2012年3月7日、タレントの田中律子が2月始めに離婚したことを自身のブログで「報告」というタイトルで発表した。田中律子は1997年に結婚して現在中学生の長女が一人いる。離婚の原因はブログには書かれておらず、15年の結婚生活の終止符は色々悩んで考えた末の結論だとなっている。まだ中学生の長女とも昨年から相談したり、話し合ったとある。心配をかけましたが、新しくスタートします。「子どもには本当に申し訳ない形となった」といい、周りのお世話になった人たちにも心配をおかけしてすいませんと謝罪している。新しいスタートを踏み出す田中は、娘も多感な年頃ですので、どうぞ静かに見守っていただけるとうれしいです。と締めくくって報告を終わらせている。元の記事を読む
2012年03月09日映画『麒麟の翼~劇場版・新参者~』が1月28日(土)に公開を迎え、主演の阿部寛を始め、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、田中麗奈、三浦貴大、中井貴一、土井裕泰監督が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。東野圭吾の人気連作シリーズを一昨年の連続ドラマ、昨年のスペシャルドラマに続いて映画化。日本橋の麒麟像の下で息絶えた男性の殺人事件を追いつつ、人情派の刑事・加賀恭一郎が事件の被害者や関係者たちの背後に隠されたある“思い”をあぶりだしていく。念願の劇場版の船出に阿部さんは満足そう。劇場に足を運んだ観客に何度も「ありがとうございます」と感謝の思いを伝えると共に「より深い人間ドラマが完成したと思います。感無量です」と自信をのぞかせる。ヒロイン役で映画からの参加となった新垣さんは「実は(舞台の)裏に立っているときはあまり(公開の)実感が湧いてこなかったんですが、みなさんの拍手に迎えられてお顔を見たら『やっと今日だ』と感じ、胸が熱くなってます」と初日を迎えた感激を明かした。阿部さんとはドラマ「ドラゴン桜」で教師と生徒という関係を演じて以来、6年ぶりの共演となったが「6年前はこんな風にまた共演させていただけるとは思ってもいなかったです」と感慨を口にした。昨年放送されたスペシャルドラマ「赤い指」に続いての本シリーズ出演となった田中さんは、普段弱みを見せることがほとんどない加賀を唯一、やり込める看護士の金森を演じているが「今回は叱りつけてやりましたから!」と微笑んだ。一方、溝端さんはドラマ版に続いて加賀とコンビを組む松宮刑事役で、何かと加賀にイジられつつ、思わず笑ってしまうようなユーモアのあるやり取りを披露している。コミカルなシーンについて溝端さんは「阿部さんの胸を借りつつも、楽しくなって着地する気もないままにアドリブで掛け合いをしてました」と楽しそうに述懐した。松坂さんは中井さんの息子役を演じたが、劇中で登場する重要な意味を持つ折り鶴について「中井さんと2人で折ったものなんです。感じるものの多かった役で、周りの人間のこと、父親の存在についてなど考えるようになりましたが、それは中井さんが父親として存在してくださったから。中井さんなしでは(自身が演じた)悠人は考えられなかった」と改めて感謝の思いを伝えた。中井さんは少し照れくさそうに「桃李くんがいいヤツなので、2人で一生懸命折りました」とニッコリ。“父子”の絆を感じさせた。土井監督は、続編について尋ねられると「『また加賀を見たい』というみなさんの声があれば」と意欲を見せる一方で「松宮刑事が続編に出てくるかどうかは分かりません」と、溝端さんの降板を匂わせ当人を慌てさせていた。父から子への思いを伝える本作を通じて、阿部さんは自らを顧みる部分も多かったようで、この日の客席にも80歳を超える阿部さんの父親が訪れていることを明かし「最近、親父と話をすることが増えました。戦争の頃の話なんかをしてくれるんですが、いまになってもっと早くにそういう話をしておくべきだったと感じています」と胸の内を語り、会場は温かい拍手に包まれた。『麒麟の翼~劇場版・新参者~』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:麒麟の翼~劇場版・新参者~ 2012年1月28日より全国東宝系にて公開© 2012映画『麒麟の翼』製作委員会■関連記事:『麒麟の翼』阿部寛インタビュー刑事・加賀を通して見る父への思い、後輩への思い阿部寛、東京・日本橋に凱旋!「第二の故郷」だと感謝しきりJUJUサプライズ熱唱に、阿部寛も感激このミステリーが泣ける!『麒麟の翼~劇場版・新参者~』試写会に10組20名様ご招待駆け引き上手な俳優No.1は藤原竜也!向井理、西田敏行らが上位にランクイン
2012年01月29日俳優の阿部寛が15日(日)、都内で行われた主演最新作『麒麟の翼~劇場版・新参者~』の完成披露試写会に共演する新垣結衣、田中麗奈、松坂桃李、三浦貴大らとともに出席した。阿部は辰年生まれの“年男”。春には人気コミックを映画化した『テルマエ・ロマエ』の公開も控え、「今年は裸になったり(笑)、いろんな役に挑戦させていただくので、恥ずかしいことも緩めずにやっていきたい」と新年の抱負を語り、さらなる飛躍を誓った。その他の写真東野圭吾の“加賀恭一郎“シリーズ最新作を、『新参者』『赤い糸』とドラマで加賀を演じた阿部主演で映画化。ある男が胸を刺されたまま8分間、歩きつづけ、翼のある麒麟像のそばで息絶えた。容疑者は現場から逃走するも、車にひかれ、意識不明に。その恋人は事件を担当する加賀恭一郎に、泣きながら無実を訴えるが……。阿部は「恥ずかしがったり、遠慮してしまい、伝えなければいけないことを、いつの間にか伝えられないこともある。映画を通して、そんな大事な思いに気づいてもらえば」と家族がテーマになった本作をアピールする。容疑者の恋人を演じる新垣と、被害者の息子を演じる松坂はともに1988年生まれの辰年。「今年は食生活を改めたいです。好きな食べ物を挙げると、体に悪い動物性の脂を使ったものばかりなので。野菜をとったり、運動したり、中身からきれいになりたい。(体の)中はドロドロしている」(新垣)、「いろんな仕事ができるよう、日々精進したい。風邪ひかないように頑張りたいですね」(松坂)とこちらも“年女”“年男”の誓いを立てていた。「今年は本厄なので、年男、年女の皆さんにあやかりたい。役(厄)がつくから、役者にとってはいいとも聞きますが」と語るのは田中。阿部から「そういえば、僕も本厄の年に“結婚できない男”を演じましたよ」と当たり役にまつわる思い出を聞かされ、「じゃあ、私は“結婚できない女”を…」と安どの表情を浮かべていた。『麒麟の翼~劇場版・新参者~』1月28日(土)公開
2012年01月16日『麒麟の翼~劇場版・新参者~』の完成披露試写会が1月15日(日)に開催され、主演の阿部寛を始め、新垣結衣、松坂桃李、田中麗奈、三浦貴大が出席。上映直後にはサプライズで歌手のJUJUが登場し、主題歌「Sign」を生で歌い上げた。東野圭吾の人気連作である加賀恭一郎シリーズの1作を、連続ドラマ、スペシャルドラマに続いて映画化した本作。胸を刺され、日本橋の翼のある麒麟像の前で息絶えた男の事件の謎に、日本橋署の敏腕刑事・加賀が挑む。映画上映直後、再び幕が上がるとJUJUが登場し「Sign」をピアノ伴奏に合わせて熱唱。事前にJUJUの登場を知らされていなかった観客は力強い歌声に酔いしれた。このステージが今年の舞台初めというJUJUは「こんな素敵な作品に関わらせていただけたことだけでも光栄ですが、こうして歌わせてもらい幸せです」とニッコリ。「生きていると、素直に言った方がいい、気持ちが言えないことがほとんど。分かってても素直に受け取れないことがありますが、後悔から生み出される明るいこともあるんじゃないかという思いで作りました」と楽曲に込めた思いを明かした。舞台袖で「みんなで横から見てました」という阿部さん。「歌詞の力、歌の力を感じました。思いが伝わる曲で感謝してます」と感動しきりだった。この日の登壇陣のうち、阿部さんと新垣さん、松坂さんの3人は辰年の年男&年女。今年の抱負を尋ねると、阿部さんは「48歳になりますが、この後の映画(『テルマエ・ロマエ』)では裸になったりもしてるので(笑)、恥ずかしいこともどんどんやっていきたいです」と語った。新垣さんは「プライベートでは食生活を改めたい。好きな食べ物が体に悪そうなものばかりなので、野菜も食べて、体を動かして綺麗になりたい」と宣言。司会者から「これ以上綺麗になってどうするんですか?」とツッコまれると「中はドロドロしてるんです」と苦笑交じりに明かした。松坂さんは「風邪をひかないように」とこちらも健康第一。さらに「この作品と共に、龍の如く昇っていけたらと思います」と飛躍を誓った。田中さんは今年、本厄ということだが、実は役者にとって厄年は“厄”と“役”つながりでよい年になると言われているとか。阿部さんからの「僕も本厄の年にいろんな役をやりましたよ。『結婚できない男』とか…(笑)」という本厄の年のご利益(?)の証言に田中さんは「そうですね。『結婚できない女』とか(笑)、いい役に出会えるように精進したいです」と笑顔で語った。三浦さんは「いつもと変わらず暮らしていければ」とマイペース。「仕事が忙しいのはいいけど、それ以外は家にこもって静かに暮らしたい」と新年早々の“ひきこもり”宣言で笑いを誘っていた。『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』は1月28日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:麒麟の翼~劇場版・新参者~ 2012年1月28日より全国東宝系にて公開© 2012映画『麒麟の翼』製作委員会■関連記事:このミステリーが泣ける!『麒麟の翼~劇場版・新参者~』試写会に10組20名様ご招待駆け引き上手な俳優No.1は藤原竜也!向井理、西田敏行らが上位にランクイン【TIFFレポート】新垣結衣、阿部寛と溝端淳平の“職務質問”に「興奮しました」【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ癒し系?頼れる系?親友にしたい俳優ランキング三浦春馬と天海祐希が1位に!
2012年01月16日映画『天国からのエール』が10月1日(土)に公開を迎え、主演の阿部寛を始めミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平と熊澤誓人監督が舞台挨拶に登壇した。主人公のモデルとなった故・仲宗根陽さんの妻・美幸さんもゲストとして登場しキャストやスタッフへの感謝の思いを綴った手紙を朗読。劇場は深い感動に包まれた。沖縄で弁当屋を営みながら地元の高校生のために無料の音楽スタジオを設立し、一昨年、がんで他界した仲宗根さんの実話を基に、彼と彼のもとで成長を遂げていく若者たちの姿を描いた本作。阿部さんは映画を観終えたばかりの観客に「本当に、本当にありがとうございます」と感謝の思いを伝えた。「東京から来たいち俳優が、(亡くなって)1年も経たないうちに仲宗根さんを演じるということにプレッシャーもありましたが、みなさんに支えられてやらせていただきました」と晴れ晴れとした表情で語った。阿部さん演じる陽の妻を演じたミムラさん。いまも仲宗根さんの遺志を継いで音楽スタジオを続けている妻の美幸さんとは、役作りのために撮影中はあえてあまり深く接することをしなかったと言うが、「日常会話やたわいもない話の中からも奥さんと陽さんの距離感が見えてきました。現場にも来ていただき“現場のお母さん”という感じで同じ女性としても憧れるところがありました」とふり返った。桜庭さんも初日を迎えて万感の思い。「もしも仲宗根さんのような人が近くにいたら、私たちも仲宗根さんを信じられるし、仲宗根さんも私たちを信じてくれて、夢を追いかける自信になると思う」と仲宗根さんへの思いを語った。矢野さん、森崎さん、野村さんはホテルの部屋も一緒で常に一緒に過ごしていたという。劇中、桜庭さんと4人でバンドを組むが、全員、ほとんど楽器は初めて。森崎さんが「みんな、成長がすごく早かった。ヤバいと思って家で練習した」と言えば、ほかのメンバーからは「実は森崎くんが一番成長が早かった」という声が上がるなど互いに切磋琢磨したよう。野村さんは「休みの日に男3人で美ら海水族館に行って参りました」と明かすなど、仲の良さをうかがわせた。映画初出演となる矢野さんが阿部さんとの共演について「夢のような時間でした。右も左も分からない中で、阿部さんやミムラさん、スタッフのみなさんに支えていただいた」と語ると、阿部さんは「大人になったな」と嬉しそうに目を細めた。沖縄からこの日のために上京した仲宗根さんの妻・美幸さんはキャスト陣、スタッフへの思いをしたためた手紙を涙ながらに朗読。特に、劇中の手作り結婚式で阿部さんが台本にない「いままでありがとう」というセリフを加えたことに「不器用だった主人の思いを代弁しているようで涙があふれました。阿部さんは人の痛みの分かる方。主人も喜んでいると思います。この映画は宝物になりました」と語ると、会場は温かい拍手に包まれた。阿部さんは「最初は夢物語のように感じ、本当にこんな人がいたのかな?という思いでしたが、沖縄で奥さんが出迎えに来てくださったとき、後ろに仲宗根さんが立っているように感じました。奥さんを通じて仲宗根さんの存在を感じて、それまでの思いが消えた」と語った。監督も「ストーリーだけ聞くとファンタジーのように聞こえますが、みなさんの近くに本当にいるんじゃないかと思ってもらえるようにとリアリティを大切にした」と“実話”の重みを強調した。『天国からのエール』は全国にて公開中。■関連作品:天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会■関連記事:阿部寛×ミムラインタビュー目指したのは「対等にケンカできる」夫婦女性の圧倒的支持を集め“ぶちょお”藤木直人が「理想の上司No.1」に君臨!阿部寛、具志堅用高の生「ちょっちゅね」に大喜びNHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」
2011年10月03日阿部寛とミムラ、2人の年齢差は19。だがスクリーンの中で2人は、全く年齢による遠慮や気兼ねを感じさせない太陽のように明るく、やさしく、そしてエネルギーにあふれた夫婦の姿を見事に演じている。沖縄で若者たちのために、私財を投じて無料の音楽スタジオを設立し、2009年にがんで亡くなった仲宗根陽さん。子供たちに正面から向き合い、全力でぶつかっていった彼の姿を描いた本作で、2人はどのような思いで夫婦を演じたのか?役柄に込めた思いを語ってもらった。熱演ではなく、憑依?「台本のセリフを超えたい」(阿部さん)実在の人物を演じるにあたって阿部さん、ミムラさんを驚かせ、そして悩ませたのが陽さんという人物のスケールの大きさ。「事実は小説より奇なり」とい言葉を体現したような彼の生き方を阿部さんは「2時間で収まるサイズじゃない」と評し、ミムラさんも「普通の人が5年に1回あるかないかっていうエピソードを週に1回体験してる」と頷く。阿部さんは陽さんの魅力として彼が持つ“眼差し”を挙げてこう語る。「生前の陽さんのインタビューと、若者たちのライヴを見守っている姿を映した映像が残ってるんですが、そのときの様子がいまも目に焼きついて離れない。仁王のようにも菩薩のようにも見える、何とも言えない人間を超越したような目をしてるんです。この目が人を惹きつけるんだな、僕にはこの目はできないと感服しました。演じる上ではとにかくぶれずにやりきろうという気持ちでした。自分がこの人とこの人の家族を守らなければとも思いましたし、この人が伝えたかったことは何なのか?考えに考え抜いてやらなければという意地もありました」。当初は台本に描かれた陽さんをシンプルに力強く演じようと考えていたという阿部さん。彼の家族や周囲の人々への取材を通じて感じた思いは「見えない部分で出していければ」と考えていたそうだが、撮影が進む中である思いが阿部さんの心に染みこんでいく――。「後半に差し掛かって『もっと、もっと』と思う中で『台本のセリフを超えたい』と考えるようになりましたね。それにはもう“乗っける”しかないのかな、と。“何か”が乗っかって入って来てくれないかなという思いで、陽さんのお墓参りに行ったりもしました。特に最後、陽さんが亡くなるシーンは誠心誠意やりたいという一心でした」。この陽さんを支える妻とはどんな女性なのか?ミムラさんはまず「対等にケンカができる関係」を念頭に置いて妻の美智子をイメージしていったという。「これだけのエネルギーとエピソードを持っている人の奥さんということで、同じだけのエネルギーがなければきっと横にはいられなかっただろうと。だから彼を止めるシーンではしっかりと止められなくてはいけないと思ったんです」。あえて陽さんの奥さんに話を聞くのではなく、阿部さんが演じる陽の姿から美智子というキャラクター、そして夫婦の関係性を作り上げていった。「絶対にただ優しいだけの人ではないとは分かるんですが、なかなか想像がつかなくて…。『無理だ』と行き詰まったときに、阿部さんに頼ろうって思ったんです(笑)。私は陽さんについて、エネルギーだけでなく『おれは動かんぞ』という確固たる信念が風貌からも感じられる人をイメージしてたんです。だから阿部さんが陽役って聞いて、ピッタリだと思いました。それで、阿部さんに肩を借りる形で2人の関係性を築いていきました。陽さんのやろうとしていることも、問題も全部分かってて『あなた、これどうすんの!?』ってハードルを出せればと。実際に奥さんに聞いたら、おふたりはよくケンカをされてたそうで、周りも『あの夫婦のケンカはすごいよ』っておっしゃってたそうなんです(笑)」。若き日をふり返れば「かっこつけても無駄なんだって思えた」(ミムラさん)映画の中で2人は若者たちを導く立場にあるわけだが、もちろんかつては、劇中の若者たちの側の立場で青春を過ごし、進むべき道を模索していたのだ。映画を観ると、陽さんのような人がそばにいてくれたらと思わずにいられないが、2人にも若い頃、周囲の大人が自分に向き合い、掛けてくれた言葉に人生を大きな影響を受けたという経験があるという。阿部さんは俳優としての自らを確立する過程でのある忘れられない経験を明かしてくれた。「僕は『メンズノンノ』という雑誌が世の注目を集めたことで、苦労せずにこの世界に入ったんです。しばらくして自分には俳優として何の実力もないってことに気づいたんですが、どういう手段を取ったらいいかさえも分からずにいました。そんなとき、あるカメラマンさんから『自分の身は自分で守らなくちゃダメだよ』と言われたんです。その意味は何だろう?って考えたとき、他人がどうこう言っても、役を演じる上で自分の感性でその役を守らなければ他に守ってくれる人はいないんだっていう考えに至った。そこから役作りをすることが徐々にではありますが楽しくなっていきました。それから、つか(こうへい)先生に声を掛けてもらったときも、半ば強制的にオーディションに参加させられたんですが、自分の中には『飛び込みたい』という意識も『行きたくない』って気持ちもあったんです。そうしたら、つか先生が僕の芝居にならない芝居を見て『おぉ、いいな』と褒めてくれた。たとえ嘘でもその瞬間にモヤモヤしたものが消えていきました。信じてくれる大人がいるということは、すごく大きなことだなと、それによって越えられるハードルはいくつもある。今回の陽さんと重なる部分がありました」。ミムラさんも「私も自らこの世界に入ったわけではなくて」と苦笑を浮かべつつ若かりし頃に思いをはせる。「あるCMが決まって、『勉強して来い!』って送り込まれたんですが、いま考えてもあのときの自分は、中途半端で自分本位でダメダメで、迷惑のかけ倒しでした(苦笑)。自分でも『向いてない』って思いながらやってたんですが、打ち上げの席である技術スタッフの方が『おれたちは現場の人間だから、(キャストが)悩んだり、一生懸命やったりというのを全て見てるよ』と言ってくださったんです。そのとき、私は『怖い』って思っちゃったんです。私の失態や見栄を張ってるのとか全部見抜かれてるんだって。優しい言葉で力みを取ってくれたんですが、私には逆に聞こえていた時期があって(笑)、でもこの人たちの前でかっこつけても無駄なんだって思えた。いま思うと両方の意味で取っていて良かった、余計に心に響いたな、と思います。事細かに説明された言葉じゃなくて、実感のこもったひと言を、時間が経って実感できることがあるんです」。本作だけでなく、『奇跡』、『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』など、阿部さんは若者たちを導こうとする役柄を演じることが多くなっているようにも思えるが…。阿部さんなりに若い世代に何かを伝えたいという思いがあるのでは?「若い俳優は周りに多いですが、とはいえ彼らは同じ職場でプロとして同じ舞台に立ってる。困ったことがあれば支えようとは思ってます。たまに一緒に食事に行ったら、昔、自分が経験したことをお節介で話しますがそれを受信するかどうかは彼ら次第。もうすでにプロですから、僕としては彼らの邪魔をしないように、より光り輝かせてやりたいとは思ってます」。2人の若者たちへの本物の思いをスクリーンを通じて感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会■関連記事:女性の圧倒的支持を集め“ぶちょお”藤木直人が「理想の上司No.1」に君臨!阿部寛、具志堅用高の生「ちょっちゅね」に大喜びNHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」夫婦の絆を確かめる『天国からのエール』夫婦限定試写会に25組50名様ご招待
2011年09月27日無謀、無茶だなどと思う前に“役者の本能”とでも言うべきものがうずくのか?阿部寛にとって、周囲の声など演じることを思いとどまる理由にはならないようだ。黒澤明の傑作『隠し砦の三悪人』のリメイクに、原作の熱烈なファンの多い司馬遼太郎の「坂の上の雲」(NHK)、東野圭吾の人気シリーズの「新参者」(TBS)など、「オリジナルを超えられない」、「映像化不可能」と言われる作品に次々と出演し、存在感を発揮してきた。そして今回、ヌーヴェルバーグの傑作『死刑台のエレベーター』に出演。製作決定の報に対して、おそらく否定派の方が多かったのではないだろうか?もちろん、それでも阿部さんは演じている…しかも楽しみながら。果たして阿部寛を突き動かすのは何なのか――?“エレベーターに閉じ込められる男”はシミュレーション済み?阿部さんが演じた時籐は、吉瀬美智子演じる愛人の夫を殺害し、逃走を図るもエレベーターに閉じ込められてしまう男。ほぼ全編にわたって阿部さんの演技は狭くて四角いハコの中…。「エレベーターに閉じ込められるって、誰でも夢で一度は見たことあるんじゃないかな?僕がよく見るのは、エレベーターが急上昇して止まらなくなって、100階くらいまで行っちゃう夢(苦笑)。だからある種、シミュレーションができてて、初めて演じるという気がしなかった(笑)。楽しく、孤独に(笑)やらせてもらいました」。映画で、ほかの共演者とほとんど絡むことがないというのもかなり珍しい。「たった一人で追い詰められた人間がどうするのか?それも面白かったですね。僕、『ランボー』なんか好きなんですよ(笑)。それが今回はエレベーター。隙間との戦いです。真四角のハコの中で大の男が繰り広げる必死の戦い。オリジナルを観たときに、最後の最後でドアが開いたときに男が見せる表情がすごく印象に残ってた。その“顔”こそが、この男の人生全てなんじゃないか?と。そういう男を演じるのは楽しかったですね」。「楽しい」とは言うものの、時籐という男の憔悴していく様子は“迫真”という言葉がぴったりの熱演である。相手は見えない中でどのようにあのテンションを保ち、役を作り上げていったのだろう?「今回は運よくと言いますか…蜷川(幸雄)さんの10時間もの芝居を終えた翌日にクランクインだったんです(笑)。それこそ(公演期間の)2か月ずっと追い込まれてて放心状態で。緒方監督からは『そのまま来てください』って言われました。だからもう、脱力した状態で現場に行って、それをそのまま役に移行した。時間が経ってから自分の芝居を見たとき、こんな芝居を演じていたことを忘れていたら面白いだろうなと思いました。計算も何もなく演じた。『覚えてない』ってことはそういうことですから。もう一度同じ芝居やれと言われても、変に考えちゃってだめだろうね」。「自分に肉付けできるように考え、楽しんで演じてます」では、改めて冒頭の質問に戻ろう。「この作品をなぜ映像化?」と反対する者の声が決して少なくない作品になぜ挑戦するのか?その裏にはどんな思いがあるのか?「『原作、オリジナルを超えることはできない』と言われることは多々ありますが、そこで役が自分の一部になる、肉付けをできるようにと考えながら楽しんで演じてますね。例えば『隠し砦の三悪人』で、三船敏郎さんが演じた役をやったとき、あの役のどんなところを盗んで自分のものにするか?僕にとっては馬上のシーンがそうで、あそこだけはあのまま表現してやりたかった。あとは自分流に分解して、最終的な到達点が同じ意味になるようにする、ただそれだけです。今回も本当に有名な作品で、この“力のない男”を演じるチャンスだ!と。フランス映画のフッと力を抜いたあの世界観に身を投じて、自分を映像で客観的に見ることができる。自分の中でもすごい経験になるとね」。常に演じる役から何が吸収できるかを考える。そんな阿部さんのスタイルがうかがえるが…。「リメイクの場合は特にそうかな。(オリジナルの)この役者は、自分の発想にないものを持ってる。それを真似して、盗んで、自分の肉にしようとする。あとは、新しい作品に臨む上ではこれまでと同じことをやるのではなく、できるだけ違う方向に引き離していこう、ということは意識してますね。もちろん、自己満足にだけ陥ったら見ている人は醒めてしまうからそこは気をつけていますが」。つかこうへいとの出会いが教えてくれたこと幾度となく口をつく「楽しい」という言葉。演じることに楽しさを覚えるようになったのは、今年亡くなった演出家のつかこうへいさんとの出会いがきっかけだったという。20年近くも前につかさんの「熱海殺人事件 モンテカルロ・イルージョン」に出演。バイセクシャルの刑事役が称賛されると共に、二枚目役の多かった阿部さんのイメージを一新した。「そのころは自分の幅なんて本当に小さかった。イメージとか、くだらないものが邪魔してて。そこをつかさんが、舞台で強制的に壊してくれた。そのときは理解できなかったんだけど、2年、3年と経つうちに、『あのとき、あそこまでできたんだから今回はこれができるんじゃないか?』と自分で考えるようになった。最初に思い切り広げてもらったから、そこで自分なりの選択肢が持てるようになった。すごく演じるという世界の中で“遊ばせて”もらったんだなと思います」。「僕は決して芝居がうまくない。だからこそ越えたい壁がいろいろあるんです。壁を高く感じ続けているうちは大丈夫かな(笑)と思いますが」。演じ続ける、挑戦し続ける理由をこう語り、“不敵”とも言うべき笑みを浮かべる。。少なくとも彼がチャレンジし続ける限り、どんな「映像化不可能」作品もまずは観てみたい――。そう思わせてくれる笑みだった。■関連作品:死刑台のエレベーター 2010年10月9日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010「死刑台のエレベーター」製作委員会■関連記事:吉瀬美智子「毛穴が分かる顔アップ」に困惑吉瀬美智子&阿部寛、年代物の貴重なワインを壇上でゴクリ!2つの事件が導く衝撃の結末『死刑台のエレベーター』試写会に20組40名様ご招待阿部寛悪女に悩まされる恋「したことある」仏映画の傑作『死刑台のエレベーター』が吉瀬美智子×阿部寛でリメイク!
2010年10月15日開催中のヴェネチア国際映画祭において、昨年に続いて2度目の試みとなる「3D映画部門」のグランプリ発表に、この部門の審査委員長を務める清水崇監督が登場!つい2日前にクランクアップしたばかりの新作3Dホラー『ラビット・ホラー3D』の一部が会場で上映され、喝采を浴びた。昨年の映画祭では、新設されたこの部門のプレゼンターを務めた清水監督だが、今年は審査委員長に就任。映画祭エグゼクティブ・ディレクターのマルコ・ミューラーの紹介を受けて威厳たっぷりに登場!…と思いきや、清水監督は新作に登場するウサギの被り物を着けたまま姿を現し、これには現地の観客は大喜び!フッテージ上映された『ラビット・ホラー3D』は、いまだスタッフさえも観ていないというもので、正真正銘に“世界初上映”。世界的な撮影監督クリストファー・ドイルをスタッフに迎え、満島ひかり、香川照之、大森南朋といった実力派キャストで描く3Dホラーで、夜な夜な現れる不気味なウサギの着ぐるみと退治する姉弟の姿を描いている。まだVFXなどが全く施されていないながらも、スリルに満ちあふれた映像に、客席からは拍手がわき起こった。そして、「3D映画部門」の発表。15本のノミネート作品の中から清水監督をはじめとする審査員たちが選んだのは『アバター』と『ヒックとドラゴン』の2本。異例の2作同時受賞について清水監督は「全く違う視点で作られているのが面白い」と説明。さらに3D映画の今後について「数年前までは自分も3Dにさほど興味があったわけではなかった。だが、実際に自分で作ってみて、考えを改めた。しかもそんな新しい分野をこの世界で最も歴史ある映画祭がいち早く取り上げたこと、それ自体が映画の可能性を示している。3Dというといまだにどうしても『こけおどしの子供向け』というイメージが強いが、それが変わってほしいと思う。今後もクリエイターとして、技術に操られるのではなく、技術を使って素晴らしい映画を作って行かなければという気にさせられた」と決意と共にその可能性の広がりを訴えた。ちなみに、会場にはホラー映画巨匠ダリオ・アルジェントも姿を見せ、清水監督と握手を交わした。『ラビット・ホラー3D』の日本公開は2011年を予定。■関連作品:ヒックとドラゴン 2010年8月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. アバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedラビット・ホラー3D 2011年公開予定第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明『ラビット・ホラー3D』撮影終了!「怖いのは苦手」な満島ひかり、リアル恐怖体現劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2010年09月11日上戸彩と成宮寛貴が、世界的ベストセラーの映画化第3弾『エクリプス/トワイライト・サーガ』の日本語吹き替え版キャストを務めることが決まった。人間の少女・ベラとヴァンパイアの美しき青年・エドワードの禁断の恋を軸に、若き2人の葛藤、ヴァンパイアと宿敵関係にある狼族の青年を交えた三角関係、ベラの命を狙う敵のヴァンパイアたちとの戦いなどを描く本作。全米ではすでに6月末に公開を迎え、シリーズ最高の興行成績を記録している。ベラ役のクリステン・スチュワート、エドワード役のロバート・パティンソンは本シリーズ同様、アメリカのみならず、日本を含む世界中のティーンを熱狂させているが、その2人の声を上戸さん、成宮さんが担当することに。上戸さんと成宮さんは、今年揃ってデビュー10周年を迎え、おまけに誕生日も同じ9月14日とのことでこれぞ運命?これまで、数々の作品で声優としてのキャリアを積んできた上戸さんは「作品として話題性があるので、最初、悩みました。が、お話をいただいて嬉しくて即答しました」と語り「ベラの声にしっかりハマる様、役をつかみたい。人間に恋するのと全く一緒で、恋するベラの乙女な部分をしっかり伝えていきたいです」と気合十分!海外ドラマ「Supernatural/スーパーナチュラル」の日本語吹き替えを担当し話題を集めた成宮さんも「シリーズ2作品とも元々観ていました。子供の頃からヴァンパイアものが大好きで、いつか自分もヴァンパイア役に挑戦してみたいと思っていたくらいなので、今回のお話をいただいて非常に嬉しかったです」とコメント。本シリーズについては「人間とヴァンパイア、人間と狼…仲間にしてしまえばいいけど、愛しているからできない、近くにいるのに一緒になれない心情を非常に切なく感じたのと同時に、3人の三角関係にも引き込まれていきました。加えて、ただのラブストーリーではなく、家族の絆を描いた作品でもあり、映像もとてもおしゃれなので、一気にファンになりました」とその魅力を語る。“世界一セクシーな男”と称されるロバート・パティンソンの吹き替えを務めるという“大役”を任させることについては「非日常的でファンタジックなヴァンパイアをとてもセクシーに演じているのを見て、同じ俳優として単純にうらやましいなという気持ちがあったので、今回、彼の吹き替えをするということで、自分でいいのか?という思いもありつつ、やらせていただけるのは光栄です。ロバート・パティソンの芝居、世界観を大切にして演じたいと思っています」とプレッシャーを感じつつも上戸さん同様、強い意気込みを明かしてくれた。そして“声”での共演について2人は「初めてお会いしたのが17歳の頃。その頃と全く変わらない成宮くんとまた今回御一緒できて嬉しいです」(上戸さん)、「上戸さんとは何回か共演もしているし、誕生日が同じという共通点もあり、不思議な縁をいつも感じているので…今回、久しぶりに一緒に仕事をできるのは嬉しいです」(成宮さん)と喜びを語ってくれた。世界43か国で初登場1位を記録した本作。上戸さんと成宮さんは日本語吹替え版にどのような命を吹き込み、ベラとエドワードのカップルの愛、葛藤、絆を表現してくれるのか?『エクリプス/トワイライト・サーガ』は11月13日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:トワイライト〜初恋〜 2009年4月4日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2008 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ニュームーン/トワイライト・サーガ 2009年11月28日より全国にて公開© 2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.エクリプス/トワイライト・サーガ 2010年11月13日より丸の内ルーブルほか全国にて公開TM & © 2010 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.■関連記事:AKB前田吸血鬼になっていいほどの恋「していません」ティーン・チョイス・アワード発表!2冠のサンドラ・ブロック、自身の十代を懐かしむMTVアワード『トワイライト』が5部門制覇も、この日の主役はサンドラ・ブロック!『ハリポタ』シリーズのジニーが『ニュームーン』のヴァンパイアと婚約!『トワイライト』最新作『エクリプス』のメイキング映像が到着!三角関係混迷?
2010年08月30日携帯専用放送局BeeTVにて、ジャパニーズ・ホラーの旗手・清水崇監修により、星野真里、堀部圭亮らを配して本格ホラー「しってはいけない怖い話」が配信されることが発表された。本作はBeeTVにとって初めての本格ホラー作品。夜のデパート、携帯メール、同窓会など身近なシチュエーションを題材にしつつ、そこに潜む“恐怖”が清水監督の監修の下、5人の新鋭監督によって8つのオリジナルドラマとして映像化される。出演陣も豪華!現在放送中のNHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」にも出演している星野真里に、俳優としての活躍に加え、昨年公開された『悪夢のエレベーター』など監督としても高い評価を得ている堀部圭亮。また、ドラマ&劇場版と一大旋風を巻き起こした「ROOKIES」をはじめ、次々と話題作に出演している尾上寛之など幅広い活躍を見せる実力派が集った。いまだ撮影中ということで、各話の内容については明らかにされていないが、星野さんからは今回の発表に際してコメントが到着した。ホラー作品への出演オファーについて「夏を感じました」と語る星野さん。これまでにもホラー作品への出演は多いが自身は「(ホラーは)好きではないですね…。でも、以前よりは免疫ができたような気がします」と明かす。また、これまでに経験した心霊体験について尋ねると「霊感の強い友達が実家に遊びに来て、ある部屋に誰かがいると言われたときはビビりました。でも、悪いものではないようなので。守ってくれているんですかね?」とのこと…。そして自身の出演したエピソードについては「じわじわとくる怖さ、なのでしょうか」と恐怖を煽る。暑〜い夏も携帯のおかげで背筋のあたりがひんやりしてくる…かも?「しってはいけない怖い話」は7月20日(火)より配信開始(全8話/毎週火曜日更新)。BeeTV「しってはいけない怖い話」公式ページ■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009■関連記事:前田愛、挙式を10日後に控え共演陣からの花束の祝福に、驚き過ぎて3Dメガネで…3連休は新感覚を先取り!『戦慄迷宮3D』見どころ凝縮のフッテージが無料で上映『戦慄迷宮3D』柳楽優弥インタビュー「お化け屋敷はM・キャリーに誘われてもノー」『戦慄迷宮3D』世界配給決定!柳楽優弥は映画祭よりも観光で海外に行きたい?清水崇ティーチイン付き!『戦慄迷宮』3D特別試写会に5組10名様をご招待
2010年07月15日映画『死刑台のエレベーター』の完成報告会見が7月8日(木)、東京・紀尾井町のグランドプリンスホテル赤坂で行われ、W主演の阿部寛、吉瀬美智子らが出席した。フランス・ヌーヴェルヴァーグの旗手、故ルイ・マル監督の名作サスペンスのリメイクで、愛人関係にある男女(阿部さん、吉瀬さん)が、女の夫の殺人計画を試みたものの、男がエレベーターの中に閉じ込められたことから衝撃の結末に至るまでを描く物語。魔性の女に翻弄されて殺人に手を染める役どころの阿部さんは「悪女に悩まされる役はあまり本数をやったことがない。新鮮でした」と楽しんだ様子。役と共感できる?との問いに「武将とか強い役をよくやっていますけど、本来こっちの方があっているかも。ここまでではないけど、こういう恋愛はしたことがあると思います」と照れつつ告白した。愛に溺れ愛する男を狂わす筋金入りの悪女を演じた吉瀬さんは「悪女役は慣れていますが、今回『あの人を殺して、私を奪いなさい』なんて台詞を、こんな素敵な阿部さんに言っている。絶対言えない台詞ですし、楽しんでやらせていただきました」と恍惚の笑み。自身の悪女ぶりについて聞かれると「翻弄してみたいですよね」とやんわりかわしつつ、「そこまで思える男性がいたら素敵だなと。出会いたいなと思いました」と“悪女化”願望を口にした。一方、世界各国の映画会社によるリメイク権争奪戦を勝ち抜いた小椋悟プロデューサーは、「マル家の協力があって実現したこと」と報告。この日、スケジュールの都合で欠席した故ルイ・マル監督の息子、マニュエル・マル監督から寄せられたというメッセージを「出来栄えにとても満足しています。ブラボー」と読み上げた。“大役”をこなした緒方明監督は「小椋さんの言い方が上手かった。『興味あります?』と聞かれて、ないとは言えなかった」と映画人の性を苦笑いで嘆き、「暴挙かと思ったけど快挙は暴挙から始まると言うし、50年前の名作を日本の旬の俳優でリメイクしたらどんなことになるか、面白いと思った」と話した。『死刑台のエレベーター』は10月9日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:死刑台のエレベーター 2010年10月9日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010「死刑台のエレベーター」製作委員会■関連記事:仏映画の傑作『死刑台のエレベーター』が吉瀬美智子×阿部寛でリメイク!
2010年07月08日