オウケイウェイヴとテックビューロは1月4日、事業提携し、ブロックチェーン技術「mijin」による知財販売決済やユーザー認証、サポートキューの実証実験と共同開発を実施することを発表した。今回の提携により、OKWAVEが提供しているQ&Aシステムやコールセンターのシステムに、テックビューロが有するプライベート・ブロックチェーン技術「mijin」を応用し、より安全なユーザー認証とサポートキューシステムの実証実験と共同開発に取り組むとしている。また、OKWAVEにて本年リリース予定の知財販売サービスでは、知財権利の管理と決済の部分について、「mijin」をベースにした販売システムを構築していく予定だという。ブロックチェーンは、複数のコンピュータ(ノード)で稼働しており、全てが同時にダウンしない限りは止まることなく動き続けることが特徴となっている。つまり、同技術によって、「ゼロダウンタイム」の勘定エンジンが実現できるという。また、公開鍵暗号による強固なセキュリティもブロックチェーンの特徴として挙げられている。「mijin」に基本機能として実装されている複数鍵(マルチシグネチャ)を活用し、内部に保存されるデータのアクセス権限を厳密に管理し、不正な改ざんや消去を防止するという。OKWAVEでは、既存のユーザーに対する「ユーザー名」+「パスワード」の認証はそのままに、内部の認証システムに公開鍵暗号のマルチシグネチャを用いたブロックチェーンを実装することによって、内部の不正や漏洩が原理的に不可能となる、より安全なシステム構成を研究開発するとしている。また、スマートフォンアプリからは、直接的に公開鍵暗号技術を使用したマルチシグネチャによる二段階認証や、生体認証と秘密鍵を組み合わせた簡易ログインなどの実証実験も実施する予定としている。さらに、ブロックチェーンのゼロダウンタイム機構と、「データの整合性が崩れない」、「データが改ざんできない」という特徴を活用し、より堅牢で安全なサポートキューシステムの開発にも取り組むとしている。両社は、上記のような実証実験と共同開発に取り組むほか、その成果をブロックチェーンを組み込んだ製品として、一般にも共同で販売していく予定としている。
2016年01月04日小田急エージェンシーとKDDIは11月30日、路線バス車内でIoT技術を活用した「リアルタイム・バスサイネージ」の実証実験を11月4日より行っていると発表した。「リアルタイム・バスサイネージ」は、現在行われているバス営業所(基地局設置場所)での定期的な情報更新とは異なり、ネットワークに常時接続しているバス車載モニターへ、リアルタイムな情報配信が可能となるソリューション。KDDIは2013年に岡山の両備グループと同様のO2O実証実験を行っている。最寄り鉄道駅の運行情報や気象情報、ニュースなどリアルタイムに情報コンテンツを配信するだけでなく、災害時には台風進路情報、津波情報、地震情報、河川氾濫情報なども配信可能で、バス利用者の利便性と安全性が向上する。また、企業広告も配信することで、バス利用者と企業の新たなタッチポイントの創出も期待できる。実用性のある情報コンテンツに加えて、企業広告でも、時間ごとやバスの車両ごとに表示する内容を変えられることから、「今後のバスサイネージの車内での新たな活用方法について検討できる」としている。実証実験は、小田急バスの協力を得て小田急エージェンシーがサイネージ機器を設置。KDDIの通信網とコンテンツ配信システムを使って実施。実施期間は11月4日~2016年1月31日で、小田急バス吉祥寺営業所のバス3台を活用し、車両1台につき2カ所に21.5インチの液晶モニターに表示する。小田急エージェンシーとKDDIは、今回の実証実験でコンテンツ配信に加えて、機器設置の安全性、利用者が車内のどこからでも視認できるような設置場所の検討、利用者満足度、広告媒体としての事業採算関連などを検証する。将来的には電車内のデジタルサイネージとバスサイネージの連携や、営業所単位で販売しているバス広告媒体についてバス事業者間を越えて、より広域で管理できる「魅力的な広告媒体」も目指して取り組んでいくとしている。
2015年12月02日小田急エージェンシーとKDDIは11月30日、路線バスの車内でKDDIのIoT(モノのインターネット)技術で実現する「リアルタイム・バスサイネージ」の実証実験を2015年11月4日から2016年1月31日までの予定で実施中だと発表した。同システムは、既に提供中のバス営業所(基地局設置場所)での定期的な情報更新とは異なり、インターネットに常時接続するバス車載モニターにリアルタイムで情報を更新できることが特徴という。最寄りの鉄道駅の運行情報や気象情報、ニュースなどリアルタイムに情報コンテンツを配信する他、災害時には台風進路情報や津波情報、地震情報、河川氾濫情報なども配信可能であり、バス利用者の利便性と安全性が向上するとしている。また、企業広告も配信することでバス利用者と企業の新たなタッチポイントの創出も期待できるとのこと。情報コンテンツに加え、企業広告も時間ごとやバスの車両ごとに表示する内容を変えることが可能なシステムであることから、今後のバス・サイネージの車内での新たな活用方法について検討していくとしている。同実験は、小田急バスの協力を得て小田急エージェンシーがサイネージ機器を設置し、KDDIの通信網およびコンテンツ配信システムを使って実施している。なお、実施エリアは原則として小田急バス吉祥寺営業所内の運行エリアであり、実施台数は3台。車両1台につき2箇所、21.5インチの液晶モニターを設置する。小田急エージェンシーとKDDIは同実験でコンテンツ配信の他、機器設置の安全性、利用者が車内のどこからでも視認できるような設置場所の検討、利用者満足度、広告媒体としての事業採算関連などを検証する。将来的には電車内のデジタル・サイネージとバス・サイネージの連携や、営業所単位で販売しているバス広告媒体についてバス事業者間を越えてより広域で管理し、魅力的な広告媒体となることを目指して取り組んでいくとのことだ。
2015年12月01日科学技術振興機構(JST)は11月10日、全国の中学生がチーム対抗で科学的思考力や技能を競う「第3回 科学の甲子園ジュニア全国大会」を2015年12月4日から6日までの期間、東京都・江東区のBumB東京スポーツ文化館で開催すると発表した。科学の甲子園ジュニアは、中学生を対象に、「科学好きの裾野の拡大」、「未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材の育成」、「考える力とコミュニケーション能力の育成」の3つを目的に開催されるもの。全国大会には、各都道府県ごとに実施されてきた予選大会(代表選考会)を経て選出された47チーム(1チーム6名構成)が参加。各地の代表選考会には、総計2万3000名(前回大会は約2万1000名)を超す生徒のエントリーがあり、内訳は、学年としては2年生が67.3%、1年生が32.7%、性別としては、男子が66.2%、女子が33.8%となっているほか、校種別で見た場合、国立が2.6%、都道府県立および市町村立が92.2%、私立が5.1%となっている。これを、全国大会282名のみで見た場合は、1年生が8.5%、2年生が91.5%、男子が85.5%(241名)、女子が14.5%(41名)、国立が28.0%、都道府県立が16.0%、市町村立が24.8%、私立が31.2%となっている(各都道府県選抜チームは、複数の中学校の生徒で混成されたチームも多数ある)。競技概要としては、理科・数学などの複数分野において、実生活・実社会との関連・融合領域に配慮して出題され、生徒の修得済みの知識に加え、競技に新たに示された情報を活用して課題を解決するとしているほか、実技競技は、ものづくりの能力、コミュニケーション能力などを用いてチームで協働して課題解決するの能力を競うとしている。ちなみに、2つある実技競技のうち1つは、事前公開競技として2つの事前課題が出されている。その競技名は「組み合わせ回路」で、いわゆる「AND回路」「OR回路」「NOT回路」を用いたデジタル回路を理解するというもの。事前課題の1つ目が論理回路を論理式を使って、単純化できるようにするというもので、2つ目は、論理回路を実際に組立できるようにするというもの。これらを踏まえて、競技当日は、提示される仕様に従って、回路の組み立てを行うこととなる。参加は都道府県別の47チームだが、混合チームが多いため、参加校数は79(前回大会は80)となっている。また、長野県チームは前回と同じメンバーで構成されているほか、京都府立洛北高等学校附属中学校から参加する3名も前回と同じメンバーであり、香川県チームは全国最多の5校混成チームといったように、各チームともに色々と特色がある構成となっている。
2015年11月10日JCBは、富士通および富士通フロンテックと、手のひらの静脈認証技術を用いた決済スキームの実証実験を、2015年10月に国外にて開催するパートナー企業向けのカンファレンスの場で実施すると発表した。実証実験での決済スキームは、あらかじめ顧客の手のひら静脈情報を、カード情報と共に、富士通のデータセンター内の手のひら静脈認証サーバに登録。顧客が買い物をする際には、手のひらを静脈センサーにかざすと、手のひら静脈認証サーバから合致するカード情報が読み出され、決済が行われる。これにより、手ぶら決済が可能となり、カードやスマートデバイスを紛失する心配もない。また、体内情報である手のひら静脈は、指紋などの体表情報と異なり、濡れても形状が変わらず認証可能なため、海水浴場や温浴施設など、あらゆるシーンで利便性に優れた決済が可能となるという。すでに国内では、2015年7月JCB本社にて社員数百名の参加により、手のひら情報とクレジットカードの紐づけによる実証実験を実施済で、今回は、国外にてブランドプリペイドカードのスキームでの実証実験を行うことにより、国内外でクレジットカードやプリペイドカードといった様々な決済プロダクトでの利用が可能な、「グローバル決済スキーム」としての実用化へ向けたさらなる検証を行う。国内においては、既にATMにて手のひら静脈認証技術を導入済みのOKB大垣共立銀行やその他金融機関と、決済分野における協業を検討していくという。
2015年10月07日フラスコやビーカー、試験管など、理科学系の実験グッズをインテリアに取り入れるのが今の流行。とはいっても、ナチュラルで温かみのある北欧インテリアとの相性はどうでしょう? ここでは、様々なテイストのガラス小物を上手に取り入れた参考例を紹介します!○科学系の実験グッズやアンティークのガラス小物でオシャレに!最近は雑貨屋さんでも手に入るフラスコやビーカー。花を飾ったり日用雑貨を入れたり、使い道はいろいろ。スタイリッシュな雰囲気になるので、ぜひ試したいもの。まずはRoomClipの人気ユーザー Igako7121さんの小物使いを見せてもらいましょう。ゴージャス&シックなドライフラワーをフラスコに入れて、今っぽさを出す。フラスコやビーカーは東急ハンズで購入したとか。「食器洗いブラシをビーカーに入れたら、期待以上にカッコよかったので気に入っています」(Igako7121さん)。洗剤もオシャレなパッケージのものを選んでいるとか。ビンテージっぽい計量付きボトルにコーヒー豆を詰め替え。「見た目がオシャレで、口が狭くなっているからドバッと豆が出なくて、使い勝手もいいです」とIgako7121さん。アンティークの薬ビンやボトルにドライフラワーを入れて、遊び心をプラス。ビンは蚤の市で購入したもの。古道具屋さんやフリーマーケットなどで空き瓶を探してみるのもいいですね。使用後のビンもオシャレに再利用してみて。○お伺いしたお宅は……Igako7121 さん部屋のインテリア実例共有サイト「RoomClip」フォロワー数2,000を超え、数々の雑誌でも紹介されている人気ユーザー。東京都在住。蚤の市や雑貨ショップをチェックし、お気に入りの雑貨を集めています。ナチュラルな北欧のインテリアに興味を持つようになってから、洗剤や掃除用のスプレーなど日用品まで自然素材にこだわるようになったとか。執筆:ウチダモモコ雑誌やムック、サイトでインテリアや美容、料理など女性のライフスタイル全般について記事を執筆。本稿の内容を実行したことによる損害や障害などのトラブルについて、執筆者および編集部は責任を負うことができません。記載内容を行う場合は、その有効性、安全性など十分に考慮いただくようお願い致します。記載内容は記事掲載日時点の法令や情報に基づいたものです。また紹介されている商品やサービスは、すでに提供が終了していることもあるほか、入手先など記事に掲載されている情報のみとなり、お問い合わせに応じることができません。記載内容を参考にしていただき、ご自身の暮らしにお役立ていただけますと幸いです。
2015年10月05日NECは、暗号技術である量子暗号の実用化に向けて国内で初めて長期のフィールド評価実験を開始したと発表した。サイバーセキュリティ・ファクトリーにおいて、同一フロアの異なる部屋との間でサイバー脅威情報等を暗号化して通信するための暗号鍵を「量子鍵配送」技術により供給する評価実験を、情報通信研究機構(以下 NICT)の協力を得て実施する。「量子鍵配送」は、量子力学にもとづき光子を使って拠点間で暗号鍵を共有する仕組み。NECはNICTより委託研究「セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発」を受託し、NICT内の実験室において、量子鍵配送装置の長期運用試験を実施してきた。今回、NECは、量子鍵配送について、装置が理論通り実現できているかの検証を含めた安全性評価および安全性評価手法の確立を推進するとともに、より利用者に近い環境での長期評価実験を実施することにより量子暗号通信の実用化を目指す。加えて、現在実際に利用されている暗号と量子鍵配送の統合による高速かつ高度に安全な暗号技術として、量子鍵配送装置からの暗号鍵を種鍵(たねかぎ)として使用する高速回線暗号装置の開発と評価もあわせて行うという。
2015年09月29日NECは9月28日、量子暗号の実用化に向けた長期フィールド評価実験を、国内で初めて開始したと発表した。同実験は、同社のサイバーセキュリティ対策の要となる施設サイバーセキュリティ・ファクトリーにて実施されるもので、情報通信研究機構(NICT)の協力を得る形で行われる。具体的には、同社がこれまで行ってきた量子鍵配送装置の長期運用試験の知見などを元に、装置が理論通り実現できているかの検証を含めた安全性評価および安全性評価手法の確立を目指すとともに、より利用者に近い環境での長期評価実験を実施することで量子暗号通信の実用化を目指そうというもの。また、現在実際に利用されている暗号と量子鍵配送の統合による高速かつ高度に安全な暗号技術として、量子鍵配送装置からの暗号鍵を種鍵として使用する高速回線暗号装置の開発と評価もあわせて行っていく予定とする。なお、今回の成果については同社も参加している革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現」における2016年度以降の研究開発に引き継ぎ、より利便性・安全性の高い量子暗号システムの開発を進める予定だという。
2015年09月28日国立科学博物館は9月1日、「国立科学博物館重要科学技術仕様(愛称:未来技術遺産)」に、ソニーの「AIBO」など25件を選定した。「未来技術遺産」は日本の科学技術の歴史を示す事物で、科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、ならびに国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものを、国立科学博物館が選定し登録するというもの。2008年から毎年発表されており、昨年は日本初の噴流式洗濯機「電機洗濯機 SW-53」や富士フイルムの「フジカラー 写ルンです」などが選出された。今年は「AIBO」のほか、世界初の産業レーザディスクプレーヤであるパイオニアの「PR-7820」、海軍航空本部が製作した「海軍航空機用塗料識別標準(色見本帳)」などが登録された。2015年度登録の「未来技術遺産」は以下の通り:
2015年09月01日NPO 情報セキュリティ研究所は、ブイキューブとドローンを活用したリアルタイムな映像による災害対策やインフラ点検に関する実証実験を行ったと発表した。今回の実証実験は、ドローン搭載のカメラで得られた映像を遠隔地のモニターに表示した画像精度が目視点検に耐えられるかどうかを検証するもの。実験は8月12日に和歌山県田辺市新庄総合公園にて行われ、設備点検を想定、ドローンに搭載したカメラで公園内の鉄筋コンクリート製の野外音楽堂などの大型施設を撮影した。その模様を田辺市消防本部内から、ブイキューブのWeb 会議サービスを使ってリアルタイムに会議室内にあるモニターで閲覧した。これにより、橋梁などの点検に有効であるか、撮影した映像情報の精度が目視に耐えうるものかを確認した。結果は現在検証中で、10月29日に開催予定の「地方自治体におけるドローン利活用研究会」にて発表する予定。同社では、地方自治体の防災・建築・施設管理の課題・ニーズに対して、ブイキューブ社のビジュアルコミュニケーションとドローンを組み合わせたサービスの活用を検討していくという。
2015年08月31日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月28日、タウ技研が開発した災害調査ロボットの実証実験を開始すると発表した。同実験は9月10日および17日に神奈川県消防学校の模擬がれき施設で実施される予定で、タウ技研が開発したクローラ型とワーム型が組み合わさった構成のロボットの動作検証を行う。同ロボットは、通常はクローラ型の移動ロボットで移動し、ワーム型の多関節ロボットが通常のクローラでは走行が困難な急斜面、段差やがれきの隙間に入り込み、先端に搭載されたセンサーにより、周辺の様子や被災者の呼吸などの情報を収集することができる。今回開発したロボットは、人の立ち入りが困難な崩落現場での被災者の発見などの活躍が期待され、同実証実験を通じてロボットの実用性を検証することで早期の実用化を目指すとしている。
2015年08月28日科学技術振興機構(JST)は8月25日、都内で会見を開き、同日時点の2015年度の国際科学オリンピック(五輪)についての成果報告、ならびに今後の科学オリンピックの動向についての説明を行った。○すでに開催済みの6大会で参加者全員がメダルを獲得国際科学オリンピックは、中等教育にある生徒を対象した国際コンテストで、日本は、「数学」「化学」「生物学」「物理」「情報」「地学」「地理」の7つの大会に国内選抜を勝ち抜いた代表生徒を参加させてきた。教科ごとに筆記・実験・フィールドワークなどの試験を行い、成績順に、金・銀・銅のメダルが授与される(金が上位10%、銀が金に次ぐ20%、銅が銀に次ぐ30%)。同日時点までに、地学を除く6つの科学オリンピックが開催され、いずれの大会も参加者全員が何らかのメダルを獲得している(数学:銀3名、銅3名、化学:金2名、銀2名、生物:金1名、銀2名、銅1名、物理:金1名、銀2名、銅2名、情報:金3名、銅1名、地理:銀3名、銅1名)。ちなみに、今年度の国際科学オリンピックへの参加申し込み総数(7大会合計)は1万8089名。参加申込者数は年々増加傾向にあり、それに併せる形で、代表生徒のみならず、1次選考や2次選考で優秀な成績を獲得した生徒などを、AO入試の対象とする大学なども増加傾向にある(2007年度は5大学であったものが、2014年度には27大学に増加。優遇措置を設けている主だった大学には、大阪大学や岡山大学、京都大学、東京工業大学、東北大学、北海道大学などがある)。○2022年までに5度の国際科学オリンピックが日本で開催各大会の会場は参加国が持ち回りで担当しており、日本もこれまで、2003年に数学が開催されたのを皮切りに、2009年の生物学、2010年の化学、2013年の地理と、数年置きに開催されてきた(2012年に地学がつくば市で開催予定であったが、震災の影響を踏まえ、返上した経緯もある)。2020年に東京五輪が開催されるが、実は、その前後含めた今後6年の間に国際科学オリンピックも5度、日本で開催される予定だ。まず目前に迫っているのが、2016年に三重県で開催される予定の第10回 国際地学オリンピック。開催期間は8月20日~28日を予定しており、主催する国際地学オリンピック2016組織委員会では、日本の防災技術などを含めて、防災や環境問題などを知ってもらえる大会にしたいと意気込みを語っている。また、地元の高校生との交流を深めてもらいたい、という目的も柱としており、日本文化としての伊賀上野の忍者屋敷や伊勢神宮、真珠の養殖場の見学などを予定しているが、伊勢神宮の見学では、三重県立 宇治山田商業高校の生徒が通訳を担当することになっているという。ちなみに、2016年は5月26日および27日にかけて三重県にてサミット(伊勢志摩サミット)が開催され、その場で高校生による宣言が予定されているとのことで、国際地学オリンピックでも、その宣言に負けない「三重宣言」を実現したいとしている。なお、その後の予定だが、2018年には茨城県つくば市にて国際情報オリンピックが開催されるほか、東京五輪の開催年となる2020年には国際生物学オリンピック、翌2021年に近畿地方で国際化学オリンピックが、そして2022年にも国際物理オリンピックが開催される予定となっており、文部科学省やJSTなどでも、こうした大会に向けた支援のほか、生徒の教育に協力していきたいとしており、積極的な理数教育の促進を図りたいとしている。
2015年08月26日凸版印刷は8月4日、レコメンド・システム「VIENES(ヴィエネス)」を利用するサービスにより各世帯のエネルギー使用診断レポートを作成する実証実験を、2015年7月から2016年1月まで実施すると発表した。具体的には、各世帯別にエネルギーの使用状況を可視化すると共に、エネルギータイプ診断などを記載したレポートを発行し、同サービスの受容性の効果を検証する。VIENESは、家庭のエネルギー・データからエネルギーの使用状況や生活行動を予測し、個人の購買行動やプロファイル・データと紐付けることで新しいマーケティングを実現するという、2013年12月に富士通と共同開発したレコメンド・システム。同社はこれまで、経済産業省や環境省などの実証事業を通じ、エネルギー事業者と一般需要家とのコミュニケーションを図ることを目的に、可視化にとどまらない新しいサービス・プラットフォームを追求しており、実証実験への導入を通じ知見を積み重ねてきたという。2015年度は「iエネ コンソーシアム」メンバーとして、2014年度に引き続き、経済産業省が実施する「大規模HEMS情報基盤整備事業」に採択されたという。今回の実証実験では、HEMSで収集した電力データを元にサービスを提供する「HEMSデータ利活用事業者」として、HEMSを設置したモニター世帯から取得した電力データと、他のHEMSデータ利活用事業者が提供する各種データを元に、各モニター世帯のエネルギー使用タイプ分類・エネルギー使用量ランキング・エネルギー使用量の可視化などを実施し、レポートとして発行する。なお同社は、HEMSデータ利活用事業者の1つである東京ガスにVIENESの一部機能を提供しているとのこと。同実験を通じて同サービスの受容性の効果を検証することで、HEMSデータを利用する新しいサービスの可能性を見極め、同サービスをマーケティングで利用する際の有効性を確認するという。また同社は今後も、効率の良いエネルギー・マネジメント・システムの開発・事業化を顧客コミュニケーションの側面から支援することを目標に、エネルギー・サービス提供事業者に有効なソリューションを提供していくとしている。
2015年08月05日凸版印刷は8月3日、京都駅ビルにてデジタルサイネージでクーポンなどの情報を配信するO2O2Oサービスの実証実験を、8月3日から30日に実施すると発表した。同実験は、京都駅ビル南北自由通路に設置されたデジタルサイネージに、Bluetoothタグを設置し、生活者のスマートフォンにクーポンなどの情報をプッシュ配信することで、リアル店舗への送客の有効性を検証するもの。O2O2Oとは、OOH(Out of Home)to Online to Offlineの略で、交通広告や屋外広告などの家庭以外の場所で接触するメディアからインターネットや実店舗へと誘導して商品の購買を促す施策のこと。実験には日本エスリードが参画し、同社が京都市内で分譲する新築マンション「エスリード四条大宮」「エスリード伏見丹波橋」「エスリード京都山科」の来場クーポンをデジタルサイネージで訴求。その場で凸版印刷の電子チラシポータルサイト「Shufoo!」が提供するスマートフォン向けアプリ「シュフーチラシアプリ」を起動すると、デジタルサイネージのBluetoothタグからプッシュされる情報を受信し特設サイトへ誘引。京都駅近隣にある日本エスリードの分譲マンションギャラリーにて、ジェイアール京都伊勢丹で利用できる商品券を配布し送客を促すという。今後凸版印刷は、実験の結果をもとに、デジタルサイネージを活用したO2Oソリューションを実用化し、企業と生活者を結び、地域経済の活性化に貢献できるコミュニケーション手法の開発を推進する。
2015年08月04日子連れでのお出かけはとかくマンネリしがち。夏休みや冬休みなどの長期休みになると特に「お出かけのレパートリーがもうない!」とギブアップしてしまうこともあるのでは? そんなお悩みにぴったりなのが、宇宙の科学や不思議にふれることのできる「科学館」です。 私が子どもと何度も通っている、魅力たっぷりの科学館、はまぎん こども宇宙科学館をご紹介します。「はまぎん こども宇宙科学館」ってどんなところ?JR根岸線・洋光台駅から徒歩3分のところにある「はまぎん こども宇宙科学館」は、地下2Fから地上5Fまである館全体が宇宙船をモチーフにしており、各フロアにそれぞれのコンセプトがあります。・公式サイト: はまぎん こども宇宙科学館 宇宙の広がりをさぐる「宇宙船長室」や、カミナリやオーロラの不思議にふれる「宇宙研究室」、電磁波の性質を知ることのできる「宇宙発見室」や土日祝日を中心に開催する科学工作教室など、楽しく遊びながら宇宙や科学の不思議にふれることができます。科学の力はおもしろい! ミニゲームの宝庫6歳の息子が一目散に目指す3Fの「宇宙トレーニング室」は、興味があちこち目移りするほど多彩な遊びにあふれ、フロア全体がプレイパークのような雰囲気です。すべったり、のぼったりといった全身運動ができたり、科学の力を利用した展示でミニゲームができたりと、子どもの遊び心を満たしてくれます。吹き上げられたピンポン球をクレーン操作でつかみとる遊びや、光ったパネルをタッチする遊びは、大人の私も必死になってしまいました!巨大ロボットが出迎える、地下の遊び場地下2Fにある「特別展示室」では、大きなすべり台つきの巨大な「ロボットBe-2」の中に入れたり、好きなパーツを組み合わせて乗り物をデザインできる「3Dのりものデザイナー」があったり、3Fフロアとはまた違った体と脳を使う遊びができます。仲が良い子同士でも遊びの好みが違うことってありますよね。そんな時でも、遊びの種類が各フロアに豊富なので「うちの子、3階にいってるね!」など、ほかの子に気兼ねなく移動することもできます。小さな子連れにうれしい! ゆったりとした飲食スペース「はまぎん こども宇宙科学館」の大きな魅力のひとつが、飲食の持ち込みが可能なことです。地下1Fにある飲食可能な「休憩室」はとても広いので、混雑による待ち時間や、タイミングを気にしなくても大丈夫。お弁当や水筒を持参すれば1日中過ごすこともでき、なおかつ子どももママものびのびと過ごすことができます。見るだけでなく「遊びながら楽しめる」参加体験型の科学館は、子どもの記憶に強く残るようです。何度でも「行きたい!」と思える遊び場は貴重! 半年間有効の定期券を購入したわが家ももちろん、たくさん楽しむ予定です(笑)。取材協力:はまぎん こども宇宙科学館〒235-0045 横浜市磯子区洋光台5-2-1電話:045-832-1166/FAX:045-832-1161団体専用電話:045-832-1177 (受付:9:30~17:00)<開館時間>9:30~17:00※入館は閉館1時間前まで※夏休み期間 7月18日(土)~8月31日(月)は9:00~17:00<休館日>・第1・3月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は翌日火曜日)・年末年始(12月29日~1月3日)※プラネタリウム番組入れ替え時および展示機器点検保守等のため、臨時休館料金、アクセスなど詳しくは、 はまぎん こども宇宙科学館のホームページ をご確認ください。
2015年08月04日誠文堂新光社が発行する科学雑誌『子供の科学』は7月1日より、小中学生向けのプログラミングコンテストを実施している。『子供の科学』では、これまでにMITメディアラボが開発した教育用プログラミングツール「Scratch」でゲームをつくる連載記事を実施するとともに、小学生向けのプログラミング教室「Tech Kids School」と協力して読者向けのプログラミング教室を展開してきた。同コンテストは、記事や教室を通してプログラミングを学ぶ子供たちの力を発揮する場として企画されたもので、オリジナルゲームの制作テクニックを競う「ゲーム部門」と、ゲーム・動画・ツールなど何でも応募可能なアイデア勝負の「自由創作部門」の2部門を実施。自由創作部門では、『子供の科学』誌に登場するさまざまな人気キャラクター(サイトにてダウンロード)を使って制作することが条件となっている。作品の募集は、9月13日まで。Windows(Windows 7以上)、Mac(OS X ver10.8(MountainLion)以上)、GNU/Linux、Android、iOS環境で動作すれば、どの言語で制作してもよい。応募された作品は、テクノロジー(技術力)・デザイン(芸術性)・アイデア(独創性)を基準に、『子供の科学』編集部とTech Kids Schoolによる審査が行われる。最優秀賞および優秀賞の受賞者にはオリジナルプレゼントが用意されているほか、作品を雑誌およびコカねっと上で発表、受賞イベントを開催予定だという。
2015年07月27日トヨタ自動車(トヨタ)と日野自動車(日野)は7月21日、東京都において燃料電池バス(FCバス)の実証実験を7月24日から30日にかけて実施すると発表した。実験では、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証を7月25日に東京都環境科学研究所で、公共交通としての実用性を確認する走行実証を7月24日、27日~30日に東京都心部および臨海地域で実施する。実験で使用するFCバスは、日野のハイブリッド ノンステップバスをベースに、トヨタが燃料電池車「MIRAI」向けに開発した「トヨタフューエルセルシステム」を搭載したもの。出力を高めるためにFCスタックおよびモーターを2個搭載しているほか、高圧水素タンクを8本搭載し、バス用に最適な設計となっているという。
2015年07月21日人生には幸運なことも不運なことも起こるもの。不運が続くと、運命だから仕方ない…なんて思っていませんか?実はこの運、変えることができるそう。脳科学者の中野信子さんが、科学的に解説してくれました!***運命を、科学の視点で捉えるとどうなるでしょうか。ここでは、運命を形作る要素である「運」の善し悪しについて、考察したいと思います。なぜかいつも運がいい人がいる一方で、そうでない人はつねにツイていない。そう思ったことはありませんか?こうした偏りが本当にあるのかどうかを考える手がかりとして、“コイン投げ”の法則があります。コインを投げて表が出たらプラス、裏が出たらマイナスとカウントした場合、多くの人が結果はほぼプラスマイナスゼロになると考えるのではないでしょうか。ところが、実際は不思議なことに、必ずどちらか一方に偏るのです。この現象は「逆正弦定理(ぎゃくせいげんていり)」と呼ばれ、物事の結果はランダムに、すなわち偏って生じることを意味します。つまりこの法則に従えば人の運も平等ではなく、幸運な人はハッピーなことが続き、そうでない人は不運続きということに。ちょっとショッキングですが、確率論で考えるとこれが事実なんです。では、もし運命が悪いほうに傾き始めてしまったらもう終わりなのでしょうか。答えはノー。簡単に言うなら、そのゲームをやめればいいのです。やめて、自分がより運よくいられる、満足できるゲームを始めればいいのです。人の「満足度」は、その人が属する集団が適切かどうかが、大きく関係します。もし何をやってもうまくいかない、運命に見放されている…と感じているなら、今乗っているゲームやいる場が、適切ではない可能性があります。仕事なら職場や、仕事の目標を変える、恋愛なら相手を変える。そんな「乗り換え」が必要なときかもしれません。もちろん降りたくないゲームであれば、本気でやり抜くのもありです。が、「これは勝ち目なし」と思ったらさっと場を変えることが、もっとも合理的な場合もあるのです。実際に運命を引き寄せる力がある人を見ていると、自分の強みを研究し、その都度身の置き場を変えていることがわかります。◇なかの・のぶこ脳科学者、認知科学者として教鞭をとり、多くのメディアにも出演。世界人口の上位2%のIQ所有者だけが所属できるMENSA会員。共著に『正しい恨みの晴らし方』(ポプラ社)。※『anan』2015年7月22日号より。写真・土佐麻理子(人物)、村上未知(風景) 文・新田草子
2015年07月17日インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月13日、人工知能(AI)技術を活用したセキュリティソリューションの開発に向け、実証実験に着手したと発表した。まず、同社のネットワークにAI技術を導入し、サイバー攻撃の自動解析、判断、学習などを通し、その有用性の検証を8月より開始する。IIJは、AI技術を活用して人手を介さずに24時間365日リアルタイムで通信トラフィックの監視、異常検知を行うことで、新たな脅威の予測と迅速な対策が可能になるとしている。実験では、AI技術と高性能コンピュータ(HPC: High Performance Computer)を用いた検証システムを構築し、大量のトラフィックの監視や異常検知が行えることを確認したうえで、秋をめどにセキュリティ脅威の予兆・検知などの実用化に向けた技術検証を進め、来年度の商用化を目指す。
2015年07月14日科学技術振興機構(JST)は7月8日、科学好きのすそ野を広げるとともに、トップ層の学力伸長を目的として、全国の高校生が学校対抗で科学の力を競う「第5回科学の甲子園全国大会」ならびに、科学好きのすそ野を広げるとともに、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材を育成することを目的として、全国の中学生が都道府県を代表して科学の思考力・技能を競う「第3回科学の甲子園ジュニア全国大会」を開催すると発表した。科学の甲子園全国大会は2016年3月18日から21日にかけて、茨城県のつくば国際会議場ならびにつくばカピオにて開催されるもので、各都道府県より選出された代表校が、理科・数学・情報における複数分野の競技を行い、総合点を競いあう。すでに一部の県において一次選考が始まっており、順次、全国で選考会が開催されていく予定となっている。一方の科学の甲子園ジュニア全国大会は、2015年12月4日から6日にかけて東京都のBumB東京スポーツ文化館で開催されるもので、各都道府県の選考会にて選出された47チームが理科・数学などの複数分野にわたる筆記や実技の競技に取り組み、勝敗を競うものとなっている。各都道府県大会は7月下旬より、順次開催されていく予定となっている。なお、科学の甲子園全国大会優勝チームは、米国にて開催される全米の科学好きな高校生が集う「サイエンスオリンピアド」へアンバサダーチームとしての参加資格が与えられ、実際の競技に参加し、米国の高校生らと競うこととなる。また、科学の甲子園の支援パートナーである国際教育交換協議会(CIEE) 日本代表部 TOEFL事業部長である根本斉氏は、開催会見にて「世界的に見ても理数系の人材が求められている。例えばデータサイエンティストは今後、大きく不足することが考えられており、米国では理数系学士の人材育成が強化されている」と説明し、幅広い視野と理数系の知識を持つことが重要であることを強調。引き続き、科学の甲子園を通じて、世界と渡り合えるグローバル人材育成に向けた支援を行っていくとしていた。
2015年07月08日ツネイシホールディングスは6月1日、5月18日から4日間、ブイキューブによるドローンを活用した設備点検や情報収集に関する実証実験に協力したと発表した。同実験は常石造船の常石工場内で実施したもので、DJI製ドローン「Inspire1」に搭載したカメラで、建屋の天井やクレーンなどの高所部分や、工事の進捗やブロックの配置など工場の稼働状況を撮影し、リアルタイムに状況を確認することが、設備の保守点検や工程管理の効率化に向け有効であるかどうかをテストした。さらに、災害発生を想定し、任意で指定した場所への急行と映像情報の精度を確認するなど、4日間で合計40回以上の飛行試験を実施した。ツネイシホールディングスは、今後、造船事業をはじめとするグループの施設を対象に生産工程の効率化や安全性の向上を目指し、ブイキューブのビジュアルコミュニケーションとドローンを組み合わせたサービスの活用を検討していくとしている。
2015年06月01日日本気象協会と防災科学研究所は5月21日、最大10分前にEメールで情報を伝達する「10分先の大雨情報」の有効性を検討すたための社会実験を6月1日から10月31日まで実施すると発表し、モニターの募集を開始した。同実験は、関東地方の一部(北緯35°~36.4895°、東経139°~140.705°)を対象に国土交通相が運用するXバンドMPレーダーネットワークを活用し、激しい雨が上空で検知された時点で情報を発信するというもの。雨粒が上空から落ちてくるまでの時間差を利用したシステムとなっており、10分間5mm(30mm/h)以上を満たす場合に登録したアドレスに通知メールが届く仕組み。モニターは先着1000名までとなっており、指定のアドレスに空メールを送信し、折返しの登録案内メール中のURLにアクセスし、必要事項の入力や登録地点の設定を行う。詳しくは日本気象協会と防災科学研究所のウェブサイトを参照してほしい。
2015年05月21日関西学院大学は5月12日、水を張ったプールを用いた実験で、ラットが溺れそうになっている仲間のラットを助けることがわかったと発表した。同成果は同大学文学部の佐藤暢哉 教授らの研究グループによるもので、5月12日付の比較認知科学誌「Animal Cognition」オンライン版に掲載された。同研究ではペアで飼育しているラットの片方を、水を張ったプールに入れ、もう片方をプールに隣接した濡れていない部屋に入れた。プールと濡れていない部屋はドアでつながっており、プール側のラットが濡れていない部屋に行くにはもう片方のラットにドアを開けてもらう必要があった。実験の結果、濡れていない部屋のラットはケージメイトが水にさらされていない場合には助けず、水にさらされている時だけドアを開けた。さらに、以前に水にさらされている経験をもつラットは、そうでない場合よりドアを開けてケージメイトを助けることを早く学習した。これらの結果から実際に辛い経験をすることで、ケージメイトを救出する動機が高まったと考えられるという。また、別の実験では、ケージメイトのいるプール側のドアと、エサのある部屋に通じるドアのどちらを先に濡れていない部屋のラットが開けるのか選ばせると、餌よりもプール側のドアを開けることを選択した。これは、ラットにとって他固体を助けることが、エサを食べることよりも価値が高いことを示している。このように他個体を助ける行動は、ラットが溺れているケージメイトに共感するによって生じている可能性があり、共感性の進化的側面を捉える意味で重要な研究成果となった。今後は、齧歯目類において援助行動を実験的に調べることで、向社会的行動や共感に関する神経メカニズムの理解につながることが期待される。
2015年05月12日大林組は5月11日、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で航空宇宙産業向けカーボンナノチューブ(CNT)の宇宙環境曝露実験を開始すると発表した。CNTは軽量でありながら機械強度、弾性力、電流密度耐性、熱伝導性に優れた素材として注目を集めている。現在は電池材料などとして使われ始めており、将来的には橋梁のケーブルや宇宙機の機体など、幅広い用途での利用が期待される。しかし、使用環境がCNTにどのような影響を与えるかはほとんど知られておらず、紫外線、放射線、原子状酵素などによって劣化する可能性がある。静岡大学および有人宇宙システムと共同で実施する今回の実験では、直径約20nmの多層カーボンナノチューブ繊維をより合わせた複数の試験体を宇宙環境へ曝露する。曝露期間は試験体によって1年間または2年間を想定しており、曝露後に回収し、機械的強度や外観、事前に設けた欠陥箇所の変化などを観測することで、原子状酸素、放射線、紫外線などの影響を調査する予定だ。
2015年05月11日日本科学未来館は4月28日、同館の科学コミュニケーター3名が、内閣府の「みどりの学術賞及び式典担当室」より、「みどりの学術賞」への理解促進に向けた「みどりの科学コミュニケーター」に任命されたこと、ならびに2015年5月より関連イベントを開催していくことを発表した。みどりの学術賞は、5月4日の「みどりの日」についての関心を促進し、植物、森林、自然環境などについて国民の造詣を深めることを目的に内閣府が設立した学術賞。国内において植物、森林、緑地、造園、自然保護などに係る研究、技術の開発その他"みどり"に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣が授与するもので、第9回目となる今年は、東京農業大学の進士五十八 名誉教授ならびに東京大学大学院理学系研究科の寺島一郎教授が授与された。また、同館の科学コミュニケーターは、2015年より「みどりの科学コミュニケーター」が新設されたことを受ける形で、同賞の活動に関わっていくこととなる。今回任命されたのは以下の3名の科学コミュニケーター。髙橋麻美氏本田ともみ武田真梨子また、5月より実施される各種イベントは以下のとおり。「みどりの日・みどりの月間」イベント「5月2日(土)~6日(水・祝)」ワークショップ「キミは生き残れるか?! 植物のかけ引きをゲームで体験」ワークショップ「日光を手に入れろ! 光合成チャレンジ!」観察イベント「森から川、海へ-植物プランクトンの観察」受賞者による講演イベントサイエンティスト・トーク 「みどりでつなぐ-ひと・まち・地球」(6月20日、進士五十八氏)「みどりの学術賞」記念講演会(7月中旬予定、進士五十八氏)Webサイトでの情報発信受賞内容などを、みどりの科学コミュニケーターが未来館が運営しているブログ「科学コミュニケーターブログ」にて解説を行う予定。
2015年04月28日ソニーは4月7日、同社の柏木俊行氏が平成27年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞することになったと発表した。これはブルーレイディスクの基本構造と製法の開発によりブルーレイディスクの量産化を実現し、ハイビジョン映像などの記録媒体として同方式が広く利用され、それによりハイビジョンコンテンツが全世界に普及することに貢献した業績が評価されたもの。今回の受賞した開発技術では、CD、DVDとの互換性を保ちながら、従来DVDの5倍にあたる25GBの容量を実現するために、レーザーが透過するカバー層の厚さを0.1mmまで薄くした。これにより、屈折した光でも正確に焦点を結べるようになったため、ディスク表面のわずかなゆがみに強く、DVDで使用される赤色のレーザーの約5分の1となる記録ビットサイズを実現する青紫色のレーザーの使用が可能となった。また、この構造のディスクの製造に向けて従来の生成手法では不可能だった厚みの樹脂のカバー層を生成するために、スピンコート(回転延伸)という技術を応用をした製法を考案したことで量産化に成功した。
2015年04月07日トッパン・フォームズは3月31日、ダイレクトマーケティング総合支援ソリューション「Ugocus(ウゴカス)」の提供を発表した。同ソリューションは、脳科学やデータベースを駆使した科学的評価分析機能などをもとに体系化したもの。あらゆる課題にオーダーメイドでサポートするソリューション「ウゴカス サイクル」と、同社のさまざまな知見を基に導入しやすいパッケージとしたサービス「ウゴカス ターゲット」「ウゴカス ファインダー」「ウゴカス サーベイ」の4ラインアップでスタートする。業種を問わず、生活者へのダイレクトコミュニケーションを実施する企業へ提供し、2017年度までに関連受注10億円を目指す考えだ。
2015年04月02日日本科学未来館は4月1日、2017年11月14日~17日に世界科学館サミット(Science Centre World Summit:SCWS)を開催すると発表した。同サミットは1996年以来6回にわたり行われていた「世界科学館会議(Science Cetre World Congress)を改称したもので、科学館業界内の情報交換や協力強化を行ってきた会議の成果を業界外に広げることを目標とする。2014年に第1回がベルギーで開催され、2017年に第2回を未来館で主催することとなった。SCWS2017のテーマは「Connecting the World for a Sustainable Future」で、地球上のさまざまな生命と自分との間にある「つながり」をキーワードに、人間活動と気候変動や生物多様性の減少などの課題との関係を見つめ直す場になるという。
2015年04月01日日本民営鉄道協会は、地方民鉄の11社が3月6日から共同で実施する「使用済きっぷ共同リサイクルプロジェクト~まずはイレブンから!」の実証実験に協力し、実験実施の円滑化と効果検証などをサポートすると発表した。同プロジェクトは、産業廃棄物として処理される「磁気乗車券」、焼却処分される「乗車券・整理券」などの使用済きっぷ類を、トイレットペーパーなどの原料として再生するため、地方民鉄の各社が協力して推進する環境対策の取り組み。同プロジェクトに参加する民営鉄道は、青い森鉄道、仙台空港鉄道、山万、秩父鉄道、富士急行、豊橋鉄道、三岐鉄道、京福電気鉄道、和歌山電鐵、一畑電車、熊本電気鉄道の11社。大都市圏の鉄道では「使用済きっぷのリサイクル」が進んでいるが、地方の鉄道では、「磁性体分離技術をもつ製紙工場まで資源を搬送するコストが割高」「②個社が排出する資源の絶対量が少ない」といった理由から実績が少ないという。今回、地方民鉄の事業者が排出する紙廃棄物全般(磁気タイプを含む使用済きっぷ・ワンマン車両整理券・ポスター・機密文書以外の書類など)を、リサイクル製品の原料の一部として再利用するためのモデル(仕組み)を構築するとともに、そのモデルが、コストダウンと事務効率化に資するか否かを検証する。
2015年03月05日石川県珠洲市と金沢大学はこのほど、3月1日から自律型自動運転車の走行実験を共同で行うと発表した。同実験は珠洲市内の公道を自動走行することで、市外地環境を走行可能な自律型自動運転知能を開発することを目的とする。実験では人が車内に乗り込み、全長約7kmのコースを走る。今後、走行ルートを拡張していき2020年まで試験を続けていくという。両者は今回の実証実験について、将来の交通事故低減・高齢者などの移動支援に資する高度な運転支援システムの技術開発を促進させ、珠洲市をはじめとする地域課題の将来的な解決に貢献することが期待されるとしている。
2015年02月23日