アシックスが展開する「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花がディレクションを手掛ける新ブランド「エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」のコラボレーションアイテムが11月8日より発売される。同コレクションは、蜷川が1番こだわりを持つ“色”を追求し、自身の作品から三つの唇の形を組み合わせたインパクトのあるデザインを採用。オニツカタイガーのアイコンスニーカーであるローカットタイプの「MEXICO 66 DELUXE」(2万4,000円)とハイカットタイプの「JAVELIN HIINA」(2万5,000円)加え、ブラックをベースに前身頃全面に唇柄を配したトラックトップウエア(2万円)、片面に同柄を配したバッグ(2万5,000円)がラインアップ。シューズは2型で600足、ウエア100着、バッグ100個の個数限定で、国内のオニツカタイガー直営店にて販売する。
2014年11月07日写真家・映画監督として活動する蜷川実花のファッションブランド「エム / ミカ ニナガワ(M / mika ninagawa)」が15SSシーズンを機にデビューする。本プロジェクトの発端は、2013年にパリで開催された国際生地見本市「プルミエールヴィジョン」にてファブリックメーカーの小松精練から自身の作品を用いたグラフィックテキスタイルを発表したことから。そのオリジナル性は、海外メディアやファッションブランドから高い評価を得たという。その後「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ジーヴィジーヴィ(G.V.G.V.)」などがテキスタイルを商品化。2013年12月、伊勢丹新宿店にオープンした同商品を扱うポップアップストアでは、アイテム約100点が即完売。ファンからはリピートを期待する多くの声が寄せられたとのことだ。この度、それらの声に応えブランドデビューが決定した。10代から40代まで幅広い世代から支持される蜷川独自のアンテナが捉えた“今”の気分、その時々のトレンド感を反映し、蜷川自身が心底「着たい!」と思うオリジナルスタイルを提案する。アイテムは、リゾートの華やかさを持つマキシドレス(5万円)や、エレガントなショートスリーブドレス(3万6,000円)、かっちりとしたシャツドレス(3万7,000円)から、カジュアルなスウェット(2万4,000円)、スウェットパンツ(1万9,000円)などまでフルラインアップ。1型あたり約2から6型展開されているグラフィックは、大胆に全面使用されたり、シャツ襟にポイント用いたり、ポケットの裏地に忍ばせたりと様々なアイデアが見られる。蜷川作品のグラフィカルで複雑な色味の表現は、従来生地上で再現するのは難しいとされていた。しかし、小松精練が展開しているデジタルプリントファブリック「モナリザ」を用い、1,670万色の色数を駆使する繊細な技術によって鮮明度と、豊富なカラーバリエーションを実現。その他にも、トートバッグ(7,900円)、クラッチバッグ(6,900円)、ポーチ(4,900円)や、シュシュ(3,000円)、ヘアーバンド(2,800円)などのアクセサリーも数多くそろう。価格帯は幅広い世代層の手に取れるようにと考慮されている。まずは、2015年1月21日から27日まで、伊勢丹新宿店本館2階ステージにてポップアップストアをオープンすることが決定している。フルラインアップを先行発売する。
2014年11月06日「フォリフォリ(FolliFollie)」は、2014年11月5日(火)より、長澤まさみ主演、蜷川実花ディレクションによるスペシャルムービー『A Day with Masami Nagasawa Directed by Mika Ninagawa』を公開。このムービー『A Day with Masami Nagasawa Directed by Mika Ninagawa』は、女優としてトップを走り続ける長澤まさみと、圧倒的な色彩感覚による独自のフィルターで世界観を表現する蜷川実花の魅力が融合されたハッピームードあふれるオリジナルムービー。キーアイテムとなっている4つのハートが象る『ハートフォーハート ネックレス』をはじめ、仕事も恋も充実したハッピー&ラッキーライフを提案する「フォリフォリ(FolliFollie)」のさまざまなアイテムを身につけた長澤まさみがアクティブかつ、自ら幸福を掴みに行く『HAPPY な女性像(女性の一日)』を演じている。また、Shogo Sekineさんのイラストレーションをアニメーションとしてプラスし、さらに明るくアクティブな仕上がりになっている。【概要】スペシャルサイト:問い合わせ先:フォリフォリジャパン電話番号:03-3478-068元の記事を読む
2014年11月05日東京ミッドタウン・ウエストのフォトギャラリー・ショップ「フジフイルムスクエア」にて写真家・蜷川実花の個展「フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展」が11月14日から開催される。12月3日まで。広告やファッションの分野で活躍し、モデル・アイドル・アーティストなど幅広く撮影しながらも、自身の作品制作も同時進行し写真作家として作品を発表している蜷川実花。最近でもコスメブランド「シュウウエムラ(shu uemura)」とコラボレーションするなど精力的に活動を行っている。同展では、国内外の旅先で出合った花々を中心に風景なども織り交ぜ、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚を持つ同氏の世界観を存分に表現。また今回初披露となる未発表作品も展示される予定だ。【イベント情報】フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展会場:FUJIFILM SQUARE住所:東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウエスト会期:11月14日から12月3日時間:10:00から19:00入場無料
2014年10月23日富士フイルムは、写真家・蜷川実花の個展「フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展」を開催する。会期は11月14日~12月3日、開館時間は10:00~19:00(入館は18:50まで)。会場は東京都・六本木 東京ミッドタウン内のフジフイルムスクエア。入場無料。同展は、主に広告やファッションの分野で活躍し、モデル・アイドル・アーティストなどを幅広く撮影する一方、自身の作品制作も行っている写真家・蜷川実花の個展。今回は、国内外の旅先で出会った花々を中心に、風景などを織り交ぜ、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚を持つ同氏の「進化形」を表現した未発表作品が展示されるとのこと。なお、蜷川実花は東京都生まれの写真家・映画監督。活動開始から毎年写真集を発表し、現在までに80冊近くを出版。2007年公開『さくらん』は第57回ベルリン国際映画祭および第31回香港国際映画祭の正式出品特別招待作品となった。木村伊兵衛写真賞、大原美術館賞(VOCA展)、ひとつぼ展グランプリなど数々の賞を受賞。2014年には、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任。
2014年10月16日写真家で映画監督の蜷川実花のデジタルフォトブック『ニナデジ』と、ワコールの百貨店向けブランド『パルファージュ』によるコラボレーションランジェリーが、7月より全国百貨店で発売される。【写真】ランジェリーのカラーバリエーション“ランジェリーを楽しむ女性の特権を存分に満喫し、身につけた人の気持ちが上がるように”というコンセプトのもと誕生したファッショナブルなコラボランジェリー。シンプルなデザインに蜷川ワールド全開の色彩豊かな花柄プリントを用いて女性らしさを表現したシリーズと、モノトーンの刺繍とレース使いでスパイスを効かせたリュクスなシリーズで展開する。なお、現在発売中の『Mgirl(エムガール)』誌面では、同商品を着用したモデル・浦浜アリサを蜷川が撮影した写真が掲載されており、ファッションとして楽しむランジェリーの魅力が表現されている。
2014年05月09日「ワコール」は、百貨店向けブランド”パルファージュ”から鮮やかな色彩と魅惑的な世界観で人気を集める蜷川実花氏のデジタルフォトブック『ニナデジ』とのコラボレーションランジェリーを2014年7月より全国百貨店で発売する。「パルファージュ」は、“リアル・リッチ”をコンセプトに、上質感と大人感を表現したデザインで働く女性に支持を得ている。“ランジェリーを楽しむ女性の特権を存分に満喫し、身につけた人の気持ちが上がるように”というコンセプトをもとに、これまでのランジェリーとは違ったファッションにより近いアイテムに仕上がっている。プリントに花柄を用いて、シンプルでありながらも女性らしさを再現したシリーズと、モノトーンの刺繍とレース使いでスパイスを効かせたリュクスなシリーズで展開。また、2014年4月25日(金)発売の「Mgirl(エムガール)」誌面では、蜷川実花氏のフォトグラフと今回のコラボレーションランジェリーを着こなしたモデルの浦浜アリサさんによって、ファッションとして楽しむランジェリーの魅力が表現されている。全国の百貨店の「パルファージュ」取扱い店舗の他、ワコールウェブストアで販売を開始(販売期間7月~12月)。※一部店舗によって発売日が異なる。「パルファージュ」ニナデジコラボ特設ページ【商品概要】■91シリーズ発売日:2014年7月発売シンプルなデザインに大胆な花柄のプリントが映える、鮮やかな色彩表現が美しいシリーズ。ブラジャー:BCL・791価格:7,000円~7,500円(税抜)サイズ:B-F/65~75ソング(Tバッグ)ショーツ:PCL・291価格:3,000円(税抜)サイズ:Mショーツ(ボーイレングス):PCL・691価格:3,200円(税抜)サイズ:M・Lショーツ(ノーマル):PCL・091価格:3,500円(税抜)サイズ:M・Lキャミソール:CCL・291価格:10,000円+税サイズ:バスト80・85カラーは全てOB(オレンジ)、PI(ピンク)、TU(ターコイズ)■46シリーズ発売日:2014年10月発売モノトーンのレースと刺繍を取り入れてコントラストの効いた配色が贅沢な上質感を表現したシリーズ。ブラジャー:BCL・446価格:7,600円+税~8,100円(税抜)サイズ:B/70~75、C-F/65~75ソング(Tバッグ)ショーツ:PCL・446価格:3,700円(税抜)サイズ:Mショーツ(ボーイレングス):PCL・546価格:3,700円(税抜)サイズ:M・Lショーツ(ノーマル):PCL・746価格:3,700円(税抜)サイズ:M・Lキャミソール:CCL・246価格:8,500円(税抜)サイズ:バスト80・85カラーは全てRE(レッド)、BU(ブルー)【『ニナデジ』とは】いま最も注目される写真家・映画監督の蜷川実花氏によるデジタルフォトブックの人気シリーズ。蜷川氏ならではの大胆な構図と鮮やかな色彩が余す事無く収録されている。【問い合わせ】株式会社ワコールお客様センター電話番号:フリーダイアル 0120-307-056(平日9:30~17:00)元の記事を読む
2014年05月09日コスメブランド「シュウウエムラ(shu uemura)」が、写真家・映画監督として活躍する蜷川実花とコラボレーションしたコレクション「mika for shu イン ビューティー ワンダーランド」を数量限定で3月21日に発売する。3月14日より予約受付を開始する。両者のコラボは、2008年のクリスマスコレクション、2011年の桜コレクションに続き今回で3度目。今回は、シュウウエムラの人気商品に蜷川実花の作品をまとわせた。ラインアップは、クレンジングオイル(4種、450ml/7,500円から1万1,500円)、UV アンダー ベース ムース(4種、3,800円から4,000円)、デュアルフィット プレスドパウダー コンパクトケース(ブラシ付属/1,200円)、アイシャドー スパイラル デュオ(2種、各3,800円)、ミニ ネオ スター グリッツ(つけまつげ、2,800円)、ネイル スティッカー(2種、各1,500円)、ティント イン ジェラート(リップカラー・チークカラー、12色、各2,800円)。※価格はすべて税別
2014年03月06日2月12日、「エトロ(ETRO)」は写真家・蜷川実花とコラボレーションしたカプセルコレクション“エデン(Eden)”の販売をスタートした。これに合わせて、エトロ家長男で今回のプロジェクトを手掛けたヤコポ・エトロ氏が来日。17日まで伊勢丹新宿店1階ザ・ステージにオープンしている同コレクションポップアップストアにて彼に話を聞いた。「作品、人柄共に素晴らしいアーティスト」と蜷川に首ったけの様子だ。「昨年伊勢丹新宿店で彼女に作品の撮り下ろしとディスプレイディレクションをしてもらうコラボを行ったが、もっと面白いこと・商品に関することをやりたいと思い、Edenに至ったんだ」と経緯から説明。商品ラインアップは全30型。バッグ、ショール、小物、ウエアなど様々なアイテムが製作された。特徴的な柄は、エトロのペイズリーに蜷川を象徴するモチーフであるバタフライやストーンが載せられたもの。「実花がミラノに来て、デザインを一緒に決めたんだ。完成したアイテムは若々しくて、楽しくて、フレッシュ、そして可愛い。凄く実花らしい仕上がりだと思わないかい?期待以上のものを作ってくれた。最初に行く所まで行こう、インパクトあるコレクションにしようと伝えたからね(笑)」目を引くのはその柄だが、ファスナーの引き手などの副資材も両者で考えたという。「例えば、僕はクラッチバッグが気に入っているんだけど、ふたを開けると内装は赤、そしてジップやポケットが付いていて機能性にも配慮している。こういう細かいところもディスカッションしたんだ」価格は1万7,850円から10万2,900円と、従来のエトロよりも抑え目。蜷川のポップでファンタジックな世界観と共に、「25歳位の女性達をエトロファンにしていきたい」と若い層へのアプローチにも意気込む。2人は2008年代々木体育館で行われたイベント「エトロサーカス」以来の友人とのことだ。ヤコポ氏はそれ以来彼女の作品に魅せられている。「彼女は映画監督としても素晴らしい。次はエトロのホームページとブティックで流すための、日本とエトロが融合したようなショートフィルムを作ってもらいたいと考えている。彼女も日本も大好きだからね」。彼は日本に度々来日し、着物生地のコレクションもしているという。「日本文化は最も洗練された文化の一つ。だから日本で生まれたアーティストは世界でも通用する。著名な方では写真家の杉本博司さんや画家の奈良美智さんに興味がある。いつかコラボできたら」と、日本への造詣の深さを窺わせた。今後同コレクションは銀座三越(2月18日から23日)、阪急うめだ本店(2月26日から3月4日)、東急東横店(2月27日から3月12日)にポップアップストアをオープン。2月18日よりエトロ銀座本店、3月1日より全国のエトロブティックで扱われる。伊勢丹新宿店では2月15日16時より蜷川と『ヌメロ・トウキョウ』編集長の田中杏子のトークショーを開催予定。
2014年02月14日INFINITEエルと蜷川実花が初コラボレーションしたグラビア誌『AJ Vol.02』(ぴあ発行)の表紙ビジュアルが公開された。イ・ジュンギの公演チケット情報同誌は、アジアで活躍するスターがグラビアでコラボレーションする雑誌。アジアをはじめ世界で活躍をする写真家・蜷川実花と、ワールドツアーで世界各国を沸かせているINFINITE・エル。ふたりの感性が“ぶつかり合う”表紙は、蜷川のセクシーでゴージャスな世界観の中で、涼しげだが、憂いを含んだようなエルの眼差しが印象的なビジュアルだ。誌面では、グラビアやインタビュー、撮影メイキングが30ページに渡って展開されている。他にも、豪華ラインナップが顔をそろえる。イ・ジュンギ、ノ・ミヌによる日本カルチャー論、台湾のモンスターズバンド・MayDay(メイデイ/五月天)のアジア戦略、アジアでブレイクした藤井美菜と古川雄輝、岩井俊二とハン・ヒョジュなどが登場。さらに、加藤和樹、水田航生、超新星のユナクとグァンスが、日韓の若手ミュージカル俳優として華麗な“競演”も見せる。また、「アジアに進撃する日本のコミック・アニメーション」と題して、『進撃の巨人』から『黒執事』『イタズラなKiss』までアジアにおける日本のコンテンツブームが特集されている。『AJ Vol.02』は11月28日(木)発売。なお、ぴあBOOKSHOP(では、特製オリジナル・アザーカバー付で予約を受付中。
2013年11月18日東京の“かわいい”を楽しむフォト&ガイドブックアプリ、蜷川実花による「蜷川 Tokyo Map」が登場。2012年12月21日(金)よりApp Storeにて販売を開始している。「蜷川 Tokyo Map」は、フォトグラファー・蜷川実花が人気タレント・きゃりーぱみゅぱみゅをモデルに、渋谷・原宿、秋葉原など、東京の観光名所で撮影した写真をもとに制作したフォト&ガイドブックアプリ。機能・ ポップでキュートな蜷川実花の写真集や、“蜷川的”ショップガイド、渋谷原宿&秋葉原のエリアマップなどを紹介している。アプリでは、蜷川氏の鮮やかで色彩豊かな写真と、ポップなイラストを組み合わせ、”かわいい”表現にこだわり抜いたデザインに仕上げている。また、ページをめくるとイラストが動き出す、吹き出しをタッチすると効果音を発するなどの仕掛けが設けられ、写真を最大限に楽しむことができる。これらの写真に蜷川実花がセレクトしたショップやカフェを紹介する地図情報・検索機能をプラスすることで、東京観光名所めぐりの新たなスタイルを提案する。■ アプリ概要: 蜷川 Tokyo Map販売元: LUCKY STAR CO., LTD.制作: 株式会社アマナインタラクティブカテゴリ: 旅行更新: 2012年12月21日価格: 250円(税込み)iTunes URL: 元の記事を読む
2012年12月27日「渋谷ヒカリエ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery」では、写真家、映画監督として活動しているアーティスト・蜷川実花(にながわみか)氏の作品展「蜷川実花展」を開催している。期間は2013年1月14日まで。同氏は、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業後、第26回木村伊兵衛写真賞などを受けた。これまでに、国内外で80以上の個展を開催し、2010年、「Rizzoli N.Y.」から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版した。同展では、2003年制作「Acid Bloom」「Liquid Dreams」シリーズ、2004年制作「floating yesterday」シリーズ、2010年制作「noir」シリーズから作品を展示する。花、動物、金魚、風景などの一瞬の輝きを捉えたもので、光、色の深度を強めることによって表れる独特の華やかな色彩が表現されている。なお、同ギャラリーは入場無料で、11時から20時までオープン(1月1日は休み)。詳細は同ギャラリー公式ホームページにて。蜷川実花「noir」2010(c)mika ninagawa【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日イスラエルのユダヤ系とアラブ系、そして日本という異なる文化が集まり、演出家・蜷川幸雄のもと3年前からプロジェクトが進められてきた舞台『トロイアの女たち』。奇襲作戦“トロイの木馬”で知られる、ギリシャ軍に敗れたトロイアの王妃と娘たちの行く末を描いたギリシャ悲劇だ。しかしそこに綴られた“憎しみの連鎖”は、2400年前に書かれたとは思えないほど現代社会にも通じる生々しさをもつ。まずは日本で、その後はイスラエルにあるテルアビブ市立カメリ・シアターで上演予定の本作。11月下旬、クリエイトの現場となっている稽古場に立ち会うことができた。『トロイアの女たち』公演情報稽古前、いつものようにさりげなく歩き回り、キャストに声をかけていく蜷川。王妃ヘカベを演じる白石加代子を始め、ユダヤ系とアラブ系のメインキャスト、そして各人種混合のコロスまで、全員がすっかり打ち解けている様子だ。台本を見せてもらうと、右ページにはヘブライ語とアラビア語のセリフが、左ページには日本語と、右ページのセリフをカタカナに直したものが記されている。演者は馴れない外国語のセリフに注意深く耳を傾けなければならず、さらにひとつの動作でさえ、同じ国の人間なら察することが出来るものも、すぐに理解できるとは限らない。この日は地面にひれ伏す動きを見たユダヤ系キャストが「疲れて倒れたのか?」と身体的な質問をし、「哀しみに暮れている様子を表しているんだ」と蜷川が精神的な面を説明するひと幕も。稽古は続けて終幕の部分。夫も息子も殺されて自らも奴隷となることが決まったヘカベが、惨殺された孫アステュアナクスの亡骸をかき抱く場面だ。白石が能を思わせる言い回しで嘆き悲しむと、周囲の空気が一気に張り詰める。取り囲む15名のコロスもそれぞれの文化のリズムで鎮魂歌を歌い出すのだが、和を重視する日本側と、個々で見せようとするイスラエル側との動きが違いすぎて、まとまりを欠くことに。蜷川から「コロスは無名な人たちだけれど、だからこそある意味でこの物語、この歴史の主役。それを意識してほしい」と鋭い声が飛ぶ。うなずいたり考え込んだりといった表情の面々だったが、再びその場面を返すと、今度は個の動きを保ちつつ、少しずつ互いを見合うなどの変化があった。予定調和ではないヒリヒリとした現場の熱に、思わずこちらも引き込まれた瞬間だった。本作の会見で“演劇を通して世界にコミットしたい”と改めて語った蜷川にとって、宗教的・民族的な紛争を今も抱えるイスラエルとの共同制作は特別な意味をもつ。ヘカベ役の白石に向けた、「一元的な悲しみで演じないでほしい。世界にとってこの悲劇がどういう意味をもつかが重要なんだから」という蜷川の言葉。それは演劇と、この普遍的な物語がもつ力を信じる彼の、覚悟の表明でもあるのだろう。公演は、本日12月11日(火)から20日(木)まで東京芸術劇場プレイハウス(中ホール)にて。チケットは発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年12月11日スマートフォン向け定額制総合エンタメ配信サービス「UULA」にて、倖田來未×蜷川実花×安野モヨコという3人の女性アーティストによる超豪華コラボレーションが実現!UULAが発信する音楽と映像のコラボ企画第1弾として、 UULAオリジナルミュージックビデオ「ピンクスパイダー inspired by バッファロー5人娘」を今冬、独占配信することが明らかとなった。「ピンクスパイダー inspired by バッファロー5人娘」は、時代を越えても色褪せない普遍的なメッセージ性で絶大な人気を誇る「hide with Spread Beaver」が発表した1998年の名曲「ピンクスパイダー」 に、倖田來未のアレンジを加えたカバー曲だ。そこに、「働きマン」や「さくらん」などで知られる人気漫画家・安野モヨコの未完の名作コミック「バッファロー5人娘」(祥伝社刊)のエッセンスを加え、今年『ヘルタースケルター』で話題をさらった蜷川さんが映像化。「映像化したい」と熱望していた安野さんの世界観に、蜷川ワールド全開のビビットな色使いと華やかな衣裳、そして“エロカッコいい”倖田さんの魅力を引き出す、スタイリッシュでパワフルなストーリー仕立てのミュージックビデオに仕上がっているようだ。さらに、実力派俳優・寺島進や人気若手俳優の斎藤工など共演陣も超豪華だ。今回のミュージックビデオの主人公・キャンディに「倖田來未に近いものを感じたんです。“強い信念を持った女の強さ”みたいな」と声を弾ませる倖田さん。それに続くように「それでいて、女性らしくて、色っぽさもあって凛としていて、芯のある女性」と語る蜷川さん。この異色で豪華なコラボレーションに今後、注目が集まること必至だ。最後に倖田さんは、「まばたきせずに見て下さい!」とその自信を覗かせた。ミュージックビデオ「ピンクスパイダー inspired by バッファロー5人娘」は、今冬よりスマートフォン向け定額制総合エンタメ配信サービス「UULA」にて配信開始。「UULA」公式サイト:(text:cinemacafe.net)
2012年12月07日フォトグラファー 蜷川実花監修のカメラアプリ『cameran』に、クリスマスシーズンに向けた季節フィルターが登場。2013年1月まで、月2回ずつ新しいフィルターが登場する予定。『cameran』とは、フォトグラファー・映画監督 蜷川実花が監修したiPhone向けカメラアプリ。フィルターを選択することで、簡単に“ニナミカ ワールド”を表現できることが支持を受け、アプリ発表から10日で100万ダウンロードを達成した。アプリのコンセプトは、“蜷川実花の世界観が簡単に出せるフィルター”“女子でも簡単に使いこなせる操作性”“物写真や自分撮りも、静物の写真も、日常の写真がとにかくいい感じになる”。フィルターは現在、定番の加工が出来る「Lomo」「Toy」の6種類と、蜷川実花の世界観を表現できる「GOKUSAI」「Shower」など17種類。これらのフィルターを使用することにより、撮影した写真が簡単に蜷川実花の世界観へと変化することが出来る。今回のアップデートでは、「Ornament」などフィルター4種類を追加。アプリのダウンロード特典として、蜷川実花撮り下ろし壁紙が21枚付属されている。今後はアプリのアップデートを月に2回ほど行う予定としており、1月末までに40種類のフィルターを追加するなど、撮影・編集・共有すべてにおいてユーザーの声をもと機能の充実を図っていく。また、Android版やアジアの展開なども進めていく。蜷川実花は、2008年に個展「蜷川実花展」で全国の美術館を巡回し、合計18万人を動員。2010年には、N.Y.から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版し、世界各国で話題となった。【cameran】ダウンロード(App Store):元の記事を読む
2012年11月30日驚くほどの美肌!透明肌!女優の綾瀬はるかと、フォトグラファーで映画監督などとしても活躍する蜷川実花がSK-IIの新CMで共演、貴重な姿が見られる注目のCMとなっている。この新CMは21日より全国オンエアとなっているもので、テーマは「プロが気づくほどの美肌。蜷川実花が驚く、綾瀬はるかの透明美肌」とのこと。綾瀬の透明感にあふれた、輝く美肌を、蜷川実花がフォトグラファーとして、どこまで表現で迫れるかを描いたものとなっている。2人の自然なやり取りも魅力的蜷川は綾瀬とは面識があるが、以前に会った時よりも年齢を重ねているはずなのに、より透明感が上がり綺麗な肌になっていることに、今回大いに驚いたそう。こんなに肌の綺麗な人はなかなかいないと、シャッターを切り続けたそうだ。綾瀬も蜷川が生み出す世界観のなかで、心地よく自分をみせることができたようで、ほっこり撮影ができたと振り返っている。2人の自然なやり取りがうかがえるところも、このCMの魅力だろう。美のプロのコラボによる肌の美しさの追求――ナチュラルでクリアな透明感が引き立たされ、よりいっそう輝く、SK-IIの新CMに注目だ。なお公式サイトでは、CMの舞台裏をのぞくことのできるメイキング映像も公開されている。元の記事を読む
2012年10月22日マークスが運営するデザインストア「MARK’STYLE TOKYO(マークスタイル トーキョー)表参道ヒルズ店」にて、ギャラリーイベント『ニナデジ by 蜷川実花 × マークスダイアリー展』を2012年9月30日(日)までの期間開催する。「二ナデジby 蜷川実花」と、デザインダイアリーを展開する「マークス」が、『2013年版ダイアリー』でコラボレーションを実現。ダイアリーには、満開の花々やキュートな人物、人形たちがコラージュされた華やかなカバーに「This world is so wonderful. There is so much to enjoy, if you only think to look.(この世界は素敵で、気づこうと思えばいくらでも楽しいことがある)」という蜷川実花氏のメッセージが浮かぶ。『ニナデジ by 蜷川実花 × マークスダイアリー展 』では、ダイアリーのカバーに使用している作品を中心とした蜷川実花氏の作品を大型パネル化し展示しており、ダイアリーのほか、ポストカードや自由帳、mastermindとニナデジとのコラボレーション製品などを取り揃えている。さらに、写真集「ニナデジ」を50冊限定で直筆サイン入りも購入可能である。MARK’STYLE TOKYO(マークスタイルトーキョー)表参道ヒルズ店所在地:〒150-0001東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズB3F営業時間:11:00~21:00(日曜~20:00)TEL : 03-3478-5337元の記事を読む
2012年09月19日鬼才・橋本治が約40年前、作家デビューする以前に書き下ろしたという幻の戯曲『ボクの四谷怪談』。偶然、戯曲を目にした蜷川幸雄が長らく上演を温めていたというその舞台が、豪華な役者陣と、音楽監督に鈴木慶一を迎え、9月17日に東京・シアターコクーンにて初日の幕を開けた。“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”と銘打つ通り、鶴屋南北の有名な歌舞伎『東海道四谷怪談』をベースに、ファッションや風俗を執筆当時の1970年代に置き換え、随所にロックなど多彩な音楽を散りばめた異色作。開演前には、フォトコールと記者会見が行われた。ネオンサインがきらめく舞台に大音響でロックが流れ、ヒッピー風の男や着物姿の女、テキ屋風のオヤジに通りすがりの商売女など、雑多な登場人物が次々に現れては歌うオープニング。次に場面は飛び、「御休処」と書かれた小屋の前。後ろには書き割りの松が立ち、セットは歌舞伎の舞台さながらだ。Tシャツにジーパン姿の伊右衛門(佐藤隆太)が地面に売り物を広げていると、友人の直助(勝地涼)がやってくる。セーラー服が可憐なお袖(栗山千明)を紹介されて直助は喜ぶが、リーゼント姿の直助にお袖は気のない様子。ふたりが去ると、今度はスーツ姿の与茂七(小出恵介)が現れ、「お前、生きてて面白いか?」と伊右衛門を挑発する。敵討ちの計画を得意げに語る与茂七と、「どうだっていいじゃねぇか」とぶっきらぼうに返す伊右衛門。両者の掛け合いはそのまま歌につながり、「生き甲斐」と「死に甲斐」をそれぞれに主張する歌声が交差して広がる。会見では、「伊右衛門はずっとモヤモヤを抱えているので、僕も初めはどう演じたらいいか迷ってしまって。(蜷川と何度も仕事をしている)小出くんにはだいぶ助けられました」という蜷川作品は初参加の佐藤に、隣で小出が照れくさそうにするひと幕も。「蜷川さんは稽古でOKだった演技も、初日でやっぱりダメと言い出したりするから」と暴露する小出に、いつの間にか後ろから見ていた蜷川が「うるさいよ!」と突っ込むなどチームワークは万全の様子。「舞台上でパワーを放出していきたい」(勝地)、「台本がブッ飛んでいるので、驚きつつ楽しんでもらえたら」(栗山)と語るふたりも笑顔だ。その他、尾上松也(お岩役)や三浦涼介、谷村美月ら若手実力派の熱量を、麻実れい、勝村政信らベテラン勢がしっかりと支える本作。高揚感と共に伝わるその面白さは、ぜひ劇場で体感してほしい。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)『ボクの四谷怪談』は、10月14日(日)までシアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文佐藤さくら
2012年09月18日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の新作『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』が12月にKERA自身の、そして来年1月に蜷川幸雄の演出でシアターコクーンにて連続上演される。この一大プロジェクトに先駆けて某日、都内スタジオで行われたKERAバージョンの宣伝写真撮影現場に潜入した。『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』KERAバージョンのチケット情報スタジオでは生瀬勝久が撮影中。口に綿を含み、恰幅の良い姿で登場すると、「太った役をすると急にお腹が減る」と軽口をたたいて場を和ませていた。「写真は苦手」といいつつも次々とユニークなポーズをとる生瀬に、KERAからも笑いがこぼれる。本作では横暴で独裁的な市長を演じる生瀬。「たくさんのキャストが出ていても人間関係がつながっていて、それぞれ想いの輪郭が非常にはっきりしたキャラクターが描かれている。今回は僕自身知り合いが多いので、楽しみです」とKERA作品の魅力を語ったかと思うと、「(蜷川バージョンで同じ役を演じる)勝村政信には負けません! 投票してもらって決着をつけたい」と声を張り、スタジオは笑いに包まれた。今回が初舞台となる夏帆が撮影に入ると「あんまり純粋可憐になりすぎないように」とKERAが声をかける。役をイメージして細部にも気を配るKERA。次に撮影したのは2度目のKERA作品参加となる小出恵介。貧しい青年を演じる小出は「もっとおびえている感じだとどう?」というKERAの注文に瞬時に応え、順調に撮影が終了。小出は「出演者の波長が合ってひとつのメロディを奏でるような状態になれば、戯曲が観る方に伝わるはず。いまは何も予想できないし、KERAさんの作品はふたをあけてびっくりすることが多いから、こちらはなるべく柔軟にやっていかなくちゃと思っています」と意気込みを語る。現在、脚本執筆中のKERAに話を訊くと、「この脚本を蜷川さんにも演出していただく、という意識はやっぱりずっとある。実は一度蜷川さんとお会いして話したんだけど、その時の話は申し訳ないことに全く活かされてない」と苦笑。「いつもならこのセリフはこの役者ならこんな言い方をするだろうというシミュレートが頭の中にできているけれど、今回はあて書きをしていない。たとえば犬山イヌコが演じる役を蜷川さんバージョンでは伊藤蘭さんが演じる。そういう全然違うタイプの人が発するセリフをどちらにも寄せ過ぎず、ということをずっと考えていますね」と話す。まだ全貌の見えないこの作品がどんな形で目の前に現れるのか、年末が楽しみだ。KERAバージョン『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~』は12月9日(日)から30日(日)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。その後、2013年1月11日(金)から14日(月・祝)まで大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて公演が行われる。チケットは東京・大阪公演ともに10月6日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選・プレリザーブの申し込みを9月19日(水)11時まで受付中。取材・文:釣木文恵
2012年09月12日蜷川幸雄演出による〈彩の国シェイクスピア・シリーズ〉の第26弾として『トロイラスとクレシダ』が上演される。本作はシェイクスピアが戯曲を書いた時代のスタイルそのままに、全キャストを男優が演じる「オールメール・シリーズ」の6作目にして初の悲劇。主演の山本裕典をはじめ、月川悠貴、細貝圭、長田成哉、佐藤祐基、塩谷瞬、内田滋ら若い俳優が多く出演する。7月下旬、熱気溢れる稽古場を訪ねた。『トロイラスとクレシダ』チケット情報物語は古代ギリシアのトロイ戦争が舞台。トロイの王子トロイラス(山本)は、神官の娘クレシダ(月川)に狂おしいほど思いを寄せていた。クレシダの叔父パンダロス(小野武彦)の取り持ちによってふたりは永遠の愛を誓い合い結ばれるが、捕虜交換によりクレシダは敵国ギリシア軍へ送られる。時がたち、軍使としてギリシア陣営に訪れたトロイラスが見たものは、新たな恋人と抱き合っているクレシダの姿だった。「勇気もって、言葉で言葉で!」蜷川の声が、エネルギッシュに鋭く、テンポよく次々と飛んでいる。気持ちの乗っていないセリフには「うそつき!」、手を抜いて演じているとみれば「省エネ!」と厳しい言葉も浴びせるが、そのスピードに役者は落ち込んでいる暇はない。蜷川には今回、若い世代を育てたいという思いがあり「最近の若い俳優たちは、自分の日常生活に近い芝居はできるけれど、シェイクスピアやギリシア悲劇のような、縦軸としての教養を必要とする戯曲は、違和感があってできない。今回のセリフは特に論理的。彼らにとって異質な言語をぶちこむ」と実に意欲的だ。厳しい言葉の裏には若い俳優たちへの愛情と優しさが透けて見える。気になるセリフには一つひとつ、どこを強調するのか、語尾の言い方などを具体的に演出していく。「屁理屈を言うよりもね、具体的で早いでしょ」と話すように、指示は的確で明快だ。稽古場を訪れた日は、トロイラスとクレシダがふたりで初めて朝を迎えたシーンの稽古中。やっていて難しいところはと山本に訊くと「ヒロインとは言え、相手は男性。いちゃつくところは抵抗がないと言えばうそになりますね」と照れ笑い。蜷川とは2回目のタッグとなるが「自分は無知なところがすごくあるので、今回は1から100まで鍛えてもらう感じで挑みます。毎日大変ですが、これを乗り越えれば役者としてまた一歩成長できるのかな」と話していた。稽古を終えた蜷川は「よし、ここは明後日くらいには熟成してくるだろう」とぼそり。多くの俳優を育ててきた蜷川には、すでに完成形が見えているようだ。強い言葉を浴びせながらも、期待に応えようと四苦八苦する若手俳優たちの姿に、蜷川が嬉しそうな表情をみせるのが印象的な稽古場だった。公演は8月17日(金)から9月2日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて上演。その後、大阪、佐賀、愛知を巡演する。取材・文:大林計隆
2012年08月06日作家・橋本治が東大在学中に書いた幻の戯曲が、蜷川幸雄の演出で上演される。その名も『ボクの四谷怪談』。鶴屋南北の怪談をベースに、生きる目的を求めて右往左往する若者たちの姿を描く“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”だ。橋本ならではのポップな現代語で綴られたセリフに加え、鈴木慶一によるオリジナル・ロックナンバーが随所で炸裂する。物語を担うのは橋本が「七人の侍」と名づけた若者たちで、民谷伊右衛門を演じる佐藤隆太は、今回が蜷川演出初挑戦となる。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)「ボクの四谷怪談」 チケット情報「蜷川さんから声をかけていただけるとは思ってもいなかった」と率直に驚きを語る佐藤。近年では映像での活躍が目覚ましいが、「自分を試される場」という舞台への思い入れは深い。「役者として今まで何を積んで来たのか、あらわになるのが舞台だと思う。その怖さを感じているからこそ逃げたくないし、出来るだけ舞台に立ちたいと願い続けています。でも、ここまで大きな山に向き合うことになるとは(笑)」。共演陣には小出恵介、勝地涼、栗山千明ら、蜷川演出を経験済みの若手も多く、「一番の後輩のつもりでアドバイスをもらいたい」と笑う。「第一線を走りながら、なお挑戦を続けられる蜷川さんのパワーを感じたい。コテンパンにやられる可能性も含めて、楽しみです」。伊右衛門は病身の妻お岩を持て余し、職も生きがいも定まらず運命に流される。しかし女にはモテる、やっかいな色男だ。映像作品での「熱く真っ直ぐな男」像から、人生に戸惑い、真摯に悩む男性像へと表現の幅を広げている佐藤にとって、さらに新境地を拓く役柄でもある。「自分が思う以上に“熱い男”というイメージを抱いている方も多くて、驚くことはありますね。そう思っていただくのは光栄な一方で、役者としてどんな役にも挑戦したい。絶好のチャンスをいただきました」。今回は「ロックミュージカル」だけに、伊右衛門が歌うナンバーもしっかりある。実は1999年、佐藤が俳優デビューを飾ったのもミュージカルの舞台(宮本亜門演出『BOYS TIME』)だったが、「僕は歌が決してうまくないんです」と告白するのがこの人らしい。「目指すところは“魂をガツンと届けられる”歌と芝居です。思えば初舞台の時は、歌も芝居もダンスもピカイチで下手なのに、よくもあれだけ堂々としていたなと(笑)。10年以上役者をやってくると、どんどん芝居することが怖くなってくるんです。何も恐れずにハチャメチャをやっていた、あの時の自分も無くさずにいたいですね」。共演は小出恵介、勝地涼、栗山千明、三浦涼介、谷村美月、尾上松也、勝村政信ほか。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで東京・シアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。チケットは東京・大阪ともに7月21日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選を東京は7月11日(水)11時まで、大阪は7月10日(火)11時まで受付中。取材・文:市川安紀
2012年07月03日村上春樹のベストセラー小説『海辺のカフカ』を演出家・蜷川幸雄が舞台化。5月3日の初日を迎えた彩の国さいたま芸術劇場は、世界に名を轟かせる両者のタッグ、さらに映画『誰も知らない』で衝撃的デビューを果たした、主演の柳楽優弥の初舞台に期待をかける観客で賑わった。『海辺のカフカ』チケット情報脚本はアメリカ人脚本家フランク・ギャラティが手がけ、2008年にシカゴで上演したものを使用。長年の村上文学ファンであるという蜷川も「非常によくまとめられている」と感心したそうだが、それだけに原作を損なわずに演劇に昇華させることに苦心し、巨匠にして危機感を伴う挑戦だったようだ。「メタファーで綴られた繊細な村上文学の世界を、あえて真逆の具体的なビジュアルを並べることで、多面的に立ち上げていく」。稽古場でそう語っていた蜷川の賭けの答えが、初日の舞台上に鮮やかに現れていた。「世界でいちばんタフな15歳の少年になる」ためにカフカ少年(柳楽)は家を出る。旅路で出会う商店街の看板や自動販売機、公衆トイレ、夜行バスなどの猥雑なノイズを想起させるアイテムたち、またカフカが行き着く図書館の整然とした書架などが、すべて黒枠のボックスに入って舞台に現れ、流れ過ぎていく。並行して描かれる、猫と会話ができる不思議な老人・ナカタ(木場勝己)の物語も同様で、ナカタが猫と語らう公園や、謎の人物ジョニー・ウォーカーの家、トラックなどがボックスに収められ、ほとんどの芝居がその中で進行。観客は展示物をひとつひとつ眺めるようにして、現実と非現実が錯綜するカフカとナカタの不安定な旅に誘われる。またピンライトの雨のような美しい照明効果が、カフカ少年の純粋な迷いを感じさせて印象深い。翻訳台本のセリフが、ほぼ原作小説での表現に沿っている点も難関だったであろうと想像するが、キャスト陣が健闘を見せた。柳楽は初舞台のぎこちなさはあれど、その心もとない表情がカフカ少年そのもので、原作にある「砂嵐を通り過ぎる」体験をまさに実践しているひたむきさが胸を打つ。多感なカフカを惑わせながらも安堵をもたらす女性さくらを、佐藤江梨子が小気味よく演じていて、ふたりのコントラストが愉快。飄々としたたたずまいから匂い立つ木場の巧さ、図書館の責任者・佐伯を演じる田中裕子の、浮遊感のある幻想的な立ち姿に惹きつけられる。図書館司書の大島を演じる長谷川博己は、人間味の薄い中性的な透明感をただよわせて面白い存在だ。15歳の少年が傷を受け、癒され、変化する成長潭を立体化した舞台は、ささやかな胸の痛みの余韻を残す。原作小説ファンにもぜひ踏み込んでもらいたい、新たな刺激を含んだ村上ワールドだ。公演は同劇場にて5月20日(日)まで上演。その後、大阪・イオン化粧品シアターBRAVA!にて6月21日(木)から24日(日)まで上演される。チケットはいずれも発売中。取材・文:上野紀子
2012年05月07日フランス観光開発機構による「感動大国、フランス。」と銘打ったキャンペーンの記者発表会が3月21日(水)、都内で開催され、俳優の竹中直人と写真家・映画監督の蜷川実花がフランス観光親善大使に就任した。現在、フランスを訪れる観光客は年間約7,800万人でそのうち日本人観光客は60万人と、フランスにおける外国人観光客の重要な位置を占めている。こうした事実を踏まえ、フランス観光開発機構はエールフランス航空を始めとするパートナーと共にフランス観光キャンペーンを展開。親善大使は旅行先としてのフランスのPR活動を行う。クリスチャン・マセ駐日フランス大使より「日仏両国の懸け橋になっていただきたい」という言葉と共に任命状を受け取った2人。プライベートで20回以上フランスを訪れているという蜷川さんは「写真などを通じてフランスの良さを伝えられたらと思いますし、フランスのみなさんにも日本について伝えたい」と意欲を語る。「まさか自分が親善大使になるなんて想像していなかったのでびっくり(笑)!」と語る竹中さんだが、敬愛するレオス・カラックス監督や、フランスで活躍し、竹中さん自身もドラマで演じたこともある藤田嗣治画伯の名を挙げ、大使就任の喜びを語った。これまでのフランス体験をふり返り、蜷川さんは「女性なら誰でもそうでしょうが、やっぱりパリが好き!何回行っても発見があるし、自分の年齢によっても見えてくるものが違うので幾つになっても行きたい街ですね」と語る。仕事でパリを撮ったこともあるが「パリ自体が美し過ぎて、それだけで完璧なので撮るのが難しい。写真家泣かせの街です」とも。すでに何度も足を運んでいるだけに自分なりの楽しみ方も確立しているようで「公園をグルグル回ることが多いですね。あとは『今日は美術館』とか決めて、贅沢な過ごし方を楽しんだりしてます」と明かした。一方の竹中さんは「カラックスが大好きなので(映画『ポンヌフの恋人』の舞台である)ポンヌフは必ず行っちゃいますね…そう言ってる自分に照れますが(笑)。あとはモディリアーニも好きなのでモンパルナスに行くと興奮します!」と語るなど、やはり芸術家たちの足跡が気になるよう。ちなみに、竹中さんは自身の監督デビュー作『無能の人』が第13回ナント三大陸映画祭において審査員特別賞およびナント市賞を受賞しているが、このとき竹中さん自身はナントを訪れることができなかったそうで「プロデューサーが行ったんですが、とても良いところだと聞いてるのでぜひ行ってみたい」と希望を明かした。蜷川さんは「モン・サン=ミシェルに行ったことがないので行ってみたい。まだまだ行ったことがないところは多いし、いろんなところに行きたい」と意欲を燃やしていた。■関連作品:長ぐつをはいたネコ 2012年3月17日より全国にて公開PUSS IN BOOTS (R) and © 2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.ヘルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会■関連記事:竹中直人“ネコ役”続投に安堵「小栗くんに変わると思っていた」ネコ好きもイヌ好きも虜にしてしまう!?“長ぐつをはいたネコ”プスのネコたる魅力アントニオ・バンデラス、ブダペストの空港でスリ被害に遭うプス&キティ、情熱のネコダンス!『長ぐつをはいたネコ』ダンスバトルのゆくえは…?下着姿で佇むエリカ様、掟破りの過激さ!『ヘルタースケルター』特報映像が解禁
2012年03月21日文壇の鬼才・橋本治の幻の戯曲『騒音歌舞伎(ロックミュージカル)「ボクの四谷怪談」』を蜷川幸雄の演出により、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて9月・10月に上演することが決定した。出演は佐藤隆太、小出恵介、勝地涼、栗山千明ら若手俳優から、麻実れい、勝村政信、瑳川哲朗らベテラン勢が顔を揃える。本作は、現代を生きる若者たち<七人の侍>の自分探しの青春群像劇で、作家・随筆家として多くの名作を輩出しながら、古典文学の現代訳や二次創作にも意欲的な橋本治が学生時代に書き下ろした幻の戯曲。それを蜷川が発掘、舞台化するもの。登場人物のねじれた青春が疾走する破天荒な物語は、橋本のダイナミックかつ繊細な手法で抽出された現代性と、『四谷怪談』の作者・鶴屋南北へのオマージュが見事に昇華されている。また多種多様な音楽が効果的に挿入されており、橋本の<四谷怪談>と<ミュージカル>への情熱がほとばしる超大作だ。音楽はロックの黄金時代といわれる1970年代に本格的な活動を開始した鈴木慶一が手掛ける。執筆されてから40年の間、活字にもされたことなく静かに眠り続けていた貴重な戯曲を、蜷川が若い俳優たちの体を通してどのように表現するのか期待したい。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで同劇場にて上演。チケットは7月21日(土)より一般発売する。【キャスト】佐藤隆太小出恵介勝地涼栗山千明三浦涼介谷村美月尾上松也麻実れい勝村政信瑳川哲朗青山達三梅沢昌代市川夏江大石継太明星真由美峯村リエ新谷真弓清家栄一塚本幸男新川將人ほか
2012年03月12日日本を代表する写真家・蜷川実花さんと、その母でありパッチワーク・キルト作家としても知られる蜷川宏子さんの母娘二人展が、東京のラフォーレミュージアム原宿にて開催中。ということで、今回はこの展示会の様子をお届けします!展示室に入ると目に飛び込んできたのは、鮮やかな色彩の濃密なコントラスト。母、宏子さんのキルト作品を囲むようにして実花さんの艶やかな花々の写真が配置されています。細かい刺繍の施されたパッチワークの作品は、どれも可憐でキュート。作品の数も多く、宏子さんの精力的な制作活動に驚かされます。また、今回の展示構成は実花さんが行っており、その明るい色使いはまさに蜷川ワールドです。蜷川ファミリーのパワーと母娘の絆を感じることのできる「蜷川実花・蜷川宏子 二人展」は2月19日までの開催です。
2012年02月17日沢尻エリカの5年ぶりの映画復帰作として注目を浴びる『ヘルタースケルター』。本作の監督であり、世界的フォトグラファーとして名を馳せる蜷川実花の撮り下ろしによる、映画の世界観が凝縮されたポスタービジュアルが解禁となった。原作は人気漫画家・岡崎京子の伝説的コミック。全身整形により、ほとんど全てが作り物の肉体による“美”を手に入れ、トップスターに上り詰めたりりこ(沢尻さん)が、欲望が渦巻くこの世界を疾走するさまを描き出す。沢尻さんを筆頭に大森南朋、寺島しのぶ、綾野剛、水原希子、窪塚洋介に桃井かおりなど豪華キャストが蜷川監督のもとに集結した。監督デビュー作となった『さくらん』でもその色鮮やかなビジュアルが話題を呼んだ蜷川監督。本作も「極彩色エンタテインメント」を世界観として打ち出しており、今回解禁となったポスターにも監督のコンセプトが詰め込まれている。作り物の美を纏い、美しい化粧を施され、挑戦的な視線を投げかける裸のりりこ。彼女の手に止まる青い蝶は、原作にはない蜷川監督が映画オリジナルの表現として打ち出したもの。さなぎの期間を経て美しい蝶へと変貌を遂げた彼女を象徴する一方で、どこか儚さを漂わせる。「見たいものを、見せてあげる」は劇中の彼女のセリフであり、名声や金、欲望などあらゆるものが絡み合い、興奮と熱狂を生む芸能界を“ヘルタースケルター=しっちゃかめっちゃか”に駆け巡る彼女の意気込みと勢いを感じさせる。センセーショナルに、エモーショナルに、スキャンダラスに――。りりこは何を見せてくれるのか?この美しいビジュアルの裏に隠された彼女の真の姿とは?本編の完成が楽しみだ。『ヘルタースケルター』は7月14日(土)より公開。■関連作品:へルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会■関連記事:沢尻エリカ「私がいるのは、みんなのおかげ」周囲への感謝を語る沢尻エリカ、蜷川実花と組み岡崎京子原作『へルタースケルター』で本格女優復帰
2012年02月17日蜷川幸雄が率いる若手演劇集団さいたまネクスト・シアター。その第3回公演となる『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』が、2月20日(月)から3月1日(木)まで、彩の国さいたま芸術劇場で上演される。2012年・蒼白の少年『少女たちによる「ハムレット」』公演情報稽古場では、無名の若い役者たちが衣裳や演技のアイデアを出し、そこに蜷川の情熱的な声が飛んでいた。「今ある自分の感性を信じすぎるなよ!」「他人と似ないことをしろ!」「そんなことで新しい風を持ち込めるのか!」……若者たちは途方に暮れながらも、考え、動き、また打ちのめされ、自分にしかできない表現を少しずつ探っていく。厳しい演出だが、「若い連中を矯正するつもりはないよ」と蜷川は言う。実際、昨年のオーディションでは「無表情」の若者たちをあえて選んだ。デジタルな電子機器に囲まれ、遮蔽物を通してしか他者と関われない現代への興味がそこにはある。しかし蜷川はまた、まるで若者たちを挑発して楽しむかのように言い放つ。「オレはお前たちをそこまでは肯定しないぞ!」自身、7度目の演出となる『ハムレット』については、「いつも謎が残り、取りこぼしてしまうものを感じてきた」という。今回は舞台装置にアクリル板を使い、ひんやりとした距離感を体現する。「氷の張った池の下にいる金魚を眺めるようなハムレット。報復の連鎖に荷担することを躊躇し、透明な抑圧の中に生きる姿を描きたい」。翻訳テクストは、藤原竜也が主演した2003年版と同じく河合祥一郎訳。一部カットはするものの恣意的な変更は加えない。そうしたある種の「不自由な条件」の下に他者を信頼し、その言葉を許容していくプロセスに、蜷川は演劇の可能性を見ているようだ。最大の見所は、演歌歌手・こまどり姉妹の特別出演!蜷川はおよそ40年もの長きにわたり、「生活者の目線」として、極貧生活から這い上がってきた彼女たちの存在を意識してきた。果たしてこまどり姉妹はどのように舞台に登場し、そこに若い役者たちはどう応えるのか?「3.11で、老人も若者も子供もみんな体育館に雑居する生活のるつぼが生まれた。かつての演歌にあった混沌さのようなものが、一気に露見してくる共通の土壌が今、できたんじゃないか」。世界的演出家と、無名の若者たち、そして伝説の演歌の女王による実験的『ハムレット』。予想を超えたセッションが生まれそう。チケットは発売中。取材・文:藤原ちから
2012年02月09日2007年に公開された『クローズド・ノート』を最後に女優としての活動を休止していた沢尻エリカが、『さくらん』で鮮烈な映画監督デビューを飾った写真家・蜷川実花の最新作で熱狂的な支持を集める岡崎京子の伝説的コミックの映画化『ヘルタースケルター』で女優業に本格復帰することが明らかとなった。第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子の伝説的コミック「ヘルタースケルター」を原作とする本作。全身整形という秘密を抱えながら、名声や金といった欲望渦巻く芸能界でトップに君臨する女優・りりこが雄々しく生きる姿を描く。「本作への出演を熱望してた」と公言する沢尻さんは主人公・りりこを演じる。「『この作品はきっと私にあう』と周囲が言うほど演りがいのある役なので、“実花ワールド”にどう染めてもらえるか、いまから楽しみです。現場でクリエイトしながら、ぶつかっていきたいなと思っています。気合は十分です。沢尻、女優として、ひと肌脱ぎます」と、復帰第1作への意気込みを見せている。岡崎さんの盟友である安野モヨコ原作の映画化『さくらん』に続き、監督第2作目として本作に取り組む蜷川監督は、「『さくらん』より前から、このヘルタースケルターを映画化したいと思っていました。7、8年待ち続けました、岡崎京子さんの大ファンです。こんなに自分の人生で何かを待ったことはなく、いまこれからクランクインできることにとても興奮しています」とコメント。さらに、「東京という街に消費されていく、人々の“欲望処理装置”としてのりりこ。女性の持つ驚くほどのか弱さと、図々しいほどのたくましさを持つこの主人公を演じられるのは、歓声と罵声を浴び続けた沢尻エリカ以外、いまのこの東京では考えられません。本当に最高のキャストと最高のスタッフが集まりました。みんなで共犯関係をつくり、私たちにしかできない映画にしたいと思っています。駆け抜けます」と沢尻さんを絶賛!そのほか脇を固めるキャストには、芸能界の闇を暴くために奔走する検事・麻田誠役の大森南朋を始め、御曹司でりりこの恋人・南部貴男役に窪塚洋介、りりこの後輩モデル・吉川こずえ役に『ノルウェイの森』で注目を集めた水原希子、さらに綾野剛、新井浩文、寺島しのぶ、桃井かおりと豪華俳優陣が集結。そして、その誰もが蜷川作品への参加に興奮気味のようで「蜷川実花さんの作品に参加できることも岡崎京子さんのこの作品に出演できることも、非常に楽しみで興奮しております」(大森さん)、「コワイモノ見たさで参加します(笑)!」(窪塚さん)、「『希子とだったら新しいものに出会える』。その実花さんの言葉を信じて、共演者のみなさんと一緒にいい作品を作っていきたいと思っています」(水原さん)、「こんな生きにくいりりこが愛おしいです。とにかく、りりこにはひどい仕打ちを受けますが、愛を持って全力で受け止めたいと思ってます。実花ちゃんが長い期間温めてきたこの企画に参加できて嬉しいし、最高の作品になるべく努めます」(寺島さん)。さらに、原作者の岡崎さんの弟・忠さんからは「作者は、作品を通じて役者がどのようにりりこを演じるのか、大変興味を示しております。『原作に忠実に行うのも、演者の体内を通してどのように変貌するのかも、受け入れる準備は出来ている』とのことです。また、『新たな解釈での新たなりりこを見てもみたい』と」と、期待の声を伝えている。美しくも残酷な独特の世界観で魅せる奇才・蜷川実花の新たな世界で、世の羨望・落胆・好奇、芸能界の酸いも甘いも味わった女優・沢尻エリカがどのような進化を遂げるのか楽しみに待ちたい。1月中旬にクランクイン、2月末にクランクアップ予定の本作。『ヘルタースケルター』は、7月14日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:ヘルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会
2012年01月11日1月5日、東京・シアターコクーンで唐十郎作・蜷川幸雄演出の舞台『下谷万年町物語』の公開舞台稽古が行われ、出演の宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘、唐、蜷川が囲み取材に応じた。「下谷万年町」チケット情報蜷川は「わくわくします。今のところものすごく良くて、僕は泣きそうになりながら見てます」と宮沢、藤原、西島の芝居を絶賛。蜷川演出は初めてとなる宮沢、今回は演じる役も初の男装の麗人役。「エネルギーを必要とするとても魅力的な役です。稽古場で愛のあるゲキをいただいたのでそれを生気にしていきたい」と、蜷川への信頼をよせている様子で語った。また、稽古場での蜷川について、記者から何か飛んでくるハプニングはあったかと問われると「壁とか?」と笑わせながらも「ずっと稽古場で一緒にいると、そこには愛がまみれていると気づきました。とても気持ちよかったです」と話していた。唐戯曲は『唐版・滝の白糸』(2000年)で体験済みの藤原は「唐さんとの共演とは初めて。水の中に飛び込み、駆け回って空気を盛り上げていく役ですが、このメンバーがいるからこそ落ち着いて初日を迎えられと思います。不安もありますが、興奮してます」と気合い充分の様子。宮沢と同じく蜷川演出初の西島は「語り部の立ち位置などもありますので、いろんな形で観ているお客さんに伝えて(舞台の)中の世界を楽しみたいと思います」と抱負を語った。作者である唐十郎が幼年期を過ごした下谷万年町を舞台にした本作。本水を使った巨大な池、舞台を覆う長屋のセット、そして膨大な出演者の数。シアターコクーンの改修後、再オープンする記念すべき第1作となるが、蜷川は「久方ぶりに劇場を汚す喜びに溢れています。今後こういう芝居は20、30年は誰もやれないんじゃないかというくらい派手で楽しくて真剣で、劇場が汚れます(笑)。前方の席の人は合羽を持ってきてください。水と血が飛びます」と思う存分演出した満足感が伺えた。過剰ともいえるエネルギーに満ちた舞台の開幕を前に宮沢は「緊張感と興奮が体中をみなぎっています。観に来たお客さんにもものすごいもの観ちゃったという記憶を焼き付けて欲しい。あの舞台を観たんだよと自慢できるような芝居になれたらいいなと思います。この芝居が成功すればあとは怖いものはない」と意欲をみせた。公演は同劇場にて1月6日(金)から2月12日(日)まで上演。チケットは発売中。
2012年01月06日唐十郎の傑作戯曲を蜷川幸雄が演出する舞台『下谷万年町物語』の製作発表会見が11月19日、都内で行われた。会見には唐、蜷川と共に出演者の宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘が登壇した。「下谷万年町物語」チケット情報この作品は1981年、西武劇場(現・パルコ劇場)にて初演され、唐十郎が幼年期を過ごした<下谷万年町>を舞台に描いた幻想的な超大作。膨大な出演者数と本水を使った大きな池や、舞台を覆う長屋のセットで当時話題となり、その後再演は実現不可能と言われてきた。それから31年後の2012年に、東京・Bunkamuraシアターコクーンのリニューアル・オープン公演として上演される。会見で蜷川は「何度か再演しようかと思っていた。今回、夢のようにいいキャストが揃ったのでじゃあやろうと。傑作間違いない」と出席した3人への期待も込めてコメント。蜷川組に初参加となる宮沢は「念願だった蜷川さんの演出で自分が舞台に立つのが夢のようです。プレッシャーの大きい役ですが、他の女優さんがやっていたらきっと悔しくなるだろうと思って」と本音を漏らし、稽古については「どうせなら檄を飛ばしていただきたい。なんなら灰皿飛んで来い」と気合いも充分。反対に蜷川は「何で俺以外の演出家とやってばっかりいるんだよ」と思っていたそうだが、(宮沢が)オファーを受けると聞いて「わー」と喜んだことを明かした。同じく初参加の西島は「蜷川さんからお話をいただけるなんて思ってもいなかったので、今も手が震えるほど緊張しています。最近は靴をいっぱい投げると聞いているので(靴が)なくなるくらいいっぱい投げて欲しい」と意欲を見せた。蜷川組常連の藤原は「最近は椅子も飛んできますからね。殺されるんじゃないかと」と笑いを誘いつつ「今まで自分が体験した事のない世界を体感させてくれる蜷川さんの稽古場で、厳しいことを言われながらもいろいろ発見したい」と蜷川への信頼を寄せていた。公演は同劇場にて1月6日(金)から2月12日(日)まで上演。指定席のチケットは発売中。11月27日(日)午前10時より中2階立見券を発売。
2011年11月21日