「映画監督」について知りたいことや今話題の「映画監督」についての記事をチェック! (1/48)
香港アクション映画界を支えるスタントマンたちの人生を描いた映画『スタントマン 武替道』より、アルバート&ハーバート・レオン監督のインタビュー動画が公開された。本作は、数々の香港アクション映画でスタントを担当し、俳優としてブルース・リーとも共演経験のあるトン・ワイが主演を務め、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』で話題のテレンス・ラウとフィリップ・ンが出演したドラマ。アクション映画の制作に情熱を懸けるスタントマンたちの葛藤と苦悩の物語だ。近年、『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督、『フォールガイ』のデビッド・リーチ監督、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のアクション監督の谷垣健治監督など、スタントマン出身監督の活躍が目覚ましい。そして、本作を監督したアルバート&ハーバート・レオンもスタントマン出身ということで、スタントにかける想いを熱く語ってくれた。本作が初長編映画となるふたりとも『トワイライト…』をはじめ、数々の作品でスタントマンとして活躍してきた背景があり、本作にはその経験が存分に活かされている。アルバートは「この映画を撮ったのはスタントマンとしての自分の経歴と関係がある。苦労をよく知っているから構想時に、“スタントマンの背後にある物語を観客に知ってほしい”とまず思った」と、その情熱を語る。続いてハーバートは「技術を伝えるべき若手がいない。僕たちが発言しないと伝統の技術が消える」と神妙な顔つきで語る。また、ハーバートは「最初の映画撮影でサモ・ハン(・キンポー)に会った。僕は彼のファンでDVDにサインをお願いした。DVDを見て彼は言った『二度と撮れない映画だ』」とレジェンドとのエピソードを話し、アルバートは「80年代は香港アクション映画のひとつの絶頂期だった。観客を連れて行きたかった、絶頂期の香港アクションの世界にね」と呼応するように語る。そのほか動画には、本作の主人公サム(トン・ワイ)、その弟子・ロン(テレンス・ラウ)、そしてスタントマンからスター俳優へと駆け上がったワイ(フィリップ・ン)、それぞれのキャラクターを監督自ら解説する場面も収められている。『スタントマン 武替道』メイキング(監督編)<作品情報>『スタントマン 武替道』7月25日(金) 公開公式サイト: Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
2025年07月10日『パスト ライブス/再会』の主演女優グレタ・リーが、映画監督デビューを果たすことになった。タイトルは『The Eyes are the Best Part』。原作はモニカ・キムが書いた同名のホラー小説で、主人公は韓国系アメリカ人の若い女性。父の不倫で家族が崩壊し、母にも白人の新恋人ができる中、主人公の頭の中で現実と幻想が入り混じるようになっていくという物語。製作配給はサーチライト・ピクチャーズ。リーの次回出演作は、この秋公開予定のディズニー映画『トロン:アレス』と、Netflixが配信するキャスリン・ビグロー監督の『A House of Dynamite』。文=猿渡由紀
2025年07月10日森田芳光監督の展覧会『映画監督 森田芳光』が、8月12日(火)から11月30日(日)に国立映画アーカイブで開催される。また、恒例の国内でのレトロスペクティブ上映の実施も決まった。森田監督は1981年に自主製作『の・ようなもの』で商業映画デビューし、その後邦画メジャーでのヒット作品を連発。また独自の表現でインディペンデント映画作家としての作風も残した。2011年12月20日に61歳でこの世を去るまで、邦画のあらゆる製作体制において豊かなフィルモグラフィーを遺した。生誕70周年記念(没後10年)となる2021年には、多くのハードルを乗り越え、ほぼすべての作品をBlu-ray化したボックスセットや記念本の出版、ゆかりの劇場での特集上映が実現。2022年末から2023年にかけては、コロナ禍により延期されていたニューヨークやパリでのレトロスペクティブ上映が実施され、連日満員の大盛況となった。2024年4月から6月にはパリ日本文化会館において第二部の上映が行われ、森田作品のプロデューサーであり、パートナーであった三沢和子とライムスター宇多丸が渡仏しトークイベントに登壇した。今年1月には初めて沖縄・那覇の桜坂劇場で『森田芳光70祭2025』が開催され、三沢と宇多丸がイベントを盛り上げた。今回開催される『映画監督 森田芳光』では、本人の愛蔵品や劇中で使われた小道具などを展示。10月14日(火)より開催される上映企画との連動により、森田の活躍の軌跡をたどる特集となる。今後の国内上映として、東京の新文芸坐では恒例の上映イベントとして『夏の森田』が7月12日(土)に開催される。第1回上映は『黒い家』で、内野聖陽、宇多丸、三沢によるトークショーが行われる。第2回は『サウスバウンド』の上映と宇多丸、三沢によるトークショーが実施される。また12月13日(土)には『冬の森田』も予定されている。大阪のシネ・ヌーヴォでは11月15日(土)から11月21日(金)まで上映が行われ、11月16日(日)にはトークイベントも予定されている。名古屋のミッドランドスクエアシネマでは11月29日(土)に上映が行われる予定だ。三沢は、「本年度最大のイベントは満を持して夏から国立映画アーカイブで開催される『映画監督 森田芳光』の展覧会と上映です。日本映画の聖地であるこの地で開催いただくこと、状態の良いフィルムでの上映には特別な意味を感じており、身が引き締まる思いです。展示も森田組キャスト、スタッフの皆さんのご協力を得て、楽しい空間になりそうです。決して派手なものではありませんが、“ご滞在いただく”のに最適な場所にしたいと思います」とコメントしている。<開催情報>展覧会『映画監督 森田芳光』8月12日(火)~11月30日(日) 国立映画アーカイブで開催詳細はこちら:【2025年今後の国内の上映】■新文芸坐『夏の森田』7月12日(土)①13:15『黒い家』トークショー:内野聖陽、ライムスター宇多丸、三沢和子②17:05『サウスバウンド』トークショー:ライムスター宇多丸、三沢和子※『黒い家』は満席『冬の森田』12月13日(土)上映作品は後日公式HPにて告知公式HP:■シネ・ヌーヴォ会期:11月15日(土)~11月21日(金) ※11月16日(日)にトークあり。上映作品は後日公式HPにて告知。公式HP:■ミッドランドスクエアシネマ会期:11月29日(土) ※上映作品は後日公式HPにて告知。公式HP:
2025年07月09日11月7日(金)に公開される三宅唱監督『旅と日々』が、現地時間8月6日(水)からスイス・ロカルノで開催される第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されることが決定した。『旅と日々』は、つげ義春の『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を原作に、シム・ウンギョンを主演、共演に堤真一、河合優実、髙田万作を迎えた作品。脚本家の李(ウンギョン)が旅先でのべん造(堤)との出会いをきっかけに、人生と向き合っていく過程を李本人が綴っていく物語で、ひっそりと身を寄せ合う登場人物たちが、やさしさと愛おしさあふれるまなざしで描かれる。ロカルノ映画祭は1946年に始まり、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界的映画祭のひとつ。近年では、青山真治監督『共喰い』や濱口竜介監督『ハッピーアワー』などがラインナップするなか、三宅監督作品は『Playback』以来13年ぶり2本目の出品となる。本作の公式上映には、三宅監督とウンギョンが参加する予定だ。三宅監督は「ロカルノは私が初めて参加した国際映画祭でした。映画そのものへの親密な敬意が息づくあの空気を思い出すと、今も背筋が伸びます。10年以上を経て、『旅と日々』とともに再訪できる縁を、うれしく、意味深く受けとめています」とロカルノ映画祭への13年ぶりのカムバックに喜びのコメントを寄せた。主演を務めたウンギョンは「三宅唱監督の素晴らしい世界観に参加できたことをとても光栄に思っています。そして、ロカルノ国際映画祭という素敵な舞台で、皆さまに本作をお届けできることに、今から胸が高鳴っています」と期待を膨らませている。映画祭選考委員会からは、「『旅と日々』は、まさに日本映画の最高峰を体現していると思います。哲学的でありながら気取らず、瞑想的でありながら地に足がついている。人生の意味や、私たちが(なぜか)選ぶ道、そして出会いがどのように私たちの存在の一部になっていくのかを静かに見つめている。この映画は、非常に繊細に、本質的な何か、人間の深い部分に触れています」と絶賛のコメントが寄せられている。併せて公開された5点の場面写真には、李が雪景色のなかに佇む様子や、魚沼(佐野史郎)から旅を示唆するかのようにカメラを手渡される姿、そこにリンクするかのように夏の海でカメラを向けられる夏男(髙田)、自然に囲まれ息をのみながら空を見上げる渚(河合)の姿から、どこか浮世離れしたような雰囲気と、そこに息づく何気ない人々の営みが映し出されている。<作品情報>『旅と日々』11月7日(金) 公開公式サイト:『旅と日々』製作委員会
2025年07月08日1970年代の連続企業爆破事件で指名手配されていた桐島聡の軌跡を映画化した『「桐島です」』より、高橋伴明監督のオフィシャルインタビューが公開された。桐島聡は、1975年4月19日に東京・銀座の「韓国産業経済研究所」ビルに爆弾を仕掛け、爆発させた事件に関与したとして、爆発物取締罰則違反の疑いで全国に指名手配。最終的に被疑者死亡のため、不起訴処分となった。この謎に満ちた桐島の軌跡を実写映画化したのは、『夜明けまでバス停で』(2022年)の脚本家・梶原阿貴と高橋伴明監督のコンビ。そして主演の桐島聡役を毎熊克哉が務め、本作では20歳から70歳で亡くなるまでを演じ切った。<高橋伴明監督インタビュー>──2024年1月、桐島聡のニュースを知ったとき、どのように感じましたか?「日本にいたのか」と思いました。彼は海外にうまく逃げているのではないかという予想もあったので、「日本にいたのか」という驚きがまずありました。そして、彼は単に逃げ続けていたのではなく、一般社会に溶け込んで生きていたからこそ、ここまで⻑く逃亡を続けることができたのだろう、とも感じました。それも、小さな町にひっそりと隠れていたわけではなく、神奈川県藤沢市という都市に住み、普通の社会の中で暮らしていた。そんな事実を知り、改めて彼の生き方に関心を持ちました。──それが映画になると思ったのは、いつ頃ですか?事件が報じられたとき、ちょうど別の企画を進めていたのですが、その映画のプロデューサーの小宮亜里さんが「いや、これをやるべきでしょ」と言い出しました。僕自身、過去に連合赤軍事件を題材にした『光の雨』(2001年)を撮った経験もあり、「この話を映画として残すべきだ」と考えました。49年もの間、逃亡し続けたひとりの男の物語には、映画として描くべきテーマがある。そこから、急遽企画が動き始めました。──脚本はどのように作られたのでしょうか?すぐに(『夜明けまでバス停で』でコンビを組んだ)脚本家の梶原阿貴さんに電話しました。すると、彼女が「もうスクラップは作っていますよ」と言ったんです。僕は、事実とフィクションをどう織り交ぜるかを考えていたので、「嘘の部分は俺が責任を取るから、事実の部分を5日でまとめてくれ」とお願いしました。2月の初めには作業が始まり、本当に5日で第1稿が完成しました。僕自身も「こういう話にしたい」という下地を作っていたので、それと梶原さんの脚本にコメントを書き加えながら進めていきました。──フィクションとして描きたかったのはどんな部分ですか?それは、桐島の⻘春時代です。彼は単なるイデオロギーの信奉者ではなく、もっと普通の若者だったのではないかと思うんです。もし彼が純粋に思想だけで突っ走っていたなら、もっと早く捕まっていたのではないか。彼には、革命家としての一面とは別に、ごく普通の⻘年としての側面もあったはずです。だからこそ、⻘春や恋愛の部分を描くことで、「逃亡者」ではなく「ひとりの人間」としての桐島聡を表現したかった。──毎熊克哉さんの演技について、どのように評価されていますか?毎熊さんは映画をよく理解している俳優で、細かく説明しなくても、こちらの意図をすぐに察してくれる。彼はもともと監督志望だったこともあって、現場の流れや演出意図を深く理解してくれるんです。演技にも深みがあり、表情ひとつで内面の葛藤が伝わってくる。その内面的な演技力が、この映画には欠かせなかったですね。撮影を進めるうちに、「この役を彼にやってもらえて良かった」と何度も思いました。──映画で描きたかったものは何でしょうか?この映画は「単なる逃亡の物語ではない」ということです。桐島聡が49年間逃げ続けたのは、ただの逃亡生活ではなく、彼の中に人間的な優しさがあったからではないかと考えています。彼は、弱い立場の人に寄り添うことができる人間だった。毎熊さんの所属事務所のアルファーエージェンシー社⻑、万代博実さん(2025年2月11日逝去、享年74)が「これは⻘春映画だ」と言ってくれたのがうれしかった。単なる社会派の映画でもなく、政治運動の映画でもなく、ひとりの人間の⻘春の軌跡を描いたつもりです。<作品情報>『「桐島です」』7月4日(金)公開公式サイト:北の丸プロダクション
2025年07月01日「映画を通じて差別をなくしていきたい」と語る君塚さん(撮影:高野広美)【前編】25年ぶりに新作が公開映画監督・君塚匠「55歳で僕もADHDと診断。生きづらさの理由がわかった」から続く6月21日より、映画『星より静かに』が公開されている。ADHDなどをもつ、生きづらさを抱える人をフィクションとドキュメンタリーを交えて描いた異色の作品だ。監督を務めるのは映画監督の君塚匠さん(60)。26歳で、『喪の仕事』(永瀬正敏主演、1991年)で商業映画デビュー。その後も数々の映画を撮ってきたが、『星より静かに』は25年ぶりの監督作品となる。50代で自身もADHDと診断された君塚さん。映画への思いを聞いた。■ADHDや発達障害への差別をなくしたい「ちょっと待ってください、メモしたのがありますから……」なぜ25年ぶりの監督復帰を思い立ったのですか?と聞くと君塚さんは手帳をめくり出した。書き殴ったようなメモ書きが、理路整然と判読できるらしい。「うん、うん……。簡単に言うと、差別に遭ったんです」2020年、自身も通っていたことのある「就労移行支援事業所・にじ鶴見」に集う人々を追うドキュメンタリー番組の企画を練った。「ほぼ採用」の段階で、プロデューサーに企画意図を確かめられ、自身にADHDがあり、にじ鶴見に通っていると話した。「すると『僕が撮る(監督する)』企画が、『にじ鶴見の人々を撮る僕をほかの監督が撮る』企画にすり替わりました。僕は『それは受けられない』と思った。僕はあくまで監督で出演者ではないんです」プロデューサーにそう伝えると、「ADHDの人には監督を任せられません」と回答がきたそうだ。「危なっかしくてとても仕事を与えられないという意味です。ほかにも10カ所くらいプレゼンしましたが、すべて不採用でした。テレビドキュメンタリーでは引き受け手がない=自分で作るしかない。そして『自分で作るなら、映画しかない』と思ったんです」旧知の俳優・蜂丸明日香さん(41)と、内浦純一さん(50)に理解を得て、映画製作のクラウドファンディングが始まり、200万円ほど集まった。そして信頼を寄せる森重晃プロデューサーに協力を仰ぎ、クランクインを迎えることとなった。「森重さんは僕より年配ですが、ADHDの特性を理解してくれました。そして『撮影スタッフは、君塚監督が集め、監督自身も出演すること』を注文されました」これによって、登場人物が実名で登場するドキュメンタリー部分と、フィクションであるドラマが連動して展開する君塚オリジナルの世界観が実現したのである。さらに次の“事件”もエピソードとして取り入れることにした。「ある制作会社のプロデューサーたちとやり取りするなかで、彼らが僕を陰で『クレイジー』と呼んでいたことが、誤送信されてきたメールでわかりました。僕は、彼らがADHDを理解して仲よくしてくれているとばかり思っていた。そんな彼ら同士では、僕を『あのクレイジーが……』とメールで呼んでいたんです」驚きと怒りが込み上げた。だが信じていたことを裏切られたのが「なにより悲しかった」という。「僕はADHDや発達障害への理解を深め、差別をなくしたかった。一方、発達障害がなくても、生きづらさを抱えた人はたくさんいる。そんなすべての人に、映画を通じてカミングアウトして伝えるのが、僕の使命だと、決意しました」ADHDを自覚し、打ち明けたことで、人生が動き出した。どうして仕事が勢いづけば、私生活も一気に展開するようだ。「監督は、夜中にムクッとベッドを起き出して、アイスやお菓子を無我夢中に食べ続けます。私が朝起きると、空箱が散らばっていて。こんな妖怪みたいな夫と私はいま暮らしているんですよ!」目を細めて話すのは君塚さんの“新妻”茂木千鶴香さん(50)だ。書道家・水墨画家として活躍する千鶴香さんと君塚さんの初対面は2024年10月、書道や水墨画などのライブパフォーマンス「墨博」が行われた浅草公会堂でのこと。それまでもメールやSNSで知り合いだったが「グイグイ来られ始めた時期だった」と千鶴香さん。「電話番号を交換して以来、電話が頻繁に来るようになって『僕、ADHDなんだ』と言われました。そして『墨博』の朝、『今日、行きます!』とメールが入ったんです」千鶴香さんは埼玉県済生会鴻巣病院の精神科デイケアで作業療法としての書道を教えており、発達障害のある人にも接していた。「だから抵抗はなかった。というより、そのときの私には、監督のようなグイグイという押しが必要だったのかもしれません」じつは千鶴香さんは、君塚さんと初対面する約4カ月前の昨年6月、前夫を56歳の若さで胆管がんで亡くしたばかりだったのだ。それほどの喪失感と深い悲しみにいた千鶴香さんを見舞ったのが、君塚さんの“鬼電”と“鬼メール”。「あなたを前向きにサポートしたい」「お互いに向上したい」「2人で動き出そう、前進しよう」……。とめどなくメッセージが届く。千鶴香さんが振り返る。「ふつう夫を失ったばかりの女性に、何度もメールしたり電話するのは、わきまえた大人だったら、絶対にしないと思います。でも監督は自分の気持ちに純粋で、本音と建前を使い分けるのが苦手。その熱意に、しっかり心の隙間を埋められてしまった」2024年11月29日、君塚さんの還暦祝いと、映画『星より静かに』の完成祝いを兼ねたパーティで、彼は「僕の好きな人で婚約者。いずれ結婚します」と出席者に紹介。今年に入って鶴見区と、千鶴香さんのアトリエがある埼玉県深谷市をお互い行き来する二拠点生活を始め、事実婚の夫婦となった。「深谷で仕事していても、監督は朝っぱらから電話をしてくるので、いまはオンライン通話状態にして仕事を進めています……っていうか、進まないんですけどね」ただ、一緒に暮らしてみて彼の努力もわかるようになった。「毎日、向こう1カ月分の予定を確認しているんです。そして明日の予定や約束を手帳やメモ用紙に書き出す。それには感心します」君塚さんに「どうしてそこまで、千鶴香さんに執心したのか?」と問うと、照れたのか、急にアーティスティックに寄せてきた。「ジョン・レノンはオノ・ヨーコの心と才能を見た。僕も、茂木の水墨画を評価したし、彼女は波乱の半生をくぐり抜けてきた、大人の女性でもある。僕の、いちばん大きな“依存先”なんです」■「クセツヨだけどいい」「愛おしい存在」「じゃあ、出席を取ります!」壇上の君塚さんが点呼しようとすると、前列の男子学生が「先生、まだ休み時間です!」「あ、そうか」と君塚さんが苦笑いでメガネを外し、腕時計を覗く。東京服飾専門学校(豊島区)で彼は週2回、モデルやファッションデザイナーを目指す学生たちを相手に映像分野の講師を務める。2023年度から依頼している経緯を、同校の野間憲治理事長が語る。「君塚先生のADHDは、ひとつの個性です。学生には個性をパワーとして発揮できるコに育ってほしい。だから、君塚先生のエネルギー源である情熱と集中力を、学び取ってほしいんです」学生たちの君塚“先生”評は……。「ちょっとクセツヨだけど、その道のプロって感じでいい」「すごい作品を撮った先生がゆっくりていねいに教えてくれる」次世代とのコミュニケーションは、なかなか上々のようである。姉・柳瀬清美さん(63)は「千鶴香ちゃんが来てくれた」ことが安心材料だ。「何十年と、凍ってた時代があるから、弟にはそれを、これからの人生で取り戻してほしいんです」千鶴香さんも、「お義姉ちゃんは、いまがいちばんうれしいと思う」と目下飛躍中の夫に目を細める。「試写会で初めて『監督夫人です』とゲストの方に紹介されました。監督の才能も含めて、ぜんぶ好き。愛くるしい、愛おしい存在です」妻がノロケれば、姉は弟に腕をまわす。2人の女性に囲まれて、君塚さんは決まりが悪そうだ。「この画、映り大丈夫ですかね?読者にヘンに思われないですか?」どうにもカメラフレームの中身が、気になって仕方ないようだ。興味の先に純真で、まっしぐら。周りに合わせようとすればぎこちなくなるけれど、それもご愛嬌で、大きな魅力だったりする。君塚匠監督が、いま再び脚光を浴びるゆえんである。(取材・文:鈴木利宗)
2025年06月29日映画監督の栗山富夫さんが、2025年6月18日に亡くなりました。84歳でした。松竹株式会社(以下、松竹)によると、栗山さんは悪性リンパ腫のため息を引き取ったとのこと。葬儀は家族葬で執り行われるそうです。栗山さんは、松竹への入社後、1983年に映画『いとしのラハイナ』で監督としてデビュー。1985年に映画『祝辞』で芸術選奨新人賞を受賞しています。ほかにも、映画『釣りバカ日誌』シリーズの1作目から計11作品を手掛けたほか、『ホーム・スイートホーム』や『ふうけもん』などを世に送り出しました。訃報に対し、ネットでは栗山さんの作品に親しんできた人から、悲しみの声が多数上がっています。・日本映画界の大きな功労者を失ってしまった。とても悲しいです。・『釣りバカ日誌』が大好きでした。家族とたくさん笑ったのを覚えています。・本当に今までお疲れ様でした。面白い作品を世に届けてくれてありがとう。栗山さんの功績と作品は、これからも多くの人の心に残り続けることでしょう。ご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2025年06月21日演出家・宮本亞門30年ぶりの映画監督作『生きがい IKIGAI』の場面写真が一挙公開された。甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という災害に再び見舞われた能登。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がける宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加し、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。本作は、宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせ製作したショートフィルムで、『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:手塚旬子)とともに『生きがい/能登の声』として併映される。土砂災害の被災現場で、崩壊した家の下から救出された主人公・元教師で「黒⻤」と呼ばれる信三(鹿賀丈史)。心配する周囲の声も聞こうとせず、助け出された泥だらけの姿で信三はその場から去ってしまう。公開された場面写真では、救出されたばかりで全身泥だらけの鋭い眼光が光る信三の姿や、信三の唯一の理解者であり、今は亡き妻である美智子(常盤貴子)の姿が。また、避難所に馴染めず倒壊した自宅の一角で暮らす信三の元に訪れたボランティアの⻘年(小林⻁之介)や信三の甥・尚史(津田寛治)、ボランティアセンターの上田(根岸季衣)など、心を閉ざした信三に寄りそう周囲の人物も捉えられている。さらに、救いの手を跳ね除けていた信三が⻘年と向かい合って何かを話す姿など、厳しい現状の中で、それぞれが事情を抱えながらも支え合って生きていく様子が伝わる場面写真となっている。<作品情報>『生きがい IKIGAI』(上映時間:28分)6月20日(金) 石川県先行公開7月11日(金) 全国順次公開同時上映:ドキュメンタリー『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:手塚旬子/上映時間:38分)公式サイト:「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ
2025年06月17日マテル社の人形モンスター・ハイの映画化作品の監督に、『M3GAN/ミーガン』のジェラード・ジョンストーンが決まった。彼の最近作は今月下旬北米公開となる『M3GAN/ミーガン 2.0』で、3本続けて人形がテーマの映画を手がけることになる。製作、配給は『M3GAN』シリーズ同様、ユニバーサル。マテル社のおもちゃを映画化する作品は、この後にも2本控えている。ひとつは来年6月公開予定の『Masters of the Universe』。出演はイドリス・エルバ、アリソン・ブリーら。もうひとつは来年秋公開予定の『Matchbox』。文=猿渡由紀
2025年06月05日ゲーム『スピリット・フィクション』の映画化作品の監督を、『ウィキッド』のジョン・M・チュウが手がけることになりそうだ。主演のひとりをシドニー・スウィーニーが演じる。主人公はふたりで、もうひとりを誰が演じるのかは現在のところ不明。製作はアマゾンMGMスタジオ。脚本は『デッドプール&ウルヴァリン』のポール・ワーニックとレット・リースが書き下ろした。チュウは『ウィキッド』で放送映画批評家協会賞の監督賞を受賞。二部作の後編は、今年11月に公開される。スウィーニーの次回作は、今月Apple TV+で配信される映画『エコ・バレー』。共演はジュリアン・ムーア。文=猿渡由紀
2025年06月03日ホラー映画『罪人たち』が、2025年6月20日(金)に劇場公開される。『ブラックパンサー』ライアン・クーグラー監督の新作映画『罪人たち』は、『ブラックパンサー』を手掛けたライアン・クーグラーが監督・脚本・製作を務め、怒涛のノンストップ・サバイバルを描くホラー作品だ。舞台は1930年代、信仰深いアメリカ南部の田舎町。一攫千金を夢見る双子の兄弟がオープンしたダンスホールが、その当日に“招かれざる客”の来訪により一夜にして絶望に覆われる様を描く。人生最高の夜が一転、“人生最後の夜”へと転落してしまうのか?怒涛の狂乱の中で、兄弟は夜明けまで生き残ることができるのか?マイケル・B・ジョーダンが1人2役で双子役に物語の主人公である双子の兄弟、スモークとスタックは、マイケル・B・ジョーダンが1人2役で演じる。マイケル・B・ジョーダンによると、兄の「スモークは重荷を抱えたような口数の少ない男」であり、弟の「スタックは軽快な男で、つらい時でも笑顔で動き回っている」人物だという。『ブラックパンサー』や「ロッキー」シリーズの新章となった『クリード チャンプを継ぐ男』など、ライアン・クーグラーが手掛けてきたすべての作品に出演するマイケル・B・ジョーダンが、本作ではどのような活躍を見せるのか、注目だ。『ブラックパンサー』製作陣が再集結また、美術デザイナーのハンナ・ビーチラーをはじめ、作曲家ルドウィグ・ゴランソン、衣装デザイナーのルース・E・カーターなど、『ブラックパンサー』でオスカー受賞を遂げた製作陣が再び集結。さらに、IMAX70mmフィルムカメラとウルトラ・パナビジョンカメラを組み合わせて撮影を行い、ユニークな画面構成に仕上げるなど、観客を恐怖へと引き込むような没入感あふれる映像世界を生み出している。映画『罪人たち』あらすじ双子の兄弟スモークとスタックは、一攫千金の夢を賭けて、当時禁じられていた酒や音楽をふるまうダンスホールを計画する。オープン初日の夜、多くが宴に熱狂する中、招かざる者たちの来客で事態は一変。歓喜は絶望にのみ込まれ、人知を超えた者たちの狂乱が幕を開ける。果たして、夜明けまで、生き残ることが出来るのか。【詳細】映画『罪人たち』公開日:2025年6月20日(金)出演:マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル、ウンミ・モサク、ジェイミー・ローソン、オマー・ベンソン・ミラー、デルロイ・リンドー監督・脚本:ライアン・クーグラー製作:ライアン・クーグラー原題:Sinners映倫:PG12■上映劇場一覧 ※5月21日(水)時点〈北海道〉 ローソン・ユナイテッドシネマ札幌〈埼玉〉 T・ジョイ エミテラス所沢〈千葉〉 T・ジョイ蘇我〈東京〉 新宿バルト9、TOHO シネマズ シャンテ、渋谷シネクイント、渋谷WHITE CINE QUINTO、グランドシネマサンシャイン 池袋、T・ジョイPRINCE 品川、ユナイテッド・シネマとしまえん、立川シネマシティ、109シネマズグランベリーパーク〈神奈川〉横浜ブルク13、109シネマズ川崎、109シネマズゆめが丘〈新潟〉T・ジョイ⾧岡〈石川〉ユナイテッド・シネマ金沢〈愛知〉ミッドランドスクエア シネマ、109シネマズ名古屋、ユナイテッド・シネマ豊橋18〈京都〉T・ジョイ京都〈大阪〉T・ジョイ梅田、109シネマズ大阪エキスポシティ〈兵庫〉シネ・リーブル神戸〈広島〉広島バルト11〈福岡〉T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13〈鹿児島〉鹿児島ミッテ10〈沖縄〉ミハマ7プレックス、シネマQ
2025年05月24日第78回カンヌ国際映画祭のフォトコール(プレス向け撮影会)に、『恋愛裁判』で映画初主演を務める齊藤京子と深田晃司監督が登場した。『恋愛裁判』は、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門にて審査員賞を受賞し、前作『LOVE LIFE』で第79回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出された深田監督の最新作。日本のアイドル界でまことしやかにささやかれる「恋愛禁止ルール」。契約書に記載されたこのルールに反する行動をしたとして所属事務所から契約違反と訴えられ、裁判へと発展したひとりの女性アイドルの姿を描く。本作が第78回カンヌ国際映画祭において、「コンペティション枠に収まらない良作」を集める部門であるカンヌ・プレミア部門に正式出品されたことに伴い、多数の海外メディアが集結するフォトコールに齊藤と深田監督が登場。「キョウコ!」「コウジ!」と海外メディアからの呼びかけに応じながら、カンヌの海を背に満面の笑みを見せた。撮影中の呼びかけの声の大きさもさることながら、世界中から集結した腕利きのカメラマンから「サイコー!」の声も上がる盛り上がりとなり、撮影終了後にはフォトコールでは異例の拍手喝采が沸き上がった。(C)Kazuko Wakayama(C)Kazuko Wakayama(C)Kazuko Wakayamaそして、現地時間5月22日19時15分からはワールドプレミアとなる公式上映を実施。公式上映、そしてレッドカーペットアライバルを直前に控え、齊藤は「一生に一度あるかないか、夢にも思っていなかったことなので、ここに来られたことへの感謝を噛みしめながらレッドカーペットを歩きたいと思います」と意気込む。また深田監督は、「お客様にどのように受け入れられるか楽しみ」と語り、「カンヌ国際映画祭に訪れる皆様に齊藤京子さんを紹介できる、こんなにすごい俳優さんがいるのだと知らしめられることが一番の楽しみです」とコメントした。『恋愛裁判』は、今冬の公開を予定している。■齊藤京子 コメント全文海外に来たのは人生で3回目、初めてのヨーロッパで貴重な経験をさせていただいています。アイドルの恋愛を描いた本作に、覚悟をもってオーディションを受け、撮影に臨みました。深田監督とカンヌ国際映画祭に来られたことは私の人生において大切な思い出になるかと思います。一生に一度あるかないか、夢にも思っていなかったことなので、ここに来られたことへの感謝を噛みしめながらレッドカーペットを歩きたいと思います。■深田晃司監督 コメント全文今回3回目のカンヌ国際映画祭に正式出品となり、とてもありがたいことだと思っています。2020年の『本気のしるし』は、オフィシャルセレクションに選ばれていたものの、コロナで完全に映画祭が中止になってしまいました。そのため、作品と共にカンヌに来るのは2016年以来になるので、そういった意味では感慨深いなと思っています。そして、日本のアイドル文化を題材にした本作が海外でどのように受け止められるか、カンヌのお客様の反応が楽しみです。齊藤京子さんは演技に対して真摯に向き合ってくださる方で、トップアイドルとしての存在感はもちろん、目力の強さが素晴らしく、齊藤さんのおかげで、本作は成立しました。カンヌ国際映画祭に訪れる皆様に齊藤京子さんを紹介できる、こんなにすごい俳優さんがいるのだと知らしめられることが一番の楽しみです。<作品情報>『恋愛裁判』今冬公開公式サイト:「恋愛裁判」製作委員会
2025年05月22日映画監督の福田雄一が自身のXを更新した。【画像】福田雄一監督、ジャニーズ俳優の活躍を絶賛!「かなり詳しくなってますよ」「いやあ、今日も素晴らしい撮影が出来た 実は今回、青春時代を共に過ごした方に出演して頂いていて、その方が今日、クランクアップだったんだけど、アップのプレゼント渡す時に、うっかり泣きそうになった さすがにキャストスタッフの前で泣くのも恥ずかしいから誤魔化して抱きつきましたけど」などと綴り、2枚の写真をアップした。昔の仲間と素敵な時間を過ごすことができたようだ。また、撮影後はロケ地の近所でサムギョプサルとプデチゲを食べ、ロケ地を満喫したようだ。いやあ、今日も素晴らしい撮影が出来た実は今回、青春時代を共に過ごした方に出演して頂いていて、その方が今日、クランクアップだったんだけど、アップのプレゼント渡す時に、うっかり泣きそうになったさすがにキャストスタッフの前で泣くのも恥ずかしいから誤魔化して抱きつきましたけどなんか… pic.twitter.com/BWG1zKJrvv — 福田 雄一 (@fukuda_u1) May 17, 2025 この投稿にファンからは「良かったですねぇ」、「お疲れ様でした」などのコメントが寄せられた。
2025年05月18日現在撮影中のクリストファー・ノーラン監督による最新作『The Odyssey(原題)』が、映画史上初の「全編をIMAXカメラで撮影した作品」となることが明らかになった。IMAXコーポレーションのCEOリッチ・ゲルフォンドが、カンヌ国際映画祭で開催されたプレス会見の場で明言したと「The Hollywood Reporter」が報じている。リッチ・ゲルフォンドによれば、約1年前、クリストファー・ノーランから「『The Odyssey』の全編をIMAXカメラで撮りたい」という相談の電話があったという。しかし、同氏は「それが(いままで)実現できなかったのには理由がある」と当初は難色を示した。IMAXカメラでの撮影は、頻繁にフィルムの再装填が必要、カメラの動作音が大きい、撮影した素材の確認に時間がかかるといった問題があり、映画全編の撮影には向いていないとされていた。しかし、クリストファー・ノーラン監督は諦めず、「チャレンジしてみてくれないか。(これらの)問題を解決できたら、私はIMAXカメラを使って『The Odyssey』を100%フィルムで撮る」と同氏に伝えたそうだ。挑戦を受けたIMAX側は実際に問題を解決し、監督の構想が実現することとなった。『The Odyssey』は2026年7月17日に世界同時公開予定。(賀来比呂美)
2025年05月16日イ・ジェフン、ク・ギョファン、ホン・サビン、ソン・ガンらが共演、命がけの脱北を描く映画『脱走』からイ・ジェフン、ク・ギョファン、イ・ジョンピル監督の来日が決定。併せてインターナショナル予告も到着した。止まったら、即死亡。タイムリミット2日間の脱北へのカウントダウンを描く本作。今回来日が決まった俳優イ・ジェフンは、2024年11月に行ったファンミーティング以来の来日となる。2025年は韓国ドラマ「交渉の技術」での“白髪の交渉人”役がハマり、視聴率を伸ばして本国で大ヒットを記録している。また、ヒットが確実視される新ドラマ「シグナル2」の放映が予定され、さらに「復讐代行人~模範タクシー~」シーズン3の撮影が始まるなど、第一線を走る俳優の発言には注目が集まるはず。イ・ジェフンから来日決定について、「昨年11月以来、久々に皆さんにご挨拶することになります。遠くからもいつも僕の活動を見守って応援してくださってありがとうございます。もうすぐお会いしてその感謝の気持ちを直接お届けできたらと思っています。とてもドキドキしています。早く会いたいです!」とのコメントも到着。イ・ジェフン演じる主人公ギュナムの敵役ヒョンサン役を演じるク・ギョファンは、映画とドラマの両方面で活躍し、並外れた演技力と個性的なオーラで、多数の映画賞での受賞を果たすなど、韓国でいま最も注目されている俳優のひとり。また自ら映画監督として映画制作を行うなど、多彩な才能も発揮している。ク・ギョファンからは、「映画『脱走』のプロモーションで、日本に行けることが決まり、本当ワクワクしております。観客の皆様に会うために、映画を制作している部分が大きいです。日本の観客の皆様に、早く会いたいです!そして映画の感想を、直接教えてくれると嬉しいです!!」とコメントが届いた。2人は本作のイ・ジョンピル監督と共に、6月17日(火)に1日3回の舞台挨拶に立ち、プロモーション活動を行う。日本最速上映のジャパンプレミア、スペシャルイベント、舞台挨拶を実施する予定だ。◆来日決定記念、インターナショナル予告到着インターナショナル予告編は、日本版の予告編より30秒長い内容となり、命がけの脱北計画を深掘り。脱北計画を企てるギュナムに向けて、上官であり幼なじみのヒョンサンが「お前は脱走するタマじゃない。運命を受け入れる術を知っている。だからお前はかわいい」といった発言から幕を開ける。部下の下級兵士ドンヒョクには、脱北計画が見破られてしまい、まさかの同行脱北を要求されてしまう。彼らを捕まえるために、軍部を上げて一致団結するシーンは観る者を圧倒させるはずだ。脱走兵となったギュナムとドンヒョクが、暗闇の森林を駆け抜けながらも軍兵士から発砲されたり、車が大破するほどのカーアクションに挑戦するなど、命がけのピンチに直面していく姿も。未来の展望が見えない絶望の中で、自由を求めて命懸けで走るギュナムとドンヒョクは、血も涙もないヒョンサン率いる軍勢をくぐり抜けて、脱北することができるのか。日本版予告とは違った視点で描かれる、“90分ノンストップの緊迫感”が感じることができる予告編となった。◆映画前売券付きブロマイドの販売決定!イ・ジェフン、ク・ギョファン、ホン・サビン、ソン・ガンのブロマイドが付いた映画前売券を、5月16日(金)正午より販売決定。ブロマイドは全8種類(人物:4種選択/絵柄:2種ランダム)で、販売価格は、一般1,800円(映画前売り券:1,600円、ブロマイド:200円の合計・税込)。『脱走』は6月20日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:脱走 2025年6月20日より新宿ピカデリーほか全国にて公開
2025年05月15日ウェス・アンダーソンの監督映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』が、2025年9月19日(金)より全国公開される。富豪が次々と事件に巻き込まれるブラックコメディ映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は、『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』『アステロイド・シティ』など、カラフルで個性的な映像世界を紡ぐウェス・アンダーソンの新作ブラックコメディ。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『ダージリン急行』につながる、“家族の再生と絆”の物語だ。タイトルにある「フェニキア」とは、劇中に登場する、独立した複数の都市国家からなる架空の大独立国。ヨーロッパの大富豪で主人公のザ・ザ・コルダは、フェニキア全域におよぶ陸海三つのインフラを整備するという大プロジェクト“フェニキア計画”を画策しており、うまくいけば今後150年間にわたって毎年利益が入ってくるという。しかし、とある妨害によって赤字が拡大。財政難に陥り、30年かけて練り上げた計画が脅かされることに。ザ・ザは資金調達のため、ビジネスパートナーたちに会いに、疎遠になっていた娘で後継人のリーズルとともにフェニキア全土を横断する旅に出るのだが、自身の暗殺計画を含む様々な事件に巻き込まれていき……。ベニチオ・デル・トロ主演主演は、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』にも出演したベニチオ・デル・トロ。ケイト・ウィンスレットの娘で俳優のミア・スレアプレトンが修道女のリーゼル役を演じるほか、『バービー』でアランを演じたマイケル・セラや、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』のリズ・アーメッドなど、ウェス・アンダーソン作品初参戦のキャストも名を連ねる。トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソンら常連キャストも加えて、トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソンらウェス作品常連俳優も登場。物語後半では、ベネディクト・カンバーバッチ演じるアンクル・ヌバーとザ・ザ・コルダの決死のバトルも繰り広げられるなど、一瞬たりとも見逃せない作品になっている。なお、映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』は、第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品される。【作品詳細】映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』公開日:2025年9月19日(金)監督・脚本:ウェス・アンダーソン原案:ウェス・アンダーソン、ローマン・コッポラ出演:ベニチオ・デル・トロ、ミア・スレアプレトン、マイケル・セラ、リズ・アーメッド、トム・ハンクス、ブライアン・クランストン、マチュー・アマルリック、リチャード・アイオアディ、ジェフリー・ライト、スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチ、ルパート・フレンド、ホープ・デイビス製作:ウェス・アンダーソン、スティーブン・レイルズ、ジェレミー・ドーソン、ジョン・ピート製作総指揮:ヘニング・モルフェンター原題:The Phoenician Scheme配給:PARCO ユニバーサル映画
2025年05月10日カンヌ国際映画祭審査員賞をはじめ、世界各国の映画祭を席巻した鬼才グザヴィエ・ドラン監督の傑作『Mommy/マミー』(配給:株式会社ピクチャーズデプト)が、公開から10周年を迎え、新宿・名古屋・大阪の3都市でリバイバル上映中です。この3館でのヒットを記念し、感謝の気持ちを込めたスペシャルプレゼントキャンペーンの実施が決定しました。SNSでキャンペーンにご参加いただいた方の中から抽選で合計5名様に、映画関連の貴重なグッズをプレゼントいたします。【プレゼント内容】グザヴィエ・ドラン監督直筆サイン入り・2015年公開版1:1チラシ(1名様)2015年公開時劇場用パンフレット(完売品)&プレス資料(非売品)(各1名様)グザヴィエ・ドラン初監督作『マイ・マザー』マスコミ用プレス資料(非売品)(1名様)2016年発売・完売品|スペシャルパッケージ初回限定盤DVD&Blu-ray(1名様)Mommy/マミー 完全数量限定豪華版 [Blu-ray] 1グザヴィエ・ドラン監督直筆サイン入り正方形チラシ2015年版2015年公開時劇場パンフレット(完売)とプレス(非売品)デビュー作『マイ・マザー』プレス(非売品)【応募方法】以下のどちらかのテーマで、お気に入りのSNS(X、Instagram、Facebook、noteなど)に投稿してください。(1) 以前観たときと今。『Mommy/マミー』を観て変化を感じた自分について。(2) 今回観て感じたこと、言葉にしたい感情について。【SNS投稿ルール】投稿には、Mommy/マミー公式アカウントを必ずタグ付け(X、Instagram、FacebookいずれもOK)以下のハッシュタグをすべて使用(Xは一部でもOK):#mommy10thAnniversary#グザヴィエドラン#ピクデププレゼント企画#絶賛上映中#わたしのイチオシ映画#わたしの推し監督【詳細はこちら】応募方法・詳細は公式noteをご覧ください: 首都圏での異例のヒットを受け、九州での公開も決定しました。【全国その他の上映スケジュール】5月8日決定分5月23日(金)~ 福岡・KBCシネマ 6月6日(金)~ 熊本・Denkikan 6月14日(土)~ 鹿児島・ガーデンズシネマ 6月27日(金)~ 佐賀・シアター・シエマ *詳細は各劇場のHPでご確認ください【INTRODUCTION&STORY】2015年の日本公開時、多くの映画ファンの心を揺さぶった『Mommy/マミー』が、10年の時を経てスクリーンに帰ってきます。現在では当たり前となったあの独特の1:1スクエアアスペクト比で描かれる、母と息子の愛と葛藤の物語は、今でも何ひとつ色褪せることなく、観る者の心を締めつけます。本作は、グザヴィエ・ドラン監督の名を世界に知らしめた代表作の一つ。シングルマザーのダイと衝動的な息子スティーヴ、そして彼らを見守る隣人カイラの3人が織りなす親密な人間関係。絶妙な距離感でそれぞれの心の奥深くに潜む愛を描く究極のヒューマンドラマ。家族の在り方や愛の形について深く深く考えさせられるグザヴィエ・ドラン監督の真骨頂とも言える傑作で、まさに「こころの永久保存版」、いまこそ観るべき映画のひとつです。ファンの熱い要望で実現した今回のリバイバル上映では、劇場の大スクリーンならではの迫力ある映像と音響で、あの「ぐわーっと心が広がっていく感動」をもういちど体験していただけます。『Mommy/マミー』の痛くも愛おしい世界観にグッと心を掴まれてしまった映画ファンにはお馴染みの「あの!」シーンが映画館の大スクリーンに再登場するという見逃せない機会となっております。まだ観たことない映画ファンにとっても映画を語る上で決して外せない必見の「歴史的」なドラン流スクリーン術を目の当たりにしていただけます。この機会に、ぜひスクリーンで『Mommy/マミー』の世界を再体験してくださいMommy/マミー 10th Anniversary ポスターヴィジュアル【作品情報】『Mommy/マミー』監督・脚本:グザヴィエ・ドラン出演 :アンヌ・ドルヴァル、アントワン=オリヴィエ・ピロン、スザンヌ・クレマン受賞歴 :2014年カンヌ国際映画祭審査員賞ほか国際映画祭受賞総なめの歴史的傑作【劇場公開情報】2025年5月15日(木)まで下記劇場にて絶賛上映中新宿ピカデリー/名古屋・ミッドランドスクエア シネマ/大阪・なんばパークスシネマ【パブリシティ情報】『Mommy/マミー』10周年記念note: 映画公式サイト : 公式Instagram : @XDolanjp公式X : @XDolanJP公式LINE : @pictures_dept予告編 : Mommy-sub1Mommy-sub2※契約の都合上、写真を掲載の際は以下の(C)を必ず記載くださいPhoto credit : Shayne Laverdiere / (C) 2014 une filiale de Metafilms inc. 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2025年05月09日6月13日(金) に公開される映画『リライト』より、松居大悟監督による製作秘話と新たな場面写真が公開された。本作は、“史上最悪のパラドックス”として話題となった法条遥原作の『リライト』(ハヤカワ文庫)を、松居監督とヨーロッパ企画の上田誠がタッグを組み映画化。『時をかける少女』へのオマージュを込めてオール尾道ロケを行い、時をかける“タイムリープ”作品の中に、瑞々しい高校時代の青春と、謎を散りばめたミステリを織り交ぜた。大林宣彦監督の『時をかける少女』をはじめとする“尾道三部作”や、小津安二郎監督の名作『東京物語』の舞台として知られる広島は、多くの映画人に愛されてきた“日本映画のふるさと”とも言われ、数々の物語を紡ぎ出してきた特別な場所だ。『リライト』を尾道で撮影したことについて松居監督は、「大先輩にあたる大林監督が『時をかける少女』を尾道で撮られていて、『リライト』の原作の舞台とは異なるものの、同じ“時間”をテーマに扱った作品として、尾道で撮影することに、大きな意味を感じました」と語り、大林監督の『時をかける少女』へのリスペクトがこめられていることを明かした。尾道の街並みに対しても、特別な思いを抱いており、「どこをカメラで捉えても絵になり、時間が止まっているような原風景を感じます。そんな土地で未来人との交流を描くというのが面白いですよね」と語る。また、“観光地としての尾道”ではなく、ここに住む人にとっての景色、“日常の尾道”を撮りたいという思いがあったという。「日本のどこにもない穏やかな風が吹いていて、優しい景色というか、ノスタルジーを感じるんです。尾道で撮ることができて本当によかったと思います」と、尾道での撮影を振り返る。さらに、ロケ地に尾道を選んだ背景には、開発が進む現代への違和感もあったという。「日本各地で元の風景が失われ、合理的になっていく中で、300年後の未来から現代にやってきた保彦が感じた、温かさや匂いを感じられる場所で本作を撮ることに意味がある」とコメントしている。なお本作では、大林監督の尾道三部作の『転校生』の主演である尾美としのりが、池田エライザ演じる主人公・美雪の高校時代の担任・細田先生役で出演。また新・尾道三部作の『ふたり』のヒロインである石田ひかりが美雪の母・和美役を演じるなど、尾道にゆかりの深い俳優をキャスティング。そんなキャストとともに、映画人に長く愛されてきた、静かで美しい尾道の景色にも注目してみてはいかがだろうか。<作品情報>『リライト』6月13日(金) 公開公式サイト:『リライト』製作委員会
2025年04月29日吉本ばなな著、奈良美智が絵を手掛けた「ひな菊の人生」を、湯浅政明監督が劇場アニメーション化。2026年の全国公開に先駆け、仏アヌシー国際アニメーション映画祭「Work in Progress」部門にも選出された。本作は、30か国以上で翻訳・出版され、著者累計700万部を超えるベストセラー作家・吉本ばなな小説初のアニメ化。1998年11月号から2000年1月号まで月刊誌「CUT」で連載され、吉本ばななによる小説を読んで喚起されたイメージを奈良美智が描き、またその絵の力をイメージしながら吉本ばななが書く…そんな魂の交信から生まれた物語。映画化するのは、『夜明け告げるルーのうた』や「ピンポン THE ANIMATION」「映像研には手を出すな!」などを手掛け、『犬王』で第80回ゴールデングローブ賞にもノミネートされた湯浅政明監督。2025年2月に設立した自身のスタジオ「ame pippin」の第1作目として、ファンタジックなイメージとともに新しい映像体験に挑む。脚本には『散歩する侵略者』『寝ても覚めても』など、黒沢清監督や濱口竜介監督といった日本の名だたる実写映画の作品で活躍する田中幸子。本作が初のアニメーション脚本となる。幼少期のキャラクターは、世界の主要美術館に所蔵され、アジアでも絶大な人気を誇る奈良美智の原作挿画をもとに制作。それぞれの創作の力が響き合う奇跡のコラボレーションが実現した。また本作は、世界最大規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭2025「Work in Progress」部門への選出が決定。現地時間6月13日には、湯浅監督らが登壇し、現地のファンや世界の関係者に向け、現在制作進行中である本作のプレゼンテーションを行う。同映画祭のクリスタル受賞歴もある気鋭の仏スタジオ「Miyu Productions」との共同製作となっている。奇跡のコラボレーションにコメント到着原作・吉本ばなな常に同じものを見ている感じがする湯浅監督に撮ってもらうのは、私の夢でした! 湯浅監督は真の意味で「動き」を表せる人です。登場人物たちそれぞれの内面が動きになる瞬間を見ることができて幸せです。脚本・田中幸子湯浅監督&ばななさんの原作&奈良さんのキャラ!この企画に携われてとても光栄です。監督の溢れる想像力を必死に受けとめ、人間のやさしさと繊細さと強さ、主人公の心の動き……大切にしたいことが山ほどあります。監督・湯浅政明ばななさんの中でも終始絵が想起される小説で、生々しく怖い部分がありながら、最後のくだりは、昔自分が夢想していたような、とても嬉しい内容でした。半径100メートルくらいの下町の焼きそば屋さんの人生を、宇宙規模で描きたいと思います。『ひな菊の人生』(英題:Daisy's Life)は2026年、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2025年04月15日公開中の映画『ミッキー17』より、ポン・ジュノ監督と山崎貴監督の特別対談映像が公開された。本作は、映画『パラサイト 半地下の家族』で第92回アカデミー賞で作品賞を含む最多4部門を受賞したポン・ジュノ監督最新作。人生失敗だらけで使い捨てのワーカーとなった主人公ミッキーが、権力者たちへ逆襲するサスペンスエンターテインメントだ。最初に口を開いた山崎監督は、「ちょっと打ちのめされましたね、僕も次の次の映画をアメリカで撮ることになっているのですが、こんな作品ができてしまうとやたらハードルが高くなってしまって本当に迷惑だなと思いました」と思わず苦笑いする。ポン監督がナチュラルな日本語で「すみません」と笑顔で応じ、興味津々に「次の次に撮るアメリカの作品がどのようなものか気になります。怪獣ものですか?」と問いかける。「怪獣……ではないです。が、大きなVFXをたくさん使う映画になります」と明かすと「ほんとー」というリアクションが。ロバート・パティンソン演じるふたりのミッキーを描く映像表現と並んで、『ミッキー17』の大きな見どころのひとつが、大雪原を舞台にクリーパーたちが群れをなす壮大なクライマックス。山崎監督は「僕はVFXのオタクなのでわかるのですが、アメリカで本当に一流のとてもお金のかかるチームを使って、しかも大スペクタクルシーンがあるじゃないですか。だからそれをホントどうやってやったのか知りたい」と満面の笑顔で尋ねる。「確かにこのVFXの中でも核心の要素となるのが今(山崎監督が)抱いていらっしゃるクリーパーです」とぬいぐるみを指さしたポン監督は、物語の鍵を握るクリーパーについて「ベイビークリーパー、ジュニアクリーパー、ママクリーパーの3種類が出てきますが、ゴジラとミニラのように最も大きな予算が投じられたのがクリーパーでした」と説明。「ゴジラは歴史的な伝統があるスーパースター怪獣ですので、そこから新たなバリエーションを作り出すというのはむしろ難しさもあり悩みもあったのではないかと思います。それとは違い私の場合は何もないところからのビジュアルでしたので、もちろん難しさはあったとは思いますが自由さもあったと思います」と、質感を重視して新たなゴジラを生み出した山崎監督と違ってゼロからの創造は自由度も高かったと強調する。続けて「今回クリーパーのクリーチャーデザインを担当している方は『オクジャ/okja』や『グエムル-漢江の怪物-』でご一緒した方だったので“あうんの呼吸”で作ることができました。最初の出発点でクリーパーのイメージとして私が出したのはクロワッサンのパンだったのです」と、原作では「ムカデ」と表現されていたクリーパーの誕生秘話を明かした。そして「もし明日の朝ごはんでクロワッサンを召し上がるのであれば是非注意深く見てみてください。特にママクリーパーによく似ています」と、ユーモア溢れるコメントで笑顔を誘う場面も。本編を観ることでどんどん可愛さが増していくクリーパーは、「作っている当時は気づかなかったのですがポスプロの段階で見た時に、あーこれは『風の谷のナウシカ』の王蟲に似ているなぁと思ったのです。もしかしたら自分の中に眠っていた潜在的なものが影響を与えたのではと思いました。子どものころから宮崎駿監督の作品は数十回見てきましたから」と、敬愛する宮崎監督の影響について言及。『ミッキー17』を鑑賞した観客からも王蟲を連想させるという声が多数発信されているが、観客の代表でもある山崎監督は「すごいなと思ったのが、普通に見たら気持ち悪いものがどんどん可愛くなっていって……、あれを助けたい!……という気持ちで劇場が一体となる瞬間があると思うんです。それはやはりなかなかできないことです」と、得体の知れない存在であったクリーパーが物語の進捗に合わせてどんどん愛らしくなっていくポン監督の演出手腕を絶賛している。「『ゴジラ-1.0』では実際に触っているような手触りが感じられるような感覚があったと思います。CGで100%表現するのではなく物理的なエフェクトを使われていると聞きました。53年のクラッシックのオリジナルゴジラの時はデジタルの効果はなかったはずですから、その当時に向けた郷愁のようなものを込めたのかなと思いました」と、ポン監督が改めて『ゴジラ -1.0-』の表現を讃えると「予算がなくて手作りでやるしかなかった……」と恐縮した様子で山崎監督が苦笑い。ポン監督からは「クラシックな怪獣を見ていると、着ぐるみの中の演者が東宝のセットで怪獣の頭を脱ぎタバコを一服している姿を一度見てみたいなと、そんなことを想像してしまいます」と思わずほっこりするコメントが飛び出した。最後に、日本の観客に対するメッセージを求められた山崎貴監督は「社会的な問題も扱っているのですがとにかく面白いんですよ。それがこの映画の何よりの特徴だと思います。ひたすら面白い。ずーっとずーっと、どうなるんだどうなるんだという気持ちを持ちながら最後にすごいところに連れていかれる映画なので、劇場で是非、観ていただきたいです。ちょっと宣伝では伝わってないくらい大スペクタクルがたくさんあるんですよ。だからこの面白さを伝えたいですね。観てくれ、とにかく観てくれということを伝えたいです。ほんと素晴らしい作品です。これが作れて羨ましいし、良かったと思います。是非劇場でご覧ください」と、劇場鑑賞を推奨した。ポン・ジュノ監督は「観客の皆さんには楽しんで観てほしい、そういう気持ちでずっと作っているんです。正直に言うと、自分自身が楽しめる映画を撮りたい。そんな子どものような気持ちで映画を撮っているんです。最終的にはとにかく観客の皆さんに是非楽しんでいただきたいです」と、多彩なテーマが凝縮された『ミッキー17』を映画館で楽しんでほしいと結んだ。ポン・ジュノ監督×山崎貴監督 特別対談<作品情報>『ミッキー17』公開中公式サイト: Warner Bros. Ent. All Rights
2025年04月10日小島秀夫がクリエートしたビデオゲーム『DEATH STRANDING』の映画化作品の監督に、『クワイエット・プレイス:DAY 1』のマイケル・サルノスキが決まった。製作はA24とコジマプロダクション。ゲームは2019年に発売され、全世界で1,900万人がプレイしたとされる。サルノスキは、ニコラス・ケイジ主演のインディーズ映画『PIG/ピッグ』で長編監督デビュー。次回作はA24が制作する『The Death of Robin Hood』。出演はヒュー・ジャックマン、ビル・スカルスガルド、ジョディ・カマー、ノア・ジュプら。文=猿渡由紀
2025年04月08日バンド「ザ・ビートルズ」を題材にした映画『THE BEATLES』(仮題)が、2028年4月に全米公開される。監督は、サム・メンデス。「ザ・ビートルズ」4人の視線が交錯する4本の長編映画映画『THE BEATLES』(仮題)は、イギリス・リヴァプールで誕生し、1970年に解散したロックバンド「ザ・ビートルズ」の物語を描く伝記映画。リズム・ギターのジョン・レノン、ベースのポール・マッカートニー、リード・ギターのジョージ・ハリスン、ドラムのリンゴ・スターといったメンバー4人それぞれの視点から物語を交錯させた、4本の映画で構成される。サム・メンデスが監督監督を務めるのは、サム・メンデス。『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞監督賞を受賞した他、『1917 命をかけた伝令』や『007 スカイフォール』『007 スペクター』などの作品を手がけてきたサム・メンデスが、「ザ・ビートルズ」の物語をどう紡いでいくのかに注目だ。ハリス・ディキンソン、ポール・メスカルら4人が「ザ・ビートルズ」にジョン・レノン役を演じるのは、『キングスマン:ファースト・エージェント』『ベイビーガール』など話題作への出演が続くハリス・ディキンソン。また、ジョン・レノンとともに「ザ・ビートルズ」の多くの楽曲の作曲を手掛けたポール・マッカートニーは、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のポール・メスカルが演じる。また、リンゴ・スター役を演じるのは『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』『イニシェリン島の精霊』『ダンケルク』のバリー・コーガン。ジョージ・ハリスン役は、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』『クワイエット・プレイス:DAY 1』にも出演しているジョセフ・クインが演じる。【作品詳細】映画『THE BEATLES』(仮題)全米公開日:2028年4月※日本公開は未定監督:サム・メンデス出演:ハリス・ディキンソン、ポール・メスカル、バリー・コーガン、ジョセフ・クイン
2025年04月04日バリー・ジェンキンス監督が、A24が製作する「ザ・ロネッツ」のリードシンガー、ロニー・スペクターの伝記映画『Be My Baby(原題)』のメガホンを取ることになったという。「Variety」誌が報じた。『Be My Baby』は、1990年にロニー・スペクターが出版した同タイトルの自伝(邦題は「ロニー・スペクター自伝 ビー・マイ・ベイビー」)を基に数年前から映画化企画が進んでいる作品。ロニー・スペクターも2022年に亡くなるまで製作総指揮の一人を務めていた。生前、ロニー・スペクターは自身を演じる俳優にゼンデイヤを起用しており、ゼンデイヤは2020年から製作陣にも名を連ね、本作に携わってきた。バリー・ジェンキンスは、監督と脚本を務め2017年のアカデミー賞で作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞した『ムーンライト』、プロデューサーを務め2025年にサンダンス映画祭で高い評価を受けた『Sorry, Baby(原題)』でA24とタッグを組んだことがあり、本作は3度目のコラボレーションとなる。オスカー監督が手掛ける映画にゼンデイヤが主演することから、ゼンデイヤのファンは「オスカーに一歩近づいた!」とゼンデイヤのアカデミー賞受賞に期待を寄せている。また、「いまからザ・ロネッツの曲を聴いておかなきゃ!」「ゼンデイヤがロニーの歌をカバーしたアルバムをサントラとしてリリースしてほしい」などの声も上げている。(賀来比呂美)
2025年03月27日『パラサイト 半地下の家族』以来となる最新作『ミッキー17』をひっさげ、ポン・ジュノ監督が5年ぶりに来日。ジャパンプレミアには監督を出迎える豪華な日本ゲストが多数登壇し、さらにサプライズゲストとして『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した映画監督の山崎貴が登壇した。3月26日、グランドシネマサンシャイン池袋でのジャパンプレミアに先立って行われたレッドカーペットイベントに最初に登場したのは、英国の超有名オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で日本人初の決勝進出を果たしたとにかく明るい安村。水色の春めいた衣装で劇中登場するクリーパーの人形を抱いた井上咲楽、白いジャケットのアンミカとクリーパーの人形を抱くセオドール・ミラー夫妻、続いてポン・ジュノ監督の大ファンを公言する町田啓太。井上咲楽そして、本作のプロデューサーであるチェ・ドゥホが姿を見せると場内のボルテージが一段と高まり、ファンとマスコミの視線が集まる中、最後にポン・ジュノ監督が登場すると、観客のテンションは最高潮に大きな歓声で監督を迎えた。ポン・ジュノ監督レッドカーペットの熱気が醒めやらぬ中、満員のグランドシネマサンシャイン・シアター12で舞台挨拶が行われた。ポン・ジュノ監督との対面について問われた町田は「ドキドキです!普段は緊張しないタイプなのですが、今日はヤバいです!本当に光栄です」とコメント、星条旗柄のバスローブをまとった安村も「とても嬉しいです。とにかく”嬉しい”安村ですね。この場に呼んでいただき、そして素晴らしい映画の宣伝をさせていただき本当に嬉しいです」とコメントし場内を盛り上げた。とにかく明るい安村続いて、観客が待ち望んだ瞬間、ポン・ジュノ監督とプロデューサーのチェ・ドゥホが呼び込まれると、大きな拍手とともに会場は一斉に“「ポン・ジュノ」コール”が。ポン・ジュノ監督は「本日はお越しくださりありがとうございます。『パラサイト』以来5年ぶり、来日できてとても嬉しいです」、チェ・ドゥホプロデューサーは「皆さんにお会いできてとても嬉しいですし、桜の季節に日本に来られたことも嬉しいです」とそれぞれ挨拶した。チェ・ドゥホ■「衝撃受けた」町田啓太からの質問に「ミッキーに共感してもらえたら嬉しい」そして、ポン・ジュノ監督ファン代表の町田からの質問タイムが設けられた。『ミッキー17』を観て「生存本能を掻き回されるほどの衝撃を受けた」という町田。町田啓太「監督の作品は命、自然愛、階級など、いろんな要素が入れ込まれています。僕はそこに胸を打たれるし、毎回“生きていてもいい” “頑張っていればいい”と背中を押してもらえます。監督はやはりそのような価値観を大事にされているのでしょうか?」と質問すると、監督は「この映画の主人公はまぬけだけれどとても善良で、労働者として極限の状態・職業に置かれていても最後まで生きようとする」と回答。「プリンターから出力される時、彼は安村さんのように何も身に着けていません(笑)それは彼の人生の一部となっていますが、最後まで生き残る気持ち、最後まで諦めない気持ち、そんなミッキーに共感してもらえたら嬉しいです」と話した。町田啓太続いて「監督のインスピレーションの源は?」という問いには、「日常的にあるささやかな事を見逃さないようにしています」との回答。「例えばとんこつラーメンを食べている時にズボンにスープが落ちてしまった。これには一体どんな意味があるのだろう? なぜ? 私はこれをどのようにすればよいのか? いろんなことが思い浮かんできます。小さなことから出発するのです」とアイディア探しの秘訣を披露した。■撮影中のロバート・パティンソンの裏話もさらに、2人のミッキーを見事に演じ分けた主演のロバート・パティンソンについて、監督は「優れた俳優であると同時にクリエイティブで、人間的にも優しい人。現場のスタッフからも人気がありました。物静かだけど優しい人。そしてプリントしたくなる顔をしていますね(笑)」と語り、場内に爆笑を誘った。チェ・ドゥホプロデューサーは「仕事には全身全霊、台本はカラーマーカーを5種類くらい塗り分けて、200回くらい読んでいるはずです。トレーラーには入らず、ずっと現場にいる努力家で献身的な人物です」と常に現場ファーストで撮影に臨んでいたとふり返った。質問コーナーで、これから映画を鑑賞する観客の熱気も最高潮に達した際、さらにもう1人のサプライズゲストが紹介され、登場したのは『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督。ポン・ジュノ監督とチェ・ドゥホプロデューサーの来日を花束で祝福した山崎監督は、「『ミッキー17』、本当に面白くてびっくりしました。こんなにワクワクした映画は久しぶりで、まだ観ていない人が羨ましいです(笑)」と語る。■『グエムル-漢江の怪物-』に「先を越されてしまったというような悔しい思い」さらに「社会的な問題も内包しているのですが、まずは本当に面白い。素晴らしい映画の完成、おめでとうございます」と絶賛、「監督の『グエムル-漢江の怪物-』は公開当時、先を越されてしまったというような悔しい思いで観ていました。怪獣映画に家族の物語を取り入れる。新しい怪獣映画の形だと思いました」と熱いコメントを発すると、その言葉を受けとめたポン・ジュノ監督は「『ゴジラ-1.0』、楽しく拝見しました。人間と歴史がしっかりと描かれているところが印象的で感銘を受けました。これからも怪獣映画をたくさん作っていきましょう!」と語り、世界で活躍する2人のエール交換が実現した。山崎貴監督最後に、これから『ミッキー17』を鑑賞する日本の観客へのメッセージを求められたポン・ジュノ監督は、「この場で既に多くのことをお話しましたが、今回お越しいだだいた山崎監督、安村さん、町田さん、本当に皆さんありがとうございました、これから映画が始まります。楽しんで御覧ください!」と語り、大きな拍手が送られてイベントは幕を閉じた。『ミッキー17』は3月28日(金)より全国にて公開。4D/Dolby Cinema(R)/ScreenX/IMAX(R)同時公開(シネマカフェ編集部)■関連作品:ミッキー17 2025年3月28⽇より全国にて公開© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2025年03月27日ポン・ジュノ監督が3月26日(水)、都内で行われた最新作『ミッキー17』ジャパンプレミアに出席した。来日は、アジア映画として初めてアカデミー賞作品賞に輝き、自身も監督賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のプロモーション以来、約5年ぶり。「主人公が置かれる状況は、私たちが生きる現実を反映していて、(労働という)残忍なシステムを愛の力でサバイブするラブストーリーになっている。最後まで生きることを諦めない姿に共感してほしい」とアピールしていた。ロバート・パティンソンを主演に迎え、エドワード・アシュトンのベストセラー小説を映画化したブラックユーモアたっぷりのSF超大作。失敗だらけの人生を送ってきた男ミッキーが、一発逆転を狙って就いた“夢の仕事”は、身勝手な権力者たちの命令に従って危険な任務を遂行し、ひたすら死んでは生き返ることを繰り返す過酷なものだった。日々、命を搾取され続けるミッキーの前に、ある手違いから“自分のコピー”が同時に現れたことから、彼らは共闘し反撃に打って出る。主人公のミッキーについて、ポン・ジュノ監督は「少し抜けているところもあるが、善良な人物」だと語り、演じたパティンソンを「優れた俳優であると同時に、とてもクリエイティブで人間的にも温かみがある。映画の中でそうであったように、“コピー”したくなる顔をしていますし(笑)」とユーモアを交えて絶賛していた。映画作りのインスピレーションについて聞かれると「日常生活のささやかな出来事を見逃さないようにしている」と回答。「例えば、豚骨ラーメンを食べていて、スープをズボンにこぼしてしまったら、『なぜ自分の身に起こったのか、これってどんな意味があるんだろう?』と考えをめぐらせると、いろんなことが湧き出てくる」と話していた。ジャパンプレミアには、第96回アカデミー賞で日本映画として初めて視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が駆けつけ、「最後までミッキーがどうなるんだってワクワクして、本当に面白かった」と太鼓判。ポン・ジュノ監督の『グエムル-漢江の怪物-』を例に挙げて、「これぞこれからの怪獣映画だと思った。怪獣映画に家族愛を盛り込むことを、あの映画から学んだ」と振り返った。この言葉に、ポン・ジュノ監督は「今回の映画にも、クリーパーという怪獣が出てきます」と明かし、『ゴジラ-1.0』については「人間と歴史がちゃんと描かれていて、とても感銘を受けました」と称賛。「これからも一緒に怪獣映画を作っていきましょう!」と意気投合していた。ジャパンプレミアにはポン・ジュノ監督、山崎監督に加えて、プロデューサーを務めたチェ・ドゥホ、俳優の町田啓太、タレントのとにかく明るい安村が出席した。取材・文・撮影:内田涼<作品情報>『ミッキー17』3月28日(金) 公開公式サイト: Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2025年03月26日『スノーピアサー』『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)から公開になる。ポン監督はこれまでも様々なジャンル、語り口の新作を披露し、観客を驚かせ続けてきたが、本作も予測不可能なドラマが描かれる。キャリア最大のスケールでこれまでの集大成となる傑作が誕生した。ポン・ジュノ監督は1969年生まれ。映画学校で学びながら短編作品を手がけて注目を集め、2000年に『ほえる犬は噛まない』で長編デビュー。その後は『殺人の追憶』(2003)、『グエムル-漢江の怪物-』(2006)と韓国の映画興行記録を塗り替える大ヒット作を手がけ、2013年には『スノーピアサー』で海外に進出した。2019年には『パラサイト 半地下の家族』が世界的に大ヒット。カンヌ国際映画祭の最高賞、アジア映画として初めてアカデミー賞(R)作品賞に輝いた。ポン監督の作品はサスペンス、アクション、家族ドラマ、近未来ドラマなど複数のジャンルのテイストが融合しているが、どの作品も緻密なキャラクター表現と、笑いがふんだんに盛り込まれている。中でもコメディの描写は緊張感やハラハラする場面にも登場し、観客は極度の緊張感を感じながら思わず笑ってしまったり、極限状態に置かれる人間の剥き出しの感情やちっぽけさを“笑い”を通じて感じたりする。ハラハラするけど笑える、笑った先に深いドラマがある。そんな奥行きのある描写もポン監督作品の見どころのひとつだ。『ミッキー17』でも主人公は人生失敗だらけのダメダメ男で、過酷な環境に放り込まれて死んではまた生き返らされる仕事に従事しているが、その描写には思わず笑ってしまう。さらに17番目のミッキーの前に、なぜか18番目のミッキーが出現したことで、ミッキー17はパニックに。ポン監督はこの混乱も、緊迫感のあるドラマとして描く一方で、笑えるコメディとしても描いている。単なるギャグではなく、キャラクター描写や状況をさらに効果的に見せるために繰り出される笑い、予測不可能な展開とセリフ……ポン・ジュノ監督が得意とする"ブラックな笑い”が本作では最高レベルで次々と出現。緊張感を感じながら思わずニヤリとしてしまう場面の連続だ。『ミッキー17』3月28日(金) 公開mickey17.jp()(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights
2025年03月18日『マッドマックス』シリーズの監督であり、脚本も一貫して手掛けてきたジョージ・ミラーが「Vulture」のインタビューに応じ、同シリーズの新しい映画の脚本が「すでにある」と発言した。ジョージ・ミラー監督はインタビュアーに、「さらなる『マッドマックス』映画を作る予定はありますか」と尋ねられ、「もう1本の脚本があるんです」と答えた。しかし、すぐに映画化しようとは考えていないらしい。「(映画化したい)物語はたくさんあって、確かに『マッドマックス』もそのうちの1つなのですが、今すぐ映画を作るということはありません。次にやりたいことが2つあるので」と話している。とは言え、映画業界では予定が変わることは日常茶飯事だ。「なにかが起こって、うまくいくこともダメになることもあるから、私が言えることは『様子見だな』ということですね」と語った。『マッドマックス』シリーズ最新作は、2024年公開の『マッドマックス:フュリオサ』で、主人公のフュリオサをアニャ・テイラー=ジョイが演じた。批評家受けはよかったものの興行的には振るわなかったため、映画化が実現するかどうかは別として、ジョージ・ミラー監督の「もう1本」という前向きな発言は映画ファンを喜ばせたようだ。本日3月3日はジョージ・ミラー監督の80歳の誕生日で、Xに祝福メッセージも寄せられている。(シネマカフェ編集部)■関連作品:マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITEDマッドマックス:フュリオサ 2024年5月31日より全国にて公開© 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. IMAXR is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.
2025年03月03日映画監督の白石晃士が26日、自身のXを更新した。【画像】映画監督 福田雄一がイケメン俳優3人の”しょんぼり”ショットを公開!ファンから笑いと同情が集まる「届きました!」と一言綴り、1枚の写真をアップ。どうやらエクソシスト3のUHD+Blu-ray デラックス版が届いた事の報告のようだ。白石晃士監督といえば『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!シリーズ』をはじめ、新作映画『サユリ』でも話題になった日本ホラー映画界の名監督である。そんな監督が、ホラー映画の傑作であるエクソシスト3をチョイスしたのは、次回作に向けて何か参考にするためなのか?と推測してしまう。ただ、特に”参考のため”などと、そういった明確なコメントも無いので、単に趣味の視聴目的なのかもしれない。届きました! pic.twitter.com/aZrpLZX1xJ — 白石晃士 (@shiraishikouji) February 26, 2025 この投稿には多くのいいねが寄せられている。
2025年02月27日2月28日(金) に公開される映画『TATAMI』より、新たな場面写真とガイ・ナッティヴ監督のコメントが公開された。本作は、『SKIN 短編』で第91回アカデミー賞短編実写映画賞を受賞したガイ・ナッティヴと、『聖地には蜘蛛が巣を張る』で第75回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したザーラ・アミールが監督、イスラエルとイランをルーツに持つふたりが史上初めて共同で演出した社会派ドラマ。スポーツ界への政治介入や中東の複雑な情勢、イラン社会における女性への抑圧、アスリートたちの不屈の“戦い”を臨場感溢れる映像で描き出す。公開されたのは、自分の額を打ちつけ、ひびの入った鏡の前に立つレイラが、鏡に映った自分自身を凝視する場面。棄権させるために父を拉致し、夫と息子にまで危険が迫る。動揺し、やり場のない怒りを鏡にぶつける姿が痛切な一枚だ。もう一枚は、選手時代に国家の命令に従わざるを得なかった監督のマルヤムの姿。国家の命令とアスリートとしてのレイラの思いの間で板挟みとなった彼女も人生最大の選択を迫られていた。それでも戦うことを決意したレイラは試合会場に向かう。選手に寄り添うことができなくなったマルヤムは、気分を鎮めるために向かったトイレで割れた鏡を目にし、レイラの額の傷の原因を思い知る。果たしてふたりは、この後どのような道を選ぶのか。鏡の傷によって人生最大の決断を迫られたふたりの思いを伝える強烈な場面写真となっている。実際に起こった事件にインスパイアされた『TATAMI』は、スポーツ界への政治介入や中東国家間の複雑な情勢、イラン社会における女性への抑圧など、多層的にテーマを描いている。同時期には『聖なるイチジクの種』『セプテンバー5』(ともに2月14日公開)など、中東情勢を背景にした社会派作品の公開が続く。ガイ・ナッティヴ監督は、「映画史を紐解いても、映画作家たちが怒りやフラストレーションをアートという形に昇華させるということはずっと繰り返されてきました。オリバー・ストーン監督に注目してみても、『プラトーン』や『ウォール街』、私が好きな『7月4日に生まれて』などの作品から、やはり政府に対する抗議の声を挙げていることがわかります」と、映画は時代を映し続けてきていると指摘する。「これは、ストーン監督やアメリカ映画だからというわけではなく、世界中で反戦、あるいは自分たちの政府に対する抗議を映画という形で、世界中に届けようとする動きがあるはずです。また、特にイランの場合は、今は亡命されている方が多く、海外にいるからこそ挙げられる声、作ることのできる作品があることの表れなのではないでしょうか。映画に限らず、音楽のような他の芸術分野でも同じことが行われていて、特に何か悲劇の後はそのような作品がより多くなるのだと思います。なぜなら表現することはアーティストにとっての唯一の武器だから」と、映画だけではなく、音楽、アートなどを通して、世界に問いかけるアーティストたちが数多くいると語っている。<作品情報>『TATAMI』2月28日(金) 公開公式サイト: Judo Production LLC. All Rights Reserved
2025年02月26日第75回ベルリン国際映画祭にて、横浜聡子監督の最新作『海辺へ行く道』がジェネレーション部門でスペシャルメンションを受賞した。「ジェネレーション部門」は1978年に設立され、子どもが主人公の作品を対象としている。国際審査員からは、「この映画は、優しさと遊び心のあるユーモアで私たちの心を掴みました。明るく陽気な想像力と創造力で、芸術の無限の可能性と、予期せぬ出来事と出会う幸福を思い出させてくれました」と評された。海外版ポスタービジュアル現地時間、2月22日に行われた授賞式に出席した横浜監督は、「この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞をいただけたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの”予感”が伝わったからかもしれません。ジェネレーション部門の審査員の皆さん、この作品を選んでくださり本当にありがとうございます」とコメント。そして、「ベルリンの観客の皆さんは、この映画に散りばめられたユーモアを見てたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます」と観客へ感謝の言葉を送り、喜びをかみしめた。なお、これまでの日本映画で、同部門でのスペシャルメンション獲得は、『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19/長久允監督)、『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)があったが、Generation Kplus部門での授与は本作が日本初となる。一足先に日本に帰国していた主演の原田琥之佑からも、「横浜監督はじめ、大好きなメンバーで作ったこの作品が素晴らしい賞をいただけたのは超絶嬉しいです!この映画は、僕たち中学生が主な登場人物になっています。だからこそ、【ジェネレーション部門】という同世代の子供たちの部門で選んでもらえたことにご縁を感じましたし、すごく誇らしく思います。もっともっと世界の人へ届いて欲しいと思っています」という、喜びとこれからの劇場公開に向けて期待を寄せるコメントが到着した。原田琥之佑本作は2025年の瀬戸内国際芸術祭にも参加が決定している。『海辺へ行く道』は2025年晩夏、公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:海辺へ行く道 2025年晩夏公開(C)2025映画「海辺へ行く道」製作委員会
2025年02月25日