道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」とは?麗澤大学大学院(千葉県柏市/学長:徳永澄憲)学校教育研究科は、2023年12月3日(日)に「道徳教育学セミナー」をオンラインで開催します。本大学院学校教育研究科は、日本において初めて道徳教育に特化した大学院として2018年に設立。小中学校の教員でも教育現場を離れることなく、道徳教育の理論と実践を学ぶことができることが特徴の大学院です。道徳教育の理論と実践の融合を通じて、「特別の教科道徳」に精通した教員や専門研究者の養成に取り組むとともに、教育学における新領域「道徳教育学」の開拓に向けた研究と教育を日々行っています。学校教育研究科では毎年、道徳教育学の最新の動向と論点を概観し、今後の研究に新たな視野を開くことを目的に、道徳教育学セミナーを一般公開形式で開催しています。7回目の開催となる今年度のテーマは『道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」』。本セミナーは2部制で開催されます。第1部では、前文部科学省道徳教科調査官で十文字学園女子大学教授の浅見哲也(あさみ てつや)氏による講演を実施。第2部では、本大学院修了生で、現在、東京都公立中学校道徳指導教諭として活躍中の三浦摩利(みうら まり)氏と千葉県公立中学校教諭で、千葉県長期研修生(道徳)として本大学院に所属する田中大輔(たなか だいすけ)氏も加わり、浅見講師とディスカッションを行います。第2部終了後には、参加者を交えた全体討議を予定いたしております。本セミナーの概要と講師のプロフィールは以下をご確認ください。【道徳教育学セミナー】■日時:2023年12月3日(日曜日)9時〜11時20分■場所:オンライン(Zoom)※参加者は、自由に入退室可能■テーマ:道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」とは?■講師:浅見 哲也(十文字学園女子大学教授、前文部科学省道徳教科調査官)■主催:麗澤大学大学院学校教育研究科■対象:参加自由■参加費:無料■申込方法:申込フォームより要申し込み申込フォームはこちら : 【講師プロフィール】浅見 哲也埼玉大学教育学部卒業。埼玉県深谷市教育委員会課長補佐、深谷市藤沢小学校校長等を経て、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を歴任。現在、十文字学園大学教育人文学部教授。主な著書に『道徳科授業構想グランドデザイン』、『こだわりの道徳授業レシピ』など。2007年文部科学省優勝教員表彰。麗澤大学について麗澤大学は昭和10年、創立者の廣池千九郎(法学博士)が「道徳科学専攻塾」を現在のキャンパス(千葉県柏市光ヶ丘)に開塾したことから始まります。「知徳一体」という教育理念のもと、心豊かな人間性を養い、国際社会に貢献できるグローバルリーダーの育成を目指し、教育改革を進めています。「THE 日本大学ランキング」の国際性分野では2017年から連続して千葉県1位の評価を受けています。【プレスリリース】麗澤大学学校教育研究科による道徳教育学セミナー開催.pdf : 麗澤大学WEBサイトはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月05日3 月 5 日 オンライン(Zoom)にて麗澤大学大学院(千葉県柏市/学長:徳永澄憲)学校教育研究科は、2023 年 3 月 5 日(日)に「道徳教育学セミナー」をオンラインで開催します。本大学院学校教育研究科は、日本において初めて道徳教育に特化した大学院の専攻として 2017年に設立。小中学校の教員でも教育現場を離れることなく、道徳教育の理論と実践を学ぶことができることが特徴の大学院です。道徳教育の理論と実践の融合を通じて、「特別の教科 道徳」に精通した教員や専門研究者の養成に取り組むとともに、教育学における新領域「道徳教育学」の開拓に向けた研究と教育に取り組んでいます。学校教育研究科では毎年、道徳教育学の最新の動向と論点を概観し、今後の研究に新たな視野を開くことを目的に、道徳教育学セミナーを一般公開形式で開催しています。6 回目の開催となる今年度のテーマは「考え、議論する道徳と深い学び」。本セミナーは 2 部制で開催されます。第1部では、畿央大学教授で日本道徳教育学会常務理事の島 恒生 氏による講演を実施。第 2 部では、現職教員として教育現場で日々活躍されながら、本大学院に在籍されている東京都文京区教育委員会指導主事の林 修也 氏と埼玉県の小学校教諭 古見 豪基 氏によるパネルディスカッションを行います。第 2 部終了後には、参加者を交えた全体討議を行なっていきます。本セミナーの概要と講師のプロフィールは以下をご確認ください。【道徳教育学セミナー】■日 時:2023 年 3 月 5 日(日)9:00~12:00■場 所:オンライン開傪oom)■テ ー マ:「考え、議論する道徳と深い学び」■講 師:島 恒生 氏 (畿央大学教授、日本道徳教育学会常任理事)■主 催:麗澤大学大学院学校教育研究科■対 象:一般公開形式。どなたでもご参加いただけます。■参 加 費:無料■申込方法:3 月 1 日(水)までに以下 URL より要エントリー申込フォームはこちら : 【講師プロフィール】島 恒生小学校教諭、奈良県立教育研究所を経て、現在、畿央大学教授。日本道徳教育学会常任理事、日本道徳教育方法学会理事。専門は道徳教育。著書に『納得と発見のある道徳科』(日本文教出版、2020 年)など多数。中央教育審議会専門員、文部科学省「道徳教育に係る評価の在り方に関する専門会議」委員、文部科学省『小学校学習指導要領解説特別の教科道徳編』作成協力者などを歴任。【麗澤大学について】麗澤大学は昭和 10 年、創立者の廣池千九郎(法学博士)が「道徳科学専攻塾」を現在のキャンパス(千葉県柏市光ヶ丘)に開塾したことから始まります。「知徳一体」という教育理念のもと、心豊かな人間性を養い、国際社会に貢献できるグローバルリーダーの育成を目指し、教育改革を進めています。「THE 世界大学ランキング日本版」の国際性分野では 2017年から連続して千葉県 1 位の評価を受けています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月30日編集部:学研キッズネット編集部株式会社ポプラ社は、2018年に刊行し、大きな反響を呼んだ『答えのない道徳の問題、どう解く?』を期間限定で無料公開します。あわせて新しい問いかけの「がっこう、どう解く?」を発表しました。ほかにも、「どうして勉強をしなきゃいけないの?」「ついていい嘘とついちゃいけない嘘は、どう違うの?」など、大人でも答えを出すのが難しい13の問題について考えました。答えのない道徳の問題 どう解く?『どう解く?』編集部から、新しい「問い」をひとつご紹介しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月時点で95%以上の公立小学校が休校となり、教科書や紙、デジタル教材等を用いた家庭学習が行われました。家で過ごす時間が増え、そしてまた学校が始まろうとする今だからこそ、「答えのない問題」について親子でじっくり考えてみていただけたらと思います。■「学校」について子どもたちが感じていることとは?※動画の中で、お子さんが義務教育について語っている場面があります。「義務教育」という言葉は誤解されやすいですが、子どもに教育を受けさせる「義務」は親・保護者にあり、子どもには「教育を受ける権利」が保障されています。(日本国憲法・子どもの権利条約)▼『答えのない道徳の問題、どう解く?』を期間限定で全ページ無料公開中※無料公開期間:2020年5月30日まで(変更になる場合があります)「がっこう、どう解く?」に至る作者の想いが届きました著者【左から:きむらよう(絵)・やまざきひろし(文)・にさわだいらはるひと(絵)】「どう解く?は、親子で話し合うことを目的につくった本です。学校が休校になり、家で過ごすことが増えたいま、親子の会話が少しでも増えるといいなと思い、全文公開することを決めました。また今回「がっこう、どう解く?」という、新しい問いを作りました。学校に行けなかったからこそ、子どもたちが感じる想いや考えをぜひ親子で話し合ってもらえればと思っています。」■著者である3名のパパクリエイターがベネッセ「きょうの時間割」に先生として出演、「がっこう、どう解く?」がオンライン授業に登場休校中の生活リズムづくり応援を目的に株式会社ベネッセコーポレーションが運営するオンライン教室「きょうの時間割」に『答えのない道徳の問題、どう解く?』の著者であるパパクリエイター3名が先生として出演し、「がっこう、どう解く?」のオンライン授業を行いました。「きょうの時間割」5月8日(金)配信分【1時間目】コピーライターざっきー先生、アートディレクターようさん先生、はるさん先生アーカイブ映像はこちら■特設サイトでは、学校等での「どう解く?」風景の動画・授業レポートを公開中【授業レポート】・ついてもいい嘘って、どんな嘘? 『答えのない道徳の問題どう解く?』を教材にした、道徳の授業の進め方()・多数決で決まったことって正しいの?『答えのない道徳の問題どう解く?』を教材にした、道徳の授業の進め方【中学校編】()・どうして勉強しなくちゃいけないの、という子どもの問いに答えられますか? 『どう解く?』を使った大人のためのワークショップ()【授業用ワークシート等ダウンロードページ】授業風景動画と、授業用にフォーマットを加工した「どう解く?」ワークシートも公開。『答えのない道徳の問題、どう解く?』書籍情報【書名】答えのない道徳の問題どう解く?【作者】文:やまざきひろし/絵:きむらよう/絵:にさわだいらはるひと【発売年月】 2018年3月【判型】 A4変型判(190mm x 210mm) 91ページ「ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うんだろう?」「人数が多いほうが、正しいってどうして言えるんだろう?」「どうしてお母さんは、ボクの嫌いな勉強をおしつけてくるんだろう?」など、どう考えてどう答えたらよいのか難しい問題ばかりを子どもから大人までみんなで考えました。いろいろな意見を集めた「考えるためのヒント」では、池上彰さん、羽生善治さん、谷川俊太郎さん、ミッツ・マングローブさん、能町みね子さんなど各界のみなさんにも考えていただいた意見を掲載。親子で、家族で、友達同士で考えて、議論する道徳の本。子どもと本音で話しができる!巻末の書き込み式ワークシートを使えば、対話の記録を残すことができます。書誌ページ:■出版社紹介社名:株式会社ポプラ社所在地:〒102-8519東京都千代田区麹町4丁目2番地6 住友不動産麴町ファーストビル8・9階設立:1947年6月事業内容:児童書、一般書などの出版企業サイト:■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月22日2018年4月から、小学校では道徳が「特別な教科」になりました。子どもたちの“心の教育”や“倫理観”は、これからますます重視され、学校だけではなく家庭や社会全体でも考えなければならない重要な問題になっていくでしょう。今回は、なぜ道徳を学ばなければいけないのか、そして家庭でも取り入れたい道徳教育についてお話します。なぜ今『道徳』に注目が集まるのか?まず、道徳が教科化された背景や目的について振り返ります。従来、小中学校では「道徳の時間」が週1回、教科外活動として設けられていました。親御さんの多くも記憶に残っているのではないでしょうか。その後、2015年には学習指導要領が一部改訂され、道徳は「特別の教科」(道徳科)になります。そして小学校は2018年から、中学校では2019年から全面実施されることが決定されたのです。■道徳教育が重要視されるようになった理由社会のグローバル化によって、今後ますます多種多様な文化や価値観を持った人と接する機会が増えます。お互いの違いを認めて受け入れることが求められる時代に、道徳教育は避けては通れない課題となりました。また、急速に発展したインターネット社会において、コミュニケーションの方法や倫理観にも大きな変化や新しい価値観が発生しました。そのため、対人関係の構築の仕方も家庭内の「しつけ」だけにとどまらず、社会全体で考えなければいけない教育の問題へと変化したのです。また、教科としての道徳教育を早急に推進していくにあたり、大きな影響を与えているのは「いじめ問題」です。従来の道徳教育では、「いじめは許されない」と発表させたり書かせたりするだけで、やや表面的な教育に終始していました。しかしこれからは、客観的な意見を出し合うよりも、「自分だったらどうするか」と真正面から問題に向き合うことが重要であり、現実のいじめ問題に対応できる資質や能力の育成が求められるようになったのです。■授業内容と評価基準教科外活動から「特別の教科」になった道徳。その授業内容はどのように変化していったのでしょうか。学習指導要領には、「自分の考えを基に話し合ったり書いたりするなどの言語活動を充実すること」と記載されています。つまり、従来の読んだり聞いたりするインプット重視の教育から、自分の考えをアウトプットすることを重視する方向へとシフトしているのです。道徳の授業を通して、「考える力」「議論する力」が求められるようになっていることも特徴だといえるでしょう。また道徳は「特別な教科」ということで、数値での評価はありません。道徳科における評価は他教科とは異なります。「他人の考えをしっかり受け止めている」など子どもが成長した様子を担任が見定め、「励まし、伸ばす」文章を書いてもらうことが評価となるのです。その際、ほかの子どもと比較することはせず、「規則の尊重」や「家族愛」など、内容項目ひとつひとつを評価しない、という決まりになっています。心の教育を軽視するとどうなる?道徳教育を考えるとき、東京都独自のある取り組みが参考になります。それは平成12年に策定された『こころの東京革命』です。■『こころの東京革命』とは?親と大人が責任を持ち、次代を担う子供の正義感や倫理観、思いやりの心を育み、自らが手本となりながら、人が生きて行く上で当然の心得を伝えていこうという取り組み。その中で、大人が子どもに伝えるべき大切なことをまとめているので、要約してご紹介します。また、その大切なことが身についていないとどうなってしまうのか、あわせてお伝えします。○社会の「きまり」や人との約束を守るみんなで決めた「きまり」や約束を守ることは、人との信頼関係を築き、維持するための基本であり、社会のなかで自分らしく生きていく上で欠くことができません。・きまりを守れないと秩序を乱して周囲から孤立してしまいます。その結果、自分には価値がないと思い込み、自己肯定感の低下につながります。○思いやりをもつ多様な人々と共に生きるためには、自分だけでなく他人にも心を配らなくてはいけません。思いやりとは、自分の欲しないことを他人にもしないという基本的姿勢から生まれてくるものであり、他人を愛する心をもつことが大切です。・他者への思いやりがないと自分を大切にすることもできません。すると、何事にも無気力で投げやりになってしまいまいます。○自らを律する時と場合に応じて我慢をし、かつ目標を見失わずに粘り強く物事をやり遂げることで、自らを律することの大切さと達成の喜びを感じられます。・我慢ができないと自分の要求を力づくで通そうとします。すぐに結果を求めるようになり、諦めが早くなります。○責任感、正義感をもつ自分に与えられた役割を果たし、自分の行為に責任をとるとき、人は大切な存在として尊ばれます。公平公正に対応しようとする態度、善悪の判断がしっかりでき、人として許されないことにはノーと言える強い意志をもつことが大切です。・責任感と正義感の欠如は、すぐに投げ出したり逃げたりすることにつながります。自分の判断基準が曖昧だと人に流され、決断力も身につきません。○人々や社会のために役立つことに喜びを見いだす人々や社会のために役立つことを自ら積極的に行い、また、さまざまな人々との関わりを通して何かをやり遂げることは、社会を豊かにするとともに、自分自身の充実感を高めることにもつながっていくものです。・人のために行動ができないと、自己中心的で他者の気持ちが理解できない人間になります。家庭でできる道徳教育道徳教育は、学校で学ぶだけで身につくものではありません。子どもたちが育つ環境、つまり家庭における役割がとても重要であることは言うまでもなく、親としてどのようにして子どもに道徳心を教えるのかは重要な課題です。そこで、家庭でも取り入れやすい道徳教育をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。■ピグマリオン効果を利用して絵本から道徳心を学ぶ時代を超えて語り継がれてきた物語には、「悪いことをすれば自分にかかえってくる」「正直な人にはよいことがある」といった道徳的な概念を学ぶのに適した内容が多いのが特徴的です。絵本スタイリスト®︎景山聖子さんも、「Study Hacker こどもまなび☆ラボ」の人気連載「絵本読み聞かせコーチング」で、子どもの道徳心を育む方法を紹介しています。たとえば「お友だちと仲良くしてほしい」「困っている人に手を差し伸べるような子になってほしい」と望むのなら、そんな“理想の行動”をしている人物が出てくるお話を読み聞かせるのです。(中略)そして絵本を読み聞かせてから、お母さんは子どもにこうなってほしいという思いを込めて「○○ちゃんみたいだね」と言い、後は子どもを信じ続けてください。このプロセスを何度も繰り返すだけで、期待が現実化し、子どもの行動が変わっていきます。(引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|100回叱るより1冊の絵本。「ピグマリオン効果」を引き出す読み聞かせで、幸せを現実のものに)これは「ピグマリオン効果」を利用した方法です。ピグマリオン効果とは、相手に期待することで、相手もこちらからの期待に応えようとするため、最終的に「期待通りの結果」を得られる現象のこと。絵本に限らず、普段から「○○くんはお友だちの気持ちがわかる優しい子だね」と語りかけてあげるだけで、その効果は実感できるはずです。■役割を与えて責任感や自信を植えつける子育てや教育、社会問題などの記事を多数執筆するシアトル在住のアイネズ・モーベーン・ジョーンズ氏は、日本ならではの優れた教育に着目しています。それは、掃除や給食、動物の世話係に至るまで、さまざまな「役割」を子どもたちに課していること。そして、それらの活動を通して子どもたちの道徳心や倫理観は育まれる、と述べています。仲間と協力し合うこと、責任感を持つこと、あとの人のことを考えて行動すること、ズルをしたら必ず誰かに迷惑がかかること。日々の学校生活の中で、子どもたちは自然とそれらを学び、無意識のうちに身につけているのです。もちろん家庭でも取り入れることができます。「これは○○ちゃんに任せようかな」「これからは玄関のお掃除係になってね」と、子どもでもできる簡単なことから任せてみましょう。すると、自分に与えられた役割をきちんとこなそうと努力し、褒められた喜びが自信につながり、さらに家族を喜ばせようとポジティブな行動力が芽生えます。■親子で一緒に「答えのない問題」について考える家庭での道徳教育にぜひ活用してほしいのが、こちらの本です。『答えのない道徳の問題どう解く?』(ポプラ社)この本は、これからの時代を生き抜く力を育むために、対話から子どもの本音を引き出すことを目的としています。・ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うの?・どうして正義のヒーローは、悪者を殴ってもいいんだろう?・ネット上の友だちと学校の友だち、どっちが本当の友だち?これらの疑問に対して、教育評論家の尾木直樹さんや詩人の谷川俊太郎さん、卓球の水谷準選手などの著名人が真剣に向き合い、独自の回答を提示してくれます。正解のない問いを親子で一緒に考える良いきっかけにもなりますね。***答えがない道徳教育だからこそ、ぜひ親子で一緒に考えてみませんか?深く話し合ってみると、大人が思っている以上に子どももいろいろなことを考えているとわかり、お子さんの意外な一面を発見できますよ。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|道徳教育の必要性とは?「特別の教科」になった本当の理由Study Hacker こどもまなび☆ラボ|“心の教育”忘れてない?確かな学力・健やかな体の基盤になる『道徳力』を育てるヒント東京都|「こころの東京革命」行動プラン ~大人が変われば、子供も変わる~Study Hacker こどもまなび☆ラボ|100回叱るより1冊の絵本。「ピグマリオン効果」を引き出す読み聞かせで、幸せを現実のものに東洋経済ONLINE|外国人が感じた日本の「道徳教育」のすごみ文 やまざきひろし/絵 きむらよう・にさわだいらはるひと(2018年),『答えのない道徳の問題どう解く?』,ポプラ社.
2019年03月06日編集部:学研キッズネット編集部戸田第一小学校2018年度から小学校の教科のひとつとして加えられた「道徳」。どのような授業が行なわれるのか、どのような評価が下されるのか、保護者としては気になるところですね。『答えのない道徳の問題どう解く?』(ポプラ社)ところで今年の3月、『答えのない道徳の問題どう解く?』という本がポプラ社から出版され、話題となっています。作者は、やまざき ひろし(山崎 博司)さん、きむら よう(木村 洋)さん、にさわだいら はるひと(二澤平 治仁)さん。道徳の副読本として、また家庭での親子の対話のヒントとして「答えのない問題の本を作りたい!」と出版社に持ちかけたそう。この本を読んだフューチャーインスティテュート株式会社代表取締役の為田裕行さんが考えたのは「この本は学校で使ってこそ力を発揮する」ということでした。「親子だとどうしても考えが似てしまう。いろいろな考えをもつ人が集まっていて、かつ忌憚なく意見を言える環境があり、それらをまとめる指導者がいるところ。そんな場所でこの本を活用してこそ、真の価値を発揮するのではないか?」埼玉県戸田市でもお仕事をされていた為田さん、この話を戸田市教育委員会に持ちかけたところ、戸田第一小学校を紹介されました。かくして同小4年5組で『どう解く?』のテーマのひとつである「うそ、どう解く?」を使った道徳の授業が実現することに。はたして話し合いは盛り上がるのか?子どもたちは本音をぶつけ合えるのか?興味深い現場をのぞいてみましょう。※※この授業は2018年7月17日に行なわれました。うそをつくのはいい?悪い?「うそをつくのはいい?悪い?」4年5組の榮 亜耶(あや)先生が問いかけます。「いい!」「悪い!」「いい、いいでしょ」ちょっと茶化し気味の生徒も。「え?いいの?」と先生。「エイプリルフール以外はダメ!」先生「じゃあ、うそをついたことはありますか?」ほとんどの生徒が「ある」に挙手。『どう解く?』に書かれたエピソードを先生が読み上げます。うそ、どう解く?友だちから、好きじゃないプレゼントをもらった。「うれしい!」と嘘ついたら、友だちはよろこんでいた。「いいうそと悪いうそがある」いきなり核心をつくような意見を言う生徒もいました。ここであらかじめ配られたプリントに自分の意見を書いていきます。まずは「うそをついてもいい・うそをついてはいけない」どちらかに〇をつけ、その理由を書くというもの。この段階で「うそをついてはいけない」と回答した生徒は34名中4名でした。ワークシートに書き込んでいく。先生がそれぞれの理由をたずねていきます。Y……「うそをついてもいい」派の意見N……「うそをついてはいけない」派の意見Y「せっかくプレゼントをくれた友だちを悲しませたくないから」N「うそをついてしまうと、自分の本当の気持ちが言えなくなるから」Y「プレゼントをくれたという気持ちが大事だから。友だちを傷つけたくないから」N「うそをつき続けると、いやなものをずっと(心の中に)抱えることになるから」さまざまな意見が出るなかで、N「うそをついたら、信用されなくなるから」と発言した生徒がいました。この言葉に端を発して、意見交換が盛んになりました。Y「うそをつかないで本当のことを言ったらもっと嫌われると思います」N「友だちを悲しませたくなかったっていう素直な気持ちを言えば、許してもらえると思います」Y「でも、もし自分が逆の立場で、せっかくあげたプレゼントを『やだ』って言われたらいやな気持ちになります」Y「プレゼントをもらった時点で感謝すべきなのに、自分の好みを言うのはワガママのような気がします」N「……言い方にもよるんじゃないかな」クラス全体を見渡しながらバランスよく指名していく榮 亜耶先生先生が間に入ります。先生「じゃあ、うそがバレてしまったときの、友だちの気持ちはどうかな」「よけい悲しくなる!」「怒ると思う」「自分のためについたうそだからうれしい」「無理をさせてしまったかなと思う」「友だちの大切さによると思うけど……」「うそをついていいときと、うそをついたら悪いときがある」自分のうそがバレたとき、相手はどんな気持ちになるか。みんなの答えは広範囲にわたるものでした。先生は問いかけます。先生「ついていいうそと、ついてはいけないうそってどう違うんだろう」「ついていいうそはうれしいうそ。人が喜ぶうそ。許せるうそ」「ついてはいけないうそは、バレたときに相手が悲しむうそ。許せないうそ」「相手が喜ぶと思ってお世辞を言っても、バレたらまずいでしょ」「でも、お世辞で喜ぶ人もいる。中間のうそもあるのでは」「たとえば病院で、重い病気を軽い病気ですって言ったら、それはいいうそ?悪いうそ?」「相手が傷つくとわかってつくうそ、人を悲しませるためのうそはだめ」「では、グループごとに話し合ってみましょう」と先生。「その場の空気を和ませるようなうそはいい。場の空気を悪くするうそはダメ」「バレても相手がずっとうれしいうそならいい」「相手を喜ばせるためのうそだとしても、重みや限度がある」グループごとに話し合う。「天気予報が外れた場合ってうそになるの?」なんていう声も。2分間の話し合いを終えたところで「では、自分はどう考える?」と先生はうながし、生徒たちは再びワークシートに向き合うことに。夢中になってすらすらと取り組む姿も見られました。「うそをつくには理由があって、人を喜ばせるためうそ、バレても相手がうれしいようなうそはいいけれども、自分に都合のいいうそ、他人に罪をなすりつけるうそや自分が喜ぶためのうそはいけない」そんなことを書いた生徒もいました。最後に『どう解く?』に載っている谷川俊太郎さんの言葉を先生が朗読し、授業は終了。何人かの生徒に「授業の前と後とで考え方が変わった?」とたずねたところ、みんな「変わった」と答えていました。「うそをついてはいけない」とはじめ言っていた生徒は「ついていいうそがあるとわかった。『ついていいうそ』と『ついてはいけないうそ』はつながっていて、どちらかに決められるものではないことがわかった」と言っていました。「いいうそ」と「悪いうそ」は地続き。それを実感できただけでも大きな収穫だったのではないでしょうか。同じエピソードを耳にしても生徒によって反応は様々。それは頭の中に描く「どんな友だちにどんなシチュエーションで、どんなものをプレゼントされたのか」という想定が一人ひとり異なるからなのでしょう。4年生という段階で、どこまで深い友情が築けているのかといった経験値にもよりそうです。この「一人ひとり異なる」という感覚を、授業を通してクラスで共有できたことは、コミュニケーション能力や思いやりの気持ちを育むための大きな一歩となったように思います。ただ、「道徳」が「教科」であることを踏まえ、「この授業によって、生徒一人ひとりをどう評価するのか?」となると、やはりなかなか難しいものがあるように感じます。積極的に発言する子もいれば、手を挙げなくとも指名されたらしっかりとした意見を言う子もいます。深い理解をした子が高評価なのでしょうか?いえいえ、今まで「うそ」についてじっくり考えてこなかった子がはじめてこの授業で「うそ」に向き合い、新しく何かを考え始めるきっかけを得たのだとしたら、それはそれですばらしいはず。評価することを求められる先生方は大変ですが、子どもたちがこうした授業を経て、「聴く力」や「話す力」を深めていけるのであれば、保護者としては大変うれしいところです。『どう解く?』特設サイト特設サイトでは学校での活用が広まることを目指し、書籍の約半分にあたる13の「問いかけ」紙面を授業向けに加工して無料公開しています。特設サイト内の「授業用教材&ワークシート」コーナーをご覧ください。関連記事「道徳」の授業ってどんなもの?学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年09月10日4月23日に放送されたNHK『クローズアップ現代』が話題になっている。テーマは「“道徳”が正式な教科に 密着・先生は? 子どもは?」。今年4月から小学校で教科化された「道徳」について、先行授業に取り組むクラスに密着。そこで浮き彫りになった課題とは?■本当の「家族愛」って? 男の子の意見に涙いままで特別教科とされていた「道徳」が、4月から小学校で、来春からは中学校で正式教科化される。価値観の押し付けになることを懸念し教科化が見送られてきた「道徳」だが、いじめ問題の増加などを理由に教科化を進めたという。「道徳」で教えることが定められた“価値”は「正直・誠実」、「節度・節制」など22項目。国の検定に合格した教科書を使用し、教師が授業を行っていく。番組で放送されたのは、都内の小学校で行われた授業。新任の女性教師はテーマに「家族愛」を選び、『お母さんのせいきゅう書』という教材を選んで授業を進める。母親の無償の愛を通じて、子どもたちに「家族愛」について考えさせることにしたのだ。ある朝、たかしが母親に“「お使い代」「お掃除代」「お留守番代」500円”と書いた1枚の請求書を渡す。昼時、母親は500円と一緒に請求書を渡すのだが、そこに書かれていたのは「病気をしたときの看病代」「洋服や靴」「おもちゃ代」など、すべて0円。それを見たたかしの目には涙があふれる、といった内容である。この話を読んで、ほとんどの生徒たちは“母親が子どもにお金を要求しないのは当たり前”といった意見を述べる。だが、ひとりの男子生徒が母親の気持ちについて「子どもっていいな。えらいことするとお金がもらえるから、私も子どもがいいな」と回答。すると、生徒たちからは大きな笑いが起ってしまう。これを聞いた教師は「お金がほしい、いいなと思うんだったら…」と返したことで、まわりの生徒が「1円、10円、100円でも書いて渡せばいい」と発言。男子はそれ以上声をあげず、静かに涙を流すのだった。■“ねらい”どおりの授業が正解? 「道徳」の問題点「お母さんは家事とかをしても、お金をいつももらえないから、『お金をもらいたい』って気持ちがあってこれを書いた…」。あとから取材陣に対してそう伝えた男子生徒は、なんと母親思いの子どもなのだろう。共働きで忙しく家事をこなす母を思う、まさに「家族愛」から出た言葉だったが、教師はそんな子どもの心のなかまで汲み取ることができなかったのだ。本来、「道徳」にひとつの正解なんて存在しない。しかし教科として扱う以上、“こうするべきだ”というひとつの価値観を“答え”に位置づけ、そこに導く指導をすることが必要となってしまうのだろうか。だが、この方法では、その男子生徒の回答は“不正解”となってしまう。それは、価値観の押し付けとは違うのだろうか…?■「道徳」授業のカギは“多様化”への理解番組に出演していた教育評論家・尾木直樹氏も話していたが、教師の力量によって授業内容が大きく変わるという点も課題のひとつだろう。先程の男子生徒の意見についても、教師がひとつの考えとして受け入れ、あらためて子どもたちに問いかけることができていれば、周囲の子どもたちも「そういうことか」と納得したかもしれない。あるいは「笑ってしまった自分が間違っていた」と反省したかもしれない。じつは、「道徳」の授業の肝はそこにあり、子どもたちが見出すべきは正しい答えではなく、“そんな考え方もあるのか”という多様性を知ることにあるのではないかと思う。“ねらい”まで一直線に辿り着くことがよい授業のように思えてしまうが、それでは物事のうわべをなぞっているだけ。言うなれば“きれいごとの押し付け”のようにも感じてしまうのだ。筆者自身、子どもの頃に受けた「道徳」の授業は「こう答えてほしいんでしょ?」という意図が見え見えで、それに沿った回答をしていた記憶がある。今回、正式教科化となるが、1~5といった数値での評価ではなく、また内申書にも影響はないという。しかし“評価”という基準が入るとなれば、高く評価されたいと思うのが世の常だ。授業で「いじめはいけない」と発言した生徒が、次の休み時間には友達をいじめている…。心から理解していないのであれば、そんな状況が起こりえることが容易に想像できてしまうような「道徳」に、はたしてどんな意味があるのか疑問に感じてしまう。■「道徳」への期待&親としてできることたとえば“友だちとふたりでいるのに、お菓子がひとつしかない”という例文があったとき、きっと求められる答えは「半分にわける」ことだろう。けれども実際に生きていく上では、そのときの状況によって自分が選ぶ答えは変わってくる。必ずしも「半分にわける」ことが正解ではなく、いろいろな選択肢があってしかるべき。もちろん、人を傷つけるようなことはしてはいけないが、いろんな考えがあっていいし、必ずしも自分の考えだけが正しいわけではない。そこまで引っくるめて指導していくのが、本来の「道徳」の在り方のように思うのである。算数のように答えがひとつではない「道徳」において、ひとつの終着点(価値)に向かって授業を進めることは、無理があるのではないか。そうだとしたならば、われわれ親はどうしたらいいのか。そしてそれをカバーできるのは、やはり家庭なのだろうと思える。学校で“答え”を完結させるのではなく、授業内容について親子であらためて話し合うことができれば、「道徳」がより意味のあるものになるのではないか。番組では、「道徳」で取り上げるテーマを子どもたち自身で考えたり、タブレット端末を取り入れている学校も紹介されていた。すでに小学校では教科化がスタートしている「道徳」だが、授業の進め方や目的について、まだまだ考えていく余地があるだろう。そして親である私たちも、もっと「道徳」という教科について関心を抱く必要がありそうだ。
2018年04月27日日本教育文化研究所は、幼稚園児・小学生・中学生・高校生の子供を持つ男女1,030人を対象に、子供に対するしつけ・道徳教育に関する調査を行った。概要は以下の通り。調査結果では、8割の保護者が家庭における「しつけ」を重視しているとする一方で、半数以上が教育機関での道徳教育にも期待している事が分かった。中でも、教育機関に期待する理由としては、「客観的な道徳教育を受けられると考えているから」が約6割と最も多く、「子供が素直に受け入れてくれそう」(45.9%)、「より質の高いしつけや道徳教育をしてくれそう」(25.0%)が続いた。保護者が我が子に身につけさせたい具体的な内容として、家庭においては、「日常のあいさつ」(78.9%)、「感謝や謝意を伝える言葉」(75.3%)が特に多く、「ウソをつかない」(40.7%)、「約束を守る」(36.2%)、「思いやりの心を持つ」(35.1%)等も多く見られた。一方、教育機関に求める道徳教育においては、「人と協力する」(48%)が最も多く、次いで「決められたルールや規則を守る」(43%)、「日常の挨拶」(35.7%)の順に、他者とのコミュニケーションを取っていく上で、必要不可欠なことを重視している姿勢が伺える。また、調査では、保護者自身の幼少期におけるしつけの体験についても尋ねており、その内の約半数が自身の幼少期に「厳しくしつけされたと思う」と答えている。家庭で受けたしつけについて「良かったと思う」と答えたのは約6割、しつけが「身に付いた」という人が約7割を占めていることから、しつけや道徳教育の重要性を保護者が身を持って認識していることが伺える。その他に、子供のしつけをお願いしたい著名人として、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹さんが圧倒的な支持を集めたほか、ドラマのイメージから武田鉄矢さん、偉人では坂本龍馬等が挙がった。■『子供に対するしつけ・道徳教育に関する調査』調査概要・調査期間:2013年3月14日(木)~3月15日(金)・調査方法:インターネットリサーチ (調査会社保有のパネルを使用)・調査対象:幼稚園児・小学生・中学生・高校生の子供を持つ男女(エリア:全国)・有効回収数:1,030サンプル ※子供(長子)の性×学齢別に下記割付に沿って回収・詳細分布:男子(計515):園児(幼稚園)103/小学生(低学年)103/小学生(高学年)103/中学生103/高校生103女子(計505):園児(幼稚園)103/小学生(低学年)103/小学生(高学年)103/中学生103/高校生103・調査内容-家庭での「しつけ」の重視度-学校・幼稚園での「道徳教育」内容認知-学校・幼稚園での「道徳教育」期待度とその理由-家庭で子供に身につけさせるべき大切なこと-学校で行う道徳教育において、子供に身につけさせるべき大切なこと-自身が家庭で受けてきた「しつけ」について【厳しさの度合い/良かったと思うか/身に付いたと思うか】-「しつけ」や「道徳教育」の負担の度合いの変化-「しつけ」をお願いしたい人物-日本人として身につけておかねばならないこと-子供に身につけさせるべき道徳性について 等 引用元:PR TIMES
2013年06月04日