目が乾く、痛い、ゴロゴロする……。ドライアイで悩む日本人は、いまや800万人いると言われます。少しでも楽になるため、鍼灸師(しんきゅうし)で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策ツボを教えていただきました。■涙の分泌を促し、出し、総合的な不調をケア「ドライアイには、『涙の分泌を促す』、『涙を出す』、『総合的な目の不調を予防』の3つの観点からのケアが有効です。仕事中やバスタイム、寝る前と、いつでも何度でも、これらのツボを押してください」と丸尾先生。早速、その3点に沿って自分でケアできるツボをご紹介しましょう。1.瞳子りょう(どうしりょう)―涙の分泌を促すツボ瞳子(どうし)は「目、ひとみ」、りょうは「骨の角、くぼみ」を意味し、「目の骨のくぼみに位置するツボ」を表します。ここを刺激することで、目の水晶体の厚みを調節する毛様体筋(もうようたいきん)の緊張をほぐします。眼精疲労、疲れによる視力の低下、目の周囲のけいれん、また、目じりの小じわ対策にも有効です。ツボの位置左右の目じりから、指1本分外側にある骨のすぐ外側、小さくくぼんだ部分。ツボの刺激法左右を同時に、人さし指か中指の腹で、少しずつ力を入れる感覚でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。ここを出発点とし、目の周囲を軽く指で押していくのもよいでしょう。ただし、眼球は押さえつけないでください。2.晴明(せいめい)―涙を出すツボ晴は「目」、明は「明るい、照らす」を意味し、「はっきり見えやすくするツボ」を表します。目の充血、かすみ目などのときもここを指圧するとすっきりするでしょう。また、目と鼻を結ぶラインになるため、鼻水、鼻づまりにも効果があります。ツボの位置目頭の脇。目頭と鼻柱の間にある小さなくぼみ。ツボの刺激法人さし指や中指で押さえ、ひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。3.承光(しょうこう)―総合的な目疲れケアのツボ頭の前頭葉の周辺にあり、長時間近くを見たために目や頭にも疲労感を覚えたとき、目がしょぼしょぼ、ゴロゴロする、目がかすむときなどは、ここを刺激すると視界と意識がはっきりしてきます。ツボの位置両方の眉頭(まゆがしら)から髪の毛の生え際へ真っすぐ向かい、そこから自分の親指の幅3本分ほど上へ。さらに、親指の幅1~2本分ずつ左右へ移動したところ。分かりにくければ、おでこの上あたりを全体的にマッサージします。ツボの刺激法両手の中指で同時にひと押し10秒~1分、指圧します。左右のどちらかに違和感が強い場合は、そちらを長めに刺激しましょう。■眼球を押し込む、押し出す運動を「オフィスでできる方法として、『眼球運動』もお勧めします。目の周囲の筋肉のストレッチになります」と丸尾先生。レクチャーしていただきましょう。4.眼球運動軽く目をつむり、眼球を右回し、左回しを各3~5回ずつ。↓眼球を脳に向かって押し込むイメージで動かす。3~5回。↓目を前に出すイメージで眼球を動かす。3~5回。↓目を見開く。3~5回。↓目をぎゅっとつむる。3~5回。以上を1セットとして、3~5セット。目を開けて行うと目が回ってしまいます。必ず、目をつむって行いましょう。「運転中やパソコンワーク、読書中などにドライアイを実感したときは、すでにかなり目は乾いています。意識的にくしゃみやあくびをして目が潤うかどうかを確認してください。目が乾いたな、と感じる前に早めにこれらの自己ケアをすることが大事です」と丸尾先生。目薬を使うのもいいですが、これらの指圧、運動でまず、健康のための「目ヂカラ」を養いたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年08月19日だるい、疲れる、食欲がない。気温が高くなると毎年のように襲ってくる夏バテの症状。そこで、鍼灸師(しんきゅうし)で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策のためのツボを聞きました。■ラップの芯で足の甲を刺激する「夏バテでの症状を、脱力感、疲労感、食欲減退の3つのポイントで考えて、自分で指圧できるツボをご紹介します」と丸尾先生。早速、教えていただきました。1解渓(かいけい)―けだるさなど脱力感に解は「解く、ほどく」、渓は「谷」の意味合いがあり、解渓とは、足と下肢部(かしぶ)の境目、谷間を表します。ここを指圧すると全身へのリンパ、血液の流れが促され、だるさやむくみが改善されます。足先がじーんとするようなしびれやこわばりにも効きます。ツボの位置足首の前、中央のへこんだくぼみ。足首をすねに向かって曲げたときにできる横じわから1~2センチほど上。ツボの刺激法親指でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。また、すりこぎやラップの芯で、このツボから足の甲全体をゆっくり、1~2分ほど転がすのもお勧めです。2湧泉(ゆうせん)―だるい、疲れやすいなど脱力感、疲労感に生きるエネルギーがわくツボとして、万能の役割があると言われます。体力とスタミナをアップする効果があり、血流を整えるため、のぼせ、冷えにも効きます。また、バテ気味のときに起こる気の落ち込みや高ぶりといった、気分を整えるツボでもあります。ツボの位置足の裏にあり、足の指をすぼめたときにできる「人」という字の中央部分。ツボの刺激法両手のひらで足をかかえ、親指でぐいぐい、ひと押し10~30秒の指圧を繰り返します。デスクワーク中には、ゴルフボール、ラップの芯などを床に置き、足の裏で押さえながら回転させると、刺激をすることができます。3鳩尾(きゅうび)―食欲がないときに一般的には「みぞおち」と読みますが、ツボの名称では「きゅうび」です。ツボの場所が、鳩の尾の形に似ていることからこう呼ばれています。胸の最下部で胃の上部にあたり、疲れたときのイライラや憂うつ感、また、怒りや緊張などで食欲がなくなるとこのツボはかちかちに硬くなります。暑さがうっとうしいことによる精神的疲労、不眠、動悸(どうき)、息切れをも改善します。ツボの位置左右のろっ骨の下のへりを指でなぞり、中心で合わさった部分の1~2センチ下のへこんだ部分。ツボの刺激法両手の人さし指と中指を重ねるようにあて、息を細く吐きながら、みぞおちの上のほうに向けてひと押し10~30秒の指圧を繰り返します。硬いときは指圧をしながら、自分で徐々にほぐしていきます。このツボから胃にかけて手のひらでさするだけでも緊張がほぐれる、胃をいたわることになり、効果があります。また、鳩尾から、自分の親指の幅1本分(約1~2センチ)下、みぞおちのまん中あたりに、「巨闕(こけつ)」というツボがあります。食欲不振のほか、胃炎を起こしているとき、下痢、吐き気がある、胸やけがするときにも効きます。さらに、このツボは息切れ、動悸、胸痛にも対応します。両手の人さし指と中指を重ねるようにあて、息を吐きながらやや上のほうに向けて10~30秒の指圧を繰り返しましょう。ツボの効能に加え、暑さ対策には、血液やリンパ、気の巡りが大事なのだということが分かりました。バテてぐたっとなる前に、これらのツボを刺激して全身の活力をアップしましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年08月05日突然、ふくらはぎや足の甲、指先にかけて激しい痛みが走るこむら返り。なぜあのような痛みが走るのでしょうか。また、自分でケアする方法はあるのでしょうか。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、その対策ツボを教えていただきました。■口から息を吐きながらゆっくりと指圧する丸尾先生は、こむら返りの原因について、次のように説明します。「こむら返りを起こすと、筋肉が硬直し、けいれんを起こしてひきつるような感覚と激痛を覚えます。痛みは、数秒から長くても2分程度でおさまりますが、急に痛むので驚き、慌てることもあるでしょう。水泳やジョギングなどハードなスポーツを急に行った、長時間のデスクワーク後に急に立ち上がった、また、冷えているとき、寝ているときや夏の疲労時などによく起こるようで、原因は、水分不足、疲労、ビタミンやミネラル不足、冷えなどと考えられています」また、丸尾先生は、「こむら返りは、『ふくらはぎ』と『すね』につながる筋肉で起こることが多い」と言い、「これらの筋肉のツボを知っておき、痛みが起こったら焦らずに、口から息を吐きながらゆっくりと筋肉を伸ばしたり、指圧するようにしてください」と話します。ではここで、こむら返りに効くツボを教えていただきましょう。■ふくらはぎの筋肉が原因と考えられる場合のツボ1.委中(いちゅう)「委」とは、「曲がる、ゆだねる」、「中」は「中央」の意味があり、足の痛み、足のしびれ、ひざの痛み、腰の痛み、また、腰のだるさなどに効く特効ツボです。ツボの位置ひざの裏の関節の真ん中。ツボの刺激法このツボは、あまり力を入れずに、さする、なでるぐらいの指圧でよいでしょう。刺激がほしい場合は、足を伸ばし、中指でゆるくひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。また、いすに座ってひざを両手で包み込み、中指で委中を押しながら足を前後に振ると、刺激が柔らかめに伝わります。2.承筋(しょうきん)ふくらはぎの筋肉の痛みに効くツボです。足の筋肉にたまる老廃物(むくみの原因)の蓄積を防ぎ、こむら返りのほか、むくみ予防の効果もあります。さらに、腰痛で腰からひざの裏にかけての痛みやだるさがある場合も刺激を加えましょう。ツボの位置かかととひざの後ろの間で、ふくらはぎの最も盛り上がっているところの中央。ツボの刺激法ふくらはぎのけいれんが治まってきたら、両手の親指の腹でゆっくりと、ひと押し10秒~1分を数回、もみ込むように指圧し、筋肉の緊張を解いて血流を促します。痛みがあるうちは、ここをゆっくりなでるだけでよいでしょう。■すねの筋肉が原因と考えられる場合のツボ3.足三里(あしさんり)こむら返りが起こったとき、その原因となる筋肉がどのあたりなのか分からない場合は、この足三里を指圧しましょう。足の疲労、腰痛の改善にも効く、下半身の疲労に対する万能のツボです。こむら返りが起こりやすい人は、足が疲れたらまず、このツボを刺激するようにしましょう。ツボの位置すねの骨の外側、筋肉の盛り上がりの上、少しくぼんでいるところ。親指で強く押すと違和感があるところ。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、親指でグッと強めに指圧します。4.太衝(たいしょう)東洋医学では、「衝」という字が使われていると脈拍を感じるツボを表します。太衝はその一つで、大きな拍動に触れるところです。足の痛み、足先の冷え、泌尿器や生殖器の不調、さらにイライラなどの精神的な症状にも効果があります。ツボの位置足の親指と人さし指の間を指で足首のほうにたどり、親指の骨と人さし指の骨がくっついている部分の手前のへこんだところ。ツボの刺激法ひと押し10秒~1分を数回、人さし指や親指で指圧します。おきゅうをするのも効果的です。最後に丸尾先生は、アドバイスを加えます。「繰り返しこむら返りが起こる場合は、痛みのある場所をアイシングし、痛みを取り除いてからツボの指圧を行いましょう。また、日ごろからこれらのツボを指圧したり、おきゅうをしたりと、ケアをしておくことが大切です。血流がよくなって筋肉疲労を緩和し、こむら返りの予防になります」あの嫌な痛みにこれらのツボで対抗できるかと思うと、気分的にも楽になります。運動前後にはいつも指圧しておくなど、予防を心がけておきたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年06月25日今日はどうも口臭がきついような気がする、というときはありませんか。仕事で大事な会議や打ち合わせ、さらにデートの約束がある日にこれはつらい……。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「オフィスや電車で自分で押せる口臭予防ツボ」を教えていただきました。■唾液(だえき)を促すツボを刺激する口臭の主な原因について、丸尾先生はこう話します。「口腔(こうくう)の問題、内臓の疾患、ストレスなどさまざまな原因が考えられます。一般的に、口の中が渇く、唾液(だえき)が少なくなる、歯周病、また、東洋医学で言う『胃熱』のとき、つまり、疲れなどで胃に熱がたまっているような場合に出る口臭の場合は、次のツボを刺激してください」1.湧泉(ゆうせん)足の裏にある、「押せば命の泉湧く」で知られるツボ。刺激をすると、疲労回復、リラックス、それに、唾液(だえき)を促す効果があります。足のむくみ、全身のだるさ、ストレスがあるときにも有効です。ツボの位置:足の指を曲げたときに足の裏にできる「人」の字の中央、少しへこむところ。ツボの刺激法:いすに座り、足をもう一方の太ももに乗せ、親指で少し強めにひと押し10秒~1分ほど、刺激を加えます。オフィスなら、ゴルフボールなどを床に置いて足の裏でコロコロ転がしながら刺激するといでしょう。靴を脱ぎ、足の指をぎゅっと曲げる、伸ばすを繰り返すだけでも刺激になります。2.翳風(えいふう)「翳」は「陰」の意味があり、翳風とは、「陰になる場所にあって風を通す」ということを表します。耳たぶの後ろに位置し、歯周病、歯痛、ほおのはれ、これらが原因で起こる肩こり、首の痛みに効果があります。また、顔のけいれん、耳鳴り、難聴にも有効だと知られています。ツボの位置:耳たぶのすぐ後ろにあるくぼみ。押すと、あごや歯、耳に響く感覚があります。ツボの刺激法:人さし指や中指を使い、上下左右に向けて指圧を加える方角を変えながら、ひと押し10秒~1分ほど、いつでもどこででも何度でも、繰り返し刺激します。3.きょう車ほおと下あごに関係するツボで、口や歯、歯ぐきの痛み、ものを咬(か)みしめることができないときに効果があります。顎(がく)関節症(あごの関節周囲で痛みがある、あごのゆがみ、口が開きにくい、かみにくいなどの機能低下の症状)や、顔のむくみに効くツボとしても知られています。ツボの位置:耳たぶの下から、あごの骨に沿って下がると、えらの部分にあたります。そこから上に向かって中指の幅1本分、向かったところ。あごの力を抜くと少しくぼんでいます。ツボの刺激法:人さし指や中指でひと押し10秒~1分ほど指圧する。また、指で押しながら、口を軽く開ける、閉じるを繰り返すと刺激が増します。いつでもどこででも何度でも、繰り返し指圧してください。「疲れをとり、唾液(だえき)腺を刺激して唾液(だえき)量を促すことが重要です」と丸尾先生。ゴルフボールで足の裏を刺激しながら、耳の下やあごの部分を指圧する……これならいつでも簡単に実践できそうで、なおかつ、足や顔のむくみ対策になるのもありがたいです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分品川緑/ユンブル)
2012年05月27日体も頭もクタクタなはずなのに、いざベッドへ入ると眠れない……。しっかり睡眠をとっているのに、朝になっても疲れが残っている。こんな経験はないでしょうか?なにかとストレスの多い現代では、睡眠に関する悩みを抱えている人が、とても増えているようです。そこで、今回は現役鍼灸(しんきゅう)師として活躍しておられるOさんに、睡眠の質を高めるためのコツをお聞きしました。■疲れが酷すぎると、睡眠の質は低下する「眠りにつく直前まで、細かい作業をしたり、頭を使ったりしていると、なかなか寝つくことができなくなってしまいます。また、疲れがとてもひどいときなども、寝つきが悪くなります。こういったとき、脳や神経が興奮状態にありますので、それを静めなくては、良い眠りにつけないのです。」(Oさん)ある程度の疲れをとってから、ベッドに入ることが大切なようです。簡単に興奮を静められる方法を、Oさんに教えていただきました。■安眠のためのマッサージその1「まず、手の中指で鼻の付け根の両脇を押さえます。両手の中指で、左右のポイントを一度に押さえても構いません。上に向かって中指で押し上げると、まゆ毛の下あたりにある骨にぶつかるはずです。この部分を、中指で軽く押します。そこから、まゆ毛の下のふちに沿って中指を移動しながら、同じように軽く押す。指圧するときには、皮膚をこすらないようにしてください」マッサージのプロなら、上下左右にこすっているような動きをすることもありますが、素人が行う場合には1、2、3、離す、1、2、3、離す、といったペースで断続的に押さえる方法が良いそうです。こすってしまうと、皮膚に傷がつくこともありますので、注意しましょう。■まゆ毛の中にある小さな溝「上記のマッサージを行うことで、脳の神経を落ち着かせることができます。また、上記のマッサージを行っているとき、指先でゆっくりと触ってみると、まゆ毛の中に細い溝があることがわかるはずです。みけんの両脇あたりですが、本当に小さな縦の溝があります。この部分は、脳神経の要となっている三叉神経とつながっており、指圧することで睡眠の質を高めることができます。この部分は特に念入りに、中指で押してください」■安眠のためのマッサージその2「座った状態で、両手の親指を自分の首筋あたりにあてます。手で首筋から後頭部にかけて触ってみると、『ぼんのくぼ』と呼ばれているくぼみがありますね。このくぼみの両脇に、僧帽筋の付け根があります。そこへ親指をあて、残りの4本の指と手のひらで、頭全体を包むようにしてください。そして、その状態のまま親指に力を込めて、頭全体を持ち上げるようにします。こうすることで、その1のマッサージと同様の効果が得られます。頭を少し後ろへ倒し、眼の方向へ向かって頭を押すというイメージで、やってみてください」その1と同時に行う場合には、その1の後でその2を行うと効果的だそうです。安眠のために心がけたい生活習慣はたくさんあります。ただ、忙しい毎日の中では、生活が乱れて睡眠の質が低下することもあるでしょう。そういったときでも、Oさん直伝のマッサージなら、簡単に試すことができそうですね。心地よい眠りのために、ぜひ一度試してください。(OFFICE-SANGA 森川ほしの)
2012年05月04日鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生は、「腰痛はその原因を知ることが大事です。ここではいつも腰がだるくて痛い、姿勢によっては常に痛むという慢性腰痛を対象に、デスクワークや作業などの仕事中でも、誰もが簡単に自分でさっとケアできる方法とツボについてご紹介します」と話します。■たたく、回す、反る、指圧する「腰がだるい、重いと感じたら、すぐに、『腰のあたりをたたく』、『腰を回す』、『後ろに反る』、その後、『ツボを指圧する』と試みてください」と丸尾先生。以下は、丸尾先生談です。1.腰をトントンとたたく腰に疲れを感じても座ったり休んだりできないときには、まずは背筋を伸ばしてから、両手のこぶしで腰のあたりをトントンとたたきます。血流が促されるため、腰の重だるさを瞬間的に緩和することができます。デスクワーク中などは、椅子に座ったままで行います。歩き疲れ、運動時の疲労には、腰からおなか、脚全体をたたくと、すっとだるさがとれます。また、「強めに速くたたく」と、さらに効果があります。2.腰を回す腰の痛みは、座ったまま、立ち仕事などで、腰を動かさないことで起こることが多いのです。両方の腰骨の出っ張ったところに両手をあて、ゆっくりと回します。左右に各20~100回を1セットとして何度でも行ってください。3.腰を反る腰痛の原因の一つに「猫背」があり、骨盤などにもゆがみが起こります。「背中の左右の腎臓あたりにこぶしをあて、鼻から息を吸って、口から細く息を吐きながらゆっくりと後ろに反り、体の前面をストレッチして背中には力を入れる」という姿勢をとります。反るときに、首を急に後ろにぱたっと倒さないようにしましょう。また、腰に違和感以上の痛みが走る場合は、神経やほかの原因が考えられますので、反るのを中止してください。4.ツボを指圧する筋肉の疲労、姿勢に問題があって腰が痛む場合は特に、ツボを指圧するととても効果があります。次に紹介する特効ツボを、押しやすい指で、ひと押し10秒~1分を数回、繰り返し指圧しましょう。しこりがあるときは、ほぐすようにじっくりと押します。・膀胱兪(ぼうこうゆ)下半身の血流を促す働きがあるツボで、腰痛、坐骨神経痛、冷え性や膀胱炎、便秘の改善に効果があります。ここにカイロを貼ると、これらの症状にとても有効です。ツボの位置と指圧法:お尻の上、仙骨(せんこつ・腰の平らな部分の骨)の中央(背骨の延長線)にある上から2番目のくぼみから、左右の外側へ自分の親指の幅1本半ほど向かったところ。仙骨のくぼみは、ひざを抱えて背中を丸めて座りながら触ると見つけやすいでしょう。・殷門(いんもん)「殷」とは、「大きい、真ん中」、「門」は「邪気の出入り口」という意味があります。座骨神経痛の特効ツボで、慢性腰痛や背中のこわばり、足のしびれなどを訴える患者さんにはここにお灸(きゅう)、鍼(はり)をするとよく効くと言われます。こむら返りにも効果があります。ツボの位置と指圧法:太ももの後ろの中央あたり。いすに座って手を太ももの下に差し入れ、指圧しながら、しこりや違和感がある場所を探します。中指でひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。・委中(いちゅう)腰からお尻、足にかけて痛みがあるときの特効ツボで、足のしびれ、ひざの痛みにも効きます。ここを押すと飛び上るほど痛む人もいます。その場合は優しく、指の腹でなでるように指圧しましょう。ツボの位置と指圧法:ひざの裏の関節の真ん中。中指でひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。いすに座ってひざを両手で包み込み、中指で委中を押しながら足を前後に振るとより刺激が伝わります。(トップの写真参照)丸尾先生は、次のアドバイスを加えます。「とにかく腰を動かし、ツボ押しで血流増進効果を高めるようにしますまた、ツボには、お灸(きゅう)や鍼(はり)での刺激もお勧めします」どれも日常的に簡単にできる腰痛対策で、ありがたい情報です。痛みが出てからではなく、疲れそうと思ったらすぐに「腰をトントン」から始めて予防しておくのが得策です。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里筋線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年04月15日季節の変わり目や徹夜明け、二日酔い、あるいは特に原因も分からないまま、けだるさ、けん怠感を感じることがあります。鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「けん怠感や頭をすっきりさせるツボ」について、おうかがいしました。■血流をよくして、体のだるさを解消「オフィスや通勤電車でさっとケアしたいなら、まずは頭部の血流を促すようにしましょう。これからご紹介するツボを中心に、いつでもどこででも、指圧を試みてください」(丸尾先生)1.天柱首のコリがほぐれ、血行が良くなってだるさやぼんやりとした不快感などが和らぎます。ほかにも、頭痛、肩こり、目・鼻・手の痛み、精神疲労やストレスにも効果があります。ツボの位置:後頭部の髪の生え際にある、首の後ろの2本の太い筋肉の両外側にあるくぼみ。ツボの刺激法:手で頭を後ろから包み込むようにして押します。そのまま、頭を前後にたおすと刺激を強くすることができます。2.風池(ふうち)体のだるさを和らげます。二日酔いのときは、僕は、自分でこの風池にハリをしてケアしています。すると、30分から1時間後にだるさやしんどさが軽くなります。ちなみに、風邪の予防にも効果的です。ツボの位置:後ろ髪の生え際沿い、2本の太い筋肉の両外側から左右の耳に向かい、自分の親指の幅2本分ほど離れたところにあるくぼみ。1の天柱と近い位置にあるので、セットで覚えておきましょう。ツボの刺激法:手で頭を後ろから包み込むようにして、左右のツボを親指で同時に押します。天柱、風池ともに反対側の眼球に向かって刺激しましょう。ともに、少し痛いくらいの刺激があるほうが効果があるでしょう。3.承光(しょうこう)頭の上部にあり、意識をはっきりさせてくれます。頭、体、気持ちのけだるさ、頭痛、頭重感、視力減退、目疲れ、鼻づまりのケアにも効果があります。ツボの位置:両方の眉頭(まゆがしら)から真っすぐ髪の毛の生え際へ向かい、そこから自分の親指の幅3本分ほど上がります。さらに、その地点より親指の幅1~2本分ずつ左右へ移動したところ。ツボの刺激法:両手の中指で同時にひと押し10秒~1分、指圧します。もし、左右のどちらか違和感が強いほうがあれば、そちらを長めに刺激してください。最後に丸尾先生は、こうアドバイスをします。「ツボが見つけにくい場合は、おでこから頭部の前側にかけて、いわゆる『前頭葉(ぜんとうよう)』のあたり(トップの画像参照)と、首と後頭部の境目から後頭部のでっぱったあたりまでを中心に、あれこれと指圧してください。違和感を覚えるところが自分のツボですから、そこを探し当て、重点的に指圧をするとよいでしょう」これらのツボを順番に押していると、首から全身に向かってすっきり感が広がるように感じます。ぜひ試してください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月10日「東洋医学では、『風の邪気』が背中の『風門』というツボから体内に入り、首の『風池(ふうち)』にたまって、次に後頭部の『風府(ふうふ)』に集まってこじらせる、と考えられています。これらは『風邪の三大特効ツボ』と言われています」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■「風門(ふうもん)」にカイロをはって風邪を予防では、その「三大特効ツボ」と、丸尾先生お勧めの風邪対策ツボ1つをご紹介しましょう。1.風門(ふうもん)名称の通り、「風邪が侵入する門」であり、同時に、「風邪を防ぐ場所」でもあります。風邪のひきはじめにゾクゾクとするのが、背中のこのあたりです。風邪の邪気がここを通って2番目に紹介する風池にたまると、風邪は悪化します。風邪のひきはじめには、風門を刺激してください。てっとり早い方法として、風門のあたりを使い捨てカイロや蒸しタオルで温める方法をお勧めします。うちの鍼灸院のスタッフはみな、秋ごろからここにカイロを貼(は)っています。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろの最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)から二つ下の骨の両側あたり。ツボの刺激法:両方の中指で指圧します。もしくは、首の後ろあたりに手を回して、届くところにカイロを貼(は)りましょう。2.風池(ふうち)「池」とは「たまる」という意味。つまり、風邪の邪気がたまる場所です。頭の血行がよくなり、頭痛や頭重感、首のこり、微熱、体のだるさ、めまいなどの症状を和らげる特効ツボです。ツボの位置:後ろ髪の生え際沿い、2本の太い筋肉の両外側から左右の耳に向かい、自分の親指の幅2本分ほど離れたところにあるくぼみ。ツボの刺激法:手で後頭部を包み込むようにして、左右の親指で同時に押します。指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。3.風府(ふうふ)風邪がさらに進行すると、邪気がこの風府に集まると言われています。こじらせないためには、風府で邪気を食い止めるようにします。特に、鼻水、鼻づまりの特効ツボでもあります。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろに最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)のすぐ下のくぼみ。ツボの刺激法:手で後頭部を包み込むようにして、親指で押します。指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。4.大椎(だいつい)最後は、丸尾先生のオススメのツボです。大椎は、大きな椎骨(ついこつ)の下にあるという意味。背筋がゾクッとする、首が張る、頭が重い、扁桃腺(へんとうせん)がはれて急に熱が出た、のどが痛むときなどに効果的です。ツボの位置:頭を前に倒したときにできる、首の後ろに最も突出する骨(7番めの頸椎・けいつい)のすぐ下のくぼみ。ツボの刺激法:中指や人さし指でいろいろな方向に向けて指圧。また、指圧しながら頭をゆっくりと前後すると刺激が増します。丸尾先生は、指圧の方法について、次のようにアドバイスをします。「デスクワーク中など、ちょっとした時間にいつでもどこでも何度でも刺激してください。ツボの位置は人によって微妙に違います。自分で違和感がある場所を探し当て、その周辺を含めてひと押し10秒~1分を繰り返し刺激すると効果的です」「風門にカイロを貼(は)る」を試みたところ、体全体が温まり、なんだか風邪をひく気がしないから不思議です。ぜひお試しください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月09日食べ過ぎた後や飲み過ぎの翌日、胸やけがして集中力を欠いてしまうことはありませんか。オフィスでもケアできる方法として、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「胸の不快感に効果的なツボ」を教えてもらいました。■足のすねと胃は直結している「胸やけは、胃酸がのどもとまで上がってきている状態です。つまり、胃の機能を改善させる必要があります。足には胃腸の経絡(けいらく・体内の気の通り道)があり、足を刺激することも効果的です。これらのツボの刺激には、どれも、親指や中指、ツボ押し棒など押しやすいもので、ひと押し10秒~1分ほど指圧をしてください」(丸尾先生)では、ツボの紹介です。以下は丸尾先生談です。1.足三里(あしさんり)胃、腸、冷え性、足の疲れ、全身疲労、体力増強などの特効ツボです。ツボの位置:すねの骨の外側、筋肉の盛り上がりの上、少しくぼんでいるところ。親指で強く押すと違和感があるところ。2.上巨虚(じょうこきょ)・下巨虚(げこきょ)おなかが鳴るときにも指圧しましょう。ツボの位置:「足三里」から親指の幅3本分下がったところに「上巨虚」、上巨虚からさらに親指の幅3本分の下に「下巨虚」があります。3.懸枢(けんすう)胃腸の症状を整えます。また、腰痛の改善にも効くツボです。ツボの位置:背中の両方の腰骨を結んだ線と背骨の交差するところが、腰椎(ようつい)の4番目と5番目の間になります。指で背骨の突起をたどり、腰骨の1番目と2番目の間に懸枢(けんすう)があります。分からなければ、胃の後ろにあたる背骨を指でたどり、違和感がある箇所を見つけてください。4.気舎(きしゃ)ゲップを排出しやすくするツボです。しゃっくり、のどの痛み、首のこりなどにも効きます。ツボの位置:首の前側、のどぼとけの真下に胸の骨があります。その胸骨と鎖骨と境目の上。両方の人さし指で指圧します。5.巨闕(こけつ)あらゆる胃の症状に対応する胃の特効ツボです。ツボの位置:みぞおち。両手を重ねて、中指の先で指圧します。かたい部分があれば、柔らかくなるまで、優しく指圧を続けましょう。丸尾先生は、最後にこうアドバイスを加えます。「ツボの位置は人それぞれ違います。自分で少しずつ位置を変えながら指圧して、痛いところ、気持ちいいと感じるところを探し当ててください」覚えておくといざというときに役立ちそうなツボばかりです。それに、これらのツボを意識していると、食べすぎない、飲みすぎないように気を付けるということにもつながりそうです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分岩田なつき/ユンブル)
2012年03月08日何やら頭が重い、集中できない、でも大事な会議と打ち合わせがある……。「そんなときは頭がさえるツボをひと押ししてください」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■頭のてっぺんに特効ツボあり「頭がさえない、頭重感があるときは、原因として、頭部への血流が滞っていることが考えられます。まずは、肩、首、頭への血流を促すことを考えてください」と丸尾先生は話します。1.百会(ひゃくえ)「百」には、「あらゆる」、「たくさんの」などの意味があり、「百会」とは、「体の道すじが一堂に会する場所」を表します。頭のてっぺんにあるので、その意味も分かりやすいでしょう。頭部の不快感全般のほか、めまい、立ちくらみ、乗り物酔い、二日酔い、血圧の変化、疲れ目、鼻づまり、歯茎のはれなど、多くの症状のケアに有効です。ツボの位置:耳を前に折り曲げたときにできる上端から頭のてっぺんに向かって線を伸ばします。さらに、眉間(みけん)の中心から後頭部に向けて線を伸ばし、両者が交差するところ。ツボの刺激法:頭のてっぺんからおなかあたりまで、まっすぐに体の芯をぬくようなイメージで指圧します。親指、人さし指、中指、あるいはボールペンの頭などでひと押し10秒~1分ほどを数回、刺激します。2.通天(つうてん)1の百会に通じ、百会に気を送り込むツボです。特に後頭部からうなじにかけてのこわばりをほぐし、血流を促す特効ツボでもあります。首、肩のこりが原因で頭が重いと感じる場合は、ここを重点的に刺激してください。また、鼻づまり、抜け毛などの症状にも効くことで知られています。ツボの位置:額の髪の生えぎわの中心から、親指の幅4本分ほど後ろにたどり、さらに両耳の方向へ親指の幅1本半ほど下がったところ。1の百会の両側から、少し前よりにあります。細かい場所は気にせずに、頭頂部をあれこれ触って違和感がある場所を探し当ててください。ツボの刺激法:両方の手で頭を抱え込むようにして、中指でひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。こめかみを親指で同時に押すとさらに効果的でしょう。3.玉枕(ぎょくちん)「玉」は宝玉、「枕」は「枕骨」を指し、枕があたる後頭部にある宝玉のツボという意味合いです。そのとおり、後頭部にあるツボで、頭部の血行を促し、精神的ストレスによって起こる頭痛、頭重感に効きます。ツボの位置:後頭部の一番出っ張ったところから、左右に親指の幅2本分(3~4センチ)離れたところ。ツボの刺激法:親指でひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。■足の裏のくぼみは、万能のツボここで、おまけとして、自宅や風呂で押すと効果的な特効&万能ツボを一つお伝えしましょう。4.湧泉(ゆうせん)名称のとおり、人がみな、生まれながらにして持っているエネルギーがわき出るツボを意味します。体の疲労感のほか、不安やストレスなど精神的な原因による頭重感、だるさ、寝つきの悪さを改善し、体調を整える特効&万能のツボです。ツボの位置:足の裏で、足の指に力を入れたときにできるくぼみ。ツボの刺激法:両手の親指やツボ押し棒などでひと押し10秒~1分ほどを数回、指圧します。仕事中ならトイレで押す、もしくは、ゴルフボールを足元に置いてこのツボを刺激するなどでも効果があります。頭をしゃきっとさせるためには、頭頂部から後頭部にかけてと、足の裏を指圧すればいいということが分かりました。なんだか理屈にかなっていて分かりやすいツボばかり。ぼーっとするときにはすぐにひと押ししましょう。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年03月07日鼻水、涙、くしゃみ、頭痛、頭重……「花粉症の辛い諸症状には、ツボを刺激することで対処することができます」と鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生。■小鼻の脇から目頭、頭の前までを刺激「花粉症を発症すると、鼻や目の粘膜が荒れます。東洋医学では、鼻水が出る、鼻がつまるなどは、鼻を通る経絡(東洋医学で言う、気の通り道)が滞ると考えます。気の流れを意識しながら、鼻、目、頭を順番に指圧すると、症状緩和の効果はアップします」と丸尾先生は説明します。以下は、丸尾先生談です。1.迎香(げいこう)鼻水・鼻づまりの特効ツボです。「香りを迎える」という意味があり、鼻がつまってにおいを感じにくくなったときにここを押すとよい、という重要なツボです。ツボの位置:小鼻の両脇、根元のすぐ横のほうれい線(小鼻の両脇から、唇の両端に伸びるしわ)上にあるくぼみ。ツボの刺激法:両手の人さし指や中指で、同時に左右のツボを刺激します。やや強めに押すことを意識し、ひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。2.晴明(せいめい)目が疲れたとき、無意識にここを押す人も多いでしょう。このツボは、目に現れるさまざまな症状を緩和する特効ツボです。涙目、目のかゆみ、目の疲れを感じたときにはすぐにここを指圧しましょう。また、鼻の付け根で目頭にあたることから、鼻水、鼻づまり、鼻血など、鼻の機能を調整するツボでもあります。ツボの位置:目頭の脇。ツボの刺激法:指で押さえて上下させると、鼻の奥に違和感を覚える場所、方向があります。そこをめがけてひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。1の迎香とセットで覚えておき、迎香から晴明にかけて、鼻筋に沿って人さし指や中指の腹で50~80回ほど上下にマッサージをすると効果的です。3.印堂(いんどう)花粉症など慢性のアレルギー鼻炎、副鼻腔炎などによる、頭までツーンと響く鼻づまり、それにともなう頭痛、頭重感、息苦しさ、不快感などを緩和するツボです。また、精神的な不安があるときはここにおきゅうをすると効果があります。ツボの位置:左右のまゆの間の中央。ツボの刺激法:人さし指か中指で、ひと押し30秒~1分を数回、繰り返します。4.上星(じょうせい)口が渇いて鼻水が濃いときには、ここを長めに強めに刺激します。ツボの位置:前髪の生え際の中央から、真上に自分の親指の幅1本分を上がったところ。ツボの刺激法:人さし指や中指、また、つまようじやペン先の丸い部分で、鼻の奥をめがけてそこにズンと通じるように、強めにひと押し10秒~1分を数回、繰り返し指圧します。中指でトントンと2~3分ほどたたくのもよいでしょう。いずれも鼻を意識し、刺激が鼻に通じる感覚で押すようにします。最後に丸尾先生は、「花粉が飛び散る時期、症状が顕著になったときだけではなく、普段からこれらのツボを意識して指圧することが大事です。ツボ刺激は、予防に役立つのです」とアドバイスします。これらのツボをじっくりと押していくと、鼻の血流が促されたように感じて指圧の効果が分かります。ツボの位置も覚えやすく、オフィスでも実践しやすいので日常的に指圧するようにしたいと思います。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年03月03日残業時、おなかが減ってキュルキュル~、帰宅後のドカ食いでまた太る……を繰り返す筆者ですが、なんとか食欲を抑えるツボはないものでしょうか。そこで、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「自分でできるツボ・5つ」を教えていただきました。■おなかがすいたら耳を触るまず、丸尾先生は、食欲についてこう説明します。「よく、『やせるツボはありますか』と聞かれますが、ここを刺激すれば体重が減る、というツボはありません。体の機能はつながっていますから、『食欲が過多なとき、不足のときに、その人にとってちょうど良い状態に持っていく。体調に応じて食欲を調整する』というのが東洋医学の考え方です。例えば、『ストレスで食べ過ぎてしまう』、『残業続きで、深夜に食欲がわく』、『水分の取り過ぎでむくんでいる』など、それぞれに有効なツボが違ってきます」食欲過多の場合はその原因を追及し、崩れたバランスを整えるためにツボ刺激をうまく活用したいものです。■耳を指で押す、ひっぱる、つまむだけでOKではここで、具体的なツボを指導してもらいましょう。「オフィスでも通勤電車でも、風呂でもトイレでも、どこででも刺激ができるという点で、耳のツボ刺激をお勧めします。『食欲を抑えたい方は、すぐに耳を刺激する』と覚えておくといいでしょう。耳のツボは、最初は探しにくいと思われがちですが、『1点だけを探す』と思わず、『だいたい痛む場所』という観点で探してください」と丸尾先生。1.飢点(きてん)名称は、飢えを解消するという意味。その名のとおり、食欲を抑え、過食を調整するツボとして有名です。どのような体調のときにでも、食欲過多のバランスをとる効果があるツボです。食事の15分~20分ほど前に刺激すると、食べ過ぎを防ぐとも言われています。ツボの位置:耳の穴の前、少しふくらんだところのやや下にあるへこんだ部分。左右の耳にあります。ツボの刺激法:ひとさし指と親指でつまんだり、ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、ヘアピンやつまようじの先の丸い方を使い、あちこちを押してみる、あるいは、いろいろな方向から押してみるなどして、痛い箇所を探して刺激します。ただし、あまりぐいぐい押し過ぎると内出血やケガをしやすいので、注意してください。2.胃胃の働きを調整するには、耳のなかの、胃にあたる場所を刺激します。食べ過ぎ、飲み過ぎたとき、胃、腸など、消化器官が不調のときにも有効です。特に、食道につながる噴門部(ふんもんぶ)は右にあるため、右耳のツボを押さえると効果的です。ツボの位置:耳の一番外側の骨を耳たぶから指でたどっていくと、ちょうど耳の中心にたどりつきます。そのやや下あたりの、痛む箇所を探します。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。3.肺東洋医学で言う「肺」は、脳の視床下部につながっているとされ、自律神経系、ホルモン系などの中枢神経をコントロールする役割があります。過剰な食欲や、血糖値(血液中の糖分の割合)が高くならないと満腹感を覚えないという状態を調整します。ツボの位置:3の胃のツボの数ミリ下、耳の中の平たい部分。耳の穴の入り口の際(きわ)。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、ひとさし指や中指でいろいろな方向に押して、痛む箇所を探します。4.内分泌(ないぶんぴつ)読んで字のごとく、内側の関にあたるツボです。ここが硬い場合は、体のエネルギーの巡りをせきとめている状態。そうなると、イライラ、ヒステリー、不眠、心臓や胃の不調などの症状が現れます。よって、ここを柔らかく保つようにしましょう。ツボの位置:耳の穴のくぼみの一番下。耳の表面ではなく、くぼみの奥にあるので注意してください。ツボの刺激法:ひとさし指や中指で、左右のツボを30秒~3分ほど押す、軽くたたくなど、刺激します。自分の脈の速さに対応させるとより効果的です。また、親指とひとさし指で耳たぶをつまむようにしてもむ、さするなどもしやすい箇所です。5.陽陵泉(ようりょうせん)最後に一つ、胃酸の過剰な分泌を抑制する足のツボをご紹介。足三里(あしさんり)というよく知られているツボがありますが、ここは「胃酸が不足して消化不良のとき」に対応しますが、陽陵泉は、「胃酸過多を抑制してバランスと整える」という役割があります。ストレスで食べ過ぎる、胃が痛むときに試しましょう。ツボの位置:外くるぶしからひざに向かって、親指で上になでで行くと、ひざの下で骨にぶつかります。その下のくぼみ。ツボの刺激法:親指やツボ押し棒などで、あちこちの角度から押してみて、痛みがある箇所を探します。押す、もむ、さするなどを繰り返しましょう。最後に、丸尾先生は「耳は柔らかいので、ツボの場所にこだわらず、全体を指で、『押す』、『ひっぱる』、『つまむ』だけでも十分刺激になります」とアドバイスします。早速、つまようじの丸いほうで刺激してみると、耳のあちこちに鈍い痛みを感じる箇所を発見。「あ、ここがわたしの耳のツボなんだ」と分かりました。ぜひ、探してみてください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年02月17日デジタル機器大好きな筆者の悩みは肩こりです。スマホにタブレット、ゲームにノートパソコン。これらを使っているときはもちろん、バッグに全部入れて持ち歩くときも、肩も腕も痛くて重い……なんとかならないものでしょうか。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「オフィスや電車で、自分で押せる肩こり改善ツボ・5つ」を教えていただきました。■冷えがあるときは、手の甲→肩へと順に刺激する肩こり解消ツボの探し方について丸尾先生は、「肩周辺だけを押すのではなく、手からひじ、肩にかけて自分の手が届く範囲の場所をあれこれ押していきます。ポイントは、脇やひじという関節の近くを探ることと、骨に沿って触っていくということです」とアドバイスします。ツボの探し方と押し方については、「ツボは肌の表面にあるのではなく、体の深部にあります。それを意識して、押す方向を変えながら自分のツボを探し当ててください。また、ここでご紹介するツボはどれも、一押しで30秒~2分ほど、押す、つまむ、軽くたたくなどして刺激を加えるとよいでしょう。いつでもどこででも何度でも、繰り返し行ってください。ただし、皮膚につめ跡ができる、内出血をする、ケガをするほどまでに押さないようにしましょう。次に紹介する5つのツボは、押す順序などを考える必要はありません。違和感があるツボを重点的に刺激するようにしてください。ただ、冷えやだるさがある場合は、体の末端から中心部まで、つまり、1から5の順番に刺激をしていくとよいでしょう」(丸尾先生)■イライラや不安感が原因の肩こりにも効くでは、具体的にツボをご紹介します。以下の説明は、丸尾先生談です。1.合谷(ごうこく)このツボのくぼみは「谷」のようで、体を巡る気があふれる場所と考えられています。体調に不具合が出ると、左右の合谷のどちらかが、あるいは両方が痛むほど、体調のサインを発するツボです。肩こり対策をはじめ、腰痛、頭痛、歯痛、のどの腫れや痛み、胃腸の不調、だるさ、心身症などにも効果がありますから、覚えておくと応用が利くツボでもあります。ツボの位置:手の甲の、親指と人さし指の骨が交差する部分にあるくぼみ。もう一方の手の親指で押し、人さし指側に向けて押したり、親指と人さし指でつまむようにします、また、親指側や手首に向けてとあれこれ押す方向を変えながら、痛みや違和感を覚える場所を探り当てましょう。2.曲池(きょくち)ひじが曲がる場所にあり、「池」とは「たまる」という意味があります。つまり、「曲がるところに邪気がたまる」というツボです。キーボードを打つ、重い荷物を持つ、またテニスやゴルフによる腕の疲れ、特に、下痢や便秘などで大腸に邪気があるときの肩こりに有効です。ツボの位置:ひじを曲げたときにできるしわの外側にあるくぼみ。ひじの関節に向けてもう一方の手の親指で関節に向けて押しながら探り当てましょう。3.極泉(きょくせん)「極」は終点、最上を表し、「泉」は水がわき出る場所、という意味合いがあります。このツボは、腕の使い痛みに加え、不安や心配ごと、ストレスからくる胸さわぎ、動悸(どうき)などが原因で起こる肩こり、疲労感に有効です。ツボの位置:脇の下の中央を極泉と呼ぶのが一般的ですが、私は、背中側の腕のカーブの頂点のツボを刺激することをお勧めします。もう一方の手の中指で、痛む位置を探し当てます。一般的によく知られている極泉の位置と若干の違いがありますが、ここは小円筋(しょうえんきん)という肩の運動において重要な役割をする筋肉があるため、痛みを感じやすい場所です。4.肩井(けんせい)と5.裏肩井(うらけんせい)肩こりの治療に最もよく効くのが、「肩井(けんせい)」です。「井」は井戸を意味し、肩をめぐる体のエネルギーがわく場所を表しています。このツボを中心に、首すじから肩の先にかけて治療することを「肩井の術」と表現します。また、肩井と相対する胸側のくぼみ(「ツボの位置」参照)は、「裏肩井」と呼ばれています。この2つを同時につまむことで、一気に肩の邪気をはらうようにします。眼精疲労、寝違え、また、イライラやうつなど、精神的な症状があると肩がこわばり、いかり肩になって肩と首のこりが激しくなります。そんな症状の肩をほぐして血流を促し、頭まですっきりすることを意識しましょう。ツボの位置:後ろ首の根元と、肩先との真ん中にあるくぼみ、両手を肩に置いて、中指が当たるあたりが肩井。肩井を中指で押しながら、同時に親指で肩をつまむようにします。親指が当たる位置が裏肩井です。最後に丸尾先生は、こう付け加えます。「肩こりの原因はさまざまですが、デスクではけんこう骨や首を動かさないで指先だけでキーボードを打つ、字を書くなどの作業が続くことが多いのではないでしょうか。疲労感を覚える前に、時々、肩をすくめるようにしてストンと落とす、けんこう骨を中心に腕をぐるぐる回す、手首のストレッチなどを行いながらツボを刺激するとより効果的です」どのツボもすぐに押せるので、位置を覚えやすいのもいいところです。それぞれのツボを押すだけでも瞬間的に血流が促されているのを感じますが、5つのツボを全部押すと、心地よさとすっきり感を覚えることができます。ぜひ習慣にしたいものです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)
2012年02月16日筆者が通う鍼灸整骨院で、「20代の患者さんにこのごろよく聞かれるのは、『腹が立つ気分、怒りをしずめるツボはありますか?』ということです」という話を聞きました。そこで、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「怒り、イライラを抑えるツボとストレッチ」について、おうかがいしました。■腹が立つ、イライラするときは、全身がこわばっている丸尾先生は、怒りやイライラを感じるときの体の状態を、こう説明します。「腹が立ったり、イライラしているときは、体のあちこちの関節が緊張で硬くなっていることがあります。ですから、意識的に、手首や足首、肩関節を回す、首筋を伸ばす、股(こ)関節をゆるめるなど、屈伸運動のような軽い運動をするとよいでしょう。心の硬さと体の硬さは直結しますので、体の硬いところをほぐして心に働きかけるわけです」ではここで、具体的なツボとストレッチ法を紹介していただきましょう。1.心兪(しんゆ)と厥陰兪(けついんゆ)を刺激するストレッチ心兪(しんゆ)は、カッとなりやすい、イライラする、ヒステリー、心身症などに対応し、ストレス、精神的ショックなどを和らげるツボです。厥陰兪(けついんゆ)の「厥」とは、血液循環が悪い状態を表します。ストレスが体の内にこもり、体が冷えるときに刺激しましょう。ツボの位置:心兪(しんゆ)は第5胸椎(きょうつい)の外側、厥陰兪(けついんゆ)は第4胸椎(きょうつい)の外側です。ともに、けんこう骨の内側で、背骨をはさんで左右に2つずつあります。ツボの刺激法:自分では手が届かず、うつぶせになって人に背中を押してもらう位置にありますが、この2つを同時に刺激する、自分でできるストレッチがあります。両手を背中に回して、手を組みます。組んだ手を体から引き離すようにし、左右のけんこう骨をくっ付けるようにして背中を刺激しましょう。上半身のこわばりがゆるんでいきます。2.腎兪(じんゆ)を刺激するストレッチ東洋医学では、「腎の臓」に邪気が集まると病気になると言いますが、腎兪は腎臓や泌尿器系、また、呼吸器、神経系、婦人科系、の病気から、不眠症、立ちくらみ、腰痛……などさまざまな症状に対応します。ここを刺激、ストレッチをすることで、全身の筋肉がゆるみ、体が柔和になります。ツボの位置:左右の腎臓の上部、背骨の両脇、左右に2つ。ツボの刺激法:軽くこぶしを握って、腎臓のあたりに手を当てます。そのまま、背中を後ろへ反りましょう。いすに座ったままでも、立ってでも行えます。3.神門(しんもん)「神」は心を、「門」は出入り口を表すと言われ、心臓に異常があればここに違和感が生じます。怒り、ヒステリー、イライラ、心身症、不眠症、動悸(どうき)、胸が痛むときは、すぐにこのツボを押してください。高ぶった感情をしずめます。ツボの位置:手のひら側、手首の関節部の小指寄りの端にあるくぼんだ部分。ツボの刺激法:反対の手の指でくぼみを軽く抑え、グーパーか、または手首を前後にぱたぱたと振ることを繰り返します。4.内関(ないかん)読んで字のごとく、内側の関にあたるツボです。ここが硬い場合は、体のエネルギーの巡りをせきとめている状態。そうなると、イライラ、ヒステリー、不眠、心臓や胃の不調などの症状が現れます。よって、ここを柔らかく保つようにしましょう。ツボの位置:手のひらを上にした前腕の中心線上。手首から指の幅2本分ほどひじの方向へ離れたところ。ツボの刺激法:反対の手の親指で、ツボを指圧する。この付近をもみほぐしても効果があります。5.照海(しょうかい)ツボの名称は、「体に異常があるとき、明らかに邪気が集まる場所」という意味です。小さなことに腹が立つ場合や、特に、女性のイライラ、怒り、月経不順や月経にともなう精神不安や不快な症状に効きます。ツボの位置:内くるぶしの下にある大きなくぼみ。見つけやすいツボです。ツボの刺激法:指で指圧するほか、デスクワーク中や通勤電車では、反対の足の親指で刺激するとよいでしょう。ツボの刺激の仕方について丸尾先生は、次のように説明します。「あまり強く押し過ぎず、自分が『効いているな』と思う程度の強さで、一つのツボにつき30秒ほど、5~10回指圧をします。また、さする、もみほぐす、なども繰り返してください。ストレッチは、『伸びているな』と自覚する感覚を大事にして、いつでも何度でも行うようにしましょう」最後にこうアドバイスを加えます。「カッとなった、むかついた、キーッと感情が高ぶったとき、すぐさまこれらのツボを刺激したり、ストレッチを行ったりしてください。一瞬で、気分が変わるようになります」最近「イライラする」という方は、ぜひお試しください。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】鍼灸(しんきゅう)師に聞く。オフィスで目疲れ解消ツボ・ベスト5【コラム】怒り、疲れ、不安を癒やすツボとは?【コラム】ツボ押してスッキリ!自分で簡単にできる足裏マッサージ
2012年01月12日スマホにタブレットにゲーム機にパソコンに大型テレビと、とかくこの世はディスプレイだらけ。気付いたらコンタクトレンズと眼鏡の度数はドンドン進み、肩こり頭痛ケアもままならぬ日々です。そこで、デスクワーク中に自分で押せる目疲れ解消のためのツボについて、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔先生にお尋ねしました。■触る、なでる、つまむ、押す。自分でツボを探すまず、ツボの探し方について丸尾先生はこう言います。「ツボを探すには、ツボの位置が示された人体図などを参考に、おおよその場所をつかみます。ただし、体格同様、ツボの位置は人によって微妙に違ってきます。人体図はあくまで目安と考えて、そこから自分のコリ、ツボを探し当てるようにしましょう。例えば、肩に手を当てると左右の腫れやコリの違いが分かるでしょう。自分で触診するわけですが、触ったときにしこりのようなものがある、ほかの場所より冷たい、熱い、皮膚が乾燥しているなどの感触を感じ取ります。違和感があるところを触る、なでる、つまむ、押す。そうして、痛みが響く場所や、気持ちよく感じる場所が自分のツボです」■自分でケアしやすい目、首、頭痛に効くツボここで、目の疲れと、それにまつわる肩こり、頭痛などに効く「自分でケアしやすいツボ・ベスト5」を丸尾先生に選んでいただきました。その位置、押し方をご紹介します。「ツボを押す時間や回数は痛みの具合によって自分で調節すればいいのですが、目安として、ひと押しで5~20秒を5~10回ほど繰り返し、強く痛まない程度に刺激するとよいでしょう。どのツボも、左右に一つずつあります」と丸尾先生。以下、ツボの紹介はすべて丸尾先生談です。1.太陽目がすっきりして太陽が照るように晴れ晴れと目の疲れがとれる、というツボです。長時間パソコン作業をしていた、スマホの画面を凝視していた、暗い所でタブレットを使っていたなど、ディスプレイの見過ぎなどの疲れ目に、正しく押すと即効性があります。ツボの位置:目じりとまゆじりの延長線が交わるところ。こめかみのあたり。こめかみのへこみは広いので、いろいろな方向に押して痛みやコリがあるところを探す。ツボの刺激法:親指か人さし指の腹で、ゆっくりじわじわと力を加え、最後はぐっと押す。押す方向を、いろいろと変えてみると疲労がたまっているところが分かりやすい。2.さん竹(ちく)「竹のつえをつかなければ歩けないほど目が見えにくい」というほどの目疲れに効くといわれるツボで、「明光」、「眉本(びほん)」とも呼ばれます。視力回復や涙目、めまい、結膜炎にも効果があります。さらに、朝起きて、目が腫れぼったいときには、ここを親指で強めに繰り返して押すと、腫れがひいていきます。ツボの位置:左右の眉頭、まぶた側のくぼみ。ツボの刺激法:くぼんだ部分を、親指で下から押す、指でつまむ。反対側の目に向けて、またその逆に、上にと、方向を変えながら押す。円を描くように刺激するとコリがはっきりわかるツボです。3.天柱(てんちゅう)長年の目の疲れ、ディスプレイを少し見ていると頭重感がある、首筋がカチカチに凝っている、肩こりがある、吐き気もする、めまいも起こる、などの症状の場合はここを押してください。頭部への血流を促し、気を通すことにつながります。リラックス効果もあるので、何か考え込むことがある、ストレスがあるときにもその解消に有効です。ツボの位置:首の後ろに通っている2本の太い筋肉と、髪の生え際の接点の外側にあるくぼみ。ツボの刺激法:ひじを左右に張り出して、両手で頭を抱えるようにして親指で押す。右のツボは左目に向けて、左のツボは右目に向けてじわじわと力を加えていく。4.四白(しはく)四は四方、白は明らかを表し、「四方が明らかになる」という意味があると言われます。目の疲れのほか、緊張で顔がこわばって笑えないとき、 ほおが痛むとき、また、上の歯が痛むときにも効果を発揮します。ツボの位置:眼球のくぼみの下に骨がありますが、その縁の中心から指幅1本分ほど鼻側の少しへこんだ部分。あっかんべーをしたときに骨に指があたって止まる位置の鼻側。ツボの刺激法:人さし指の腹で、痛みを感じる方向にやや強めに押す。5.瞳子りょう(どうしりょう)「瞳子」とはひとみ、「りょう」は角の意味で、場所を表します。疲れ目の治療には定番のツボです。また、顔のひきつり、まぶたがぴくぴくするときなどにも有効です。ツボの場所:左右の目じりから、指1本分外側にある骨のきわ、小さくくぼんだ部分。ツボの刺激法:人さし指の腹で左右同時に、じわじわと力を入れる。いつでもどこでも自分で押しやすい5つのツボ。実践してみると、どんどん首から上がスッキリしてきて、気分まで晴れやかになります。デスクワーク中の習慣にしたいツボ押しです。監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10TEL: 06-7176-6289地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】パソコン疲れ!?眼科医に聞く目、肩、心身の疲労ケア【コラム】オリンピック選手に聞く。どこでもぐっすり眠るコツ【コラム】ツボ押してスッキリ!自分で簡単にできる足裏マッサージ
2011年12月03日代替療法・自然療法を中心に、女性外来のクリニックとスポーツの世界で治療・ボディケアを行なってきたスポーツアロマトレーナー・鍼灸あんま指圧マッサージ師の神崎貴子さんが、姉である美容・オーガニックコーディネーターの吉川千明さんとともに、この夏、鍼灸治療院「さくら治療院」をオープンした。「さくら治療院」のコンセプトは“働く女性の保健室”。忙しい日常を送る女性に、安心して心と体を休めることができるような、その時々に合わせたケアを提案していくという。治療メニューは、女性のバランス回復、冷え解消、マタニティ、更年期など、女性のライフステージとホルモンステージに合わせた治療をはじめ、逆子治療や乳がん術後のリンパ浮腫ケアなど、クリニックでの経験を活かした独自のケアを行う。その他、ボディやフェイシャルのマッサージ、美肌カウンセリング、美容鍼などさまざまなメニューがあり、肌や体の気になる症状に合わせて組み合わせも相談可能。何より、単なる対処療法ではない「自分自身の再生する力」「肌、体の本来の力」に目を向けた治療は、ライフスタイル全体を見なおすきっかけにもなりそうだ。体調が悪いけれど、どこに行ってよいかわからない、肌がよくならないけれど、誰に相談してよいかわからない、そんなときの心強い味方となってくれるに違いない。さくら治療院東京都渋谷区恵比寿西1-21-3 グレイス代官山901営業時間:11:00~19:00(最終予約受付)ご予約電話:090-6186-9150(完全予約制) 取材/おうちスタイル編集部
2011年09月19日