辻村深月原作アニメーション映画『かがみの孤城』の公開日が12月23日(金)に決定し、特報映像が公開。主人公・こころ役には、新人・當真あみが抜擢された。物語は、学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた中学生・こころを主人公にした、鏡の中の城で巻き起こるファンタジーミステリー。ある日突然、こころの部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、城のような不思議な建物と見ず知らずの中学生6人が。全てが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる――。特報映像は「ようこそお待ちしておりました」と、物語のカギを握る狼のお面を被った不思議な女の子・オオカミさまのセリフから始まり、「奇跡なんか、起こらない。そう思っていた」と切なく思い悩む表情のこころの姿も映し出されている。また、孤城へとつながる鏡から、こちらを見つめるこころが描かれたポスタービジュアルも公開された。制作のA-1 Picturesを筆頭に、脚本は丸尾みほ(『百日紅』)、音楽は富貴晴美(『そして、バトンは渡された』)、キャラクターデザインは佐々木啓悟(『劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人』)、ビジュアルコンセプト/孤城デザインはイリヤ・クブシノブ(『攻殻機動隊SAC_2045』)など、豪華スタッフが集結した。こころを演じるのは、14代目「カルピスウォーター」CMキャラクターに起用され、今回オーディションで抜擢された當真さん。「『かがみの孤城』はお薦めされて読んだあと、自分でも買って読み返したくらい好きな小説だったので、すごく嬉しいです」と喜びのコメントも寄せた。また、オーディションの様子が収録されているメイキング映像が、YouTubeにアップされている。原作・辻村深月コメント『かがみの孤城』は映像化がかなり難しい小説なのではないかと感じていました。しかし、アニメであれば作中の城の世界観や、主人公たちの思いを原作の持つ雰囲気のまま届けていただけるのではないか、と想像が膨らみ、ぜひお願いしたいと思いました。書いている時には気づかなかったのですが、自分の部屋の鏡を入り口に城に出かけるという設定は、自分が十代の頃、本やアニメ、映画に求めていたことそのものだなと感じています。ページを開けばそこに自分の居場所がある。読んでいる間は主人公たちの仲間になる。今回の映画も誰かにとってのそんな存在になってくれたら、とても嬉しいです。また、原監督は私が多感な時期にとても影響を受けた方です。その原監督に今回、『かがみの孤城』をお願いできることに大きな幸せを感じています。スクリーンで生きて動くみんなに会えるのを、今からとても楽しみにしています。『かがみの孤城』は12月23日(金)より公開。(cinemacafe.net)■関連作品:かがみの孤城 2022年12月23日より公開©2022「かがみの孤城」製作委員会
2022年07月28日辻村深月原作の映画『かがみの孤城』が2022年冬に公開される。この度、監督を原恵一が務めることが明らかにになり、超特報映像、「生徒役声優オーディション」の開催などが一挙発表された。原作は、本屋大賞15年間の歴史の中で歴代最多得票数を獲得し1位となったほか「王様のブランチブック大賞2017」や「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2017」など9冠を獲得し、 TV・新聞ほか各メディアでも大絶賛の話題作。2019年にコミカライズ、オーディオブック化、2020年には舞台化されるなど様々なコンテンツでメディアミックスされ注目を集め続けている。大人も子どもも夢中になるファンタジーミステリーとして幅広い世代から支持され、累計発行部数は今年に入り125万部を突破。辻村深月は、2004年『冷たい校舎の時は止まる』でデビュー。映画化もされた『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』では第147回直木賞を受賞している。その他、日本アカデミー賞を含め多数の賞を受賞した『朝が来る』や『ハケンアニメ!』など数々の作品が映画化されてきた。本作の主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。公開された超特報映像は、「たとえば、夢見る時がある。転入生がやってくる。その子はなんでもできる、素敵な子。」と、主人公・こころのモノローグで始まる。こころが誰にも言えない秘めた思いを語るこのセリフは、原作の冒頭シーンに登場する印象的なモノローグを引用したもので、その惹き込まれるような透明感あふれる瑞々しい声により、こころのキャラクター像が一気に浮かび上がってくる。控え目でありながらも深く深く胸に沁みこんでくるような、一度聞いたら忘れられない魅力溢れるこの「声」の正体とは。さらに、こころが何処かへ歩き出している足元や、光る鏡に手を触れようとしている手元のほか、7枚の鏡が並ぶ広間、海の上にそびえ立つ城など様々な印象的な情景が映し出される。また7月28日(木)には続報も発表予定。こちらにも期待だ。監督の原恵一は、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年)、『河童のクゥと夏休み』(2007年)の両作品で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞し、『カラフル』(2010年)では、世界最大規模のアニメーション映画祭「第35回アヌシー国際アニメーション映画祭」長編作品特別賞観客賞を受賞、『百日紅~Miss HOKUSAI~』(2015年)では同映画祭審査員賞を受賞している。2018年には、高畑勲監督、大友克洋監督につづき、アニメーション監督では3人目として紫綬褒章を受章するなど、国内外ともに高い評価を得ている。そして『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(2013年)、『心が叫びたがってるんだ。』(2015年)など、数多くの名作青春アニメを世に送り出してきたA-1 Picturesが制作を手掛ける。さらに「生徒役声優オーディション」も開催。指定のセリフを読む動画にタグ「#かがみの孤城オーディション」を付けてTikTok・YouTubeに投稿すると、生徒役として本作の世界に入れるチャンスが。ぜひこちらも応募してほしい。<原恵一監督・コメント>監督は孤独だ、などと云う。それは実際その通りで、自分は孤独では無い、なんて云う監督は大噓付きか大馬鹿者だし、孤独に耐える覚悟が無い人間は監督なんかやるべきじゃない。スタッフ、キャストの仕事をジャッジして、OK、NGを決め、進むべき方向を示さなければならない。それは個人の意地を貫くことで、故にその責任を負うには孤独である必要があると思うのだ。そんな監督仕事ではあるが、甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている。『かがみの孤城』2022年冬公開
2022年07月21日辻村深月の小説をアニメーション映画化する『かがみの孤城』の超特報映像が公開された。本作の主人公は、学校での居場所をなくし、家に閉じこもる中学生のこころ。映像では、「たとえば、夢見る時がある。転入生がやってくる。その子はなんでもできる、素敵な子」と、こころのモノローグから始まる。誰にも言えない秘めた思いを語るこのセリフは、原作冒頭に登場する印象的なモノローグを引用したものだ。また、こころの足元や、光る鏡に手を触れようとしている手元、7枚の鏡が並ぶ広間、海の上にそびえ立つ城など、印象的な情景が映し出されており、本作の世界観が感じられる。本作を手掛けるのは、“泣けるアニメーション”の名手と呼び声高い原恵一監督。制作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(’13)、『心が叫びたがってるんだ。』(’15)などを世に送り出してきた「A-1 Pictures」が手掛ける。原恵一監督コメント監督は孤独だ、などと云う。それは実際その通りで、自分は孤独では無い、なんて云う監督は大嘘付きか大馬鹿者だし、孤独に耐える覚悟が無い人間は監督なんかやるべきじゃない。スタッフ、キャストの仕事をジャッジして、OK、NGを決め、進むべき方向を示さなければならない。それは個人の意地を貫くことで、故にその責任を負うには孤独である必要があると思うのだ。そんな監督仕事ではあるが、甘美な瞬間がある。それは作品が、自分の思っている以上のものになる予感を感じた時、監督をやって良かった、としみじみ思うのだ。今、『かがみの孤城』という映画を作りながら、そういう予感を感じ、ワクワクと仕事をしている。『かがみの孤城』は冬、公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:かがみの孤城 2022年冬、公開予定©2022「かがみの孤城」製作委員会
2022年07月21日辻村深月の小説を原作に、成井豊が脚本・演出を手がけた舞台2作品を回替わりで上演する「辻村深月シアター」。そのラインアップのひとつである『かがみの孤城』は2020年夏に上演され、好評のうちに幕を閉じた。早くも再演となる今回は、同級生の悪意に傷つき家に引きこもる中学1年生の主人公・こころに田野優花がキャスティング。初日を約3週間後に控えたタイミングで原作者×脚本・演出家×主演俳優が一堂に会しインタビューに応じた。小説の登場人物と同じ1年を共有したんじゃないか、と思える魔法(辻村)──『かがみの孤城』以前にも、辻村さんの小説を成井さんが舞台化する取り組みは『スロウハイツの神様』(2017年初演)で実現しており、成井さんのつくり出す劇世界を辻村さんが信頼されているご様子は過去のインタビューで拝読していました。改めて、辻村さんが考える初演版『かがみの孤城』の素晴らしかったポイントを教えてください。辻村もう「すべて」とお答えしたいくらい。私も劇場に通って何度も観劇しました。特に嬉しかったのは、演劇ファンの友人たちから「何度も観てるみたいだけど、毎回こんなに気持ちを揺さぶられるのは大変じゃない?」という感想をもらったことです。日ごろ演劇を観慣れている人たちの期待にも十分に応えられるほど、観る人の心を揺さぶるお芝居だったんだなって。成井ありがたいお言葉ですね。辻村キャラメルボックスの作品を最初に観たのが、大学進学前、高3の春休みで、その頃から、成井さんのお芝居には、「成井さんにしかかけられない“魔法”」があると感じていました。それが、自分の小説を原作に実現したことにものすごく感動したんです。客席で周りの人たちに「すごいでしょう?この舞台の原作書いたの私なんです!」と宣言したいほど、誇らしかった(笑)。辻村深月シアターチラシ。今回は新作『ぼくのメジャースプーン』との2本立て──成井さんは、辻村さんのおっしゃる“魔法”をどうやって形にしているのでしょうか? 成井さんの手がける原作ものの舞台について、「オリジナルを尊重した姿勢が伝わる」「小説と同じ読後感を得られた」といった感想をよく見かけますが、そういった価値を観客に届けるために心がけていることは?成井素材のよさをいかに伝えるか──に尽きるんですよね。「惚れ込んだ原作を舞台にしたい」という前提があるので、もう“まんま”やるのがいちばんだけど……それは不可能。だから120分の上演時間を念頭に、エッセンスを取捨選択していきます。もう、いつも涙を飲みながらカットしてね(苦笑)。『かがみの孤城』もご多分に漏れず苦心惨憺したけれど、結果的に僕としては「これ以上は切れない」というギリギリラインの“最良”がつくれたと思っていて。でも、いつもそのくらい綱渡りなんですよ。辻村さんや原作のファンがどう感じるかは、また別の話だと思いますが。──でも、辻村さんは成井さんの“取捨選択”に信頼を寄せていらっしゃる。原作を想う成井さんの気持ちが伝わって、おふたりは相思相愛のように映っています。辻村その言葉は光栄ですし、嬉しいです。 成井さん、いつも「カットするのに苦労した」とおっしゃるんですけど……不思議なことに、どこも削っていないように見えるんです。私が「演劇で観たかった」と思うポイントが、ひとつも取りこぼさずに盛り込まれているんですよね。本当に1年間、こころや彼女が出会う6人の仲間たちと『かがみの孤城』で過ごしたんじゃないかと思えるような作品になっていて。たぶんこの「登場人物と同じ時間を共有した」という感覚が、舞台をご覧になった方の「小説と同じ読後感」という感想に繋がっているのではないでしょうか。田野さんは主人公の切実さが2階席最後列まで届く「声」の持ち主(成井)──初演をご覧になっていたら、田野さんにご感想をお聞きできれば。田野無意識のうちに影響されてしまうのでは、と思って……実はじっくり拝見していないんです。ただ初演に携わった皆さんのつくり出したものが好評を得て、今回の再演があるとお聞きして。それで主人公を務め上げる覚悟が決まりました。キャストも初演から半数以上が変わっているので、また異なるエッセンスを足して『かがみの孤城』の素晴らしさを届けていきたいですね。成井田野さんはね、初対面で「ものすごく声がキレイな子だな」と思って驚かされました。マイク慣れしているアイドル(AKB48)出身でありながら、腹式呼吸と共鳴を完璧にマスターしていることが伝わってきて。それで稽古に臨んだら、本当に響くいい声をしているんです。舞台俳優というのは、何より“声”ですから。田野ありがとうございます、励みになります。──田野さんの声のよさって、こころを演じるうえでどんな効果が期待できるのでしょうか?成井存在感ですよね。やっぱり劇団☆新感線を観に行くと、古田新太さんに釘付けになるじゃないですか。圧倒的ですよね、声と滑舌のよさが。つい目が、古田さんを追ってしまう。そういう華のある存在感が、田野さんにもあります。サンシャイン劇場の2階席最後列まで、こころの切実さが届くんじゃないかな。辻村古田さんと同じ存在感!(笑)成井あとは表現力。豊かにもなるんだけど、繊細さも打ち出せるんです。声が通る人ってボリュームを落としても客席に届くからね。中劇場より大きい場所になると、オペラグラスを使わなければ客席後方から役者の顔は見えません。この条件で再び古田さんを例に出しますけど……彼って姿かたちが見えなくても、声がよくて演技がうまいから「表情まで見えている」と錯覚しちゃうんですよね。声がいいと、後方からの見え方までカバーできる。──田野さんにも、古田さんに迫る表現力が?成井そうそう(笑)田野光栄です(爆笑)成井あと、田野さんって度胸がいいよね。頭で考えるより、その場でパッと思い浮かんだことを「やっちゃえ」って形にするタイプじゃない?田野はい!成井それがね、すごいのびのびやっているように見えて清々しいんですよ。同級生のいじめに遭っているこころはツラい役どころの一方で、『かがみの孤城』で出会う仲間たちと親しくなっていくと、だんだん本来の明るさを取り戻していく。春に彼らと知り合って、クリスマスパーティーをやる頃にはもうかなり打ち解けていてね。そのさまを田野さんがのびのび演じてくれる姿も「いいな」と感じていますよ。いじめから救われた実体験を、私だけのオリジナリティに(田野)──稽古は4月上旬に始まったそうですね。主演として参加している手応えを教えてください。田野気負わず稽古に臨んでいます。先ほど辻村さんと成井さんの「相思相愛」ぶりが話題に挙がりましたが、信頼し合っているおふたりの姿を拝見していると、この台本通りに自分がその場で感じたことを形にすれば「正解なんだ」と感じられる環境でして。本当に自由にやらせてもらっています。──先ほど「初演と異なるエッセンスを足して、『かがみの孤城』の素晴らしさを届けていきたい」とおっしゃっていました。田野さんだけのオリジナリティをどうやって主人公のこころに乗せているのでしょうか?田野私もこころと同じように、中学生の頃いじめに遭っていたんです。だから彼女に対して、親近感が湧くんですよね。当時の感情を活かせる場面もありますし。でも『かがみの孤城』はあくまでも演劇作品ですし、原作小説もあるわけだから、私情を乗せすぎることはよくない。劇世界に没入しすぎず、客観視もしながら作品のメッセージをシンプルに、ストレートに伝える。そのバランスを取るのがすごく難しいんですけど……なぜか「私ならできる」と感じてもいて。──その静かな自信はどこから来たんでしょうね? 脚本を信じて、のびのびと主人公を演じられていることの源泉に何があるのかな、と。田野(しばらく考えて)私がのびのび稽古できているのは、『かがみの孤城』という作品と、周りにいるキャスト・スタッフの皆さんを信頼しているからなんですよね。それに、自分が経験した“いじめ”を無駄だと感じていないことも大きいかもしれません。いじめに遭ったからといって、私はいわゆる「かわいそうな子」ではなかったんですよ。──自分のことを「かわいそう」と思ってはいなかった?田野はい。いじめの原因がわからず本当にツラかったですけど……「こんな目に遭ってしまう私かわいそう」と、悲劇のヒロインのように自分を受け止めることはなかったですね。そう感じられたのは、救いの手を差し伸べてくれる家族や友人が周りにいたから。そういう人たちと一緒にいて楽しかったですし、周りの人間や自分の度胸を信頼する力に繋がったと思います。そういう経験が、『かがみの孤城』で出会った仲間と打ち解けていく時にも活かされるんじゃないかな、って。──いじめを受けながらも周りの人に救われた経験を、こころに乗せていらっしゃるんですね。田野そうですね。すごく役に立っていますし、私なりのオリジナリティを発揮できるポイントのような気がしています。取材・文=岡山朋代撮影=源賀津己<公演情報>NAPPOS PRODUCE 辻村深月シアター『かがみの孤城』2022年5月20日(金) ~5月29日(日) 東京・サンシャイン劇場※『ぼくのメジャースプーン』との交互上演。新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場公演ありチケットはこちら:
2022年05月16日辻村深⽉の⼩説『かがみの孤城』がアニメ映画化。2022年12月23日(金)に公開される。ベストセラー小説『かがみの孤城』をアニメ映画化『かがみの孤城』は、累計発⾏部数160万部を突破している直⽊賞作家・辻村深⽉のベストセラー⼩説。本屋⼤賞15年間の歴史の中で歴代最多得票数を獲得し、2018年本屋⼤賞を受賞した人気作だ。2019年にはコミカライズ、オーディオブック化、2020年には舞台化されるなど様々なコンテンツで注目を集めている。そんな『かがみの孤城』がアニメ映画化。青春期独特の繊細な感情や感性をリアルに描いたファンタジーミステリーが、アニメーションとしてスクリーンに映し出される。<アニメ映画『かがみの孤城』あらすじ>学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこには不思議なお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めたころ、ある出来事が彼らを襲う―。果たして鍵は見つかるのか? なぜこの7人が集められたのか? それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?すべての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―。直木賞作家・辻村深⽉が原作者原作者の辻村深⽉は、2004年『冷たい校舎の時は⽌まる』でデビュー。映画化もされた『ツナグ』で第32回吉川英治⽂学新⼈賞、『鍵のない夢を⾒る』で第147回直⽊賞を受賞。⽇本アカデミー賞を含め多数の賞を受賞した『朝が来る』や、2022年5⽉に劇場公開となる『ハケンアニメ!』など、これまでにも数々の作品が映画化されている人気作家だ。當真あみが主人公の声に&北村匠海、宮﨑あおいら豪華キャストも『かがみの孤城』の主人公・こころの声を演じるのは、當真あみ。話題の新人女優が抜擢された。また、北村匠海、宮﨑あおいをはじめ、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶裕貴、麻生久美子、矢島晶子、美山加恋、池端杏慈、吉村文香といった豪華俳優陣・声優陣も集結。■主人公・こころ…當真あみ学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生。■リオン…北村匠海サッカーが得意で、誰にでもフラットに接する爽やかな少年。■アキ…吉柳咲良しっかり者で、皆のお姉さん的な存在。■スバル…板垣李光人飄々とした、どこか浮世離れした雰囲気の少年。■フウカ…横溝菜帆幼少時から生活全てをピアノに費やす眼鏡女子。■マサムネ…高山みなみゲーム好きな皮肉屋。■ウレシノ…梶裕貴恋愛気質で惚れっぽく、マイペース。■こころの母…麻生久美子■喜多嶋先生…宮﨑あおいこころを優しく見守るフリースクールの先生。■オオカミさま…芦田愛菜オオカミのお面を被った謎の少女。「鏡の中の城」にこころを含めた中学生7人を集める、物語の鍵となる人物。■伊田先生...藤森慎吾こころの担任教師。■養護の先生...滝沢カレンこころが通う中学校の養護の先生。監督は原恵一『かがみの孤城』のアニメ映画化を手掛けるのは、“泣けるアニメーション”の名手と称される原恵一監督。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』『カラフル』『百日紅~Miss HOKUSAI~』などを代表作に持ち、2018年には高畑勲、大友克洋に続き、アニメーション監督では3人目となる紫綬褒章を受章するなど、国内外で高い評価を得ている。また、制作は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『心が叫びたがってるんだ。』など、名作青春アニメを多数世に送り出してきたA-1 Picturesが担当する。主題歌は優里による書き下ろし「メリーゴーランド」映画『かがみの孤城』の主題歌は、優里による書き下ろし楽曲「メリーゴーランド」。優里初の映画主題歌となる。優里は「メリーゴーランド」について、「この曲がみなさんの"一人じゃない"未来に寄り添っていけたら嬉しいです」とコメントを寄せた。日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞受賞第46回 日本アカデミー賞にて、映画『かがみの孤城』が優秀アニメーション作品賞を受賞。2023年3月10日(金)に開催予定の第46回 日本アカデミー賞 授賞式にて最優秀賞が発表される。【詳細】アニメ映画『かがみの孤城』公開日:2022年12月23日(金)原作:辻村深⽉『かがみの孤城』(ポプラ社)監督:原恵一〈声の出演〉出演:當真あみ、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶裕貴、麻生久美子、宮﨑あおい、矢島晶子、美山加恋、池端杏慈、吉村文香、芦田愛菜、藤森慎吾、滝沢カレン配給:松⽵アニメーション制作:A-1 Pictures
2022年02月27日辻村深月の本屋大賞受賞作「かがみの孤城」が、劇場アニメーションとしてこの冬、公開されることが決定した。学校での居場所をなくし、家に閉じこもっていた中学生のこころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、城のような不思議な建物に行き着く。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の鍵が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという――。「朝が来る」「ハケンアニメ!」の映像化でも注目を集める辻村さん。「かがみの孤城」は、本屋大賞15年間の歴史の中で歴代最多得票数を獲得し1位に輝いたほか、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2017、2021など9冠を獲得し、TV・新聞など各メディアでも絶賛された、累計発行部数125万部突破の話題作。また、コミカライズ、オーディオブック化、舞台化もされている。青春期独特の繊細な感情や感性をリアルに描いた最高純度のファンタジーミステリーである本作。この冬、子どもから大人まで、全世代が共感できる青春映画の新たな金字塔として珠玉の感動作が誕生する。『かがみの孤城』は冬、公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:かがみの孤城 2022年冬、公開予定©2022「かがみの孤城」製作委員会
2022年02月24日2018年本屋大賞受賞、累計発行部数125万部突破の辻村深月によるベストセラー小説『かがみの孤城』が劇場アニメ化し、2022年冬に公開されることが決定した。原作は、本屋大賞15年間の歴史の中で歴代最多得票数を獲得し1位となったほか「王様のブランチブック大賞2017」や「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2017」など9冠を獲得し、 TV・新聞ほか各メディアでも大絶賛の話題作。2019年にコミカライズ、オーディオブック化、2020年には舞台化されるなど様々なコンテンツでメディアミックスされ注目を集め続けている。大人も子どもも夢中になるファンタジーミステリーとして幅広い世代から支持され、累計発行部数は今年に入り125万部を突破。原作者の辻村深月は、2004年『冷たい校舎の時は止まる』でデビュー。映画化もされた『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』では第147回直木賞を受賞している。その他、日本アカデミー賞を含め多数の賞を受賞した『朝が来る』や、今年の5月に劇場公開となる『ハケンアニメ!』など数々の作品が映画化されてきた。主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。『かがみの孤城』2022年冬公開
2022年02月24日絵本作家デビューから約 10 年。画家としても活躍するミロコマチコの作品群を展観する『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』が、2月11日(金)より横須賀美術館にて開催される。想像力をふくらませ、躍動感たっぷりの筆致で描いたデビュー絵本『オオカミがとぶひ』で注目を集めた絵本作家のミロコマチコ(1981- )。第18回日本絵本賞大賞を受賞し、出版業界に彗星のごとく登場。その後も手がけた絵本が連続して主要な絵本賞を受賞するなど、常に新作が期待される絵本作家のひとりである一方、大きな画面いっぱいに、生物や植物を描く画家としても活躍。幅広い世代から支持され、デザイナーやアーティストからも一目置かれる存在となり、活動の場を海外にも広げている。同展では、「ミロコマチコとは何者か?」をテーマに、2016年から2019年のライブペインティングをはじめとした近作、書籍の装画や企業とのコラボレーション、『まっくらやみのまっくろ』などの絵本原画、山形ビエンナーレ出品作品である立体絵本≪あっちの目、こっちの耳≫、奄美大島に移り住んでから制作した新作のほか、奄美大島での暮らしや制作風景も紹介。奄美大島への移住により、見えないものの音を聞き、その気配を感じるようになったというミロコ。そこで制作された新作たちは、エネルギッシュで破天荒なイメージに加えて、どこか霊的な存在をも感じさる作風へと変化している。常に躍動するその底知れぬ魅力を体感したい。《キンパ》2018 年(c)mirocomachiko《ドクルジン》 2019 年(c)mirocomachiko《夜を通るいきもの1》 2020 年(c)mirocomachiko【開催概要】『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』会期:2022年2月11日(金・祝)~4月10日(日)会場:横須賀美術館時間:10:00~18:00休館日:3月7日(月)、4月4日(月)料金:一般1,100円、学生・65歳以上900円美術館公式サイト:
2022年02月10日マームとジプシーの藤田貴大が手がける、子どもから大人までが一緒に楽しめる演劇『かがみ まど とびら』が11月22(日)・23日(月・祝)、28日(土)・29日(日)の4日間、上演される。2018年、『めにみえない みみにしたい』という作品で「子どもから大人まで」の演劇に初めて取り組んだ藤田。2019年には全国14カ所をツアーするまでとなった。そのシリーズの続編にあたる『かがみ まど とびら』は、”境界線“を意識したものになるという。たしかに鏡も窓も扉も、日常にありふれたものでありながら、あちらとこちらを明確に分けるものだ。マームとジプシーの、特に初期の作品には時折、木で作られた枠が用いられていた。それがバスや電車の窓になったり、額になったりと作品の中でさまざまに変化していく。窓そのものがなくとも、演じることによってただの枠が窓に見えるというのは、演劇ならではの「見立て」であり、面白さのひとつだ。今回もそんな、ひとつの要素がさまざまなものに変化していくさまが見られるかもしれない。『めにみえない みみにしたい』に引き続き、作品内で重要な役割を果たす音楽を担当するのは原田郁子。衣装はsuzuki takayukiが担当する。この音楽と衣装が、作品のファンタジックな雰囲気をより高めてくれることだろう。『めにみえない みみにしたい』は、しりとりやシャボン玉といった子どもが純粋に楽しめる要素を折り込みながらも、隅々まで藤田の美意識が張り巡らされ、物語には女の子の成長や戦争の影が見え隠れする作品だった。決して単純な「子ども向け」ではないもの――。物語と音楽、見立て、衣装……思えば、演劇の面白さをぎゅっと詰め込み、前面に押し出しているのがこのシリーズの魅力と言えそうだ。物語に潜むメッセージ性を探り、味わうのももちろん演劇の楽しさのひとつだけれど、『かがみ まど とびら』では、目の前に起こることを純粋に受け止めるという楽しみ方ができるに違いない。文:釣木文恵『かがみ まど とびら』作・演出:藤田貴大音楽:原田郁子衣装:suzuki takayuki出演:伊野香織 / 川崎ゆり子 / 成田亜佑美 / 長谷川洋子2020年11月22(日)・23日(月・祝)、28日(土)・29日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 NINAGAWASTUDIO(大稽古場)
2020年11月21日生駒里奈が主演する『かがみの孤城』が、8月28日に開幕。これに先立ち、公開ゲネプロと会見が行われた。【チケット情報はこちら】本屋大賞を獲得した辻村深月の小説を、成井豊の脚本・演出によって舞台化する本作。同級生の悪意に傷つき、家に閉じこもる中学1年生のこころ(生駒)はある日、自室の鏡を通じて見知らぬ城がそびえ立つ異世界へ引き込まれてしまう。そこで出会った6人の仲間と望みが何でも叶う“願いの鍵”を見つけようと奔走するうちに、彼らは自分たちが城に集められた理由を目の当たりにして──。共演者には溝口琢矢、野田裕貴(梅棒)、前田航基、原田樹里、河内美里らが名を連ねている。新型コロナウイルス感染症対策で、1ヵ月半の稽古期間をマスク姿で奮闘してきた一同。会見における成井の「ずっと互いの目元しか見えなかったけど、昨日の場当たりで初めて透明のマウスシールド姿になり、表情がわかるようになったら……演技が変わって抜群によくなったキャストが現れてね」という言葉に、生駒・溝口は大きく頷く。「特に一段とよくなった」と演出家からお墨付きを受けた生駒は、「いじめを機に不登校になってしまった中学生の人物造形と、演劇で求められる“大きな表現”をどうやって両立させようか迷いました」と稽古中の悩みを吐露。しかし「劇場入りしたらステージの大きさに後押しされ、引き出しが開いたような感覚です」と手ごたえを口にした。同じように、溝口も「劇場に入ったら、大きく楽しく伝えようという気持ちがどんどん膨れ上がってきました」と続く。原作者の辻村は「コロナで物理的な制限はあっても、心は誰にも縛られることなく自由」「どうか『かがみの孤城』の中で過ごした時間を、たくさんの人たちに持ち帰ってもらえたら」と観客に呼びかけ、会見を結んだ。公開ゲネプロは、孤城で過ごす中学生7人の姿を中心に、現実世界におけるこころや、彼女を取り囲む母親・教師・同級生らの葛藤が差し挟まれる形で展開。孤城の仲間が次第に心を通わせ、友情を育む様子がダンスシーンを交えて描かれた。全編を彩るFor Tracy Hydeの涼しげな音楽も、劇効果を最大限に高めている。上演時間は約120分(休憩なし)。公演は9月6日(日)まで、東京・サンシャイン劇場にて。その後、18日(金)~20日(日)に大阪、22日(火・祝)に愛知と巡演する。感染症対策を十分に講じて上演される劇場公演のほか、PIA LIVE STREAMでは収録映像を後日視聴できる「ディレイ配信」と、東京千秋楽公演の「生配信」も行われる。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2020年09月01日アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーで女優の生駒里奈が28日、東京・サンシャイン劇場で行われた主演舞台『かがみの孤城』のゲネプロに参加した。本屋大賞など8冠を受賞し、「最終章、あなたは経験したことのない驚きと感動に包まれる」と謳われた衝撃のラストが話題の辻村深月氏の『かがみの孤城』を舞台化。主人公・安西こころ役を生駒が演じる。入学早々、同級生から嫌がらせを受け、家に閉じこもる生活を送っていた中学1年生の安西こころは、ある日自分の部屋の鏡がまばゆい光を発していることに気づく。恐る恐る鏡に手を触れた瞬間、こころは見知れぬ城がそびえ立つ異世界に引き込まれてしまう。そこは、「オオカミさま」と呼ばれる城の管理人と、彼女に召還された7人の中学生が過ごす世界。そこでは「願いの鍵」を見つけた者が、何でも望みを叶えられるという。果たして「願いの鍵」は見つかるのか。7人が城に集められた驚くべき理由とは――。ゲネプロで生駒は、同級生からいじめを受けて苦しみ、そして、鏡をくぐり抜けた先の異世界に戸惑いながらも、次第にそこで出会った中学生に心を許していく主人公・こころを熱演。はじめは花柄のワンピース姿で登場したが、途中で制服姿も披露した。また、ダンスで心情を表現する場面もあった。ゲネプロの前に行われた囲み取材では、「主人公のこころが自分に似たような境遇にあるというところに興味を惹かれました」とオファーを受けたときの心境を告白。「こころは学校でクラスメイトとの間でトラブルがあって不登校になったんですけど、私は小・中でいじめられっ子という立場でいたので、そういうところは似ているなと思います」とこころとの共通点を語った。また、久しぶりの制服について心境を聞かれと、「やっぱりその質問来るんだなっていうので、3日くらい前から用意していたんですけど」と明かして笑いを誘い、「現役時代と比べるとすごく恥ずかしいので、なるべく着たくない服になってしまいましたけど、役があるから、こころになれたからこそ着られる」と照れ笑い。長く伸びた髪については「おうち時間で伸びました。美容院に行けなかったので」と話した。同舞台では、出演予定だった木津つばさが22日に新型コロナウイルスに感染していることが判明し降板。キャストやスタッフは濃厚接触者に該当しなかったが、PCR検査を受けて全員陰性と診断されたという。本番では出演者はマウスシールドを着用。客席とステージの間には、ビニール幕が設置される。舞台『かがみの孤城』は、8月28日~9月6日に東京・サンシャイン劇場、9月18日~20日に大阪・サンケイホールブリーゼ、9月22日に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールにて上演。
2020年08月28日乃木坂46の元メンバーで女優の生駒里奈が28日、東京・サンシャイン劇場で行われた主演舞台『かがみの孤城』の囲み取材に、共演の溝口琢矢、原作の辻村深月氏、脚本・演出の成井豊氏とともに出席した。同舞台は、本屋大賞など8冠を受賞し、「最終章、あなたは経験したことのない驚きと感動に包まれる」と謳われた衝撃のラストが話題の『かがみの孤城』を舞台化。主人公・安西こころ役を生駒が演じる。生駒は、昨年オファーを受けたときの心境を聞かれ、「主人公のこころが自分に似たような境遇にあるというところに興味を惹かれました」と告白。「こころは学校でクラスメイトとの間でトラブルがあって不登校になったんですけど、私は小・中でいじめられっ子という立場でいたので、そういうところは似ているなと思います」とこころとの共通点を語った。本作で久しぶりに制服姿を披露する生駒。その心境を聞かれると、「やっぱりその質問来るんだなっていうので、3日くらい前から用意していたんですけど」と明かして笑いを誘い、「現役時代と比べるとすごく恥ずかしいので、なるべく着たくない服になってしまいましたけど、役があるから、こころになれたからこそ着られる」と話した。舞台『かがみの孤城』は、8月28日~9月6日に東京・サンシャイン劇場、9月18日~20日に大阪・サンケイホールブリーゼ、9月22日に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールにて上演。
2020年08月28日木津つばさが、成井豊の脚本・演出で舞台化される『かがみの孤城』に出演する。稽古前の6月下旬、作品の魅力や役どころを尋ねていると、飛び出してきたのはとある人物との意外な接点だった。【チケット情報はこちら】辻村深月が2017年に刊行し、翌年の本屋大賞を獲得した本作。同級生の悪意に傷つき、家に閉じこもる中学1年生の主人公・こころ(生駒里奈)はある日、自室の鏡を通じて見知らぬ城がそびえ立つ異世界へ引き込まれてしまう。そこで出会った6人の仲間と望みが何でも叶う“願いの鍵”を見つけようと奔走するうちに、彼らは自分たちが城に集められた理由を目の当たりにして──。台本を読み、いじめを起点とした作品の感想を「SNSでの誹謗中傷に注目が集まる今だからこそ“刺さる”物語だと思いました」と語る木津。ネタバレにも踏み込みつつ「学校へ行けない悩みは時代を超えて一緒だし、“あなただけじゃない”と背中を押してもらえるはず」「最後には “学校へ行ってきます”って気持ちになれるのでは」と作品の魅力を述べる。木津は、こころと同じく城に集められた不登校の中学2年生・マサムネ役を演じる。自身は「普通に学校へ通う、等身大の中学生だった」と振り返るだけあって、大のゲーム好きであること以外、マサムネとの共通点はない。しかし「自分と遠いからこそ想像力を働かせ、感じるままに演じてみたい」「役と一心同体になる普段のアプローチとは異なる、新たな挑戦です」と意気込んでみせた。集められた7人にとって、孤城は次第に大切な“居場所”となっていく。ではかつて中学生だった木津の、心の拠りどころになる“孤城”は何だったのか。答えは、間髪入れることなく「ムロツヨシさん」──。DVDで観た映画『サマータイムマシン・ブルース』におけるムロのたたずまいに惹かれ、彼が当時出ていたラジオへメール投稿するように。ある日、怪我でサッカー選手になる夢を諦め「人生どうでもいい」と送った内容が番組内で紹介されると、ムロから「役者なら誰にでもなれる」という言葉が。それで現在の道に進んだ──という原体験を明かした。公演は、8月28日(金)~9月6日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、18日(金)~20日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、22日(火・祝)に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールと巡演する。また本作は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じて上演される。取材・文:岡山朋代
2020年08月07日生駒里奈が、成井豊の脚本・演出で舞台化される『かがみの孤城』に主演する。原作を読み、主人公・安西こころを「自分にぴったりの役」と述べ、作品や役柄のイメージを膨らませる稽古前の心境に耳を傾けた。【チケット情報はこちら】辻村深月が2017年に刊行し、翌年の本屋大賞を獲得した本作。同級生の悪意に傷つき、家に閉じこもる中学1年生のこころはある日、自室の鏡を通じて見知らぬ城がそびえ立つ異世界へ引き込まれてしまう。そこで出会った6人の仲間と望みが何でも叶う“願いの鍵”を見つけようと奔走するうちに、彼らは自分たちが城に集められた理由を目の当たりにして──。共演者には溝口琢矢、野田裕貴(梅棒)、木津つばさ、前田航基、原田樹里、河内美里らが名を連ねている。小学校で友人に無視され、独りで過ごしていた経験から「不登校になってしまう、こころの気持ちがすごくわかるんです」と役柄に自身を重ねる生駒。以来、内省的な性格になったというが「私がとても活発な女の子で、何の屈託もなく女優の道を進んでいたら、この役は難しいかもしれません」「でもいじめの経験がある自分だからこそ説得力が出るだろうし、同じ悩みを抱えている少年少女に向けて発信したい」と前を向く。生駒は、小説の舞台化に際して「生身の人間が演じることで、作品にどれだけプラスアルファの力を与えられるかが大切」と受け止める。原作を活かした緻密な演出に定評のある成井については、初タッグながら「この“プラスアルファ”を成功に導いてきた方」と印象を述べ、「作品をどのように構築していくか、近くで拝見するのが楽しみです」と笑顔を覗かせた。集められた7人にとって孤城が次第に“居場所”となったように、生駒にとって現在の“孤城”は何か。最後にそう尋ねると、まっすぐ「作品に取り組んでいる時間です」と答える。「舞台や映像では役をまっとうして物語の中で生きる瞬間が、私の居場所です」──。公演は、8月28日(金)~9月6日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、18日(金)~20日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、22日(火・祝)に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホールと巡演する。また本作は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じて上演される。取材・文:岡山朋代
2020年07月21日ナチュラル志向の高保潤化粧品株式会社マンアップは、販売中の「みずかがみコスメ」シリーズの新商品として、『みずかがみ美容液』を発売した。「みずかがみコスメ」は、滋賀県の低農薬ブランド米である「みずかがみ」や地元の農産品から抽出したエキスを配合した化粧品シリーズである。基礎シリーズ(クレンジング・化粧水・乳液・クリーム)は、滋賀のアンテナショップ「ここ滋賀(東京・日本橋)」で販売中である。そして、滋賀県内60以上の店舗と県外の量販店やドラッグストアでは、フェイスパック・洗顔石鹸・オールインワンジェルを販売している。潤いとハリのある健康美肌へ『みずかがみ美容液』は、他の化粧品の効果を増幅させるブースター美容液(導入美容液)である。浸透性の高い高純度不飽和レシチンの浸透リポソームが、肌の表面から角質の奥まで浸透し、肌内部を潤いで満たす働きがある。肌表面のキメをなめらかに整え、水分と油分のバランスを調整することにより、肌をふっくらとやわらかくし、角質層の美容成分の浸透を促進する。販売価格は、30ml入りで、2,400円(税抜き)。アンテナショップ「ここ滋賀」の他、オンラインショップ(楽天市場・Amazon)でも販売する。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社マンアップ※みずかがみコスメ近江のお米からうまれた高保潤化粧品
2018年09月12日本年度の本屋大賞が辻村深月さんの『かがみの孤城』に決まった。4度目のノミネートでの栄冠だ。作家生活14年目にして進化し続ける人気作家・辻村深月さんの今、そしてこれから。開けていなかった扉を開くことができました。――新作『青空と逃げる』は、父親が交通事故に巻き込まれたのちに失踪、周囲の悪意から逃げるために母親の早苗と小学生の息子・力ちからが逃避行を続ける物語です。新聞に連載された長編ですね。辻村:連載する3年ほど前、まだ直木賞を受賞する前に依頼を受けました。毎日掲載する新聞連載に堪えうる作家だと認めてもらえたのが光栄でした。どんな話がいいか打ち合わせをしている時、「辻村さんが書く親子の話が読みたい」と言われて。私がこれまで書いてきた親子は、親にとって子どもは保護の対象であり、子どもにとって大人は反発の対象となる場合が多かった。それで今回は、母親も子どもも、お互いにきちんと対話する話にしようということになりました。「逃避行だから実際の風光明媚な場所を入れてほしい」「できれば4~5か所出してほしい」「できれば最後に泣かせてほしい」といろいろオーダーされ、そのおかげで景色を丁寧に描写するなど、それまで開けていなかった扉をここでもまた開くことができました。――母子は最初、四国の四万十へ行きます。そのあと家島や別府温泉など、場所を変えていく。実際に取材に行かれたのですか。辻村:四万十は数年前に女友達と行きました。取材旅行だったわけではないのですが、四万十川の広がりや青さ、カワエビが美味しかったことなどを思い出しながら書きました。家島は『島はぼくらと』に出てくる冴島のモデルなんです。ですから、『青空と逃げる』に出てくるこの島の女の子は、『島はぼくらと』に出てくるシングルマザーの娘さんがその後少し成長した姿をイメージしています。漁港のおばちゃんたちは同一人物だと思っていただいていいです(笑)。――そうだったんですか!この作品では『島はぼくらと』に出てくる谷川ヨシノという、地域活性デザイナーも意外なところで登場し、そんなリンクも楽しいですね。新たに取材した場所は?辻村:別府温泉には行きました。早苗が各地で仕事を探すので、「温泉地ならいろいろと仕事があるはず」と、担当者に薦められたんです。資料にあった、海辺の砂風呂でお客さんに砂をかける「砂かけ」の女性にお話を聞いたら、「砂かけは女の仕事で、ここは女の職場だから」と言われて、ああ、早苗にはここで働いてほしいと思いました。実際に取材した分、書いていて楽しかったですね。早苗たちに、もうここに住んでほしいと思ったくらい。高崎山の猿も実際に見に行ったので、読み返していてやっぱり楽しいですね。――早苗は元舞台女優ですが、出産を機に専業主婦になっている。そんな彼女が、各地で仕事を見つけ、周囲と人間関係を築いていく姿が頼もしく、痛快でした。辻村:まわりの女友達を見ていて、やる前から諦めている人が多いなと感じていたんですよね。家庭に入った女の人が、「私はもう働いてないから」と諦め口調で話していたりする。本当は使える翼があるのに長い間しまっているためにもう自分は飛べないと思っているんじゃないかな、って。早苗は閉じていた翼を開いていくんです。読んでくれた方の感想に、最後に早苗と力が“選べる自由”を獲得したことが素晴らしい、とあって。今、貧困の問題や家族の関係性などから、選べないから追いつめられることってたくさんあると思うんです。早苗も、他に方法がないから、最初はただ逃げざるをえない。彼らが自分たちの今後を選べるところに連れていくまでを、私は書きたかったのかもしれないなと後から思いました。――事件の謎が解明されたのちの、ラストが素晴らしかったです。辻村作品は緻密な構成が魅力ですが、いつも結末を考えずに書き始めるというから驚きます。『かがみの孤城』も、伏線が見事に回収されるあの見事な終盤、当初は何も考えていなかったそうですね。辻村:そうですね。『アンアン』に連載した「ハケンアニメ!」もそう(笑)。いつも何も決めずに書きだす時は、「ここ」と思える場所に辿り着けるか分からず、やっぱり怖いです。「でもこれまでも絶対、何かが降りてきてラストに辿り着けたんだから」という気持ちの積み重ねで、10何年もやってきた感じがあります(笑)。――今後の刊行予定などは。辻村:6月には短編集『噛み合わない会話と、ある過去について』が出ます。いくつかの媒体に書いた短編をまとめたものですが、実は一冊にまとめる時を見越してどれも共通する裏テーマとして、“結晶化された過去”というものを設定していました。いじめられた過去だったり、いい友達同士だと思っていた過去だったり、そうした結晶化された過去を持つ2人がその思い出について語るけれど……という。読んでくれた人から「よくぞこれを書いてくれた」という感想の声がもう届いていたりして、一冊読み終えた時には、不思議とスカッとしてもらえると思います。それと来年、『週刊朝日』に連載した「傲慢と善良」という婚活の話が刊行の予定です。つじむら・みづき1980年2月29日生まれ、山梨県出身。2004年「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。‘11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、‘12年『鍵のない夢を見る』で直木賞受賞。今年、4度目のノミネートである本屋大賞を『かがみの孤城』で受賞。他の著作に『朝が来る』『東京會舘とわたし』など。※『anan』2018年5月23日号より。写真・女鹿成二インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年05月21日ミステリ&ファンタジー小説『かがみの孤城』が、今年度の本屋大賞を圧倒的支持で受賞。作家生活14年目にして進化し続ける人気作家・辻村深月さんの今、そしてこれから。「いつも通り全力投球」という感覚でした(笑)。本年度の本屋大賞が辻村深月さんの『かがみの孤城』に決まった。4度目のノミネートでの栄冠だ。新作長編『青空と逃げる』も好評で、来年には作家生活15周年を迎え、充実の時期を迎えた彼女は今、どんな思いを抱いているのか。――まずは本屋大賞受賞おめでとうございます。辻村:今までノミネートされたどの作品で受賞できても嬉しかったのですが、今回特別に感じるのは、前年の受賞者がプレゼンターになるため、恩田陸さんから花束を受け取れたこと。このための今年の受賞だったのかと思いました(笑)。私は10代の頃から、それこそ恩田さんのデビュー作『六番目の小夜子』からずっと作品を読んできているんです。大好きな恩田さんからバトンをもらったことで、私も次にバトンを渡していけたらなと強く感じています。もちろん私にとっては今まで書いてきたどの作品も大切で、ひとつひとつ愛情を持って書いてきたつもりです。今回も特別気合を入れたということはなく、「いつも通り全力投球」という感覚でした(笑)。それでも、今まで開かなかった扉が開いた感じがあるのは嬉しいですね。――この作品は、学校に通えなくなった少女が、鏡を通じて異世界の城と行き来するようになる、という内容。でもある仕掛けにより、すでに大人になった読者にも、自分たちにも関係する物語なんだ、と思えますね。辻村:そういう思いで書きました。読んでくれた方の感想がものすごく熱くて、みなさん“自分の物語”として受け止めてくれているのが分かるんです。その方たちも今回の受賞を喜んでくれるだろうと思うと、とてもありがたいです。自分の代表作って自分で選べないんですよね。いろんなテイストのものを書いていることもあって、人によって「辻村深月の代表作」が違うと思うんです。今後は本屋大賞を受賞したことで『かがみの孤城』が代表作だと言ってもらえると思いますが、それは誰に対しても悔いがないというか。――14年間の作家生活のなかで、変わらないものは何ですか。辻村:やっぱり原点にあるのはミステリです。ミステリ作家であることが私の支え。傍から見れば私が書くものは、謎を提示して真相を探るというオーソドックスな形ではないかもしれません。でも、今まで全部の小説を、私はミステリの技法を使って書いてきました。謎だと思っていなかったものが実は謎だったり、謎だと提示しないでいきなり秘密を明かす方法を物語作りの軸にしてきたんです。――『かがみの孤城』はミステリ作家たちにとって大切な賞、日本推理作家協会賞の長編および連作短編集部門にもノミネートされていますね。この取材の時点で発表はまだですが。辻村:そうなんです!憧れの賞なのですごく嬉しいんです。自分はミステリの本家の子じゃなくて分家の子だから、この賞は目指せないのかなとも感じていたので。今回のノミネートで、ミステリ作家だと見てもらえているんだと思えました。ノミネートされたこと自体が、これからも頑張ったら扉は開くんだと、励みになりました。――来年で作家生活15周年です。先ほどご自身もおっしゃいましたが、作風を広げてきましたよね。辻村:ノンミステリのものも含めいろいろ書いてきましたね。デビューの頃からリアルタイムで読んでくださっている方に「初期の頃のような青春ミステリを書いてください」と言われて「待っててね」と言い続け、ようやく書けたのが『かがみの孤城』でした。ただ、今でも初期の作品を挙げて「最近これを読んで、そこからハマりました」と言ってくださる方も多いんです。10年前に書いたものも現役の物語として、今も読んでくれている人がいるのが嬉しいです。――2007年の作品『スロウハイツの神様』が昨年、演劇集団キャラメルボックスにより舞台化するなど話題になっていますし。過去の作品も愛されていますよね。辻村:『かがみの孤城』の初版の帯に「著者最高傑作」とあったのですが、それに怒ってくれる読者もいるんですよ。「実際に読んだら本当に傑作だったけれど、自分にとっては『ぼくのメジャースプーン』が最高傑作なんです」とか「過去の作品も全部あっての辻村さんなのに」とか(笑)。作品に一番愛情を持っているのが作者とは限らないものなんですよね。作者以上に作品のこと、登場人物のことを愛してくれたり、考えたりしてくれる人がいるのがすごく幸せ。自分の小説が今、私の手を離れたところで愛されている自覚を持てることを、作家として一番誇りに思います。つじむら・みづき1980年2月29日生まれ、山梨県出身。2004年「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。‘11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、‘12年『鍵のない夢を見る』で直木賞受賞。今年、4度目のノミネートである本屋大賞を『かがみの孤城』で受賞。他の著作に『朝が来る』『東京會舘とわたし』など。※『anan』2018年5月23日号より。写真・女鹿成二インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年05月18日