アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)は2024-25年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションをフランス・パリにて発表。ルネサンス後期の衣装から着想「THE TAYLOR」を掲げた今季は、ルネサンス後期の衣装からインスパイア。アンドレアス・クロンターラーがミラノで見たという、イタリアの画家ジョヴァンニ・バッティスタ・モローニの展覧会が創作の出発点となっている。写実的な肖像画を多く手掛けたジョヴァンニ・バッティスタ・モローニの描く厳格でエレガントなアートの数々が、ヴィヴィアン・ウエストウッドとともに制作を行っていた初期の記憶を思い起こさせたという。加えて、かつてヴィヴィアンとともに参照していたジャネット・アーノルドの名著『パターンズ・オブ・ファッション(Patterns of Fashion)』における歴史的なパターンや、友人から譲り受けたスポーツ用プロテクターからもアイディアを繋げていった。メインとなるのはルネサンス後期を思わせるクラシカルなウェア。バルーンスリーブのブラウスや、ジョッパーズパンツ、スタンドカラーのロングコート、コルセットを配したドレスなどが登場している。切り刻んだようなスカートやドレス特徴的なのは、切り刻むようにカットを施したピース。丸みを帯びたスカートは切り込みによってフォルムに躍動が生まれ、生地をふんだんに使ったブラックのドレスは切れ目から肌が見えることでセンシュアルなエッセンスをプラスしている。エレガントなシルエット真っ白なガウンコートやパワーショルダーのブラックドレスなど、生地を贅沢に用いた流れるようなシルエットのアイテムが散見された。また、ドレープも多用されており、エレガントさをプラス。一連のパーツが流れるような曲線を描くフード付きブラウスをはじめ、パンキッシュなチェック柄セットアップのサルエルパンツ、テール付きのシャツジャケットなど、随所に緩やかなカーブが落とし込まれている。劇的でフェティッシュな要素歴史上の衣装をベースとしつつ、アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッドらしいフェティッシュな要素も随所に見て取れる。サイドや背中が大胆に開いたドレスや急な角度をつけた厚底ブーツなど、劇的なディテールを加えたアイテムが揃う。股の部分を覆う1600年代のコッドピースもフェティッシュな要素として機能し、ブラウスやストライプ柄のパンツなどに重ねてボディラインを強調。太ももまでダイナミックに覆うサイハイブーツも目を引いた。
2024年03月15日「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、人生には思いがけない出来事がつきものですが、今回ご紹介する映画の主人公もまさにそんな生涯を駆け抜けたひとり。“東ドイツのボブ・ディラン”と呼ばれたシンガーソングライターでありながら、スパイでもあった男の真実を描いた注目作です。『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』【映画、ときどき私】 vol. 378ベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが消滅した後もカリスマ的な人気を誇っていたシンガーソングライターのゲアハルト・グンダーマン。昼間は炭鉱でパワーショベルを運転し、仕事のあとは仲間とステージに上がっていた。希望や夢に満ちた自作の歌で人々に感動を与えていたが、実は秘密警察に協力し、スパイとして活動していたという人には言えない過去があった。葛藤する日々を過ごしていたグンダーマンは、友人たちを裏切っていた事実をついに告白。そして、観客の待つステージへと向かっていくことに……。2019 年の「ドイツ映画賞」では作品賞や監督賞含む 6 部門で最優秀賞に輝き、本国ドイツで大ヒットを記録した本作。そこで、その舞台裏についてこちらの方にお話をうかがってきました。アンドレアス・ドレーゼン監督見事な手腕を発揮し、高く評価されている東ドイツ出身のドレーゼン監督。今回は、長い時間をかけて制作された本作の完成までの道のりやグンダーマンの魅力について語っていただきました。―本作は10年もの時間をかけて作り上げたそうですが、そこまでの過程について教えていただけますか?監督まず一番時間がかかったのは、脚本を仕上げることでした。40数年という短い人生を送った人物とはいえ、ひとりの人間がたどった生きざまをたった2時間の映画にまとめるのはやはり大変なことですからね。今回の脚本を書いてくれたライラ・シュティーラーは、生前のグンダーマンを知っている人、特に妻のコニーと何度も会って話をしながら、どういう物語にするかを考えてくれました。彼が送った壮大な人生のドラマをうまくまとめるためには、それくらい時間を費やしていい脚本にする必要があったのです。もうひとつ時間がかかったのは、資金集めでした。というのも、助成金に関わる公的機関で委員を務めている人たちは、西ドイツ出身の人が多く、脚本を出した際には「こんな話がおもしろい映画になるとは思えない」と言われたりしたこともあったくらいですから(笑)。そういったこともあり、なかなか助成金が下りず、撮影までに長い時間を要してしまいました。自分の人生をどう生きていくかを考えてほしい―ということは、当時を知っている人と知らない人とでは、映画の感想もかなりわかれたのでしょうか?監督そうですね。観客のなかでも世代が異なると、作品の受け取り方も違ったようです。私は東ドイツで生まれましたが、ドイツが統一してもう30年以上経つので、昔はどうだったのか思い出せないこともありますけどね。ただ、当時を知らない人たちにとってはこの映画で描かれていることは、別世界のように感じたのかもしれないです。私としては、若い世代の人たちがこの映画を“哲学的娯楽作品”として受け取ってくれたらいいかなと考えています。「哲学的」といったのは、罪の意識にさいなまれているグンダーマンの姿を見て、「どうしたら人生で罪を犯さずに生きていくことができるのか」ということを感じてほしいからです。実際、当時の東ドイツで起きていたこういう問題は、なくなったわけではなく、形を変えていまの世界にもまだあるものですよね。なので、観客の方々がこの映画を観たときに、映画を楽しむと同時に自分の人生をどう生きていこうかと考えてくれたらいいなと思っています。―グンダーマンのように労働者であり、シンガーソングライターであり、スパイでもあるという人物はなかなかいないと思いますが、監督が映画の主人公にしたいと思うほど惹かれたのはどのあたりですか?監督私がもともと彼のファンだったということもありますが、彼は本当に人をワクワクさせる人物なんですよね。人間としても、アーティストとしても魅力的だと感じています。あとは、彼の政治的な部分に興味を持っていたというのも大きかったかなと。実際、彼は加害者でありながら被害者でもあるという二面性を持った複雑な立場に置かれていた人でしたからね。そのほかに惹かれたのは、友人の妻であったコニーに7年間も恋をしていたところ。そういったひとりの女性に対する純粋さも魅力的だと感じました。コニーもグンダーマンとのことは、大恋愛だったと話していたほどです。グンダーマンの音楽は人の心を開かせる―資金面で苦労したとおっしゃっていましたが、そういった彼の魅力やストーリーのおもしろさを訴えて、最終的にOKをもらえたのでしょうか?監督もちろん主人公であるグンダーマンがどれほど魅力的な人物かということは伝えましたが、委員会の人たちはあまり現実的には受け取ってはくれませんでしたね……。なので、私はいろいろなところに手紙を出しては、この作品を作りたいと訴え、何とか助成金を出してもらうことができました。結果としては、観客動員数もよかったですし、多くの映画賞を受賞できたので、いまとなっては委員会も助成金を出して正解だったと感じてくれていると思います(笑)。―間違いないですね。実際にグンダーマンを知る人たちと会ってみて、彼の素顔を垣間見た瞬間はありましたか?監督コニーやバンドの仲間たちから聞く話は、知らない事実が多かったので、驚くことばかりでした。先ほども触れたコニーとのラブストーリーもそのひとつ。人妻だったコニーの心を7年もかけて射止めたという話を初めて聞いたときはびっくりしました。あと、今回のリサーチのなかで興味深かったのは、彼が思いついたことをカセットテープに吹き込んでいたこと。劇中にもシーンとして入れましたが、実際に聞かせてもらうこともできました。そこには、おもに彼の声で歌のアイディアが録音されていましたが、ときにはどこかの電話番号が吹き込まれていたことも(笑)。普通では聞けないような音源で、そこからリアルな情報も得られたので映画を制作するうえでは非常に役に立ちました。ファンとしてもうれしかったですし、まだ彼が生きているかのような感覚も味わうことができて、非常に満足しています。―グンダーマンの歌が多くの人を惹きつける理由は、何だと思いますか?監督彼の音楽の魅力は、人の心を開かせるところ。そして、歌を通して彼の優しい眼差しが見えるところだと思います。だからこそ、彼の歌を聴いていると、精神的に強い力をもらうことができるように感じるのかなと。そういう気持ちが歌にも込められているので、私もほかの人に対して優しく接したいなと思うようになりますね。周りからのエネルギーが自分にとっての原動力―そのなかでも、特に歌詞が印象的でしたが、監督が好きなフレーズや曲があれば、教えてください。監督気に入っている言葉がありすぎるので、選ぶのは難しいですね。映画のなかで使った曲から好きなものを挙げるとすると、「LINDA(リンダ)」という彼の娘のことを歌った曲が印象に残っています。というのも、この曲は娘に対しての歌ではありますが、男性が女性に向けるラブソングとして聞くこともできる曲だからです。特に、冒頭の「僕の心に 君が宿った/ 寂しい一軒家に/ ドアも窓も 大きく開けて/ 明るい光が 入るように…」と歌っている部分が好きです。でも、本当に好きな歌が多いので、すべてを言うことはできないくらいですね。―同じアーティストとして、彼から影響を受けているところはありますか?監督私は普通の生活を送るいっぽうで、グンダーマンと同じようにツアーに出て歌うこともあるので、芸術に携わる人間としても、ひとりの人間としても、いろいろな意味で影響を受けていると思います。―では、監督にとって創作活動の源になっているものとは?監督まずは、自分はひとりではないということですね。一匹狼のようなアーティストの方もいますが、私はそういうタイプではなく、俳優やいろいろなスタッフとチームで仕事をするのが好きなんです。だから今回も、ひとりひとりからエネルギーをもらってこのような作品を作り上げることができました。私にとっては、それが何よりも原動力です。そして、観た方々には作品から感動を家に持ち帰ってもらえたらいいなと思うので、そういった作品を生み出すことが映画に携わる人間の仕事だと思っています。毎日さまざまな新しい発見をしながら、映画を作っているところです。―そういった部分が映画作りの魅力でもありますね。監督そうですね。映画を作るというのは、本当に人間的な行動だなとも思っています。なぜなら、映画を通して幅広い世代の人たちに物語を伝えており、それはまるで親が子どもに本を読んで聞かせるようでもありますからね。みんなでひとつの映画を仕上げていく作業は、とにかく楽しいので、それがモチベーションになっています。映画を通じて日本を近く感じることがある―ちなみに、日本の作品や文化から影響を受けたことはありますか?監督もちろん、日本の芸術家からも多くの影響を受けていますよ。映画でいえば、特に黒澤明監督の『羅生門』。こんなにすばらしい作品はほかにはないと思っているほどです。あと、ほぼ毎年カンヌ国際映画祭に行っているので、そこで日本の映画をよく観ていますが、いまの日本人の日常生活を垣間見れるようないい作品が多い印象ですね。日本の映画を観ていると、自分のなかにも同じようなところがあると気づかされるので、日本をとても近く感じることがあるほどです。だからこそ、それとは逆で日本のみなさんがこの作品をどのように受け止めるのかについては、とても興味があります。―最後に、日本の観客にメッセージをお願いいたします。監督10年以上の時間をかけて作った映画でもあるので、それが日本でも公開されることをうれしく思っていますし、本当に楽しみにしています。「人生というのは、なんて複雑なものなのか」と感じて作った映画でもあるので、みなさんにもぜひそういったことを感じていただきたいです。ひとりの男の人生から学ぶことがある東ドイツで最大のスキャンダルとも言われた秘密警察に翻弄され、数奇な運命をたどることとなったグンダーマン。さまざまな感情を味わった彼にしか歌うことのできない力強い名曲の数々とともに、ひとりの人間が経験した愛や葛藤に胸が熱くなるのを感じるはずです。取材、文・志村昌美熱量の高い予告編はこちら!作品情報『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』5月15日(土)より、渋谷ユーロスペース他全国順次公開配給・宣伝:太秦© 2018 Pandora Film Produktion GmbH, Kineo Filmproduktion, Pandora Film GmbH & Co. Filmproduktions- und Vertriebs KG, Rundfunk Berlin Brandenburg
2021年05月14日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)は2021年春夏コレクションを発表した。新たなコレクションは詩や戯曲と共にアンドレアス・クロンターラーの10作目となる今季は、ランウェイではなく真っ白な空間で撮影したムービーでコレクションを発表した。ムービー内では、ポエムの暗唱と共に新たなピースを発表していく。ヴィヴィアン・ウエストウッドが書いた詩の暗唱と共に登場したナイトローブは、リサイクル素材を用いた凹凸のある表情豊かなを生地で製作。デザイナーである一方で環境保護アクティヴィストであるヴィヴィアンの意志が活きたアイテムの一つだ。シェイクスピアの戯曲『テンペスト』と共に発表したのは、ボーンプリントを施したTシャツとスウェットミニスカート、フラワープリントのブーツ。アンドレアス・クロンターラーらしいアグレッシブで斬新な合わせはまるで“嵐”のようにインパクトのあるビジュアルを完成させている。不規則に渦巻く翡翠色で彩ったショート丈のボマージャケットも目を惹くアイテムの一つ。コレクション内では、同素材を用いたドレスなどもラインナップされる。ユニークな合わせで個性を引き立たせて暖色を複数組み合わせたダブルブレストのジャケットには、ミニドレスとして着用出来るオーバーサイズのユニセックスシャツを合わせて。フォーマルなアイテム同士を組み合わせてドレスダウンした独創的なスタイリングが、各アイテムの個性を引き出している。“あなたが必要なものだけをよく選び、ファッションのあるべき形を見つける”ブランドが提唱するこの言葉を体現するように、一見複雑に見えるルックも組み合わせているアイテムの数は2つから3つのものが多い。一つ一つのアイテムに強い個性を宿すことによって、より小点数で独創的なスタイリングを完成させる前衛的なクリエイティブは、今季も鮮やかな形で洋服たちに反映されていた。
2020年10月08日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月29日(土)に発表された。「9」の持つ意味を今一度問うクリエイティブ・ディレクターのアンドレアスにとって、9作目のコレクションとなる今季。9の数字が持つ“普遍的な愛”や、“人類への奉仕”という意味を見つめなおした彼は、改めてコレクション制作こそが自分の人生にとってかけがえのないものであると実感したという。愛するクリエーションによって誕生するのは、きっと誰かの人生を後押しをできるとっておきの服。今季は、音楽史におけるストラヴィンスキーの最高傑作「春の祭典(Rite of Spring)」を着想源に、寒く暗い冬から温かな地上へと導いてくれるようなパワフルなワードローブを作り上げていく。マニッシュなムードでパワフルにこれまでもジェンダーへのアプローチを行ってきたブランドだが、今季はそんな“パワフルさ”の象徴として、マニッシュな要素を強く取り入れているように感じられた。がっちりとしたショルダーラインを主流に、スタイリングには本来紳士服を起源に持つアイテムを組み合わせ。ゆったりとしたパンツ×オーバーサイズのトレンチコートや、豊かなドレープを描くビッグサイズのスーツスタイルといった力強いワードローブがランウェイへと姿を現した。ドレススタイルまた優雅なドレススタイルも、こうした男性的な要素とドキング。裾元のプリーツが美しいパープルのドレスには、ウエストマークするようにして、メンズライクなネルシャツをオン。アウターには、ショート丈にカッティングされたトレンチコートを合わせて、ジェンダーの垣根を超えるギリギリのラインで、エレガンスなスタイルへと導いている。ことわざ通りのアクセサリーさらにホワイトのオーガンザで仕立てられたセクシーなワンショルダードレスには、刃先が"ペン”へと姿を変えたアクセサリーを組み合わせた。“ペンは剣よりも強し”ということわざ通り、彼女たちの知性によってくり広げられる、新たな世界の幕開けを期待させてくれるルックだ。フェミニンに着こなすメンズスタイル一方メンズにも、フェミニンムードに近づけるスタイリングが。スーツスタイルには、艶めく布でしっとりと仕上げたトレンチコートを、スリット付きのドレスのような佇まいで着こなし。フリル付きの裾が目を惹くブルーのジャケットは、煌く装飾付きのカラータイツと共に提案された。新作シューズもなおコレクションには、アーティストたちとのコラボレーションによる新作シューズも登場。バイカーブーツや、スワロフスキーで覆われたストラップサンダルをはじめ、シューレースの代わりに無数のリボンを結んだスニーカーがモデルの足を飾った。
2020年03月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が、2月29日22時(現地時間29日14時)より、パリ・ファッション・ウィークで開催する2020-21年秋冬ランウェイショーをライブ配信する。ショーの様子はこちらから放映(※会場の状況により開始が遅れる場合あり)。
2020年02月25日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。テーマは「Rock me Amadeus」。日常にあるものから着想今シーズンは、アンドレアスが壁に貼り付けているいくつかの写真をはじめ、彼が日常を送っている中で見つけた様々なものをインスピレーション源にクリエーションを行っている。本来なら繋がることのないものが、コレクションに投入され、入り混じり、繋がり合うことにより、独自の世界観が生み出される。「ヴィーナスの誕生」イメージのドレスたとえば写真に写り込んでいたドアノッカーの装飾から想像を膨らませたリング状のループは、股上を大胆にカットしたパンツに散りばめた。サンドロ・ボッティチェリの名画「ヴィーナスの誕生」に描かれた風になびく布から着想を得たドレスは、ベースとなるコルセットに布を巻き付けるようにして仕立てている。ボリューミーなハット&傘肩に荷物を乗せた商人のシルエットからインスパイアされたのは、ドレスのショルダーやウエストにあしらったボリューミーなパフのディテール。そのボリュームは、頭上へも広がっていき、ビッグサイズのハットや傘へと姿を変えている。“世界は全てつながっている”その他にも、ハンガーにかかったままの洋服を頭上にのせたルックや、魚の巨大な人形を模したヘッドアクセサリー、人影を落とし込んだエプロンのようなピースなど、サプライジングなアイテムが登場。日常から選び取った1つ1つの要素はばらばらで混沌としているものの、アンドレアスが命を吹き込むと、コレクションの中では不思議な纏まりを見せる。“世界は全てつながっている”という彼の言葉を証明しているかのようだ。アニマルトゥシューズを再構築足元を彩るのはヴィヴィアン・ウエストウッドのアイコニックなアニマルトゥシューズを再構築したシューズ。レースアップのパンプスや、ショート丈のウエスタンブーツなどがランウェイに顔を出した。
2019年10月02日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が、パリで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月30日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が3月2日、パリのハイアット リージェンシー パリ エトワールで2019-20年秋冬コレクションを発表した。
2019年03月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が、3月2日22時(現地時間2日14時)、2019-20年秋冬パリ・ファッション・ウィークで開催するランウェイショーをライブ配信する。中継はこちらからも視聴可能(※会場の都合で遅れる場合あり)。
2019年03月02日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2019-20年秋冬コレクションが、2019年3月2日(土)日本時間22:00よりフランス・パリで発表される。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。2019年春夏コレクションでは、「スケートボード」をヒントに、スケートカルチャー、ストリートカルチャーを混ぜん込んだアイテムを展開。ルックでは、ビッグTシャツやショートパンツ、作業服風のオールインワンなどで、スケーターたちが纏っているスタイルが表現された。今季はどのようなテーマでコレクションを作り上げたのだろうか。その答えを是非リアルタイムのショーで確かめてみて。【詳細】アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド 2019-20年秋冬コレクション日本時間:2019年3月2日(土) 22:00現地時間:2019年3月2日(土) 14:00
2019年03月01日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2019年春夏コレクションが、フランス・パリで2018年9月29日(土)に発表された。「スケートボード」文化が着想源インスピレーション源となったのは「スケートボード」。アフガニスタン・カーブルでパワフルにスケートボードに乗る女の子たちの写真からクリエーションを進めたという。その着想源から派生し、今シーズンはエンターテインメントショーを見ているかのような楽し気な演出が魅力。キャットウォークをするはずのモデルたちは「スケートボード」乗り、時にはパリの街中でよく見かける電動キックボードに乗って登場する。また、会場中央ではアーティスト集団がオブジェを作成中だ。紙とバルーンで樹木のような立体物の制作を進行している。ユースカルチャーから派生したデイリーウエア新作ピースは「スケートボード」のヒントから、スケートカルチャー、ストリートカルチャーを混ぜん込んだフレッシュな仕上がりだ。ロゴまたはストライプ柄のソックスにスニーカーが基本のスタイルで、ビッグTシャツやショートパンツ、作業服風のオールインワンなど、スケーターたちが纏っているスタイルを表現。ブランドならではの、ジェンダーにフォーカスしたアプローチとして、メンズモデルがドレスやスカートを纏ってスケートボードに乗る姿も見られた。また、カジュアルに着れるピースも散見。定番のジャケットスタイルやアーティスティックなグロークンドレスに交じって、Tシャツ地のワンピースやポロシャツワンピースなどが登場している。ストリート文化の影響からかロゴも多様され、胸元やバッグスタイルにスローガンメッセージのように刻まれた。ホース柄テキスタイルをアクセントに装いは総柄を多用し、ヴィンテージライクなファンシーフラワー柄のドレスや、アースカラーの生地に絵の具のようなペイントを施した柄のワンピースなどが展開。また、ショー当日ヴィヴィアン・ウエストウッド本人が纏っていたホース(馬)柄のドレスと同様のテキスタイルは、アイコニックな存在でドレスやパンツなど、様々なシルエットで紹介されている。
2018年10月01日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が9月29日、パリで2019年春夏コレクションを発表した。
2018年09月30日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が3月3日、パリで2018-19年秋冬コレクションを発表した。
2018年04月01日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリにて2018年3月3日(土)に発表された。コレクションノートに綴られたのはアンドレアスからヴィヴィアンへのラブレター。2人が出会ってからアンドレアスが見てきた彼女のクリエイションに、敬意を込めてオマージュを捧げたのが今季だ。会場はブランドのアイコンカラーである赤色で染められ、設置された3つの舞台では、テーマの一つである「ユニセックス」に相応しい、アンドロジナスなダンスパフォーマンスが行われた。ショーの始まりはヒジャブのように布を纏ったルックが続く。多く合わせられているのは変形テーラリングだ。インスピレーション源は70年代、ヴィヴィアンがテディボーイスタイルをリスペクトした服を作りながら「レット・イット・ロック」を開いた時代の作品だ。ショップの壁紙やカーペットから取られたフラワーモチーフが華を添える。80年代から90年代のヴィヴィアンのマスターピースとも言えるクリエーション、たとえばクロールシャツ、ボディラインを大幅に強調するシルエット、上流階級スタイルを皮肉ったようなハリスツイードコレクションが現代的に再創造される。かつては曲線で表現されたシェイプは直線的に、フィットはタイトからリラクシングに。過剰を削ぎ通し洗練させつつも、強さと甘さを感じさせるブランド独特の雰囲気は健在だ。後半になるにつれ両性的な魅力を持つルックが増えていく。男性モデルが着こなす丈の短いドレス、オーバーニーブーツ、ぴったりと体のラインを出すストレッチ素材のパンツ。フィナーレに近づくにつれ、プレーンだったルックはよりデコラティブに。豪奢なホワイトドレスに続きラストを飾った花束をささげ持ったルックは、アンドレアスのヴィヴィアンに対する想いを象徴したかったのかと思えた。
2018年03月07日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今季は、ヴィヴィアン・ウエストウッドの夫であり、ブランドのクリエイティブ・ディレクターである、アンドレアス・クロンターラーの名前「andreas」と名付けられたシーズン。コレクションノートには、自分の名前がなかなか好きになれなかったことや他の国が母国であったらよかったという本音とともに、年々色の持つ官能性に惹かれていることが綴られている。始まりは、真っ白なダウンをストールのように巻いたモデル達の登場から。首から頭、そして足首から下しかよく見えないが、中はスイムウェアかアンダーウェアを纏ったくらいのように見える。ショーを開けてみると、コレクションノートの言葉通り、鮮やかな色彩に溢れ色の魅力を伝えているように感じる。赤やブルー、オレンジ、黄色。ダメージ加工、ブロークンディテール、落書き風のハンドペイントなど”正統派”ではない世界に溶け込んだパレットは、ブランド特有の反逆的な精神までも明るく見せてくれる。また、色と色の重なりを楽しむように、パッチワークデザインが多い。スニーカーモチーフや絵画風のテキスタイルなどを組み合わせたドレス、パンツ、トップス。象徴的な性に関するプリントも今季は真っ赤なハートマークを上からペイントされポップなムードだ。また、小花柄のスカートと大きなハットは、アンドレアス・クロンターラーの出身地であるオーストリア・チロル地方の伝統衣装をイメージしているようにも見える。生地を破ったり割いたり、またテイスト違いのビックサイズのジャケットなどとのコーディネートも、過去に抱いていた母国へのマイナスなイメージを表現するように映った。自分自身の本当の姿を再現する開放感は、南国の島への旅にも繋がったようだ。特にメンズは、スイムウェア風のショートパンツが多く、アロハ柄で彩られている。女子モデルの耳には、サクランボやラズベリーなどビックサイズのフルーツピアスがぶら下がり、こちらも純粋にファッションを楽しむ、開放感のようなものが生きている気がする。
2017年10月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)は、インターコンチネンタル・ホテルのボールルームで3月4日、2017-18年秋冬コレクションを発表。ヴィヴィアン・ウエストウッド本人もモデルとしてキャットウォークし、会場を大いに盛り上げた。今シーズンはウィーンモダニズム100周年、実家の自室に飾ってあったクリムトの複製画、そしてWiener Werkstatten(ウィーン工房1908~1932年)によるヴィンテージのチロリアン風子供服からインスパイア。また第一次大戦後の世界平和を求めた一時期にも着目し、コレクションに反映させたという。チロリアンテープのモチーフを思わせる花を縫い付けたブルゾンや、小花&ストライプのプリントドレス、オリエンタルな花モチーフのドレスなど、ある意味カオティックな程に様々なモチーフが溢れ、様々なアイテムが登場した。しかしシルエットは概してオーバーサイズで、特にジャケット類は肩が大きくずり落ち、手が出ない程長いジャケットも。今回は特に、オーストリア人としてのナショナリティーを強く意識したとのことで、配布されたプレス資料の最後には「ウィーン工房に敬意を表す」と記されていたが、オーストリア色が強いということもなく、最終的にはヴィヴィアン・ウエストウッドらしさがしっかりと感じられるコレクションとなっていた。
2017年03月18日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2017-18年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。今シーズンを作るにあたり興味を向けたのは、第一次世界大戦後中の世界が平和への期待を持ち始めた時期。ランウェイには、ハートや手書き風の花模様など温もりのあるモチーフが飛び交っていて、フォークや紙ごみなどファッション界とは縁遠いアイテムが華やかな光を浴び、そのピースフルな光景がどこかその時代と重なるような気がした。ヴィヴィアン・ウエストウッドがショーに登場したのも、心温まる演出である。クリエーションを進める上で、ヒントとなったもの。一つは、デザイナー自身が幼少期を過ごした実家と家財。特に、クリムトの作品を好んだ彼の部屋にはレプリカがいくつも貼ってあったという。その姿をデザインに落とし込んだかのように、どこか懐かしい色柄が溢れている。ドレスやシャツに使われた、花柄やチェック模様は、ウォールペーパーを切り取ったかのように家庭的で、色褪せたような風合いがある。また、クリムトの中でも特にお気に入りだという『ダナエ』の色彩がテキスタイルに反映されたかのように、黄味がかったベージュやホワイトが連なるシーンもある。画家・アーティストからのイマジネーションからだろうか、ブラッシュ・ペインティングのような模様がスリムパンツやシンプルなトップス、ジャケットなどを駆け巡っている。装いは、ドレスと並んでスーツスタイルが多く、ポケットなど一部分がデフォルメされたような不均衡なフォルムで提案されている。それらの上には、もう一つクリエーションを支えた、2着の子供服の影響を感じる。切りっぱなしのフェルトにアルプスの花々を散りばめたツーピースと小さな美しいダーンドルスカート。手書き風の花モチーフはアルプスの花のようだと想像力を刺激するし、スリムなドレスラインに交わるコート、ジャケットはゆったりとしたフォルムでダーンドルスカートと通じるところがある。【詳細】アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド 2017年秋冬コレクション時刻:日本時間 2017年3月5日(日)0:00現地時間 2017年3月4日(土) 16:00
2017年03月05日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が2017年春夏コレクションの広告ビジュアルを公開した。地中海に着想を得た今シーズン。コレクションは、ギリシャ神話の女神にちなんで「エウロパ(Europa)」と名付けられた。舞台となったのはギリシャのヒドラ島だ。むき出しなった岩肌に散らばる古い板や木造の家屋。地中海の強い日差しを受け輝く海。そこにはヨーロッパの海辺の街に特有の、時間が止まったような感覚と、どこか色褪せたような懐かしい空気感が漂う。そんな街を舞台に、モデルたちが身にまとうコレクションの色彩や素材が、個性的で美しい世界を作り出す。デザイナー、ヴィヴィアン自身も登場した。ダメージを施したブラウンのサマーニットや、肌が透けるようなベージュのレースのスカートが放つゆったりとしたムードは、午後の日が差す地中海の小さな町にしっくりと呼応する。一方で、シルクのドレスを着たモデルは、地面に転がる岩や木片とユニークなコントラストを成している。砂浜で太陽の光を全身に受けるように立っているモデルが身につけているのは、大胆にショート丈にカットしたジャケットとパンツのセット。レインボーのグラデーションが、海と空が混じり合う真っ青な背景や日の光に美しく溶け込んでいる。【問い合わせ先】ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーションTEL:03-5791-0058
2017年01月24日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)がパリで17SSコレクションを発表した。また、ショーの直後から今シーズンの厳選された20点のアイテムが旗艦店とオンラインストアで限定販売されている。
2016年10月09日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2017年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。今季ブランドは、鮮明な形で夏を迎えた。地中海が一つのインスピレーションとなり、ビキニやワンショルダーのサマードレスがランウェイを走る。パリジャンのYasmineとのコラボレーションによって生まれたスイムウェアは、花模様やフリルをあしらってフェミニンな仕立てだ。ビーチでのくつろいだ時間は、リラクシングで着心地よい時間をもたらした。ロングTシャツを1枚でさらりと纏った着こなし、またスイムウェアがギリギリ隠れる長さのミニスカート、ハートポケットのハーフパンツ、ゴムウエストのパンツなどが躍動的なシーズンテーマを体現している。一方、ビーチに相応しくないテーラリングは、リデザインして軽やかさを差した。パンツスーツは、ボトムスの内側にカッティングを入れ、スカートともパンツとも判別し難いシルエットへと変形、ジャケットにはバックスタイルにカッティングを入れリボンディテールを添えた。少年的なショートパンツのセットアップも登場している。訪れた人が思わずシャッターを切ってしまう、アイデアピース。今季は、流れ落ちるようなリボンが複雑性を持たらしたハット、ドレスを支えるクリノリンを逆さまにしたようなトップスなどが、個性的なシルエットを創り出している。
2016年10月01日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が10月1日23時(現地時間10月1日16時)、17SSパリファッションウィークで開催するランウエイショーをライブ配信する。ストリーミング動画URL: (
2016年09月29日3月5日、パリのパレ・ドゥ・トーキョー(Palais de Tokyo)を会場に、アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)が16-17AWコレクションを発表した。ヴィヴィアン・ウエストウッド・ゴールドレーベル(Vivienne Westwood Gold Label)から、元教え子でオーストリア人の夫、アンドレアス・クロンターラーの名を冠したブランド名称に変更して初めてのシーズンとなるコレクションタイトルは「セクササイズ」で、数ヶ月の間にクロンターラーに起こった私的な出来事に着想を得ている。ヴィヴィアンのアシスタントで仏教徒となった友人作の服の色の輝き、あるいは父親の引越しに際し母親が残した服とアクセサリーを整理した時の記憶、また画家ピーテル・ブリューゲルの代表作『農民の婚宴』の色使いが直接的にコレクションに反映。同時にメンズも発表されたが、基本的には全てユニセックス仕様となっている。レッドやマスタードカラーの仏教僧の袈裟を思わせるコートや、僧を思わせるヘッドドレスなどが登場したが、ベルベットのビュスティエやタフタのジャケットなど、ヴィヴィアンらしさは残されている。オーバーサイズのスーツは、80年代風の肩が特徴的。全体的にはアシメトリーのアイテムは少なく、シンプルなシルエットで着やすそうになっているのが興味深かった。最後のルックは、ゴールドのドレスを着用し、オレンジのレナンキュラスのブーケを手にしたメンズモデルで、ユニセックスを強くアピールするかのようだった。
2016年03月23日ドイツの写真家、アンドレアス・グルスキーの個展が3日より、六本木の国立新美術館で開催されている。報道陣向け内覧会ではグルスキー自身が説明を行った。会場には縦横2mから5mにも及ぶ、巨大で精密な写真群の他、初期の小サイズの作品計65点が並ぶ。被写体は、南極から東京証券取引所、ツールドフランス、99セントショップ、プラダショップのシューズディスプレイまで様々。グルスキーは1960年代ドイツ写真アートを変革した、ベッヒャー夫妻に師事。トーマス・シュート、トーマス・ルフなどドイツ写真アートの大御所を多く輩出したベッヒャー派の1人だ。ベッヒャー夫妻は、建造物や景観を俯瞰した撮影を行い、被写体を理解しようとする「タイポロジー(類型学)」という写真技法を編み出したことで知られている。今回披露されている作品も鳥瞰風景が多い。デジタル加工によって人物や細かいディテールが加えられ、意図的に細部までピントが合わされている。代表作である「カミオカンデ」(2007年)の水面は合成されたものだという。展示作品の選定と展示方法はグルスキー自らが指南した。「ヨーロッパの展覧会とは違う作品を選んだ。写真はアクリル板と一体にしており、展示物自体が作品。壁1面に対し、1枚のプリントに限って配置している。これによりインスタレーションのような会場構成になった。展示を見てもらえば、“今現在の私”が自分の作品をどうとらえているか理解してもらえると思う」【イベント情報】アンドレアス・グルスキー展 ANDREAS GURSKY会場:国立新美術館住所:東京都港区六本木7−22−2会期:9月16日まで時間:10:00から18:00(金曜日は20:00まで)料金:一般1,500円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料休館日:火曜日
2013年07月04日ドイツの現代写真を代表する写真家、アンドレアス・グルスキーによる日本初の個展「アンドレアス・グルスキー展」が7月3日、東京・国立新美術館で開幕した。一辺5メートルにも及ぶ作品が持つ圧倒的なスケール感、それでいてデジタル画像処理を加えることで細部まで描きこまれた緻密な世界。グルスキー作品の、まるで絵画のような美しさは世界を魅了し続けている。本展覧会では、1980年代の初期作品に始まり、《99セント》(1999年)、《ライン川II》(1999年)、《F1ピットストップIV》(2007年)、《ピョンヤンI》(2007年)、日本に関連した《東京証券取引所》(1990年)や《カミオカンデ》(2007年)といった代表作から、最新作《カタール》(2012)にいたるまで、グルスキー自身が厳選した約65点の作品を一堂に集めている。初日前日の2日には、グルスキーが会見に登場し自作を解説。岐阜県にあるニュートリノ観測装置を題材にした《カミオカンデ》については「雑誌で紹介されているのを見た。私が見た限りではよくないイメージで掲載されていたが、私ならもっと違う表現をするだろうと思った。そこで許可をいただき作品の母体となる写真を撮りました。その時は水を張ってなかったので、後の作業でコンピュータで加えていくことにしました。私のイメージでは水はあった方がよかったので」と創作の一端を明かした。開催は9月16日(月・祝)まで。
2013年07月04日