「ものまね界のプリンス」の異名を持つ歌手・青木隆治が、ABEMAのニュース番組『ABEMAエンタメ』に出演。ものまね番組への復帰を決めるきっかけとなった、志村けんさんの金言を明かした。○ものまね番組出演を決めた理由「ものまね界のプリンス」の異名を持つ青木は、男女の垣根を超えた七色の歌声とその甘いマスクで、ものまね番組を席巻。昨年でデビューから25周年を迎え、記念ライブのため全国各地を飛び回っている。青木はアーティスト活動を目指すも、なかなか所属先が決まらずもがいていた頃、アルバイト先にものまね番組のプロデューサーが来店。その場で美空ひばりさんのものまねを初披露し、すぐに番組出演のオファーがあるも、「親父(古畑任三郎ものまねでお馴染みのツートン青木)と同じ道に行きたくないし、ものまねに興味がない」と1度は断ったことを明かした上で、「でも、当時はすべてがうまくいかなくて、もがいていた」と番組出演を決めた経緯を振り返る。また、ものまね番組初出演時について、青木は「当時は生意気だったし、顔だけテレビに映ればいいなと思っていただけで、ものまねしていないんです(笑)。ただ、ポルノグラフィティの『サウダージ』を歌いに行っただけ(笑)。正直に言えば、ものまねへのリスペクトは全くなかった。自分の声で勝負できない人たちだと思っていた」と打ち明ける。ものまねをくさしていた青木だったが、ものまねタレントのコロッケとの出会いによって、「この人みたいになりたい」「超えたい」と、ものまねを芸として追求することを決意。その後、ものまね番組の常連となり、「ものまね界のプリンス」として一世を風靡。念願だったアーティスト活動もスタートさせると、ものまねとアーティストの二足の草鞋での芸能活動は多忙を極める。○志村けんさんからの金言青木は「ひばりさんや、ものまねメドレーをやっていく中で、自分のブームが2年で過ぎ去ると感じていた。それなら、自分がやりたいことに振り切っていこうと考えて、ものまねの仕事をあまり受けなくなった」と告白。アーティスト活動に専念することを決意したなか、志村けんさんとの出会いが訪れる。青木は「志村さんから、『ひばりさんのものまねをいろんな番組や全国各地でやって飽きたでしょ。ダメよ。やり続けないとダメだからね』と言われた。そして、『俺がなんでバカ殿や変なおじさんをやり続けているのか。これだけやっても、まだ知らない人がいるんだよ。むしろ、志村けんという存在すら知らない人がいっぱいいるんだよ。だから、俺もずっと同じことをやっているんだ。あなたも続けなさい』と言われた」といい、「その翌年には、ものまね番組に復帰しました。志村さんの言葉がなかったら、戻ってなかったかもしれない」と、志村さんから金言を受けて、ものまね番組に復帰したことを明かしていた。なお、この模様は現在、「ABEMA」にて無料配信中。【編集部MEMO】『ABEMAエンタメ』では、ABEMA厳選の「エンタメニュース」を動画にこだわって配信中。最新ニュースはもちろん、初出しの解禁情報をどこよりも最速で紹介する。さらに、“エンタメ情報の発信源”となっている芸能人・有名人のSNSをアベマ独自の目線でオリジナルニュース化。地上メディアと差別化したコンテンツ制作でアベマ世代の最旬とトレンドを届ける。
2024年05月30日2021年の『春原さんのうた』でマルセイユ国際映画祭のグランプリを含む3冠を獲得するなど、国内外で高く評価されている杉田協士監督。昨年の東京国際映画祭でも注目を集めた最新作『彼方のうた』が、まもなく公開を迎えます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。眞島秀和さん【映画、ときどき私】 vol. 630映画やドラマ、舞台などで幅広い活躍を見せ、今年も主演ドラマ「#居酒屋新幹線2」や「おっさんずラブ-リターンズ-」といった話題作への出演が控えている眞島さん。劇中では、主人公の春と過去にある関わりがあった剛を演じています。そこで、現場の様子や年齢を重ねていくなかで感じる心境の変化、癒しの時間に欠かせない存在などについて語っていただきました。―杉田監督とは、以前からお付き合いがあったそうですが、今回ご一緒されてみていかがでしたか?眞島さん杉田さんとはお互いに20代の頃から一緒に映画作りをしてきましたが、杉田さんの現場はほかで味わうことのないような穏やかで優しい時間がつねに流れている印象。いつ始まったかもわからないようなとても不思議な雰囲気なので、撮影に参加した感覚もないくらいです。しばらく会えていなかった時期もあったので初日は驚きもありましたが、久々に再会したときに「こういう作品を作るところに杉田さんはたどり着いたんだな」と感慨深い気持ちにもなりました。昔を思い出してノスタルジックな気持ちになった―ということは、役作りもこれまでとは違う部分もあったのでしょうか。眞島さん僕はもともとたくさん準備していくタイプの役者ではありませんが、今回はいつも以上に「撮影現場に行くんだ」という意識をなるべく持たないほうがいいかなと。特に、普段お芝居をされていない方々にもご協力いただいて撮影した作品だったので、スッとお邪魔するような感じで行くようにしていました。―なるほど。そのなかでも印象に残っていることはありますか?眞島さん実は、撮影場所がたまたま僕が若い頃によく行っていた場所の連続だったので、それはすごい偶然でしたね。役者を目指し始めたばかりで何も進まないもどかしい時間を過ごしていた街の景色のなかにいるのは不思議でしたし、ノスタルジックな気持ちにもなりました。―本作では、悲しみを抱えている人同士が支え合っていく姿が描かれていますが、ご自身にもそういう経験や転機となった出会いなどはありますか?眞島さん人生ってそういう出来事の連続じゃないかなと思います。作品でいうならドラマ「海峡」や「なぜ君は絶望と闘えたのか」のように、自分ができるすべてを出し尽くせるような作品に節目節目で出会えていることも本当にありがたいことです。「人生は夕方が一番いい」という言葉の意味がわかった―今年で俳優デビューから25年を迎えましたが、心境の変化などはありますか?眞島さん「現場であと何回こういう喜びが味わえるのかな」とか、「両親や友達にあと何回会えるんだろう」とか、そういう感覚が強くなってきたような気がしています。これが年を重ねていくうえで起きる変化のひとつなのかなとも思いますが、そのおかげでいまは瞬間瞬間がこれまで以上に愛おしく感じるようになりました。最近は大したことじゃなくても楽しめるようになってきたので、景色も前よりきれいに見えるんですよね。これってすごく素敵なことだなと思っています。―それは47歳になったいまだからこそわかることであって、20代や30代の頃には気付けなかったと。眞島さんそうですね。そういう思いが顕著になってきたこともあって、前に朗読を担当した小説「日の名残り」のなかに出てくる「人生は夕方が一番いい」というセリフの意味もちょっとだけわかってきました。いろんなことを逆算するようになってからのほうが楽しくなってきたので、これからも目の前のことを一つ一つしっかりとやりつつ、より密度の濃いものにしていきたいなと考えています。愛犬との散歩の時間が何よりも癒し―お忙しいなかで、日々の癒しとなっている時間はどんなときですか?眞島さんそれは、仕事が終わって家に帰ってきてから行く愛犬との散歩の時間です。特にハードルの高い作品のときは本当に助けられているので、毎日「長生きしてくれ」と懇願しています(笑)。少し前に、ギネス世界記録で世界最高齢だったワンちゃんが31歳で亡くなったニュースを見て、「そこを目指そうね」って話しているところです。最近はほかにハマっていることもまったくなく、ワンちゃん一筋ですね(笑)。―そんなふうに、仕事を忘れられるような時間は大事ですよね。眞島さんあと、お散歩をしていると季節の移り変わりや近所のいろんな変化にも気付けるのがいいなと。この前も、家の近くに交番ができたので、おまわりさんにうちの子を紹介してきました。―おまわりさんにワンちゃんを紹介されたんですか!?相手は眞島さんだと気が付いていたのでしょうか…。眞島さんいや、それはないですね。ちなみに、なぜ紹介したかというと、うちの子は光る首輪をつけているんですけど、おまわりさんたちが「あの光っているのは何だ!」みたいな感じで警戒して立ち上がっているのが見えたんですよ(笑)。なので、「この色はうちの子ですよ」というのを知ってもらおうと思って、紹介しました。仕事で適当にやってきたことはひとつもない―お仕事とワンちゃん以外に、いま興味を持っていることや挑戦してみたいことはありますか?眞島さんバイトしたいなと思うことはありますね(笑)。―それは意外ですが、どんなバイトをしてみたいですか?眞島さんバーのカウンターに立ってみたりとか、飲食業がいいなと思いますね。活気のあるお店の前を通ると、威勢よく声を出しながら働いてみたいなと考えることがよくあるので。―眞島さんがいたら驚きですが、楽しそうですね。では、ご自身が仕事を続けるなかで貫いてきたことがあれば、教えてください。眞島さん特にそういうものはないですが、何に対しても本当に一生懸命やってきたつもりなので、適当にやってきたことはひとつもないはずです。それくらいじゃないかなと思います。「いまが大変でも年月がたてば大丈夫」と伝えたい―「色気がすごい俳優ランキング」で1位に輝くなど、近年はそういう観点で注目されることも増えているようですが、ご自分ではこの状況をどのように受け止めていますか?眞島さん「そう見える人もいるんだな。ふーん…」くらいの感じですね(笑)。でも、僕らの仕事というのは、作品としてのエンターテインメントを提供するだけでなく、客観的にどう見えるかを楽しんでもらうのもひとつですからね。なので、みなさんにとってそれが楽しいことに繋がっていればいいなと思っています。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。眞島さん女性だけでなく、男性にも言えることですが、20代から30代にかけては1つのターニングポイントみたいなところがあるかもしれません。でも、いま抱えている悩みや将来に対する不安というのは、ある程度年月がたったら、全然大したことじゃなかったなと思うことがほとんどです。僕にもそういう時期がありましたが、一生懸命やっているだけで何とかなりましたから。もし、プライベートで悩みがあるのなら、仕事をがんばっていればいつの間にか時間が過ぎて気にならなくなるので、「いまが大変でも大丈夫ですよ」というのを伝えたいです。インタビューを終えてみて…。大人の色気を漂わせつつ、落ち着いた雰囲気で一つ一つ丁寧に答えてくださる眞島さん。なかでも、仕事に対する真剣な表情と目尻を下げて愛犬について話されるときのギャップがとても素敵でした。本作では、眞島さんならではの存在感を放つ佇まいが印象的なので、ぜひスクリーンでご覧ください。内に秘めた悲しみにそっと寄り添う多くの言葉で語ることなく、観る者の心に訴えかける本作。杉田監督ならではの余白と余韻が生み出す、温かくて不思議な世界観に包み込まれる1本です。写真・園山友基(眞島秀和)取材、文・志村昌美ストーリー駅前のベンチに座っていた雪子に、書店員の春は道を尋ねるふりをして声をかける。春は雪子の顔に見える悲しみを見過ごせずにいたのだ。またあるときは、剛の後をつけている春。剛の様子を確かめる日々を過ごしていた。実は、春が子どもだった頃、街中で見かけた雪子や剛に声をかけた過去があったのだ。春の行動に気づいていた剛が春の職場を訪れ、春自身がふたたび雪子に声をかけたことで、それぞれの関係が動き出す。そして春は2人と過ごすうちに、自分自身が抱えている母親への思いと悲しみの気持ちに向き合っていくことに…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『彼方のうた』1月5日(金)よりポレポレ東中野、渋谷シネクイント、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開配給:イハフィルムズ(C)2023 Nekojarashi Inc.写真・園山友基(眞島秀和)
2024年01月04日バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」( )では、日本を代表するコメディアン「志村けん」の演じるキャラクター「志村けんのバカ殿様」を可動フィギュア化した『S.H.Figuarts 志村けんのバカ殿様』(9,900円 税込/送料・手数料別途)の予約受付を2023年11月17日(金)10時に開始いたします。(発売元:株式会社BANDAI SPIRITS)※商品購入ページ: S.H.Figuarts 志村けんのバカ殿様■商品特長“殿の御成り~”日本を代表するコメディアン志村けんの演じる代表的キャラクター「志村けんのバカ殿様」が可動フィギュアブランドS.H.Figuartsで登場。標準の「笑い顔」に加えて、「退屈顔」「アイーン顔」の2種類の交換用頭部が付属。白塗り顔と極太墨マユが特徴的なバカ殿の表情を、最新技術「魂のデジタル彩色」によりリアルに再現しています。また、オレンジ色と金色の羽織袴もS.H.Figuartsシリーズならではの多彩な彩色技術で表現しています。さらに開き扇子、閉じ扇子、交換用右手首4種左手首1種が付属し、組み合わせることでバカ殿のさまざまなポージングや、「アイーン」「嬉しいなぁ」「いいよなぁ」などのギャグを再現可能です。S.H.Figuarts 志村けんのバカ殿様(退屈顔)S.H.Figuarts 志村けんのバカ殿様(付属:開き扇子)■商品概要・商品名 :S.H.Figuarts 志村けんのバカ殿様( )・価格 :9,900円(税込/送料・手数料別途)・対象年齢 :15才以上・セット内容 :本体、交換用頭部2種、扇子(開き)、扇子(閉じ)、交換用右手首4種左手首1種・商品サイズ :全高約150mm・商品素材 :ABS・PVC・生産エリア :中国・販売ルート :バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」( )、他・予約受付開始:2023年11月17日(金)10時・商品お届け :2024年6月予定・発売元 :株式会社BANDAI SPIRITS(C)イザワオフィス (C) IZAWA OFFICE Co., Ltd.※最新の情報・詳細は商品販売ページをご確認ください。※準備数に達した場合、販売を終了させていただくことがあります。※ページにアクセスした時点で販売が終了している場合があります。※商品仕様等は予告なく変更になる場合があります。※掲載している写真は開発中のため、実際の商品とは多少異なる場合があります。※日本国外で販売する可能性があります。■「S.H.Figuarts 志村けんの変なおじさん」もご予約受付中!日本を代表するコメディアンである「志村けん」が変なおじさんの姿でS.H.Figuartsに登場!!特徴的な髪型のカツラのカラーや全身に及ぶ被服のプリントまでこだわり「志村けんの変なおじさん」を再現!交換用頭部パーツが付属し、さまざまなコントシーンに対応!バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて12月3日(日)23時までご予約受付中! ■S.H.Figuarts(エス・エイチ・フィギュアーツ)シリーズについて「可動によるキャラクター表現の追求」をテーマに、「造形」「可動」「彩色」とあらゆるフィギュアの技術を凝縮した手の平サイズのスタンダードフィギュアシリーズです。■「志村けんのバカ殿様」について日本を代表するコメディアン志村けんがコントで演じるキャラクター。1977年にTBS系『8時だョ!全員集合』、同時期にフジテレビ系『ドリフ大爆笑』内でのコントを前身として、1986年よりフジテレビ系『志村けんのバカ殿様』として単独番組の放送が開始。志村けんの代表的なキャラクターのひとつとして多くのファンから愛されている。■バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」とは「プレミアムバンダイ」は今ここでしか買えないメーカー公式の限定商品、アニメ・コミックなどに登場する人気キャラクターのグッズを多数取り扱っています。ガンプラなどのプラモデルやフィギュア、ガシャポン、食玩からファッションまで豊富な品揃えです。バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月16日『Wの悲劇』や『ヴァイブレータ』など数多くの脚本を手掛け、『火口のふたり』では監督としても高い評価を得ている荒井晴彦さん。芥川賞受賞作『花腐し』の映画化に挑んだ最新作は、綾野剛さんや柄本佑さんをはじめとする実力派キャストたちが顔を揃えていることでも反響を呼んでいます。そこで、ヒロインを務めたこちらの方にお話をうかがってきました。さとうほなみさん【映画、ときどき私】 vol. 615ドラマ『六本木クラス』や『あなたがしてくれなくても』、『30までにとうるさくて』、映画『愛なのに』など、さまざまな話題作への出演が続いているさとうさん。「ゲスの極み乙女」のドラム担当ほな・いこかさんとしても知られていますが、俳優としては「さとうほなみ」の名義で活動されています。本作では、ピンク映画の監督を務める栩谷と脚本家志望の伊関というふたりの男が愛した女優の祥子役を見事に演じ切り、注目を集めているところです。今回は、現場で感じたことや日常生活で欠かさずしていること、そしていまの心境などについて語っていただきました。お名前を聞いたとき、絶対にご一緒したいと思った―脚本から映像化の想像ができなかったにもかかわらず、この作品には強く惹かれていたそうですが、どういうところに魅力を感じましたか?さとうさん最初に脚本を読ませていただいたのは、オーディションのとき。肝となる2つのシーンだけだったので原稿用紙2枚分のみでしたが、物語の概要を聞いただけですでに面白いと感じていました。なかでも一番想像がつかなかったのは、ラストシーン。脚本には山口百恵さんの「さよならの向う側」の歌詞がすべて書いてあるだけで、どうなるのかが何も書かれていませんでした。でも、これだけ言葉を大事にする荒井監督がそうするということは、ここに『花腐し』にとっての何かしらの意味が絶対にあるんだろうなと。そういう気持ちで挑んでいましたが、現場ではさらにいろんな偶然や監督の思いつきなどもそこに合わさっていったので、結果的に激エモな終わり方になったと思っています。―ぜひ、観客のみなさんにもそのエモさを感じていただきたいですね。そして、本作では綾野さんと柄本さんと共演できるというのも出演を熱望した理由のひとつだったのではないかなと。さとうさん荒井晴彦監督、綾野剛さん、柄本佑さんというお三方のお名前を聞いたとき、絶対にご一緒したいと思いました。取材などで綾野さんが「柄本さんのファンだった」とおっしゃっているのを聞きましたが、私こそずっと前からおふたりのファンですから!といっても、まだご本人たちには伝えていないので、この記事で知っていただけたら本望です(笑)。現場にいてくれるだけで心強かった―それは喜ばれると思います。実際にご一緒されてみて、現場での様子についても教えてください。さとうさん綾野さんはお芝居に対してストイックで、本当にいろんなことをよく考えていらっしゃると感じました。それだけでなく、周りのキャストやスタッフのこともしっかりと見ていてすごく気を遣ってくださいますし、場の雰囲気を大切にされる方でもあるので、いてくださるだけで心強かったです。今回は、濡れ場やちょっとしたアクションもありましたが、カラダが交わることや動かすことに関する技術的な面を自ら監修してくださったのもすごいなと。「自分に委ねてくれたら受け身を取るから大丈夫だよ」と言っていただいたので、そういう面でも助けていただきました。―柄本さんについて、印象に残っていることはありますか?さとうさん本当にナチュラルな方なんですが、器の大きい方でもあると感じました。カメラの回っていないところで話していたと思ったら、いつの間にか役に入っているので、ご自身から役にシフトチェンジしているところを見せないようにしているところも素晴らしかったです。仕事選びの基準は、大変でも心を動かされたとき―お仕事選びについては、ご自身がキュンとするかどうかを大事にされているそうですが、本作にもそういう感覚はあったのでしょうか。さとうさん普段、私のなかで基準となっているのは、そこに挑むのがどれだけ自分にとって大変なことだとわかっていても心を動かされたとき。『花腐し』に関しては、「キュンキュンキュンキュン…」くらい最高にキュンとしました。―今回は役柄上、肌を出されるシーンが多かったですが、色気があってとても美しかったです。演じるうえで、意識されたこともありましたか?さとうさん特に何かを気を付けていたわけではありませんが、みなさんのお目汚しにならない程度にはしたいなと(笑)。ただ、後半はピンク映画を生業としている女優として描かれていたので、「肌を人に見せることを意識するとはどういうことか」というのは考えていたかなと思います。いつ仕事が来てもいいようにしているピンク映画の女優としてのプライドを持っているようにしました。―なるほど。非常にお肌もキレイなのですが、意外にも美容にはあまり興味がないとか。とはいえ、ケアとして何かされていることもあるのでは?さとうさん毎日欠かさず、赤ワインを飲んでいます(笑)。というのも、マッサージを担当していただいている方に「手足は冷え切っているし、腸の活動も悪いけど、あなたは赤ワインとの相性が非常にいい」と言われたからです。自分にとって、年齢の分岐点となったのは25歳―それはお酒好きにはうれしいアドバイスですね。普段、どのくらい飲まれていますか?さとうさん詳しくは言えませんが、“適量”ということにしておいてください(笑)。―わかりました。30代もまもなく折り返しですが、30代ならではの変化や楽しみ方みたいなものがあれば教えてください。さとうさんあまり変わっていないような気もしますが、逆に代謝が良くなりました。―それはすごいですね!赤ワインの効果でしょうか…。さとうさんそうですね。もしかしたら、体温が上がっているのかもしれません(笑)。ちなみに、気持ちの面で言うと、私にとって年齢の分岐点は25歳のとき。「あと5年で30歳だからいろんな決断をしなきゃ」みたいな焦りがありました。でも、27歳くらいで「多分もう変わらないな」と気が付いてから、30歳に対する恐れを乗り越えた気がします。ただ、そう考えると次にそれが来るのは35歳なのかなと思ったりもしますが、いまのところ不安や怖さはありません。というのも、いまの40代の方ってすごく若々しくて、みなさん楽しんでいらっしゃるので、自分もそういう風に生きていけるなら年齢はあまり関係ないなって。ただ、来年35歳になったときにめっちゃ恐れているかもしれないので、そのときにまた聞いてください(笑)。観客にしか見えない部分を最後まで楽しんでほしい―ぜひ楽しみにしております。それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。さとうさんこの作品はとても面白い構成の映画となっていて、登場人物たちの関係性は観客にしか見えない部分があるので、そこを楽しみつつ最後までしっかりと観ていただけたらうれしいです。あとは、みなさんにも赤ワインを推奨したいですね(笑)。というのは置いておいて、最近ハマっているのは、朝歩くこと。「朝に日光を浴びるといい」とよく言われていますが、それって本当なんだなと実感しています。私の場合は、音楽を聴きながら何も考えずに歩き、近所の神社に挨拶して帰ってくるという流れですが、それだけも一石二鳥どころか一石三鳥くらいになっているような気がするので、オススメしたいです。インタビューを終えてみて…。飾らない人柄と弾ける笑顔が魅力的なさとうさん。ユーモアたっぷりのお話にも、終始笑わせていただきました。劇中では、全身全霊で役と向き合っているのがひしひしと伝わってくるほどの熱演を見せていますので、ぜひそちらにも注目してみてください。切なさに胸を締め付けられる現在と過去が交錯するなかで、ふたりの男とひとりの女が繰り広げる激しい愛の物語を描いた本作。朽ちてなお純粋さを失わない愛の姿は、いつまでも降り続ける雨のように、観る者の心に突き刺さるはずです。写真・園山友基(さとうほなみ)取材、文・志村昌美ストーリー斜陽の一途にあるピンク映画業界で監督を務めている栩谷。5年も映画を撮っていなかったためにアパートの家賃を支払うことにも困り、制作会社の事務所に居候させてもらっていた。梅雨のある日、栩谷は大家からあるアパートの住人に対する立ち退き交渉を頼まれる。アパートを訪ねた栩谷は伊関という名の男と揉み合いになるが、部屋に入って話し始めると、伊関はかつてシナリオを書いていたことを栩谷に明かす。そして、映画を夢見たふたりの男の人生は、女優・祥子との奇縁に繋がっていくのだった…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『花腐し』11月10日(金)テアトル新宿ほか全国公開配給:東映ビデオ(C)2023「花腐し」製作委員会写真・園山友基(さとうほなみ)
2023年11月09日この秋も注目の映画が目白押しですが、そのなかでも豪華キャストが集結していることで話題となっているのは、石井裕也監督の最新作『愛にイナズマ』。そこで、見どころについてこちらの方々にお話をうかがってきました。池松壮亮さん & 若葉竜也さん【映画、ときどき私】 vol. 608映画監督という夢をデビュー目前で奪われた女性が、10年近く音信不通の家族とともに繰り広げる反撃の物語を描いた本作。主人公の兄で長男の誠一を池松さん、次男の雄二を若葉さんが演じています。今回は、初共演で感じたお互いへの思いや現場での忘れられない出来事、そして自身にイナズマが走った瞬間などについて語っていただきました。―まずは、おふたりが兄弟役として決まったときのお気持ちを教えてください。池松さんこの役が若葉くんに決まったと聞いてうれしかったんですが、実年齢は僕がひとつ下で、「初めましてで家族になれるかな?」といったことをいろいろと考えました。でも、人間的な要素を隠し持っているような役に見事な説得力を注ぎ込まれていて、この家族のバランスも含め、これ以上ないキャスティングだったと思っています。―これまで共演がなかったのが不思議なくらいですが、ようやく初共演ということで反響は大きかったのではないでしょうか。若葉さん今回は各所から「ついにこの2人の共演が見られる」と言われて、そんなに待望してくださっていたんだなと初めて感じました。僕の周りには池松くんのファンが多いというのもありますが、こんなにもみんなが騒いでくれるとは思っていなかったです。池松さんそういえば(仲野)太賀も「どうなるんでしょうね!」と言っていました(笑)。若葉くんとの兄弟は面白くなっている自信がある―完成した作品を観て、太賀さんからはどんな反応がありましたか?若葉さん「最高でした!」と笑っていたので、うまくいったのかなと思っています。池松さん(松岡茉優さん演じる)花子も含めて、とても面白い兄弟になっている自信があります。―実際、共演してみてお互いへの印象に変化はありましたか?池松さん初めての共演で兄弟役というのはあまりないご縁だと思っているので、ほかの共演者にはない、特別な感情を抱いています。作品にともに向き合い、折村家という物語をともに信じた“共犯者”として特別な思いがありますし、撮影期間中、素晴らしい俳優さんだなと改めて感じる日々でした。若葉さん以前から池松くんの作品はたくさん観ていましたし、もともと好きでしたけど、池松くんってちょっと鋭利なイメージがあったんです。なので、こんなに穏やかでチャーミングだとは思いませんでした。あとは、現場の音も人の話もよく聞いていて、すごく敏感な方です。池松くんの名シーンには、周りを気にせず笑ってしまった―本作では松岡茉優さん、窪田正孝さん、佐藤浩市さんを含む5人のシーンが多かったと思いますが、現場の様子はいかがでしたか?池松さんカメラが回っているときもいないときも、そう決めたわけではなく自然とみんなが同じ場所で同じ時間を過ごしていました。そうやって過ごしていることで互いの存在を認識していくようなプロセスがありました。まるで本当の家族のような真実味を生むということは簡単なことではありませんが、「この家族で行けるところまで行こう!」という心の団結ができていたと思います。この物語のなかで壊れていた家族がもう一度家族をやり直すように、さまざまな家族行事を一つ一つ撮影しながら家族のようなものになっていく感覚がありました。―そのなかでも撮影中の印象的なエピソードなどがあれば、お聞かせください。若葉さん僕は池松くんがちっちゃいマスクをつけているシーンですね。本当にいい顔してるんですよ(笑)。池松さんいやいや、若葉くんも同じマスクしてたでしょ!若葉さんでも、池松くんの場合は、マスクをつけていないときの顔が透けて見えるんです。あれは本当に名シーンですね。こういうことはほとんどないんですけど、試写を観たときに「周りを気にせずにここまで笑ったのは何年振りだろう」と思ったほど笑いました。池松さん石井さんのうまいところですよね。ものすごいアクセルを踏んでおいて、そこから思いっきり急ハンドルで笑いに転調する。あのシーンは確か台本にはありませんでしたが、現場でやっぱり撮りたいとなって、急遽ゲラゲラ笑いながら撮影しました(笑)。いまの時代は誰もが演じながら生きている―ぜひ、みなさんにも注目していただきたいですね。劇中に「人はみな俳優でありつねに演じている」というようなセリフがありましたが、職業柄おふたりにも普段からそういう部分はあるのではないかなと。素の自分でいられるのはどんなときですか?若葉さん僕は、もはや本当の自分が何なのかわからなくなっているかもしれませんね(笑)。地元の友達といるときは限りなく素に近いですけど、そんなの1年に何時間あるんだろうというくらい。素に戻っているかどうかさえわからなくなっている瞬間は、たくさんある気がしています。池松さん確かに、難しいところですよね。“本当の自分”と言うけれど、結局は全部自分であるとも言えますから。ただ、いまの時代は個人と大多数の社会が密接に繋がっていて、生き延びていくためにあらゆる処世術が必要です。結果誰もがアイデンティティ難民に陥ってしまうようなところがあります。そもそも人は自分を演じ、役割を演じる生き物だと思いますが、それが過剰になっている、そうしなければ生きていけないような世の中になっていることの危機感は感じます。そういったあらゆる欺瞞と嘘にまみれてしまったものを、雷やカメラや、家族やマスクを使って、人間のありのままの姿を暴いてみるというのがこの映画の真の試みだと思っています。撮影中もイナズマが走るようにビリビリきていた―『愛にイナズマ』というタイトルのように、ご自身の人生においてイナズマが走った出来事があれば、教えてください。池松さん若葉くんはもちろん、浩市さん、松岡さん、窪田さんとこの作品で出会えたこと、それぞれの奮闘と勇姿に撮影中ビリビリきていました。若葉さんそれに比べて僕はバカみたいな話になっちゃうんですけど、ラーメンがすごく好きで、本当においしいラーメンを食べると、ほっぺがビリビリするんです。池松さんほっぺにイナズマだね(笑)。若葉さん最近もほっぺにイナズマが走る瞬間を蒲田で味わいました。好きなものに理由は付けないようにしている―また、本作を通して改めてご家族のことを考えたのではないかなと思うのですが、ご自身にとって家族の存在とは?池松さん今回のように疑似家族を作りあげるというのは、意識的にも無意識的にも自分の記憶や人生を持ち寄るような行為でもあるので、全然会えていない妹のことや、いつかいなくなってしまうであろう父親のことなど、考えていたと思います。本作では、花子がすべてを信じられなくなったときに、最後の頼みの綱としてダメな家族に会いに行き、自分を肯定してもらえる場所を取り戻すという構図ですが、仮に家族でなくてもそういったことがこれからの時代も当たり前の希望としてあってほしいなと思います。若葉さん僕は生まれ育った場所が大衆演劇だったので、本番が始まると父親は師匠になり、兄弟はライバルになるという環境でした。なので、たまに家族で外食に行くと照れくさくて…。そういう居心地の悪さみたいなものをケンカのシーンを撮影しているときに思い出しました。池松さん自分の家族が好きだということに理由があるかと言われると難しいですが、そういう理屈を超えたところに本来は生きる指針があるのかなとも思います。若葉さん僕も好きなものに理由があるほうが少ないかもしれません。たとえば、人に対して「こういう人だから好き」と理由を付けちゃうと、「もしその人がそうではなくなってしまったら…」と考えてしまうので。逆境だらけの主人公を見て奮い立ってほしい―では、おふたりにとって仕事のモチベーションとなっているものと言えば?若葉さん僕は、興味ですね。自分が興味のないことに時間をあまり割きたくないという気持ちは強いほうだと思います。池松さん若葉くんは興味のあることにしっかりと責任を取っているけど、それを保ち続けるというのは生きることと同じくらい難しいことですよね。僕のモチベーションは、月並みですが夢かなと思います。―最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。池松さんこの映画が観てくれた方への大きなエールになったらうれしいです。主人公、花子の奮闘に奮い立ち、イナズマのような映画体験をしてもらえたら幸せです。明日への逆転ファミリーラブコメディ、愛と勇気と優しさについての映画です。同時代を共に生きる、逆境だらけの誰かの人生にイナズマが届くことを願っています。若葉さん僕もまさに池松くんと同じような気持ちでこの映画と向き合い、作っていきました。ぜひ、そういう思いを感じていただきたいです。インタビューを終えてみて…。今回が初共演だったとは思えないほど、同じような空気感を漂わせていた池松さんと若葉さん。お互いをリスペクトする気持ちがあるのはもちろん、家族として過ごした濃密な時間があったからこそ、おふたりの間には居心地の良さがあるようにも感じました。次はどのような役柄で再び共演を果たすのかが楽しみなところです。ラストに待ち受けているのは、痺れるほどの大きな愛!奪われたものを自らの手で取り返そうと立ち上がる主人公たちの姿にも、俳優陣が繰り広げる演技バトルにもイナズマが走る本作。理不尽な現実に直面し、誰もがマスクの下に本音を隠して生きてきた日々を経験したいまだから心に刺さる1本です。写真・園山友基(池松壮亮、若葉竜也)取材、文・志村昌美池松壮亮 ヘアメイク・FUJIU JIMI若葉竜也 ヘアメイク・FUJIU JIMIスタイリスト・Toshio Takeda (MILD)トップス(08sircus 08サーカス/08book 08ブック TEL:03-5329-0801)、パンツ(NEONSIGN ネオンサイン TEL:03-6447-0709)ストーリー長年の夢だった映画監督デビュー目前で、すべてを奪われた花子(松岡茉優)。イナズマが轟く中、反撃を誓った花子は、運命的に出会った恋人の正夫(窪田正孝)とともに、10年以上音信不通だった家族のもとを訪ねる。妻に愛想を尽かされた父・治(佐藤浩市)、口だけがうまい長男・誠一(池松壮亮)、真面目ゆえにストレスを溜め込む次男・雄二(若葉竜也)。そんなダメダメな家族が抱える“ある秘密”が明らかになった時、花子の反撃の物語は思いもよらない方向に進んでいく…。衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『愛にイナズマ』10月27日(金)、全国公開配給:東京テアトル(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会写真・園山友基(池松壮亮、若葉竜也)
2023年10月26日1993年にヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したのち、配給された20か国以上の地域で熱狂的な支持を集めつつも日本で劇場公開されなかった1本の映画。今回ご紹介するのは、30年のときを経てついに日本初公開となるオーストラリア発の衝撃作です。『悪い子バビー』【映画、ときどき私】 vol. 606「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」という母親の教えを信じ、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を35年間も続けていた。ある日、何の前触れもなく“父親”だと名乗る男が突然現れ、その出来事をきっかけにバビーの人生は動き出す。言葉、音楽、暴力、宗教、美味しいピザといった刺激に満ち溢れた外の世界で、純粋無垢なバビーは大暴走。誰もが彼の自由で荒々しいスタイルに巻き込まれていくことに…。公開された国のなかでも、ノルウェーでは年間興行収入第2位にランクインするほどの大ヒットを記録したこともある本作。そこで多くの観客を虜にした理由について、こちらの方にお話をうかがってきました。ロルフ・デ・ヒーア監督オランダで生まれたのち、オーストラリアに移住し、1984年に映画監督デビューを果たしたロルフ監督。これまでに“モダン・ジャズの帝王”マイルズ・デイヴィスが出演した『ディンゴ』や『クワイエット・ルーム』などを手掛けて、高く評価されています。今回は撮影の裏話や約40年のキャリアで大事にしていること、そして忘れられない日本でのエピソードなどについて語っていただきました。―30年という長い年月を経て、ようやく日本で劇場初公開されることになりましたが、いまの時代に本作が日本の観客に届けられることをどう感じていますか?監督この作品に関しては、これまでに次から次へといろんなことが起きているので、ずっと驚かされ続けているんですよ。今回日本で公開されるということで、やっとみなさんの心の準備ができたのかなと思っています。やはり映画館で観るのがベストだと思うので、うれしいことですね。―近年、日本でも「毒親」という言葉が頻繁に使われるようになっているので、そういう意味でも本作には現代に通じる題材が描かれていると思いますが、改めてご自身で振り返ってみてどのように感じていますか?監督オーストラリアでの公開からちょうど30周年ということで、数か月前に上映があり、僕もまた観客と一緒に鑑賞したんです。そのときは、約半分がすでに鑑賞済で、残りが初めての観客でしたが、そういう方々は「こんな作品が存在していたのか」とすごく驚いてくれました。上映後に質疑応答を行った際、質問の内容を聞いていてもこのテーマがいかに普遍的でタイムレスなものだったのかと感じることが多かったです。作品によっては時代に合わないものもありますが、この作品はずっと観客に響き続けているように思っています。子ども時代におけるダークサイトを描きたかった―ちなみに、ご自身はバビーとは違って非常に幸せな子ども時代を過ごしたそうですが、そんな監督がこういった物語を描こうと思ったきっかけは何ですか?監督映画を作るときはいろんな理由が重なっているものですが、もともとは子ども時代におけるダークサイトを描いた映画を作りたいというのがありました。というのも、僕自身の幼少期は素晴らしいものでしたが、そういう機会を与えられない子どもがたくさんいることを周りから見聞きしていたからです。ただ、子どもを主人公にした映画を作りたくはなかったので、バビーのように“大人だけど子ども”というキャラクターを形成することに。そのほうがよりダークな部分に足を踏み入れることができると考えたのです。―なるほど。先ほど「周りから見聞きしていた」とおっしゃっていましたが、バビーにはモデルのような方もいたのでしょうか。監督特にそういった人物はいないですが、記憶に残っているのは、シドニーにある友人の家に遊びに行ったときのこと。庭にいると、隣の家から母親が自分の娘を棒のようなもので叩いている音と声が聞こえてきました。でも、その娘は「ママ!愛してるよ!」とずっと泣き叫んでいたんです。2人の姿を見たわけではなかったのですが、そのときのことが強烈な印象として自分のなかに残っていたのかもしれません。実際、この映画ではバビーと母親のシーンではそれがある種の“フィルター”のようになっていたように感じています。撮影監督を変えることでいい影響が作品に出た―また、本作では合計32名の撮影監督が参加したというのが驚きですが、最初から複数で行く予定だったのか、それとも撮りたい映像を追求していったらそうなったのでしょうか。監督この映画を作りたいなと思ったとき、まだ予算がなかったので、フィルムを買うために自分で稼ぎ、1本購入したら撮影しよう考えていました。ただ、その方法だと1人のカメラマンのスケジュールをずっと押さえることができないと気がついたんです。そこで、「屋内に閉じ込められているバビーが外の世界で経験することはすべて初めて」という設定にすればいいんだと思いつきました。そうすれば、違うカメラマンが撮っても成立するのではないかなと。同じカメラマンを確保できないことを大きな問題とするのではなく、逆に面白いと思うことにしました。―まさに発想の転換ですね。実際、それによってどのような効果が得られたとお考えですか?監督脚本にいろんな視点を入れることができましたし、視覚的にもいい影響が出たと感じています。ほかにも大きかったのは、違う撮影監督が入るたびに、新しいエネルギーを現場に持ち込んでくれたこと。そういうところも含めて、いまはよかったなと思っています。日本の映画からは深く影響を受けている―また、バビーの耳に届く音の刺激をリアルに再現する「バイノーラルサウンド録音」を採用するなどしていたそうですが、そのほかにもこの作品ならではのこだわりと言えば?監督今回、冒頭の30分はスタジオ内にあるセットで撮影をしていますが、バビーの父親が登場して以降はそのセットを25~30%大きくしています。これは、バビー自身の世界が少し広がったことを表したかったからです。といっても、おそらく観ている方は言われないとわからないくらいかもしれませんが、それを肌で感じてもらえたらいいなと。最初の息が詰まるような閉塞感との違いをそういった演出で表現しました。―非常に興味深い点なので、ぜひ意識して観ていただきたいですね。それでは、まもなく公開を迎える日本とのエピソードがあれば、お聞かせください。監督日本には2009年に行われたイベントに参加するために滞在したことがありますが、もともと映画の面でも深く影響を受けていたこともあって、素晴らしい国だなと感じました。なかでも印象的だったのは、黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』を好きな作品としてスピーチで紹介したときのこと。イベントの参加者のなかに黒澤組のスタッフだった方がいて、なんと黒澤監督と写っている写真をくれたんです。これはいまでも大切に部屋に飾っています。心から情熱を感じる題材であることが大事―素敵な思い出ですね。今回はオンライン取材ということもあり、監督のお部屋の壁にびっしりと映画のアイデアとなるメモが貼り付けてあるのが見えるのですが、いくつになっても尽きない創作意欲には感銘を受けます。映画作りにおいて大切にしていることはありますか?監督僕の場合は、まず映画が好きというのがありますが、題材に心から情熱を感じられないとダメなんですよ。脚本を書くことから始まり、映画作りは大変な作業も多いですが、だからこそ楽しめる方法を見つけることが大事なのではないかなと。そうすれば、作品の質も上がると考えています。ちなみに、僕にとってはこうしてどんどんメモを書いていくほうが簡単で、リラックスできるやり方なんです。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督映画というのは、何かしらのカタチで人の心を動かすものでなければいけないと僕は思っています。同じ作品でも、人によっては感動する場合もあれば、すごく笑える場合もあるし、面白くないと感じる場合もあるかもしれません。そんなふうにたとえ正反対のリアクションだったとしても、観客にとってはいいことだと考えています。というのも、いまの私たちは現代社会のなかでそれだけの強い感情を味わうことが少なくなっているからです。『悪い子バビー』に関しては、自分の作品ではありますが、感情的な美しさを持っていると自負しているので、たとえ一部分だけでもその美しさを感じてもらえたらうれしいなと思います。待ち受けるのは、唯一無二の映画体験!30年が過ぎても色褪せることない衝撃を観客に与え続け、「映画の常識を覆した」とも言われている本作。想像を上回る異色作は、驚きとまさかの感動で観る者の心を揺さぶること間違いなしです。取材、文・志村昌美刺激的な予告編はこちら!作品情報『悪い子バビー』10月20日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー配給:コピアポア・フィルム️(C) 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
2023年10月17日バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」( )では、日本を代表するコメディアン「志村けん」の演じるキャラクター「志村けんの変なおじさん」を可動フィギュア化した『S.H.Figuarts 志村けんの変なおじさん』(9,900円 税込/送料・手数料別途)の予約受付を2023年9月29日(金)10時に開始いたします。(発売元:株式会社BANDAI SPIRITS)※商品購入ページ: S.H.Figuarts 志村けんの変なおじさん▲S.H.Figuarts ボディちゃん -スポーツ- Edition DX SET (Gray Color Ver.)、S.H.Figuarts ボディくん -スポーツ- Edition DX SET (Gray Color Ver.)は別売りです。■商品特長『このおじさん変なんですー!!!』日本を代表するコメディアン志村けんの演じる代表的キャラクター「志村けんの変なおじさん」が可動フィギュアブランドS.H.Figuartsで登場。S.H.Figuartsならではの可動により、「変なおじさん」のヘンテコな踊りをはじめ、さまざまなポージングが可能です。さらに通常の頭部に加えて「そぉですぅ顔」「だっふんだ顔」の交換用頭部、「アイーン用右手首」を含む左手首2種右手首4種の交換用手首が付属し、志村けんの往年のギャグを再現可能です。■商品概要・商品名 :S.H.Figuarts 志村けんの変なおじさん( )・価格 :9,900円(税込)(送料・手数料別途)・対象年齢 :15才以上・セット内容 :本体、交換用頭部2種、交換用左手首2種右手首4種・商品サイズ :全高約150mm・商品素材 :ABS・PVC・生産エリア :中国・販売ルート :バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」( )、他・予約受付開始:2023年9月29日(金)10時・お届け日 :2024年4月発送予定・発売元 :株式会社BANDAI SPIRITS(C) イザワオフィス※準備数に達した場合、販売を終了させていただくことがあります。※ページにアクセスした時点で販売が終了している場合があります。※商品仕様等は予告なく変更になる場合があります。※掲載している写真は開発中のため、実際の商品とは多少異なる場合があります。■S.H.Figuarts(エス・エイチ・フィギュアーツ)シリーズについて「可動によるキャラクター表現の追求」をテーマに、「造形」「可動」「彩色」とあらゆるフィギュアの技術を凝縮した手の平サイズのスタンダードフィギュアシリーズです。■志村けんの変なおじさんについて日本を代表するコメディアン志村けんがコントで演じるキャラクター。1987年11月にフジテレビで放送されたバラエティ番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』第1回で登場。志村けんの演じる代表的なキャラクターのひとつとして多くのファンから愛されている。■バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」とは「プレミアムバンダイ」は今ここでしか買えないメーカー公式の限定商品、アニメ・コミックなどに登場する人気キャラクターのグッズを多数取り扱っています。ガンプラなどのプラモデルやフィギュア、ガシャポン、食玩からファッションまで豊富な品揃えです。バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月29日連日続く暑さによって心身ともに疲れがたまってくる時期ですが、そんなときにオススメの1本は、親子の愛に心が温まると話題の映画『高野豆腐店の春』です。今回は、現在公開中の注目作についてこちらの方々にお話をうかがってきました。藤竜也さん & 麻生久美子さん【映画、ときどき私】 vol. 595豆腐屋を舞台に描かれている本作で、職人気質の頑固な父・高野辰雄を演じる藤さんと、明るくて気立てのいい娘・春を演じている麻生さん。日本映画界に欠かせないおふたりが共演するのは、実に26年ぶりとなります。そこで、お互いに現場で感じていたことや役作りのこだわり、そして長年のキャリアにおけるそれぞれの転機などについて語っていただきました。―今回、藤さんは三原光尋監督からシナリオが送られてきた際、その2日後には監督のもとに届くように速達でお戻しされたほど出演を即決されたそうですね。藤さん三原監督とは三度目になりますが、20年ほどかけて3本も主演作を作ってくれるなんてありがたいことですし、お礼は早いほうがいいですから(笑)。最初はいつ撮れるかわからないということでしたが、それでも「待ちます」と伝えました。―麻生さんにとって、出演の決め手となったものは何ですか?麻生さんそれは、藤さんです。もちろん脚本もすごくおもしろかったですが、私はいつも誰とお仕事ができるかで選ばせていただいているので、今回は藤さんとご一緒できるからお受けしました。藤さんいやー、うれしいですね!麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合えた―藤さんも「麻生さんの演じる春だから心が動いた」とおっしゃっていますが、現場で麻生さんとのやりとりで忘れられない瞬間といえば?藤さんたくさんありますよ。やっぱり人には合う合わないがありますが、麻生さんとは一緒にいるだけで呼応し合うことができました。「娘がいたらこんな感じなんだろうな」と思ったくらいです。―26年ぶりの共演で、麻生さんは藤さんの背中から学ぶこともあったのではないでしょうか。麻生さん今回は、改めて「初めまして」の気持ちでご一緒させていただきましたが、藤さんがとにかくかっこよくて…。ご本人の前で言うのは恥ずかしいですが、それでいてとてもチャーミングな方でもあるんですよね。本当にすごい役者さんだと思いましたし、いろんな藤さんを見せていただきました。―本物の親子のような息の合ったやりとりが印象的でしたが、アドリブなどもありましたか?麻生さん基本は台本通りですが、ときには藤さんがご自身のアイディアやアドリブを入れていることもありました。藤さんたとえば、商店街を2人で歩いているシーンでは鼻歌を用意していきましたが、はじめは「どんぐりころころ」だったのを「ずいずいずっころばし」に変えてみたことも。自分でもなんでそうなったのかはわからないけど、何となくそれがいいかなと思ったんです。演じるなかで、辰雄が春といる時間をどれだけ大切にしているのかをひしひしと感じていました。麻生さん私は、そういうところもすごく好きでしたね。想像とは違った藤さんのお芝居が見られて楽しかった―親子の関係性を象徴する素敵なシーンですよね。藤さんは職人の役を演じるのがお好きということで、これまでにさまざまな職人を演じられてきましたが、本作の豆腐屋に関してはどのような準備をされましたか?藤さん今回はあまり時間がなかったので、ある豆腐屋のお店を借りてそこのお父さんに2日間ほど教えてもらいました。麻生さんそれだけで長年やっているような空気感を出せるのが、本当にすごいですよね。私もお豆腐屋さんで作業を見せていただきましたが、大きな鍋のかき混ぜ方やにがりを入れるタイミングなど、思っていた以上に大変だということがよくわかりました。―藤さんはいつも脚本にはないキャラクターの背景もご自身でかなり細かく考えられるそうですが、辰雄はどんな人物として分析されましたか?藤さん今回も、これまでと同じように役のプロファイリングを自分なりにしました。脚本には豆腐屋さんになる前に造船所で働いていたと書かれていましたが、そのほかに思い浮かんだのは、「この人はきっと橋の工事などをしていて、高いところで働いていたんだろうな」とか「小学校はここに通っていたかな」とか。若いときに奥さんとどんな話をしていたかまで想像してドキドキしていましたが、そんなふうに物語と関係ないことで遊ぶなかでいろいろと思いついてしまうんですよね。麻生さん本当にすごいことです。そういうお話を聞くと、私は何もしていないんじゃないかと思ってしまいますが、私が一番大事にしているのは脚本から何を感じ取るか。そのうえで、現場に行ったときに自分がどう感じるかを大切にしたいなといつも考えています。―そういう意味では、藤さんとご一緒されることで予想しない感情が出てくることもあったのでは?麻生さんはい、いっぱいありました。というのも、藤さんは私が想像していたお父ちゃんとは違うお芝居をされることが多かったので。でも、それがすごく魅力的だと感じました。思っていたよりも可愛かったり、怖かったりするので、楽しかったです。「春が来た!」と感じる瞬間とは?―本作のタイトルにある「春」は、親子2人に恋が訪れる意味の春であり、監督にとってはまた映画を撮るチャンスを得られたという意味の春でもあるそうですが、最近おふたりにとって「春が来た!」と感じるほどうれしかった出来事はありましたか?麻生さん6歳になった下の子が剣道をしていますが、3歳で始めた頃は体育館で寝転がっているだけでほとんど何もしていなかったのに、最近すっかり形になってきたので、いまはそれがとにかくうれしいです。「春が来た」と言えるほど大きなことではないかもしれないですが、もうすぐ試合もあるので感慨深いなと思って見ています。藤さん私は、毎朝起きるたびに春ですよ!ちゃんと目覚められるだけでありがたいです(笑)。―以前、ananwebでお話をおうかがいした際に、奥さまと寝る前に握手するのが習慣だとおっしゃっていましたが、それも続けていらっしゃいますか?藤さんコロナ禍前は握手でしたが、最近はグータッチになりました。麻生さんいいですね!―もともとは奥さまに触れたいというお気持ちから始められたそうですが、いまでは毎日しないと寝つきが悪くなってしまうほどだとか。藤さん年齢的に、翌日どちらかが目覚めない可能性もありますからね(笑)。なので、「おやすみ」と言ってグータッチをしています。―本当に奥さまを大切にしていらっしゃるのが伝わってきます。藤さん年を取ると自然とそうなりますよ。若いときはよそ見もしますが、そういう時間はもう終わりました(笑)。いまは、妻一筋です。麻生さんあはは!素敵すぎます。役者をやめたいと思ったことはない―今年は藤さんにとってデビューから60周年となりますが、これまでを振り返ってみて、苦しかった時期などもありましたか?藤さんやめたいと思ったことは、ありません。というのも、飽きちゃいけないと思って、あえてそんなにたくさん仕事してこなかったんですよ。―若いときから作品の数をご自身でコントロールするというのは、なかなかできないことだと思いますが…。藤さんあんまりやりすぎると、当たり前になってありがたみを感じられなくなってしまいますから。それに、そのほうがつねに新鮮なんですよ。待ちに待ってから脚本をもらうと、読むだけで「ありがたい!」と興奮してきます。麻生さんいま、すごくいいヒントをいただいた気がします!藤さんいやいや、そんなに仕事がこなかっただけですよ。それに、若いときは遊びやよそ見で忙しかったので…。麻生さん(笑)。『時効警察』で新しい世界があると知った―麻生さんもデビューから30周年が近づいてきましたが、これまでご自身が大切にしてきたことは?麻生さんもうそんなになるんですね。何十周年とか考えたことないですし、いままで自分が何本の作品に出たかもわかっていないくらいなんです。なので、気がついたらここまで来た感じではありますが、これからも1本1本大切にやっていきたいなとは思っています。―ここまで続けてこれた原動力になっていたものといえば?麻生さん実は、私は20代半ばにやめたいと思っていた時期がありました。それを乗り越えてのいまですが、そんなときにドラマ『時効警察』に出会って、「こんな新しい世界がまだあったのか!」と知ることができたのが大きかったなと。そこでお芝居の奥深さや難しさ、そしてワクワクする気持ちを改めて感じられたので、「自分の限界を勝手に決めてはいけない」と反省して、そこから改めてスタートした感じです。藤さん僕も同じく20代半ばくらいの頃、行き詰っていて何をやっていいのかわからなかったことがありますよ。―そこで突破口になった出来事などがあったのでしょうか。藤さん「このままじゃダメだな」と思っていたときに、周りで評価されていた監督に「僕を使ってください」とお願いしたんです。そしたら「君には使いたいと思わせるものがないんだよな」と。でも、自分でもわかっていたので、そこから「“ない”ってなんだろう」「“ある”ってなんだろう」と役者っぽく悩み始めたのがきっかけです。生きていく楽しさを感じてもらえるはず―本作では「甘くてちょっと苦みがある豆腐は人生に似ている」としていますが、もしご自身の人生を何かに例えるとしたら?藤さん自分でもはっきりとわかっているのは、僕はサラブレッドではないということ。どちらかというと駄馬やロバみたいに輝かしくはないけれど、のんびりゆっくりと前に進んで行く感じですね。麻生さんうーん、なかなか難しいですね…。じゃあ、私も映画と同じお豆腐でお願いします(笑)。―最後に、仕事や恋愛に悩むananwebの女性読者に向けてメッセージをお願いします。藤さん『高野豆腐店の春』を観ていただければ、きっとわかっていただけるのではないかなと思っています。ぜひ、ご覧ください。麻生さん年齢層高めの方々がターゲットの作品に見えるかもしれませんが、30代の女性たちにとっても親の問題や人間関係などこれから先の人生で起こるであろうことが描かれています。そして、「生きていくっていいな」とも感じられるはずです。それから私がよくしているのは、ネガティブをポジティブに変換すること。実は、私はみなさんが思うよりもダメダメで、いろんなことを心配しすぎてしまうほうなんです。でも、それが取り越し苦労に終わると、逆に「いまの自分って何て幸せなんだろう」と気づかされるんですよね。みなさんもネガティブになってしまうときは、そんなふうに考えてもらうといいかなと思っています。インタビューを終えてみて…。劇中同様に、本当の親子のような空気感を醸し出していた藤さんと麻生さん。相手に対する信頼感の高さはもちろんですが、お互いのことが大好きな気持ちがひしひしと伝わってきました。いつまでも見ていたいと思わせるチャーミングなおふたりのやりとりは、ぜひスクリーンでも堪能してください。誰の人生にも、春は必ずやってくる!純白の愛情を持つ父と柔らかくて優しい娘が繰り広げる甘くて少し苦い人生を描いた本作は、シンプルでありながら奥が深い豆腐のような味わいのある1本。お互いを大切に思うからこそ、ときにはぶつかってしまうこともある親子の姿に、共感するとともに心がじんわりと温かくなるのを感じるはずです。写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)取材、文・志村昌美麻生久美子 ヘアメイク・ナライユミスタイリスト・井阪恵(dynamic)ドレス¥59,400(ルーム エイト ブラック/オットデザイン TEL:03-6824-4059)他アクセ(スタイリスト私物)ストーリー尾道の風情ある下町の一角に店を構えている高野豆腐店。そこで働く父の辰雄と娘の春は、陽が昇る前から工場に入り、二人三脚で毎日おいしい豆腐を作っていた。ところがある日、辰雄はもともと患っている心臓の具合が良くないことを医師から告げられてしまう。そこで、出戻りの一人娘である春のことを心配した辰雄は、昔ながらの仲間たちに協力を依頼。春の再婚相手を探すため、本人には内緒でお見合い作戦を企てることに。そんななか、辰雄は偶然が重なって知り合ったスーパーの清掃員として働くふみえと言葉を交わすようになるのだった…。優しさに包まれている予告編はこちら!作品情報『高野豆腐店の春』シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開中配給:東京テアトル(C)2023「高野豆腐店の春」製作委員会写真・園山友基(藤竜也、麻生久美子)
2023年08月23日誰もが興味のあるトピックのひとつといえば、お金のうまい使い方について。そこでオススメするのは、100億円もの借金返済をするための節約大作戦を描いている注目作『大名倒産』です。その見どころについて、こちらの方にお話をうかがってきました。桜田通さん【映画、ときどき私】 vol. 587ある日突然、庶民から一国の殿様になったと同時に大きな借金を抱えてしまう主人公・小四郎が繰り広げる人生逆転エンターテインメントを描いた本作。そのなかで、病弱だが聡明な兄の喜三郎を演じているのが桜田さん。Netflix「今際の国のアリス」シリーズやテレビ東京「クールドジ男子」など、話題作への出演が続いています。今回は、親交の深い主演の神木隆之介さんとの現場で感じたことや役作りの裏側、そしてピンチの乗り越え方などについて語っていただきました。―まずは、本作の出演にあたって決め手となったものを教えてください。桜田さんその理由のすべてに、神木隆之介という存在が関わっています。もちろん物語自体も素晴らしいですが、僕にとってはこの作品に彼がいないことは考えられませんでした。僕は神木さんとはもともと仲良くさせてもらっていますが、がっつり共演したことはあまりなかったので、そういう意味でも一緒に出たいという気持ちは強かったです。―実際に兄弟役として共演してみて、印象に残っていることはありますか?桜田さん友達としての時間がすごく長いこともあって、僕のなかでは面白くて少年のような神木隆之介のイメージしかありませんでした。現場ではいい意味で普段と差がないように感じたのですが、撮影が始まるとしっかりと小四郎になっていたので、そういう部分は僕のいまの技量では測れないところなのかなと。僕がどうこう言えない次元にいるようにも感じたので、それを間近に見ることができていい経験になったと思います。いつもは友達としてふざけてばかりですが、そんな僕でもまだ踏み入れていない領域があるというのはすごく刺激的でした。普段抱いている感情が役の関係性にも活かせた―とはいえ、仲が良いからこそ、できたこともあったのでは?桜田さんそうですね。たとえば、普段から神木さんに対して抱いている尊敬やかわいらしいなと感じている気持ちは、小四郎と喜三郎の関係性にも活かせたと思っています。特に、僕が背中をさすりながら元気づけるシーンでは、本番前から心のなかで温めていた思いを込めて言うことができました。―もうひとりの兄弟役を務めた松山ケンイチさんも強烈なキャラクターを見事に演じ切っていましたが、現場で印象的なことがあればお聞かせください。桜田さんそれまでお会いしたことがなかったので、松山さんは寡黙な方というイメージを持っていたんです。でも、実際はすごくたくさんお話をしてくださったこともあって、一気に印象が変わりました。あとは、物事をすごく自由に考えていらっしゃいますし、僕にはできないようなやりとりを監督ともされていたので、その姿を見てカッコイイ先輩だなと。アドリブの入れ方や演じるときの思い切りの良さも、「ここまで激しくやるのか」と驚きましたが、完成した作品を観たときにすべてがつながっていたので、改めて松山さんのすごさを実感しました。前田監督の姿は、ロックでカッコイイ―ご自身の役どころもセリフの言い回しなどが普段とは違っていたので大変だったと思いますが、前田哲監督からはどんな演出がありましたか?桜田さん最初に台本を読んだときに、セリフを普通に言うのか、それとも歌いながら言うのか、恥ずかしながら初めは自分のなかで構築できていませんでした。そんななか、現場では監督自らどうするのかを見せてくださったので、ボイトレみたいに僕がそれを自分のカラダに落とし込んでいくという作業をしました。僕もあそこまで歌うキャラになるとは思ってもいなかったです。―なるほど。監督と一緒に作っていくような感じだったのですね。桜田さん正直に言うと、完成した映像を見るまでは自分のなかで不安もありました。でも、ちゃんとそれが成立していたので、初めからこれが見えていたのかと思うと監督は本当にすごいなと。前田監督はわかりやすく愛情を表現する方ではないのでクールなところもありますが、魅力的な方ですし、それにすごく変人だなとも思いました(笑)。―(笑)。それはどういった点においてですか?桜田さんもちろんマイナスな意味ではなくて、僕ではまだ及ばないような前田監督にしか見えていない世界があるんだろうなというのを感じました。そういう監督のオリジナリティが面白くてすごく好きです。年齢を重ねるにつれて、いろんな雑念が入ったり、周りの意見にブレてしまいそうになったりする瞬間ってありますよね?それでも監督はやり遂げているので、そういう姿がロックでカッコイイなと思いました。もともと無駄なことはしない節約タイプ―また、劇中ではお金に関するさまざまなことが描かれていましたが、ご自身も勉強になったことはありましたか?桜田さん本作を観て、僕も自分のお金をだまし取られないように気を付けようと思いました。特に、題材のひとつとして描かれている「中抜き」は、現代でも社会問題になっていることですからね。お金は生きていくうえでは大事なことです。あと、節約に関して言うなら、僕はもともと無駄なことはしないタイプ。お水を飲んだらちゃんと冷蔵庫に入れて翌日も飲めるようにしようとか、髪を洗っている間もシャワーの水は止めるようにしています。ただ、自分がほしいものは買ってしまうほうなので、すべてにおいて節約しているとは言えないかもしれませんが…。―ちなみに、最近浪費してしまったものはありますか?桜田さんついこの前、洋服をたくさん買いました。1年に1回くらいドーンとまとめて買うことがありますが、逆に僕がお金を使うのは洋服ぐらいじゃないかな。普段は、あまり使わないほうだと思います。ピンチの状況でも、楽しむように意識している―では、小四郎のように自分の人生が逆転したなと思った瞬間は?桜田さんどちらかと言うと、僕はまだ逆転前の身ですが、先月音楽でデビューをさせていただきました。それによって新しく出会えた人がいたり、よくなった部分もあったりするので、そこは決めてよかったなと思っています。―ちなみに、人生最大のピンチもありましたか?桜田さんいや、ピンチだらけですよ(笑)。振り返ればいろんな苦難もありましたから。ベタな言葉ではありますが、やっぱり「ピンチはチャンス」なので、それを乗り越えた先に何かがあったことが多かったなと感じています。ピンチのほうが気持ち的には上がるというか、その状況も楽しむように意識しているので、自分のなかではすべてが大切な経験です。―ピンチのときはどうやって克服されているのでしょうか。桜田さんこれは僕だけではないと思いますが、問題があったときは何か意味があることなんだなと考えるようにしています。実際、あとでそれが“武器”になることもあるので、ハプニングも自分を高めてくれる要素というイメージで生きています。仲間を大切にしながら、明るく前向きに生きて行きたい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。桜田さんまずは、「元気でポジティブに生きる」というのが大事だと思っています。まさにギャルマインドですよね(笑)。本来、人間はご飯と水さえ確保していれば生きていけますが、そのほかに価値があるものといえば、周りにいてくれる人たちの存在。そういった仲間たちを大切にしながら、「死ななきゃ人生プラス!」くらいの明るさと前向きな気持ちで僕も生きて行こうと考えています。そういうマインドがもっと広がっていけばいいなと思っているところです。それから、自分のことを大切にしている人は性別に関係なく素敵だなと感じるので、周りに迷惑をかけるのはよくないですが、自分のやりたいことや自分がやりたくないことを意識することも必要かなと。そんなふうに、毎日を楽しく生きていってほしいです。インタビューを終えてみて…。取材前はクールなイメージがありましたが、とても明るくていい意味で期待を裏切ってくださった桜田さん。神木さんのことや現場の話をしているときがとにかく楽しそうだったので、スクリーンを通してでもその雰囲気が伝わってきた理由がわかりました。今後は俳優としてだけでなく、アーティストとしてもどんな活躍されるのかに期待が高まるところです。どんな問題も痛快にぶった斬る!現代にも通じるお金の問題も学べるだけでなく、ピンチのときこそ発想の転換で大逆転も可能だと教えてくれる本作。時代劇とは思えないテンポ感とコメディ要素を堪能しつつ、家族や仲間の大切さも身に染みる必見作です。写真・園山友基(桜田通)取材、文・志村昌美スタイリング・柴田圭(辻事務所)ヘアメイク・和田しづかストーリー越後・丹生山(にぶやま)藩の鮭売り・小四郎はある日突然、父・間垣作兵衛から衝撃の事実を告げられる。なんと自分は、〈松平〉小四郎—徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎだと!庶民から一国の殿様へと、華麗なる転身…と思ったのもつかの間、実は借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だった!?先代藩主・一狐斎は藩を救う策として「大名倒産」すなわち藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実はすべての責任を押し付け、切腹させようとしていた…!残された道は、100億返済か切腹のみ!小四郎は幼馴染のさよや、兄の新次郎・喜三郎、家臣の平八郎らとともに節約プロジェクトを始める。不要な武具や家具をリサイクル、屋敷を売り払い、兄弟ひとつ屋根の下でシェアハウス、果ては殿の下肥まで肥料として売るなど、知恵と工夫で藩の財政を立て直そうとするが、そんななか、江戸幕府に倒産を疑われてしまい大ピンチ!果たして小四郎は100億を完済し、自らの命と、藩を救うことが出来るのか…!?まさかの予告編はこちら!作品情報『大名倒産』6月23日(金)より、全国公開配給:松竹(C) 2023映画『大名倒産』製作委員会写真・園山友基(桜田通)
2023年06月22日「このマンガがすごい!2021」や「第 24 回手塚治虫文化賞新生賞」を受賞し、幅広い層から支持されている田島列島さんの漫画『水は海に向かって流れる』がついに実写映画化。「恋愛はしない」と宣言した26歳の女性会社員と10歳年下の男子高校生が繰り広げる物語が、大きな共感を呼んでいる人気作です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。高良健吾さん & 大西利空さん【映画、ときどき私】 vol. 583主人公の榊さんに淡い想いを寄せる高校1年生の直達に抜擢されたのは、約400人のなかから選ばれた大西さん。生後5ヶ月で芸能活動を始め、『キングダム』シリーズでは主人公・信の幼少時代を演じるなど、すでに芸歴17年の若手の注目株です。そして、直達の叔父・茂道役には、『横道世之介』や『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』など数々の話題作に出演している高良さん。劇中では、脱サラした漫画家をユーモアたっぷりに演じています。今回は、現場での裏話や恋とは何かなどについて、語っていただきました。―大西さんは2015年の『悼む人』で、高良さんの子ども時代を演じられていますが、お会いするのはそのとき以来でしたか?大西さん前回は重なるシーンがなかったので、お会いするのは今回が初めてでした。高良さん現場で会ったときに「高良さんの幼少期を演じたことがあります」と言われて、こんなご縁はあまりないので大切にしたいなと思いました。しかも、まだ10代半ばの大西くんがメインを務める作品でもあるので、そこに自分が関われるのも楽しみでした。大西さん『悼む人』とは作品の内容も役柄もまったく違うというのもありましたが、撮影はとても楽しかったです。高良さんはすごく優しくていろんな話もしてくださるので、助けていただきました。現場では大西くんと楽しく話しながら過ごしていた―現場では、どんなお話をされていたのでしょうか。高良さん大西くんと楽しく世間話していただけじゃなかったかな。野球や漫画の話をしてみたり、「いまは何が流行っているの?」と聞いてみたり。どちらかというと、僕のほうがいろいろ気になって聞いていた記憶があります。大西さんあと、僕が一番覚えているのは焼肉屋さんの話です。僕の家の近所にあるおいしい焼肉屋さんに行った話をしました。高良さんそうそう。僕が一度は行ってみたいと思っている焼肉のお店に大西くんは行ってるんだよね。―ほかにも高良さんからアドバイスがあったり、大西さんが何かを相談したり、みたいなこともありましたか?大西さん涙を流しながら話すシーンがどうしてもうまくいかないということがあったんですが、そのときに高良さんといろいろお話をさせていただきました。でも、その内容については聞かれても答えていません(笑)。高良さんそういうことを自然にできるのって、すごいですよね。もし僕が高校生で、大西くんの立場だったら普通に言っちゃうと思うので…。広瀬さんのすごさを現場で痛感した―ご自身が10代のときにもそういうことはありましたか?高良さんそうですね。実際、僕は18歳のときにご一緒した廣木隆一監督から言われた言葉をその当時ガンガン言ってしまっていましたから(笑)。いまは自分がいただいた大切な言葉は簡単に出したくないなと感じるようになったので、そこからは言わなくなりましたけど、大西くんの年齢で「自分のなかで大切にしたいから言わない」という選択はなかなかできないんじゃないかなと。僕もうれしいですし、そういうふうに思える大西くんは素敵だなと思います。―本当にそうですね。では、主演の広瀬すずさんについてもおうかがいしますが、共演された印象をお聞かせください。大西さんこれまでテレビや映画を見ていて、演技や表現力がすごいというのはわかっていましたが、現場ではそれを痛感しました。特に、広瀬さん演じる榊さんが長年疎遠だったお母さんに会いに行って感情をぶつけるシーンを真横で聞いていて、こちらまで衝撃を受けたというか、とにかく圧倒される感じだったなと。でも、撮影以外はとても気さくな方でした。高良さん僕は、広瀬さんに対しては「かっこいいな」という印象がありました。一瞬で役に入るのですが、そのスピードもすごかったですし、いいバランスで現場にいる方なんだなと。あとは、大西くんが言っていたみたいに、オーラがあって圧倒されるようなところもありました。前田監督が作品を料理している様子に感動した―本作では個性豊かなキャストの方も揃っていましたが、現場で楽しかったエピソードは?大西さんみんなで集まってバーベキューしていたシーンでは、たくさん話していた記憶があります。高良さんでも、何を話していたのかまったく思い出せないくらい、本当にくだらない話をしてたよね(笑)。―そういう楽しそうな様子は、スクリーンからも伝わってきました。前田哲監督の演出はいかがでしたか?高良さん今作は長回しが多かったのもあるかもしれませんが、「映画の現場にいるんだな」というのを強く感じる現場だったと思います。しかも、前田監督が作品を料理しているような印象もあったので、そこに感動したというか、映画ならではのすごさを見た気がしました。大西さん先に話したうまくいかなかったシーンのときには、監督から「次の日でもいいよ」と声をかけていただき、高良さんともお話をできたからこそ落ち着いてできました。周りの方からの助けがなかったら、乗り越えられなかったなと思います。恋愛は自分のためというよりも、相手のことを考えている―本作では、恋の持つ力を改めて感じさせてくれるようなところがありましたが、おふたりにとって恋とは?高良さんうーん、恋ですか…。大西さん僕が先に答えてもいいですか?高良さんぜひ教えて!いや、頼もしいなあ。大西さんというのも、僕が演じた直達がそういう感情を持っていたキャラクターだったので。これは直達を通して感じたことですが、いろいろなことがあっても相手に思いを伝えるというのはやっぱりすごいことだなと思いました。恋心があるからこそ、その人のために何かしたい気持ちになるんじゃないかなと。今回の作品で、そういったことを感じました。高良さん確かに、恋愛というのは自分のためというよりも、相手のことを考えるので、誰かのために何かしたいという気持ちになるよね。榊さんが「一生恋愛しない」となるまでには相当の絶望があったと思いますが、直達のドストレートなピュアさがあったからそんな気持ちも溶かすことができたんだろうなと。そういうところは、自分自身もわかるなと思いましたし、感動しました。1週間を乗り切るのに欠かせないのはサウナ―そのあたりは、ぜひ作品でも楽しんでほしいところですね。おふたりとも、お忙しい日々をお過ごしだと思いますが、何か癒しになっているものがあれば、教えてください。大西さん最近ハマっているのは、サウナです!部活でフェンシングをしているんですが、疲れが溜まった週末にサウナに行くと、身も心もスッキリするんですよ。高良さんなんかサラリーマンみたいだね(笑)。大西さんまだ高校生ですが、それが1週間を乗り切るモチベーションになっています。高良さん僕は、旅行しかないかな。コロナ禍で行けていなかったですが、できれば年に1~2回は海外に行きたいなと思っています。「自分ならできる!」と何事にも自信を持ってほしい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。大西さん仕事も恋愛もうまくいかないときがあるかもしれませんが、何事にも自信を持って、「自分ならできる!」という気持ちがあれば、へし折れることはないのではないかなと思っています。なので、ぜひ強い意志を持ってがんばってください。高良さん本当にその通りだよね。自分に対して厳しくしたり、責めたりしすぎずに自分のことを信じてあげてください。インタビューを終えてみて…。どことなく雰囲気が似ていることもあり、本当の親戚のような空気感が漂っていた高良さんと大西さん。2人だけの言葉を大切にしたいというやりとりには、こちらまで気持ちが温かくなりました。次回の共演も、楽しみにしたいところです。爽やかな感動が胸のなかに流れ込む!恋愛に対してつい臆病になってしまうときもあるけれど、恋が起こす奇跡と人を好きになる気持ちの尊さを思い出させてくれる本作。直達のまっすぐな想いに、心がときめくのを誰もが感じるはずです。写真・園山友基(高良健吾、大西利空)取材、文・志村昌美高良健吾 ヘアメイク・森田康平スタイリスト・渡辺慎也(Koa Hole)ジャケット¥53,900(UNUSED)、ニットポロ¥25,300(YASHIKI)問い合わせはすべてalpha PR 03-5413-3546大西利空 ヘアメイク・Emiyスタイリスト・MASAYAストーリー高校生の直達は、通学のために叔父・茂道の家に居候することになる。どしゃぶりの雨のなか、最寄りの駅に迎えとして現れたのは見知らぬ大人の女性、榊さん。茂道はシェアハウスに暮らしていたのだった。同居人は、いつも不機嫌そうにしているが、気まぐれに美味しいご飯を振る舞う26 歳の会社員・榊さんと脱サラしたマンガ家の茂道のほかに、女装の占い師や海外を放浪する大学教授といういずれもクセ者揃い。そこに直達の同級生・楓も混ざり、想定外の共同生活が始まっていく。いつしか榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する彼女との間には、過去に思いもよらぬ因縁があった。榊さんが恋愛をやめた本当の理由とは…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『水は海に向かって流れる』6月9日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー配給:ハピネットファントム・スタジオ(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社写真・園山友基(高良健吾、大西利空)
2023年06月07日どんなドラマや映画でも、重要な役割を果たしている役どころの1人と言えば死体役。物語においては欠かせない人物にもかかわらずあまり注目されないことが多いですが、現在公開中の最新作『死体の人』では、死体役を演じ続ける男を主人公に描き、話題となっています。そこで、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。奥野瑛太さん【映画、ときどき私】 vol. 562ドラマ『最愛』や映画『グッバイ・クルエル・ワールド』など、数々の作品で圧倒的な存在感を放つ名バイプレイヤーとして注目の奥野さん。本作では、演じることへの思いは人一倍強いものの、死体役ばかりをあてがわれる吉田広志を好演しています。今回は、死体役を演じるときのこだわりや現場への思い、そして自身の死生観について語っていただきました。―最初に本作のオファーがあったとき、草苅勲監督に「僕はミスキャストです」と伝えたとか。なぜそう思われたのですか?奥野さん脚本を読ませていただいたとき、「草苅さんにとって一生に1本書けるかどうかの作品だな」と思いました。ご自身のパーソナルな部分を包み隠さずさらけだしている気概のようなものを感じたのと同時に、主人公の吉田広志は草苅さんなんだなと思いました。草苅さんは終始優しくて温かい視点で物事を眺めている方ですが、どちらかというと僕は撮影現場で何クソ根性みたいなエネルギーを燃やしてきてしまった。草苅さんの前で草苅さんを演じるには、いまの自分は下手に現場を重ねてきたことでホコリが付いているんじゃないかなと思ったんです。そういう意味でも「ミスキャストじゃないですか?」というお話をしました。―とはいえ、同じ役者という立場のキャラクターに通ずるところもあったのではないかなと。奥野さんもちろんそれはありました。僕も小劇場の出身ですし、画面のはじっこに映りながらもずっと俳優業を続けているという意味では、同じ状況ですから。現場のあるあるも含めて、シンパシーを感じながら演じていました。ただ、僕は草苅さんや吉田のように笑って過ごせるネアカな部分が少し弱いなと思いました。死に方によって、作品との関わり方を変えている―そんなふうに苦しさを感じるときは、どのようにして乗り越えていますか?奥野さんいや、苦しいといいますか、僕の場合はそれを楽しんでる節があるかもしれません。それは作品に対する向き合い方であり、エネルギーを湧かせる方法の違いなので、どんな向き合い方でも結局はそれでお芝居を楽しめて作品に良い作用になればいいと思います。これに関しては百人百様のやり方があるのではないでしょうか。―ちなみに、ご自身はこれまで死体役を演じられてきましたか?奥野さんたくさんあります(笑)。僕自身も、作品に関われば必ず死ぬみたいな時期がありました。画面に出てきた瞬間に「この人どうせ死ぬだろうフラグ」が立ち始めてしまったこともあったくらいです(笑)。その作品内ではできるだけ予定調和を消したいとは思ってましたけど、全く関係ない作品と照らし合わされてメタ的についた死体役のイメージまではなかなか払拭できないものですね(笑)。―実際、死体役は難しい役どころでもあると思いますが、奥野さんなりのこだわりなどがあれば、教えてください。奥野さん「台本に書いてあるように死ぬ」くらいしかないですね。特にこれといった自分のこだわりはありませんが、手癖が出ないようにその場に生きて、その場で死ぬっていうことは本当に難しいことだと思います。技術的に見ても死ぬシーンは、難しくておもしろいことが多いです。例えば、発砲によって死ぬときは現場に一発勝負の雰囲気が漂うことがあってとても緊張感が高まります。以前経験したなかでいうと、1発目の発砲で頭を撃ち抜かれて即死した後に、追い討ちで身体に数発撃たれるという死に方です。目を開けたまま頭から流れてくる血のりを受け止め、次の身体への着弾に反射しないように反応しなきゃいけないので…。考えるだけでもこんがらがりますね(笑)。ともかく、死ぬことで役柄を生かす瞬間にもなるので、生きるために死ぬことに必死になっています。どこでも練習してしまうので、やりすぎてしまうことも―劇中では、吉田が日常生活のなかで死ぬ練習をしている姿もおもしろかったですが、これは役者あるあるですか?奥野さんそうですね。僕もよく道を歩きながら人目も気にせずずっとセリフをブツブツしゃべっています。ふとした瞬間に「あそこをやっておこう!」と思ったら、ところかまわず練習してしまうことがありまして…。前にたまたま閑静な住宅街を歩いていたときにそのスイッチが入ってしまい、電信柱に向かって1時間くらいセリフの壁打ちをしてたんです。そしたら、近所の方が通報されたんでしょうね、警察の方に「何しているんですか?」と声をかけられてしまって(笑)。セリフの内容が怪しい雰囲気のある役どころだったので、妙に状況とマッチしてしまっていたのかもしれません。「迷惑をかけてごめんなさい」と反省しているつもりではいるんですが、未だに職質をよく受けます。―(笑)。そんなふうに、日常と役の線引きがあいまいになってしまうことはよくあることなのでしょうか。奥野さんあいまいと言いますか…、みなさんと同じですよ(笑)。たとえば、仕事の内容を覚えるために電車のなかで資料を読んだりされると思いますが、それと一緒です。ただ、僕の場合はセリフなので声に出てしまったり、テンションもその空間にあるものではないので突拍子もないものだったり、空気を読まずにやると大変なことになりがちではありますね。―それだけリアルな演技ということでもありますよね。いままで本当に幅広い役を演じられていますが、そのなかでも変わった役だったなと思ったものは?奥野さんこれまでに右翼、左翼、殺し屋、学生、兵士、ラッパー、チャラ男などいろんな役をやらせていただきましたが、僕としてはみんな“普通の人”だと思っています。現場では、どうしたらおもしろいかをつねに考えている―なるほど。奥野さんは作品ごとに別人かと思うほど印象が変わりますが、役作りで大事にしていることがあれば、教えてください。奥野さん当たり前のことですが、まずは台本に書かれていることを一生懸命覚えて、それをちゃんとできるように準備をしっかりしていきます。でも、現場はなまものですからね。そこで変わっていくことに対してどう能動的に動けるかが問われるので、準備してきたことも1回全部忘れてその場に立つことに集中しています。―以前共演された西島秀俊さんは、現場での奥野さんの姿に「これが自分の求めている俳優像だ」と感じたそうですが、ご自分でも意識されていることはあるのでしょうか。奥野さんいやぁ、僕は癖として意識した時点で、変な意図が働いてしまうので、なるべく意識しないように心がけています。ただ、周りの方からするとどう見えているかはわかりませんが、僕的にはひどく客観的な感覚はあるように思います。「あ、いま見られてるな」とか(笑)。そんなふうに遊んでいるというか、現場ではどうしたらおもしろいか、みたいなことばかりを考えています。―現場を楽しむことに重きを置いていらっしゃるんですね。奥野さんそうですね。現場では「どう楽しむ?」「やっぱり緊張する」みたいなことを自分のなかでずっと繰り返している感じです。それこそ、1つ息をするタイミングだけでも緊張するときがありますが、そういう小さなことから大きなことまでを楽しむようにしています。―今回の現場では、個性豊かなキャストの方も多かったですが、印象に残っていることはありますか?奥野さんみなさん本当に素晴らしかったです。なかでも父親役のきたろうさんがおもしろくて(笑)。現場でもおもしろく変容していくことに誰よりも能動的で「これぐらいのほうが笑える」ということにとても繊細に向き合ってる姿勢がめちゃくちゃ格好良かったです。きたろうさんが草苅監督にセリフの変更を提案された箇所があったんですが、断然そっちのほうがおもしろくてみな笑うのを必死に堪えていました(笑)。喜劇とその裏側の悲劇をちゃんと認識されているからなのか、その瞬間瞬間に軽くエネルギーをポンと出すだけで、周りはたちまち大爆発を起こしてしまう。いやぁ、本当に格好良かったです。あえて格言は持たずに、考え続けるようにしている―そのほかで、苦労されたシーンなどはありましたか?たとえば、今回は演技が下手な役者のキャラクターを演じられていたので、いつもとは真逆の作業で違和感もあったのではないかなと思うのですが。奥野さん確かに、あれは感覚的には変でしたね。今回はイマイチなお芝居をすることが良しとされていたので、カットのあと監督に「ちゃんとイマイチにできてました?」と確認したほどです(笑)。―また、劇中では吉田が母親とのやりとりのなかで、壁を1つ乗り越える姿も描かれていますが、ご自身も転機になった出来事はありましたか?奥野さんいまでもずっと悩んでいますよ。ただ、作品に出会うたびにそれが転機にはなっていると思いますが、毎回悩んでばっかりです。僕は主観的な感覚だけでするのはダメだと考えているので、客観的な視点も持つようにしていますが、自分の演技を見返すときは「ひどい芝居してるな」とものすごいダメ出しをすることが多いかもしれません。―今回、作品のなかで生と死に関する格言がいくつか紹介されますが、ご自身にも響いた格言はありましたか?奥野さん僕は考え続けることのほうが好きなので、正直これと言い切れる格言は思い浮かびません。というのも、格言は言葉としてそこに置いておけば自分の助けになるかもしれませんが、僕はどうしても言葉になってしまった時点でラクしようとしてしまうので。言葉の上澄みを覚えているだけで、そこに行きつくまでの過程やらその瞬間の感情を全部すっぽり忘れてしまうことが多くてがっかりするんです。それよりも言葉にはせずにずっと向き合っていたり、肌に感じていたりするほうが覚えていられる気がします。もちろん、衝撃的な言葉に出会ってその都度右往左往しますが、僕のなかでは格言という感覚ではないんじゃないかと思います。ちなみに、ラストシーンで吉田の格言も出てくるのですが、実はいまだに僕はあの言葉にピンときてないんです(笑)。それは僕のなかにない感覚。だからこそ「どういうことだろう?」といまでも考えています。僕はそういうほうが好きかもしれないですね。死体役を演じることで、どう生きるかと向き合えた―非常に深いですね。死ぬ役ばかりを演じたことで、ご自身の死生観に影響を与えた部分はあったのでしょうか。奥野さんおそらく草苅監督も吉田もネアカだから死について考えられるんだろうなと思いました。それに比べて、僕はネクラなので死への向き合い方が根本的に違う。そういうことにも、気づかせてもらったように感じています。あと、変な言い方になりますが、エロスとタナトスがあって、エロスが生きるエネルギーで、タナトスが死に向かうエネルギーだとしたら、僕にとって生きる力となっているのはタナトスが強い気がします。わかりやすく言うと、「死ね死ね!」と自らに言い聞かせて生を実感するタイプというか。なので逆にネアカな人たちへの憧れやうらやましさみたいなものはある気がしています。そういう意味でも今回は、人としても俳優としても死生観というものに改めて触れられるいい機会でしたし、死体役を演じることでどう生きるかと向き合えました。―そのうえで、この作品の見どころについても教えてください。奥野さん死体役ばかりをあてがわれる主人公を通して、死生観や明るく生きるエネルギーを感じていただけたら幸いです。何者でもない人の強さとおもしろさも観ていただけたらと思います。―今後の奥野さんにも注目ですが、ananweb読者に向けてもメッセージをお願いします。奥野さんもし少しでも興味を持っていただけましたら、映画館に足を運んでいただき、スクリーンで『死体の人」を観ていただけましたら、これ幸いです。僕というより、草苅監督と主人公の吉田広志に注目して、ぜひキュンとして下さい(笑)インタビューを終えてみて……。少しシャイな雰囲気もありますが、ひと言ひと言からまっすぐな思いが伝わってくる奥野さん。ずっと取材したかった俳優さんの1人だったのでようやく念願が叶いましたが、興味深い話が多く、もっと掘り下げていきたいという思いになりました。これからもどのような役どころで楽しませてくれるのか、ますます期待が高まるところです。生きることが下手でも、自分らしくあればいい思わず声を上げて笑ってしまうユーモアセンスと、胸がギュッとするような人間ドラマとが絶秒に織り交ぜられている本作。ときには空回りしてしまうこともあるけれど、不器用なりにも一生懸命な人たちの姿から必死に生きることも悪くないと感じるはずです。写真・園山友基(奥野瑛太)取材、文・志村昌美ヘアメイク・光野ひとみスタイリスト・ 清水奈緒美シャツ ¥41,800(AURALEE 03-6427-7141)他、スタイリスト私物ストーリー劇団を主宰して役者を志していたものの、要領よく振る舞えず、気がつくと“死体役”ばかりを演じるようになっていた吉田広志。開いたスケジュール帳は、さまざまな方法で“死ぬ予定”で埋まっていた。つねに死に方を探求する日々を送っていた吉田だったが、自宅に招いたデリヘル嬢の加奈と人生を変えるような運命的な出会いを果たす。そんななか、母が入院するという知らせに加え、新たな問題が発生。偶然見つけた妊娠検査薬を自分で試してみたところ、なんと陽性反応が出てしまう。一体これはどういうことなのか。そして、吉田は一世一代の大芝居を撃つことに……。釘付けになる予告編はこちら!作品情報『死体の人』渋谷シネクイント他、全国順次公開中配給:ラビットハウス(C)2022オフィスクレッシェンド写真・園山友基(奥野瑛太)
2023年03月22日ブルガリ(BVLGARI)から、染織家・志村ふくみとコラボレーションした新作バッグ「セルペンティ フォーエバー 志村ふくみ限定モデル」が登場。2022年11月に発売予定だ。人間国宝・志村ふくみとのコラボバッグ絹に草木染めを施した"紬糸”から織りあげた“紬織(つむぎおり)”で知られる、人間国宝の染織家・志村ふくみ。今回のコラボレーションでは、ブルガリのアイコニックな”蛇”モチーフ「セルペンティ」に、志村が生み出す艶やかな色彩と卓越したクラフツマンシップを落とし込み、息を呑むほどに美しいハンドバッグを完成させた。カラーは、自然がもつ色合いを表現した3つを用意。イエローを基調に、輝く光を思わせる色合いの「燈(あかり)」、パステルピンクが濃いパープルへと移り行く様子を表した「舞姫(まいひめ)」、グリーンの濃淡が自然の光景を思わせる「夕虹(ゆうにじ)」がラインナップする。ボディには、京都にある志村の工房で織りあげた、優美な着物生地を採用。そこにブルガリの職人たちによる熟練の技で、同系色のカーフレザーを組み合わせ、洗練された佇まいに。フロントには、マラカイトの瞳をあしらった、エナメルの”スネークヘッド”クロージャーをあしらっている。なおこれらのバッグは、各10点のみの限定アイテムとなっている。【詳細】ブルガリ「セルペンティ フォーエバー 志村ふくみ限定モデル」1,017,500円<各限定10点>※日本限定発売日:2022年11月発売予定カラー:燈、舞姫、夕虹サイズ:W18xH15xD9.5cm【問い合わせ先】ブルガリ / ブルガリ ジャパンTEL:03-6362-0100
2022年10月10日『志村けんの大爆笑展』が、6月12日(日)まで名古屋パルコ南館7階 イベントスペースにて開催中。本展は、「ザ・ドリフターズ」で活躍、テレビのバラエティー番組などに出演して人気を集めたコメディアン、志村けんの初の企画展だ。すでに東京、大阪、仙台、福岡など、どの会場でも大きな盛り上がりをみせ、ついに名古屋での開催となる。輝かしい歴史と笑いに徹底的にこだわったプロフェッショナルな素顔を、かつらや衣装、小道具のほか、セットの再現やプライベートの貴重品などを通して紹介している。『志村けんの大爆笑展』会場はいくつかのブースに分かれて展示。ご家族から拝借した貴重品とともに笑いのルーツを年表にして展示するほか、『名物キャラクター大集合』では「変なおじさん」や「ひとみばあさん」をはじめ、志村けんが生み出した名物キャラクターが集結。コント内で実際に使用されたかつらや衣装に加え、緻密に計算し制作された小道具などをコント映像と解説と共に紹介する。『志村けんの大爆笑展』また、会場内にはコントを体験できる写真撮影スポットがあり、『志村けんのだいじょうぶだぁ』でおなじみの鏡を使用したコントや、ドリフターズ時代からの定番の「タライ落とし」もあり、志村けんのコントを体験できるのも必見だ。撮影可能エリア。実際にコントを体験することができる。撮影可能エリア。実際にコントを体験することができる。「ひとみばあさん」のブティック『高級ブティックひとみ』がグッツショップイベント限定でオープンするのも見逃せない。ここでは「変なおじさんパジャマ」や、志村けんが愛用したブランドとのコラボ商品など、ここでしか手に入らない限定グッズが目白押しだ。『志村けんの大爆笑展』多くの志村けんグッズが並んでおり、何を買おうか悩んでしまいそうなほど。時間に余裕を持ってご来場いただくのがおすすめだ。『志村けんの大爆笑展』『志村けんの大爆笑展』また、『志村けんの大爆笑展』初日となる5月28日(土)には、仲本工事がオープニング店長として来場した。「志村のお祭りみたい」「いたるところに志村がいるみたいで懐かしい気持ちになる」と本展を鑑賞した感想をもらう。初日には仲本工事がオープニング店長として来場仲本工事がいるところはこの展覧会の一番の見どころと言っても過言ではない「殿の部屋」。志村けんの代表作“バカ殿”がお客様の目の前に降臨! 特殊メイク・等身大で非常にリアルに再現してあり、「志村けんのバカ殿様」の世界に引き込まれる。こちらも撮影スポットなため、志村けんと一緒に写真を撮るのがおすすめ!本当に本物の志村けんがいるように思えてしまうほどの再現力なので腰を抜かす人も続出しそうだ。『志村けんの大爆笑展』会期: 6月12日(日)まで会場:名古屋パルコ南館7階 イベントスペース開催時間:11時~20時 (最終日は18時まで/入場は閉場60分前まで)入場料:当日券一般・大学生1,200円 / 小中高生600円※未就学児は無料。※未就学児のお子様のみの入場はできません。※障害者手帳の提示で本人は無料、介添えは有料です。
2022年06月02日2022年3月26日、コントグループ『ザ・ドリフターズ』の仲本工事さんがTwitterを更新。2020年3月に新型コロナウイルス感染症で亡くなった、『ザ・ドリフターズ』のメンバーである、志村けんさんの墓参りに訪れたことを報告しました。墓参りには、同じく『ザ・ドリフターズ』のメンバーである、高木ブーさんと加藤茶さんの3人で訪れたそうです。久しぶりに三人揃ってお墓参りに行ってきました。やっぱり、グループで一緒に仕事をした時のことが一番甦りました。今となっては、良い思い出です。志村、ありがとうネ。 pic.twitter.com/fdfF4IAEPj — 仲本工事 (@nakamoto_koji1) March 26, 2022 同日、高木さんも自身のインスタグラムを更新し、「3人でやっとお墓参りに行けました」とコメントしています。早いもので、志村が亡くなって3回忌です。今日、3人でやっとお墓参りに行けました。bootakagi85ーより引用3人で墓参りする姿に、ファンからは「もう3回忌なのか…」などの声が寄せられています。・志村さんが亡くなって、もう3回忌なのか。早いなぁ。・何世代にも笑いを届けてくれた志村さん。未だに亡くなったなんて信じられない自分がいます。・この3人がそろって、並んでいるだけでなんだか嬉しいです。志村さんも笑っていると思う。・志村さん、幼少期からたくさんの笑いと元気をありがとう!3人が墓参りしてくれて、志村さんも喜んでいるだろうな。加藤さん、高木さん、仲本さんがそろって、志村さんの墓参りへ訪れた姿は、多くの人の涙を誘いました。3人そろって墓参りする姿を、天国の志村さんは、にこにこと笑いながら見守っていたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年03月27日俳優・山田裕貴が日本を代表するコメディアンの一人、志村けんさんの若き日を演じるドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」の放送日が12月27日(月)に決定。さらなる追加キャストが発表された。先日、雑誌「日経トレンディ」(日経BP社)が選ぶ「2021年今年の顔」にも選ばれた山田さんが、デビュー10周年の節目の年に志村けんさん役を演じる本作。いかりや長介さん役を遠藤憲一、加藤茶役を勝地涼、高木ブー役を加治将樹、仲本工事役を松本岳が演じることも発表されている。そして今回発表された、荒井注さん役には金田明夫、志村さんの父親・志村憲司さん役には渡辺いっけい、母親・志村和子さん役には宮崎美子、さらにムロツヨシもある役で出演する。ドラマは、志村さんがコメディアンになることを決意し、いかりやさんの元を訪れ、1968年、高校卒業間際にバンドのボーヤ(付き人)として携わるところから始まる。見習い時代の修業の日々、そして1974年にメンバーの一員となってから1990年代までの、想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を描く。また、毎週行われていたネタ会議の様子や、徐々に築かれていく加藤との友情も明らかに。いままで表には出ることのなかったメンバーとのやりとりや、いかりやさんとの関係など、今回のドラマ化に当たって取材して初めてわかったことも描かれる。出演の話がきたときの感想を、金田さんは「志村さんの半生を描くドラマがあるということ、そのメンバーの中の荒井注さん役を、と聞いて、“やらせてください”と、二つ返事でした」と言う。「実在の人物を演じることは、その人物の気持ちをどのぐらい代弁できるのかなとか、彼だったらどう思ってるのかなとまずは考えます。そして形態模写というよりは性格模写のような感じで気持ちを作っていくのですが、今回はそれを楽しんで演じられればいいなと思って臨みました」と語った。子どもの頃からドリフターズを見て育ったという渡辺さんは「本当にドリフターズが好きで見ていました。志村さんが見習いで入ってきて、はじめはあまりうけていない頃からよく覚えているので、今回の出演のお話には感慨深いものがありました」とコメント。さらに芸名の由来には、「お父さんの名前を取って“志村けん”という名前になったことを今回初めて知って、ちょっと鳥肌がたちました」と語る。そして志村さんとは生前、親交のあった宮崎さんは、「今回このようなお話をいただいて、みんなに愛された志村さんを大事に育て、その志村さんが大好きだったお母さんの役を演じることができて、本当に光栄で幸せだなと思います」と言う。約1年ぶりとなる福田組の撮影現場にムロさんは、「ここが僕のホームなんだなと思い出させてくれる時間でした」と言い、「志村けんさんと加藤茶さんという偉大なるお二人を、山田裕貴さんと勝地涼さんが演じられるいうことで、私なりの応援の方法はないかと思って、出演させていただきました」と二人にエールを送る形での出演となった。最後には「今日も楽しいおふざけができました」ともコメントしており、どのような役で登場するのかにも注目だ。「志村けんとドリフの大爆笑物語」は12月27日(月)21時~フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2021年11月24日志村けんさんの半生を描いたドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」の放送が決定。山田裕貴が志村さんを演じ、福田雄一が脚本・演出を手掛ける。昨年3月、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎のためこの世を去った、日本を代表するコメディアンの一人、志村さん。今回ドラマでは、志村さんがコメディアンになることを決意し、1968年、高校卒業間際にバンドのボーヤ(付き人)として「ザ・ドリフターズ」に携わるところから始まる。見習い時代の修業の日々、そして1974年にメンバーの一員となってから1990年代までの、想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤が描かれる。また、毎週行われていたコントのネタ会議の様子や、徐々に築かれていくメンバーとの友情も明らかに。そして、「8時だヨ!全員集合」や「ドリフ大爆笑」の懐かしい一場面も登場する。今回そんな志村さんを演じるのは、『東京リベンジャーズ』で東京卍會副総長・ドラケン役や、「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」の刑事・山田武志役が近年話題となった山田さん。「お話をいただいたときは、“本当に僕ですか?僕で大丈夫ですか?”と、信じられませんでした。楽しみよりもプレッシャーの方が大きかったです」と心境を明かした山田さんは、役を演じるにあたって、コントシーンを何度も繰り返し映像で見て研究したそうで、撮影の合間もスタッフ相手にコントの練習に励むほど、熱心に取り組んでいたという。そして「実はコントシーンの撮影日が、31歳の誕生日でした。すごくうれしくて、もしかしたらそれは志村けんさんからのプレゼントだったのかなと思います。ドラマの中のセリフで、“笑いたがっている人、笑わせましょうよ”とありますが、そういうドラマになればいいなと思っていますし、その日1日は、志村けんさんに変わって皆さんを笑顔にできるとうれしいです」とコメントしている。福田さんもまた、喜びとともにとてつもないプレッシャーを感じていたそうで「ドリフの歴史の一端を担うことができるだろうかという不安と、僕自身、志村けんさんへの思い入れがとてつもなく強かったので。何しろ、志村さんは少年時代からずっとテレビの前で見てきた大スターでしたから」と思いを明かし、「本当に大変なプレッシャーの中でしたが、山田裕貴さんはじめ役者の皆さんが本当に頑張ってくれましたし、スタッフも本当に素晴らしかったので、いい作品が撮れていると思います。編集はこれからですので、私がプレッシャーから解放されることはありませんけれど、きっといい作品になると信じて、ぜひ、お楽しみに!」と呼びかけた。「志村けんとドリフの大爆笑物語」は12月、フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2021年10月20日志村けんさん(享年70)のコメディアン人生46年を振り返る初の企画展「志村けんの大爆笑展」(10月17日まで東京・松坂屋上野店本館6階催事場にて開催中。11月6〜28日に宮城・TFUギャラリーミニモリ、12月22日〜2022年1月11日に石川・金沢エムザでも開催。詳しくは公式HPまで)が東京で開催中だ。本展は家族から提供された志村さんの貴重な私物や、名物キャラクターの衣装や小道具、コント体験ができる撮影スポットなどで構成されている。そんな「志村けんの大爆笑展」を、『金スマ』(TBS系)の再現ドラマで志村さんの幼少期を演じた星流くん(12)が体験!「殿の部屋」では、志村さんの代表作「バカ殿様」の等身大人形がお出迎え。ザ・ドリフターズの仲本工事さん(80)も「隣にいると話しかけちゃう」と太鼓判を押したリアルさ。星流くんもその完成度に「すごい!」と驚きの様子。「アイーン」のポーズで記念撮影です。「志村けんの大爆笑展」は、見るだけでなく撮影も楽しめる内容になっているのがポイント。「変なおじさん」「いいよなおじさん」など名物キャラクターの実際に使用していた衣装がずらりと並ぶなか、星流くんは、『8時だョ!全員集合』(TBS系)で使用されていた白鳥の衣装の前で「だっふんだ!」の表情でパチリ!また、ザ・ドリフターズの鉄板ネタ、天井からタライが落ちてくるコントを体験できるスペースが。星流くんもタライに当たったときのリアクションが試される!?ほかにも、『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)で人気だった鏡のコント体験も!鏡から体を半分出して、宙に浮いてるような写真や動画も撮れちゃいます。「あんだってぇ!?」でおなじみのひとみばあさんのブティックには、イベント限定グッズが盛りだくさん!レアなグッズに「欲しい!」が止まりません。「笑いがなければ人は生きられない。だから僕は笑いを大事にしたい」ーー。そう語っていた喜劇王・志村けんさんが遺した笑いの世界を楽しんで!
2021年10月16日お笑い芸人・志村けんさんの企画展『志村けんの大爆笑展』の東京開催が2日、松坂屋上野店で初日を迎え、オープニング店長を務めるザ・ドリフターズの仲本工事が、開店前に取材に応じた。仲本は「この時期にこういうものをできるということは喜ばしいし、志村とってもいいことだと思います」と心境をコメント。会場を回って、肌の質感から細部にまでこだわって製作された“リアルバカ殿様”が「一番落ち着くかなあ」という。あまりのリアルさに、つい話しかけてしまうそうで、「『お前なんで先逝っちゃったんだよ』とか『カトちゃんが一番悲しんでるぞ』とか言いました。日本の財産だったからね」と、しみじみ。ほかにも、「『(8時だョ!)全員集合』や『(ドリフ)大爆笑』で見たシーンの現場がありますので、そこで体感してもらって楽しんでもらえればと思います」と呼びかけた。志村さんとの思い出を聞かれると、「一番印象に残ってるのは『ジャンケン決闘』かな。あれが盛り上がってやってても楽しかったな」と、志村さんがあの“最初はグー”を生み出したコーナーを回想。志村さんが亡くなってから1年半という月日が経ったが、「僕らはわりと単純だから、あんまりそういう思い出に浸ったりとかはしてないんです。こういう機会に『ああいうことがあったな』とか鮮明に思い出されるというのでいいんじゃないですか? 志村の思いまで背負って演技したり、コントしてたら、きっと湿ったもんになっちゃうと思うので、それはそれ、これはこれって線引きをきちっとしてやっていけばいいと思います」と強調した。はっぴの下に、志村さんの様々なキャラクターが描かれたTシャツを着用した仲本。志村さんの描かれたTシャツを着るのは初めてだそうだが、着心地は「気持ちいいです(笑)」。「Tシャツが好きで1年中着てるので、こうやって仲間のTシャツを着るっていうのは、僕は好きですね」とご満悦の様子で、プライベートでも「いろいろと着て、私のファッションにしたいと思います」と笑顔を見せた。その後に開店すると、仲本はオープニング店長として来場者1人1人を出迎え、幅広い世代に愛される志村さんの人気を実感していた。同展は、17日まで開催。入場時間は10時~20時(最終入場は19時30分まで)で、入場料は一般・大学生1,200円、中高生800円、図録付き2,000円。
2021年10月02日お笑い芸人・志村けんさんの企画展『志村けんの大爆笑展』が、10月2日から松坂屋上野店で東京開催を迎える。この初日に、ザ・ドリフターズの仲本工事が、オープニング店長に就任することが決まった。大阪開催では、連日多くの客が来場し、志村さんの笑いのルーツやコント映像、衣装などで喜劇王の軌跡を懐かしんでいる。特に、肌の質感から細部にまでこだわり製作された“リアルバカ殿様”は来場者を圧倒。また、大人気の「鏡のコント」が体験できるエリアなども用意されている。東京開催では、イベントの告知映像のナレーションを務めた仲本が初日の開店時に客をお出迎え。人気キャラクター“ひとみばあさん”のお店「高級ブティック ひとみ」では、アメリカで1920年に創業したキャップブランド“NEW ERA”とのコラボ商品を発売する。国民的キャラクター“変なおじさん”をモチーフにしたデザインを含め3種類が販売される予定だ。仲本は「笑いに対して生涯かけて勉強し努力し追求し続けた志村の遺(のこ)した作品を、ぜひみなさんも会場に足を運んで見に来てくださいね! 僕もみなさんに会えるのが楽しみです。志村もきっと喜ぶよ」と話している。(C)イザワオフィス/フジテレビ
2021年09月01日お笑い芸人・志村けんさん初の企画展『志村けんの大爆笑展』(企画制作:フジテレビ/イザワオフィス)が、8月6日から全国10都市以上で開催されることが決まった。同展では、志村さんの幼少期の写真など、その笑いへのルーツを年表形式で紹介すると共に、一番のファンである家族から借りた貴重品を展示。また、緻密な計算で作られた劇用小道具や衣装も大量に展示する。「喜劇王『志村けん』の軌跡」では、志村さんの笑いのルーツを大年表にして、その軌跡を追う。幼少期から喜劇王が創り上げた数々の名作コントと功績を、マル秘エピソードと家族から拝借した貴重品と共に紹介する。「名物キャラクター大集合」では、志村さんが生み出した国民的キャラクター“変なおじさん”、“ひとみばあさん”をはじめ、名物キャラが集合。コント内で実際に使用されたかつらや衣装に加え、緻密な計算で創作された小道具も公開。コント映像と解説と共に紹介する。写真撮影スポット「殿の部屋」では、志村さんの代表キャラ“バカ殿様”を特殊メーク・等身大でリアルに再現。おなじみの“アイーン”ポーズで出迎える。『志村けんのバカ殿様』撮影セットも再現し、“バカ殿様”の世界観に引き込む。写真撮影スポット「名作コント体験」では、『志村けんのだいじょうぶだぁ』でおなじみの鏡を使用した摩訶不思議コントや、ドリフターズで定番の“タライ落とし”コントを体験。物販コーナー「高級ブティックひとみ」では、大人気商品「変なおじさんのパジャマ」や、志村さんが愛用した「GOD SELECTION XXX」などの有名ブランドコラボ商品をはじめ、イベント会場でしか手に入らない限定グッズが販売される。ザ・ドリフターズの高木ブーは「志村は笑いに対してドリフのメンバーの誰よりも貪欲だったよね。そんなアイツの作品をぜひ皆さんお楽しみください。僕の中では志村はずっと生きてる。だからみんなが大爆笑展に来てくれるのを、アイツも会場で待ってるんじゃないかな」とコメント。仲本工事は「あんなに笑いに対して努力した男、僕は見たことがないよ。すごくいろんな笑いを見たり、音楽を聴いたりと、とにかく勉強熱心だった。そんな志村が遺(のこ)した作品をみなさんも是非会場に足を運んで見に来てください!志村もきっと喜ぶよ」。加藤茶は「ドリフターズの坊やとして入ってきた志村を誰よりも可愛がってきたのは俺じゃないかな。アイツにはずいぶん無茶させられたんだけど、憎めない奴だった。会場にはそんな志村と俺のエピソードなんかも展示されているみたいなんで、皆さんぜひお越しください」とアピール。企画制作のフジテレビ・板谷恒一氏は「2020年3月29日、新型コロナウイルス感染症による肺炎のため亡くなられた志村けんさん。志村さんは生前、こんな言葉を残されています。“笑いがなければ人は生きられない。だから僕は笑いを大事にしたい”。現在も先の見えない状況が続き、多くの皆さんが不安な日々を過ごされています。そんな中でも、志村さんが残された“笑い”はどんな時でも私たちを笑顔にしてくれました。このイベントを体感していただき、改めて志村さんをしのぶと共に、数多く作られた珠玉のコントで“大爆笑”していただくことで、日本が前を向いて生きていくための大事な糧になれば幸いです」と話している。開催日程は、下記の通り。・2021年8月6日~2022年12月(予定)・大阪会場を皮切りに全国10都市以上を巡回(予定)■大阪会場2021年8月6日~9月5日(なんばスカイオ7階 コンベンションホール)入場料金:一般・大学生1,000円(800円)、小中高生700円(500円)■東京会場2021年10月2日~10月17日(松坂屋上野店 本館6階 催事場)入場料金:調整中宮城会場は2021年11月~、石川会場は2021年12月~開催予定
2021年06月30日2021年4月19日、バラエティ番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)にお笑いタレントの加藤茶さんが出演。前年3月29日に新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)で亡くなった、盟友・志村けんさんへの想いを語り、反響を呼んでいます。加藤茶「残念だなっていってられない」番組の中で、加藤さんは「自分の中で、どれだけ大事だったんだろう」と志村さんが亡くなった後の喪失感を吐露しました。俺たちより年下の志村が逝ったのが一番ショックだったし、これからいろんなことができるよという時にコロナで亡くなってしまって、まだお別れの会もしていないし。だから志村本人が自分が死んだことを分かっていないんじゃないかと思うよ。いまだにネタを考えたりしているんじゃないかと。人生が変わる1分間の深イイ話ーより引用また、1周忌を迎えた現在の想いを語っています。残念だなってばっかりいってられないし、今度は自分たちがドリフターズの笑いをお客さんに見せていかないといけないね。舞台でお客さんに笑ってもらって、あと22年いったら御の字だね。それでコロッと逝けたら最高。でも高木さんを見ていると、いけそうな気がする。100歳までいけるかな。人生が変わる1分間の深イイ話ーより引用加藤さんは、志村さんの想いを引き継ぎ、これからも舞台に上がるために、日々トレーニングを行っているそうです。また、加藤さんの妻・綾菜さんは、介護資格を取得するなど献身的に加藤さんをサポート。番組の中でも「介護職をする職員さんを増やしたい。高齢化でおじいちゃん、おばあちゃんが4人に1人っていわれている時代なのに、働く人がどんどん減っている」と熱く将来の夢を話していました。番組を見た人たちからは応援の声などが寄せられています。・志村さんが亡くなって、もう1年か…。カトちゃんにはまだまだ元気でいてほしいな。またコントが見たいよ。・加藤さんと綾菜さん、素敵な夫婦ですね。それぞれの夢に向かって頑張っている姿に勇気をもらえました。・加藤さんの思い出話に涙が出ました。『ザ・ドリフターズ』は永遠。志村さんの分までこれからも笑わせてください。志村さん亡き後、悲しみを抱えながらも、お笑いを続けるため前向きに努力をし続けている、加藤さん。その姿に、多くの人が励まされたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年04月20日お笑いタレントの志村けんさんが亡くなってから1年が経った、2021年3月29日。同日には、生前親交があった多くの著名人が追悼のコメントを発表しました。テレビ番組でたびたび共演し、志村さんの追悼番組にも出演したタレントの研ナオコさんも、志村さんの命日に合わせ、2人そろった写真をInstagramで投稿。写真には、旧知の仲である研さんの前だからこそ見せた自然体の志村さんの姿が映っていました。 この投稿をInstagramで見る 研ナオコ (Naoko Ken)(@ken.naoko)がシェアした投稿 この笑顔のけんちゃん忘れません。ken.naokoーより引用過去に行われた、ロケ番組の中のワンシーンというこちらの写真。見つめ合って笑いあう2人からは、『友人』という言葉以上の強い絆が感じられるようでもあります。写真は反響を呼び、改めて志村さんを偲ぶコメントが多く寄せられました。・志村けんさんの存在は、永遠に忘れません!・志村さんの笑い声まで、脳内で再生できる。・素敵な笑顔。いつまでも忘れません。・2人の笑い声が聞こえてくるようです。志村さんの訃報を伝えるニュースは日本中に衝撃を与え、当時、世の中全体が悲しみに包まれたといっても過言ではありません。あの日から1年…多くの功績を残した志村さんの死を信じられない人は、依然として多いことでしょう。きっとそれは研さんも同じ。もう志村さんのコントを見ることはできません。しかし、研さんが公開した写真に写る笑顔の志村さんの姿は、これからも私たちの中で生き続けるはずです。[文・構成/grape編集部]
2021年03月31日2021年3月29日は、お笑いタレントである志村けんさんの一周忌でした。同日、志村さんが所属していた『ザ・ドリフターズ』のメンバーである仲本工事さんが、Twitterを更新。志村さんの命日に対し、正直な想いをつづりました。一年早いものですねでもまだ、志村がそばにいるような気がします。— 仲本工事 (@nakamoto_koji1) March 29, 2021 「まだ志村がそばにいるような気がします」という仲本さんの言葉には、仲間の逝去を1年かけて受け止めて、変わらず大切に想う心境がうかがえますね。仲本さんの投稿に対し、ファンからは「読んで泣いてしまった」「笑顔でいれば見守ってくれる気がする」「今でも亡くなったことが信じられません」といった声が相次ぎました。仲本さんは、同年2月20日に迎えた志村さんの誕生日にも、次のような投稿をしていました。今日は、志村の誕生日かぁ。早いなぁ、みんな忘れてないよね。もう一年たつんだね。 pic.twitter.com/QGuLm80gg2 — 仲本工事 (@nakamoto_koji1) February 20, 2021 Twitter上のファンに対し、友人のように呼びかける仲本さんのメッセージからは、志村さんの不在を悲しむ人々を思いやり、一緒に懐かしもうとする姿勢が伝わってきます。日本中の人々に深い悲しみを与えた志村さんの逝去から1年。志村さんの優しい人柄や、彼がもたらした数々の笑いは、私たちの心に残り続けることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年03月30日志村けんさん(享年70)がこの世を去ってから今日で1年。ドリフターズの最年少メンバーであった志村さんの死は日本中に大きな悲しみをもたらした。一周忌を迎えるということで、3月28日にはフジテレビが局の垣根を超えた異例の特別番組を放送。4月3日には志村さんがMCを務めた『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)が一夜限りの復活を果たす。その存在の大きさはますます際立つばかりだ。68年にいかりや長介さん(享年72)へ弟子入りする形で芸能生活をスタートさせた志村さん。74年に荒井注さん(享年71)がドリフを脱退すると、正式メンバーに昇格。「東村山音頭」で脚光を浴び、押しも押されぬドリフの人気メンバーとなる。ドリフ解散後も“バカ殿様”などであらゆる世代からも愛された志村さんの歩みを、貴重な秘蔵写真とともに改めて振り返りたい――。■中島みゆきとの幻の対談相葉雅紀(38)や千鳥の大悟(41)、優香(40)など数多くの芸能人から慕われていた志村さん。そんな志村さんには、憧れていた女性歌手がいる。中島みゆき(69)だ。11年、志村さんはブログで中島みゆきのコンサート「夜会」を訪れたことを明かしたうえで、こう綴っていた。《三十年前から中島みゆきさんのファンでコントでも曲使わせて貰って今日は楽屋にお邪魔して握手求められて ドキドキ》実は41年前、本誌で志村さんと中島みゆきが対談を行っていたのだ。食事をしながら対談を行うというもので、憧れの中島との対面ともあって取材は大盛りあがり。しかし、対談しながらの食事にはあまり集中できなかったようで、中島は当時のオールナイトニッポンで「対談の時って、物、食えるもんじゃないな。今度、タッパ持っていこうと思った」と述懐していた。■美女とデート&愛犬同伴の誕生日パーティ優しく紳士な人となりで知られる志村さん。しかし、時には“やんちゃ”な一面も。また生涯独身を貫いた志村さんだが、数多くの女性と浮名を流した。かつてはいしのようこ(53)との交際がたびたび報じられ、以降も恋の噂は後を立たなかった。本誌も数々の現場に遭遇。11年9月に高級飲食店に美女とデートする姿や、19年2月には都内のバーで仲間に囲まれて愛犬同伴で自身の誕生日パーティを楽しむ姿を目撃している。今年8月には、志村さんが出演予定だった映画『キネマの神様』が公開され、代役を盟友の沢田研二(72)が務める。志村さんの“遺志”は、これからも決して消えることはない――。
2021年03月29日お笑いタレントの志村けんさんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)による肺炎で亡くなってから、2021年3月29日で1年が経ちます。多くの人にショックと悲しみを与えた訃報。また、改めてコロナウイルスの恐ろしさを知ったニュースだったでしょう。70歳で生涯に幕を閉じた志村さん。ネット上では「いまだに信じられない」「フラっとテレビに出てきてくれそうな気がする」などの声が上がっています。志村けんさんへのメッセージを受け付け志村さんの出身地である東京都東村山市では、2020年5月に、志村さんへのメッセージをウェブサイト上で募集し、遺族へと届けていました。また、同年8月には東村山市の存在を全国の方に知らしめた恩人などとして、志村さんを名誉市民に選定。2021年3月で志村さんの一周忌を迎えるにあたり、東村山市は、再びウェブサイト上でメッセージの受付を開始しました。コロナウイルスの感染防止のためにも、来訪や献花、供物は遠慮するよう呼び掛けています。多くの皆さんの志村さんへの尽きることのないお気持ちに何らかの形でお応えできればと市のホームページで皆さんの「お気持ち」を再び3月31日(水曜)までお受けし、ご遺族にお届けさせていただきます。緊急事態宣言につきましては昨日をもって解除されましたが今後の再拡大が危惧されているところです。市といたしましては、引き続き感染拡大への警戒を怠らずに市政運営を続けております。皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症再拡大防止、駅・グリーンバス利用者等通行者の交通安全確保等の観点から、「志村けんの木」付近への来訪、献花・供物等につきましては何卒ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。東村山市ーより引用メッセージは、東村山市のウェブサイトで2021年3月31日まで受け付けているとのこと。寄せられたメッセージが、遺族を通して志村さんへと届くといいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年03月28日昨年3月、新型コロナウイルスによる肺炎のためこの世を去った志村けんさん(享年70)。その銅像が故郷の東京都東村山市に設置されることが3月9日に発表された。各メディアによると銅像は「アイーン」のポーズをしており、7月上旬にはお披露目される予定だという。志村さんが亡くなって早1年。ネットでは《いろんな世代から愛され、みんなに笑いを届けてくれた志村さんが大好きです。銅像出来たら見に行きたいと思います》《まさか銅像になるとまでは本人も思わなかっただろう。それほどに偉大な存在となったということ》と改めて、生前の功績が讃えられている。そして、このニュースの2日後に迎えたのが3月11日。東日本大震災の発生した「3.11」から10年目という節目の年を迎えた。志村さんのブログをひもとくと、11年3月13日の記事に震災当日のことがつづられている。志村さんは「高速道路走ってて地震あいまして」「こんな怖い思いは人生で初めて本当に怖かったよ」といい、さらにこう続けている。「それよりテレビで映像見て私なんかより想像絶する言葉がありません津波の怖さ」「何も出来ない涙が出ます」同年3月27日のブログには、福島県いわき市にロケで行った思い出が記されている。「海岸の店でおばちゃん達にしらす丼食べさせてもらい楽しく会話したのを覚えてます」と回想したものの、「その店は流されて無いそうです辛いです」と無念さを滲ませている。「志村さんはその年の4月、募金活動を行いました。1日で213万円もの大金を集め、被災地に寄付。『自分には何もできない』と思っていた志村さんは、募金してくれた人たちにしきりに感謝していました」(スポーツ紙記者)■「少しでも震災を忘れてくれたらいいな」震災後、ブログで何度も「合言葉はだいじょぶだぁ」「明日はだいじょぶだぁ」とのメッセージを送っていた志村さん。13年4月に放送された番組「志村けんと行く!勝手にドッキリ感動旅!」(テレビ東京系)で三陸鉄道の旅に出ている。そして当時、三陸鉄道・吉浜駅の非常勤駅長に任命され話題となった。「なぜ“非常勤”なのかというと、『そのほうがタイミング次第でいつでも現地に行けるから』と志村さんが考えたためだそうです。また志村さんは等身大パネルや、志村さんへの意見箱『志村箱』を吉浜駅に設置することを提案。そんな『少しでも被災地に寄り添いたい』という気持ちを街の人たちは嬉しく思い、『元気付けられた』と語る人もいました」(全国紙記者)また志村さんが愛されたのは、誰にでも気さくで優しかったからだという。「『バカ殿』で震災を特集した際、現地の曲芸師に『じっくり芸を見せてくださいね』と紳士的に挨拶。その姿に感激する声が上がっていました。さらに志村さんは、被災地の子供たちをたびたび楽しませては笑顔に。子供が大好きな志村さんは『少しでも震災を忘れてくれたらいいな』と話していました」(前出・スポーツ紙記者)この次の10年、そしてその先もーー。志村さんは、被災地のことを天国から見守っていることだろう。
2021年03月12日「志村さんが亡くなられたことは理解しているんですが、今でもコント番組以外での志村さんを見られないんです」そう語るのは昨年3月29日、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさん(享年70)の付き人を’94年から7年務めた、弟子の乾き亭げそ太郎さん(50)だ。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)での眼鏡をかけた家来の姿は記憶している人も多いだろう。死から1年近くたったいまも、コントの役に扮装していない、トーク番組などでの志村さんの映像を目にすると、悲しみがぶり返してくるのだという。鹿児島県出身のげそ太郎さんは17歳のときに家出同然で東京に出た。23歳のときに、子どものころからテレビで見ていた憧れの志村さんの弟子になることを決意した。ちょうど、志村さんの運転手を募集していたこともあり、付き人に採用された。「いちばんの仕事は志村さんの送迎です。自宅までリムジンで迎えに行って、収録現場まで送ります。現場では食事の手配や、小道具の確認もします」志村さんの収録が終わっても、げそ太郎さんの仕事は終わらない。「志村さんはほぼ毎日飲みに出かけるので、その送迎です。お店から出てくるまで、何時間でも車の中で待機して、自宅まで送ったら付き人の仕事は終わりです」げそ太郎さんは車中での待機中に、リムジンの運転席でコントのネタを書くようにした。志村さんの番組のスタッフにお願いして、志村さんも出席する“ネタ会議”に提出させてもらった。「いちばん最初に僕がネタを出したときは志村さんが目を通したのか通してないのかわからないぐらいの速さで不採用になりました」しかし、めげずに何度もネタを出した。「ある日、僕が書いた家族コントを『これいいな』と採用してくれて……。そこから何回かネタが採用され始めたころ、『こいつ頑張ってるんでバカ殿様の家来役で使いませんか?』とディレクターさんが志村さんに提案したんです。『そうだな』って志村さんも賛同してくれました」その夜、麻布十番のイタリアンのお店に呼んでくれた志村さん。2人きりの食事だった。「『頑張ればできるだろう。もしかしたら(放送)作家の誘いがあるかもしれないが、芸人をやりたいんだったら、芸人をちゃんとやっていけよ』と言っていただきました」昨年3月下旬、志村さんが新型コロナに感染し重篤な状態になっているというニュースが流れてすぐに、げそ太郎さんは当時の付き人に連絡をした。「正直ギリギリのところです」そんな返事だったが、げそ太郎さんが住む鹿児島県は当時1人も感染者が出ておらず、どこか楽観しているところもあったという。だが、5日ほどたって志村さんの専属メークから電話があった。「志村さんが亡くなった……」げそ太郎さんは激しく動揺し、すぐにテレビをつけると「志村さん死去」というテロップが目に飛び込んできた。「全く整理がつかないまま僕とメークさんは声を上げて泣きました」志村さんが亡くなった夜、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さん(60)からビデオ電話がかかってきた。「上島さんが泣きながら『あのハゲ死んじゃったな』って言ったんですよ。それが僕の胸にすごく刺さってボロボロ泣いちゃいました」げそ太郎さんには、多くの番組で共演し、20年以上酒を酌み交わしてきた上島さんの悲しみが、その一言に集約されているように思えたという。(取材・文:インタビューマン山下)「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年02月26日「志村さんが亡くなられたことは理解しているんですが、今でもコント番組以外での志村さんを見られないんです」そう語るのは昨年3月29日、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさん(享年70)の付き人を’94年から7年務めた、弟子の乾き亭げそ太郎さん(50)だ。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)での眼鏡をかけた家来の姿は記憶している人も多いだろう。鹿児島県出身のげそ太郎さんは17歳のときに家出同然で東京に出た。23歳のときに、子どものころからテレビで見ていた憧れの志村さんの弟子になることを決意した。ちょうど、志村さんの運転手を募集していたこともあり、付き人に採用された。「いちばんの仕事は志村さんの送迎です。自宅までリムジンで迎えに行って、収録現場まで送ります。現場では食事の手配や、小道具の確認もします」志村さんの収録が終わっても、げそ太郎さんの仕事は終わらない。「志村さんはほぼ毎日飲みに出かけるので、その送迎です。お店から出てくるまで、何時間でも車の中で待機して、自宅まで送ったら付き人の仕事は終わりです」’01年に付き人を卒業。’11年、鹿児島のテレビ局からの誘いを受けて、げそ太郎さんは活動の拠点を故郷・鹿児島に移した。’15年には鹿児島の仕事に専念するために『バカ殿様』と『志村魂』を卒業。会う頻度は減ったが、客として舞台を見に行ったときにはあいさつに行ったり、東京に行くときは会いに行ったりと、志村さんとの交流は続いていた。これからも続くと思っていたそんな日々は、新型コロナウイルスによって突然断たれてしまった。■「師匠がくれた仕事」背中を押した上島竜兵2月26日、げそ太郎さんは志村さんとの思い出をつづった『我が師・志村けん僕が「笑いの王様」から学んだこと』(集英社インターナショナル)を出版する。亡くなった直後、メディアからの取材依頼が多数きた。しかし気持ちの整理がつかなかったげそ太郎さんはそれを断っていた。「そのことをダチョウ倶楽部の上島竜兵さんに伝えたら、『バカ野郎!それは師匠がお前にくれた仕事だから受けないとダメだろ』って怒られたんです」舞台や番組と、何度もチャンスをくれた志村さん。鹿児島に拠点を移してからも、志村けんの弟子という肩書に何度も助けられた。亡くなってなお仕事をくれる師匠に応えようと、げそ太郎さんは取材や書籍のオファーを受けるようになった。志村さんが亡くなってからしばらくして、げそ太郎さんは自室の一角に志村さんの祭壇を作った。志村さんが生前好んで飲んでいた焼酎を供えて、傍らには水着の女性のポスターを貼った。「志村さんの写真の周りをとにかく寂しくさせたくなかったんです。せっかくなら水着の女性のほうが喜ぶと思って」げそ太郎さんは祭壇に毎朝あいさつし、夜寝る前には志村さんの写真を眺めながら晩酌するのが日課になっている。「志村さんに『お疲れさまでした』と言って飲んでいます。でも僕はお酒が弱いので焼酎1にお湯9で割って飲むのです。そんなのを志村さんに見られたら『酒がもったいない!』って間違いなく怒られますよね(笑)」希代のコメディアンをそばで見てきた者の1人として、げそ太郎さんはその軌跡をこれからも語り継いでいく。(取材・文:インタビューマン山下)「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年02月26日今も、喪失感は消えない。まもなく、志村けんさんの一周忌を迎える。7年にわたって国民的なコメディアンを誰よりも近くで見守っていた、元付き人で弟子が語るその優しき素顔ーー。「志村さんが亡くなられたことは理解しているんですが、今でもコント番組以外での志村さんを見られないんです」そう語るのは昨年3月29日、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさん(享年70)の付き人を’94年から7年務めた、弟子の乾き亭げそ太郎さん(50)だ。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)での眼鏡をかけた家来の姿は記憶している人も多いだろう。鹿児島県出身のげそ太郎さんは17歳のときに家出同然で東京に出た。23歳のときに、子どものころからテレビで見ていた憧れの志村さんの弟子になることを決意した。ちょうど、志村さんの運転手を募集していたこともあり、付き人に採用された。「いちばんの仕事は志村さんの送迎です。自宅までリムジンで迎えに行って、収録現場まで送ります。現場では食事の手配や、小道具の確認もします」志村さんの収録が終わっても、げそ太郎さんの仕事は終わらない。「志村さんはほぼ毎日飲みに出かけるので、その送迎です。お店から出てくるまで、何時間でも車の中で待機して、自宅まで送ったら付き人の仕事は終わりです」■「おふくろの前でいいところ見せようと」毎年、お盆と正月に必ず実家の母・和子さんのもとに帰っていた志村さん。もちろん、げそ太郎さんの運転だ。和子さんはいつも大好物だった厚揚げを作って、息子の帰りを待っていた。「家にあげていただくこともあるんですが、志村さんだけ出かけてしまったことも。2人になると、お母さんが『けんさん、どうなの?』と聞いてこられて。答えづらいですよね(笑)」国民的スターだった志村さんも母の前では一人の息子に戻った。志村さんが’06年から毎年主宰し、ライフワークになっていた舞台『志村魂』に、和子さんは欠かさず訪れていた。「毎回、志村さんは三味線を弾くんですけど、お母さんが見に来ていた日はかなりの確率で失敗していましたね。『おふくろの前でいいところを見せようと思って緊張する』って笑っていました」開演前、まだ客が入る前のグッズ売場で、母の車いすを押しながら「どれが欲しい?」と聞いている母子の姿がげそ太郎さんのまぶたに焼き付いているという。〈私の一番のファンの母親が亡くなりました〉志村さんのそんな言葉に見送られ、’15年11月に和子さんは96歳で旅立った。きっと天国では、厚揚げを用意して、息子のことを迎えたに違いない。■リハーサルでドリフの一員に’01年に付き人を卒業したが、弟子であることは変わらない。人手が足りないときは、志村さんのもとに駆け付けることもあった。ザ・ドリフターズが『思い出のメロディー』(NHK)に出演したときには、こんなサプライズが。「生放送だったこともあって、お手伝いに行ったのですが、仲本工事さんが舞台の仕事で遅れるということで、急きょリハーサルで代役を務めることになったんです」「仲本」と書いたボードを首からぶら下げて、憧れのドリフターズの“一員”になった。「僕が仲本さんのボケをやると、ツッコミ役の志村さんが激しく蹴ってきたんです。加藤茶さんが『お前、自分の弟子だからそうやってるけど、本番は仲本だからな』と言うと、志村さんはもう一度、僕のことを蹴ってきて」“自分の弟子だから”という加藤さんの言葉に、それを肯定するようにとんできた志村さんの蹴り。弟子として認められたような気がして、げそ太郎さんはこのうえなく幸せな気持ちになった。一流のコメディアンとして、芸事に厳しかった志村さん。番組や舞台では怒られてばかりだった。「『志村魂』で、列車に飛び込んで自殺しようとする志村さんを、駅員の僕が止めるというコントがありました。僕の演技に対して、志村さんは『お前は俺が飛び込んだら、列車も止まる。いろいろな迷惑がかかる。本当にそんな演技でいいのか?』とおっしゃって」酔っ払い役であれば、この日はなんで飲んだのか、どんな気持ちで酔っぱらったのかなど、キャラクターの背景まで考え抜いて演じていたという志村さん。当然、弟子に要求する水準も高かった。駅員の芝居はそのレベルに達していないと飲みの席でダメ出しされ、「お前が俺の弟子で恥ずかしいわ」とまで言われてしまった。「一方で、本当に優しい方でした。『志村魂』の福岡公演で、鹿児島から僕の両親をはじめ、親戚が見に来たときのことです。例のコントで、列車に飛び込もうとする志村さんを止めるやり取りは通常1回だけなんですが、この日、志村さんは何度も列車に飛び込もうとしたんです。戸惑いながら止め続けているうちに、両親や親戚の前で僕の見せ場を作ろうとしてくれていることに気づいて。楽屋に戻った後、涙が止まりませんでした」舞台の終了後、お礼に行くと、志村さんはニヤリと笑っただけで、何も言わなかったという。(取材・文:インタビューマン山下)「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年02月26日2021年1月2日に放送された、バラエティ番組『志村&鶴瓶のあぶない交遊録大最終回スペシャル』(ABEMA)。同番組は、お笑いタレントの笑福亭鶴瓶さんと、2020年3月に逝去した志村けんさんがMCを務め、1998年から正月の恒例特番として人気を博していました。今回の『大最終回スペシャル』では、『志村・鶴瓶VSナインティナインの元祖・英語禁止ボウリング対決!!』と題した企画を放送。お笑いコンビ『ナインティナイン』の岡村隆史さん・矢部浩之さんのチームと、鶴瓶さん・志村さんチームがボウリングで対戦する企画です。対戦中、英単語を発したら罰金、また、ピンク色のピンを倒すと美女からご褒美をもらえるというルールのもと繰り広げられる同企画は、長年多くの視聴者から愛されていました。鶴瓶「なんで先死ぬねんアホ!」同番組前半では、これまでの名場面をVTRで振り返る一幕も。鶴瓶さんは、亡くなった志村さんに対し「なんで先死ぬねんアホ!」と胸中を吐露しています。また、志村さんが亡くなった後、線香をあげに志村さんの兄の家を訪ねた時のことを語りました。(志村さんが亡くなった後)行ってきたんよ、家に。遺影の写真があって「いい写真ですね」ってお兄さんにいうたら「隣に鶴瓶さん写ってます」と。志村&鶴瓶のあぶない交遊録 大最終回スペシャルーより引用遺影の中で素敵な笑顔を浮かべていた志村さん。実は、その写真は鶴瓶さんとツーショットで写ったものだったのでした。そのエピソードを聞いた矢部さんは「名コンビだったんですよ。志村さんは、鶴瓶さんに心を許していたんだと思います」とひと言。岡村さんも「この番組の時には、志村さんはいつも嬉しそうだった」と過去を振り返りました。また、2020年10月に結婚した岡村さんは「志村さんに結婚の報告をしてたら、なんていってはったんやろ」「『なんだチミは?』っていわれるんですかね」と、亡き志村さんへ思いを馳せています。大悟「師匠、ありがとうございます」番組後半では、ボウリング対決を開催し、志村さんの代役として、お笑いコンビ『千鳥』の大悟さんが登場。ゲーム中、ピンクのピン6本を倒す好調ぶりを見せ、岡村さんに「志村さんが乗り移ってる!」と絶賛されていました。志村さんを師匠として尊敬し続ける大悟さんは、ゲーム終了後、志村さんへこのように語りかけています。おいしいとこ全部。いっぱい、いいのいただきました。師匠ありがとうございます。志村&鶴瓶のあぶない交遊録 大最終回スペシャルーより引用番組終了に反対だった鶴瓶「踏ん切りがついた」また、番組冒頭から鶴瓶さんは「これからも『ナインティナイン』の2人とこの番組を続けたい」と同番組の終了を惜しんでいました。しかし、矢部さんや岡村さんからは「志村さんありきの番組だった」とのツッコミが。番組終了に反対だった鶴瓶さんでしたが、ゲーム終了後には「志村さんも喜んでいると思う。踏ん切りがついた、ありがとうございました」と、20年間愛され続けた番組に、感謝と別れを告げました。番組の視聴者からはさまざまな声が上がっています。・志村さんが楽しそうにしている姿をたくさん見て、笑いながら泣いてしまいました。大好きな番組でした!・「志村さんありきの番組」と、矢部さんと岡村さんがいっていて泣きました。最終回をやってくれて、本当にありがとう。・子供の頃、家族と一緒に見ていた番組。この番組を見ると「正月だな」という感じがしていました。終わってしまうのはさびしいな。志村さんも、天国から『志村&鶴瓶のあぶない交遊録大最終回スペシャル』を楽しんでいたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年01月03日