映画『未来よ こんにちは』が、2017年3月25日(土)より全国公開される。第66回ベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞に輝いた本作は、『あの夏の子供たち』『EDEN/エデン』など、瑞々しい感性と柔らかな語り口で、エリック・ロメールの後継者と称されてきたミア・ハンセン=ラブ監督の最新作だ。パリの高校で哲学を教えているナタリーは、教師の夫と独立している2人の子供がいる。年老いた母親の面倒をみながらも充実していた日々を送っていたが、バカンスシーズンを前にして突然、夫から離婚を告げられ、母は他界、仕事も時代の波に乗りきれずと、気づけばおひとり様となっていた――。次々と起こる想定外の出来事。しかし、うろたえても立ち止まらず、まだまだ輝く未来が必ずある、そう信じるナタリー。そんな凛とした姿が、未来を信じる幸福感で包みこむ、愛に満ちた人間ドラマとなっている。主演は映画『ピアニスト』などで知られる、フランス女優イザベル・ユペール。孤独や時の流れをしなやかに受け入れていく、潔いヒロインを鮮やかに演じている。劇中ではブルターニュの海や、パリの新緑の輝きなど、主人公を取り巻く自然の美しさや、定評のある音楽使いにも注目したい。「水の上で歌う」「アンチェインド・メロディ」など、観る者を優しく包み込んでいく音楽、そしてボブ・ディランの師匠とも言えるウディ・ガスリーの楽曲が映画を鮮やかに彩る。【詳細】映画『未来よ こんにちは』公開日:2017年3月25日(土)Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ出演:イザベル・ユペール、アンドレ・マルコン、ロマン・コリンカ、エディット・スコブ2016年/フランス・ドイツ/102分/カラー/1:1.85/5.1/原題:L’AVENIR/英題:Things to come©2016 CG Cinéma · Arte France Cinéma · DetailFilm · Rhône-Alpes Cinéma
2016年12月08日昨年の東京国際映画祭をはじめ、世界中の映画祭を席巻したまったく新しいガールズ・ムービー『タンジェリン』。全編iPhoneだけで撮影された、ポップで刺激的なロサンゼルスのクリスマスマス・イブをとらえた予告編とポスタービジュアルが解禁となった。監督、脚本、撮影、編集、プロデュースまでもこなすアメリカン・インディ界の気鋭ショーン・ベイカー監督が、3台のiPhoneを使用した斬新な撮影方法で、トランスジェンダーの女性たちの友情と恋愛をリアル&ポップに描いた本作。監督が企画リサーチ中にストリートで知り合ったトランスジェンダーの女性2人を、そのまま主演に起用。実生活でも親友同士らしい「F」ワード満載の掛け合いと下ネタが満載ながら、iPhoneから覗く視線が躍動感とリアリズムを後押しする。このたび、その予告篇映像が解禁。舞台となるのは、オレンジ色の太陽が降り注ぐ、真夏のようなロサンゼルスのクリスマス・イブ。28日間の服役を終え、晴れて街に戻って来た娼婦シンディとその親友アレクサンドラは、なじみのダイナーでお祝いムードで会話を繰り広げるが、自分の“留守中”に恋人が“オンナ”と浮気したと聞かされたシンディは、ブチ切れ、街へ飛び出すことに。そんな気性の激しいシンディが周りを巻き込みながら、「オンナなんかに絶対負けない」と大暴れする様子が、iPhoneを駆使した自由自在で、疾走感あふれる映像によって次々映し出されていく。一方、歌手を夢見るアレクサンドラはそんな親友をなだめつつも、実は夜に小さなクラブで歌う自分のライブのことで頭がいっぱい。さらに、彼女たちの仕事場の界隈を流すアルメニア人移民のタクシー運転手ラズミックも巻き込んで、彼女たちのドタバタなクリスマス・イブが更けていく――。ロサンゼルスの街の片隅で、厳しい現実に立ち向かいながらも、“真実の愛”を求めて駆け回る主人公たち。そのほとばしるエネルギーと生きるパワーが伝ってくる予告編を、まずはこちらからご覧あれ。『タンジェリン』は2017年1月下旬、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月19日先日、記者会見の模様(「記者会見には蒼井優さんも登壇。今年の東京国際映画祭は10月25日から始まります!」)もお伝えした東京国際映画祭が開催間近となりました。チケット発売はいよいよ今週末の15日正午から!そこで、上映200作品を超える映画祭期間中に、ROBE読者の皆さんに観ていただきたい注目映画を5作品をご紹介します。また、先日日本外国特派員協会(FCCJ)にて行われた岩井俊二監督の記者会見の様子もお届け。この映画祭での上映を逃したら日本での鑑賞はできないかもしれない作品もあるので、ぜひお見逃しなく!1.『ダイ・ビューティフル』ジュン・ロブレス・ラナ監督 / コンペティション 部門 / ヒューマンドラマ、コメディ(以下、監督名 / 東京国際映画祭出展部門 / ジャンル を記載)ビューティ・コンテスト出場を生業とするトランスジェンダーのトリシャが亡くなる。死後も美しくありたいという彼女の願いを、友人たちは叶えようとする…。笑いとポジティブな姿勢に貫かれた、驚愕の感動作。TIFFで女優賞に輝いた『ある理髪師の物語』(’13)の監督最新作。 LGBTをはじめとしてジェンダーへの考え方も大きく変わってきた今においてとてもタイムリーな映画じゃないかなと思います。「女性性」や「美」というワードは、これまで以上にその定義に広がりを見せはじめています。過去作『ある理髪師の物語』も根柢にはアイデンティティーや自由、セクシュアリティーといった要素があったとのことで、今回はよりそういった要素が強そうな作品です。 2.『太陽を掴め』中村祐太郎監督 / 日本映画スプラッシュ 部門 / ラブストーリー、青春、ミュージック吉村界人×浅香航大×岸井ゆきの、新鋭・中村祐太郎監督が描く、89分間の“真っ赤な青春群像劇”。 心揺さぶる激唱で伝える、ヒリつくように純真な「青春×音楽」映画が誕生! #吉村界人#太陽を掴め 続きはサイトで 吉村界人さん(@kaito_.yoshimura)が投稿した動画 - 2016 8月 6 6:36午前 PDT先日の記者会見に登壇された松居大悟監督が3年前にエントリーしていたということからもお分かりの通り、青田買い必至の部門=「日本映画スプラッシュ 部門」。特に注目したいのがこの『太陽を掴め』です。演者・制作ともにフレッシュな才能溢れる今作ですが、俳優(アーティストといったほうが適切)の吉村界人氏から日本の演劇界はしばらく目が離せないのでは?ぼくのりりっくのぼうよみのMV出演も記憶に新しいところですね。office-saku所属というのも納得の、まるで松田優作と尾崎豊を彷彿とさせる強烈な個性を放っています。荒削りという言葉がいま最も似合う圧倒的な彼の世界観は、Instagram(@kaito_.yoshimura)でチェックしておきましょう。3.『ザ・ネオン・デーモン(原題)』ニコラス・ウィンディング・レフン監督 / 特別招待作品 / サスペンスロスに出てきたばかりの若いモデル、ジェシーは一見素朴だが、誰もがその存在に目を奪われる特別な魅力をもった女の子。エージェントの目にも留まり、トップデザイナーのショーにも出るなど順調な道を歩みだすジェシー。しかし、仲良くなったヘアメイクのルビーと彼女の友達は、ジェシーに対して嫉妬を募らせていき、やがてジェシー自身もトップを目指すうち、全てを見失っていく…。『ドライヴ』で世界中を魅了したニコラス・W・レフン監督が、究極のヒロイン、エル・ファニングを迎え、悪夢のようなモデル業界を艶やかに描いた、カンヌでも話題騒然となった待望の最新作。ファッション文脈でROBE読者としては外せない作品。すでに2017年1月の日本公開が決定している本作ですが、一足先にこのTIFFで鑑賞してしまいましょう!エル・ファニングの圧倒的魅力がファッションモデル界の残酷さを美しく描き切ってくれている模様です。「僕は美しく生まれたわけではないから、"美しい" ということはファンタジーなんだ」と語るレフン監督とエルの対談を収めたi-D Meets: Elle Fanning x Nicolas Winding Refnのショートムービは必見です。 4.『ミスター・ノー・プロブレム』ヒューマンドラマ / メイ・フォン監督 / コンペティティション大戦中の重慶で戦争と無縁の生活を送る富裕層、農場を任される番頭、そこに闖入する青年らを中心に、3幕の寓話がスタイリッシュなモノクロ画面で味わい深く描かれる。ロウ・イエ監督作の脚本家として著名なメイ・フォンが、長編第1作として1943年の短編小説を監督。アジア映画の特徴の一つとして、プログラミング・ディレクターも語っていたのが、「モノクロ映画」。映像のデジタル技術の発展に逆行するかのように昨今広がりを見せているそうです(かといってモノクロフィルムで撮影しているとは限らないところが "今" である証拠)。 5.『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』岩井俊二監督 / Japan Now 部門 / 青春小学生の典道(山崎裕太)、祐介(反田孝幸)、純一(小橋賢児)らは、花火を横から見ると丸いのか、平べったいのかという素朴な疑問を持ち、花火大会の夜その答えを見つけに近くの灯台に行くことを計画する。一方、なずな(奥菜 恵)はその日、典道か祐介のどちらかプールでの勝者とカ・ケ・オ・チすることを企てた…。本映画祭にて単独特集が組まれている岩井監督の名を世間に轟かせることとなった作品。ロケ地の千葉県海上郡飯岡町(現在の旭市)は、ドラマ『モテキ』で満島ひかり演じる中柴いつかも巡ってましたね。この作品は1993年当時テレビドラマの一編として放映され、1995年に再編・映画館上映された変わり種。物語の前後半でパラレルワールドがたどるストーリー展開は45分とは思えぬ奥深い展開です。極め付けは、ファミコン、スラダン、セーラームーンといった90年代初頭のトレンドワードが随所にちりばめられた台詞の数々。当時から確立されていたいたかのような岩井美学の詰まった映像もあいまって、思わず「あの頃の自分」と重ね合わせてしまうはず。四半世紀近い時間がもたらすノスタルジーに、大人は誰もが胸が苦しくなることでしょう。 FCCJにて行われた岩井俊二監督の記者会見の様子東京国際映画祭に先駆け都内のFCCJにて、岩井俊二監督の記者会見が行われました。「正解の定義は難しいと思いながら作っている」「映画市場が活性化することで、アート映画が作りやすくなる」「アニメもすごくつくりたいんですよ」など言葉の節々に深い想いを込めながら回答される岩井監督に、海外プレスも熱い視線を向けていました。当日プレス向けに上映された『リップヴァンウィンクルの花嫁』でも、初見のプレスが多いなか、鑑賞中声を出して笑っている場面が数多く見受けられました。今後はよりアジアでの作品作りも積極的に行っていくとのことで、すでに中国市場を見据えた作品作りが進行中とのことです。岩井監督は、先月韓国での『リップヴァンウィンクルの花嫁』公開に合わせたプロモーションにて、日本人として初めて韓国キー局のニュース番組(NHKのニュースウォッチ9のような放送番組だそう)にゲストで招待されています。すでに中韓を中心にアジアではカルト的人気を誇る岩井作品。しかしながら『Love Letter』が公開された1995年当時、政治的理由により韓国の放送電波に日本語を流せず予告編が放映できなかったそうです。その出来事を踏まえ、「韓国でニュース番組に招待いただいたように、日本と他国とを繋ぐ "きっかけ" になることが使命だとしたら、映画を作り続けることでそれを務めていきたい」と述べられていました。長い時間をかけ作品で国と国が分かり合えることこそ、 "アート" が持つ最大の魅力ですね。東京国際映画祭期間中は、各作品に監督自ら登壇されることが予定されています。「劇場公開当時はいつも胃が痛いが、映画祭での上映は自分にとってもヴァケーションのようで楽しみ」と仰る監督と、過去作品を一緒に楽しめる貴重な機会になること間違いなしです。 東京国際映画祭のスケジュールを公式サイトで確認!→() いかがでしたか?これらのほかにも、オープニング作品にはメリル・ストリープとヒュー・ジャックマンが来日することで話題の『マダム・フローレンス! 夢見るふたり(原題:Florence Foster Jenkins)』、トニ・コレットとドリュー・バリモアの女同士の友情が眩しい『マイ・ベスト・フレンド(原題:MISS YOU ALREADY)』そして、アジア・インディーズのミューズとして各国国際映画祭で注目を集める杉野希妃監督・主演の『雪女』など注目作品が目白押し。東京国際映画祭のチケットは10月15日(土)12:00〜 東京国際映画祭公式サイトよりご購入いただけます。 第29回 東京国際映画祭 (Tokyo International Film Festival)〈会期〉2016年10月25日(火)〜11月3日(木・祝)〈チケット販売開始時期〉一次販売 10月15日(土)12:00~二次販売 10月22日(土)12:00~※ 上映スケジュールは現在未定※ 詳細は東京国際映画祭公式サイトよりご確認ください〈部門紹介〉◆コンペティティブ・コンペティション部門※ 今年のコンペティション部門はのべ1,502作品の応募を勝ち抜いた16作品を上映・アジアの未来 部門・日本映画スプラッシュ 部門◆ショーケース・特別招待作品 部門・Japan Now 部門・ワールド・フォーカス 部門◆クローズアップ・国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA 部門・日本映画クラシックス 部門・ユース 部門(TIFFチルドレン/TIFFティーンズ)Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2016年11月13日映画『サーミの血』が、2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国で順次公開される。北欧スウェーデンの美しい自然を舞台に描くのは、サーミ人の少女の成長物語。彼女が願ったのは、ただ、自由に生きていくこと。都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ち、外の世界に出ていく。差別に抗い、生き抜くいていく感動作だ。サーミ人とは?サーミ人とは、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族で、トナカイを飼い暮らす人々。その他の国では、フィンランドやノルウェーにも住んでいるそうだ。言語はスウェーデン語ではなく、フィンランド語に近い独自の言語を持つ。特に映画の舞台となる1930年代は、分離政策の対象、また劣等民族として差別されていた。例えば、寄宿学校ではサーミ語を使うことさえ許されなかった。そして今なお、支配階級と劣等民族の構図はまだ存在していると言う。サーミ人による映画監督のアマンダ・シェーネルはサーミ人の血を引き、主演のレーネ=セシリア・スパルロクは、今もノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人だ。そのため、民族衣装や小道具に至るまで正確に再現されている。なお、音楽は『ニンフォマニアック』『メランコリア』など、ラース・フォン・トリアーの作品を手掛けてきたデンマークの作曲家クリスチャン・エイドネス・アナスンが担当。世界各国で称賛を受ける2016年東京国際映画祭では審査委員特別賞と最優秀女優賞をダブル受賞を皮切りに、北欧最大の映画祭のヨーテボリ国際映画祭2017最優秀ノルディック映画賞を獲得。ヴェネツィア国際映画祭では新人監督賞を受賞した。『サーミの血』あらすじ-幻想的で美しい自然の大地ラップランドに、サーミの歌が響く-1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出た――。作品情報映画『サーミの血』原題:Sameblod監督・脚本:アマンダ・シェーネル音楽:クリスチャン・エイドネス・アナスン出演:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル、オッレ・サッリ、ハンナ・アルストロム2016年/スウェーデン、ノルウェー、デンマーク/108分/配給・宣伝:アップリンク
2016年11月10日「広島国際映画祭2016」が11月11日(金)から13日(日)までの3日間、広島県広島市内4会場で開催される。【チケット情報はこちら】ワールドプレミア/ジャパンプレミアを含む、国内外から選りすぐった作品を上映する本映画祭。今年は岩井俊二監督の特集企画を実施。岩井の最新作で、女優の黒木華が第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した『リップヴァンウィンクルの花嫁』をはじめ、代表作『リリイ・シュシュのすべて』、ドキュメンタリー映画『市川崑物語』など、新旧作品を上映。さらに、岩井が企画プロデュース・脚本を務めた連続ドラマ『なぞの転校生』全12話オールナイト一挙上映も行われる。そのほか、上映作品には、戦時中の広島県呉市を舞台にした『この世界の片隅に』、広島出身の西川美和監督の監督デビュー作『蛇イチゴ』など、広島にゆかりのある映画人、および広島で撮影された新旧作も名を連ねる。海外からは、伝説の映画製作会社「ディアゴナル」の創設者であるフランスのポール・ヴェッキアリ監督が来場し、最新作『劣等生』を上映。また、特別招待作品として、ホセ・ルイス・ゲリンが監督を務めた『ミューズ・アカデミー』が、2017年1月の全国公開に先駆け上映される。豪華ゲスト陣を迎えての舞台挨拶やトークショーも充実。『母と暮せば』の女優・吉永小百合、先述の岩井俊二監督や西川美和監督らが登壇を予定している。チケットは発売中。■広島国際映画祭201611月11日(金)~13日(日) NTT クレドホール、八丁座(広島県)ほか登壇予定:吉永小百合/岩井俊二/片渕須直/こうの史代/西川美和/ポール・ヴェッキアリ/ホセ・ルイス・ゲリンほか前売チケット:フリーパス(3日通し券) 2300円 / 1日券 1200円高校生以上は有料。1日券は期間内いずれか1日有効。フリーパスは開催期間通して有効。
2016年11月09日10月25日(火)より東京・六本木を中心に開幕したアジア最大級の映画祭、第29回東京国際映画祭が、昨日11月3日に閉幕。EXシアター六本木にてクロージングセレモニーが行われ、小池百合子東京都知事が東京グランプリ作品『ブルーム・オブ・イエスタディ』のクリス・クラウス監督らにトロフィーを授与。また、「ARIGATO(ありがとう)賞」を受賞した『君の名は。』新海誠監督や、女優の高畑充希、俳優の妻夫木聡、『シン・ゴジラ』のゴジラをはじめとする各賞受賞者たちが揃って登壇した。第29回東京国際映画祭で、栄えある東京グランプリに輝いたのは、ホロコーストのイベントを企画する男を描いた『ブルーム・オブ・イエスタディ』。『4分間のピアニスト』でも知られるクリス・クラウス監督は、審査委員長を務めたジャン=ジャック・ベネックス監督と同じ舞台に立てることに感激しながら、「先ほど拙いフランス語で二十歳頃彼の映画をずっと観ていましたと伝えました。それなので夢が叶ったような気分です」とコメント。「この映画を撮ることは簡単ではなかった。でもこの受賞によってフランス、ドイツ、そして日本でも公開されることを期待しています。この映画に出演してくれた素晴らしい俳優とスタッフがいなければ、この映画はできませんでした」とスタッフに感謝を伝えた。なお、同作はWOWOW賞にも選出された。また、スウェーデン北部の山間部で暮らす民族を描いた『サーミ・ブラッド』は、審査員特別賞と最優秀女優賞(レーネ=セシリア・スパルロク)をW受賞。自身もサーミ民族の血を引くアマンダ・ケンネル監督は、「主演女優とその妹を誇りに思っています。この2人がいたからいまここに立てている。そして東京国際映画祭ではいろんな人と多く語り合うことが出来ました。映画祭という場はいろいろな国の社会を知ることが出来る場であると改めて思いました」と主演のレーネを称え、映画祭をふり返った。さらに、非業の死を遂げたトランスジェンダーの女性を友人たちが美しく葬ろうとするフィリピンの『ダイ・ビューティフル』が、最優秀男優賞(パオロ・バレステロス)と観客の投票により決定する観客賞に輝き、パオロが「実は最優秀女優賞を獲るのではないかと思っていました」と会場を沸かせるコメント。「監督は私を信じて、この役を任せて頂き、本当にありがとうございます。この作品を通して、たくさんの友情が生まれました」と語った。最優秀監督賞にはクロアチア=デンマーク合作『私に構わないで』ハナ・ユシッチ監督、最優秀芸術貢献賞にはメイ・フォン監督の『ミスター・ノー・プロブレム』が選ばれた。そして、昨年から新設された日本映画界への貢献が目覚ましい俳優や監督らを表彰する「ARIGATO賞」の受賞者として、新海監督、高畑さん、妻夫木さん、『シン・ゴジラ』プロデューサーの山内章弘氏とゴジラが登壇。『ウォーターボーイズ』が俳優の転機となったという妻夫木さんは、「日本映画の汗臭さ、泥臭さ、一体感をすごく感じた。映画は一人で作っているのではない、監督、スタッフ一丸となっていいものを作るんだという気持ちでいるから良いものができると感じている。そこから映画に惚れて、いままでやってきた。映画界からこのような賞を貰えるとは思っていなかったので、これを励みにまた一からがんばりたいです」と、力強く豊富をコメント。『アズミ・ハルコは行方不明』がコンペ部門に出品されていた高畑さんは「ミュージカルでデビューした後、映画に出るようになったので、映画界から賞をいただけて、しかもゴジラさんといっしょに壇上に立つ日が来るなんて夢にも思っていませんでした。これからも一生懸命がんばります。こちらこそ“ありがとう”ございました」と喜びと感謝を口にした。『君の名は。』の興収200億円超えも予想されている新海監督は、「受賞理由として“新星現る”とあったが、僕自身は10年前から映画を作っている。きっと今年発見してくださったということなんだと思います。それはとても幸せなことです。今後もいまの観客は何を観たいのか、物語が負うべき役割はなんなのかを考えながら、これからもアニメーション映画を作っていけたら幸せです。僕の名前で賞をいただいておりますが、すばらしいスタッフやキャストがいたおかげなので、『君の名は。』という作品にいただけたものだと思います」とコメント。『シン・ゴジラ』の山内さんは、「僕の会社の先輩ゴジラにこのようなすばらしい賞をありがとうございます。62年前に誕生して、日本では12年ぶりに復活しました。これはなかなか難しいこと。11月3日は初代ゴジラが公開された日。そんな日にこのような賞をいただけて不思議な縁を感じております」と、Twitter上で“シン・ゴジラ実況”も盛り上がった記念日の受賞を、感慨深げに語った。<第29回東京国際映画祭各賞受賞作品・受賞者>【コンペティション部門】東京グランプリ『ブルーム・オブ・イエスタディ』審査員特別賞『サーミ・ブラッド』最優秀監督賞ハナ・ユシッチ監督『私に構わないで』最優秀女優賞レーネ=セシリア・スパルロク『サーミ・ブラッド』最優秀男優賞パオロ・バレステロス『ダイ・ビューティフル』最優秀芸術貢献賞『ミスター・ノー・プロブレム』観客賞『ダイ・ビューティフル』【アジアの未来部門】作品賞:『バードショット』国際交流基金アジアセンター特別賞:アランクリター・シュリーワースタウ監督『ブルカの中の口紅』【日本映画スプラッシュ部門】作品賞:『プールサイドマン』【WOWOW賞】『ブルーム・オヴ・イエスタディ』【ARIGATO(ありがとう)賞】新海誠(映画監督)、高畑充希(女優)、妻夫木聡(俳優)、ゴジラ【SAMURAI(サムライ)賞】黒沢清(映画監督)、マーティン・スコセッシ(映画監督)【最優秀監督賞】ヴァレリオ・マスタンドレア(text:cinemacafe.net)
2016年11月04日第29回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが3日、東京・EXシアター六本木で行われ、最高賞である東京グランプリにクリス・クラウス監督によるドイツ=オーストリア合作映画『ブルーム・オヴ・イエスタディ』が輝いた。東京グランプリの発表は、審査委員長を務めたジャン=ジャック・ベネックス監督が担当。「映画はそのときの悲劇の瞬間を描写しますが、年々にそのイメージが薄れ、思い出も消えてしまいます。卓越した映画作りとは、それを越えて過去の罪を正しい視点でまた伝えるというもの」とした上で、『ブルーム・オヴ・イエスタディ』と作品名を発表した。クリス・クラウス監督は、ベネックス監督からトロフィーを、そして、プレゼンターとして登場した小池百合子東京都知事から表彰状と麒麟像を受け取ると、それらを高々と掲げて喜びを爆発。「非現実的でシュールな気分です。特に、19、20歳のころにベネックス監督の映画を見ていたので、同じ舞台に立てて夢がかなったような気持ちです」と興奮気味に話した。同作は、ホロコーストというヘヴィーな題材を、ユーモアや恋愛を交えて描いた作品。クラウス監督は「この映画をつくることは簡単ではなかったので、本当に感動しています」と感慨深げに語り、「この賞によって、これからドイツやフランス、日本でも公開されることを期待します」と願った。なお、今年のコンペティション部門ノミネート作品は、98の国と地域の応募の中から選ばれた16作品。日本からは蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』、杉野希妃が監督・主演を務める『雪女』の2作品がノミネートされていたが、受賞はならなかった。第29回東京国際映画祭 受賞作品・受賞者【コンペティション部門】東京グランプリ/東京都知事賞:『ブルーム・オヴ・イエスタディ』審査員特別賞:『サーミ・ブラッド』最優秀監督賞:ハナ・ユシッチ(『私に構わないで』)最優秀女優賞:レーネ=セシリア・スパルロク(『サーミ・ブラッド』)最優秀男優賞:パオロ・バレステロス(『ダイ・ビューティフル』)最優秀芸術貢献賞:『ミスター・ノー・プロブレム』観客賞:『ダイ・ビューティフル』WOWOW賞:『ブルーム・オヴ・イエスタディ』【アジアの未来】作品賞:『バードショット』国際交流基金アジアセンター 特別賞:アランクリター・シュリーワースタウ(『ブルガの中の口紅』)【日本映画スプラッシュ】作品賞:『プールサイドマン』【ARIGATO(ありがとう)賞】新海誠、高畑充希、妻夫木聡、ゴジラ【SAMURAI(サムライ)賞】黒沢清、マーティン・スコセッシ
2016年11月03日女優の高畑充希が3日、東京・EXシアター六本木で行われた第29回東京国際映画祭のクロージングセレモニーに出席。『君の名は。』の新海誠監督、俳優の妻夫木聡、日本が誇るキャラクターであるゴジラと共に、"ARIGATO(ありがとう)賞"を受賞した。"ARIGATO(ありがとう)賞"は、映画界に貢献している人たちに「ありがとう」の意を伝える賞。トロフィーを受け取った高畑は「こんなすてきな賞をいただけて、すごく幸せな気持ちです」と感激し、「私はミュージカルからお芝居の世界に飛び込んだので、まさかそこから10年たって、映画の世界でこんな賞をいただけて、しかもゴジラさんと一緒に壇上に立つ日が来るなんて夢にも思っていませんでした。とても幸せです」と喜びを語った。そして、「いつもこの先どうなるのかわからないまま、運やいろんな方とのご縁でここままでやってきたような気がします。すごく恵まれているこの10年間だなと思います」としみじみ。「まだ映画の現場に関われた数は少ないんですが、いい現場にいっぱい関われているので、これからもっと映画のことを知っていきたいなと思います。これからも必死に頑張ります」と決意を新たにし、「こちらこそありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。高畑は、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロイン・小橋常子役で注目を集め、映画でも『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)の主演ほか、『怒り』(16)、そして、今年の東京国際映画祭のコンペティション部門出品作品『アズミ・ハルコは行方不明』など話題作へ出演。日本全国のヒロインに成長し、多才な役作りにこれからの女優の未来を期待して"ARIGATO賞"に選出された。
2016年11月03日第29回東京国際映画祭の最終日となった3日、コンペティション部門の観客賞が発表され、フィリピン映画『ダイ・ビューティフル』が受賞。東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて授賞式が行われ、ジュン・ロブレス・ラナ監督とエグゼクティブ・プロデューサーのペルシ・インタランが登壇した。コンペティション出品作品の中から、観客の投票によって決定する観客賞。このたび、クロージングセレモニーに先駆けて同賞の授賞式が行われ、突然死したトランスジェンダーの生涯を描いた『ダイ・ビューティフル』が選ばれた。トロフィーや花束、賞金、そしてハッピを贈られたジュン・ロブレス・ラナ監督は、「東京国際映画祭のコンペティション部門に選出いただいたと聞いたときはびっくりしたと同時に、緊張しました」と打ち明け、「この映画はフィリピンの観客にどう受け入れられるかわからなかったので、日本でもどう受け入れられるかわからなかった」とその理由を説明。「ですので、今回の受賞は非常に光栄に思いますし、びっくりしています」と喜びを語った。そして、「この受賞を受けて、映画の力をより信じるようになりました」と続け、「映画は人種、言語、肌の色を関係なく、結束させる力を持っているという確信をさらに強いものしてくれました」と力強くコメント。さらに、主演のパオロ・バレステロスをはじめとするキャストやスタッフへの感謝の思いも述べた。なお、今年のコンペティション部門ノミネート作品は、98の国と地域の応募の中から選ばれた16作品で、日本からは蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』、杉野希妃が監督・主演を務める『雪女』の2作品が参加。いよいよ本日、グランプリが決定する。
2016年11月03日映画『聖の青春』が11月2日(水)、東京国際映画祭のクロージング作品として上映され、主演の松山ケンイチ、東出昌大、森義隆監督が舞台挨拶に登壇。さらにゲストとしてリオ五輪メダリストの吉田沙保里、三宅宏実、羽根田卓也も来場し映画祭を盛り上げた。“怪童”と呼ばれ名人になることを嘱望されながらも病に斃れた棋士・村山聖の姿を描く本作。20キロもの増量をして村山になりきった松山さんの役作り、羽生善治三冠そっくりに“変身”を遂げた東出さんの演技も大きな話題を呼んでいる。アジア最大級の国際映画祭でクロージングの大役を務めることになったが、松山さんは映画祭初日のレッドカーペットで、多くのゲストにも対面しており「メリル・ストリープさんにお会いできたことも、安倍総理…いや、安倍マリオさんにお会いできたことも光栄でした」とニッコリ。「日本の伝統文化である将棋――その独特の粋な美しさが存分に描かれているので、世界中の人に見てもらいたいです」と語った。東出さんは、自身が演じた羽生さんを主人公の村山さんから見ての“ヒロイン”と表現。「最初にこの話をいただいたとき、将棋で映画って大丈夫かな?動きもないし、複雑なルールだし…と思っていたんですが、この映画に映っているのは、人の生き方であり、男たちの戦いでした。これを国際映画祭で見ていただいて、伝わるものは絶対にあると思いました」と胸を張る。そして、リオ五輪でレスリング、重量挙げ、そしてカヌーでそれぞれ世界を相手に真剣勝負を繰り広げ、見事にメダルを獲得した吉田さん、三宅さん、羽根田さんが花束を手に登場。三宅さんは映画について「ハンカチが要ります!たくさん涙を流しました」と語る。また、映画の中の聖の姿について「私たちアスリートはオリンピックを目標に、メダルを獲りたいという思いでやっていますが、聖は難病を抱えて、命を削ってやり続けている。『もし私なら…?』と考え、きっと好きなことをやり遂げたいだろうなという気持ちになりました」と己に置き換えて、聖への共感を口にした。また、登壇陣には映画にちなんで「最近、経験した勝負は?」という問いが投げかけられたが、松山さんは「腹が痛くなって、エレベーターが来なくて自分との勝負でした…」と語り、笑いを誘う。これに監督が乗っかり「それで言うと、僕は30を超えてから2敗くらいしています(苦笑)」と告白。東出さんから慌てて「国際映画祭だから!」と制止が入り、会場は笑いに包まれていた。『聖の青春』は11月19日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月02日2016年11月19日(土)に公開される映画「聖の青春」が、東京国際映画祭のクロージング作品に選ばれたことを記念し、主演の松山ケンイチさんらによる舞台挨拶がおこなわれました。この記事では記者会見の様子と、映画のみどころをご紹介します。記者会見の様子舞台挨拶は、11月2日(水)、EXシアター六本木で行われました。メディア関係者のほか一般のお客さんも集まり、会場はほぼ満席状態!まずは主演をつとめる松山さんの挨拶から。日本の将棋をテーマにした映画が、国際的な映画祭で評価されクロージング作品に選ばれた事を嬉しく思っているとのことでした。今回、国際映画祭に参加した感想をきかれると「メリルストリープや安倍マリオさんに…いや安倍総理にあえて嬉しかったです」とコメントし、会場が笑いに包まれました。また映画祭で多くの人と接することで、パワーをもらえる、次のステップに進む勇気をもらえるというお話も。「海外の方にもこの映画が届くといいですね」という司会者の問いかけには、「将棋という日本の粋な美しさが世界に届けばいいと思います」というコメントも。また羽生善治を演じた東出昌大さんは、「人の生き方であったり、男同士の闘いというテーマは、世界共通のものだと思っている」とコメントし、世界中の多くの人に届くことを願っていました。ここで、同作が闘いの世界を描いた映画ということで、プロの世界で闘うアスリート3名が登場!羽根田卓也さん、三宅宏美さん、吉田沙保里さんらが花束をもって登場しました。華やかですね!そして花束贈呈へ。花束の大きさ、そして東出さんの顔の小ささがすごい…。病気をかかえながらも自分のやりたいこと、好きな事、成し遂げたいことを貫いた村山聖の生き様に感銘をうけたという三宅選手。生き様という点に関して松山さんも、俳優=生きる事という自分に村山聖の姿を重ね、通じる部分があると語りました。最後に、司会者の方から「最近なにか闘ったエピソードはありますか?」という質問が。「闘い…うーん…」と考える松山さん。考えた末「トイレに行きたくなったがエレベーターがなかなか来なくて…」という状況を闘い抜いたエピソードを披露。会場が笑い声で包まれました。これに対し、森義隆監督は「僕もおとなになってから同じような闘いを経験して…2回くらいは、敗戦しました」と被せ、キャストも大爆笑!東出さんから、「国際映画祭ですよ!」とたしなめられていました。敗戦…つまり…そういうことですね!会場がざわついたところで、フォトセッションへ。映画「聖の青春」の上映は11月19日(土)から!公開が待ちきれません!「聖の青春」ってどんな話?東の羽生 西の村山といわれた伝説の棋士、村山聖。5歳のときに難病 ネフローゼを患い小学校にほとんど通えなかった聖は、父親から病室で教わった将棋に没頭していきます。「負けるのは死ぬほど悔しい」と言い徹底的に勝ちにこだわった少年は、いつしかプロを目指すように。 厳しい関門を勝ち抜きつかんだプロの世界でも闘い続けた聖が目指したのは、将棋界最高峰のタイトル「名人」。しかし、憧れの棋士 羽生善治との対局が現実味をおびてきた27歳のとき、彼の体にガンが見つかります。命の期限が迫るなか、将棋と、そして自分自身の人生とどう向き合うのか―。29年の生涯を駆け抜けた男の奇跡の実話を、松山ケンイチら豪華キャストが熱演します。映画のみどころこの映画のために20kg増量し「全身全霊を懸けても足りない」と語った松山ケンイチさんの徹底した役作りが注目されています。じつは、映画化が決まる前から原作を読みこんでいたという松山さん。映画化が決定した際には、みずから村山聖役に名乗り出たそうです。また、将棋好きの東出昌大さんも「どうしてもやりたい。自分以外の人にやって欲しくない」という熱意をもって、羽生善治役を演じたとのこと。2人の熱演に目が離せません。とくに、実際の棋譜を覚え、撮影は2時間30分にもおよんだという村山と羽生の張り詰めた対局シーンのクライマックスは必見です。そして将棋ファンにはたまらないのが、実際のプロ棋士が映画に出演していること。山崎隆之八段が将棋会館の受付役を演じているほか、中村真梨花女流三段も登場します。ぜひ作品中で見つけてくださいね!■映画情報作品タイトル:聖の青春出演:松山ケンイチ / 東出昌大 / 染谷将太 / 安田 顕 / 柄本時生 / 鶴見辰吾 / 北見敏之 / 筒井道隆 / 竹下景子 / リリー・フランキー原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫)監督:森義隆脚本:向井康介主題歌:秦 基博「終わりのない空」 AUGUSTA RECORDS/Ariola Japan公開日:11月19日(土)丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国で公開公式HP:satoshi-movie.jp配給:KADOKAWA(C)2016「聖の青春」製作委員会
2016年11月02日10月25日のオープニングイベントで始まった、第29回東京国際映画祭。初日のレッドカーペットをTVなどでみたという方も多いのでは?「映画祭なんて、どうせ映画業界人や映画ファンだけのイベントでしょ?」と思っている方々、たしかに激戦を勝ち抜いた国内外のアップカミングな作品を観ることができるこれ以上ないイベントではありますが、特にセレモニー関連は《ファッション》としても楽しめるイベントなのです。ミニマムにまとめた眉上バングヘア×真っ赤な振袖第29回東京国際映画祭のフェスティバルミューズを務めている黒木華(くろき はる)さんは、鶴をあしらえた艶やかな振袖。お色も赤い着物に金色の帯でお祝いムード満点です。ミニマムにまとめたヘアメイクが、より鮮やかさを引き立てています。椎名保ディレクタージェネラル、岩井俊二映画監督、そして安倍晋三内閣総理大臣らとともにレッドカーペットを闊歩。 ブラックのロングドレスでIラインを強調行定勲監督をはじめとし、熊本県出身者で制作したことでも話題の映画『うつくしいひと』からはヒロインの橋本愛さん。引きずるほどのフルレングスドレスと厚底シューズはマークジェイコブス、トレードマークでもある黒髪ボブで最大限にIラインを強調させています。ヴァーガンディー色のリップが、彼女のミステリアスな雰囲気にマッチ!ベストドレッサーは彼女で決まり!橋本愛さん(@ai__hashimoto)が投稿した写真 - 2016 10月 25 5:22午前 PDT ブルーグリーンのドレスは、水色ネイルでアクセント女優の安藤サクラさんは、胸元の開いたレーシーなステラマッカートニーのドレスでインタビュー対応していました。映画『島々清しゃ』の舞台にもなっている沖縄県・慶良間諸島の海の色そのままのブルーネイルが絶妙なアクセントに。ROBEさん(@robetokyo)が投稿した写真 - 2016 10月 25 8:32午前 PDT オールブラックはフィンガーウェーブでさらなる優美さを演出 「東京国際映画祭に育てていただいたといっても過言ではない」と述べたのは、アジアで評価の高い杉野希妃監督。各ゲストが海外メゾンブランドを着こなすなか、TADASHISHOJIの優美なドレスで会場を魅了していました。フィンガーウェーブで決めた黒髪も相まって、まるで中国の夜会のような雰囲気がたまりません。 鶴はジャポニズム意識?大柄ドレスはメガネで〆るハリウッドから緊急来日したのは、大女優メリル・ストリープ。W主演をつとめたヒュー・ジャックマンの来日は叶わなかったけれども、1人でカーペットを歩く様子はさすがのオーラを放っていました。鶴をあしらった和風なドレスは、ヴァレンティノからチョイス。野暮ったい印象になりがちな大柄ドレスは、素直にメガネを合わせたキリッと仕上げています。抜け感のあるコーディネートからは、大人の余裕を感じさせます。これぞ大女優の貫禄!ヘアメイク・ドレス・靴・所作のどれをとっても、レッドカーペットは彼女たちをこれ以上なく魅力的に見せる技がたくさん詰められています。寒くなってファッションが面白くなる季節だからこそ、着こなしのインスピレーションをレッドカーペットから得るというのも楽しいはず!東京国際映画祭は11月3日まで東京・六本木ヒルズほか会場にて開催中。会期中は、ROBEのSNS(Twitter / Instagram)でアップする情報をぜひフォローしてみて。各SNSにて @robetokyo で検索!◆ ROBE的おすすめ映画をチェックする Text. Midori Tokioka
2016年11月01日東京国際映画祭にて11月1日(火)、映画『ミュージアム』の上映が行われ、大友啓史監督が舞台挨拶に登壇したが、当初、出席の予定のなかった主演の小栗旬がサプライズで飛び入り参加!観客からの質問にも応じ、会場をわかせた。『るろうに剣心』シリーズの大友監督と小栗さんのタッグで同名人気漫画を実写化。雨の日に起きる謎の“カエル男”による猟奇的な殺人事件を沢村刑事は捜査していたが、やがて犯人の魔の手は沢村の家族にまで及び…。この日の舞台挨拶は、まずは大友監督がひとりで登壇し「小栗くんは来ませんのでご了解を…」と申し訳なさそうに挨拶。その小栗さんの演技について監督は「本人も『自分で見たことない顔をスクリーンの中で初めて見た』と言ってたし、俳優仲間も『あんな小栗、見たことない』と言ってる」と称賛。また、小栗さん演じる沢村を追い詰めるカエル男を妻夫木聡が演じていることが先日明かされ、大きな話題を呼んでいるが「普通に見て、(妻夫木さんだと)分かんないですよ。なりきっている」とたたえた。また、本作について、東日本大震災以降の日本社会を覆う“空気”が反映されているとも。「震災以降、自分たちには予知できないこと、理解できないことが予知できない方向から襲い掛かってくるということが日本で起こりかけていると思います。顔が見えない“何か”が降りかかってくる、悪意や危険が迫ってくる不安が日本中に芽生え始めているのを感じます」と語り、まさにそんな状況が映画で描かれていると強調した。ここで、ゲストとして被り物をしたカエル男が登場したが、そこへ、反対側の入り口かあら小栗さんが颯爽と登場し、会場は騒然!小栗さんは飄々とした様子で「来ることを伝えてなくて、ずっと(会場横で)待ってたんですけど、『今日は監督、語ってるな』と思いつつ、待っている時間が長かったです」と挨拶。大友監督は小栗さんのサプライズ登場に驚きつつ「心強いです。カエル男と2人で延々と回ってて、寂しかったです。こいつ、喋んないから(笑)」とホッとした表情を見せていた。小栗さんは、過激な描写も多く含まれる本作の撮影について「出来上がった作品も過激ですが、現場でもその状態が常にあって、むしろ現場で見ていた方がキツイというシーンもあり、目をつぶりたくなるような現場が多かったです」とふり返る。この過酷な役柄になりきるため、撮影終盤の監禁されるシーンに際しては実際に監禁状態で過ごすなど、ハードな役作りをしていたそうだが「役がなかなか抜けなかったのでは?」と心配するファンの質問に「年末の28日まで撮影だったんですが、残りの年末の数日と正月の3が日、モチを食い続けて、役のことはすっかり忘れました(笑)」と明かし会場は笑いに包まれた。また、国際映画祭らしく、中国からの留学生からは映画市場が成長を続ける中国で、作品に出演する気は?という質問も。小栗さんは「もちろん、お話をいただければどこにでも行きます。日中韓インドネシアなど“アジア”という枠で面白いものを作れたらと考えています」と意欲を示していた。『ミュージアム』は11月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月01日アートを通じて、日本の原風景が残る越後妻有の大地を感じよう新潟県の十日町市と津南町からなる、面積約760㎢の越後妻有(えちごつまり)地域で、2000年から3年ごとに開催されている世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。広大な土地に点々と作られたアートを鑑賞するときには、周りを見ざるをえない仕組みとなっており、地域に内包する様々な価値を、アートを媒介として発信するまちづくりの先駆けとも言えます。物語の世界観を、ノスタルジックに再現Kiss & Goodbye/ジミー・リャオJR飯山線を舞台とした絵本『幸せのきっぷ Kiss&Goodbye』の制作とその絵本の世界をアートで表現したプロジェクト。両親を亡くした少年と飼い犬が列車に乗って田舎のおじいさんを訪ねる物語です。作品内ではインスタレーションや、動画、音楽などで絵本のメッセージを伝えています。棚田を望む高台で人生を考える 人生のアーチ/イリヤ&エミリア・カバコフ70年代初頭のモダンアートの一大ムーブメントであるモスクワ・コンセプチュアリズムの代表とも言える、イリヤ&エミリア・カバコフ夫妻の作品。5体の彫像は、生まれてから死ぬまでの人生の重みを想像させます。卵の形をした人間の頭に始まり、「少年の像」、「光の箱を背負う男」、「壁を登ろうとしている男。あるいは永遠の亡命」、「終末、疲れた男」が並びます。数々の音の仕掛けで遊びたくなる! Air for Everyone/アン・ハミルトンかつて板金屋が暮らしていた空家にベルやベルを空に飛ばすための不思議な道具をつくっている職人を想定した仕事場をつくった作品。天井から垂らされた紐や壁のアコーディオンなど随所から奏でられる音で、見えない人々の気配を感じさせるインスタレーションです。【まだ間に合う! 大地の芸術祭・秋の展覧会】越後妻有里山現代美術館[キナーレ]低価格でアクセサリーやギフトにも使えるアート作品を展示・販売。2016年10月1日(土)~11月27日(日)絵本と木の実の美術館企画展「みえない いと 月の闇がつなぐ 苔と、ヤギと、鉄鉱石と、風と、ヒトと、」幻想的な空間作家・中里繪魯洲と常に新境地を歩き続ける田島征三、初のコラボレーション展覧会。2016年7月2日(土)~11月29日(火)まつだい「農舞台」企画展「豊福亮「黄金の遊戯場2018計画」展」2015年の大地の芸術祭で発表された「黄金の遊戯場」が2018年に向けて再スタート。2016年9月17日(土)~11月27日(日)また、越後妻有では年間を通じて、様々な企画を開催。冬には、雪アートや雪花火、雪の運動会など、豪雪地・越後妻有ならではのプログラムで、季節によって全く違った魅力を体感できます。イベント情報イベント名:「大地の芸術祭」の里 越後妻有 2017 冬 SNOWART催行期間:2017年01月14日 〜 2017年03月12日住所:新潟県十日町市本町6電話番号:025-761-7767
2016年10月29日熊本県出身者で製作され、期せずして今年の熊本地震前の風景を映像の中に記録することとなった映画『うつくしいひと』が東京国際映画祭にて上映された。行定勲監督、橋本愛、姜尚中、高良健吾、米村亮太朗が舞台挨拶に登壇し、改めて復興を訴えた。もともと、「くまもと映画プロジェクト」として熊本を舞台に、行定監督をはじめ、熊本にゆかりのある人々の手で製作された本作。熊本県内の美し景色を背景に大学生の透子、探偵、謎めいた中年男らのドラマが展開していく。撮影は昨年の10月に行われ、その後、今年4月に震災が発生。期せずして熊本城をはじめ、映画の中に、震災前の熊本の姿が刻まれることになったが、行定監督は「改めて、映画には記憶する力というものがあるというのを感じました」と語る。出演者は全員、熊本出身だが、中でも謎の中年男に本職の俳優ではなく、政治学者の姜さんを、行定監督はあて書きする形で起用! 行定監督は「(映画を見た)岩井俊二監督から『姜さん、普通に演技してたね』と連絡が来ました(笑)。最初は大変だったんですよ。セリフあるのに、それを知らなった。台本を事前に渡してたのに(苦笑)。愛ちゃんに(姜さんの芝居を)受けてもらわないといけないけど、20テイクくらいやった。『姜さん、声がいいんだから、渋くやってください』と言ってもかわいくやっちゃう(笑)」と現場での様子を明かした。姜さんは「(役柄は)通行人くらいのつもりだった」とまさかのメインキャストでの出演への驚きを口にし「いま思うと、ナレーターがよかった…」と釈明し、行定監督からは「ナレーターは難しいですよっ!」とツッコミが飛んでいた。橋本さんは、姜さんとの共演について「動物的でした! (橋本さんは女優として)経験があるので、動物にはかなわない! 車に乗って2人でドライブするシーンでは、ずっとおしゃべりしてて、行定監督の話で『監督の作品からノスタルジーを感じる』とおっしゃっていて、私も、同じ何かを感じてて、そうやってお話ができてよかったです」とふり返った。また、高良さんは「行定さんと『熊本で撮りたいね』と話してて、夢がひとつ叶いました。まさか震災が起こるとは思わず撮っていましたが、震災前の景色を記録として残せてよかったと、震災から半年経ったいま、改めて思います」と語る。また、続編の制作が既に決定っしているが「震災後の“いま”の熊本を残す意味があると思うし、それで熊本に恩返しすることができれば」と故郷への強い思いを吐露。今回、高良さんは探偵を演じたが「僕がこの世界に興味を持ったきっかけはドラマ『私立探偵 濱マイク』だったので、今回の『濱マイク』を見直して、ちょっと真似してます(笑)」と明かした。橋本さんは、映画に刻まれた故郷・熊本の風景の中でも「菊池渓谷」を特に印象深い景色に挙げ「美しくて素晴らしい。あんな美しい場所を(映像に)残せてよかった。ぜひ見た方々に行ってみてほしい」と呼びかけた。この日は、映画にも登場する人気キャラ・くまモンも登場したが、ハイテンションのくまモンに行定監督は「元気すぎる!発情期(笑)」とツッコミを入れ、会場は笑いに包まれる。まもなく続編の撮影がスタートするが、監督は改めて「(震災の記憶を)風化させず、忘れずに、映画を見て熊本との距離を縮めてもらって、遊びに来てもらいたいです」と訴えた。(text:cinemacafe.net)
2016年10月27日第29回東京国際映画祭が、2016年10月25日(火)から11月3日(木・祝)の10日間、六本木ヒルズで開催されています。映画祭の開催にあたり、超人気ハリウッド女優メリル・ストリープが来日し、記者会見を行いました。この記事では、会見でのメリル・ストリープの様子と、主演した映画「マダム・フローレンス!夢見るふたり」の見どころをご紹介します。東京国際映画祭ってなに?東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭です。1985年に日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生し、今年で29回目の開催を迎えました。アジア映画最大の拠点である東京に、世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能と感動に出会い、交流する場となっています。また、国際的な審査委員によってグランプリが選出される「コンペティション」には昨年、86の国と地域から1,409本もの応募があり、年々注目度が高まっています。メリル・ストリープが記者会見に登場!今回の映画祭のオープニング作品に選ばれたのが、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」。ニューヨーク伝説の歌姫をメリル・ストリープが、そして彼女をささえる夫役をヒュー・グラントが演じています。これを記念して、10月24日(月)に、六本木ヒルズでメリル・ストリープの来日記者会見が行われました。大勢のメディア関係者が集まり、取材会場には長蛇の列が!2006年の「プラダを着た悪魔」で敏腕編集長を演じたメリルをみて以来、大ファンの編集部員。登場を今か今かと待っていると…キター!舞台袖から現れたメリルのオーラがまぶしい!67歳と思えない肌のツヤもまぶしい!さっそうと登場したメリル、まずは一言ごあいさつ。…とここでハプニング。マイクがオフになっていて、仕切り直しに。そんなトラブルにも「うふふ、OK」と笑顔で対応しておられました…素敵すぎる。冒頭のあいさつでは、映画祭のオープニング作品に選ばれたことを誇りに思っている事を話し、「今日は監督、ヒュー・グラントなど出演者みんなで来たかったけど、たまたま私だけヒマだったので来ました」というジョークも。会場がいっきに和やかな雰囲気になりました。あいさつに続き、記者からの質問タイムへ。食へのこだわりを聞かれると、日本の寿司が大好物であること、前日に京都でみた豆腐の種類の多さにはかなり興味をひかれたと答え、「ファンタスティック」と表現しておられました。さらに自身が演じたフローレンスについて、料理を一切せずいつもデリバリーか外食だったことを明かしました。家にはキッチンがなかったとの話も。しかもデリバリーでオーダーするのはいつもサンドイッチとポテトサラダだったそうです。作品中、フローレンスが何を食べているのか、チェックしてみるとおもしろそうですね!続いて大統領選に関して何か思うことは?との問いには、「アメリカ国民みんな思っていることだけど…早く済んでほしいと思ってる」と本音をぽろり。会場が笑いにつつまれました。メリルのなごやかなお答えに、終始なごやかムードにつつまれた記者会見でした。「プラダを着た悪魔」の鬼編集長のイメージが強かったのですが、とってもソフトでユーモラスな素顔のメリル。今回の映画でみせる天真爛漫な姿のほうが、素顔に近いのかもしれませんね。「マダム・フローレンス!夢見るふたり」の見どころ絶世のオンチなのに、カーネギーホールを超満員にした伝説の歌姫がいた― 1944年のニューヨークで、「奇跡」のリサイタルが開かれた。出演者の名は、フローレンス・フォスター・ジェンキンス。たぐいまれな「オンチ」の彼女が、なぜカーネギーホールでの公演を実現できたのか。フローレンスの夢を追い続ける姿と、それを支える夫を描いた感動の実話を、豪華キャストが演じます。そんなストーリーのみどころはこちら!●歌ウマ女優メリルが鍛えた「オンチ」な歌声超オンチの歌姫を演じるため、2ヶ月間、オペラのコーチをつけてまずは正しく歌えるようにレッスンしたというメリル。その後、さいごの2週間で音を崩していくトレーニングをしたそう。「下手に歌うというのは、想像したよりもずっと大変だった」とのコメントを残しています。そして「本物のフローレンスなならどう歌ったかは考えず、自分の中のフローレンスならどうアプローチするかと考えた」とのこと。下手だけど、音楽にたいする愛情と強い思いを感じられる歌声になったといいます。実際は歌ウマ女優として知られるメリルが鍛えた歌声に注目です。●ピンクにフリル!超個性的なコスチューム少女の心を持ちつづけたというフローレンスは、普段からやや子どもっぽい要素のある服を好んだそう。30年代初期をイメージして作り上げたという彼女のファッションは、いまの時代からみても魅力的で乙女心をくすぐられるような可憐なものばかり。また、舞台に立つ時には、NYトップのセレブリティならではのゴージャスな装飾品やヘアスタイルに身をつつんで登場します。強烈なインパクトをもつ彼女のファッションから目が離せません!■作品情報タイトル「マダム・フローレンス!夢見るふたり」公開日2016年12月1日(木)出演者メリル・ストリープ、ヒュー・グラント、サイモン・ヘルバーグほか監督スティーブン・フリアーズ公式サイト配給会社GAGA原題FLORENCE FOSTER JENKINSコピーライト (C)2016 Pathé Productions Limited.■イベント詳細名称第29回東京国際映画祭主催公益財団法人ユニジャパン開催期間2016年10月25日(火)から11月3日(木・祝)開催場所六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほか都内の各劇場および施設・ホール公式HP
2016年10月27日話題作への出演が続く注目の若手俳優・吉村界人主演の映画『太陽を掴め』が10月26日(水)、開催中の第29回東京国際映画祭にて上映され、吉村さんをはじめ、共演の松浦祐也、脚本の木村暉、髭野純プロデューサー、そして中村祐太郎監督が舞台挨拶に登壇した。多くの名監督を輩出した東京学生映画祭で『雲の屑』がグランプリと観客賞をダブル受賞の新鋭監督・中村祐太郎の新作で、吉村さんに加え、浅香航大、岸井ゆきの、柳楽優弥らが出演。ミュージシャンとフォトグラファーとその元恋人という高校時代の同級生の3人が織りなす青春模様を鮮烈に描き出す。主演としてステージの真ん中に立った吉村さんは「緊張してます…(苦笑)」とやや固い表情ながらも「この映画はみんなで作った、全員が主人公の映画だと思っています」と語る。すでに学生映画界では知らぬ者がおらず、邦画の未来を担う監督として期待を集める中村監督だが、吉村さんとの出会いは、東京学生映画祭グランプリの『雲の屑』の上映会だったそう。「吉村くんが観に来ていて、そこで意気投合し、次の日に『喫茶店で会おう!』となり、『一緒に映画を作ろう』と話しました」と運命的な出会いと明かす。吉村さんは、監督の作品のどこに惹かれたのかという問いに「映画を観ていると、この映画、主役の人が監督のことをすごく好きなんだなと感じる作品があって、それを(中村監督の作品から)すごく感じました。俳優がすごく愛されていて、主役も監督のことが好き。そういう愛のある映画が好きなんです。それと、作品だけでなく、監督に会ったときに感じた“生命力”、(監督という)人間がものすごく好きでした」と強い絆を結び、中村監督に絶大な信頼を寄せていることをうかがわせた。髭野プロデューサーは「企画の最初の時点で、東京国際映画祭での上映と劇場公開を目標としていたので、実現できて幸せです」と感慨深げ。12月24日(土)に劇場公開を迎えるが、改めて観客に応援を呼び掛けた。『太陽を掴め』は12月24日(土)よりテアトル新宿、名古屋シネマスコーレほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月26日現在大ヒット上映中の新海誠最新作『君の名は。』。この度、10月25日(火)まで韓国・プチョン(富川)で開催されていた「第18回プチョン国際アニメーション映画祭」の長編コンペティション部門にて、優秀賞(Special Distinction Prize)と観客賞(Audiences Prize)をW受賞したことが分かった。本作は、8月26日(金)に公開されるやいなや、その圧倒的な映像美と心震わせる感動の物語が話題となり、10~20代にとどまらず幅広い世代が劇場に殺到。連日様々なメディアに特集が取り上げられ、ブームを超えたまさに社会現象へ。そして、今月23日(日)までの59日間では、動員数1,260万、興行収入は164億円を突破。週末映画ランキングは驚異のV9を達成している(10月24日時点)。今年で18回目になる「プチョン国際アニメーション映画祭」は、芸術的に優れたアニメを発掘し、その深い魅力を世の中に見せるアジア最高のコンペティションを有するアニメ映画祭。今年は長編作品としてニュージーランド、フランス、韓国、スイス、スペイン、カナダなどの作品がノミネートされており、その中から本作が二冠を達成。同部門で優秀賞と観客賞をダブル受賞するのは初とのことだ。これを受けて新海監督は「2つも賞をいただきありがとうございます。韓国の皆さんの『君の名は。』への熱を改めて感じる機会となりました。この度、このような賞をいただけて大変嬉しく思います」とコメントを寄せている。先日世界三大ファンタスティック映画祭の一つ「第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭」でAnima’t部門(アニメーション作品の部門)の最優秀長編作品賞にあたる「Award for Best Feature Length Film」を受賞し、すでに世界89の国と地域で海外配給が決定している本作。世界からも注目を集める中、今月21日(金)より海外初の劇場公開となった台湾では、全台湾で46スクリーンで上映(内、台北は18スクリーン)。台北での公開週末3日間の興行収入ランキングでは1位を記録し、好スタートを切っている。『君の名は。』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年10月26日第29回東京国際映画祭(TIFF)が25日に開幕。東京・六本木ヒルズアリーナでオープニングレッドカーペットが行われ、蒼井優、佐々木希、高畑充希、黒木華ら女優陣が美の競演を果たした。トップバッターを飾ったフェスティバル・ミューズを務める黒木華は、鶴があしらわれた着物姿を披露。最後にゲストとして登場した安倍晋三内閣総理大臣と共にカーペットを歩く重要な役割も果たした。『乱鶯』に出演する稲森いずみも着物姿を披露。白を基調としたデザインで大人の色気を漂わせた。『アズミ・ハルコは行方不明』に出演する蒼井優と高畑充希は、それぞれ上品なワンピースを着こなし、2人並んで存在感を発揮。『いきなり先生になったボクが先生に恋をした』に出演する佐々木希は、肌を露出した黒いシースルーのベアトップドレス、『うつくしいひと』で主演を務める橋本愛は、黒い花柄のロングドレスで魅了した。また、『種まく旅人~夢のつぎ木~』主演の高梨臨は、おなかと背中が開いた個性的なドレス、『島々清しゃ』に出演する安藤サクラは、胸元がセクシーなロングドレスで登場。『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』で主演を務めるメリル・ストリープや、『マイ・ベスト・フレンド』出演の平原綾香、『星くず兄弟の新たな伝説』出演の谷村奈南らもカーペットに華を添えた。東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。29回目となる今年は、10月25日~11月3日の10日間にわたって、六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催される。上映本数は204作品で、オープニング作品はメリル・ストリープ主演の『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』、クロージング作品は松山ケンイチ主演の『聖の青春』。出演者による舞台あいさつなどイベントも連日行われる。撮影:蔦野裕
2016年10月26日10月25日(火)、六本木ヒルズアリーナにて第29回東京国際映画祭が開幕され、豪華俳優陣がレッドカーペットを歩いた。15時から開始されたオープニングイベントだったが、途中から、かなり強い雨に見舞われた。しかし、レッドカーペットを歩く登壇陣も観客も雨にも負けず、熱い想いで年に1回の映画祭を盛り上げた。男性陣といえば、スーツ姿やタキシードがメインになりそうなものの、今年はそれぞれの個性がかなり打ち出されていた。『イタズラな Kiss THE MOVIE~ハイスクール編~』に主演する佐藤寛太(劇団EXILE)は、堂々と黒のスーツに紺のシャツというシックな姿で登場。うちわやメッセージボードを持って集まったファンに丁寧にこたえようと、白い歯を見せて交流を楽しんでいた。また、アニメーション特別企画「TIFFアニ!!」の声優・中村悠一&櫻井孝宏もレッドカーペットに登場した。人気声優2人がバシッとタキシード姿で決めて公の場に出ることはそうないこととあって、緊張の面持ちを見せていた彼らだった。もはや映画祭やレッドカーペットの常連となった印象の斎藤工は、第29回は『種まく旅人~夢のつぎ木~』に出演する。慣れた様子で周囲の声援に笑顔でこたえた斎藤さんのいで立ちは、黒スーツを基調にしながらも、ハットや黒のアクセサリーで存在感を出すスタイル。足元はごつめのブーツでしめ、秋冬の装いも同時に楽しんでいるようだった。そして、いま若手のホープとして頭角を現しているのが、『淵に立つ』に出演している太賀。スーツやタキシードではなく、今年流行りのタートルネックにグレーのコートを羽織り、アクセント的にレッドカーペットを思わせる深紅のマフラーで決めていた。海外からは、『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』に主演するイェソン(SUPER JUNIOR)が登場。超人気グループのメンバーの来日とあって、観客のボルテージも最高潮に。あいにく降りだしてしまった雨にも一切動じない様子の観客に、負けじと笑顔を見せたイェソン。黒のスーツの胸元にピンバッジをあしらい、独特のおしゃれを楽しんでいるようだった。そして、第29回のクロージング作品『聖の青春』に出演する松山ケンイチ、東出昌大は、作品を彷彿させる袴姿で登場。物語ではライバル関係にある2人だったが、レッドカーペットでは2人そろってタイトルが入った扇子を手にし、多くのマスコミや観客の声援に応えていた。第29回東京国際映画祭は、11月3日(木)まで開催中。(cinamacafe.net)■関連作品:種まく旅人夢のつぎ木 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016「種まく旅人」製作委員会
2016年10月25日第29回東京国際映画祭が10月25日、東京・六本木ヒルズで開幕。オープニング作品『マダム・フローレンス!夢見るふたり』に主演するアカデミー賞女優のメリル・ストリープ、クロージング作品『聖の青春』で実在の天才棋士を演じる天才棋士を演じた松山ケンイチらがレッドカーペットに登場した。その他の画像第29回東京国際映画祭は10月25日から六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内の各劇場および施設・ホールで開催。近年は注目度の低下を指摘する声もあり、来年迎える第30回を前に、映画祭への関心を取り戻せるか勝負の年となる。コンペティション、特別招待作品、アジアの未来、ワールド・フォーカス、日本映画スプラッシュ、CROSSCUT ASIAなど各部門の上映に加えて、『映画監督 細田守の世界』、『Japan Now監督特集 岩井俊二』、アジア・オムニバス映画製作シリーズ第1弾:『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』など、提携企画を合わせた国内外の約204作品が上映され、出演者やスタッフらによる舞台あいさつやティーチインイベントが連日行われる。コンペティション部門の審査委員長をジャン=ジャック・ベネックス(映画監督/脚本家/プロデューサー)が務め、平山秀幸(映画監督)、ヴァレリオ・マスタンドレア(俳優)、ニコール・ロックリン(プロデューサー)、メイベル・チャン(映画監督)という幅広いジャンルの映画人が審査にあたる。今年は、蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』、杉野希妃監督が主演も務める『雪女』の日本映画2本がコンペティション部門に選出されている。第29回東京国際映画祭11月3日(木)までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて開催中取材・文・写真:内田 涼
2016年10月25日10月25日(火)、六本木ヒルズアリーナにて第29回東京国際映画祭が開幕され、レッドカーペットを豪華女優陣が華やかに歩いた。ドレスや着物など、それぞれのあでやかな様相も光り、お祭り気分を盛り上げた。第29回のフェスティバルミューズを務めた黒木華は、記念すべき一人目のレッドカーペットとなった。紅の着物をたおやかに着こなした黒木さんは、チャーミングな笑顔で、集まった人々の期待に応え、華やかにオープニングを飾ってくれた。反対に白色の着物を着用したのは、『乱鶯』に出演する稲森いずみ。ひときわ妖艶な魅力を放ち、となりの古田新太と仲睦まじい様子を見せていた。『島々清しゃ』に出演する安藤サクラは、胸元がざっくりと開いた深緑のロングドレス。ところどころシースルーになったあつらえで、ヘルシーな色気をふりまいた。ときおりカメラマンから飛ぶ、「セクシーに、色っぽく!」という声かけにも、「セクシーにぃ!?」などとおどけつつも、サービス精神旺盛にしなを作って見せた。『うつくしいひと』主演の橋本愛は、長身を生かした小花をあしらった黒のロングドレスを披露。華奢な体を包みこむ薄手のドレスは、橋本さんの美のオーラを一層まき散らしていた。裾の長いドレスを引きずらないようにと、橋本さんがちょこんとドレスをつかみレッドカーペットを歩く様子が、また可憐に映った。黒つながりでいえば、『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』に出演する佐々木希も、同じく黒のロングドレス。ただし、こちらはデコルテがしっかりと見えるような作りで、白肌がなまめかしく輝き、一粒パールもまたその美を際立てていた。一方、周囲の度肝を抜いたのが『種まく旅人~夢のつぎ木~』主演の高梨臨。清楚なイメージとは真逆をいく、へそ出しならぬ、腹&背中がぱっかりと開いたドレスで新たな魅力を打ち立てた。仲良さげに登場したのは、『アズミ・ハルコは行方不明』からW主演の蒼井優と高畑充希。蒼井さんは、ベルヴェット調の首元まで詰まったワンピースを、高畑さんはサイケデリックな柄のワンピースという個性あふれるいでたち。終始楽し気に笑顔で寄り添っていた2人は、何やらひそひそと話しながら、レッドカーペットを堪能していた。そして、ひと際大きな歓声が上がったのは、第29回オープニング作品『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』で主演を務めるメリル・ストリープの登場の瞬間だった。来日したオスカー女優を一目見ようと、集まったファンからは大きな声援が飛んだ。そんな様子を温かなまなざしで見ていたメリルは、投げキスをしたり、サインをしたりと、ひとりでも多くのファンの気持ちにこたえようと懸命だった。第29回東京国際映画祭は、11月3日(木)まで開催中。(cinamacafe.net)■関連作品:種まく旅人夢のつぎ木 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016「種まく旅人」製作委員会
2016年10月25日熊本県の人気キャラクター・くまモンが25日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われている第29回東京国際映画祭(TIFF)のオープニングレッドカーペットに、熊本出身の女優・橋本愛らと登場した。くまモンは、「熊本復興支援チャリティ上映」として選ばれた『うつくしいひと』で主演を務める橋本、美尚中、米村亮太朗、行定勲監督とともに登場。タキシード姿でかっこよく決め、手を振るなど愛嬌を振りまいて観客を喜ばせた。『うつくしいひと』は、熊本にロケハンに訪れた映画監督と若い女性の出会いと小さな旅の物語。熊本出身の橋本愛、美尚中、高良健吾、石田えりなどが出演する。くまモンは、これまでも同作の上映イベントに登場し、出演者と共に作品を盛り上げていた。東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。29回目となる今年は、10月25日~11月3日の10日間にわたって、六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催される。上映本数は204作品で、オープニング作品はメリル・ストリープ主演の『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』、クロージング作品は松山ケンイチ主演の『聖の青春』。出演者による舞台あいさつなどイベントも連日行われる。
2016年10月25日第29回東京国際映画祭(TIFF)が25日に開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで15時よりオープニングレッドカーペットがスタート。フェスティバル・ミューズを務める黒木華がトップバッターで登場し、着物姿を披露した。映画祭の顔として主要イベントに参加するフェスティバル・ミューズを務める黒木が、同映画祭の椎名保ディレクター・ジェネラルと共に登場すると、会場は一気にヒートアップ。着物姿の黒木は、歓声を浴びながら艶やかにカーペットを歩いた。そして、ステージでは「私も東京国際映画祭に来るのは初めてなので、みなさんと一緒に楽しんでいけたらいいなと思います」と笑顔であいさつした。レッドカーペットには、上映作品の監督・出演者が続々と登場。「コンペティション部門」に出品される『アズミ・ハルコは行方不明』の蒼井優、高畑充希、『雪女』の青木崇高、山口まゆをはじめ、『いきなり先生になったボクが先生に恋をした』のイェソン(SUPER JUNIOR)、佐々木希、『種まく旅人~夢のつぎ木~』の高梨臨、斎藤工、『うつくしいひと』の橋本愛、クロージング作品『聖の青春』の松山ケンイチらが開幕を彩る。また、オープニング作品『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のメリル・ストリープら海外ゲストも参加する。東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭。29回目となる今年は、10月25日~11月3日の10日間にわたって、六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催される。上映本数は204作品で、最高賞であるグランプリを競う「コンペティション部門」をはじめ、エンターテインメント性の高い話題作を集めた「特別招待作品部門」、日本を代表する作品を国内外に発信する「Japan Now部門」など、さまざまなカテゴリーで上映。出演者による舞台あいさつなども連日行われる。
2016年10月25日石川県珠洲市を舞台に17年9月3日から10月22日まで開催される第1回「奥能登国際芸術祭2017」の参加アーティスト第2弾が発表された。能登半島の先端に位置する周囲を日本海に囲まれた農山漁村、石川県珠洲市を舞台に開催される「奥能登国際芸術祭2017」は、アーティストや地元の人、地域外からのサポーターなどが今までにない新しい芸術祭を目指して作り上げる芸術祭。アートを媒介とした多ジャンルのネットワークによって、土地に眠るポテンシャルを掘り起し、“さいはて”から“最先端”の文化を創造する。この度は、新たに8名の参加アーティストが決定した。今回発表されたのは、アルジェリア出身のアデル・アブデスメッド、韓国出身のギム・ホンソック、ドイツ出身のトビアス・レーベルガー、インドを拠点に活動するラックス・メディア・コレクティブなど。日本からは岩崎貴宏、河口龍夫、鴻池朋子、さわひらきの4名の参加も発表された。なお、第1弾では、浅葉克己、EAT & ART TARO、石川直樹、エコ・ヌグロホ、塩田千春、中瀬康志、ひびのこづえ、深澤孝史、リュウ・ジャンファらの参加が発表されていた。【イベント情報】「奥能登国際芸術祭2017」会場:石川県珠洲市会期:17年9月3日~10月22日
2016年10月25日日本映画史にその名を刻む巨匠、溝口健二と増村保造の作品42本を上映する“溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち”が12月23日(金)から東京の角川シネマ新宿などで開催されることが決定した。“溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち”溝口健二は1920年に映画界に入り、1923年に監督デビュー。妥協を許さない徹底した演出、画面構成は日本だけでなく世界の映画作家、批評家、ファンから高い評価を集め、『雨月物語』『祇園の姉妹』『西鶴一代女』など多くの作品が“映画史に残る名作”として語り継がれている。そんな溝口の下で助監督として学び、溝口が遺作を発表した翌年に監督デビューを果たしたのが増村保造だ。増村は、若い頃にイタリアに留学し、そこで得た経験を活かして独自の語り口を確立。若尾文子を主演に迎えた『妻は告白する』『赤い天使』『刺青』など多くの名作を発表したほか、1970年代にはテレビの世界でも活躍した。両監督はそれぞれが独自の美学、演出、思想の下で女性の生き様を描き出しており、今回の映画祭では“変貌する女たち”と銘打って14本の溝口作品、28本の増村作品をスクリーンで上映。田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子、岸田今日子、安田道代ら銀幕で輝く名女優たちの姿も大きな見どころだ。なお、本映画祭は3作品(『浪華悲歌』『武蔵野夫人』『西鶴一代女』)を除いて、デジタル素材で上映され、『雨月物語』は4K復元版の上映になる。映画祭は、12月23日(金)から東京の角川シネマ新宿で幕をあけ、順次、全国で開催される予定。溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち12月23日(金) 角川シネマ新宿ほか全国順次公開上映作品『浪華悲歌』『祇園の姉妹』『残菊物語』『お遊さま』『武蔵野夫人』『西鶴一代女』『雨月物語』『祇園囃子』『山椒大夫』『噂の女』『近松物語』『楊貴妃』『新・平家物語』『赤線地帯』『くちづけ』『青空娘』『暖流』『巨人と玩具』『最高殊勲夫人』『からっ風野郎』『足にさわった女』『妻は告白する』『爛』『女の一生』『「女の小箱」より夫が見た』『卍』『清作の妻』『刺青』『赤い天使』『妻二人』『痴人の愛』『華岡青洲の妻』『セックス・チェック 第二の性』『積木の箱』『濡れた二人』『盲獣』『千羽鶴』『女体』『でんきくらげ』『しびれくらげ』『遊び』『大地の子守歌』
2016年10月22日伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/TOKYO解放区では、10月26日から11月1日まで瀬戸内国際芸術祭×三越伊勢丹のコラボレーションエキシビションを開催。瀬戸内海の島々を舞台に繰り広げられる現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の空気を、空間装飾、トークイベント、そして現地でしか手に入らないスペシャルグッズとともにお届けする。3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、美しい海と島々が育んできた独自の「瀬戸内」文化の保存と発信を目的に始まった国際的な現代アートの芸術祭。瀬戸内海の14の島を会場とし、108日間に渡る会期を通じて、四季折々の景観とアーティストの作品、食や伝統芸能までが堪能できる一大イベントとなっている。今回は出張版「瀬戸内国際芸術祭」として、総合ディレクター北川フラムを迎え、TOKYO解放区でのエキシビションが実現した。TOKYO解放区にはアーティストの山下拓也氏による、某サッカーチームのマスコットキャラクターをモチーフにした空間装飾が設置され、瀬戸内国際芸術祭の会場にいるかのような雰囲気が味わえる。また、26日に開催するトークイベントでは、アートディレクターの北川フラム×盆栽師の平尾成志が「海の復権と瀬戸内国際芸術祭への想い」、「瀬戸内国際芸術祭における盆栽を通じて伝えたいこと」について語る。27日は北川フラム×アーティストの大竹伸朗による海の魅力についてのトークセッションと、大竹氏の「ベネッセアートサイト、瀬戸内国際芸術祭で制作した作品について」をテーマに、31日は絵本作家・美術家の田島征三×シンガー・ボイスアーティストのおおたか静流による「大島にある作品への想い」、「瀬戸内国際芸術祭のイベントを通じて伝えたいこと」を語る予定。トークイベントの観覧は、22日より店頭予約を受け付ける。会場では、大竹伸朗が手掛けたTシャツや直島の地中美術館オリジナルグッズの他、瀬戸内国際芸術祭公式ガイドブック(税込1,400円/発売:現代企画室)、缶バッジ(全14種/各300円)なども特別に販売する。“瀬戸芸”を愛するアーティストたちの言葉や作品に触れ、豊かな自然とアートの力を感じて欲しい。(c) 池田旬也
2016年10月22日小栗旬主演で贈る『ミュージアム』が、10月14日(金)「釜山国際映画祭」の“Midnight Passion部門”にて上映。舞台挨拶には、大友啓史監督とカエル男が登壇し会場を沸かせた。雨の日だけに発生する連続猟奇殺人事件。死体を見せることにこだわる犯人・カエル男は、自らをアーティストと呼び、犯行現場には必ず謎のメモを残す。連続する事件の関連性を捜査する刑事・沢村(小栗旬)と部下の西野(野村周平)は、驚愕の次のターゲットに気づく。カエル男の罠にはまり、逆に追い詰められていく沢村。謎の“私刑”執行アーティスト・カエル男は一体誰なのか?その本当の目的とは?そして、沢村が絶望の密室(ミュージアム)で見たものとは――!?あなたは最悪のラストを期待する。いま最も勢いのある俳優・小栗さんと、『るろうに剣心』シリーズの大友監督の史上最強タッグが仕掛ける本作。先日、“カエル男”のキャストの正体が妻夫木聡だと明らかにされ、またさらに話題となっている。今月9日には、ワールドプレミアが行われた「シッチェス・カタロニア国際映画祭」に続き、今回は15日まで韓国の釜山で行われていた、アジア最大の映画祭「釜山国際映画祭」で本作が上映された。上映前に行われた舞台挨拶では、大きな歓声と拍手の中、大友監督が登場。また、監督の紹介でカエル男が登場すると、再び大きな歓声が巻き起こっていた。そして上映開始時刻となると、釜山シネマセンターの800人収容の会場は、続々駆けつけたお客さんで満員御礼!映画の上映が開始されると、冒頭の殺人現場のシーンから会場がザワザワ…。映画がクライマックスに近づくにつれ、会場中に緊張の糸が張り詰められる感覚が伝わってくるようだった。本編上映後、「ONE OK ROCK」の主題歌と共にエンドロールが流れるが、誰一人として席を立つ人はおらず、上映終了後に作品と監督に対し大きな拍手が起きていた。その後、大友監督にサインと写真を求める韓国のファン、そして日本からわざわざ本作を観に来たファン約100人に対し、サインや写真のサービス。カエル男はシッチェス・カタロニア国際映画祭に続き、ここでも大人気!カエル男にはセルフィを求める観客が後を絶たず、釜山でも大盛況で幕を閉じた。『ミュージアム』は11月12日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年10月20日奈良を拠点に活躍する映画監督・河瀬直美の撮り下ろし作品『輪廻』が、この秋春日大社に奉納された。同作品は河瀬がオーガナイザーを務める「なら国際映画祭」で初上映された。葉からこぼれ落ちる一粒の雫が川を流れ、やがて海に行き着くシーンからはじまる同作品。約10分の映像の中には「人や自然、それを取り巻くあらゆるものは過去から今、今から未来へとつながってゆく。」様が描かれている。同作品の完成にあたり、河瀬は「あなたとの出逢いが私の人生を彩り、そしてその『未来』や『記憶』を紡いでいく。何百年、何千年と雨風を受けながら山々に生きている大木が持つ記憶に比べれば、ひとりの人の記憶などわずかである…が、しかし、つながりの中に「宇宙」が生まれるとき。歴史は刻まれる。」とコメントを寄せている。同作品は、本年の「なら国際映画祭」のスポンサーでもある三越伊勢丹の企業メッセージ「this is japan」をコンセプトに紡がれた作品。同社が「this is japan」を通じて伝えようとする“相手を慮る心”、“日本の精神”“四季の移ろい”という理念に河瀬が共鳴し『輪廻』という作品に行き着いたこともあり、同作品は三越伊勢丹メッセージサイト「this is japan」から見ることが出来る。動画引用元: (YouTube ISETAN 伊勢丹 公式チャンネル:
2016年10月18日阿部寛が“ダメ人生”を送る中年男を演じた是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。このほど、北欧ノルウェー最大の国際映画祭、第26回フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭にて、グランプリに当たるシルバー・ミラー賞を受賞したことが分かった。ダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部さん)は、15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家。いまは探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母・淑子(樹木希林)。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなり、“元家族”で一夜を共に過ごすことになるが――。“海よりもまだ深い”人生の愛し方を優しく教えてくれる本作が、毎年約3万人の観客を動員するノルウェー最大の映画祭、フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭にてシルバー・ミラー賞(グランプリ)を受賞。今年は10月6日(木)~10月16日(日)まで開催されていた同映画祭は、1991年からノルウェーの首都オスロで開催、アジア、アフリカ、ラテンアメリカから約100本の長編映画が上映され、メイン・コンペティション部門では1本の作品をグランプリとして選出する。今回の快挙に是枝監督は、「寒い北国の、小さな映画祭で、とても暖かなご褒美をいただきました。勲章が似合わない映画だと自分では思っていましたが、国境を越えて観客の方々に泣いて、笑って貰えるのは、やはりとても嬉しいことでした」と、その喜びを語っている。『海よりもまだ深く』ブルーレイ&DVDは11月25日(金)より発売&レンタル開始。(text:cinemacafe.net)
2016年10月18日