12月・1月のハリウッドは、とにかく映画賞ラッシュ。放送映画批評家協会(Broadcast Film Critics Association)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR/National Board of Review of Motion Pictures)などの各授賞式はすでに行われ結果が出ている。ドラマ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』、主人公リーを演じるケイシー・アフレック、ドラマ映画『ムーンライト』、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』、ドラマ映画『フェンシズ(原題)/Fences』で主人公トロイを演じたデンゼル・ワシントンそして『ジャッキー』で主人公を演じたナタリー・ポートマンは、批評家ならびに映画ファンからも絶賛されており、このことから見てもアカデミー賞へのノミネーションは確実と見られている。ちなみに、これらの映画賞はハードコアな映画ファンでもない限り、いったい誰の手によって選ばれているのか余り知られていないだろう。基本的にはアメリカの映画批評家たちが選んだものと思って間違えないのだが、彼らは制作の現場に関わっている人たちとは違う。だが1月中盤から2月になるとアカデミー賞を筆頭に映画の現場に携わる人たちによって選出される映画賞が増える。とくにアカデミー賞は現場に携わるプロ中のプロであるアカデミー会員たちによって選出される栄えある賞だ。よって批評家たちの投票結果と多少異なってくるのは当然のことだが、過去の統計を見ると、批評家たちが選ぶ映画賞の受賞結果がアカデミー賞ノミネーションがかなり重複しているのがわかる。冒頭に挙げたアカデミー賞に向けて話題の作品も、まだ日本では耳慣れないものが多い。「イマ旬!」では今回2本、次回3本の割り振りでアカデミー賞レースの上位を走る5作品について紹介していこうと思う。『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』【あらすじ】マサチューセッツの街で修理屋として生計を立てながら物静かに暮らしている男リーは、ある日故郷の兄ジョーが倒れたという知らせを受ける。急いで帰ったもののジョーは亡くなっていた。ショックを受けるリーに追い打ちをかけるように待っていたのは、ジョーの息子パトリックの養育権をリーに託すという、思いもかけぬ兄からの遺言だった。その昔、余りにつらい過去を振り切るためあとにした故郷。いっぽうティーンのパトリックは昔はあんなに仲の良かった叔父リーに拒絶されたと感じ、一層殻にこもってしまう。溝の深まる甥っ子と叔父の関係。兄の死が引き起こした様々な出来事は、嫌が応にしてリーに辛い過去と向き合う試練を突きつけていた。【アカデミー賞候補本命度】作品賞をはじめ主要部門と言われている主演・助演男優&女優賞候補はもちろん、マルチ部門でのノミネーションそして受賞が有力視されている。ケイシー・アフレックもさておき、元妻を演じるミシェル・ウィリアムズ、甥っ子を演じる新星ルーカス・ヘッジなど、観ている者を引き込まれずにはいられない胸に迫る演技が素晴らしい。悲痛なストーリーではあるが、つらい部分を乗り越えて見ているといいことがある作品で主人公リーと同様の心の旅ができる。【注目点:ケイシー・アフレック】本作で、“ベン・アフレックの弟”という肩書きから見事卒業した感ありのケイシー。年末時点でさまざまな映画賞にて主演男優賞を受賞、あるいは候補にノミネートと順風漫歩。オスカー本線ではライバルにデンゼル・ワシントンが立ちはだかっているが、『トレイニング・デイ』で主演男優賞受賞経験のある彼に比べてフレッシュなケイシーのほうが受賞確率が高いのでは。少々気がはやいが、もしもケイシーが主演男優賞を受賞すれば兄ベンも成し遂げていない快挙を達成することになる!『フェンシズ(原題)/Fences』【あらすじ】ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。【アカデミー賞候補本命度】主演男優賞候補デンゼル・ワシントン、助演女優賞候補ヴィオラ・デイヴィスでアカデミー賞のノミネーションを受けることはほぼ確実といってもいいだろう。舞台劇の映画化は、往々にして膨大なセリフの量が特徴だが本作も例外ではない。途中でカットを入れずにすごい量のセリフを淀みなくデリバリーするデンゼルのテンションは、観ているこちらがグッタリしてしまうほどの凄さで、まさに芸術の域。【注目点:デンゼル・ワシントン&ヴィオラ・デイヴィス】ならばデンゼルに再びオスカー像を…!と言いたいところだが、本作でデンゼル以上に注目されるべきは、助演女優ヴィオラ・デイビス。気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラが、髪振り乱し、涙溢れ、流れる鼻水をものともせず、妻としての心情を夫にぶちまけるシーンは、映画史上に残るであろう名場面。業界内ではヴィオラのオスカー受賞必至の噂が飛び交っており、筆者も大いに同感。次回の「イマ旬」では執筆時点で映画賞予想サイトGoldderby.comにおいてアカデミー賞レースのトップ10圏内に入っていて、筆者も応援中の3作品を現場目線でご紹介。乞うご期待!(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2016年12月30日ハワイの音楽界における優秀アーティスト、作曲家、演奏家などに各賞が授与されるハワイ随一の音楽賞「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」。2017年に記念すべき創設40周年を迎える同アワードを記念したイベントが4月16日(日)に千葉・舞浜アンフィシアターで開催される。【チケット情報はこちら】ハワイ版グラミー賞と称される同アワード。40周年を記念して歴代受賞アーティストが来日し、ハワイミュージックの真髄ともいえるライブパフォーマンスを披露するほか、これまでのアワードの歴史を振り返る。あわせて、2017年5月に行われる受賞式に向けて最終ノミネート候補が発表される。パフォーマンスを披露するアーティストは全7組。幼馴染の三人が紡ぐ息の合ったボーカルアンサンブルは日本での人気も高い「Na leo(ナレオ)」。今年ビルボードライブでも来日したハワイ発のサーフ・ロックバンド「Kalapana(カラパナ)」。全米チャート入りを果たし、グラミー賞にもノミネートされた「Amy Hanaiali‘i Gilliom(エイミー ハナイアリイ)」。そのほか、Nathan Aweau(ネイサン・アヴェアウ)、Raiatea Helm(ライアテア・ヘルム)、Kaumakaiwa Kanakaole(カウマカイヴァ・カナカオレ)、Keauhou(ケアウホウ)らハワイを代表するアーティストが出演する。「NA HOKU HANOHANO AWARDS 2017 MUSIC FESTIVAL 40TH ANNIVERSARY」のチケットは1月14日(土)午前10時より一般発売開始。なお、ハワイエンタメサイト「H1CLUB(エイチワンクラブ)」にて12月17日(土)昼12時より先行を開始。
2016年12月15日賞レースでにぎわっている映画界で、第22回放送映画批評家協会賞が発表された。『ラ・ラ・ランド』が8冠に輝き、同作のデミアン・チャゼル監督が監督賞と脚本賞を受賞し、そのほか撮影、音楽、編集部門でも受賞した。主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンも主演男優賞と主演女優賞の候補に挙がっていたが、残念ながらそれぞれ『Manchester by the Sea』(原題)のケイシー・アフレックと『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマンに譲った。『ラ・ラ・ランド』は12日早朝(現地時間)、来年1月に開催されるゴールデン・グローブ賞で最多7部門でノミネーションを受けたばかりで、これからの賞レースの大本命のうちの1作品として盛り上がりを見せている。ほかに、コメディ映画賞を『デッドプール』、コメディ映画主演男優賞を同作のライアン・レイノルズ、コメディ映画主演女優賞を『スーサイド・スクワッド』のマーゴット・ロビーが受賞。テレビ部門の作品賞には「ゲーム・オブ・スローンズ」が輝いた。「ウォーキング・デッド」の強烈なキャラクター・ニーガン役を演じているジェフリー・ディーン・モーガンがドラマ部門のゲスト賞を獲得した。(Hiromi Kaku)
2016年12月13日アカデミー賞の前哨戦の1つとされているLA映画批評家協会賞が4日(現地時間)に発表された。作品賞と監督賞はバリー・ジェンキンス監督の『Moonlight』(原題)が受賞。どちらの賞もデミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』(原題)が次点に選ばれた。『Moonlight』からは、マハーシャラ・アリが助演男優賞、ジェームズ・ラクストンが撮影賞を獲得。計4部門で受賞し、高い評価を受けた。助演男優賞は、遠藤周作の「沈黙」を原作とし、ハリウッドで映画化された『沈黙-サイレンス-』に出演のイッセー尾形さんが次点として発表されている。アニメ賞に輝いたのは、世界でも話題、いまもなお日本で記録的なヒットを更新中の『君の名は。』だ。アカデミー賞にまた一歩近付き、ますます期待が高まる。新海誠監督は現在、海外プロモーションでロサンゼルスに滞在中だとのこと。リアルタイムで受賞を耳にし、ツイッターで「LAで取材中に嬉しいニュース。『君の名は。』がロサンゼルス映画批評家協会賞、アニメ部門受賞だそうです。なんと。マジですか…」と喜びを語っている。なお、次点はスタジオジブリ初の海外共同作品『レッドタートル ある島の物語』だった。(Hiromi Kaku)
2016年12月05日11月も終わりを迎え年末の季節も近づこうかという11月29日(火)、毎年注目を集める国内外の映画賞レースの中から、第41回「報知映画賞」の全9部門が発表された。まず、注目を集める「主演男優賞」および「主演女優賞」では、『葛城事件』での怪演が大きな話題となり“新境地”で魅せた名優・三浦友和が「主演男優賞」に、『湯を沸かすほどの熱い愛』にて死にゆく母の大きな愛を“熱演”した宮沢りえが「主演女優賞」にそれぞれ輝いた。また同作からは、宮沢さんの娘役として銭湯の若女将に扮した杉咲花が「助演女優賞」に、さらに中野量太監督が「新人賞」に輝き、『湯を沸かすほどの熱い愛』は作品賞・邦画も受賞した。「助演男優賞」は、『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』と今年も出演作が目白押しだった綾野剛が受賞。「EXILE/三代目J Soul Brothers」のメンバーとして絶大な人気を誇る岩田剛典が、映画初主演を務めた『植物図鑑』にて「新人賞」を受賞した。また、この夏の公開から興行収入・動員数を右肩上がりに伸ばし、空前の大ヒットを記録している新海誠監督最新作『君の名は。』が「特別賞」を受賞。「監督賞」には、海外の映画祭でも高い評価を受け、渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣が集結したことでも注目を浴びた、李相日監督作品『怒り』が選ばれている。<第41回報知映画賞/受賞一覧>■作品賞(邦画):『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)■監督賞:李相日(『怒り』)■主演男優賞:三浦友和(『葛飾事件』)■主演女優賞:宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■助演男優賞:綾野剛(『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』)■助演女優賞:杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■新人賞:岩田剛典(『植物図鑑』):中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■作品賞(海外):『クリード チャンプを継ぐ男』(ライアン・クーグラー監督)■特別賞:『君の名は。』(新海誠監督)(text:cinemacafe.net)
2016年11月29日年末恒例のテレビ朝日系大型音楽特番『ミュージックステーションスーパーライブ2016』が、12月23日(19:00~23:10)に放送されることが18日、明らかになった。今年は、クリスマスSPとして放送され、豪華アーティストが共演。出演アーティストやスペシャルメドレー、コレボレーションなどについては、今後発表される。MCはタモリと、テレビ朝日の弘中綾香アナウンサー。
2016年11月18日プレスリーやボブ・ディランから、ベック、ノラ・ジョーンズなどまで、多くのアーティストに影響を与えた米カントリーミュージックの重要人物にして、「ルーツ・オブ・ロック」と呼ばれるハンク・ウィリアムスの半生を描いた映画『アイ・ソー・ザ・ライト』。本作で伝説のシンガーになりきった主演トム・ヒドルストンのメイキング&インタビュー映像が、シネマカフェに到着した。1944年米アラバマ州、愛する女性オードリー(エリザベス・オルセン)と結婚し、幸せな生活を送っていたハンク・ウィリアムス(トム・ヒドルストン)。ハンクはシンガーとして成功するが、オードリーもまたシンガーとしての夢を諦められずにいた。そんな想いが家庭に不穏な雰囲気を漂わせていたが、やがて息子が生まれ、彼らの人生は再び希望に満ちあふれる。しかしハンクは、音楽活動が順調に進むにつれて家族との溝が深まり、ほかの女性やアルコールに逃げる日々を送るように。ありのままの自分であろうとするハンクは、その想いを歌に込める――。本作は、デビューから6年、29歳という短い人生で築いた功績とその裏で翻弄されるシンガー、ハンク・ウィリアムスの光と闇を映し出した伝記映画。ハンクは、あのボブ・ディランが初めて憧れたシンガーであり、「ローリング・ストーン」誌の「歴史上最も偉大なアーティスト100人」にも選出された人物。その楽曲の数々は、ボブ・ディランはもちろん、エルヴィス・プレスリー、ジョニー・キャッシュ、キース・リチャーズ(ローリング・スト-ンズ)、ベック、ノラ・ジョーンズなどによって、時代を超えていまも歌い継がれている。そんなハンクを演じたのは、『アベンジャーズ』『マイティ・ソー』シリーズのロキ役でブレイクしたトム・ヒドルストン。『クリムゾン・ピーク』『ハイ・ライズ』、エミー賞受賞ドラマ「ナイト・マネジャー」(監督スサンネ・ビア)と話題作出演が続き、今年はプライベートでも大きな注目を集めた彼は、本作ではハンクの楽曲をすべて吹き替えなしで歌い切り、その高い歌唱力を披露した。今回解禁となったのは、撮影前の歌唱トレーニングの様子や役作りについて、トムが語る映像。舞台経験が豊富なトムだが、映画でその歌声を披露することは今回が初めて。ハンク・ウィリアムスを演じることについて、「象徴的な人物を演じることはあらゆる意味で挑戦だった」とふり返っている。これまで演じることのなかった“実在した天才シンガー”へのアプローチには「彼の全てを理解する必要があった」「音楽こそが彼の人物像を知る一番のルーツだった」と、役作りの姿勢も明かした。本作で音楽プロデューサーを務めた、著名なカントリーシンガーでもあるロドニー・クロウェルは、「スタジオで来る日も来る日も、舞台俳優から“歌手”に聞こえるよう取り組んだ」と、トムとの5週間におよぶトレーニングの様子を語る。メイキング映像では、スタジオで歌うトムの姿も収められているから、ぜひチェックしてみて。『アイ・ソー・ザ・ライト』は10月1日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アイ・ソー・ザ・ライト 2016年10月1日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 I Saw The Light Movie, LLC and RatPac ISTL LLC. All Rights Reserved.
2016年10月01日カントリー・ミュージックには疎くても、“キング・オブ・カントリー”と呼ばれたハンク・ウィリアムスをトム・ヒドルストンが演じるとなると、俄然気になる映画『アイ・ソー・ザ・ライト』。しかし、トム・ヒドルストンは現在35歳。29歳で急逝した伝説のシンガーの20代を描くには無理があるんじゃないかと心配にならないでもない。でも、ハマらないアメリカ人若手俳優よりは、売れっ子のイギリス人演技派で正解。だって、ハンクが歌で社会に希望の光を差した1950年前後の若者は、現代よりかなり大人っぽいんだもん。しかも、トムは猛特訓を受けて、アメリカの魂であるカントリーの名曲の数々を歌っているのです。この勇気ある挑戦には聴くほうも緊張しちゃって、オープニングシーンなんてトムの歌レベルがどれくらいなのかが客観的に判断できないくらい。ただ、トムの歌がうまいってことは、すぐにわかる。なぜって、エリザベス・オルセンが演じる妻オードリーの歌が強烈なんです。自身もカントリーシンガーである彼女は、ハンクの愛につけこんで、何かにつけて彼のステージや番組に一緒に出ようとするのですが、その歌声がびっくりするほど耳障り。これだけ下手に歌わなきゃいけないエリザベスも大変なのでは?と思うくらい。でも、なにより驚くのは、ハンクのような天才のそばにいながら、自分の才能のなさに気づかないこと。普通なら、この天才のマネージメントに徹しようと考えそうだけど、オードリーはそこに充実を見出せない。そうです、私生活のアップダウンを歌として昇華したハンクの物語は、この強烈なエゴの持ち主である妻との葛藤の物語でもあるのです。脊椎の病気による痛みに苦しみ続け、酒と女に溺れがちだったハンクの栄光と挫折はもちろんドラマティックだけれど、ステージママだったハンクの母親との軋轢や、諍いを重ねながらもハンクのインスピレーションの源であり続けたオードリーという存在が、この作品をひと味違うものにしているのでした。天才の陰に悪妻ありと思いつつ、気がついたら彼女の強さが羨ましくなってるかも。◇監督・脚本/マーク・エイブラハム出演/トム・ヒドルストン、エリザベス・オルセン、ブラッドリー・ウィットフォード、チェリー・ジョーンズほか10月1日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー。(C)2016 I Saw The Light Movie, LLC and RatPac ISTL LLC. All Rights Reserved.※『anan』2016年10月5日号より。文・杉谷伸子
2016年09月28日俳優のジャッキー・チェンが、アカデミー賞特別名誉賞を受賞することになった。『ラッシュアワー』などでおなじみのジャッキーと、映画編集者のアン・V・コーツ、キャスティングディレクターのリン・スタルマスター、ドキュメンタリー映画監督のフレデリック・ワイズマンが、11月に行われるガバナーズ・アワードでこの特別賞を受け取ることになると映画芸術科学アカデミーが1日に発表した。同団体のシェリル・ブーン・アイザックス会長は、声明文の中で「アカデミー賞特別名誉賞はジャッキー・チェン、アン・V・コーツ、リン・スタルマスター、フレデリック・ワイズマンのような、その分野における真の先駆者であり、伝説的な存在である人物のために作られた賞です」「彼らの素晴らしい功績を称えられることを誇りに思います」とコメントしている。ジャッキーは自国香港の映画作品への出演、脚本、監督、プロデュースだけでなく、世界中においても興行成績の成功をおさめた「他に類を見ない国際的なキャリア」を称えられ、今回の受賞に至った。一方、1962年作『アラビアのロレンス』で知られるアンは、『エレファント・マン』『アウト・オブ・サイト』『オリエント急行殺人事件』『エリン・ブロコビッチ』など、60年間にわたるキャリアの中で多くの有名作品を手掛けてきた。『卒業』『屋根の上のバイオリン弾き』『トッツィー』を含む200作品以上の映画に携わってきたリンは、ジョン・トラボルタやジョン・ヴォイト、故クリストファー・リーヴらをはじめとする俳優の才能の発掘してきた人物だ。フレデリックは、自身にとって初のドキュメンタリー作品である精神異常を抱える犯罪者たちを収容した病院の舞台裏に迫った1967年作『チチカット・フォーリーズ』をリリース後、ほぼ毎年ドキュメンタリー作品を世に送り出してきた。この4人は、11月12日にハリウッド&ハイランドセンターのレイ・ドルビー・ボールルームで開催される第8回ガバナーズ・アワードでアカデミー賞特別名誉賞を受賞する。2015年度には、デビー・レイノルズ、スパイク・リー、ジーナ・ローランズらが同賞を受賞していた。(C)BANG Media International
2016年09月05日ユニバーサルミュージックとサトル タナカ(SATORU TANAKA)の協業によるファッションブランド「ラストリバティ(LAST LIBERTY)」がローンチ。新作Tシャツが、2016年8月上旬よりナノ・ユニバース 東京(nano・universe TOKYO)、ローズ バッド(ROSE BUD)などで販売される。「ラストリバティ」では、ブランドテーマを“能動的に日常を生きる為、ヘッドフォンをして街を旅する”とし、より音楽が身近に感じられるワードローブを展開。Tシャツやスウェット、カットソー、スニーカーなどを、メンズ、レディースともに揃える。注目アイテムであるTシャツは、PIL、デヴィッド・ボウイ、ザ・ストーン・ローゼズ、ザ・ジャム、そしてエイミー・ワインハウスといった名だたるミュージシャンのアートワークを使用している。SからLLサイズまで展開されるので、コンパクトにもビックシルエットにも、自身のスタイルで選べるのが嬉しい。クリエイティブディレクターを務める、タナカサトルは以前より「ファッションから音楽ではなく、音楽からファッションを」と言うコンセプトを想い描いていたという。その思いが形になったのが「ラストリバティ」。ファッションと音楽の融合が、このブランドを通じて感じられるだろう。【商品詳細】ラストリバティ(LAST LIBERTY) 新作Tシャツ発売時期:2016年8月上旬※オンラインストアでは7月21日(木)より発売中だ。取り扱い店舗:ナノ・ユニバース 東京、THE SHOP TK全店舗、ローズ バッド(一部取り扱いなし)、カンナビス(CANNNABIS)、ローグ(LOUGUE)南船場店※メンズのみ価格:4,990円+税サイズ展開:0~4 ※サイズ0(レディース対応)、サイズ1(S)/2(M)/3(L)/4(LL)
2016年08月01日第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をW受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayの発売がこのほど決定。特典内容も明らかとなった。2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。「スポットライト」という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を探り当てたのだろうか――?「ピューリッツァー賞」に輝いた「ボストン・グローブ」紙の調査報道チームの軌跡を映画化した本作。“世紀のスクープ”の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、社会派ドラマの傑作として高い評価を得ている。脚本と監督を『扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』のトム・マッカーシーが出手掛け、キャストにはマイケル・キートンや、本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロ、同じくアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたレイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバーら実力派が勢揃いしている。また、日本語吹替版のキャストには、「スポットライト」班のマーク演じるマイク・レゼンデス役を宮内敦士、マイケル演じるウォルター“ロビー”ロビンソン役に牛山茂、レイチェル演じるサーシャ・ファイファー役に森なな子、リーヴ演じるマーティ・バロン役に大塚明夫、ジョン・スラッテリー演じるベン・ブラッドリー・Jr.役に仲野裕、そして弁護士のスタンリー・トゥッチ演じるミッチェル・ガラベディアン役を岩崎ひろしが担当し、こちらも豪華声優陣が集結している。このほど発売が決定したDVD&Bru-rayでは、特典映像としてスタッフやキャスト、モデルとなった記者のインタビュー映像や、撮影風景、日本版と海外版の予告編&TVスポット集が収められている。『スポットライト 世紀のスクープ』のDVD&Blu-rayは9月7日(水)より発売。<『スポットライト 世紀のスクープ』発売情報>発売日:9月7日(水)※同日レンタル開始価格:DVD3,800円+税/Blu-ray4,800円+税発売元・販売元:バップ(C)2015 SPOTLIGHT FILM, LLC(cinemacafe.net)
2016年07月08日8日(水)、第42回「放送文化基金賞」が発表され、「番組部門」のテレビドラマでは、最優秀賞に「赤めだか」(TBS)、優秀賞に「天皇の料理番」(TBS)が選ばれた。同部門の演技賞には、「天皇の料理番」主演の佐藤健と、福岡発地域ドラマ「いとの森の家」で樹木希林が受賞している。過去1年間の放送番組から優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる「放送文化基金賞」。今年も平成27年4月~28年3月に放送されたものを対象に選出した。全国の民放、NHK、プロダクションなどから、全部で268件の応募、推薦があり、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つの番組部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人5件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件を決定した。昨年は「相棒 season13」(テレビ朝日)が最優秀賞に選ばれた「番組部門」におけるテレビドラマ番組。今年は、立川談春の同名エッセイを原作に、「嵐」二宮和也主演で昨年12月28日(月)に放送された、年末ドラマ特別企画「赤めだか」が受賞。ビートたけしが立川談志を演じ、17歳で談志に入門した二宮さん演じる談春と、談志の弟子たちの成長物語。「厳しさを自らのものとすることで人は成長できることを教えてくれる啓発的ドラマでありながら、笑いを随所に盛り込んでぐいぐい引き込むストーリー」などと評され、最優秀賞に輝いた。優秀賞に選ばれた「TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場『天皇の料理番』」。大正・昭和時代に宮内省の厨司長を務めた秋山徳蔵氏の人生を描いた杉森久英の同名小説が原作で、田舎のやっかい者・秋山篤蔵を佐藤さんが演じ、天皇の料理番を勤め上げるまでに成長していく物語。「キャスティング、ストーリーの構成どれをとっても完成度が高い」と絶賛され、主役の脇を固めた黒木華、鈴木亮平といった俳優たちの演技も「質がみな高かった」とされた。主演の佐藤さんは演技賞も本作で受賞し、「難しい役柄を、多くのハードルを越えて演じ切り、ドラマの強力な牽引力となった演技は秀逸」と評価されている。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日22日(現地時間)ラスベガスのT-Mobileアリーナで「ビルボード・ミュージック・アワード」(BBMA)が開催された。「トップ・ホット100・アーティスト賞」など最多8部門を受賞したのはザ・ウィークエンド。「トップ・アーティスト賞」に輝いたアデルはザ・ウィークエンドに続く5部門を受賞。授賞式には欠かせないアーティストのパフォーマンスで、BBMAではブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ビーバー、ケシャ、セリーヌ・ディオンらが観客を魅了したが、最も注目を集めたのは4月に57歳という若さで突然この世を去ってしまったプリンスの追悼パフォーマンスを行ったマドンナとスティーヴィー・ワンダーだ。会場はパープル一色の照明に包まれ、パープルのスーツに身を包んだマドンナが登場。シネイド・オコナーが歌って大ヒットしたプリンス作曲の「Nothing Compares 2 U」をパワフルに歌い上げると、観客にとってサプライズ出演となったスティーヴィーが現れ、「Purple Rain」をマドンナと共に熱唱。マドンナは80年代にプリンスと「Love Song」をデュエットし交流があったことから、このパフォーマンスにかける意気込みは相当のものだったと見られている。マドンナ本人は大満足の出来だったようだが、残念ながらSNSではプリンスのファンから「プリンスの曲を歌うには実力が伴わない」などの怒りと不満の声が噴出した。(Hiromi Kaku)
2016年05月24日フレッドペリー(FRED PERRY)から、ブランドアーカイブであるレトロスポーツウェアをヨーロッパの国々の配色でアップデートした「カントリーシャツ」が登場。2016年5月20日(金)から、東京と大阪の路面店とオンラインショップにて販売される。国旗やユニフォームカラーを基調に異なる配色でデザインされたシャツ8型。胸元にはローレルマークパッチと「イングランド」「スウェーデン」「ベルギー」「イタリア」「ポルトガル」「フランス」「ドイツ」「スペイン」8ヵ国の国名がそれぞれ載せられている。1950年代に誕生した、ブランドのアイコンであるフレッドペリーシャツと同様に、ボディには100%コットン素材のカノコ地を採用。また、ボディと対照的なカラーを使用した襟元や袖口、アーカイブのスポーツウェアからインスパイアされたローレルテープを施した袖と、印象的なディテールも目を引く1着に仕上がっている。【商品詳細】フレッドペリー カントリーシャツ発売日:2016年5月20日(金)発売場所:・フレッドペリー ショップ 東京・フレッドペリーショップ 大阪・フレッドペリー オンラインショップ価格:12,000円+税型数:全8型(イングランド、スウェーデン、ベルギー、イタリア、ポルトガル、フランス、ドイツ、スペイン)【問い合わせ先】フレッドペリーショップ東京TEL:03‐5778‐4930
2016年05月23日歌手のマドンナが、今月22日にラスベガスで行われるビルボード・ミュージック・アワードで、先月57歳の若さでこの世を去ったプリンスさんへの追悼パフォーマンスとして、歌を捧げるそうだ。同式典ではマドンナのほかにもジャスティン・ビーバーやフィフィス・ハーモニー、デミ・ロヴァート、ショーン・メンデス、ニック・ジョナス、ブリトニー・スピアーズらがステージに立つことが決定している。さらに同イベントでアイコン賞を受賞することが決定しているセリーヌ・ディオンも歌を披露する予定だ。今回プリンスさんのための追悼パフォーマンスを行うことになったマドンナは、プリンスさんと共にツアーを行うことを熱望していたようで、マドンナのマネージャーを務めるガイ・オセアリーは以前、自身のインスタグラムでそのことについて触れていた。「僕がプリンスに出会ったのは12歳の時でした。その時僕は彼にサインをお願いしたんです。それから何年も経ってからプリンスに再会して、僕らは友達になりました。数年前には彼に電話してマドンナとプリンスの合同ツアーのアイデアを提案しました。それをマドンナに話した時にはすぐに『それはいいわね。王家ツアーって呼ぶのはどうかしら。ザ・クイーン(マドンナ)とプリンスのコンサートだからよ』って言ってくれました。彼女のその考え方がとても好きでしたね。プリンスにこのアイデアを話したときには『世界はまだそれを受け入れる準備ができていないよ。規模が大きすぎるからね』と言っていました。僕はいつも、いつかこれを実行する日が来たらと考えていましたね」プリンスさんの訃報を耳にしたマドンナは当時、自身のソーシャルメディアに「彼は世界を変えたの。本当に先見の明のある人だったわ。なんて人を亡くしたのかしら。私は悲しみに打ちひしがれているわ。これは愛の歌ではないもの」とつづっていた。(C)BANG Media International
2016年05月13日米カントリー歌手のマール・ハガードさんが6日、自身の79歳の誕生日に米カリフォルニア州北部の自宅で肺炎の合併症により死去した。マールの代理人のランス・ロバーツがCNNに認めた。息子でミュージシャンのベン・ハガードはフェイスブックに、「1週間前に、父は自分の誕生日は通り越すだろう、って僕らに言いましたがそれは間違いでした。家族と友人に見守られて息を引き取ったのは、(誕生日が終わる)1時間前でした」と、父が死を前に誕生日のことに触れていたエピソードを披露。さらに、「父は人生のすべてを、音楽をするチャンスを与えてくれた全ての皆さんを愛していました」「父はただのカントリー歌手だったわけではありません。史上最高のカントリー歌手でした」と父をたたえた。この訃報を受けて、ミュージシャン仲間のウィリー・ネルソンは、「マールはブラザーであり、友人だった。寂しくなるな」とコメントを投稿。マールとウィリーは昨年タッグを組んでアルバム『ジャンゴ・アンド・ジミー』をリリースし、ビルボードのトップ・カントリー・アルバムのチャートで1位、ビルボード200で7位とヒットを飛ばしていた。また、ドリー・パートンは、これまで何度もコラボしてきたマールに向けて「最高のシンガーソングライターの一人を失いました」「マールの心は、彼の愛を歌ったバラードと同じく優しいものです。彼のことを兄弟のように愛しています。やすらかにね、マール」と追悼。そのほか、1980年の映画『ブロンコ・ビリー』でマールとタッグを組んだクリント・イーストウッドらも追悼の意を示している。5回の結婚を繰り返したマールは、若い頃に刑務所暮らしという苦い経験をしながらも、カントリーアーティストとしての華々しい成功を築いた。ここ数年もツアーを精力的に行っていたが、体調不良により4月の一部の公演は中止されていた。(C)BANG Media International
2016年04月08日映画『テラフォーマーズ』の本編映像を使用した三代目 J soul Brothers from EXILE TRIBEの主題歌『BREAK OF DAWN』のミュージックトレイラーが公開になった。テラフォーマーと死闘を繰り広げる小町小吉(伊藤英明)ら人間たちの姿と、三代目JSBが本作のために書き下ろした楽曲を融合させたもので、新たに解禁された本編映像も多く登場する。『テラフォーマーズ』三代目JSB主題歌ミュージックトレイラー映画は、人類の火星移住計画を完成させるため火星へ送り込まれた小町、奈々緒(武井咲)ら隊員15人の壮絶なミッションを描くSFアクション。何も知らされずに火星に降りた小町らは、人型に異常進化した“ある生物=テラフォーマー”に次々と襲われ、絶対絶命の状況に追い込まれる。このほど公開になったミュージックトレイラーは、テラフォーマーと戦う手段として、昆虫のDNAによって虫の姿に“変異”した小町たちが反撃していくシーンが映し出されていく。太刀打ちできない凶暴なテラフォーマーを相手に、諦めず、怯まずに立ち向かっていく小町らの姿と、三代目JSBが歌う「挑む何度でも Face it!」「過去に未練はない」「越える境界線、この向こうが未知の世界」という歌詞がリンクし、より映画の世界観を盛り上げていく。主題歌『BREAK OF DAWN』は、30日に発売されたニューアルバム『THE JSB LEGACY』に収録されている。『テラフォーマーズ』4月29日(祝・金)全国ロードショー
2016年03月31日第39回日本アカデミー賞において、安藤サクラが『百円の恋』で最優秀主演女優賞を獲得!本作は超低予算で制作され、わずかな館数での公開で始まったが、主演女優賞に加え、最優秀脚本賞(足立紳)にも輝き、今回の授賞式で大旋風を巻き起こした。優秀主演女優賞には『海街diary』での長女役が絶賛された綾瀬はるか、『ビリギャル』の有村架純、『あん』の樹木希林、『母と暮せば』の吉永小百合と若手からベテランまで多彩な顔ぶれが並んだが、予算規模も最小、撮影期間もわずか2週間の『百円の恋』で存在感を見せつけた安藤さんが最優秀賞を受賞した。安藤さんは2013年に「第86回キネマ旬報ベスト・テン」で史上初の、主演女優賞(『かぞくのくに』)、助演女優賞(『愛と誠』『その夜の侍』ほか)のW受賞を達成。昨年は実姉の安藤桃子がメガホンを握った『0.5ミリ』でも優秀主演女優賞を受賞したが、今年ついに最優秀賞主演女優賞受賞となった。安藤さんは本作の撮影を振り返り「2週間での撮影というのが悔しくて、みんな『やってやるぜ!』という気持ちでした」と述懐。映画では、30代になっても自堕落な生活を送っていたが、あるきっかけでボクシングに打ち込んでいく主人公・一子を演じている。オーディションでこの役を勝ち取った安藤さんは「彼女のようになりたかった」と語り、短期間での過酷な肉体改造についても赤裸々に語った。そして、プレゼンターの岡田准一から、最優秀賞受賞者として自身の名が読み上げられると、安藤さんは信じられないという表情を見せ「驚いてます!びっくりして…ジワジワと心臓が出てきちゃいそう!」と驚きを口にした。『百円の恋』は最優秀脚本賞(足立紳)も受賞。小規模公開の低予算作品の主要部門での2冠に会場は、称賛の拍手に包まれた。会場内の同作のテーブルには新井浩文(優秀助演男優賞)、武正晴監督(優秀監督賞)も同席していたが新井さんは脚本、主演女優部門での最優秀受賞について、テーブルで「絶対にない!」と語っていたそうで、最優秀脚本賞で名前を呼ばれた足立さんは「新井さんは『絶対にありませんから』と言ってたんですが、1ミリくらい期待していて…メッチャ嬉しいです」と喜びを口にした。安藤さんも、壇上でトロフィーを受け取ったのち、新井さんの発言に言及し「新井くんが『ないと思うけど、サクラが獲ったら、ウチ泣いちゃうよ』と言ってたのに、全然泣いてない!」と、壇上からツッコミ。改めて「思い出されるのは、数館から始まって口コミで上映館が増えて、みなさんに会いたくていろんなところに行かせていただいたこと。見ていただいた方のエネルギーや熱気を劇場に入った時に感じました。ジワジワとエネルギーが繋がって、こんなところにまで来られるようになった映画に参加できたことを嬉しく思います」と感激の面持ちで語った。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百円の恋 2014年12月20日より全国にて公開(C) 2014 東映ビデオ
2016年03月05日第39回日本アカデミー賞の授賞式が4日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、『海街diary』が作品賞、監督賞、照明賞、撮影賞の4部門で最優秀賞を受賞。是枝裕和監督と綾瀬はるから出演女優陣が登壇し、受賞の喜びを語った。『海街diary』は、鎌倉の一軒家で暮らす3人の姉妹と、腹違いの末っ子が家族になっていく姿を描いた作品。優秀主演女優に長女役の綾瀬はるか、優秀助演女優賞に次女役の長澤まさみと三女役の夏帆、新人俳優賞に四女役の広瀬すずと、姉妹そろっての受賞が話題となっていた。是枝監督は、「すごく長い時間をかけて撮影させていただいた、お金を出していただいたプロデューサーの方々にも本当に感謝しています」と関係者の貢献に言及。撮影は実在する鎌倉の民家を借りて1年を通して行われたため、「あの家がなかったら多分撮れなかった映画だと思います」と振り返った。一方の綾瀬は、「本当にうれしいです。みんなで一つになって作ったものを多くの方々に見ていただけたことが、何よりありがたいと思っています」と笑顔を見せ、続く姉妹たちも「同世代の女優さんと共演する機会はなかなか少ないなと思っていて、一緒に現場にいることで、自分の未熟さも感じられて、頑張らないとと勇気をもらえました」(長澤)、「ここにみんなで立てることが本当に嬉しいです」(夏帆)と喜びを伝えた。末っ子役の広瀬は感極まった様子で「この空間にいるのがすごく、鳥肌が立ちっぱなしなんですが」と前置き。「お姉さんたちのような女優さんになれるように、追いかけ続けられるように頑張ります」と今後の目標を話すと、司会を務めていた西田敏行も優しい声で「すずちゃん、頑張ってね」と声をかけていた。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『海街diary』監督賞…是枝裕和(『海街diary』)主演男優賞…二宮和也(『母と暮せば』)主演女優賞…安藤サクラ(『百円の恋』)助演男優賞…(本木雅弘『日本のいちばん長い日』)助演女優賞…黒木華(『母と暮せば』)アニメーション作品賞…『バケモノの子』脚本賞…足立紳(『百円の恋』)音楽賞…サカナクション(『バクマン。』)編集賞…大関泰幸(『バクマン。』)録音賞…松陰信彦(『海難1890』)照明賞…藤井稔恭(『海街diary』)撮影賞…瀧本幹也(『海街diary』)美術賞…花谷秀文(『海難1890』)外国作品賞…『アメリカン・スナイパー』■これまでの最優秀作品賞第38回…『永遠の0』第37回…『舟を編む』第36回…『桐島、部活やめるってよ』第35回…『八日目の蝉』第34回…『告白』第33回…『沈まぬ太陽』第32回…『おくりびと』第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』第30回…『フラガール』第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』第28回…『半落ち』第27回…『壬生義士伝』第26回…『たそがれ清兵衛』第25回…『千と千尋の神隠し』第24回…『雨あがる』第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』第22回…『愛を乞うひと』第21回…『もののけ姫』第20回…『Shall we ダンス?』第19回…『午後の遺言状』第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』第17回…『学校』第16回…『シコふんじゃった。』第15回…『息子』第14回…『少年時代』第13回…『黒い雨』第12回…『敦煌』第11回…『マルサの女』第10回…『火宅の人』第9回…『花いちもんめ』第8回…『お葬式』第7回…『楢山節考』第6回…『蒲田行進曲』第5回…『駅 STATION』第4回…『ツィゴイネルワイゼン』第3回…『復讐するは我にあり』第2回…『事件』第1回…『幸福の黄色いハンカチ』
2016年03月05日第39回日本アカデミー賞において、安藤サクラが『百円の恋』で最優秀主演女優賞を獲得!本作は超低予算で制作され、わずかな館数での公開で始まったが、主演女優賞に加え、最優秀脚本賞(足立紳)にも輝き、今回の授賞式で大旋風を巻き起こした。優秀主演女優賞には『海街diary』での長女役が絶賛された綾瀬はるか、『ビリギャル』の有村架純、『あん』の樹木希林、『母と暮せば』の吉永小百合と若手からベテランまで多彩な顔ぶれが並んだが、予算規模も最小、撮影期間もわずか2週間の『百円の恋』で存在感を見せつけた安藤さんが最優秀賞を受賞した。安藤さんは2013年に「第86回キネマ旬報ベスト・テン」で史上初の、主演女優賞(『かぞくのくに』)、助演女優賞(『愛と誠』『その夜の侍』ほか)のW受賞を達成。昨年は実姉の安藤桃子がメガホンを握った『0.5ミリ』でも優秀主演女優賞を受賞したが、今年ついに最優秀賞主演女優賞受賞となった。安藤さんは本作の撮影を振り返り「2週間での撮影というのが悔しくて、みんな『やってやるぜ!』という気持ちでした」と述懐。映画では、30代になっても自堕落な生活を送っていたが、あるきっかけでボクシングに打ち込んでいく主人公・一子を演じている。オーディションでこの役を勝ち取った安藤さんは「彼女のようになりたかった」と語り、短期間での過酷な肉体改造についても赤裸々に語った。そして、プレゼンターの岡田准一から、最優秀賞受賞者として自身の名が読み上げられると、安藤さんは信じられないという表情を見せ「驚いてます!びっくりして…ジワジワと心臓が出てきちゃいそう!」と驚きを口にした。『百円の恋』は最優秀脚本賞(足立紳)も受賞。小規模公開の低予算作品の主要部門での2冠に会場は、称賛の拍手に包まれた。会場内の同作のテーブルには新井浩文(優秀助演男優賞)、武正晴監督(優秀監督賞)も同席していたが新井さんは脚本、主演女優部門での最優秀受賞について、テーブルで「絶対にない!」と語っていたそうで、最優秀脚本賞で名前を呼ばれた足立さんは「新井さんは『絶対にありませんから』と言ってたんですが、1ミリくらい期待していて…メッチャ嬉しいです」と喜びを口にした。安藤さんも、壇上でトロフィーを受け取ったのち、新井さんの発言に言及し「新井くんが『ないと思うけど、サクラが獲ったら、ウチ泣いちゃうよ』と言ってたのに、全然泣いてない!」と、壇上からツッコミ。改めて「思い出されるのは、数館から始まって口コミで上映館が増えて、みなさんに会いたくていろんなところに行かせていただいたこと。見ていただいた方のエネルギーや熱気を劇場に入った時に感じました。ジワジワとエネルギーが繋がって、こんなところにまで来られるようになった映画に参加できたことを嬉しく思います」と感激の面持ちで語った。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百円の恋 2014年12月20日より全国にて公開(C) 2014 東映ビデオ
2016年03月04日ももいろクローバーZが、「第39回日本アカデミー賞」で話題賞の俳優部門に選ばれた。話題賞は日本アカデミー賞で唯一、一般投票によって選ばれる賞で、総投票数4万7,014通。結果はニッポン放送のラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00~)内で発表された。映画『幕が上がる』で5人そろって主演を務めたももクロ。劇作家・平田オリザ氏の小説デビュー作となる同名作を原作に、本広克行監督がメガホンをとった。地方高校の演劇部の生徒たちをメンバーが演じ、彼女たちが全国大会を目指す青春模様を描いている。また、作品部門には『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を目指す漫画家を佐藤健、神木隆之介が演じた『バクマン。』が選出された。監督・脚本を『モテキ』の大根仁氏が務め、『オールナイトニッポン』のヤングリスナーから高い支持を得たという。3月4日に行われる日本アカデミー賞授賞式では、『永遠の0』で前回の話題賞・俳優部門を受賞した岡田准一がプレゼンターとなり、受賞者への贈賞を予定。岡田は2002年に大根監督演出のドラマ『TEXAS』(フジテレビ『演技者。』内で放送)にも出演しており、注目を集めている。また、ニッポン放送では同日、授賞式の模様を『オールナイトニッポンGOLD 第39回日本アカデミー賞スペシャル』(22:00~24:00)として放送する。(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
2016年02月12日第43回アニー賞が6日(現地時間)に発表され、最多14部門でノミネートされた『インサイド・ヘッド』が最優秀作品賞、監督賞、脚本賞など10部門で受賞を果たした。日本から『バケモノの子』と『思い出のマーニー』がノミネートされていたインディペンデント長編作品賞はブラジルのアレ・アヴレウ監督の『父を探して』(3月公開)が受賞した。今年は『火垂るの墓』『かぐや姫の物語』の高畑勲監督が功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を贈られた。実写映画におけるアニメーション映像に対する賞では、最優秀キャラクター・アニメーション賞を『レヴェナント:蘇えりし者』が受賞、最優秀視覚効果賞を『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が受賞した。映画部門最優秀長編作品賞:『インサイド・ヘッド』最優秀長編作品賞(インディペンデント):『父を探して』監督賞:ピート・ドクター(『インサイド・ヘッド』)脚本賞:ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー(『インサイド・ヘッド』)編集賞:『インサイド・ヘッド』視覚効果賞:『アーロと少年』音楽賞:『インサイド・ヘッド』キャラクター・アニメーション賞:『インサイド・ヘッド』美術賞:『インサイドヘッド』キャラクター・デザイン賞:『インサイド・ヘッド』絵コンテ賞:『インサイド・ヘッド』ヴォイス・キャスト賞:フィリス・スミス(『インサイド・ヘッド』)キャラクター・アニメーション賞(実写映画):『レヴェナント:蘇えりし者』視覚効果賞(実写映画):『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ウィンザー・マッケイ賞:ジョー・ランフト、フィル・ローマン、高畑勲(text:Yuki Tominaga)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 2015年7月4日より全国にて公開(C) Marvel 2015
2016年02月07日“アニメーション界のアカデミー賞”といわれるアニー賞のセレモニーが現地時間2月6日に行われ、『インサイド・ヘッド』が作品賞に輝いた。監督賞をはじめ3部門へのノミネートを果たしたジブリ作品『思い出のマーニー』は惜しくも受賞を逃す結果となった。2015年5月より、英題『When Marnie Was There』としてニューヨーク、ロサンゼルスを皮切りに全米公開された『思い出のマーニー』。本作では、イギリスの作家ジョーン・ロビンソンによる同名児童文学を原作に、海辺に暮らす親せきに預けられることになった少女・杏奈と、海辺に佇む“湿っ地屋敷”に暮らす金髪の少女・マーニーがひと夏を過ごし、ある秘密を分かち合う姿を描く。本作は第43回アニー賞の最優秀監督賞、最優秀脚本賞、インディペンデント作品賞にノミネートされていた。同じくインディペンデント賞へのノミネートを果たした細田守監督『バケモノの子』(『The Boy and the Beast』/英題)も受賞には至らなかった。『思い出のマーニー』は2月28日(現地時間)に開催される第88回アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされており、同賞での受賞に期待がかかる。(text:cinemacafe.net)■関連作品:思い出のマーニー 2014年7月19日より全国東宝系にて公開(C) 2014 GNDHDDTK
2016年02月07日ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ズートピア』に登場する楽曲『トライ・エヴリシング』のミュージックビデオが公開になった。世界的に人気のシャキーラが演じるポップスター、ガゼルが歌っている楽曲で、映像にはワクワクする劇中映像もたっぷり登場する。『ズートピア』ミュージックビデオ映画の舞台になっているズートピアは様々な動物たちが共に暮らすことができる理想のハイテク都市で、そこには都会もあれば田舎町もあり、人間と同じようにスマートフォンを片手に仕事に出かけ、電車に乗り、ポップソングが流行している。そんなズートピアで絶対的な人気を誇るセクシーなミュージシャンがガゼルだ。映像ではシャキーラのメッセージ映像と、映画の映像を使ったミュージックビデオが登場する。本作の主人公ジュディもこの曲の大ファンだ。彼女はウサギで初めて警官になった女性で、サイやゾウなどの大きな動物に囲まれながら、一人前の警官になる夢を追いかけており、歌にこめられた「失敗したって、何度でも頑張る」というメッセージがジュディを元気づけているようだ。ディズニー・アニメーションに登場する楽曲は、映画の枠を超えて愛され続けるものが多く、『トライ・エヴリシング』も今後、様々な場所で耳にすることになりそうだ。『ズートピア』4月23日(土) 全国ロードショー
2016年02月05日『ノーカントリー』でアカデミー賞「作品賞」など4冠を獲得し、カンヌ国際映画祭「監督賞」を3度も受賞したイーサン&ジョエル・コーエン兄弟。本年度アカデミー賞でも脚本を手がけた『ブリッジ・オブ・スパイ』が「脚本賞」「作品賞」などにノミネートされている彼らの華麗なる集大成ともいうべき最新作「Hail,Caesar!」(原題)が、『ヘイル、シーザー!』として5月に公開されることが決定。ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら超豪華スターたちが競演する場面写真も到着した。本作の舞台は、1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、なんと主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!スタジオが大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、“最高にゴージャスな大捜査”が幕を開ける!?古き良き(?)ハリウッド全盛期を舞台に、スタジオの何でも屋が個性あふれるスターたちを巻き込んで、世界的スターの誘拐事件解決に挑むサスペンス・コメディとなる本作。2月11日(現地時間)から開催される第66回ベルリン国際映画祭のオープニング上映にも決定している。世界三大映画祭の1つとなるベルリンのオープニングといえば、これまで、コーエン兄弟が監督・脚本を務めた『トゥルー・グリット』や本作同様に豪華キャスト共演の『グランド・ブダペスト・ホテル』といった、その年のアカデミー賞にも直結する超話題作が選出されることでも有名。本作も、コーエン兄弟最高傑作と名高い『ファーゴ』や『ノーカントリー』を彷彿とさせる“突然消えた人物を探す”サスペンスあふれる展開がベースとなりながら、『ビッグ・リボウスキ』や『オー・ブラザー!』で魅せた独特のブラックユーモア満載のコメディ要素を合わせ持ち、何よりも心に訴えかけるドラマティックなエンディングは、『トゥルー・グリット』や『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』を想起させ、まさに “集大成”というにふさわしい1本となっている。個性的なキャラクターを見事に演じ切るのは、コーエン兄弟常連のジョシュ・ブローリンや、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムなど、ハリウッドの主役級スターからアカデミー賞常連の名優まで、コーエン兄弟だからこそ実現できた豪華スターたち。また、コーエン兄弟としても新たな試みとなった、このスターたちが体を張って唄って踊る、華やかなミュージカルシーンも必見だ。『ヘイル、シーザー!』は5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月01日1月30日(現地時間)、第22回全米映画俳優組合(SAG)賞が発表になり、映画部門の作品賞にあたるキャスト賞を『スポットライト世紀のスクープ』が受賞した。4月に日本公開予定の『スポットライト世紀のスクープ』は、アメリカの「ボストン・グローブ」紙がカトリック教会で起きていた性的虐待の実態を暴いた実話を映画化した社会派ドラマ。「スポットライト」と題された特集記事を担当する記者たちを演じたブライアン・ダーシー・ジェームズ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、弁護士を演じたビリー・クラダップとスタンリー・トゥッチが受賞した。主演男優賞はレオナルド・ディカプリオが『レヴェナント:蘇えりし者』で受賞。主演女優賞に輝いた『ルーム』のブリー・ラーソンとともに2月28日(現地時間)発表の第88回アカデミー賞での主演賞受賞に王手をかけた。SAG賞に投票する映画俳優組合員は、アカデミー賞で投票権を持つアカデミー会員と顔ぶれが重なることが多く、アカデミー賞の俳優賞と授賞結果がしばしば一致する。助演男優賞に輝いたのは『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のイドリス・エルバ。アカデミー賞候補にはならなかったものの、今回「刑事ジョン・ルーサー」でTV部門のTV映画・ミニシリーズ男優賞も受賞している。助演女優賞は『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが受賞、彼女もオスカー受賞にまた一歩近づいた。映画スタント・アンサンブル賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が受賞した。今年はアカデミー賞の俳優部門の候補者が全員白人で、多様性に欠けるという批判が寄せられ、ウィル・スミス夫妻やスパイク・リー監督が授賞式のボイコットを表明しているが、SAG賞ではイドリスのほかに、TV映画・ミニシリーズ女優賞をクイーン・ラティファ(「BESSIE/ブルースの女王」)、TV部門ドラマシリーズ女優賞をヴィオラ・デイヴィス(「How to Get Away with Murder」原題)、同コメディシリーズ女優賞をウゾ・アドゥバ(「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」)、と計4人のアフリカ系俳優が受賞した。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月01日カンヌ国際映画祭を始めとする世界の映画賞42部門ノミネート13部門受賞の快挙を果たし、本年度アカデミー賞主題歌賞にノミネートとなった映画『YOUTH』(原題)が邦題『グランドフィナーレ』として、4月16日(土)より公開されることが決定。併せて、本作のポスタービジュアルが解禁となった。世界的にその名を知られる、英国人音楽家フレッド(マイケル・ケイン)。今では作曲も指揮も引退し、ハリウッドスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っている。長年の親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)も一緒だが、現役にこだわり続ける彼は、若いスタッフたちと新作の構想に没頭中だ。そんな中、英国女王から出演依頼が舞い込むが、なぜか頑なに断るフレッド。その理由は、娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠している、妻とのある秘密にあった──。『グレート・ビューティ/追憶のローマ』でアカデミー賞外国語映画賞に輝いたイタリアの奇才パオロ・ソレンティーノがメガホンを握り、観る者を陶酔へと誘う壮麗な映像美で、引退した音楽家がキャリアの最後に大輪の花を咲かせるべく人生のすべてを賭けて大舞台に挑むまでの愛と葛藤を描く本作。主人公の音楽家・アルフレッドには『ハンナとその姉妹』『インターステラー』など数々の映画に出演する名優マイケル・ケイン。また彼の娘に『ナイロビの蜂』『ボーン・レガシー』のレイチェル・ワイズ、親友の映画監督には『天使にラブ・ソングを…』『スモーク』のハーヴェイ・カイテル、人気俳優役を『ルビー・スパークス』『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』のポール・ダノが好演。さらに圧巻の演技を魅せた大女優ジェーン・フォンダは、本作でゴールデン・グローブ助演女優賞にノミネートされた。本年度アカデミー賞にノミネートされた主題歌「シンプル・ソング」を始め、ストラヴィンスキーやドビュッシーなどの名曲が彩る本作。ゴージャスでエレガントな非日常の世界の先には、どんなフィナーレが待ち受けているのか――公開を楽しみに待ちたい。『グランドフィナーレ』は4月16日(土)より新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月27日2015年9月に公開されたアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』が、第39回日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞を受賞した。各部門の最優秀賞は、3月4日に発表される。本作は、長井龍雪監督、脚本の岡田麿里氏、キャラクターデザインの田中将賀氏が『とらドラ!』(08~09年)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)シリーズに続いて、再びタッグを組んで製作されたオリジナルアニメ作品。『あの花』と同じく秩父を舞台に、幼少時のトラウマからうまく言葉が話せなくなった主人公・成瀬順(水瀬いのり)ら高校生を中心として心の傷や葛藤など、自分自身の姿に真正面から向き合いながら、人と人との絆などを描いた。昨年、全国142の劇場で公開されると、累計興行収入11億2,000万円、累計動員82万人を記録。第19回文化庁メディア芸術祭"アニメーション"部門に、審査委員会推薦作品としても選出された。TVシリーズ発ではない、完全オリジナル劇場用アニメ作品が興収10億円を超えるのは、スタジオジブリ作品(『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』など)、大友克洋監督作品の『スチームボーイ』、細田守監督作品(『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』など)に次ぐ快挙となった。3月30日には、ブルーレイおよびDVDのリリースも決定。完全生産限定版(BDは8,500円/DVDは7,500円)と本編ディスクのみの通常版(BDは5,500円/DVDは4,500円)で発売され、限定版には、昨年放送された公開記念特番や初日舞台あいさつの模様を収録した特典ディスクや総作画監督修正集など掲載の特製ブックレット、劇場パンフレットの縮小版などが付属する(価格はいずれも、税別)。(C)KOKOSAKE PROJECT
2016年01月19日放送映画批評家協会賞が発表され、『スポットライト世紀のスクープ』が作品賞に選ばれた。その他の画像主演男優賞は『レヴェナント蘇りし者』のレオナルド・ディカプリオ、主演女優賞は『ルーム』のブリー・ラーソンが受賞した。主な受賞結果は、以下のとおり。作品賞:『スポットライト世紀のスクープ』主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ(『レヴェナント』)主演女優賞:ブリー・ラーソン(『ルーム』)監督賞:ジョージ・ミラー(『マッドマックス怒りのデス・ロード』)コメディ作品賞:『マネー・ショート華麗なる大逆転』コメディ男優賞:クリスチャン・ベール(『マネー・ショート』)コメディ・女優賞:エイミー・シューマー(『Trainwreck』)助演男優賞:シルベスター・スタローン(『クリード/チャンプを継ぐ男』)助演女優賞:アリシア・ヴィキャンダル(『リリーのすべて』)脚本賞:『スポットライト』脚色賞:『マネー・ショート』アンサンブル演技賞:『スポットライト』アニメ映画賞:『インサイド・ヘッド』
2016年01月19日1月18日(月)、「第39回日本アカデミー賞」優秀賞が発表され、『海街diary』が作品賞をはじめ最多12部門を受賞。主演女優賞に綾瀬はるか、助演女優賞に長澤まさみと夏帆、新人俳優賞に広瀬すずとメインキャスト4人がみな受賞を果たしたことが分かった。そのほか作品賞を『海難1890』、『日本のいちばん長い日』、『母と暮せば』、『百円の恋』が受賞した。同賞は、2014年12月14日~2015年12月15日の間に、東京地区において有料で初公開された優秀な劇場用映画およびアニメーション作品を表彰したもの。授賞式の女性司会者は、前年の最優秀主演女優賞を獲得した女優が務めるのが恒例となっており、今年は昨年、『紙の月』で最優秀主演女優賞を受賞した宮沢りえが、西田敏行とともに司会を務める。今回も作品賞には昨年を代表する邦画5作品が選出。吉田秋生の人気漫画の実写化で、鎌倉に暮らす3姉妹の元に腹違いの妹がやってきて、一緒に暮らし始めての1年を描いた『海街diary』は、作品賞をはじめ12部門を受賞。メインキャストの4人がそれぞれ主演女優賞、助演女優賞、新人俳優賞に輝いており、是枝裕和監督が監督署と脚本賞を受賞。菅野よう子が音楽賞、そのほか撮影賞や照明賞などにも輝いた。役所広司、松坂桃李ら実力派俳優たちが勢揃いした『日本のいちばん長い日』。半藤一利氏のノンフィクションを映画化した歴史超大作で、戦争完遂か降伏かの決断を迫られる阿南惟幾陸軍大臣の苦悩を軸に、日本の未来を案じ、身をていした人々のドラマを通して、「終戦前夜、日本で何が起こったのか」に迫る。本作で役所さんは主演男優賞を受賞。昭和天皇の玉音放送を見事に再現した本木雅弘は助演男優賞を受賞した。また原田眞人監督は監督賞と脚本賞をW受賞している。二宮和也と吉永小百合の初共演で話題をよんだ『母と暮せば』。山田洋次監督通算83作品目にして初めてのファンタジー作品。敗戦から3年、長崎で助産婦をして暮らす伸子の元に原爆で亡くなった息子の浩二が亡霊となって現れ、2人の奇妙な暮らしを通じ、大切な人を失った遺族の悲しみ、戦争の傷から立ち直ろうとする人々の姿が描かれる。本作は作品賞とともに、二宮さん、吉永さんがそれぞれ主演男優・女優賞を受賞。昨年、最優秀主演男優賞に輝いた事務所の先輩・岡田准一のあとに、二宮さんが続くことになるのか注目が集まる。そして、安藤サクラ主演の『百円の恋』。自堕落に暮らしてきた主人公の一子が、勤め先の100円ショップの常連客である中年ボクサーとの出会いに触発され、自らもボクサーになることを決意し奮闘するさまが描き出される。安藤さんは主演女優賞を受賞。共演の新井浩文は助演男優賞に輝いている。日本トルコ合作映画として大きな注目を集めた『海難1890』。125年前に串本町樫野崎沖で遭難したトルコ軍艦の乗組員を現地の人々が救助、治療をし、彼らの命を救った「エルトゥールル号海難事故」と、その95年後に戦禍のテヘランで取り残された日本人たちをトルコ機が救出した「イラン・テヘラン在留邦人救出劇」という二つの史実が題材となっている。主演の内野聖陽は、本作で主演男優賞を受賞した。各賞の最優秀賞の発表、授賞式は3月4日(金)16時よりグランドプリンスホテル新高輪にて開催。【第39回日本アカデミー賞優秀賞/受賞結果一覧】<優秀作品賞>■『海街diary』■『海難1890』■『日本のいちばん長い日』■『母と暮せば』■『百円の恋』<優秀主演男優賞>■内野聖陽:『海難1890』■大泉洋:『駆込み女と駆出し男』■佐藤浩市:『起終点駅ターミナル』■二宮和也:『母と暮せば』■役所広司:『日本のいちばん長い日』<優秀主演女優賞>■綾瀬はるか:『海街diary』■有村架純:『映画ビリギャル』■安藤サクラ:『百円の恋』■樹木希林:『あん』■吉永小百合:『母と暮せば』<優秀助演男優賞>■浅野忠信:『母と暮せば』■新井浩文:『百円の恋』■伊藤淳史:『映画ビリギャル』■染谷将太:『バクマン。』■本木雅弘:『天空の蜂』■本木雅弘:『日本のいちばん長い日』<優秀助演女優賞>■夏帆:『海街daily』■黒木華:『母と暮せば』■長澤まさみ:『海街daily』■満島ひかり:『駆込み女と駆出し男』■吉田羊:『映画ビリギャル』<優秀アニメーション作品賞>■『心が叫びたがってるんだ。』■『百日紅~MISS HOKUSAI~』■『ドラゴンボールZ復活の「F」』■『バケモノの子』■『ラブライブ!The School Idol Movie』<優秀監督賞>■大根仁:『バクマン。』■是枝裕和:『海街diary』■武正晴:『百円の恋』■田中光敏:『海難1890』■原田眞人:『日本のいちばん長い日』<優秀脚本賞>■足立紳:『百円の恋』■小松江里子:『海難1890』■是枝裕和:『海街daily』■原田眞人:『日本のいちばん長い日』■山田洋次/平松恵美子:『母と暮せば』<優秀外国作品賞>■『アメリカン・スナイパー』■『キングスマン』■『セッション』■『マッドマックス 怒りのデス・ロード』■『007スペクター』<新人俳優賞>■有村架純:『映画ビリギャル』■土屋太鳳:『orange-オレンジ-』■広瀬すず:『海街diary』■藤野涼子:『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』■藤原篤:『恋人たち』■野田洋次郎:『トイレのピエタ』■山崎賢人:『orange-オレンジ-』『ヒロイン失格』■山田涼介:『映画暗殺教室』<優秀音楽賞>■大島ミチル:『海難1890』■菅野よう子:『海街diary』■サカナクション:『バクマン。』■富貴晴美:『日本のいちばん長い日』■安川午朗:『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(text:cinemacafe.net)
2016年01月18日