誰もが知るシェイクスピアの名作悲劇のヒロイン、ジュリエットの生家に世界中から届く恋の悩みを綴った手紙。その数は年に5千通を超えると言われるが、その中の1通に隠されたある愛を描いた『ジュリエットへの手紙』がまもなく公開となる。50年前にジュリエット宛てに書かれた手紙を見つけ、その愛の軌跡をたどるソフィ役のアマンダ・セイフライド、その手紙を綴ったクレアを演じるヴァネッサ・レッドグレイブをはじめ、世界中から届けられる手紙さながら、各国の名優たちが本作のために集結。クレアの半世紀にわたる愛の相手役・ロレンツォを演じるのはプライベートでもヴァネッサの伴侶であるフランコ・ネロ。一方、アマンダ演じるソフィと新たに“家族”になろうとするヴィクターを演じているのはガエル・ガルシア・ベルナル。公開を前にガエルがアマンダとの共演やイタリアでの撮影について語ってくれた。女の子からはツッコミが入りそうだがガエルは共感?本作でガエルが演じるのは、料理人であり自身の店のオープンを控え、婚約者のソフィと共にイタリアへやってきたヴィクター。プレ・ハネムーンの気分もどこへやら、開店間近のレストランのために忙しく動き回るヴィクターを尻目に、ソフィがジュリエットの家を訪れたことから物語が動き出す…つまり、彼のせいで50年におよぶ愛が動き出したとも言えるわけだ。ガエル自身は、このヴィクターという役柄がたいそう気に入っている様子。「彼はとても現実的で細かい人間なんだよ。料理をほかの何よりも愛している。料理との関係性を愛しているし、それを誰かと共有したいんだ。特に自分の彼女とね。とても具体的な役柄さ。そして僕は、具体的な役柄ってのがすごく好きなんだ。とても生々しいっていうのかな…そういう役なんだよ」。でも「共有したい」という思いと裏腹に、夢にひとりでのめりこみがちなヴィクター。しっかりとソフィを見ておかないと…と口出ししたくなるが、ガエルはそんな彼をこう“弁護”する。「2人は同じ“時間”を共有できていない。それには色々な理由があるけれど…。状況がまた変わっていたら、きっとソフィもヴィクターの夢について理解できただろうし、お互いを共有できたと思う。でも、この映画の中のタイミングでは彼らは同じ“時間”を共有できていないんだよ」。いまでは一児のパパとなったガエルだが、実は彼自身も仕事にのめりこんだら意外と周りが見えなくなるタイプなのかも…?「ストレスが溜まってもアマンダが助けてくれる(笑)」一回り、とは言わないまでも7つ年の離れたアマンダとの共演をかなり楽しんだようで彼女のプロ意識や人柄を絶賛する。「彼女はとっても楽しい人だよ。とても素敵で、気さくで同時にプロ意識が高くて。役者としてとても協力的なんだ。何て言うのかな…役者としての役割のひとつには、共演する役者に対して信頼を寄せられるかどうかってことがあるんだけど、この映画では彼女を含め全ての役者がその役をまっとうしているのさ。みんな周りのことをケアして、最高の作品を作ろうって努力している。アマンダは、出会ってすぐにその信頼できる関係性を作ることができるんだ。みんなのストレスが溜まったときに、彼女が助けてくれるって思える人だよ」。俳優としてハリウッド大作から文芸作品まで数多く出演し、幅広い活躍を見せるガエル。加えて、親友のディエゴ・ルナやパブロ・クルスと共に映画製作会社を設立し、2007年には『太陽のかけら』で映画監督デビューを果たしている。だが、彼自身の“天秤”は俳優の方に傾いているようで…。「監督をうらやましいと思うことはあまりないかな。だって役者のようにたくさんの人生を演じることができないからさ。僕は役者のそういうところが好きなんだ、たくさんの人の人生を、役を通して生きることができる。まぁ…たまにはストーリーを作ったり、伝えたりする監督になってみたい気もするけどね」。やりたいことをとことん追いかける男。そんな男だから女は惚れるわけだが、恋人への愛と夢の天秤を注意深く見つめることも必要…。50年の愛の軌跡を追う中で、アマンダとガエルの関係から案外、“現在”の自分の立ち位置が見えてくるかも?※ガエルのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ジュリエットからの手紙 2011年5月14日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.■関連記事:南野陽子、アイドルだから恋についての質問は「恥ずかしい!」50年前の初恋を捜す旅『ジュリエットからの手紙』試写会に10組20名様ご招待一通の手紙が導く50年ぶりの初恋探し『ジュリエットからの手紙』のポスター画像解禁
2011年05月09日ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが惚れ込み、揃って製作総指揮に名を連ねた映画『闇の列車 光の旅』。中南米・ホンジュラスから“夢の国”アメリカを目指し、列車で危険な旅をする移民たちを題材に、移民の少女とギャングとして列車に乗り込んだ少年の美しく、そして切ないドラマが展開する。監督を務めたのは32歳の新鋭キャリー・ジョージ・フクナガ。日本人の血を引き、カリフォルニアで生まれ育った彼が、なぜ移民を扱ったこの作品でデビューを飾ることになったのか?サンダンス映画祭では見事、監督賞を受賞した本作について話を聞いた。学生時代から短編映画を撮っていたというフクナガ監督。現実に起こったニュースを題材に短編映画を撮ろうとリサーチしていたときに、この中南米の移民の現実に出会ったという。「彼らは貨物列車に乗ってメキシコを通過し、アメリカを目指すわけだが、その間、あらゆる危険に直面する。盗賊、ギャング、そして警察に自然環境。僕が聞いたこともないようなことばかりで強い興味を持ったんだ。それに、画としても“列車”は古きよき時代を思わせる。僕にすれば、この題材でまだ誰も映画を撮っていないということが信じられないほどだったよ」。実際に、映画制作に当たっては様々なリサーチを敢行した。「まずは学術的な調査から入り」、その後、実際に列車に乗り込んだという。「旅に出るごとに新たな発見があった。移民の人々と時間を共有し、理解し、彼らが自分の人生について話してくれる内容に耳を傾けたよ。そして、リサーチのほかに学んだことは、罪の意識だ。僕はリサーチが終われば、みんなを列車に残し、メキシコのどこかほかのところで執筆作業をするか、ミーティングなどのために去っていかなければならない。2〜3日を一緒に過ごした彼らは僕と別れて、自分たちの旅を続けなければならない。彼らは先へと進み、僕たちはもう二度と会うことはない。それはとても難しいことだった。なぜなら、僕には彼らがその先、もっと多くの困難に出くわすであろうことが分かっていたから。僕自身はまた元の生活に戻るだけだった」。監督はほんの短い時間であれ、共に旅をした人々に思いを馳せ、こう続ける。「(彼らが映画を)誇りを感じる必要はないけれど、もし、仲間の誰かが僕を覚えていて、映画を観て、旅を思い出してくれることがあればとても嬉しいね。彼らともう一度会えたら、それはとても特別なことだよ。でも、僕は目標を掲げてこの映画を作ったわけではないんだ。この映画とはずっと長い間共存してきた。かれこれ5年になるかな。自分と切り離して考えることはできない。この経験にどんな意味があったのかを悟るまでには、あと5年、10年はかかるような気がする。最初に作った長編映画というだけでなく、移民の人たちと一緒に長い旅を経験したし、長期間に渡ってこの題材にのめり込んでいたっていうことも含めてね」。ギャングとして列車に乗り込むも、少女を暴行しようとしたリーダーを殺してしまい、組織から追われることになる少年・ウィリーを演じたエドガー・フローレスは映画初出演。「(エドガーにとっては)辛かったと思うよ。国を離れるのも初めてなら、飛行機も初めてだし、こんな責任がのしかかってくるのも初めてだった。まだ若いし、子供みたいな19歳で、時々キレたりしたので、プロデューサーや僕がエドガーのトレイラーに行って、一緒に腰を降ろしていろいろ助言してやる必要があった。規律を教え込んだりね。すると、エドガーはちょっと泣いちゃったりしてね(笑)。彼はいろんなことで泣くんだ。熱血漢で熱いヤツだからね。ものすごく緊張していて…でも、心は優しい子なんだ」。劇中、エドガー演じるウィリーと少女・セイラ(ポリーナ・ガイタン)が徐々に親密になっていくが…。「うん、エドガーは実際にポリーナのことが好きだったんだと思うよ(笑)。それも助けになったんじゃないかな。2人とも、自分の役柄と共通点がいっぱいあって、それもまたリアリズムを与えていた。ポリーナは、セイラに似た経験をしているし、エドガーは路上生活がどういうものか知っている。2人が演じたことは、実際の経験からかけ離れたものではないんだ」。さらに、監督の中に流れる日本の血、日系人としてのアイデンティティについても聞いてみた。「(日系人のアイデンティティを)確かに感じるよ。僕の家族にはしきたりがあって、それはきっと日本的な古風なものなんだと思う。例えば、僕は新年を必ず家族と一緒に祝うんだ。ガレージで餅つきをしたり、てんぷらを揚げたりとかしてね。仏教的な行事もやっている。僕の祖母が最近亡くなったんだけど、仏教的な儀式が家の中ですぐに始まって、みんなが出席した。カリフォルニアでは、日系の家族の絆はとても強いんだ。それから、21歳のときに半年ほど日本で暮らしたことがあるんだ。北海道でスノーボーディングをするためにね。日本での暮らしはとても気に入ったんだけど、同時に、日本的とはどういうことなのか?という意味で、自分と日本で生まれ育った人たちとの違いを知った。アメリカ育ちの僕には全然分からない(苦笑)、たくさんのデリケートなルールがあるから。でも、文化的には、自分は何よりも、第一に日本人的であると思いたい。特にどんなことが、というのは分からないんだけど…苗字は日本人だよね?」いつの日か日本で、もしくは日本についての映画を撮りたいか?と尋ねると「もちろん!」と即答してくれたフクナガ監督。その日を待ちつつ、まずは彼が切り取った移民の現実、そしてそこからすくい上げた“希望”に目を凝らしてほしい。■関連作品:闇の列車、光の旅 2010年6月19日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
2010年06月18日ラテン映画界の貴公子、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが7年ぶりに共演し、親友ならではの息の合ったテンポで“ダメ兄弟”を演じる生粋のメキシコ映画『ルド and クルシ』が2月20日(土)より公開される。本作で、甘いマスクと高い演技力でファンを魅了するガエルがなんと歌手デビューを果たしている!ガエルが演じるのは、歌手になることを夢見るも、ひょんなことからサッカーのスター選手になり、ついでに歌手デビューも果たしてしまう青年・タト。そのコミカルな演技に注目が集まる中、劇中では、チープ・トリックの大ヒット曲「甘い罠(I Want You to Want Me)」のスペイン語カバーをダサダサに歌っているが、これがなんと本国メキシコでヒットチャートの第1位に。ヘタなのに(失礼!)、一度聴いたら頭から離れない、この歌手デビュー曲は映画オリジナル・サウンドトラック(MUSIC CAMPより発売中)にも収録。本編では、キメキメのカウボーイ・ルックで、劇中のあだ名「クルシ(=自惚れや)」の名前どおり嬉々として歌と踊りを披露する、衝撃のビデオクリップが見られる。ちなみに、このPVはYouTubeで既に100万人に視聴されており、パロディ映像を投稿する人も続出しているのだとか…。さらに、メキシコでは結婚式ソングの定番曲となるほどの国民的ヒットとなった。あの甘いマスクからどんな歌声が発せられるのか?注目の『ルド and クルシ』は2月20日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。■関連作品:ルドandクルシ 2010年2月20日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2008 CHA CHA CHA, INC. All rights reserved.■関連記事:タフでダサい兄弟が描く成り上がりライフ『ルドandクルシ』特製お守りを3名様にプレゼント
2010年02月06日