横浜に世界の超人たちがやってくる。5月21日に開催される「セイコーゴールデングランプリ陸上 2023 横浜」だ。最大の注目は、“ふたりの世界王者”が招待されている男子100mだろう。昨年7月に開催されたオレゴン世界陸上で“人類最速”の座に輝いたフレッド・カーリー(米国)と、同大会の男子400mを制したマイケル・ノーマン(米国)が参戦予定なのだ。横浜にトップアスリートが集結。世界のスピードを体感せよ!自己ベストはカーリーが世界歴代6位タイの9秒76で、ノーマンが9秒86。実はカーリーも元は400mが専門で、ふたりはこれまでに世界で3名しか達成していない100m9秒台、200m19秒台、400m43秒台の記録を持つマルチスプリンターだ。その巨大な壁にホームの日本勢は急成長中の坂井隆一郎(大阪ガス)らが挑むかたちになる。現在25歳の坂井は昨年の日本選手権で2位に食い込み、一躍注目を浴びた選手。しかもスタートが持ち味で、後半型といえるカーリーとノーマンを相手に中盤まで互角の戦いを演じる可能性は十分にありそう。ふたりの世界王者を苦しめることができれば、目前に迫る“9秒台”突入の瞬間が見られるかもしれない。男子100m以外にもオレゴン世界陸上のメダリストたちがやってくる。男子走高跳で銀のウ・サンヒョク(韓国)、同走幅跳で金の王嘉男(中国)、女子やり投で金のケルシー・リー・バーバー(豪州)だ。女子やり投はバーバーと銅メダリストの北口榛花(JAL)以外にも、オレゴン世界陸上の入賞者が参戦予定。コンディションに恵まれれば、世界大会の決勝を彷彿させるハイレベルの戦いになるに違いない。トラック種目では男子3000m障害の三浦龍司(順天堂大)、女子1500mの田中希実(New Balance)の積極的な走りと好タイムに期待がかかる。その他の種目は男子が400m、3000m、110mハードル、400mハードル、やり投。女子は100m、3000m、100mハードル、走幅跳が実施される。今年で12回目を迎える今大会。テレビ地上波でライブ中継されるが、ぜひ現地で、世界のトップアスリートのスピード感や躍動感を味わってほしい。男子100mは世界王者に坂井ら日本勢がチャレンジ。フレッド・カーリー(米国)世界歴代6位タイの9秒76を持つ、スプリント大国の絶対的エース。オレゴン世界陸上では金メダルに輝いた。マイケル・ノーマン(米国)日本人の母親を持つマルチスプリンター。昨年のオレゴン世界陸上では400mで金メダルを獲得、今季から100mに本格参戦する。坂井隆一郎(大阪ガス)昨年は日本歴代7位の10秒02をマークして、オレゴン世界陸上で準決勝に進出。日本のホープが横浜で9秒台に突入できるか!?女子やり投 北口榛花(JAL)66m00の日本記録を持ち、世界陸上で銅メダルに輝く。来年のパリ五輪、再来年の東京世界陸上でもメダルを狙う。男子3000m障害 三浦龍司(順天堂大)東京五輪で7位入賞の快挙を果たした21歳。学生駅伝でも抜群のスピードを披露している。女子1500m 田中希実(New Balance)世界陸上は800m、1500m、5000m に出場。プロ選手となり、さらなる高みを目指す。「セイコーゴールデングランプリ陸上 2023 横浜」日時/5月21日(日)12:30(開場)~17:30(競技終了予定)会場/日産スタジアム男子9種目、女子6種目が行われる。TBS系列で生中継。※『anan』2023年5月24日号より。写真・Getty Images文・サカイマサト(by anan編集部)
2023年05月23日新春の陽光にキラキラと輝く汗、仲間との絆。一本のタスキには部員全員の思いが詰まっている。1月2~3日に行われる箱根駅伝は今回が99回目の開催となる。これまで幾多の名勝負を生んできたが、今回は本当に見逃せない。2022年の学生駅伝は1月の箱根、10月の出雲、11月の全日本のすべてで大会記録が誕生。今大会は“史上最高レベル”の戦いが予想されているからだ。駒澤大学と青山学院大学、“2強”を軸に大激戦の予感。なかでも注目は’22年の出雲と全日本を完勝した駒澤大学と、前回のVメンバー8人が残る青山学院大学の“2強対決”になるだろう。花の2区は前回に続いて、田澤廉(4年)と近藤幸太郎(4年)が濃厚。1区の戦力は差がないだけに、2区で両雄がガチンコ対決を繰り広げるはずだ。特に田澤は区間新記録の期待十分。どんなタイムが刻まれるのか。山上りの5区には両校とも前回好走した経験者が残る。勝敗のカギを握るのは3区になりそうだ。前回は青山学院大学の1年生・太田蒼生が区間歴代3位の快走で、トップに立った。一方の駒澤大学は首位から5位に転落している。駒澤大学はここに5000mなど3種目で高校記録を塗り替えたスーパールーキー、佐藤圭汰の起用も考えられる。両校は復路の戦力もほぼ互角。往路のスピード区間である3区を制した方が、総合優勝に大きく近づくはずだ。2強を追いかけるチームも非常に楽しみだ。まずは出雲で3位に食い込んだ中央大学。エース吉居大和(3年)の爆発力がとにかく凄い。前回は1区で独走したが、今回は3区に入る可能性も。いずれにしてもレースをかき乱してくるだろう。前回準優勝の順天堂大学は3~5区に強力な経験者が残っているだけに、1~2区の出来がポイント。エース三浦龍司(3年)のスピードが炸裂すると面白い。出雲と全日本で2位に入っている國學院大學はバランスがいいチーム。中西大翔(4年)、伊地知賢造(3年)、平林清澄(2年)、山本歩夢(2年)の4本柱に加えて、青木瑠郁(1年)が全日本5区で区間賞を獲得。適材適所のオーダーで勝負を仕掛ける。また、強力なケニア人留学生と日本人エースを擁する創価大学と東京国際大学は、往路Vを狙える戦力を誇る。その他、前回4位の東洋大学、予選会を勝ち上がってきた早稲田大学や東海大学がどんなレースを見せるのか。さらに55年ぶりの出場となる立教大学…。10位以内に与えられるシード権をめぐる争いも大混戦。10区間、217.1kmの物語はどこにヒーローがいるのかわからない。テレビの前で熱くなろう!駒澤大学 田澤 廉10000mで日本歴代2位&日本人学生最高記録を持ち、今夏のオレゴン世界陸上にも出場。全日本では4年連続で区間賞を獲っている。青山学院大学 近藤幸太郎箱根王者の絶対的エース。学生駅伝は4大会連続で駒大・田澤と同区間となり、全日本では14秒差だった。國學院大學 平林清澄上昇中のチームを引っ張る2年生エース。日本学生ハーフ王者が先輩ランナーにどこまで食らいつくのか。順天堂大学 三浦龍司東京五輪3000m障害で7位入賞を果たした日本長距離界の至宝。前回は2区を務めたが、今回は1区に登場か!?中央大学 吉居大和学生駅伝は3大会連続で区間賞を獲得中のスピードキング。前回の箱根は1区を独走して驚異の区間記録を打ち立てた。出場チーム青山学院大学順天堂大学駒澤大学東洋大学東京国際大学中央大学創価大学國學院大學帝京大学法政大学大東文化大学明治大学城西大学早稲田大学日本体育大学立教大学山梨学院大学専修大学東海大学国士舘大学関東学生連合「第99回箱根駅伝」東京箱根間往復大学駅伝競走2023年1月2日(月)・3日(火)。往路5区間、復路5区間の合計10区間で競う大会。シード校10校と10月の予選会を通過した10校、および関東学生連合の合計21チームが出場。両日とも、日本テレビ系列で7:00から生中継。※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・アフロスポーツ文・サカイマサト(by anan編集部)
2022年12月28日もうすぐ「箱根駅伝」がやってくる。コロナ禍で沈んだ空気を学生ランナーたちが熱くしてくれそうだ。“4強対決”が有力?正月の青春ドラマは見どころ満載。11月の全日本大学駅伝は1~7区まで順天堂、城西、早稲田、東海、青山学院が首位を奪う大激戦になった。最終8区では青山学院、東海、駒澤がトップ集団を形成すると、最後は駒澤・田澤廉が強烈なスパートを披露。“平成の常勝軍団”と呼ばれたチームを6年ぶりの日本一に導いた。今大会は全日本でトップ3に入った駒澤、東海、明治。それから前回王者・青山学院の“4強対決”が予想されている。駒澤は2年生エース・田澤が軸で1年生にも好選手が多い。東海は名取燎太、塩澤稀夕、西田壮志の4年生トリオが中心のチーム。明治はトラック1万mのタイムがナンバー1だ。青山学院は選手層が厚く、箱根に合わせるピーキングも抜群。全日本は4位に終わったが、箱根では“本命”になりそうだ。そして4強を追いかけるのが、中谷雄飛と太田直希の3年生コンビが勢いに乗る早稲田と、今季復活を印象づけているエース西山和弥と“山の神”に最も近いといわれる宮下隼人を擁する東洋。他にも、前回4位の帝京が今回もしぶといチームを作ってきているし、箱根駅伝予選会を史上最速タイムで勝ち上がった順天堂、名門復活の予感が漂っている中央も上位進出の期待が大きい。加えて今回は、楽しみなスーパールーキーが多い。特に注目したいのが、予選会で日本人トップを奪った順天堂・三浦龍司と、12月4日の日本選手権5000mで3位に食い込んだ中央・吉居大和だ。2024年パリ五輪候補たちの若いパワーを感じられる大会になるだろう。ナイキ厚底シューズの影響もあり、近年は高速化が顕著になっている。前回大会は7区間、今年の全日本も4区間で区間記録が塗り替えられた。今大会も「区間新!」のアナウンスを何度も聞くことができるはず!優勝争いだけでなく、10位までに与えられる“シード権争い”も壮絶だ。10区間217・1kmの青春ドラマはどこにヒーローがいるかわからない。正月の箱根路を走る学生ランナーたちのキラキラ輝く姿を見て、清々しい気持ちで新年を迎えよう。この選手の走りに注目!左・田澤 廉(駒澤大学2年)、右・名取燎太(東海大学4年)11月の全日本大学駅伝で熾烈なアンカー決戦を繰り広げたふたり。箱根では花の2区での再戦が有力視されている。全日本は田澤がラスト勝負を制したが、名取のリベンジなるか。神林勇太(青山学院大学4年)前回9区区間賞のアオガク主将。ビールメーカーに入社予定で箱根がラストランになる。宮下隼人(東洋大学3年)前回5区で区間記録を更新して区間賞を獲得。“山の神”と呼ばれるほどの大活躍ができるか。三浦龍司(順天堂大学1年)3000m障害とハーフマラソンのU20日本記録保持者。東京五輪を狙える期待の星だ。第97回東京箱根間往復大学駅伝競走は、令和3年1月2~3日に開催される。東京・大手町を朝8時00分にスタートして、箱根町・芦ノ湖を折り返すコースで実施。日本テレビ系列で全国にライブ中継される。※『anan』2020年12月30日-2021年1月6日合併号より。写真・アフロ文・サカイマサト(by anan編集部)
2021年01月01日昨年は設楽悠太(ホンダ)の日本記録に沸いた東京マラソン。今年は3月3日に行われる。再びの“日本記録更新”なるか!?東京五輪の星に好タイムの期待。前々回から世界屈指の高速コースに生まれ変わり、ワールドクラスの選手が続々と参戦。昨年10月のシカゴで設楽のタイムを21秒更新する2時間5分50秒の日本記録を叩き出した大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が初めてエントリー。海外勢も強力で、5000mと1万mの世界記録保持者でマラソンでも世界歴代3位の2時間3分03秒を持つケネニサ・ベケレ(エチオピア)はじめ、2時間4分台が5名などハイレベルな争いだ。大会側は、「2時間4分30秒~2時間5分10秒」をイメージしたペース設定を考えており、大迫には再びの“日本記録更新”の期待がかかる。日本勢では中村匠吾(富士通)、佐藤悠基(日清食品グループ)、村山謙太(旭化成)らも第1集団でレースを進める可能性が高い。若手では、箱根駅伝で活躍した青学大OBの一色恭志(GMOアスリーツ)、神野大地(セルソース)が出場予定。東京五輪の星たちがエキサイティングなレースを見せてくれそうだ。この選手に注目!大迫 傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)5000m 日本記録保持者はマラソンでも大活躍。レースを走る度にタイムを短縮している。©AFPケネニサ・ベケレ(エチオピア)過去に、五輪と世界選手権のトラック種目で8つの金メダルを獲得。東京で快走なるか?©PRESSE SPORTS村山謙太(旭化成)自己記録は2時間9分50秒。スピードと積極性が持ち味で、ハマれば大幅にベスト更新も。佐藤悠基(日清食品グループ)トラック、駅伝で大活躍。昨年の東京では2時間8分58秒の自己ベストで走っている。中村匠吾(富士通)昨年9月のベルリンは自己新の2時間8分16秒で4位。村山とは駒大の同級生。©YUTAKA「東京マラソン2019」今年から3月開催となり、今回は過去最多の3万8000人が出場予定。スタートは9時10分、日本テレビ系列で生中継される。※『anan』2019年3月6日号より。写真・アフロアフロスポーツ文・サカイマサト(by anan編集部)
2019年03月05日新春の箱根路を走るための切符をかけた、熾烈な予選会「第95回箱根駅伝予選会」に注目!号砲とともに約600人の選手が一斉に飛び出し、夢の舞台をかけた、過酷な戦いが始まる!正月の風物詩、箱根駅伝。シード権を得た前年度10位までの大学以外は、この予選会で残りの出場枠を争う。今回は記念大会で枠が2増。うち一つは、関東インカレの結果から日本大学が獲得し、予選会で勝ち上がれるのは残り11枠のみ。順当なら通過が有力視されているのは、順天堂、駒澤、神奈川、國學院、中央、大東文化、山梨学院、明治の8校。残り3枠を巡って激戦が繰り広げられそうだ。今回から距離が延び、終盤の逆転劇が起きやすくなった。上位10人の合計タイムで競うチーム戦ゆえ、最後まで結果が分からない!現地に行けば選手たちの激走が間近で観られる。毎年、歓喜と涙がうずまく箱根駅伝予選会。学生ランナーたちの青春ドラマを間近で感じてみては!?箱根駅伝予選会とは?□シード10校など以外の、本戦出場校を決める。□予選会に出場するのは参加条件を満たした50校ほど。□今回、予選を突破できるのは、前回より1枠増の11校。□ハーフマラソン(21.0975km)で競う。昨年までは20km。□1チーム12人以内が走り、上位10人の合計タイムで決定。注目の選手たち【塩尻和也(順天堂大学)】3000m障害で2016年のリオ五輪にも出場した学生長距離界のエース。©西村尚己【ドミニク・ニャイロ(山梨学院大学)】前回の箱根駅伝は花の2区で区間賞を獲得。他の留学生とともにレースを牽引する存在だ。【片西 景(駒澤大学)】’17年ユニバーシアード・ハーフマラソンで金メダル。得意のロードで本領を発揮する。【坂口裕之(明治大学)】前回は体調不良で欠場して、チームは落選。復活を期す古豪にエースの快走は欠かせない。第95回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会は、10月13日(土)、陸上自衛隊立川駐屯地で、9:35スタート。国営昭和記念公園内がゴールとなる。日テレ、BS日テレなどで放送予定。およそ50校600人の選手が一斉に駆け出すスタートは大迫力。写真は昨年の第94回大会の予選会。©松尾※『anan』2018年10月17日号より。写真・アフロスポーツ文・サカイマサト(by anan編集部)
2018年10月12日