ヘロン・プレストン(HERON PRESTON)が、2019年春夏コレクションをフランス・パリで発表した。カニエ・ウェストとともにYeezyも手掛けたヘロン・プレストンナイキ(NIKE)のグローバル デジタル プロデューサー、そしてカニエ・ウェスト(Kanye West)のクリエイティブ・コンサルタントとしてLife of PabloやYeezyを手がけてきたヘロン・プレストン。2017年秋冬シーズンより自身のブランドをスタート。同じくカニエ・ウェストと交流のあるヴァージル・アブロー手掛けるオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)とのコラボレーションで一気にストリートシーンから脚光を浴びた。作業服の魅力に迫る2019年春夏シーズン今シーズンは、ブランドのDNAである作業服の魅力、インダストリアルデザインからインスピレーションを受け、セーフティウェアのグラフィックやハードウェアのディテールと機能服の再構築をテーマとした。ワークジャケットは、フィッシャーマンコートのようなディテールをミックス。さらにリフレクターを配してデザイン性と機能性を高めた。偶然だろうか、リフレクターのオレンジはブランドのアイコニックなカラーとも重なっている。ボトムスはもちろんワークウェアから着想を得ていて、カーゴタイプかつダブルニーの仕様。特に目立った装飾はなく“機能性”へのフォーカスが垣間見える。アイテムそのものがリフレクターの役割を果たすかのようなウィメンズのラップコート、解体と再構築によってまた新しい形を手に入れたデニムジャケットなど、ワードローブの従来とは異なる在り方を模索している。また、「PULL」と書かれたタグ付きのベルト、工場のアッセンブリーラインやファクトリーでよく見られるプリント、シリアル番号など、機能的部分から生まれたディテールは、今季らしさの表れだ。今季は、フレームにヘロン・プレストンのシグニチャー "HP"と "STYLE"ロゴを装飾したナイキとのコラボレーションアイウェアも登場。軽量かつ滑らかなシルエットの「Nike Tailwind」の特徴を活かし、グレー、オレンジグレー、イエロー、ブラックの4種類の交換可能なアクセサリレンズを完備。変化する日陰に合わせてレンズを変えることができるという。今季のワークウエアに、ひと際シャープな印象を加えた。
2018年07月01日Y-3(ワイスリー)の2019年春夏コレクションが、パリファッションウィーク最終日の2018年6月24日(日)に発表された。会場は、ルーヴル美術館にあるパリの「Muséedes ArtsDécoratifs」。この歴史ある空間で、今シーズンはまったく対照的な近未来的ワードローブを披露した。身体と服のあいだにある“空間”に着目今季は、身体と服の間にある空間に着目し、風を味方にして飛び立つパラシューティングとセーリングから着想を得た。軽量化された機能素材を用いて、身体と服の間に空気を含ませている。機能素材とひとくちに言えど様々で、その種類はGORE-TEXをはじめ、軽量ナイロン、パッチワークメッシュ、ハイテクコットン、アディゼロ、そしてハイストレッチなど。とにかく軽やかな素材群は、動きに伴う予期しないボリュームを生み出している。とりわけGORE-TEXは、世界で最も軽量と謳われる「SHAKEDRY GORE-TEX」を採用し、フード付きのジャケットとロングコートを制作した。また、その素材感を活かすためのディテール構成も魅力で、ウィメンズのワンピースにはたっぷりギャザーを施しているし、メンズのパンツはタックを入れてワイドに仕立てた。さらに、躍動感を示すランダムに配置された斜線状のスリーラインは、風を受けるワードローブの滑らかな動きとは対照的にシャープな印象へと導いている。毒気の強いスカルモチーフはY-3のロゴとともに配置。一方で、最後に登場したウエディングドレスのようにトレーンを引く大胆なルックには、十分すぎるほどのテキスタイルの上に“LOVE”の文字を描いた。その横にはヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のアイコニックなロゴも添えている。シューズは「Y-3 RUNNER 4D」に新作シューズは、ライトレーサーの新作をはじめ、EVAのミッドソールを採用した「Ren」、70年代のバスケットボールシューズへのアップデートした「Kasabaru」などが登場。また、安定性とクッション性を兼ね備えた、ユニークなオープン構造のソールが特徴の「Y-3 RUNNER 4D」にも新作が仲間入りする。
2018年06月28日メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO )の2019年春夏コレクションが、2018年6月22日(木)にフランス・パリで発表された。パリに帰ってきた三原康裕、膨大なアーカイブにフォーカスした今シーズン前シーズンでブランド20周年を迎え、東京で盛大なショーを行ったメゾン ミハラヤスヒロ。その際には、これまでの膨大なコレクションにフォーカスを当て、新しいものへとリプロダクトしてくことにフォーカスを当てた。発表の場をパリにうつした今シーズンもまた、同じ気持ちをもってコレクションの創作に挑んだという。ハイブリッドによる日常着の複雑化最初から最後まで一貫した、何かと何かを複雑に組み合わせるハイブリッドは、20年間変わらず三原康裕の創作に欠かせない手法だ。今季の主役はステレオタイプな服。あくまで日常カジュアルに着られるワードローブだ。2枚のスキッパ―シャツやデニムパンツ、MA-1とスタジャン、そしてストライプシャツとハーフパンツなど、解体と再構築という手順ではなく、構築を繰り返して服を服が装飾していく。パターンの複雑化は、不要なまでの装飾に繋がっていて、特にデニムスタイルはその筆頭。濃淡異なるデニムのジャケットとパンツは幾枚もレイヤードして、さらに袖は計4本備えた。また、MA-1は袖があるのに、そこから腕を通すことはせず、脇に穴をあけることでベストのように着こなす。そうすればインナーシャツがあらわになるという構造だ。ブランドの原点であるシューズはスニーカーを中心にブランドの原点であるシューズは、スニーカーを中心とした豊富なラインナップ。バルカナイズ製法の靴の長年の歩みを表現した、ソールが歪んだ「インパーフェクトソールスニーカー」や、シューレースが膜に覆われた「トランスペアレントスニーカー」などのスニーカー、釣り込みをあえてせずにアッパーのスエードを遊ばせたデッキシューズ。靴を知り尽くした三原だからこそできる独自製法は、アヴァンギャルドでありながらも日常性をもった靴を生む。これが恐らく、服にも通ずるメゾン ミハラヤスヒロの真意である。
2018年06月27日トム ブラウン(THOM BROWNE)が6月23日に、パリで2019年春夏メンズコレクションを発表した。
2018年06月26日メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)がパリで2019年春夏メンズコレクションを発表した。
2018年06月25日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が2019年春夏メンズコレクションをパリで発表。
2018年06月25日アンブッシュ(AMBUSH)が、2019年春夏コレクションをパリファッションウィーク初日の2018年6月19日(火)にフランス・パリのポンピドゥー・センターからほど近い会場で発表した。「WAVES」と題した今季は、潮の流れに人生を照らし合わせ、さらにそこにリンクする服を表現しようとしている。タイトルから関連して、今季は海にまつわるデザインが主流だ。ダイビングスーツやスイムパンツはあたかも日常着のようにスタイリング。救命胴衣のようなダウンベストは、本物さながらに目立つカラーリングだ。また、アイコニックなシルバー925のアクセサリーは貝殻を模した形が印象的で、ビーチスタイルに一躍を担った。タイダイ染めやグラデーションはリゾート気分を盛り上げるひとつの要素。海の青から太陽のオレンジまでを一緒に楽しむデザインだ。クロッシェ編のキャミソールもビーチ・ライフスタイルには欠かせないアイテムで、それらをアンブッシュらしく、ストリート感を交えてパーカーにレイヤードするなどして着こなしている。素材は軽やかなリネン、コットン、ウールなどのニュートラルなラインナップ。しかし、海で快適に過ごすため、そして人生を快適に過ごすため提案したこれらワードローブにはきっと遊び心が必要だ。通常であれば、リラックスムードで着こなすはずのアイテム群にも、船で見た鎖やロープ、魚、貝殻、海岸の石ころといった海に纏わるあらゆるものをモチーフにした、ラグジュアリーなアクセサリーを合わせている。
2018年06月23日アミ アレクサンドル マテュッシ(ami alexandre mattiussi)は、2019年春夏コレクションを、日本時間の2018年6月21日(木)17:00にパリで発表する。ファッションプレスではその模様をライブ配信。前シーズンのテーマは、恋に落ちた若い2人の逃避行。絶妙にアンクルを際立たせる丈のパンツや、ハイネックニット、スタンドカラーシャツといった高めのネックラインのトップスなど、縦長のシルエットを描くことで洗練された印象に仕上げた。また、暖かみのあるレッドカラーや象徴的なハートモチーフを使ったルックも散見され、幸せな恋愛を連想させた。2019年春夏コレクションではどのようなショーを見せるのか、期待が高まるところだ。【詳細】アミ アレクサンドル マテュッシ 2019年春夏コレクション開催日時:日本時間 2018年6月21日(木) 17:00現地時間 2018年6月21日(木) 10:00
2018年06月22日イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)が6月21日、パリで2019年春夏コレクションショーを開催した。今シーズン高橋悠介は、太陽の光と影をインスピレーションに、今の時代を軽やかに生きる男性への仕事着を提案。差し込む光はジャカード織り、光のプリズムは編みやコンピュータープログラムによるカラフルなグラフィック、などブランドの基盤となるあらゆるテキスタイル技術で表現された。一方日光によって照らし出された影のイメージは、改めて京都へ敬意を込め「組み絣染め」「ろうけつ染め」「絞り染め」といった様々な染め技法を用い、職人の緻密な手仕事により濃淡で表された。
2018年06月22日リック・オウエンス(RICK OWENS)がパリで2019年春夏メンズコレクションを発表した。
2018年06月22日アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)が、パリで2019年春夏コレクションショーを開催した。特設の会場は一面小麦畑。メンズ・ウィメンズを含む全33ルックが登場した。
2018年06月22日ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)によるヴァレンティノ(VALENTINO)が6月20日、パリで2019春夏メンズコレクションショーを開催した。
2018年06月21日ルーク・メイヤー(Luke Meier)によるオーエーエムシー(OAMC)が6月20日、パリで2019年春夏コレクションを発表した。
2018年06月21日ユン(YOON)とバーバル(VERBAL)によるアンブッシュ®(AMBUSH®)が2019年春夏コレクションをパリで発表。テーマは、“WAVES”。モダンアートの父、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi)の思想をデザイン源としたことから、ポンピドゥー・センターにあるブランクーシのアトリエでプレゼンテーションが行われた。ビーチにまつわる要素に着想を得たカラーパレットの下、コットンやウール、リネンなどの素材を使った人の体に優しく沿うようなウエアがラインアップ。砂のような、また潮で褪せたような全体のトーンに、パールなどを用いたイヤリング、ブレスレット、リングといった大ぶりのジュエリーがアクセントになっている。
2018年06月21日ジョニー・ヨハンソン(Jonny Johansson)によるアクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2019年春夏メンズコレクションが、パリメンズファッションウィークにて発表された。
2018年06月21日今年、創業20周年を迎えるピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)から、2018年サマーコレクション「Summer in Heaven」が到着。“味覚・感性・歓喜の世界”を冷菓で表現した「グラス エ ソルベ」は、独創的なフレーバーのアイスクリーム&ソルベ。芳醇なバニラアイスの「グラス ヴァニーユ」(税込648円)、フルールドセル入りのカラメルアイス「グラス カラメル」(税込648円)を始め、ローズの風味が香るライチのソルベとフランボワーズのソルベを組み合わせた「ソルベ イスパハン」(税込756円)や、ラム酒風味のアイスとラム酒漬けレーズンによる「グラス ラムレザン」(税込648円)など、こだわりの素材を贅沢に使用した6つのフレーバーが登場する。「ミス グラグラ」はマカロン生地でアイスやソルベをサンドしたピエール・エルメ・パリのオリジナルスイーツ。パッションフルーツのソルベとクリームチーズのアイスにオレンジマーマレードをプラスした「サティーヌ」(税込756円)、ピスタチオアイスとイチゴソルベの「フレーズ ピスターシュ」(税込756円)、カラメルアイス、マンゴーとライチのソルベによる「マホガニー」(税込756円)など、見た目にも楽しい全5種。口に入れると、サクサク感とふんわり感があいまって、フレーバーの美味しさをより一層引き立ててくれる。また、定番のマカロンやガトーにも夏限定のフレーバーが登場。マカロンでは、クリームチーズのクリーム、オレンジとパッションフルーツのコンポートによる「サティーヌ」(税込302円)、レモン風味のクリームとサブレの「シトロン パート サブレ」(税込302円)など、柑橘系のフレーバーが仲間入り。オレンジ風味の「サブレ オランジュ」(税込1,620円)やレモン風味の「サブレ アンフィニマン シトロン」(税込1,620円)など、日持ちする焼き菓子は、爽やかな夏らしい味わいとして、お中元やギフトにぴったりだ。さらに、昨夏好評を博したピエール・エルメ・パリ 青山ブティックのソフトクリームが再登場。2018年のフレーバーは、バラとフランボワーズ、ライチの「イスパハン」(税込864円)、パッションフルーツとオレンジ、クリームチーズの「サティーヌ」(税込864円)に加え、マンゴー、ココナッツ、ライムによる「エキゾチック」(税込864円)が新作として登場。青山ブティックでパティシエが丁寧に焼き上げたコーン、ミルクが優しく香るソフトクリーム、新鮮なフルーツやマカロンがトッピングされた甘美な味わいと絶妙の食感が人気。サマーコレクション「Summer in Heaven」は、ピエール・エルメ・パリの直営ブティックとオンラインブティックで8月31日まで限定販売中。
2018年06月09日ディオール(Dior)は、2019年リゾートコレクションをフランス・パリのシャンティイで発表した。ディオールが綴る物語、今季の主役は女性騎士(エスカラムサ)マリア・グラツィア・キウリが、今季の物語の主役として選んだのは、メキシコの伝統的な女性騎士「エスカラムサ」だ。チャレリアと呼ばれる馬術競技に、男性と同じく果敢に挑む彼女たちは、刺繍で満たされたスカート、大きなハット、フラワーモチーフが踊るフェミニンなコスチュームで鍛え抜かれた強靭な肉体を包んでいる。モダンに解釈された“トワル ド ジュイ”太いベルトやウエストラインを強調するジャケットと、軽快に揺れるチュールやレースのスカートによって生まれる、まるでニュールックのようなコントラストの強いシルエットをベースに、幻想的な世界が広がっていく。特に、マリア・グラツィア・キウリが目を付けたのが、フランスの伝統的なテキスタイル、トワル ド ジュイだ。田園風景をはじめとする日常の美しさを投影するトワル ド ジュイを、今季はより自由な発想でモダンに解釈している。うさぎや馬などの優しい動物たちが草原を走るわけではなく、当時の牧歌的な要素は少ない。曲がりくねって朽ちた木々、そしてライオン、トラ、蛇といった強い動物が登場する風景は、身に着ける女性の内側を示すかのように、ワイルドな部分が垣間見える。時には「バー」ジャケットやロマンティックなレースブラウスの下で、伸びやかに重なり合うパウダーカラーのチュールに、またある時には、対照的なサファリジャケットに落とし込まれる。形は違えど古典的な美しさを今に蘇らせるという点で共通していて、あくまで毅然とした佇まいで居続ける。そこに加わる、揺らめく繊細なレースと踊るような草花の刺繍は、強さとは対比的にある、女性の“愛”や“優しさ”の表現にも思える。もうひとつの女性像、ジェンダーにとらわれない“アマゾネス”の存在今季、女性像を具現化するうえで、イメージしたもう一人の人物がいる。ギリシア神話に登場するアマゾネスだ。女性のみで構成された狩猟部族として知られ、彼女たちもまたジェンダーに捉われない存在だったのだ。キュロットスカートや、1948年春夏オートクチュールコレクションに発表した「Drags」を彷彿されるスカート、メンズシャツも登場していた。女性騎士の強さを軸に、マリア・グラツィア・キウリがのせた自由で幻想的な物語が紡がれたランウェイ。時代を越えて、彼女が現代によみがえらせたスタイルは、きっと今の女性たちに通ずるものばかりなのではないか。
2018年06月06日ユニクロ(UNIQLO)がクリストフ・ルメール率いるパリR&Dセンターから展開する「ユニクロ ユー(Uniqlo U)」の2018年秋冬コレクションが2018年9月14日(金)より順次発売される。着心地の良さと実用性の両立、ユニクロ ユーが提案する新しいベーシック2018年秋冬コレクションでは、着心地の良さと実用性を両立させたワードローブの中、これまでよりボリュームのあるシルエットが提案されている。また、メンズ・ウィメンズと展開されるアイテムはもとより、ジェンダーレスに着こなせるアイテムが多いのも魅力のひとつだ。同記事では、ウィメンズアイテムを中心に紹介していく。着心地にとことんこだわったトップスの数々注目したいのはトップス類。特に、ニット類が豊富で、Vネックセーター、クルーネックセーター、カーディガンなどが新たにラインナップする。引き続き、縫い目のないホールガーメント技術を採用したニットも展開。そのほか、ポンチ素材を用いた、エレガントな質感のトップスも登場する。ドロップしたショルダーに大きく開いたVネックが、女性らしい“抜け感”を醸し出す。アウターでのおすすめはフリース素材フリース素材のブルゾンは、温かさはもちろん、特徴的なボックスシルエットが魅力。ボリューム感のあるフォルムは、それとは対照的に体のラインを華奢にみせてくれる。また、エレガントに見せるなら、ラペルの大きなラップコートもおすすめしたい。ウエストを絞めても、ガウン感覚でさらりと羽織るだけでも決まる1着。カジュアルに楽しめる小物類も豊富小物類では、男女兼用で登場するサコッシュやミドルカットのスニーカーなどが登場する。そのほか、アウターでも用いられていたフリース素材の大容量トートバッグ、ナイロン素材のスポーティーなショルダーバッグが3色ずつ展開予定だ。詳細ユニクロ ユー 2018年秋冬ウィメンズコレクション発売日:2018年9月14日(金)より順次発売※一部商品は10月12日(金)発売予定。販売店舗:ユニクロ60店舗、オンラインストア※一部商品は国内全店舗にて展開。価格帯例:・アウター 4,990円+税~14,900円+税・シャツ 2,990円+税~5,990円+税・スカート 3,990円+税~5,990円+税・ワンピース 4,990円+税~5,990円+税・パンツ 3,990円+税~5,990円+税・ニット 2,990円+税~7,990円+税・カットソー/フリース 1,000円+税~6,990円+税・シューズ 5,990円+税
2018年06月02日パリ生活で楽しみにしていることといえば、ブロカント。 モードの世界でメゾンの仕事をしていた頃、フランス刺繍やレースの素晴らしさに触れて学ぶ機会がありました。パリ出張に来るたびに、時間があればブロカントへ足を運び、職人技の光ったアンティークのドイリー、ハンカチーフを集めてきたものです。 以前にもこちらでアンティークレースのことについてお話ししましたが、今回はまた少し違う角度でご紹介したいと思います。 繊細で美しい、そんなフランス刺繍のルーツとは? フランス刺繍のルーツは、もともとインドやイタリアからフランスに辿り着いた輸入文化です。 近国の英国やフランドルとの繊維を通じた交流もあり、技術や流行が行ったり来たりして発展してきた経緯があります。私が収集しているドイリーやハンカチーフには主に18世紀末から20世紀前半の時代性に富んでおり、大きくは「ルネサンス」と「リシュリュー」と呼ばれる時代を反映したものを中心に集めてきました。 今回は「ムショワール」と呼ばれるアンティークハンカチコレクションを少しお見せしたいと思います。 ハンカチ刺繍は18世紀に王家や貴族の男性が持つアイテムとして流行り始め、職人は必死で極細糸を紡ぎ、刺繍のデザインを考えました。 時代を経て、19世紀末には庶民に浸透するほどまでに流行となり、広がりを見せました。かつての日本のように針仕事は日常のものであったので、19世紀中頃には自ら刺繍を施したハンカチーフを持っていた習慣があったと考えられています。 ハンカチーフの角に花や草などのモチーフが刺繍されたデザインは、英国から流れてきたデザインルーツであると言われています。 この頃は王家や貴族が競い合うように服の襟や袖、シミーズ(日本訳:現代で言う紳士用シャツ)などに美しい植物モチーフをあしらった刺繍を施す流行がありました。地域によってはすごい襟のものや強い民族思想を反映している帽子などがありますね。 上の写真は18世紀末のもの。その素晴らしい技術には思わずため息。糸を引く技法を用いたステッチ刺繍、葉っぱの中に砂のような点々模様、真珠のような立体ポイントなど…様々な職人技が施されており、糸の始末も分からないほど。とてもリッチな仕上がりな、価値あるコレクションです。 王家や貴族の位の高い人が持っていたハンカチーフには、特徴的な刺繍が施されています。収集家も魅了するその価値は、高品質の極細に依られたリネン糸が使われている事が第一条件として挙げられます。リネンを髪の毛よりも細い糸に紡いで依り、それを薄くて透け感のある平織りの生地へ。 この薄手の生地を用いたハンカチーフは、中でも最も価値があるものだとされています。投げたらふわーっと降りてくるほどの軽さ。 リネン素材だから成し得るこの張り感とオーガンジーのような薄さ。本当に美しいです。ここから物語が始まるわけですね。 王冠の刺繍が施されているものは文字通り「王家」の証。 こちらはブルターニュの王家の末裔から渡されたもの。私の手に渡る前の持ち主、テキスタイル工芸の収集家であるマダムは、直接王家から継承し40年間に渡り大切に保管していました。そして私の手元へ。私の大切な出会いは、3代目という称号ももれなく受け継ぐ運びとなりました。嬉しい出来事です。 英国デザインに影響されていると言われている植物モチーフは、ロワール地方やブルターニュ地方から出てくる事が多いです。18−19世紀にかけて、その地方には権力を持った英国人が移り住み育んだ土地である歴史があります。歴史的つじつまが合いますね。ちなみにロワール地方にはイギリス式庭園も多くあります。イギリスがフランスに与えた文化的な影響は、色々な角度から見えてきます。 そして名入れハンカチーフ。これがあるのと無いのでは価値が違います。 映画のヒロインでも一躍有名になった、フランス名『Amelie(アメリ)』、見つけました。薄いリネンにたくさんの技術が施されています。フリルが可愛いので赤ちゃんの誕生祝いなどでしょうか。これもブルターニュ地方のものです。 時にはキリスト教のミサに使われるハンカチーフとも出会います。お守りのように必ず中央にクロスが施されています。これは珍しい刺繍ですね…Gabrielle(ガブリエル)の名前が入っています。 こちらは「ナポレオンⅢ」と呼ばれる19世紀に人気の刺繍デザイン。葉っぱから雫が落ちてきそうな水滴のようなポンポンが可愛さを引き立てます。そういえば、有名メゾンもこの技法を使ったドレスなど発表していましたね。今では簡単に機械で製作できるようになりましたが、やはり手作業のものは繊細さが違います。 こちらもブルターニュ地方の貴族から出てきた「ナポレオンⅢ」デザインの施されたナプキン。カットワークだけではなくステッチと立体刺繍のデザインが表情豊かです。食後のデザートタイムに使用されたもので、小ぶり。お晩酌にも使える、嬉しい実用的サイズです。 ハンカチーフを探っていくと、このようなモダンな刺繍が流行った時期があり驚いたことがあります。こちらは平織りに織られた生地に針を入れて、引っ張りながら四角い模様を施していくという、気の遠くなるような仕事です。価値のあるものは、生地の小さなスクエアの部分が二重になっているのですぐわかります。また、裏を返したときの始末の仕方によっても価値が違います。 これらは1920−25年の非常に短い期間に作成されたものだと教わりました。すなわちアールデコ(1910-1930年)ですね!ここでもデザインの歴史とぴったり合います。 フランドルや北フランス、ノルマンディーで流行ったボビンレースのコレクション。チュールの技術と立体刺繍とカットワークを合わせたコレクション。リネンなのでパリッパリ。 より新しく、より極めた技術に向かっていく姿。力を感じます。 マルセイユ港が開港され、輸入された様々な外国文化。イタリアから渡ってラングドック地方やプロヴァンス地方に広がり、定着したフランス刺繍のひとつ『ブティ』に良く似たアイディア源の刺繍。 こちらはノルマンディーのもの。光にさらすと浮き出る刺繍。細かな作業は美しいです。非常に薄いコットンが使用されています。 こういう宝探しをしているとひょっこりドイリーに出会ったりします。なんとも細かい仕事!予期せぬ嬉しい出会いにテンションも上がります。 最後に、こんなユニークなピエロ刺繍も見つけたりしてほっこり。ちょっと荒いけど、この表情にやられました。若い方の作品だったのかしら。針から年齢も見えてきたりして、そんな想像も楽しいものです。すごく時間かけて作られてますね。 これだから、ブロカント巡りはやめられない…!さあ、また次の出会いを求めて、行ってきます! 文・福島 明子(パリ在住コーディネーター)インスタグラム
2018年05月30日ストリートで行われるブロカント。 パリに観光でいらっしゃる方々のお目当てのひとつに、蚤の市があると思います。ヴァンヴやクリニャンクールなど、同じ場所で行われる定期的な蚤の市は、ガイドブックやパリ特集の雑誌にもよく取り上げられているので、ヴィンテージものに興味がある人は、名前をご存知かと。私も好きで、ふらーっと一人でもよく行きますし、アテンドの同行でご一緒したりもします。やはり、基本一点ものの世界故に、「これは!」という出会いがたまらないのですよね。ただ上記の蚤の市は観光客も多いので、値段交渉が出来るとはいえ、ちょっと高めです。 そこでおすすめは、毎週、パリのあちこちのストリートで開かれているBrocante (ブロカント)!ブロカントとは、雑貨や古道具などの蚤の市。これは大体、vide-greniers(ヴィッド-グルニエ)と一緒に行われます。後者は、素人の方が、ご家庭の不用品:雑貨、洋服、家具etc.など、不用品処分が目的です。値段設定が低めが多く、運良く素敵な掘り出し物に出会える可能性もあります! この週末は、5区で計3つのブロカントとヴィッド-グルニエが行われていたので、お散歩がてらお宝ハントをしに。パリ5区は、カルチェ・ラタンと言われる学生街です。お店が多く、賑やかな場所が多いのですが、閑静なストリートもあったり、古き良きパリの面影を残すカフェやビストロが並ぶ通りもあったりと、一言では言い尽くせぬ多彩な魅力に満ちています。 フランス人は蚤の市好き?消費に関する日仏の考え方の違い いつもブロカントは人がいっぱいで、この日も若者からご年配の方までたくさんの人が訪れていました。こういうところが、フランス人は蚤の市が好きだとか、または物を長く愛すると言われる所以なのかも。 蚤の市が好きかどうかは人によりますが、長く物を大切にするという点に関してはイエスだと私は思います。日本のように消費者社会じゃないですし、百均もありません。だから「壊れても100円だし、またすぐ買えばいい」という概念がまず無いと思います。質の良いものは、高い値段を出さなければ買えない。(買ったところで、そのクオリティーは日本製品より劣ったりもするけど…。)だから、物を大切にする、不便なら自分で創意工夫!、はたまたちょっとくらい不便でもいいじゃない気にしないわという文化が、フランスの人々の生活の根底にあるのではないかなと私は思います。 それから、歴史を感じさせるものを好む方が多いので、それがヴィンテージ品が好きという傾向になったり、また、上記の消費に関する意見とはまた別ですが、物と自分の間にある“歴史”を堪能しているとも言えるかも。でもそこはフランス人に限らずですけれどね! ブロカントの定番シルバー類。 無造作に並べられた家具たち。 一体いつの年代の箱なのか、木彫りに壁画のような絵。(既に売約済みだった) この日は戦利品ゼロ!でも、例え買わなくても、ジャンク品も多く種類も様々なものの中から自分の好きを探すって、楽しいなと私は思います。ときめきを求めて、暇さえあれば出向いてしまうブロカント、中毒性高しです! ちなみに、日時と場所に関する情報は、ネットで調べることが出来ます。フランス語しかありませんが、"les prochaines dates"で日付を選んで、キーワードが入力出来るところにParisと入れれば、一覧が出てきますよ。 もし、パリに近々いらっしゃるご予定でご興味のある方、ぜひ活用してみてください。
2018年05月26日『パリ蚤の市散歩』や『パリのヴィンテージファッション散歩』、そして昨年末に刊行された『増補改訂版 パリ蚤の市散歩』の著者で、ファッションジャーナリストの清水友顕による蚤の市イベントが、5月18日より東京・原宿にあるアンティークショップ・ユニック(unikk)でスタートする。ショップいっぱいに並ぶのは、イヤリングやブローチ、グラスや陶器などの食器、ホウロウ製キッチン用品、花瓶、アンティーク缶、レースやブレード、ペーパー類など。希少な一点物のストーリーを買い付けた清水さんから聞きながら、あらゆるジャンルのアイテムに囲まれた不思議空間を楽しんで。また初日18日の18時から21時までは、オープニングレセプションも開催される予定。会場では、アクセサリーデザイナー金井宏眞が手がけるブランド、リルコディット(Rirecodite)の展示受注会も同時開催。【イベント情報】「パリの蚤の市展 - numéro4@unikk -」会期:5月18日〜27日時間:13:00〜20:00会場:アンティークショップunikk住所:東京都渋谷区渋谷1-22-5 1階定休日:5月16日URL:ブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』:
2018年05月15日二宮啓によるノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)が2018-19年秋冬コレクションを発表した。2012年に創設し5年目を迎えた今シーズンは、パリでブランド初の本格的なショーを開催。人工的なオーガンジーやチュール素材のパーツを組み立てるように形成した、フランス語で“黒”を意味するノワールなピースをまとったモデルたち。それに対比するように、頭や顔には野性味感じる鮮やかな色彩の花々を用いたアクセサリーを着用している。このヘッドピースはフラワーアーティストの東信とのコラボレーションによるものだ。
2018年05月09日ゆったりとした空気が流れる、アートミュージアム周辺。4月13日、パリ初のデジタルアート・ミュージアム L’Atelier des Lumières(アトリエ・デ・リュミエール)がオープンしました。 11区のSaint Maur (サン・モール)通りにできたこの施設は、もともと100年近く続いた精錬工場の跡地を改装したもの。広さ2000㎡を有し、4年の歳月をかけて現代アートの空間へと変貌を遂げました。このブログを読んでくれている人の中に、もしパリに観光で来たことある人がいらっしゃっても、この辺りを訪れたことがある人はあまりいないのではないかと。それもそのはずで、この周辺に人気の観光スポットはなく(強いて挙げるならペール・ラシェーズの墓地)、庶民的で少しゆったりとした空気が流れています。でも、レストランやバーが多く集まるレピュブリックとバスティーユの間にありますし、人気のマレ地区へも歩いて行けるので、便利なエリアでもあります。近年はこの周辺にもおいしいコーヒーショップやカフェなどがオープンしているので、喧騒を離れてブランチやカフェをしたい方に是非おすすめしたい穴場スポットです! オープニングの作品に選ばれたのはクリムト! さて、このミュージアムの試みは、壁や床など建物全体を駆使したビジュアルアートと音楽のコラボレーションによって観客に新体験をもたらすもの。 今回のオープニングにあたって、3つの作品が上映されています。そして、そのメイン作品に選ばれたのは《クリムト》!クリムトのプロジェクションは、およそ30分の上映。その間、壁と床一面(総面積3300平㎡)をキャンバスに見立てたグラフィック映像が、クラシック音楽—ワーグナーやショパンなど、時に盛大で時に哀愁漂うメロディーと共に進行していきます。 そして、クリムトの影響を受け、オーストリアを代表する画家の一人であるエゴン・シーレの品も《クリムト》中に組み込まれていました。 アート空間に溶け込む感覚。実は私は美術館へ行ったとき、「羅列された作品を順々に鑑賞していく」というスタイルに違和感を感じることが時々あります。しかしながら、主題やアーティストの世界観を見事な展示方法で表現されることに感銘を受けることもありますし、また多くの展示作品の中から好きな作品を直感的に捉え、気になった作品を何度も見直したり、心行くまでじっくり観賞したり、etc…従来の美術館ではそれらが可能で、魅力の一つであるとも思います。しかしこのアトリエ・デ・リュミエールは、美術館でありながらコレクションを持たず、美術作品をデジタルに置き換え、ショーへと変化させました。このスタイルに、最初はいつもとは違った居心地の悪さを感じました。当たり前ですが、なんだかホールは暗いし、人もごちゃごちゃしているし、ショーも始まっていて途中だったし(笑)それに、どこか「見せられている」という感覚が違和感として沸き起こっていました。しかしショーの進行と共に自分の体がその空間に馴染んでくると、肉体がアート空間の中に溶け合わさっていく様な、作品の中へ沈み込んでいく様な錯覚を覚え、それがだんだんと心地よさへ変わっていきました。 直接“絵”に触れるということ 他の2作品ですが、1つはエゴン・シーレと同様、ウイーン分離派を継承した画家で建築家の《フンデルトヴァッサー》。彼の作品の象徴である、渦巻状のものが壁や床一面を旋回しだすと、子供たちがその映像へ駆け寄っていく姿が印象的でした。そう、ここでは“絵”で遊ぶということが可能なんですね! 美術館という場所において、絵はいつも人から守られてきたものでした。しかしながらデジタルによって、ある意味その垣根を越えることが出来たように思えます。 そしてもう一つの作品は、イスタンブール、L.A.、ロンドンを拠点に活動するデジタルクリエーション・スタジオOuchhhによる、コンテンポラリー・ヴィジュアル・アートの《Poetic_Ai》。こちらの作品は、すべてアルゴリズムよって作成されており、まるで、マトリックスの世界を旅している気分になりました。 また、こちらの作品(《Poetic_Ai》)は併設されているバー“Studio”でも8月31日まで連日上映されています。こうやって、座って鑑賞できるのもよかったですよ。大ホールでの上映に疲れたら、ここで喉を潤わせながら座って作品を眺めるのも良いかと。私は、結構ゆったり過ごせました。 今や私たちの生活にデジタルは欠かせないもので、エキシビションにおいても、観客を呼ぶため、そして人々の心をつかむ為のツールの一つとして、今後大きくその役割を担っていくのだろうと思います。 パリの新たな人気スポットの一つとなるのか。そして、今後の上映作品ではどのような仕掛けを組んで、私たちを驚かせてくれるのか、期待しながら今後の行方を見ていきたいと思います。 L’Atelier des Lumièresアドレス:38 rue Saint Maur 75 011 Paris開館時間:月-日10時~18時(金・土~22時)開催期間:《クリムト》《フンデルトヴァッサー》現在~11月11日《Poetic_Ai》現在~8月31日
2018年05月07日ヴェトモン(Vetements)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。自身のこれまでを振り返る今季は、デムナ・ヴァザリアのデザイナーとしてのこれまでの道を振り返ったショーだった。そのなかでも彼の刺激でもあったマルタン・マルジェラの影響を大きく受けている。マルジェラがまだデザイナーを初めて間もない頃、マーケットの古い服の解体と再構築からはじめた創作。それをなぞるように、デムナは、今季のコレクションにヴィンテージ感あるアイテムを豊富に使い、そしてレイヤードのテクニックで見せた。クリーニングされず年月が過ぎ、シワが残ったままのスーツ、大判のビンテージスカーフを巻き付けたようなランダムヘムのスカート、どのアイテムをとってもいくらかの月日の流れを感じられる。もちろん、解体と再構築の要素も織り交ぜていて、デニムにはその足跡を残すようなズレが生じている。シャツにも同じような解体の跡が残り、少し雑多な感じに張り合わせられたそのあとは、ヴィンテージ感あるアイテムたちに違和感なく溶け込んでいる。インサイドアウトの手法へのオマージュを感じさせる場面ももうひとつマルジェラらしさを感じられたのは、表裏を逆に身に着け、裏側を敢えて表にみせた手法。マルジェラが昔から多用していた、物事の本質を露にする「インサイドアウト」からこのスタイリングが導きだされたのではないかと考えさせられる。また、カモフラージュ柄のワークパンツに開けられた、インナーが見えてしまうような無数の穴も、恐らくそれが基となったのではないか。でもやはり、デムナはデムナだただ、これこそがデムナの手腕だと思わせられるのが、絶妙なパターンのテクニックで、見慣れた風なテキスタイルと、ベースとなるオーセンティックなフォルムは、身体への服の寄り添いを立体的に構築した。今季の主なテクニックである解体と再構築、そしてレイヤードによって、それらがより際立ったよう。今季の振り返りはきっと、彼らしさを模索するうえで、そして彼の未来を描く上で、きっと重要なシーズンになったはずだ。
2018年04月25日ギャラリー・ラファイエット社によって、新しいアートスペースが誕生 3月10日、パリの中心に、新たなコンテンポラリーアート・スペースが誕生しました。 場所は、以前この連載の中でお伝えした『アライア回顧展』の「アズディン・アライア・アソシエーション」からもほど近い、パリ4区のプラートル通り。名前は『Lafayette Anticipation(ラファイエット・アンティシパション)』。あのデパートで有名なギャラリー・ラファイエット社によって設立されました。 同社は、ファッションだけでなく、アートのエキシビジョンやフェアのパートナーとして、積極的に支援しているのです。例えば、毎年10月にパリで開催される国際コンテンポラリーアート・フェア(通称:FIAC=Foire International d’Art Contemporain)など。この時は、パリの街中が現代アートの作品で彩られるので、アートが好きな私としては、とても楽しみな時期の一つです。 アーティストたちの活動を後押しできる全く新しいスポット。 さて、『ラファイエット・アンティシパション』の狙いは、ただエキシビションを開催し、作品を展示するだけのものではありません。実験的で、かつ来場者が何か体験できることを主としたエキシビションを狙いとしています。さらに、企画・運営・展示の他、アーティストと共に作品の制作を行う学際的性質をもった文化施設でもあるのです。なぜこのようなスペースを作るに至ったのか。 同社によると「パリはたくさんの歴史ある素晴らしいコレクションが溢れているけれど、アーティストたちが集まって積極的に創作するための場所がない」ということ。そういった「現代アートの現状で欠けている点」に目を留めたギャラリー・ラファイエット社は、パリのど真ん中でアーティストたちが創作し合ってそのまま発表を行い、彼らの活動を後押しできるような全く新しいスペースを造りたいと思ったのでしょう。 そして、ラファイエット・アンティシパションのビルは、シアトル中央図書館やミラノのプラダ財団の建築で知られるレム・コールハースが、3年の歳月をかけてモダンな建物へと変貌させました。 地下1階から地上4階までのこの建物。地下はアーティストの創作スペースで、私たちが鑑賞できる主な展示スペースは1階から3階までです。そして、この3フロアはなんと、アーティストの意向に合わせて床や壁などを自由に変更できるように設計されています。それもおよそ40通り可能とのこと!展示ごとに、ビル全体が舞台装置のように変化するなんて、大変面白い試みです。 メインのエントランスを入ると、地上階には人気のオーガニック・カフェ「Wild & the Moon」が入っています。 そして、カフェのすぐ隣には、パブリック・スペースが。 カフェ側からこの建物の外、中庭へと一旦出ると、ラファイエット・アンティシパションのブティック「À Rebours」が併設されています。ユニークでデザイン性に富んだ小物や雑貨、アクセサリー、そして写真集などを手にすることができます。 アメリカ人アーティストによる、建物全体を使った展示作品 現在エキシビジョンは、ニューヨーク在住のアメリカ人アーティスト、Lutz Bacherの「The Silence of the Sea」が開催中。 © Lutz Bacher男性名義(ペンネーム)ですが、実は女性アーティスト。フランスでは、今回が初めての展示です。 彼女はさまざまなメディア、ビデオ、音響、フォトグラフィーなどを用いたインスタレーションを行うアーティストで、その表現スタイル通り、この建物全体が彼女の作品へと変化。海、そして海の静寂を連想させる海風の音が、あちこちに置かれた音響装置からビル全体へと響き渡り、訪れる人々を彼女の作品の内部へと誘い、包んでいきます。 最初に訪れた3階の展示スペース、自然光を取り入れた、明るく開放的な空間が広がっていました。 砂浜なのか、海面の反射をイメージしたのか、地面にはたくさんのラメが撒かれていました。撒かれたラメはメインの展示スペースだけではなく、階段や踊り場にも広がっていました。ご覧の通りキラキラ! お次はこちら。今回、1階と2階は吹き抜けになっていて、各フロアの両サイドに、同じ映像が流れるスクリーンが設置されていました。さらに、自分の立つ位置によって1階と2階両フロアの画面が一つに見えるという視覚を欺くマジックも発見。映像はモンタージュされていて、ブレが激しく、時々早送りのように進み、大画面の威力と共に眩暈を覚えるほど…。なので反対側に目をやると、距離があるお陰でだいぶ見やすい。美しい海辺の光景が目に飛び込んできます。 展示スペースの音響は決して穏やかではなく、むしろ雑音の大音量。タイトルのSilenceとはかけ離れているという点に、おそらくこのアーティストの問題提起が隠されているのでしょう。 絶え間なく続く音響と映像が2つのフロアをまたがり、さらに壁と床の垂直と並行のラインがどこか永続的なものを物語り、この空間のテーマの一つとして大きく存在しているような気がしました。 これはスクリーンに近寄った時、そこにいた誰かがふと私の前を通り過ぎようとした時の瞬間。画面の砂浜に映る彼女の影が、まるで登場人物の影のように感じました。観客一人一人が、この作品の一部へと組み込まれる瞬間でもあります。 中庭を囲む形を成したU字型の建築。外の景色を感じることで、街の一部、世界の一部であることも再認識できます。劇場や美術館の多くは、展示物の管理という面からしても、こうして自然光を入れることは不可能なのですが、ここは別。それは、「ここは閉ざされた場所ではなく、人々へ向けて開かれた場所である」という意思さえ感じられる気がします。 写真では見づらいかもしれませんが、こちらは先ほど3階にたくさん撒かれていたラメが落ちてくる様子です。天井を見ても目立った仕掛けがなかったので、私たちが実際に歩いていた3階のラメそのものかもしれません。これも、モバイル式の床がなせる技!日の光を照り返しながら、きらきらと輝き、落ちていく様子に見入ってしまいました。 体験型、参加型のエキシビジョンを通じて、大きな発見と感動を 日本の美術館やギャラリーは、展示されている作品をただ観賞するタイプのエキシビションが大部分だと思います。 しかしパリには、体験型、参加型のエキシビションが多く開催されています。そこでは、見る、聞く、触れるといった知覚を通して、発見と感動を得ることができます。 それは“物や空間”と“自分”であったり、“自分”と“他の誰か”であったり。そして、体験は、経験となって私たちの心に印象深く刻まれます。ただ、キュレーションされたものを眺めるよりも、空間全体を使用した作品の中に自分が身を置くことによって、より自分で何かを考えるという行為が触発される気がします。それが、この“体験する”ことを目的としたインスタレーションの魅力なのかなあ…なんて思ったり。 パリの中心でこのようなアートの発展を推進する文化施設がまたひとつ増えたことがとてもうれしい!これからも新たな文化施設がオープンしていく予定なので、随時ご紹介していきたいと思います。
2018年04月22日バレンシアガ(BALENCIAGA)が、2018-19年秋冬コレクションをパリで発表した。
2018年04月06日東京都が主催する「ファッション プライズ オブ トウキョウ(FASHION PRIZE OF TOKYO以下、FPT)」の第1回受賞ブランドとして、3月2日にパリで2018-19年秋冬コレクションをインスタレーション形式で発表したマメ(Mame Kurogouchi)が、3月19日東京でブランド初となるランウェイによるコレクションを披露した。ショー会場は15日にお披露目されたばかりの品川のアマゾンジャパンの撮影スタジオで「Amazon Fashion Week TOKYO(AFWT)」のスペシャルプログラム「AT TOKYO」の一環として行われた。パリで発表された作品の凱旋ショーとして行われたコレクションは、細かな手作業によるフリンジや刺繍、レース、パンチング、凝ったニット、革の細工など一枚のドレスに気の遠くなるような工程が溢れんばかりだ。ムートンのボンバージャケットやライダースなどミリタリーからのマニッシュな表現はアイテムによって見られるものの、全体を構成するのは女性らしいフェミニンなシルエット。オールシルクのチャイナスタイルのガウンコートや百合、菖蒲、竹などドレスにあしらわれたオリエンタルなボタニカル柄が、全体のトーンとうまくチューニングされている。デザイナー黒河内真衣子の“可愛さ”から“強さ”へと変化するフェミニンの表現は、欧米のラグジュアリー全般の流れと呼応している。そこにさまざまな情報や文化がクロスする東京らしいミックスが加わり、日本のモードブランドとしての一角を築き上げている。今シーズンのインスピレーションソースとしてル・コルビジェの門下生で、日本の民藝活動とも関わりの深いフランスの建築家・デザイナーのシャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand)の名前が挙げられており、ブランドのアイコンでもあるPVCのスケルトンバッグのモチーフやレースのモチーフが、日本とパリをつないでいるのかもしれない。Text: Tatsuya Noda
2018年03月27日トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年3月22日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。テーマは"パリ"2019年、ブランド創立30周年を迎えるトクコ・プルミエヴォル。そんなアニバーサリーコレクションにデザイナー・前田徳子が選んだテーマは"パリ"だ。毎シーズン、旅先や世界各国の民族衣装などからインスピレーションを得るという前田だが、今季は原点に立ち返り、自分の住む街"パリ"をモチーフに楽しく自由なスタイルを展開していく。カフェのギャルソンがお出迎えファーストルック、出迎えてくれたのはパリの街に欠かせない"カフェ"のギャルソンルック。ラッフルシャツにエプロンを思わせるスカートを合わせた2人のマドモアゼルが、足取り軽く、観る者を街へと招きいれてくれる。トリコロールのドレス群続いて現れたのは、赤・青・白のトリコロールのドレス群。パリを象徴するエッフェル塔、サクレクール寺院といったシンボルは、アップリケやプリントに姿を変えてドレスを鮮やかに彩っている。ニキ・ド・サンファルを想起させるプリント黒いキャンバスの上で本領を発揮するのは、パリを代表するアーティストや、映画スターをモチーフにしたクリエーション。黒をベースにしたトップス、パンツ、ドレスには、ニキ・ド・サンファルの世界観を想起させるポップなイラストがプリントされた。ブリジッド・バルドーをドットで表現ブリジッド・バルドーのスタイルからインスパイアされたのは、モノトーンの水玉プリント。ドットは集合体になることで瞳や唇といった彼女の表情をリアルに映し出し、モノクロのレンズを通した写真のように感じられた。30周年を祝したハートのTシャツクライマックスに近づくと、鮮やかなカラーパレットが戻ってくる。再び姿を現したトリコロールのドレス群には、さきほどとは異なる刺繍のフラワーが咲き誇る。ラストは30周年を祝したハートがアクセントのボーダートップスに、チュールスカート、ベレー帽を合わせたパリジェンヌたちと手をつないで前田が登場。会場は拍手の渦に包まれた。
2018年03月25日