3月25日(土)~6月11日(日)に、新宿のSOMPO美術館にて『ブルターニュの光と風 -画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉』が開催されている。見どころはまず、第一章にあたる「ブルターニュの風景」。入口をくぐると、ブルターニュの荒々しい海と豊饒な大地が目に入る。海に突き出た独特の地形に、打ち寄せる波。その風景に多くの画家が魅了されたであろうことを感じる。ブルターニュ地方は、フランスのなかでも独自の文化を持つ。大西洋に突き出た半島に望む厳しい海や豊かな自然、ケルトの伝統が宿る風俗を、多くの画家が描き残した。本展では、45作家による約70点の油彩・版画・素描を通じて、ブルターニュの歴史・風土・風俗に出会うことができる。さまざまな時代のフランス・ブルターニュの風を感じる美術展だ。第一章では、19世紀前半にサロンで活躍した画家たちによりブルターニュの海、大地、風俗が描かれる。多くの画家によって描かれたことにより、ブルターニュ主題はパリのサロンでブームになっていく。劇的に描かれる海や写実的な自然など、取材をもとにした大画面の絵画の前に立つと、そのまま吸い込まれてブルターニュの地に降り立つことができそうな気持ちになる。また、白い髪飾りなどの伝統衣装や、伝統行事「パルドン祭」の描写からは、独自の文化を紡いでいる様子が伝わる。第二章は、19世紀以降、ブルターニュに足を運んだ画家たちによる作品が並ぶ。クールベ、ブーダン、モネ、ゴーギャンなどの習作やスケッチを通し、印象派からナビ派の誕生の流れを見てとることができる。最後の第三章では、タイトルを「新たな眼差し」として、パリとの関わりを中心に、印象派以降の表現の広がりを紹介していく。スーラ率いる新印象派が開拓した点描法のタッチや、黒を基調とした「パンド・ノワール(黒い一団)」、また20世紀以降のキュビスムなど、さまざまな様式によるブルターニュの風景が見られる。絵画の変化を感じながら、そこに一貫して広がるブルターニュの雄大な自然が、多くの画家たちを魅了していることがわかる。同時に、画家たちの眼差しを通していろんなブルターニュが浮かび上がり、彩り豊かな光と風を堪能した。本展は、カンペール美術館の作品が中心となっており、各作品のための額縁がまた絵の魅力を力強く支えている。チケット発売中。取材・文:河野桃子
2023年03月31日2023年3月25日(土)より、SOMPO美術館では、『ブルターニュの光と風-画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉』が開催される。フランスのブルターニュ地方が、いかに画家たちの心をとらえたかを、ブルターニュに関する作品を多数所蔵する地元カンペール美術館の作品を中心に、45作家約70点の油彩、版画、素描で紹介する展覧会だ。ブルターニュとは、フランス北西部に位置する地域。豊穣なる海と大地、土着的な習俗が色濃く残る人々の暮らしは、19世紀以来、主にフランスの画家たちに様々なインスピレーションを与えてきた。とくに、タヒチに旅立つ前のポール・ゴーギャンが、この地の小村ポン=タヴァンに滞在したことから、彼を取り巻く画家たちの一団「ポン=タヴァン派」が生まれたことは有名だ。太く明確な輪郭線と平坦な色彩構成を特徴とする手法「クロワゾニスム」は、ここポン=タヴァンで、ゴーギャンとエミール・ベルナールが確立した。さらに、19世紀末、ピエール・ボナールやモーリス・ドニらがパリで結成した前衛的な若手芸術家集団「ナビ派」の誕生も、ポール・セリジェがこの地でゴーギャンに絵の指導を受けたことがきっかけとなった。同展では、彼らの活動はもちろんのこと、その他の画家たちの作品も紹介する。たとえば、ゴーギャン以前にブルターニュの魅力を見出した、アルフレッド・ギユや、リュシアン・レヴィ=デュルメールなど。彼らの作品は、ゴーギャンらのそれとは違ったドラマや神秘に満ちている。また世紀末にブルターニュを拠点に暗澹たる風景を描いた一派「バンド・ノワール(黒い一団)」の作品など、ゴーギャンが去った後の、新たな画家たちの活動なども興味深い。およそ一世紀の間に様々な様式で描かれたブルターニュの姿を見ることで、画家たちを魅了したこの地の魅力を理解することができるだろう。<開催情報>『ブルターニュの光と風 ー画家たちを魅了したフランス<辺境の地>』会期:2023年3月25日(土)~ 6月11日(日)会場:SOMPO美術館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜料金:一般1,600円、大学1,100円公式サイト:
2023年03月14日フランス北西部に位置し、古来より特異な歴史文化を紡いできたブルターニュ地方に魅了された芸術家に焦点をあてた展覧会が、3月18日(土)から6月11日(日)まで、東京・上野の国立西洋美術館で開催される。変化に富んだ豊かな自然、古代の巨石遺構や中近世のキリスト教のモニュメント、そしてケルト系言語である「ブルトン語」を話す人々の素朴で信心深い生活様式。その特異な文化を保ってきたブルターニュは、19世紀のロマン主義の時代、フランスの内側にありながら「異郷」を感じさせる地として、新たな画題を求める芸術家たちの注目を集めるようになったという。同展では、とりわけ多くの画家がブルターニュに惹きつけられた19 世紀後半から 20 世紀初めの時代に着目し、この地の風景や風俗、歴史をモテーフとした作品を展観する。会場に並ぶのは、国内の 30カ所を超える所蔵先と海外2館から集められた約 160 点の絵画、素描、版画、ポスター作品など。外光派のブーダンや印象派のモネから、ポスト印象派のゴーガンとポン=タヴェン派、ナビ派のドニなど、多彩な画家たちとともに、美術史上重要な画家グループも紹介される。とりわけ、ブルターニュで重要な展開をとげたゴーガンの作品が12点集結するのも同展の見どころのひとつだ。注目すべきは、西洋の画家だけでなく、明治後期から大正期にかけて、芸術先進都市であるパリに留学してブルターニュへと足をのばした日本人画家や版画家たちにも光をあてていること。黒田清輝や久米桂一郎、藤田嗣治、岡鹿之助など、同地での滞在がこれまであまり注目されてこなかった日本人画家の足跡をたどる意義深い展観となる。西洋と日本のそれぞれの画家たちが、ブルターニュという「異郷」の地に何を求め、何を見出したのかを探る同展は、ブルターニュの知られざる美術史をたどると同時に、絵画を通して画家たちとともにブルターニュを旅する楽しみを観る者にもたらしてくれる。文学作品やガイドブック、画家旧蔵の絵葉書やトランクなどの関連資料の展示もあり、私たちの旅心を盛り上げてくれるに違いない。<開催情報>『憧憬の地 ブルターニュ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』会期:2023年3月18日(土)〜6月11日(日)会場:国立西洋美術館時間:9:30~17:30、金土と5月1日(月)~4日(木・祝)は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(3月27日と5月1日は開館)料金:一般2,100円、大学1,500円、高校1,100円公式サイト:
2023年03月10日企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年3月18日(土)から6月11日(日)まで開催される。日仏の画家が描いたブルターニュ19世紀後半から20世紀にかけて、各国の画家たちはフランス北西端のブルターニュ地方を訪れ、この地を題材に数多くの作品を手がけた。企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」では、画家たちが描いたブルターニュを一堂に集めて紹介する。ブルターニュ地方は、雄大な自然、先史時代の巨石遺構、宗教的モニュメント、あるいはケルト系言語を話す人びとの素朴な生活様式などに見るように、古来より特異な文化圏を形成していた。フランスの内なる異郷ともいえるブルターニュは、19世紀になると人びとの関心を集めるようになる。美術の領域においても新しい画題を求める画家たちを受け入れ、19世紀末には、ポール・ゴーガンが率いるポン゠タヴェン派やナビ派といった画家グループの誕生を促した。また、黒田清輝や藤田嗣治など、日本から渡仏した画家たちもブルターニュを訪れ、この地を作品に描いている。本展では、国立西洋美術館の「松方コレクション」などから、フランスを中心とする画家によるブルターニュを題材とした作品約160点を一堂に集めて紹介。ゴーガンの作品を10点以上集めてその造形様式の変遷をたどるとともに、クロード・モネやポール・シニャック、アルフォンス・ミュシャのほか、黒田清輝や藤田嗣治、長谷川潔、山本鼎など、日本から渡仏した画家の作品も展示する。展覧会概要企画展「憧憬の地 ブルターニュ─モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」会期:2023年3月18日(土)〜6月11日(日)会場:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7※詳細については追って告知【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2022年11月04日昔ながらの小さなベーカリー。コンパクトなスペースに厳選された個性的なお花が並ぶフラワーショップ。そんな、出かけた先で小さなお店を見つけたときのワクワク感をお届けするこの連載。今回は、表参道から少し入った通りで見つけて、あっという間に“通いたいお店”となった、小さな〔レピスリー〕をご紹介します。ブルターニュの魅力がぎゅっと詰まった〔ブレッツカフェ レピスリー〕表参道から「まい泉通り」へ入ってしばらく歩くと、ブルターニュに本店を構えるガレットレストラン〔ブレッツカフェクレープリー〕(旧店名:ルブルターニュ)へたどり着きます。そして、そのお隣に、3年半ほど前にひっそりとオープンしたのが、今回ご紹介する〔ブレッツカフェレピスリー〕。ブルターニュではおなじみの、レストランで食事をした後に気に入ったものを併設のレピスリーで購入するスタイルを日本にも広めたいと、レストランの一部を改装してオープンさせたのだとか。フランス人でブルターニュ出身のオーナーによるセレクトを中心に、フランスの食糧庫といわれるブルターニュのおいしいものが棚いっぱいにひしめき合う様子は、どこを切り取ってもフォトジェニック!お菓子に缶詰&瓶詰め、保存のきく食材がぎっしり!いちばん棚の面積を占める割合が大きいのは、やはり甘いもの。塩バターキャラメルだけでも豊富な品揃えですし、黄色い缶が可愛い塩バタービスケットも、厚焼き、薄焼き、詰め合わせとバリエーション豊富。兄弟が昔ながらの銅鍋で煮詰めているというコンフィチュールや、塩バターキャラメルのジャムも、止まらなくなるおいしさです。次に驚くほどの品揃えを誇るのが、イワシとサバの缶詰。トマトやハーブ、唐辛子、マスタードなど、さまざまな素材を合わせたものや、缶を開ければタプナードが完成されているものも。この棚だけでも行く価値ありかもしれません。併設のレストランで提供されているスープの瓶詰めも購入できるのですが、逆に、店内で販売されているリエットやイワシとサバの缶詰なども、スタッフの方にお願いすれば、店内で提供していただけるそうです。この自由なスタイルも、日本にはあまりない感じで楽しいですよね。また、そば粉とゲランドの塩、生地をのばす器具・ラトーがセットになった《ガレットSET》も、ガレットレストラン併設店ならでは。こちらのそば粉、今年から、より風味豊かな長野県産の石臼挽きのものになったのだとか。さっそく、プレゼントしたい何人かの友人の顔が思い浮かびました。シードルにクラフトビール、バターにシャルキュトリ、洗剤まで!?手前から2本目のノンアルコールシードル《クール・ドゥ・ポム・ビオ》250ml¥540(750mlは¥1,510)そしてブルターニュと言えば、そう、シードルです。ブルターニュ産りんご100%の一番搾り果汁を使ったシードル《ヴァル・ド・ランス》は、辛口・甘口・中辛口のオーガニックと3種類。ノンアルコールシードルの《クール・ドゥ・ポム・ビオ》も香り高く、ノンアルコールだからって、あなどれないおいしさですよ。《ボルディエ》のバター(125g)¥1,680〜。《レジセナン》のサラミ(2種。各200g)各¥1,910それからもうひとつ。冷蔵棚には〔ボルディエ〕のバターが……!しかも取材時には、〔ボルディエ〕好きなら一度は買っているであろう海藻バターに、めずらしいパプリカバターやユズバター、燻製塩バターまで!(※入荷状況により、品切れの場合もあります)オーナーのラーシェベルトランさんにお話を伺うと、〔ボルディエ〕のオーナーさんはご友人なんだとか。お気に入りは海藻バターで、白身魚や、ホタテに合わせると最高だと教えてくれました。その下には、オープン当初から取り扱いのある〔レジセナン〕のサラミが2種。1種は白カビタイプ。もう1種は、まわりにドライハーブがびっしり。通常のサラミよりも脂身の比率が低い分、肉の旨みがぎゅっと濃縮されており、いつまででも食べ続けられそう。これはグルメな方への手土産にしたら喜ばれそうです。〔ジャック・ブリオシャン〕の食器・手洗い洗剤¥1,060、ペーストクリーナー¥1,510もう、あげればキリがないのですが、最後にこれだけ。ダークホース的な商品があるんです。それが、ブルターニュの老舗〔ジャック・ブリオシャン〕の食器・手洗い洗剤と、ペーストクリーナー。100%天然成分で、アマニオイル使用。ペーストクリーナーは、床磨きに使った後にペットが床を舐めてしまっても害がないとのこと。そのクリーナーをスプレータイプにしたマルチクリーナーも使いやすそうです。ホリデーシーズンのギフトに。保存がきくから、多めに買ってもOKお店に行けば、まだまだここでは書ききれない魅力がいっぱいです。この記事を読んで、アドレナリンが出るのを感じたかたは、ホリデーシーズンのアイテム調達に、ぜひ、表参道へ。ほとんどが日持ちのするものですし、その場で絞り込めなかったら、少し多めに買っておくのも手かもしれません。取材時にもいろいろと連れ帰ったのに、またすぐにでも行きたくて、うずうずしているわたしです。【ブレッツカフェレピスリー】●住所:東京都神宮前3-5-4●電話:03-3478-7855●営業時間:10:00〜22:30(※日曜・祝日は〜22:00)ブレッツカフェ レピスリー【醍醐由貴子(だいごゆきこ)】ライター。女性誌から男性誌まで、ジャンルはフードからライフスタイルまで、幅広く活動中。すっかり意見するようになった息子に助けられつつ、日々奮闘しています。●写真さくらいしょうこ東京の小さなリトアニアで出合った、ぬくもりあるクラフトとチョコレート【小さなお店 #2】ボリューミーでフォトジェニック!中目黒で見つけたファラフェルサンド専門店【小さなお店 #1】
2017年12月22日ブルターニュの伝統料理“ガレット”を中心に、前菜からデザートまでフルコースで楽しめる店として人気の『カフェ クレープリー ル ブルターニュ』、『ブレッツカフェ クレープリー』(株式会社ル ブルターニュ)では、 9月9日(金)~11日(日)の3日間、 震災で被災した子供たちを支える国際NGO「プラン・ジャパン」の活動に協力するための特別メニュー <ムニュー ド ブルターニュ>を提供。売上げの一部をプラン・ジャパンに寄付し、被災地の子どもたちを応援するプロジェクトに役立てるためのチャリティーキャンペーンを実施する。プラン・ジャパンを14年間支援しつづけている 株式会社ル ブルターニュは、本店のあるフランス・カンカルが、被災地と同様に漁業や海運で栄えた地域であることから、カキ養殖用のロープの提供や、気仙沼向洋高校への支援、また南相馬市給食センターへの食糧支援や各地炊出しなど、既に数々の支援活動を続けている。今回のチャリティーメニューは、プラン・ジャパンが震災後、緊急支援活動の一環として写真や映像を通じて子どもたちの声を発信することを目的に被災地で実施した「子ども・メディアプロジェクト」の 写真展/報告会 を都内で開催する時期(9月11日に開催)に合わせて実施されるもの。<ムニュー ド ブルターニュ>は、メイン「マグレ鴨とブルターニュ産アーティチョークのガレット」、デザート「自家製りんごのコンポートとそば風味のキャラメルブールサレのクレープ アイスクリーム添え」、ドリンクにコクがあるのにすっきりした味わいで人気のシードル・オーガニックをコース価格2,480円で提供。同メニューを注文すると、宮城県の子どもたちが撮影した写真を使用したプラン・ジャパンのオリジナルポストカードもプレゼントされる。日時:2011年9月9日(金)~11日(日)場所:ル ブルターニュ神楽坂店・表参道店、ブレッツカフェクレープリー新宿タカシマヤ店・銀座店・赤坂店・川崎店・名古屋店 計7店お問い合わせ:株式会社ル ブルターニュ Tel 03-3235-6457取材/松浦明
2011年09月07日