『ミッドサマー』や『LAMB/ラム』、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『Pearl パール』などの話題作を次々と手掛ける気鋭の製作・配給会社A24が北米配給権を獲得した、驚異の英国発ワンショット・ミステリーが、邦題『メドゥーサデラックス』(原題:MEDUSA DELUXE)として日本公開が決定した。物語の舞台は、年に一度のヘアコンテスト。開催直前、優勝候補と目されていたスター美容師・モスカが変死を遂げた。担当のモデルが席を外したわずか数分のうちに、奇妙にも頭皮を切り取られた姿で発見されたのだ。会場に集まっていたのは、今年こそ優勝すると誓ってコンテストの準備を進めていたライバルの美容師3人と、それぞれが担当するモデルたち4人。さらにコンテストの主催者やモスカの恋人、警備員を巻き込みながら、彼女たちは事件や人間関係に関する噂をひそひそと囁きはじめる。「私たちの中に殺人鬼が潜んでいるのかも」「モスカは報いを受けるべきだった」「彼女はコンテストに勝つため不正を働いている」「あなたが殺したの?」――。その日、コンテストの裏側で何が起きたのか。なぜカリスマ美容師は死ななければならなかったのか。観客は事件を捜査する探偵さながら、一同の噂話に耳を傾けることになる…。ユージン・スレイマンと『女王陛下のお気に入り』撮影監督がタッグ世界で絶賛されたワンショット撮影を務めたのは、ヨルゴス・ランティモス監督『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞候補となった撮影監督ロビー・ライアン。錚々たる名監督の信頼を受け、ケン・ローチ監督『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』ほか、近年はノア・バームバック監督『マリッジ・ストーリー』やマイク・ミルズ監督『カモン カモン』も記憶に新しい名手が、キャリア史上最高といわれる手腕で瞬きさえ許さない美しさと緊張感を生み出した。劇中のヘアスタイルを手掛けたのは、レディー・ガガのヘアメイクなどをはじめ、“最も独創的なヘアスタイリスト”と称されるユージン・スレイマン。「シャネル(CHANEL)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「Kenzo」などのランウェイヘアや、「エルメス(HERMES)」「カルバン・クライン(Calvin Klein)」から「ジル・サンダー(JIL SANDER)」「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」などまでコラボレーションを務めた重鎮だ。監督・脚本は美容院で育った新鋭監督初の長編映画で監督・脚本を務めたのは、新鋭トーマス・ハーディマン。美容師の親を持ち、美容院で育った経歴の持ち主で、これまで手掛けた2本の短編映画が、英国内の映画促進を目的として1933年に設立されたBFI(英国映画協会)に高く評価され、長編の製作を促された。BFIと数々の名作を世に送り出してきたBBC Filmsによる支援のもと、本作の製作が実現。BBC Filmsといえば、特に新たな才能の発掘と育成に力を入れており、これまでスティーブン・ダルドリー監督『リトル・ダンサー』(2000)、スティーブン・フリアーズ監督『あなたを抱きしめる日まで』(2013)、マシュー・ウォーチャス監督『パレードへようこそ』(2014)、近年ではジェーン・カンピオン監督のNetflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)といった意欲的な作品を世に送り出してきた。監督が温めていたアイディアから選んだのは、自身のルーツとしても特別な想いがある“髪”をテーマにしたマーダーミステリー。そんな本作には「観客を翻弄しながら展開する、魅力的な殺人ミステリー!ユージン・スレイマンのクリエーションはまばゆく、映像美を誇る撮影と脚本を、完璧に引き立てている。」(Indie Wire)、「天才撮影監督ロビー・ライアンによる最高傑作!緊張感を高めているワンショット撮影が効果的で、素晴らしい」(Variety)と絶賛され、シッチェス・カタロニア国際映画祭やサンパウロ国際映画祭では最優秀作品賞に、またロンドン映画祭や英国インディペンデント映画賞、ファンタスティック・フェストでは新人監督賞にあたる賞にノミネートされるなど、世界の映画祭で話題をさらってきた。ロビー・ライアンによるカメラはギリシャ神話に登場するメドゥーサの蛇のごとく、コンテスト会場の廊下をうねりながら進み、部屋から部屋を渡り歩いて、関係者たちの間に広がる混乱と真相を映し出していく。その映像をエレクトロニックス音楽界の天才・Korelessによる実験的でミニマルな音楽が、効果的に盛り立てている。『メドゥーサデラックス』は10月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月11日『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が第95回アカデミー賞で作品賞含む7部門を受賞し、話題の映画スタジオ「A24」が贈る最新作『Pearl パール』。悪魔的(デモニッシュ)な魅力で世界を虜にした、無慈悲かつ凶暴なシリアルキラー・パールの誕生を描く本作では、パールを怪演したミア・ゴスにも俄然注目が集まっている。そこで本作同様、俳優たちの演技も見逃せない、ホラーを超えてトラウマの領域にまで踏み込んでしまったA24発・“トラウマホラー映画”を紹介する。★『Pearl パール』公開中スクリーンの中で踊る華やかなスターに憧れるパール。しかし、現実は、戦争へ出征中の夫を待ちながら、敬虔で厳しい母親に従い、身体の不自由な父と農場の家畜の世話に明け暮れる繰り返しの日々だった。しかし、ある日、父親の薬を買いに町へ出かけ、母に内緒で映画を見たパールは、そこで映写技師に出会ったことから、いっそう外の世界への憧れが募っていく。そんな中、地方を巡回するショーのオーディションがあることを聞きつけたパールは、オーディションへの参加を強く望むが、母親に「お前は一生農場から出られない」と言われてしまう…。比類なき無邪気さと残酷さを併せ持つパールの人物像を描くに当たり、「一度も道を踏み外さない清廉潔白な主人公が登場するディズニーの実写映画も参考にした」と明かすタイ・ウェスト監督。「そういった物語には、清らかさと驚きがある。楽観的で不可能なんかないという要素が『メリー・ポピンズ』では魔法になった」と話す。「そういう映画ではひどいことは絶対に起こらない。だってそぐわないから」。だが、そうした典型的なキャラクターたちに、もっとリアルで、むしろ非現実的な課題を与えたかったという監督。“自分は特別ではなく、夢が叶わないと知った無垢なキャラクター・パール”の行く末は…?全米公開時に「女性版ジョーカー」と話題にもなった、ラストシーンのパールの“笑顔”は必見となっている。★『ミッドサマー』(2019年)日本では毎年夏至(ミッドサマー)に上映イベントが企画されるなど、根強い人気をもつ傑作サイコホラー。家族を不慮の事故によって失い、心に深い傷を負った大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、民俗学を研究する大学の仲間や恋人たちと共に5人で、スウェーデンの奥地で90年に一度開かれるという祝祭へ参加する。太陽が沈むことのない白夜の明るさと、咲き誇る美しい花々、美しい刺繍を施された衣装を纏いながら、村の人々は陽気に歌い踊る。まるで夢の中のような日々を過ごしていく中、やがて不穏な空気が漂い始める。妄想、悪夢、恐怖――全てが襲いかかる映画として“クセになる”“何度でもみたい”という熱狂的なファンも存在する。本作で、主演のフローレンス・ピューは一気にスターダムへと躍り出た。★『ライトハウス』(2019年)謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”たちが、外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく――。1801年にイギリス・ウェールズで実際に起きた事件をベースに、人間の極限状態を恐ろしくも美しいモノクロ映像で描いた本作。4週間の予定で、孤島にある灯台と島の管理を行う仕事を任されたベテランのトーマス(ウィレム・デフォー)と、新米のウィンズロー(ロバート・パティンソン)。そりが合わずに初日から衝突を繰り返していた2人だったが、やがて嵐のせいで2人は島に閉じ込められてしまう。険悪な雰囲気の中、2人きりで孤独な世界に取り残されたとき、おぞましい狂気の扉が開いていく。劇中、ほぼウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの2人しか登場せず、公開当時はその壮絶な演技合戦が話題ともなった。アカデミー賞撮影賞にもノミネートされた、強烈で、ときに美しい悪夢のような映像はトラウマ必至。監督は、アニャ・テイラー=ジョイ主演の『ウィッチ』で一躍注目されたロバート・エガース。★『ヘレディタリー/継承』(2018)グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニー(トニ・コレット)はある出来事をきっかけに、祖母に対して複雑な感情を抱いていたが、家族と共に淡々と祖母の葬儀を執り行う。その死を家族で乗り越えようとする中、奇妙な出来事がグラハム家に頻発。祖母に溺愛されていた娘チャーリーは、次第に異常な行動を取り始め、やがて最悪な出来事が起こってしまう。修復不能なまでに崩壊、想像を絶する恐怖に襲われた一家の行く末は?“受け継いだら死ぬ”、祖母が家族に遺したものは一体何なのか?長編デビュー作ながら「骨の髄まで凍りつく」(Hollywood Reporter)、「現代ホラーの頂点」(USA TODAY)などメディアも絶賛した、『ミッドサマー』アリ・アスター監督が放った21世紀最恐ホラー。主演のトニ・コレットも、アカデミー賞ノミネートが有力視されるほど注目を集めた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:へレディタリー/継承 2018年11月30日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018 Hereditary Film Productions, LLCミッドサマー 2020年2月21日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.ライトハウス 2021年7月9日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.
2023年07月09日肌の悩みをピンポイントでカバーインターナショナルコスメティックス株式会社は、韓国コスメブランドの「ザ・セム(the SAEM)」から、『ザ・セム CPコンシーラーペンシル』(3色)を6月25日に発売した。容量は2.5g、販売価格は、各990円(税込み)。同社は、「ザ・セム」の日本における輸入販売元。同ブランドの『チップコンシーラー』は、優れたカバー力と密着力が支持されて、コスメサイトで殿堂入りしたロングセラーアイテムである。自然な仕上がりの涙袋を簡単に今回発売する『CPコンシーラーペンシル』は、シミ・ほくろ・目元のクマやくすみ等の肌悩みをピンポイントでカバーするペンシルタイプのコンシーラー。細芯でやわらかすぎず、スルスル塗れるテクスチャーなので、気になるシミ・ほくろ等の隠したいところを目立たなくできる。厚塗り感ができにくく、メイク直しの時も手軽にリタッチが可能。涙袋は、下まぶたに『CPコンシーラーペンシル』をのせてなじませると簡単に演出できる。細かいラインからやや太い幅のラインまで描きやすく、初心者でもテクニックいらずでリアルな涙袋が作れる。スポットメイクとして、眉毛の縁取りや唇の輪郭を整えることにも利用で可能で、いつものメイクがワンランクアップする。カラーは、3色展開。「1.0 クリアベージュ」は、透明感のある明るいベージュでハイライトに。「1.5 ナチュラルベージュ」は、やや明るい自然なベージュ。ニュートラルカラーで取り入れやすい。「SB サーモンベージュ」は、ほんのりピンクみがあるので肌なじみが良く、クマのカバーに効果的である。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリースインターナショナルコスメティックス株式会社※ICIコスメストアザ・セム CPコンシーラーペンシル
2023年07月07日映画『ロスト・キング 500年越しの運命』が、2023年9月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開される。英国王室の歴史を覆した驚きの実話映画『ロスト・キング 500年越しの運命』は、ある歴史愛好家の主婦が英国王リチャード三世の真の姿を追う、実話をもとにした物語。この主婦が実は、500年もの間行方不明となっていたリチャード三世の遺骨の発掘の立役者なのである。映画『ロスト・キング 500年越しの運命』では、リチャード三世の駐車場に眠る王を探すという信念を貫いたひとりの女性の人生を肯定する物語を描く。主演サリー・ホーキンスが“歴史愛好家の主婦”に主演は、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』で主演を務めたサリー・ホーキンスが担当。別居中の夫はスティーヴ・クーガンが務める。そのほか、『天才作家の妻 -40年目の真実-』のハリー・ロイド、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のマーク・アディが出演する。フィリッパ・ラングレー…サリー・ホーキンス息子とともに観劇したシェイクスピアの史劇により、英国史上稀に見る極悪人として名高いリチャード三世の既成事実に疑問を持った歴史愛好家の主婦。リチャード三世に心惹かれ、レスターを訪れたり、リチャード三世教会に入会して、様々な人物とコンタクトを取ってみたりと、彼の汚名を晴らすべく遺骨探しに没頭する。ひたむきにリチャード三世を追い求め、徐々に日常が豊かに変化していく。リチャード三世…ハリー・ロイドフィリッパが作り上げた“幻”としてフィリッパの目の前に現れるリチャード三世。フィリッパの心の声として、寄り添う。監督はスティーヴン・フリアーズ監督は、『あなたを抱きしめる日まで』や『クィーン』など英国王室にまつわる映画を手掛けてきたスティーヴン・フリアーズ。脚本は、別居中の父親役を演じるスティーヴ・クーガンと、『あなたを抱きしめる日まで』でヴェネチア国際映画祭の最優秀脚本賞を受賞、アカデミー賞脚色賞にもノミネートされた際と同じく、本作でもジェフ・ホープと共に脚本を手掛ける。映画『ロスト・キング 500年越しの運命』あらすじフィリッパ・ラングレーは、職場で上司から理不尽な評価を受けるも、別居中の夫からは生活費のために仕事を続けるよう促され苦悩の日々を過ごしていた。ある日、息子の付き添いでシェイクスピアの「リチャード三世」を観劇したことで、彼女の人生は一変。悪名高き王・リチャード三世も自分と同じように不当な扱いを受けてきたのではないかと疑問を抱いたフィリッパは、彼の真の姿を探し求め、歴史研究に没頭していく――。【作品詳細】映画『ロスト・キング 500年越しの運命』公開日:2023年9月22日(金)監督:スティーヴン・フリアーズ脚本:スティーヴ・クーガン、ジェフ・ホープ出演:サリー・ホーキンス、スティーヴ・クーガン、ハリー・ロイド、マーク・アディ配給:カルチュア・パブリッシャーズ原題:THE LOST KING
2023年06月25日『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンスが主演する『ロスト・キング 500年越しの運命』が9月22日(金)より全国公開されることが決定した。職場で上司に理不尽な評価を受け、別居中の夫からは生活費のために仕事を続けるよう促され、苦悩の日々を過ごしていたフィリッパ・ラングレー。ある日、息子の付き添いでシェイクスピアの「リチャード三世」を観劇したことで、彼女の人生は一変。悪名高き王・リチャード三世も自分と同じように不当な扱いを受けてきたのではないかと疑問を抱いたフィリッパは、彼の真の姿を探し求め、歴史研究に没頭していく…。2012年、イギリス・レスターのある駐車場で、500年もの間、行方不明となっていた英国王リチャード三世の遺骨が発見された。発掘の立役者となったのは、歴史愛好家の“主婦”だった、という驚きの実話を基にした本作。監督は『あなたを抱きしめる日まで』や『クィーン』など英国王室にまつわる作品を手掛けてきたスティーヴン・フリアーズ。主演に『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンスを迎え、信念を貫いた女性の人生を肯定する物語を描く。サリー・ホーキンス Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI別居中の夫を演じたスティーヴ・クーガンは、『あなたを抱きしめる日まで』でヴェネチア国際映画祭の最優秀脚本賞を受賞、アカデミー賞脚色賞にもノミネートされた際と同じく、本作でもジェフ・ホープとともに脚本を担当。そのほかの共演者に、『天才作家の妻 40年目の真実』のハリー・ロイド、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のマーク・アディが名を連ねる。主人公のモデルとなったフィリッパ・ラングレーは、日本での公開決定に際し、「この映画が日本で公開されると聞いて非常にエキサイティングに感じています。駐車場に眠る王を探す、という私のジェットコースターのような経験を描いたこの映画をぜひお楽しみください」と喜びのコメントを寄せた。シェイクスピアの史劇により、英国史上まれに見る極悪人として名高いリチャード三世だが、本作の主人公であるフィリッパはその既成事実に疑問を持ち、独自に調査を始める。1485年に死亡したリチャード三世の遺骨は、近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたため、多くの考古学者や専門家たちからは懐疑的な目を向けていたが、リチャード三世に心惹かれ、彼の汚名を晴らしたいと遺骨探しに没頭していくフィリッパ。ひたむきにリチャード三世を追い求める彼女の姿は、まさに“推し活”そのもの。何かに夢中になり、日常が豊かに変化していくことは素晴らしいと再認識させられる作品となっている。撮影現場にて:フィリッパ・ラングレー本人フィリッパ・ラングレーからのコメント全文この映画が日本で公開されると聞いて非常にエキサイティングに感じています。我々の15世紀の歴史はとても似通っています・・・日本は戦国時代、そしてイングランドは薔薇戦争。日本にもリチャード三世協会の会員がいることもとても喜ばしいことです。駐車場に眠る王を探す、という私のジェットコースターのような経験を描いたこの映画をぜひお楽しみください。忠誠が我を縛る、フィリッパ(別称 キングファインダー)x『ロスト・キング 500年越しの運命』は9月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年06月22日6月はプライド月間。LGBTQ+の人々の“リプレゼンテーション”が年々高まっている中、配信サービスや劇場で観ることのできる映画やシリーズの中から、いま観たい作品をピックアップ。“リプレゼンテーション”とは、映画やテレビのメディアなどにおいて、LGBTQ+(性的マイノリティ)や人種的マイノリティなども含め、社会を構成する人々の多様性が公正に描かれていること。現実には当たり前が当たり前ではなかったり、存在意義や居場所を見つけられなかったりと、まだまだアンフェアであるからこそ、リプレゼンテーションやリスペクトがうかがえる作品に注目した。アカデミー賞最多7冠『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』第95回アカデミー賞作品賞をはじめ主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス)、監督賞、脚本賞、編集賞の最多7冠。A24作品最大のヒットとなった今作では、ミシェル・ヨー演じるコインランドリーの経営者エヴリンが無数に広がるマルチバースを行き来しながら、全宇宙を破壊しようとする“巨大な悪”と対峙する。そのエヴリンが夫ウェイモンドとともにアメリカに移住して誕生した娘が、“喜び(Joy)”と名づけられたジョイで、レズビアン。エヴリンはジョイのガールフレンド、ベッキーとの交際を認めず、中国から呼び寄せた父ゴンゴンにも紹介させない。ジョイの話にも耳をかたむけようとせず、久しぶりに娘に会っても辛辣になりがちで、「だらしがない」「食事に気をつけなさい」と小言ばかり。そんなアジア系移民の母娘の諍いが、なんとマルチバースの命運を握ることになる。また、エヴリンと天敵のはずの国税局のディアドラ(ジェイミー・リー・カーティス)は、人類の手の指がソーセージになっているバースでは同棲中の恋人同士として描かれている。そんなバースがあるのなら、わだかまりもフッと消えてしまうのだ。なお、ジェイミーは娘がトランスジェンダーであり、獲得したオスカー像をジェンダーニュートラルな代名詞「They/Them」と呼んでいることを明かしている。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』はU-NEXT(レンタル)にて配信中。9月6日(水)より4K ULTRA HD&Blu-ray&DVD発売。ロングランヒット継続中!『エゴイスト』「アジアのアカデミー賞」と呼ばれる第16回アジア・フィルム・アワードにて、主演男優賞(鈴木亮平)、助演男優賞(宮沢氷魚)、衣裳デザイン賞にノミネートされ、宮沢氷魚が最優秀助演男優賞を受賞。さらに香港国際映画祭、イタリアのウディネ・ファー・イースト映画祭などで上映され、アメリカのLGBTQ+をテーマとした最も歴史あるフレームライン映画祭、LGBTQ+映画を多数上映するプロビンスタウン映画祭での上映ほか、今秋には北米公開も決定している話題作。14歳で母を失い、故郷を飛び出して、高級ブランドを鎧のように身に纏い生きてきたファッション誌編集者・浩輔と、病気がちなシングルマザーを支えるパーソナルトレーナー・龍太の親密な恋愛と、エゴとも呼べる“愛のあり方”を描いた。ドキュメンタリーのように手持ちカメラで人物たちを傍らから追うことで、表情は見えなくても心情まで感じ取れる息づく人間たちが映し出されている。ドリアン・ロロブリジーダをはじめ、浩輔の友人たちはいずれもゲイ当事者であり、LGBTQ+の登場人物のセリフや所作などを監修するLGBTQ+インクルーシブ・ディレクターのミヤタ廉や、性的シーンでの所作や細かい部分を監修するインティマシー・コレオグラファーのSeigoを迎えている。「こういうサポートがあるというのは日本映画において大きな一歩」と宮沢さんも日本外国特派員協会記者会見で語るなど、ゲイカップルを演じた鈴木さん、宮沢さんが度々発するメッセージからもプライドがうかがえる1作。『エゴイスト』はU-NEXT(レンタル)にて配信中。8月25日(金)より4K ULTRA HD&Blu-ray&DVD発売。結婚か、破局か…Netflixリアリティ「最後通牒 ~クィア・ラブ~」『エゴイスト』には、同性婚が法的に認められていないゲイ当事者がカップルで婚姻届を取りに行って書いてみた、と会話するシーンがあった。本番組には、長く交際してきたが結婚するかしないかという最後通牒を突きつけられたアメリカのクィア女性カップル5組が登場。交際は解消され、新たな恋が始まりカップルになった相手と3週間同棲した後、元恋人と3週間同棲して、最終的に結婚か、破局かを決断することになる。男女のカップルが参加する「最後通牒~結婚、それともさようなら?~」のクィア版スピンオフで、今シーズンの最終話では、番組での試練多き体験と最終決断をした後の近況報告を語る“再会”までが描かれ、注目を集めている。ホストは「ゴシップガール」「ワンス・アポン・ア・タイム」の俳優ジョアンナ・ガルシア・スウィッシャーが担当。Netflixリアリティシリーズ「最後通牒 ~クィア・ラブ~」はNetflixにて配信中。『好きだった君へのラブレター』の妹が韓国へ「愛を込めて、キティより」ヒット映画シリーズ『好きだった君へのラブレター』のスピンオフ。これまで姉のララ・ジーンをはじめ、さまざまな迷える恋を成就させてきた末っ子のキティ・ソン・コヴィー(アナ・キャスカート)が、今度は自身が遠距離恋愛をしているデイに会うため韓国・ソウルのインターナショナルスクールに転入する。「セックス・エデュケーション」「ハートブレイク・ハイ」「ハートストッパー」など、Netflix発の世界的ヒットとなったティーンドラマではクィアのキャラクターが主体的で、流動的な性的指向・性自認もごく当たり前に描かれてきた。今作では韓国を舞台にして、キティはカムアウトしているゲイの同級生Q(キュー)の縁結びをしたり、校長の娘で人気インフルエンサーであり、レズビアンであることを公にしていないユリと恋人デイの偽装カップルに悩まされたりしながら、自分でも思いがけない“揺らぎ”に直面していく。そんなキティの学校生活を彩るのは、「BTS」「SEVENTEEN」「BLACKPINK」「TWICE」「Stray Kids」「(G)I-DLE」、チョン・ソミなどのK-POPのヒットソング。国際的に活躍する韓国俳優やカメオでK-POPアイドルも出演している。Netflixシリーズ「愛を込めて、キティより」はNetflixにて配信中。王子たちのお受験競争だけじゃないNetflix韓国ドラマ「シュルプ」世界を席巻するKコンテンツでは、キム・ヘスが架空の朝鮮王朝時代の王妃を熱演した韓国時代劇「シュルプ」にも着目。キム・ヘス演じる王妃イム・ファリョンは王座を巡ってライバルがひしめく宮廷で、王の母である大妃の策略や側室たちの牽制にも屈することなく、子どもたちの内の1人を次の王にするために奮闘する。実はその1人、ケソン大君は性別違和を抱えていた。ときどき姿を消しては自分に正直になる時間を持つケソン大君だが、その秘密を利用して母子の失脚を目論む者が現れる。タイトルの「シュルプ」とは朝鮮古語で「傘」のこと。子どもたちを貶め尊厳を傷つけようとする者を、王妃ファリョンの「傘」は絶対に寄せつけない。悲劇の主人公にもさせない。現代社会を揶揄するような宮廷での受験競争や権力闘争、そして社会的弱者差別に、ファリョンは着物をたくし上げて全力疾走で立ち向かう。Netflixシリーズ「シュルプ」はNetflixにて配信中。フィンランドから届いた新時代の青春映画『ガール・ピクチャー』韓国映画『はちどり』でも描写された、思春期の主人公の性的指向の揺らぎ。一方、フィンランドのZ世代を描いた『ガール・ピクチャー』には、“普通”に恋愛してみたいのに「男の人と一緒にいても何も感じない。私はみんなと違う」と悩み、男子といい雰囲気になる度にドン引かれて落ち込むロンコが登場する。また、再婚した母親への複雑な感情を抱え、怒りを抑えることができない自分自身にもイラつくミンミは、大好きだったはずのスケートから離れたくなったエマと運命的な恋に落ちる。だが、ふとしたきっかけから破壊衝動が現れてしまい…。監督のアッリ・ハーパサロが、「今の時代を生きる女の子たちへのリスペクトであり、応援歌」と表現している本作。お互いを称え合い、鼓舞し合う“女の子”たちの痛みと輝きを感じてみてほしい。『ガール・ピクチャー』は全国にて順次公開中。このほかにも、前作『モロッコ、彼女たちの朝』で2人の女性の連帯と希望を描いたマリヤム・トゥザニ監督の最新作『青いカフタンの仕立て屋』(6月16日公開)は、伝統衣装を手縫いで績ぐ仕事と本来の自分の狭間で苦悩する夫とその妻、若い職人の姿を描いている。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞した。『青いカフタンの仕立て屋』さらに、少年2人の繊細な親密さに無自覚な悪意ともいえるレッテルが貼られることで、2人が運命を違えることになるフランス映画『CLOSE/クロース』が7月14日(金)より公開される。『CLOSE/クロース』同作と是枝裕和監督の『怪物』(公開中)には、揺らぐ少年たちの葛藤や周囲の視線などクィア映画として驚くほどの相似点がある。『怪物』昨年、カンヌ国際映画祭グランプリを獲得したルーカス・ドン監督による今作があったからこそ、『怪物』が今年の第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞に選ばれたのかもしれない。『CLOSE/クロース』この『CLOSE/クロース』や『ガール・ピクチャー』『青いカフタンの仕立て屋』が、いずれもアカデミー賞国際長編映画賞の各国の代表作品となっているのは偶然ではないはずだ。そして、『CLOSE/クロース』の全米配給や『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ムーンライト』などで知られる気鋭の映画会社A24が手がけた『インスペクション ここで生きる』(8月4日公開)も控えている。親に捨てられ社会からも除外され、“透明だと思っていた”自分を癒すために映画を撮ろうとした新鋭監督エレガンス・ブラットンが自身の半生を映画化、新たな傑作となりそうだ。『インスペクション ここで生きる』(上原礼子)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-エゴイスト(2023) 2023年2月10日より全国にて公開© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会ガール・ピクチャー 2023年4月7日より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開© 2022 Citizen Jane Productions, all rights reservedCLOSE/クロース 7月14日(金)より全国公開© Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022
2023年06月13日ザ・クロマニヨンズが、ライブアルバム『ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA2023』を10月18日(水) にリリースすることが決定した。本作には、16thアルバム『MOUNTAIN BANANA』を引っ提げて行われた全国ツアー『ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA2023』の模様を収録。最新シングル「イノチノマーチ」を含むアルバム全収録曲に加え、「ギリギリガガンガン」「ナンバーワン野郎!」などを含む約1時間30分、全23曲におよぶ濃密なステージを楽しむことができる。CDのみの通常盤に加え、完全生産限定のスペシャルパッケージも発売される予定で、詳細は追って発表される。<リリース情報>ザ・クロマニヨンズ ライブアルバム『ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA2023』10月18日(水) リリース※CDのみの通常盤に加え、完全生産限定のスペシャルパッケージも発売予定。詳細は後日発表<ツアー情報>ザ・クロマニヨンズ ツアー 月へひととび9月4日(月) 山梨・甲府CONVICTION9月7日(木) 高知・高知X-pt.9月8日(金) 愛媛・松山W studio RED9月18日(月・祝) 鹿児島・鹿児島CAPARVOホール9月20日(水) 長崎・長崎DRUM Be-79月22日(金) 滋賀・滋賀U☆STONE9月24日(日) 奈良・奈良EVANS CASTLE HALL9月25日(月) 大阪・なんばHatch9月29日(金) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE9月30日(土) 青森・青森Quarter10月3日(火) 東京・LIQUIDROOM10月6日(金) 静岡・Live House浜松 窓枠10月11日(水) 愛知・ボトムラインチケット1次先行受付:6月23日(金) 12:00~7月3日(月) 23:59ザ・クロマニヨンズ 公式サイト:
2023年05月29日ENHYPENが2023年5月23日、4枚目のミニアルバム『DARK BLOOD』をリリース。同日、アルバムリリースを記念してメディアショーケースを開催した。ショーケースの様子を詳細レポします。『DARK BLOOD』でヴァンパイアコンセプトが結実!【ペンになってもいいですか!?】vol. 1802022年7月に3thミニアルバム『MANIFESTO : DAY 1』を発売してから、実に10か月ぶりのカムバックとなる。そのせいかメンバーもほんの少し緊張を覗かせながらも、ショーケースに臨んだ。まず行われたフォトセッションでは、メンバーそれぞれ今回のアルバムを象徴するものとして、首筋に指を2本当てたポーズを見せたり、会見の合間にポイントダンスを踊ってみせたり、アルバムを貫く“ヴァンパイア”というコンセプトをENHYPENなりに表現してみせた。タイトル曲「Bite Me」のパフォーマンス初披露では、念願だったワールドツアーを経験した彼らの成長ぶりも伺わせた。また、今回のレコーディングではHEESEUNGがディレクションを担当し、NI-KIが「Bite Me」の振り付け製作に参加するなど、クリエイティブ面においても成長著しい彼ら。最新アルバム『DARK BLOOD』の制作秘話とエピソードを語った。−−デビュー以降、一番長い空白期間でした。その間、どのように過ごしていましたか?JUNGWONデビューして初めてワールドツアーを開催しましたし、いろんな授賞式にも招待されて、本当に有意義な1年となりました。音楽番組だけでなく、海外のファッションウィークにも招待されて、ENGENE(ファンの総称)のみなさんに会って…。本当にたくさんの活動をした2022年でした。個人的には、練習生の時から夢見ていたワールドツアーができるようになって本当に嬉しかったです。JUNGWONJAY僕たちが初めてワールドツアーを経験して、ステージに臨む姿勢、パフォーマンス、ステージ、マナーなど、いろんな方面で成長することができたように感じます。第四世代K-POPグループとしては初めてドームで単独コンサートを開催したことも、新しい目標に向かうための次のステップに向けて大きな原動力となりました。−−アルバム『DARK BLOOD』についてご紹介ください。SUNGHOON『DARK BLOOD』はつながりの大切さを描いたアルバムです。ここにはENHYPENとENGENEのつながり、その関係の大切さも含まれています。ストーリーとしては、少年が運命の相手である君と再開して、君のための犠牲の物語を描いたアルバムですが、少年と運命の相手をつなげるその媒介として“血”という素材を活かしました。わかりやすい恋の物語だと言えると思います。HEESEUNGHEESEUNGヴァンパイアと狼少年が展開する恋と最後の戦いを描いたHYBEオリジナルストーリー「黒の月: 月の祭壇」ともつながっています。傲慢、呪い、運命というキーワードで「Bite Me」という曲を発表しました。また違う楽しさを感じられると思いますので、その点に注目していただければと思います。−−アルバムに込められた意味も特別だと聞きました。ファンの大切さ、そしてファンに対するENHYPENへの感謝の気持ちを伝えるという意味が込められているそうですが、みなさんはどういう時にファンのみなさんに一番感謝して、その大切さを感じていますか?SUNOO僕はすべての瞬間にENGENEのみなさんに感謝の気持ちを感じています。僕たちのコンテンツを全部見てくださるし、褒めてくださるし、僕たちのステージを見るためにどこにでも来てくださるので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ENGENEのみなさんがいなければ僕たちは成り立たないので、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。ENGENE大好きです!JAYJAY僕も、いつもENGENEに感謝していますし、力強さを感じていますが、特にENGENEのみなさんでいっぱいの会場を見るとENGENEのみなさんの大切さと感謝の気持ちを一層を感じます。 みなさんでいっぱいの会場で公演するたびに、自信もつきます。−−タイトル曲「Bite Me」はどんな曲ですか?SUNGHOON今回のタイトル曲は、忘れていた運命の相手と再会した少年が、運命を自覚した後、運命の相手である君に僕をもう一度噛んでほしいという気持ちを表現したものです。ミニマルな雰囲気の曲は初めてだったので、僕たちにとっても本当に新しい経験であり、挑戦でした。HEESEUNG「Bite Me」を初めて聴いた時は、少し聴き慣れない感じがしました。レコーディングではいろいろな角度からアプローチしてみましたし、メンバーの特性を最大限に引き出すための方法を探すということで、僕がレコーディングディレクターとして参加することになりました。結果的に僕のアイディアが採用されて、僕たちにより似合う曲に仕上がったような気がします。本当に満足していますし、メンバーのみんなも満足に思っているようなので、本当に幸いです。努力した分だけいい曲になったと思うので、嬉しいです。JAKENI-KIこの曲を初めて聴いた時、僕はすごくいいと思いました。この曲で早く活動したいなと思いましたし、どうすればこの曲の雰囲気やコンセプトをうまく活かせるか、すごく悩んだんですが、ヴァンパイアの要素が入っているので映画の「トワイライト・サーガ」を観ながら研究して、僕が感じた 感情を思い浮かべながらレコーディングに臨みましたし、ミュージックビデオもそういった感情を思い浮かべながら撮影しました。−−アルバム『DARK BOOLD』には“FULL”、“HALF”、“NEW”の3つのコンセプトが存在し、それぞれ異なるビジュアル、異なる魅力を見せてくれています。一番好きなコンセプトは?SUNOO僕は、“HALF”が一番気に入っています。 僕は個人的に新しい挑戦が好きなんですけど、撮影する時に水の中に潜りながら撮影するということを初めてやってみたので、今回の撮影は本当に楽しかったです。実際、仕上がった写真も本当に満足できて、一番気に入っています。JUNGWON僕は“FULL”バージョンが好きです。“FULL”にはヴァンパイアのギミックがたくさん詰め込まれていて、鏡とか棺とか、ヴァンパイアらしい要素がたくさん入っています。それに“FULL”バージョンの撮影で僕は初めてヘアピースをつけてみたんですけど、思っていたよりよく似合っていた気がするので、個人的に気に入っています。−−今回のパフォーマンスはどのように作られたのでしょうか?NI-KI「Bite Me」の振り付けの制作に参加した僕からお話ししたいと思います。ワールドツアーの途中で「Bite Me」のデモをもらったんですが、聴いてすぐ、僕が作った振り付けで踊れたらいいなと思いました。それでホテルの部屋で振り付けを作って、韓国に帰ってから練習室で動画を撮ったんですけど、幸い僕のスタイルを盛り込んだ振り付けが選ばれてうれしかったです。HEESEUNGすべての動きがダンスになっている前回のタイトル曲「Future Perfect (Pass the MIC)」に比べたら、この「Bite Me」という曲は体力的には余裕のある曲なので、練習する時も表情演技やアティテュード的な部分に集中しました。個人的には俳優さんの作品を見ながら、表情をどのようにしたほうがいいかということを考えながら練習しました。それが僕としては振り付けの練習よりもっと難しかったですが、うまく表現できるようにがんばりました。−−「Bite Me」のポイントダンスを教えてください。HEESEUNGこの振り付けはENGENEのみなさんも真似しやすいと思います。首を噛まれるところを連想させる動作が特徴ですが、2か所ポイントとなるところがあって、それぞれ“Bite Meダンス”、“Come hereダンス”と名付けました。2本の指で首を左右ポンポンと押した後、噛まれたような動作をするところがポイントです。−−ミュージックビデオはソン・ミンギュ監督と共にポーランドでオールロケーションで撮影されたと聞いています。SUNGHOONSUNGHOONミュージックビデオを海外オールロケで撮影したのは初めてでした。ポーランドのあるお城で撮影しましたが、行ってみるとまるでゲームのような、昔の映画のような感じがしました。背景と僕たちのパフォーマンス、衣装がぴったり合っていて、本当に見応え充分なミュージックビデオができ上がったと思います。JAY僕はミュージックビデオで馬に乗るシーンを撮りましたが、トレーナーの方のおかげで馬に愛着が湧いて、今すごく会いたいです(笑)。−−タイトル曲以外で、今回のアルバムでメンバーたちが一番好きな収録曲は?JAKEタイトル曲ももちろんいいですが、収録曲の「Bills」もいい曲です。この曲は失ってしまった恋への後悔と苦しみを請求書にたとえた曲です。僕が幼い頃からよく聴いていたような雰囲気の曲なので、個人的には本当に気に入っています。僕の好みをよりうまくお見せできるようにがんばりました。実は、この曲は最初からカップリング曲として決まっていたわけではないんですよ。パン・シヒョクPDがレコーディングしたものを聴いて、レコーディングがうまくできたと褒めてくださって、カップリング曲になりました。ステージでも「Bills」をお届けできて本当にうれしいです。JAY僕は最後のトラックである「Karma」が好きです。爽やかなサウンドが魅力的なパンク・ヒップホップの曲です。前世から続く運命であることを忘れないで、というストレートなテーマを持つ曲で、公演する時にファンのみなさんと一緒に歌えたら幸せだなと思える曲です。−−今回のアルバムで特にこれだけは一番だと自信を持っている部分は?JUNGWON僕は、コンセプトとパフォーマンスを挙げたいと思います。たくさんの方々がENHYPENと言って思い浮かべてくださるのがダークな雰囲気だと思います。これがENHYPENならではのグループのカラーだと思います。半年間ワールドツアーをしながらメンバー全員、パフォーマンス的にも、ステージにおけるアティチュードも、体力的にもすごく成長したので、今回のアルバムで成長した姿をお見せすることができると思います。ぜひ楽しみにしていてください。JAY僕は、ENHYPENのキーワードと言えば“欲”なのではないかなと思います。 僕たちのグループは7人のメンバー全員がパフォーマンス、ステージ、音楽、そしてそれ以外にもENGINEのみなさんを代表するENHYPENとして行うすべてのことに対して“欲”を持って貪欲に、妥協せずに研究してきたので、“欲”というキーワードが僕たちにとって大きな原動力ですし、僕たちを言い表せる単語ではないかなと思います。−−今回の活動で叶えたい目標は?SUNGHOON今回の活動を通じて、僕たちのグループがそのグループと比べて確実に差別化できるポイントがあるということをはっきりお見せしたいです。そしてアーティストとしてもっと成長できる活動したいです。SUNOOSUNOO僕は音源チャートのランキング入りを目指したいです。アルバム『DARK BLOOD』でENGENEのみなさんといい思い出を作ることができると思いますし、この10か月間、本当に一生懸命準備しましたので、目標を達成できるのではないかと思います。JAKE今回の『DARK BLOOD』は本当に全曲はずれなしの素晴らしいアルバムだと自負しています。収録曲も素晴らしいENHYPENとしてたくさんの方に記憶していただければと思います。−−これまで暗示してきたヴァンパイアというコンセプトを今回のカムバックで完全に受け入れていますよね。ヴァンパイアの特徴の中でみなさんが共感したり、似ていると思うところはなんですか?JUNGWON僕たちはデビューから今回のアルバムまで、その都度感じた感情をもとにアルバムのストーリーを紡ぎ続けてきました。大きな筋書きはつながっていますが、このアルバムに込められた要素としてヴァンパイアを用いています。JAKEヴァンパイアは人間の血がエネルギーですよね。僕たちENHYPENはENGENEの みなさんの愛がエネルギー源だという点が似ています。それと、ヴァンパイアは容姿が優れていると描写されることが多いですが、僕たちもビジュアルは悪くはないので、そういったところも似ていると思います。−−昨年始まったワールドツアーと今年、日本で開催したドーム公演を成功させたみなさん、これからの目標と今後海外でやってみたいことを教えてください。NI-KINI-KIアーティストとして成長し続ける姿をENGENEのみなさんにお見せしたいですし、もっと多くの方にENHYPENというグループを広めていきたいです。また、ワールドツアーや合同公演などを通じて、いろんな地域にいらっしゃるENGENEのみなさんに会って、たくさんの思い出を作りたいです。−−ENHYPENはデビュー2年で第四世代K-POPグループとして位置づけられましたが、ここまでたどり着けた原動力は何だと思いますか?HEESEUNGまずは僕たちをそう見てくださってありがとうございます。僕たちの曲の中に、「ひとまず走れ」という歌詞があります。僕はその歌詞がすごく気に入っているのですが、後ろを振り向かず、前に向かってひたすら突き進むという姿勢が、僕たちがここまでたどり着けた原動力になっていると思います。そしてENGENEのみなさんの愛と関心が僕たちにとって大きな力になって、これまで活動ができたと思います。−−ミュージックビデオとコンセプトトレーラーにCM制作の監督が参加されています。こういったコンテンツは今まで撮影していない方ですが、どういった経緯で監督と一緒に撮影することになったのか、またこれまでの撮影と違った点はありましたか?JUNGWON今まで僕たちを撮影してくださった監督さんも本当に素晴らしい方ですが、今回は新しい姿をお見せしたいと思って撮影に臨みました。ミュージックビデオをソン・ミンギュ監督が、コンセプトトレーラーをユ・グァンギン監督が撮影してくださったのですが、このお二人とご一緒したら、もっと新しい雰囲気が出るんじゃないかと思って撮影に臨みました。撮影したものを見ても、雰囲気や撮影のアングルも今までとはまた違う感じが出ていると思います。SUNGHOONトレーラーの撮影では演技やアクションを見せました。そういった演技をするのは初めてで心配していましたが、ユ・グァンギン監督がわかりやすく教えてくださって、うまく撮影できたと思います。−−ハイライトメドレーが公開されて、2000年代初めやレトロな雰囲気を感じられるという反応がありました。今回のアルバムでどんな反応を得たいですか?JUNGWON今回のアルバムは、僕たちが今までリリースしてきたなかでも初めて試みるスタイルのものです。僕たちもレコーディングをしながら、本当に新しい感じを受けましたし、実は難しい部分もあったんですけど、こういったコンセプトも見せることができるということをみなさんに知っていただければと思いますし、どんなコンセプトも表現できると信頼されるグループになりたいと思っています。HEESEUNG今まで次々とアルバムをリリースしてきてメンバーも成長しましたし、収録曲の中でも僕たちのカラーが反映されている曲がどんどん出てきています。アルバムをお聴きになって、もちろん一つ一つはそれぞれスタイルが違うかもしれませんが、最終的に満足できるものに仕上がったので、ENGENのみなさんに喜んでいただけるアルバムになったのではないかと思いますし、好きな曲を見つけていただけると思っています。(P)&(C) BELIFT LAB Inc.取材・文 尹 秀姫
2023年05月25日blur(ブラー)の新作アルバム『The Ballad of Darren(ザ・バラード・オブ・ダーレン)』が、2023年7月21日(金)にリリースされる。blur、8年ぶりの新作アルバムをリリース2023年8月には音楽フェス「サマーソニック 2023」にヘッドライナーとしての出演を控えているblur。『The Magic Whip』以来8年ぶりの新作アルバムとなる『The Ballad of Darren』は、デーモン曰く“今の自分たちが反映された”作品。アルバムのプロデュースは、Arctic MonkeysやGorillazを手掛けるジェームス・フォードが務めている。アルバム収録の新曲が先行配信なお、同アルバムに収録される新曲「The Narcissist(ザ・ナルシスト)」が、5月19日(金)より先行して配信される。メンバーによるコメントデーモン・アルバーン(Damon Albarn)「じわじわと響くレコードになっているぜ。今の自分たちが反映され、書かれているレコードだ。」グレアム・コクソン(Graham Coxon)「年を重ねてより狂ってくると、正しい気持ちや意味合いがプレイする音に反映されていることが重要になってくる。一発のリフだけでは表現できないこともある。」アレックス・ジェームス(Alex James)「長い関係を維持するにはお互いサプライズすることが重要だ。どんな関係でもそうだと思う。」デイヴ・ロウントゥリー(Dave Rowntree)「このメンバーだと自然と音楽を作れる。新しいレコードを作る度に新しい発見があり、バンドとしても成長している。これは当たり前のことではない。」作品情報blur 新作アルバム『The Ballad of Darren(ザ・バラード・オブ・ダーレン)』リリース日:2023年7月21日(金)※国内盤CDについては後日発表予定。トラックリスト:1.The Ballad2.St Charles Square3.Barbaric4.Russian Strings5.The Everglades (For Leonard)6.The Narcissist7.Goodbye Albert8.Far Away Island9.Avalon10.The Heights先行配信シングル「The Narcissist(ザ・ナルシスト)」配信日:5月19日(金)
2023年05月22日米アカデミー賞作品賞含む7冠を獲得した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が5月3日(水・祝)よりU-NEXTにて独占配信されることが決定した。映画ファンから絶大な支持を集めるA24が贈る本作は、家族の問題に悩み赤字コインランドリーの経営に頭を抱える主婦が、マルチバースと繋がりカンフーを駆使して巨悪と戦うことになるアクションコメディ。全世界興行収入は1億ドルを突破し、インディペンデントスタジオとしては、異例中の異例のメジャースタジオ級大ヒットを記録。542ノミネート、308受賞と賞レースをばく進し、本年度アカデミー賞では、作品賞ほか、監督賞(ダニエルズ)、脚本賞(ダニエルズ)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)、助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス)、編集賞の計7部門の最多受賞を果たす偉業を達成。3月3日に封切られた日本でも、公開初週の洋画興行収入ランキング第1位を獲得した。「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてないほどカオスな世界観で繰り広げられる壮大な物語。異色作でありながら、まさかの超感動作として映画界に“カオス旋風”を巻き起こした本作が早くも配信にて楽しめる。またU-NEXTでは、第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞『ある男』、サバイバルスリラー『FALL/フォール』、青春恋愛映画『少女は卒業しない』ほかGW中に楽しめる新作映画を続々配信中だ。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は5月3日(水・祝)12時~(予定)U-NEXTにて配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年05月01日42人を殺めた連続殺人の容疑者と、彼を追い詰める検事が対峙し、その真相に迫る社会派エンターテインメント映画『ロストケア』が現在公開中。松山ケンイチと長澤まさみが共演する本作より、本編映像<親子の絆・斯波編>が公開された。今回公開されたのは、松山さん演じる連続殺人犯・斯波が、かつて父・正作(柄本明)と暮らした日々をふり返る回想シーン。映像は、検察室で斯波が「父に男手一つで育ててもらいました。今度は自分が父を守る番」と穏やかに語り始めるところから始まる。片手に麻痺が残り、不自由になった父の面倒をみることにした斯波。最初は、一緒に折り紙をする穏やかな日々を過ごしていたが、正作の認知症が進むにつれて、生活が少しずつ変わり始める。徘徊する父を探すため、夜の街を必死に走る斯波。明け方になり、公園のブランコに座る父を見つけ、支えながら家へと帰っていく。そして、正作が四六時中介護が必要になると、2人の生活は益々苦しくなる。そんな介護に苦しんだ自らの経験が、斯波を殺人犯へと変えてしまうことに。本シーンについて松山さんは、「父親役が柄本さんだったからこそできた」と長年の信頼関係あってこその演技だったことを明かしている。『ロストケア』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2023年04月07日現代社会の闇を題材とした本作のテーマ性が大きな話題となっている映画『ロストケア』より、松山ケンイチと長澤まさみが演技でみせる渾身のバトルに注目の本編映像が公開された。映像は、検事・大友(長澤さん)が連続殺人の容疑者・斯波(松山さん)を追い詰める、検察室での緊迫した取り調べシーン。殺人行為を認めさせようと仕掛ける大友に対し、斯波は「これは、介護なんです」「喪失の介護〈ロストケア〉です。僕は42人を救いました」と、殺人ではなく、被介護者とその家族のために行った“救い”だと主張し、罪の意識はまったく感じられず、使命感すら感じ取れる。“ロストケア”の真意に迫るこの重要なシーンは、2人の迫力ある圧巻の演技により、観客の目をスクリーンに釘付けにする。そして、このバトルはさらに加速し、事件の真相が明らかになるとともに、衝撃と心震える結末へとなだれ込む。『ロストケア』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ロストケア 2023年3月24日より全国にて公開©2023「ロストケア」製作委員会
2023年04月01日『アベンジャーズ/エンドゲーム』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が製作、主演に『エターナルズ』のリチャード・マッデンと『マトリックス レザレクションズ』のプリヤンカー・チョープラー・ジョナスを迎えた「シタデル」の本予告編が解禁となった。8年前、シタデルは崩壊した。全人類の安全と安心を守ることを使命とする独立したグローバルスパイ機関だったが、世界を陰から操る強大なシンジケート、マンティコアの工作員によって破壊されたのだ。この戦いでシタデルのエリート捜査官メイソン・ケイン(リチャード・マッデン)とナディア・シン(プリヤンカー・チョープラー・ジョナス)は辛くも命は取り留めたが記憶をなくしてしまう。それ以来、彼らは自分の過去を知らずに新しい人生を歩んでいた。しかしある夜、メイソンはシタデルの元同僚バーナード・オリック(スタンリー・トゥッチ)に追われる。バーナードはマンティコアが新たな世界秩序を築くのを阻止するためにメイソンの力を借りようとした。やがてメイソンはかつてのパートナー、ナディアを探し出し、彼らはマンティコアの陰謀を阻止するために世界中を駆け巡る。秘密と嘘、そして危険な愛に悩まされながら――。解禁された本予告編では、マッデン演じるメイソンとチョープラー・ジョナス演じるナディアが、次々と戦いに身を投じていく姿が映し出されていく。爆破、銃撃、肉弾アクションシーン満載で、戦闘用コスチュームからスーツ、ドレス姿まで着こなす主演2人も注目だ。キャストは『ファントム・スレッド』のレスリー・マンヴィル、『キル・チーム』のオシ・イカイル、『アニマルズ 愛のケダモノ』のアシュリー・カミングス、『パピヨン』のローランド・ムーラー、『ミッドナイト・スカイ』のカオイリン・スプリンガルと国際性豊かな演技派たちが集結。ショーランナーのデヴィッド・ウェイルは製作総指揮も兼務する。さらに本作は画期的なグローバル・フランチャイズとなり、ルッソ兄弟の製作会社AGBOが製作総指揮を務める本作とシリーズは相互にリンクしながら世界を舞台に製作。各国版のシリーズは各地のトップスターが起用され、すでにマチルダ・デ・アンジェリス主演のイタリア版や、ヴァルン・ダワン&サマンサ・ルス・プラブ主演のインド版の製作が進行中となっている。「シタデル」は4月28日(金)よりPrime Videoにて独占配信開始(初回2話一挙配信開始、その後に新エピソード配信開始。全6話)。(text:cinemacafe.net)
2023年03月31日Ado(アド)が、最新アルバムとして“歌ってみたアルバム”を発売する。Adoの最新アルバムは、“歌ってみたアルバム”映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌を担当したことや、椎名林檎とのコラボレーション楽曲「行方知れず」のリリースなど、ホットな話題を提供し続けているAdo。Vaundy(バウンディ)とタッグを組んだ新曲が、『めざましテレビ』のオープニングテーマに起用されることでも話題を集めている。そんな彼女が、最新アルバムとして“歌ってみたアルバム”を発売。Adoに歌ってほしいJ-POP曲とボカロ曲、それぞれ4曲ずつの合計8曲を公募から決め、アルバム化する。リリース時期など、アルバムの詳細は2023年3月現在未定。公募期間は3月24日(金)23:59までで、特設サイトにて1人1曲投票することができる。【詳細】Ado “歌ってみたアルバム”公募期間:~2023年3月24日(金)23:59※CD発売日・配信日等リリース情報未定。
2023年03月25日先日開催された米アカデミー賞にて『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアジア人として初めて主演女優賞に輝いたミシェル・ヨー、同助演男優賞を初受賞して見事俳優として復活したキー・ホイ・クァンが出演する新作アクションコメディシリーズ「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」が、5月24日(水)よりディズニープラスにて配信決定。予告編が解禁となった。漫画家ジーン・ルエン・ヤンによる同名のコミックに基づいた本作は、ごく平凡な高校生活と家庭生活を送る若者ジン・ワンの物語。新しいクラスメイトの留学生と顔を合わせた新学期初日、複数の世界がクラッシュ、ジンはいつのまにか中国神話の神々の戦いに巻き込まれていく、という破天荒なストーリー。この青春アドベンチャーには、ミシェル・ヨーにキー・ホイ・クァン、さらに同助演女優賞ノミネートのステファニー・スーもゲスト出演、ベン・ワンを含む国際的なオールスターキャストが出演。さらに、国際エミー賞に2度ノミネートされたヤオ・ヤン・ヤンのほか、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のチン・ハン、「バッドランド最強の戦士」の中国系アメリカ人俳優ダニエル・ウー、元テコンドーチャンピオンのジミー・リューとシドニー・テイラーら、アジア出身のトップ俳優たちが集結する。そして製作総指揮・ショーランナーにはエミー賞受賞プロデューサーで脚本家のケルヴィン・ユー、監督・製作総指揮には『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のデスティン・ダニエル・クレットンほか、原作者のジーン・ルエン・ヤンも名を連ねる。今回、ミシェル・ヨーが空から舞い降りるシーンから始まり、千手観音のような技を披露したり、孫悟空が如意棒を操るシーンも収録された興奮の予告編も公開。本年度アカデミー賞を席巻した国際俳優たちと、マーベル『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の監督がタッグを組んだアクションコメディに期待が高まる。「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」は5月24日(水)よりディズニープラスにて一挙配信(全8話)。(text:cinemacafe.net)
2023年03月22日本年度第95回アカデミー賞、作品賞を含む“最多”7部門受賞の偉業を達成した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』から、抱腹絶倒のNGシーン集が到着した。公開初週の洋画興収第1位を獲得、「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてない異色SFアクション大作であり、まさかの超感動作として先日のアカデミー賞授賞式でもその圧倒的な無双ぶりを見せつけた本作。SNSでも「年間ベストどころか映画史に残る超絶ミラクル面白大傑作」「最高の最高の最高の最高の最高でした」という絶賛評から「開始5分からエンドロールまで涙」「奇天烈な映画なのにびっくりするくらい涙出てた」など、笑いと涙に溢れたカオスな感想が溢れかえり、空前の“エブエブ旋風”を巻き起こしている。コインランドリー店を営むフツーの主婦ながら、突如全宇宙を救う宿命を背負った主人公・エヴリンを演じ、約40年のキャリア史上初となるアカデミー賞主演女優賞に輝いたミシェル・ヨー。解禁された映像では、謎のダンスを踊り狂ったり、真面目なシーンで大ゲップをかます往年の名優ジェームズ・ホンに「最悪!笑」と叫んだかと思えば、自身も衝撃の変顔を披露するなど、最高にカオスなキャラを楽しむ彼女の様子が映し出されている。実は撮影当初、そんなミシェルの姿を見たアシスタントから、こっぴどく叱られていたというダニエルズ監督。「撮影が始まってからの数日間、アシスタントはすごく怒っていたんだ。“ミシェルをそんな風に見せたらダメ。そんなことしないで!あのカツラはやめて!ミシェルには白髪なんてない!”なんてまくし立てていたよ…(笑)」と裏話を告白しつつ、誰よりも撮影を楽しむ彼らの情熱に、ミシェルはもちろん全てのキャスト・スタッフが引き込まれていたことが伺える。また、エヴリンを支える夫・ウェイモンドを演じて助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンが、うっかり役名を忘れ、撮影中に「ミシェル!」と本名を呼んでしまうお茶目なNGシーンも。脚本段階ではミシェルの役名はエヴリンではなく、本名のミシェルが使われていたそうで、脚本を読み込んでいた真面目なキーは撮影中に何度もNGを出してしまったようだ。そのほか、助演女優賞を獲得したジェイミー・リー・カーティスらとの注目のアクションシーンの舞台裏や、ファンの間で話題となっている“ソーセージの世界”や“石の世界”、そして日本でも「glee/グリー」で人気のラカクーニ(アライグマ)を頭に乗せたハリー・シャム・Jr.のシュールすぎる撮影シーンまで見どころ盛りだくさん。カオス極まりない現場の中で、まるで家族のように本作を創り上げたスタッフ&キャストの絆が感じられる映像となっている。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月17日12日(現地時間)にアカデミー賞で助演女優賞(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)を受賞したジェイミー・リー・カーティスが、朝の情報番組「Today」に出演。司会者のサヴァンナ・ガスリーに「彼女(オスカー像)に名前は付けましたか?」と聞かれ、「娘の応援をするという意味で、(オスカー像の代名詞は)They/Themにしようと思って。ただThemって呼ぶようにします」と話した。ジェイミーは夫で俳優・監督のクリストファー・ゲストと1984年に結婚し、養子2人を迎えた。2021年、そのうちの1人がトランスジェンダーであることをジェイミーが公表。「AARP」誌に「息子が娘ルビーになるのを、夫と共に驚きと誇りを持って見守ってきました」と語った。こういった経緯があり、ジェイミーはオスカー像をジェンダーニュートラルな代名詞「They/Them」で呼ぶというのだ。「They(オスカー像)は元気にしていますよ。うちで落ち着くことでしょう」とオスカー像にペタッと寄り添うジェイミー。「ここ数日間に起きたことは、私の人生で全く思いもしなかったことです。すべてのことに、本当に本当に感動しています」と感極まって涙声になってしまった。(賀来比呂美)
2023年03月15日12日(現地時間)、アカデミー賞授賞式において『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で助演男優賞を獲得したキー・ホイ・クァン。受賞そのものに喜びを噛みしめているのはもちろんだが、彼にとって「本当に特別な瞬間」だったのは「名前」を読み上げられたときだったという。「俳優業を始めた子どもの頃、本名のキー・ホイ・クァンを使っていました。(キャリアの)状況が厳しくなってきたとき、マネージャーから『アメリカ風の名前を付ければよくなるかもしれないよ』と言われたのを覚えています。どうしても仕事がほしかったので、なんだってしようと思いました」と受賞後、プレスルームにてふり返った。改名については葛藤があったようだ。「生まれたときに与えられた名前を変えるなんて、愚かだとは思いますが、どれだけ追い詰められていたかということでしょう。とにかくやってみて、状況を変えたかったのです」。こういった経緯があり、キャリア初期の作品には「ジョナサン・クァン」や「ジョナサン・キー・クァン」としてクレジットされているものがいくつかある。その後、俳優としてはしばらく低迷期間が続いた。そして再び俳優業にカムバックするにあたり、「最初にしたかったこと」というのが出生名に戻すことだったのだという。「今夜、(プレゼンターの)アリアナ(・デボース)が封筒を開けて『キー・ホイ・クァン』と読み上げるのを見たとき、とても感動しました。真っ先に心に浮かんだのは母の姿です。私がアメリカにいて、よりよい人生を送っているのは母のおかげです。このようなチャンスすべてを手に入れられた。母は多くの犠牲を払ったのです」と語った。そんな胸の内を明かしたキーだったが、彼を一躍有名にした『グーニーズ』時代のこともふり返っており、「セットで子どもらしく人生を楽しんでいた」とも。『グーニーズ』共演者らの名前を挙げ、「大好き」「常につながっています。ファミリーは永遠。『グーニーズ』も永遠のものです」といまだカルト的人気を誇る『グーニーズ』ファンを喜ばせた。(賀来比呂美)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月14日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞をはじめ、監督賞と脚本賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)など7部門に輝く圧勝で幕を閉じた。誰も止められない!大旋風を巻き起こした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまなスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じる。作品賞受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は前哨戦で圧倒的な強さを見せていたミシェル・ヨー(主演女優賞)、キー・ホイ・クァン(助演男優賞)に加えて、劇中の“ヴィラン”を演じたジェイミー・リー・カーティスが、大本命だった『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のアンジェラ・バセットを猛追し、見事に助演女優賞を獲得する逆転劇も。これで『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は候補となった演技部門をすべて受賞するという快挙も成し遂げた。「夢は実現する」を証明した元人気スターの復活劇そんな今年の受賞式は、元人気スターの復活劇が大きな注目を浴びることになった。まずは、前述のキー・ホイ・クァンだ。子役として出演した『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』などで人気を博すも、ルーツや年齢的な壁により、キャリアの低迷を余儀なくされた彼が、スクリーンに復帰し、オスカー像を手にするなど、半年前まで誰が想像できただろうか。助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァン受賞スピーチでは、涙ながらに「まるで映画みたいと思うかもしれませんが、実は僕の人生なんです。これこそがアメリカン・ドリームだと思います。諦めかけたこともありました。でも、夢というのは、信じなければ実現しません。皆さんも、夢を諦めないでください!」と力強く訴えかける姿が、印象的だった。会場には、『フェイブルマンズ』で監督賞候補になったスティーブン・スピルバーグがおり、作品賞発表の際には、ハリソン・フォードがプレゼンターとして登場。一瞬ではあるが、同じ空間に『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の関係者が顔を揃える、感動的な展開が待っていた。壇上でハグをするハリソン・フォード&キー・ホイ・クァン復活劇といえば、もうひとり忘れてはいけないのが『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザー。ダーレン・アロノフスキー監督(『レスラー』『ブラック・スワン』)の最新作で、フレイザーは恋人を亡くしたショックから逃れるため、過食を繰り返してきた結果、体重が272キロになってしまった主人公のチャーリーを演じた。巨体を演じるにあたり、自身の体重増量に加え、特殊メイクとファットスーツを着用する全身全霊の役作りが高く評価された結果だ。主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーフレイザーといえば、『ハムナプトラ』シリーズで一世を風びしたスター俳優だが、その後は、プライベートでの不幸が重なり、ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていた。それだけに、この夜の受賞スピーチでは「当時は自分の恵まれた状況に、感謝することはあまりありませんでした。今夜、評価していただき、本当にありがたいです」と感無量の面持ちだった。そんな復活劇を体現した2人は、1992年に製作された『原始のマン』で共演していたという不思議な縁も。ともに、ハリウッドの悪しき慣習によって、キャリアの機会を奪われた側面が強いため、キー・ホイ・クァンの「皆さんも、夢を諦めないでください!」という言葉にはより一層の重みと説得力が感じられた。映画が結び付けた、時空と国境を超えた“マルチバース”昨年起こったビンタ事件の影響なのか、授賞式はよくも悪くも“滞りなく”幕を閉じた印象が強いが、受賞者の感動的なスピーチや、歌曲賞候補アーティストたちのパフォーマンスは感動的で見応えがあった。MVPは間違いなくインド映画『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」だ。この夜、一番の盛り上がりで会場を熱くさせただけでなく、レディー・ガガやリアーナといった大物シンガーを抑えて、見事に歌曲賞を受賞してしまった展開は、痛快の一言だった。歌曲賞受賞『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」パフォーマンスそんな熱気が象徴するように、アジア圏から世界に発信された作品が、第95回アカデミー賞を席巻した。ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンの快挙については、もはや説明不要だが、例えば短編ドキュメンタリー映画賞では、インドで製作された『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』が受賞を果たしている。短編ドキュメンタリー映画賞受賞『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』『RRR』に話題を戻すと、オスカーに輝いた「Naatu Naatu」のダンスシーンは、ロシア侵攻のわずか数か月前、ウクライナの首都キーウで撮影された。一方、ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイが、自分を毒殺しようとした犯人を自ら追い詰め、政府の暗部に切り込む姿を捉えた『ナワリヌイ』が、長編ドキュメンタリー賞を受賞。また、圧倒的なスケールで、戦争の不条理と非情を現代社会に突き付けた『西部戦線異状なし』(ドイツ)が、撮影賞、美術賞、作曲賞、国際長編映画賞の4部門を獲得し、存在感を発揮した。国際長編映画賞を受賞した『西部戦線異状なし』こうした受賞作から見いだされる“結びつき”は単なる偶然ではなく、映画というメディアが過去と現在、そして国境を超えたマルチバースを見事に捉え、描いている証ではないだろうか。その頂点として、マルチバースが舞台になった意欲作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が第95回アカデミー賞を制した結果に異論はない。世界は確かに、つながっているのだ。(text : Ryo Uchida)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞に輝いた。『ミッドサマー』で知られる新進気鋭の製作・配給スタジオ「A24」史上No.1ヒットを記録している本作。作品賞、監督賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)など10部門11ノミネートを果たし、本年度の台風の“目”として注目された『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が、下馬評通りの大暴れ。最多7部門を受賞し、オスカーを制圧した。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)こそ逃したが、以降は、第28回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で作品賞を含む4冠、第75回米監督組合賞(DGA)の長編映画部門、第34回アメリカ製作者組合(PGA)賞の映画部門で最高賞にあたる作品賞、第29回全米俳優組合(SAG)賞で4冠、第38回インディペンデント・スピリット賞で作品賞など最多7冠と、主要な映画賞を総なめにしていた。受賞コメントキャストとクルーのおかげでこの映画ができました。みなさまを代表し、アカデミーに感謝したいと思います。私たちの奇妙なものをずっとサポートしてくれました。私たちが映画をともにつくりました、父の教えに従いました。決して忘れることはできません、ダニエルズありがとうございます。<ダニエル・クワン>私たちは互いに混乱から自分たちを守るということが大切でした。私たちの物語が十分に追いついていないと感じることがあります。このような物語によって私たちの人生が変わりました。何世代にもわたって続いています、ありがとうございました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーが主演女優賞を獲得。アジア人俳優初の快挙を達成した。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメントで、ミシェル・ヨーが演じたのは、経営困難なコインランドリーを抱え、日々の困窮に追い詰められる主婦エヴリン・ワン。要介護の父親、優しいだけで頼りない夫、大学を中退し、恋人と家を出ようとする娘、そして確定申告とやること・考えることが山積みの彼女が、突然、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることに。そんな、文字通り“マルチ”なヒロインを、ハリウッドに進出したアジア人俳優の先駆者として、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』『クレイジー・リッチ!』、そして『シャン・チー/テン・リングスの伝説』など多種多彩な映画で活躍したミシェル・ヨーが心身ともに体現。国籍、年齢、性別といった、いわゆるガラスの天井を突き破り、アジア人俳優にとって、初めてとなる快挙を成し遂げた。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ)、第29回全米俳優組合(SAG)賞の主演女優賞、第38回インディペンデント・スピリット賞の主演俳優賞(今回から演技賞の性別区分を廃止)など、圧倒的な強さを見せていた。受賞コメントありがとうございます。今夜、この様子を見ている私のような小さな子どもたちにとって、(オスカー像を掲げながら)これは希望と可能性、「夢は実現する」という証なのです。女性の皆さん、もう誰にも『あなたはもう旬を過ぎている』なんて言わせてはダメ。決して諦めないでください。(監督コンビの)ダニエルズ、A24、素晴らしいキャストとクルーがいなければ、私はここに立ってはいません。同時に私の84歳になる母親、世界中のお母さんたちに、この賞を捧げたいです。彼女たちは皆、スーパーヒーローなのです。彼女たちがいるから、私たちがいる。お母さん、これ持ち帰ります。そして、キャリアの始まりだった香港の家族、皆さんの助けがあったおかげで、今ここにいます。本当にありがとうございます。アカデミー賞、ありがとう!これは歴史的な出来事です。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、監督賞に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(ダニエルズ)が輝いた。エキセントリックな設定で話題を集めた『スイス・アーミー・マン』の監督コンビが、監督賞を過去2度受賞のスティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)、昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド、2度目の監督賞ノミネートとなったマーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)、16年ぶりの新作を発表したトッド・フィールド(『TAR/ター』)といった巨匠、著名監督に勝利を収めた。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。受賞コメント▼ダニエル・クワン天才とは、こうしてステージにあがる私たちだけではなく、集団の中にあってその才能を発揮するものです。移民の親にも感謝します。映画が好きな父が、その愛情を私に伝えてくれました。役者にはなれませんでしたが、兄弟や高校時代の友人が手助けしれくれました。クリエイティビティの自由というものを教えてくれた人たちにも感謝しています。この状況は、信じがたい驚異です。とてつもないことです。一人一人の人間が、偉大な存在になりえるのです。そして才能を発揮できるのです。▼ダニエル・シャイナート世界中の母親、私の母親、そして両親に捧げたいです。これまで、ホラーやコメディなどいろいろ作ってきましたが、今回、誰にも脅威を及ぼさない作品を生み出すことができました。素晴らしい天才たちが集まり、魂を込めて、僕らために尽力してくれました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を初受賞した。『スイス・アーミー・マン』の監督ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン(通称:ダニエルズ)がミシェル・ヨー主演で描く、「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてないカオスな世界観で繰り広げられる壮大な異色作。本年度ゴールデン・グローブ賞では2部門受賞4部門ノミネート、第95回アカデミー賞では作品賞、監督賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)など10部門11ノミネートを果たし、公開前から大きな注目を集めていた。ジェイミーは、主人公・エヴリン(ミシェル・ヨー)に立ちはだかる“ヴィラン”の中の一人、ディアドラを好演。第80回ゴールデン・グローブ賞では、主演賞発表時にミシェルの名前が読み上げられ、感動のあまり両手で顔を覆ったミシェルと両手を上げて大喜びするジェイミーの姿が話題になっていた。大ヒットシリーズ『ハロウィン』のローリー・ストロード役でおなじみのジェイミー。これまで『大逆転』(83)で英国アカデミー賞受賞、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)でゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞、『トゥルーライズ』(94)でゴールデン・グローブ賞、『フォーチュン・クッキー』(03)でゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど数々の作品にて受賞・ノミネートを果たしてきたが、アカデミー賞のノミネートは今回が初めてとなる。受賞コメント私はここに一人で立っているように見えると思いますが、もちろん、そんなことはなくて、多くの方々と一緒なのです。すばらしいアーティストたちのおかげで、オスカーに輝く作品となったのです。私の両親(俳優のトニー・カーティスと女優のジャネット・リー)は異なった部門でノミネートされてきました。そして、私はオスカーを獲得することができました!(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のキー・ホイ・クァンが助演男優賞に輝いた。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』といった80年代を代表するヒット映画に出演し、映画ファンに愛された元人気子役のキー・ホイ・クァン。キャリアの低迷を経験した後、南カリフォルニア大学で映画を学び、スタント・コーディネーターやアシスタント・ディレクターとして裏方の活動をしていた。Netflix配信映画『オハナ』で久しぶりに俳優活動を再開させ、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で華麗なるスクリーン復活を果たした。助演女優賞と助演男優賞に輝いたジェイミー・リー・カーティス&キー・ホイ・クァンカンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。キー・ホイ・クァンが演じるのは、主人公エヴリン(ミシェル・ヨー)の夫で、優しいだけで頼りないウェイモンド。ある日、“別の宇宙のウェイモンド”と名乗り、エヴリンを未知なる世界に誘うというキーパーソンだ。ユーモアとシリアスの両面を演じ分けるだけでなく、広東語、北京語、英語を“マルチ”に使いこなし、作品のもつカオスを体現した。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞、第29回全米俳優組合(SAG)賞の助演男優賞、第38回インディペンデント・スピリット賞の助演俳優賞(今回から演技賞の性別区分を廃止)など、圧倒的な強さを見せていた。受賞コメントありがとうございます。私の84歳にある母が、見てくれていると思います。お母さん、オスカーを受賞したよ。私の旅路は、ボートに乗ってたどり着いた難民キャンプで始まりました。今はこうして、ハリウッド最高の舞台に立っています。まるで映画みたいと思うかもしれませんが、実は僕の人生なんです。これこそがアメリカン・ドリームだと思います。(スタッフや親族への感謝に続き)、妻・エコに感謝します。何か月も、何年も、そして20年間「いつか、あなたの時が来るわよ」と言い続けてくれたんです。諦めかけたこともありました。でも、夢というのは、信じなければ実現しません。皆さんも、夢を諦めないでください。本当にありがとうございました。ありがとう、ありがとう、ありがとう!(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日サスペンス・スリラー・ホラーの名作『ロスト・ボディ』の日本語吹替版が、本日3月10日(金)22時30分より、ライブ配信プラットフォーム「ツイキャス」にて無料放送される。本作は、『REC』シリーズを生んだスペイン発のサスペンス・スリラー・ホラー映画。同国で開催されるホラー、サスペンス、SFなどいわゆる“ジャンル映画”の総本山とも言われる「シッチェス・カタロニア国際映画祭」の2012年オープニング上映に選ばれ、翌2013年、同映画祭公認の日本版映画祭である「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2013」にて全国4都市限定で劇場公開された。物語は、とある死体消失事件を背景に、愛と不実、信頼と裏切り、現実と妄想、そして復讐がトリッキーに描かれ、ラストの見事に鮮やかなどんでん返しによるトラウマが心地よいと国内外で高評価を得ている。昨年、ツイキャスは映画版『サイレントヒル』を無料放送すると、配信者と同時視聴が可能な「シアターパーティ」も含め総来場者数12万人以上と、大きな盛り上がりとなった。そんな中、もっとホラー作品をみんなで一緒に楽しみたいというユーザーの声を受け、映画版『サイレントヒル』の提供元でもある松竹とツイキャスが提携。2023年の毎月第2金曜日にホラー作品を上映する「ツイキャス×松竹 ホラーの日」が誕生した。その第1回作品『ジェーン・ドウの解剖』と第2回作品『ゾンビ・ガール』で計10万人の来場者数を超え、今回この『ロスト・ボディ』で第3回目を迎える。ユーザーはコメントと一緒に映画を視聴することができ、ホラーが苦手な人も気軽に楽しめると好評だ。なお、『ロスト・ボディ』は3月17日(金)の23時59分までツイキャスにてアーカイブ配信される。『ロスト・ボディ』予告編ツイキャスでの視聴は こちら()<作品情報>『ロスト・ボディ』2012年/スペイン映画/英題:The Body/111分
2023年03月10日現在公開中の映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(略称:『エブエブ』)で約30年ぶりにスクリーン復帰を果たし、名だたる賞レースを総なめにしているキー・ホイ・クァンを応援するイベントが、3月8日(水) に東京・神楽座で開催された。本作は、ある日突然、宇宙一の悪党と闘うためにマルチバースに放り出されたおばさんの活躍を描いたSFアクション。第95回アカデミー賞では10部門11ノミネートで最多候補となっている。主演に『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で華麗なアクションを見せたミシェル・ヨーを迎え、キー・ホイ・クァンのほかに『トゥルーライズ』のジェイミー・リー・カーティスも出演する。イベントでは彼の代表作でもある『グーニーズ』の上映会をはじめ、『グーニーズ』が好きだと公言しているエレキコミックのやついいちろうによるトーク、さらにイベント終盤にはサプライズとしてキー・ホイ・クァン本人からのコメント動画が到着。会場は大盛り上がりとなり、まさにキー・ホイ・クァン一色のプレミアムな内容となった。『グーニーズ』の上映後、興奮と懐かしさが冷めやらぬまま、キー・ホイ・クァンが『グーニーズ』で演じたデータの衣装(アパレルブランド「HEADGOONIE」提供)を身にまとい、黄色いリュックサックを背負ってやついが登場。久々に観たという『グーニーズ』について「やっぱり面白いですよねぇ……。忘れてるところもあって、初めて観るような感じで楽しめました」としみじみ。やついいちろう(エレキコミック)イベントはあくまでも“キー・ホイ・クァン祭り”だが、やついの推しは、ピザとお菓子の大好きな太っちょのチャンク(ジェフ・コーエン)とのこと。「チャンクの表情が抜群じゃないですか! 触ったもの全て落とすし、近くにいたらマジで腹立つでしょうけど、良い表情してますねぇ」と称賛した。やついは小学生の頃『グーニーズ』が好き過ぎて、本作を題材に国語の授業の課題で小説を書いたという。「架空の大陸の絵から想像して話を書くということで、『グーニーズ』っぽい宝探しの物語で、『ズッコケ三人組』を混ぜて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も入っていて、空中を飛ぶローラースケートが出てきたり、絵は『ドラゴンボール』の悟空も入っていたり(笑)。学級文庫に置いてありました」と懐かしそうに振り返る。公開当時、やついは小学5年生で「ラジオも聴き出した頃で、サントラが流行ってて、映画音楽を流す番組があって、シンディ・ローパー(本作の主題歌「The Goonies ’R’ Good Enough」)もそこで聴いてました」と明かした。ちなみに、公開当時はアンディ(ケリー・グリーン)に心惹かれていたそうで「スカートがめくれてドキドキしちゃいました」と明かすが「いまになって観るとステフ(マーサ・プリンプトン)のほうがタイプですね。(当時はアンディの)パンチラに心がときめいてただけだったんですね。キスシーンとか、いま見ると『なんでいま!?』って笑っちゃいますね」とバッサリ。そしてこの日のイベントのために、キー・ホイ・クァン本人が『グーニーズ』や『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』に出演した際のエピソードや、アカデミー賞ノミネートへの思いを語ったスペシャル動画を上映。キー・ホイ・クァンは集まったファンに向けて「みんな、元気? キー・ホイ・クァンです。キー・ホイ・クァン・マツリ(祭)に来てくれてありがとう!」と笑顔で呼びかける。そして『グーニーズ』について「何世代にもわたって感動させる映画に関われたのはとても嬉しいよ。信じられないかもしれないけど、38年経った今でも僕を見つけては『グーニーズ』がどれほど好きか話してくれる人たちがいるんだ。『グーニーズ』は生き続けているんだね。この映画を見て育った人が親になって子供ができて、その子どもたちにこの映画を見せ、次の世代もこの映画を愛してくれる。素晴らしい旅をしている映画だよね」と特別な思いを口にした。ちなみに当時の共演陣とは今でも仲が良いとのこと。特にチャンクを演じたジェフ・コーエンとは大の仲良しで、現在彼はエンタメ系の弁護士となり、キー・ホイ・クァンのエージェントを務めていることが明かされると、会場は驚きに包まれた。『エブエブ』の出演交渉の際にはプロデューサーから「まさかデータの出演の件でチャンクと交渉する日が来るなんて」と驚かれたと明かした。また『インディ・ジョーンズ魔宮の伝説』についても「ずっと大好きな作品だよ。スティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスという巨匠コンビが初めてアジア人をキャストした映画だからね。しかも当時大ヒットしていた『レイダース/失われたアーク<聖櫃>』の続編だよ!この映画は僕の人生を変えたんだ。人生の軌道を変えてくれたおかげで、僕の人生はとてもいいものになった。年数を経ても愛される作品に参加することができたのは特別なことだね」と強い思い入れと感謝の思いを語った。そして20年以上のブランクを経て俳優業に復帰し、ゴールデングローブ賞を獲得した『エブエブ』について「(『インディ・ジョーンズ』や『グーニーズ』への出演で)僕はもうこれで終わりなのかなと長い間不安だった。子どもの頃に達成したことをもう超えることはできないのかなと。でも感謝すべきことに『エブエブ』という小さな映画がやってきて、それが全てを変えてくれた。いまは外に出るとたくさんの人が“エブエブのウェイモンドだ!”と声をかけてくれる。『エブエブ』は僕にとって大きな贈り物となった作品だよ」と嬉しそうに語った。アカデミー賞助演男優賞へのノミネートについては「もう最高の気分だね。自分がオスカー候補俳優だなんて信じられないしびっくりしてるよ。(俳優業から)20年以上遠ざかっていたのに復帰作が『エブエブ』でしかもこんな評価をいただけてとてもとても光栄です」と笑みをたたえて喜びを口にした。最後は「みんな、愛してるよ!!!!!」とカメラに向けて投げキッス。約4分に及ぶこの日のための動画メッセージに集まったファンも大喜びだった。やついは、キー・ホイ・クァンの口から明かされたチャンクの大出世に「すごい!チャンク大活躍!データとチャンクが親友って、本当にいい!」と満面の笑み。既に『エブエブ』も鑑賞したというやついだが「すごい作品でした。超カオスですね。最初はアジア人差別を描いた社会派かと思ったら、全然違いました。全部が新鮮で、ギャグも『グーニーズ』以上に下ネタしかない(笑)! 下ネタでアカデミーまで行けるんだ?って思いました」と独特の表現でその魅力を熱弁した。ミシェル・ヨー演じる主人公の夫を演じたキー・ホイ・クァンに関しても「大活躍ですよ。気弱な……でも優しいというのがピッタリで、頭を下げながら、いろんな人を守っている」と称賛。いよいよ3月12日(現地時間)にアカデミー賞の授賞式が開催となるが「(受賞したら)こんな感動的なことはない! 子役で終わりかと思ったら、これでアカデミー賞を獲ったらすごいですよ」と快挙に期待を寄せ、イベントは幕を閉じた。<作品情報>映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公開中監督:ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス(C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.関連リンク公式サイト:::
2023年03月09日7日(現地時間)に行われていたアカデミー賞の最終投票時間に、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で主演女優賞候補のミシェル・ヨーが「VOGUE」誌のある記事をインスタグラムでシェアし、波紋を呼んでいる。「It's Been Over Two Decades Since We've Had a Non-White Best Actress Winner(直訳:非白人の主演女優賞受賞から20年以上が経っている)」というタイトルの複数ページに渡る記事だ。その一部には、ミシェルと同じく主演女優賞にノミネートされている『TAR/ター』のケイト・ブランシェットと、ミシェルを比較するような内容もみられる。ケイトはすでに主演女優賞、助演女優賞と2度のアカデミー賞に輝いており、「今回3度目の受賞となれば業界の巨匠として認められることになるだろう」というが、すでに十分その実力を示してきたケイトにその証明が再び必要かという疑問も呈している。一方で、ミシェルにとってアカデミー賞受賞は「人生を変えるものになり、永遠に名前の前に『アカデミー賞受賞者』が付くようになる」と書かれている。SNSユーザーは、この投稿がアカデミーのルール、特にNo.11の「References to Other Nominees(他の候補者に対する言及)」に抵触しているのではないかと声を上げている。このルールは具体的に「他の競争者の名前や(映画の)タイトルを挙げ、矛先を向けるような作戦」を明示的に禁止するというもの。ミシェルはこの投稿をすでに削除している。(賀来比呂美)■関連作品:TAR/ター 2023年5月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 FOCUS FEATURES LLC.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月09日森山直太朗が、3月6日(月) 代々木山野ホールで開催されたライブ歌唱付き試写会『ロストケア Special Screening』に出演し、3月24日(金) より全国公開される映画『ロストケア』の主題歌「さもありなん」を生歌唱した。『ロストケア』は、松山ケンイチと長澤まさみが初共演した社会派エンターテインメントで、現代社会に家族のあり方と人の尊厳の意味を問いかける作品だ。映画の上映が終わったばかりで余韻に満ちた会場に森山が登場すると、佐渡の旧相川拘置支所で撮ったという1枚の写真を出し、「さもありなん」に込めた思いについて観客に語りかけ同曲を熱唱。会場は感動の拍手に包まれた。森山直太朗歌唱後、感想を問われた森山は「それぞれの風景を思い浮かべながら聴いていただけたと思う」とコメント。「音楽もその場の空気感が全て。(今回のイベントで)あえて生演奏したいと言ったらみなさんに快く快諾していただけました。自宅のピアノを持ってきた甲斐がありました」と笑顔を見せた。その後客席からゲストの松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士と前田哲監督が登壇。会場は一層大きな拍手に包まれた。まずは斯波宗典を演じた松山が「僕のボキャブラリーにある言葉をあわせても言い表せないほど突き抜けた感動がありました。曲に対しての人が見せる優しさだったり温かさだったり、そういうものを数秒ごとに感じさせてくれるライブ演奏だったと思います」と挨拶。壇上に上がる際、「やばかったよ」と森山に直接声をかける場面も。松山ケンイチその斯波を追い詰める刑事・大友秀美を演じた長澤は「映画がまだ終わっていないような余韻が感じられた。生で聴けて良かったです。映画を共に作った仲間としてうれしく思います」とコメント。さらに大友と共に事件を追う検察事務官の椎名幸太を演じた鈴鹿は「ひとつひとつの言葉が染みて映画のシーンが思い出されました。映画とマッチした曲」と続け、最後に監督をつとめた前田監督は、森山にラッシュを見てもらった時のことを振り返り、「気持ちをぐっと入れていただいて、僕が思っていた以上の曲を作っていただいてありがとうございます。今日、やっぱりライブって強いなと思って映画館で毎回歌ってもらえないかな(笑)」と森山にオファー。森山と松山は「無理無理!」と応じながら会場を笑わせた。「さもありなん」に込められた思いを聞かれた森山は、「映画の中で斯波の父を演じた柄本明さんが「自分が自分で無くなってしまうのが怖い」といったセリフに共感しました」としながら、「人間は生まれて死ぬまでいろんな経験をする。その上でこの話は他人事ではない。彼らのような行動を自分がしないとも限らない。ふたりの演じた人間関係の本質に影響を受けました」とコメント。「それでも微笑みあって生きていける世界を目指すべき」としみじみと語った。作品を通して伝えたいことを聞かれると、松山は「人はいつか死んでいく。その前に介護に向き合う時がくる。天災と同じように、人生の終末にも備えることが大事。映画の中で「穴に落ちた」という表現がありますが、穴に落ちる前にできることを勉強しないといけない。家族や夫婦とも共有していただけたら」と企画から関わった本作への想いを語った。長澤は「まだ介護について語るのは早いと思う人もいるかもしれませんが、早いほど、いろいろなことを考えられます。介護が身近ではない人にもこの映画が知るきっかけになれば。キャラクターの気持ちに共感しながら観て欲しいです」と明かした。長澤まさみ鈴鹿は「同世代の方はまだ身近に感じられないと思うんですけど、この作品から介護について深く知ろうと思うきっかけになってほしいです。親とか身近な人に介護の話を自分からしてみてもらいたいです。お父さんお母さんに老後ってどうしたいのって聞くのは大事なのかなと思ってます」とメッセージを送った。そして、前田監督は「どのように想いを取っていただいても、斯波と大友の言葉に全てが込められているので、それを松山さんと長澤さんが生きた言葉として芝居を超えた芝居で伝えてくれたと思うので、二人がすごい芝居をしていることがこの映画の中で一番観てもらいたい所です」と改めて松山と長澤の演技を絶賛した。鈴鹿央士前田哲監督その後、映画がクランクインしたのが一年前の3月5日だったことに触れ、クランクイン時の思い出を聞かれた長澤と監督は、サプライズで松山の誕生日を祝ったエピソードを披露。すると下手から折り鶴をあしらったケーキが登場し、奇しくも一年後のこの日は試写会場でのサプライズとなった。森山の掛け声で会場全員が「ハッピーバースデー」を歌い、長澤からは花束を渡された松山は、はにかんだ表情を見せ38歳になったことを報告し、「健康で自分のペースで好きなことをしたい」と抱負を語った。最後に本日のイベントの感想を森山は「参加できて光栄でした。この作品を見た人の気持ちに寄り添い、一人ひとりが前に進んでいけたらいいなと思ってます」と話し、松山は「斯波のように親子で孤立するのは悲しい。決して2人が悪かったわけではない。彼らのような人を助けられるのは穴に落ちなかった人。それ対して何ができるのかって思ってます」と締めくくり、和やかな雰囲気のままイベントは終了した。<配信情報>森山直太朗「さもありなん」※映画『ロストケア』主題歌配信中配信リンク:「さもありなん」配信ジャケット<作品情報>『ロストケア』3月24日(金) 全国ロードショー原作:『ロスト・ケア』葉真中顕 著/光文社文庫刊監督:前田哲脚本:龍居由佳里、前田哲主題歌:森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック)■出演松山ケンイチ、長澤まさみ鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、峯村リエ、加藤菜津、やす(ずん)、岩谷健司、井上肇綾戸智恵、梶原善、藤田弓子柄本明(C)2023「ロストケア」製作委員会
2023年03月07日インディペンデント・スピリット賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。今作では、ダニエル・クワンとダニエル・シェイナートが監督賞と脚本賞、ミシェル・ヨーが主演賞、キー・ホイ・クァンが助演賞、ステファニー・スーがブレイクスルー演技賞、ポール・ロジャースが編集賞を受賞した。撮影監督賞は『TAR/ター』。ドキュメンタリー賞は『All the Beauty and the Bloodshed』。監督またはプロデューサーにとって初の作品である映画に贈られるファースト・フィーチャー賞は『Aftersun』、初めての脚本に贈られるファースト・スクリーンプレイ賞は『Emily the Criminal』だった。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公開中(C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.『TAR/ター』5月12日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー(C)2022 FOCUS FEATURES LLC.文=猿渡由紀
2023年03月06日先日、無料配信された全米映画俳優賞(SAG)にて『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアジア俳優にして初の主演女優賞を受け取り、感極まりながらのスピーチが話題を呼んだアジアのレジェンド、ミシェル・ヨー。本年度アカデミー賞では主演女優賞や作品賞を含む10部門11ノミネートを果たした、このカオスで奇妙なマルチバース・アクション・アドベンチャーがついに日本公開!アジア発のアクションヒロインの先駆者にして、『007』ではいわゆる“ボンドガール”も経験、『クレイジー・リッチ!』では大富豪となり、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でもキレキレのアクションを見せた彼女自身の映画人生を紐解くと、様々な平行世界で生きる本作の主人公エヴリン・ワンそのもののようにも見えてくる。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は「一生もの」世界興行収入で1億ドル超え、「A24」史上最大のヒット作となっている『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。SAG賞では作品賞にあたるキャスト賞を含め4冠を達成したが、やはり同業者からの評価は格別の喜びだったらしい。壇上にのぼったミシェルは額に“目”を作りながら、俳優たちへの感謝とともに、「これは私だけのものではありません。私と同じような見た目のすべての少女たちのものです。この仕事を本当に愛しているからこそ、やめるつもりはありません」と涙をこらえつつ語っていた(感激のあまり、ついFワードも飛び出してしまったほど)。ミシェルの前にも、共演以来、大親友となった同助演女優賞のジェイミー・リー・カーティス、アジア俳優初の助演男優賞を獲得したキー・ホイ・クァンも感動的なスピーチ。そして、キャスト賞受賞で皆に称えられた本作の父・ゴンゴン役の94歳のジェームズ・ホンは、スピーチの締めくくりにミシェルがゴールデン・グローブ賞の授賞式で言った「静かにして!私はあなたを打ちのめせる(Shut up! I can beat you up.)」を引用して会場の笑いを誘い、本作が評価された意義とチームの連帯を改めて示していた。本作でミシェル・ヨーが演じたのは、毎日毎日、家庭とコインランドリー店を“回して”いくのに精一杯な主婦エヴリン・ワン。父を介護しながら、確定申告のための領収書をテーブルに広げて頭を抱え、やること・考えることが山積みの白髪交じりの女性だ。夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)はまるで頼りなく、ひとり娘のジョイ(ステファニー・スー)は大学を中退し、ガールフレンドと家を出ようとしている。ジョイは将来への期待や夢を持てず、愛する人とささやかに暮らせればいいという、日本でいうところの“さとり世代”のよう。家族には自分のことを分かってほしいと願っているが、母エヴリンとは衝突してばかり…。これほどまでに冴えない、生活感丸出しの役柄はミッシェルのキャリア史上おそらく初めて。だが、ミシェルは「エヴリン・ワン役は私の40年のキャリアからの授かりもの。まさに一生ものの役」とInstagramでコメントするほど、この役を愛している。当初、監督のダニエルズ兄弟はジャッキー・チェンを主演にした父親の企画を考えていたそうだ。しかし、彼の出演が流れたことで物語の設定を母親に変更したとき、「脚本に命が宿ったような気がして、主役はミシェル・ヨーだと確信した」という。そして「年を取れば取るほど、演じる役は小さくなっていく」とインタビューでも再三語っているミシェルは、このオファーを大切に受け取った。40年に及ぶキャリアの中で映画界の多様性・包括性とともに、性別や肌の色、人種によって求められるステレオタイプからの脱却を訴え、リスクを恐れずにさまざまなチャレンジをしてきたミシェルは、“誰かの母親で、誰かの娘である、ごく普通の年配のアジア系移民女性”の物語においてもステレオタイプを打破してくれた。また、今回、“アジア人初”のアカデミー賞主演女優賞候補となったことも意味深い。1936年にも、マール・オベロンが『ダーク・エンジェル』で同主演女優賞にノミネートされたが、マールは英国とインドのダブルであったことを公にせず英国人として活動していたという。ミシェルはアジア人であることを自認する初の主演女優候補、ということだ。ただ、ミシェルは多くの素晴らしい俳優たち、共に立つ仲間たちや先人たちがいるからだと常に感謝を口にしており、こうした“アジア俳優として”といった言い方そのものは「過去のものになることを望んでいます」として、「私たちのような顔の俳優がノミネートされ、役を演じる機会が平等に与えられることが普通になってほしい」とトーク番組「The Late Show With Stephen Colbert」でも語っている。さらに「People」に語ったところによれば、「現在のキャリアは母のおかげ」だという。彼女の母ジャネットは大の映画好きで、チャンスさえあったならば自身が映画スターになりたかったそうだ。本作が実は、マルチバースを舞台にした母と娘の愛の物語であることを踏まえれば、ミシェル自身の思いも少なからずエヴリン役に反映されていることだろう。香港映画界からハリウッドへ!主演もスタントもこなす1962年8月6日生まれ、マレーシア出身。両親は華僑。いまでもトレーニングを欠かさないというミシェルは、4歳のころからバレエを習い、テニスや水泳などに親しんできた。10代でロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ダンスにバレエ留学するも、ケガのためにバレエを断念し演技と振付で学位を取得。1983年にミス・マレーシアに選ばれたことをきっかけに、香港映画界を代表するD&B Filmsのサモ・ハン・キンポーに見出され、1984年にジャッキー・チェンとCMで共演、サモ・ハン監督・主演『デブゴンの快盗紳士録』の端役でスクリーンデビューする。第80回ゴールデン・グローブ賞にて80年代は『皇家戦士』(86)『チャイニーズ・ウォリアーズ』(87)などに出演し、1987年にD&B Filmsを所有する富豪と結婚し一時引退。離婚を経て、1992年にジャッキー・チェンの人気シリーズ『ポリス・ストーリー3』で復帰。その後もアクション俳優として『ワンダー・ガールズ 東方三侠』(93)『詠春拳』(94)など香港で大活躍を続け、1997年に『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』に抜擢され、ミシェル・ヨーとしてハリウッドデビューする。『SAYURI』来日記者会見時アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』(00)や、『SAYURI』(05)『バビロンA.D.』(08)などの作品で人気を確立し、『カンフー・パンダ2』(10)や『ミニオンズ フィーバー』(20)など、アニメ映画でもカンフーの先達役を演じてきた。MCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17)にもカメオ出演している。2002年には初のプロデュース作品『レジェンド三蔵法師の秘宝』に主演し、『グリーン・デスティニー』の撮影監督ピーター・パウを迎え、シルクロードを舞台に三蔵法師が遺した秘宝を巡る壮大な冒険を繰り広げた。『シルバーホーク』(04)でも自ら製作総指揮を務め、銀色のマスクとスーツに身を包み正体を隠して悪を退治する近未来のアクションヒロインに扮したこともある。2007年には、長年にわたる功績によりフランスからレジオン・ドヌール勲章(The Legion of Honour)を授与。2022年には「TIME」誌のアイコン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。待機作も数多く、『アバター』第3弾以降に博士役で出演が決定しており、『シャン・チー』デスティン・ダニエル・クレットン監督による「アメリカン・ボーン・チャイニーズ」の実写ドラマ化などがある。『イップ・マン外伝マスターZ』(2018)よりアジアのレジェンドとして、ときには信念のために戦い、マーベル“初”のアジア系ヒーローのメンターを務め、アジア女性として宇宙へ行ったり、売れっ子芸者にもなったりしてきたミシェル。「決まりきった見方で私のことを見ないから」ダニエルズのような若い監督たちと仕事をするのが好きだという彼女は、これからもガラスの天井を打ち破り、限界を押し広げていってくれるはずだ。『ポリス・ストーリー3』(1992)保安局捜査官:ジェシカ・ヤンカンフーアクションはもちろん、バイクで走行中の列車の屋根にジャンプするなど、ジャッキー・チェンをも凌ぐ超絶スタントを自らこなして大復活、話題を呼んだ。ジャッキー映画ではおなじみのエンディングクレジットのNGシーンでは、まさしく体を張ったスタントに挑んでいたことがうかがえる。『スタントウーマン 夢の破片』(1996)スタントウーマン:カン香港を代表する映画監督7人によるオムニバス作品『七人樂隊』にも参加した女性監督アン・ホイによる、スタント俳優と香港映画界を描いたヒューマンドラマ。同じくサモ・ハンが、劇中でもミシェルの恩人となるアクション監督役で出演し、ワイヤーアクションの裏側を垣間見ることができる。撮影中、ミシェルは実際に重傷を負っている。『宋家の三姉妹』(1997)宗家の長女:靄齢(アイレイ)“新しい中国”のためには新しい女性の力が必要、と考える父のもとで育った実在の三姉妹の生き様から、中国近現代史の概形に触れられる。ミシェルが演じたのは財閥と結婚した長女・靄齢。『東方三侠』『ポリス・ストーリー3』で共演したマギー・チャンが革命家・孫文と結婚した次女・慶齢、『ラストエンペラー』のヴィヴィアン・ウーが蒋介石夫人となった三女・美齢を演じた。『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997)女性スパイ:ウェイ・リンメディア王のフェイクニュースによる謀略を取り入れた『007』シリーズ18作目。新華社通信の記者に扮した中国外務局公安部員ウェイ・リンとして、ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)と共闘するまったく新しい“ボンドガール”を体現。ボンドと手錠でつながれた状態でのバイクチェイスシーンをはじめ、彼女に求められたであろうアクションを惜しみなく披露したミシェルは必見。当時のハリウッドを、「彼らは私が中国人なのか、日本人なのか、韓国人なのか、英語を話せるのかさえ区別できなかった。いつも大声で、ゆっくりと話した」とふり返っている。『グリーン・デスティニー』(2000)剣士:ユー・シューリンチョウ・ユンファ、チャン・ツィイー、チャン・チェンら豪華共演、アン・リー監督が小説「臥虎蔵龍」を映画化した武侠アクション・ラブストーリー。アカデミー賞外国語映画賞(当時)など4部門に輝いた。以後のアクション映画史を変えたといえる圧巻のワイヤーアクションや、剣術・カンフーシーンはもちろん、最愛の人ムーバイ(チョウ・ユンファ)の伝説の剣・碧銘剣を奪った者でありながら、姉妹のような友情を交わすチャン・ツィイー演じるイェンとの関係性にも要注目。「ソード・オブ・デスティニー」Netflix配信中なお、2016年には続編となるユエン・ウーピン監督の『ソード・オブ・デスティニー』がNetflix配信。ドニー・イェンとの再共演や、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の“料理人”バースで共演したハリー・シャム・Jr.、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『オールド・ガード』のヴェロニカ・ンゴーら、こちらも豪華共演。『サンシャイン 2057』(2007)植物学者:コラゾンダニー・ボイル監督×アレックス・ガーランド脚本による、おそらく好みがはっきりと分かれるSFサスペンス・アドベンチャー。船長役の真田広之や、MCU仲間のベネディクト・ウォンとともにクルーとして太陽へと向かった。ミシェルに出演してほしかったボイル監督は、彼女が選んだ植物学者役を男性の設定から変更した。『レイン・オブ・アサシン 剣雨』(2010)刺客:シーユー/ザン・ジン韓国の人気俳優チョン・ウソンと夫婦役を演じ、『インファナル・アフェア 無間序曲』のショーン・ユーらと共演し、ジョン・ウーが共同監督。過去を捨てて愛に生きようとするも、その風格がつい現れてしまう、宿命に抗えない刺客を演じた。武術界の覇権を握れるという伝説の秘宝を手に入れたい暗殺組織のボスの理由があまりにも…。『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』(2011)民主化指導者:スー・チー2021年の軍事クーデターにより現在収監されているミャンマーの民主化指導者を、リュック・ベッソンがメガホンをとり映画化。当時も軍幹部に危険視されていたことから国民がその名を呼ぶことができず、“The Lady”と呼ばれていたスーチーを減量の上、熱演。来日時には「この映画に参加し、周囲の人々に優しく接すること、良い人間であろうとすることを学ぶことができました」と語っていた。「スタートレック:ディスカバリー」(2017-)皇帝:フィリッパ・ジョージャウこれまでも多様性を推し進めてきた「スタートレック」シリーズで、黒人女性初の主人公マイケル・バーナム(ソネクア・マーティン=グリーン)も慕うカリスマ性たっぷりの皇帝…から、平行世界ではまったく別の冷徹にして高潔な皇帝として登場し、人気キャラクターとなった。別バースの関係性が平行世界においても影響するのは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にも通じるものが。フィリッパのスピンオフの進捗状況が気になるところ。『クレイジー・リッチ!』(2018)シンガポールの大富豪:エレノア・ヤン主人公レイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)の想像を超えるほどリッチな一家の生まれだった彼氏の母親で、立ち向かわなければならないアジアの伝統・文化・歴史の象徴のような存在を演じた。本作での演技がアカデミー賞では冷遇されたこともまた記憶に新しい。息子役のヘンリー・ゴールディングとはエミリア・クラーク主演『ラスト・クリスマス』(2019)でも共演、同作では素顔により近そうな(?)“サンタ”を演じた。『ガンパウダー・ミルクシェイク』(2021)“図書館員”:フローレンス図書館に見せかけたワル御用達の武器庫を守る図書館員をアンジェラ・バセット、カーラ・グギーノとともに演じた。ガンアクションはもちろん、鋼鉄チェーンと拳のみで立ち向かうミシェルのカッコよさと、過去にミシェルが出演してきた香港アクション映画のファンであるナヴォット・パプシャド監督の世界で連帯して闘う女性たちの姿は痛快!なお、3月12日(現地時間)にドルビーシアターで行われる第95回アカデミー賞授賞式では、『ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘宝』(08)で共演し、今回『ザ・ホエール』の凄みある演技で復活を遂げたブレンダン・フレイザーとW受賞となれば、胸アツの展開必至。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が10部門11ノミネートからどれだけオスカーを獲得するのかも楽しみだ。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は全国にて公開中。(上原礼子)■関連作品:レイン・オブ・アサシン 2011年8月27日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2010, Lion Rock Productions Limited. All rights reserved.The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 2012年7月21日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011 EuropaCorp - Left Bank Pictures - France 2 Cinemaクレイジー・リッチ! 2018年9月28日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENTシャン・チー/テン・リングスの伝説 2021年9月3日より全国にて公開©Marvel Studios 2021ガンパウダー・ミルクシェイク 2022年3月18日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Studiocanal SAS All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月04日