●文化変革、5つのスローガン日本マイクロソフトは、IT技術者向けのカンファレンスを例年開催している。同社にとって年に1度の最大規模を誇るイベントだが、今年もその季節がやってきた。10月23日に都内で開催した「The Microsoft Conference 2014」は、2日間で82セッションという内容だ。事前登録者は8,400名を超え、基調講演には立ち見客が出るほどだった。○企業文化を変革し、新たなIT時代を目指す日本マイクロソフト登壇した日本マイクロソフト代表執行役 社長の樋口泰行氏はまず、「どこの会社も改革を進めるためには企業文化を変化させなければならないが、(Microsoftおよび日本マイクロソフトは)現在のITにおける大きな柱となる『モバイル』『クラウド』に軸足を置くという展望の元、企業文化を変えていく」と述べた。スライドに映し出された「マイクロソフトの文化変革」は、5つのスローガンをピックアップ。「チャレンジャー精神」は、WindowsやOffice製品で成功してきた過去があるものの、その成功にあぐらをかいてチャレンジ精神を失っているのではないか、という考えを現している。これは前CEOだったSteve Ballmer氏がタブレットなどに押し込まれた2013年までの状況も影響しているのだろう。「お客様第一主義」だが、収入はお客様からいただいているからこそ、そちらに顔を向けなければならない、という至極まっとうな意見だ。これは過去の日本マイクロソフトが顧客に顔を向けていなかったというよりも、後述するコンシューマー視点を強化したいという意思の表れだろう。「学ぶ姿勢・チームワーク」は常に変化する状況に対応し、個人プレイではなくチームで、時には自分の責任範囲ではないこともカバーする意味だと樋口氏は説明した。近年の日本マイクロソフトは、Windowsにこだわらないマルチプラットフォームへの対応や、Microsoft AzureとDockerの提携など柔軟な姿勢に移行しつつある。パートナー企業との連携がさらに増えたことから、このようなスローガンにいたったのではないだろうか。冒頭のチャレンジャー精神と重なるが、「現実を踏まえた戦略」は現状を現す適切なスローガンだ。樋口氏いわく、過去はWindows一本槍で、それ以外は認めない排他的な姿勢だったと述べつつ、皆がiOSやAndroidを使うのなら自社製品を展開する。Microsoft Azureも他社製ソリューションを搭載可能にするなど、全方面へのアプローチを行うことでユーザーのメリットにつながるという。最後の「『光る』会社に」は具体的な説明がなかったものの、新CEO・Satya Nadella氏の就任から半年強が過ぎ、自身を含む社員も企業文化変革を期待しているという。さらに「Microsoft Japan Partner Conference 2014」で発言した後出しジャンケン的な話題も再登場した。樋口氏は「モバイルやクラウド分野でも(WindowsやOfficeが成功したように)同様の展開を目指したい」とまとめている。続けて「マイクロソフトのコア(核)」というテーマで自社の方向性を説明した。「B2B(法人向けビジネス)とB2C(個人向けビジネス)の両者の文化に対応できる企業は少ない」(樋口氏)とし、相反する部分もあるB2BとB2Cのビジネスを両立するため、両者の垣根を崩せるソリューションを提供する企業を目指すという。さらに1964年の東京オリンピックを引用し、50年前と現在を比べてワークスタイルやライフスタイルの変化について語った。一昔前は「出張に出ればこっちのもんや」といわれることもあったが(羽目を外せるというニュアンスを含む)、今では飛行機の中でもLyncでビデオ会議をしている人を見かけたという。「仕事」がついて回る状況については、デジタルデトックス(PCやスマートフォンを使わない脱デジタルの時間を持つ健康法)が重要視されつつあるが、(ビジネスの)オンタイムは生産性をさらに向上させ、オフタイムの過ごし方という両者を考え直さなければならない、と持論を語った。この他にも法人向けタブレットの市場拡大やタブレット用OSのシェアなどについて言及し、最後に自社製品の導入事例として、大手コンビニエンスストアフランチャイザーのローソンや、大手医薬品メーカーの中外製薬などを紹介した。●Windows Phone 8.1も登場した最新デモンストレーション(その1)○Windows Phone 8.1も登場した最新デモンストレーション次に登壇したのは、日本マイクロソフト 事業執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏。昨年のThe Microsoft Conference 2013と同じく、各種デモンストレーションを担当した。最初は会場に展示したWindowsタブレットとして、Adobeの「Adobe MAX 2014」で披露した「VAIO Prototype Tablet PC」や、パナソニックの「TOUGHPAD 4K UT-MA6」を紹介しつつ、自社製品であるSurface Pro 3のアピールは忘れなかった。Surface Pro 3は、Surface Pro 2の11倍の売り上げを達成し、法人向けも好調だという。最初のデモンストレーションは、一体型マルチ決済機能付きタブレット。クレジットカードや非接触型の電子マネーカードを使って、購入品や飲食代の決済を可能にするシステムだ。iPadなどと連携した決済システムは飲食店でも見かけるが、Windowsベースのオールインワンデバイスは日本初である。Windows Embedded 8.1 Industryを搭載したエンパシ製のEM10を用いた決済シーンでは、売り上げ管理なども披露した。次は「Microsoft 3D Printing」と題した3Dプリンターだ。Windows 8時代からDirectXの技術を駆使したシステムとしてアピールしていたため、覚えている方も少なくないだろう。会場では3D SystemsのCube 3を使い、Windowsタブレットから造形を行った。3Dプリンターの普及をMicrosoft/日本マイクロソフトが後押しするとなると、色々と面白くなるだろう。なお、Microsoftは3Dファイル最適化サービスとして、Model Repair Serviceも提供している。ここで登壇者は樋口氏に戻り、エンタープライズ系の話題へと移るのだが、本稿では西脇氏のプレゼンテーションを追いかけることにしよう。●Windows Phone 8.1も登場した最新デモンストレーション(その2)会場では、「リアサカLIVE Jリーグ」「Jリーグ動画アーカイブ」という、2つのWindowsストアアプリを紹介した。前者はW杯でも登場したWindowsストアアプリのJリーグ版、後者はJリーグメディアプロモーションが公開中のコンテンツをWindowsストアアプリベースで視聴可能にしたものだ。なお、当初からXbox One版もアナウンスしていたため、Xbox One上での動作も披露していた。ゲストピーカーとして登壇した楽天CTO(最高技術責任者)のJames Chen氏が語ったのは、英語に日本語の字幕を付けるデモンストレーションだ。Microsoft Researchが開発した「MAVIS」(Microsoft Audio Video Indexing Services)という、動画にインデックスを付けるシステムを利用している。動画上の音声をテキストとして抜き出し、Microsoft Azure Media Services経由でキーワード化したのち、Bing翻訳を用いることで半リアルタイムに翻訳を可能にしているという。西脇氏は動画検索にも活用できると本技術の可能性を語っていた。この流れからSkypeのリアルタイム翻訳の動画も放映した。こちらの技術に関しては、筆者が寄稿した6月の記事で述べているので合わせてご覧いただきたい10月早々に発表したコンテンツ制作ツール「Office Sway」も紹介。スマートフォンなどで撮影した写真のような各種コンテンツをアプリケーション内で配置し、Webページを作るというもの。Microsoft製品に詳しい方は、直感的な「FrontPage」といえば分かりやすいだろうか。さらに会場では、iPhone版Office Swayも披露した。最後はOSに関する説明だ。1つ目はWindows Phone 8.1である。音声アシスタント「Cortana(コルタナ)」によるアラーム登録や、アプリケーション起動のデモンストレーションを行った。注目するのは、1回目に失敗したアプリケーション起動が、2回目には正しく動作(起動)した点だ。Cortanaは機械学習技術と知識レポジトリ「Satori」(Bingでも採用中)を用いて学習し、場面に応じた適応能力を備えている。西脇氏のデモンストレーションは、まさにその適応能力を示す結果となった。合わせて、Winodws Phone 8.1が備えるWord Flow Keyboardも披露。BUILD 2014のKeyNote初日に、Joe Belfiore氏が紹介したことでも有名な機能であり、ソフトウェアキーボードをなぞるだけで単語入力が可能になる。これは英語という基本26文字のアルファベットだから可能な技術であり、日本語で実現するのはかなり難しそうだが、将来性をアピールするという点では魅力的な内容だった。もう1つはもちろんWindows 10。ただし、現在Windows 10テクニカルプレビューを提供中であることと、時間が足りなかったためか、特に重要なことは語られなかった。今年も魅力的なデモンストレーションやプレゼンテーションを披露した日本マイクロソフトだが、米国では来年4月にBuild 2015、5月にはMicrosoft Ignite、6月には日本でde:codeの開催と、イベントがめじろ押しだ。まずはThe Microsoft Conference 2014の公式サイトにて、公開予定のセッション動画や資料にアクセスしてみてはいかがだろうか。阿久津良和(Cactus)
2014年10月24日米IBMと米マイクロソフトは10月22日(現地時間)、両社の企業向けソフトウェアをMicrosoft AzureとIBMクラウドで連携して提供することを発表した。具体的には、WebSphere Liberty、MQ、DB2などの主要なIBMミドルウェアをMicrosoft Azure Virtual Machinesサービスで利用できるようにするとともに、Windows ServerとSQL ServerをIBMクラウドで提供する。IBMのクラウド型アプリケーション開発プラットフォーム「IBM Bluemix」では、関連ツールと共にMicrosoft .NETランタイム環境を連携して提供する。まずは、.NETの運用プレビュー版が限定的に提供される予定。ハイブリッド・クラウド展開をサポートするため、IBMは、Windows Server Hyper-V上で実行されるIBMソフトウェアのサポートを拡大する。また、ハイブリッド・クラウド環境でのソフトウェアの展開・構成・ライセンス管理の自動化を実現するため、IBM PureApplication ServiceをMicrosoft AzureとIBM SoftLayerの両方で利用できるようにする予定。
2014年10月23日日本マイクロソフトは10月21日、セキュリティ アドバイザリ 3010060において、Microsoft OLEにリモートコードが実行されるおそれがある脆弱性が発見されたことを発表した。この脆弱性は、Windows Server 2003 を除く、サポートされるすべてのバージョンの Windowsに影響を及ぼすという。具体的には、遠隔の第三者が、OLE オブジェクトが含まれている細工したMicrosoft Office ファイルをユーザーに開かせることで、任意のコードを実行させるおそれがある。同社はすでに、この脆弱性を悪用したMicrosoft PowerPoint ファイルを介した標的型攻撃を確認しているという。この脆弱性の対象となる製品とバージョンは以下のとおり。Windows Vista Service Pack 2Windows Vista x64 Edition Service Pack 2Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2Windows Server 2008 for Itanium-based Systems Service Pack 2Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1Windows Server 2008 R2 for Itanium-based Systems Service Pack 1Windows 8 for 32-bit SystemsWindows 8 for x64-based SystemsWindows 8.1 for 32-bit SystemsWindows 8.1 for x64-based SystemsWindows Server 2012Windows Server 2012 R2Windows RTWindows RT 8.110月22日時点で、セキュリティ更新プログラムは公開されていないが、回避策として「Microsoft Fix it」が公開されている。「Microsoft Fix it」は米マイクロソフトのサポートページから実行できる。画面上の2つのボタンのうち、「Microsoft Fix it 51026」を押すと、「MicrosoftFixit51026.msi」というファイルがダウンロードされるので、それを実行すればよい。別な回避策としては、Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) の Attack Surface Reduction (ASR) 機能を使用するよう設定を追加する方法もある。同社はこの問題について調査中であり、詳細がわかり次第、適切な措置を実施する予定。適切な措置には、月例あるいは定例外セキュリティ更新プログラムの公開などを含み、これらが実施されるまでは、回避策の適用を検討してほしいとしている。
2014年10月22日日本マイクロソフトは20日、10月の月例セキュリティアップデートとして配布していた更新プログラムのうち、「KB2949927」の配布を停止した。同プログラムをインストール後、エラーが発生する場合があるという。「KB2949927」は、Windows 7およびWindows Server 2008 R2に影響するプログラム。適用すると、両OSにてSHA-2署名および検証機能のサポートを追加する更新プログラムが利用可能となる。同社はアップデート後に問題が発生しているユーザーに対し、同プログラムをアンインストールすることを呼びかけている。また、同プログラムに関連する動作を調査中とし、詳細が明らかになった場合アドバイザリを更新する予定。
2014年10月21日日本マイクロソフトは11月7日より、12型タブレット「Surface Pro 3」用の周辺機器として、キーボード付きのカバー「Surface Proタイプカバー(レッド)」を発売する。Microsoft Storeでの価格は14,018円。Surface Proタイプカバー(レッド)は、これまでMicrosoft Store限定で販売されていたが、11月7日以降は全国の量販店などでも購入できるようになる。Surface Proタイプカバーのカラーバリエーションは、シアン、ブラック、ブルー、パープル、レッドの5色。本体サイズはW295×D217×H4.8mm、重量は295g。
2014年10月18日日本マイクロソフトは10月14日、月例のセキュリティ更新情報を公開した。今月公開された更新プログラムは全8件で、そのうち「緊急」は3件、「重要」は5件となる。今回の更新では、10日に公開された事前通知から一部内容の変更がある。セキュリティ4の「警告」で公開が予定されていたプログラムに問題があったため、公開を見合わせたという。今後、適切なタイミングで公開される予定だ。8つのうち、企業向けに設定されている適用優先度が「1」の更新プログラムは、深刻度が「緊急」の全3件。脆弱性の悪用が確認されているものは3件あり、脆弱性がすでにネット上で公開されているものも2件ある。深刻度「緊急」、および適用優先度「1」の3件は、MS14-056、057、058。○MS14-056MS14-056は、Internet Explorer用の累積的なセキュリティ更新プログラム。対象となるソフトウェアは、Windows/Windows Server上のInternet Explorer 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11。なお、Windows Sever上のIEについては、深刻度が「警告」にとどまっている。IEには14件の脆弱性があり、これらが悪用された場合には、ユーザーが特別に細工されたWebページを開くとリモートでコードを実行される可能性があるという。これにより攻撃者は、ユーザーと同じ権限が取得される可能性がある。○MS14-057MS14-057は、.NET Frameworkの脆弱性によってリモートでコードが実行される可能性がある。対象となるソフトウェアは、Microsoft .NET Framework 2.0 Server Pack 2 / 3.5 / 3.5.1 / 4 / 4.5 / 4.5.1 / 4.5.2。.NET Frameworkには3件の脆弱性が存在し、悪用された場合には攻撃者が国際文字を含んでいる特別に細工されたURIリクエストを.NET Webアプリケーションに送信した場合、リモートでコードを実行される可能性があるという。.NET 4.0アプリケーションでは、脆弱性を抱えている機能(irParsing)が既定の設定で無効となっているため、有効にしていなければ脆弱性が悪用されることはない。一方で、.NET 4.5アプリケーションでは、この設定が規定で有効になっており、無効にすることもできないため、注意が必要だ。○MS14-058MS14-058は、カーネルモード ドライバーの脆弱性によって、リモートでコードが実行される可能性がある。対象となるOSは、現在サポートされている全てのOS(Windows Vista / 7 / 8 / 8.1 / RT / RT 8.1 / Server 2003 / Server 2008 / Server 2008 R2 / Server 2012 / Server 2012 R2)。修正された脆弱性は2件で、これらの脆弱性が悪用された場合、攻撃者が特別に細工したドキュメントを開いたり、埋め込みTrueTypeフォントが含まれる信頼されていないWebサイトにユーザーがアクセスしてしまうと、リモートでコードを実行されてしまう可能性がある。ただし、全ての場合で、攻撃者がこれらの操作をユーザーに強制的に実行させる方法はないとしている。その一方で、ユーザーにメールやメッセンジャーにURLリンクを送り付けてクリックさせるといった手口で、ユーザーにコンテンツを開かせる手法があるため、これらの手口に注意を払うよう呼びかけている。
2014年10月15日日本マイクロソフトは10月10日、10月のセキュリティリリースの事前通知を公開した。月例セキュリティは情報は、緊急3件、重要5件、警告1件の計9件。通常どおり第3水曜日の15日にセキュリティパッチを公開する予定だ。緊急の3件はすべてリモードコードの実行を防ぐパッチとなる。影響を受けるソフトウェアは「セキュリティ情報1」がWindowsとInternet Explorer。「セキュリティ情報2」が.NET Framework 2.0 Service Pack 2、.NET Framework 3.5、.NET Framework 3.5.1、.NET Framework 4、.NET Framework 4.5/4.5.1/4.5.2。「セキュリティ情報3」がWindowsとなっている。「重要」に設定されている5件の内訳は、リモートコードの実行が2件、特権の昇格が2件、セキュリティ機能のバイパスが1件。警告は特権の昇格が1件だ。セキュリティパッチの配布と合わせて、悪意のあるソフトウェアの削除ツールの更新バージョンを配布する。
2014年10月13日日本マイクロソフトは6日、フラット形状に変形するタッチセンサー搭載マウス「アークタッチ Bluetooth マウス」を発表した。発売は24日で、税別の参考価格は6,647円。従来モデルではSurface用モデルを除き、主に2.4GHz帯の無線方式で接続していたが、本モデルはBluetooth 4.0での接続を採用している。「アークタッチ Bluetooth マウス」は、使用時はアーチ形状に、使用しない場合はフラット形状に変形できるワイヤレスマウス。スクロール部には、指でなでた際に感触と音によるフィードバックがあるタッチセンサー「タッチ ストリップ」を搭載する。Bluetooth 4.0での接続により、従来必要だったトランシーバーも不要となった。読み取り方式はBlueTrackテクノロジー、読み取り速度は1,200fps、解像度は1,000dpi、ボタン数は3。バッテリには単4形アルカリ乾電池×2本を採用し、駆動時間は約6カ月。本体サイズはW130×D59×H15mm、重量は約56g。対応OSはWindows 8 / 8.1 / RT 8.1。
2014年10月06日日本マイクロソフトは10月6日、Windows Server 2003のサポート提供を2015年7月15日(日本時間)に終了するのに伴い、シトリックス・システムズ・ジャパンと共同で、Windows Server 2003の「ターミナルサービス」および「Citrix Presentation Server」「Citrix XenApp」から最新のサーバ/クラウド環境への移行支援キャンペーンを開始すると発表した。Windows Server 2003の「ターミナルサービス」(Windows Server 2012 R2では「リモートデスクトップサービス」) は、クライアントPC上で利用するアプリケーションをサーバ側にインストールして利用するために、端末に画面、キーボードやマウスなどの情報を転送する機能。Citrix Presentation ServerおよびXenAppと併用することで、限られた帯域でも利用できるようになったことから、企業でセットでの利用が進んだという。Windows Server 2003のサポート終了に伴い、Windows Server 2003 ターミナルサービスを新たに利用するために必要なターミナル サービス クライアント アクセス ライセンス (TS CAL)の新規アクティベーションの受付(インターネットおよび電話)も終了する。「Windows Server 2003 Terminal Service 移行促進キャンペーン」では、Windows Server 2012リモートデスクトップサービスクライアンライセンス(RDS CAL)のオープンライセンス価格を10%割引する。2014年12月31日まで実施される。「Citrix XenApp 移行促進キャンペーン」では、Windows Server 2003上でCitrix Presentation ServerおよびXenAppを利用しているユーザーが最新の環境へ移行するのを支援するため、XenApp SAリカバリライセンスを参考価格から10%割引する(販売価格はパートナーにより異なるため、各販売パートナーへ問い合わせが必要)。日本マイクロソフトは、今年1月29日から2015年7月15日(日本時間)までを「サーバ移行支援強化期間」とし、パートナー各社と連携した Windows Server 2003 から最新のサーバ/クラウド環境へ移行を支援する各種施策を実施している。
2014年10月06日日本マイクロソフトは1日、日本市場向けオフィススイート「Office」の新製品を発表する「New Office Press Briefing」を開催。プレインストール版とサブスクリプション制度を融合させた新しい提供形態などを明らかにした。関連記事■Core i3版「Surface Pro 3」、10月17日にOffice 365付きで発売■日本マイクロソフト、サブスクリプション版含む日本市場向け新Officeを発表■日本マイクロソフト、iPad用Officeアプリを2014年内に国内発売かつて日本マイクロソフトが、日本国内・個人向けOffice 365を初めて公にしたのは、2014年7月に開催した新年度経営方針記者会見だった。日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏は、大手企業や教育機関などがOffice 365を採用しつつあることをアピールしながら、「日本市場に最適化した『Office 365 for Consumer』を2014年内にリリースする」と発言。担当役員であるコンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏も「国内はプレインストール版Officeが多いため、パートナーと培ってきた関係性を維持しつつ、Office 365 for Consumerの発売を目指す」と語っていた。それから3カ月。10月1日に「New Office Press Briefing」と題した記者会見を行い、日本市場向けOffice 365を発表した。概要を説明する前に、まずはOffice 365の立ち位置から解説しよう。Office 365が発表されたのは2010年10月。デスクトップアプリのMicrosoft Officeスイートを月額課金で使用可能にするエディションと、Exchange ServerやSharePoint Serverなどのサーバープランも同時に提供するエディションが複雑に絡み合っているため、正直分かりにくい。今回発表されたのは、米国のMicrosoft本社が提供している個人向けOffice 365とは異なり、日本独自の構成を採用した。○日本市場に最適化したOffice 365日本国内での名称は「Office PremiumプラスOffice 365サービス」(以下、Office Premium)」と、「Office 365 Solo」である。米国とはまったく異なる日本独自のエディションなので、はじめに概要を紹介しておく。今回の新Officeは、従来と提供形態が変わっただけで、少なくとも発表時点では機能的な強化点はないとのことだ(現行のOffice 2013と同等)。Office Premiumプラス Office 365サービスOffice 365 SoloOffice Premiumは「永続的に使用できるデスクトップアプリ+1年間のOffice 365サブスクリプション(購読)」。Office 365 Solo は「デスクトップアプリ+Office 365サブスクリプション、いずれも1年間」、と述べると分かりやすいだろう。今までのパッケージ版を使ってきたユーザーは違和感を覚えるかもしれないが、プレインストール版ユーザーの場合、1年間のOffice 365サービスが付いてくる。細かい計算は飛ばして、OneDriveのディスク容量プランを1TB追加すると22,800円/年、Skypeの通常回線通話料金は1時間135.6円のため、年間では約1,627円の無料使用権が付属する仕組みだ。(2年目以降は有料と言いつつも)お得なサービスと言えるだろう。米国のOffice 365と構成が異なる理由として、日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏は「(同社の調査によれば)日本市場は約94パーセントのPCにOfficeがインストールされている。だが、米国のOfficeユーザーは30パーセント以上がサブスクリプションを選択し、毎四半期で100万人以上が移行中。そして米国本社との連携や日本市場を踏まえた上で、独自の構成を用意した」と述べた。なお、Office Premiumのエディション構成は下記のとおり。Office 365 SoloのPC版はOffice Personal Premiumと同等の構成となり、Mac版はOffice for Mac 2011と同じWord/Excel/PowerPoint/Outlookが含まれる。ちょうどOffice Personal PremiumとOffice Home&Business Premiumの中間に位置する内容だ。「Office 365 Home」の最大ユーザーは5人だが、Office 365 Soloは2台に制限されている。この点について質問があがると、日本マイクロソフトの担当者は「日本の場合、5台も使うユーザーは少ない。1人が使うデバイスとして2台が最適と考えている」と回答した。○米MicrosoftのCEOも登壇。エコシステムをアピール今回の発表会はOffice 365が主役だが、もう1つの目玉がSatya Nadella氏の訪日だ。筆者の記憶が確かなら、同氏が訪日し、メディアに登場したのは今回が初めてである。登壇したNadella氏は、CEO就任以来掲げている「モバイルファースト、クラウドファースト」について語った。その内容は過去の寄稿記事と重複するため割愛するが、Nadella氏は「日本はOfficeがもっとも活用されている国の1つ」と評価しつつ、「Office for iPad」の日本語版を2014年内にリリースすることを明らかにした。会場ではOffice for iPadのデモンストレーションも披露。基本的には2014年3月にリリースしたものと変わらないが、日本語版UIや利用シナリオに応じて厳選したリボンを表示する仕組みをアピールしていた。なお、文書ファイルの閲覧は無料だが、編集時はOffice Premiere/Office 365 Soloのサブスクリプションライセンスが必要となる点も同じである。Nadella氏がスピーチした「モバイルファースト、クラウドファースト」は文字どおり、iPadやWindowsタブレット、およびクラウドとインフラが欠かせない。マルチプラットフォーム化を目指すMicrosoftにとって、サブスクリプションタイプのOffice 365とOffice for iPadの存在は大きいはず。そのため、今月(2014年10月)の17日とかなり早いタイミングでリリースするのだろう。なお、日本マイクロソフトのSurfaceや各社Windows PC/タブレットのプレインストール版Officeも、同日から順次Office Premiumに切り替わる。樋口氏やNadella氏が言うように、Officeのシェア率が高い日本国内において、Office Premium/Office 365 Soloが浸透するか否か…。これは「最初から全部入りが好まれる」日本という地域で、サブスクリプションに対する理解度をいかに高められるかと、そのための継続的かつ丁寧な説明が求められる。阿久津良和(Cactus)
2014年10月01日日本マイクロソフトは1日、日本市場向けの新Microsoft Office「Office Premium プラス Office 365 サービス」と、サブスクリプション型のMicrosoft Office「Office 365 Solo」を発表した。発売日は10月17日で、予約は2日より開始。いずれも日本市場のみで提供する。米Microsoft CEOのNadella氏も登場した、Microsoft Officeのメディア向けブリーフィング「New Office Press Briefing」で明かされたもの。「Office Premium プラス Office 365 サービス」は従来型のMicrosoft OfficeプリインストールPCと、クラウド型の「Office 365」を組み合わせたOffice製品。「Office 365 Solo」は、1年ライセンスによるサブスクリプション提供となるOffice製品だ。○Office Premium プラス Office 365 サービスOffice Premium プラス Office 365 サービスは、パートナー各社のWindows PCおよびSurface Pro 3にプリインストールされるモデル。購入したPCを使用している間は永続的に利用できる「Microsoft Office」に加え、オンラインストレージ「OneDrive」1TB分、マルチデバイスでのOffice製品(iPhone版、Android版、2014年内に提供予定のiPad版)、Skype月間60分無料通話、回数無制限の無償サポート「アンサーデスク」が利用できる「Office 365サービス」の1年版が付属する。ラインナップは、Microsoft Office Personalがベースの「Office Personal Premium プラス Office 365 サービス」、Microsoft Office Home & Businessがベースの「Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」、Microsoft Office Professionalがベースの「Office Professional Premium プラス Office 365 サービス」の3種類。なお、2年目以降の「Office 365サービス」は、税別5,800円/年を支払うことで、継続利用できる。○Office 365 SoloOffice 365 Soloは、既に米Microsoftが4月に提供している「Office 365 Personal」の日本版となる、個人向けのサブスクリプションサービス。ライセンスは1年版のみとなり、契約期間中は無償で最新版のデスクトップ版OfficeおよびOffice 365サービスが使用できる。なお、デスクトップ版OfficeはWindowsまたはMacに対応し、計2台までインストールできる。価格は税別11,800円(1年ライセンス)。販売はMicrosoft Storeのほか、Apple Store、アマゾン ジャパン、エディオン、ケーズホールディングス、上新電機、ピーシーデポ コーポレーション、ビックカメラ(グループ会社含む)、ヤマダ電機(グループ会社含む)、ヨドバシカメラなど、Office 365 Solo販売パートナー各社。
2014年10月01日日本マイクロソフトは1日、2014年の年末までに、iPad用のMicrosoft Officeアプリ「Office for iPad」を日本市場で提供すると発表した。具体的な発売時期や価格などの詳細は未定。「Office for iPad」は、iPadでのタッチ操作に最適化された統合型Officeアプリで、Officeならではのリボンレイアウトによる視覚的なインタフェースが特徴となる。日本市場への投入は、「New Office Press Briefing」と題した、Microsoft Officeのメディア向けブリーフィングで明かされた。「Office for iPad」は米国時間2014年3月27日に発表済み。既に国外市場では提供されているが、日本市場での発売は見送られており、国内投入が待たれていた。
2014年10月01日日本マイクロソフトは2日、Windows 8.1 Pro 64bit版を搭載した12型タブレット「Surface Pro 3」のオプションとして、多彩なインタフェースを備えた「Surface Pro 3 ドッキングステーション」の発売日と価格を公開した。9月12日より発売し、参考価格(税別)は19,980円。搭載するインタフェース類は、USB 3.0×3、USB 2.0×2、miniDisplayPort(最大3,840×2,600 DPI、4K出力対応)、Gigabit Ethernet対応有線LAN、電源ポート、Surfaceペン(Surface Pro 3付属のスタイラス)用マグネット、セキュリティスロット。Surface Pro 3 ドッキングステーションは、Surface Pro 3本体の発表会などでも存在が明らかにされていたオプションだ。当初は発売時期と価格が未定だったが、Surface Pro 3を補強するオプションとして期待されていた。特に、Surface Pro 3本体はUSBポートがUSB 3.0×1基しかないため、ドッキングステーションによって5基のUSBポートを増やせるのはメリットが大きい。Gigabit Ethernet対応有線LANを重宝する環境も多いだろう。Surface Pro 3 ドッキングステーションの対応製品はSurface Pro 3、対応OSはWindows 8.1以降、本体サイズはW330×D112×H97mm、重量は650g。
2014年09月02日日本マイクロソフトは同社のセキュリティブログ(日本のセキュリティチーム)において、Windows XPとOffece 2003のサポート終了と、それに伴う「使い続けるリスク」のまとめを、改めて投稿している。折しも、米Microsoftのイベント「Build 2014」にて「Windows 8.1 Update」が発表されたタイミング。4月9日でサポート終了するWindows XPとOffice 2003だが、4月9日以降も相当数の動作環境が残ると思われる。当該のブログ記事では、これまでに投稿されてきた「Windows XPとOffice 2003のサポート終了」にまつわる記事へのリンク集のほか、Q&A形式で多くの内容がまとめられている。大半がセキュリティリスクに関するもので、例えば『Office 2003 は永遠に「ゼロデイ」状態となります。』といった記述もある。Windows XPとOffice 2003をさまざまな状況でやむを得ず使い続ける人、Windows 7やWindows 8.1への駆け込み的な移行を考えている人だけでなく、すでに移行を終えている人も一読することをおすすめしたい。
2014年04月03日今年も東京ビックサイトで、同人誌即売会「コミックマーケット83」(C83)が開催された。2012年のC83では、日本マイクロソフトがコミケ初出展を表明。2012年8月に行われた「コミックマーケット82」でのGoogleによる出展に続き、話題を呼んだ。既報では、同社のクラウドプラットフォーム「Windows Azure」のイメージキャラクター「ククラウディア・窓辺」のほか、DSP版 Windows 8の(非公式)イメージキャラクター、「窓辺ゆう」や「窓辺あい」などのキャラクターグッズの販売が案内されていた。また、アニメ作品とコラボレーションしたWindows 8搭載PCも展示するとしていた。それでは、実際の日本マイクロソフト出展ブースは一体どのようなものだったのか。早速チェックしていこう。○完売続出!? 日本マイクロソフト出展ブース西展示棟4階・企業ブース162で展開された日本マイクロソフトの出展ブースでは、既報の通り、「クラウディア・窓辺」や「窓辺ななみ」など同社にまつわるキャラクターの限定グッズのセットを用意。Kinect for Windowsを同梱する「Kinect for Windowsセット」(20,000円)、DSP版Windows 8 Proを同梱する「DSP版Windows 8セット」(15,000円)、コミック制作ソフトウェア「コミPo!」を同梱する「コミPo!セット」(10,000円)、PC用メガネ「JINS PC」を同梱する「J!NS PCセット」(5,000円)の4種類を販売していた。29日午前11時時点で、「Kinect for Windowsセット」および「DSP版Windows 8セット」の当日分の在庫は完売。残る「コミPo!セット」と「J!NS PCセット」も品薄という。ただし、完売したのは製品本体のみで、同梱のショッパーやクリアファイル、絵馬、グラフィグなど(同梱品はセット内容により異なる)は、その場で手にすることができる。例えば「Kinect for Windowsセット」と「DSP版Windows 8セット」では、Kinect本体およびDSP版Windows 8 Pro本体を、専用用紙に記入した住所宛に後送する形で販売を継続していた。なお、各セットの用意数は非公開という。○日本マイクロソフトの砂金氏 「予想以上の反響」同社ブースには、C83への出展に関わった日本マイクロソフトのエバンジェリスト砂金信一郎氏も参加。氏はブースをみながら「予想以上の反響」と語った。C83への出展は「非常に挑戦的な試み。社内でも、出展でどのくらいの反響があるのか予想がつかず、販売グッズも潤沢に揃えるというわけにいかなかった」とのこと。実は、12月20日にサークル・ドット・エムエスおよびコミックマーケット準備会、コミケットが連携し、「Windows Azure」を使用して、コミックマーケットカタログをWebサービス化したことが発表されていた。C83ではその「コミケWebカタログ」がベータ版として展開しているが、これをきっかけに今回C83へ出展する流れになったという。氏によると、C83への出展について、「コミケWebカタログ」はひとつのきっかけで、もうひとつの狙いは「マーケティング」とする。「社内の開発部隊では、『コミケに行く人』を聞くと半数くらいが手を挙げる。じゃあ実際、(Windows Azureを含む同社コンテンツは)コミックマーケット参加者にどのくらい刺さるのか。もし本当に親和性が高ければ、今までとは違ったプロモーションが可能かもしれない。コミックマーケットの参加者は約50万人とも言われるが、その中の10%でさえ5万人と、多くの人に興味を持ってもらえる。せっかくの機会、皆でこのイベントを楽しみながら、親和性の部分を具体的にリサーチしたい」(砂金氏)。コミックマーケットの物販としては高めの値段設定だったためか、ブースは行列ができる状態ではなかったが、絶え間なく参加者が訪れていた。また、コスプレイヤーと1対1で行うアンケートでは、着けたままでもスマートフォンなどでタッチ操作ができる手袋などの無料配布グッズがもらえることもあり、こちらは非常に盛況だった。なお、コスプレイヤーさんは「窓辺ゆう」「窓辺あい」「窓辺ななみ」「クラウディア・窓辺」「安曇瑠璃(Windows Azureにまつわるキャラクター)」の5名だが、全員揃う時間帯は限られるという。このほか、ブースでは70型のタッチ対応モニタで、2D画像を立体的に動かすソフトウェア「Live2D」のアプリケーション「クラウディアRSS」(仮)のデモも展示。表示されているWindows Azureの公認キャラクター、「クラウディア・窓辺」(CV喜多村英梨)の頭や胸元、スカート周辺などをタッチすると、何らかの反応が返ってくる。ちなみに、Windows Azureは、2010年1月に正式サービスを開始した、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォームで、利用者は同社のデータセンター上にサービスを構築できる。「クラウディア・窓辺」は、その"公認キャラクター"。同社Webサイトでは、クラウディア・窓辺が主役のクラウド技術解説漫画「クラウドガール - 窓と雲と碧い空」も公開されている。上記に加え、事前情報では、貴志祐介原作のアニメ「新世界より」とコラボレーションしたWindows 8搭載PCも展示される予定(販売はなし)だったが、スペースの都合上か、一見したところ専用の展示スペースは設けられていないようだった。担当者によると「実機を確認できるようにしておくため、興味がある方はブーススタッフに声をかけて欲しい」とのことなので、気になった方はブースのスタッフに聞いて見ると良いだろう。○開封の儀? 15,000円の「Windows 8セット」を自腹で買ってみた取材とはいえ年に2度しかないコミックマーケットに参加したのだからと、日本マイクロソフトブースにて、C83限定デザインの「Windows 8セット」(15,000円)を自腹で購入した。既に中身が見えているため「開封の儀」と言いにくいところではあるが、せっかく購入したので、同梱品を写真で確認していこう。同梱品は下記の通り。なお、前述の通りブースで購入した29日午前11時の時点では、既に「Windows 8セット」のWindows 8 Pro本体は完売していたため、後日編集部に届けられるよう手配している。「コミックマーケット83」は、12月30日・31日にも開催される。年末に向けてさらに多くの来場者が見込まれるが、気になった方は足を運んで見ても良いだろう。
2012年12月30日東京・品川にある日本マイクロソフト本社社員食堂で15日、同食堂を運営するエームサービスが一般社団法人超人シェフ倶楽部と共同で「おとなの食育プロジェクト」第1回イベントを開催した。このプロジェクトは、エームサービスと超人シェフ倶楽部が社員食堂で行う”食育”活動。特別メニューの提供やレシピの配布などを通して、子どもを育てる親世代の利用者に対し啓蒙活動を実施し、大人から子どもへ食の「健康・おいしさ・楽しさ」を伝える機会とするという。第1回となる今回は、日本マイクロソフト本社の社員食堂「One Microsoft Cafe」を会場に実施された。「伝統的な日本の食・季節を楽しむ」をテーマに、旬の食材を使用した「サーモンの味噌漬け」「かぶのサラダ」「さんまご飯」、伝統的な和食「大豆の呉汁」が同社従業員に提供された。このうち、さんまご飯には10月26日に発売された「Windows 8」にちなんで「八穀米」が使用されていたという。また当日イベント内で、「Windows 8」発売前後から同社員食堂で提供されていたというその他の特別メニューも紹介された。「8(エイトバーグ)」には、ハンバーグに”8”の字が描かれている。さらに一見”8”は見当たらない「岐阜郡上8幡名産めいほう鶏ちゃん」も、実は特別メニュー。どこがWindows 8にちなんでいるのかというと、岐阜県・郡上八幡のご当地料理である「めいほう鶏ちゃん」の地名”八”幡と結びつけているのだという。また食堂内のベーカリーには、”8”の字のかたちをした「8ドーナツ」も。人気の商品で、すぐに売り切れてしまうのだとか。エームサービスによるとWindows 8発売日前後の食堂では、味噌汁に”8”の字に切った大根を混ぜて、それが入っていた人にコーヒーをプレゼントするなどのお楽しみも用意していたという。「お祭りというか、いっしょになって楽しんでいたような感じです」とのことだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月16日今回紹介する社食は、東京・品川の日本マイクロソフト本社にある「One Microsoft Cafe」だ。コンセプトをそれぞれ統一した4エリアですべてのインテリアにこだわりが光る、おしゃれすぎる社食を訪ねた。同社オフィスは品川グランドセントラルタワーの19階~31階にあり、「One Microsoft Cafe」はその19階に位置する。まず驚くのは、300席がゆったりと配置されているその広さ。カフェ内は朝、昼、夜をイメージした4つのエリアに分かれている。まず、朝をイメージした「Picnic Area」。ここではナチュラルブラウンと緑色の床にアウトドア風のテーブルとチェアが並び、中央にはガーデンパラソルも開いている。まるで屋外の自然の中でピクニックしているような気分になれる。鮮やかなオレンジ色の壁はブレスト用の黒板にもなっているという。続いて、昼のイメージの「Cafeteria」。白を基調とした明るい空間で、食事等が提供されるカウンターを取り囲むように、席が配置されている。さらにその奥には、夜のイメージの「Lounge」がある。落ち着いた雰囲気で、一人で黙々と仕事をする従業員の姿も多く見られた。ビリヤード台や同社のゲームを体験できるスペースなども用意されている。隣接する「Diner Booths」には、ボックス席、用途に合わせて選べるソファ席、カーテンで仕切られた個室風の席などもある。いずれのエリアも全時間帯(8時30分~20時)で利用でき、気分や用途に応じて席を選べるという。同社では、コミュニケーションシステム「Microsoft Lync」の活用により、6割ほどの従業員が固定席を持たないフリーアドレス制をとっている。Caféは従業員が仕事をする場所としても利用されているという。ランチは、日替わりのメインを決めてサイドメニューを2種類から選ぶというデリ形式のセットメニューだ。取材日のメニューは「豚の冷しゃぶとまポン」(680円)、「米粉の唐揚げ」(680円)、「白身魚の香草パン粉焼き」(680円)、「完熟トマトのドライカレー」(680円)、「エビとアボカドのマヨサラダボウル」(680円)、「炙りチャーシュー麺」(600円)だった。メニューのポイントは、カロリーを抑え、野菜が多めで満腹感がある健康的な食事であること。同カフェではこれまでも「健康プログラム」として、健康診断の特定保健指導対象者や希望者に向けた管理栄養士が監修する専用メニューの提供なども行ってきた。先月には、この社食メニューを家庭で楽しめるレシピ本『日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷり! デリレシピ 63』(キラジェンヌ発行)も発刊された。セットメニューの他、フレッシュな野菜が並ぶサラダバーや、厨房で焼いた焼きたてのパンなども人気という。コーヒーをはじめ、お弁当やおにぎり、サンドイッチなどの軽食も充実している。夜の時間帯にはアルコールも提供。予約で宴会場としても使えて、連日予約でいっぱいなのだとか。またカフェ内のメニューは全メニューテイクアウト可能で、あまり時間のとれない従業員にとっても利用しやすい。昨年9月からカフェをより多くの従業員に利用してもらおうと、メニューの改善が行われた。ランチが単品メニューからセットメニューになって選びやすくなり、食器はすべてル・クルーゼのものを採用して見た目も華やかになった。カフェは食事をする場所としてだけではなく、従業員のコミュニケーションの場としても活用されている。カフェの名前にもなっている「ワンマイクロソフト」は、様々な製品を担当する従業員が連動し、1つのマイクロソフトとして取り組むことを表しているという。こんなにおしゃれで快適なカフェなら、自然と人が集まって、新しいアイデアやコミュニケーションが生まれそうだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月09日