『女は二度決断する』『50年後のボクたちは』などで知られるファティ・アキン監督の最新作『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』。本作の“殺人鬼”の正体は、22歳のドイツの新星俳優が特殊メイクで大変身した姿であることが分かった。今回解禁となるのは、70年代ドイツに実在した屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカを演じるヨナス・ダスラーと、フリッツへと大変身する驚愕の特殊メイクを施す過程を捉えたメイキング映像。『僕たちは希望という名の列車に乗った』で日本でも注目を集めるヨナス・ダスラーは1996年3月生まれ、ドイツ・レムシャイト出身の俳優。2014年にエルンスト・ブッシュ演劇大学に進学。初主演作『Lomo - The Language of Many Others』(’17/英題)と『僕たちは希望という名の列車に乗った』(’19)での演技が評価され、第39回バイエルン映画賞新人賞男優賞を受賞。舞台でも活躍し、ベルリンのマクシム・ゴーリキー劇場のアンサンブルメンバーとして数々の舞台作品に出演。本作での活躍により、ヴァラエティ誌の「2019年の注目すべきヨーロッパの若手映画人10人」にも選出されている。また、先日発表された、ヨーロッパで注目の新星たちに与えられる「ヨーロピアン・シューティングスター」にも選出され、いま最もアップカミングな俳優10人のひとりなのだ。ドイツ語に加え、英語とフランス語も話せるマルチリンガルでもある。昨年日本で劇場公開された『僕たちは希望という名の列車に乗った』では、主人公テオらの同級生エリック役を演じ、その端正な顔立ちと純真な役柄に胸を揺さぶられた人も少なくないだろう。しかし、本作での体当たり演技に、「あのヨナスが…」と絶句して試写室を後にする女性ライターや映画評論家が後を絶たないという。40歳の殺人鬼役に22歳の彼が抜擢された理由とは?実は、そんなヨナスがフリッツ役に抜擢された理由は、バイエルン映画賞の授賞式に出席したヨナスを見かけたファティ・アキン監督の妻が、「彼があなたのフリッツ・ホンカよ」と監督にアドバイスをしたことがきっかけ。当時40歳の殺人鬼役に22歳の若手俳優を起用するとは思いもよらなかったという監督だが、「ヨナスの“若さ”が、むしろ、フリッツ・ホンカというキャラクターの脆弱さと複雑さを繊細に表現し、作品に深みをもたらしてくれた」と語っている。強烈な大変身が生み出されたきっかけは、アカデミー賞受賞のあの特殊メイク!22歳の美青年が、特徴的な容姿のフリッツ・ホンカへと変貌を遂げるには、高度な技術を要する特殊メイクが欠かせなかった。アキン監督がヨナスの起用に踏み切ったのは、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で、ゲイリー・オールドマンをチャーチルに大変身させ、その卓越した特殊メイクでアカデミー賞を受賞したカズ・ヒロ(辻一弘)の偉業をスクリーンで目にしたことが理由の一つだと言う。監督自ら特殊メイクアップアーティストに掛け合い、綿密な打ち合わせを重ねてプロジェクトが進行。毎日3時間かけ、折れ曲がった鼻、特徴的な斜視、極度な猫背を生々しく再現させることに成功した。『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』は2月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ 2020年2月14日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©2018bomberoint._WarnerBros.Ent. photo by Gordon Timpen
2020年01月17日偉人の名言は、見通しの悪い時代を生き抜くための知恵や勇気を与えてくれるようです。慶応義塾大学教授の竹中平蔵さんによる著書『不安な未来を生き抜く知恵は、歴史名言が教えてくれる 「明日を変える力」を磨く55の言葉』(SBクリエイティブ)では、それぞれの時代を担った偉人たちの55の名言が並べられています。その名言はとても深く、迫力があります。経済学者として社会を研究した著者は、歴史から学ぶことがいかに大きいかを感じていたとのこと。そして名言の数々はいまの経済社会にも大きな意味を持っていると思ったそうです。今回は、そのなかから一部を抜粋してご紹介したいと思います。■普段の仕事に効く名言(1)孫正義「最初にあったのは、夢と根拠のない自信だけ。そこからすべてが始まった」これは、ソフトバンク創業者の孫さんの名言です。著者はこの言葉で、若いからこそ挑戦できることの重要性を再確認したとのこと。孫さんのように「夢と根拠のない自信がある人」は案外成功するケースが多いそうです。また、年齢を重ねると新しいことに挑戦しにくくなりそうですが、夏目漱石は40代を前に本格的に小説を書きはじめたのです。挑戦することに年齢は関係ない、といえそうです。(2)マクシム・ゴーリキー「仕事が楽しければ人生は極楽だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ」ゴーリキーはロシアの作家で『どん底』などの著書で有名です。著者はこの名言の感想として「大切なのは『自分が何をやりたいか』という軸だ」といっています。これがブレなければ、先が見通せない世のなかを自分の力で進んで行けるのです。また、成功した経営者のアンケートで、多くが「自分の好きなことを仕事にした」と答えているのも興味深いところ。極楽の人生を選びたいなら、悔いのないように挑戦してみるのもいいかもしれません。■人・組織を動かす名言(3)松下幸之助「失敗すればやり直せばいい。やり直してダメなら、もう一度工夫し、もう一度やり直せばいい」パナソニック創始者の松下さんの名言は、本書にも複数掲載されています。この名言のテーマは「なにごとも徹底する」ということ。松下さんは部下の失敗を叱る時は徹底的に叱り、それが終われば一切蒸し返さずにしっかり労わる(次にいかせる)、という姿勢を貫いた方のようです。「失敗したからとあきらめない」、「何度でもやり直せ」というメッセージで「徹底することの大切さ」を思い出そう、と著者はいっています。*本書では、計55の名言が取り上げられています。これらは私たちに未来を見通す洞察力を与え、自分の人生を創造する力をつけてくれます。「いま、どう生きるべきか」について迷っている人には、ぜひ読んでほしい一冊だと思います。(文/齊藤カオリ)【参考】※竹中平蔵(2015)『不安な未来を生き抜く知恵は、歴史名言が教えてくれる 「明日を変える力」を磨く55の言葉』SBクリエイティブ
2015年12月30日