高齢者の顔にあるシミのようなイボ。鏡を見ると、自分の顔にも同じようなものがポツポツとできていたという人もいるのでは? 今回は加齢とともに出現する「老人性イボ」について、専門医である泌尿器科および皮膚科を併設して皮膚トラブルにも詳しい窪田徹矢先生にお伺いしました。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouTuberとしての情報発信もおこなっている。老人性イボって何?加齢によって増える良性腫瘍老人性イボは脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれているイボの1種。良性の腫瘍であり、基本的に悪性になることはありません。手のひらと足の裏以外の全身にできるイボで、特に顔や頭に多く見られます。イボの色はさまざまで、皮膚と同じような色のものから黒っぽい茶色のものまであります。大きさや盛り上がりの程度もまばらで、表面はざらついています。「イボの色が違うのは色素沈着の量です。人の肌の色と一緒で、個々で色は違って黒っぽくなる人もいれば白っぽくなる人もいます。基本的には良性の腫瘍なので、イボの色によって状態が良い悪いということはありません」(窪田先生)老人性イボの原因は?加齢以外にも要因はある老人性イボができる原因は・加齢・紫外線・遺伝の3つといわれています。「老人性イボは顔や頭にできることが多いです。新陳代謝の問題などもありますが、顔や頭は日光が当たる場所なので、紫外線が大きく影響しています。腕も紫外線を浴びる場所なので、老人性イボができたりします。もちろん、遺伝的にイボができやすいという人もいます。ただ、こういう体質の人はイボができやすい! というのはなく、誰しもが老人性イボができる可能性があります。簡単に言えばシミなどと同じ感じです。加齢とともに出てくるし、紫外線などの影響もあるということです。30〜40歳くらいになると出現し始めますが、80歳以上になるとほぼ全員にイボができます。ほくろやシミと違う点は、見た目。隆起してゴツゴツしていれば老人性イボの可能性が高いですが、違う場合もあるので病院で診てもらうのが1番良いですね」(窪田先生)老人性イボの予防法はあるの?日ごろからのスキンケアが大切「傷からウイルスが入ってイボができるということもあります。ニキビ跡やひげ剃り跡などの小さい傷、手荒れなども含まれますが、そういう傷が原因でイボができたりします。そのため傷のケアは大切です。こまめなスキンケアも大切です。清潔にして保湿する、ということが肝です。その他にも皮膚トラブルを防止するヨクイニンを摂取したり、帽子を被ったりして紫外線対策をすることも老人性イボの予防になります。イボができると気になって触ってしまう方もいると思うのですが、それも良くないことです」(窪田先生)病院でヨクイニンを処方してもらうことはできますか?「イボの治療として、ヨクイニンの漢方を処方したりすることはあります。そういう飲み薬を飲んでもイボが全部なくなるということはありませんので、これ以上増えるのを抑えるといった感じですかね。ヨクイニンの漢方の処方は、患者さんと話をして必要だと判断すれば処方しています。現在ヨクイニンは市販薬として販売されていますが、医師に相談して処方してもらうのが1番良いでしょう。基本的には手術して切除するか、液体窒素や炭酸ガスレーザーで焼き切るかしないとイボを消すことはできません。老人性イボは良性なので、見た目で気にならなければそういった治療は必要はないと思います。ヨクイニンは薬局で売っていたりしますが、イボをちゃんと根元から取れるような市販薬はありません」(窪田先生)まとめ老人性イボの予防には、日ごろから肌をしっかりとケアすることが大切だそう。顔を洗うときはしっかりと洗って、清潔なタオルで拭いてから保湿するなど、できることからイボの予防をしていきたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/ウーマンカレンダー著者/監修/窪田 徹矢 先生くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
2024年02月23日目の際や指と指の間にポツンとできたイボ。おじいさんやおばあさん世代にできるものかと思っていたのに、まさか私にもできるなんて……ショックを受けました。しかも、無意識にイボを触ってしまう私の姿を友人に見られるのも恥ずかしく、イボを除去したいと強く思ったのです。これは再発するイボを除去するために皮膚科へ通院し、あれこれ試したイボの撃退体験談です。★関連記事:首元がざらざらしていると思ったらイボが大量発生!皮膚科で液体窒素の治療をしてみた結果【体験談】イボ出現…友人から見られている!?初めてイボに気付いたのは約5年前です。なんとなく目頭がかゆくなり、目の際を触ると、皮膚がうっすら盛り上がるようにイボができていたのです。その2年後には右手の中指と薬指の間のところにもイボができました。右手のイボの大きさは、直径約5mm、高さは約1mmです。大きさも気にならず、痛みやかゆみもないため市販薬などは使用せずに過ごしていました。ただ、イボができてからというものの、私は無意識にイボを触ってしまうことがありました。ある日、友人とランチをしていたときのことです。話しながらイボを触っているところを友人に見られてしまったのです。もしかしたら、私の思い過ごしかもしれません。それでも、友人は私のイボを気にしているかもしれないとモヤモヤした気持ちになりました。そして、私は「イボをなんとかしたい!」と思い、皮膚科に行くことにしたのです。ころころ変わる診断、イボの原因は?皮膚科へ行くと、医師から「乾癬(かんせん)」と診断されました。乾癬は皮膚が赤くなったり盛り上がったりする症状で、保湿剤で治療するとのことでした。しかし、しばらく続けても改善しませんでした。そこで再度受診することに……。すると、今度は「ウイルス性のイボかもしれない」と言われ、前回と同じような薬が処方されました。しかし、これもまた改善しませんでした。医師によると、皮膚の病気は症状が変化したり年齢や持病が関係したりすることが多く、皮膚科での診断が難しいケースもあるようです。最終的に私のイボは、「乾癬」でも「ウイルス性」でもなかったため、原因は老化によるものだと診断されたのです。そして、治療にはレーザー治療や液体窒素療法が一般的だと医師から言われました。ただ、レーザー治療は現在通院している皮膚科ではおこなっておらず、仮に他の病院で受けたとしても高額になるそうです。そこで、私はこの皮膚科でできる液体窒素療法を受けることに決めました。ドキドキ…液体窒素でイボを壊死!液体窒素療法は、マイナス196℃の液体窒素で患部を急激に冷やして、皮膚表面を壊死させる方法だと医師から説明を受けました。なんだか痛そうで怖い……と思い、尻込みしていると「お子さんは痛がるけど、大人だから大丈夫」と励まされ、ドキドキしながら治療が始まりました。医師は、白い煙が出る綿棒のようなものを持っています。どうやらこれが液体窒素のようです。そして、それをイボに当て「ジュー!!」。その瞬間、ピリピリっとした痛みが走りました。しかし、想像していたより痛みは少なく大丈夫でした。その後、治療を2週間に1度続け、同時に処方されるヨクイニンというハトムギエキスの漢方薬を朝昼晩の1日3回、計6錠飲んでいます。このヨクイニンは、肌のターンオーバーを助けるとのことでした。すると、イボは徐々に薄くなってきました。まとめ医師からは「ウイルス性のイボなら液体窒素療法で完治する」と言われましたが、私のイボは完治しないため、やはり原因は老化のようです。もちろん、液体窒素療法や飲み薬の服用などを続けていると、イボは目立たなくなります。しかし、しばらく放置すると再発してしまいます。今後もイボとはじょうずに長く付き合っていくしかなさそうです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著者/ママレード(43歳)令和2年1月から在宅ワークを始めたばかり。小学生の2人の母。趣味は友人と美術館やカフェに行くこと。
2023年09月03日