「私が誰かのロールモデルになればいい」そう話すのは、子どもの頃から大嫌いだった自分のクセ毛に対し、30代でまるでパーマのようなスタイリングができることに感動し、日本初のヘアサロン所属「クセ毛アドバイザー」として活躍するインフルエンサーのYukariさん(@yucurly_journey)です。今回MOREDOORでは、Yukariさんの“クセ活”(=クセ毛を活かすこと)のきっかけや「Curly-1グランプリ」について聞いてみました。Yukariさんのクセ活ーーー普段どんな活動をされていらっしゃるか、教えてください。●Yukariさん:クセ毛やグレイヘアを自分らしく楽しみながら活かすスタイリング方法、ファッション、マインドの持ち方など女性に向けた発信をしています!2023年秋より、日本初のヘアサロン所属「クセ毛アドバイザー」としてお客様に対面でスタイリングのHOW TOを教えたり、お悩み相談を受ける活動を始めました。クセ毛と白髪染めに悩む日々ーーー活動のきっかけには、どんな背景がありましたか?●Yukariさん:高校3年生から縮毛矯正を休まず続け、さらに20代後半からはグレイヘアが気になるようになりました。第一子出産後から染めないと恥ずかしいと思うレベルに達し、30歳で白髪染めを始めて、縮毛矯正と白髪染めがやめられない生活になりました。自分の髪が大嫌いだったけど、その両方をメンテナンスすることにほとほと疲れ、思い切って34歳の時に縮毛矯正と白髪染めをやめることに。クセ毛もグレイヘアも、日本では「みっともない」「老けて見える」などマイナスな意見が多い中、海外ではその両方を楽しんでいる女性が大勢いることを知り、感銘を受けたのを覚えています。その両方を楽しんでいるロールモデルは日本にいないかとネットで探していたのですが、見つけられませんでした。自分がなりたい姿はわかっていたので、とにかく自分の選択が間違えていない、大丈夫だよという後押しを誰かにして欲しかったんでしょうね。それでもなかなか現実では見つけられませんでした。そのとき「そうか私が誰かのロールモデルになればいいのか」と思い立ち、勇気を出してInstagramでの発信を始めました。まず第一に私が私らしくいられること、そして同時に同じ悩みを抱えながら隠し続けている女性が私の姿を見た時に「これでいいんだ」と思ってもらえたらと、両方の願いを叶えたいと思ったのがきっかけです。クセ毛と向き合ってみてーーークセ毛を好きになれた瞬間のエピソードはありますか?●Yukariさん:まるでパーマをかけたようなスタイリングができたとき、地毛のポテンシャルを見出した時の感動は今でも覚えています!クセ毛で悩む子どもにはーーー子どもがクセ毛で悩んでいるママさんへ、どう声をかけますか?●Yukariさん:誰も真似できない特別なカーリーヘアなので、自信を持って欲しいと思います。もちろんお子さんが年頃になって縮毛矯正をかけたいとお願いされたら、その気持ちを尊重してあげることも大切ですし、同時に「あなたはこんな素敵なポテンシャルがあるのだから、やめたくなっても大丈夫だからね。どっちを選んでもいいんだよ」というメッセージを伝え続けて欲しいと思います。「Curly-1グランプリ」についてーーー「Curly-1グランプリ」の雰囲気や、特別審査員として参加した感想を教えてください。●Yukariさん:エントリーしている仲間同士、競争意識というより、みなさん本当に純粋に「クセ毛って素敵!」「このクセ毛可愛い!」とお互いのことを高め合っている雰囲気がとっても素敵でした。クセ毛のコミュニティはみなさん本当に温かいな~と実感するイベントでした。※「Curly-1グランプリ」とは?「クセ毛って素敵!を広げよう」をコンセプトに、クセ毛さんも、そうじゃない人も参加できるオンラインイベント。誰が最も魅力的にくせ毛って素敵!を広げているかを一般投票で決めるコンテストです。Curly-1グランプリを通して、クセ毛の魅力に気づいていない人や、クセ毛に関心のない人に”クセ毛って、素敵”を広げることで下記のような未来を実現させることを目的としています。▼大手化粧品メーカーがクセ活用プロダクトのテレビCMを流す。▼近所のドラッグストアやバラエティショップにクセ活コーナーが設けられる。▼教育現場化から地毛証明書が撤廃される。クセ毛アドバイザーとしてーーー悩むクセ毛さんに「まずはこれをしてみてほしい」と思うことはありますか?●Yukariさん:髪をびっしょりと濡らして、ヘアクリーム(洗い流さないトリートメント)をつけて揉み込んでみてほしいです。「中途半端なクセ毛で活かせない」「クセ毛が強すぎて活かせない」この両方のご意見をとても多く見かけるのですが、活かせないと思い込んでいる人は、まずやってみて欲しいです!活かせないクセ毛はないーーー同じクセ毛さんに伝えたい思いを教えてください。●Yukariさん:クセ毛であることが「自分らしい」と思えるのはなかなか難しいことかもしれません。が、どんなクセ毛も一人として同じ人はいなくて、あなただけの特別なものということをぜひ知っていただければと思います。そして、活かせないクセ毛はないと私は断言できます。自分だけのカーリーヘアをぜひ思い切り楽しんで欲しいです!笑顔を増やしたいーーー今後Yukariさんはどんな活動をしていきたいですか?●Yukariさん:クセ毛とグレイヘアを活かして楽しむファッションの発信、親子で学べる講座などのワークショップや、グレイヘアとクセ毛のコラボイベントなどができたらいいなと思っています。ーーー今後どんな社会になってほしいと思いますか?●Yukariさん:クセ毛もストレートヘアも、どちらがいい悪いではなく、「選ぶ自由」「どちらも可愛い」が浸透すればいいなと思います。自分らしさを大切にYukariさんのように、自分だけの個性を輝かせる方法を見つけると、いつもの日常がより一層明るく素敵なものになりそうですね。クセ毛やカーリーヘア、またグレイヘアを持つ多くの皆さんの選択肢が広がりますように!次回は、クセ毛に悩む方のヘアカットやスタイリング方法を伝授する活動をしている、美容師hiroさんのインタビューをお届けします!(MOREDOOR編集部)
2024年01月15日取材・文:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部撮影:大嶋千尋趣味と仕事の両立。みんなが憧れる言葉ではありますが、一体どれくらいの人が両立できているのでしょうか。ましてや、プロジェクトリーダーなどの役職についてしまった日には、仕事を優先するしかない……なんて思う人もいるかもしれません。日本最大級のインターネットサービスを展開するヤフー株式会社に勤める伊藤静那さんは、PayPayフリマ企画部のLaboリーダー。29歳で12人の部下を持ち、肩書きだけを見るとかなりのハードワーカーのように見える彼女は、地方に遠征をしてライブに参加するほどの「推し活女子」だったのです。「タイムマネジメントはあまり得意じゃないんですが……」と語りつつも、どんなに忙しくても推しのために時間をつくっている伊藤さんに、仕事と趣味を両立する秘訣を教えてもらいました。■入社理由は「より大規模な事業に携わってみたかったから」伊藤さんは2019年にヤフーに入社されたそうですが、これまでの経歴を教えてください。2017年に新卒で、iOSのエンジニアとしてWEB系の企業に入社し、アプリ機能の検討や開発業務に携わっていました。その後、担当していたアプリがリリースされたタイミングで、社内異動の打診をされたのですが、異動はせずにヤフーに転職することを決めました。前職と同じiOSエンジニアとして入社。当時リリース前だった「PayPayフリマ」の部署に配属となり、現在に至ります。エンジニア入社ということは、大学でもプログラミングなどを学ばれていたのでしょうか?大学では数学を専門に学んでおり、入学当初は数学の先生になりたいと思っていたんです。ただ所属していた学部が、数学と情報を学べる場所だったので、そこでプログラミングをやっていくうちに楽しさを知りました。なので、就活時はエンジニアになりたいと思って探していましたね。希望かなってエンジニアとして働きだした中で、なぜヤフーに転職しようと思ったのですか?新卒で配属されたのが、比較的規模の小さいサービスの新規開発を行う部署でした。まだユーザーのいないサービスだったので、より大規模な事業に関わってみたいと思い、転職を決意しました。その中でヤフーは、ユーザーを大きく抱えるサービスをたくさん持っていたのが決め手で、選びました。現在、伊藤さんはPayPayフリマをご担当されているそうですね。はい、そうです。今はエンジニアではなく、フリマ企画部のLaboリーダーを務めています。私が所属するチームでは、PayPayフリマはもちろん、他のフリマサービスで“まだ提供できていない価値”を考えていくことをミッションに、新サービスの企画や調査、開発を行っています。具体的にどんな業務をされているのですか?PayPayフリマに提案するアイデアをメンバーと一緒に考えたり、ユーザーに調査やヒアリングを行ったりする、企画・マーケティング的なお仕事をメインに、実際に新機能を実装するとなった際の開発のマネジメント業務も担当しています。では、かなり幅広い業務を担当しているのですね。そうですね。新機能の企画から実装まで、一貫して携わる……というのが、今の仕事内容になっています。■自分も“推し”がいるからこそ理解できた「新機能の重要性」伊藤さんのチームが担当された、匿名でグッズ交換ができる新機能「グッズ交換機能」がスタートしました。なぜ“推し活” に焦点を当てたのでしょうか?定期的に行っていた部内のアイデア出し会議で、「現在はフリマのユーザーではないけれど、近い将来ユーザーになってくれそうな層はどこにいるんだろう」という議題が挙がりました。その中で、“売買”ではなく“交換”というパターンもあるのでは、という話が出たんです。そして“交換”をテーマに考えた時、SNS上でアーティストやアニメのランダムグッズの交換をしている“推し活”の領域があるという意見があり、「推し活」をテーマに据えて、企画を進めることになりました。なるほど。私もアイドルが好きなので、現場でグッズ交換をしている人を見ることもありますが、慣れていないと怖いのでは……と思ってしまいます。そうですよね。この機能を検討するにあたり、社内にいるグッズ交換経験者にお話を聞く機会がありました。その方は100回以上の交換経験がある方でしたが、その中でもいろいろな不安がありながら交換しているという生の声を聞き、匿名でグッズを交換できる機能の需要を感じました。伊藤さんもアイドルがお好きと伺いました。やはりご自身の経験も活かされているのでしょうか?私自身もライブ会場で交換の現場を見たり、SNS上で交換されている方を見たりはしていたので、身近なものではありました。なので、調査を進める中で、自分自身もアイドルが好きだからこそ分かる、“推しに対しての熱量”は共感する部分が多く、対象者の方の気持ちにも入り込みやすかったです。実際に機能をつくっていく中で、対象になる方にどれだけ寄り添えるか、どれだけ同じように考えられるかが、すごく重要だと思っているので、そこが入り込みやすかったというのは、自身の経験が活かされたポイントだと思っています。■推しのライブがあるからこそ、仕事もより頑張れるユーザーの気持ちを理解して開発に携われるというのは、かなりの強みですよね。ちなみに伊藤さん自身は、どれくらい推し活をされているのですか?私は、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「℃-ute(2017年解散)」の元メンバー・鈴木愛理さんが好きで、ライブは欠かさず行っています。いわゆる遠征も(笑)。遠征するってかなりお好きですね(笑)!そうですね(笑)。地方でツアーがあれば、何カ所かまわります。もちろん、歌やダンスなどのパフォーマンス面もそうですが、年が近い同じ女性としても、参考にしているところも多く、トークイベントに参加したり、メディアのインタビューもチェックしたりしていますね。「同じ女性としても参考にしている」とのことですが、お仕事面で“推し”に影響を受けている部分はありますか?鈴木愛理さんは、グループ活動を経て、今はソロで活動しているのですが、ソロになってからはライブのやり方や仕事の企画なども自分から提案しているという話をしていたんです。その時、私もエンジニアから企画・リーダーと立場が変わったタイミングで、「自分にはまだできないから」と閉じこもっていた部分があったのですが、(鈴木さんが)いろいろチャレンジしている姿がかっこいいな、と。真似できることは真似してみたり……仕事観は影響を受けているところは多いかもしれません。推しがロールモデルになっているのですね。お話聞く限りでは、かなりの頻度で推し活されていますが、お休みなどをうまく活用しつつでないと難しいように思います。そうですね。会社がフレックス制度で、お休みも取りやすいので助かっています。午前中だけ働いて、午後から遠征のために移動する・ライブに行く、などもできるので、かなり柔軟に働ける環境なのかなと思っています。仕事と趣味を両立しやすそうな環境ですね。伊藤さんにとって理想的なワークライフバランスはありますか?あまり考えたことはなかったのですが、推しのライブがあるからこそ、仕事もより頑張れる、という考え方なので、仕事をセーブしてまで、推し活に時間を割きたいとかはないのかもしれません。どんなに仕事が忙しくても、ライブの時間だけは確保して、それ以外の時間は仕事を一生懸命頑張る。イベントがあるところをお休みできるような状態であれば、それ以外は頑張れるかな、と思っています。ライブなどをモチベーションに仕事を頑張っているんですね!でもなかなかスケジュール管理が難しそうです。今年の4月も「グッズ交換機能」のリリースを控え、慌ただしかったのですが、絶対に早く帰りたい時間はチームメンバーに早めに伝えたり、カレンダーを抑えるようにしたりしていました。ミーティングの時間などは周りのメンバーが柔軟に対応してくれたおかげで無事リリースも乗り切ることができ、かなりありがたかったです……!趣味に理解のあるすてきな職場ですね。お仕事に推し活にかなり充実されている伊藤さんですが、今後の展望を教えてください。今のチームができて約1年なのですが、リーダーとして、今のチームをより意味のあるものにしていくことが私のミッションだと思っています。まずはチームとして初めてリリースした「グッズ交換機能」を、推し活をしている方にとって価値のある機能になっていくように、チームで育てていきたいです。あとは、「新しい価値を届ける」というチームのミッションがあるので、自ら考えて新機能をどんどん届けていけるようになりたいですし、チームメンバーがもっと働きやすい環境をつくっていくことを目指しています。
2023年08月10日「独身女性のロールモデル」について考えてみた昨年大ヒットしたドラマ、海野つなみさん原作の『逃げるが恥だが役に立つ』。私はあいにくドラマは見ていなかったんですが、原作となったマンガを読むことで、なんとか流行についていこうと悪あがきしました。こちらの作品、偽装夫婦となった主人公たちの物語も興味深いですが、SOLO的に注目したいのはやはり高齢処女で独身の、ドラマでは石田ゆり子が演じていた“百合ちゃん”だったのではないでしょうか。私が百合ちゃんの姿でいちばん印象に残ったのは、コミックス第8巻で年下の友人・風見さんに、「年をとって一人なのが怖いっていう人に、あの人がいるじゃないかって安心するような存在になれたらなって」と語るシーンでした。百合ちゃんは独身で子どももいないけど、バリバリ仕事をして一人で楽しく暮らしています。だから、結婚して子どもがいないと不幸なのではないかと悩む若い女性たちの救いになってあげたい。おお、なんだかこのままSOLOで連載を持っていただきたいですね。この百合ちゃんと風見さんのやり取りを読んで、私は「独身女性のロールモデル」についてちょっと考えてしまったんです。「尊敬できる憧れの女性」という枠みなさんは、自分より年上の40~50代の女性たちの中に、「将来こんなふうになれたら素敵だな」と思う女性はいるでしょうか。私は正直なところ、いません。それは、今を生きる40~50代の女性に魅力的な人がいないというわけではなくて、たぶん無意識のうちに、「お手本」を探さないようにしているんだと思います。「将来こんなふうになれたら素敵だな」と私が思う人は、なぜかいつも男性です。女性をお手本にしてしまうと距離が近すぎて、その人と自分の差異が一向に埋まらないことに焦って、落ち込んでしまいそうなんです。男性相手だと、差異が埋まらなくても、「まあ性別ちがうしな」と気にせずにいられる。……と書くと私がダメな奴みたいですが、女性に憧れを抱く女性ってやっぱりとても真面目なんだと思います。年上の女性が相手だと、彼女の考えで「それはちょっとちがうのでは?」と違和感を覚えても、私は言葉をぐっと飲み込んでしまいます。自分の考えのほうが間違っているのかな、ということにしてしまう。日常生活レベルではそれも大人の処世術の一つかもしれないけれど、人生レベルでそれが起こることを、私は避けているんだと思います。一方、憧れの人とはいえ相手が男性だと心理的な距離があるので、「いや、それはアンタの頭がおかしいだけでしょうよ」と突っぱねることができて、私にとってはラクなんです。だから年上の女性に憧れることはやめて男性にしましょう……って話では全然ないんですが(そもそも誰かに憧れる気持ちってコントロールできるものじゃないですから)、たとえ年上の、それも憧れの女性が相手でも、「この人の言ってることおかしくない?」という目線は常に持っていていいと私は思います。憧れの女性とはいえ、その人だって人間なのだから、弱い部分も間違っている部分も、自分とは合わない部分もあります。年齢を重ねた自分のイメージを一歩先に進んで作ってくれる女性がもたらしてくれる安心感や救済の言葉は、とてもありがたい。だけど、この人生を生きるのはやっぱりどうしたって自分です。他人のお手本になんかならなくてもいい翻って、冒頭の『逃げ恥』百合ちゃんの話です。自分が先導となって若い女の子たちを救ってあげられたらいいという百合ちゃんに対して、思わず「そんなこと言わないで」と言ってしまった風見さん。後日、「他人のお手本になんかならなくてもいいって思ったんですよ。だめだったり、恥ずかしいことしちゃっても、他人にあきれられてもいいじゃないですか」と百合ちゃんに伝えます。自分の生き方が、誰かの救いになったとしたら嬉しいです。だけどそれは結果論であるべきで、「誰かのお手本にならなきゃ」「なりたい」と思って、自分を枠の中に押し込めようとしてしまったら本末転倒です。だから、風見さんのこのセリフを持ってきた『逃げ恥』の展開は個人的にすごく好きだな、と私は思ったのでした。ちなみに私の憧れの人は、29歳でミャンマーのアヘン密造地帯に潜入し、地元の人と7カ月かけてケシ栽培をやったという探検家です。人生に対する考え方がとても素敵だなと思い真面目に憧れているのですが、どこからどう見ても真似できないので、これはこれで間違っている気が、しなくもありません。Text/ チェコ好き
2017年03月27日