香川県出身の画家である猪熊弦一郎の“猫”を描いた作品を集めた展覧会「猪熊弦一郎展 猫たち」が、3月20日から4月18日まで、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催。(無断転載禁止)※クレジット付画像を使用しています猪熊は、戦前にはマティスと交流し、戦後は20年間ニューヨークを拠点に活躍、その後はハワイでも活動。百花繚乱の昭和の画壇にあって試行錯誤を繰り返しながらも、常に独自の境地を維持し、極めて個性的な作品群を残した画家。「いちどに1ダースの猫を飼っていた」ほどの無類の猫好きとして知られ、私生活でも作品のモチーフとしても猫は重要な存在だった。たくさんの猫に囲まれた暮らしのなかで、写実的なスケッチ、シンプルな線描、デフォルメした油彩画など実にさまざまな作品を描いた。本展では百数十点にのぼる作品を、作風や技法、他のモチーフとの組み合わせなど複数の視点から紹介する。また猫以外の主題の作品も加えた本展の構成は、猪熊の奥深い芸術世界に触れるきっかけとなるよう企画された。地元では親しみをこめて「いのくまさん」と呼ばれる猪熊。香川県にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で2015年に開催された「猫達」展は、絵画ファンのみならず、全国の猫好きの人々が訪れ話題に。本展はその展覧会をさらにパワーアップし、猫以外の主題の作品も加えた内容で開催される。(無断転載禁止)※クレジット付き画像を使用していますかつて「今まで色々と沢山描かれている猫は、どうも自分には気に入らない。それで猫の形と色を今までの人のやらないやり方で描いてみたいと思った。」(“美術の秋「赤い服と猫”報知新聞 1949年10月4日)、そして「愛しているものをよく絵にかくんです。愛しているところに美があるからなんです。」(“「歩く教室」写生会アルバム”「少年朝日」 1950年12月号)とも語った猪熊氏。モチーフとしての猫に対する客観的な視点と、友としての猫に対する敬愛の念が呼応した、彼ならではのユニークな「猫たち」を堪能してみては。なお、通常前売り券(一般/税込1,100円、大学・高校生/税込700円、中学・小学生/税込400円)と、数量限定のオリジナル缶バッジ付き前売券(一般のみ/税込1,400円)が3月19日まで販売中。【展覧会情報】「猪熊弦一郎展 猫たち」会期:2018年3月20日~4月18日会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 地下1階時間:10:00~18:00(毎週金曜、土曜は21:00まで)※入館は各閉館の30分前まで料金:一般 1,300円(1,100円)大学・高校生 900円(700円)中学・小学生 600円(400円)※( )内は前売および団体料金※団体は20名以上。電話(03-3477-9413)での予約が必要会期中無休
2018年03月07日様々な役を演じ分け、思考回路を切り替えることが多い、俳優という職業。柔軟な思考力を持つために心がけていることについて村上虹郎さんに教えてもらいました。左脳と右脳、そして直感。この3つが行動の基準です。舞台稽古に取り組んでいるときは、普段の何倍も脳を使っている、という村上虹郎さん。「セリフの意味を咀嚼し、共演者のことを考え、演出家の言葉に耳を傾け、客観的にどうしたら面白い“製品”になるか意識しながら、臨機応変に自分の役として動く。今まさに、舞台『密やかな結晶』の稽古中なのですが、スポーツよりもずっと疲れるんです。でも、そういうところが舞台の醍醐味ですし、とても楽しい。もちろん、コテンパンにされて辛いときもありますけど(笑)」悩んだり、辛いときは、自分の心に尋ねる。「感情と理論の両面から“本当はどう思っているの?”と自分に聞いてみます。両方ともが“理にかなっている”と思ったら、ストンと納得できる。頭ではわかっていても感情が整理できなければダメだし、逆もそう」感情と理論に加え、もう一つ大事なものが。「絶対的に、自分の直感を信じています。だから、左脳と右脳と心の3つが行動の判断基準になっています。このあいだ、地球外生命体について調べていて、直感に従って考え続けていたら、右目だけめっちゃ充血したんです!右脳を使いすぎたからだと言われて驚いたけど、直感型なんだなと自覚しました」村上さんの思考に影響を与えたもの【競争社会で生き抜くための方法が勉強になります】「僕の好みではないですが、今の日本は競争社会でもある。生き抜く方法を身につけることは大事だと思っています。漫画『キングダム』は、5~6割が中国の文献に基づいて描かれていることもあり、戦術的な思考が参考になります。ちなみに、僕の風呂上がりは、登場人物の秦王・えい政にそっくりです(笑)」むらかみ・にじろう1997年3月17日生まれ。現在、東京芸術劇場にて上演中の舞台『密やかな結晶』(富山、大阪、福岡公演もあり)では、“おじいさん”役を演じている。カーディガン¥24,000右手のブレスレット¥40,000(共にSURR by LAILATEL:03・5468・5966)パンツ¥27,000(WACKO MARIA/PARADISE TOKYOTEL:03・5708・5277)その他はスタイリスト私物※『anan』2018年2月14日号より。スタイリスト・松田稜平ヘア&メイク・矢口憲一(by anan編集部)
2018年02月10日映画・舞台・ドラマと活躍中の若手俳優、村上虹郎さん。締め切りが間近! ちょっと落ち着こうってときの3曲とは?村上虹郎さんが“焦る気持ちをクールダウンする”ときに聴く3つのうたアンケートやコメントなど、期日までに提出してねとマネージャーに宿題を出されることがあります。試験勉強じゃないけれど、そういうものって気分が乗らないとできない。やらなきゃいけないのに、全然、そういうモードになれないとき、いちど自分を落ち着かせるために聴きたい曲を選んでみました。響心SoundsorChestrAは、ボーカルの総理とここ1年ほどの付き合いなのですが、急速に意気投合して一緒に旅行もしたくらいの仲(笑)。僕は、音楽ってイントロ5秒を聴けば好きな曲か苦手な曲かわかると思っていて。響心の「そうじゃないと言える生活」はまさに、出だしの5秒がガツンと響いた。王道のロックであり、バンドサウンド。歌詞もすごくいい。総理は、ミュージシャンというより思想家なんです。とても博識で、僕は“知の巨人”と呼んでいます。だから、彼の言葉にもすごく刺激を受ける。音楽は表現のための手段と言い切るだけあって、これからも激変していくバンドだと思う。同世代だし、ずっと注目していきたいし、一緒に成長していきたいと思わせてくれる表現者です。とても温かで穏やかな空気感のハンバート ハンバートの音楽も大好きです。2人の歌声が童謡のように優しいのですが、歌詞をよく聴くとすごく言葉にエッジが利いていて、キツイこととか、生きること、死ぬことみたいな人間の芯に迫ることもさらっと歌ってくれている。「ぼくのお日さま」も、言葉がうまく出せない心苦しさみたいなものを歌っている曲。2人のハモりがちょっとズレていたり、なんだか不器用な感じがかわいらしくも切なく聞こえるのがいい。野田さんの音楽は、中学生時代にRADWIMPSを父親に教えてもらって。それ以来、ずっと聴いています。illionはもうセンスの塊というか、レベル違いのかっこよさ。音の一つ一つが踊っているようなダンスミュージックで、ずっとリピートして聴いていられます。ヘッドフォンで一人、音楽を聴くことって結局、自分との対話だと思うんです。音楽を通して自分の考えや願望が溢れてくる。そのきっかけを作ってくれる音楽に、もっともっと出合いたいです。『そうじゃないと言える生活』響心SoundsorChestrAオルタナティブ新世代バンド。音源はiTunesほかで配信中。「ボーカルの総理は盟友。彼の思想は半端じゃない!」『ぼくのお日さま』ハンバート ハンバート(SPACE SHOWER MUSIC)来年、結成20周年の男女デュオ。アルバム『むかしぼくはみじめだった』に収録。「エッジの利いた言葉遣いにハッとする名曲。」『Water Lily』illion(ワーナーミュージック)RADWIMPS 野田洋次郎のソロプロジェクト。アルバム『P.Y.L[Deluxe Edition]』に収録。「音自体が踊りだすような格別な高揚感に震える!」むらかみ・にじろう1997年、東京都生まれ。2014年、主演映画『2つ目の窓』でデビュー。2018年2月2日から石原さとみ主演舞台『密やかな結晶』に出演。※『anan』2017年11月22日号より。文・梅原加奈(by anan編集部)
2017年11月18日音楽家の坂本龍一が、第30回東京国際映画祭のSAMURAI(サムライ)賞に選出され1日、東京・TOHOシネマズ六本木で行われた授賞式に出席した。第27回東京国際映画祭より新設されたSAMURAI賞は、比類なき感性で"サムライ"のごとく、常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える賞。今年は、『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞を受賞するなど、映画音楽家としても世界で名を馳せる坂本龍一が選出された。同映画祭の久松猛朗フェスティバル・ディレクターからトロフィーを受け取った坂本は、「刀の絵が描いてある」と"刀"デザインを発見。「映画に関わった最初の作品『戦場のメリークリスマス』では、役者として刀で居合いをするシーンがあり、撮影の前に居合道場に通って刀の使い方を習ったのを思い出しました」と懐かしそうに話した。また、「撮影現場でも刀を振り回して刀が曲がっちゃったり」と続け、「こういうのを持つと切りたくなっちゃうんですよね、人間って」と、やんちゃにトロフィーを刀のようにして振り回す動きも。「そんな思い出が頭をよぎって思わず振り回したくなっちゃった」と笑い、「侍という名に私がふさわしいか、大いに疑問がありますが、ありがとうございます」とネーミングと自身のギャップにやや戸惑いつつ、受賞を喜んだ。授賞式に続いて、特別招待作品として出品された坂本龍一のドキュメンタリー『Ryuichi Sakamoto: CODA』(11月4日公開)の舞台挨拶も行われ、坂本とスティーブン・ノムラ・シブル監督が出席した。なお、SAMURAI賞の第1回受賞者は北野武とティム・バートン、第2回受賞者は山田洋次とジョン・ウー。第3回受賞者はマーティン・スコセッシと黒沢清となっている。
2017年11月01日第30回東京国際映画祭において、音楽家の坂本龍一が時代を切り拓いていた映画人に贈られる「SAMURAI賞」を受賞。11月1日(水)に授賞式が行われ、坂本さんは映画『戦場のメリークリスマス』撮影時の思い出などを語った。今年で4回目を迎えるSAMURAI賞。大島渚監督作で、音楽のみならず、俳優としてビートたけし、デヴィッド・ボウイらと共演を果たした『戦場のメリークリスマス』、アカデミー賞受賞の『ラストエンペラー』、また近年では山田洋次監督作品『母と暮せば』、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督『レヴェナント:蘇えりし者』、李相日監督作品『怒り』など、そのキャリアにおいて数々の映画音楽に携わってきた坂本さんに贈られた。■坂本龍一、『戦場のメリークリスマス』撮影時をふり返り「当時はそんな意識も高くなくて…」侍の刀をイメージしたトロフィー受け取った坂本さんは、自らに突き刺すようなしぐさを見せるなど、壇上でも茶目っ気たっぷり。「思い起こすと『戦場のメリークリスマス』では、役者として居合いをするシーンがあり、撮影前に道場に通って、文字通りの付け焼刃で刀を振り回すのを習いました。現場でも、みんな軍人の役で刀を持ってるんですが、振り回して曲がっちゃったり…(笑)。こういうのを持つと、振り回したくなっちゃうんですよ。危ないですね、人間って(笑)。いまでこそ森林保全の運動とかやってますけど、当時はそんな意識も高くなくて、撮影が行われた南太平洋の島の木をバッサバッサと切ってました(笑)」と明かし、会場は爆笑に包まれた。坂本龍一/第30回東京国際映画祭■5年にわたるドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』について言及この日は授賞式に加えて、坂本さんに密着し、その活動を5年にわたって追いかけたドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』の上映も行われた。坂本さんは「僕は、自分の素顔をさらけ出すとか、そういう趣味はないんです。ではなぜ撮影を承諾したのか?ひとえに監督の人柄、人間性に惹かれて、任せてもいいかなと思ったから」と同席した本作のスティーブン・ノムラ・シブル監督を称賛する。坂本龍一&スティーブン・ノムラ・シブル監督/第30回東京国際映画祭5年におよんだ撮影について「当初、監督も何か『こういうものに…』という計画があったと思うけど、だんだん収拾がつかなくなっていきました(笑)。そのうち僕が病気(※2014年7月に中咽頭癌の罹患を発表。その後、1年にわたって治療、療養を行なった)になって『やった!』と思ったでしょ(笑)。『これでドラマチックになる!』と。思ったに違いないです(笑)。計画通りじゃなく、起こることを追ってるうちにこうなって、気がついたら5年経っていました」とふり返った。坂本龍一にとって“映画音楽”とは?大島渚、ベルトルッチ、ペドロ・アルモドバル、イニャリトゥなど、これまで錚々たる名匠たちと仕事をしてきた坂本さん。改めて「坂本さんにとっての映画音楽とは?」と問われると「難しい質問だな…(苦笑)」と思案しつつ「映画にはルールはない。自分の仕事を否定するみたいですが、必ずしも映画に音楽は必要なくて、あってもなくてもいいと思っています。映画が(音楽を)必要とするかどうか?映画が主人公であり、作っているうちに、必要とされる場所、いい場所に必要とされる“音”があれば、映画音楽の役割として、最高に幸せなケースだと思います」と語った。『Ryuichi Sakamoto: CODA』は11月4日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月01日坂本龍一のライブパフォーマンスを収録した映画『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async』が、2018年1月27日(土)に全国劇場公開される。監督はドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』と同様にスティーブン・ノムラ・シブルが務める。幻のライブパフォーマンスを収録『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async』には、2017年4月にニューヨークのパーク・アベニュー・アーモリーで行われた限定ライブの様子が収められている。2日間にわたって行われた限定ライブは、各日100人ずつしか見ることのできなかった“幻の”パフォーマンスだ。「非同期的な音」を表現限定ライブは、8年ぶりに発売されたオリジナルアルバム「async」を記念して行われた。これまで映画音楽やテクノといった“同期”を前提とする楽曲を手掛けてきた坂本龍一が、「async」で表現するのは「非同期的な音楽」。通常は音を組み合わせ、調和させて音楽を形成していくが、「音」そのものを中心に据え“非同期的な”音楽を作り上げていく。ライブでは、「アンドレイ・タルコフスキー監督の架空の映画音楽を書く」というコンセプトの下、ピアノやガラス板を使って、感じるがままに「非同期的な音楽」が演奏された。「あまりに好きすぎて、誰にも聴かせたくなかった」という鮮烈なキャッチコピーで締めくくられる予告編からは、ライブならではの緊張感と、観客も坂本龍一本人も「音」そのものと集中して向き合う様子が見てとれる。ドキュメンタリーと連続でプレミア上映も2017年11月3日(金・祝)には、2017年11月公開の『Ryuichi Sakamoto: CODA』と2本連続でプレミア上映される。坂本龍一の人物像とパフォーマンスを一度に体感することが出来る機会となっている。作品情報『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async』公開日:2018年1月27日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国の劇場料金:全国共通観賞券 2,200円(税込)、当日窓口料金 2,500円(税込)均一(各種割引・招待券不可)チケット販売:チケットぴあ、イープラスオンラインチケット予約 ※11月4日(土)10:00から発売原題:RYUICHI SAKAMOTO: asyncAT THE PARK AVENUE ARMORY監督:スティーブン・ノムラ・シブル『Ryuichi Sakamoto: CODA』出演:坂本龍一配給:ライブ・ビューイング・ジャパン©KAB America Inc./SKMTDOC, LLC■プレミア上映上映作品:Ryuichi Sakamoto: CODA』『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async』※2作品連続上映(途中休憩なし)日時:2017年11月3日(金・祝) 19:00場所:角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、大阪ステーションシティシネマほか料金:5,000円均一※来場者には当日のみの限定オリジナルチケットホルダーをプレゼントチケット販売:チケットぴあ
2017年10月27日2012年から5年間という長期間に渡る密着取材によって実現した、世界的音楽家・坂本龍一のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』。ワールドプレミアを果たしたヴェネチア国際映画祭でも大好評を博した本作から、坂本さんの“いま”を捉え、 繊細な“音”が“音楽”になる瞬間を捉えた予告編が到着した。坂本さんの代表作にして、映画音楽家としての出発点でもある『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲、「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」の美しい旋律が印象的な予告編では、坂本さんの音楽的変化のきっかけにもなった、3.11の津波をかぶったピアノとの出会いのシーンからスタート。また、予期せぬガン告知を受けた後に坂本さんからこぼれた本音や闘病生活、そして“音”への憧れを語る姿や、森の中や自宅の庭、北極など様々な場所で“音”を集め、それが坂本さんの紡ぎ出す“音楽”とひとつになる様子がこの映像から確認することができる。さらに細野晴臣、高橋幸宏と組む「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)の1979年ロサンゼルスでのライブ映像や、『ラストエンペラー』製作当時に坂本自身が撮った本邦初公開となる秘蔵フィルムなど、貴重な映像の一部も収められている。『Ryuichi Sakamoto: CODA』は11月4日(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年09月21日人気深夜ラジオ『三四郎のオールナイトニッポン0(ゼロ)』パーソナリティである三四郎のお二人に、同番組の聴きどころをお聞きしました。滑舌が悪くて聞こえない?三四郎の爆笑必至の深夜ラジオ。1年で終了する番組が多い中、3年も続いている人気深夜ラジオ『三四郎のオールナイトニッポン0(ゼロ)』。中学校の同級生である三四郎が、唯一2人で喋る場所だという。小宮:3年も続いているのは、リスナーのメールの面白さに助けられてますね。金曜深夜の3時から5時まで聴いてネタを送ってくれるなんて、バグった人たちですよね。相田:なんてこと言うんだ!でも「ラジオ聴いてます」と声かけてくれる人はたいていリュックの位置が高くて、シャツインしてます(笑)。小宮:僕らをテレビで見たことがなくても、ラジオで知ってくれる人もたくさんいて、幅が広がりましたね。相田:タクシーの運転手の方が僕の声を聞いて「ラジオやってる人ですか?」って気づいてくれることもあって、それは嬉しいですね。小宮:僕のほうがテレビに出てるんで、最初は“小宮が好き”で入ってくるんです。でもラジオを聴いていたら相田を好きになる人が多くて複雑な気持ち。――ラジオでのトークのテーマは?小宮:中学生の男子が、教室の隅っこで話すような内容ですね。相田:20年くらい友達なのに、初めて知ることとかたくさんあって。小宮:相田が小さい頃にご飯にキャビアをのせて食べていたとか、8つも習い事してたとかね。でも同級生のノリで2人でダラダラ話してると、リスナーからすぐ指摘されます。リスナーは僕らのこと舐めてますから。「お前らちゃんと喋れ!」みたいな。相田:リスナーの存在はだいぶ気にしてますね。こないだゴルフクラブを買うってラジオで言っちゃったんですよ。僕リスナーに絶対に舐められたくないんで、本当に買って打ちっぱなしに行ったりして…大変です。小宮:いじられキャラじゃなかった相田を、リスナーはいじってくる。相田:テレビでは見せていないキャラクターも、ラジオでは出てきてると思います。――3年間で記憶に残ってる回は?小宮:僕が体調不良で休んだ回がありまして。相田:OA2時間前に判明して、急遽ラブレターズが来てくれて。それはそれで盛り上がっちゃって。小宮:家で聴いてて、複雑でしたね。いつもより盛り上がってるなって。――芸人として今後の展望は?小宮:「細く長く目立たないように」ですね。相田:ニッポン放送の局長に媚びを売ってるおかげで、年始の大事な特番を任せてもらえたりしたんで、これからも局長には媚びを売っていきたいと思います(笑)。――最後に、番組の聴きどころを。小宮:「時々、有名な人が来る」。小栗旬さんや、三代目J Soul Brothers山下健二郎さんとか。相田:たまに来てくれるイケメンにご期待ください!『三四郎のオールナイトニッポン0(ゼロ)』三四郎が、一週間で起こった出来事や同級生ならではの思い出話など、ここでしか聞けない爆笑必至のフリートークを展開。本編放送終了後、LINE LIVEにて10分程度の限定配信も必見。さんしろうボケ担当の相田周二(左)とツッコミ担当の小宮浩信(右)による、成城学園中学時代の同級生の漫才コンビ。ウッチャンナンチャンや出川哲朗らが在籍するマセキ芸能社所属。※『anan』2017年9月6日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・しらたけときお(by anan編集部)
2017年09月05日劇団鹿殺しの丸尾丸一郎と松岡充が、新たな演劇ユニットを始動。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.Mとして『不届者』を上演する。一見意外な組み合わせにも思えるこのふたりが、なぜ共に新作舞台を創作するまでに至ったのか、話を聞く。【チケット情報はこちら】2012年の『リンダリンダ』で俳優として共演したふたり。お互いの第一印象を訊ねると、丸尾いわく「世間一般でいうチャラ男」、一方松岡は「稽古中は演出家の、公演中は観客の求めることが手に取るように分かるズルい男」と、決していいものではなかったよう。しかし「松岡さんはすごくストイックだし、お客さんに何か残さないといけないという意識がすごく強い」、「鹿殺しの作品を観続けていくうちに、鹿殺しとは、丸尾丸一郎とはってところがブレない人だと分かってきた」と続け、徐々にお互いに対するリスペクトの度合いを高めていった様子。丸尾は『不届者』創作の原点について、「『リンダリンダ』ではすごくポジティブだった松岡さんですが、僕はその腹の底にある、何か黒い部分を描いてみたくて」と明かす。さらにそれは、残忍な一面を隠し持っていたとも言われる“徳川吉宗”を松岡が演じることで、作品としての明確な輪郭をもち始める。そんな丸尾のアイデアに対し松岡は、「鹿殺しのファンだから」と切り出し、「僕は丸尾丸一郎の描く世界観というものにグッときているひとり。しかも丸くんは、“人間”というものをちゃんと描くことが出来る稀有な存在でもある。だから不安はありません」と、丸尾に全幅の信頼を寄せる。松岡が徳川吉宗を演じるということで、江戸時代が舞台の時代劇かと思えば、決してそうではないと丸尾は言う。「ある詐欺事件と吉宗のいる江戸時代の話がシンクロしていく、そんな劇構造にしようと思っています。だから時代劇でもないですし、恐らく着物も着ない。お客さんにいろいろ想像してもらって、最後には誰もが感じる怖さや情けなさ、生きたいっていう願望なんかが残る作品になればいいなと思います」。ふたりの創作は今後も続いていくのかと問うと、「そう思わせる作品にしないといけない」と丸尾。「松岡さんはもちろん、お客さんに対しても『丸尾と組むといろんな松岡充が見られるぞ』って思わせたいなと。ある意味、松岡さんのことが嫌いな人にも観てほしいです」と笑うと、「本当は俺のこと嫌いなんちゃう?(笑)」とすかさず松岡。だがそんなツッコミも、丸尾への期待の表れなのだろう。「やるからには松岡充の、丸尾丸一郎の代表作だって言えるものじゃないと嫌だからね!」と松岡が見つめた丸尾の顔には、一瞬の不安の後に、はっきりとした自信を見てとることが出来た。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.M 「不届者」は9月27日(水)から10月1日(日)まで、東京・天王洲銀河劇場で上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2017年09月04日アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの山田涼介が18日、主演映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(9月23日公開)の完成披露試写会に、西田敏行、尾野真千子、村上虹郎、寛一郎、門脇麦、林遣都、廣木隆一監督とともに登場した。原作は東野圭吾によるベストセラー作品で、全世界で累計500万部を突破、中国での映画化も決定している。かつて人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」にたどり着いた青年・敦也(山田)と幼馴染の3人は、1980年とつながった郵便受けを通じて、昭和の人々の悩み相談に対し返事を書くことになる。ナミヤ雑貨店の店主・浪矢雄治を西田敏行が演じる。寛一郎は、撮影現場の雰囲気について「僕と虹郎がわちゃわちゃしているのを、優しく山田くんが見守ってる」と振り返った。山田は「暗いシーンが多かったので懐中電灯を持ってたんですけど、その懐中電灯の光をお互いの顔に当てて『ウェイ』ってやってるだけだから、見守りますよね」と苦笑。「『おおなんか、かわいいな』って。かわいかったですね」と、年上らしい様子を見せた。また、19歳から51歳を演じる尾野が「ね。19歳とかね、無理があるでしょ」と苦笑すると、山田はマイクを外して「大丈夫」と声をかける。尾野が驚いて「え!?」と聞き返すと、山田は「すごい強い目で『え?』って言われました」と笑い、尾野は「そうやっておだてられ、できました!」と報告した。門脇と林は劇中歌を歌うことになるが、林は「西田さんが『麦ちゃん、素晴らしかったね』ってずっとおっしゃっていて、僕も一応歌ってたのになって……」と切ない空気に。林は「一役者として、優しい目で見てくださいとは言いたくないですが、『売れない、芽が出ないミュージシャン』という設定なので、わかった上で見てください」と訴えかけると、西田も「そういった意味では役に忠実だったと思います」と納得していた。
2017年08月18日世界的音楽家・坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画が、この度、8月30日(現地時間)にイタリア・ベネチアで開幕する「第74回ベネチア国際映画祭」のアウト・オブ・コンペティション部門に公式出品されることが発表。あわせて映画の正式タイトルが『Ryuichi Sakamoto: CODA』に決定し、11月4日(土)より公開されることが明らかになった。坂本さんは、1978年「千のナイフ」でソロデビューし、細野晴臣、高橋幸宏の3人でイエロー・マジック・オーケストラ「YMO」を結成し世界的人気に。80年代には『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』に出演しその音楽も手掛け、多くの賞を受賞。以後、作曲家、演奏家、音楽プロデューサーとして幅広いジャンルで活動。90年代後半になると、社会問題・環境問題に意識を向けるようになり、その変化は音楽表現にも表れるように。そして2014年、中咽頭がんと診断され、1年近くに及ぶ闘病を経て復帰。今春には8年ぶりのオリジナルアルバム「async」をリリースした。本作は、2012年から5年間という長期間に渡る本人への密着取材によって実現。さらに膨大なアーカイブ素材が映画を彩っている。震災以降の坂本さんの音楽表現の変化に興味をもち、密着取材を始めたのは、本作が劇場版映画初監督となるスティーブン・ノムラ・シブル。坂本さん自身が「全てさらけだした」という本作は、過去の旅路をふり返りながら、新たな楽曲が誕生するまでの“坂本龍一の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリー”となっている。坂本さんにとって本映画祭は、2013年にコンペティション部門の審査員として参加したゆかりの深い映画祭。今回は自身の出演作品が、日本での公開に先駆けてワールドプレミアを果たすことになった。『Ryuichi Sakamoto: CODA』は11月4日(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年07月27日今年8年ぶりにソロアルバム「async」を発表した音楽家の坂本龍一が、6月3日(土)今夜放送の「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」に出演、「動的平衡」の概念を提示、生命の謎を探求する生物学者の福岡伸一と活動拠点のニューヨークで語り合う。東京藝術大学に在学していた頃からスタジオ・ミュージシャンとして活動、細野晴臣、高橋幸宏らと結成したテクノポップユニット「YMO」として発表した「ライディーン」や「君に、胸キュン。」などが大ヒット、『戦場のメリークリスマス』では音楽を手がけただけでなく俳優として作品にも出演、日本人初の英国アカデミー賞作曲賞を受賞。その後1987年公開の『ラストエンペラー』では日本人初のアカデミー作曲賞を受賞したほか、世界的な音楽賞を数多く受賞。その音楽性が国内のみならず世界で高く評価された坂本さん。2014年に中咽頭がんを公表、1年近くにおよぶ闘病生活を経て山田洋次監督作『母と暮せば』、第88回アカデミー賞で3部門の受賞に輝いたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽を同時期に手がけて復帰。昨年は芥川賞作家・吉田修一と鬼才・李相日監督、そして渡辺謙をはじめとする超豪華キャストが競演を果たした映画『怒り』の音楽を担当したのも記憶に新しい。一方、分子生物学の見地から「生命とは動的平衡にある流れである」という「動的平衡」の概念を提唱した福岡さんは、BSE問題で独自の見解を発表、生物学界だけでなく社会全体から大きな注目を集め、2007年の「生物と無生物のあいだ」がベストセラーとなった。今回は坂本さんがコンサートを行ったホールと福岡さんが研究活動を続けるロックフェラー大学で、秩序や論理の限界を知ったうえで自然を見つめ直すことの重要性と、音楽と生物学の意外な共通点についてトークを繰り広げる。最新アルバムで街の雑音などの“ノイズ”を取り込んで既製の音楽像と異なる音楽の形を提案した坂本さんと、「動的平衡」について考察するなかで論理を越えた自然の力の大きさに魅せられてきた福岡さんの2人の語り合いから見えてくるものとは!?「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」は6月3日(土)22時~NHKEテレで放送。(笠緒)
2017年06月03日俳優としての一歩を踏み出してから4年──。20歳を迎えた村上虹郎に、自分に俳優は向いていると思うか?と投げかけると「ほかの仕事をしていたら…とも考えることもありますが、俳優の仕事は興味深すぎて、面白い。映画もドラマも舞台もやらせていただいて、今回の『武曲 MUKOKU』も含めて、やっぱり映画っていいなと思います」。何とも真っ直ぐな答えが返ってきた。そして「自分で作品を選びはしませんが、この作品のようにいい出会いがあります」と語るように『武曲 MUKOKU』は彼の人生の一部となり、今後の村上虹郎を語るうえで必要不可欠な1本となった。監督は熊切和嘉、主演は綾野剛。クランクイン前に熊切監督は鎌倉近郊での撮影に備え逗子に移り住み、イメージを膨らませた。綾野さんは研吾になりきるため剣道の稽古に邁進。さらに剣道家の身体を創り上げるために壮絶な肉体改造を自らに課した。そんなふうに並々ならぬ想いでこの映画に挑む監督と主演俳優に、村上さんはどう向きあったのか。演じるのは、研吾の宿命のライバルとなっていく天才剣士・融。「演じる役が難しいことも大変なこともありますが、今回の融は演じるのは大変ではなかったです。もちろん身体的なアクション部分は大変でしたが、融を生きることは僕にとってすごく楽しくて、すごく幸せな時間でした」。そう思えるのは、音楽と剣道、村上さんにとって身近なカルチャーが融のキャラクターを構築していることも大きかった。融は、ある理由から“剣を棄てた男”研吾と出会い、スポーツとしての剣道ではなく、生死をかけた決闘のような剣に魅せられていく。その感情はどうやって捉えたのだろう。「いま生きているこの時代には放射能や大気汚染、農薬などの問題があって、事故もある、自殺者も増えている。決して死は遠いものじゃないと思うんです。映画にも死を描いたものがあって、そういう映画を観ることで僕らは死を疑似体験している。でも融にとっては、何て言うか…死はもっとリアルなんです。彼にとって剣道はスポーツではなく生死をかけたものであって、精神世界での殺し合いというか…。僕も小学校から中学校にかけての数年間、剣道をやっていてスポーツとしての剣道は知っています。でも、この映画を通じて別の剣道の一面を知ることができました」。難しかったのは融が上達する前の芝居、剣道初心者の芝居をしなくてはならなかったことだ。参考にしたのは、なんと熊切監督。剣道の経験のない監督に「竹刀を振ってもらったり、蹲踞の姿勢をしてもらったりして、下手な人の動きを把握するためにいろいろお願いをしました。ふり返ると、監督にすごいことをさせてしまいました…(苦笑)」と無邪気に話すが、実は前々から「熊切監督と仕事がしたかった」のだと明かす。念願の熊切組だった。融が研吾に出会い刺激を受けたように、村上さんは熊切監督から刺激を受け取った。「どの現場でもどの役でも、芝居をしているときはその役の人生を突きつけられるし、答えを求められます。僕と熊切監督の間には(いい意味で)都合もないし、しがらみもないし、自分の信じたことを演じさせてくれる、それが素敵なんです」。また、研吾が野獣だとすると融は小さな恐竜だと2人の関係性を語る。「融から見た研吾は、得体の知れない者としての怖さがあって、何だこの人?というような普通の人にとっては出会いたくない人です。でも、刺激を求めていた融にとっては会いたかった人。関わることで自分のなかで新しい何かを見つけられるような、そういう出会いだったと思います」。研吾を演じる綾野剛との出会いからも「綾野さんの役づくりは本当にスゴい。そして美しかったです」と刺激を受けた。クライマックスに用意されている台風の夜に2人が決闘するシーンは村上さんにとってのクランクイン。さぞかし緊張したのかと思いきや「嵐のなかの決闘シーンよりもラストシーンの道場での決闘で、防具を着けるときのほうが緊張しました」と話す。村上さんが「一番好き」なシーンとして挙げるのは、嵐の決闘後に研吾と再会するシーンだ。その理由は──「なぜあそこで融は、声にならない声で“すみませんでした”と言うのか、撮影前は理由がわからなかったんです。わからないのは、僕と融が違う人間だからではなく気持ちがまだそこにたどり着いていないからで、そこまで行こう、行ってやろうと思いましたし、融として答えを見つけなくてはならなかった。その答えは言葉にするのが難しいですが、彼の成長でもあって──それまで腑に落ちなかったものが腑に落ちた、そういう演技ができました。決闘シーンも大切ですが、僕にとっては謝るシーンも大切で、好きなシーンです。完成した映画を観て、あの融の顔はいつでもできる顔じゃないって感じました」。セリフはないけれど強く訴えかけてくるものがあり、研吾と融の心の声、魂の叫びに、きっと心が震えるだろう。そんな男たちの戦いを「女性にも観てほしい」と村上さん。「剣道の世界は男っぽいかもしれないですが、人間らしさが描かれています。それぞれのキャラクターの色気、それぞれのキャラクターが貫こうとしているものを感じてほしい。とても男くさいですが、女性もきっと楽しんでもらえると思います」。男だからこそ共感できるものもあれば、女だからこそ感じるものもある──その色気、女性こそ必見。(text:Rie Shintani/photo:You Ishii)■関連作品:武曲 MUKOKU 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「武曲MUKOKU」製作委員会
2017年05月30日「坂本龍一 | 設置音楽展」が、東京・神宮前にあるワタリウム美術館で開催される。期間は、2017年4月4日(火)から5月28日(日)まで。「坂本龍一 | 設置音楽展」は、8年ぶりの新作アルバム『async』の世界を音と映像、インスタレーションで多角的に紹介するもの。このニューアルバムは「あまりに好きすぎて、 誰にも聴かせたくない」という坂本本人の思いをそのままに、リリース以前の試聴やサンプル盤の配布が一切行われていなかった。ワタリウム美術館では、その音の全貌が明らかになる数日後の4月4日より、独自のインスタレーションを展開する。≪会場 2F - drowning - (仮)≫では、坂本龍一の「整った環境で音楽に向き合ってもらえたら」という思いと、新アルバムが「映像喚起力の強い音響作品である」という点から、坂本龍一が最も信頼するムジークエレクトロニクガイサイン製スピーカーにて、アルバム全曲の5.1ch サラウンドを再生するインスタレーション空間を創造。さらに、長年のコラボレーターである高谷史郎(空間構成・映像)の手を借りて空間を提供する。≪会場 3F - volume - (仮)≫では、映像・音響をzakkubalanのもと、ソロアルバム制作時に多くの時間を過ごした空間を映像で抽象的に捉え、その空間が持つ環境音とアルバム楽曲の中の音素材を混ぜたシンプルな映像とで構成するインスタレーション空間を展開する。≪会場 4F - path - (仮)≫は、バイオグラフィカルなアイテムの展示や、音楽と映像の視聴ブースで、世界的に注目されるタイ出身の映画監督・映像作家のアピチャッポン・ウィーラセタクンがアルバム『async』からイメージした映像を上映。さらに、ファンとの双方向交流のための「COMMUNICATION WALL」を設置した開かれた空間となっている。来場者から坂本への質問や、作品への感想など書き込み、坂本からその質問への回答や、あらたな問いを掲示する壁を設置。他にも、複数のターンテーブル+ヘッドフォンを設置し、新アルバムも含め、坂本のソロの作品のほとんどをアナログ盤で揃え、来場者が自由に視聴するブースを整える。また、過去の映像作品なども視聴可能だ。新作制作過程にインスピレーションを与えた書籍、モノ、写真、メモ、譜面なども展示予定なので、新アルバムを待ち望む坂本ファンには、必見のイベントになるだろう。【展覧会情報】「坂本龍一 | 設置音楽展」会期:2017年4月4日(火)~5月28日(日)会場:ワタリウム美術館入場料館料:大人 1,000円/学生[25歳以下] 500円/ペア券割引:大人2人 1,600円住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6【音源情報】坂本龍一 / asyncCD:RZCM-86314 3,780円(税込)/発売中アナログ盤:RZJM-86312~3 7,020円(税込) /2017年5月17日発売収録曲:01. andata アンダータ02. disintegration ディスインテグレーション03. solari ソラリ04. ZURE ズレ05. walker ウォーカー06. stakra スタークラ07. ubi ユビ08. fullmoon フルムーン09. async アシンク10. tri トゥリ11. Life, Life ライフ、ライフ12. honj ホンジ13. ff エフエフ14. garden ガーデンアナログ盤ボーナストラック15. water state 2 ウォーター・ステート2
2017年03月11日音楽家・坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』が、2017年11月4日(土)に角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開される。5年にわたる楽曲制作に密着『Ryuichi Sakamoto: CODA』 は、2012年から5年の長期間に渡る本人への密着取材、そして膨大なアーカイブ素材から実現している。2014年患った大病を経て、過去の旅路を振り返りながら新たな楽曲が誕生するまで、坂本龍一の音楽的探求に正面から向き合った作品だ。2017年3月には、8年ぶりとなるオリジナル・アルバム「async」がリリースされたが、カメラはその楽曲制作の現場にも密着。アルバム制作の様子の一部始終を捉えた本作は、坂本龍一の最終楽章の始まりとしてスクリーン上で奏でられる。また、第74回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に公式出品されることが決定。坂本龍一本人も2013年にコンペティション部門の審査員として参加したゆかりの深い映画祭で、日本での公開に先駆けてワールドプレミアを果たすことになった。坂本のこれまでの音楽的探究作中では、過去の坂本龍一の音への探求の描写が、積み重なるコラージュのように現在の坂本の作曲プロセスと交差。その一部始終を捉えた映像がスクリーンに映し出される。坂本龍一は、1978年に『千のナイフ』でソロデビューし、同年に細野晴臣、高橋幸宏とイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成。散解後も、音楽・映画・出版・広告などメディアを越え活動してきた。1984年には、自ら出演し音楽を担当した『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞、映画『ラストエンペラー』の音楽で米アカデミー賞ほかを受賞し、活動の中心を欧米に移行させた。こうして彼の革新的なサウンドを追求する姿勢は、世界的評価を得てきた。そして、世界に衝撃が走った2001年9月11日、米同時多発テロ。彼は、ニューヨークの自宅近くで起きた圧倒的な暴力、それが生み出す世界の不均衡と非対称を感じつつも、人間の暴力性の生物学的なルーツを追い求め、音楽の原点を探究したのだ。3.11以後には、宮城県名取市で被災ピアノと出会った坂本。自然の猛威によって水に溺れたピアノの音を聞いて、坂本は「痛々しくてその鍵盤に触れるのも辛かった」と語っていた。しかし、今ではその壊れたピアノの音色がとても心地良く感じるという。時と共にその被災ピアノの「自然の調律」の音は、サンプリングを通じて作曲プロセスの一部となり、新たな表現へと生まれ変わる。初公開となる秘蔵フィルム含む予告編予告編では、坂本の音楽的変化のきっかけにもなった、津波をかぶったピアノとの出会いのシーン、予期せぬガン告知を受けた後にこぼれた本音や闘病生活、様々な場所でを集め、それが坂本の紡ぎ出すとひとつになる様子など、“坂本龍一の今”が捉えられている。さらに、『ラストエンペラー』製作当時に坂本さん自身が撮った本邦初公開となる秘蔵フィルム、本編に盛り込まれている貴重な映像の一部も盛り込まれた。代表作にして、映画音楽家としての出発点でもある『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」の美しい旋律も印象的だ。【作品詳細】『Ryuichi Sakamoto: CODA』公開日:2017年11月4日(土) 角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開監督/プロデューサー:スティーブン・ノムラ・シブル出演:坂本龍一配給:KADOKAWA
2017年03月03日先日、グラミー賞にもノミネートされた世界的音楽家・坂本龍一に、2012年から5年間に渡り密着取材を行ったドキュメンタリー映画『RYUICHI SAKAMOTO DOCUMENTARY PROJECT』(仮題)が、11月に公開されることになった。3.11以後、宮城県名取市で被災ピアノと出会った坂本さん。自然の猛威によって水に溺れたピアノの音を聞き「痛々しくてその鍵盤に触れるのも辛かった」とふり返る彼は、いまはその壊れたピアノの音色がとても心地良く感じると語っている。時と共にその被災ピアノの「自然の調律」の音は、サンプリングを通じて坂本さんの作曲プロセスの一部になり、新たな表現へと生まれ変わっていく。そして、過去の音への探求の描写が、積み重なるコラージュのように、現在の作曲プロセスと見事に交差していく――。坂本さんといえば、どこか脆い幻想のようなバブルの時代、「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」の一員として日本のエレクトロニクスやテクノロジーを象徴するポップアイコンとなった。そして『戦場のメリークリスマス』、『ラストエンペラー』に出演、その映画音楽をも手がけ、前者では英国アカデミー賞、後者では米国アカデミー賞をそれぞれ受賞した。2001年9月11日、ニューヨークの自宅近くで起きた米同時多発テロによる圧倒的な暴力、それが生み出す世界の不均衡と非対称を感じつつ、人間の暴力性の生物学的なルーツを追い求め、音楽の原点をも探すことになった坂本さん。また、震災から3年を経た2014年3月11日には、自ら防護服を着用し福島第一原発を囲む特別警戒区を訪れ、無人の地と化した集落の残像の音にも触れる。テクノロジーに頼る現代人の営みが、自然環境を蝕み、人間の“生き場所”をも奪ってしまうことへの悲しみが、本作内における作曲プロセスの根底を流れていくかのよう。さらに、2014年7月には中咽頭がんを公表。1年近くにおよぶ闘病生活を経て、山田洋次監督作『母と暮せば』、第88回アカデミー賞で3部門の受賞に輝いたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽を同時期に手がけて復帰。まもなく3月には、8年ぶりとなるオリジナル・アルバム(タイトル未定)がリリースされる。カメラは、5年におよぶ密着の最終楽章として、楽曲制作の現場にも潜入し、その最新アルバム制作の様子の一部始終を捉える。併せて、幼少からの膨大なアーカイブ素材も劇中を彩る。大病を経て、新たな楽曲が誕生するまでの音楽家・坂本龍一の音楽的探求を、正面から描いた本作。坂本さんは、「官邸前のデモや、東北ユースオーケストラとのコンサート、がんがわかって映画制作のスケジュールに大きな変更が余儀なくされても、僕の側にはいつもカメラがあった。(監督の)スティーブンは僕に何を見たんだろう?プライベートスタジオも、自宅のピアノ室も、全てさらけ出した。こんな映画に坂本の私生活を覗くという以上の意味はあるんだろうか?果たして映画として“見れる”作品となっているんだろうか?いま、僕は完成が待ち遠しい」とコメント。一方、スティーブン・ノムラ・シブル監督は「震災後、坂本龍一さんの音楽表現がどのように変わるのか、新たにどのような曲を書かれるのか、もしそこまで密着可能であれば、何かカタルシスが生じるのではないかとの思いが、この映画を作り始めるきっかけ」とコメント。「映画を通じて、映像と共に音楽や音の魅力を表現できればと、いまも願っております。是非皆さまに劇場で音楽的カタルシスを体験していただきたく思います」と期待を込めている。『RYUICHI SAKAMOTO DOCUMENTARY PROJECT』(仮題)は11月、角川シネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日日本文学の名作を人気声優が読むドラマリーディングシリーズ第2弾『三四郎/門』が11月30日(水)よりTOKYO FMホールで上演される。舞台『三四郎/門』チケット情報キャストは上演回ごとに異なり、置鮎龍太郎、岸尾だいすけ、武内駿輔、野島健児、濱野大輝、古川慎、浅倉杏美、、阿澄佳奈、石川由依、大久保瑠美、加藤英美里、下田麻美、藤田咲が出演。今年3月に上演した『それから』に続いて夏目漱石作品を取り上げる。構成・演出は映画監督として知られるが、近年は舞台演出にも意欲的な深作健太。深作は「「声」という洗練された表現力を武器として、近代の日本文学の代表作が放つ言葉の魅力を、普遍的なものとして、時代を超えてお届けしたいと願っております。このプロジェクトが、現代の新しいスタンダードとなって、末永く続くことを祈りまして」とコメントしている。チケット発売中。■『三四郎/門』回替わりキャスト11月30日(水)19:00開演…野島健児 古川慎 加藤英美里 大久保瑠美12月1日(木)13:00開演…岸尾だいすけ 濱野大輝 石川由依 大久保瑠美12月1日(木)19:00開演…岸尾だいすけ 武内駿輔 阿澄佳奈 下田麻美12月8日(木)19:00開演…岸尾だいすけ 武内駿輔 石川由依 浅倉杏美12月9日(金)19:00開演…置鮎龍太郎 古川慎 加藤英美里 藤田咲
2016年11月14日今年43回目を迎えたベルギーのゲント映画祭の、映画音楽をたたえるワールド・サウンドトラック・アワード部門において、坂本龍一が栄誉賞(ライフタイム・アチーブメント)を受賞し、話題を呼んでいる。現地を訪れた彼に、映画音楽の現場について訊いた。その他の画像「僕は人生全部を映画音楽に捧げてきたわけでもないし、たとえば80代のエンニオ・モリコーネさんみたいな方に比べたら若輩者ですし、こんな賞をもらっていいのかなという気が先に立ちます。それとライフタイム・アチーブメントというとなんだか終わりみたいなので、それは嫌だなあ(笑)」と、冗談まじりに語る坂本。素人にはなかなか窺い知れない映画音楽の制作現場について、こう解説してくれた。「通常作曲家に頼むときに、ここにはこんな感じの音楽、と見本を貼付けてくるんです。その代用品のリズムや雰囲気に沿って監督たちは毎日編集をやっているので、作曲家がいざできましたと持っていってもどこか合わない(笑)。それを新品に替えさせるのはハードルが高いんです。監督にもよりますが、ハリウッドの場合はだいたいべったりと貼付けてきますよ。『レヴェナント:蘇えりし者』の(アレハンドロ・G・)イニャリトゥは、彼自身とても音楽好きで詳しいから、すごくきめ細かくテンポラリーな音楽を貼付けてきた。それを超えるものを2カ月ぐらいで何十曲も作るのは本当に大変でした」そんななかで、後にも先にも例外だったのは故大島渚だったという。「『戦場のメリークリスマス』でまず俳優として役をオファーされたので、ぜひ映画音楽もやりたいと自分からお願いしたんです。最初に持っていった曲が気に入られてから100パーセント自由でしたし、どこに何を入れるかもそのとおりに使ってくれた。あんなことは他に一度もないです。近かったのは『リトル・ブッダ』で、あのときは(ベルナルド・)ベルトルッチと相当揉めましたけれど、結果的に(リピートも含めて)120パーセントぐらい使ってくれました」今はできるだけ映像を観てから、仕事を受けるか否か決めるようにしているという。では、“世界の坂本”をそこまで苦労の多い映画音楽の創作に駆り立てるものとは何なのか。「やっている最中は本当に大変で二度とやりたくないと思うんですけど、終わると楽しい思い出が残る。ひとりでこつこつとやっているのとは違う面白さがあります。素晴らしい才能のある人たちとやるのはチャレンジングだけど、終わったときの喜びは特別なんです」取材・文・写真:佐藤久理子
2016年10月31日ケンゾー(KENZO)が11月3日に発売されるH&Mとのコラボレーションコレクションより、ルックブックの全アイテムと、音楽家の坂本龍一らを起用した新たなキャンペーンイメージを同時公開した。写真家のジャン=ポール・グードが撮影を手掛け、ファッション、音楽、アート、環境活動など様々な分野で世界的に活躍する7名をアンバサダーとして起用した同広告キャンペーン。前回公開された一部に続きこの度は、坂本龍一の他、ロザリオ・ドーソン、クロエ・セヴィニー、シューテズカトル・マルティネスらのビジュアルイメージが公開された。また、同時公開されたルックブック画像は、どれもプリント、カラー、個性に溢れており、今回のコラボレーションを特徴づけている。国内での展開は、H&M原宿、銀座、渋谷、新宿、名古屋松坂屋、心斎橋及びオンラインストア(hm.com)にて。動画引用元: (H&MオフィシャルYouTube:
2016年10月15日村上虹郎主演で贈る映画『二度めの夏、二度と会えない君』。この度、10月2日(日)にクランクインしたばかりの本作から、写真が初公開された。篠原智(村上虹郎)は、もう2か月も塞ぎ込んでいた。突然現れてどうしようもなく惹かれてしまった森山燐(吉田円佳)が死んだのだ。死の直前、思いを抑えきれず「好きだ」と智が告げたとき、燐が見せた苦しそうな表情が頭から離れない。幼なじみで生徒会長の菅野瑛子(加藤玲奈)の説得も全く耳に入らず、ふらふらと歩いていると、気付けば燐との思い出の場所に来ていた。そこで起こったのが“タイムリープ”。半年前の夏、燐と出会った夏に戻ってきてしまっていた。燐は「バンドやろう!」と、記憶の中と同じく積極的に智を誘ってくる。戸惑う智だったが、前と変わらぬ燐のパワーと一緒に演奏できる嬉しさに抗えず、ドラムの花京院姫子(金城茉奈)、ベースの石田六郎(山田裕貴)を巻き込み、バンド活動を始める。バンド禁止の学校で、遂には会長を味方につけるほどの活躍を見せるが、刻々とあの瞬間が近付いていた…。智がやるべきことは決まっていた。2度めの夏に、大好きな燐が最期まで笑顔でいるために。原作は、「ガガガ文庫」(小学館)が10周年企画として満を持して送り出した赤城大空の同名ライトノベル。キャストには主演の村上さんを始め、演技初挑戦となる新星・吉田円佳、「AKB48」の加藤玲奈、金城茉奈、山田裕貴ら若い才能が集結する。今回到着したのは、クランクイン日に撮影されたメインキャスト5人の集合カット。この日5人が揃ったのは、貼りだされた実力テストの結果を各々が見に行くという場面。学園を舞台にした作品でよく見られるシーンではあるが、主人公の心情が表れており本作では物語を大きく動かす重要な場面となっている。撮影時は初日らしい緊張感がありながらも、キャスト同士の会話で笑顔を見せるなど良い雰囲気。爽やかな制服姿で登場した5人は、それぞれが役柄に合わせて外見が変化。特に髪色を変更したキャストは、これまでと大きく印象が変わっており、黒髪にチェンジした加藤さん、そして原作キャラクターを尊重し思い切って髪を銀に染めた山田さんが異彩を放っている。まだまだ撮影は始まったばかりの本作。この初日の撮影シーンが、一体どのように物語に結びついていくのだろうか。『二度めの夏、二度と会えない君』は2017年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年10月05日渡辺謙ら豪華俳優陣が出演し、「第41回トロント国際映画祭」に出品が決定するなど話題を集める映画『怒り』。この度、本作から本邦初公開の映像に、坂本龍一と「2CELLOS」の演奏シーンをMIXさせたプロモーション・ビデオが完成。本日8月31日(水)より、映画公式ウェブサイトにて視聴することができるようだ。八王子で起こった夫婦殺人事件。現場に“怒”の血文字を残し、顔を整形し、全国に逃亡を続ける犯人の行方は知れず。事件から1年後。千葉の漁港で暮らす洋平(渡辺謙)・愛子(宮崎あおい)親子の前に現れた田代(松山ケンイチ)。東京の大手企業に勤める優馬(妻夫木聡)が街で偶然出会った直人(綾野剛)。沖縄の女子高生・泉(広瀬すず)が無人島で遭遇した田中(森山未來)。前歴不詳の3人の男の中に、あの殺人犯がいるのか?あなたを信じたい――。そう願う我々に驚愕の結末が突きつけられる。芥川賞作家・吉田修一の同名小説を映画化する本作。キャストには、娘と暮らすしがない父親役の渡辺さんを始め、宮崎あおい、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、妻夫木聡といった、いま注目を集める実力派俳優陣が集結している。このほど到着したのは、「坂本龍一 feat. 2CELLOS」の本作の主題曲「M21 - 許し forgiveness」のPV。「2CELLOS」は、2本のチェロで奏でる情熱の超絶パフォーマンスにより世界を震撼させるクロアチア出身イケメン・チェロ・ユニット。2013年には、NTTドコモ「ツートップ」のTVCMに出演し、衝撃の演奏で日本のお茶の間をも沸かせていた人物だ。今回のPV内の「2CELLOS」演奏シーンは、7月下旬に20回を迎えたフジロック・フェスティバルのために来日した際都内で撮影。そこに坂本さんがNYで録音した際のフッテージと、すでに公開されている予告編の映像に加え、本作からの初公開映像をMIXさせたものとなっている。ストーリーの流れに沿って坂本さんと「2CELLOS」の演奏シーンがインサートされ、映画の世界観が見事に凝縮された濃厚な映像作品に仕上がっている。「2CELLOS」は、「このような日本映画の大作に、そして日本を代表する偉大な作曲家、坂本龍一氏とご一緒できて大変光栄です」と喜び、「僕たちは2人とも映画やアニメなど、日本の文化が大好きなので、このプロジェクトに参加できてとてもワクワクしています」とコメントを残している。なお、この主題曲「M21 - 許し forgiveness」も収録されている「怒り オリジナル・サウンドトラック」は、9月14日(水)よりリリース予定。また、iTunesなどで主題曲「M21 - 許し forgiveness」がアルバムに先駆けて先行配信中だ。『怒り』は9月17日(土)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月31日1902年香川県高松市に生まれた画家・猪熊弦一郎。作品を通じて猪熊弦一郎とはどんな人物だったのかを知るために、猪熊の故郷香川にある「丸亀市猪熊弦一郎美術館(通称 MIMOCA、以下MIMOCA)」を訪ねた。MIMOCAを訪ねるまで、頭の中には一つの疑問があった。猪熊弦一郎のことを調べる程、その多彩な絵画様式に驚かされ、そしてまた「どれが本当の猪熊さんなのか」という疑問が沸き上がってきたのだ。もちろん、どの作品もその絵筆を持った猪熊作品に違いないのだが、時にその作品からはアンリマティスを色濃く感じ、時に作品からはピカソの面影を感じる。また、具象と抽象を行き来し、自在に色彩やフォルムを操っているようにさえ見える。さあ、猪熊はどのような生涯をアーティストとして歩んだのか、6月30日まで開催中の展示「猪熊弦一郎展「私の履歴書」前編ーー絵には勇気がいる」を同館学芸員の古野華奈子さんとともに巡りながらお届けしよう。1/2はこちらから。■幼少期から晩年まで、約2万点の猪熊作品の収蔵約2万点もの猪熊作品を所蔵するMIMOCA。猪熊が幼少期に書いた絵から、東京美術大学(現 東京藝術大学)在学時の作品も含めて、日本、フランス、ニューヨーク、ハワイなどで創作された晩年までの作品を収蔵している。それに加えて、猪熊が蒐集していた雑多なものたちも保管されており、その時々の企画に合わせてセレクトされ、彼の絵画作品と共に展示されている。MIMOCAは、まさに猪熊の生涯に渡る創作活動の軌跡を知ることが出来る場だ。■私の履歴書ーー絵には勇気がいる5月にMIMOCAを訪れた時は、1979年に日本経済新聞の連載「私の履歴書」のために猪熊が半生を綴った原稿を元に構成された企画展「猪熊弦一郎展「私の履歴書」:前編ーー絵には勇気がいる」と、猪熊が晩年描いた「顔シリーズ」が展示されていた。学芸員の古野さんと共にこの二つの展示を歩きながら彼の作品を通して猪熊と向き合ってみたい。■絵の上手な少年が画家・猪熊弦一郎になるまで「私の履歴書」を元に猪熊の半生を知る企画展は、猪熊が絵画に目覚めた幼少期の作品からスタートする。その後、現東京藝術大学に進んだ猪熊は、後に画家として活躍する同級生、小磯良平、荻須高徳、中西利雄、岡田謙三、山口長男らの洗練を受ける。同級生たちと切磋琢磨し、自分らしい作品とはと猪熊が試行錯誤を繰り返したことは、次々と作風の変わる作品からも感じ取れる。「どんな絵画表現が出来るのだろうか」と言う問いに対するその時々の猪熊の答えが作品になっているかのようだ。《題名不明》1919年《画室》1932年■マティスからの一言ーー「お前の絵はうますぎる」学生時代よりパリに行くことを熱望していた猪熊は、1938年妻・文子と共に憧れの地を踏む。そこで猪熊はマティスに絵を見てもらう機会を得るのだが、そこでマティスに「お前の絵はうますぎる」と言われる。このことを猪熊は、著書『私の履歴書』にこう記している。ーー結局、うまく描くということは人によく見てもらいたいと思うために描くことに通じている。(中略)思ったことを素直な、虚飾のない姿でカンバスにぶっつけることこそ一番大切だ。「絵がうますぎる」という先生の言葉はそんな意味だ。(中略)この言葉は私の一生を通じて、すべてのことに最も大きな教訓となっているーー■自分らしい表現を追求して猪熊と親交が深かった画家の一人に藤田嗣治がいる。藤田と猪熊は第二次世界大戦中、フランスの片田舎へ共に疎開したり、日本への引き上げ船に乗るようにと藤田が猪熊を諭したりと、まさに寝食を共にしながら過ごした友人でもあった。同企画展では、藤田独特の乳白色の地塗りのテクニックを猪熊なりに真似たような作品『レゼシーの人形のような子供』(1939)も展示されている。また、日本への最後の引き上げ船に乗る直前まで、戦火の中描き続けた作品『マドモアゼルM』(1940)。この作品はパリでの最後の作品となり、猪熊の具象作品の代表作と言われている。《マドモアゼルM》1940年3年という短いパリ滞在期間においても、猪熊の作品は次々とその様相を変えてゆく。濃密な3年間、自分らしい表現とは何かを追求する猪熊の姿を、この展示を通じて知ることができた。猪熊は制作活動を通じ、「自分の表現とは何か」「美しさとは何か」を、生涯問い続けていたのだろう。アーティスト猪熊弦一郎の生涯は、創作を通じた発見の連続だったのかもしれない。ーー私は画家になって本当に良かったと思う。(中略)毎日を喜びと感謝を持ちつつ制作を続け、ますます子供の心のように清く生き生きとそして明るく、何事によらず未知の世界に大きな驚きと興味を持ち続けて、いままでにない何かを作り上げたい念願で一杯である。ーー『私の履歴書』猪熊弦一郎著より抜粋MIMOCAでは、勇気を持って絵と向き合うことを選んだアーティスト・猪熊弦一郎の軌跡に触れることができる。瀬戸内を訪ねるのなら、ぜひ訪れたい場所の一つだ。【展覧会情報】企画展「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」会期:7月17日から11月6日常設展「猪熊弦一郎展ニューヨークでの制作ーデザイン・壁」会期:7月17日から11月6日特別展示「ホンマタカシ《三越包装紙》」会期:7月17日から11月6日【美術館情報】丸亀市猪熊弦一郎現代美術館住所:香川県丸亀市浜町80-1(JR丸亀駅前)開館時間:10時から18時まで(入館は17時30分まで)休館日:年末(12月25日から30日)※臨時休館の場合あり
2016年06月28日瀬戸内を訪ねるにあたり、気になるアーティストがいた。1902年香川県高松市に生まれた画家・猪熊弦一郎。スキャパレリーピンクの小石が遊ぶように書かれた三越の包装紙「華ひらく」のデザインや、JR上野駅の中央改札の上に架かる壁画「自由」も広く知られる彼の作品だ。きっと誰もが、一度は猪熊の作品を目にしたことがあるだろう。今回FASHION HEADLINEでは作品を通じて猪熊弦一郎とはどんな人物だったのか知るために、彼の故郷・香川県にある「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(通称 MIMOCA、以下MIMOCA)」を訪ねた。■駅前に現代美術館を作った理由MIMOCAは、猪熊弦一郎の生前に完成した美術館だ。故に、美術館の設立を猪熊に提案した丸亀市の熱意と、猪熊本人の思いが込められた館になっている。美術館があるのは、高松駅からJR予讃線で約40分のところにあるJR丸亀駅から、徒歩1分のところ。まさに駅前美術館だ。1902年香川県高松市に生まれ、幼少期の一時期を香川県丸亀市で過ごした猪熊弦一郎。MIMOCAの設立は、丸亀市から猪熊へ「猪熊弦一郎の記念館を作りたい」という提案からはじまったという。しかし、猪熊は「私個人の記念館ではなく、世界の現代美術と触れ合える美術館にしましょう」と逆提案したのだと同館の学芸員、古野華奈子さんが教えてくれた。現代美術館にしたいと猪熊が願ったのは、自身の作品だけでなく現代の優れたアーティストや現代美術を紹介することで、何度も足を運びたくなる場所にしたいという願いから。そして、それが西洋の教会のように「訪れるとすっきりリフレッシュできるような「心の病院」のような存在でありたい」と生前猪熊は語っている。■MIMOCAの建築はMoMAも手がける建築家・谷口吉生駅からMIMOCAに向かうと、大きく広げたキャンパスのような猪熊による壁画「創造の広場」の脇に小さなドアがある。このトンネルの中に入って行くような感覚を覚えるエントランスを抜けると高さ14mにも及ぶ自然光が差し込む吹き抜けが私たちを迎えてくれる。「猪熊は小さな頃からいいもの、いい空間を体験して欲しいと願っていました」と古野さん。その願いから、今でも高校生までは無料で入館することが可能だ。猪熊は才能を見出すことにも長けていた人物。丹下健三の名建築の一つである香川県庁も、歴史を紐解けば当時の香川県知事から猪熊が県庁建築にあたり相談を受けた折に、丹下の名前を挙げたのがきっかけだという。MIMOCAの建築にあたっては、後にニューヨークのニューヨーク近代美術館(MoMA)の建築をデザインコンペで勝ち取る建築家、谷口吉生が猪熊によて選ばれた。谷口の設計による展示室の一つからは、その上部に設けられた横長の窓から丸亀の空を覗くことができる。美術館を訪れた人は、その日の空模様を感じながら作品と向き合うことができるだろう。また、展示室からカフェへと渡るガラス張りの渡り廊下からは駅前の光景を眺めることができる。「街の人々に訪れてもらえる場所に」という熱意はMIMOCAにもう一つのエントランスがあることからもよく分かる。前述の入り口の横に、建物に入らずとも上へ昇ることが可能な大階段がある。その先にあるのは、瀬戸内の海を思わせるような青の絨毯が印象的なカフェレスト MIMOCAや、猪熊の蔵書等を公開する美術図書室などの共有スペースだ。街に開かれた場所でありたいという思いが、至るところから感じられる仕掛けだ。後編は、MIMOCAの収蔵作品を通じて知る、アーティスト猪熊弦一郎が生涯求め続けた"美"について
2016年06月28日2014年7月、中咽頭癌であることを公表し、音楽活動の休止を余儀なくされた坂本龍一が2本の映画音楽で復帰を果たした。1本は山田洋次監督の『母と暮せば』。そして、もう1本は第88回アカデミー賞で3冠に輝いた『レヴェナント:蘇えりし者』だ。本人にとって「人生で初めての経験」と認める大病は、死を見つめる思わぬ機会となった。2本の映画は偶然にも、「生と死」の境界を超えた「蘇り」がテーマになっており、一握りのアーティストだけが引き寄せる運命的な必然性を感じ取るファンもいるはずだ。インタビューでは『レヴェナント:蘇えりし者』に話題を絞り、「療養と並行した音楽制作ですごくきつかったが、何があってもやらなければと内心思った」同作について話を聞いた。映画は未開拓の荒野を舞台に、瀕死の重傷を負った上に仲間に見捨てられ、最愛の息子まで奪われた孤高のハンターが、復讐を果たす荘厳なサバイバル超大作。悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオの熱演はもちろん、史上3人目となる2年連続の監督賞に輝いたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの力強い演出、3年連続でオスカー像を手にしたエマニュエル・ルベツキの撮影も観客の魂を揺さぶる。「イニャリトゥとルベツキのコンビは、前作の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』もすごかったけど、今回はまた違う次元に踏み込んでいて、圧倒された。本当にどこに行っちゃうんでしょうね(笑)。欧米ではシンプルに復讐の物語だと評する声も多いようですが、僕自身は自然こそが映画の主人公だと思いました。どんな壮絶なドラマであっても、大自然にしてみれば、小さなもので…。音楽制作もその点を念頭に置きました」。長編デビュー作『アモーレス・ペロス』(’00)の大ファンだという坂本さん。『バベル』(’06)では坂本さんの既存楽曲が印象的に使用された縁もあり、電話で会話したり、イニャリトゥ監督がコンサートに足を運ぶなど、自然な形で親交を深めていた。初の本格タッグを組むと、「もともとラジオDJだから、耳がすごくいいんですよ。一瞬の視線の動きで、感情がガラッと変わるシーンもあり、それを表現する音の指示も細かい」とプロをうならせる、手ごわい相手だった。そんな二人が 『レヴェナント:蘇えりし者』の映画音楽に関して一致したのは、ミニマルな音像の追求だ。「イニャリトゥが言っていたのは、『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なんだ』ということ。この点は僕も同感でしたね。先ほども言いましたが、映画の主役はあくまで自然。音楽が空気のように存在し、映像が捉えた自然の素晴らしさを下支えしたかった。抒情的でメロディアスな楽曲では、空気感を台無しにしかねないですから」。その言葉通り、シンセサイザー、オーケストラ、ノイズがせめぎ合いながら、最小限の音の集合体となり、大自然と対峙する主人公の息づかいにシンクロする、いわば「呼吸する音楽」が生み出された。「確かに息は、音の重要なテーマでしたね。自分の息だけが聞こえる無音の世界に、ポツンと取り残された孤独感、無力感、緊張感に寄り添うような、一種の間(ま)を大切にしたし、風が吹く音、雪を踏む音なども、作曲の上で大きな役割を果たしました」。今月には所属レーベル「commmon」の設立10周年を記念し、東京・恵比寿ガーデンプレイスで「commmons10 健康音楽」と題したイベントを開催したばかり。また、『レヴェナント:蘇えりし者』に続く新たな映画音楽の製作も手がけ、「詳細は6月頃に発表される予定。日本の映画で9月に公開されますよ」と大病を乗り越え、アーティスト活動はますます精力的になっている。まさに「呼吸するように」音楽を生み出す坂本さんの今後に注目だ。(text:Ryo Uchida/photo:Nahoko Suzuki)
2016年04月20日音楽家の坂本龍一(64)が7日、都内で行われた映画『レヴェナント:蘇りし者』(4月22日公開)の特別試写会に出席し、音楽を担当した本作のメインテーマ曲などをピアノで生演奏した。第88回アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが悲願の主演男優賞を、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が2年連続となる監督賞を受賞した本作。音楽を担当した坂本は、監督の右腕的な人物から「明日LAに来てくれ」と電話で突然言われたと、本作に関わることになった経緯を説明した。そして、制作途中の本作を初めて見た時は「映像に圧倒された」と言い、「(前作の)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』もぶったまげたけど、その次のレベルに行っていた」と当時の衝撃を告白。そこから約6カ月かけて音楽を作り上げ、完成した映画を見た時は「音楽が大きい」と驚いたという。「映画によっては思っていたより下げられ聞いてほしいところが聞こえないというのはよくある。今回はでかい! うれしいといえばうれしいんだけど、ちょっとでかすぎじゃないかなって心配した」と笑った。また、監督について「音楽に対する耳とセンスがめちゃくちゃいい。驚くほど精度の高い耳でああだこうだ言ってくるのでやる方としては困る。細かいです」と、笑いながらその耳を称賛。「またオファーがあったらやりますか?」と質問されると、「来ないと思いますけど」と笑いつつ、「デビュー作の『アモーレス・ペロス』から注目して大好きな監督だったので、万が一また依頼してくれたら喜んでやります」と答えた。さらに、自身の近況を聞かれると、「2年前に人生初の大病をしましたが、おかげさまで治って、こんなハードな仕事もできるようになりました」と中咽頭がんを乗り越えた話をし、「体重も10キロ減ってスリムになって、安心して人前に出られるようになりました」と笑顔で報告。「映画も音楽も健康じゃないと楽しめない」「音楽と健康はすごい大事な結びつきなんだなと身をもって知りました」と語った。イベントでは、本作のメインテーマ曲などをピアノで生演奏し、観客を魅了。演奏後には、ピアノを愛おしそうにいじり、「ピアノをなでたり、ぶったり、押さえたり、いろいろしてるんです」と、いろんな方法で音を生み出したことを明かした。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月08日音楽家の坂本龍一が4月7日(木)、音楽を手がけた<a href="">『レヴェナント:蘇えりし者』</a>の特別試写会に出席。再び日本映画の音楽を担当し、9月に封切られることを明かした。タイトルを含めた詳細は「6月に情報解禁される予定」だといい、ファンの拍手を浴びていた。この日は会場となった東京・恵比寿 ザ・ガーデンホールでの試写を前に、坂本さんがピアノの生演奏を披露する贅沢な一夜に。映画のメインテーマ曲を含め3曲、約10分間の演奏が、スクリーンに投影された本編映像との幽玄なコラボレーションを実現させた。未開拓の荒野を舞台に、瀕死の重傷を負った上に仲間に見捨てられ、最愛の息子まで奪われた孤高のハンターが、復讐を果たすため、約300kmの壮絶なサバイバルを繰り広げる。第88回アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが主演男優賞を初受賞し、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが2年連続の監督賞に輝いた。イニャリトゥ監督からのオファーを受け、完成前の映像を目にした坂本さんは「映像に圧倒されましたね。この前の<a href="">『バードマン』</a>もたまげたけど、早くも次のレベルに踏み出していて『この人は、どこに向かうんだろう』と思った」。イニャリトゥ監督については、「音楽に対する耳とセンスが驚くほどいい」そうで、「指示が細かいし、数か月前に作った曲のこともしっかり覚えているから、参りましたね(笑)」とふり返った。完成に至るまで「きっとラフなものも含めて、300回くらい観ているかも。当然だけど、(映像管理の)セキュリティも厳しかった」と坂本さん。劇中に自身の音楽が流れる完成版を観て、「音が大きかった。うれしいと言えばうれしいけど…大きすぎ(笑)」と照れ笑いを浮かべ、「映画のテーマは、自然と人間の葛藤」と話していた。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月07日アカデミー賞主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオが主演を務める『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)で、音楽家・坂本龍一の楽曲が全編にわたって使用されている音楽版予告が1日、公開された。本作でメガホンを取るのは、65年ぶり史上3人目の快挙となる2年連続アカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督。巨額の製作費をかけ、極寒の地で自然光のみを使った9カ月間のロケを敢行した。ディカプリオは、ハンティング中に熊に喉を裂かれ瀕死の重傷を負った上に、目の前で息子を殺され復讐心を燃やす主人公に扮し、鬼気迫る演技で親子の絆を見せる。本作の音楽を作曲した坂本は「この作品には息をのむような素晴らしい映像が詰まっています」と説明。その上で、「私は音楽で、主人公ヒュー・グラスの壮大なドラマを表現しました」と明かす。また、本作の「まだまだ荒い編集の映像を監督と一緒に見て、音楽について実際の音を聞きながら長く話し合いました」と制作背景を話し、「初めて見たその時から、この映画の主人公は"自然"だと思いました」とその感触を口にする。複雑なドラマも描かれている本作だが、特に坂本の気を引いたのは自然の大きさだったようで、「(本作の撮影を務めたエマニュエル・)ルベツキが自然光で素晴らしい精度で撮影しています」と指摘。続けて、「そこで人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかった」とも打ち明けている。『バベル』(07年)でも「美貌の青空」など坂本の楽曲2曲を使用したイニャリトゥ監督は、「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ」と評価。「今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という"間"が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と大ファンでもある坂本による音楽が、作品にとって重要な役割を果たしていると分析する。坂本は、イニャリトゥ監督との最初の電話で「メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!」と力説したという。それを思い返しながら、イニャリトゥ監督は「覚えやすいメロディの音楽を使う映画が多いのですが、そういうものを目指していたのではない」と胸を張ってアピールした。公開された映像では、坂本の壮大ながらも奥行きを感じさせる、非常に繊細な音楽を収録。同時に坂本が語った大自然の映像や、ディカプリオの迫真の演技を堪能することができる。(C)2016 Twentieth Century Fox
2016年04月01日レオナルド・ディカプリオ主演映画『レヴェナント:蘇えりし者』で音楽を手がけた坂本龍一が作品の魅力と音楽について語った“音楽版予告”が公開になった。坂本が手がけた音楽も登場する。『レヴェナント:蘇えりし者』音楽版予告映像映画は、アメリカ西部の未開拓の荒野を旅する途中で熊にノドを裂かれて瀕死の状態に陥るも、仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまった主人公ヒュー・グラスが、自然の脅威に立ち向かいながら、死の淵から蘇り、約300キロもの旅をして、フィッツジェラルドに復讐しようと壮絶なサバイバルに挑む姿を描いたもの。映像の冒頭に登場した坂本は「この作品には息を呑むような素晴らしい映像が詰まっています。私は音楽で、主人公ヒューグラスの壮大なドラマを表現しました」とコメント。劇中の音楽は坂本、“アルヴァ・ノト”ことカールステン・ニコライ、The Nationalのギタリストでもあるブライス・デスナーが担当。監督から『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!』というリクエストを受けた坂本は、ミニマルな構成でドラマを支える“サウンド”を構築。制作された楽曲と、こだわり抜かれた映像、ディカプリオの決死の演技は見事に調和しており、「人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかった」という坂本の言葉に思わずうなづいてしまう映像になっている。『レヴェナント:蘇えりし者』4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
2016年04月01日三越日本橋本店中央ホールにて3月30日から4月5日まで、三越の包装紙「華ひらく」の生みの親である猪熊弦一郎にフィーチャーした展覧会「猪熊弦一郎と『華ひらく』展」が開催される。同展示会は、猪熊弦一郎が香川県で生まれ育ったことももあり、三越伊勢丹と瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭 2016」とのコラボレーションの一環として開催されるもの。また3月30日からの期間は、戦後間もない1950年に猪熊弦一郎によってデザインされ、三越の顔として現代でも愛され続けているオリジナル包装紙「華ひらく」のデザインを採用した様々なアイテムが全国14店舗の三越各店で展開される(展開アイテムは各店ごとに異なる)。華ひらく柄を採用したラインアップは、廣瀬染工場による江戸小紋ストール、胸元にワンポイントとして華ひらくモチーフを採用したTシャツ、華ひらく柄のペアブリックボトルのミネラルウォーターなど。多彩な表情で暮らしの中にとけこんだ「華ひらく」をじっくりと楽しむことができる機会となっている。
2016年03月16日1月1日(金)にNHK-FMにて放送される毎年恒例の音楽特番「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」に坂本龍一が復帰!ゲストとして、坂本氏が音楽を担当した『母と暮せば』から監督の山田洋次と女優・吉永小百合が出演することが明らかとなった。故・井上ひさしの遺志を継ぎ、名匠・山田監督が脚本を執筆、「嵐」の二宮和也と大女優・吉永さんが親子役で初共演を果たすことで大きな注目を集めた映画『母と暮せば』。山田洋次監督の83作目にして最新作である本作で、昨年より病気療養中だった坂本氏が仕事復帰第1弾として音楽を担当。日本を代表する名匠同士が初めてタッグを組み、優しく泣けるファンタジー作を創りあげた。そんな坂本氏が、毎年元旦に放送するのが恒例の本番組。昨年は坂本氏の病気治療のため、タブラ奏者のU-zhaanがパーソナリティを担当。来年の放送では、はれて仕事復帰となった坂本氏がパーソナリティとしても復帰を果たす。ゲストには、『母と暮せば』が公開中の山田監督と吉永さんが登場し、映画や音楽の魅力がたっぷりと語られるという。豪華3人による鼎談はファンならずとも必聴だ。さらに番組では、坂本氏のスタジオピアノ演奏も復活。年明けには坂本氏が音楽を手がけ、ゴールデングラブ賞にノミネートされた『レヴェナント:蘇りし者』の公開を控え、”教授”こと坂本氏の復帰後の活動にさらなる注目が集まりそうだ。「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」は、1月1日(金)22時~0時NHK-FMにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年12月22日