様々な役を演じ分け、思考回路を切り替えることが多い、俳優という職業。柔軟な思考力を持つために心がけていることについて村上虹郎さんに教えてもらいました。
左脳と右脳、そして直感。この3つが行動の基準です。
舞台稽古に取り組んでいるときは、普段の何倍も脳を使っている、という村上虹郎さん。
「セリフの意味を咀嚼し、共演者のことを考え、演出家の言葉に耳を傾け、客観的にどうしたら面白い“製品”になるか意識しながら、臨機応変に自分の役として動く。今まさに、舞台『密やかな結晶』の稽古中なのですが、スポーツよりもずっと疲れるんです。でも、そういうところが舞台の醍醐味ですし、とても楽しい。
もちろん、コテンパンにされて辛いときもありますけど(笑)」
悩んだり、辛いときは、自分の心に尋ねる。
「感情と理論の両面から“本当はどう思っているの?”と自分に聞いてみます。両方ともが“理にかなっている”と思ったら、ストンと納得できる。頭ではわかっていても感情が整理できなければダメだし、逆もそう」
感情と理論に加え、もう一つ大事なものが。
「絶対的に、自分の直感を信じています。だから、左脳と右脳と心の3つが行動の判断基準になっています。