俳優・柳楽優弥が、是枝裕和と西川美和が立ち上げた制作者集団「分福」が満を持して送り出す新人監督、広瀬奈々子のデビュー作『夜明け』で主演を務めていることが分かった。本作で柳楽さんはある秘密を抱える青年役を演じ、公開は来年となる予定だ。■ストーリーある日、川辺を歩いていた哲郎(小林薫)は、水際に倒れていた青年を見つけ、自宅で介抱する。一人やもめの哲郎の家で、彼は「シンイチ」と名乗る。やがて哲郎は自らが経営する木工所にシンイチを連れて行き、技術を教え、周囲も彼のことを受け入れていく。しかし、シンイチは本名を明かせない、ある秘密を抱えていた。そして、哲郎にもまた決して忘れられない過去があった――。■監督&脚本は是枝裕和監督の愛弟子!本作は、是枝監督や西川監督のもとで監督助手を長年務めてきた広瀬監督が、自ら書き下ろしたオリジナル作品。ある秘密を抱えて逃れてきた青年と、彼を偶然助けることとなった見ず知らずの初老の男・哲郎の物語だ。2011年から「分福」に所属し、是枝監督の下で監督助手を務め、『そして父になる』「ゴーイング マイ ホーム」『海街diary』『海よりもまだ深く』や、西川監督の『永い言い訳』で記録と監督助手を兼任した経験を持つ広瀬監督。「実質脚本に向かったのは約1年半ほどですが、震災以降の社会や権力のあり方について、20代の間に自分の中で悶々としていたものを全てぶつけるつもりで書き始めました」と脚本執筆時の思いを明かし、「若い世代とその親世代に、それぞれの角度から観てもらえると嬉しい」とコメント。■主演は『誰も知らない』の柳楽優弥! 小林薫と映画初共演本作で主演を務めるのは、是枝監督の代表作である『誰も知らない』(2004)で日本人初・カンヌ国際映画祭史上最年少で主演男優賞を受賞した柳楽さん。今年のカンヌでは、出演作『どちらを選んだのかはわからないが、どちらかを選んだことははっきりしている』(英題『Duality』)が短編コンペティション部門ノミネートを果たした彼が、今作ではある秘密を抱えて逃れてきた青年役を演じる。そして、初老の男・哲郎役を小林薫が演じ、大河ドラマ「おんな城主 直虎」以来のタッグで映画初共演を果たす。柳楽優弥「信頼を寄せて撮影に挑むことが出来ました」「地方での撮影中、共演者の方々と、不思議と役柄のような距離感で過ごせたこともあり、支えられたことも多かったです」と撮影をふり返る柳楽さん。共演の小林さんについては、「大河から続いて1年以上ご一緒させて頂いたので、信頼を寄せて撮影に挑むことが出来ました」とすでに信頼関係が築けていたと話し、「広瀬監督は、初めてお会いしたときから嘘のない目をしていて、この人について行こうと思える、とても心強い監督でした」と監督の印象も明かしている。小林薫「スムーズに入れました」一方、小林さんも柳楽さんとの共演について「柳楽くん演じる青年と出会い、失った息子との時間を取り戻そうとするこれまた難しい役処でした。でも、柳楽くんとはその前にドラマで1年近くも一緒でしたので、スムーズに入れましたしやりやすかったですね」と感想を述べる。監督についても「女性で初監督ということでしたが、シュミレーションを何度としたのか、頭の中にしっかり出来上がったモノがあったンでしょうね。ブレずに指示していたことが印象的でした」とコメントしている。■是枝監督&西川監督からもコメント到着さらに、「分福」を立ち上げた2人も作品と広瀬監督についてコメント。是枝監督は、「脚本は、彼女らしく、骨太で繊細な人間描写が文字の上からでも充分伝わる作品です。彼女のためなら、と、多くのスタッフが参加を表明してくれていて、恵まれたデビュー作になりそうです」と期待。「演技に対する観察眼や、映像センスはかなり鋭い」と広瀬監督を絶賛する西川監督は、「一番の特徴は、弱い者に対しての優しさが深いところにある部分だと思います。切れ味鋭く人の孤独を描きながらも、観る人に寄り添う作品の撮れる監督になってくれると思っています」と話している。また、柳楽さんと小林さんのほかにも、堀内敬子、YOUNG DAIS、鈴木常吉らが出演する。『夜明け』は2019年、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年05月11日『三度目の殺人』の是枝裕和監督最新作『万引き家族』が、第71回カンヌ国際映画祭“コンペティション部門”に正式出品されることが決定。是枝監督は、「こんな小さな作品に目を留めて頂いて感謝しています。素直に嬉しいです」と喜びのコメントを寄せている。是枝監督の長編13作目となる本作は、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた監督が、「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る、渾身の一作。是枝監督作品としては、今回でカンヌ国際映画祭への出品は7回目。またコンペティション部門では、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹を演じた『海街diary』から3年ぶり5回目の出品に。また、『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、『そして父になる』では審査員賞を受賞し海外からも注目を集める是枝監督作品とあって、今回も賞の行方に大きな注目が集まること間違いなしだ。今回の出品決定について是枝監督は、「5度目のコンペということで『賞レース』とか『意気込み』とはちょっと違う感慨もあって、本来の祭の目的である、映画という豊かな文化に触れて、今後の自分の映画作りの課題を見つけるようなゆったりとした時間にしたいなあと思っています」とコメント。息子と協力して万引きを重ねる父・治役として出演しているリリー・フランキーは、「普遍的な家族の問題と、いま世界で同時期に起きている家族にまつわる社会問題。絆、金、善悪、生と性。是枝さんの切り取った、見過ごしてしまいそうで、決して見逃してはいけない日常の表裏がカンヌ映画祭に評価されたことを、心から嬉しく思い、また誇りに思います。是枝監督おめでとうございます」と喜び、その妻・信代役の安藤サクラも、「憧れのカンヌ国際映画祭!しかもコンペティション部門!凄い!おめでとうございます!東京の谷底で黒い粒子にまみれてたあの汚ったない家族がカンヌで赤絨毯とは!かっこいいなぁ。監督、おめでとうございます!万引き家族の行方が楽しみです」と祝福した。『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年04月12日リリー・フランキー、安藤サクラらを迎えた是枝裕和監督の長編14作目となる最新作のタイトルが、このほど『万引き家族』に決定。新たに池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴ら実力派俳優が出演していることが明らかになった。本作は先月、12月にクランクインし撮影中ということが明らかにされ、タイトル未定の中、リリーさんをはじめ、安藤さん、松岡茉優、樹木希林、オーディションで抜擢された城桧吏と佐々木みゆの2人の子役の出演が発表されていた。これまで様々な“家族のかたち”を描き続けてきた是枝監督が、この10年間考え続けてきたことを全部込めたと語る渾身の新作だ。■是枝監督、タイトルに込めた思いとは?今回タイトルが決定し、是枝監督は「この映画の企画がスタートした1年前から、僕の中でいろんなタイトルが浮かんでは消え、結局最初に付けたタイトルに戻りました。実は、万引きする人たちのお話であると同時に、万引きされた人たちの物語でもあるという二重の意味を込めたタイトルなのですが、そこは出来上がった映画を観て頂くとご理解頂けるのではないか、と思っています」とタイトルについてコメントを寄せている。■第2弾キャスト発表!そして今回新たに出演が明らかになったのは、松岡茉優演じる亜紀が働くJK見学店の常連客「4番さん」役に、『海よりもまだ深く』に続き是枝組2度目となる池松壮亮。主人公一家の「仕事」を捜査する刑事、前園巧と宮部希衣役に、『悼む人』、連続テレビ小説「べっぴんさん」高良健吾と、『そこのみにて光輝く』『怒り』の池脇千鶴、是枝組初参加の2人が決定。また、一家の子どもたちを見守る駄菓子屋の店主に柄本明が扮するほか、緒形直人、森口瑤子らベテラン俳優陣、山田裕貴、片山萌美ら若手俳優の参戦も決定した。■監督&キャストからコメント到着今回の出演オファーに「とても嬉しく思いました」と語った池松さんは、「非常に短い時間で名前もない言葉も発しないという役でしたが、いつまでもこのままいれたらと思ってしまうような豊かな時間をいただきました。是枝組はいつでも高尚な映画作りをされていて、とても安心します」と撮影をふり返る。池松さんについて是枝監督は、「色気があるんですよね。佇まいに。声がまた魅力的で」と話すも、“今回は極端に台詞の少ない役”と池松さんの演じる役柄について明かし、「それでもやはり、存在感は抜群でした」と絶賛している。また是枝監督について「この仕事を始めた頃から憧れてきた監督」と語ったのは高良さん。「いつかご一緒したいと思い俳優を続けてきたので、目標が叶い嬉しかったです」と喜び、「これが是枝組かという演出を経験でき、興奮しました」コメント。そんな高良さんについて是枝監督は、「デビュー直後くらいに一度お会いしていて、真っ直ぐな瞳が印象的だったんですが、澄んだ瞳は健在でした」と印象を述べた。是枝監督が「笑顔の本当に素敵な女優さん」と以前から注目していたという池脇さん。彼女は「監督は、現場で台詞を追加して、その台詞をほかの俳優さんがアドリブで答えるという生の反応を欲しがる方なんだなと思いました。そしてそれをとても楽しんでやられていて、どう転んでも正解ということも分かった上で、すごく絶妙な質問を書かれたり、生きたお芝居を、各々が持っている感性を引き出されるのかなと思いました。現場の雰囲気は、監督が穏やかな方だから、空気としては穏やかな空気でした」と是枝組に初参戦した感想を語った。『万引き家族』は6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年02月14日是枝裕和監督の映画『万引き家族』 が、2018年6月8日(金)に全国で公開される。描くのは東京の下町に暮らす、平凡で貧しい家族。一見どこにでもいそうな彼らは、「犯罪」で生計をたてひっそりと暮らしている。「犯罪」でしかつながれなかった彼らの、不完全だけれど愛すべき「家族のかたち」と、心揺さぶる衝撃のストーリーが映し出される。是枝監督が描く「家族のかたち」是枝監督の代表作と言えば、柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した『誰も知らない』。子供を置き去りにした母の代わりに、過酷な状況下で弟妹の世話をする長男の姿をリアルに描いた。その後も、取り違えられた子供をめぐり究極の選択を迫られる2つの家族を映した『そして父になる』や、海の見える街に暮らす姉妹たちの織り成す家族の絆を描いた『海街diary』など、さまざまな「家族のかたち」を追い続けてきた是枝監督。『万引き家族』には「血のつながりについて、社会について、正しさについて、10年間考え続けてきたこと」の全てを込めたと語っている。是枝監督インタビューはこちら>>キャストリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優が家族に日雇い仕事の父・治役にはリリーフランキー。是枝監督作品には『そして父になる』で庶民的な父親を好演して以降、『海街diary』、『海よりもまだ深く』と出演が続いている。4回目の参加にあたり「独特の穏やかで澄んだ空気感の中、本作は社会や人にとって、とても重大なのに、ほんの1日で黙殺されてしまうような出来事にフォーカスを当てていく。是枝監督らしい、いい作品になると感じています」と意気込みを語っている。祖母・初枝役には、こちらも是枝作品の「家族」には欠かせない存在である樹木希林をキャスティング。また共に是枝監督作品には初参加となる安藤サクラが妻・信代役を、松岡茉優がその妹・亜紀役を演じる。実力派のキャストが揃う中、オーディションで選出された子役2人にも注目が集まる。息子・祥太役に城桧吏、一家が面倒を見ることになる少女・じゅり役には佐々木みゆが抜擢。みずみずしい表情や仕草を引き出すため、子役には台本が渡されていない。監督に「オーディションで出会ったふたりの子どもたちが本当に素晴らしく、毎日ワクワクしながら撮影に臨んでいる」と言わしめる演技には期待が高まる。池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴ら豪華キャスト松岡茉優演じる亜紀が働くJK見学店の常連客「4番さん」役は、池松壮亮が務める。主人公一家の「仕事」を捜査する刑事役に、高良健吾と、池脇千鶴。そして、一家の子供たちを見守る駄菓子屋の店主役に、柄本明。その他、緒形直人、森口瑤子らベテラン俳優陣や、若手実力派俳優の山田裕貴、片山萌美など、豪華キャストが集結する。また、監督の是枝と初めてタッグを組む細野晴臣が劇中の音楽を手がける。映画『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品することが決定。是枝監督はコンペティション部門では『海街diary』から3年ぶり、5回目の出品となる。また、2004年『誰も知らない』で主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年『そして父になる』で審査員賞を受賞をしているだけあり、賞の行方にも注目が集まっていきそうだ。ストーリー高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。【概要】映画『万引き家族』公開日:2018年6月8日(金)全国ロードショー監督・脚本・編集:是枝裕和音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)出演:リリー・フランキー安藤サクラ/松岡茉優池松壮亮城桧吏佐々木みゆ緒形直人森口瑤子山田裕貴片山萌美 ・ 柄本明/高良健吾池脇千鶴 ・ 樹木希林配給:ギャガ
2018年01月08日『誰も知らない』『そして父になる』『三度目の殺人』の是枝裕和監督の最新作が、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林ら豪華キャストを迎え、6月に公開されることが決定。すでに昨年12月よりクランクインしている本作は、今月1月いっぱいで撮影を終える予定だという。なお、タイトルは未定。あらすじ再開発が進むなか、ポツンと残された古い住宅街。日雇い仕事の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は“親子”ならではの連携プレーで万引きに精を出している。その帰り道、団地の廊下で凍えている幼い女の子を目にした治は思わず家に連れて帰ってしまう。突然、子どもを連れてきた夫に腹をたてる信代(安藤サクラ)だったが、体じゅう傷だらけのじゅり(佐々木みゆ)の境遇を察し、面倒をみることにした。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らすその一家は、風俗のバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)、そして新しい家族のじゅりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、ある事件をきっかけに家族の隠された秘密が明らかになっていく――。是枝監督が手掛け、柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞したセンセーショナルな問題作『誰も知らない』(2004)は、実際の子ども置き去り事件を元に、過酷な状況下で生きる子どもの姿をリアルに描いた。あれから13年、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた監督が、この10年間考え続けてきたことを全部込めたと語る、渾身の最新作が始動!是枝組に安藤サクラ&松岡茉優が初参加最新作は、東京の下町に暮らす一見どこにでもいそうな、平凡で貧しい家族だが、実は「犯罪」で生計をたて、ひっそりと暮らしている家族を描く物語。「犯罪」でしかつながれなかった家族たち。不完全だが、愛すべき“家族”の心揺さぶる衝撃のストーリーが紡がれる。本作に出演するのは、『そして父になる』で庶民的な父親を好演したリリーさんが柴田治役。その妻・信代役と妻の妹・亜紀役に、是枝組初参加となる安藤さんと松岡さん。祖母・初枝役には、是枝作品の「家族」に欠かせぬ存在である樹木さん。さらに、オーディションで選ばれた子役2人、城桧吏と映画初出演となる佐々木みゆが、息子・祥太と新しい家族のじゅりを演じる。樹木希林、是枝監督作はこれで最後?「是枝作品の中に居るのはこれでおしまい」今作で監督のほかにも脚本や編集も担当する是枝監督は、本作製作のきっかけについて、「死亡通知を出さずに親の年金を不正に貰い続けていた家族が逮捕された事件に触れたこと」と明かす。是枝監督とはもう4回目だと言うリリーさんは、「純粋に嬉しいです。是枝組独特の穏やかで澄んだ空気感の中、本作は社会や人にとって、とても重大なのに、ほんの1日で黙殺されてしまうような出来事にフォーカスを当てていく。是枝監督らしい、いい作品になると感じています」とコメント。安藤さんは、「いまこのタイミングでこの作品に出演できることをとても嬉しく思っています」と言い、「どんなことになることやら、なかなか想像ができません。とにかく、やってみます!」と意気込みを語っている。また松岡さんは、「あの本を読んだ、あの映画を見た。産まれて、育ててもらって、生きてきたすべてのことが正しかったんだと肯定されたような気持ちでした。夢のような顔合わせは現実には思えなかったです」とオファー時の心境を明かし、樹木さんも「是枝作品の中に居るのは これで おしまいちょいと ブラブラしすぎる台本は読みちがえるわ 口は出すわ悪口は言うわ 都合悪けりゃボケたふりするわ困ったもんだ」と出演について独特なコメントを寄せている。是枝裕和監督最新作は2018年6月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定。※タイトルは未定(cinemacafe.net)
2018年01月05日現在、韓国にて開催中の「第22回釜山国際映画祭」でガラプレゼンテーション部門(Gala Presentation)に正式出品された福山雅治×是枝裕和監督のタッグで贈る映画『三度目の殺人』。この度、昨日10月19日(木)の公式上映を受け、是枝監督と主演の福山さんが記者会見、上映前の舞台挨拶、上映後のQ&Aに参加したことが分かった。上映前の舞台挨拶では拍手と大歓声が巻き起こる中、福山さんは「アニョハセヨ、ありがとうございます、カムサハムニダ、福山雅治です」「映画楽しみにして下さっていると聞いています。どうぞ楽しんでいってください」と挨拶。続いて是枝監督は「こんばんは、是枝です。新作ごとにこの映画祭に呼んで頂いて、毎年のように韓国のファンの皆様とこういう時間を設けて頂くこと本当に感謝しております。ありがとうございます」と韓国ファンへ感謝の気持ちを述べた。さらに、是枝監督は作品について「4年前に『そして父になる』で福山さんと初めて釜山を訪れまして、次にどんなものを作ろうかと企画のキャッチボールを続けていきながら今夏の作品に辿り着きました」と話し、「今回は一つの殺人事件をめぐる、弁護士と殺人犯と被害者の家族の話です。これまで私が作ってきたホームドラマとはやや趣が違いますし、ミステリーやサスペンスのジャンルとも、見て頂けばわかると思いますが、違うストーリーの流れを持った作品です。いい意味でみなさんの予想を裏切るようなそんな作品に出来上がっているといいなと思います」とこれから観賞するファンへ期待煽るメッセージを寄せていた。また、上映前に行われた公式記者会見や上映後のQ&Aでは様々な質問に答えた2人。まず、どういう視点で本作を作ったのか、という質問について監督は、『そして父になる』において法律監修した弁護士と話をしていた中で出た言葉にきっかけがあったそうで、「『別に法廷って真実を明らかにする場所じゃないんですよね』って言ったんですよね。そこで『何をする場所なんですか?』と聞いたら『利害の調整ですね。弁護士には真実は分からないですからね』って言われたのが凄く印象に残って。誠実だなって思う半面、そういう人間たちが真実を分かったという振りをしながら判決に至って人を裁くということ、そういう制度を私たちの社会が持っているということのちょっと怖さみたいなものを感じたというのがこのストーリーを考えたスタートにありました」とコメント。さらに、ジョン・ウー監督作『追捕 MANHUNT』にも出演している福山さんへ、2人の監督の共通点について質問がなげられると、「映画に対しての愛情」と語り、また「今回の2作品でいうと、両作品とも台本がずっと撮影中、撮影の最後まで変化し続けるという共通点がありました。それは僕にとってすごくワクワクする興奮する現場で、そのライブ感といいますか、コンサートでいう生演奏のようなそういったようなものを現場でずっと見させていただいていて、演者である僕自身もすごく興奮できる現場でした。偶然にも、ファンである是枝監督、ファンであるジョンウー監督が同じような作り方をされていたことがうれしい体験でした」と明かす。前作『そして父になる』と今作との出演において、準備に違いがあったかという問いかけに福山さんは、「凄く役の準備をすることも大切ですが、準備しすぎることも監督は好まれないのではないかと思っていましていかに現場で、準備してきたものと、実際の撮影現場で起こる出来事、そのときの感情含めてですが、アジャストしていけるかだと思います。一緒にお芝居する俳優さんとの関係もそうですし、監督が現場で実際に見て感じたこと、思ってたよりこうだったかなということが沢山あると思うのでいかにアジャストしていくか、余白を持ってあまり固めすぎないで現場に入ることをお芝居においては心がけました」とコメント。また、韓国の観客に作品をどう見て感じて欲しいかという質問に監督は、「観て驚いて面白いと思ってくれたら嬉しい」と話す一方で、「自分で映画を撮ろうと思って色んな作品を見直したときに一番参考にしていたのは、実はサスペンスやスリラーではなく『夕陽のガンマン』とか西部劇だったんですよね。男と男が対峙して相手の気持ちを探りながらどちらが先に拳銃を抜くか、そういう作品が観ていて参考になったんですよね。だから男2人の話として観てもらうのが一番いいかなと思っています」と述べる。さらに、『追捕 MANHUNT』の撮影現場に訪れたと言う監督は、その際「『あなたの映画に出てくる男たちはなんであんなにいつも色っぽいんだ?今度男たちの映画を撮るんだけどアドバイスをいただけないか?』という話をモニター脇でしたら、セクシーとは違う色っぽさなんだと思うんですが、男を色っぽく撮るには男を隣に置くんだって言われたんですよ。それは凄く印象に残ったんですよね。それは役所さんと福山さん2人を撮りながら何度か自分の頭に浮かんだ言葉ではありました」とも明かしていた。『三度目の殺人』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2017年10月20日「カメラに愛されているんだよね…」――。嬉しさと感嘆、そして、演出家として何も付け加えることがないことへの悔しさが混ざったような口調で是枝裕和監督は語る。その視線の先にいるのは『三度目の殺人』で、『海街diary』以来の是枝作品への出演を果たした広瀬すず。わずか数年で、その姿を見ない日はないほどの人気女優となった。是枝監督の目に、彼女の成長や変化はどのように映ったのだろうか?是枝監督のオリジナル脚本による本作は、殺人事件を巡るサスペンス。弁護士・重盛(福山雅治)は、解雇された工場の社長殺害の容疑で逮捕され、ほぼ死刑が確実の三隅(役所広司)の弁護を担当することになる。裁判に勝つためには真実など二の次というスタイルの重盛だったが、二転三転していく三隅の供述や被害者遺族との関係に翻弄され…。果たして真実はどこにあるのか?広瀬さんは被害者の娘で、三隅と意外な接点を持つ咲江を演じている。『海街diary』の撮影時から数えると、約3年。10代のうちに再び、是枝組への参加がかなった広瀬さんは「(『海街』が)ちょうど高校に入るときで、今回は高校卒業のタイミング。この感じは、“いま”しかないんだなと感じた」とふり返る。咲江は、事件の被害者の娘であり、常識で考えれば、容疑者の三隅は彼女にとって、父を殺した憎むべき存在。だが、咲江はある秘密を三隅にだけは打ち明けるなど、事件前から三隅と接点があり、事件の様相が大きく覆る事実が徐々に明らかになっていく。是枝監督が今回、カメラに収めようとしたのは「黒すず(笑)」。脚本を書いた是枝監督から見ても、非常に難しい表現が必要とされる役柄だった。「内面に抱え込んでいる感情、その表現の仕方が今回はすごく複雑なんです。(感情を)秘めたまま、爆発させないから。語尾だけでいろんな感情を見ている人間に感じさせないといけない」。だが、そんな難しい役柄にもかかわらず、是枝監督から見て、広瀬さんの演技は「(一発目から)完璧だった」という。「今回は現場で微調整もほとんどしてない。『これだ』というものが最初から出てきてるから。役について話したのは、最初に『この(咲江の)母親(斉藤由貴)は、被害者意識でできていて、娘は被害者なのに、むしろ加害者意識を自分のアイデンティティとして持っている。対照的な母娘なんだ』ということくらい。(広瀬さんは)現場で台本を開かない。セリフが入っているというより、役が入っているから、(台本の)文字に戻らなくてよかったんでしょうけど…。それにしても大したものだと思います」。『海街diary』のときは15歳。是枝監督独特の手法で、台本を渡されず、現場で是枝監督が口頭で広瀬さんにセリフを伝え、相手が何を言い、どんな行動をするかもわからない状況で演じた。その後、『ちはやふる』の小泉徳宏監督、『怒り』の李相日監督など、異なる監督の下で、様々な役柄を演じてきた。そんな広瀬さんから見た是枝組とは?「構えなくていいというか…。前回、セリフも知らず、どんなシーンを撮るのかもわかっていないから、フラットな状態で現場に行けて、それがやりやすくて自分にすごく合っていたんですよね。そのフラットな感じが、今回もあったんだなと感じます。安心感みたいなものがすごくあるんですよね」。加えて、今回、すんなりと咲江という役柄に入れたのは、彼女に対して感じる、距離の近さも大きかったという。「(思いを)言葉にしないで抑えるという役は、これまであまりなかったけど、元々、自分はそっちの性格なので、似ていると思うし、感覚がわかるんですよね。そういう意味で、気持ちが楽でした。どちらかというと、いつもの言葉にする役のほうが大変なので」。「あんまり、“才能”という言葉は使いたくないけど…」と前置きしつつ、是枝監督が口にしたのが、冒頭で紹介した「カメラに愛されている」という言葉。例として挙げたのが、カメラが福山さん演じる重盛の視点で、ドラッグストアの棚越しに咲江を追いかけるという、セリフのない短いシーン。「撮影の中で、いろんな瞬間の偶然があるんです。風が吹いたり、陽の光だったり、それは狙ってできるものじゃないんですけど。ドラッグストアをひとりでぶらっと歩き、ちょっとだけ目線が動き、小さく何かをつぶやく。そのひとつひとつの仕種のタイミングも素晴らしいんですけど、一歩間違えると全然、うまくいかないんです。カメラと役者と、棚のコラボだから、どんなに演技がうまくても、棚をも味方につけないといけない。いや、冗談じゃなく、本当に(笑)。こればっかりは、持ってるものなんですよ」。もちろん、自然現象や棚だけではなく、ほかの共演陣とのやりとりにおいても、彼女の存在感はしっかりと画面を通して伝わってくる。特に印象的なのが、斉藤由貴さんとの母娘のシーン。是枝監督曰く斉藤さんは「やってみないとわかんないタイプ(笑)」。同じシーンでも毎回、テイクごとにセリフはおろか、感情のピークの持っていき方さえも、変わってしまうのだという。まさにどんな球種が投げられるのか、わからない相手とのキャッチボールだが、広瀬さんは見事に全てを受け切った!広瀬さんはこうふり返る。「本当に斉藤さんは、何を発するのかわかんない(苦笑)。台本を読んで、セリフもわかってるんですけど、何が飛んでくるのか…。咲江の、お母さんに対する見方や感情もあるんですけど、(斉藤さんの)ひとつひとつの仕種が見たくないものだったり、『なんでそんな目ができるの?』という視線で…。一緒にやってて怖かったです」。なぜ、このタイミングで再び広瀬さんと?そんな問いに、是枝監督は「僕は、(広瀬さんを)成長と共に撮り続けていきたいって思ってる。『是枝さんは、もういいかな』って嫌がられない限りね(笑)」と語る。何が是枝監督、いや、多くの映画監督にそう思わせるのか?「そりゃもう、女優としてのポテンシャルの高さを引き出したいという、演出家の欲を掻き立てる対象なんじゃないですか?(自身が撮ることで)もっと出てくるんじゃないか?って」。あと1年足らずで広瀬さんは20歳を迎えるが、是枝監督は早くも「20代のどんなすずを撮ろうかな?って考えてます」と笑う。学生から大人の女性、母親…いったい、どんな広瀬さんの“いま”を切り取ってくれるのか?楽しみに待ちたい。(photo / text:Naoki Kurozu)
2017年09月11日アーティストで俳優の福山雅治が主演し、是枝裕和監督がメガホンをとる映画『三度目の殺人』(9月公開)の出演者が21日、明らかになった。同作は、第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』以来2度目となる福山×是枝監督タッグのオリジナル脚本作品。福山は勝利にこだわる弁護士・重盛を演じ、役所広司演じる殺人犯・三隅と対峙することになる。今回発表された出演者は、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功の7名。是枝監督の『海街diary』(2015年公開)で「第39回日本アカデミー賞新人俳優賞」「第89回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞」を受賞した広瀬は、再び是枝作品に出演することとなる。『海街diary』の際、広瀬には台本が渡されず、現場で是枝監督の口述によりセリフを入れるという子供への演技指導の手法がとられたが、今回は女優として台本を持って挑戦する。物語の鍵を握る、被害者の娘・山中咲江という役を演じることとなるが、広瀬は「どんなシーンでも咲江が見ているもの、感じている事を私と同じ感覚で感じてくださって、言葉をくれる監督はやっぱりとても心強く、凄く気持ちがいいです」と語った。一方、是枝監督は広瀬について「女優としての成長を作品ごとに感じているのでもう一度きちんと自分の作品の中で向き合ってみたいと思いました」と起用の理由を明かした。広瀬が演じる咲江は「背負ってるものが多いにも関わらず、人のせいにしない、被害者としてではないあり方をする、今の時代に希有な強さをもった少女」であり、広瀬の「芯の強さ、何者にも寄りかからず自分の足で立っている感じ」に期待を託した。斉藤は、咲江の母親であり被害者の妻である山中美津江を演じる。是枝監督は斉藤について「30年前から部屋にポスター飾るほど憧れた女優さん」と熱い思いを明かした。是枝監督は「念願叶って映画に出演いただきます」と喜び、撮影では斉藤の「役がおりてきたときの入り込み方と、その一方でご自身の演技を冷静にみている姿」にすごみを感じたという。そして「斉藤さんと広瀬さんはよく通る、少し影のある声質が似ていて、母娘役に選んだ理由のひとつです」と2人の共通点を語った。また、吉田は福山演じる重盛と司法修習で同期だった弁護士・摂津大輔役としてともに事件解明に奔走し、満島は重盛の事務所に所属する若手弁護士・川島輝役で福山と初共演する。さらに松岡は重盛の弁護士事務所の事務員・服部亜紀子役、市川は事件の担当検察官・篠原一葵役、橋爪は重盛の父で元裁判官の重盛彰久役に決定した。
2017年02月21日阿部寛が“ダメ人生”を送る中年男を演じた是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』。このほど、北欧ノルウェー最大の国際映画祭、第26回フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭にて、グランプリに当たるシルバー・ミラー賞を受賞したことが分かった。ダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部さん)は、15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家。いまは探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母・淑子(樹木希林)。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなり、“元家族”で一夜を共に過ごすことになるが――。“海よりもまだ深い”人生の愛し方を優しく教えてくれる本作が、毎年約3万人の観客を動員するノルウェー最大の映画祭、フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭にてシルバー・ミラー賞(グランプリ)を受賞。今年は10月6日(木)~10月16日(日)まで開催されていた同映画祭は、1991年からノルウェーの首都オスロで開催、アジア、アフリカ、ラテンアメリカから約100本の長編映画が上映され、メイン・コンペティション部門では1本の作品をグランプリとして選出する。今回の快挙に是枝監督は、「寒い北国の、小さな映画祭で、とても暖かなご褒美をいただきました。勲章が似合わない映画だと自分では思っていましたが、国境を越えて観客の方々に泣いて、笑って貰えるのは、やはりとても嬉しいことでした」と、その喜びを語っている。『海よりもまだ深く』ブルーレイ&DVDは11月25日(金)より発売&レンタル開始。(text:cinemacafe.net)
2016年10月18日2016年11月、80年の歴史に幕を下ろし移転する築地市場を、1年以上も密着し初映画化する『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』。この度、5月19日(現地時間)より開催されている「第42回シアトル国際映画祭」にて、本作の監督である遠藤尚太郎が登壇した。世界一の魚市場<TSUKIJI>。初めて1年4か月にわたる長期撮影が許され、カメラが捉えた知られざる市場の姿、そして人々の息づかいと心揺さぶる生き様を捉えた築地市場初の映画が本作。使命感を持って働く魚のプロフェッショナル<仲卸>の日々の営みや彼らを取り巻く人間模様を、築地の四季と共に美しい映像で紡ぐ。世界中の料理人から旅行者まで魅了してやまない“TSUKIJI”の真の姿が初めて浮き彫りになる――。今回本作が出品されている「シアトル国際映画祭」は、世界85か国から長編&短編映画、合計421本が集まり上映。北米最大かつ最高の動員数を誇る映画祭だ。現地時間の5月19日~6月12日の25日間行われ、今年で42回を迎える。5月31日、SIFF Cinema Uptownにて本作のワールドプレミア上映が行われた。そこは、シアトル市中心街にほど近いオシャレな街、クイーンアンの目抜き通りに立地する昔ながらの映画館。いまや世界遺産となった和食の全米でのブームをけん引するシアトルとあって、この日のチケットはすでに完売。それにもかかわらず、観客は開場前から席の確保に角をひとつ曲がるほど長い列を作っていた。観客は老若男女幅広い層で、地元メディア、レストラン関係者、日本への旅行あるいは滞在経験者、高齢の日系人などの姿も見られ、220席ある会場は満員となり、大きな熱気に包まれた。上映前には遠藤監督が登壇し、同じシーフードの街であるシアトルで世界初公開となった縁を喜び、感謝の言葉と共に同作の記録的価値、そして単なるドキュメンタリーに終わらない映画としての厚みなど作品への思いを熱く語った。そして上映が始まると、満員の会場からは、日本らしい四季折々の風景や美しい魚料理に感嘆の溜息が漏れ、市場で働くプロフェッショナル達の粋な会話やユーモアに、関心や笑い声が上がり、市場ならではのマグロを扱うシーンや、せりのシーンでは大きな反応が。また、エンドクレジットが流れ始める前から沸き起こった大きな拍手と共にスタンディングオベーションが沸き起こっていた。さらに観客の間では、「素晴らしかった」の声が重なり、異国の地・アメリカで多くの人に本作が認められたことを示していたようだ。上映後の質疑応答には、監督やプロデューサー陣のほか、この日のためにボストンから駆け付けた映画にも出演する文化人類学者でハーバード大学のテオドール・ベスター博士も参加。一番難しかったことは? という質問に遠藤監督は「すべてのことが大変でした。まず、パソコンにある約600時間を私が編集したのでまとめる作業が大変でした」と語った。また、テオドール博士の本に感動し、連絡をとることを決めたと話す遠藤監督の言葉を受け、テオドール博士は「私の本を楽しんで読んでくださって満足しています。奥田プロデューサーからの1通のメールがきっかけで繋がりました」と出会うきっかけを明かしていた。なぜ築地市場は閉鎖されるのか?という問いには「移転する理由は色々あります。まず老朽化、時代遅れになってしまった設備、新しい時代に求められている物流により適しているなどの理由が挙げられます。個人的には悲しいですし、移転して欲しくないんですけど、時代のニーズの面に際して仕方がないことかなと思っています。新しい市場が楽しみです」と語り、テオドール博士は「映画では触れていないのですが移転に関してはいくつかの抗議もありました。しかし築地市場が移転を決定した大きな理由のひとつに2020年の東京オリンピック開催に向けて東京の街を再構築するプロジェクトの一部に築地も入っている事も挙げられると思います」と海外の人たちに向けて分かりやすく説明していた。今回の上映を観た観客は「アメリカにいる日本人として誇りに思う。自分がまさに和食を通してアメリカ人に知ってもらいたいと思っていることがたくさん詰まっている映画。築地市場に深く入り込んで撮影していることに感動した」(俵裕和「懐石料理人/WA’S Kitchen」)。「すべての五感を刺激する映像で楽しませてくれた。匂いだけがなくて残念(笑)」「築地市場における魚のクオリティーの追求には頭が下がる。感動した」などと絶賛の声が挙げられていた。『TSUKIJI WONDERLAND (築地ワンダーランド)』は10月1日(土)より築地東劇先行公開、10月15日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年06月02日昨年の1、2月に放送され大きな反響を呼んだ「岩井俊二のMOVIEラボ」のシーズン2の放送が決定。進行役の千原ジュニアをはじめ、堤幸彦、是枝裕和、長澤まさみといったゲストが登場する。最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開を控える映画監督の岩井俊二が主宰を務める本番組。シーズン2の今回は、1回の放送ごとにそれぞれ「走る」「闘う」「恋をする」「嘘をつく」のテーマを設け、古今東西の映画から名シーンをセレクト。ゲストとともに、そのシーンがどうように撮影され、監督たちがどんなことを表現しようとしたのかを探求する。第1回及び第2回のゲストには、昨年『天空の蜂』を手がけた映画監督の堤監督とアクション・コーディネーターの諸鍛冶裕太が登場。第3回及び第4回のゲストには、第39回日本アカデミー賞で作品賞ほか最多12部門受賞『海街diary』の是枝監督と、同作で優秀助演女優賞を受賞した長澤さんが登場する。撮影の裏話はもちろん、岩井監督とどのような対話が繰り広げられるのかに期待がかかる。また、会場にはプロの映像クリエイターを目指す若者が聴講生として参加。「1分スマホ映画ロードーショー」として、彼らにスマホを使った1分間のミニ映画を制作してもらい、その優秀作品を講師陣が講評していく。新しい才能に対して、監督たちがどんなコメントするのかが楽しみだ。「岩井俊二のMOVIEラボ」のシーズン2は、2月4日(木)よりEテレにて毎週木曜日23時から全4回放送。(text:cinemacafe.net)
2016年01月22日『そして父になる』『海街diary』の是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』が来年5月21日(土)から公開されることが決定した。阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、樹木希林らが出演し、現代を生きる家族の姿を描くという。その他の画像本作で阿部が演じる良多は、15年前に1度だけ文学賞をとった売れない作家で、現在は“取材”と言い訳しながら探偵業をしている大人になりきれない男。息子がいるが、妻と離婚しており、母は団地でひとりで暮らしている。そんなある日、たまたま母の家に集まった良太と元妻、息子は台風のために翌朝まで帰れなくなり、夜が明けるまで“家族”として過ごすことになる。是枝監督は「この映画に登場する、阿部寛さん演じる息子も、樹木希林さん演じる母親も、真木よう子さん演じる別れた元嫁も、みな『こんなはずじゃなかった』という思いを抱きながら、夢見た未来とは違ってしまった今を生きています。そして、映画の主な舞台になる公団住宅も、建設された当時は思いもしなかったであろう、老人ばかりの現在を生きています。今回の映画は、そんなどうしようもない現実を抱えながらも、夢を諦めることも出来ず、だからこそ幸せを手に出来ないでいる、そんな等身大の人々の今に寄り添ったお話です」と説明。「なんというか、僕が死んだ後に、神様か閻魔様の前に連れて行かれて、お前は下界で何をしたんだ、と問われたら、真っ先にこの『海よりもまだ深く』を観せると思います。集大成とか、代表作といった言葉がふさわしいわけではないのですが、自分の今を一番色濃く反映出来た作品であることは間違いないです」と語っている。また主演の阿部は「是枝監督の現場は初めてではありませんが、監督は僕らの演技をしっかりと見ていてくださるので、すごく安心感があります。監督の判断にゆだねれば絶対大丈夫だという安心感。作品を最良のものにするための監督の精神は、本当に尊敬しています」と語る。劇中に登場する団地のシーンは、是枝監督が9歳から28歳まで住んでいた東京都清瀬市の旭が丘団地で行われ、樹木は「撮影中、子供時代を知ってる方々にすれちがう、我が団地の出世頭『コレエダ!』わたしは忘れものしても、とりに戻らない。さてこの映画、まあまあなのか上出来なのか、蓋をあけてみるのが楽しみ」とコメントを寄せている。『海よりもまだ深く』2016年5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2015年12月25日綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが姉妹を演じる、是枝裕和監督の『海街diary』。この度、スペインで開催された第63回サンセバスチャン国際映画祭にて観客賞を受賞したことが分かった。鎌倉で暮らす幸、佳乃、千佳の三姉妹は、15年前、家を出ていったきりの父の葬儀で、初めて異母妹のすずと出会う。身寄りのなくなった彼女が葬儀の場で毅然とふるまう姿に、幸は別れ際、とっさに「いっしょに暮らさない?4人で」と口にする。こうして、鎌倉での四姉妹の生活が始まった――。今回、世界の映画祭で評価をされた作品などでスペイン未公開作を上映するパールズ部門出品の13本に選ばれていた本作。本年度カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『黒衣の刺客』などもエントリーされていたが、10点満点中平均8.53点と最高点を記録した『海街diary』が見事受賞した。会場では、公式上映後も帰らない観客たちが劇場入口で拍手喝采で是枝監督を取り囲み大盛り上がり。過去には『奇跡』(’11)では脚本賞、『そして父になる』(’13)では観客賞を受賞している是枝監督。受賞を受けて監督は、「上映後に劇場から出てきたお客さんの表情がとても穏やかで、晴れやかだったので、それだけでも沢山幸せを頂いたと思っていたのですが、観客賞を受賞したと聞き、本当に嬉しいです。『そして父になる』に続いて2作連続の受賞というのも誇らしい限り。愛されてるなあ、としみじみ感じています」と喜びのコメントを寄せた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年09月28日それは熱望という以上の強い感情だった。現在の邦画界にあって、オリジナル脚本での映画作りを許されている数少ない映画監督の一人である是枝裕和監督。実際、長編映画デビュー作『幻の光』こそ宮本輝の小説の映画化であったが、2作目『ワンダフルライフ』以降はほぼ一貫してオリジナル脚本を自ら執筆しており、非オリジナル脚本作品は『空気人形』のみ。これとて原作となった業田良家の漫画はごく短いもので、監督自身が物語を膨らませることで長編映画に仕上げた作品である。そんな是枝監督が第1巻の最初の1話を読みながら自らの手で映画化したいと強く思った――いや、当人の言葉を借りるなら「これは絶対に誰かが映画化するって言い出すぞ。いやだ!撮られたくない!と思って手を挙げた」のが、吉田秋生の人気漫画である「海街diary」(小学館刊)である。物語の中心となる4姉妹に上から綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずを配し、原作の舞台である鎌倉での撮影を敢行し完成した映画『海街diary』。いまなお連載の続く漫画をどのように料理し、組み立て、新たな是枝作品は出来上がったのか?是枝監督にじっくりと話を聞いた。鎌倉の古い木造一軒家に姉妹3人で暮らす幸、佳乃、千佳。そんな彼女たちの元に、かつて家族を捨てた父親の訃報が届く。山形で行われた葬儀で3人は、父が遺した腹違いの妹・すずと出会い、幸のひと言で彼女を鎌倉の家に引き取ることになり…。「1巻の最初に3人が父親の葬式で山形に行って、(すずを加えた)4人が高台に登って街を見下ろす。そこですずが泣くんだけど、そこで4人のシルエットが重なって蝉時雨が…というシーンが素晴らしくて、やられちゃった(笑)。ここ、カメラは絶対にクレーンアップだし、音楽ももう鳴ってたもん(笑)。映像になるために描かれた画だったんです」。実は、そのタイミングでは、すでに原作の映画化権は別の人間に押さえられていた。「だから1回、あきらめたんですよ。そうしたら、(権利を)手放したという連絡が入って、じゃあ今度こそって。そこまでするのは初めてでしたけど、あきらめた後もずっと、いち読者として漫画は追い続けていたんですよ。読みながらいろいろ考えていたものが、もう一度できそうだということになって、思いのたけをぶつけてみようと。熱いんですよ、今回は(笑)」。映画化が決まり、脚本にしていく過程を是枝監督は「吉田さんの中に深く潜っていく感じ」と表現する。「何を考えて吉田さんはこういうシーンにしたのか?読み解いていきました。他人の作品をこんなに読んで、読んで、読んで…というのはなかなか。そこからスタートして、でも途中からは(綾瀬さんらキャスト)4人を選んだので、この4人をどう動かしていくか?という演出家の視点にシフトしていきました。例えばですが原作の1話目は、なぜ佳乃が恋人の部屋のベッドで目を覚ますところから始まるのか?家から始まってもいいはずなのになぜなのか?そんなことを考えていくところから始まりました」。「不在者」と「残された者」、「死」と「記憶」――海外映画祭の常連でもある是枝監督の作品について語る上で頻出するキーワードと言えるが、この脚本執筆の思考の過程でまさに、こうしたテーマとぶつかった。「原作者の吉田さんには『お任せします』と言われたんですが、唯一、『アライさんだけは出さないでください』と言われたんです」。アライさんとは原作にも幾度となく出てくる人物で、看護師である幸の後輩なのだが、連載を通じてなぜか幸をはじめ他人の会話の中でその存在が語られるばかりで、本人の姿は一度も登場しない。「それを深く考えていくと、この物語は、出てこない人間が重要な役割を果たす作品なんだと改めて思い直しました。そう思って読み直すと、キーになる人物――4人の父親やすずの母親などの姿は出てこないんですよね。その人たちを意識しながらみんな、生きている。生きていない人間を回想で出さずに、どうやって生きている人間に重ねながら生きていくか?すごくアクロバティックなことを要求されているんだなと受け止めて、細かい積み重ね、どうやっていない人を感じさせられるか?やれるだけやろうと覚悟が決まりましたね」。そうした作業の中で是枝監督は、原作漫画にはない映画オリジナルのシーンをいくつも加え、溶け込ませていった。その理由、それぞれのシーンの作られ方も千差万別である。例えば、3姉妹の母親でいまは再婚して離れて暮らす都(大竹しのぶ)とすずが顔を合わせる鎌倉での法要のシーン。都にとって、すずは夫を奪い、家族を壊した女の娘であるわけだが、ここで原作にはない、都とすずの2人だけのシーンを加えた。「(原作のまま)グループショットで押すというやり方もあったけど、一度、あそこですずを単独にしておいて、家に戻ってからの流れ(※帰宅後に起こる姉妹と母親たちの騒動)のために、彼女に強めの“圧”をかけておいた方がいいと思って、意地悪で書きました(笑)。あえて、そうやってバランスを崩すために加えたものもあります」。また、撮影が始まってから女優陣の芝居を見て急遽、新たなオリジナルシーンを加えたことも。「病院で幸と二宮(風吹ジュン)がバッタリ会って『最近、胃の調子がね』というやり取りを撮っていて『また来てちょうだいよ、お店』と二宮さんが言って、幸が『懐かしいな』と言うんですが、その顔を見て、幸は律儀な子だから、実際にお店に行くだろうと思ったんです。あの店には、(自分たちを捨てた)父親の記憶もあって、おそらく意識的に行ってなかったんでしょうけど、そう言われたら行く気がした。だから、原作に4人であの店に行くというシーンはないんですが、それで描いてみると『あ、このシーンがあれば最後のシーンも成立するな』とか、描いていく中で骨格が見えてきた。そういうことは今回、意外と多かったです」。キャスティング、オリジナルシーン、原作から削除されたシーン、世界観etc...人気漫画であればあるほど、連載が長いほどに映画化には賛否がつきまとう。是枝監督は完成した作品について「原作と映像の関係で言うとうまくいったと思う」と自信をのぞかせるが、その手応えの理由を語る上で口をついて出たのが、夏帆さん演じる三女・千佳の存在である。ちなみに幸ら姉妹のそれぞれの特徴や演出について語る文脈で、是枝監督は三女・千佳についてこんなことを語っていた。「撮影前に何組が3姉妹を取材したんですが、どこの家でも長女と次女は洋服の貸し借りをするけど、三女は趣味が変わってるからしないの。『あいつの服は借りられない。あいつの音楽の趣味もわかんない』って(笑)。上の2人を見て、違う道を行くんだよね。原作でも千佳は一人だけ違う服着て、髪型もアフロ。上の2人と違うノリとリズムで生きていて、2人の対立に左右されない子がいることで、対立が深まり過ぎないというバランスの取り方をしてるんです」。その上で、映画では千佳をアフロにはしないことにした。それを、監督は映画化の成功の“勝因”のひとつに挙げる「それは判断として大きかったと思う。アフロであるってどういうことか?と考えると、やはり姉たちとは違う美意識で生きてるということ。池田(貴史/※千佳の恋人)さんはアフロだけど、そのアフロのオヤジの隣に居場所を見つけているということ――つまり、趣味がきちんとそこにリンクしているのであれば、別にアフロじゃなくても行けるし、アフロにしてしまうとコミックをなぞる感じになって、人間としてむしろわかりやすくなっちゃう。だから、そこを一度、捨ててみようと思ったし、むしろ夏帆さんであればアフロにはしないだろうと思った。アフロにせずとも姉2人と違う感じが出せれば、映画としてはその方がいいんじゃないかという方向性に行けたのがよかったんじゃないかと思います」。改めて、吉田さんによる現在進行形の原作を是枝監督は「少女漫画の枠を超えてすごく“大きなもの”を描いていると思う。それは人間ではなく、街だったり、時間だったりしていて、だからこそ、これは『鎌倉4姉妹物語』ではなく『海街diary』なんだと思う」と評する。さらに、こうも続ける。「よく『この作品を撮って家族観が変わったか?』と聞かれますが、そもそも、自分に確固たる家族観があったのかがよくわからない(笑)。ただ、なぜこの原作漫画が面白いのかと言うと(同じく吉田作品の)『櫻の園』は『過ぎ去った時間はもう戻ってこない…』というある種の残酷さを描いているんだけど、この『海街diary』は『過ぎ去った時間が時と共に自分の中で形を変えていく話』を描いていると思うんです。特に幸にとっては。反発していた母親に久しぶりに会う。嫌って否定していた父親がすずを残してくれた。そうやって、幸の中で過去が書き換えられていくことが、彼女の成長になっていくというのが、すごく大人の人間描写だと思うんです。時間が彼女の中でどう変化するのか?それは見えないけど、この原作の豊かさなんだなと。それを何とか映画で描きたかった。自分が父親になったことで、もう亡くなってずいぶん経つ父親のことを思い返している自分がいるんですよ。この年齢のとき父は…と考えてる。疎遠だったんだけど、自分の中でちょっとずつ形を変えている。自分が子供と接する中で、そういうことが自分の中で起きているから、映画を撮りながら幸の変化にすごくシンパシーを感じていたんです」。美しき原作に、私小説のように監督自身の思いを編み込みながら、4姉妹と共に紡ぎ上げていった『海街diary』。観客がどのように受け止めるのか?是枝監督は静かにその反応を待つ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年06月12日是枝裕和監督最新作『海街diary』公開を前に、是枝監督の前作『そして父になる』に続いて本作のカメラマンを務めた写真家の瀧本幹也が撮影の過程を収めた写真集「海街diary」が発売。5月27日(水)、是枝監督、瀧本さん、主演の広瀬すずによるトークイベントが開催された。現在も連載が続く吉田秋生の人気漫画の実写化で綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆という豪華女優陣が広瀬さんの腹違いの姉を演じている。育ての親の祖母亡きあと、鎌倉の家で暮らす3姉妹の元に、かつて彼女たちを捨てた父が亡くなったという知らせが届く。その葬儀の席で出会った腹違いの妹を鎌倉の家に引き取り、4人は一緒に暮らし始めるのだが…。先日閉幕した「カンヌ国際映画祭」に出品され、是枝監督、瀧本さん、そして広瀬さんを含む4姉妹が現地を訪れたが、是枝監督は「4人をカンヌに連れて行くことができて幸せな時間でした」と笑顔で語る。広瀬さんも「楽しかったです。映画の街だなというのが印象的でした。思ったよりも緊張することなく、お姉ちゃんたちとレッドカーペットを歩けたのが楽しかったし嬉しかったです」とニッコリ。カンヌ滞在の様子は日本でもTV番組などで紹介され、カンヌの常連である是枝監督のおすすめのパンナコッタを食べる様子なども映っていたが、広瀬さんは「いままで食べたデザートの中で一番おいしかったです!」と嬉しそうに語っていた。今回の写真集の写真は、瀧本さんが撮影の合間やセットチェンジの時間に撮影したものが収められている。広瀬さんは「映画の中で食事しているシーンでも、カットがかかっても4人ともずっとそこで食べ続けてるんです、おいしいから(笑)。そこで自然な世界に生きているのを感じたし、そういうところを撮られてる」と語る。是枝監督も「4姉妹のこの時しかない瞬間――特にすずは、そういう瞬間を切り取られています」と瑞々しい一瞬が収められていると強調する。瀧本さんは、4姉妹が暮らす古い民家の縁側に惹かれたようで、そもそも、そこに佇む姉妹の姿に写真家として刺激され、撮影が始まってから写真集という形で記録を残すことを考えたとのこと。「セットチェンジのときでも普通は控室に戻るのに、そのままみんな、縁側に座っていた」と述懐。広瀬さんはその時の会話について「あそこの食べ物屋さんがおいしいという話か、監督や瀧本さんの話もしてましたよ」といたずらっぽい笑みを浮かべていた。写真集「海街diary」(青幻舎刊)は発売中。『海街diary』は6月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海街diary 2015年6月13日より全国にて公開© 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン小学館東宝ギャガ
2015年05月27日現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門のトップバッターとして『海街diary』が上映されたカンヌの常連・是枝裕和監督が、かつて同映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』で主演を務めた俳優・福山雅治と豪華再タッグを組んだJCBオリジナルシリーズの新TVCM「かけがえのない毎日」篇。このたび、本CMカットとメイキング画像が解禁された。今年でデビュー25周年を迎え、8月には自身史上最大規模となるスタジアムライヴツアー「福山☆夏の大創業祭 2015」を開催予定、さらに6年ぶり、3度目となる故郷・長崎県の稲佐山での凱旋ライブ開催も決定し、ミュージシャンとして不動の人気を誇る福山さん。音楽活動だけに留まらず、ラジオパーソナリティやカメラマンなど多彩な活躍ぶりで人気を集め、俳優としても唯一無二の存在感を放つ。2010年にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」で主演を務め、フジテレビ系ドラマ「ガリレオ」シリーズではドラマが連続最高視聴率を記録したほか、シリーズ映画『真夏の方程式』が2013年上半期の邦画実写興行収入1位を獲得。さらに主演作『そして父になる』は第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて審査員賞を受賞し、日本を代表する俳優として各国から注目を浴びた。本CMでは、「AKB48」のミュージック・ビデオや、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で史上最年少の最優秀男優賞を受賞した『誰も知らない』を手掛けた是枝監督が、監督・脚本・編集を担当。一本のストールを巡った家族の絆や幸せを描き、“さりげない1日の中に、実は幸せが詰まっている”ことを表現している。撮影は、3月下旬とは思えないほどの暖かさの中、神奈川県横浜市内にて敢行。既に作品を作り上げたことがある福山さんと是枝監督なだけに、現場では互いの考えをすぐに理解し撮影に挑む場面が見受けられ、ほとんどNGも出ることがなかったそう。解禁されたメイキング写真でもにこやかな2人の様子が写っており、撮影が順調だったことが伺える。また、本編CM映像より、キーアイテムとなるストールを巻く福山さんや、家族で並んで歩く後姿が微笑ましく印象的なCMカット画像も解禁。映像では、是枝監督の心の動きを追う優しさあふれる演出や繊細な映像、そして全体を包む優しい音楽が揃い、まるで一本の映画のような仕上がりになっているようだ。気になる本CMのストーリー全貌が楽しめる80秒映像は、JCBオリジナルシリーズサイトにて限定公開中。また本CM「かけがえのない毎日」篇は、5月23日(土)より全国にてTV放映予定だ。(text:cinemacafe.net)
2015年05月23日平成27年大相撲1月場所で実際に使用された土俵の砂、土、俵を使用した「大相撲土俵グッズ」が発売される。従来場所が終了すると廃棄処分となっていた土俵の土や砂を、日本相撲協会の協力を得て、その一部を回収して再利用。本物の砂、土、俵を使用した記念グッズ3点を数量限定で販売する。目玉は土俵部分に実際に使われた砂を接着して製作された「国技館土俵記念3Dミニチュア」。千秋楽後の土俵を3Dレーザーでスキャニングして土俵の表面のウネリや細かい形状も完全再現している。そのほか、勝負俵と土をあしらった「国技館勝負俵記念タテ」、土、砂、俵をお守りの中に詰めた「国技館土俵お守り」など。発売は5月24日(日)午前10時より、「チケットぴあ」Webサイトにて。
2015年05月22日『誰も知らない』『奇跡』など数々の作品で国内外から高い評価を集めている是枝裕和監督の最新作に、福山雅治が出演することが決定した。2013年秋公開をめざすタイトル未定の本作で、福山はどんな役を演じるのだろうか?その他の写真福山が主演で映画出演するのは、2008年10月公開の『容疑者Xの献身』以来約5年ぶりで、福山サイドから是枝監督に「一緒に映画を作りたい」というメッセージを投げかけたところ、是枝監督がこれを快諾。是枝監督は「映画のストーリーを決める前から何度も福山さんにお会いして、どんな映画にするか?どんなキャラクターを演じてもらうか?一緒に考えて来ました。新鮮なコラボレーションがどう作品に結実するか、僕自身も期待しています」と語り、福山も「是枝監督が2012年のいま、リアルタイムで思い描くテーマに参加したい、という事が動機でした。どんな役でもやらせていただければと思っています。とにかく楽しみです!」と意気込みを語っている。ちなみに映画のタイトルや物語はまだ不明だが、是枝監督は福山の演じる役どころについて「都内の一流企業に勤めるエリートサラリーマン。とにかく嫌なやつ。すぐ金の話をして、かげで他人の悪口を言うような。小さい男」といい、「(福山に)お会いしたらとてもまっすぐで爽やかだったので、全く逆の人間をやらせたら面白いんじゃないかと思いました」と説明している。本作は昨日より撮影を開始し、2013年秋に公開予定。配給を手がけるギャガは、国際映画祭への出品、海外公開も視野にいれているという。
2012年03月26日アーティスト、俳優として幅広いフィールドで活躍する福山雅治が、約5年ぶりとなる最新主演映画で、日本映画界を牽引する名匠・是枝裕和監督とタッグを組むことが発表された。一昨年に放送され高視聴率を収めたNHK大河ドラマ「龍馬伝」では坂本龍馬を演じ、社会現象を起こすと共にギャラクシー賞を受賞するなど役者として高い評価を得た福山さん。映画への出演はゲスト出演作品が数作のみで、主演を務めた映画は2008年に公開された『容疑者Xの献身』のみと意外に少なく、主演作は同作以来約5年ぶりとなる。本作で初タッグを組むのは、『ワンダフルライフ』(’99)、『誰も知らない』(’04)など数々の傑作人間ドラマを送り出してきた是枝監督。柳楽優弥に史上最年少の最優秀男優賞をもたらしたカンヌ国際映画祭など、国際映画祭の常連としても知られる監督とあって、福山さんの海外へのアプローチも期待される。未だタイトルの決まっていない本作は、3月25日(日)にクランクインを迎えたが、福山さんは「是枝監督が2012年のいま、リアルタイムで思い描くテーマに参加したい、ということが動機でした。ですから、どんな役でもやらせていただければと思っています。とにかく楽しみです!」と意気込み十分。是枝監督も初めてとなる福山さんとのタッグに「映画のストーリーを決める前から何度も福山さんにお会いして、どんな映画にするか?どんなキャラクターを演じてもらうか?一緒に考えて来ました。新鮮なコラボレーションがどう作品に結実するか、僕自身も期待しています」と胸膨らませる。国際映画祭への出品を始め、海外での公開も視野に入れているという本作。公開は2013年の秋を予定している。
2012年03月26日小学生の兄弟お笑いコンビ「まえだまえだ」(前田航基&旺志郎)の2人が是枝裕和監督の最新作『奇跡』に主演することが決定!大塚寧々、オダギリジョー、夏川結衣、阿部寛、長澤まさみ、原田芳雄、樹木希林、橋爪功らが共演することもあわせて発表された。来年3月に九州新幹線が開業するのを機に九州を身近に感じてもらうべく、本作の企画は始動。鉄道好きであり、かつて柳楽優弥にカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞をもたらした『誰も知らない』とは違った形の子供を描いた作品を撮りたいと考えていた是枝監督の元にプロデューサーを通して相談が持ちかけられ、完全オリジナル脚本であることを条件に是枝監督はメガホンを取ることを承諾したという。通常、撮影許諾を取得することが非常に難しいとされる新幹線を撮影できるという点も、監督が魅力に感じた一因であるとか。まえだまえだの2人が演じるのは、両親の離婚により、離れて暮らす兄弟。兄の航一(航基くん)は母と祖父母と鹿児島で暮らし、弟の龍之介(旺志郎くん)は父親と福岡で暮らしているが、2人は何とか昔のように、家族4人で仲良く暮らせないかと頭を悩ませている。まもなく開業する九州新幹線について、開業の日に博多から南下する「つばめ」と鹿児島から北上する「さくら」の一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起こる、といううわさを聞きつけた2人は、ある壮大で無謀な計画を立て、周囲の人間をも巻き込んでいく――。是枝監督は、まもなく始まる撮影を前に「オーディションで出会った子供たちから得たインスピレーションで物語を作り、彼らと会って話したことで登場人物のキャラクターと台詞が生まれました。子供と一緒に映画を作るのはとても刺激的でワクワクの連続です(スタッフはハラハラしていると思いますが)。まえだまえだ兄弟をはじめ、この時期の子供たちが持っている“奇跡”のような輝きをフィルムに焼きつけるべく頑張りたいと思っています。お楽しみに」と意気込みを語る。また、「鉄道好き」といううわさについては「出演していただく原田芳雄さんなどを前にして、とても“鉄道マニア”などと僕は言えません。撮り鉄でも乗り鉄でもありませんが、電車が通過するときの…すれ違うときのワクワク感というかゾワゾワ感を何とか映画の中で描きたい。そう思っています」とコメント。劇中でも兄を演じるまえだまえだの航基くんは「とても嬉しいですが、とても緊張しています。自分も役と一緒の小6なので、中学生になる前に、旺志郎と一緒に映画に出演できるのも嬉しいです。監督はその日まで内緒と言って、僕たちは台本をもらってません。その場その場で撮影するみたいなんで、どんな映画になるか、とてもとても楽しみにしてます。どうやら桜島が噴火する話やないかと旺志郎としゃべってます。水着の衣裳があったので水泳選手の話かな?一生懸命頑張ります!」と期待に胸を膨らます。弟の旺志郎くんも「代表作になるとマネージャーさんに言われました。初めて映画に出るのでめちゃめちゃ嬉しいです!九州はゆっくり行ったことがないので楽しみです。ご飯も美味しいと聞いたのでいっぱい食べたいです!」と撮影を待ち焦がれている様子。2人以外の配役は、大塚さんが2人の母親で、父親で売れないミュージシャンをオダギリさん。是枝作品の常連、夏川さんは大塚さん演じるのぞみの友人でスナックのママを演じ、『歩いても 歩いても』に続いての是枝組参加となる阿部さんは航一の担任の先生役。長澤さんはその学校の図書室の先生。橋爪さんと樹木さんは2人の母方の祖父母で、原田さんは祖父の親友という役どころとなっている。この共演陣がどのように2人が画策する“奇跡”に巻き込まれていくかも見どころと言えそうだ。航基くんのコメントにもあるように、脚本を俳優に渡さない、もしくは口頭でセリフを伝えるなどといったやり方は是枝監督がこれまでにも用いてきた手法。今回はどのように作品を作り上げていくのか?また、完成後の国際映画祭への出品も気になるところ!『奇跡』は2011年初夏、全国にて公開。■関連作品:奇跡 2011年初夏、全国にて公開
2010年09月16日是枝裕和監督の最新作『空気人形』で、心を持ってしまった空気人形が恋に落ちるビデオ屋の店員・純一を演じたARATA。是枝作品への出演は、彼自身の映画初出演作『ワンダフルライフ』、『DISTANCE』に続き8年ぶり3度目…とここまで書いて、え?まだ3度目?8年も空いてたっけ?という思いに駆られてしまう。“ぴったり”などという言葉では足りない、「彼の存在こそ是枝作品そのもの」と言えるくらいの何かが、ARATAと是枝監督の間には存在しているような気がしてならない。本作でも、韓国から空気人形役に迎えたぺ・ドゥナを挟んで、しっかりとその“何か”を感じさせてくれる。「監督の『人形を常に優しく見守って』という言葉だけで役柄を理解できた」「存在しているかもしれないけど、存在していない」――。ARATAさんは、是枝監督がこれまでにARATAさんに与えてきた役柄に共通する“テーマ”を、禅問答のようなこの言葉で表した。「僕が勝手にそう捉えているだけなんですが、この要素はいままでも、そして今回の役にもあって。ぶれない1本の筋としてあるから、純一という役にスムーズに入っていけました。監督と一緒に“空虚”というものを模索していくという流れでね」。劇中、純一に関して、その心の内面や過去、背景などは一切描かれない。いわば、突然心を持った空気人形以上に謎の存在なのだが、どのように役にアプローチしていったのだろうか?「監督から言われたのは『現場で、人形をいつも優しく見つめてあげてほしい』ということ。正直、その言葉だけで僕の中で、純一の全てを理解できました。彼の私生活の部分やバックボーンといった要素は必要なかった。常に人形のそばにいて、人形が徐々に人間になっていく過程を見つめ、彼女の質問に優しく答えを返す、それだけの行為の中にも彼の位置というのがしっかりとあって、純一という人間を説明することができる、と感じました」。是枝監督が、原作の短編漫画を映像化したい、と思ったきっかけになったのが、穴があいて空気が抜けていく人形に、純一が息を吹き込むという描写。監督はそこに“エロティック”なものを感じたとのことだが、では、映像化に当たってどのように撮っていったかというと…。「ARATAくんには『息を吹き込むとき、一瞬だけ人形を見てくれ』とだけ言ったね。あとは余計な感情表現や演出は一切排除してる。じゃあ何でそこがエロティックに見えるか?それは見た人の中でいろんなものが混ざってそう見えるんでしょうね。僕自身、このシーンに関しては、撮る前から『エロティックに!』ってスタッフ全員に言ってた。でも、どうやって?何で?っていうのは難しいところですよ。強調されてるのはビニールが膨らんでいくパリパリって音だったりして…そんなのエロいわけないでしょう(笑)!そこが面白いところですね、映画にするっていうことの」。繰り返されるテーマ。その原体験は――?ARATAさんの冒頭の言葉にもあるが、「存在と不在」、「喪失」といった要素は、是枝作品を語る上で、常に挙げられるキーワードである。漫画を原作とした本作でも、これらの要素は健在である。監督自身、この点については一貫して「自分では意識していないので、そこに惹かれているのは分かるけど、なぜかというのは分からない」と言っているのだが…。なおも食い下がると、「全然違う話だけど…」と前置きしつつ、自身が初めて携わったというドキュメンタリー作品の話をしてくれた。「ある小学校で牛を一頭飼っていて。その牛が子牛を産んだら、みんなで乳搾りをするという目的で、クラスで世話をする姿を3年間追ってたんです。みんな楽しみにしてたんだけど、母牛が死産しちゃった。子供たちはわんわん泣きながらお葬式して、でも母牛からは乳が出るんですよ。それがおいしいの(笑)!給食のときにみんなおかわりして飲むんですよ。その子たちが書いた詩がすごく良くて、『悲しいけどおいしい』って詩で。まさに、喪失があったゆえに複雑な表現が生まれたんです。何が言いたいかって(笑)、ある価値観の反転や屈折の美しさ、ある種の喪失や欠落をどう乗り越えていくかって姿に、僕は人間の“何か”を見たいんですよね、恐らく」。ARATAさんは、是枝監督のそんな言葉を隣で聞いて、最後に自身にとっての是枝監督の存在の大きさについて、こんな言葉で説明してくれた。「自分の原点、ルーツを見直させてもらえる貴重な、本当に貴重な現場なんです。自分と向き合って…もちろん10年前の自分に戻ってもしょうがないところもあるし、でも大切にしたい部分でもあって。そうした感覚を持つことができるのは、“ここ”だけなんです」。言葉で伝えるのが決して簡単ではない答えをゆっくり、じっくりと語ってくれた是枝監督とARATAさん。映画を観れば、静ひつな映像の中から言葉ではなく、2人が伝えたかった思いがきっと伝わってくるはずだ。(photo:HIRAROCK)『空気人形』ペ・ドゥナ インタビュー■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:板尾&ARATA、カンヌでの居眠りを告白もペ・ドゥナが優しくフォローみずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」
2009年09月29日日本映画界を牽引する是枝裕和監督が、韓国の実力派女優、ぺ・ドゥナを主演に迎えて贈る、心を持ってしまった“空気人形”と人間のラブストーリー『空気人形』。先月開催されたカンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品で喝采を浴びた本作が、これに続き、9月10日(現地時間)から開催されるトロント国際映画祭の「マスターズ」部門に正式出品されることが決定した。1995年、初監督作にしてヴェネチア国際映画祭オゼッラ賞を獲得した『幻の光』以来、全作品が国際映画祭に出品されている是枝監督。トロント映画祭への参加はこれで4度目となるが、今回は実績のある巨匠とされる監督の作品のみが出品される「マスターズ」部門への出品ということで、世界からの高い注目がうかがえる。また現時点では、同映画祭への日本映画の出品は本作のみ、先陣を切っての出品となる。この快挙について是枝監督は、「5月のカンヌでのワールド・プレミアに続き、北米でのプレミアをトロントという素晴らしい国際映画祭で迎えられることを、たいへん光栄に思います。“マスターズ”という世界中の巨匠たちが集う部門への出品は、まだまだ時期尚早とも感じつつも、この市民に支えられた映画祭で『空気人形』が観客からどのように受け入れられるのか、いまから心地よい緊張感を感じています」と喜びのコメント。既に10以上の世界各国の映画祭から出品のオファーを受けている本作だが、トロント映画祭はアカデミー賞レースの前哨戦とも言われるだけにその評価が注目される。『空気人形』は今秋、シネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:空気人形 2009年秋、シネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開© 業田良家/小学館/2009『空気人形』製作委員会/写真:瀧本幹也■関連記事:ペ・ドゥナ、駆け込みセーフに日本語で「遅れて申し訳…」ARATAも板尾もホッ…【カンヌ現地レポ 02】是枝監督、観客の反応に「安心した」『空気人形』初披露【カンヌ国際映画祭】日本から唯一、是枝裕和監督『空気人形』「ある視点」に正式出品是枝裕和、次に描くのは“空気人形”の恋ヒロインには韓国女優ぺ・ドゥナを抜擢!
2009年06月26日