テレビ朝日系「帯ドラマ劇場」枠では、2019年度に清野菜名&八千草薫を主人公に迎え、倉本聰が手掛ける「やすらぎの刻(とき)~道」を放送することが決定。本作は、テレビ朝日開局60周年記念番組と位置づけ1年間にわたって放送、その準備として、2018年度の「帯ドラマ劇場」は1年間休止することを発表した。脚本家・倉本氏の「シニア・高齢層を対象にしたシルバータイムを設置し、帯ドラマを放送すべき」という提案から、2017年4月から創設された「帯ドラマ劇場」。第1弾の「やすらぎの郷」から始まり、「トットちゃん!」「越路吹雪物語」を放送。そして2018年度は休止し、現在「やすらぎの刻~道」の秋からの撮影に向け、倉本氏は昨年から執筆に取り掛かっているという。■ストーリードラマは、「やすらぎの郷」からスタート。「やすらぎの郷」の主人公、作家・菊村栄(石坂浩二)は、以前“ボツ”になったシナリオを思い起こす――。白川冴子(浅丘ルリ子)、水谷マヤ(加賀まりこ)らお馴染みのメンバーが見守る中、菊村はそのドラマをモチーフに、いまは亡き“姫”こと九条摂子(八千草薫)をモデルに据え、どこにも発表する当てのないシナリオを書き始める…。今作は、昭和・平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯を描く物語で、テーマは“ふるさと”。「やすらぎの郷」から始まったドラマは次第に菊村の新たなシナリオ世界に変わり、夫婦の生涯をその時代と共に描いていく。また新たなドラマ「道」の展開と共に、「やすらぎの郷」のその後も合わせて描かれていく予定だ。■主人公は清野菜名と八千草薫昭和初期から始まり、戦中、戦後、平成を描く本作。前半の主演は、「トットちゃん!」では黒柳徹子に扮し話題となった清野菜名。そして、戦後の高度成長期を経て現代にいたるまでの後半、いわば主人公の晩年を八千草薫が演じていく。■倉本聰コメント東京ファーストと人は言います。この言葉に私は疑問を持ちます。東京は地方人の集合体です。たとえ、都会のコンクリートの上で生まれ育った人間が圧倒的にいま増えているといっても、人々はどこかで、そのルーツである“ふるさと”の土の匂いに頼っており、そこに郷愁を感じています。中高年層においては、特にそうです。都会といういわばガラス細工の、砂上の楼閣に暮らしていても人はふるさとの原風景を心の中に秘かに刻んでいます。子どものころ親しんだ、田舎の、未舗装の一本の小道。いまは便利になり、アスファルトで覆われ、高速道路が縦横に走る豪華な世の中になったとはいえ、人々が最後に心に描くのは己の貧しい原風景の中にある“ふるさと”の細い小道ではないか。このドラマはそうした小道の変遷を通して、昭和・戦中・戦後・平成、日本の豊饒への歴史を辿りながら、それに翻弄される一組の夫婦の“倖せ”への郷愁を探り、描くものである。帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」は2019年4月よりテレビ朝日にて放送予定。(cinemacafe.net)
2018年01月24日さまざまな分野を縦横無尽に活躍するエイジレスな女性たち。彼女たちが好きな人・空間・コトには、ずっと探していた「キレイ」のヒントが隠されているはず。 “KIREI interview” では、そんな彼女たちのキレイの秘密を探ります。裏地 桂子さん / ギフトコンシェルジュギフトコンシェルジュとして雑誌・TVなどでもおなじみの裏地桂子さん。忙しい日々の著述業やお仕事のかたわらで、美しくあることへの気配りはもちろん、周囲への心配りも驚くほどきめ細やか。すでに8冊もの著書を発表するパワフルウーマンでありながら、常にしなやかでチャーミング。会うたびに輝きを増す彼女の「キレイ」の秘密を探ります。裏地桂子 Keiko Uraji ギフトコンシェルジュ。クリエイティブコーディネーター。草月流師範。1996年より、『Grazia』『メイプル』『和樂』などの女性誌でライター、コーディネーターとして活躍後、衣食住ライフスタイル全般に精通した知識とそのセンスを生かし、プロデュース、ブランディングなどを数多く手がけている。食通、きもの好き、京都好きでも知られ、講演会やトークショー、執筆活動にも力を入れている。著書に『わたし好みのHAPPYデザインギフト100選』(小学館)、『ほめられきもの宣言』(小学館)、『贈る心得。ご縁結びのスイーツ』(講談社)など多数。昨年10月ワニブックスより刊行した『ごきげん力 8つの育て方』も話題に。裏地桂子ホームページ www.uraji-keiko.com― 先日刊行された著書『ごきげん力』ですが、ページをめくるごとに勇気をもらうメッセージやキーワードが次々と飛び込んできて、「ああ、今この本を読んで本当によかった!」という清々しい読了感。「悩みも心配ごともたくさん。だって人間だもの」というくだりから「そうかぁ。そうよね!」と。相当前のめり気味に読ませていただきました。嬉しいわ。本当に書いているとおり「どうしていつもそんなに元気いっぱいなの?」「悩みごとなんてないでしょう?」ってよく言われるの(笑)過ぎた今だから振り返ってそう思えるのだけど、30代ってまだまだ若いのよね。とにかく体力があるし、周囲から評価もされるようにもなってキャリアもどんどん磨かれて。続いて訪れる40代は、私自身は雑誌のライターを辞めていまのキャリアへとこぎ出す大きな転機となった時期で、それこそ「いけいけどんどん」。新しいことへの挑戦が次から次へと繋がって、変化していくこと自体が楽しくて仕方がなかった時代。でも、いざ「50代」に突入するとなった時、正直想像できないことだらけだったの。明らかな体力の変化に戸惑うことも多かったし、とにかく不安だらけ。でもいちいち落ち込んでいても仕方がないないでしょう? 上を見ればきりがないし、下を見ても仕方がないのよね。そう思って、自分なりにあれこれと試行錯誤しながら「いつまでもキラキラしていたい!」という目的に向かって行き着いた解決策が、この本の主題にもなっている「ごきげんに暮らす」ことだったんです。― これまでの書籍は、贈り物や手土産のテーマや、京都好き、食通、着物などご自身の「好き」が主題でした。今回の『ごきげん力』は今までにないアプローチですよね。本書を書くに至ったきっかけは何だったのでしょう?最近よく若い女性から人生相談を受けるようになって。おしなべて感じるのは、30代は焦っている人が多い。揺れているのよね。私だってそうだったもの。だからご相談を受けるたびに思うんです。今、世の中はセルフコントロールの時代。自分のことは自分にしかわからないのだから、どんどん自分のことを知る作業を重ねるべきなのよって。でも、話を聞いているとみな大体自分で答えを決めているの。私がしてあげられるのは、背中を押してあげることなんだな~と。本書を書く原動力になったのは、自分自身が紆余曲折してたどり着いた答えを共有することで、揺れているもやもやした気持ちや悩んでいる背中を押してあげれるかも! と感じたからなんです。― 本書ではマーカー片手に読みたくなるほど、心にすとんと落ちるキーワードがたくさん登場するのですが、なかでも「好きのあぶり出し」ということばには、膝を打つ女性たちも多いように思います。現代の荒波をくぐって前向きに生きていくには強いセルフコントロール力が必要だと思うんです。まず第一に「私って幸せ!」と思えることはものすごく大切で、そう感じることが多ければ多いほど「ごきげん力」を養うことができると思うんです。本書でも書いてますが、 “好きのあぶり出し” はマスト作業なんですよね。ものすごくシンプルな作業で、頭に思い浮かぶ「好き」なことを何でも良いから紙に書き出していくんです。このステップを踏むと、「どうすれば自分が喜ぶのか」を知ることができるでしょう? たとえ何かで落ち込んでも「そういえば私、朝からお風呂に入ってシャンパン飲むのが好きだったじゃない?」って。そうやって少し自分を甘やかしてあげると「心のリカバリー」が早いんです。― 裏地さんは会うたびに「これものすごくいいわよ!」って、コスメでもなんでも惜しみなく情報公開してくださるんですよね。なおかつその情報がものすごく信憑性があって、どれもこれもすぐ買いに走りたくなるものばかり。50数年生きてきた分、失敗もたくさん。だからその試行錯誤の末に出会った良いものはどんどん人に共有していきたいって思うんです。本に書いていることも含めて、自分が本当に良いなと思ったものはできるだけ多くの人と共有したい。すべて「お福分け」だと思ってるんです。 【後編】へ続く>> (インタビュー・文:松浦明)★裏地さんインタビュー記事【後編】では、「キレイ」になれる愛用品の数々をご紹介! 【後編】はこちら>> 『ごきげん力 8つの育て方』(ワニブックス刊)前向きになりたいと願っているのに、何か心が晴れない。いつもなにか不安に苛まれている。“揺れやすい”女性たちの心に一筋の光が差し込むような感覚で、思わず一気に読み上げたくなる一冊。「自分のご機嫌をとれるのは自分だけ」「好感度をあなどるなかれ」「言霊(ことだま)は私の守り神」「その『いつか』はいつくるの?」気になる章はどこから読んでもOK。マル高出産で子育てと仕事の両立に奮闘中の私自身(インタビュアー)も元気をいただいた一冊です。
2016年01月29日古希(70歳)、傘寿(80歳)を過ぎてもなお、年に複数本の映画やドラマに出演し、日本映画界に欠かせない存在感を放つ八千草薫(82歳)と樹木希林(70歳)が揃って「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」を受賞。11月26日(火)の授賞式に出席した。各分野で活躍する女性を称える同賞だが、今年は受賞者の9人中に4人が女優となった。27歳にして高い演技力で高い評価を集める満島ひかり、モデルとして活躍し、今年ハリウッド大作『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優デビューを果たした福島リラと共に八千草さん、樹木さんという2人のベテラン女優が選出された。八千草さんは現在公開中の『くじけないで』に今年亡くなった実在の詩人・柴田トヨさん役で主演しているほか、アカデミー賞「外国語映画部門」の日本代表の『舟を編む』、ドラマ「最高の離婚」などに出演し存在感を発揮した。受賞に際し「若い人ばかりの中で少々照れますが」と言いつつ、「『VOGUE』は若い頃から読んでました」とも。今年1年を「次から次へと仕事が来て、ありがたいのですが少し疲れました」とふり返り、「若いときと違って頑張らず、いまを生きていければいいかなと思います」と来年に向けた抱負を口にした。八千草さんが落ち着いた着物姿で登場したのと対照的に、樹木さんは色鮮やかな花柄のワンピースで来場。今年3月に日本アカデミー賞「最優秀主演女優賞」を受賞した際、スピーチにおいて、“全身がん”であることを告白したが、この1年を「療養の1年でした」と述懐。体調については「ずっと同じ。いいんじゃない?悪くはないので」と語った。一見、対照的な2人だが、昨年公開の映画『ツナグ』で一緒のシーンはないものの共演を果たしており、この日も肩を並べて笑顔で報道陣の取材に応じた。樹木さんは体調管理について問われ「整形と化粧ですかね?」とユーモアたっぷりに答え、さらに「皇潤です(笑)」と八千草さんがCM出演する健康食品の商品名を挙げ、笑いを誘う一幕も。会場に展示されている「レクサス」のスーパーカー「LFA]のボディに“女性として輝く秘訣”を書くようにと求められると、八千草さんは「いつも楽しく」、樹木さんは「相手を照らし、その反射でチョッと光る」と書き込んだ。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月27日八千草薫を主演に迎え、今年101歳で亡くなった詩人・柴田トヨの半生を描く映画『くじけないで』。11月12日(火)に皇后美智子さまが行啓され、本作の試写会が開かれ、八千草さんを始め、共演の武田鉄矢、監督の深川栄洋と共に作品をご鑑賞された。本作は90歳を超えてベストセラー詩人となったトヨさんが、詩を書き始めるきっかけとなったエピソードや、詩集の背景となった家族のドラマなど、明治から平成までを生き抜いた100年の歴史をトヨさんの詩にのせて丁寧に描く感動のヒューマンドラマ。この日の試写会後に、報道陣の取材に応えた八千草さんは、美智子さまから「観終わってすぐに、『とても良いものを見させていただいた』と仰っていました」と嬉しそうにコメント。さらに映画鑑賞前にもお話しましたといい、「『(武田さんが演じた)健一さんと武田さん(ご自身)はよく似ていますか?』と聞かれたので、とても良く似ていますとお話しました。『どのようなところですか?』と聞かれたので、ダメなところが…(笑)、とお話しした後、健一さんのシーンで3、4回笑ってくださっていて感動しました」と楽しそうに明かしてくれた。また、八千草さんは82歳、美智子さまは79歳とあって、同世代の女性として皇后陛下が仰ったお言葉で心に残っていることは?と八千草さんに向けて質問が飛んだが、何故か武田さんが「オレが代わりに答えます」と一歩前へ。「八千草さんのことを『いつまでもお美しい』と仰っていました。作品に関しては、『誰もが憧れるおばあさまが描かれていました』と仰っていました」(武田さん)。これを受けて、八千草さんは恐縮しながらも「皇后陛下は、心からの美しさがあり、本当に優しさが滲み出ていらっしゃいました」と語っていた。『くじけないで』は11月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:くじけないで 2013年11月16日より全国にて公開(C) 2013「くじけないで」製作委員会
2013年11月13日