何日もうんちが出なくて、子どもがつらそうにしていると、心配になってしまいますよね。おうちでどんなケアをしてあげられるのかわからないというパパやママも多いのではないでしょうか。なかなか病院には行きづらく、聞きづらい「子どもの便秘」。今回は便秘の予防法や対処法について書籍 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 からご紹介します。■赤ちゃんも便秘になる?受診の目安とは便秘とは、排便の回数や排便の量が少ない状態のこと。排便が週2回以下(3~4日に1回というお医者さんもいます)、排便時の肛門の痛みやいきみが強い、などの症状があります。生後数ヶ月以内の赤ちゃんの時期には、便を出す力が弱かったり、踏んばり方が上手でなくて便が出にくいこともあります。必要な量の栄養が少ないために排便回数が少ないこともあります。便の回数が減っていても機嫌がよく、おなかが張らずに体重増加も順調であれば問題はありません。ただ、1週間以上の頑固な便秘を繰り返す場合には、生まれつきの病気が隠れている可能性もあるため、病院でご相談ください。 ▼受診の目安:診療時間内に受診便秘が気になる場合には、診療時間内に受診をお勧めします。早めに受診し、治療を始めることで、予後を改善することができます。病院に連れて行くかどうか迷ったら、次の項目に当てはまるかどうか確認しましょう。当てはまる場合には受診をお勧めします。 ●食欲がなく、食事量(母乳やミルクも含め)が減っている●腹痛やおう吐などの症状がある●1週間以上の頑固な便秘を繰り返す●排便痛があるために排便を我慢してしまう●排便時に出血する■子どもの便秘はどうやって防げばいいの?普段から便秘になりやすい子の場合、予防を心がけましょう。効果的なのは、食生活の改善です。食生活についてのポイントは、食物繊維が多い食品をたくさんとること。食物繊維は、消化できないため、便の量を増やし、腸の中で水分を含んで便を柔らかくする便通改善効果があります。▼食物繊維の多い食べ物●緑黄色野菜(ホウレンソウ、ニンジン、カボチャなど)●イモ類(サツマイモ、ジャガイモなど)●豆類(納豆、きなこなど)●海藻(ワカメ、寒天など)ただ便が詰まった状態で食物繊維を含む食べ物だけ増やすと、腹痛がひどくなることがありますので、治療中の場合には医師と相談しながら進めましょう。■便秘の治療、どうやって進めるの?もしも便秘になってしまったら、病院では次のような治療を受けることができます。▼便秘の治療1、つまった便の除去(下剤の内服、肛門からの浣腸、座薬など)2、維持療法(食事療法と薬物療法)ところで、排便習慣を確立する過程で行う「トイレトレーニング」ですが、トイレトレーニングを始めたことをきっかけに便秘になってしまう子も少なくありません。トイレトレーニングの中で嫌なことやつらいことに出会うと、トイレに行くこと自体を嫌がるようになり、排便を我慢して便秘になってしまうという場合もあるのです。一方、トイレトレーニングを始める前にすでに便秘がある場合、まずは便秘を治療してからトレーニングに入ることになります。 トイレトレーニングを始める際は、次のポイントに注意しましょう。▼トイレトレーニングのポイント●保護者の精神的・時間的なゆとりのある時期に行う●座った状態で足が安定するよう、必要ならフットサポートを置く●排便できなくても座っていられた努力にご褒美を●早寝早起きして登園、登校前にトイレに座る習慣をつけられると効果的●まずは1日数回、5~10分トイレに座る練習からトイレトレーニングを行う際には、失敗しても怒らないことが重要です。場合によっては「しかられるから便をしない」方向にいってしまうこともあるため、保護者がゆとりを持てる時期に始めましょう。そして、排便ができなかったとしても、トイレに座っていられたという努力に対して、特別なおもちゃやシールや塗り絵などのご褒美をあげましょう。食後の腸の動きは朝食後がもっとも活発なので、登園・登校前にトイレに座る習慣をつけるのがいいですが、朝は時間がなくて余裕がない場合には、夜でも大丈夫です。■【赤ちゃん、子どもの便秘】教えてドクターQ&A最後に、「教えて!ドクタープロジェクト」に便秘にまつわる心配事について、聞いてみました!――毎日うんちが出ていないけど、とっても元気。これって便秘ですか?便秘とは便が腸にたまって出にくく、排便が週に2回以下のことを指します(3日以上出ない、とするお医者さんもいます)。排便に苦痛を伴うことも多いですが、案外けろっとしていることも少なくないです。ただ、1週間以上出ない状況が何度も続くと、「便秘の悪循環」というサイクルに陥ることがあります。これは1、便が腸に長く停滞し、水分が吸収されてより硬くなる2、排便時に肛門の痛みを伴いやすくなる3、排便を避け、さらに便が硬くなる4、常に腸に便がたまると、直腸に便があっても便意を感じにくくなる5、さらに便秘がひどくなるというサイクルです。便秘治療の目的はこの悪循環を解消することです。気になった場合には一度医療機関でご相談ください。――綿棒浣腸の加減がわからず、出血させてしまいました。病院に行った方がいいですか?とくに乳児期には、まだいきみ方がよくわからず、便を出すのが難しいことがあります。このようなときには綿棒浣腸でサポートしてあげると出やすくなるといわれています。一方で小児の便秘に関するガイドライン(*)では綿棒浣腸の効果について、医学的根拠による裏付けはないとされています。ただ日本の現場ではよく行われており、私たちもお勧めすることはあります。ときどき質問のように傷をつけてしまう場合もありますので、その場合は一度病院でご相談ください。――保育園や学校に行きだして便秘がちに。放っておくとどうなってしまうの?便秘になりやすい時期は、主に3度あると言われています。1、離乳食の時期2、トイレトレーニングの時期3、入園や入学で自宅外での排便が必要になる時期人前でトイレに行くのが億劫になるのはよくあることです。「たかが便秘」と思われがちですが、便秘を放っておくと、先ほど述べたような「便秘の悪循環」に陥ってしまうリスクがありますので、便秘が気になったら、一度日中に医療機関でご相談ください。※本連載で紹介する情報は、2020年2月25日時点のものです。*日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児消化管機能研究会(編):小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン、診断と治療社,東京,2013 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』 (佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム/KADOKAWA ¥1,430)赤ちゃん・子どもの病気、ケガ、事故…突然の「どうしよう」この1冊があれば安心!病院に行く? 行かない? こういう時は様子を見ても大丈夫など、子どもの体の心配ごと、 マンガと解説でわかります。突然起こる子どもの病気、ケガで不安になるときに、親が慌てずに対処するための常備本。●「教えて!ドクタープロジェクトチーム」とは?長野県佐久医師会・佐久市による、子どもの病気、ホームケア、地域の子育て支援情報などを発信するプロジェクトチーム。地域の子育て力向上事業としてだけでなく、SNS発信により「医師による確実な情報」を、リアルタイムで全国に発信している。公式HP: 教えて!ドクタープロジェクトチーム 【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター】 連載 「第1回」から読む ≫ 【医師監修】赤ちゃんが発熱! 病院行く目安とおうちケア
2020年03月17日筋トレをして筋肉が増えると、一体どのような良いことが体に起こるのでしょうか?また筋トレを続けているのに効果が出ない場合の原因や対処法、効果を下げてしまう注意点などについても専門家に伺ってみました!日常生活で現れる筋トレの効果筋肉が力を発揮しやすくなる特に筋トレを始めたばかりの頃に現れる効果のひとつとして、日常生活やスポーツ動作などに欠かせない筋力が高まることが挙げられます。階段を上る、物を持ち上げるなど、普段の生活で行う動作がより楽に感じられるようになります。筋肉が大きくなり基礎代謝が上がる筋肉が大きくなっていくと、それに伴って基礎代謝も上がっていきます。筋肉が体に多く存在すると熱を発生させやすくなり、体の機能を維持するために運動をしていなくても消費するカロリーが高まります。そのため、過剰な脂肪がつきにくくなります。姿勢がよくなりやすい地球で生活している以上、重力が常に体にかかっている状態になります。筋トレをして筋肉が動きやすい状態にしておくと、重力に抗うための筋肉が働いて猫背などの不良姿勢になるのを防止する効果があります。筋トレで効果が出ない原因負荷が足りていない筋トレの効果がでない原因のひとつに、筋トレの負荷が足りていないということが考えられます。例えば、普段の生活で床から荷物を持ち上げる作業を頻繁に行う方が下半身のトレーニングを行った場合、少ない回数だったり狭い可動域でトレーニングをしたとしても、日常ですでにトレーニング以上の負荷に慣れてしまっているため、強度が足りないということになります。正しいフォームで行えていない関節の角度や意識するべきポイントを理解していない状態で筋トレを行うと、効果がでないだけでなく、怪我の原因になる可能性もあります。目的の筋肉に負荷をかけるために、筋トレの正しいフォームを理解する必要があります。栄養摂取バランスが崩れている普段の食事の中でたんぱく質が足りていない場合には、筋肉の元となる栄養素が少ないために負荷ばかりかけても筋肉が大きくなっていきません。また、たんぱく質以外の他の栄養素でも、足りていないと体の機能が正しく働かなくなってしまい、結果として筋肉の増加にも影響が出ることがあります。効果が出ない時の対処法負荷の再設定筋トレで効果がでない時の対処法のひとつとして、負荷が自分にあっているかどうかを確認する必要があります。筋トレの負荷を設定する要素は、回数とセット数です。また道具を使う場合には、重さや強度も挙げられます。筋トレを始めたばかりの頃は、正しいフォームを身につけるために負荷を上げ過ぎる必要はありません。しかし運動に慣れてきたら回数を増やしていったり、扱う重さを上げて、筋トレをちょっとだけきつい強度に常に設定していくことが必要です。関連記事筋トレの効果的な回数・頻度の決め方を専門家が伝授!休養を取る一生懸命トレーニングに取り組むことも重要ではありますが、体が疲れすぎていると運動をしっかり行えません。筋肉も常に負荷が掛かり過ぎていると、再生していきませんので大きくなりません。毎日トレーニングを行うのであれば、種目を変える、同じトレーニングを連続で行わないなどの工夫をすると効果が高まりやすくなります。筋トレの効果を上げるポイントたまにメニューを変更する体はずっと同じ負荷がかかっていくと、その負荷に慣れるように適応していきます。それが筋肉を増やすことにもつながるのですが、あまりにも長く同じ種目を同じ負荷で行っていると、慣れ過ぎて向上しにくくなっていきます。効果が上がらなくなってきたなと感じた際には、同じ部位を鍛える種目でも違うメニューを実施することで、体に常に新鮮な負荷をかけ続けることができ、体の適応を維持しやすくなっていきます。運動後にたんぱく質を摂取する筋トレ直後は、体の中で筋肉の再生がすでに始まっている状態です。そのタイミングで体の中にたんぱく質を多く入れておくことで、筋肉の回復が早まり筋肉がつきやすくなります。目安の時間はトレーニング後30分以内とされていますので、そういった時間管理も効果をアップするポイントにつながります。筋トレの効果を下げてしまう注意点疲労度の高い状態疲れている体でトレーニングを行っても、正しいフォームが維持できなかったり、本来その人の体にあった負荷をかけることができなくなってしまいます。またモチベーションも低下しやすくなってしまい、筋トレを行う上で重要な継続性の維持ができなくなってしまうことも。毎日行うのではなく、しっかりと休息を挟みながら行うことも必要です。負荷を上げすぎている重さや回数を過剰に上げていってしまうというのも、よくある注意点のひとつです。負荷に慣れていない状況で無理に重たいものを扱ったり、無理に回数を増やすことは、怪我につながったり、目的の部位に負荷がかからない間違ったフォームになりやすくなってしまいます。見栄を張らず、焦らず、自分にあった負荷で継続的に徐々に負荷を挙げていく必要があります。筋トレでしっかりと効果を出すために筋トレを続けることで、脂肪を燃焼しやすくなったり、姿勢が良くなったりと、嬉しい効果がたくさん体に現れてきます。しかしそのためには、正しいフォームで体にあった負荷をかけること、そして栄養バランスの良い食事を取ることが大切です。筋トレで効果を出すには、続けていくことが1番肝心です。無理をせずに、自分のペースで頑張りましょう!よっしースポーツインストラクター
2019年09月26日