『ひとつ屋根の下』など数々のヒットドラマを手掛けた脚本家・野島伸司が、初めて舞台の脚本に挑戦。生のステージに築かれた新たな野島ワールド、『ウサニ』が開幕する。『ひとつ屋根~』で野島とタッグを組んだ演出家・永山耕三が演出を担い、テーマ音楽となるオリジナル曲を小室哲哉が書き下ろすなど、ドラマファン、音楽ファンも注目する話題の舞台だ。開幕前日の8月2日、公開リハーサルと会見が行われ、主演の溝端淳平と共演の平野綾、真野恵里菜、高岡早紀、山本耕史が登場し、本作への意気込みを語った。「ウサニ」チケット情報「23歳の僕には1回じゃ理解できない、深い愛の哲学を描いた不思議な世界」と溝端が言うように、現実と幻想の間を錯綜するストーリーは、次から次へと思いもよらぬ展開をみせる。青年コーゾー(溝端)が美味しいイチゴを作るため、アマゾンの奥地から持ち帰った伝説のへびイチゴの精霊は、ウサギに似たぬいぐるみ・ウサニ(平野と真野のWキャスト)に変身し、純真な愛をコーゾーへ注ぐ。その思いにほだされながらも謎の美女レーコ(高岡)との愛欲におぼれるコーゾー。そこにアマゾンの大蛇王スネーク(山本)が、ウサニを取り戻そうと現れる。ウサニ役の平野と真野は、愛らしい着ぐるみ姿で溝端を囲み「成立させるのが難しいほどの世界観。いろいろな視点から見ていただけたら」(平野)、「野島さんの初の舞台脚本にヒロインとして出させていただけて幸せ」(真野)とそれぞれコメント。浴衣姿の高岡が「この衣裳でわかるように、キャラクターが出て来るたびに違う世界が繰り広げられる。皆さんが今まで見たことのない世界に迷い込めるんじゃないかな」と落ち着いた自信の笑みを見せると、長い尾を持つ黄金の蛇に扮した山本も「かなり振り幅の広い世界観。いろいろなものを作り出してきた野島さんだけど、まだ新しいものが生まれるんだなと思った」と強く頷いた。ファンタジックな美術に彩られた舞台の上で展開するのは、コミカルかと思えばセクシー、はたまたスラップスティック。色合いの違うさまざまなシーンに意表を突かれる。“真実の愛とは?”“男はなぜ浮気をするのか?”といった深遠なテーマに向けて飛び交う言葉は、「見て見ぬフリが大事」「愛は使い捨てカイロのようなもの」等の野島流哲学だ。溝端が、まるでシェイクスピア悲劇を演じるかのように熱のこもった長い独白に全身全霊で挑み、健闘をみせていた。「のめり込むのが愛なのか、それとも居心地が良いのが愛なのか。そのふたつの対比が今回の舞台のカギなので、愛について考え直すきっかけになるのでは」と溝端。ファンタジーのヴェールに包まれた世界の奥で、辛辣な愛の痛みに出会う。そんな独特の魅力に満ちた舞台だ。公演は8月3日(金)から8月26日(日)まで東京・ルテアトル銀座 by PARCOにて上演。なお、限定公演日のみアフタートークイベントも開催する。取材・文:上野紀子
2012年08月03日90年代に『週刊少年ジャンプ』にて連載され、爆発的な人気を誇った『るろうに剣心』の実写映画化をうけて、大友啓史監督によるティーチインイベント付き試写会が行われた。その他の写真本作は佐藤健演じる伝説の剣客、“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心が流浪の旅の途中で出会った人々を守るため、再び戦いに身を投じていくアクション・エンターテインメント。監督を務めた大友啓史は、NHKで『ちゅらさん』『白洲次郎』『龍馬伝』など数多くの人気ドラマを手がけ、本作で初のコミック実写化に挑んだ。はじめにオファーが来た時には「なんで僕なのかと逆に興味を持った」と語る大友監督だが、「『龍馬伝』をやったあとだったので、明治のディティールや気分に入り込みやすかった」とも話す。「もしあの幕末の連中がそのまま生き残ったとしたら、どういう生き方をしたのかなと。佐藤くんの演じた人斬り以蔵がどうなったのかとか、(香川照之が演じた)岩崎弥太郎が間違った生き方をしたらどうなんだろうとか(笑)、そう思ったら素直に読めた」のだとか。また、「漫画にはキャラクター描写も含めて飛躍がありますよね。そういうものを映像化することは原作ファンの方々の目の厳しさも含めて、いただいた企画の中で一番ハードルが高いと思ったんで。マゾなんでしょうね(笑)」と笑顔を見せた。撮影は原作者の和月伸宏と密なコミュニケーションを取りながら、丁寧に行われたようで、「ワイヤーやCGではなくリアルにやってほしいと言われたんですね。漫画と映画、それぞれのメディアの違いを共有したうえで、剣心は“スパイダーマン”のような超人ではなく侍だから、むしろ生身でやったほうが希少価値が高いだろう、と和月さんとも意気投合しました」とコメント。実際、出来上がった作品を観た和月から「最高です! 僕としては満足してます!」と激賞を受けたことも明かした。ティーチインでは、撮影中のエピソードやドラマとの演出の違いなど、映画の裏側に質問が集中。それぞれの質問に丁寧に答える監督の言葉に、集まった観客たちは熱心に耳を傾けていた。最後に一言を求められた監督からはこんなメッセージが。「この作品は時代劇のつもりでは作っていません。日本にはないアクション・エンターテインメントができればいいなということで、撮影も照明も俳優の演技もいまできることすべてでいろいろ工夫をしました。何度も劇場に足を運んで細かいディティールや役者たちのチャレンジを観てほしいです」。『るろうに剣心』8月25日(土)全国ロードショー取材・文・写真:渡部あきこ
2012年07月10日周囲も驚く、突然の賀来千香子と宅麻伸の離婚おしどり夫婦で有名だった俳優の宅麻伸(55)と女優の賀来千香子(50)が、10日に離婚届を都内の区役所に提出した。2人は先月下旬から離婚へ向けた話し合いを始め、すぐに合意し、わずか2週間で18年の結婚生活にピリオドをうった。2人の突然の離婚に周囲は寝耳に水と驚いている。2010年に夫婦プラチナアワードに出席永遠に色褪せない夫婦として表彰されるプラチナ夫婦アワードで、宅麻と賀来の2人は第3回 プラチナ夫婦アワードを受賞、夫婦揃って出席し、おしどり夫婦ぶりを世間に見せていた。2人が婚約した1994年当時、宅間の浮気や不倫騒動といったスキャンダルに巻き込まれ、婚約破棄とも噂される中、2人はゴールインした。離婚の原因は賀来の舞台の仕事などで長期にすれ違い生活が続いたことで、何か感じるところがあったのではと言われている。また、2人の間には子供はいない。元の記事を読む
2012年02月11日『悪人』や『パレード』など映画化作品の多い作家・吉田修一の小説『横道世之介(よこみちよのすけ)』が、高良健吾と吉高由里子をキャストに迎えて映画化されることが決定した。その他の写真『横道世之介』は、1980年代を舞台に、大学進学のために長崎から上京したばかりのお人よしで嫌みのない世之介(高良)と、ガールフレンドの祥子(吉高)や周りを取り囲む若者たちがおくる青春の日々とその後を描いた作品。原作は、毎日新聞の夕刊で2008年から約1年にわたり連載され、単行本が昨年の本屋大賞3位、第23回柴田錬三郎賞を受賞している。お人よしの青年・世之介を演じる高良は脚本を読んで「とにかく面白い! 世之介が大好きになりましたし、なにがなんでも世之介役をやりたいと思いました」とコメント。吉高とは『蛇にピアス』で共演しているが「久しぶりに会う友達みたいに再会できたらうれしいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場をひっぱってくれると思います」と早くも撮影現場での再会を楽しみにしているようだ。また、吉高も高良との共演に「共演という形で再会するのはとてもうれしく思います。信頼しあえるような関係性を作っていい作品を残したいです」と意気込みを語っている。本作の脚本と監督を務めるのは、『南極料理人』『キツツキと雨』など、独特のユーモアと確かな演出力で定評のある沖田修一氏。沖田監督は「世之介を表現するには色んな言葉があると思うのですが、どれもあっているようでどれも違うようで、形容詞をうまくもてなくて、なかなか説明できない」とコメント。そんな世之介を演じる高良とは前2作に続いてのタッグとなるが「本人の感じが世之介に近いなと思っています。これまで一緒に仕事をしているしていないに関らず、高良君がいいいと思っていました」と言い、沖田作品初出演の吉高については「魅力的な女優さんだし、(彼女が演じる)祥子もそんな風に魅力的な人物になったらいいなと思います。まだお会いしていないんで会うのを楽しみにしています」と期待を寄せている。3月下旬から都内や長崎でロケを行い、5月上旬にクランクアップ。2013年の公開を予定している。『横道世之介』2013年、全国ロードショー
2012年02月09日