英Sophosは11月9日、「Sophos Security Heartbeat」を発表した。この製品は、ネットワークとエンドポイント製品が通信してインテリジェンスを共有し、セキュリティ保護を改善できる。この詳しい技術について、同社のセキュリティブログで解説が行われている。これまでの間、セキュリティベンダーは新しい感染ポイントが出てくるたびに、"バンドエイド"を貼るような形で、増える脅威に対応していた。そして、バンドエイドの効果が薄れてくると、"次世代"バンドエイドが開発されて問題を修正するという繰り返しを行い、業界は顧客に新しいセキュリティのレイヤーを重ねるように指示していた。セキュリティレイヤーの上に異なるセキュリティのレイヤーを重ねることでは効果が出ず、実用的ではない。ことは非常に複雑となっており、コスト面でも高価なものとなりつつある。実装・保守や、他ベンダー製品と接続するためのリソースを持たない多くの企業には現実的な方法ではない。一方で今回の製品では、「Synchronized Security(同期セキュリティ)」を採用。これによって、ネットワークとエンドポイントセキュリティの間の壁がなくなり、独立したエンドポイントとネットワークセキュリティ製品が協調して動くようになるという。同社によると、同期するセキュリティアプローチが「次世代と名乗るのにふさわしい」としている。これまでのように新しいレイヤーを重ねるのではなく、すでに持っているセキュリティ製品を最大活用できる。エンドポイントセキュリティエージェントと、ネットワークファイアウォールはあらゆる企業にとって必須のセキュリティ対策であり、この2つの間がやりとりすることでさらに能力を引き出すことができるという。Security Heartbeatは次世代型ファイアウォールとUTM(統合脅威管理)を直接結びつける次世代のエンドポイントセキュリティで、これにより脅威インテリジェンスを共有できる。エンドポイントとネットワークファイアウォールやUTMとの間の疑わしい振る舞いについてリアルタイムで情報を共有するため、瞬時にレスポンスをトリガーして停止したり、マルウェアの侵入やデータ漏えいに対する制御を支援できる。
2015年11月12日英ARMは20日(現地時間)、ウェアラブルデバイスやIoT(Internet of Things)デバイス向けのGPU「Mali-470」を発表した。ライセンス供与はすでに開始しており、搭載デバイスは2016年後半に量産される見込みという。スマートウォッチやホームゲートウェイ、産業用制御パネル、医療モニターといった消費電力に制約がある製品向けに電力効率を高めたGPU。ARM Cortex-A7またはCortex-A53といったプロセッサと組み合わせることで、これらの機器に適したSoCが構築できるという。既存の「Mali-400」と比べて、フレームレートと反応速度の向上に加え、半分の消費電力、2倍のエネルギー効率を実現。また、シングルコア構成で最大640×640ドットの解像度に対応するほか、マルチコア構成の場合はさらに高い解像度をサポートする。このほか、ダイ面積を「Mali-400」比で10%削減した。
2015年10月26日英BBCは10月15日、新たに、日本語版ニュースサイト「BBC.jp」を公開した。今後、英BBC.comの中より選りすぐったニュースを日本語に翻訳し配信していく。同日、ヒルトン東京にて記者会見が開催され、BBCグローバルニュースリミテッド CEOのジム・イーガン氏(以下、イーガン氏)と、BBCワールドジャパン 代表取締役マーケティング・ダイレクターの渡辺雄二氏が出席した。BBCは、1922年にロンドンのラジオ局としてスタートし、世界初のテレビ放送やラジオ短波による世界放送など、メディアにおける技術革新と共に歴史を歩んできた。現在は、世界200以上の国や地域でテレビ・ラジオを配信するほか、WebサイトではPCやモバイル端末から月間5,800万UUにニュースを提供。動画配信やソーシャルメディアも積極的に活用している。日本においては、1994年よりケーブルテレビやCS放送においてニュース・ドキュメンタリーを中心とした「BBC WORLD」の放送を開始。オンラインでは、2012年よりニコニコ動画に有料チャンネルを、今年(2015年)のはじめにはYouTubeに公式チャンネルを開設し「期待をはるかに超える数字を出している」(イーガン氏)という。日本語版ニュースサイトの開始は、まさに満を持してという形となる。○視聴者の変化に対応し、革新し続けるメディア記者会見の冒頭、あいさつに立った渡辺氏は、BBCのスピリットとなる「LIVE THE STORY」という言葉を挙げた。この言葉には「ニュースを生きる、生きたニュースを配信するという精神が込められている」という。「BBCの最大の特徴は、世界最大規模の拠点とジャーナリストを持つこと。物事が起きてからレポーターを派遣するのではなく、その国で暮らし、歴史と背景を理解している記者が、生きたニュースを伝えています。それが『LIVE THE STORY』です」(渡辺氏)続いて登壇したイーガン氏は、昨年も、BBC WORLD日本版放送開始20周年記念式典のために来日したばかり。この20年といわず、この1年間でもニュースを取り巻く状況が大きく変わっていることを実感していると話す。「ニュースは日々動き、報道機関は遅れをとらないように走り続けています。BBCのような伝統的な報道機関は、それにどのように対応していくかが大きな課題です。その答えは93年前から一貫して同じ"革新していくこと"です」(イーガン氏)視聴者の変化に対応し、自分たちも革新しなくてはならないとジム氏は主張。そのための取り組みとしてBBCは、Twitterで最もシェアされるニュースブランドであり、Facebookの「Like!」は5000万回を超えると話した。また、番組をモバイル機器のみで制作する、番組内の議論をモバイルで続ける、視聴者からアイデアを募るなど、多面的な施策が行われていることを映像で紹介した。○BBCが考える「ニュース機関の存在意義」目の前で起きたことを誰もがすぐに世界へ向けて発信することができる時代だ。では、ジャーナリストの存在にはどんな意味があるのか。イーガン氏は、誰もが発信できるからこそ、BBCのような機関がこれまで以上に重要になってくると説明する。「誰でもいろいろな意見を表明できるようになり、プロパガンダと事実の間が曖昧になってしまう中で、中立公正なニュースを得る機会と、背景をきちんと説明し視聴者が判断するための手助けになる情報が必要です。私たちのような機関が、デジタルの世界ではこれまで以上に重要になってくるわけです」(イーガン氏)ソーシャルメディアで知ったニュースも、BBCで見るまでは信じないというユーザーの声も多いという。イーガン氏は、最終的に事実を確認し背後の真相を伝える責任を担うことにプロのニュース機関としての存在意義があると主張し、BBCは、ニュース報道において世界から信頼されるリーダー的存在としての地位を維持できる立場にあるとの自負を示した。また、日本における調査では、9割以上が国際ニュースに関心を持ち、4分の3が世界情勢に対する関心が増していると回答したという。同時に、3人に1人が主なニュースソースをオンラインサイトであると回答し、この数字は前年と比較して50%増加している。こうした背景から、「BBCのデジタルイノベーションの中で、日本におけるサービスを開始するのは当然の流れ」だったわけだ。「BBC.jp」が提供するニュースは、国際問題やビジネス、エンタテイメント、テクノロジー、および世界の旬の話題といったカテゴリに沿ったもの。東京を拠点とするエディターが、日本のユーザーにとって有意義で興味を引く話題を英語サイトから選び、記事やビデオコンテンツを作成していく。デジタルプラットフォームにおけるニュース消費が急拡大し、ソーシャルメディアが台頭する現在。イーガン氏は、「ヤフーやスマートニュースなどのユーザーにもBBCのニュースに触れていただくことが目標です。これは我々にとって非常に良いビジネスモデルとなるでしょう」と日本における活動の方向性を述べた。
2015年10月16日ワイヤレス専業ベンダーの英Telit Wireless SolutionsはLTE(Long Term Evolution)チップセット・プロバイダであるイスラエルAltair Semiconductorと提携し、市販される製品の中では最小クラスとなるLETモジュールを発表した。Telitが発表した「LE866モジュール」は、AltairのIoTに最適化したチップセット「FourGee-1160/6401」をベースとした新シリーズ製品で、 MTC(マシンタイプ通信)用のLTEカテゴリ拡張機能をサポートするよう設計されている。LE866のLGAパッケージのフットプリントは15mm×25mmで、UEカテゴリ1デバイスとしてダウンリンクで10Mbps、アップリンクで5Mbpsの最大データ速度を実現している。また、3GPPがRelease 12でMTC用に策定した低電力モード(PSM)をサポートするよう、ソフトウェアでアップグレード可能。最初に米国市場向けに商用リリースされた後、各地域向けの変更機種がリリースされる予定となっている。なお、2016年3月に予定されている3GPP LTE標準のRelease 13では、消費電力、コストと複雑性、IoTおよびM2Mアプリケーションのカバー率が改良される予定だが、Telitでは、LE866の投入により、先行して電力、サイズ、およびコストの組み合わせを生かし、対象市場の拡大を図ることができるとしている。
2015年10月01日東京国立博物館で10月2日と3日に、移動映画館のキノ・イグルーと共催で「博物館で野外シネマ」が開催される。昨年行われた第1回目では、2日間で計8,600人の来場者を迎え、大好評を博した「博物館で野外シネマ」。第2回目となる今年は、宮沢賢治による名作を、ますむらひろしによる猫のキャラクターで長編アニメーション化した、杉井ギザブロー監督作『銀河鉄道の夜』を上映。より多くの人々が楽しめるよう、前回よりも大きなスクリーンで上映される予定だ。なお、同作の上映日限定で、夜間開館も実施。特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」などを、映画鑑賞後に観覧することが出来る。その他、当日は「博物館でアジアの旅」も開催しており、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理やアジアビール、コーヒーなども楽しめる。【イベント情報】「博物館で野外シネマ」会場:東京国立博物館本館前住所:東京都台東区上野公園13-9会期:10月2日~3日時間:19:00~料金:無料 ※当日の入館料は有
2015年09月28日トリップアドバイザーはこのほど、世界の博物館・美術館をランキング化した「トラベラーズチョイス 世界の人気観光スポット 2015 ~博物館・美術館編~」を発表した。同社の「トラベラーズチョイス」では、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」に投稿された世界中の旅行者の口コミをもとに、優れた施設を表彰している。今回のランキングは、2014年1月~12月に同サイト上に投稿された旅行者のクチコミ評価の平均値や投稿数などを独自のアルゴリズムにて集計し、算出された。日本国内のランキングでは、「広島平和記念資料館」(広島県広島市)が2年連続でトップとなった。「Totally heartbreaking.(胸が張り裂けるような思いになった)」など、当時の資料を目の当たりにした時の衝撃を伝える口コミが数多く寄せられたという。また、2位には「箱根彫刻の森美術館」(神奈川県箱根町)、3位には「MIHO MUSEUM」(滋賀県甲賀市)がランクインした。アジアのランキングでは、「秦始皇兵馬俑博物館」(中国)が2年連続で1位に。3位に「広島平和記念資料館」がランクインしたほか、12位に「箱根彫刻の森美術館」、15位に「MIHO MUSEUM」、24位に「鉄道博物館」が入った。世界ランキングの1位には昨年の7位から大きく順位を上げて「メトロポリタン美術館」(アメリカ)がランクイン。世界各国の芸術・文明を先史時代から現代までカバーした300万点の展示物は、「1日では回りきれないほどのボリューム」と評判とのこと。アジア1位の「秦始皇兵馬俑博物館」は、世界ランキングでは23位となった。なお、ランキングの詳細は公式サイトにて公開されている。
2015年09月26日日本初の春画を主体とした展覧会「SHUNGA 春画展」が、東京都・文京区の博物館「永青文庫」にて開催されている。イギリス・大英博物館での展示を国内で巡回するいわば里帰りのような企画展だが、本展の会場がなかなか決まらなかったというエピソードは、開催前に話題となったところ。最終的に、都内の大規模な企画展を行うエリアとは異なる場にある細川家の文化財を収蔵する博物館「永青文庫」での展示が決定した。本レポートでは、前後期に別れている同展の前期(11月1日まで)の会場の様子をお届けしながら、その構成と見どころを紹介していく。○春画への「導入」と貴重な肉筆画同展の冒頭は、複数枚で構成されることもある「春画」の導入部として描かれる、愛を交わす前に登場人物が睦まじく触れあう様子をピックアップした「プロローグ」から始まる。そして、「プロローグ」(および、同展の開催に際しての言葉)の展示される細い廊下を抜けると、大広間すべてに肉筆の春画が展示されている。絵巻物から屏風絵までと作品のサイズはさまざまながら、すべて人の手で描かれたもので構成されている。男女の睦まじい姿のみならず、「衆道」(男性の同性愛)を描いた絵巻物や、「仏涅槃図」を擬人化した"陽物"でパロディにした掛け軸「陽物涅槃図」など、現代に生きる者の視点から見るとおおらかな印象を受ける多様な表現を一覧することができる。○北斎・歌麿ら巨匠が手がけた版画作品肉筆画に続くのは、浮世絵の巨匠たちの作品が並ぶ「版画の傑作」の章。春画も浮世絵と同様、江戸時代に発展した版画技術によって広がりを見せる。葛飾北斎、喜多川歌麿といった浮世絵師たちの名の入った作品も並ぶ。いわゆる愛の交わりを直接的に描いたもののほか、解剖図や世界図、若い子女へ向けた教本など多様なジャンルが"春画化"されることにより、庶民から大名にまで広く愛好されていたという。また、この章の部屋の中央には、春画を代表する名作「歌まくら」も。時代を感じさせるショウケースの中にひとつだけ置かれ、その展示手法からも、同作の特別な位置づけを表しているように感じられた。その次は、数多く消費されていたがゆえに展示・研究の機会にいまだあまり恵まれていない「豆判春画」を特集。庶民から大名まで広く愛されたごく小さな版画で、豆判春画を携帯・贈答する文化は近代においても続いていたというが、研究はほぼ手つかずで、出展作品はいずれも同展で初公開となる。「豆判春画」と同一展示室に締めくくりの「エピローグ」の章も配置され、展示会場となった永青文庫が所蔵する春画を展示している。締めくくりの言葉として、「日本で最初の春画展である本展をきっかけに、春画が、長い日本の歴史の中で、人々とともにあったことを知っていただければ幸いである」というコメントが掲示されていたのが印象的だった。○迫力の豪華図版や"春画グッズ"もなお、同展の第二会場(物販)では、春画をたくみにトリミングしてあしらった雑貨や、非常に内容の充実した図録が販売されている。特に図録は迫力ある厚みが強く印象に残るが、どのページも平置きにして鑑賞できる製本方法や背の処理、表紙のデザインなど、装丁に凝った本を愛好する人であれば、ついうなってしまうような豪華な出来ばえとなっている。筆者が「永青文庫」を訪れたのは、実は今回が初めてだった。コンパクトな会場ながら展示作品の数は多く、内覧時ですべて見終わったのがおおむね1時間。加えて、永青文庫はいずれの最寄り駅からも15分~20分程度歩くことになる(目白駅からバスを利用するのが最も徒歩時間は少なく済む)。また、隣接した新江戸川公園の散策、近隣の有名ホテル「椿山荘」へ足を向けるなど、このエリアならではの楽しみもある。そのため、特に混雑が見込まれる休日には、時間に余裕を持って訪れることをお勧めしたい。会期は長く取られているが前後期で作品は入れ替わり、また近辺も都内としては非常に閑静で散策に適したエリアなので、興味を持った人は陽気に恵まれた休日にでも、ぜひ足を向けてみてほしい。
2015年09月23日10月2日(金)と3日(土)、東京国立博物館にて野外上映イベント「博物館で野外シネマ」が開催。杉井ギサブロー監督作のアニメーション『銀河鉄道の夜』が上映される。今年で2回目の開催を迎える「博物館で野外シネマ」。第一回目開催時には、『バケモノの子』が公開中の細田守監督作『時をかける少女』を上映し、8,600人もの来場者数を記録した。昨年と同様、移動映画館として活動する「キノ・イグルー」との共催で実施される今年は、1985年公開のアニメーション『銀河鉄道の夜』を上映。本作は、猫のキャラクターを登場人物に、多くの宮沢賢治原作の漫画化を手掛けるますむらひろしの漫画原作を、『タッチ』『あらしのよるに』などの杉井ギサブローが映画した作品。来年生誕120周年を迎える宮沢賢治は、東京国立博物館を愛し、足しげく通ったことが短歌や手紙に残されていることから、本作がセレクトされた。また、開催日の2日間は特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を含め、22時までの特別夜間開館を実施。さらに、同じく特別展の「博物館でアジアの旅」期間中つき、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理の屋台やアジアビール、コーヒーなども楽しむことができる。秋の夜長のお出かけ先としてチェックしてみて。「博物館で野外シネマ」は、10月2日(金)、3日(土)東京国立博物館にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月10日国立科学博物館は9月1日、「国立科学博物館重要科学技術仕様(愛称:未来技術遺産)」に、ソニーの「AIBO」など25件を選定した。「未来技術遺産」は日本の科学技術の歴史を示す事物で、科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、ならびに国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものを、国立科学博物館が選定し登録するというもの。2008年から毎年発表されており、昨年は日本初の噴流式洗濯機「電機洗濯機 SW-53」や富士フイルムの「フジカラー 写ルンです」などが選出された。今年は「AIBO」のほか、世界初の産業レーザディスクプレーヤであるパイオニアの「PR-7820」、海軍航空本部が製作した「海軍航空機用塗料識別標準(色見本帳)」などが登録された。2015年度登録の「未来技術遺産」は以下の通り:
2015年09月01日©Singapore Tourism Boardシンガポールで最古の博物館「National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)」。シンガポールの歴史と人々の生活様式を展示する傍ら、年間を通して様々なイベントを催すドーム型の屋根が特徴的な同館は、独自の文化を象徴する、シンガポール人の誇りとなっている。シンガポール最古の博物館©Singapore Tourism Board厳かな外観とドーム型の天井が目を引くシンガポール国立美術館は、1819年にイギリスから上陸したラッフルズ卿が夢見ていた「文学と歴史について学べる機関の設立」という意思を継いで、彼の没後1849年に図書館兼博物館としてスタートしたのが始まり。エントランスのある「旧館」は、1887年に建設された。ラッフルズホテルと同じ、ネオパラディアン様式の旧館は、ロビーの屋根部分を彩るステンドグラスも印象的。無料日本語ガイドツアーも開催!シンガポールを深く知ろう旧館に増築する形で、モダンな新館が誕生したのが2006年。旧館と合わせて18,400平方メートルもの敷地面積を誇り、現在ではシンガポール最大の博物館として、シンガポールの歴史を重んじながらも、常に革新的な展示で人々を魅了し続けている。2015年7月現在「SINGAPURA:700YEARS」と題し、14世紀からのシンガポールの歴史を辿る展示が開催中。(※2015年8月10日まで)館内では、在住日本人ボランティアによる日本語無料ガイドツアーも実施される。月~金の10:30、第一土曜日の13:30に地下のExhibition Galleryに集合すれば、誰でも無料で参加可。せっかくの機会に日本語でシンガポールをじっくりと学ぶのもよいだろう。(※集合場所は季節によって変わる可能性もあるので、公式HPを確認)©Singapore Tourism BoardNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)・住所:93 Stamford Road Singapore 178897・営業時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)・電話:(+65) 6332 3659 / (+65) 6332 5642・入場料金:建物への入場のみは無料。展示の見学は、大人S$6学生S$3・アクセス方法:ブラスバサ駅、ドービーゴート駅からそれぞれ徒歩5分。※国立博物館を含む3か所のミュージアムを巡回するシャトルバスサービス有り。詳しい時刻表や乗り場は公式HP参照。
2015年07月26日英BBCは7月7日(現地時間)、2015 Make it Digitalイニシアチブの一環としてコーディング教育向けボードコンピュータ「BBC micro:bit」を提供するプロジェクトの詳細を明らかにした。英国ではプログラマー不足が深刻化しており、若い世代にデジタルスキルを身につけさせ、テクノロジ分野における次世代のパイオニアを育成するためにBBCはmicro:bitの提供に乗り出した。まずは最大100万台を英国内のYear 7(中学1年)の11歳~12歳に無償配布し、2015年後半には販売も開始する。micro:bitの開発・提供は以下の11組織を含む29のパートナーシップによって実現した。ARM: mbedハードウエア、SDK、コンパイラサービスBarclays: 製品流通elements14: 部品調達、製造管理Freescale: センサ、USBコントローラLancaster University: ランタイムMicrosoft: TouchDevelopツール、サービスホスティングNordic Semiconductor: プロセッサSamsung: AndroidアプリScienceScope: iOSアプリTechnology Will Save Us: デザインThe Wellcome Trust: 教育関係者向けサポートmicro:bitは5×4センチ (重さ:8グラム) のコンパクトなボードに、ARM Cortex M0 CPU (32-bit)、3軸の加速度センサ、デジタルコンパス、Bluetooth Smart、Micro-USBコントローラ、Five Ring I/O、5×5に配列された赤色LED、プログラマブル・ボタン×2などを備える。JavaScript、Python、C++、MicrosoftのTouchDevelop言語、ビジュアル言語BlocksなどをサポートするWebベースのエディタを使ってプログラミングし、クラウドでコンパイルしたプログラムをmicro:bitにダウンロードする。Webベースの開発環境はスマートフォンやタブレットでも使用でき、Bluetooth Smart Technologyに対応しているモバイルデバイスからはBluetooth経由で直接micro:bitにフラッシュできる。プログラムされたmicro:bitは単4型電池×2を電源に単独で動作するほか、USBやBluetoothでノートPCやRaspberry Pi、スマートフォン、タブレットなどに接続して外部デバイスとして機能させられる(Tetheredモード)。たとえばセンサーデバイスとして使用したり、音楽やビデオの操作デバイス(再生/一時停止/停止など)として使用できる。Tetheredモードではインターネットに接続できるため、IoT(Internet of Things)オブジェクトのように使うことも可能だ。
2015年07月08日東京・上野にある国立科学博物館にて期間限定で開催される特別展「生命大躍進」のプレス内覧会が6日(月)に行われ、NHKスペシャル「生命大躍進」ナビゲーターを務めた新垣結衣が特別ゲストとして登場した。本展では国内外から集めた貴重な化石標本に加え、精巧な復元模型や4K映像などを活用し、生命に飛躍的な進化をもたらした“重要な出来事”を分かりやすく紐解き、生命誕生から人類に至る脊椎動物の進化の道のりを辿っていく。一足早く展覧会場内で40億年の進化の歴史を辿った新垣さんは「展示物がたくさんあって驚きました。先生方にパートごとにご説明をいただく贅沢な時間を過ごしたのですが、実際に目で見て、触って、時代を感じられるすてきな展示会だなと思いました」と本展についてコメント。行ってみたい時代について尋ねられると、「人類が登場したばかりの時代に行ってみたいです」と回答し、「石器や土器を作ってみたい」と当時の人類のモノづくりに興味津々の様子。人類の中で最も興味を持ったのは「ネアンデルタール人」だそうで、「いまの人間の形に近いけれども、少し違和感があり、だけどたくましく感じました」とその印象を語った新垣さん。では、「40億年の生物の中でペットとして飼えるとしたら?」と尋ねられると「ジュラマイアかな」と回答。「かわいらしいし、哺乳類に近いからペットとして飼ってみたい」と笑顔で語った。そして新垣さんはデボン紀後期の板皮類、頭部と胸部を覆う鎧のような骨性の板を持つダンクルオステウスの前で記念撮影。体の後半部は骨格が軟骨性なので、詳細を化石から知ることはできないが、本種は大型で、体調は6ないし10mにもなると考えられている生物だそう。最後に、「40億年の歴史を数多くの化石や復元された実物大の展示品を目で見て感じられる、分かりやすい展示会だと思います。年齢問わず、楽しめると思います」と本展の見どころについて語った。特別展「生命大躍進」は7月7日(火)から10月4日(日)までの期間、国立科学博物館にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年07月07日大日本印刷(DNP)は、明治から続く同社のオリジナル書体「秀英体」の新しいラインアップとして、「秀英角ゴシック金 M」、「秀英角ゴシック銀 M」、「秀英アンチック」、「秀英四号かな」、「秀英四号太かな」の5書体のデジタルフォントをリリースする。このたび「秀英体」の新ラインアップに加わる5書体のうち、「秀英角ゴシック金 M」と「秀英角ゴシック銀 M」は、ディスプレイに表示した際に読みやすい太さに調整されたゴシック書体。「秀英角ゴシック」にはこれまで、L(ライト)とB(ボールド)の2種類の太さが用意されていたが、今回ユーザー評価をもとに電子書籍等でも読みやすいLとBの中間の太さを持つ「M」が追加される。また、「秀英アンチック」、「秀英四号かな」、「秀英四号太かな」は、昭和初期から中期の金属活字のデザインを復刻したかな書体。辞書の見出しやコミックのふきだしに使用されてきた「秀英アンチック」は「秀英角ゴシック金 B」の、現在の秀英明朝のルーツとなる「秀英四号かな」は「秀英明朝 M」の、見出しや児童書の本文に用いられていた「秀英四号太かな」は「秀英初号明朝」のそれぞれの漢字や英数字・記号と組み合わせた総合書体となっている。なお、同社では秀英体の利用範囲を拡げるため、DTP用フォントのほか、Webサイト用のクラウドフォント、電子書籍、デジタルサイネージなど、多様な分野へのライセンス提供を推進していくという。また、これらの新書体を7月1日~4日に東京ビッグサイトで開催される「第22回 東京国際ブックフェア」に出展するということだ。
2015年06月25日東京都・上野の東京国立博物館は、ルーヴル美術館や大英博物館など世界の名だたる美術館・博物館の貴重な所蔵品の数々が一堂に会す「クレオパトラとエジプトの王妃展」を開催する。7月11日~9月23日(月曜・7月21日は休館、7月21日・8月10日・9月21日は開館)。開館時間は9:30~17:00(金曜は20:00まで、土・日・祝・休日は18:00まで)。観覧料は当日一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円。同展は、ルーヴル美術館、大英博物館、ボストン美術館、ベルリン・エジプト博物館、ウィーン美術史美術館など世界の名だたる美術館・博物館の所蔵品を中心に、14カ国の所蔵先から貴重な名品約180件が一堂に会す、古代エジプトの粋を集めた展覧会。古代エジプトの王妃や女王たちをメインテーマに、王であるファラオを支え、時に政治的・宗教的に大きな役割を果たした女性たちに焦点をあてる。なかでも「絶世の美女」として語り継がれ、古代エジプト史上、最も著名な女王であるクレオパトラ(クレオパトラ7世)にまつわる名品の数々が来日し、最後の女王・クレオパトラの実像に迫る展示となっている。また、クレオパトラのほかにも、女王として君臨したハトシェプスト、王の寵愛をもとに王朝の絶頂期を支えたティイ、アマルナ時代を代表するアメンヘテプ4世の王妃ネフェルトイティ(ネフェルティティ)など、現代においても魅力にあふれる女性たちが紹介されるということだ。同展は、全5章で構成され、第1章は「王をとりまく女性たち」と題し、王を支えた妻や母そして娘たちが紹介される。第2章は、「華やかな王宮の日々」として、きらびやかな王宮の生活を伝える品々や王に仕えた人々紹介。第3章は「美しき王妃と女神」として、女神にも例えられた美しき王妃やその理想とされた女神を紹介。第4章は「権力をもった王妃たち」と題し、政治や宗教へ対する強い影響力をもった王妃たちの歴史を紹介する。そして第5章は「最後の女王クレオパトラ」と題し、古代エジプト最後の女王クレオパトラ(クレオパトラ7世)とともに、「絶世の美女」、「悲劇の女王」として語りつがれるその姿もあわせて紹介されるということだ。
2015年06月22日ドラマや映画での活躍目覚ましい東出昌大が初めて舞台に挑戦する。原作はイギリスの文学界における最高の栄誉といわれるブッカー賞、さらに大英帝国勲章を獲得し、日本での人気も高い作家、カズオ・イシグロが初めて手掛けた短篇集。独立しながらもテーマと状況がつながる5篇のうちから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇をひとつに組み立て直して舞台の上に描き出す。脚本はてがみ座の長田育恵。演出を手掛けるのは、ここ数年立て続けに良作を手掛け、3度の読売演劇大賞優秀演出家賞を獲得する小川絵梨子だ。本番を2週間後に控えたなかで行われた公開稽古を覗いた。舞台『夜想曲集』チケット情報稽古場には二階建てのセットが組み上げられ、ところどころに椅子が置かれている。稽古場に入ってきた東出は、報道陣が稽古場を埋め尽くさんばかりの様子を見て「すっごい空気!」と笑う。キャスト同士、いい空気ができあがっているようで、通常とは明らかに違うこの状況に対しても過剰に意識することなく、笑い合いながら稽古開始を待っている。やがて稽古がスタート。東出演じる旧共産圏出身のヤンが、彼の亡き母がかつて大ファンだった往年の歌手、トニー・ガードナー(中嶋しゅう)とカフェで遭遇するシーン。静謐な空気の中で言葉がやり取りされる。その静けさを破るように登場したのが安田成美演じるトニーの妻リンディ。ロングコートに幅広のハットをかぶり、意識的か無意識か、やや無礼なところもあるマダムをそのしゃべり方と空気感で見事に体現。素朴な青年の雰囲気をまとった東出との対比が鮮明に見える。稽古の切れ目で緊張がほどけたような笑い声がセットの裏から聞こえてくる。長身の東出はチェロを構える姿、青いギターを構える姿が実にしっくりくる。稽古の中ではギターを持った東出がベネツィアのゴンドラに揺られるシーンや、近藤芳正によるサックスプレイが披露されるシーンもあり、物語の断片を観ただけでも幻想と現実の合間をたゆたうような、不思議な世界がそこに広がる。初舞台ながらこの物語の空気の中にすっと溶け込んでいる東出。彼が本番でどんな姿を披露するのか、期待が募る。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文/釣木文恵
2015年04月28日「たばこ」と「塩」の歴史と文化を幅広く紹介する専門博物館「たばこと塩の博物館」が4月25日、東京都墨田区横川にリニューアルオープンする。○スペースが従来の2倍に、常設展示室をはじめ諸施設が充実同館は、35年間にわたり渋谷・公園通りで開館していたが、移転・リニューアルのため、2013年9月2日から休館。今回、墨田区横川の地にて装いも新たに開館する。渋谷の館と比べてスペースがおよそ2倍になり、常設展示室、特別展示室だけでなく、ワークショップルームや図書閲覧室、多目的スペースなど、新たな施設も充実した。常設展示では、開館以来蓄積してきた研究成果に基づいた「たばこ」と「塩」の幅広い情報を、拡大したスペースを生かし、内容・展示資料点数ともにパワーアップして紹介する。「たばこ」の常設展示室は、「たばこ文化の発生と伝播」「世界のたばこ文化」「江戸時代のたばこ文化」「近現代のたばこ文化」の4コーナーに分かれ、それぞれ特徴的な展示を実施。江戸時代の本所(現在の墨田区)界隈を想定したたばこ屋・たばこ入れ屋のジオラマや、看板・ポスター・パッケージの実物資料とデジタルコンテンツを組み合わせ、たばこを取り巻く時代背景やエピソードなどを絡めながら、近代から現代にいたる日本のたばこの産業史を紹介する「メディアウォール」など、多くの見どころを用意する。中でも、現存するたばこにまつわる最古の資料「たばこを吸う神」のレリーフがある、メキシコ・パレンケ遺跡「十字の神殿」の一部を、現地の職人の手により再現したコーナーは圧巻だという。「塩」の常設展示室は、「世界の塩資源」「日本の塩づくり」「塩のサイエンス」の3つのコーナーで構成。石川県能登半島で50年近く塩作りに使われてきた釜屋を移築した再現展示や、塩の性質・用途・製法などを科学の面から紹介するコーナーが新たに加わった。サイエンスコーナーの中でも「いろいろ塩図鑑」は、市販されている塩の原料や産地を最新の映像システムで紹介し、楽しめる展示になっている。さらに、世界遺産でもあるポーランド・ヴィエリチカ岩塩坑で坑夫たちに信仰されている「聖キンガ像」を、特別許可を得て現地の岩塩を使用し、現地の職人が再現制作した岩塩彫刻は、リニューアルの目玉の1つとなる。また今後、特別展(秋以降を予定)や講演会・講座・映画上映会など多彩なイベントも開催する予定となる。リニューアルオープン日は、4月25日。所在地は、東京都墨田区横川1-16-3。開館時間は、10時~18時(入館は17時30分まで)。休館日は、月曜日(祝日にあたる場合は開館し、直後の平日を休館)。入館料(税込)は大人・大学生 100円(50円)、小・中・高校生 50円(20円)。なお、特別展は別料金を設定予定となる。
2015年03月30日国立歴史民俗博物館(千葉県・佐倉市)では、約300点もの「ニセモノ」と「ホンモノ」が一堂に集結する企画展示「大ニセモノ博覧会 -贋造と模倣の文化史-」を開催している。会期は5月6日まで(休館日は3月30日を除く毎週月曜日、ただし月曜が祝日の場合は翌日休館)。開館時間は9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)。入場料は一般 830円、高校生・大学生 450円(毎週土曜日は高校生無料)、中学生以下 無料。同展は、ジュラ紀から現代までの「ニセモノ」と「ホンモノ」約300点を展示するとともに、それらが各時代や地域の人々の暮らしの中で、どのような役割を果たしてきたのかを紹介する展覧会。館内に展示されているのは、室町時代末期~江戸時代前期にかけて茶道具として珍重された「安南陶器」のニセモノ(偽造した発掘現場を撮影し、客を信用させて売りつけた詐欺事件)をはじめ、江戸時代~明治にかけて日本から欧米に輸出されていた「人魚のミイラ」を当時の技術で再現するとともに、ペリーの航海日誌に記された人魚の記述が紹介されている。また、山口県、兵庫県播州、千葉県の旧家の所蔵品から雪舟、松陰、谷文晁などのニセモノから、それらの地域性を読み解いたコーナーや、商標登録や保護の法制度のなかった江戸時代に氾濫した商品銘のコピーの問題(似印酒)や、味の偽造(偽酒)の秘伝書の紹介、さらには鎌倉武士たちの垂涎の的とされていた高級な「建盞」を瀬戸焼で模倣した黒釉の天目茶碗など、数々の「ニセモノ」が展示されている。一方で、織田信長が東大寺へ宛てた「ホンモノ」の文書も公開されている。なお、館内では同展の見どころを女優・歌手の柴咲コウの声を元に製作されたボーカロイドキャラクター「ギャラ子」が解説する"音声ガイド"をスマートフォンで聞くことができる。iOS / アンドロイド用アプリ「みんなのミュージアムガイド」を事前にインストールし、館内に掲示されている「音声ガイドの利用方法」を参考に操作することで再生可能。ただし、音声ガイドは周囲への配慮から各自が用意したイヤホンで聞く必要がある。
2015年03月18日鉄道博物館(埼玉県さいたま市)では2月20日~5月10日、2012年冬に東京駅で上映されたプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」の再現上映が行われている。「TOKYO HIKARI VISION」は、ネイキッドと同社代表・村松亮太郎氏が手がけたプロジェクションマッピング。2012年冬に東京駅で上映され、2014年12月には、東京ステーションギャラリーで1/20スケールの東京駅の模型を使って再現上映された。今回鉄道博物館で行う再現上映も、同様の模型を使ったものとなる。会場は鉄道博物館2F「スペシャルギャラリー2」で、上映時間は1回約10分。開館時間中は繰り返し上映する。鉄道博物館の入館料のみで鑑賞可能とのこと。なお、同館の入館料は一般1,000円・小中高生500円・幼児(3歳以上未就学児)200円(全て税込)となる。休館日は火曜日および年末年始で、春休みや夏休みなど学校の長期休業中の火曜日は開館する場合があるとのこと。
2015年03月02日東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館の3館は、上野観光連盟と共同で、JR東日本「上野東京ライン」の開業を記念した共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」を、各館の窓口およびエキュート上野、浅草文化観光センターなどにおいて3万部限定で発売する(売り切れ次第販売終了)。販売開始は3月14日。価格は1,000円。「UENO WELCOME PASSPORT」は、3月14日~5月31日の期間中、3館の常設展および総合文化展を各館1回観覧できる共通入場券。「パスポート」をイメージした小冊子タイプで、入国審査のようなスタンプラリー(オリジナルプレゼント付)が盛り込まれている。また、購入者には"江戸すごろく"を模した上野周遊マップも提供されるとのことだ。ちなみに、同券は各館の大人料金での入場者が対象となっているが、3館とも「中学生以下は無料」のため、親子で各館を巡りながらスタンプラリーを楽しむことが可能となっている。なお、各館の開館時間と休館日は、「東京国立博物館」が 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで。金曜日は20:00まで、4月以降の土日祝日は18:00まで)、月曜日休館(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌火曜日に休館。ただし、3月23日、3月30日は特別開館、5月7日は休館)。「国立科学博物館」が 9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで。※金曜日は20:00まで、4月25日~5月10日は18:00まで)、月曜日休館(ただし、3月30日、4月27日、5月4日は開館)。「国立西洋美術館」が 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで。※金曜日は20:00まで)、月曜日休館(※ただし、3月30日、5月4日、5月18日は開館、常設展示は3月16日まで閉室)となっている。
2015年03月02日東京・上野公園の国立科学博物館では3月14日(土)~6月14日(日)まで、南アメリカ・アマゾン川の自然を紹介する「大アマゾン展」を開催する。アマゾン川は世界一の流域面積を誇り、長さも世界一と言われている。今回、国立科学博物館はTBSテレビとともに現地を調査し、取材や撮影を行った。本展覧会ではその成果をもとにアマゾン川に生息する動物や植物の多様性を、化石やはく製、骨格標本や映像資料などを交えて紹介する。知っているようで、実はあまり知られていないアマゾンの多様な生態系を知ることができる、過去最大級の「アマゾン展」となる。アマゾンと聞いて、まず頭に思い浮かぶ景色は雄大なジャングルだ。本展では、アマゾンの森を体感できるジオラマを展開し、そこに生息する動植物を紹介する。そのほか、アマゾンの成り立ちの地球史的な背景とともに紹介しながら、約1億年前の南米に生息していた動植物の化石を揃えたり、南米に固有の哺乳類たちの姿や、カラフルで世界最大のインコ、コンゴウインコ、“ピンクイルカ”として知られるカワイルカなど、なかなかお目にかかれない生物の秘密にも迫る。本展の魅力を分かりやすく伝えるサポーターには、お魚の知識では誰にも負けないさかなクンが決定。さかなクンは本展に寄せて、「淡水魚、特にアマゾンのお魚は自分にとって未知な分野でギョざいます。この機会、フルパワーで挑ませて頂きます」とコメントしている。子供から大人まで楽しめる「大アマゾン展」。春先の週末にお出かけしてみてはいかが。(text:Miwa Ogata)
2015年02月18日日本たばこ産業は4月25日、「たばこと塩の博物館」を東京都渋谷区から墨田区に場所を移しリニューアルオープンする。○個性的な博物館が多く集まる墨田区に同館は、たばこと塩の歴史や文化に関するテーマを中心に、それらを取り巻く時代や地域に関する幅広いテーマを紹介。1978年11月3日の開館から35年にわたり、渋谷区神南の地で営業してきた。2012年8月には来館者数が延べ300万人を超えたが、2013年9月より一時休館していた。今回のリニューアルでは、「たばこ」「塩」の常設展示室と特別展示室を、これまでの約2倍の広さに拡充。視聴覚ホール、ワークショップルーム、図書閲覧室などの施設機能を充実させる。「たばこ常設展示室」は、「たばこ文化の発生」「世界のたばこ文化」「江戸のたばこ文化」「近現代のたばこ文化」の4カテゴリで構成。日本や世界の喫煙具や美術工芸品などを従来以上に数多く展示。また、たばこ文化の起源とされるマヤ文明の遺跡、メキシコのパレンケ遺跡「十字の神殿」の一部などを再現した実物大模型などを展示する。「塩の常設展示室」は、「世界の塩資源」「日本の塩づくり」「塩のサイエンス」の3カテゴリで構成。世界遺産であるポーランドのヴィエリチカ岩塩坑で、坑夫たちに信仰されている「聖キンガ像」を現地の職人の手により再現製作した岩塩彫刻などを展示する。新所在地は東京都墨田区横川1-16-3。浅草、両国から近い立地となる。また、同地は、明治37(1904)年のたばこ製造専売制導入後、初期に設立されたたばこ製造工場。その後、所在・名称を少しずつ変えながら、現在もJT生産技術センターとして稼働している。日本のたばこ産業にとって重要かつ縁のある地域とのこと。開館時間は、10時~18時。休館日は、月曜日と年末年始。入館料は、大人100円、子ども50円。なお、特別展は別料金の設定を予定している。
2015年02月09日国立科学博物館(東京・上野公園)とTBSテレビは、3月14日~6月14日にかけて「大アマゾン展」を開催する。同展は、世界一の流域面積を誇るアマゾン川流域に生息する生物の多様性をテーマに、アマゾン固有の生態系、先住民族がどのようにそれらを利用してきたかを総合的に紹介する過去最大級の展覧会。監修には、同館の動物・植物・地学・人類各研究部よりそれぞれのジャンルの専門家が携わる。同展では、アマゾンの森を体感できるよう、ジオラマを展開し、そこに生息する動物や植物を展示する。また、アマゾンの成り立ちの背景を紹介するとともに、アマゾンが形成される前の動植物化石と、現在のアマゾンの動植物を対比。約1億年前(白亜紀中期)の化石を展示する。ナマケモノ、アリクイ、アルマジロを含む異節類と呼ばれるグループは、共通して骨格に同じような特徴を持っており、一部が北米大陸に進出しただけで、ほとんどの種は南米に分布している。これら南米特有の哺乳類などについても紹介する。世界最大級のインコ類「コンゴウインコ」を紹介するコーナーも設置。頭から尾の先までの全長が1mにもなるコンゴウインコは、アマゾンを中心として中南米に分布しており、アマゾン川流域が発祥の地と言われている。アマゾンの爬(は)虫類と両生類についても紹介する。現在、450種類以上の爬虫類と、1,000種以上のカエル類(両生類)が知られているが、アマゾン流域に生息する爬虫両生類全体のごく一部に過ぎないとされており、毎年新種が多く発見されているという。アマゾンでは、日本やアジアのものとは桁違いの巨大な昆虫や、変わった形・生態を持つ昆虫が生息している。その中のひとつがカミキリムシで、「タイタンオオウスバカミキリ」は体長15cmを超えるものもいるとのこと。そのほか、美しいモルフォチョウの仲間や、巨大カブトムシの仲間なども展示する。川に生息する生き物たちについても紹介。長いクチバシを持ち、白または薄い灰色で模様のないイルカ「アマゾンカワイルカ」の全身骨格を展示するほか、世界最大級の淡水魚・ピラルクーや、レッドテール・キャットフィッシュといった魚類についても学べる内容となっている。酸性のアマゾン川の中で生きる水草や、アマゾンの自然を支える菌類について学べるコーナーも設ける。アマゾン特有のきのこ類、ガイアナの熱帯雨林に分布するきのこなどを、標本や写真で紹介する。展示だけではなく、355インチの大型ビジョンを使用し、まるで本当のジャングルに入ったかのような体感ができる最新の4Kシアターといったコンテンツも用意する。会期は3月14日~6月14日。開館時間は9時~17時(金曜日は20時まで)。休館日は毎週月曜日(ただし、3月30日、4月27日、5月4は開館)。
2015年02月05日東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、大英博物館、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーションは、大英博物館(英国・ロンドン)が所蔵する膨大なコレクションの中から厳選した100作品を展示する「大英博物館展 - 100のモノが語る世界の歴史」を開催する。開催期間は4月18日~6月28日(5月4日を除く月曜、5月7日は休館)、開場時間は9:30~17:30(金曜は20:00まで)。会場は東京都・上野の東京都美術館 企画展示室。入場料は一般1,600円、学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下は無料(いずれも当日料金)。また、同展の公式サイトでは、現代を象徴するモノに投票する「あなたが選ぶ"101点目"」への一般投票を呼びかけている。投票期間は6月21日まで。同展は、最初期の石器から現代のクレジットカードに至るまで、さまざまな時代と地域のモノを"人類の文化遺産の殿堂"として大英博物館が所蔵する、約700万点にもおよぶ8つの全所蔵部門から、厳選された100作品を通して"世界の歴史"を辿ろうという試みだ。展示内容は、館長ニール・マクレガー氏が解説するBBCのラジオ番組を原案として作品を一部入れ替えて再構成されたもので、展示作品の中には、「ウルのスタンダード」や「ルイス島のチェス駒」など、教科書や人気映画でもお馴染みの歴史的な名品も含まれる。また、同展の関連企画として、現代を象徴し未来につながる歴史の1ページを飾るのにふさわしいモノに投票する「あなたが選ぶ"101点目"」の人気投票を実施している。投票ページには、パソコンやスマートフォン、3Dプリンタ、太陽光パネル、テレビ、デジタルカメラ、音声翻訳機、カーナビ、新幹線、宇宙船、人工臓器、カラオケ、インスタントラーメンなど多種多様なモノが例示されているが、これら以外にふさわしいと思うモノがあれれば、ユニークな提案として「その他」欄からほかのモノに投票することも可能だ。なお、投票結果は展覧会場と当サイトで随時発表されるとのことだ。なお、同展の公式サイト上では、みうらじゅん(イラストレーター)、ヤマザキマリ(漫画家)、堺雅人(俳優)、千宗屋(茶人)、壇ふみ(女優)といった各界の著名人が、同展出品の100作品の中から「わたしが選ぶ、この1点」としてお気に入りの作品への思いを語っている。
2015年02月04日東京国立博物館・高山寺・朝日新聞社は、4月28日~6月7日にかけて、東京国立博物館 平成館(東京都台東区)にて「特別展 鳥獣戯画京都 高山寺の至宝」を開催する。○高山寺の文化財なども公開京都市右京区の高山寺に伝わる「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」は、墨線のみで動物や人物たちを躍動的に描いたもので、国宝に指定されている。甲・乙・丙・丁と呼ばれる4巻に分かれており、「甲」ではウサギやサル、カエルたちが人間さながらに遊戯や儀礼を行う様子が描かれている。「乙」では、ウシやイヌといった身近な動物や、獅子や獏(ばく)などの霊獣が描かれている。「丙」では闘犬などの人々の遊戯の様子や、踊りを踊るカエルやサルなど、擬人化した動物たちの絵を見ることができる。「丁」では、人々の儀礼や祭礼の様子を描かれている。このたび全巻の修理を終え、現存する全ての鳥獣戯画を公開する。国内外に所蔵される断簡5幅も鑑賞できるという。そのほか、高山寺収蔵の文化財や仏教美術なども出展する。中興の祖として知られる明恵上人が愛した子犬の彫刻や、雌雄一対の鹿の木彫なども公開する。会期は前期・後期に分かれ、一部展示作品、および展示場面の変更を行う。「鳥獣戯画」は、全4巻の各前半部分を前期(4月28日~5月17日)、後半部分を後期(5月19日~6月7日)に展示する。開館時間は9時30分~17時。※金曜日は20時、土曜・日曜・祝休日は18時まで(入館は各閉館の30分前まで) 休館日は月曜日(5月4日は開館、5月7日は休館)。観覧料は、一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生900円(700円)、中学生以下無料。( )内料金は前売料金。前売券は2月1日~4月27日に販売する。価格は税込。※画像はすべて京都・高山寺蔵。
2015年01月15日人気バンド「ワンダイレクション」のボーイズと英キャサリン妃&ウィリアム王子が顔を合わせていたことが明らかになった。「Mirror」誌によるとメンバーたちは今月13日(現地時間)、毎年行われる「ロイヤル・バラエティー・パフォーマンス」という英国王室を迎えてのイベントで2人と謁見を果たしたという。謁見の後、メンバーたちはそれぞれ次のように感想を述べている。リアム・ペインは「人生の中で一番緊張したと思うよ」。ルイ・トムリンソンはそれ以上に緊張しすぎたのか、少しミスをしてしまったようだ。「“マム(女性への敬称)”と言うのを忘れてしまったよ」「(あまりにカジュアルに)『どうもこんにちは。僕はルイです』と言ってしまった」。ハリー・スタイルズは2人に比べると余裕があったようで、キャサリン妃の妊娠に祝福を送ったのだという。「(お腹の)膨らみについておめでとうと言ったよ」「そうは言っても膨らんでいるようには見えなかったけどね」。またウィリアム王子もボーイズと親密になったようで、彼らのキャリアを見守ってきたことを明らかにしたようだ。「ワンダイレクション」のメンバーたちもロイヤル・カップルに会えてさぞ嬉しかったことだろう。彼らのニューアルバム「FOUR」も発売も近い(CDは19日)。今後のキャリアにもさらに弾みをつけてもらいたいものだ。(text:cinemacafe.net)
2014年11月17日「エルメス(HERMES)」とレザーの絆をテーマとしたエキシビション「レザー・フォーエバー」が12月2日から東京国立博物館 表慶館にて開催される。23日まで。このエキシビションは、馬具工房として生まれたエルメスによる革の歴史をたどるもの。バッグやオブジェなどの展示を時代と共に追うことで、職人達がものづくりを探求してきた姿を垣間見ることが出来る。会場ではアトリエの職人によるバッグ製作のデモンストレーションを開催。カッティングに始まり、縫製、ステッチなど、バッグの製作にかかわる技巧の数々が披露される。また、エキシビションの開催を記念した、特別バッグコレクションの展示も行われる予定。イベントの開催に先駆け、エルメスのアーティスティックディレクター務めるピエール=アレクシィ・デュマ氏は、「私は時折、祖先のティエリ・エルメスが、設立したばかりの1837年当時のパリのアトリエで、馬具に用いるレザーの香りを吸い込んだり触れたりしながら目を輝かせている姿を思い描く。その香りは今もなお私をわくわくさせるもの」とコメントしている。【イベント情報】エルメス「レザー・フォーエバー」会場:東京国立博物館 表慶館住所:東京都台東区上野公園13-9会期:12月2日から23日時間:9:30から17:00(3日から7日は20:00まで)休館日:月曜日入場無料(入場引き換え券を右記より取得の上、東京国立博物館正門の専用窓口にて携帯・スマートフォンの画面を提示)
2014年11月14日米Ooyala(ウーヤラ)は10月28日、オンライン動画広告の配信テクノロジーの提供と収益化を行う英Videoplazaを買収したと発表した。英Videoplazaは、ヨーロッパ放送事業者の半数や、アジア太平洋地区における一流メディア企業など、ビデオパブリッシャー各社に対し、プログラマティック・トレーディング・ソリューションを提供する。今回の買収により、米Ooyalaは、急速に成長している動画広告市場に参入し、新しい観点での広告ビジネスを構築することが可能となる。同社は、テレコミュニケーション&インフォーメーションサービス企業となる豪Telstraの傘下に入った後、個人に最適化されたクラウド型動画配信の推進を目指しており、今回の買収はその最初のステップとなるという。また、英Videoplazaにとっては、米Ooyalaとの協力により、米国市場に販路を拡大することが可能となる。両社は今後、コンテンツの管理やワークフロー、高品質なビデオ体験、広告配信、プログラマティック・トレーディング、視聴者個人に合せたコンテンツレコメンデーション、視聴者趣向のリアルタイム分析、コンテンツ・広告効果の分析など製品ポートフォリオの拡大を図りたい考えだ。
2014年10月29日英キャサリン妃(32)が妊娠した。ケンジントン宮殿は、昨年7月22日に第1子のジョージ王子が誕生している英ウィリアム王子とキャサリン妃に第2子が誕生する予定であることを明らかにした。Facebookの英国王室のオフィシャルページには、こう投稿されている。「ケンブリッジ公爵と公爵夫人は、ケンブリッジ公爵夫人が第2子を妊娠中であることを喜んで発表いたします」「エリザベス女王と両家の家族はこのニュースに感激しています」。しかし、ジョージ王子の時と同様にキャサリン妃はひどいつわりを患っているそうで、ケンジントン宮殿で医師団により治療を受けているようだ。「初回の妊娠時と同様に、公爵夫人は妊娠悪阻を患っております」とその声明文は続けている。この体調不良により、9月8日(現地時間)にオックスフォードで予定されている中国文化の勉学のためのビルの開館式には、キャサリン妃はウィリアム王子に同行しないことも発表された。「本日に予定されていたオックスフォード訪問には、夫人はケンブリッジ公爵に同行しないこととなりました」「ケンブリッジ公爵夫人は、ケンジントン宮殿で医師団による治療を受けています」と続けた。(text:cinemacafe.net)
2014年09月08日富士通は7月8日、博物館・美術館・デジタルアーカイブシステム「FUJITSU 文教ソリューション Musetheque」の収蔵品管理情報の管理・公開機能を強化した「Musetheque V4」を提供開始すると発表した。Musethequeは、1999年に写真・動画・文書といった収蔵資料情報の統合管理と情報発信をサポートする、収蔵品管理システムとして提供が開始された。現在、国内約50ヵ所の国公立博物館、美術館、文書館などが利用している。新製品は、操作性の向上、スマートデバイスへの対応、管理できる項目やデータ管理の階層構造の柔軟性強化など、収蔵品管理業務の効率化と現場への柔軟な適用を実現するための機能を強化した。オプションとして、来館者用端末やインターネットへ公開する収蔵品情報を検索するための機能と標準的な画面デザインのパッケージを提供したことにより、信頼性の高い情報公開環境を、短期間で構築することが可能となった。また、学芸員が利用する情報登録などの業務用画面や情報公開用の画面に表示されるガイダンスや各種メッセージ、項目名などを日本語以外の言語に変更しやすいシステム構造にすることで、海外拠点からの情報発信やグローバルな情報公開などにも対応しやすくなった。同製品は三重県総合博物館に先行して導入されており、4月19日の同博物館開館日より本格的に運用されている。
2014年07月09日ローマ法王フランシスコと英エリザベス女王が4月3日(現地時間)、バチカンで会談したと世界中のメディアが報道した。女王はこれまでにも歴代のローマ法王と会談してきたが、フランシスコ法王に会うのは初めて。女王はイタリアのナポリターノ大統領の招きを受け、夫のフィリップ殿下と共に日帰りで同国を訪問。大統領主催の昼食会に出席した後、バチカンに向かった。女王はイングランド国教会の首長、フランシスコ法王はローマカトリック教会のトップという立場だが、非公式の会談という形で初の面会が実現した。エリザベス女王はこれまでに、即位前年の1951年のピウス12世との会談を皮切りに、故ヨハネパウロ2世など歴代のローマ法王4人と会談してきた。そして米メディア「abcnews」が伝えたところによると、この非公式の場にエリザベス女王がお土産として持ち込んだものは、イギリス王室の夏の休暇地として使用されている6万5,000エーカー(約260平方キロメートル)の面積を誇るスコットランドのバルモラル・エステートで醸造されたウィスキー、作られたジャムや各種の飲料をピクニック・ビスケットに詰めたギフト。なんともハート・ウォーミングな贈り物だ。一方、フランシスコ法王からは、去年7月に誕生されたジョージ王子へと、稀少な宝石で飾られた十字架の印のついた地球儀。まもなく初めての外遊でオーストラリアとニュージランドを訪問される王子へふさわしい記念品になることだろう。またエリザベス女王には「urbi et orbi」(“ローマと世界へ”の意味)というメッセージが綴られた1679年に作られたという羊皮紙が贈られた。(text:Mieko Nakaarai)
2014年04月04日