国立感染症研究所は1月12日、2015年12月21~27日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中に4,000人近くが各地の医療機関でインフルエンザ感染を確認されたことが明らかになった。厚生労働省は、インフルエンザは「38度以上の発熱」「頭痛」「関節痛」「筋肉痛」などの症状が突然現れ、日本では例年12月から3月頃にかけて流行が見られるとしている。一度流行が始まると短期間に多くの人へと感染し、集団感染によって学級閉鎖などへとつながる。国立感染症研究所によると、全国5,000カ所の定点医療機関から12月21~27日(第52週)の期間中に報告があった感染者数は3,734。第51週は2,270人となっており、64%も1週間あたりの患者が増えた計算になる。第50週(1,690人)からの数値を見ると、1週間ごとの伸び率は34%、64%と推移しており、直近2週間で急伸していることがわかる。第52週において、都道府県別での患者が最も多かったのは北海道(532人)。以下は秋田県(359人)、東京都(304人)、神奈川県(231人)、大阪府(190人)となっている。感染増に伴い、全国の定点当たり報告数(1医療機関あたりの患者数)も増加。第51週は0.46にとどまっていたが、第52週は0.76まで急上昇。第50週(0.34)から2週間で2倍以上になっており、「流行開始」の指標となる「1.00」へと迫っている。なお、既に今シーズンは昨シーズンより1カ月以上も流行期入りが遅れている。インフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となり、予防策としてはワクチン接種のほか、マスク着用や手洗い、うがいなどがある。また、感染しても特有の症状が出ないケースや検査タイミングによって正しい結果が出ないケースもあるため、十分に注意が必要となる。※写真と本文は関係ありません
2016年01月12日国立感染症研究所は1月5日、2015年12月14~20日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中に2,000人以上が各地の医療機関でインフルエンザ感染を確認されたことが判明した。インフルエンザは「のどの痛み」「頭痛」「関節痛」「筋肉痛」などの症状を伴う。日本では例年12月から3月頃にかけて流行が見られ、一度流行が始まると短期間に多くの人へと感染する点が特徴だ。全国5,000カ所の定点医療機関から12月14~20日(第51週)の期間中に報告があった全国の感染者数は2,270。第50週は1,690人だったため、前週に比べて約34%患者が増えている計算になる。第51週に都道府県別での患者が最も多かったのは北海道(348人)。以下、東京都(231人)、秋田県(184人)、大阪府(123人)、神奈川県(122人)と続く。患者増に伴い、全国の定点当たり報告数(1医療機関あたりの患者数)も増加。第50週は0.34だったが、第51週は0.46まで数値がアップしている。なお、「流行開始」の指標となる数値「1.00」。ちなみに2014-2015シーズンにおいては、同研究所が2014年12月5日に定点報告数が「1.00」を上回ったことを明らかにしている。すなわち、今シーズンは昨シーズンより1カ月以上も流行期入りが遅れていることになる。都道府県別では秋田県(3.41)を筆頭に、北海道(1.54)、新潟県(1.26)、福島県(1.14)、沖縄県(1.00)、富山県と大分県(共に0.57)、東京都(0.56)、岡山県(0.52)などが上位に並ぶ。東京都だけで見ると、定点当たり報告数は0.19(第49週)、0.44(第50週)、0.56(第51週)と推移。患者数も第50週から第51週にかけて約28%増加しており、じわじわと感染が拡大していることがうかがえる。インフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路。予防策としてはワクチン接種のほか、マスク着用や手洗い、うがいなどがある。※写真と本文は関係ありません
2016年01月06日国立感染症研究所は1月5日、2015年12月14~20日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査の結果から、同期間中における1週間当たりの「感染性胃腸炎」の患者が、2015年で最多だったことがわかった。感染性胃腸炎の症状としては、一般的に発熱を伴った下痢や腹痛、おう吐などがある。厚生労働省は、特に冬季は食品などを通じて感染するノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行するとしている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から12月14~20日(第51週)の期間中に報告があった全国の患者数は3万3,709人。第50週に2015年で初めて患者数が3万人を突破(3万2,022人)し、さらに第51週にも増加していた。また、1医療機関あたりの患者数も第50週に初めて10人を超えており、第51週には10.67人まで数値を伸ばしている。ただ、過去5年間の同時期の患者数と比較すると、2015年が最少。過去5年間では2013年が18.07で最多で、2012年が17と続いている。第51週において、都道府県別での患者数が最も多かったのは東京都の3,957人。2位以下は神奈川県(3,139人)、埼玉県(2,016人)、愛知県(1,909人)、大阪府(1,904人)となっており、大都市圏にて患者が増えている傾向がみてとれる。全国的なウイルス感染拡大を受けて、Twitter上には「年明け早々息子のノロウイルス。看病疲れか私も風邪」「ノロウイルスの胃腸炎かかりました」「2年ぶり4回目のノロウイルス」などのコメントが多くみられる(コメントは原文)。※写真と本文は関係ありません
2016年01月05日ロート製薬はこのほど、花粉症対策への啓発を目的に、0歳~16歳の子どもを持つ親を対象として11月に実施した「子どもの花粉症」アンケート調査の結果を発表した。0歳~16歳の子どもを持つ親1,589人(その子どもは2,618人)に「お子様は花粉症だと思いますか?」と質問したところ、「花粉症である」と親が実感している子どもは、「花粉症」(21.5%)、「花粉症も通年性アレルギー性鼻炎も両方」(12.0%)を合わせると33.4%。2012年に行った同様のアンケートでは25.7%であり、以降から年々増えていることが分かった。また、現在子どもが該当すると思うアレルギー症状について聞いたところ、「花粉症」の33.4%に対して、「アトピー性皮膚炎」は10.4%で、花粉症はアトピー性皮膚炎の子どもの割合と比べると約3倍以上となっている。「子どもが花粉症だと思う」と答えた人に、発症したと思われる年齢を聞いたところ、0歳~5歳が45.5%、0歳~10歳が82.3%という結果になり、同社は「過去3年の調査と比較すると、花粉症発症の実感が低年齢化傾向にあるようだ」と分析している。住環境別に集計した花粉症の子どもの割合比較では、一戸建の35.2%が最も多く、次いでマンション・アパートの7階以上が32.4%であった。専門医の考察によると、アレルギーを起しやすいと言われるディーゼルエンジンの排気ガスを吸い込みやすい一戸建、また都会で土が少ないと考えられるマンション高層階では花粉が舞いやすく、花粉症を発症しやすい環境だと考えられているとのこと。同調査は、全国の0歳~16歳の子どもを持つ親1,589人(その子どもは2,618人)を対象として11月5日~11日の期間にインターネットによるアンケートによって実施。調査結果は回答した親の実感によるもので、医師の診察結果による数値ではない。また、子どもの人数に応じてそれぞれ回答を得ている。
2015年12月28日急に寒さが強まってきましたね。小さい子がいる家庭では、風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が心配な季節です。そこで、今回は、子どもが保育園で病気などをうつしてしまった場合、親や保育園にはどんな責任があるのかを、アディーレ法律事務所の島田さくら先生と考えてみましょう。 「明らかに病気の子」を預けた親は罪になるのか?通常、保育園では、風邪や感染症の2次感染を防ぐため、園児の体調について親に申告するよう求めています。ただ、「風邪」という基準だと判断がつかないため、各園で「37.5℃以上の熱がある場合」「平熱より1℃高い場合」「下痢や嘔吐がある場合」といった具体的な基準を定めて、このような症状がある場合には預かりをしない運用をとっています。また、保育園における感染症予防については、厚生労働省が「保育所における感染症対策ガイドライン」を発表しており、それに基づいて、通常、保育園では入園に際しての契約書等で、感染症にかかった場合の登園の基準を定めています。感染症とはたとえば、麻しん、風しん、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、RSウイルス感染症、百日咳などですが(これ以外にも多数あります)、園が感染症と認定しているものに対しては、症状が治まっても、登園のためには、医療機関の発行する「登園許可書」や「治癒証明書」の提出が必要とされています。このように、保育園としては、ほかの園児に病気がうつらないよう努めることを、親に周知しています。なので、親としては、保育園での決まりや基準を守って、ほかの園児にうつらないよう気をつけなければなりません。とは言え、「病気の子どもを保育園に預けたら犯罪!」とまでは言えないでしょう。理屈の上での話をすれば、他人にわざと病気をうつしたら傷害罪、また、わざとでなくても注意義務を怠って他人に病気をうつしたら過失傷害罪となることが考えられます。しかし、犯罪が成立して処罰されるのは、懲役や罰金等の刑罰をもって処罰しなければならないような場合に限られます。そうすると、そこまでする必要があるのか、子どもを保育園に預けるという行為が傷害といえるのか、等々の問題が出てきます。また、実際問題として、その園児からほかの園児に病気がうつったんだという因果関係を証明するのは難しいですし、警察が捜査を始めるということもないでしょう。親はどのように責任をとるのかわざと他人に病気をうつせば、故意に他人の健康を害してしまっているため、民法上の不法行為(故意または過失により他人に損害を与えること)が成立し、病気がうつってしまった相手に治療費や慰謝料を支払う必要が出てきます。ただ、子どもを保育園に預けた結果、病気がうつってしまったというだけであれば、この行為が不法行為といえるのか、どうのようにして因果関係を証明するのかという問題もありますので、これは現実的ではないでしょう。仮に、子どもがよくかかるような病気をうつしたから損害賠償だ!と言われてしまうと、おちおち子どもを預けることもできなくなってしまいますよね。ただ、登園が禁止されている状態なのに、何度注意しても子どもを登園させることを繰り返すといった場合には、契約違反となり、保育契約を解約されることも考えられます。病気の子どもを預かってしまった保育園の責任もあるのか?保育園の責任については、ちょっと難しいですが、以下のように定められています。(1)保育園には感染症対策をする義務がある厚生労働省のガイドラインによれば、保育園は、感染症を防ぐため、感染症対策をすることを責務とされています(集団予防義務)。保育園の職員は、病気の感染予防や対策について十分に理解し、日々の衛生管理等に活かしていくことが必要です。また、保護者に対して、口頭で、又は保健だよりや掲示等を通じてわかりやすく伝えることが求められます。 そのほか、早期診断・早期治療・感染拡大防止に繋げるため、感染症が発覚した場合には、全職員が情報を共有して、速やかに保護者に感染症名を伝えるなど感染拡大防止策をとる必要があります。(2)保育園で悪質な集団感染が起きた時は、運営側が責任を負うこともですので、保育園には、病気の園児が、ほかの園児に病気をうつす可能性がないかどうか注意して感染を予防する義務があり、その義務に著しく違反し、集団感染などが生じた場合には、都道府県知事から期限を定めて必要な措置を取るべき旨が命じられ、その命令に従わないときには、事業の停止や、悪質な場合には、保育園の運営について認可を取り消される可能性も出てきます(児発第271号通知)。まとめ保育園に子どもたちが安全に通うためには、親もルールを守る必要があります。しかし、働くお母さんたちは、子どもが病気をしたからと言って簡単に仕事を休めるわけではないですし、近くに頼れる人がいない場合には、本当に困ってしまいますよね。最近では、「病児保育室」といって、事前に登録していれば病児または病後の子どもを預かってくれる施設も増えてきています。病院に併設していたり、保育園が運営していたり、さまざまな形態があります。行政によっては、利用料金を補助してくれる場合もあるので、子どもが保育園に通っている親御さんは、この機会に、お住まいの地域にどんな制度があるか、役所のホームページを見たり、担当者に訪ねてみたりしてはいかがでしょうか。あとがき保育園に通い始めた年の冬、うちの子も週1か週2のペースで風邪を引いては熱を出していました。正直、仕事にならない。保育園からのお迎え要請の電話に、裁判が終わって迎えに行くまでもうちょっとだけ待ってくださいとお願いしたこともありました。私の実家は九州で、近くに身寄りもないので、明日はお休みしなきゃなという日には、民間の病児ベビーシッターさんにお願いしています。安くはない出費ですが、子どもが病気の時に預かってくれる場所がないと働けないし、生活もできませんからね。働くお母さんたち、暖かい春が来るまで、なんとか乗り切りましょう!・協力: アディーレ法律事務所 (島田さくら<アディーレ法律事務所>)
2015年12月16日薬用せっけん「ミューズ」を販売するレキットベンキーザー・ジャパンはこのほど、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行しやすくなるシーズンに突入したことを受け、2次感染のリスクを減らす「ノータッチ手洗い」を提唱するリリースを発表した。感染症は、皮膚や粘膜の直接的な接触や、ドアノブ・手すり・便座などの表面を介しての接触によって病原体が付着することによる「接触感染」が約70%を占めるという。しかし、「感染症の最たる感染経路は、飛沫(まつ)感染である」と思い込んでいる人が約70%も存在しているとのこと(「ミューズ」調べ)。手から手を介して拡散する感染症を防ぐためには、せっけんを使った手洗いが大切といわれている。しかし、消費者庁の調べによると、家庭での食事前に手を必ず洗う人は52.6%。また、15.4%の人はトイレの後に手を洗わないという結果が出るなど、手洗いがきちんとできていない人が多くいる実情が明らかになっている。そこで「ミューズ」では、できるだけ汚れた場所を触らない手洗い、「ノータッチ手洗い」を提唱。それによると、他の人と共有で使用するタイプのせっけん、前に洗った人の手に付着していた汚れや、バイ菌・ウイルスが、せっけんやせっけんを入れてある網袋に付着している可能性があり、実は衛生的ではないことがある。そのため、せっけんを触らずに手を洗うことができるポンプ式や自動で泡が出るタイプのハンドソープなどが理想的だとしている。また、手を拭くタオルを共有で使っていたり、使い回していたりすると、タオル自体がバイ菌に汚染されている可能性があり、手洗い後に、汚れやバイ菌を再び手に付着させていることも考えられると警告。手洗い後に手を拭く際は、ペーパータオルなどを使うか、毎回タオルを交換するのが理想的とのこと。さらに、手の洗いの残しを防ぐための「徹底! 手洗い6つのステップ」も紹介。その内容は、「手のひらを合わせてよくこする」「手の甲を伸ばすようにこする」「指先やつめの間も念入りにこする」「指の間も十分に洗う」「親指と親指のつけ根を洗う」「手首を軽く握りながら洗う」となっている。その他に、「手を洗う前は、腕時計やアクセサリーは外す」「タオルはひとりずつ個人用に、清潔なものを用意する」「子どもが手を洗うときには、大人が付き添い、確認をすることが重要」との注意ポイントも付け加えている。
2015年12月07日国立感染症研究所は12月1日、11月16~22日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査の結果から、同期間中における1週間あたりの「RSウイルス感染症」の患者が、2015年で最多だったことがわかった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。ウイルスの典型的な潜伏期間は4~6日とされている。風邪のように発熱や鼻水などの症状が出るが、重度の場合だと肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後1歳までに半数以上の子どもが感染するとしており、同2歳までにはほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から11月16~22日(第47週)の期間中に報告があった全国の患者数は6,687人。第43週に1週間あたりの患者数が4,000人を超え、第47週に2015年になって初めて6,000人を突破した。直近5年間の同時期の患者数と比較しても、2015年が最も多い。2番目に同時期の患者数が多かったのが2014年で、その数は5,151人。最少だった2011年は2,389人となっているから、いかに今年の患者数が多いかがわかる。第47週において、都道府県別での患者数が最も多かったのは大阪府の580人。2位以下は北海道(499人)、愛知県(354人)、東京都(335人)、埼玉県(291人)と続く。第46週の患者数も大阪府、北海道、東京都、愛知県、埼玉県の順に多かったため、この5地域において患者が増加傾向にあることがうかがえる。また、ノロウイルス由来の患者が冬場に多くなる「感染性胃腸炎」も患者数が増加している。第47週における、1医療機関からの感染性胃腸炎患者の報告数は「7.18人」。第43週には4.33人だっただけに、1カ月間で約1.66倍にはねあがっている。※写真と本文は関係ありません
2015年12月02日冬になると毎年のように流行するインフルエンザ。悪寒や高熱などの症状が出た場合、インフルエンザと自覚できるがは、実は「感染に気付かないインフルエンザ」もあるのをご存じだろうか。○インフルエンザ特有の症状が出ない38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が特徴のインフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となる。通常は、ウイルスの潜伏期間をへた後にこれらの症状が現れる、だが、中にはインフルエンザ特有の症状が出ない「不顕性(ふけんせい)感染」の人も少なからずいる。済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河剛医師によると、不顕性感染にはさまざまな要素が関わってくるという。「不顕性感染かどうかは、元々の体質の特性に加えて、そのときの体力の状態や感染しているウイルスのタイプなどが関わってきます。そのため、一概にどういう人が不顕性感染になりやすいということは言えません」。○不顕性感染の人が感染を拡大させる恐れ苦しい症状が出ないというのは、本人にとってはありがたいことだが周囲にとっては必ずしもそうではない。なぜなら、不顕性感染の人が媒介役となって、感染を拡大させる可能性があるからだ。「私たちが病院で診察する患者さんは、38度とか39度くらいの高い熱が出て『自分がインフルエンザだ』と思って来るわけです。ただ、中には『家族がインフルエンザになりました。私の熱は37度台なので、私はインフルエンザじゃなく鼻かぜだと思います』などと話されている人でも、検査するとインフルエンザであることもあります。症状が弱く出る人はいますので、そういう人がウイルス感染を広めている可能性はありますね」。国内で近年流行しているインフルエンザウイルスは、A型とB型だ。ウイルスには流行する時期があり、例年は3月頃にB型ウイルスの感染者が増えてくるが、この時期は小学校などでインフルエンザ感染が散発的にみられるタイミングでもある。この現象も不顕性感染が関係しているのではないかと十河医師は推測する。「例えば、B型のインフルエンザウイルスは比較的症状が穏やかなので、インフルエンザと気づかれずに『風邪かな』とご両親たちが思ってお子さんたちが学校に行っていたら、実はインフルエンザだったということもあります。そういったお子さんと遊んだ子や、近くにいた子も検査したらインフルエンザだったというのもよく聞く話です」。○飛沫対策をしっかりとろう一目で「インフルエンザだ」とわかるような症状を呈していないだけに、不顕性感染の人を見分けるのは困難と言っていい。ただ、飛沫感染であることは通常と変わらないため、厚生労働省は■普段からくしゃみを他の人に向けて発しないこと■せきやくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること■手のひらでせきやくしゃみを受け止めたときはすぐに手を洗うことなどを対策として掲げている。自身が気づかないうちに家族や恋人、友人などを感染させてしまう可能性もあるため、寒い季節はこれらの対策を徹底するように努めよう。
2015年11月30日国立感染症研究所が11月24日に発表した感染症発生動向調査によると、直近の11月9~15日の期間中のインフルエンザ患者は全国で707人だった。まだ少数だが、昨シーズンは12月上旬で流行期入りが確認されており、今シーズンもこれから流行期にむかっていくことになる。頭痛や関節痛、倦怠(けんたい)感など複数の症状が出るインフルエンザだが、実際にはどの症状がどの程度現れるのだろうか。今回は、インフルエンザ感染を経験したことがあるマイナビニュース会員300名に「経験したことがあるインフルエンザの症状とその程度」について聞いたので、詳しく紹介しよう。Q. 経験したことがあるインフルエンザの症状を教えてください(複数回答可)1位: 悪寒(80.0%)2位: 発熱を伴う頭痛(58.3%)3位: 関節痛(51.3%)4位: 鼻水(43.3%)5位: 倦怠感(42.7%)6位: せき(35.0%)■悪寒・「とにかく毛布を何枚かぶっても寒かった」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「背筋がゾクゾクする感じ」(50歳以上男性/金融・証券/専門職)・「関節が痛くて動くのがつらいのと、震えが止まらず熱を測ると40度を超える熱が出ていた」(25歳女性/食品・飲料/専門職)・「ふとんにくるまっているのに寒くて仕方がない。ぶるぶるふるえながら寝、寒くなくなったと思ったら今度は暑くて汗。せきが出始めるとおなかと横隔膜あたりが痛いし、夜もとぎれとぎれしか寝られなくて大変だった」(34歳女性/自動車関連/秘書・アシスタント職)■発熱を伴う頭痛・「頭痛薬がないと眠れないくらい」(30歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)・「喉の痛みから始まり悪寒や頭痛。病院でインフルに伴うぜんそくから肺炎になりかけていると言われた。点滴やレントゲンで治療費支払時に一万を超えてしまい、お金がたりなくてビックリした」(42歳女性/その他/その他)・「天井が回っているようでずっと酔っているようだった」(23歳男性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「朝起きたときから異様な頭痛でふらつきがひどい。病院にいざ行こうとしても寒気がひどく、歩くのも足が痛んで正直行くのも辛い」(32歳女性/医療・福祉/専門職)■関節痛・「関節が痛くなって、全く動けなくなって寝込んだことがあります」(44歳男性/情報・IT/技術職)・「最初は『筋肉痛かな? だるいし』と思っていたら、のどから始まりいろんなところが一気に来た」(29歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)・「身体の骨が痛くてだるすぎて動けなかったです」(37歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「非常に体が重くなって、節々が痛くなりました。寝ても寝ても治らない上に、痛くて寝転ぶのも起き上がるのもつらかったです」(25歳女性/情報・IT/技術職)■鼻水・「寒気がして、節々が痛くなると高熱が出たと感じる。そのあと、咳や鼻水、喉の痛みが止まらなくなり、黄色い痰が出ると熱っぽい感じがする」(26歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「まず、とにかく透明の鼻水が大量に出て、翌朝からドンドン熱が上がり頭痛と関節が痛くなりました」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「最高で39.3度の熱が出て、1日に50枚くらいティッシュを使うほど鼻水が出た」(33歳男性/医薬品・化粧品/技術職)・「いきができない」(33歳女性/自動車関連/事務系専門職)■倦怠感・「倦怠感がひどく何もする気になれなかった」(26歳男性/電機/技術職)・「気分が悪くて立ち上がれないほどしんどかったです」(31歳男性/食品・飲料/販売職・サービス系)・「最悪の二日酔いが3日くらい続いているような気だるさと吐き気、悪寒で死にそうだった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■せき・「震えが止まらないほど寒い。せきが止まらず呼吸ができないほど」(47歳男性/電力・ガス・石油/技術職)・「勤務中に体調が悪くなりました。朝はいつも通りだったのですが、お昼ごろからのどが痛くなり、退社する頃には声が出なくなってしまいました。家に帰ってから熱を測ったら38.5度くらいあり、関節が痛かったです」(50歳以上女性/その他/その他)・「高熱が出て意識がもうろうとした。せきが止まらなかった」(34歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)■総評1位は80.0%の人が回答した「悪寒」だった。回答者の多くは「震え・寒さが止まらない」「体をどれだけ温めても寒い」「布団を何枚重ねても寒い」などの意見を寄せており、相当耐え難い寒さに苦しめられたことがうかがえる。58.3%で2位になったのは「発熱を伴う頭痛」。38度以上の高熱にうなされ、眠れないほどの激しい痛みや、頭をグルグルと回されているかのように感じる頭痛を経験した人が見られた。3位は51.3%の人が支持した「関節痛」だった。回答者の意見を総合すると、「最初は筋肉痛かとも思ったが、体の節々が異様に痛み出して動けないほどになり、痛みで眠れないときもあった」となる。そのほかでは「痰(たん)」(20.7%)、「吐き気」(20.3%)、「下痢」(14.0%)などの症状にさいなまれた人も見られ、まさに「脅威」の一言がふさわしいインフルエンザ。ワクチン接種が効果的な予防策だが、有効期間は接種から2週間~5カ月ほど。昨年の接種分による効果は期待できないため、気をつけよう。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年10月29日~10月31日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月25日国立感染症研究所は11月24日、11月9~15日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎およびRSウイルス感染症の患者が全国的に増加していることが明らかになった。食品などを通じて感染するノロウイルスによって引き起こされる症状は、おう吐や下痢、腹痛などがある。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。同研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は2万1,696人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったため、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約2.1倍に増加していることになる。第46週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,871人)だった。以下、大阪府(1,680人)、福岡県(1,561人)、神奈川県(1,323人)、兵庫県(1,235人)と続き、前週と同じ地域が上位5つに入っている。一方のRSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。風邪のように発熱や鼻水などを伴う症状が出るが、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高いとしている。同じく、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月9~15日(第46週)の期間中に報告があった全国の感染者数は5,465人。第42週(10月12~18日)は3,861人だったため、1カ月間で1週間あたりの患者数は約1.4倍になっている。第46週に都道府県別での感染者が最も多かったのは、536人を記録した大阪府。以下、北海道(423人)、東京都(310人)、愛知県(258人)、埼玉県(250人)となっており、東京都はどちらも患者が多く報告されている。周囲でも感染者が増加していることを受けてか、Twitter上では「ノロウイルスは防げねえがな…」「ノロウイルスほんまにこわいよ~」「RSウイルスがこわい」などの不安な気持ちをつづったコメントが多数見られている(コメントは原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年11月24日アッヴィ合同会社はこのほど、「RSウイルス感染症と保育施設利用に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。同調査は、2歳以下の子どもを保育施設に預けている両親(母親515名、父親515名)を対象とし、7月にマクロミル・ネットモニターを利用したオンライン調査によって実施された。まず、RSウイルス感染症を知っているのかを調べたところ、保育施設に子どもを預ける両親のうち、「RSウイルス感染症がどのような病気か知っている」と答えた両親は33.2%、「名前は聞いたことがある」と答えた両親は43.1%、「知らない」と答えた両親は23.7%を占めた。RSウイルス感染症をどのような病気か詳しく知らない両親が66.8%を占めることが明らかになった。次に、RSウイルス感染症の重症化のリスクを知っているのかを質問。「生後6カ月の乳児が感染すると重症化し、入院治療が必要になることがあることを知っていた」人は全体の21.5%、「重症化すると脳症や死に至る可能性があることを知っていた」人は全体の17.3%、「重症化すると将来的にぜんそくや喘鳴(ぜんめい)の症状が出る可能性をあることを知っていた人」は全体の16.7%であった。この1年間で、年長の子どもが病気の疑いがあっても保育施設を利用した経験があるのかをたずねると、「ある」と答えた両親は全体の56.9%であった。さらに、子どもがどのような体調のときに保育施設を利用したことがあるのかをきくと、「鼻水が出ている時」が70.6%、「微熱がある時」が63.5%、「咳(せき)をしている時」が52.2%となっている。子どもが病気の疑いがあるにも関わらず保育施設に預ける背景を調べたところ、78.7%の両親が、子どもが保育施設を休む場合やお迎えに行く場合に「母親が仕事を休んだ」と回答しているが、「子どもの病気やケガのためとはいえ仕事を休みづらい」と感じている両親は78.7%いることが分かった。さらに、子どもの病気やケガの際に早退・遅刻しやすくなったりするためには、職場の上司や同僚の理解が必要であると答えた人は約8割(75.1%)、配偶者のサポートを求める母親は5割以上(52.1%)となっている。同調査の監修を務めた、東京都保険医療公社 多摩北部医療センター 小児科の小保内俊雅部長は、「RSウイルス感染症は、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患、先天性心疾患などの基礎疾患をもっている乳幼児が感染すると症状が重症化しやすく、肺炎や細気管支炎や無呼吸を引き起こし、死に至る場合もあります。また、重症化すると将来的に喘息等の原因となることが知られています」とコメント。そして、「初期症状が出ているにも関わらず保育施設を利用することは、子どもの容態を悪化させるのみでなく、保育施設における感染の拡大につながります」としながら、予防法について次のように述べている。「重症化や感染拡大を防ぐためには、職場環境や家庭内での両親の育児の配分など、子どもの病気の際に両親が仕事を休みやすい環境が整えられることが必要です。また、RSウイルス感染症には予防ワクチンや治療薬がないため、両親や保育施設の職員など周囲の大人が、手洗いなどの基本対策でかからないように予防することが最も重要です」。
2015年11月20日エーザイはこのほど、「先輩受験生ママの風邪・感染症等の対策」に関する意識調査の結果を発表した。調査は10月9~16日にインターネット上で行われ、2014年度に中学受験・高校受験をした子どもを持つ女性500名から回答を得た。はじめに、子どもが受験生だったとき、風邪・感染症対策にいつも以上に気をつかったかどうか尋ねると86%が「いつも以上に気をつかっていた」と回答。受験生本人の対策を本格的に開始した時期については、「2014年10月頃から」(20%)と「2014年11月頃から」(20%)が多く、同社は「寒さが本格化する同タイミングから意識し始めていたようです」と分析している。次に、受験生本人の対策として取り入れていたものを調査した。結果は「手洗い・うがいの励行」(84%)、「マスクをする」(68%)、「予防接種を受ける」(57%)が上位にランクイン。さらに89%の人が「2つ以上の対策を取り入れていた」と回答した。加えて受験生本人の対策として費用をかけたアイテムを調べたところ、「マスク」(67%)が最も多く1位となった。また、比較的高額である「加湿器」を購入した人も21%いた。アイテムの購入費用としては、受験生本人の対策費用が平均7,239円、母親については平均4,275円、父親では4,278円と受験生本人と比べて約3,000円の差があった。最後に、「子どもが受験生だったときの風邪・感染症などの対策について、不安を感じた事はありますか」と質問した結果、58%が「ある」と回答。具体的な不安や悩みとしては、69%の人が「対策をしても十分なのかどうか判断がつかない」をあげた。次いで、「どの対策が有効なのか、優先度がわからなくなる」(32%)、「情報が多すぎて正確なものが見極められない(見極めるのが難しい)」(23%)が続いた。杉並堀ノ内クリニックで小児科院長を務める粂川好男医師は、風邪・感染症対策として「『手洗い』『うがい』『マスク』の"3点セット"が一番重要です」とコメント。このうちマスクを使う際の注意点として、「マスクの内側は外気や手指などに触れる可能性が高い」と指摘した上で、「流行のシーズンはつけはずしをできるだけ少なくすることが理想的」とアドバイスしている。
2015年11月20日おう吐や下痢などの症状に悩まされるノロウイルス。自分が苦しいのはもちろんだが、恐ろしいのが「もしかしたら……感染させてしまったのではないか」と思う瞬間だ。周囲にも自分と同じつらさを経験させてしまった罪悪感は、計り知れないものがあるのではないだろうか。今回はノロウイルスの感染経験があるマイナビニュース会員300人に、「ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがあるか」尋ねた。Q.ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがありますか?はい: 11.3%いいえ: 88.7%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。そのときの状況を具体的に教えてください■看病してくれた人が感染・「看病してくれていた奥さんの具合が悪くなったとき」(33歳男性/電機/技術職)・「子どもの看病にお手伝いに来てもらった私の母にもうつり、母から父にもうつり、大変だったらしい」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「看病に来た母親と彼氏にうつった」(27歳女性/その他/その他)■友人や職場の人に感染・「旅館の宴会の時に感染したっぽい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)・「親友と前日もいっしょにいて、翌日いっしょにノロにかかったとき」(24歳女性/商社・卸/事務系専門職)■家族が感染・「家族の前でマスクを外している時に大きなくしゃみをしてしまった」(26歳男性/農林水産/技術職)・「最初は普通の腹痛だと思い、家族のお弁当や食事を作っていて、家族にうつった」(33歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「家族でタオルなどを共有していたので」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/秘書・アシスタント職)■その他・「ブラック企業勤務だった当時にノロウイルスに感染し症状もあったが出社した。結局帰宅中に倒れて病院に担ぎ込まれたがブラック企業ゆえ会社を休むと叱責(しっせき)されるため、そのまま会社をトンズラした。トンズラしたので後のことはどうなったか分からない」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。感染を防げたと思う理由について具体的に教えてください■消毒を徹底・「トイレの消毒を徹底した」(36歳女性/医療・福祉/専門職)・「つらい中、家族に感染させたくなったので、トイレ使用後自分で除菌作業しました」(50歳以上女性/その他/その他)・「母が私の行くところへアルコールを持ってついてきていたからだと思う」(24歳女性/生保・損保/事務系専門職)■隔離された・「部屋に隔離されていたから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「自分だけ別の部屋でひたすらこもっていたから」(38歳女性/生保・損保/事務系専門職)■その他・「トイレが2カ所あったので片方だけをつかった」(47歳女性/医療・福祉/専門職)・「理由はわからない。特に対策はしていなかった。運が良かっただけかもしれない」(24歳女性/食品・飲料/専門職)・「子ども→主人→自分と、自分(の感染)が最後だった」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「空気清浄機をつかっていたから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)■総評結果としては、「感染させてしまった(感染させたかもしれない)」と回答した人は約1割にとどまった。症状が発症する前に気づかず感染させてしまったケースや、看病してくれた人や家族など、身近な人への感染が防げなかったケースが主だった。およそ9割の人が感染の拡大を防げたのはなぜだろうか。理由としては「徹底して消毒を行った」という対策をとっていた人が多かったことがあるだろう。「徹底的に効果があると書いてあったアルコール剤で除菌していたから(母が)」(26歳男性/マスコミ・広告/営業職)など周囲が気をつけていたり、自らトイレを消毒したりしていたという回答もあった厚生労働省はノロウイルスの感染について、「ふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛まつ感染を予防する必要があります」と指摘。「吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、十分に換気を行う」「感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する」などの対策が必要としている。自らの感染を防ぐことももちろんだが、症状の苦しみを周囲の人に広げないためにも、感染してしまった場合には対策の徹底をお願いしたい。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月20日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日マカフィーは11月9日、Gate.Wormファイル感染ウイルスの最新バージョンに関する情報をセキュリティブログで公開した。Gate.Wormに感染した場合、正規コードに制御を戻せなくなる仕様で、特定のアプリケーションが起動しなくなり、マルウェアコードのみが実行される。このバージョンは2013年の「Obfuscated-FBU!hb」による寄生型ウイルスの変種と類似しているが、作者は別の人物。新しいコードは以前のコードに似ているが、機能がかなり減らされているという。マルウェアの目的は、SecurityGate.ruグループがテストサンプルとして作成したものと推測している。セキュリティブログによると、マルウェアがコンピューターに侵入して感染させるまでの挙動は以下の通り。まず、IsDebuggerPresent Windows APIを呼び出して、プロセスがデバッグ中かどうかを確認する。マルウェアの作者はこの機能を使用して、デバッグによって"悪質なバイナリ"の分析を防止する。チェックの結果がtrueの場合、マルウェアは実行を終了する。次にマルウェアはコンソールウィンドウを開き、「SAFEMODE: This WORM is designed only to test…with respect SafetyGate.ru.」 というメッセージを表示する。GetCurrentDirectoryAを使用して現在のディレクトリを取得し、そこに含まれるすべてのファイルを列挙する。そのために、マルウェアはFindFirstFileA and FindNextFileAを使用してファイル名配列を作成する。現在のフォルダ内の全ファイルを配列に追加したら、マルウェアはマルウェアファイルのファイルサイズを計算し、マルウェアサンプル全体をクリーンファイルの冒頭に挿入してコンピューターに感染する。感染後は、MZ構造がマルウェア本体に置き換えられ、元のファイルは単なるオーバーレイデータとして存在するようになるため、感染したクリーンファイルを実行できなくなる。さらに、感染ファイルに以下のような形式のシグネチャを追加する。感染ルーチンは現在のフォルダ内のすべてのサンプルに対して繰り返し実行され、プロセスが終わると、マルウェアはSleep APIを呼び出して10秒間実行を停止する。その後、コンソールウィンドウを閉じてマルウェアプロセスを終了する。最後は、感染したすべてのサンプルに以下のようなアイコンが表示される。オーバーレイに複数のオリジナルサンプルが含まれた感染サンプルも存在する。感染ファイルはすでに感染していたファイルが含まれることがあるため、このような状況が発生する。新しいクリーンファイルがこのサンプルに感染すると、新たに感染したファイルには過去に感染していたファイル(複数の場合もある)とマルウェアコード、新しいシグネチャが含まれる。ポータブルな実行可能ファイルだけではなく、あらゆる種類のファイルがこのマルウェアに感染する。このようにして、ホストコンピュータの現在のフォルダ内の大半のファイルがウイルスに感染してしまう。通常、ユーザーはファイルをダウンロードフォルダ、ドキュメントフォルダ、デスクトップフォルダにダウンロードするが、フォルダによって影響度が違う。マルウェアにはネットワーク機能がなく、外付けドライブを感染させることはできない。被害者が直接ダウンロードして実行するか、感染したサンプルを外付けドライブに手動でコピーし、別なシステムで実行する以外、このマルウェアをまん延させることはできないという。
2015年11月11日国立感染症研究所は11月10日、10月26~11月1日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、2015年の1週間あたりの「RSウイルス感染症」の患者が、同期間中に最多だったことが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染によって感染する。潜伏期間は2~8日で、典型的には4~6日とされている。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴うときもあれば、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するとしている。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月26~11月1日(第44週)の期間中に報告があった全国の感染者数は4,740人。第40週に2,643人で2,000人を超えてから右肩上がりに感染者が増加し、第43週(10月19~25日)に4,118人で今年になって初めて4,000人を突破。そして第44週にその感染者数をさらに上回る数値を記録した。直近5年間の同時期の感染者数を見ると、1,945人(2011年)、3,092人(2012年)、4,195人(2013年)、3,423人(2014年)と推移していることから、今年の感染者が多いことがうかがえる。第44週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは北海道(364人)だった。以下、東京都(357人)、大阪府(351人)、福島県(237人)、宮城県(224人)と続き、2015年の累積感染者も6万人を超えた。東京都だけで見ると、感染者は第41週から398人、363人、384人、357人となっており、300人台の高水準を維持している。この現状を受けて、東京都感染症情報センターはRSウイルス感染症に関して、「定点当たり報告数は、過去5年平均より高い値で推移している」と警鐘を鳴らしている。感染は全国的な拡大を見せており、Twitter上でもRSウイルスはインフルエンザより厄介だと嘆く声や、小児がいる家庭に注意を呼びかける声などがあがっている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月10日国立感染症研究所は11月2日、10月19~25日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中のインフルエンザの患者が全国で500人近くであることが判明した。インフルエンザは「のどの痛み」「せき」などの風邪のような症状に加え、「38度以上の発熱」「頭痛」「関節痛」「筋肉痛」などの症状も伴う。日本では例年12月から3月頃にかけて流行が見られ、一度流行が始まると短期間に多くの人へと感染する点が特徴だ。全国5,000カ所の定点医療機関から10月19~25日(第43週)の期間中に報告があった全国の感染者数は498人。第40週に212人を数えてから319人(第41週)、370人(第42週)と推移しており、わずかずつではあるが増加傾向にある。第43週に都道府県別での感染者が最も多かったのは神奈川県(68人)。以下、愛知県(66人)、沖縄県(51人)、東京都(49人)、福岡県(40人)と続く。第42週で報告が多かったのは愛知県、沖縄県、千葉県、東京都、広島県となっており、愛知県と沖縄県、東京都での患者の多さが比較的目立っている。インフルエンザの定点報告数も増加している。第40週は0.04だったが、そこから0.06、0.08と増えていき、第43週には0.1となった。「流行開始」の指標となる数値「1.00」の10分の1ではあるが、そろそろ注意が必要となってくることがうかがえる。なお昨シーズンにおいては、同研究所が昨年12月5日に定点報告数が「1.00」を上回ったことを明らかにしている。インフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となる。予防策としてはワクチン接種のほか、マスク着用や手洗い、うがいなどがある。※写真と本文は関係ありません
2015年11月04日ファイザーはこのほど、「長寿社会ニッポンにおける感染症の潜在リスクと最新対策」と題したセミナーを東京都内で開催。慶応義塾大学医学部 感染症学教室の岩田敏教授が登壇し、ワクチンによる感染症対策などについて講演した。○2025年の医療費は50兆円以上?医学雑誌「Lancet」にて最近発表された研究によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間)は73.4歳(2013年時点)で世界でもトップだという。定年後の人生を積極的に楽しむアクティブシニアが増えてきていることが伺える一方で、超高齢社会に伴う医療費も問題になっている。厚生労働省の試算などによると、2008年時点で34.8兆円だった国民医療費は2025年には52.3兆円まで膨らむと見込まれており、そのうち老人医療費は24.1兆円を占めるとされている。そのため、岩田教授は「超高齢社会における医療費の問題や健康寿命を鑑みると、感染症予防と予防接種の果たす役割が大きいのではないか」と提唱する。感染症を予防する手段の代表例としては、ワクチン接種があげられる。VPD(Vaccine Preventable Diseases: ワクチンで予防できる疾患)は、成人では「インフルエンザ」「肺炎球菌による感染症」「破傷風」などが、小児ではこれらに加え、「結核」「ポリオ」「水痘」「ロタウイルス」などがある。岩田教授は「ワクチンというと『子供が中心』と考えがち。もちろん子供に対してワクチンを打つのはとても大事ですが、大人にも必要なワクチンがあるんです」と力を込めるが、実際は成人の予防接種への意識は高くない現状が伺える。○成人のワクチン接種率は4割同社が7月28日から8月7日にかけて、各都道府県に住む60歳以上の男女150人(合計7,050人)を対象に行った調査によると、成人してからワクチンを接種した経験がある人は2,998人と全体の4割ほどにとどまっていた。そのうち、最も多かったのはインフルエンザワクチン(2,302人)で、その次に多かったのが肺炎球菌感染症(肺炎)ワクチン(1,501人)だった。最多となるインフルエンザワクチンですら、全体の32%ほどしか接種していないこととなり、予防接種への関心率の低さが浮き彫りとなっている。ワクチン接種率の低さの原因として「感染を100%防げない」をあげる人も少なくないだろう。ただ、重症化を防いだり、死亡リスクを低減させたりするなど、一定の臨床効果は示されている。例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンもインフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。「インフルエンザが流行したときは肺炎球菌を起こしやすくなるので、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを一緒に受けておいたほうが予防としてはいいということになります」。肺炎球菌ワクチンの定期接種は2014年10月から開始されており、2018年度までは該当する年度に65歳、70歳、75歳などのように「5歳の倍数となる高齢者」などが対象となっている。また、乳幼児や高齢者だけではなく、喫煙者や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などを患っている人も肺炎球菌感染症のリスクが高くなる。来る11月12日は「世界肺炎デー」。これを機に、肺炎球菌について詳しく知ろうとしてみるのもいいだろう。○医療従事者と患者間で予防接種の会話増を最後に岩田教授はワクチンが導入・普及されて日本では確実に病気の数が減ってきているとしたうえで、その接種率を高く保ち続けることが大切になってくると指摘。そのために、「医療関係者と患者さんの間で予防接種に関する会話が多くなることが重要」だとした。これからインフルエンザが本格的に流行する時期になる。岩田教授によると、健康な成人におけるインフルエンザワクチンの有効性は約7割だという。1回あたりの接種金額が500円~1,000円ほど値上がりしている病院もあるようだが、ワクチンを接種して自分の体を賢く守るよう、努めるに越したことはないと言えそうだ。
2015年11月02日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日国立感染症研究所は10月20日、10月5~11日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が、昨年末からこれまでに全国で5万人を超えたことが判明した。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。同研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりすることもある。だが、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月5~11日(第41週)の期間中に報告があった全国の感染者数は3,696人。第39週の1,997人、第40週の2,643人と比較してみると、患者が急増していることが伺える。都道府県別での感染者が最も多いのは東京都(398人)。東京都は第39週に209人だったが、第40週に303人、そして今回398人と2週間で倍増している。東京都に次いで多かったのは大阪府(266人)で、以下に神奈川県(187人)、北海道(159人)、埼玉(158人)と続いている。逆に患者が少ないのは沖縄県(4人)、山梨県(6人)、和歌山県(10人)、茨城県(16人)などとなっている。全国のRSウイルス感染症患者の累積数は、第41週の数値を合算して5万2,756人となり、昨年よりも早く5万人を突破した。全国的な感染が拡大していることを受け、Twitter上では「RSウイルスっての流行ってるから3歳未満の子が居る人気を付けてくださいね」「今回RSウイルス、インフルエンザより厄介なことがよーくわかった」「ジリジリとRSウィルスがやってきたか」などの声があがっている(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月20日国立感染症研究所は9月24日、9月7~9月13日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が前週に比べ、約1.3倍に増加していることが判明した。RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症であるRSウイルス感染症は、生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返す。ただ、同研究所は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるとしている。飛沫(ひまつ)感染と接触感染がRSウイルスの感染経路となる。風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりと症状はさまざまだ。しかし、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から9月7~9月13日(第37週)の期間中に集まった感染報告数は、2,652。前週(第36週)の2,083からおよそ3割、さらにその前の週(第35週)の1,683からおよそ6割増加している計算になる。感染者が多い5地域は福岡県(304人)、東京都(247人)、大阪府(162人)、宮崎県(125人)、広島県(123人)となっている。東京都だけで見ると、第35週(106人)に初めて100人を超え、172人(第36週)、247人(第37週)と直近3週間で約2.3倍に増えている。逆に第37週の感染者が少ない地域は、群馬県(1人)、山梨県(1人)、富山県(2人)など。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られるが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。今年の第37週までの累積報告数は4万1,360で、昨年同時期(3万2,495人)に比べ、約1.3倍となっている。
2015年09月25日国立感染症研究所は9月15日、8月31~9月6日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因による「RSウイルス感染症」の患者が、前週に比べて約1.2倍に増加していることが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返すが、同研究所によると、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるという。症状は、発熱や鼻水などの風邪に似たようなものから、重度の場合は肺炎や気管支炎までとさまざまだ。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から8月31~9月6日(第36週)の期間中に集まった感染報告数は、2,083。その前の週の1,683から1.2倍以上に増加している。特に多い地域としては、福岡県(295人)を筆頭に、東京都(172人)、大阪府(108人)、広島県(101人)で感染者が100人を超えている。東京都だけで見ると、35人(第33週)、68人(第34週)、106人(第35週)、172人(第36週)と推移しており、3週間前に比べて約5倍となっている。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られる。だが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。厚生労働省によると、2014年の報告数は第30週から徐々に増加傾向となり、第34週から第37週にかけて急速に増えたという。今年も第34週から1,119人、1,689人、2,083人と着実に増加しており、昨年と似た傾向となっている。RSウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。そのため、「マスク着用」「子どものおもちゃなどのアルコール消毒」「手洗い」などが予防策となる。全国的に患者が増えていることもあり、Twitter上では「乳幼児の咳には要注意」「RSウイルス、流行の兆しね」「次はRSウイルスが流行っているのか」といった不安や戸惑いのコメントがみられる(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年09月16日東京都感染症情報センターは9月2日、都内のデング熱報告数の推移などを明らかにした。蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。症状は1週間程度で回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもある。昨年は8月中旬頃から東京都をはじめとする関東圏で、70年ぶりとなるデング熱の国内感染者が続出。8月末から厚生労働省が感染者数の公表に追われ、最終的な国内感染者は160人を数えた。昨年9月4日にデングウイルスを保有している蚊が東京都の代々木公園で確認されたことなどもあり、同公園や国立オリンピック記念青少年総合センター、新宿御苑などの施設が閉鎖された時期もあった。今年は国内感染者がいまだ報告されていない一方、海外での感染者は増えている。8月30日時点での東京都における感染報告数は53人。2011年以降の推移と比べると、国内感染者が続出した2014年を除けば2番目に報告数が多かった2012年と、今年8月時点の数値がほぼ等しくなっている。このまま増えていけば、2012年や2013年の報告数を上回る可能性もある。厚生労働省が「海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後」見られるとしているように、元来、デング熱は主に東南アジアや南アジア、中南米などで感染者が多く報告されている。実際、同センターも「推定感染地域別報告数」を公表しているが、今年の東京都の感染者数の大半がインドネシアやフィリピン、タイなどで感染したと見ている。今後もこれらの地域に渡航する際は、注意が必要といえそうだ。なお、世界保健機関の西太平洋地域事務所によると、今年のマレーシアのデング熱の感染者は8月15日時点で約7万6,000人となっており、昨年同時期に比べて3割近く増加している。ベトナムは8月16日時点で感染者が2万5,000人近く報告されており、昨年同時期に比べて5割以上も多くなっている。同じくフィリピンもやや増加傾向にあるとのこと。一方で、中国は7月の感染者数は過去3年と似たような傾向にあり、オーストラリアの感染者数も昨年とほぼ同様となっている。※画像はすべて東京都感染症情報センター提供
2015年09月03日ギネスブックに「人類史上最も感染者の多い感染症」として登録された病気があります。それは「歯周病」。「命に関わるような病気でもない」と軽く考えるのは禁物。自覚症状のない歯周病は、気づいたときには抜歯しかすべがなかったということも多くあるのです。歯周病の現状と予防法などについて、歯科衛生士の土屋和子先生(スマイル・ケア代表)にお聞きしました。あなたも感染している!?歯周病――歯周病は「感染症」なのですか。土屋先生:歯周病の元となる歯周病菌は、最初は感染によって人の口内に入り込みます。虫歯菌と同様、親子間の接触で感染したり、成人になってからも唾液を介して、キスなどで感染することもあります。いったん感染すると口の中の歯周病菌を完全になくすことはできません。ですから、ほとんどの人が感染しているといっても過言ではないでしょう。――親子間で感染するということは、若い人でも歯周病になる可能性があるのでしょうか。土屋先生:実は、歯周病菌は赤ちゃんが生まれるときに通る産道でも見つかっています。それくらい小さな頃から私たちの間で蔓延しているのです。子どものうちは影響を受けにくいのですが、遺伝的要素が高いと、早い人では乳歯の段階から歯周病が出ることもあります。歯科の予防医療が進んでいるアメリカやヨーロッパでは、15~18歳ごろから歯周病に気をつけるよう指導されています。「若いから歯周病にはならない」と思っていてはいけません。ほうっておくと怖い!歯周病――歯周病の症状について教えてください。土屋先生:歯周病菌の働きによって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで進行していきます。骨の組織が破壊されると、最終的には抜歯をしなければならない状態になります。気をつけなければならないのは、歯周病は初期の自覚症状がまったくないということです。歯茎が腫れている、歯が動く、噛むと違和感がある……、そのような状態になったときは、すでに手遅れのことが多いのです。――歯周病を、初期のうちに自分で発見する方法はないのでしょうか。土屋先生:「歯周病かな?」と思う以前に、口内に少しでも気になることがあればすぐに歯科を訪れた方がよいでしょう。中高年になると抜歯を経験される方も増えてきますが、ご自分が抜歯をした原因を覚えていない人が少なくありません。実際、歯周病が原因で抜歯をする方はとても多いのです。歯周病が骨まで進んでしまった場合、元の状態にするのは多くの場合不可能です。歯周病を防ぐには?――歯磨きをきちんとしていれば防げますか?土屋先生:日々のケアももちろん重要ですが、それだけで歯周病を防ぐことは不可能です。検診も含めて定期的に歯科に通い、歯根周囲のプラーク(歯垢)や歯石を除去することがなにより重要です。プラークや歯石のもとは細菌で、まさに歯周病の病原ですが、これらは歯科で専門的な処置をしなければ除去することはできません。これを放置しておくのは、歯周病を育てているようなものです。歯が丈夫な人は、「自分は虫歯がないから歯周病にもなっていないだろう」と思うかもしれませんが、これも危険です。虫歯がないために歯医者に通う習慣がなく、歯周病の発見が遅れてしまうというケースも多くあります。唾液ケアが大事――定期的な歯科検診が最重要ということですね。ほかに、自分で予防のためにできることはありますか?土屋先生:唾液が少ない状態になると歯周病のリスクが高まるので、気をつけた方がよいですね。唾液は歯や粘膜を保護し、抗菌作用によって歯周病菌が増殖しないようコントロールしてくれます。いまはパソコン画面の見すぎなどによるドライアイが流行していますが、実はドライアイの人はドライマウスの疑いがあります。唾液が少ない人はとても増えてきています。――唾液を増やす方法はあるのですか?土屋先生:唾液は、口の中の唾液腺を刺激することによって多く分泌されますから、まずは食事のときによく噛んで食べましょう。一口あたり30回くらい噛むのが理想です。また、ガムを噛むなどもおすすめです。そして、口呼吸の人が最近増えていますが、口の中の乾燥の原因となりますから、鼻呼吸を習慣付けるとよいでしょう。――口腔衛生の管理には、さまざまな視点が必要なのですね。土屋先生:菌の暴走を抑えるという点では、全身の健康管理も重要です。睡眠をしっかりとる、バランスのよい食事をする、ストレスをためすぎないなどに留意してください。ふだん元気な人が体調を崩したときに、歯周病も急に進行してしまうことがあります。「歯科は、虫歯ができたり歯の調子が悪くなったりしたら診てもらうところ」と思っている人がまだ多いかもしれません。しかし、予防をしっかりして虫歯や歯周病にならないようにすることが、長い目で見て体への負担も経済的な負担も小さくすむものです。歯に関する悩みや疑問があったら、どんなことでも歯科医師や衛生士に相談してみてください。<プロフィール>株式会社スマイル・ケア代表土屋和子先生【出身】兵庫県神戸市【経歴】1977年 歯科衛生士ライセンス取得1982年~ 日本におけるフリーランスプロフェッショナルハイジニスト第1号数多くの歯科医院、病院、施設にて勤務現在まで、約350名の歯科医師、約1,400回の講演に関わる2007年 株式会社スマイル・ケア設立2011年 全米NLP協会公認トレーナーライセンス取得2012年 LABプロファイル®公認トレーナーライセンス取得2014年 日本歯科医療人育成協会設立理事デンタルNLP®・ぺリオマネージメント®主宰現在 Dr.土屋賢司・Dr.植松厚夫・Dr.北原信也のオフィス勤務
2015年08月19日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日関西福祉大学の勝田吉彰研究室はこのほど、感染症とメンタルヘルスについてまとめた「パンデミック症候群~国境を越える処方箋~」(著者: 勝田 吉彰)を出版した。同書の著者は、外務省医務官として24か国で海外医療の世界を経験した渡航医学の専門家。著者は2003年のSARS流行渦中の北京で大使館医務官として対応にあたり、社会のパニック状態への対処を経験してきた。同書ではその経験から、今後日本に「耳慣れない感染症」が入ってきたときに何を伝え、何を知ってもらう必要があるのかを的確に記している。また、医学系の書籍は著者の専門により、分野別に分かれているのが一般的だが、同書は「感染症」「メンタルヘルス」「海外医療事情」を1冊で網羅した。致死率の高いエボラ出血熱や、蚊によって媒介されるデング熱など、これから日本に入り脅威となる病気や、海外進出にあたって注意が必要な感染症とメンタルヘルスに加えて、途上国の医療事情やアンテナの張り方まで1冊にまとめている。海外に行く際に気をつけたい情報についても記載。今後、国境を越える人に向け、海外旅行や出張の際に備えておきたい病気の知識、海外勤務で自分の身を守るための情報も掲載した。価格は972円(税込)。
2015年08月07日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日「水を考えるプロジェクト」はこのほど、小学生未満の子どもを持つ母親100名を対象に実施した「熱中症に関する意識実態調査」の結果を明らかにした。調査期間は5月27日~28日。熱中症の時期に、水分補給したくても「できない」「難しい」という経験をしたことがあるか尋ねたところ、25.0%が「ある」と回答した。生活をしている中で水分補給を怠ってしまうのはどんな時か聞くと、最も多い回答は「育児中」(43.0%)だった。約4割の母親が育児で水分補給をする余裕がなく、"育児熱中症"の危険があることがわかる。熱中症対策グッズについて質問したところ、「帽子」(78.0%)、「エアコン・冷房」(77.0%)、「扇風機」(67.0%)が上位を占めた。医学博士で管理栄養士でもある井上正子先生は、熱中症対策として「こまめな水分補給」が大切であると語っている。自覚がなくても、呼気や皮膚から水分は失われているからであり、喉が渇く前からの水分補給を推奨している。また、汗と共に体内からナトリウムやカリウムなどのミネラルやビタミンB群、ビタミンCなども失われていることから、「水分に加えて、ミネラルやビタミンの補給もしっかりすることが大切です」と、育児中でも水分補給は怠らないよう注意を呼びかけた。
2015年06月23日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日