7月17日スタートのTBS日曜劇場『仰げば尊し』(毎週日曜21:00~)の舞台挨拶が13日、都内で行われ、主演の寺尾聰をはじめ、多部未華子、真剣佑、村上虹郎、石井杏奈(E-girls)、北村匠海(DISH//)、太賀、佐野岳が出席した。同ドラマは、無名高校の吹奏楽部が、1人の教師の指導のもと、全国の頂点"音楽の甲子園"を目指した奇跡の実話に基づく物語。元プロミュージシャンの吹奏楽部顧問・樋熊迎一と、はみだしもの扱いされる学生たちの心の交流を丁寧に描く。主人公の樋熊迎一役には寺尾、その娘・奈津紀役には多部、そして、真剣、村上、石井、北村、太賀、佐野ら注目の若手が生徒役を務める。現場では、寺尾が俳優の大先輩として、生徒役の若手たちにいろんな話をしているそうで、北村は「芝居してても、芝居をしてない合間とかも、寺尾聰さんがたくさんいろんな話をしてくださって、"寺尾聰さま"と言わせていただきたいくらい僕の中では偉大な存在」と話し、寺尾を「大先生」と表現。寺尾が「仲間!」と言うと、「仲間です。大仲間です!」と思いを込め、会場から笑いが起こった。真剣も「寺尾さんにお話しいただいているときは、5人とも直立不動。本当にためになることを言ってくださるので、いつも心に染みます」と感謝。「本当の先生みたいで、それが映像から伝わってくるんじゃないか」と、劇中の先生・生徒という関係にも影響してくるだろうと予想した。寺尾は、「できる限り(後輩たちに)いろんなものをぶつけてやろう」と考えているそうで、「最終的にいろんな先輩からいろんなことを聞くけれども、自分にとっておいた方がいいものだけとっておけ」と伝えていると説明。「自分の若い頃は先輩が何も教えてくれなかったし、意地悪な先輩が多くて、教えてくれれば近道だったのにということがいっぱいあった」と自身の若手時代の苦労も明かし、「余計だと思われない限りはできるだけ言うように」と語った。さらに寺尾は、「みんな感受性豊かで、毎日会うたびに変わっていく」と若手俳優陣を評価し、「若い人たちとできるのが毎日楽しい。『負けちゃいけない』と刺激を受けています」と発言。「次のスーパースターがいっぱいいる。『私はこの人だと思う』と思いながら楽しんでもらうのもいいと思う」と呼びかけた。
2016年07月13日俳優・寺尾聰が28年ぶりにTBS日曜劇場の主演を務め、横浜の弱小高校吹奏楽部を舞台にひとりの男と生徒たちが起こした“奇跡の実話”に基づく感動の物語を描くドラマ「仰げば尊し」が7月より放送決定。生徒役には、佐野岳、真剣佑、村上虹郎、北村匠海、太賀らいま最注目の若手俳優たちが集結し、さらに多部未華子ら豪華俳優陣と共演する。本作は、1980年代に神奈川県の野庭高等学校を全国有数の吹奏楽の強豪校に育てた、実在する中澤忠雄先生の実体験をモチーフに描いた奇跡のドラマ。事故の後遺症で音楽から背を向けていた元サックス奏者・樋熊迎一(寺尾聰)は、荒廃した高校の吹奏楽部にて再び夢を見いだし、真っ正面から生徒と向き合い、満身創痍で指導に励む。その姿に戸惑いつつも、樋熊の情熱に報いようと渾身のカで吹奏楽に向き合っていく生徒たち。夢を失いはみ出した問題児だった彼らは、全国の頂点“音楽の甲子園”を目指し「魂の合奏」を奏でる。ひとりでは叶えられない夢がある、ひとりでは味わえない喜びがある、世代を超えて届けたい心に響くヒューマンドラマとなるようだ。監督は、「ROOKIES」「JIN-仁-」「とんび」「天皇の料理番」や、映画『そのときは彼によろしく』『陰日向に咲く』『ツナグ』など、数多くのヒット作品を手掛けている平川雄一朗。脚本を、「ROOKIES」「南極大陸」など、記憶に残る作品で高い評価を得ているいずみ吉紘が担当する。主演を務めるのは、映画・ドラマ・音楽と、あらゆるジャンルでトップとして活躍する寺尾さん。その娘役には、『ピース オブ ケイク』『あやしい彼女』の多部さんが配役。さらに生徒役には、若手注目俳優がずらりと並んだ。生徒のひとり・青島裕人役を演じるのは、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品『2つ目の窓』をはじめ、柳楽優弥主演『ディストラクション・ベイビーズ』などで独特な魅力を放ち、ドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」では主人公・じんたん役を演じ、最近では「NTT docomo」のCMでも活躍する村上さん。木藤良蓮役には、『ちはやふる』シリーズにて広瀬すずや野村周平と共演し人気急上昇中の真剣佑さん。そのほか、安保圭太役に、音楽ユニット「DISH//」のメンバーであり、『セーラー服と機関銃 -卒業-』『あやしい彼女』と話題作に立て続けて出演する北村さん。高杢金也役に、ドラマ「ゆとりですがなにか」にて“平成うまれの真性ゆとり”を好演中の太賀さん。桑田勇治役に「仮面ライダー鎧武/ガイム」で主演を務めた佐野さんらがキャスティング。寺尾さんは「今回共演する若い俳優は、みんな意欲が顔に表れています。それがどういう風に芝居の中で出てくるかが楽しみです。そして、ドラマのストーリーが進んでいく中で、一話すつ重ねながら、私の役柄も悩んで築き上げていきたい」と、若手俳優との共演を楽しみにしている様子。そんな寺尾さんとは初共演だという多部さんは「(寺尾さんは)とても気さくな一方で、シーンごとの背景や人物の感情に対する探究心がすごくある方だと感じました。そんな寺尾さんについていけるよう、私も解釈する力と理解力を持ってカメラの前に立ちたいです」と意気込みを寄せた。日曜劇場「仰げば尊し」は、7月より日曜日21時~TBSにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2016年06月03日俳優の寺尾聰が、7月よりTBS系日曜劇場枠で放送されるドラマ『仰げば尊し』(毎週日曜21:00~)で、28年ぶりに同枠主演を務めることが2日、わかった。共演には多部未華子、石坂浩二らが名を連ねる。同ドラマは、弱小吹奏楽部が、一人の教師の指導のもと、全国大会の頂点を極めた"奇跡の実話"に基づく物語。実在した中澤忠雄先生と、実在した神奈川県立野庭高校(1980年代当時)吹奏楽部をモチーフに描く。寺尾が演じるのは、元サックス奏者で、真正面から生徒と向き合い吹奏楽指導に励む高校教師・樋熊迎一役。その娘・奈津紀役は多部未華子が演じる。そして、荒廃した高校で夢を失いはみだした問題児、青島裕人役には村上虹郎、木藤良蓮役には真剣佑、そのほか、北村匠海、大賀、佐野岳ら、さらに、樋熊を高校の吹奏楽部顧問へと招き入れる校長役として石坂浩二が出演する。主人公・樋熊迎一役の寺尾は「今回共演する若い俳優は、みんな意欲が顔に表れています。それがどういう風に芝居の中に出てくるかが楽しみです」と若手キャスト陣に期待。「ドラマのストーリーが進んでいく中で、一話ずつ重ねながら、私の役柄も悩んで築き上げていきたい」と意気込んでいる。樋熊の娘役を演じる多部は「ストレートに想いが伝わるドラマになればいいな」と願い、初共演の寺尾について「とてもきさくな一方で、シーンごとの背景や人物の感情に対する探究心がすごくある方」とコメント。「私も解釈する力と理解力を持ってカメラの前に立ちたい」と言い、「寺尾さんは親子のシーンが『癒しのシーンになればいい』とおっしゃってくださったので、学校での場面とはちょっと違う空気感が作れたら」と語る。監督は『ROOKIES』『JIN-仁-』『とんび』『天皇の料理番』(いずれも同局)や、映画『そのときは彼によろしく』『陰日向に咲く』など、数多くのヒット作を手掛けている平川雄一朗。脚本は、『セーラー服と機関銃』『ROOKIES』『南極大陸』(いずれも同局)などのいずみ吉紘が担当する。(C)TBS
2016年06月03日歌舞伎俳優の市川海老蔵(38)が25日、自身のブログを更新し、長男の勸玄(かんげん)くん(3)がフジテレビ系バラエティ番組『SMAP×SMAP』(毎週月曜22:00~)の人気コーナー「ビストロSMAP」に最年少出演することを明かした。海老蔵は収録時の写真を掲載し、「最年少での出演になったそうです」と報告。「中居さんにいじられ笑木村さんに可愛がられ笑香取さんにかぶされ笑稲垣さんと草さんに見守られ笑」と勸玄くんの様子を伝え、「幸せそうな勸玄でした」とつづった。放送日については「放送は5月2日?だったと思われまする」とコメントし、「よろしくお願いします」と呼びかけている。
2016年04月25日●扇風機のバルミューダがトースターを作った?バルミューダは5月27日、「究極のトースター」と銘打った「BALMUDA The Toaster」を発表した。同日、都内で開催された製品発表会には、バルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏が登壇し、開発秘話などを語った。バルミューダというと、扇風機やサーキュレーター、暖房器具、加湿器、空気清浄機など空調関係の家電メーカーであるイメージが強いが、今回のBALMUDA The Toasterで調理家電の分野に進出する。合言葉は「Hello Kitchen!」だ。○トースターにスチーム機能を追加BALMUDA The Toasterは、スチームテクノロジーを搭載したトースター。天面に注水口が設けられており、小さじ1杯(5ml)の水を注いでからトーストを開始する。すると、注がれた水はスチームとなり、庫内に充満。庫内は湿度が高い状態となり、その中のパン表面には薄い水の膜ができる。パン表面を水の膜で覆ってから、上下ヒーターによって加熱をスタート。気体よりも水分のほうが早く加熱されるため、パン表面はすばやくさっくり硬くなり、内部に水分を閉じ込められる。加熱時は上下ヒーターをそれぞれ細かく制御し、徹底した温度管理を行う。大きく分けて、デンプンのアルファ化を促す60℃前後、パンがきつね色に色づく160℃前後、焦げ付きが始まる220℃前後の3つの温度帯になるよう設計されており、バルミューダいわく「最高の状態のトーストを実現」する。モードは「トースト」「チーズトースト」「フランスパン」「クロワッサン」を用意。それぞれ、種類に応じて最適な温度で焼き上げる。もちろん、手動で温度とタイマーを設定できる「クラシック」モードも装備。トースト以外に、グラタンやピザなども調理可能だ。○きっかけは「土砂降りのバーベキュー」発表会に登壇したバルミューダ 代表取締役社長の寺尾玄氏は、まずBALMUDA The Toasterが開発されるに至った経緯を紹介した。寺尾氏によれば、誕生のきっかけは社内行事のバーベキュー。土砂降りの雨にもかかわらずバーベキューは決行され、そこでたまたま食パンを炭火で焼いてみたら、おいしいトーストができあがったとのことだ。「どうにかしてこれを再現できないか?」と考えた、寺尾氏含むバルミューダ社員は、バーベキュー翌日から実験の毎日。その過程で、「湿気」が大事な要素なのではないかという結論に達し、どうやってスチームを出すのか、どのくらいスチームを出すのか、などの研究を重ねていった。寺尾氏によれば、製品化するまでに焼いたトーストは5,000枚超。その実験の結果、誕生したのがBALMUDA The Toasterなのだ。続いて寺尾氏は、BALMUDA The Toasterとバルミューダが手がける調理家電の今後の展開について語った。次ページではその内容と、BALMUDA The Toasterのデモの様子を紹介する。●バルミューダの調理家電、今後は何が出てくる?○今後はさまざまなレシピを展開していきたいBALMUDA The Toasterのデザインについて、寺尾氏は「モダンクラシック」という言葉を使って説明した。これまでのバルミューダ製品は、カッチリとした印象で清潔感のあるデザインを採用している。はじめ、BALMUDA The Toasterにもそういったデザインを採用しようとしたのだが、どうしても合わなかった。そこで、「おいしいモノはどんなところから出てくるだろう?」と考え、思い至ったのは石窯だった。そのため、BALMUDA The Toasterは石窯の「ヨーロピアンでクラシックで重みがある感じ」(寺尾氏)を再現したデザインとなっている。寺尾氏は、今後の展開についても予告した。シェフや料理研究家などと提携して、BALMUDA The Toasterを使ったレシピをWebページ上で紹介する。BALMUDA The Toasterを使う楽しみや喜びをユーザーに味わってもらうためだ。製品発表と同時に、すでにいくつかのレシピが公開されているが、今後も追加していくとする。「毎朝食べるパンがもっとおいしくなったら」という考えから誕生したBALMUDA The Toasterだが、これと同様に「毎朝飲むコーヒーがもっと香り高くなったら」「毎日食べるご飯がもっとおいしくなったら」「毎日使うレンジがもっと便利になったら」など、今後登場するかもしれない調理家電についても寺尾氏は言及。いくつかスタートしているプロジェクトもあるそうだ。○毎朝のトーストが楽しみになる味最後はデモの様子を写真といっしょに紹介しよう。いずれも味わうことができたので、その感想も記す。ちなみに、筆者のイチオシは「チーズトースト」である(「フランスパン」も捨てがたいが)。
2015年05月27日関門海が展開するとらふぐ料理専門店「玄品ふぐ」「玄品以蟹茂」「ふぐ・かに専門 玄品」は2月1日、とらふぐてっさを29円(税別)で販売する「てっさ29円フェア」を開催する。同フェアは、「とらふぐの美味しさを、より多くの人に、もっと身近に感じてほしい」という同社の思いから、2月9日を「ふぐの日」と称して年に一度、期間限定で開催している。同日から9日までの期間限定フェアで、期間中は通常1,180円のとらふぐてっさを29円で提供。同店が提供するとらふぐてっさは、噛(か)めば噛むほどうまみが広がるよう、通常よりふぐ身を厚めに引いているという。期間中は何度来店しても、一度の来店につき、1人1皿限り同メニューを特別価格で食べることができる。また、通常のコースも1,151円引きとなり、付出し・てっさ・てっちり・雑炊・デザートが付く「玄コース」が2,829円で楽しめる(通常価格3,980円)。対象店舗は、「玄品ふぐ」および姉妹店の「玄品以蟹茂」「ふぐ・かに専門玄品」を含めた全国94店舗。※価格はすべて税別
2015年01月30日バンダイの展開するアクションフィギュア「S.H.Figuarts」より、『S.H.Figuarts 仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ』の予約受付が、「プレミアムバンダイ」にてスタートしている。2015年6月発送予定で、価格は5,400円(税込)。「仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ」は、『仮面ライダー鎧武/ガイム』にて、高杉真宙が演じるミッチこと呉島光実が「ヨモツヘグリロックシード」を使用して変身する仮面ライダー。戦極凌馬が開発した試作型ロックシード「ヨモツヘグリロックシード」が凌馬の計略によって光実の手に渡り、龍玄の最強形態として登場する。装着者の生命力を直接エネルギーに変換するため規格外のパワーをもたらすが、装着者の生命力を枯渇させ死に至らしめる危険性を伴う。『仮面ライダー鎧武』本編では、第42話「光実!最後の変身!」、第43話「バロン 究極の変身」で仮面ライダー鎧武と死闘を繰り広げた。『S.H.Figuarts 仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ』は、現在発売中の『S.H.Figuarts 仮面ライダー龍玄』をベースに、劇中どおりの禍々しいカラーリングとアームズの造形を忠実に再現。オーバーロードインベスの武器やキウイ撃輪も付属している。セット内容は本体に加え、交換用手首左右各4種、槍、斧、キウイ撃輪。商品価格は5,400円(税込)で、予約締切日は後日商品ページにてアナウンス。商品の発送は、2015年6月を予定している。(C)2013 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
2015年01月26日働くなでしこのリアルな本音にあらゆる視点でスポットを当て、多くの支持を集めた映画『ガール』。待望のDVDリリースを記念して、女優・玄里が監督・深川栄洋に直撃!弱冠36歳にして『白夜行』、『洋菓子店コアンドル』、『神様のカルテ』、そして本作と引く手数多の売れっ子監督が“映画”にたどり着いたルーツとは?その素顔に迫る!——『ガール』に織り込んだヨーロッパ映画愛玄里:映画を観る前に、本作が日本版「セックス・アンド・ザ・シティ」(「SATC」)と聞いてたのですが、思っていたよりも楽しいだけじゃない部分にも焦点が当てられている気がしました。それは深川監督が意図したものなのでしょうか?深川:この映画のお話をいただいたときに原作(奥田英朗作)を読んだのですが、原作は女の子たちの素朴な心の動きに焦点を合わせていてすごく面白くて、女の子ってこういう考えや悩みを持ってるんだと興味を持ちました。でも今回、日本版「SATC」のような、大人が観れるロマンティック・コメディにしたいという要望があって。僕のやりたい世界でやるのは、難しいさじ加減だなと思いながらも、新しい挑戦が好きだし、やったことのないものをやる前から否定しても面白くないので、僕に期待してくださるならと信じて引き受けました。物語は日本の女の子の話で、「SATC」の主人公たちとは金銭感覚も価値観も違うので、ヨーローッパ映画のようなロマンティック・コメディ寄りにシフトしていったんです。それがプロデューサーの思いを貫徹できてるかは聞いてませんが…(笑)、僕が目指したところには船はたどり着いたかなと。玄里:監督自身は、ハリウッド映画よりヨーロッパ映画が好きなんですか?深川:断然そうですね!特に若いときはそうでした。玄里:具体的に影響を受けた監督はいらっしゃるんですか?深川:若いときに観てドキドキしたのは、アルノー・デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』(’97)やケン・ローチ監督の『ケス』(’96)、パトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主』(’91)、『百貨店大百科』(セドリック・クラピッシュ監督/’92年)など、90年代のフランス映画が好きでしたね。『最強のふたり』(現在公開中)も90年代のフランス映画の良き匂いみたいなのを感じました。玄里:おいくつぐらいから映画を観始めたんですか?深川:きっかけは高校3年生のときに付き合ってた女の子が映画が好きで、彼女に付き合って観たり話を合わせたいから、彼女が観たいと言ってた映画を先回りして観て「あの作品観たよ」みたいな形で映画の良さに気づき始めたので、本当に遅いんですよ。ちゃんと映画に向き合ったのは専門学校に入った18歳の頃からで、それまでに観てきた映画以外にもいろんな映画があるんだというのを知って、25歳くらいまでにいろんな映画を観ましたね。いまも新しい匂いがする映画を自分の嗅覚で嗅ぎ分けて、休みがあると観に行きますよ。玄里:監督は専門学校で元々、録音を勉強されていたんですよね?深川:同じクラスだった吉田恵輔監督は照明系をやっていて、僕は録音技師になれたらいいなとぼんやりと考えてたやる気のない学生でした(苦笑)。玄里:なんで録音だったんですか?深川:僕は本当に不勉強で、女の子が好きだから入ってしまった不純な男でお恥ずかしいんですけど、勉強もできないし、監督は無理だろうなと思ってたんです。そのときに観たヴィム・ヴェンダース監督の『リスボン物語』(’95)という映画の主人公が録音技師で、劇中で映画の声をつけたり近所の子供たちと足音や風の音などをつけているのを見て、声や音を吹き込むことで映画が命をもつということを教わったような気がしたんです。こんな仕事は素晴らしいと思って録音のコースに入ったんです。——映画監督の仕事の95%は「我慢」!?玄里:そうだったんですね!監督はその後、かなり早いペースで映画を撮られてますよね。中でも印象が強かったのが『白夜行』、特に劇中の子供たちのシーンに惹かれました。でも、その次の『神様のカルテ』で作風ががらっと変わったので、私の中ですごく意外だったんです。監督自身のジャンルへのこだわりはあるんですか?深川:僕は映画館で映画を観て9割は「面白いな~」って思って出てくるんですけど、それは多岐のジャンルに渡るんです、ホラーは苦手なのですが。いつもこんな映画が観たいなと思う映画にチャレンジしているので、いただいた企画に関しては「映画が生まれてくる意味があるなら」、「僕でお役に立てるなら」という感覚でやってるんです。だからジャンルは特にこだわらない。だから『ガール』も、この映画を観て次の日にこういう風に女性に接してみようという男の子が現れたり、“悩んでるのは私だけじゃないんだ”と思ってくれる女性がいたり。お光さん(檀れい)のような、彼女は周りから若作りしてると言われるけどとても幸せに見えるし、彼女みたいな生き方ができれば女性が幸せになれるんじゃないかなと思ったり。玄里:私も『ガール』の中でお光さんが一番好きです!檀さんのコメディのお芝居も意外でしたし、全体的にいままでの役のイメージと異なるような役をみなさんやってると思いました。キャスティングはかなりこだわったのですか?深川:この作品でパブリックイメージ通りの人を選んでいっても、パンフレットだけで消化できてしまうものになる気がして。そうじゃなくて、映画館の扉を開けて暗闇に包まれたら見たことのない女優さんの表情や苦悩が見れたり、そういうものが映画だと思うんです。俳優さんを苦しめてしまうことは多いんですが…、俳優さんの新しい引き出しを作ってあげることになったり、新しい扉を見せていただくことになったりとか、特別な映画になったよねって響き合いながら作っていきたいので、それをお客さんに観てもらって新しい映画だなと思ってもらえたらいいなと思うんです。玄里:俳優側からすると、すごくありがたい監督だと思います!深川:いや、そう思っていただける方は少ないかもしれません(苦笑)。玄里:じゃあ、監督のお仕事の中で演出が楽しいですか?キャスティングや編集など、色々ありますが。深川:どれも楽しくないですね…どれも苦しい。監督をやってみて思うのは、監督は仕事じゃなくて“状態”だと。監督の“状態”にいるときには楽しいことなんて1個もなくて、一番僕が楽しいと思うのは映画館で映画を観ているときなんです。監督の状態の9割5分は苦しみを耐える我慢。あと5%くらいは響き合えていい芝居撮れたな、ここは絶妙だなと奇跡的な瞬間に幸せを感じるんですけど、それ以外は我慢の連続。すごく孤独だし、それを打ち明ける人もいないし、現場はチームワークで作っていきますが、そのチームワークの頂点にいなきゃいけないときもあれば、いま現場ではこういう流れになってるけど本当に大事なのはこれなんだよね、でも言うのは止めておこう、とかひとりで考えたり…。もう一回人生をやり直すならこの仕事は選びたくないと思いますね(笑)。玄里:それでも深川監督が監督を続けている原動力は何ですか?深川:人に期待されるとそれを返してしまうというか、こういう映画が観たいと思われるうちはやってたいと思っていて。いまはたぶん、お客さんが求めているものと割と近い価値観をもっていると思うんですけど、それは生ものであって、これまでいろんな監督が時代に合った瞬間があったと思うんですけど、それも一瞬。いまは僕がバトンを持って走ってる感覚なんですよね。その役割が果たせなくなったら、今度は自分の感覚から生み出す作品を作っていこうかなと思っています。元々は自主映画で、誰も期待していないところに無理矢理映画を作って、映画館に行って「僕の映画を作ったんです。最高に面白いので公開してください!」と言って回ってた人間なので、またそこに戻っていこうかなと思ってます。玄里:では、一生映画監督は続けられるってことですね?深川:健康なうちは…。『ガール』の撮影前に肺気胸になってしまって、これでだいぶ人に迷惑をかけたので、肺に穴を開けない状況にしなきゃなって。いま10本以上の企画が同時進行していて頭も体もずっと使っているので、倒れないようにいまは体力づくりをし始めているんです。玄里:さっき仰ったバトンをもらってからずっと走り続けている感覚ですね。深川:次の監督が来るまでは頑張って走り続けようと思ってます。玄里:これからも監督の作品を楽しみにしています!(text:cinemacafe.net)
2012年11月26日