連続テレビ小説「ひよっこ」の脚本家・岡田惠和が手掛けるスペシャルドラマ「最後の同窓会」が、11月26日(日)に放送されることが決定。市村正親を主演に迎え、60歳の同窓会を舞台に、味わい深い極上のヒューマンコメディーに仕上がっているという。本作の舞台となる“同窓会”。それは、人生の縮図を垣間見る場であり、そこには人生の悲喜こもごもが存在する…。今回描かれるのは、“60歳”の同窓会。60歳といえば、仕事や家庭にひと区切りがつき、人生をふり返る年齢。そんな節目の年の同窓会に集まったのは、小学生時代同級生だった5人の男女。ところが、「素晴らしい人生だった」と手放しで言うことができるメンバーは誰もいない。「定年退職後の人生に迷った男」「余命宣告を受けた男」「強盗事件を起こして逃走中の男」「鬼嫁に虐げられているマドンナ」「ひとり娘に拒まれている男」――。それぞれ事情を抱えていたのだ。しかし、仲間のひとりが突然死を遂げたことにより、現実を直視した彼らは決意。亡くなった仲間と孫娘の最後の約束を果たすため、“遺体を孫娘のピアノ発表会まで送り届けよう”と…というストーリー。主演の市村さんが演じるのは、小学校時代は皆のリーダーだったのに、いまは冴えない主人公・高槻功。ミュージカルやドラマ、映画など多彩なフィールドで圧倒的な存在感を放ってきた名優が、本作では等身大の男性を熱演。台本を読んで、まず「いい物語だなぁ」と思ったと言う市村さんは、「どことなく『スタンド・バイ・ミー』の雰囲気が漂っていて、非常にやりがいのある作品だと感じましたね。自分の同窓会とも重なるところが多々あり、深刻な会話を交わす場面では“こういうことってあるよな”“切ないなぁ”としみじみ実感しました」とコメント。また同窓会のメンバーには、実は強盗事件を起こして逃亡中の米倉正一役を片岡鶴太郎、すい臓がんで余命2年と宣告されている坂田典夫役を角野卓造、心臓に持病があり同窓会の翌朝に突然死してしまう田村実役をでんでん、そして紅一点のマドンナ・花岡真知子役を松坂慶子が演じる。角野さんは台本を読んだ時点で2~3回泣いてしまったそうだが、「でも撮影現場に来たら、笑ってばかりでしたね。同世代なので、皆、ひざが痛かったり、ほかにも具合が悪いところが同じで…(笑)とにかく撮影がとても楽しかったですね」と話し、片岡さんも「キャストの皆さんとは話も合うのですが、なぜかトイレに行くタイミングまでピッタリ合いました(笑)」とコメント。実際、毎年少人数で同窓会を開いていると言うでんでんさんは、「台本にものすごくリアリティーを感じました。ドラマをご覧になった皆さんにほろりと泣いていただくことができたら、僕らが表現したかったことが達成できたなと思えるはず。ぜひ多くの皆さんに観ていただきたいですね」と語り、市村さんの大ファンだと言う松坂さんは、「市村さんをはじめ、皆さん本当に素敵な方ばかり。皆さん、“人間力”があるから話題が豊富で、ちょっとした空き時間にお話しを聴くのも面白くて、毎日現場に来るのが楽しみでした」と撮影をふり返った。市村さんは「5人が車の中にひしめき合う形で撮影しましたが、とても楽しかったですね!」と語っているように、ほぼ同世代が集まった撮影現場は和気あいあい。「皆、同じ時代を生きて来たので、“あれを見た”とか、“これを読んだ”とか、“体のどこが痛い”とか、いちいち話が合うんです(笑)」とも明かしており、まさに“同窓会”状態…!?遺体を連れてドライブするシーンでは、男性陣が革ジャン&サングラスの“ちょいワル”風の衣装に身を包み、吉田拓郎の名曲「結婚しようよ」を熱唱したり、死体を演じるでんでんさんの手足を片岡さんが歌に合わせて動かすアドリブを披露したりと、切なくも笑える名シーンが誕生しているようだ。平成29年度文化庁芸術祭参加スペシャルドラマ「最後の同窓会」は11月26日(日)10時~テレビ朝日に放送。(cinemacafe.net)
2017年10月24日次々と“別人”に間違われる密室コメディ『泥棒役者』の完成披露試写会が9月21日(木)、都内で行われ、初の映画単独主演を果たす丸山隆平をはじめ、市村正親、ユースケ・サンタマリア、石橋杏奈、宮川大輔、片桐仁、峯村リエ、西田征史監督が出席した。『小野寺の弟・小野寺の姉』の西田監督が2006年に作・演出した舞台を、自身が映画用にリライトした、オリジナル脚本の長編映画第2作。泥棒稼業から足を洗った主人公・大貫はじめ(丸山さん)が、かつての泥棒仲間(宮川さん)に脅され、渋々豪邸に忍び込むと、家主の絵本作家(市村さん)、訪問してきた編集者(石橋さん)、セールスマン(ユースケさん)と遭遇し、「編集者」「絵本作家」「豪邸の主人」に間違われてしまう…。泥棒役に挑んだ丸山さんは、盗み出したいほど欲しいものを問われると「こう見えてアイドルなんで、日本全国の女性のハートを盗みたい」とキラキラ発言。早速、隣に立つユースケさんから「そんなこと、言うんじゃないかと思っていた」と鋭いツッコミが入った。丸山さん、市村さん、宮川さん、そして西田監督の4人が、丸山さんの自宅で本読みをしたエピソードが飛び出すと、「どんな部屋だと思います?ベースがズラッ~と並べてあって、まさに男の部屋ですよ」(宮川さん)、「女っ気はないね。汚いの!」(市村さん)とまさかの暴露。当の丸山さんはタジタジだった。また、宮川さんは本作のロケ中に“元カノ”とばったり遭遇したエピソードを披露。「丸山くんとお芝居してたら、19歳の頃に付き合っていた彼女が『大ちゃん、何やってるの?』って(笑)。子どもの写真を見せられたり、ほんまにドッキリやと思った」と明かすと、ユースケさんが「その後、二人はよりを戻したそうです」と得意のテキトー発言で、笑いを誘っていた。『泥棒役者』は11月18日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:泥棒役者 2017年11月、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開(C) 2017「泥棒役者」製作委員会
2017年09月21日俳優の市村正親が22日、都内で行われたミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』製作発表記者会見に、鳳蘭、実咲凜音、神田沙也加、唯月ふうか、入野自由、広瀬友祐、神田恭兵と友に登場した。同作は1964年にブロードウェイで初演され、トニー賞ミュージカル部門の最優秀作品賞など7つもの賞を獲得。日本では1967年に森繁久彌により初演を迎え、今回が日本初演50年の節目となる。帝政ロシア時代の寒村で酪農業を営むユダヤ人一家の父親・テヴィエ(市村)と、妻・ゴールデ(鳳)、そして娘たちの結婚をめぐる家族の物語が描かれる。同作の魅力について、市村は「ユダヤ人のいろんな家族の問題とか人種の問題とか人間の問題とか内容が非常に豊富で、作品として素晴らしい出来になっているのと、音楽がいい」と説明する。鳳も「三大要素であるドラマ、曲、ダンス全てが揃ってる。だからこそ世界に残ってる名作なんだと思います」と魅力を表した。宝塚歌劇団退団後初ミュージカルとなる実咲は「素晴らしい作品と共演者の方々とご一緒させていただけること、全てが新鮮で学ぶことばかりなので、殻を破りたいと思いお受けしました」と新たな一歩を踏み出す。神田沙也加は「いつもポスターを見ていたので、まさか参加させていただけるとは」と驚き、唯月も「頑張らないとという気持ちでいっぱいでした」と名作へのオファーに気を引き締めた。前回と違う役で舞台に立つことになる入野は「前回は経験も浅かったこともあり、自分がやるということに一生懸命すぎて作品を掘り下げることができなかった」と反省。声優、俳優としても経験を積み「もっともっと役や作品に対して、深く深く掘っていけるなと思ったので、ぜひやらせてくださいとお答えしました」と心境を語る。広瀬は「市村さんとご一緒できることを嬉しく思っています」と喜び、神田恭兵は「稽古から一瞬も逃さずに、僕だけのフョートカを築き上げたい」と意気込んだ。ゴールデンコンビと言われる市村&鳳だが、鳳が「絶対に男は浮気するけど、絶対しない男を上げろと言われたらいっちゃん(市村)だと思います」と太鼓判。「だって(篠原)涼子ちゃんより素敵な女性を探さなきゃいけない」と語ると、市村は照れた様子に。「『屋根の上のヴァイオリン弾き』の会見だから……」と鳳と手をつないで見せ、和気藹々と”夫婦漫才”を繰り広げた。東京公演は日生劇場にて12月5日~12月29日。また2018年1月から2月にかけて、大阪公演、静岡公演、名古屋公演、福岡公演、埼玉公演が行われる。
2017年08月22日「関ジャニ∞」の丸山隆平が映画単独初主演を務める『泥棒役者』。この度、本作の追加キャストが発表され、市村正親、高畑充希、ユースケ・サンタマリアらの出演が決定した。ほんのひととき、金庫破りの泥棒をしていた大貫はじめ(丸山隆平)。いまは足を洗い、溶接工員として真面目に働き、恋人の美沙(高畑充希)とささやかながら幸せな同棲生活を送っていた。ある日、美沙の誕生日にデートの待ち合わせをしていると、昔の泥棒仲間・則夫(宮川大輔)から突然声をかけられ「今日盗みに入ろう思っている。家の鍵を開けるために、はじめちゃんがどうしても必要だ!」と一方的に詰め寄られる。断るはじめだったが、美沙に過去のことをバラすと脅されて、渋々応じてしまうのだった。だが盗みに入った豪邸で、豪邸の家主の絵本作家・前園俊太郎(市村正親)、そして屋敷にやってきた編集者(石橋杏奈)、セールスマン(ユースケ・サンタマリア)から、「豪邸の主人」「絵本作家」「編集者」と次々と間違えられてしまう。「泥棒」として捕まりたくない一心で、はじめはその都度、その「役」を必死に演じるハメになるのだが…。前園家の隣人でクレーマーのユーチューバー高梨(片桐仁)、奥の上司の編集長(峯村リエ)を巻き込み、8人の登場人物による“だまし”“だまされ”の「一大喜劇」が幕を開ける――!本作は、長編映画デビュー作で大ヒットとなった『小野寺の弟・小野寺の姉』の西田征史監督が手掛ける監督第2作。通期視聴率が22.8%を記録した連続テレビ小説「とと姉ちゃん」では、脚本を担当した西田監督が、今回は2006年に作・演出した舞台「泥棒役者」を、自身が映画用にリライトし監督をするオリジナル作品となっている。丸山さんは、ある豪邸で出会う人から「豪邸の主人」「絵本作家」「編集者」と間違われ、「泥棒」であることを隠すためにその「役」を必死に演じるハメになる元泥棒役を演じる。そして今回、丸山さんと共に“だまし・だまされ”の一大喜劇を繰り広げる豪華キャスト7名が決定。はじめが無理やり泥棒に訪れる、豪邸の主人で絵本作家の前園俊太郎役を、舞台を始め映画やドラマなど幅広く活躍するベテラン俳優の市村さん、前園宅ではじめたちと出会い、油絵の教材セットを必死に売り込む訪問セールスマン・轟良介役には、番組MCや俳優としてはコメディからシリアスな役柄まで幅広い演技で観客を魅了するユースケさん、前園の担当編集者・奥江里子役には、モデルで女優の石橋杏奈、泥棒の足を洗ったはじめを無理やり誘い、前園家に金目当てで侵入する泥棒・畠山則男役にお笑いタレントで俳優としても活躍する宮川さん、はじめの恋人・藤岡美沙役に高畑さん、前園家の隣に住むユーチューバー・高梨仁役に片桐仁、奥の上司の編集長・米村真由美役に、大河ドラマ「真田丸」にも出演した峯村リエが扮する。豪華キャストが集結した本作。一体どんな“大喜劇”が繰り広げられるのだろうか。『泥棒役者』は11月、TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:泥棒役者 2017年11月、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開(C) 2017「泥棒役者」製作委員会
2017年02月20日直木賞受賞作家、北村薫原作の小説を舞台化した『スキップ』が、13年の時を経て、今春、サンシャイン劇場での上演が決定した。高校2年の主人公、一ノ瀬真理子がある日、うたた寝から目を覚ますと25年後の夫と娘がいる高校教師になっていたという設定で、大人になった真理子役を霧矢大夢が演じることは既に発表されていたが、今回、17歳の真理子役に、元乃木坂46の深川麻衣が決定したと発表された。なお、深川は舞台初主演で霧矢とのダブル主演となる。舞台『スキップ』チケット情報その他のキャストは、真理子の娘・美也子役をキャラメルボックスの木村玲衣、密かに真理子に思いを寄せる新田役を碓井将大のほか、柿喰う客の深谷由梨香、長濱慎、範宙遊泳の熊川ふみ、キャラメルボックスの原田樹里らの出演が決定している。全キャスト発表に伴い、メインヴィジュアルの公開と原作の北村薫、主演の霧矢大夢、深川麻衣よりコメントが寄せられた。■北村薫(原作者)コメント前回の公演は新聞の劇評でも絶賛されました。しかし、世評以上に、観客の方々が舞台にぐいぐいと引き込まれ心をふるわせていたことが記憶にあざやかです。もう一度観たいと願っていました。夢がかなって本当にうれしいです。■霧矢大夢コメントこの作品は、ある日、高校生だった真理子が、目覚めると突然大人になっている。しかも高校教師という立場になっている、というストーリーです。気が付くと夫がいて、娘もいる。見た目は大人なんだけど、中身は17歳。その現実を自分なりに受け入れて、健気に、ピュアに、その状況に立ち向かっていく。そんな一生懸命な真理子を表現したいなと思っています。演出の成井豊さんとも初めてですし、キャラメルボックスのエネルギッシュなお芝居に刺激を受けて、自分なりの真理子像を作っていきたいと思います。■深川麻衣コメント今回の舞台『スキップ』では、主人公の一ノ瀬真理子役を、霧矢大夢さんと一人二役ではなく、二人一役で演じさせて頂くということで、どんな風になるのかとても楽しみにしています。稽古はこれからですが、脚本を読ませて頂いて、面白くなること間違いないと確信しています。大きな役で、個人的にはもの凄く緊張しているのですが、みなさんと力を合わせて、毎日の稽古を励んでいきたいと思います。ぜひぜひ観に来てください。■NAPPOS PRODUCE『スキップ』原作:北村薫『スキップ』(新潮文庫刊)脚本・演出:成井豊(キャラメルボックス)2017年4月26日(水)~5月5日(金・祝)サンシャイン劇場(東京・池袋)出演:霧矢大夢深川麻衣岡田達也粟根まこと木村玲衣碓井将大深谷由梨香長濱慎熊川ふみ原田樹里関根翔太石森美咲大滝真実山崎雄也元木諒チケット一般発売:2月25日(土)
2017年01月23日12月12日、都内のホテルにて、市村正親主演のミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』の製作発表記者会見が行われた。報道陣と約200人のオーディエンスが注目するなか、市村をはじめとする出演者たちが舞台への意気込みを語った。ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」チケット情報冒頭でカンパニーキャストによるナンバー「なぜよく死ぬのかダイスクイス」が披露されると、プリンシパルキャストのウエンツ瑛士、柿澤勇人、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみが登壇。最後に現れた市村正親は、市村の顔の仮面をつけた7人の登場人物を率いての堂々たる姿だ。その7人の姿を見て市村は、「気持ち悪い……」と渋い表情を見せ、会場の笑いを誘った。日本初上陸となる本作は、2014年トニー賞4冠に輝いたブラックコメディの傑作だ。舞台は1900年ごろのイギリス。貧乏な青年モンティは、自分が大富豪の伯爵の8番目の爵位継承権を持つことを知り、莫大な財産を手に入れようと、奇妙キテレツな手を使って継承順位上位の人々を殺していく。殺されるのは、牧師や陸軍少佐、舞台女優など実に様々だが、その8人を演じ、8回殺されるのが、ただひとりの俳優、市村正親というわけだ。「ウエンツ君と柿澤君とのトリプル・キャストと聞いていたんだけど」と再び笑いを誘い、「年とともに大変な役が増えてきた。今回は正直、どうなるのか自分でも見当がつかない。コメディですが、笑いをとりに行くような作品ではなく、それぞれの道を必死に生きている、そのこと自体が端で見るとおかしい、というもの。“これは市村さんにしかできない”と言ってくださった方たちの期待を裏切らないよう、しっかり演じ、楽しいミュージカルを創れたらと思います」と抱負を述べた。「楽しく死ねたらいいな」と笑う市村を、実に8回も殺すことになるモンティ役は、ウエンツと柿澤のダブルキャストだ。「まさかレジェンドの市村さんと共演できるとは思ってもみませんでした。ダラスでこの作品を観た印象では、モンティ役は“受けの芝居”。人を殺していくなか、人との出会いのなかで心情も変わっていく。丁寧にやっていきたいと思います」(ウエンツ)、「殺人鬼、人を追い込む役を演じることが多いのですが、今度はどんな役?と尋ねたら、“人を殺します”と(笑)。でもコメディですから、たくさん笑って帰っていただきたいですね」(柿澤)。演出の寺﨑秀臣は、「日本でやる以上は、ブロードウェイでやったものをそのままやるのではなく、オリジナリティ、市村さんの良さを出していきたい。作品のもつ面白さプラスアルファで、圧倒的に面白いものができあがる、そんな期待をこめて演出していきたい」と語った。公演は2017年4月8日(土)から30日(日)まで東京・日生劇場、5月4日(木・祝)から7日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、その後福岡、愛知でも上演。東京、福岡公演のチケットは発売中。大阪1月15日(日)、愛知2月4日(土)一般発売開始。取材・文:加藤智子
2016年12月28日2004年、キャラメルボックスの成井豊により、舞台化された北村薫原作の『スキップ』が13年の時を経て、来春、サンシャイン劇場で上演される。物語の主人公・一ノ瀬真理子は高校2年の17歳。ある日、うたた寝から目を覚ますと25年後、夫と娘がいる高校教師になっていた……。直木賞受賞作家、北村薫の名作を舞台化した本作では、大人になった真理子と高校生の真理子がダブル主演となり、ひとりの人物を二人の女優が演じる趣向もみどころのひとつ。その「大人の真理子役」を霧矢大夢が演じる。公演は4月27日(水)から東京・サンシャイン劇場にて上演。高校生の真理子役ほか、詳細は公式サイト等で順次発表予定。■NAPPOS PRODUCE『スキップ』2017年4月27日(水)~5月5日(金・祝)サンシャイン劇場(東京都)原作:北村薫『スキップ』(新潮文庫刊)脚本・演出:成井豊(キャラメルボックス)出演:霧矢大夢、ほか
2016年12月28日俳優の市村正親が12日、都内で行われた主演ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』製作発表会見に、柿澤勇人、ウエンツ瑛士、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみとともに出席した。同作は2014年にトニー賞の作品賞・脚本賞他4部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。母に死なれた青年・モンティ(ウエンツ、柿澤Wキャスト)が、大富豪の貴族「ダイスクイス・ファミリー」の血を引いていることを知らされ、爵位継承権を持つ8人を次々と殺していくコメディ。市村は8役を演じ、次々と殺されていく役となる。作中では市村が早替えを行いながら8役を演じるが、会見では市村+市村の仮面をかぶった7人が登場。市村は、自分の顔の仮面を見て「気持ち悪い……」と苦笑した。そして”分身”に囲まれて「こんな顔してんだねえ。あ~あ、やだやだ。以上」と”市村節”を炸裂させた。市村を殺していくことになるウエンツと柿澤だが、ウエンツは「最高じゃないですか」と率直に感想を表し、市村から「本当に殺すなよ。僕も若いから」とつっこまれる。ウエンツは「千秋楽くらいにわからないですけど」と冗談を飛ばし、仲の良い様子を見せた。一方、柿澤は「やばいです」と対照的な様子。「隣にいるだけで心臓がバクバク」と緊張を表し、「圧力に僕の方が死んじゃうんじゃないかなって」と恐縮してみせると、市村から「いつから口がそんな達者になった」と驚かれていた。ダラスで同作を観劇済みというウエンツは自身の役を「ウケの芝居だなと思ってます」と俳優として分析。「笑いを取るような場面はなく、結果的に笑いを取ってしまう」と語り、「1幕2幕で心情が変わっていくので、丁寧にやっていく」と頼もしい姿を見せた。市村も「確かにコメディなんだけど、やってる人間が笑わそうと思ってやるのではなく、必死に生きてること自体が、はたで見てるとおかしいみたいなことがある」と同意し、「笑いを取りに行くというよりは8役を懸命に生きていきたいなと思います」と舞台への思いを語った。
2016年12月12日俳優の市村正親が、草なぎ剛主演の関西テレビ・フジテレビ系主演ドラマ『嘘の戦争』(来年1月スタート、毎週火曜21:00~21:54)に出演することが26日、明らかになった。このドラマは、昨年1月期に放送された同局系ドラマ『銭の戦争』の脚本・後藤法子、監督・三宅喜重、プロデュース・河西秀幸らスタッフが再結集。草なぎ演じる幼い頃に家族を殺された主人公が、天才的な詐欺師となって復讐を果たそうとする姿を描く。市村が演じるのは、草なぎ演じる浩一と敵対する二科隆(藤木直人)らの父親で、最大の適役となるニシナグループの会長・二科興三。草なぎとは2004年の映画『ホテル ビーナス』以来、公私ともに親交が深い関係だ。それだけに、市村は「今回は剛君のドラマだから『やろう!』ってすぐ返事をしました」と快諾したそう。「剛君はバラエティも面白いんだけど、やっぱり俳優だなぁと思うんです。俺の中では剛君は、高倉健さん風なイメージ、俳優としてこれからもっともっと楽しみです」と、今後の役者としての活躍に期待を示した。その草なぎは「共演するのは、すごく照れくさいのですが、それを越えて集中して現場に入ったら、新しい僕を引きだしてくださるんじゃないかな」と胸を借りる思いの様子。「体当たりしていきたいなと思います」と意気込んでいる。
2016年11月26日アジア各国でも旋風を巻き起こす「深夜食堂」の劇場版第2弾『続・深夜食堂』の公開記念舞台挨拶が11月24日(木)、都内で行われ、主演の小林薫をはじめ、安藤玉恵、宇野祥平、金子清文、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、オダギリジョー、松岡錠司監督が登壇した。安倍夜郎の人気漫画を原作に、ドラマ、動画配信、映画と世界観を広げる人気シリーズ。新宿ゴールデン街を思わせる繁華街の路地裏で、経歴も年齢も不詳なマスター(小林さん)が佇む深夜営業の食堂「めしや」を舞台に、夜な夜な集まる個性豊かな客たちが、悲喜こもごもの人生を交錯させる。この日はステージ上に、撮影で使われた「めしや」の実物のれんが設置されたり、写真撮影時に登壇者全員がビールピッチャーを手にしたりと、映画のヒットを祝う演出が施された。公開3週目も好調をキープしており、主演の小林さんは「トランプさんが大統領になったり、重大な事件もあるなかで、自分の息子や彼女の話、過去のあやまちが棘のように刺さった市井の人たちのドラマこそ、共感してもらえるのだと思う」とヒットの理由を分析。ステージ端に立つ松岡監督に視線を送り、「第2作目というプレッシャーのなかで、細やかな部分にも気を配っていた。松岡監督は良くも悪くも、評判が良いといい気になるから、立ち振る舞いを心配するところもあるんですけど(笑)。でも、今回に限っては調子に乗るのもいいんじゃないかなと」を苦言(?)をこめて、労をねぎらった。当の松岡監督は「そういうの、いいから」と照れ笑いを浮かべ、「日本独自の話を作っているつもりですけど、言語も食文化も違うアジア圏で評価が高いのはうれしいですね」と手応えは十分。「映画が始まって割と早めから、お腹が鳴ると思いますが、皆さん同じ現象だと思うので、気になさらないで」と“飯テロ”を警告していた。「実は今日、二日酔いなんです」と告白したのは、オダギリさん。今週末には松岡監督とともに、台湾キャンペーンに出かけることになっており、主演の小林さんは「いま、初めて聞いた」とうらやましそうに話していた。『続・深夜食堂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年11月25日1973年のデビューから舞台に立ち続けて43年、さまざまな役に挑んできた市村正親が来年春、ミュージカル・コメディ『紳士のための愛と殺人の手引き』に出演する。そこでまた前代未聞のチャレンジをするそうで、チケットの発売を前に話をうかがった。ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』チケット情報本作は2014年トニー賞で作品賞、脚本賞ほか4冠に輝いた大ヒット作。今回、満を持しての日本初上陸だ。物語の舞台は19世紀初頭のイギリス、伯爵継承順位8番目の男、モンティ(ウエンツ瑛士・柿澤勇人Wキャスト)が莫大な遺産を手に入れようと、とんでもない計画を思いつく。それは継承順位上位の者をすべて消すこと。その殺される役、8役すべてを演じるのが市村だ。「全部ね、殺される役ですよ、要するに僕は邪魔者(笑)。オープニングのコーラスから始まって、次から次へと殺されるのを全部やるという、まさに、僕のために作られた作品です(笑)」。『クリスマス・キャロル』では登場人物54役をひとりで演じたのだから、8役はお手のもの?「いやいや、歌があるし大変です。普通は殺されたらもう楽屋に戻れるんだけど、今回はまたメイクを変えて、次の人。それを8回、体力勝負ですよ。なんで引き受けたんだろう? って(笑)」。貴族に陸軍少佐、女優に牧師など老若男女ばらばら、筋トレ中に、ハチに刺されて、転落死あり、舞台の本番中にと、殺され方も奇妙キテレツだ。そんなドタバタの騒動が軽快な音楽とともに描かれ、ドキドキハラハラ、抱腹絶倒!「8役扮装を変えて撮影するだけで4時間かかりました。それぞれどんな風に演じるのかは、これから、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤していくんですが、演じるっていうのは役を体に入れること。何回も、何回も稽古して、自由自在にセリフが出てくるようになったら力も抜けて、自然と演じ分けられるようになるんです」。大変だと言いながらもどこか楽しそうな演劇界のレジェンド、今回は若手との共演も楽しみだと言う。「ウエンツとはね、前から何か一緒にやりたいね、と話していてやっと実現しました。カッキー(柿澤)とは『スウィーニー・トッド』で一緒だったし、アンサンブルメンバーもみんなパワフル。知り合いばっかで楽しみだね。来年、本番を迎えて、あぁ引き受けて良かった!と思えるように頑張ります」。公演は2017年4月8日(土)から30日(日)まで、東京・日生劇場にて。チケットは12月10日(土)一般発売開始。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、11月28日(月)午前11時まで受付。取材・文:大西美貴
2016年11月24日今月1日に入籍した柔道の松本薫選手が、きょう7日(21:00~21:54)に放送される日本テレビ系バラエティ特番『くりぃむしちゅーの!THE★LEGEND最強レジェンドが集結 超ぶっちゃけSP』に出演し、試合前は夫の前でも「女性を捨てている」と明かす。試合前に集中する姿が"野獣"と呼ばれる松本選手だが、その"野獣モード"に入ったときは、夫となった1学年上の彼の前でも「女性を捨てている」と告白。さらに、「彼は試合前は(自分との距離を)半径30㎝は絶対に空けます」と、ストイックになる様子を語る。今回の番組では、そんな松本選手が恋愛について語る場面もあり、恋愛になるとどのような雰囲気になるのか、スタジオは興味津々。レスリングの吉田沙保里選手から「自分だけ幸せになりやがって!」と責められる。番組ではほかにも、登坂絵莉選手をはじめとするレスリング女子日本代表の寮へ潜入。リオ五輪金メダリスト土性沙羅選手の部屋は漫画だらけ、川井梨紗子選手の部屋はピアスなど女性らしいものが飾られている。この女子寮では、恋愛トークにも花が咲くといい、土性選手は「今年は今までで一番最高の彼氏が欲しい」と宣言する。吉田沙保里選手は、この寮から巣立っているため、後輩選手たちは「食レポが下手」「早くお嫁に行ってほしい」などと吉田への不満を爆発。しかし、そのVTRが終わったところで、吉田選手がスタジオに現れる。
2016年11月07日「ぴあ」調査による2016年11月3日、4日、5日のぴあ映画初日満足度ランキングは、小林薫主演の人間ドラマ『続・深夜食堂』がトップに輝いた。その他の画像『深夜食堂』は、安倍夜郎の人気コミックを基に、路地裏にひっそりとたたずむ“めしや”に訪れる人々の悲喜こもごもを描いた作品。2009年にスタートしたTVドラマは第3部まで放送され、2015年には劇場版1作目も公開された人気シリーズだ。劇場には「TVドラマからすべて観ている」というファンが多く来場。出口調査では「いい意味でいつも通り。期待を裏切らない作品」「ほっとする映画」「人間味あるエピソードが心地よい」「キャスト全員に味があり、しみじみできた」「今後もシリーズを続けてほしい」といった声が聞かれ、シリーズ最新作もファン納得の仕上がりとなったようだ。長く愛され、多くのファンを獲得している本シリーズは、観客に“安心”や“癒し”を与える人情味あふれるストーリーはもちろん、小林扮する“めしや”のマスターが作る、数々の料理も見どころのひとつになっている。観客からは「おいしいものが食べたくなった」「食事がとてもおいしそうで、五感に訴えかけられた」といったコメントも寄せられた。なお、満足度ランキングは、実話を基に、閉園の危機を迎えた幼稚園の再生に挑む園長先生の奮闘を描いた『小さな園の大きな奇跡』が2位に、戦うために生まれてきた少年少女の死闘を描くロボットアニメ『劇場版マジェスティックプリンス 覚醒の遺伝子』が3位に入っている。(本ランキングは、11/3(木)、4(金)、5(土)に公開された新作映画13本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『続・深夜食堂』公開中
2016年11月07日俳優の市村正親が19日、ミュージカル『ミス・サイゴン』の初日特別カーテンコールに登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本での通算上演回数は1368回を重ねる。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。市村は初演から25年間エンジニアを務め続けたが、2014年の公演では初期の胃がんが発覚し、降板が決定。2年ぶりの登場となり、同作に出るのは今回が最後となる。市村は「2年前に胃がんで降板させていただきました。そのときに本当にたくさんの応援メッセージをいただきました」と振り返る。「そのメッセージのおかげで、再び『ミス・サイゴン』をやろうということになり、復活することができました。応援してくださった皆様に心から感謝します」と頭を下げた。そして市村は「今日やってみて、かなりイケてたんじゃないかな」とニヤリ。大きな拍手が巻き起こった。また、サプライズで初演時のメンバーが集結。入絵加奈子、岸田敏志、安崎求、園岡新太郎が花を渡すと、感慨深い様子で抱き合っていた。市村は「ここまで来るの、けっこう大変だったんだよ。まあ、俺にとっては大したことないんだけどね」とジョークを飛ばしながらも、24年間の苦労をにじませた。最後に市村は、全キャスト&観客と劇中歌「アメリカン・ドリーム」を熱唱した。笹本玲奈、上野哲也、上原理生、知念里奈、藤岡正明、池谷祐子、前田武蔵(子役)ら初日キャストとアンサンブルキャストがともにステージを盛り上げた。
2016年10月20日俳優・市村正親が19日、ミュージカル『ミス・サイゴン』初日囲み取材に、共演の笹本玲奈、上野哲也とともに登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本での通算上演回数は1368回を重ねる。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。市村は初演から25年間エンジニアを務め続けたが、2014年の公園では初期の胃がんが発覚し、降板が決定。2年ぶりの登場となり、同作に出るのは今回が最後となる。市村は「復活と同時にファイナルで」と状況を説明し、「明日のことはわからないからね。3年先まではスケジュールが決まっているけど、4年後は決まっていない。オリンピックがあるからね」とジョークを飛ばした。ファイナルと銘打ってはいるものの「次はもし元気だったらリターンズで」と、足を肩まで上げて体調の良さをアピールした。初演の思い出として、2005年に白血病で亡くなった故・本田美奈子.さんの名前を上げ、「隣の楽屋でね、僕のことをお父ちゃん、お父ちゃんと呼んでましたね。2回公演の時は2人でごはんを食べたり」と振り返る。「今思うのは、美奈子がやりたくてやりたくてしょうがなかった『ミス・サイゴン』を、僕はやり続けているわけだから、『お前の分も頑張っているよ』と、美奈子の思いも込めて演じたいと思っています」としみじみと語った。また、笹本は市村について「舞台に立つだけで引き込まれていく」とその存在感を絶賛。上野は「2012年にアンサンブルで出た際に、袖口で『お前、真面目だな』と声をかけてもらいました」と市村とのエピソードを披露すると、市村は「つまらないな、という意味だよ」と冗談を飛ばしつつ、「いろんなことを考えて、ちゃんとやっている」と上野のことを評価した。
2016年10月19日俳優の小林薫が10月3日(月)、都内で行われた『続・深夜食堂』の完成披露試写会に出席。国内を飛び越え、アジアでも人気を博す「深夜食堂」の根強い人気について、「うれしいけど予想外」と語り、「可能性はまだまだある」とさらなる飛躍に期待を寄せた。新宿ゴールデン街を思わせる繁華街の路地裏に、ひっそりと佇む深夜営業の食堂「めしや」を舞台に、夜な夜な集まる個性豊かな客たちが、悲喜こもごもの人生を交錯させる。安倍夜郎の人気漫画をドラマ化し、続く映画『深夜食堂』は全国80館ながら、興収2.5億円、動員数20万人超を記録。さらに中国、韓国、台湾でも人気を集め、アジア各国で一大ブームを巻き起こした。食堂のマスターを演じる小林さんは、「ドラマの4作目も含めて、こんなに続くと思っておりませんでした。めでたく映画の2作目が完成し、グレードアップした『深夜食堂』の味わいが繰り広げられている。お店もお料理も主役です」と駆けつけたファンにアピールした。完成披露試写会には小林さんをはじめ、河井青葉、小島聖、キムラ緑子、渡辺美佐子、多部未華子、不破万作、安藤玉恵、金子清文、須藤理彩、小林麻子、光石研、松岡錠司監督がズラリ勢ぞろい。前作映画にゲスト出演し、本作では常連客として登場する多部さんは、「取材を受けると、『レギュラーとして』と言われるんですが、まだ慣れないし、恥ずかしいですね」と照れ笑い。一方、ドラマシリーズでおなじみの常連客を演じる光石さんは、「現場に行けば薫さんや監督がいらっしゃって、『また帰ってこられたな』とホッとします」と喜びをかみしめていた。『続・深夜食堂』は11月5日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年10月03日リオ五輪女子柔道57キロ級銅メダリストの松本薫選手が、24日に放送されるTBS系バラエティ番組『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!SP』(19:00~20:54)で、「彼氏います」とテレビ初告白する。今回、「リオ五輪メダリストぶっちゃけスペシャル」と題し、リオ五輪レスリング女子53キロ級銀メダリストの吉田沙保里選手、レスリング69キロ級金メダリストの土性沙羅選手、卓球男子団体銀/シングルス銅メダリストの水谷隼選手ら総勢13人がスタジオに集結。普段見せない素のメダリストの表情や発言が炸裂する。松本選手は、ネプチューンの名倉潤から「松本選手、モテますか?」と聞かれ、「まあ、ほどほどに。野獣とか言われてますけど・・・」と答え、バナナマンの設楽統からの「彼氏とかいるんですか?」の問いに「はい。います!」とはにかみながら即答。スタジオ中が驚きの声をあげる中、「大学時代から8年間付き合ってます。(テレビで)初めて言いました」と明かした。さらに設楽から「どっちから(告白したの?)」と聞かれると、松本は前に座っていた吉田の肩をたたいて恥ずかしがるも「男性から…」と告白。その後もゲストたちが矢継ぎ早に松本に質問を投げかけるが、松本はひとつひとつうれしそうに丁寧に答えていく。交際している男性は料理人で、彼は松本を「かおり」と呼んでいるという。このほか、松本からの「野獣に変わるニックネームを考えてほしい」という要望に応えて、かわいいニックネームを考える場面も。さらに、松本と吉田は手押し相撲にも挑戦する。(C)TBS
2016年09月21日『市村座』が8月11日より開幕した。【チケット情報はこちら】今回のテーマは「父と子」。芝居仕立人情噺『子別れ・下』は、古典落語に市村が動きをつけ、一人芝居として演じる。熊、金坊、女房など、一人とは思えない絶妙な会話の掛け合いと動きだ。熊は自分の過去を後悔し、隠しつつも女房への未練が溢れている。無邪気でおませな金坊は、別れた父と母の距離を肌で感じている。また女房の市村の所作のしなやかさには舌を巻く。鰻屋で夫婦が再会するシーンは、互いの恥ずかしさと嬉しさが交錯し、一気に引き込まれた。ミュージカル俳優として名高い市村だが、芝居の上手さも実感できる。音楽講談『二世たちのコーラスライン』は、『屋根の上のヴァイオリン弾き』の三女チャヴァ、『ミス・サイゴン』のタム、『オペラ座の怪人』『ラブ・ネバー・ダイ』のグスタフと、市村の出演作の子供たちがブロードウェイのオーディションを受けるという奇想天外な物語。講談として、基本、机の前に座って、歌い舞う。馴染みのあるメロディに乗せて、「サンライズ・サンセット」が「賛成、サンキュー」、「アメリカン・ドリーム」が「ブロードウェイ・ドリーム」と歌われるから、遊び心たっぷりだ。ミュージカルの二世たちがただオーディションで出会う話かと思いきや、物語は『コーラスライン』と重なり、チャヴァはキャシー(『コーラスライン』)、グスタフはポール(『コーラスライン』)とオーバーラップしてゆく。グスタフが自らをカミングアウトし、父親である怪人がそれを見守る様は、涙無くしては語れない。市村がかつてポール(『コーラスライン』)も怪人(『オペラ座の怪人』『ラブ・ネバー・ダイ』)も演じていることを知る人は、よりぐっとくるにちがいない。市村は『ラブ・ネバー・ダイ』でグスタフが登場したことから、この話の原案を思いついたという。親子の絆の素晴らしさを受け取ると同時に、この物語はミュージカルを担う次世代への市村からのエールのようにも感じられた。唄入り狂言『ピアフという人』では、ブロードウェイから飛び、打って変わってパリの雰囲気。エディット・ピアフの人生、恋模様を語りで振り返りつつ、ジャック・ピルスの「去りし夢」、ピアフの「水に流して」「群衆」「愛の讃歌」が歌われる。市村の哀愁と色気の帯びた、伸びやかな歌声は、実にシャンソンとよく似合い、場の空気を一変させた。大団円は『俵星玄蕃』。忠臣蔵のサイドストーリーであり、三波春夫の長編歌謡浪曲として有名。市村座の定番でもあり、市村の十八番だ。浪曲、語り、芝居など、この一編にさまざまな要素が含まれている。並大抵の技量では演じきれない難曲だが、市村はエネルギーたっぷりに演じ上げた。東京公演は21日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスで上演。その後、大阪、名古屋など全国5か所を巡演する。チケット発売中。取材・文:三浦真紀
2016年08月12日旗揚げから間もなく20年。市村正親が語り、唄い、踊る、エンターテインメントショー「市村座」が帰ってくる!演出の高平哲郎を相棒に、ミュージカル、落語、シャンソンなど市村が俳優人生で身体に叩き込んできたすべてを新たな創造力で練り上げ、笑いたっぷりで贈る一人舞台だ。「市村座 2016」チケット情報前回公演から12年、お客様からは度々「市村座はまだ?」と聞かれていたとか。その間、市村の頭にあるアイデアが浮かぶ。ヒントは『オペラ座の怪人』の続編『ラブ・ネバー・ダイ』だ。「あの怪人ファントムに子どもがいた!という話。そこから名作の登場人物の二世たちがブロードウェイに来たらおもしろいなと」。そして誕生したのが、今回の音楽講談『二世たちのコーラスライン』だ。数々のミュージカルナンバーから、「おいしいところだけつまんで、似て非なるものに練り上げ、絶妙にひとひねりして歌います」。『ミス・サイゴン』あり『オペラ座の怪人』あり、羽織袴でビシッときめた市村が名曲で紡ぐ、爆笑必至の感動巨編となりそう。「親と子」をテーマにもうひとつ、古典落語の名作『子別れ』を芝居仕立てで立体的に披露する。「志ん朝さんと談志さんの『子別れ』を織り交ぜて市村版で」。さらに伝説の歌姫、エディット・ピアフの生涯を市村バージョンで、シャンソン珠玉の名曲とともに上演する。「ピアフの愛した男たちのいい曲もあるので歌いたいと思っています」。冒頭はおなじみの口上だ。「お久しぶりの近況報告と自画自賛(笑)」。そしてラストはファンお待ちかねの『俵星玄蕃』。赤穂浪士を題材にした三波春夫の名曲を、市村が完全に“自分のもの”にして歌い上げる。客席からは“おひねり”が飛ぶ、飛ぶ。盛りだくさんで仕掛けたっぷり、サービス精神も全開。そして今回は、他界した演劇仲間へのメッセージも込めたいと語る。「蜷川幸雄さん、坂東三津五郎さん、中村勘三郎くん、彼らの思いを持って、これからも俳優人生を生きていきます。市村の芸、人となり、愛嬌、情熱をお見せして、お客様の笑顔につなげたい」。市村正親という名優は芸術に真摯で真面目、そのすべてが詰まった圧巻のステージで、変わらないパワーに触れたい。公演は8月11日(木・祝)から21(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。その後、大阪、名古屋など全国5か所を巡演する。チケット発売中。取材・文:大西美貴
2016年07月20日俳優の市村正親が20日、都内で行われた舞台『ミス・サイゴン』製作発表に登場した。同作は1992年に初演をむかえて以来、日本での通算上演回数は1368回を重ねる。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。この日はエンジニア役の市村、ダイアモンド・ユカイ(“・”は六芒星)、駒田一、キム役の笹本玲奈、昆夏美、キム・スハ、クリス役の上野哲也、小野田龍之介、ジョン役の上原理生、パク・ソンファン、エレン役の知念里奈、三森千愛、トゥイ役の藤岡正明、神田恭兵、ジジ役の池谷祐子、中野加奈子と、16名のプリンシパル・キャストが勢ぞろいした。2014年の公演では、市村に初期の胃がんが発覚し、開演後に降板が決定。会見では、当時を思い出した笹本が涙を見せる場面もあったが、病気を乗り越え見事に復活した市村は「前回は胃がんだったけど、今回はガンガンいきますよ」とジョークを飛ばし、キャスト陣を笑わせた。初演から25年間エンジニア役を務め続け、会見で共演者から「ミスター・サイゴン」「演劇の巨人」「ミュージカルの怪人」と様々な二つ名で呼ばれた市村は、今回を「ファイナル・ステージ」と銘打ち、同作から卒業することとなる。自ら「ミス・サイゴンの主」と名乗った市村は「ロンドンの『ミス・サイゴン』が今度ブロードウェイで開くという話を聞きまして。日本を最後にして、ブロードウェイを目指そうかなと」と語った。また、ダイアモンド・ユカイがミュージカル初挑戦となるが、市村は「ユカイちゃんね、緊張しまくってるんですよ。ロックンロールのくせに」と暴露。「あんまり僕を意識しないで、自分の役を追求すればいい」とアドバイスをおくった。さらに、自分の役作りについては「今まで考えたことないくらいに、強く演技プランを考えながらやっていこうと思います。そうすれば、どんな人が来ても僕のエンジニアを越せないと思います」と自信をのぞかせた。
2016年06月20日市村正親と大竹しのぶ。日本の舞台俳優として最強のコンビで上演されたブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド』が、4度目の上演を果たす。作品は、18世紀末のロンドンに実在したという恐怖の理髪師をモデルに描く、痛快だが哀しい復讐の物語。音楽は、現代ミュージカルの巨星スティ-ヴン・ソンドハイム。この作品は演出の宮本亜門が「一番好きなソンドハイム・ミュージカル」であり、大竹しのぶも「独特の音楽の世界がクセになる感じで、ずうっとやりたいぐらい楽しい!」と、今回の再演を喜ぶ。大竹を直撃、作品の魅力と意気込みを聞いた。ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」チケット情報物語は衝撃的だ。無実の罪で流刑となり、脱獄してロンドンに戻った理髪師がスウィーニー・トッド(市村)と名乗り、元の店の階下でパイ屋を営む昔なじみのミセス・ラヴェット(大竹)と手を組んで、復讐を始める。正体を知る人間を次々とカミソリで首を切って殺し、死体は人間ミンチにしてパイ屋へ。ロンドン一まずいと評判のパイ屋は肉不足を解消、かくして行列のできる店に!独特のソンドハイムの音楽のなか、舞台セットを立体遊戯具のように巧みに使う演出。大竹はこの作品の魅力を「音楽が素晴らしいです。最初は、この音、間違ってるんじゃないの?と思うような音楽ですけど、音が全部計算されていて、深い。表面ではすごくきれいなバラードを歌いながら、その下では不気味な音が鳴っていたり。とても難しい音を出さなくちゃいけなくて大変でしたけど、だんだんおもしろくなってくるんです」。物語と役柄については「すっごく恐ろしい話を笑いながら楽しくやるところが魅力的。『殺しちゃいましょっ』って、恐ろしいことを笑顔で歌って(笑)。怖い話ですけど、楽しいんです。ミセス・ラヴェットは最初からスウィーニーを『好き好き』と思っていて、好きよ、楽しいわ、お金いっぱい、ハッピー!みたいな感じ(笑)。ドキドキして、最後はそんなぁ!!って(笑)」。2007年の初演では、ミュージカルはほとんど初めてながらこの作品に挑戦した。4度目となる今回は「もっと歌がうまくなりたい。芝居でしゃべるように歌うには、すごい技術がいるので、私、ほんとに頑張らなくちゃ。これまで観ていただいた方には、ソンドハイムの音楽を、さらにパワーアップしてお届けしたい。初めてご覧になる方には、これがミュージカルだったと思ってもらえるようなワクワク感を渡したいと思っています」。初回から大阪公演の会場はシアターBRAVA!。「劇場の思い出は、やはりここで何度も公演した『スウィーニー・トッド』が一番多いです」と語る大竹の想いを乗せ、これを最後の演劇公演としてシアターBRAVA!は5月末に閉館する。公演は、5月13日(金)から15日まで大阪・シアターBRAVA!、5月20日(金)から22日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年05月13日俳優の市村正親が、12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに対して、所属事務所を通じて追悼のコメントを発表した。現在67歳の市村は「50歳でリチャード三世で初めて演出して頂きました」と、蜷川さんとの初タッグ作品を挙げる。その後、53歳で演じたハムレットについて「イチ(市村)でハムレットをやりたいと言われ、こんなに光栄な事はありませんでした」と綴った。更に市村は「蜷川さんの代表作NINAGAWA・マクベスをやらせて頂きました」と2015年に出演した蜷川作品に触れ、「最後の演出でしたが、ニーナと出会う事が出来て本当に役者としてシェークスピア俳優にさせて頂きました。感謝してもしきれません」と故人への謝意を表しながらも、「悔しいです! 淋しいです!」と思いをにじませた。■市村正親コメント50歳でリチャード三世で初めて演出して頂きました。その後ハムレットを53歳。イチでハムレットをやりたいと言われ、こんなに光栄な事はありませんでした。そして蜷川さんの代表作NINAGAWA・マクベスをやらせて頂きました。渾身の魂からの演出に心から感謝です。最後の演出でしたが、ニーナと出会う事が出来て本当に役者としてシェークスピア俳優にさせて頂きました。感謝してもしきれません。運命を呪います。しかし現実を受け止め、これからは天国からの演出に心を傾けたいと思っています。悔しいです! 淋しいです!
2016年05月13日現代ミュージカルの巨星、スティーヴン・ソンドハイムの傑作を宮本亜門が演出。市村正親、大竹しのぶという名優の主演で、2007年、2011年、2013年に上演されたブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師~』が、4度めの幕を開ける!ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」チケット情報18世紀末のロンドン、高名な判事に妻子を奪われ、無実の罪を着せられた理髪師が、脱獄をし、名をスウィーニー・トッドと変え、復讐の機会を狙う。その協力者となるのが、ロンドン一まずいと悪評のパイ屋のおかみ、ミセス・ラヴェットだ。トッドの企みを隠しながら、パイ屋も繁盛をする。そのためにふたりが考えだした、とんでもない作戦とは…!?ロンドンに実在したと言われる理髪師に扮するのは、市村正親。「またこの複雑でおもしろい作品で、ソンドハイムの音楽に身を委ねることができる。役者冥利に尽きますね」と、うれしそうに語る。大ベテランの市村も、初演時には、独特の変化の多い曲に苦労したのだとか。「非常に難しいのに、やっているうちに心地よくなる。多彩な変化が、ドラマチックな物語を表していて、まさにソンドハイムのミラクルが体感できる作品なんです」。トッドの残酷な運命を予感させるように、不安げなメロディで幕が開き、物語はスリリングに展開する。血なまぐさいトッドの企みを、ブラックジョークへと変え、コミカルな笑いで盛り上げるのがラヴェット役の大竹しのぶだ。「しのぶちゃんあっての『スウィーニー・トッド』」と市村が言うように、大竹のおかみぶりは、豪快でお茶目。憎しみの炎をたぎらせる市村のトッドと絶品のコンビで、観客をぐいぐいと引っ張っていく。ふたりがカミソリと鉈を手に歌い上げるシーンは、恐ろしくもおかしく、盛り上がりどころのひとつだ。恐怖と笑いが交錯する物語は、ハラハラドキドキの連続で目が離せないと市村。「特に2幕の後半はスピーディで見事です。あり得ない話だけどリアリティもあって、このハラハラドキドキ感は観る甲斐ありですよ」。宮本演出のもと、市村、大竹の巧みなタッグに見事なアンサンブルを添えるのが武田真治、芳本美代子、田代万里生、斉藤暁、安崎求ら個性派の共演者たち。いずれも本作品の出演経験者で、「芝居も歌も確実に深まっています。みんな音符に追われるのではなく、物語の中で生きている感じ」。2007年から10年が経ち、市村はふたりの子どもを持つ父親に。「僕自身も父になって、トッドの妻子を思う気持ちがリアルに体感できるようになりました。トッドは頭では妻と娘を思いながら、手ではすごく残忍なことをやっている。その二面性でお客様がジレンマに陥って、よりハラハラドキドキするような舞台にしたい。今回がファイナルだと思って、悔いのないよう、そしてお客様が喜んで下さるよう、精一杯つとめます」。東京公演は4月14日(木)から5月8日(日)まで東京・東京芸術劇場にて上演。その後、大阪、名古屋を巡演。取材・文:大西美貴
2016年04月07日市村正親と大竹しのぶがW主演、宮本亜門が演出を手掛けるブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』の公開稽古が行われた。2007年、2011年、2013年と3度にわたり、市村と大竹がW主演を務めてきた本作だが、今回の2016年度版がこのコンビでは最後となることが市村の口から発表された。ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』チケット情報本作は18世紀のロンドンに実在したという恐怖の理髪師をモデルにした、痛快で悲しい復讐のストーリー。妻と娘と共に幸せに暮らしていた理髪師ベンジャミン・バーカー(市村)は、ある日、妻を横恋慕する判事ターピン(安崎求)に無実の罪を着せられ、流刑に処せられる。15年後、街に戻った彼は、かつての自分の店の1階で今もパイ屋を営むラヴェット夫人(大竹)から、妻が狂死し、娘はターピンの養女になっていることを知らされる。怒りに燃える彼は「スウィーニー・トッド」と名乗り、再び理髪店を開店。ターピンへの復讐の機会を狙いながら、彼の正体を知る人間を次々と殺し、その肉を使ってラヴェット夫人はパイを焼く――。公開稽古で披露されたのは、オープニング曲の『スウィーニー・トッドのバラード』。亡霊たちが「スウィーニー・トッド」とは何者かを歌うナンバーで、その圧倒的なステージに稽古場は一気に不穏な空気に包まれた。公開稽古後の囲み取材には、市村、大竹、宮本が出席。市村が「僕としのぶさんの『スウィーニー・トッド』はファイナルです。うぅ」と泣きまねすると、すかさず宮本が「前回もファイナルって言ってた気がしたけど」とツッコミ。市村は「今回は本当のファイナルです」と断言した。宮本は「ふたりの人生のすごみが役に入り込んできて、だから毎回唸るような作品の濃さになっていく。このふたりが最後っていうのは演出家としても悔しいですよね」と悔やんだ。市村「ドラマはちょっと強烈だけども痛快な爽快感がある話です。亜門ちゃんの演出で、僕としのぶさんとカンパニーで、最高のものをお見せしたい」大竹「音楽も素晴らしいし、怖いだけじゃなくてワクワクして笑えるところもある楽しい作品。劇場という空間の中で、違う世界に連れてってもらえると思います」宮本「大人しかできない、本物が観たい人に観てほしいミュージカルです。特にこのふたりのコンビはこれが最後なので、演劇ファン、ミュージカルファン、映画ファン、劇場に行ったことない人にも必ず観てほしい。すごい瞬間をお届けできると思います」ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』は4月14日(木)から5月8日(日)まで東京・東京芸術劇場にて。その後、大阪、名古屋を巡演。取材・文:中川實穗
2016年04月06日今回のテーマは「親の期待のかわし方」である。誠に残念かつ遺憾、慙愧の念に堪えないのだが、当方、親にこれといって期待をされた記憶がない。この連載では、今まさにゴミ箱に頭を突っ込んでいる最中の人に対し「成功の秘訣は?」と聞くようなテーマがたまに寄せられるのである。○かんぴょうと酢飯からフレンチは生まれるか子どもに大した期待をかけない親のことは後ほど触れるとして、その対極にある「子どもへ過度な期待を寄せる親」というのも、何を考えているのかわからない。もちろん、自分たちが博士や大臣、松坂牛であるというのなら、子どもに同じような将来を望むのもまあわかる。だが、父がかんぴょうで母が酢飯なら、子はかんぴょう巻になることは大体予想できることであり、「シェフの気まぐれフォアグラテリーヌ~季節の野菜を添えて~」になれ、というのは酷なことである。原材料が自分たちであるということを忘れているんじゃないかと思う。もちろん、材料はともかく調理(教育)次第でどうとでもなるという意見もあるだろう。確かに、平凡な両親から偉人が生まれる例もあるが、残念ながらかんぴょうをフォアグラにするより、フォアグラを残飯にする方が簡単なのである。むしろ過度な期待と教育でかんぴょう巻にすらなれなれず、もはや「料理」というより「一般には理解されない系アート」みたいになってしまうこともままある。しかし親バカと言う言葉があるように、可愛さ故に、自分の子どもが実際より優れて見えてしまうのは、ある程度仕方のない事なのかもしれない。その点、私の両親が私に望んだことは一貫して「安定した職につき、豊かでなくていいから食べるに困らない生活をしてほしい」という、実に最低限かつ堅実なものであった。この決して高くないハードルを「売れない漫画家になる」という形で華麗にくぐって見せたものだから、もはやうちの親は私に何も期待していないだろう。おそらく、元々低かったハードルの高さが「逮捕はされるな」もしくは「実刑だけは食らうな」くらいにまで下がっていると思う。親の期待通りに育つことも親孝行かもしれないが、親に期待させすぎないことも立派な孝行であると思う。とはいえ、突然親の期待を裏切ってはいけない。どこに出しても恥ずかしくない自慢の息子がいきなりパンツ泥棒で捕まってニュースに登場するのは、これ以上ない親不孝だ。徐々に、親自身もいつ諦めたかわからないぐらい、自然に諦めさせなければいけない。つまり、何かやってしまった時、親に「まさかうちの子に限って!」などと言わせるようでは親不孝なのだ。無表情で「やはり…」と言わせるのが真の親孝行である。○親孝行はコツコツと、が鉄則正直に言うと、私は中学生の段階では勉強ができた。この「中学生まで」できた、モテた、という実績がいかにその後の人生の足を引っ張る要素であるかはまたの機会に言いたいと思う。とにかく、中学生時点ではまだ親に期待されてもいいぐらいだった。しかし、もうその時点で、親は私に期待というより不安を抱いていたのだ。何故なら、中学に入ってすぐ、担任が抜き打ち家庭訪問に来るという珍事が起こったからだ。それも、「いつも一人でいる」という理由で。一切仕込みナシの訪問だったためもちろん私も家におり、担任が親に「私には友達がいない」と話すのを、隣室からライブで聞いていたのだ。その時、手近なところに金属バッドがなくて本当に良かったと思う。本件、私も痛かったが、親にとっても激痛だっただろう。例え成績が学年1位でも、「こいつはヤバい」と思わせるのに十分な惨事であった。親にとって、自分の子が「勉強ができない」あるいは「運動ができない」と言われるよりも、「友達が作れない」と言われたほうがダメージは大きいのだ。本当に親を期待させたくなかったら、いかに人間的にヤバいか、社会性がないかをアピールすることが肝要なのである。その点、私は齢7歳で、親に「お前は被害妄想が強い」と断じられたエリートである。もちろん7歳であるが故に意味はわからなかったが「おっ! 今何かすごいこと言われた!」という記憶だけはある。他にも、友達がいないことはもちろん、片づけができない、もらった小遣いをすぐ使うなどまともな大人になれない要素満載であり、実際まともにならなかった。成人するころには、「頼むから他人に迷惑をかけないでくれ」くらいにまで親の期待値は下がっていたと思われる。時は流れて現在。私は前科もなく、屋根のあるところに住み、リボ払いやキャッシングはまだしていない(数十年の住宅ローンはある)状態である。つまり今、親は「思ってたよりは良く育った」と思っているはずなのだ。幼少のころからコツコツ親をがっかりさせたおかげで、今では立派な孝行娘というわけである。しかし、世の中には、意識しなくても成績優秀、運動神経抜群、人望も厚く異性にもモテてしまい、親にどうしても期待させてしまうという人もいるだろう。そういう方は、一点だけで良いので、親に不安を抱かせる要素をチラ見せしておけば良いと思う。男性ならお母さんより年上の熟女が登場するDVDを大量に隠し持つとか、女性なら男児用白ブリーフ(未使用)をコレクションしてみるとか、「法には触れてないが、そのうち何かしでかしそう」な雰囲気を出すのだ。つまり、親を安心させきってはいけないということである。いつか悪い意味で新聞に載ってしまう日に備え、平素は孝行者でも「いつ爆発するかわからないニトロを積んでいる」ということだけは、ちょくちょくアピールしておくべきなのだ。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年3月29日(火)掲載予定です。
2016年03月22日NTTドコモは、代表取締役社長である加藤薫氏の年頭所感を発表した。内容は以下のとおり。○加藤薫氏の年頭所感謹んで新年のご挨拶を申し上げます。振り返りますと、昨年は競争ステージを「サービスによる付加価値競争のステージ」へ変えていくため、邁進した1年でした。まずサービスでは、3月に「ドコモ光」の提供を開始し、簡単・おトク・便利をキーワードに、屋内で最大1Gbpsの高速通信をワンストップで提供するとともに、主に屋外でご利用いただくスマートフォンや携帯電話と合わせて、おトクにご利用いただけるような環境を整えました。「ドコモ光」は昨年12月21日に契約数が100万を超えて、順調に推移しております。また、4月にはパートナー企業の皆様との協創により、新たな価値を創造する「+d」の取り組みを発表しました。小売、医療・健康、教育・学習、農業、IoTなど様々な分野における取り組みを加速させております。さらに、12月から、日本最大級のポイントサービスである「dポイント」を開始いたしました。これまで主にドコモのサービスを中心にご利用いただいていたポイントが、街のお店やネットのお買い物などで、貯めたり、ご利用いただけるようになりました。また、「DCMXカード」も「dカード」に名称を変えるとともに、よりポイントが貯まりやすくいたしました。今後も「通信」、「dカード(決済)」、「dポイント」の3つを三位一体で拡大してまいります。dマーケットも着実に成長を続けており、約1400万のお客様にご利用いただいております。5月に「dグルメ」を追加し、60万を超えるお客様にお楽しみいただいている他、「dマガジン」については1年3カ月で250万契約を超えるなどご好評いただいております。その他「すきじかん」や「ギフトコ」などの多様なサービスも展開してまいりました。ネットワークでは、昨年10月から、「PREMIUM 4G」で国内最速となる受信時最大300Mbpsを実現し、東名阪のドコモラウンジ等では337.5Mbpsの通信を可能とするなど、お客様に快適に通信いただける環境を整えるとともに、エリアの「広さ」「速さ」および「快適さ」をさらに実感いただけるよう取り組みました。お客様満足度では、国際的な満足度調査の専門機関である株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックのお客様満足度調査で満足度No.1を受賞しました。今後もより多くのお客様からご愛顧いただけるよう、より一層努力してまいります。今年は、昨年に引き続き、競争ステージを変えるため、様々な取り組みを行ってまいります。当社は、一昨年6月に新料金プランを導入し、あわせて過度なキャッシュバック等の販売方法の是正にも取り組んでまいりました。これからも行き過ぎた販売方法について、さらに段階的に見直しを図るとともに、料金についてもお客様の多様なニーズにお応えできるよう、順次見直しを図ってまいります。「ドコモ光」では、お客様の生活をより便利で楽しくするため、サービスを充実させていきます。また「+d」の取り組みについては、「オープン&コラボレーション」でさらに強力に推進します。パートナー企業の皆様とともに、IoT、社会的な課題の解決、地方創生、2020といったテーマに沿って新たな価値の協創に取り組んでまいります。さらにネットワークでは、お客様に「最高の快適さ」をお届けするため、10月には「PREMIUM 4G」で受信時最大370Mbpsを提供する予定です。第5世代移動通信方式の実証実験や標準化の活動においても、2020年度以降を見据え、世界中のパートナーと協力しながら積極的に取り組みを進めてまいります。また、中期目標を着実に達成するため、昨年に引き続き一層の事業の効率化を図り、経営体質を更に強化してまいります。ドコモは、企業の基本使命である「お客様サービスの向上」と「企業の持続的発展」の両面から、今年も取り組んでまいります。
2016年01月05日現在当媒体で連載中の兼業作家・カレー沢薫氏が、日常と創作にまつわるエピソードをつづるコラム「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」。このコラムの挿絵にも使われている漫画制作ソフト「ComicStudio」の販売終了が発表され、デジタル漫画制作に関わるクリエイターたちの間で大きな話題となっている。そこで今回は同コラムの番外編として、カレー沢氏にこの知らせを受けた所感を率直に語っていただいた。○ノストラダムスとコミックスタジオ現在漫画制作に使っているソフト「ComicStudio」(以下、コミスタ)の販売が、ついに2015年6月30日をもって終了することになってしまった。※編集注:カレー沢氏の漫画制作については、コラム「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」第4回を参照のこと。前々からコミスタが終了することはわかっていたのだし、それまでに後継ソフトである「CLIP STUDIO PAINT」(以下、クリスタ)に移行すべきだとは思っていたが、今でも私は完全にコミスタしか使っていない。そういう状況の作家は私だけではないだろう。1999年地球が滅亡する、とあれだけ予言されていたにも関わらず、結局みんな地球に住み続けていたのと同じように、みんなコミスタも何だかんだで終わらないんじゃないかと思っていたのではないだろうか。しかし、地球は木っ端みじんにならなかったが、コミスタは予定通り終わってしまった。もちろん終わったのは販売だけで、6月30日になった途端、コミスタが入っているパソコンが爆発するというわけではない。未だにGペンとインクで漫画を描いている作家が存在するように、コミスタで漫画を描き続けることも可能だが、これ以上コミスタが進化することもないし、サポートだっていつまで続くかはわからない。しかし、セルシスだって、コミスタ終了で悶え苦しみ地面をのたうち回る漫画家を笑いたくて、コミスタを終了させたわけではないはずだ(確かに私が泣き叫ぶ顔は面白いが)。後身であるクリスタで、すでにコミスタと同じか、それ以上の働きができると判断して、コミスタを終了させたのであろう。○クリスタ移行への苦難と障壁実は、私のパソコンにもクリスタ自体は入っている。コミスタが近々終了との報を受けて、一応、クリスタに移行しようとしたことはあるのだ。しかし、コミスタとクリスタ、大体同じようなものだろうと思ったら大分勝手が違う。まず、最初の原稿用紙サイズや枚数の設定の仕方がわからない、同じ「Gペン」という機能でも、コミスタのような線が描けずガタガタしてしまう。トーンはどう貼るのか、集中線は…などわからないことだらけなのだ。しかし上記のことはクリスタの機能が悪いわけではなく、私が使い方を理解していないのが悪いのだろう。ダブルクリックのスピードが遅すぎて、シングルクリックになってしまっているジジイと同じく、「おい、これ壊れてるぞ!」と憤慨しているようなものだ。しかし、コミスタだってイチから使い出したのだし、マニュアルをそんなに読んだ記憶もない。よって、描いていく内にクリスタだって使いこなせるはずなのである。○どんなソフトも●●へと変える魔法だが私がクリスタ移行を諦めて、依然コミスタを使っていた理由は機能の問題ではない。単純にクリスタが「重い」のである。「重い」というのは、クリスタのみならず、どんなに優れたパソコンツールをもクソへと変える魔法である。同じパソコンでも、コミスタは滑らかに描けるが、クリスタだと「おや 線画 遅れて 画面に表示されるよ」と、誰も覚えてなさそうなギャグを言ってしまうほど、動作が緩慢なのだ。これではいくら機能が優れていてもダメだ。普通のエロ動画と、超ドエロだが3秒に1回止まる動画があったら、とりあえず普通のエロ動画で事をすませるだろう。このように、漫画家の作業とは、夜の一人遊びと同じぐらい、迅速に滑らかにテンポよくやりたいものなのである。しかし、上記の問題は私のパソコンが低スペックすぎるせいでもある。何せ電気店で「一番安いのをくれ」と言って買ってきたノートパソコンだ。仮にも絵を生業としている者がふざけているにもほどがある。これを機にクリスタが滑らかに使えるデスクトップパソコンを購入すべきなのかもしれないが、机自体が小さく、さらに液晶ペンタブレットが場所をとるので、ノートパソコン以外は置くことすらできないのだ。ならば、パソコンと同時に机も新調すれば良いと思われるかもしれないが、仕事部屋がせまいので、でかい机は入らない。つまり、自分がクリスタに移行しようと思ったら、家を改築するか、ツルハシで部屋の入り口をぶっ壊して広げるしかないのである。以上の設備投資費と労力を考えると「まだコミスタでいいや」という結論に達してしまうことも致し方なしと言えるだろう。○カレー沢氏からセルシスへの提案それに加えて、動作環境を整えられたとしても、今度はまた「使いこなすことができない」という問題がやってくる。コミスタを使い始めたのは20代半ばだったが、今は30代。年々新しいことを覚えることが出来なくなっている。もはや、最新エロ動画を面倒くさい手順でダウンロードするより、使い古したカピカピのエロ本を使い続けることの方が楽と感じる年である。しかし、私はとにかく楽をしたい作家だ。終了してしまうコミスタを使い続けるより、これから進化するクリスタを使った方が、もっと楽をできるようになるはずである。よってセルシスは、新しいことについていけない中高年作家を対象に、クリスタ講座を開設すれば一儲けできるのではないだろうか。しかし相手はなまじ長年にわたってコミスタを使ってきた人間である。ことあるごとに「コミスタではこうだった」と言い続けるだろうが、それこそ高齢者が戦争体験を繰り返し話すのと同じだと思って聞き流してほしい。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月28日4月28日より東京・サンシャイン劇場で上演される舞台『ART』。同作の開幕に先がけて、前日の27日に会見が行なわれ、出演する市村正親、平田満、益岡徹の3人が出席した。【チケット情報はこちら】同作は1994年にフランス・パリで初演されたヤスミナ・レザ作のコメディ。仲の良い中年男性が、高価な絵画をめぐって大喧嘩をするというストーリー。フランスでモリエール賞を受賞したのち、35を超える国で翻訳され上演。日本では1999年に今回と同じ市村、平田、益岡の3人で上演され、今回16年ぶりの再演となる。市村は「16年前といっても昨日のことのよう。ただ稽古をしていていると、ふたりのしわの数とか白髪とかが気になって、多分相手も同じ所が気になっているんだろうな、と思っています(笑)」とコメント。すると益岡は「そんな事は思ってませんよ(笑)。こうして今回16年ぶりに再演できることの喜びを噛みしめながら、舞台のうえではケンカしています(笑)」と切り返した。続けて平田も「16年ぶりとは思えないですね。こうして外見は変わりましたが、内面は変わっていない。僕に関しては成長していないので、むしろ16年前より余裕なくやっています(笑)」と3人とも、笑いを交えて語った。またこうして初演のキャストで16年ぶりに再演できることに関して「16年前にやった時に、“歳をとった時に、この作品もう一回やってみたいね”って言ってたんですよ。おふたりとはほかの作品や、プライベートでも交流はあったんですが、この作品を一緒にやりたいと思っていたので、本当に嬉しいです」(市村)。「普通再演といったら5年ぐらいまでで、次の代の方に受け継ぐもの。市村さんの言うとおり、この歳になってまた3人でできるというのは幸せです」(平田)と話した。16年前との芝居の違いについて聞かれると、市村は「16年前はまだ把握できなかったセリフも、今回稽古してみて、実感で言えるセリフが増えたなって思います。あと、演出のパトリスにも“3人は思いっきり悲劇を演じてくれ。それをお客さんが見るとおかしくてしょうがないんだ”と言われていて。だからお客さんの前で演じるのが今から楽しみですね」と説明した。またプライベートでも「16年前はまだ結婚していなかったし、子供もいなかった。今回はふたりの息子と自分の3人で、家でARTごっこをしています(笑)。僕が平田さんの役でいじめられていますね(笑)」と語った。同作をどんな人に見てもらいたいか、という質問に市村は「若い方は大人気ないと笑ってもらえたら良いし、大人の人は“自分もそういう所あるな”って思えると思います。なので老若男女みなさんが笑えるお芝居です。初演を見た方も、16年経ってまたハマれると思いますので、ぜひ観に来てください」と話した。舞台『ART』は4月28日(火)から5月10日(日)まで、東京・サンシャイン劇場で上演。その後、京都、愛知を周る。チケットは発売中。
2015年04月28日市村正親、平田満、益岡徹の初顔合わせで大評判をとった舞台『ART』が、今月末、東京・サンシャイン劇場で16年ぶりに初演と同じキャストで上演される。鋭い筆致で人間の本性をあぶり出すヤスミナ・レザが執筆した本作は1994年にパリで初演、その後35か国で翻訳上演され、世界の名だたる賞を獲得した傑作コメディ。音響効果を一切使わない90分ノンストップの会話劇だけに、俳優同士息のあった芝居がみどころとなりそうだ。4月某日、稽古場を訪ね、あらためて本作に向き合う3人と演出のパトリス・ケルブラに話を訊いた。舞台『ART』チケット情報市村は開口一番、「初演のあと、何年かしてからまたこのメンバーでやりたいと密かに思ってたんです」と話す。そんな市村の思いを聞いたパトリスは、初演でも演出を務めた経験からこう語る。「前回の時よりも3人が役者として円熟しましたね。今のほうが登場人物の年齢により近づいていると思いますし、以前にも増して役者が役そのものになっている気がします」。マーク、セルジュ、イワンの3人は15年来の親友だが、セルジュが買った一枚の高価な現代絵画の価値を巡って大げんかがはじまる。マークにとっては価値のない絵に“友達”のセルジュが大金をはたいた。だからこそ本当のことを教えてあげよう。最初は友情の証だったのかもしれないマークの言動に「傷ついていないように見えていながら(マークの)笑われ方に深く傷ついているんです」と話すのはセルジュ役の益岡。友達だからこそ踏み込んでも許されるのか、それとも一線を引くべきなのか。言い合える関係性がベースになければ成立しない。「だから、16年前よりも今回のほうがそういうニュアンスは強いですよね」とマーク役の市村は言う。ふたりの間で事態を丸く収めようとするのはイワン。だが彼には別の大きな悩みがあり、そのことから状況はさらに混迷を深めていく。イワン役の平田は「最初から波乱含みではじまり、関係がどんどん変わっていく様がつくづく面白いなとあらためて思いましたね。友達のいる人なら誰でも笑えるお芝居」と作品の魅力を語る。“友情”という絆で固く結ばれていたはずの関係が次第に怪しくなり、やがて大きな亀裂を生んでしまうスリリングな展開。舞台の向こう、演じている側にとっては“悲劇だが、舞台のこちら、観客側から観ると笑えてしまう構図が面白い。友人関係に微妙な距離を取りたがる現代の私たちにとって、この作品が描く“友情”のあり方をみてどう感じるか、ぜひ劇場で確かめて欲しい。公演は4月28日(火)から5月10日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、愛知、京都、福岡を巡演する。チケットは発売中。
2015年04月24日4月28日(火)より東京・サンシャイン劇場で上演される舞台『ART』の製作発表が行なわれ、出演する市村正親、平田満、益岡徹の3人が出席した。チケット情報はこちら同作は1994年にフランス・パリで初演されたヤスミナ・レザ作のコメディ。フランスでモリエール賞を受賞したのち、35を超える国で翻訳され上演。イギリスのオリヴィエ賞最優秀コメディ賞、アメリカのトニー賞最優秀作品賞など、名だたる賞を獲得している傑作だ。日本では1999年に今回と同じ市村、平田、益岡の3人で上演され、今回16年ぶりの再演となる。演出も前回と同じく、パトリス・ケルプが務める。仲の良い中年男性が、高価な絵画をめぐって大喧嘩をするというストーリー。市村は「本当に面白い台本。この作品があったからこの3人が出会えたので、僕にとっては大好きな作品であると同時に、ふたりと会える貴重な機会です。台本を読み返してみると、当時の益岡さん、平田さんの言い方とかをはっきり覚えている。また演出にもフランスからパトリスが来るので、16年前とはまた違う、面白いものが見せれればと思う」とコメント。平田は「16年ぶりに同じキャストでできてとても嬉しく思っている。お芝居と言うのはその時その時のものだけど、映画やドラマでは16年ぶりに同じキャストで同じ内容のものをまたやるというのはありえないこと。そういった演劇の面白さ、楽しさを味わってもらえるのではと思っている。進歩した所や後退した所もあるかもしれませんが(笑)、初演を見た方にも楽しんでもらえると思います。僕たちもどんな『ART』になるか楽しみ」と語った。益岡は「16年前に、市村さんと平田さんが「年をとってからまたやりたいね」とおっしゃっていたのを思い出します。内容は、「事なかれ」とは全く正反対のやりとりが繰り広げられる。16年前と比べて年齢を重ねたことで、前よりもっと責任感があるので、相手を容赦なく追い詰めると言うのも、前回の時よりもっと容赦ない感じになると思うので、そこを観客の皆さんにどう受け取ってもらえるか楽しみ。またこの3人でかけがえのない時間を作っていけると確信している」と意気込んだ。また、昨年7月に初期の胃がんを公表、手術を受け復帰した市村は「今朝ちょうど月1回の採血に行って、この間は半年振りにCTもやって、どちらも異常なし。胃が半分になったおかげで数値も下がって、胃が完全にあった以前より体が健康的です。腹もへこんで着られなかった洋服が着られるようになって、経済的にも助かっちゃう(笑)。1本1本芝居をやって、今この時をしっかり生きて愛していきたいと思います」と自身の健康面について話した。舞台『ART』は4月28日(火) から5月10日(日)まで、東京・サンシャイン劇場で上演。その後、京都、愛知を周る。なお、チケットぴあでは、東京公演の先行抽選プレリザーブを実施中。受付は2月17日(火)午前11時まで。京都公演の先行抽選プレリザーブは2月13日(金)午前11時より受付開始が決定。
2015年02月12日