子どもを地域にある私立幼稚園に通わせようと考えているお家にとって、9月は幼稚園で開かれる説明会に行かなければならない大事な時期。上の子と同じ園に行かせるなら説明会への出席も不要なケースも多いですが、第一子を通わせるときやはじめて通わせる予定の園へ行くときには、ママとパパもドキドキしますよね。地域に私立幼稚園がいくつもあって、どこにするか悩んでいるときに、“我が家に合った幼稚園”を見つけるコツをご紹介します!通園しているママたちを見ると園の雰囲気がわかるA園とB園で迷っているとき、「どちらもいいところがあるけれど、より我が家に合った幼稚園はどちらなのだろう」と悩んだら、通園しているママたちをチェックしてみましょう。チェックしたいポイントは「服装」と「挨拶の様子」の2つです。ママたちの服装から我が家に合っているかがわかる我が家に合った幼稚園=ママに合った幼稚園とも言うことができるほど、ママにとって居心地がいいかどうかは幼稚園選びのカギとなっています。(送迎やイベントへの参加はパパが中心になる場合には、パパの参加率を見るようにしましょう)“ナチュラルな服装のママが多く自分に合っている”“通園時はみんなキレイめの服装をしているから、園の指定があるのかもしれない”“部屋着っぽい服でも通園できるくらいラフな園なんだな”“働いているママも多いのかスーツっぽい服装をしている人もチラホラ見られる”など、服装をチェックするだけで、園の様子が把握できるのです。できれば数日、時間を少しズラしてチェックすると、いろいろなママの様子が見られるのでおすすめです。挨拶の様子ママ同士や先生との挨拶の様子も見てみましょう。ママ同士で元気に「おはよう!」「どうも~」と挨拶を盛んにしていたり、仲間同士で集まっておしゃべりしていたり、先生とのご挨拶はあってもママ同士はペコリと頭を下げるだけであまり絡んでいなかったりとさまざまなパターンが見られるはずです。挨拶が盛んだからいい幼稚園、ママ同士の挨拶がないから悪い幼稚園、というわけではありません。あくまで、我が家に合っているかどうかの相性を確認する目的で、様子をチェックするようにしましょう。幼稚園の始業時間である9時前後に幼稚園の前を通りかかってみると、今通園している子どもたちやママたちの様子が見られるので、お散歩がてら行ってみましょう!行事の内容をチェックしてみよう幼稚園を選ぶときには、その園がどんな幼稚園なのかをチェックする必要がありますが、教育目標や園の方針などを見ても「本当にどんなことをして過ごしている園なのか」まではわかりにくいところがあります。そこで、説明会などで「どんな行事があるのか」を質問したり、もらった資料に書かれていたりしないかをチェックしてみるのがおすすめです。運動会・お遊戯会・展覧会・おもちつき・クリスマス会などは多くの園でもあるため、できるだけ“その園ならでは”の行事に注目するようにしましょう。たとえば、お泊り保育があるなら「どこでお泊りするのか、どんなことをするのか」を聞いたり、どんな行事なのかイメージがわかない行事名があれば「どんな行事なのか」質問したりしてみます。一歩踏み込んだ質問をすると具体的にイメージが湧き、どんなことをする園なのかがわかってくるはずです。通園している(いた)ママやパパの話を聞いてみよう我が家に合った幼稚園を選ぶときに、もっとも頼りになるのは通園している(いた)ママやパパの話です。もし、身近に通園している(いた)ママやパパがいるときには、実際の様子を聞いてみるようにしましょう。また、近所に知り合いがいなくても、公園などで下の子を遊ばせている現役通園ママに出会える可能性もありますよ。「実は幼稚園選びで悩んでいて…」と勇気を出して話かけてみましょう。幼稚園選びは悩むことも多いですが、過ぎてしまえば幼稚園に通う3年間はあっという間ですし、子どもは環境に馴染むのも早いため、「一生が決まってしまう…」と思い詰めすぎる必要はありません。「できるだけ、我が家に合った幼稚園を選べるといいな」くらいに考えつつ、9月の説明会ラッシュを乗り切り、幼稚園を選んでいきましょう!
2017年09月07日「ウィルブロウ」の導入説明会大阪府大阪市の株式会社アイムビーでは、眉毛エクステンション「ウィルブロウ」に関する導入説明会・認定講習会を開始する。「ウィルブロウ」は、姉妹校「ista(アイスタ) 」の技術をもとに確立したもの。メイクでは難しい自然で立体感のある眉を作ることができる。「ウィルブロウ」の特徴「ウィルブロウ」の特徴は、豊富な眉エクステ材料。自分自身の眉毛の毛質や、クセなどに合わせ、毛の長さ・ボリューム・カール・太さなどを提案する。難易度の高い「眉デザイン」だが、フェイスバランスや眉毛の分析をもとに、アイブロウシミュレーションなどを実施し、デザインをおこなう。また、グルー(接着剤)についても、軽くて上質で刺激の低いものを使用している。説明会・講習会について同社では、「ウィルブロウ」の導入説明会・認定講習会を大阪や広島、東京・福岡で開催予定。導入説明会では、「眉毛エクステの特徴」「市場のニーズ」「眉毛エクステの施術例紹介」「導入サロンの紹介」を実施する。開催日時・開催場所については、プレスリリースを参照のこと。参加費は無料だ。認定講習会は随時開催中。「ウィルブロウ」は、2017年5月15日(月)~17日(水)には、東京ビッグサイトにて開催される「ビューティーワールド ジャパン」にも出展予定だ。(画像はプレスリリースより)【参考】※“眉エク”「ウィルブロウ」で眉毛の価値観が変わる! 新感覚の眉毛エクステンション技術の講習会を4月からスタート
2017年04月15日保育園や幼稚園、小学校などでひらかれる“お遊戯会”や“発表会”。わが子の晴れ舞台が楽しみな反面、何を着ていったらいいのか困ってしまうママも多いのではないでしょうか。いつものカジュアルスタイルでは何だか物足りない。けれど思い切りオシャレにキメていくような場でもない。子どものためにも、ある程度はキレイめスタイルで行きたいけれど、新しく服を買うのはちょっと……。そんなときは思い切って、ふだん使いのパンツを徹底的に活用してみては?実は、着こなしひとつであなたのプチプラパンツも見違えるように“行事服”らしくなるんです。今回は、“行事用”のプチプラパンツ着こなしテクを大紹介します!●(1)シンプルなブラックのパンツはトレンチコートでカッチリと参考画像:着回し力のあるシンプルなブラックのパンツ。普段はラフなママスタイルに組み込んでしまいがちの一枚ですね。園や学校の行事に着ていくなら、きちんと感のあるアウターをあわせるのがオススメです。『普段着にしているユニクロの黒パンツでも、トレンチコートを羽織れば行事服にすることができますよ。気温によってはトレンチを肩がけしてもオシャレですね』(30代女性/主婦/幼稚園女児のママ)『プチプラのシンプルパンツを学校行事に着ていくなら、キレイめトップスを選ぶのが鉄則。少しでも高見せできるよう、色や素材は慎重に選んでます』(40代女性/パート/小学生男児のママ)●(2)寒さ対策にはチェスターコートがお役立ち参考画像:空調が行き届きにくい園や学校のホール。じっと座ってわが子の出番を待っている間に、体の芯まで冷え切ってしまうこともありますよね。だからといってモコモコに着膨れた姿で現れるのはNGです。パンツの安っぽさが際立ってしまうという最悪の事態に陥ることも。こんなときは、暖かさを重視しつつもスタイルよく見えるチェスターコートが役に立ちます。『立ち座りが楽なワイドパンツに、すらっとしたチェスターコート。流行をおさえつつも機能的なこの組み合わせは、寒くなりがちなお遊戯会や展覧会にはピッタリ』(30代女性/主婦/小学生女児のママ)●(3)“ちょい辛”をめざせば他のママとかぶらない!参考画像:テラコッタカラーのワイドパンツ。流行に乗って買ってしまったけれど、他のママとかぶってしまいそう……。だったらライダースジャケットをあわせ、敢えて“ちょい辛”に仕上げてみてはいかが?『園や学校の雰囲気にマッチするなら、少し辛めの着こなしをしていくのもいいと思います。ただしやり過ぎには注意。基本アイテムはベーシックにまとめ、アウターや小物でスパイスを効かせるくらいがちょうどいいですね』(30代女性/会社員/小学生男児・保育園女児のママ)●(4)アクセやバッグは上品なものをチョイスすべし参考画像:ドレープたっぷりのワイドパンツは、絶妙なアンクル丈がポイント。女らしく上質なシルエットで、行事服には最適の一枚です。『学校や園というのは、私にとっては“半フォーマル”の場。プチプラ服を着ていくのはアリだけれど、上品さを忘れてはいけないと思っています。値段に関わらずきれいなシルエットのものを選び、パールのアクセやラグジュアリーなバッグなどを合わせてきちんと見えるように心がけています。ママ友や、娘の友だちからのウケもいいですよ』(40代女性/小学生女児のママ)----------ちなみに、今回紹介したパンツはすべてユニクロのもの。価格も2千円〜3千円台(2016年11月8日現在)と、リーズナブルなものばかりです。おなじみのプチプラアイテムも、うまく着こなせばステキな行事服に早変わりするんですね。ふだんとは一味ちがうかわいいママの姿に、子どもたちも喜びそう。どうぞいろいろな着こなしにトライしてみてくださいね!【画像出典元リンク】・WEAR/●文/パピマミ編集部
2016年11月08日27日に都内で行われた、平成28年産宮城米説明会。2015年よりCMキャラクターを務める、アイドルグループ・SMAPの香取慎吾が出席した。宮城県知事によるビデオメッセージ、香取のトークショーなど会が進み、最後にCM内の香取のセリフを再現することに。香取が「ペロッと」とセリフを言うと、関係者陣があらかじめ配られていたオリジナル一合升を掲げて「やっちゃうよ!」と返す段取りが組まれていたのだ。しかしそこはSMAPファンで詰めかけているような会場ではなく、大半がスーツ姿の男性たちであり、司会の音頭のもと練習するも、なかなか声が出ない。すると、その場の空気を敏感に察知したのか、香取は「これは本当に一発で決めたいと思います」と宣言。「みなさん、それぞれのお仕事があると思います。ここは、ひとつになりましょうよ」と話しかけ、「一発で決めるぞー!」と叫んだ。それでも関係者陣は、はにかんだ笑い声をあげるのみだったため、香取は「もうひとつになってないですね」と苦笑。「『オー!』が欲しかったのは、感じてもらえたと思います」と語りかけ、再度「一発で決めるぞー!」と関係者陣を煽った。すると今度は会場に「オー!!」と力強い声が響くようになり、そのまま「ペロッと」「やっちゃうよ!」のかけ声も成功することができた。また、メディアによるフォトセッションでは、炊きたて宮城米が装われたお茶碗を手に、カメラマンの要望に応えていく。香取はカメラマンから寄せられた「箸で食べている感じで」という声に、すぐさま応えてみせ、箸でごはんをつかむと大きく口を開けた。今にもごはんを食べようとしている表情のまま、写真を撮られていた香取だが、頃合いを見計らってそのままごはんをぱくり。取材陣からも和やかな笑い声が上がった。声出しに慣れない関係者たちを誘導するだけでなく、取材陣にもお茶目な姿を見せた香取だった。
2016年09月28日働くママの多くが、子どもの預け先として保育園を選びます。でも、最近では預かり保育などの充実もあり、あえて幼稚園を選ぶ働くママも増えてきました。共働き家庭がほとんどの保育園とは違い、幼稚園に子どもを通わせながら仕事をするには、選ぶ際に大切なポイントがあります。働くママが幼稚園を選ぶとき、チェックすべきポイントを知っておきましょう。■幼稚園の預かり保育 費用はどうなっているの?保育時間が9時から14時くらいまで、というイメージのある幼稚園ですが、最近では預かり保育を行っている園も増えています。中には早朝の預かり保育に対応してくれたり、夜も19時頃までOK、という幼稚園も。ただし、このとき気をつけなければいけないのが、預かり保育にかかる費用です。一般的に3歳以降は保育料が安くなる保育園と比べ、幼稚園では通常の保育料に加えて預かり保育の費用がかかります。たとえばフルタイムで、平日全て預かり保育を利用するとなると、かなり費用がかさんでしまうことも。保育園よりも割高になるケースもあるため、トータルでの費用を事前にシミュレーションしておきましょう。■平日開催の行事をチェック幼稚園は平日開催の行事が多いもの。問題は、その行事に、保護者の参加や手伝いが必要かどうかです。バザーへの出品や運動会の準備などのお手伝い、親子遠足、保育参観といった保護者参加行事。そのような平日のイベントがあまりに多いと、仕事に支障をきたしてしまうことにもなりかねません。行事への保護者の参加の頻度は、園によってバラつきがあります。できるだけ事前にリサーチしておくとよいでしょう。■習い事をさせたい場合は課外教室に注目働くママの悩みのひとつが、子どもの習い事問題です。仕事のある平日に習い事の送迎をするのは難しく、かといって休日に習い事を集中させると、家族で過ごす時間が少なくなってしまいます。そんなときに注目したいのが、幼稚園の課外教室です。園によっては外部の講師を招くなどして、通常の保育時間後に課外教室を開催しているところがあります。その内容は、体操、絵画、英語、バレエ、ピアノ、サッカー、習字などさまざま。保育時間終了後にそのまま参加できるので、子どもを送る手間も省けます。子どもの習い事を考えるなら、幼稚園にどんな教室があるのかに注目して、上手に活用してみてはいかがでしょうか。■幼保一体型の認定こども園とは?幼稚園と保育園、両方の機能をあわせもつのが認定こども園です。入園にあたっては3つの認定区分があり、「保護者の就労などにより保育を必要とする子ども」の場合は、2号(3歳以上)または3号認定(3歳未満)という保育認定になります。保育認定の場合は入園手続きも保育園と同じく市役所等の自治体で行い、就労証明書などの書類も必要になります。ただし園によっては直接入園申込みを行うケースもあるため、事前にお住まいの自治体に問合せをしておきましょう。また、「認定こども園は働くママが利用しやすいはず」と安心してしまいがちですが、保育園に比べれば、やはり行事やイベントが平日に行われることは多いようです。園のカラーはさまざまなので、幼稚園を選ぶとき同様、できるだけ事前にリサーチしておきたいですね。
2016年09月23日【ママからのご相談】1年生の息子がいます。幼稚園のときは足がそこそこ速かったのに、小学生になり運動会の選抜リレーの選手に選ばれず、とても悔しがっています。リレーの選手になる子はどんな子なのでしょうか。親は何かできますか?「来年こそは!」と今から狙っているので教えてください!●A. リレーの選手のお母さんは、お子さんと一緒に楽しんでいます!こんにちは、ライターりょんぺいです。小学校の運動会で選抜リレーがある場合、リレーの選手は憧れの的ですよね。1年生の運動会でリレーの選手に選ばれた男の子のお母さんにお話をお伺いしました。いずれも、1学年およそ70人の男の子がいて、選抜リレーのメンバーは6人という規模の小学校に通うお子様です。お話を伺った結果、3つの共通点を見つけましたので、筆者の経験も交えながらご紹介します。●リレー選手に選ばれた男の子の共通点●(1)小さいころからずっと足が速かった『保育園の隣に広い公園があり、ほぼ毎日走り回る幼児期 でした。その保育園の子はみんな足が速いのですが、うちの子は2歳くらいからずっと速かったです』(40代ママ)『幼稚園の年長のときにやったクラス対抗リレーでもアンカーでした。足だけはずっと速いです』(30代ママ)『ハイハイのころからすばしっこくてちょこまかちょこまか動いていました。ハイハイレースで優勝 したこともあります(笑)』(30代ママ)●(2)きょうだいがいて一緒によく遊んでいる『6歳上の兄がいて、物心ついたときから兄の後を追っていました 』(40代ママ)『2歳上の姉といつも競争しています。姉も足が速いのですが、弟には負けられないといつも真剣勝負で競争しながら遊んでいます』(40代ママ)『2歳下の弟と鬼ごっこで走り回っています 。弟が鬼になりたがるので、つかまらないように身をよじりながらフェイントをかけながらよく逃げています』(40代ママ)●(3)腹筋が鍛えられている『5歳から体操 を習っています。背は低く細いのですが、腹筋バキバキです』(40代ママ)『幼稚園のころからサッカー を習っています。羨ましいくらいの筋肉質です』(40代ママ)『父親がサッカー好きなので物心ついたころからボールを蹴っていました。サッカーも年少から習っています』(30代ママ)『キャッチボールなどの球技は苦手のようですが、バランス感覚が良くて、バランスボール でよく遊んでいます』(30代ママ)----------スポーツジャーナリストである近藤隆夫氏は、著書『キミはもっと速く走れる!(2)どうして足が速い人と遅い人がいるのか?』の中で、下記のように述べています。**********『足の速い人は、正しい走り方を先天的に身につけている』『速く走るために必要なのは、太ももの筋肉ではなく腹筋である』『足の速いトップアスリートたちは皆、足の力だけに頼るのではなく、体幹の力としなやかさを上手に使って走っている』**********筆者の長男も1年生の運動会で選抜リレーの選手になりましたが、小さいころから特段足が速いということもなく、当時スポーツの習い事はしておりませんでした。ただ、2歳下の弟と毎日のように相撲をとったり、四股を踏んだりしているので、体幹は日々鍛えられていた のかもしれません。●リレーの選手になりたい子どものために親ができることもし春に運動会がある場合、選抜リレーの選手を決めるタイム測定はゴールデンウィーク前後に行うことが多いでしょう。入学や進級で毎日の生活にも変化があり、子どもの緊張も強い時期です。タイム測定の日に良いタイムが出せるように、タイム測定のスケジュールをお子さんと共有し、コンディションを整えておく というのもリレーの選手に選ばれるために親ができることではないでしょうか。一度リレーの選手になると、その後学年が上がるにつれリレーの選手になれなかったときの子どもの落ち込みはとても大きく親も正直大変です。1年生でリレーの選手に選ばれたお母さんからは、「6年間連続で選ばれたら本人の自信になる!来年もリレーの選手を目指して今からドキドキしているし楽しみ!」という声も多く聞こえました。また、リレーの選手の子の運動会のお弁当はとても豪華で目を引く ものがあるというのも経験から感じることです。運動会当日に、頑張る子どもがより喜ぶ仕掛け、楽しくなる工夫をしていることが伺えます。子どもの得意なことに対して一緒に親が楽しむというのも、子どもの力を引き出す源となるかもしれませんね。【参考文献】・『キミはもっと速く走れる!(2)どうして足が速い人と遅い人がいるのか?』近藤隆夫・著●ライター/りょんぺい(ママライター)
2016年07月17日わが子が初めて集団生活をする幼稚園。ママは不安でいっぱいかもしれません。そこで、現役の幼稚園の先生に聞いた、入園してからのママたちの悩みと、その対処法を紹介します。友だちと遊べている?これまでなら、わが子がひとりぼっちになっていたら、ママが声をかけてあげることができました。しかし、ママの目は幼稚園までは届きません。「子どもが困っていないか? 寂しい思いをしていないか?」と心配でたまらないという思いから、帰宅後の子どもにあれこれと聞き過ぎてしまうママがいるようです。また、入園当初は一日中、子どものことばかりが気になって、外出もままならないことのあるママもいると聞きます。でも、ママがあまり心配し過ぎると、かえって子どもが不安になってしまうことがあります。ママは子どもが幼稚園に行っている間は心配せず、自分のことをするのがよいそうです。どうしても皆の輪に入れない子どもがいたとしても、先生はそんな子どもと一緒に本を読むなどして、過ごしてくれるのだとか。入園シーズンはたくさんの先生が子どもたちを見守ってくれて、1日でも早く幼稚園に慣れるようにと工夫してくれています。ですから、安心しておまかせしましょう。それでも心配なときは、子どもにあれこれと聞くのではなく、先生に直接聞いてみましょう。お弁当が残っているのはなぜ?子どもの好きなものを詰めて、一生懸命につくったママのお弁当。そのお弁当に残りものがあると、「どうしたのだろう?」と心配になるかもしれません。体調不良で残すときもありますが、元気なのに残っているときの一番の理由は、友だちとのおしゃべりに夢中になってしまい、食べきる時間がなくなってしまったとき。だけどその理由を、ママの「どうして残っているの?」という質問に対して答えることは、この年齢の子どもには難しいことです。お弁当が残っていても元気そうであればあまり気にせず、それでも食べ残しが続くようならば、先生に相談してみてください。ほかのママたちと、どうつき合えばいい?子どもの初めての集団生活は、ママにとっても初めての幼稚園ママ友とのおつき合いが始まります。子ども同士の遊びの約束や、情報交換などのためにも、話せる友人をつくることは大切です。けれど、ママ同士が必要以上に仲良くしなければいけないことはありません。小学校に通うようになると、子どもは子ども同士で遊ぶ約束をし始めます。また、学校であったこともある程度は伝えることができるようになります。ママ同士のおつき合いもそれほど必要ではなくなります。したがってこの時期は、子どもがスムーズに幼稚園生活を送れるようにすることが一番大切です。変に意識することなく、ママ同士がほどよい距離感が保てるよう、最初から自分のスタイルをつくっておくこともひとつの方法です。幼稚園ママ友とのつきあい方は難しいという話も耳にしますが、先入観をもたずに、同じ幼稚園に通う子どものママとして、気持ちよくおつき合いができたらよいですね。<のりこ(フォークラス)>
2016年03月23日●VIAの戦略も発表 - スマートフォンの次は自動車が中心に台湾VIA Technologiesは3月14日、都内で記者説明会を開催し、JapanTaxiとの協業を発表した。VIAによる日本での発表会はかなり久しぶりの事で、それもあって本国からRichard Brown氏も来日して、改めてVIA自身の戦略まで含めての発表となった(Photo01)。VIA TechnologiesがPCマーケットから撤退したのは、公式にはIntelとのクロスライセンスが失効した2007年となるが、実際には2004年頃あたりまでで新製品の投入を中止しており、2005年以降は既にPCマーケット向けの製品を投入していない。実はこれより前の2000年代前半から、同社はEmbedded向けに少しづつ方向転換を行っており、2005年以降はこれが前面に出てきた形だ。同社はもともとFablessでChipsetを製造していた会社だが、CyrixとCentaur Technologyを買収してCPUを、S3を買収してGPUをそれぞれ手にしており、更に2001年あたりからMini-ITXを初め各種の組み込み向けマザーボードを提供してきている。Embedded方向に転換後は、これらをベースにしたPlatform、それを利用したSystemや、これに対応したSoftwareを組み合わせ、現在はSolutionを提供する会社になっている(Photo02)。その同社が最近注目しているのが自動車向け(Photo03)である。今はスマートフォンがマーケットの中心に居るが、今後は自動車がその中心に来る、という考え方である。ただ同社は、いわゆる自動車向けのシステム(ECUだったりEV/HVだったりADASだったりInfortaimentだったり)を直接手がけているわけでは無い。自動車業界といってもその裾野は広く、そして最近新しいトレンドが生まれつつある(Photo04)。ここでBrown氏が指摘したのは、自動車の所有に関する問題である。UberやLyftを例に挙げるまでもなく、世界中でカーシェアあるいはライドシェアという、新しい車の使い方が急速に普及している(Photo05)。今後自動運転車などが登場するようになると、益々「自分で車を所有しない」事が加速して行くと考えられる、としている(Photo06)。●周辺機器などを統合する車載向けシステムさてここからはVIAのソリューションの話である。元々同社はCentaur Technology(x86)とWonderMedia(ARM)という2つのSoCメーカーを抱えており、最近はNXPのi.MX6シリーズも採用する形でラインナップを増やしているが、やはりSoCメーカーを抱えているというのはカーネルやドライバを扱う点で有利であり、この利点を生かした形でLinux/AndroidのBSPや、その上で様々なToolkit、あるいは最適化といったサービスを提供できるとしている(Photo07)。今回同社が発表したのは、AMOS-825という車両向けシステムである(Photo08,09)。車載向けということで本体と7inchタッチパネル付き液晶がセットになった形のモデルであり、更にWireless/BTや、将来的には3G/LTEの対応も可能としている。このモデルは現状ではJapanTaxi向け製品ということになるが、これとは別に同社は航空機やバス向けのエンターテイメントシステム、あるいは車両の運行管理システムなども既にソリューションとして提供しており、こうしたソリューションの経験が生かされた形になっている(Photo10)。今回はJapan Taxiとの協業で、これを生かす事ができたとした(Photo11)。次に、そのAMOS-825の特徴をVIA Technology JapanのCody世羅氏(Photo12)が簡単に説明された。今回のシステムは、JapanTaxiの提供するIP配車システムとカーナビ、更にメーターやサイン、プリンタ/決済機などをまとめて接続できるだけの性能を、車載環境で利用できる様にしたものである(Photo13)。システムはPhoto14の様に必要なI/Fを全て搭載したファンレス構造である。ちなみにプロセッサはNXPのi.MX6Quad(1GHz)で、メモリは1GB、Storageは16GB(eMMC)が搭載されている。またGPSとWi-Fi/BTが利用可能で、将来は3G/LTEも搭載する事を考えているとの事。周辺機器(プリンタやサインなど)はUSB接続の形となっている(Photo14)。USBポートが全てロック可能、というあたりは振動の多い車載向けを考慮したとの事だった。●音声認識も統合予定これに続き、JapanTaxiの山本智也氏(Photo15)より、JapanTaxi側の開発意図が説明された。同社の親会社はタクシー会社の日本交通(株)であるが、この日本交通の子会社として情報部門に携わっているのがJapanTaxiである。同社が開発した有名なアプリが「全国タクシー」である(Photo17)。さてこのJapanTaxiは単にアプリを作るだけでなく、タクシーの車載システムの開発も行っている。というか、こうしたものを自社で作ろう、というのがどうもJapanTaxiの設立の動機だったようだ(Photo18)。ご覧の通り様々な周辺機器やシステムが、これまでは個別に設置されて動作していたらしいのだが、これを統合しよう、ということでAIOS(All-In-One System)の開発を手がけたのだとする。先の記事にもある通り、全国タクシーそのものはWindows Azure上で動作しているので、タクシー側はクライアントとして様々なデータをAzureに送り出すと共に、Azureからのデータ(配車指示など)を表示する機能が必要になる(Photo19)わけだが、これを実行するのがAMOS-825という形だ。ではそもそも何でAIOSを作ろうと思ったかというと、以前のタクシーの中身はこんな具合(Photo20)になっており、そもそも操作の統一性が無いとか、見た目にも汚いとか、色々問題が多かったとの事。またそれぞれの機器は別々のメーカーがそれぞれ設置してゆくだけで、コスト面でも高くついており、それであれば自分達で作れば、最悪金額が同じでもノウハウが貯まるのでやろう、という決断だったそうだ。実際には全部のシステムをまとめて、という訳でなく順次機能を追加する形になっており、タクシーメーターの統合までが現在完了、次は音声認識だそうである(Photo21)。続いて同じくJapan Taxiの青木亮祐氏(Photo22)より、もう少し突っ込んだお話が聞けた。そもそも同社は全国タクシーと連動する形で、IP配車システムをAndroidをベースに開発した。操作性を考えるとAndroid Tabletになるのはまぁ当然で、当初はAIOSをTabletをベースに構築するつもりだったそうだ。ところが夏場になると、Tabletが熱暴走してしまうという問題がでたそうだ。そもそもコンソールパネルそばだからただでさえ夏場は暑い上、アプリケーションをフルに動かすからCPUの発熱も凄い。結果、夏場になると勝手に落ちる(Thermal Shutdownを発生する)とかいうことになり、これを何とかしないとまずいという話になった。そこで青木氏は色々なメーカーのTabletをあたったものの、やはり構造的にTabletでは無理があるという話になった。VIA TechnologiesもViega Tabletという産業向けTabletを提供しているが、これでも無理だったそうだ。ついでに言えば、AIOSを全部載せるには、性能的にも既存のTabletだとちょっと性能不足な面があったらしいが、性能を上げると更に発熱が増えるので、これ以上上げられないという問題もあった。ところがVIA TechnologiesはViegaの代わりにセパレート方式での提案をJapanTaxiに行い(唯一VIA Technologiesだけがセパレート式の提案をしてきたそうだ)、これを検討したところ良さそうだという結論が出て、そこから僅か半年でシステムが完成したのだという。当初はAMOS-820ベースでの提案だったが、これでは処理性能が足りないということでDual CoreからQuad Coreに切り替えたことで処理性能も要求を満たしたし、液晶部はプロセッサなどを搭載しないので最大70℃までの温度範囲をカバーできる様になった事で、夏場の問題の解決の目処も立った。また、細かいところでも同社のサポートには非常に満足だったという。当初使っていたTabletはAndroidそのままなので、ステータスバーをスクロールダウンしてカスタマイズしたり、ナビゲーションバーでタスクを切り替えたりホームに戻したり、なんて事が可能であり、実際そうした事をしたあげくIP配車アプリを消したり、自分のアプリケーションを登録したりなんて使われ方をした場合もあったそうだ。そこでステータスバーには輝度調整しか乗せない(しかも調整範囲も絞り込む)とか、ナビゲーションバーを無効にするなどの対応をVIA Technologiesの方で行ってくれたとの事。あるいはフォントを(デフォルトの中華フォントから)JapanTaxiが指定した独自フォントに差し替える作業も1日で済んだそうで、こうしたカスタマイズのきめ細やかさや反応の速さに非常に感謝しているとの事だった。
2016年03月16日インテル セキュリティは11日、日本市場における事業戦略説明会を記者向けに開催した。2011年にインテルがマカフィーを買収してのち、マカフィーはインテルのセキュリティ事業部としてブランド統一が進められきた。登壇したマカフィー代表取締役社長のジャン・クロード・ブロイド氏は、同事業部の目標を、コンシューマ向けには「人々、家族のデジタルライフを保護する」、法人向けには「ユーザーのNo.1セキュリティパートナーとなる」と紹介。ビジネス市場では、対象端末の複雑化、検知と復旧にかかる時間的な制約、人材不足といった必要なリソースの制約が課題とし、これらを「脅威対策のライフサイクル」で対処することが重要だと、日本での事業戦略の概要を説明した。○サイバー脅威を「共有」「自動化」で対処「脅威対策のライフサイクル」とは、同社が2015年11月に提唱した、サイバー脅威をシステムで捉えた企業向け事業戦略。サイバー脅威に対し、防御、検知、復旧、適用の4つを、適切な方法で継続的に運用していく。マカフィー常務執行役員 法人営業本部 本部長の田井祥雅氏は、大手企業における情報搾取や不正侵入被害といった国内外のセキュリティ事件を例に挙げ、「なぜセキュリティ事件は引き続き発生するのか。サイバー犯罪は組織的、巧妙になっており、企業の自主対策では対応できなくなっている」と事件が起こってしまう背景を解説。この状況のなかで、2015年12月28日に経済産業省がサイバー攻撃から企業を守る観点で策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が出されるに至ったと、企業独自で脅威に対応する難しさを説明した。「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では、経営者が認識する必要がある3原則、経営者がセキュリティ対策を実施する上でセキュリティ責任者に指示すべき10項目が記されている。これをまとめると、大きく2つのメッセージがあるという。ひとつは、「経営リスクとしてサイバー攻撃を捉え、対策を継続していく」こと。もうひとつは、「サイバー被害は起きてしまうもので、起きた後にどう対応するか」ということだ。これは、防御だけでなく、検知、復旧を合わせた「脅威対策のライフサイクル」に通じる脅威対策でもあるとする。従来は防御重視だったセキュリティ対策だが、防御できなかった場合は脅威を認識できず、被害が広がる恐れがある。「ハッカーは既存の防御策をどう破れば侵入できるかわかっている」(田井氏)。時間が経つほど被害が拡大するため、どの部分にどのような脅威があるか、素早く正確に検知する必要がある。しかし、脅威を検知するだけでは、継続的な対策は不十分だという。複数のベンダー製品を使っている場合は横断的な情報確認ができない(製品間の壁)ほか、脅威情報が部署間でうまく共有されず、例えば法務部で見つかった脅威と同じような症状の端末が広報部で見つかり、端末の動作を停止させるといった効果的な運用ができない(組織間の壁)、パッチ対策や回復処理などを適切に行えない(運用の壁)といった要因があり、被害が深刻化してしまう。同社が提案する継続対策のキーポイントは、脅威情報を組織・製品間で共有すること、検知した脅威情報をもとに自動的に対処することの2点。同社は150以上のパートナーと協業し、脅威情報の共有やセキュリティ機能を連携させる取り組み(パートナーエコシステム)を推進していく。○個人向けセキュリティはクラウドを軸に対策マカフィー取締役 専務執行役員 コンシューマ事業統括の田中辰夫氏は、コンシューマ事業のビジョンを説明。同社はコンシューマ向けセキュリティ製品として、「マカフィー リブセーフ」などマカフィーブランドのセキュリティソフトウェアを発表している。2014年までは、「マカフィー リブセーフ」でデバイスのセキュリティ対策を行ってきたが、2016年以降は個人情報の保護やプライバシー保護、ホームセキュリティやウェアラブル機器まで、セキュリティ対策の範囲を広げる。オンラインバンキングやSNS、アプリストアなどに加え、上記のホームセキュリティやウェアラブル機器に対しても、クラウドを軸にしたセキュリティサービスを展開していく想定だ。
2016年03月11日●「著作権侵害」は身近に起こりうるアドビ システムズは3日、最新のAdobe Stockに関するサービスに関する記者説明会を開催した。同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」の最新アップデート内容やデモンストレーション、「ストックフォト」サービス全般についての紹介のほか、弁理士・栗原潔氏(テックバイザージェイピー)による「素材写真利用における著作権法上の留意点」についての講演が行われた。ここでは、会場での様子をレポートする。○「著作権侵害」は身近に起こりうる説明会の冒頭に行われたのは、ITや知財関連に詳しい弁理士・栗原潔氏(テックバイザージェイピー取締役)による「素材写真利用における著作権法上の留意点」と題された講演だ。栗原氏は「著作権法」について「SNSなどに写真などを掲載する場合など日常生活においても身近な存在でありながら、その中身は非常に複雑でかつ罰則も厳しいものだ」と述べた。著作権侵害をすると、差し止めや損害賠償、刑事罰を受けることになり、損害賠償は著作権法独自の損害推定規定により高額になるケースがあるという。刑事罰についても、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(あるいはその両方)が課せられるという重い罪となるので(法人の場合は3億円以下の罰金)、決して軽く考えてはいけないとのことだ。その一方で、著作者に許諾を得ずに使用できるケースもあり、日本の場合は「著作権法に規定されているかどうか」がポイントとなる。とても明確であるが、世の中の変化に追随しにくいのが問題だ。一方、アメリカの場合は「公正な利用(フェアユース)」であるかどうかで判断され、グレーゾーンの場合は裁判で争われるということだ。また、「写真」が著作物であるかどうかについて、「著作権法では写真を著作物のひとつとして例示されている」と述べた。素人のスナップ写真やブツ撮り写真であっても、裁判では著作物とされるケースがほとんどだという。なぜなら、構図や照明などの決定、シャッターのタイミング等に撮影者の個性が発揮されるためだ。ただし、すべての写真が著作物というわけではなく、機械的に複写しただけの写真(例えば、防犯カメラの映像や自動撮影の証明写真など)は基本的に著作物にはあたらないとのことだ。一方、著作物である写真を自由に使えるケースとして、「私的使用目的複製」(個人的や家庭内など限られた範囲内での使う場合には使用者自身が複製可能)、「引用」(報道や批評、研究などの正当な範囲)、「検討の過程」(ライセンス検討の過程において必要と認められる限度においての利用)、「報道目的」(時事の事件を報道する場合)の4つを挙げた。写真の著作権侵害が問題となった事例として、昨年の「五輪エンブレム事件」でのコンペ資料において海外ブログの写真の無断利用が発覚し、結果的に佐野研二郎氏サイドに対する信用が失墜させ、それが五輪エンブレム採用の取り消しにつながったことを挙げた。「社内限定使用の資料だった」という言い訳が通じるかという問題については、この場合は業務上の複製であるため、「私的使用目的複製」ではないとするのが多数派だという。栗原氏は「社内のみの利用において著作物利用の許諾を取るケースが一般的であるかどうかは別として、法律的には違法」と述べた。また、ふたつめの事例として、某ストックフォト販売会社が著作権を有するWeb素材を許諾なしで利用していた法律事務所を提訴した事件を紹介。このケースでは著作権侵害による差し止めに加えて、損害賠償請求についても認められたという。法律事務所側の「無料素材としてアップされていたので許諾は不要と思っていた」という言い訳が認められず、「ある程度の経験を持つWeb制作者であれば、利用する素材が著作権許諾を得たものであるかどうかの一定の注意義務を負うべき」との判断が下されたということだ。これらのことから、権利処理を行っていない素材写真の利用はリスクが高く、たとえ社内限定であっても違法性が高いことや、これまで問題とされなかったので大丈夫だろうという安易な発想は危険だと述べた。さらに、素性の怪しい"無料サイト"の利用について、その危険性を注意喚起したのに加え、Web上の個人の写真を使う際は撮影者に了解を得るだけでなく、写真の著作権者が本当にその人物であるかの注意義務は果たす必要があると語った。結論として、「ストックフォトサービスの活用を積極的に推進すべき」と語り、講義を締めくくった。●そもそも、ストックフォトとは?○ストックフォトは、「画像」そのものでなく「使用する権利」を購入次に、アドビ システムズの青野薫子氏が登壇し、「ストックフォト」サービス全体についての紹介となった。ストックフォトには、手頃な価格で価格交渉も容易な「マイクロストック」(ロイヤリティフリー)と、価格は高いが独占契約も可能な「マクロストック」(ライツマネージ)の2種類があることや、「画像を買うのではなく使用する権利(ライセンス)を買うものである」という説明がなされた。「ロイヤリティフリー」は、使用期間や地域の制限がなく、デザインとしての使用が可能(著作権は制作者にあるため、ロゴやトレードマークとしては使用不可)なライセンス形態のことで、「通常ライセンス」と「拡張ライセンス」の2種類あると紹介された。「通常ライセンス」は、マーケティング用、広告用、販促用、プレゼンテーション用といった商用利用が可能で、印刷部数(コンテンツを印刷または表示できる回数)が50万部以下に制限されるという。一方の「拡張ライセンス」では、50万部以上の印刷・表示が可能(テレビ放送や映画で使用された画像の視聴者数にも適用される)で、その画像をマグカップやTシャツなどに印刷した商品販売などの利用も可能とのことだ。ちなみに、「人物写真」に関しては「性風俗関係」や「タバコ広告」、「政治色の強いもの」、「モデルが誤解を招くもの」などの用途では使用できないということだ(Adobe Stockで販売されている写真の場合)。○Adobe Stockが3つの進化- 検索性の向上と4K動画、拡張ライセンスの販売続いて、アドビ システムズの栃谷宗央氏が登壇し、同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」についての紹介となった。同サービスは昨年6月に登場して以来、さらに進化し、昨年11月の時点で4,500万点のロイヤリティフリー素材を提供しているという(昨年6月は「4,000万点」とされていた)。また、Photoshop CCやIllustrator CCなど、アドビの主要アプリと密接に連携した唯一のストックフォトサービスであることにも言及。Creative Cloudデスクトップアプリ内で直接Adobe Stockの画像を検索、試用、購入できるのと同時に、同社のモバイル用アプリとも連携することや、組織・企業内で画像を共有できる点についてアピールした。さらにエンタープライズ向けとして、企業内でライセンス画像管理をスマート行える機能や独自のAdobe IDを作らなくても企業のドメインを使ってCreative Cloudを活用できる「シングルサインオン」にも対応している点についてもポイントであると語った。また、ここ最近のアップデートにより「検索性の向上」、「4Kビデオ素材の提供」、「拡張ライセンスの提供」という3つの新機能およびサービスが追加されたことが紹介された。「検索性の向上」は、写真を探す際に、Webブラウザ上で検索条件を絞り込める「検索設定」メニューが追加されたことを指す。これにより、より短時間で精度の高い素材検索が可能になったとしている。絞り込み条件には、画像の方向(縦長、横長、正方形、パノラマ)、セーフサーチ、人物が含まれているかどうか、カラーの指定、カテゴリを指定することが可能だ。また、「4Kビデオ素材の提供」は、2月5日より開始された高精細な4Kビデオ素材の販売についてだ。これにより、企業内での利用やビデオ、CM、テレビ番組、Webサイトでの商用利用するためのビデオクリップとして活用できるようになった。ちなみに、4Kビデオ素材は1点につき2万4,980円にて販売されている。「拡張ライセンスの提供」は、2月22日より、写真、ベクトル画像、イラストについて、前述した「拡張ライセンス」の販売がスタートした件だ。拡張ライセンスを購入すると、通常ライセンスと同等の権利のほかに、50万回以上のコンテンツの印刷・表示に対応するほか、素材を使用し販売・配布を目的とした製品やサービスを制作することが可能となる。拡張ライセンスの販売価格はコンテンツ1点につき7,980円となっている。○デスクトップアプリやモバイルアプリとの連携の良さを披露最後に、同社のCreative Cloudエバンジェリスト・仲尾毅氏が登壇し、Adobe Stockとアドビ製アプリとの連携についてのデモンストレーションへと移った。Adobe StockのWebサイト上で写真をキーワード検索したのち、新たに追加された「検索設定」オプションから「カラー」で特定の色を指定すると、その色を基調とした画像がリストアップされる様子が披露された。また、ライセンス購入時に「拡張ライセンス」を選択できるようになっていることや、ビデオ素材の検索結果に「4Kビデオ」が含まれること、HDと4Kの両方が用意されているビデオ素材ではどちらをかを購入するかを選択できることについても触れた。続いて、いくつかのプレビュー画像をCreative Cloudライブラリに保存したのち、アプリケーションからのAdobe Stockの連携方法が紹介された。「ライブラリ」パネルに並ぶプレビュー画像はCreative Cloudライブラリに保存されているものが読み込まれており、ほかのデバイスからアクセスした場合にも同じプレビュー画像が表示されるということ、さらに「共同利用」も可能であることなどが紹介され、アプリのライブラリパネル内からも、Adobe Stockの素材を検索できる様子などが披露された。さらに、iOS用モバイルアプリ「Creative Cloud」からAdobe Stockの画像を検索、ダウンロードできることや、iOS用アプリ「Adobe Comp CC」上からCreative Cloudライブラリ上の画像を読み込んで配置して作成したカンプを、「Creative Sync」によってデスクトップ版「Illustrator CC」上で開ける様子などを披露。Adobe Stockとデスクトップアプリ、あるいはモバイルアプリとの連携がより強化されたことを強調した。○Creative Cloudの契約をやめても購入素材は使用可能最後に再び栃谷氏が登壇し、Adobe Stockの製品ラインナップと価格について紹介された。まず栃谷氏がよく質問されるという「Creative Cloudのサブスクリプションを解約した場合、Adobe Stockで購入した画像はどうなるのか?」という件に対しての回答として、「Adobe Stockの場合はあくまでもライセンスを購入するものなので、Creative Cloudを解約した場合でもダウンロードした画像は永続的に使用できます」と説明した。Adobe Stockのライセンス価格は、単品購入の場合は1枚 1,180円だが、Adobe Creative Cloudのメンバー(すべてのプランが対象)なら、10点の画像を3,480円/月(年間プラン、月々払い)で購入できる定額制プランを利用できる。同プランでは、11枚目からは1枚当たり348円で追加購入可能。(Creative Cloudの非メンバーは5,980円/月、追加画像は598円/枚)。ちなみに、同プランでは使用枚数が10枚に満たなかった場合、最大120枚まで繰り越せる。このほかにも、大量の素材を扱うユーザー向けに、750点の画像を2万4,980円/月(年間プラン、月々払い)、もしくは2万9,980円(月々プラン)で利用できるプランも用意されている。また、新たに提供を開始した「拡張ライセンス」は7,980円/点、単品HDビデオは7,980円/点、単品4Kビデオは2万4,980円/点となっている。なお、アドビ システムズは現在、Adobe Stockが1ヶ月分無料になるキャンペーンを実施している。Creative Cloud 個人版ユーザー向けには、Adobe Stock(年間プラン)を購入すると1ヶ月分(画像10点)が無料(購入後にAdobe Stockの初月料金の3,480円が自動返金)、Creative Cloud グループ版ユーザー向けには、10点画像が無料で利用可能な「Adobe Stockお試しキャンペーン」を実施しているということだ。
2016年03月04日チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2月25日、2016年の事業戦略説明会を開催するとともに、統合セキュリティ・アプライアンスの新製品を発表した。初めに、昨年9月に代表取締役社長に就任したピーター・ハレット氏が2016年の事業戦略について説明を行った。ピーター氏は冒頭、「われわれはファイアウォールを作ったベンダーというイメージが強いが、今年は統合セキュリティ・ベンダーとしてのイメージを打ち出しいく」と語った。実際、同社は統合セキュリティ・アプライアンスに加え、脅威対策に特化した専用アプライアンス「Threat Prevention Appliance」、エンドポイント・セキュリティ製品、モバイル・セキュリティ管理製品「Check Point Capsule」、サンドボックス「SandBlast」、世界中にあるゲートウェイやセンサーから収集した情報をもとにゲートウェイに脅威情報を配信するクラウドサービス「ThreatCloud」などを提供している。また、一歩先を行くセキュリティ対策を提供していきたいという。「一歩先」とは、脅威を検知するだけでなくブロックすることを意味する。そこで、同社はセキュリティ・アプライアンスにおいてさまざまな脅威をブロックするために必要な機能をすべて提供する。というのも、セキュリティ・アプライアンスでは、複数の機能を提供するとパフォーマンスが落ちるため、機能を絞るといった運用をするケースがある。こうした状況を踏まえ、同社はあらゆるセキュリティ機能を提供するため、アプライアンスの性能を強化する。さらにピーター氏は、HeartbleedやShellchoskなど、これまで発見されている深刻な脆弱性への対応のスピードについて、競合であるパロアルトネットワークスとフォーティネットとの比較を示し、同社の対応が早いことをアピールした。ピーター氏は日本市場における注力分野として、「ゼロデイ攻撃対策」「モビリティ」「社会インフラストラクチャとIoT」を挙げた。オリンピックが開催される2020年にかけて、日本では電力、地下鉄といった社会インフラがサイバー攻撃を受けることが予想されるという。新製品については、 システム・エンジニアリング本部 シニア・セキュリティ・エバンジェリストの卯城大士氏から説明が行われた。同日発表されたのは、Check Pointアプライアンスの15000シリーズと23000シリーズだ。主に、15000シリーズは大規模企業、23000シリーズはデータセンターをターゲットとしている。卯城氏は、次世代のセキュリティにおける課題として「先進の脅威に対応するにはさらにパワーが必要であること」「HTTPS通信とマルウェアの増加」「データ速度とデータ量の増加」を挙げた。Googleの調査によると、Webブラウザによるアクセスの38%以上は暗号化されたHTTPSで行われており、セキュリティ対策製品において暗号化通信を迅速に検査することが求められているが難しいという。こうした状況を逆手にとり、攻撃のトラフィックの暗号化が進んでいるそうだ。こうした課題の解決策として、同社は15000/23000シリーズを提供する。まず、両シリーズはファイアウォール、侵入防御システム(IPS)、アンチボット、アンチウイルス、アプリケーション制御、URLフィルタリング、Check Point SandBlastのサンドボックス技術を提供する。そして、両シリーズはこれらすべての機能を提供できる十分な性能を持っているという。プラットフォームにおいては、将来の拡張を見据え、冗長性(HDD、電源、ファン、BIOS)、柔軟なネットワーク接続(カッパーおよびファイバー)、保守運用性、40Gの拡張カードなどが採用されている。15000/23000シリーズは、ファイアウォール、侵入防御システム(IPS)、アンチボット、アンチウイルス、アプリケーション制御、URLフィルタリングが利用可能な「NGTPモデル」、NGTPの機能に加えてサンドボックスとファイルの無害化機能が利用可能な「NGTXモデル」の2種類が用意されている。15000シリーズには15400と15600、23000シリーズには23500と23800のそれぞれ2つのモデルがあり、価格は15000シリーズが744万円から、23000シリーズが1733万円となっている(いずれも税別)。
2016年02月26日アドビシ ステムズは2月15日、2016年度の事業戦略説明会を開催。「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Document Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」という同社の事業の中核である3つのクラウドプラットフォームに対する2016年度の国内施策を発表した。アドビ システムズ 代表取締役社長 佐分利ユージン氏は、冒頭、同社を取り巻く市場環境に触れ、「最近は消費者のデジタルへの期待も高まり、企業が扱うデータ量は爆発的に増えている。それにより、企業と顧客とのタッチポイントが増えており、ビジネスチャンスも拡大している。また、腕時計、カメラの市場の変化のほか、ウーバーのような新しいビジネスモデルも登場している。そのため、企業のデジタルの対応が重要になっており、優れた顧客体験が勝敗を分けている」と述べた。そして同氏は、優れた顧客体験には、「魅力的なコンテンツ」、「パーソナル(顧客のパーソナライズして情報を提供)」、「利便性」、「あらゆる場所で提供(モバイル)」の4つの要素が重要だとした。アドビでは優れた顧客体験に向け、すべてのタッチポントで価値をつくる「コンテンツ」と、伝えるべき人に伝えるべき情報を、伝えるべきタイミングで提供する「データ」を差別化の要因にしていくという。○3つのクラウドに向けた戦略同社の事業の中心は「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Document Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」の3つのクラウドプラットフォームだが、佐分利氏はこれらのクラウドが有機的に連携している点が同社の強みだ強調。これらの3つのクラウドを中心とするグローバルでの昨年の売上は対前年比16%増の48億ドルで、これは過去最高の実績だという。このうち、「Adobe Creative Cloud」(以下、Creative Cloud)が26億ドル、「Adobe Document Cloud」(以下、Document Cloud)が3億9700万ドル、「Adobe Marketing Cloud」以下、(Marketing Cloud)が15億900万ドルを占めるという。Creative Cloudではモバイルアプリの強化、著作権フリーの写真を提供するAdobe Stockの提供開始、有料サブスクリプションへの移行が加速した点が昨年の主なトピックで、佐分利氏によれば、新規にCreative Cloudを利用する顧客の半数はモバイル経由の利用だという。Marketing Cloudでは、昨年は製品のポートフォリオの拡充、大手企業の採用により、過去最高の売上を達成。昨年3月に発表したDocument Cloudでは、デジタルサービスの拡販やパートナーエコシステムの拡大を行ったという。そして、同氏は2016年度の日本市場向けた施策を発表。Creative Cloudでは、これまでの写真・イラスト素材に加え、ビデオ素材を新たに提供。また、学生やセミプロ向けのコミュニティ活動を行い、新規ユーザーの獲得を積極的に行うほか、エンタープライズ向けには技術支援を行い、新しい使い方の提案を行うという。Marketing Cloudについては、8つのコンポーネントを持つ統合クラウドソリューションという面を差別化要因として訴求。データの解析から実際のプロモーションまでトータルでサポートするという。また、日本法人が持つ開発組織を利用し、日本市場に特化した機能を提供し、企業ニーズに応えていくという。さらに、金融、トラベル、製薬という新たな業界へ訴求するための営業体制を強化するほか、NTTデータや博報堂などの新たなパートナーとの関係を強化していくという。そして、Document Cloudでは、デファクトとなりつつあるAcrobat Readerとワークフローの統合による価値提案、意思決定支援を基本とする経営層への訴求、デジタルサインの販売強化を行うという。
2016年02月16日●関西電力の子会社ケイ・オプティコムケイ・オプティコムは25日、事業戦略説明会を開催し、2016年以降の運営方針を明らかにした。マルチキャリアやMNP即時切り替えといった同社の特徴的なサービスはそのままに、他のMVNOとの差別化を図っていくとする同社の戦略はどのようなものだろうか。○ドコモMVNO開始からユーザー急増中ケイ・オプティコムは関西以外のユーザーにとってあまり馴染みがないかもしれないが、関西電力の100%子会社となる通信会社で、FTTHサービス「eo光ネット」や、携帯電話/スマートフォン向けのMVNOサービス「mineo」を展開している。両サービスとも顧客満足度調査で1位を獲得するなど、高クオリティのサービスを提供中だ。mineoは当時唯一のau回線を利用したMVNOサービスとして、2014年6月に1GB月額980円でサービスを開始し、2015年9月にはドコモ回線を利用したサービスを始めるとともに、パケットギフトや家族割、複数回線割りのほか、この説明会の直前にも10GBプランをスタートするなど、1年半でこまめにサービスの拡充と改善を重ねてきている。ドコモ回線を扱うようになってからはユーザーの増加ペースも急増しており、会員数は約19万人に達している。ユーザー数の増加に合わせてこまめにネットワークの増速やユーザー1人あたりの帯域割り当て増も進めており、これが高いユーザー満足度に繋がっているとした。MVNO市場全体を見ると、MVNOの認知度自体は約75%と高まっているのだが、実際利用を検討するユーザーは16%程度、契約に至るのは10%程度と、検討するまでの間に高いハードルがある。これをもっと具体的に検討する「自分ごと化」させるに至らすためにも、面倒、不安といった心理的ハードルを解消することが必要と分析した。また、現MVNOユーザーは携帯リテラシーの高い層であり、これからターゲットとして広めていかねばならないマジョリティ層の攻略ポイントとして知名度の高さが必要であり、広告やキャンペーン、店舗出店などで露出を高めていく必要を挙げていた。しかし、こうした露出アップにはMNOであるメガキャリア並みの広告展開など、体力勝負になる可能性が高い。こうしたなかで多くの中から選ばれるMVNOとしての特徴を出していくことが重要だとまとめた。●ユニークなコミュニティサービス「マイネ王」○コミュニティを中心としたMVNOへこうしたなか、mineoに特徴的なサービスとして、スタッフとユーザーのコミュニケーションサイトである「マイネ王」を紹介。ちょうど1年前にスタートしたサイトだが、ユーザー同士の率直な意見交換や、iPhone対応のAPNプロファイルテスト時にスタッフとユーザーが情報交換しあう場となるなど、建設的な方向で利用が進んでおり、mineoのさまざまなサービスや改善もユーザーの声から実現していると説明した。また、マイネ王のサービスとして、ユーザー同士が余剰パケットを共通の枠に貯蓄して、不足してきたら1GBを利用できる「フリータンク」や、「いいね」代わりに10MBのパケットを進呈する「チップ」といったサービスも紹介。これらが予想以上の好評を得ていることも明らかにした。mineoは、総務省のMVNO規制緩和第2弾などを受け、MVNOに求められる資質について、メガキャリアではできない新たな試みで世の中を便利で楽しく、面白くしていくことと定義。その実現に向けて、こうしたコミュニティの力を中心に、キャリアとユーザーがともに育てていくことがmineoのスタイルであり、それを「Fun with Fans!」というキャッチフレーズに表した。***MVNO各社は、従来の、サービスのクオリティや価格の安さといった評価軸だけでは価格競争による潰し合いになることから、新たな評価軸を設定してみせることが急務だが、mineoではそれを「楽しさ」という価値に見出してきている。いかにも関西系のサービスらしいフレーズだが、同時に楽しさを伝えることの難しさも抱えたことになる。mineoはサービス品質の高さに加え、「フリータンク」などの試みもユニークなだけに、もっと認知されてしかるべきサービスというのが筆者の認識だ。ユーザーと共にサービスを育てるという、いまどき珍しいコンセプトを掲げてくれた男気に免じて、Fun with Fans!のコンセプトが浸透することを祈りたい。
2016年01月26日アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS)は1月22日、2016年のパートナー戦略に関する説明会を開催した。初めに、同社のパートナーアライアンス本部 本部長を務める今野芳弘氏が説明を行った。今野氏は、パートナーとのアライアンスの目的が「顧客をNew Normalに導く」こととしたうえで、2016年は「基本拡大路線」と「New Normalに導く近道」の2点を柱に、パートナービジネスを展開していくと述べた。「この戦略は、新たな成長軸を得たり、ビジネスの拡大・イノベーション・グローバル化を実現したり、競合との差別化を図ったりと、顧客とパートナーの双方の課題解決に導く」(今野氏)New Normalとは、「規定概念を越えたIT活用、新たな付加価値提供、想定外の新世界標準、新たなテクノロジーと応用が行われている状態。単なるサーバの置き換えではなく、クラウドが常識である状態」を指すという。「基本拡大路線」においては、パートナーの経験と能力向上、選択肢の増加を目指すため、「AWSパートナーネットワーク(APN)のパートナー数、チャネルリセラーパートナーの拡大」「エンタープライズシステム構築・運用のための能力向上」「パートナーコミュニティの活性化」「コンピテンシープログラムの充実」「ソリューションの無料お試しサイトの推進」に取り組んでいく。例えば、パートナー数の拡大に向けては、新規パートナーを獲得・育成する組織を強化する。「これまでは質の確保を重視していたが、昨年から数の拡大にも注力している」と今野氏。また、エンタープライズシステム関連については、「ファンディング額の増大」「AWSトレーニングの強化」「プロフェッショナル認定資格取得者を増強」といった策を行っている。パートナーコミュニティとしては現在、「金融機関向けAWS対応セキュリティリファレンス」「医薬業界向けリファレンス」が立ち上がっているという。一方、「New Normalへ近道」としては、「AWSマネージドサービスの活用能力拡大(Auroraを含むデータベース領域)」「SaaSパートナーの拡大」「IoTエコシステムの拡大」に取り組んでいく。今野氏は、AWSのサービスのうち、特に推したいサービスとして「Amazon RDS for Aurora」を挙げた。Auroraは同社がクラウドのために開発したマネージド型リレーショナルデータベース。今年12月に、国内の「Aurora Readyパートナープログラム」の発足が発表されている。発表会には、APNのパートナーであるウイングアーク1st、ワークスアプリケーションズ、TIS、サーバーワークスの担当者も登壇し、APNパートナーとしての取り組みやメリットについて述べた。ウイングアーク1st 取締役 CTO 開発本部 本部長の田中潤氏は、「アプリケーションベンダーのわれわれにとって、プラットフォームの構築は強みにならない。われわれの強みはアプリケーションであり、独自のアプリケーションを提供することに集中したいので、AWSを利用することにした」と、AWS採用の理由を説明した。今後は、帳票クラウドサービス「SVF Cloud」においてマルチリージョンクラスタを採用し、1つのデータセンターに障害が発生しても、サービスの利用が継続する仕組みを提供するという。ワークスアプリケーションズ BPO Div. シニアゼネラルマネジャーの荒川 康彦氏は、「AWSのすごさは、インフラをプログラマブルで制御できる点。これにより、ハードウェアもパッケージしたサービスが提供可能となった。アプリケーションベンダーがインフラからアプリケーションサービスまで、ワンストップで問題解決を提供できる」と、AWSの魅力を語った。両社の取り組みとしては、米国シアトルのAWS本社に、同社の顧客100社規模のエグゼクティブを招待して開催したセミナー、製品開発・サービス提供における技術支援が紹介された。荒川氏によると、AWSにサービス改善の要望を出すと迅速に対応がなされ、これまでにAmazon RDS for Oracleのタイムゾーンの拡大や請求処理の前倒しといった改善が行われたという。TIS プラットフォームサービス企画部 副部長の内藤稔氏は、AWSとのパートナーシップ施策の効果として、「プレミアパートナーに認定されたことで、引き合いと協業依頼が増加」「FISCリファレンスの取り組みによって金融機関への新たな認知を獲得」「TestDriveへの取り組みによって、新たな領域におけるリードの創出」「Go to Market/PoC/育成などの各種支援により、案件や制約率が増加し、デリバリ体制が増強」を挙げた。「プレミアパートナーに認定されたことで、お客さまにAWSのソリューションベンダーとしてTISを選ぶ理由ができた」と内藤氏は語った。また、日本で公開されている22個のTest Driveのうち、6個を同社が提供しており、Test Driveを有効活用している様子を見せた。サーバーワークス 大石良氏は、APNへの加入のメリットとして「コネクションの強化」「案件獲得が加速」「PoCファンドの活用」を挙げた。同社はAPNのPoCファンドを活用して、ヤマハ発動機にWorkSpacesへの導入を実現したという。「APNを拡大すると聞くと、競業が増えてビジネスが厳しくなると思われるかもしれないが、われわれは拡大を喜んでいる。なぜなら、競合の増加よりもAWSのマーケットの拡大のほうが速く、パートナー同士でソリューションを補完することで、さらにAWSビジネスの拡大が望めるから」と、APNの拡大がパートナーにとってもメリットをもたらすことをアピールした。
2016年01月25日日本オラクルは1月14日、記者説明会を開催し、医療業界向けの取り組みについて説明した。同社は今後、医療機関向けにクラウドサービスを積極的に提案していくという。常務執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 公共営業統括本部長の白石昌樹氏は、「2011年に発生した東日本大震災を機に医療機関におけるICTに対するニーズが変化した。具体的には、災害対策に対するニーズが高まるとともに、"作るICT"から"使うICT"にシステム担当者の意識が変わった」と、医療機関を取り巻くシステム環境の変化について説明した。あわせて同氏は、医療業界には「IT予算の確保が難しい」「IT担当者が不足している」「データ分析まで手が回らない」「医師・看護師の不足が深刻」といった課題があることを指摘した。こうした医療機関のシステム環境の変化を踏まえつつ、医療業界の課題を解決するため、同社はクラウドサービスの提案を積極的に行っていく。具体的には、クラウドサービス「Oracle Database Cloud Service」「Oracle BI Cloud Service」「Oracle Documents Cloud Service」に加え、「Oracle Cloud Platform for Integration」を活用して、地域包括ケアシステムを実現するクラウドサービスの提案を行っていく。同日、同社は福島県いわき市のときわ会 常磐病院の導入事例を発表しており、発表会では、院長の新村浩明氏が説明を行った。同病院は、電子カルテや医事会計システムのデータを有効活用し、経営分析を高度化するため、データベース「Oracle Database 12c」とエンジニアド・システムである「Oracle Database Appliance」を導入して、グループ共通のプライベート・クラウドを構築した。クラウド上に構築した新情報系システムにより、電子カルテ・医事会計システム・物流システム・透析管理システムのデータが統合され、一元的なデータ検索や統計・分析が可能になった。同病院では今後、人事給与システムおよび財務会計システムのデータも新情報系システムに連携させ、原価計算、管理会計の高度化のために活用していく計画だという。あわせて、院内で扱う文書のバックアップ・共有を目的に、クラウド・ファイル共有サービス「Oracle Documents Cloud Service」を導入。これにより、各種文書ファイルをセキュアに共有し、PCやタブレットなどのモバイル・デバイスにより、どこからでも閲覧することが実現された。新村氏は「東日本大震災が発生し、透析感謝を他の病院に移送しなければならない時、患者情報がすべて紙のカルテにまとめられていたので、患者の情報の収集と提供に遅延が発生した。当時、電子カルテシステムを利用していれば、クラウド化することで、どんな場所からでも患者情報にアクセスできた」と、東日本大震災時から得た教訓を語った。今回のプロジェクトにかかったコストの内訳は、クラウド構築やファイル共有サービスの導入において約3000万円、原価計算をはじめとした今後取り組んでいくシステム導入において約1000万円となっているという。
2016年01月15日ON Semiconductorは12月8日、都内でプレス向けの事業戦略説明会を開催した。同説明会ではコーポレートストラテジ&マーケティング担当副社長であるデイビッド・ソモ氏が同社のグローバル市場と注力市場について語った。○高い成長が見込まれる車載・産業機器・無線通信同社は現在、35億ドルの売上規模(2015年第3四半期の実績に基づく)を有しており、そのうち70%を日本を含むアジア太平洋地域で稼いでいる。また、エンド市場別で見ると車載、産業、通信という3領域での売り上げが7割を占める。アジア太平洋地域で最も大きいマーケットは中国で、ソモ氏は「車載システムが伸びている同国では今後も成長が期待できる」とする。こうしたビジネス状況の中、同社の強みについてソモ氏は「大規模に事業展開・生産しているため、コスト競争力が高い。また、グローバルに製造拠点を有し、サプライチェーンと営業網も兼ね備えているため必要なときに必要な物をニーズに合わせて提供できる」ことだと説明。さらに同氏は「自社拠点で前工程から組み立て、検証まで設備を持っていることに加え、ファウンドリ企業と連携して製造能力を強化することで、柔軟性を持った生産が可能となる」と語り、今後もポートフォリオを増強すべく有機的な成長と買収を組み合わせていくとした。買収といえば、同社は11月にフェアチャイルドセミコンダクター・インターナショナル(フェアチャイルド)を約24億ドルで買収することを発表している。これにより、ON Semiconductorは高・中・低電圧をカバーするポートフォリオを持つことになる。なお、両社の売り上げを合算すると年間で50億ドルになり、メモリ以外の半導体企業としては市場で10位の規模となる。ソモ氏によれば「フェアチャイルドの買収は中国からの反応が良かった」という。今年の半導体業界は売り上げが前年と同程度と予想され、コンピューティング・消費者向け市場では成長が鈍化もしくは下落する一方で、車載・ワイヤレス通信・産業機器では成長が見込まれており、ON Semiconductorもこれらの分野に注力していく。上述の通り、同社の売り上げは車載、産業、通信が7割を占めており、ソモ氏も「これらの業界に対して当社は強いポジションを築いており、車載向け半導体では7位のサプライヤーに入っている。」と自信を見せる。この自信の裏付けとしてソモ氏が示したのが車載システム向けのイメージセンサで、同市場では45%のシェアを誇るという。同社のイメージセンサはメルセデス・ベンツの車両に採用され、夜間の走行中に道路や対向車をスキャンしてヘッドライトの向きなどを自動で調整するシステムを実現している。○IoT時代では製品の提供だけでは不十分また、同氏は巨大な市場規模が見込まれるIoT分野についても言及。「IoTアプリケーションにはセンサ、通信、制御、カバーマネジメントという4つの柱があり、当社はそれらの主要構成要素を全てカバーしている」としたほか、バッテリ不要で温度や圧力を検知できる小型センサ「スマート・パッシブ・センサ(SPS)」といった有望な技術を有していることをアピールした。同時にソモ氏は「IoTの時代では、製品を提供するだけでは不十分。」だと指摘。「顧客の開発期間を短縮できるように、我々はモジュールやレファレンスキット、開発環境なども提供している。成功するには顧客と協力する必要があり、完全なエコシステム・ソリューションを提供していくことが重要となる。そのために必要な投資を行っていく。」と語り、今後も精力的に能力および製品ポートフォリオの拡充を図る姿勢を示した。日本での活動についてはシステム・ソリューションズ・グループ(SSG)のマムーン・ラシード上席副社長兼ゼネラル・マネージャーが登壇。SSGは日本に拠点を置くビジネスグループで、富士通とのジョイントベンチャーである会津富士通ウエハ・ファブでは3種類のプロセス技術を量産化し、追加でさらに3種類のプロセス移管を進めているほか、新潟工場も今後能力を増強するなど、日本での存在感を拡大する活動を継続していくとしている。
2015年12月09日国土交通省は11月17日、羽田空港機能強化方策の具体化に向けた取り組みの進捗を発表。7月から9月にかけて実施した住民への第1フェーズの説明会では、10月15日までに総数約5,900件の意見があり、12月11日からは住民等からの意見を踏まえた第2フェーズの説明会を各地で開催する。羽田空港の機能強化・国際線増便は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを円滑に開催すること以外にも、訪日外国人を呼びこむことで日本全国の経済活性化、首都圏の国際競争力の強化、また、国内線と国際線を結ぶことで地方活性化等を目的にしている。そのための方法として、運用時間を限定して都心上空をゆく新飛行経路を設定すると、1時間当たりの発着回数を現行の80回から90回まで増やすことができるという。深夜・早朝時間帯以外の国際線に関しては、年間約6万回の現状から2020年には年間約9.9万回と、最大で年間約3.9万回(約1.7倍)の発着回数の増加が可能になる計算となる。この新飛行経路は都心上空となるため、国土交通省は説明会を通じて騒音や安全対策も含めた今後の取り組みを説明し、一般から意見を求めてきた。第1フェーズの説明会は7月21日~9月15日にかけて、説明パネルの展示とあわせ担当者が参加者の質問に対して説明するとともに意見をとりまとめる「オープンハウス型」で実施した。東京都・神奈川県・埼玉県の16会場で行い、約6,000人が訪れたという。第1フェーズの説明会で一般から寄せられた約5,900件の意見は、「羽田空港国際線増便の必要性」「実現方策と課題への対応方策(対策や運用方法の工夫等)」「進め方(全体)」の観点から意見数の多寡に関わらず、意見要旨としてホームページ上で公開している。それらの意見の中には、羽田空港の機能強化に期待する声がある一方で、「羽田空港に集中させるよりも、茨城空港や静岡空港など周辺の地方空港を活用してほしい」など羽田空港以外の利用を希望する声や、「機体の大型化を進めれば、新飛行経路を使わなくてもよいのではないか」など新飛行経路に対する疑問も寄せられている。課題への対策として、新飛行経路の運用時間短縮や新飛行経路によって問題視される騒音対策の声も多く、「新飛行経路運用開始後も継続的なモニタリングをして、環境の変化を調査してほしい」などという要望も寄せられていた。また、今後増便される国際線に関しては、海外の航空会社に対する安全基準の設置やテロ対策の強化を求める声もあがっていた。第2フェーズにおいては、第1フェーズ説明会と同様の場を設けるほか、双方向の対話ができる環境も整えるという。また、特設ホームページや特設電話窓口等でも意見を常時受け付けている。第2フェーズ説明は12月11日~2016年1月31日にかけて、土日曜日・祝日も含めた日程で実施する。
2015年11月18日●ThinkPadの開発秘話を披露レノボ・ジャパンは11日、同社の設立10周年の節目を迎えるにあたり、今後の事業戦略に関する記者説明会を開催した。説明会では、同社代表取締役社長 留目真伸氏や、「ThinkPadの父」とも呼ばれる同社取締役副社長 内藤在正氏が、これまでの10年間を振り返るとともに、これからの取り組みなどを紹介した。○なぜ日本でThinkPadが開発されたのかはじめにレノボ・ジャパン 取締役副社長 内藤在正氏がThinkPadの歴史を振り返った。内藤氏は1974年に日本IBMに入社。「IBM マルチステーション5550」やその後継であるPS/55などの開発に従事した。このころは世界向け製品と日本向け製品でOSとハードウェアも異なっており、日本の開発部隊は日本向けの製品を作っていたが、DOS/Vが登場してから、この位置付けが変化し、世界向け製品の中における1機種の開発を日本で担うことになった。この部隊が開発したのがThinkPadだという。なぜ、日本の開発部隊がThinkPadの担当になったのかというと、当時の日本IBMには、TFTカラーディスプレイや小型HDD、低消費電力のCMOS、実装基板、チップセットなどから、藤沢研究所の製造ラインなど「小型PCを作るための要素技術がほぼすべてそろっていた」(内藤氏)ためだ。また、バッテリや高効率電源、FDD、キーボードやカーボンファイバーといった日本の協力企業が持つ技術力も大きな存在だったという。ユーザーが使うIT機器は1980年代から大きく変化してきた。端末やデスクトップPCでは、オフィスにいかなければ仕事ができなかったが、ノートPCの登場によってオフラインの仕事であれば会社の外へ持ち出すことが可能に。また、1998年を境にオフィスだけでなく、家庭や宿泊施設にもワイドバンドネットワークが導入され、ネットワークにアクセスできるようになったほか、現在ではWi-Fiや携帯電話網を利用して、オフィスにいなくても、オフィスにいるかのように仕事ができるようになった。「これが何を意味するかというと、デバイスの使いやすさや性能が仕事のアウトプットに影響するということ」と内藤氏。ThinkPadは当初から一貫してビジネスツールとして、PCを使ったり管理するわずらわしさを最小限にとどめ、どこにいてもオフィスと同様の生産性を提供し、ひいてはユーザーの成功を目的に開発が進められているという。○ThinkPad開発の歴史内藤氏はThinkPadの歴史を5つの世代に分けて説明する。第1世代は1992年から1999年まででThinkPadというブランドの創世記となる。初代ThinkPadの「ThinkPad 700C」からはじまり、最上位モデルには次々と機能が盛り込まれ、一方でエントリーの300シリーズや薄型軽量を目指した500シリーズ/600シリーズと製品自体のラインナップも拡充された。この時期、オーストラリアのユーザーから"非常に激しく壊れた"ThinkPadが戻ってきた。内藤氏は「それをみたときに開発陣は愕然とした。当時のThinkPadは70万円は必ずしていたので、われわれは"70万円もする製品だからきっと大事に扱ってもらえるだろう"と考えてきた。しかし返ってきた製品はそうではなかった。ツールというのは大切に使ってもらうのではなく、お客さまがどのように使ってもストレスがないように作らなければならないと学んだ」という。これを契機にテストの仕方も変化した。それまで要求スペックに対してまでのテストしかしていなかったところ、どこまで何をしたら機械が壊れるかというテストをしたうえで、その次のレベルを目指すようになったという。「機械を見るのではなく、機械の先にいるお客さまを見るという文化が確立されたと思っている」(内藤氏)。続く第2世代は2000年から2004年。第1世代で多様化したシリーズの再定義が行われ、「A」「T」「X」「R」といったラインナップに整理されたのがこの時期だ。さらに、このころから操作方法の統一かや部材・オプション製品の共通化が図られた。これについて内藤氏は「当時のIBMの社長から"新しいThinkPadを贈ってくれるのはうれしいが、なぜ新しいThinkPadが届く度に電源スイッチを探さなければならないのか"と尋ねられ、確かに機種間の整合性が欠けていた」とその理由を紹介した。またこのころは「開発陣にとって非常につらい時期だった」と内藤氏。CPUが早くなると同時に消費電力も増え、設計が難しくなっていた。その一方でユーザーからはより低価格の製品が求められるなど葛藤の時期だったという。その葛藤の最中、2005年にLenovoがIBMのPC事業を買収し、開発陣はLenovoへ移籍することになった。「お客さまからはThinkPadが変わってしまうのではないかと心配されたが、"同じ開発理念、同じ開発部隊で続いていくので、ThinkPadは変わりません"と説明した。たくさん励ましもいただきありがたかった」と当時を振り返った。Lenovoブランドとなった2005年から2009年が第3世代だ。第2世代で取り組んだ冷却や無線、電源管理といった技術や、ThinkVantageといったソフトウェアの開発が花開いた時期だ。このころ、アメリカの大学に赴き、「学生がどのようにPCを壊すか」を調査。その結果を堅牢性の試験ラボに取り入れたという。2010年から2012年までの第4世代では、SMB(中小企業)向けに開発されたThinkPad Edgeシリーズなどを新たに投入。2012年からの第5世代では、タブレットや2-in-1といった新たなフォームファクタを提供するほか、ThinkPad X1 CarbonやThinkPad Wシリーズといったクラムシェルモデルの追求といった挑戦を続けている。2014年には1億台の累計出荷台数を達成。このうち7,500万台はLenovoブランドになってからの数字だという。現在ではレノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータの開発陣が一体となって製品開発に取り組む体制が構築されており、今後もさらなる軽量・薄型化を実現するための技術や長時間駆動に必要な技術、新たなUIに向けたディスプレイやソフトウェアの開発、セキュリティの向上を目指して取り組んでいくとした。●会場では歴代のThinkPadも多数展示○レノボはこれから「未来型企業」へ - その鍵は"共創"続いてはレノボ・ジャパン 代表取締役社長 留目真伸氏が登壇。「この10年、レノボがやってきたのは新しい時代のグローバル企業を作るということにほかならない。中国の会社とアメリカの会社が一緒になったわけだが、文化的な壁をいかに乗り越えて新しい企業を作っていくことを目指していた」という。2009年から2015年まで25四半期連続で、ワールドワイドにおけるシェアを伸ばし、いまやPCでは世界1位、タブレットでも世界3位のシェアを獲得するに至っている。日本国内でも2005年の・ジャパン設立時には6.2%だったシェアが、コンシューマ市場への参入や、NECとの合弁会社設立を経て2015年には29%のシェアとなるまで成長した。これに伴い売上高も10年間で4倍となったという。留目氏はこれからの取り組みにあたり「われわれのビジョンは、パーソナルコンピューティングを人々の生活や仕事に浸透させることであり、その部分は変わらない」とし、そのうえでPCやタブレット、スマートフォンといった個人が使うデバイスから、それを支えるネットワークやサーバ機器といった分野にも注力していくとした。その一方で、「順調にシェアを獲得してきたが、現状を考えるとわれわれが目指す"デジタルライフ"や"デジタルワーク"が実現しているかというとそうとはいえない。PCでできることがタブレットやスマートフォンで可能になっても、やってることはこれまでとあまり変わらない。また、生活の中でコンピューティングパワーにサポートされている時間なんてほんのわずかしかない。これではいけないと思う」と課題を挙げる。これに対してNECレノボ・ジャパングループでは「DREAM」(Digital Revolution for Empowering All Mankind)構想を打ち出し、すべての人が常時コンピューティングパワーを使うような社会を2020年まで実現させることを目指す。NECレノボが掲げるデジタルライフやデジタルワークのイメージやそこに至る道すじを共有化し、スタートアップや他業界の企業、エンドユーザーまで巻き込んで「共創プロジェクト」として推進する。すでに取り組みは始まっており、由比ヶ浜の海の家「Lenovo House」や渋谷のハロウィンイベントも「共創プロジェクト」の一環で、地域の一部だけでなく全体の活性化などを想定しているという。留目氏は「この構想を通じて、NECレノボ自身も外部のパートナーやエンドユーザーともオープンでフラットな世界を作り上げて、新たなワークスタイルを作り出すような"未来型企業へ"脱皮を図りたい」とした。○歴代のThinkPadも多数展示会場では歴代のThinkPadが多数展示された。以下、写真で紹介する。
2015年11月12日Peach Aviationは11月2日より、「客室乗務員オーディション」のエントリーを開始した。今回の採用では同社初となる、国際線就航地の韓国と台湾にて会社説明会を実施する。新たに採用する客室乗務員は75人程度で、入社時期は2016年5月以降を予定している。今回初めて海外での説明会を実施することで、アジアのかけ橋となる海外の仲間を積極的に採用することを目指している。また、同社は9月より客室乗務員新人事制度を導入している。これまで客室乗務員の雇用形態は最大5年の期限付き有期雇用だったが、この新人事制度では3年間の有期雇用期間を経た後、社内基準を満たすことで無期雇用への切り替えが可能になった。エントリーの締め切りは12月6日まで。雇用形態は契約社員(当初は訓練生として契約、その後客室乗務員として契約)、対象者は専門学校・短期大学・4年制大学を2015年3月までに卒業かつ就労経験のある人、または高等学校を卒業後に3年程度以上の就労経験のある人としている。そのほか詳細は、Peach採用サイトを参照。
2015年11月04日カドカワはこのほど、同社が2016年4月に開校を予定している「N高等学校」学校説明会・個別相談会の臨時開催を発表した。○KADOKAWA 中経出版のオリジナル教材を使用以前にマイナビニュースでも紹介した「N高等学校」は、現在のネット社会に対応した新しい高校。授業やレポート提出をネットで行うため、生徒は時間を問わず自身のペースで授業を受けたり、ネットを通じて講師に質問することができる。同校では、大学進学を目指すためのオリジナルカリキュラム授業をネットを通して行う。学習参考書の出版社として約30年の歴史を持つ KADOKAWA 中経出版の全面協力によるオリジナル教材を用いて、大学受験に必要な実力を養う。また、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の著者で坪田塾塾長の坪田信貴氏がスペシャルサポーターを務める講師陣の指導も実施。これまでのネット授業にはなかった双方向性のある授業のため、同級生と一緒に教室で授業を受けている感覚で受講できるのも特徴だという。通常科目だけでなく、業界のプロフェッショナルから、多種多様な「課外授業」をネットで受講することも可能。ドワンゴのトップエンジニア陣から学ぶ「プログラミング授業」や、KADOKAWAから作品を出版する作家が教える「文芸小説創作授業」のほか、ゲーム、アニメなど、希望に沿ったカリキュラムを選択できる。○ネットオープンキャンパスも実施開校に先立ち、同社は11月1日にフクラシア東京ステーション、11月3日に梅田阪急ビルオフィスタワー26階で学校説明会を行うと発表していたが、東京開催の相談会が早期に定員に達したため、東京での臨時追加開催が決まった。追加開催日は11月7日、10時半~11時半に学校説明会、12時以降は個別相談会を行う。場所は1日と同じフクラシア東京ステーションを予定している。また、会場に来られない人のためにネットオープンキャンパスを開催。11月より月1回のペースでニコニコ生放送で配信する。初回となる11月9日21時配信分の講師は、Ruby開発者 まつもとゆきひろ氏。自身の高校生活、Ruby開発の発端、現在の取組み、開発中の新言語Streemについての課外授業を放送予定となっている。
2015年10月22日●フィルターの掃除までおまかせ日立アプライアンスは、報道関係者向けに新製品説明会を開催。冬に需要が高まるという空気清浄機と掃除機を取り上げ、10月24日に発売予定の加湿空気清浄機「自動おそうじ クリエア EP-LVG110」(以下、EP-LVG110)、9月に発売された紙パック式掃除機「かるパック CV-PC500」(以下、CV-PC500)を紹介した。○フィルターが勝手にキレイ?説明会では、日立アプライアンス 商品計画本部 主任 湧廣修氏が登壇し、製品の開発背景やデモを交えた説明を行った。湧廣氏いわく、日立アプライアンスの空気清浄機購入者を対象に調査を行ったところ、不満点として「本体の大きさ」がトップ、「お手入れの面倒さ」が次点で挙げられたという。「普段お手入れする場所」を尋ねたところ、66%以上が「プレフィルター」と答えた。そこで、新製品となるEP-LVG110は、国内の家庭用加湿空気清浄機としては業界初となる「自動おそうじ機能」を搭載した(日立アプライアンス調べ)。自動おそうじ機能を実現したのは、本体裏面のカバーに配置された「自動おそうじユニット」。ユニットには洋服のホコリなどを除去するエチケットブラシと同じ素材の起毛生地が埋め込まれている。この起毛ブラシが、プレフィルターに沿って上下に動くことで、表面のホコリを取り除く仕組みだ。集めるだけではなく、除去したゴミを自動でダストボックスへ運ぶ。ユーザーが行う手入れは、目安として年に1回ほど、ダストボックス内のゴミを捨てるだけ。おそうじユニットは簡単に取り外せ、まるごと水洗いすることも可能だ。●フィルターは10年交換いらず○10年間交換不要な高性能フィルター空気清浄機能にとって重要なフィルターは、前述のプレフィルターと、「アレルオフ微細じんHEPAフィルター」、「洗える脱臭フィルター」の3枚構成。外気にさらされるせいで一番汚れやすいプレフィルターは、ステンレス製で汚れが落ちやすく、水洗いも可能だ。アレルオフ微細じんHEPAフィルターは浮遊ウイルスや細菌、花粉やダニのフンといったアレル物質をキャッチして活動を抑制。0.1~2.5μmの粒子を99%、0.3μm以上の粒子を99.97%以上キャッチできる。屏風状に折りたたんだ状態で収納されているが、広げると長さは約9.96mもあり、広い表面積を利用して微粒子を捕まえる。さらに、表面積を広げたことで、約10年間、フィルター交換が不要になった。洗える脱臭フィルターは、活性炭の微細孔にニオイ成分を吸着し、ペット臭やたばこ臭、排水口のニオイなどを低減するというもの。ニオイ成分が吸着するため、フィルターにニオイが残ることもあるが、気になったときに水洗いすれば、こちらも約10年間交換する必要がないそうだ。○48畳の部屋で使える強力パワーEP-LVG110のもう一つの特徴が、適用床面積48畳というパワフルさ。空気を両サイドから吸い込む「ワイドスピード集じん」を採用しており、8畳の部屋なら約6分で清浄可能。これは、家庭用の加湿空気清浄機においては業界最高水準のパワーだという(2015年10月24日の発売時において。日立アプライアンス調べ)。汚れやすいパーツにはステンレス素材を使用した「ステンレス・クリーン システム」を引き続き採用。空気吹き出し口やフラップ、プレフィルターはステンレス製で、菌が接触しても、ステンレスに含まれる金属イオンにより菌を抑制するという。気流を作り出すファンは樹脂製ではあるものの、銀イオンを練りこむことで抗菌効果を持たせた。本体表面にはガラスパネルを採用。樹脂製のパネルでは落ちにくい汚れも、ガラス製ならばサッと拭くだけで簡単に落ちる。操作ボタンは凹凸のないタッチパネル式で、こちらも拭き取りやすく、デザイン性が高い。説明会で紹介されたのは、適用床面積48畳のEP-LVG110だが、会場には適用床面積42畳のEP-LVG90と適用床面積32畳のEP-LVG70も展示。さらに、除湿機能を搭載した適用床面積31畳のEP-LV1000と、加湿機能を搭載しない適用床面積15畳のパーソナルモデルEP-LZ30も展示されていた。●紙パックは排気がにおう?○「かるパック」のプレミアムモデル空気清浄機に続いて、9月に発売済みの紙パック式掃除機「CV-PC500」についても説明された。CV-PC500は重量が2.3kg(本体のみ)と軽量でありながら、吸込仕事率が360Wと強力なのが特徴。さらに、運転音が51~57dB(目安として、普通の会話が60dBとされる)と比較的静かで、「耳障りに感じやすい」といわれる高い音を出さないよう開発されている。紙パック式は一度ゴミの中を通った空気が排出される仕組みのため「排気がにおう」と思われがちだ。しかし、CV-PC500は「ナノテク高捕じんプレミアム衛生フィルター」や「高集じんフィルター」「アレルオフフィルター」といった複数のフィルターを採用。吸い込んだゴミを99.999%逃さないため、排気臭も抑制できるという。会場では製品に大量のスモークを吸わせる実験も行われたが、CV-PC500の排気口からは、まったく煙が漏れることがなかった。
2015年10月08日シスコシステムズは9月29日、2016年度事業戦略説明会を開催した。説明会では、今年5月に代表執行役員社長に就任した鈴木みゆき氏が日本における事業戦略、フォーカス分野などについて説明を行った。鈴木氏は冒頭に、社長就任後に学んだことについて語った。「シスコに対するニーズにこたえることが経営の原点と考えている。まずは、できるだけ多くのお客さまやパートナーに会い、シスコに対する声を聞きたいと思い、これまで170社350名の方とお会いした。そこから、お客さまが課題を解決するソリューションと手厚いサポートを求めていることがわかった」(鈴木氏)さらに、シスコの"いつでもどこでも"働くことができるワークスタイルに革新性を感じ、こうしたノウハウにより、日本の柔軟性の高い働き方の推進に貢献できると述べた。「シスコについて、ネットワークだけでなく、その上で動くソリューションも提供できる企業というイメージを定着させることが私のミッション」とも語った。続けて、鈴木氏は日本法人の重点戦略の柱として「日本市場により根ざした事業展開」「お客さまのデジタルビジネス支援」「統合ソリューション・ビジネスの強化」の3点を挙げた。日本市場に根ざした事業展開の具体例としては、今年9月に発表したばかりの「Cisco Start」がある。Cisco Startは、国内の中小企業向けの日本独自のブランドだ。「Cisco Start」の製品戦略は「日本企業の要求にコミット」「リーズナブルな価格設定」「充実の機能群」となっている。製品第1弾として、ギガビット対応VPNルータ「Cisco 841M Jシリーズ」が発表されている。また、サポートについても、ユーザー・インタフェースの日本語対応や日本語サポート窓口の設置など、体制を拡充していく。デジタルビジネスの支援については、「IoT(Internet of Things)」「セキュリティ」「グローバルサービスプロバイダー」といったジャンルを中心に取り組んでいく。同社は、IoTを発展させ、「IoE(Internet of Everything)」というコンセプトを掲げているが、昨年11月にはパートナー10社が参加する「IoEイノベーションセンター」を設立したほか、東芝とIoT分野で提携した。今年に入っては、慶應大学のIoT研究にファンディング、「Cisco IoT Sysytem」の発表などが行われた。鈴木氏は「IoTの普及には、産官民の協力が不可欠だが、産業、公共、学術とバランスよく連携を図ることができた」と語った。今年度は「Mind Share to Market Share」という方針の下、「IoE」に取り組んでいくという。注力分野としては「製造業」「パブリックセクター」「サービス」が挙げられた。セキュリティについては、今年6月に、CEOを退任し会長に就任したジョン・チェンバース氏が発表した戦略「Security Everywhere」に基づき、あらゆる場面で利用可能なセキュリティ製品、セキュリティ・クラウドサービスを展開していく。また、セキュリティ対策を実施するにあたり、計画・構築・運用まですべてのフェーズでサービスを提供していくほか、クラウド上のセキュリティ・インテリジェンス「Cisco Collective Security Intelligence」と各製品/サービスの連携を図っていく。グローバルサービスプロバイダー事業では、世界大手のキャリアやサービスプロバイダーを対象に、仮想化やSDNから構成される次世代ネットワークへのトランスフォーメーションを支援する。シスコと言えば、ハードウェアベンダーというイメージが強いが、ソフトウェアビジネスにも力を入れており、2015年度のグローバルでのソフトウェアの売上は1兆円に上るという。2016年もさらにソフトウェアとハードウェアを組み合わせたソリューションビジネスの拡大を目指す。例えば、ソフトウェアを購入してもらった顧客にその成果をビジネスに生かしてもらうべく、顧客のビジネスプロセスを踏まえた利用方法を提案する「定着化支援サービス」を提供している。このサービスをパートナー企業からも提案できるよう支援していく。体制については、これまで「製品によって窓口が異なるなど、煩雑」という顧客の声を踏まえ、製品と営業の一本化を図る。これに加え、営業のマインドセットを製品からソリューションセットへ変更するという。
2015年09月30日ダイキン工業は、9月16日に発売されたコンパクトな加湿空気清浄機「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55S」の説明会を開催した。新型の加湿ストリーマ空気清浄機は、従来の形状とは異なるスリムタワー型を採用し、設置面積が小さくなっているのが特徴だ。説明会では、構造のちがいや大きさ、運転音など、旧モデル「MCK55R」との比較が行われた。○加湿機能付き空気清浄機の需要は増加傾向はじめに、ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長 谷内邦治氏が、市場動向や製品開発の経緯について説明した。ダイキン工業は2008年に加湿機能付きの空気清浄機を初めて発売し、2009年には加湿空気清浄機の需要を大きく伸ばした。その後、花粉の大飛散やPM2.5が話題になり、2012年度は空気清浄機が300万台に迫る爆発的な売れ行きを記録。2013年以降、空気清浄機市場は縮小傾向にあったが、加湿機能を持たない空気清浄機から加湿空気清浄機への買い替えや買い増し需要は拡大傾向にある。特に求められているのは、リビングなどの広い空間向けより、寝室や子供部屋で使用するコンパクトな加湿空気清浄機だ。小さな空間で使用する際のニーズに応えるべく、省スペースでも置けるようなコンパクトな加湿空気清浄機を開発するに至った。○スリム化することで、部品もゼロから作り直し空気清浄機に対する1番のニーズは「しっかり集じんする」という基本性能だ。ただ、基本性能を追求すると本体が大型化し、コンパクトにしようとすると運転音が大きくなるといった、相反する技術的課題も。難しいながらも、MCK55Sでは旧モデルの集じん性能を維持しながら、コンパクト・静音の実現を目指した。特に6畳、8畳、10畳といった比較的狭い部屋に設置するには、設置スペースを小さくすることが求められるため、部品から構造に至るまで、ゼロから見直している。大きく変わったのは、部品の配列。旧モデルのMCK55Rは、前から奥に向かって部品を横に配列している。ダイキン工業に限らず他のメーカーも同じような構造を採用しており、スタンダードともいえる方式だ。しかし、この方式では、性能を維持しながら静音を実現しようとすると、本体が大型化するという欠点がある。そこで、改めて構造を見直し、MCK55Sは下から上に部品を積み上げる縦方向の方式を採用した。下から送風ファン、集じんフィルター、脱臭フィルター、加湿ユニットの順で、上部に手入れが必要な部品を集約している。その結果、旧モデルと比べると容積は約85%となり、設置面積も30%縮小、人が感じる運転音(SONE)は30%低減している。旧モデルのMCK55Sは幅が374mm、奥行きが280mmだったが、MCK55Sは幅と奥行きともに270mm。底面が正方形のすっきりしたタワー型に生まれ変わった。スリムになっても従来通りの高い空気清浄性能を維持している。独自の除菌・脱臭技術「ストリーマ」と、イオンの力で部屋に染み付いたニオイや菌を除去する技術「アクティブプラズマイオン」のダブル方式を採用しており、0.1~2.5μmの粒子を99%除去できる。さらに、吸い込み口と吹き出し口の距離が離れたことにより、吸い込みの風と吹き出しの風がぶつかってはね返ることがなく、効率よく吸引できるようになった。吸い込み領域も約20%アップし、より広い範囲のホコリを吸引できるようになったという。○手入れのしやすさも大幅に改善定期的な掃除が必要なプレフィルターを本体側面に配置したことで、フィルターを取り外すことなく、付着したホコリを直接掃除機で吸い取れるようになっている。ユーザーは掃除機の吸込口をMCK55Sの本体側面に当てるだけと、掃除の負担は軽減した。加湿用の給水タンクを本体上部に配置することで、ラクな姿勢で取り出せるようになった。しゃがむ必要がなく、立ったまま取り出せる。また、給水タンクの背の高さが旧モデルより110mm低い190mmになったことで、浅い洗面台でも給水しやすくなった。背が低くなったことで奥まで手が届きやすく、洗いやすいというメリットもある。さらに、有害物質を酸化分解するストリーマユニットは、これまで定期的なメンテナンスが必要だったが、放電部の構造を見直すことで、メンテナンス不要になった。○子どもがいても安心して使える細かい配慮小さな子どもがいる家庭では、いろいろなアクシデントを想定しておかなければならない。予想外のいたずらをする場合があるからだ。空気清浄機で多いのは、子どもが送風口にモノを入れてしまうこと。異物落下を防止するネットがあるものの、鉛筆などが入ってしまったときは、外に出せない場合がある。爪楊枝のような細長いモノは、簡単にネットを通って入ってしまい、送風口近くにある高速回転する送風ファンに当たって故障することも。MCK55Sなら上から何か異物が入ったとしても、そこにあるのは高速回転するファンではなく、ゆっくりと回る加湿ファンなので、ぶつかったとしても危険性はない。すぐに異物を取り除くことができる、今までにない構造だ。これは、子供がいる家庭にとってはうれしい改善と言えるだろう。重いモーターやファンを下に配置することにより、重心をできるだけ下げているため、子どもがぶつかってしまっても、倒れにくい。もし心配であれば、安定性を高める「置台」も別売で用意されている。小さな子どもがいる家庭なら、こういったオプションを利用するとさらに安心して使えそうだ。
2015年09月18日ヴイエムウェアは9月8日、米国サンフランシスコで開催された年次カンファレンス「VMworld 2015」で行われた発表に関する説明会を開催した同社はこれまでハイブリッドクラウドを推進してきたが、今回のカンファレンスで新たに「ユニファイド(統合)ハイブリッドクラウド」というコンセプトを打ち出した。統合ハイブリッドクラウドを導入すると、プライベート/パブリッククラウドの両環境にわたり、VMware vSphereを基盤とした一貫性のある単一の環境を構築でき、あらゆるアプリケーションを安全に開発・運用・配信できるようになるという。統合ハイブリッドクラウドの推進にあたって、パブリッククラウド「VMware vCloud Air」と「SDDC(Software-Defined Data Center)」において、機能拡張が行われる。vCloud Airについては、ハイブリッドクラウド環境における管理機能を提供する「vCloud Air Hybrid Cloud Manager」、その拡張機能として、クラウド間のライブマイグレーション「Cross-Cloud vMotion」などを実現するテクニカルプレビュー「Project SkyScraper」が発表された。Hybrid Cloud Managerの特徴の1つは、オンプレミスのネットワークセグメントをL2VPN トンネルを用いてクラウドに延伸できる点。これにより、オンプレミスのデータセンターからvCloud Airへ仮想マシンを移行することが可能になる。Hybrid Cloud Managerは、まずDedicated Cloud(専有型クラウド)向けに9月から提供が開始され、今年の後半にVirtual Private Cloud(共有型クラウド)をサポートする予定。Cross-Cloud vMotionは、オンプレミスのvSphereとクラウドのvCloud Airの間で仮想マシンのライブマイグレーションを実現する。ライブマイグレーション、コールドマイグレーションの両方をサポートする。Cross-Cloud vMotionはvSphere Web Clientから利用できるため、専用のインタフェースは不要となっている。統合ハイブリッドクラウドに関するSDDCの新たなソリューションとしては、「VMware NSX 6.2」と「Site Recovery Manager 6.1」「VMware Integrated OpenStack 2 」が紹介された。VMware NSX 6.2はマルチデータセンターの機能が強化されており、アクティブ・アクティブの状態で複数のデータセンターを1つのデータセンターのように扱うことを可能にするほか、vCenter間のvMotionを一貫性のあるルーティングとセキュリティでサポートする。Site Recovery Manager 6.1はVMware NSX 6.2と統合されたことでネットワークとセキュリティのマッピングの自動化を実現する。Cross vCenter vMotionのサポートにより、サイト間での仮想マシンの大規模なライブマイグレーションを管理でき、災害回避を可能にするという。同社が提供しているOpenStackのディストリビューションのバージョンアップも行われ、VMware Integrated OpenStack 2.0が発表された。同製品は、OpenStackのコードとVMwareのドライバとワークフローを15分で単一のOVAファイルから展開できる。Integrated OpenStack 2.0はOpenStack Kiloを基盤としており、アップストリームOpenStackコードを採用しているほか、バージョン1.0からのシームレスなアップグレードが可能となっている。さらに、大規模なSDDCの展開や稼働を実現するソリューションとして発表されたのが「VMware EVO SDDC」「VMware Virtual SAN 6.1」となる。VMware EVO SDDC(旧称:VMware EVO: RACK)はSSDDCを実現させるためのソフトウェアスイートで、事前に要件を満たしたハードウェアに展開する形で利用される。同社のコンピューティング、ネットワーク、ストレージ リソースを統合したハイパーコンバージド・インフラストラクチャ・アプライアンスとして、「VMware EVO:RAIL」を提供しているが、EVO SDDCは、EVO:RAILの機能に加え、クラウドの自動化とネットワークの仮想化を実現できる。同社は、EVO SDDCを「SDDCを最も容易に導入・運用する方法」としている。同社のハイパーコンバージド・インフラの基礎となる「VMware Virtual SAN 6.1」は、新機能として「Stretched Cluster」が追加されたほか、レプリケーションの機能が強化され、VMware vSphere Replicationは5分間の目標復旧時点(RPO)を提供することが可能になった。そのほか、パフォーマンス モニタリング、原因分析、キャパシティ プランニング向けのヘルスチェック機能も追加された。同社は、クラウド・ネイティブ・アプリケーションの導入という観点から、コンテナ技術に取り組んでいる。VMWorldでは、仮想マシンとコンテナの併用を実現するプラットフォーム「VMware vSphere Integrated Containers」とクラウド・ネイティブ・アプリケーションに最適化されたプラットフォーム「VMware Photon Platform」のテクノロジプレビューを発表した。VMware vSphere Integrated Containersは、同社が開発した軽量LinuxOS「Photon OS」、稼働中の仮想マシンのクローンをインメモリで高速に作成するvSphere 6.0の新機能「Instant Clone」、DockerコンテナをVMware vSphere基盤へシームレスに統合するための仕組み「Project Bonneville」から構成される。現在、コンテナ技術はセキュリティや管理面で課題を抱えており、企業での利用が進んでいないが、VMware vSphere Integrated Containersは「仮想マシンごとに1つのコンテナ」というアプローチを取ることでコンテナの課題を解決し、企業でのコンテナ導入を推進していくことを目指している。一方、VMware Photon Platformは、大規模、変動の大きいワークロード、高可用性などの環境に最適化されたマルチテナントかつAPIベースのコントロールプレーン「VMware Photon Controller」、VMware ESXiをベースとした軽量化されたハイパーバイザー「Photon Machine」から構成される。さらに、エンドユーザー・コンピューティングについて、企業のWindows 10の導入を加速させるクライアント管理に関する取り組み「Project A 2」が発表された。Project A 2では、新しいアプリケーション配信技術「VMware App Volumes」を「AirWatch エンタープライズ モバイル管理(EMM)」と組み合わせて、Windows PCやWindowsアプリケーションのアップグレードに伴う費用や複雑なプロセスを軽減し、企業でのWindow 10の導入を加速する。具体的には、アプリコンテナをドライブとしてアタッチして、Windows 10の物理環境にアプリケーションが展開できるようになる。
2015年09月09日富士通は9月2日、同社グループのマイナンバー制度に対する取り組み状況に関する説明会を開催した。冒頭、富士通 マーケティング戦略室 番号制度推進室長 木田順啓氏は、富士通グループのマイナンバーに対する取り組み方針を、「富士通では、マイナンバー制度を社会基盤の1つとして捕らえており、間近に迫ったマイナンバー制度施行に向けた対応と、将来の利活用についてICTの観点から支えたいと思っている」説明した。同社ではマイナンバー制度のビジネスを、政府・官庁向け、自治体向け、民間向けの3つの分野に分けており、政府・官庁向けでは市場規模1,000億の2割にあたる200億、自治体向けでは市場規模1,000~1,500億円弱のうち350億円、民間向けでは100億円の、計650億円の獲得を目標に設定しているという(2014年度~2016年度)。なお、これらにはマイナンバーの利活用の部分の金額は含まれていない。同社のマイナンバーに対応のスケジュールとしては、マイナンバーの通知が開始される2015年/10月、各種手続きの利用開始となる2016年/1月、新入社員への対応が必要な2016年/4月、2016年の年末調整への対応が必要な2016年/9月の4つボリュームゾーンを想定しているという。マイナンバー制度では、ガイドラインで示された安全管理措置が対応が大きな課題になっているため、同社では運用プロセスの見直しをシステムの改修とともにやっていくという。セキュリティ対策について木田氏は、「マイナンバーのためにセキュリティを強化するのではなく、内部統制、情報漏えい対策なども含め、マイナンバーを1つの契機にセキュリティ対策を見直してほしい」と語った。富士通のマイナンバー対応ソリューションには、コンサルティングサービス、システム対応、教育サービス、セキュリティサービスがあり、システム対応では、既存システムの改修、別システムとしてのアドオン、マイナンバー管理をアウトソーシングするBPOサービスが用意されている。同社によれば、現在はマイナンバーの配布が近いこともあり、ほとんどの顧客はマイナンバーの収集方法で悩んでおり、できるだけ手間がかからず、無理のない方法で、安全でセキュア、ミスのない収集方法を模索しているという。なお、マイナンバー対応では各省庁から出されているガイドラインに適合させる必要があるが、具体的なものが示されておらず、対応を迷う面がある。これに対して、富士通グループではSDN規格を決め、その中にアクセス制御、ログの消去など、マイナンバーに向けた基準を設け、それを満たさないと出荷できない仕組みになっているという。木田氏はこの点について、「ガイドラインをどう理解していくかについては、昨年の12月にガイドラインが出される以前から対応をを検討し、基準を定めてきた。また、富士通自身も大きな会社なので、どういった対応すべきかについては、社内にもPDCAサイクルをまわすような仕組がある。これら社内実践の経験もシステムに反映していきたい」と述べた。
2015年09月03日日本オラクルは8月26日、ERP/EPMクラウド事業戦略に関する説明会を開催した。同社は2016年度のSaaSビジネスの取り組みとして5つの柱を立てているが、その1つが「ERP/EPM Cloud」となる。ERP/EPMクラウドを統括する、常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ERP/EPMクラウド統括本部長の桐生卓氏は、ERPの近年のトレンドとして、2層型の導入が進んでいると説明した。導入とは、コアとなるERPとしてはグローバルで利用されるパッケージを採用し、事業や拠点単位でローカルのERPを採用し、双方のERPにおいてデータ連携を図るものだ。その目的としては、顧客や市場への最適化を図ること、迅速にビジネスを立ち上げること、事業再編やM&Aなどがあるという。迅速な立ち上げが求められる「ローカルERP」にはクラウド型のERPが採用されるケースが多く、同社としてはこの市場を狙っていく。しかし、桐生氏はこの「2層型ERPモデル」には、とりあえず単機能で安価なサービスや、現場レベルでバラバラにサービスを導入した結果、各サービスやシステム間で連携できないという問題が起こっていると指摘した。そこで、同社としては、「地域統括管理が可能」「広い言語や各国の法制度に対応」「多様な業種・業態への対応」「他の業務領域への拡張と連携」が可能な同社のOracle ERP/SCM Cloudによって、この課題を解決していくという。桐生氏はOracle ERP/SCM Cloudの特徴として「業務統合性」「データ統合性」「セキュア」を挙げた。業務統合性とは、企業の基幹業務を網羅しているうえ、各業務を全体最適化して稼働させるためのビジネス・プロセスを実装していることを指す。データ統合性とは、データモデルが単一であるため、業務とビジネス・プロセスを統合して、ビジネスデータをそのまま活用できることを指す。また、高いコンプライアンスを確保したデータセンターを活用しており、Oracle Application Cloud環境では統合されたID管理が行えるほか、顧客ごとにデータベースが切り離されており、「セキュア」な環境が保たれている。競合のERPベンダーに対するアドバンテージについては、「今、ERPには新たなプラットフォームへの対応が求められている。競合の場合、再構築するしかないのに対し、われわれはPaaSを用いてデータを移行することもできるし、ERP Cloudに移行するという手段も利用できる。さらに、SaaSをつなげていくことができ、新たな機能を使いたくなっても開発する必要がない。また、競合はERPの上流工程となるマーケティング、営業関連といったソリューションが欠けている」という説明がなされた。同日、製造業の製品企画を支援する新たなクラウドサービス「Oracle Innovation Management Cloud」が発表されており、同サービスの紹介も行われた。クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部ビジネス推進部 担当ディレクターの中島透氏は、「PLMに近い製品だが、PLMが製品開発・設計の効率化や迅速化を実現するのに対し、Oracle Innovation Management Cloudは製品設計に入る前の製品企画を支援するもの」と、新製品の特徴を説明した。製品設計の前に、事業の方向性、製品企画、法律関係など、製品設計の前の段階で考えるべきことがたくさんあり、その中でどの製品に注力すべきかについても決める必要があるが、これらに関わる情報を管理できる手段が「Oracle Innovation Management Cloud」となるという。「Oracle ERP Cloud」の1つである複数のプロジェクトを管理する「Oracle Project Portfolio Management Cloud」、製品ライフサイクル管理アプリケーション「Oracle Product Lifecycle Management」と連携することにより、商品化に向けた一連の流れを一元的に管理することが可能になる。中島氏によると、グローバルではすでに10社が採用しており、5万ユーザーの契約がなされているという。
2015年08月27日ベクトルは17日、シネ・リーブル池袋にて会社説明会を行い、自社を舞台とした「東京PRウーマン」を先行上映した。○「東京PRウーマン」は、PR会社ベクトルが舞台!2016卒就職活動は例年より3カ月の後ろ倒しの3月解禁、また先行時期も繰り下げにより8月開始となった。これを受け、同社は新たな採用方法として、BS-TBSとタイアップ映画製作事業を発足し、リクルーティング映画「東京PRウーマン」の製作を行った。同作品には、海外で注目されているPR手法"ストーリープレイスメント"が用いられている。これは、ドラマや映画作品の中で商品を露出させる"プロダクトプレイスメント"から発展したもの。ストーリーそのものが商品やサービスと連動することで、鑑賞者にとってより深いレベルで企業・商品・サービスについての理解を促す手法となっている。プラチナムの代表取締役社長の吉柳さおり氏は「PRという仕事はなかなか簡単に説明することが難しい仕事なので、こういった映像をつくって、より多くの方々に知っていただきたい」とコメントした。同社を舞台とした映画作品を上映する会社説明会は、日本初の取り組みだという。今後、同社は「東京PRウーマン」を通じて一人でも多くの人にPRという仕事を知ってもらい、業界活性化に繋がることを期待している。さらに、日々変化する新卒採用の環境に様々な手法を用いてスピーディーに対応し、「いいモノを世の中に広める」という企業理念に共感する学生と最適なコミュニケーションを目指すという。今回製作された「東京PRウーマン」には、山本美月、山本裕典、桐山漣、井上正大、佐藤ありさ等が出演。また、脚本は「ドクターX~外界・大門未知子~」「東京少女」などを代表作に持つ林誠人、監督は「銭の戦争」「推定有罪」などを手掛ける鈴木浩介が担当している。
2015年08月19日●ご飯のおいしさも大事だけど使いやすさも大事日立アプライアンスは、「炊飯器・オーブンレンジ個別説明会」を開催した。説明会では、8月4日に発表された高級炊飯器「ふっくら御膳 RZ-WW3000M」(以下、RZ-WW3000M)で炊いたご飯や、7月発売の過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-RY3000」(以下、MRO-RY3000)で作った料理の試食体験も行われた。○新「ふっくら御膳」は使いやすさにもこだわった説明会の冒頭では、日立アプライアンス 家電事業部 商品計画本部 キッチン商品企画部の伴秀樹氏が、新型炊飯器のRZ-WW3000Mの開発背景について説明した。日立アプライアンスの調査によると、いわゆる高級炊飯器を購入した人が、炊飯器を購入する時に重視した機能は、1位が「おいしさ」、2位が「内釜」、3位が「使いやすさ」という結果になったという。また、実際に使ってみて感じた不満点の1位には、「手入れのしにくさ」が挙がった。一方、購入時に重要視される「内釜」についての不満はほとんどない。そこで、日立アプライアンスではおいしいご飯が炊けるのはもちろん、使いやすさにもこだわった炊飯器を開発したという。○内釜が約40%軽く伴氏によると、ご飯の甘みやモチモチとした食感に必要なのは「蒸らし」を高温で維持すること。しかし、蒸らし段階ではすでにご飯が水を吸いきっており、釜内には余分な水分がほとんどない。このため、蒸らし時にヒーターで加熱すると、ご飯が焦げ付いてしまう。こういった事情で、現在多くの高級炊飯器は「内釜の蓄熱性を高める」ことを重要視。その結果、内釜は大きく、厚くなる傾向にある。RZ-WW3000Mには、1.2気圧の圧力をかけながら高温スチームを発生させる「圧力スチーム」機能を搭載。沸点を105度に上げた状態で高温スチームを発生させて蒸らし温度を維持する。内釜の周囲を真空断熱材と空気断熱層で囲む「全周断熱構造」のおかげで熱が逃げにくいため、RZ-WW3000Mの内釜には蓄熱性がほとんど必要なく、上下の炊きムラを抑えるために伝熱性のほうが重視される。RZ-WW3000Mでは内釜の素材として、伝熱性に優れたアルミ合金を採用したことで、ご飯のおいしさを犠牲にすることなく、内釜重量で約720gを実現した。約1,200gだった従来モデル「RZ-VW3000M」の内釜に比べて、約40%軽量化した。日立アプライアンスは、内釜で米を研ぐ際、人間の上腕筋と橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)にかかる負荷を筋電計で数値化した。その結果、従来モデルRZ-VW3000Mの内釜と比較すると、内釜を持ち運ぶ際で約3割、洗米時で約2割、負担を減らせたという。説明会では、実際に洗米できる体験も。従来モデルと新モデル、両方で洗米した参加者からは「新モデルのほうが軽い」という声が聞かれた。米の浸し時間・温度、蒸らし時間を調整することで、「もちもち感1」から「もちもち感3」まで3段階の炊き分けができるようになった。「もちもち感1」は酢飯やカレーなどに適した食感で、「もちもち感2」は標準の炊きあがり、「もちもち感3」は炊飯に90分ほど時間がかかるものの、ご飯の甘みが強く感じられる炊きあがりになるという。また、ご飯のかたさは水分量で決まるため、内釜には水位を3段階で加減できる「おこのみ水位線」を設けた。●片付けも簡単なほうがいい○片付け効率が大幅にアップまた、炊飯器の不満点である「手入れのしにくさ」を解消するため、「蒸気口一体型内ふた」を採用した。従来モデルのRZ-VW3000Mでは、本体内部の内ふたのほか、本体外側にある蒸気口を取り外して毎回洗わなくてはならず、炊飯終了後は内釜、内ふた、蒸気口と、複数のパーツをシンクに持って行く必要があった。この手間を減らすために、RZ-WW3000Mでは、炊飯器内側の内ふたと外側の蒸気口を一体化させた「蒸気口一体型内ふた」を開発。炊飯終了後は、内釜と蒸気口一体型内ふたの2パーツだけを持ってシンクに移動できる。日立アプライアンスがモニター実験をしたところ、パーツを炊飯器から外してから、洗って、再び炊飯器に取り付けるまでの時間は、従来モデルでは119秒だったのに対し、RZ-WW3000Mでは80秒と約70%に短縮できた。炊飯器の外側に蒸気口を配置していると、毎回洗わなくてはならないパーツであるにもかかわらず、洗い忘れる人も多かった。これを内ふたと一体化したことで洗い忘れを減らせるという効果も見込める。RZ-WW3000Mは従来モデルに引き続き、炊飯時に発生する蒸気を蒸らし時や保温時のスチームとして再活用する「給水レス オートスチーマー」機能を搭載。このため、蒸気がほとんど炊飯器から漏れない。伴氏によると、高級炊飯器の2015年モデルで蒸気レスを採用しているのは日立アプライアンスの炊飯器のみであり、大きなアドバンテージだと考えているという。○Wスキャンの解凍機能も体験説明会では、過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-RY3000」の体験試食会も行われた。MRO-RY3000最大の特徴は、食材の重さと温度を両方センシングし、適切な温度に加熱できるという「Wスキャン」システム。そこで、会場では少量の牛乳を60度に温める実験と、200gのミンチ肉を解凍する実験が行われた。また、MRO-RY3000は「ふ」や「はんぺん」などを肉の代わりに使用する「ヘルシーメニュー」も自動調理コースとして搭載している。説明会の最後には、MRO-RY3000で解凍したミンチで作った煮込みハンバーグと、肉の代わりにちくわを使った「ちくわのチンジャオロウスー」も振る舞われた。
2015年08月06日Wi-Fi Allianceは7月14日、近接情報認識の新技術である「Wi-Fi Aware」について記者説明会を開催した。現在、世界で65億人のモバイルユーザーと19億人のSNSアクティブユーザーがいるといわれている。時間軸とで見た場合、SNSでは「現在の近く」で起こっている出来事を知ることができるが、そこで重要となるのは発言の位置情報だ。例えば、小売店やイベント会場、自治体が近接情報を活用することで、より多くの収益を上げ、価値を高められる。2019年には、433億ドルの利益をもたらすと予想されている。近接情報の多くは、GPSやBluetoothビーコンなどの位置データ、あるいは「○店にいる」というチェックイン情報を元にしている。GPSは屋内では使えないか、または精度が大幅に落ちるうえ、サーバー情報をベースとした「近くにいる人」の情報は、少々古くなりやすい。また、大規模なイベントでデータ通信が多く発生すると、サービスレベルが低下する問題もある。○双方向の近接情報認識、新技術の「Wi-Fi Aware」そこで「Wi-Fi Aware」だが、これはWi-Fi Allianceの「Neighbor Awareness Networking」テクノロジーにもとづいた新しい近接情報認識技術で、各端末はサービス名と固有値を含めた小さなデータを発する。このデータ(ハートビート)を受信することで、近くに同じサービスの共有を希望するユーザーがいると、端末だけで判断できる仕組みだ。Wi-Fi Awareは、従来のBluetoothビーコンとは異なり、双方向でのデータのやり取りが可能であり、必要に応じてWi-Fi Directによる直接通信も行える。やや語弊はあるが、ニンテンドーDSの「すれちがい通信」を、多種のアプリケーションで使えるように標準化したようなものと思えばよいだろう。○チップベンダーからの支持は得ており、モバイルOSのAPIサポートが普及への課題フェルナー氏の説明によると、Wi-Fi Awareは、Wi-Fi Alliance内のチップベンダーから幅広い支持を受けている。すでに5社のベンダーが、対応チップを出荷しているという。ただし、Wi-Fi Aware対応アプリを作成するためには、モバイルOSがWi-Fi Aware用のAPIを提供しなければならない。現時点で対応を公表しているOSベンダーはないものの、水面下では動いているようだ。質問に対して「来年には対応スマホが出るだろう。あるいはOSに組み込まれる前に、一部ベンダーの独自実装でエコスステムを作るかもしれない」と回答していた。Wi-Fi Awareについては、YouTubeで「Wi-Fi Aware: Discover the world nearby」という日本語の説明ビデオが公開されているので、参考にするとよいだろう。
2015年07月14日大阪府は17日、セブン-イレブン・ジャパンと提携し、55歳以上の失業者を対象とした「セブン-イレブン仕事説明会」を24日に開催すると発表した。大阪府は、高年齢失業者の就業機会の拡大に取り組んでいる。今回実施する仕事説明会では、55歳以上の高年齢失業者を対象に、コンビニエンスストアでのレジ打ち等の接客や品出しだけではなく、食事や商品の配達といった様々な仕事内容の紹介や就業条件などを、わかりやすく説明する。募集エリアは、柏原市、四条畷市、大東市、羽曳野市、藤井寺市。説明会開催日は2015年6月24日、時間は1回目が13:30~14:30(受付13:00から)、2回目が15:00~16:00(受付14:30から)。場所はLICはびきの2階大会議室(大阪府羽曳野市軽里1-1-1)。参加費は無料。なお、同イベントは、大阪府とセブン-イレブンが締結している包括連携協定の取り組みの一環で実施する。包括連携協定とは、大阪府と企業のコラボレーションにより、様々な社会課題の解決を図るための協定のこと。
2015年06月18日