今回は、よく使う文章を「定型文」として登録しておき、メール本文の入力を簡略化する方法を紹介しよう。また、「定型文」の機能を応用して、別パターンの署名を用意しておく方法も紹介する。○「返信定型文」を有効にするGmailで「定型文」を利用するには、「返信定型文」という機能を有効にしておく必要がある。まずは「設定」ボタンから「設定」を選択し、Gmailの設定画面を呼び出そう。設定画面が表示されたら「Labs」の項目を選択し、画面を下へスクロールしていく。すると、「返信定型文」という設定項目が見つかる。この設定項目を「有効にする」に変更し、「変更を保存」ボタンをクリックする。これで「定型文」の機能を利用できるようになる。なお、「Labs」の項目に分類されている機能は、正式に実装されている機能ではなく、評価用に提供されている実験段階の機能となる。このため、変更や中断、もしくは機能そのものの提供が中止される可能性があることを頭に入れておく必要がある。安定性という面では若干の不安が残るかもしれないが、それ以上に「返信定型文」は便利な機能であり、本稿執筆時点では特に問題なく活用できている。Gmailの機能を発展させる意味でも、気になる方は試してみるとよいだろう。○定型文を登録するそれでは、よく使う文章を「定型文」として登録する方法を紹介していこう。まずは「設定」ボタンをクリックし、新規メールの作成画面を開く。メールの作成画面が表示されるので、「定型文」として登録する文章を本文に入力する。本文に署名が自動挿入されている場合は、署名の文字を削除してから「定型文」の文章を入力するとよい。文章を入力できたら、右下にある「▼」をクリックし、「返信定型文」→「返信定型文を作成」を選択する。あとは、「定型文」に名前を付けて「OK」ボタンをクリックするだけ。これで、先ほどメールの本文に入力した内容を「定型文」として登録することができる。以上で「定型文」を登録する作業は完了となる。メールの作成画面はもう必要ないので「下書きを破棄」ボタンをクリックして削除しておこう。○定型文を挿入する続いては、登録した「定型文」をメールの本文に挿入する時の操作手順を紹介していこう。「定型文」を挿入する位置にカーソルを移動し、右下にある「▼」をクリックする。続いて「返信定型文」→(定型文の名前)を選択すると、カーソルがあった位置に「定型文」を挿入できる。なお、この操作を行う時は、「挿入」のカテゴリにある(定型文の名前)を選択しなければならない。「保存」のカテゴリにある(定型文の名前)は、現在の本文を「定型文」の内容として再登録する場合に選択する。また、「削除」のカテゴリにある(定型文の名前)は、その「定型文」を削除する時に選択する。同じ(定型文の名前)が3つ並んでいてまぎらわしいので、間違えないように注意しよう。○定型文を署名として活用する前回の連載でも説明したように、Gmailは1アカウントにつき1つの署名しか登録できない仕組みになっている。とはいえ、仕事用と友人用で署名を使い分けたい場合もあるだろう。このような場合は「定型文」を署名として代用すると、複数の署名を使い分けられるようになる。別バターンの署名を「定型文」に登録する方法は、先ほど示した手順と同じだ。メールの作成画面を開き、別パターンの署名だけを本文に入力して「定型文」に保存すればよい。今回の例では、「友人用の署名」という名前で署名の「定型文」を登録した。この署名(定型文)を使用してメールを送信する時は、Gmailにより自動挿入される署名をドラッグして選択する。この状態で「定型文」に登録しておいた署名を挿入すると、選択していた文字(署名)を「定型文」に置き換えることができる。あとは、本文を入力して、メールを送信するだけ。送信相手に応じて署名を使い分ける方法として覚えておくとよいだろう。もちろん、複数の「定型文」を登録しておき、3パターン以上の署名を使い分けることも可能だ。工夫次第で便利に活用できるので、ぜひ使い方を覚えておくとよいだろう。
2015年10月26日ソニーとソニー不動産は8日、独自の機械学習技術を応用した「不動産価格推定エンジン」を開発したと発表した。○業界最高水準の精度を実現同技術は、両社が共同開発した機械学習ソリューション。ソニーR&Dのディープラーニング(深層学習)技術を核とし、ソニー不動産が持つ不動産査定のノウハウや不動産取引に特有の知識を導入している。様々な不動産関連情報を元に、独自のアルゴリズムに基づいてデータを解析し、不動産売買における成約価格を統計的に推定する。ソニー不動産広報は「不動産の査定は経験により差が出る場合がある。そこでソニーの機械学習技術を転用できないかと考えた」と話している。東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県のすべての中古マンションの推定成約価格を算出することができ、常に最新のデータを日々自動で学習する。推定精度はMER(Median Error Rate:誤差率の中央値)で5.48%と、業界最高水準の精度という。今後は、売却・購入コンサルティングサービスの利用者に対し、同エンジンで算出される推定成約価格を提供する新たなサービスを提供していく。また他のサービスとの連携も予定している。機械学習技術とは、人が持つ学習能力をコンピュータで実現しようとする技術。またディープラーニング(深層学習)技術は、近年急速に発展している機械学習技術の一つで、人間の脳の構造を模した計算モデルを用いる点に特徴がある。
2015年10月09日NTTデータは2015年10月1日付けで、同社グループにおける人工知能(AI:Artificial Intelligence)の応用ビジネスを推進するための組織として、「AIソリューション推進室」を技術開発本部サービスイノベーションセンタ内に設置すると発表した。AIソリューション推進室は、NTTの研究所が保有する人工知能技術(音声認識、画像認識、自然言語処理、知識処理、機械学習など)と、NTTデータが保有する情報活用ノウハウ・プラットフォームを組み合わせ、人工知能を活用した幅広いシステム・サービスの創出などを目的としたもの。当初は、人工知能技術のスペシャリスト20名の体制で活動を開始し、順次体制を拡大していく。同社はすでに、「融資審査やマーケティング分析のミドルオフィス業務における意思決定・知的判断の支援 」「窓口やコンタクトセンターの顧客対応業務における手続き、商品などの相談支援」「オフィス、公共施設、店舗などでのグローバルなコミュニケーションの支援」「スマートフォンなどのモバイル端末や人型ロボットを介したコンシューマー向け対話型サービス」において、人工知能の応用を進めている。同社は人工知能関連のシステムおよびサービス提供で、2018年度までに累計200億円の売上を目指す。
2015年09月30日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月11日、独創性や革新性の高いパワーエレクトロニクスの新たな応用分野を見出すための先導研究を開始したと発表した。具体的には、コンパクト加速器や小型高密度UV-C発生装置などをターゲットとした6テーマに取り組んでいく。NEDOはこの先導研究を通じて、パワーエレクトロニクスの用途拡大と新市場創出に貢献するとしている。今回採択されたテーマと委託予定先は以下の通り。・SiCモジュール特性を前提とした新車両主回路システムの基礎研究交流電化区間の鉄道車両主回路システムの小型化を目指し、SiCモジュールの特長である高耐電圧に注目した新しい車両主回路システムの実現の可能性と、長期間使用するために必要なモジュールの実現の可能性をミニモデルで検証する。委託予定先:鉄道総合技術研究所・多様な電力融通システムを実現するSiC・GaNパワーデバイスを用いたY字電力ルータ基本セルの研究開発多様なニーズに応える電力融通システムを容易に構築できる高性能なSiCとGaNパワーデバイスを用いたY字電力ルータ基本セルを設計・試作し、実用化課題を抽出する。委託予定先:京都工芸繊維大学、首都大学東京・次世代パワーデバイスを用いた発電電動一体ターボチャージャによる排熱回収システムの研究開発インバータで制御される発電電動機一体型ターボチャージャにより、低速トルクアップを行いエンジンのダウンサイジングによる低燃費化と、排気ガスエネルギーから得られた電気エネルギーによりエンジンに取り付けた発電電動機を駆動し大幅な省エネルギー化を図るシステムを開発する。委託予定先:ACR・コンパクト加速器を実現するための超高速/高電圧パルス電源の開発交流電化区間の鉄道車両主回路システムの小型化を目指し、SiCモジュールの特長である高耐電圧に注目した新しい車両主回路システムの実現の可能性と、長期間使用するために必要なモジュールの実現の可能性をミニモデルで検証する。委託予定先:高エネルギー加速器研究機構、パルスパワー技術研究所・小型高効率GaN発振器を用いたUV-C発生装置の研究開発GaNを用いた小型で高効率な自励式マイクロ波発振器を開発し、マイクロ波によって点灯する小型高密度の UV-C発生装置を開発する。委託予定先:東京計器、プラズマアプリケーションズ・SiC/GaNパワーデバイスMHz帯スイッチングDC-DCコンバータの先導研究鉄損と銅損の小さい高周波低損失リアクトル・トランスを開発し、SiCやGaNパワーデバイスの特徴を活かした高効率・小型軽量DC-DCコンバータを開発する。委託予定先:信州大、大阪大学
2015年06月11日NTTドコモとタカラトミーは6月4日、ドコモの「しゃべってコンシェル」技術を応用したパートナー向けプラットフォーム「自然対話プラットフォーム」を採用したクラウド型おはなしロボット「OHaNAS(オハナス)」を共同で開発したと発表した。自然対話プラットフォームは、話しかけるだけで情報を調べて教えてくれる「しゃべってコンシェル」の技術に加えて、同音異義語などの日本語の多様な表現でも、前後の文脈などから文章を読み取り、最適な会話ができる「文章正規化機能」や、ニュース・天気といった情報を取得し、話しかけた時点でリアルタイムな情報を反映した会話ができる「外部コンテンツ連携機能」などを含む、4つの機能を組み合せたもの。これを活用することで、ユーザーはオハナスに話しかけるだけで、ちょっとした疑問に答えてくれたり、ニュースなどの最新情報などを教えてくれたり、晩御飯の献立を一緒に考えてくれたり、何気ない雑談相手になってくれたりといった、人と会話をするような自然なコミュニケーションを行うことができるという。具体的には、スマートフォン(スマホ)やタブレットを経由し、意図解釈機能などを持った各種クラウドサーバに接続することでオハナスとの自然な会話が可能になる。実際にオハナスとの会話を楽しむためにはスマホなどに無料のアプリをダウンロードする必要があるほか、Bluetoothによるペアリングが必要だが、それ以外の詳細な設定などは必要ない。なお価格は1万9800円(税別)で、発売日は2015年10月1日を予定。駆動は単2形アルカリ乾電池3本もしくはタカラトミー専用アダプタ(タイプ5U)の使用が可能だという。全国の玩具専門店、百貨店・量販店の玩具売場、インターネットショップのほか、タカラトミー公式ショッピングサイト「タカラトミーモール」でも発売され、同ショッピングモールでは8月1日0時より予約受付が開始される予定。タカラトミーでは、年間10万台の販売を目指すとしている。
2015年06月04日日産自動車(日産)は4月9日、同社のアラウンドビューモニター技術を、遠隔操作無人探査機(ROV)による高効率海中作業システムの開発に応用するため、海洋研究開発機構(JAMSTEC)およびトピ―工業と共同開発契約を締結したと発表した。アラウンドビューモニターは、車の真上から見ているような映像で周囲の状況を知ることで、駐車を容易に行うための運転支援技術。同技術と距離センサーを組み合わせることで、ROVに搭載したカメラを用いるだけで、ROV自身を客観視するような映像をリアルタイムで表示することが可能となる。これによって、母線で操作するオペレータが海底やROVの状態を瞬時に把握できるようにすることで、作業効率の改善を図る。日産は「今回の共同開発は、アラウンドビューモニターの技術を通した海洋資源の有効利用による社会への貢献を狙うと共に、自動運転技術開発につながる要素技術開発の一環として、今後も推進してまいります。」とコメントしている。
2015年04月09日サーモスは、魔法瓶メーカーとしての技術を応用した真空ワイヤレスポータブルスピーカーを3月6日より発売する。モノラルタイプ「SSA-40M」とステレオタイプ「SSA-40S」の2モデルを用意する。価格はオープンで、市場推定価格は「SSA-40M」が税別10,000円前後、「SSA-40S」が税別18,000円前後。「SSA-40M」と「SSA-40S」は、同社が魔法瓶メーカーとして培った真空技術とパイオニアの音響技術によって開発された、ワイヤレスポータブルスピーカー。新たに創設されたブランド「VECLOS」の第1弾製品となる。エンクロージャーを高真空二重構造としたことが特徴。空気の振動を伝えない真空の特性を活かし、エンクロージャーから発生する雑音を効果的に遮断することで、本来スピーカーが発しているクリアな音を再現しているという。本体下部には、リトラクタブル・スタンドが搭載されており、スピーカーの角度を調整することもできる。スマートフォンなどBluetooth対応デバイスとのペアリングは、設置されたボタンの操作により可能。「SSA-40M」と「SSA-40S」の主な仕様は次の通り。サイズはどちらも、幅約52mm×奥行き約61mm×高さ約94mm。重量は、「SSA-40M」が約160g、「SSA-40S」が約300g。スピーカー直径は40mm。実用最大出力は、「SSA-40M」が3W、「SSA-40S」が2.7W×2。最大連続再生時間は、「SSA-40M」が約10時間、「SSA-40S」が約6時間。通信方式はBluetooth 3.0+EDR。最大伝送距離は約10m。記憶可能なペアリング台数は最大4台。カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、レッド、ブルーの4色。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年02月18日コルグと、ノリタケカンパニーリミテドは、蛍光表示管の技術を応用した新しい真空管「Nutube」を共同開発したと発表した。今回新たに開発されたNutubeは、従来の真空管と同じく、アノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3極真空管として動作する。また、従来の真空管と同様、真空管特有の豊かな倍音を生み出す。ノリタケカンパニーリミテドのグループ会社であるノリタケ伊勢電子の蛍光表示管の技術を応用することによりその構造を工夫し、従来の蛍光表示管に比べて従来真空管の2%以下の電力という大幅な省電力化、容積比で従来の真空管に対し30%以下となる小型化、連続期待寿命3万時間の長寿命を実現するなど、品質向上に成功したとのことだ。なお、現在開発している「Nutube 6P1」は、コルグの楽器作りの経験を活かし、楽器に使用した際に豊かな倍音を生み出すようチューニングされている。Nutubeを搭載した製品は2015年中の発表を目指して現在開発中。
2015年02月06日ダイキン工業は1月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による「小惑星探査機『はやぶさ』発の技術を応用した電力ピークカット制御の技術」をルームエアコンへ適用する技術検証を開始した。電力需要が集中する時間帯の消費電力量を低く抑える効果が期待できる。JAXAは民生用家電機器への応用を促進することを目的として、「小惑星探査機『はやぶさ』発の技術を応用した電力ピークカット制御の技術」を1月13日に公開した。宇宙空間において「はやぶさ」が限られた電力を有効活用するための技術だ。家電機器に応用すれば、照明や冷蔵庫、エアコンなどの家電機器に優先順位を付けて、消費電力を制御できるようになる。このたびダイキン工業は、ルームエアコンのピークカットを目指して、同技術を適用する技術検証を開始した。すでにリモコンなどで採用されている赤外線通信の技術を利用したシンプルなシステムで、大掛かりな追加投資をせずに短期間で効果を出すことが可能だという。通信インフラに課題がある新興国などにおいても、使用電力量の低減や安定した電力供給が期待できる。また、1月28日から30日に東京ビッグサイトで開催される「新電力EXPO」において、同技術を搭載したルームエアコンのテストモデルを展示する。
2015年01月26日ナレッジは1月14日、駿河精機(ミスミグループ)が開発した小型多関節ロボット用の設置架台と保護カバーを一体化した「ロボットワークセル」の販売、および同製品を応用したロボットシステムパッケージの開発・販売を開始すると発表した。従来、各種多関節ロボットは、人にはできない危険作業や重労働となる生産工程で採用されてきたが、現在の国内製造業での労働人口の減少などによる自動化ニーズの高まりと、ロボットの高精度化、小型化、低価格化により普及し、人でもできる微細な作業をロボットで行わせることが可能となった。しかし、ロボットの扱いに関しては労働安全衛生法による規制や、運用までの立ち上げには専門的な知識を必要とするなど、条件をクリアできるのは大手企業に留まっているのが現状である。「ロボットワークセル」は、このようなロボットの導入の阻害要因を排除し、ロボットの設置・運用を容易化するため、標準化、規格化している。具体的には、高剛性アルミフレームの剛性強度設計を採用する他、オプションのマルチタイルテーブルトップにより、ロボット設置位置を3か所から選択し変更できる。また、アルミ溝構造により、事前の加工などが不要で、設置物のさまざまなレイアウトが可能。さらに、設置床面積が約1m角のセル単位となっており、単独セル、セル同士のライン連結などの工程レイアウトが自在に変更できる。一方、「ロボットワークセル」を応用した「ロボットワークセルパッケージ」は、ロボットを動作させるためのロボット設置、機内配線、制御ソフトウェアインストールなどの基本環境がすべてオールインワンになっており、SI時間の短縮が図れる。具体的には、デンソーウェーブ、パナソニック、不二越、三菱電機、ヤマハ発動機などのロボット、オムロン、キーエンス、三菱電機のシステム用マスターコントローラとしてのPLC制御、コンテック、デンソーウェーブ、三菱電機のPC制御などに対応できるとしている。なお、価格は「ロボットワークセル」が19万8000円(税抜き)から、「ロボットワークセルパッケージ」が198万円(税抜き)から。ナレッジはこれらにより、幅広い顧客層へ効率良く、ロボット導入のニーズに応えられるようにしていくとコメントしている。
2015年01月14日前回で3D点群編の導入が終了しました。今回から、その最初の応用分野として、「建築」や「地図測量」系分野での3D点群の応用をとりあげます。建物や、街並み全体、山の地形、プラント、室内などを、工事・設計などの目的で3D点群化し、その後そのデータをさまざまな目的での解析に用いる話を紹介していきます。導入の「第80回」でも述べたように、3D点群編では、3D点群データそのものを計測・解析対象とするコンピュータビジョン(および関連する分野)での応用を紹介していきます(ちなみに、建築系の話の次は、マシンビジョン系の話を展開する予定です)。まず最初に、この分野ではどのような3Dスキャナを用いてどういった対象を3D撮影するかについて、およびその活用したい場面の全体像について、紹介していきます。その紹介が終わって以降は、建築や地図測量界隈では、撮影した広範囲の3D点群がどのような解析処理やソフトウェアを通じて活用されるのかを紹介していきます。これに関しては「点群処理」という枠組みなので建築関連の応用を本連載で取り上げていくものの、CADや物理シミュレーションなどの話も関連してくるので、コンピュータビジョン以外の話も多く関連した話をしていくことになります。また、点群のコンピュータビジョン的な処理アルゴリズム群(位置合わせや、フィルタリングなど)が、どのように活きるかについても、当然ながら紹介したいと思います。今後の点群編の各応用の紹介では、「ビジョン以外まで取り上げるのは拡大解釈だ」というよりは、「技術的分野の境界なんてあってないようなもの」と捉えていただけると幸いです。実際3D点群は、実世界の物や環境をそのまま3Dで捉えられるので、機械や車、ロボットにスマートフォンなどの「動けるもの」と密接に連携していくこととなります。○LIDARによる高精度な広域の建築物3Dスキャン建築分野では、「広い空間をまるごと3D点群スキャンしデータ化する」ことが点群データ活用の一番の目的です。その場の環境の3D形状を、まさに「3D地図」として取得し、その点群データを、デザイン、工事、補修や、地図作成の目的などで使用したい、というのが、建築や地図測量などは動機となります。また、土木よりになると、地形全体を3D化しておくと道路の設計計画や、土の掘削計画など、3D地形そのものをどう変化させていくかの設計を行う為の元データとして活用することもできます。こうした目的では「LIDAR方式のレーザーセンサー」がセンサーとしてよく用いられます。以下の動画は、解説の音声は英語なのですが、映像を見ていただくだけでも、LIDAR式センサーの計測方式と、取得できる点群データの様子が、視覚的にわかると思います(筆者が光学測量そのものの技術に強いわけではないので、LIDARの計測原理そのものの解説は割愛させていただきます)。LIDARではレーザーを対象に照射して反射したものを計測することで、誤差数mm程度の非常に精度の高い点群データを数10mの範囲で撮影することができます。1回の計測では1束のレーザー光線で、1点ずつ行うので、このレーザーを照射する角度をx,y,z方向に少しずつ(モーターなどで)回転させて何点も計測していくことにより、最終的に周囲全体の3D点群化がなされます(この後紹介するFAROの動画に、そのレーザーを回転させるイメージがあります)。また隣のカメラでRGB画像を同時に撮影しておくことで、色つきの点群としてもデータ化することができます(注:LIDARによる3D計測にはカメラや画像を使用していないので、コンピュータビジョンの範疇外の技術ですが、撮影した点群の処理はコンピュータビジョンの対象ではあります。のちにソナーでの撮影の話もしますが、広範囲の3D点群データは、カメラベース以外の技術で取得するセンサーの種類も多いのが特徴です)。また、以下の動画は、そのような大規模のプラントや建築物に対して広範囲の3Dスキャンを行う製品の代表例である、「FARO」社の3Dスキャナの動画です。3D計測点群+画像撮影したカラーデータにより、広範囲の3D点群が3D地図のように手に入ります。各場所で個別に撮影された点群は、それぞれの空間的関係性がないのですが、ソフトウェア上で「レジストレーション(位置合わせ)」という処理を適用することで、それらの点群をひとつのものとして位置合わせされた綺麗な点群にすることができます(こちらの動画の後半にレジストレーショの話があります)。以降、この位置合わせ済みの点群を単純に保存しておいて閲覧したり、寸法をソフトウェア上で測ったり、解析を行ったりしていきます。位置合わせのような後処理を行っていることでもわかるように、今紹介している広い環境の3Dスキャンは(後処理にやや時間がかかろうとも)精度や密度の高い3Dマップをきちんと計測する性質や目的のものです。(後ほど、リアルタイムで周辺3D計測を行うLIDARセンサーについても触れます)。林 昌希(はやし まさき)慶應義塾大学大学院 理工学研究科、博士課程。チームスポーツ映像解析プロジェクトにおいて、動画からの選手の姿勢の推定、およびその姿勢情報を用いた選手の行動認識の研究に取り組み中。(所属研究室が得意とする)コンピュータビジョン技術によって、人間の振る舞いや属性を機械学習・パターン認識により計算機で理解する「ヒューマンセンシング技術」全般に明るい。技術商社でエンジニアをしていたこともあり、海外のIT事情にも詳しい一方、デプスセンサ等で撮影した実世界の3D点群データの活用を推進するための「Point Cloud コンソーシアム」での活動など、3Dコンピュータビジョンのビジネスでの普及にも力を入れている。また、有料メルマガ「DERiVE メルマガ 別館」では、コンピュータビジョン・機械学習の初~中級者のエンジニア向けの、他人と大きな差がつく情報やアイデアを発信中(メルマガでは、わかりやすい理論や使いどころの解説込みの、OpenCVの初心者向け連載なども展開中)。翻訳書に「コンピュータビジョン アルゴリズムと応用 (3章前半担当)」。
2014年12月24日カルピスは、乳酸菌発酵乳の中から記憶力向上作用を持つペプチドを確認したと発表した。この成果は、同社発酵応用研究所と中部大学応用生物学部・横越英彦教授との共同研究で得られたもので、同研究結果は23日~26日、第64回日本生物工学会大会で発表された。同社は1970年代より、「カルピス」を製造する過程で生み出される発酵乳である「カルピス酸乳」の機能性研究を続けており、特に「カルピス酸乳」に含まれる乳酸菌ラクトバチルス・ヘルベティカスで発酵させた発酵乳に着目し、これまでに寿命延長、抗腫瘍、免疫賦活、血圧降下、疲労回復、ストレス低減などの作用があることを明らかにしてきた。さらに、発酵乳の”記憶障害の予防”および”記憶力の向上”作用を確認。今回の研究では、発酵乳の中の“記憶力向上”作用に関与する成分を発見し、同成分が乳酸菌が牛乳に含まれる乳たんぱく質を分解することで得られるペプチドであることが明らかとなった。発酵乳から発見した、乳酸菌が作り出したペプチドをマウスに与えることにより、有意に短期記憶障害を予防し、「記憶障害の予防」に効果があることを確認した。また、2日後の記憶保持が有意に向上し、「記憶力の向上」も確認された。この作用はヒトにも期待され、「もの忘れ」の予防や「脳機能の維持」に役立つ可能性がある。同社では、今後も研究を継続し、関連する検証を積み上げていく、としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月29日歌唱力、計算力、超能力など、「○○力」と言われるものは数多くありますが、このごろ、世の中に不足していると思う力はありますか?アンケート調査を行い、皆さんに伺いました。調査期間:2012/02/10~2012/02/15アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 874件(ウェブログイン式)■満員電車では高確率で舌打ちが聞こえる「最近世の中にどんな『○○力』が足りないと思いますか?」と質問したところ、あらゆる分野で不足している「力」について、何十種類もの回答が得られました。その中でも票が多く集まった上位5位をご紹介しましょう。1位会話・コミュニケーション力……57票(6.5%)2位想像力……42票(4.8%)3位忍耐力……37票(4.2%)4位思いやり力……33票(3.8%)5位行動力……27票(3.1%)1位は、「携帯のメールばかり使ってしまう」(25歳/女性)、「ネットが普及しすぎた」(26歳/女性) などを理由とした「会話力・コミュニケーション力」。会話をせずとも連絡が取り合える通信手段の発達により、本来の会話能力がなくなってしまっていると感じている人が多いようで、「近所付き合いが希薄だからこそ、家庭内の事件が多いように思う」(29歳/女性)という視点の人もいます。2位の「想像力」は、「相手を思いやる余裕がなく、せかせかしている人が多い」(27歳/女性)、「想像力があればいろいろな事が解決できる」(32歳/女性)ほか、「想像力があれば世の中悪い方には向かわない」(27歳/女性)という意見もあります。3位は「忍耐力」。「不景気の影響もあるが、定職につかない人や、自殺者などが増えているので」(30歳/女性)、「満員電車に乗っていると高確率で舌打ちが聞こえてくる」(28歳/女性)と、世の中の人が「権利ばかり主張して、自分の義務を果たさない」(24歳/女性)という傾向に向かっていることを危惧(きぐ)する人も。■思いやり力、行動力、犠牲力、献身力、革命力、生命力4位は「思いやり力」。「先が見えず、不安から、自分さえ良ければよい!と豪語せんばかりの人が多い」(25歳/女性)、「みんな自分のことが優先でギスギスしている」(30歳/女性)というのが主な理由。「相手がこうしたら仕事がしやすいだろうと、相手のことを思いやる力」(27歳/女性)があると、職場の空気も変わることでしょう。5位は「行動力」。「不景気だからなのか、『草食』の言葉が生まれたように、行動力が足りないように思う」(31歳/女性)それは、「行動力かつ決断力を持ち、リーダーシップを取れる人間が少ないと思う。人に言われたことをするだけの人間が多い」(28歳/女性)ということにつながりそうです。ほかにも「犠牲力、献身力。自分が損することを極端に避ける」(23歳/女性)、「革命力。革命的な事業を成し遂げる人物がいない」(37歳/女性)、「生命力、強く生きようと思っていない」(27歳/男性)など、さまざまな力の不足が指摘されました。■取り戻したい政治力国を引っ張るべき政治家に対する力不足の声も目立ちました。政治力が足りないという方からは、「考えれば意味がないことが分かると思うのに、人気取りだけのために無意味な政策をしていること」(34歳/男性) 、「政治家が頼りなく、物事が全く進んでいないことはもちろん、選ぶ側の国民にもきちんと監視する力が足りていない」 (32歳/男性)また「政治家の答弁を聞いていると説明力がないと感じる」(25歳/男性)、「未来貢献力が足りない。将来的によくしていこうという姿勢が政治的にあまりないから」(24歳/男性)など、日本の政治の未来に対する不安の声が漏れ聞こえてきました。多くの人が自覚しているこれらの力を養うことができれば、明るく活動的な社会が開けるのかもしれません。(蘭景×ユンブル)
2012年04月19日新技術応用の洗浄料に肌のキメを改善する傾向花王株式会社ビューティケア研究センターは9月26日、従来は両立の達成が困難であった「肌へのやさしさ」と「洗浄力」が、高レベルで両立する新洗浄技術を開発したことを発表した。この洗浄技術を応用した皮膚洗浄料を使用する前後において、肌のキメが改善する傾向が見られたという。*画像はニュースリリースより(「新洗浄技術による肌(キメ)改善」)洗浄成分が肌にほとんど作用せず高い洗浄力を保持「新洗浄技術」は、会合性と水溶性の両方のバランスがとれた性質を持つ、などの特徴を持つアニオン界面活性剤の混合成分を主剤とするもの。新洗浄技術の肌への影響について、角層への収着量(吸着量と浸透量の合計)で評価したところ、洗浄成分の角層への収着量が花王の従来洗浄技術に比べ低いこと、また角層の膨潤が低く抑えられることがわかり、洗浄成分が肌にほとんど作用せず、肌にやさしい洗浄が実現できた。さらに、新洗浄技術のモデル皮脂に対する洗浄力は、花王の従来洗浄技術と比較して高い洗浄力を持っていること、また、新洗浄技術をベースとした洗浄料で洗浄すると、洗浄前後の皮膚の水分量がほとんど変化していないことがわかったという。新洗浄技術を応用した皮膚洗浄料を4週間継続使用したところ、肌のキメが改善する傾向が見られた。「これは、毎日肌にやさしく汚れをきちんと落としたことによるものと考えています」としている。元の記事を読む
2011年09月28日