●防犯に不安はある、でも何すればいい?パナソニックは11月30日、「スマ@ホーム システム」のセミナーを実施した。スマ@ホーム システムとは、設置が簡単で手軽に使えるホームセーフティー製品として、また、子どもやペットなどの見守りニーズに応える製品として、8月に発表、10月に発売されたもの。ラインナップは全部で5機種ある。今回のセミナーでは、「防犯」「ペットの見守り/しつけ」をテーマに、セキュアプランナー 京師美佳氏、ドッグトレーナー 遠藤和博氏を招いて、具体的な活用法を紹介した。○7割以上の人がセキュリティに不安パナソニックの調べによると、一般家庭では7割以上の人がセキュリティに関して何らかの不安を感じているが、ホームセキュリティおよび防犯機器の設置状況をみると、約7割が防犯機器などを何も設置していないという。その理由として「設置費用が高そうだから」「ランニングコストが高そうだから」「集合住宅には導入できなさそうだから」といった回答が多く、コストや設置の難しさが大きなハードルになっていることがうかがえる。その反面、留守宅の子どもがどうしているか気がかりな親は多く、ペットや高齢者の見守りといった需要も年々高まっているとのことだ。そこでパナソニックは、自宅に無線LAN環境があれば手軽に導入できるスマ@ホーム システムを開発。警備会社が提供するサービスのように月額料金はかからず、導入のハードルを下げた。スマ@ホーム システムでホームセキュリティ市場を拡大するねらいだ。10月に発売されたスマ@ホーム システムの各製品は、屋内・屋外の様子をスマートフォンで確認して侵入者から自宅を守る「セーフティー」と、子どもやペットなどとコミュニケーションを取れる「見守り」を目的としたシステム。システムの要となるホームユニットのほか、屋外カメラ、屋内カメラ、開閉センサー、人感センサーというラインナップ(各製品の詳細については「パナソニック、自宅の様子をスマホで確認できる「スマ@ホーム システム」を参照のこと)。ホームユニットと屋外カメラがセットになった「屋外カメラキット」、ホームユニットと屋内カメラがセットになった「屋内カメラキット」も用意されている。スマートフォンに専用アプリ「ホームネットワーク」をインストールすることで、屋内・屋外カメラに映った映像をスマートフォンから確認できる。また、映像を見るだけではなく、スマートフォンから映像の向こう側へ話しかけることも可能だ。開閉センサーと人感センサーは、窓・ドアが開いたことや人の動きをスマートフォンに通知するとともにアラームが鳴る。ホームユニットには、屋外・屋内カメラ合わせて最大4台、開閉・人感センサーは合わせて最大50台まで接続可能だ。●空き巣や侵入ストーカー対策に○スマートフォン、SNS、GPS……犯罪手口は巧妙化セキュアプランナー 京師美佳氏は、防犯対策についてレクチャーした。「ライフスタイルが変化し、スマートフォンやSNSなどで便利になった反面、犯罪手口も進化している。手料理の写真に付された位置情報から自宅を特定され、侵入された例も。犯罪がより身近になっているため、本来であれば、何らかの対策を講じる必要があるが、半数以上はしていない」と近年の傾向を紹介した。また、ストーカーによる被害も深刻で、従来のように家の外で待ち構えたり、後をつけたりするだけでなく、室内に侵入して盗聴器を設置するなど、手口がエスカレートした侵入型ストーカーも増えているという。京師氏は、特に女性は防犯意識を高め、自衛しなければならない時代になったとしている。スマ@ホーム システムの具体的な活用例として、もっとも警戒すべきリビングや玄関に屋内カメラを設置したうえで、ベランダやガレージにも屋外カメラを設置、窓の開閉を検知して警報で威嚇できる開閉センサーも設置しておくとさらに安心だという。特に侵入型ストーカー対策には、玄関への設置が効果的だと説明した。今回、セミナールームとは別の部屋に侵入者が入ったという設定のデモが行われたが、手もとのスマートフォンに不審者の姿がハッキリと映っていた。スマートフォンから「通報するぞ!」と威嚇したところ、カメラのスピーカーから伝わり、不審者はその声にビックリして逃げて行った。カメラの視野角は広く、不審者の全身がハッキリ見えている。夜間など、暗い場所では白黒映像で確認できるという。最大64GBまでのmicroSD/microSDHCカード(別売)をホームユニットに挿入することで、動画と音声を保存することも可能だ。○お家のペットとコミュニケーション次にドッグトレーナー 遠藤和博氏が、飼い主が外出している間のペットを見守り、体調管理、コミュニケーションをすることの重要性について語った。留守中にペットを頻繁に観察し、様子がいつもとちがったら注意が必要とのこと。特に室温を管理することが重要で、子犬や老犬がいる場合は室温を25℃前後にしなければならない。屋内カメラに搭載された温度センサーで感知した室温の異常を、すぐにスマートフォンへ通知。自宅にいる家族へ連絡したり、遠隔でエアコンを操作したり、といった対策をすぐに取れる。デモでは、外出先から自宅で留守番中の犬とコミュニケーションを取るという設定で、別室で待機しているビーグル犬に、遠藤氏がスマ@ホームを通じて「おすわり」を指示。すると、最初は戸惑っているようだったが、2~3回声をかけたところ、きちんと遠藤氏の声だと理解して従っていた。犬が飼い主の声を判別でき、コミュニケーションを取れるスピーカーの音質にも注目したい。ペットにとって飼い主は数少ないコミュニケーション相手であり、飼い主と会えない留守番の時間、ペットは不安やストレスを抱えてしまう。外出先で留守中のペットの様子を確認し、たまに声をかけることで寂しさをやわらげる効果も期待できるとのことだ。○子ども、高齢になった両親の見守りにも我が家にも小学校低学年と高学年の子どもがいるが、ランドセルに付ける防犯ブザーなどは利用しているものの、家のセキュリティはまだ何も対策していない。導入時の高額な初期投資と毎月かかる定額料金といった価格面でのハードルが高く、踏み切ることができなかった。スマ@ホーム システムの屋内カメラキットであれば26,000円前後で導入可能であり、人感センサーや屋外カメラなどを単品で追加しても、それぞれ4,000円~18,000円と"手が届く"価格設定となっている。定額料金もかかることなく、簡単に自分で設置、設定できる点も評価できる。必要に応じてカスタマイズできるのも強みといえそうだ。留守中に子どもの様子を確認できたり、簡単な会話をしたり、そういったことが手持ちのスマートフォンで簡単にできるのはうれしい。離れて暮らす親についても気がかりだったが、スマ@ホーム システムを導入すれば、大切な家族をいつでもスマートフォンで見守れるため、さまざまなシーンで活用できそうだ。
2015年12月01日ITホールディングスグループのTISは11月26日、統計解析などを行う製薬業界向けソリューション「Medical Drive(メディカルドライブ)」の提供を開始した。価格は個別見積。現在、製薬業界では2016年10月から義務化される臨床試験データ交換規格CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium:世界標準の臨床試験データ交換規格)標準への対応において、要員への教育や環境対応への人員配置、CDISCに準拠していないレガシーデータの存在などが課題となっており、企業に対策が求められているという。同ソリューションの第1弾として、CDISC標準への対応に向けた医薬品の研究・開発におけるデータマネジメントや統計解析業務を支援する「R&D(研究/開発領域)サービス」を提供する。2017年度末までに周辺開発も含め、事業規模として約30億円規模を目指す。R&Dサービスは対象業務領域がR&Dの臨床試験・申請業務となり、SIerとして培ったシステム開発の品質管理手法や、臨床試験の第I相から第III相、さらには販売後調査や承認審査までの多種多領域に渡る160試験以上の経験・ノウハウを活用した統計解析サービス。レガシーデータからの変換実績など、40名以上の経験豊富な統計解析ツールSASの技術者が、臨床試験・申請業務をサポートする。同サービスではCDISCの申請臨床試験データモデルである「SDTM(Study Data Tabulation Model)」や申請統計解析データモデルの「ADaM(Analysis Dataset Model)」などに準拠したデータマッピングやデータ作成、CDISC対応を推進するためのツールである「OpenCDISC」や「Define-XML」に対応するためのメニューを備える。また、サービスの提供形態としても臨床試験数の一時的な増加に伴うリソース調達や将来的な体制強化に幅広く対応するためオンサイト支援として既存の体制や環境にTIS解析要員が常駐するサービスのほか、オフサイト支援ではTIS内の統計解析環境を利用するサービスを有する。さらに、同サービスに次いで「S&M(営業/マーケティング領域)サービス」「PlatformPlatform(業界横断型の基盤)サービス」の提供も順次予定している。S&Mサービスの対象業務領域はS&MのMRプロモーション業務やMR活動のPDCA管理業務を想定しており、同社の30社以上のMR業務支援システム開発経験からSFA(CRM)、実消化、DWH、BI領域のシステム構築をサポートするサービス。製薬メーカーにおいて必須である業界VANや市場データなどの外部データの取り組みでは、同社が持つ自社パッケージやテンプレートの開発で蓄積した外部データのクレンジングなどのノウハウを活用して、同サービスを提供するほか、従来の業務KPIの可視化だけでなく、新たな気付きを現場に与えるためのBIツールを活用したダッシュボード開発や従来型データの新しい利用形態の提案により、データの中に潜在する暗黙知を可視化するなどの支援も行う。さらに、Platformサービスの対象業務領域は医療・医薬領域のデータマネジメント・活用業務を想定し、製薬業界で培ったデータマネジメントやデータ活用の強みを活かすことで高度医療・地域医療に対して、製薬メーカーをはじめとした医療・医薬業界のプレイヤーが利活用できる新しいデータのクラウドサービスを提供。今後、同社では製薬業界の企業向けに培ってきたシステム開発技術や業務ノウハウをベースに製薬業界における業務で求められる各種メニューを提供するトータルソリューションとして展開していく。
2015年11月26日ABEJAはこのたび、店舗内データ解析プラットフォーム「ABEJA Dashboard」が、ファッション製品の企画・製造・販売などを行うジュンに導入されたことを発表した。ジュンは、レディス・メンズにおけるファッション製品の企画・製造・販売のほか、建築及び室内内装の施工設計やラジオ番組の企画制作・サウンドプロデュース、屋外広告媒体事業、ゴルフ場、レストラン、ワイナリーを経営する。今回の導入は、実店舗においても、ECサイトと同様に入店から購買に至るまでの店舗内における顧客行動を可視化することを目的としたもの。これまで可視化されていなかった実店舗内データが浮き彫りになることで、客観的データに基づく明確なマーケティング施策立案・実行が可能になり、店舗の収益アップに貢献することができるという。なお、ABEJA Dashboardは、実店舗内におけるデータの取得から解析、可視化まで可能とするプラットフォーム。顧客の動態・滞留データの解析サービス「ABEJA Behavior」や来店者の性別年齢推定サービス「ABEJA Demographic」などを用いて店舗内をデータで可視化し、データ管理・分析サービス「ABEJA DMP」によってリアルタイムに解析することが可能だ。
2015年11月26日トークノートは、社内SNS「Talknote」の新機能として、社内SNSに蓄積されたビッグデータを解析することで実現した「アクションリズム解析」を11月25日から提供開始することを発表した。同機能は、「行動変化の背景には気持ちの変化が起こっている」という前提に基づき、日々行われる社内SNSへのアクセス時間帯や投稿量などの傾向をアクションリズムとして観測し、メンタルヘルス不調や退職意向などにつながる可能性のある気持ちの変化を早期に発見するという。また、社内SNSでの行動データから社員ごとの標準的なアクションリズムを抽出し、大きなリズムの崩れが一定期間継続したタイミングを変化の兆しと捉え、管理職や人事担当者など指定した任意の特定メンバーへ通知される。これにより、早期にフォローやヒアリングを実施することで、顕在化前の退職意向やメンタルヘルス不調を未然に防ぐことが可能となるとしている。
2015年11月24日KDDI研究所は11月17日、Android OSを搭載したカメラ付きスマートグラスに、AR(Augmented Reality:拡張現実)画像を重ねた映像をリアルタイムに表示することのできる遠隔作業支援用のソフトウェアを開発したと発表した。遠隔作業支援システム「[VistaFinder Mx」のオプション機能として12月1日より提供を開始する。このシステムでは、スマートフォン・タブレット・モバイルPCなどで撮影した現場の映像を、さまざまなネットワーク回線を利用して、安全かつ高品質に生中継が行える。新たに提供するオプション機能を使うことで、これまでスマートフォンやタブレットの画面で確認していたARによる指示映像をハンズフリーで確認できる。対応機種はM100スマートグラス(Vuzix Corporation)。
2015年11月20日フィリップス エレクトロニクス ジャパンは11月17日、超音波診断装置解析ソフトウェア「ハートモデルA.I.」の販売を開始すると発表した。「ハートモデルA.I.」は、同社の超音波画像診断装置「EPIQ 7」に搭載可能なソフトウェアで、心臓の超音波画像から得られた3D データを短時間に処理し、左心室駆出率(LVEF)、左心房容量(LA Volume)などを自動で定量解析することができる。LVEFとLA Volumeは心臓の診断や治療方針を決める上で重要な指標とされており、LVEFは僧坊弁や大動脈弁の手術適用におけるガイドラインの指標として用いられているほか、LA Volumeは急性心筋梗塞後の生存率を予測する指標として利用されている。複雑な構造の心腔では、3Dスキャンによる定量化が理想とされる。そのため、CTやMRIのデータがゴールデンスタンダードとされる一方で、超音波検査においては3Dデータの解析には専門的な知識が必要であり、複雑で時間がかかることから2Dデータからの解析が一般的とされている。これに対し、同ソフトウェアを用いることで従来の2Dによる解析に比べ、3倍から6倍の速さで3Dでの解析結果が得られるとの研究結果もあり、現在一般的に行われている2Dでの検査フローの中で3D解析を行うことが可能となる。また、精度はMRI によるデータと同等であるという。「ハートモデルA.I.」の希望販売価格は1250万円(税抜き)で、国内初年度の販売台数は約100システムを見込んでいる。
2015年11月18日レッドハットとグレープシステムは11月17日、スマートハウスのIoT対応として、データ収集・解析を容易にするECHONET Lite-MQTT変換システム「Clotho For ECHONET Lite」を発表した。同変換システムは、グレープシステムが開発したシステムで、スマートハウスで使用されるスマートメーターや各種家電機器の状態監視や制御をするするためのプロトコルであるECHONET Liteを、IoTプロトコルとして注目されているMQTTに変換し、ECHONET Lite対応のスマートメーター、太陽光発電などの省エネ機器、各種家電機器の情報を広域に集め、リアルタイムで横断的に解析して、電力供給制御などの各種用途へのフィードバックを容易にするもの。OSはRed Hat Enterprise Linuxを、ミドルウェアとしてRed Hat JBoss Middlewareを活用し、特にMQTTプロトコルを中継するMQTTブローカーは、軽量でハイパフォーマンスなメッセージ通信機能を提供するオープンソースのRed Hat JBoss A-MQを用いている。国内のHEMS(Home Electronics Management System)プロバイダー、家電メーカー、スマートメーターを提供する電力会社、クラウドサービスを提供している事業者などへの提供を想定しているという。
2015年11月17日横河ディジタルコンピュータ(横河ディジタル)は11月10日、システムの動きと通信データの流れを同時に可視化・検証することができる、動的テスト/解析ツール「TRQerAM」を開発したと発表した。同ツールは、同社の既存製品である動的テスト/解析ツール「TRQerS」のソフトウェア(関数/スレッド)トレース機能に加え、通信データ2系統を同時記録できる機能を備えた機能強化モデルとなっている。組込み製品・組込み機器の最終評価・検証の現場、および最終製品形態での使用を考慮し、機器との接続や設置がしやすいようコンパクトな設計と2mのケーブルを採用。スタンドアロンで動作可能となっている。また、システム動作検証中に気になったタイミングをトレースデータにマークしておく機能もあり、8時間以上にわたるトレースデータの中からでも目的箇所を簡単に見つけ出すことができる。同社によると、カーナビなどの車載情報システムにおける本体システムと同期した音声信号/映像信号処理、車載制御システムにおけるECU間のCAN通信、複合機(MFP)におけるシリアル通信など、通信の流れとOSを含むシステム全体の動作検証・動作分析が必要になる実環境で効果を発揮するとしている。
2015年11月10日OKIエンジニアリング(OEG)は11月9日、非破壊で電子部品・基板の故障箇所を特定する「ロックイン赤外線発熱解析サービス」の印加電圧を±3000Vまで大幅に拡大したと発表した。OEGでは、2013年より発熱を利用した故障位置特定手法である「ロックイン赤外線発熱解析サービス」を提供してきたが、印加可能なバイアス電圧が±210Vであったため、それ以上の高圧時に漏れ電流が大きくなる故障モードのパワー半導体に対しては故障解析に必要な高電圧印加ができなかった。今回、OEGは試験設備を改良・増設し、解析時の印加可能電圧をこれまでの±210Vから、±3000Vに拡大。これにより、パワー半導体の高電圧下での微小リークなどの故障位置特定が可能となった。さらに、これまで提供していたロックイン赤外線発熱解析とX線検査、電気的特性評価、パッケージの開封、着脱などの加工を総合的に行う故障解析サービスシステムについても、印加電圧を同様に拡大し提供するとしている。
2015年11月09日仮想環境で動作しているオペレーティングシステムは、一般的にホストのオペレーティングシステムにセキュリティの面で影響を与えることはないと考えられているだろう。しかし、これは実装に問題がなければという条件が付く。バグの存在しないソフトウェアを開発することがきわめて困難であるように、仮想化ソフトウェアにもバグは存在する。「XSA-148 - Xen Security Advisories」の説明によれば、Xen 3.4およびこれ以降のバージョンのXenにはページテーブルエントリのチェック機能にバグがあり、特定の条件がそろうと仮想環境側からスーパーページ機能を使った読み書き可能なマッピングが作成できてしまう問題があるという。このバグを悪用されると、ゲストオペレーティングシステムからホストオペレーティングシステムを含むシステム全体の制御権を乗っ取られる危険性がある。この問題を回避するには提供されているパッチを適用するか、または準仮想化で動作している場合には完全仮想化のみに切り替えるという方法をとることが可能だ。完全仮想化に切り替えることで準仮想化よりも性能が低下する可能性があるが、完全仮想化にはこのバグが存在しないとされており、一時的な問題回避には有効とされている。
2015年11月07日EIZOは11月5日、手術室における医用画像や患者情報を集約し操作するシステム「CuratOR Surgical Panel」を2016年4月1日に発売すると発表した。CuratOR Surgical Panelは、液晶モニターと抗菌キーボード、マウスなどから構成され、手術室の壁面に埋め込んで使用する情報集約操作システム。前面を覆うガラスが、衝撃やキズ、汚れ、水分の侵入からモニター画面を保護するため、手術室を安全かつ清潔に保つことができる。同社の信号配信マネージャーを接続することにより、手術室内で使用するさまざまな映像や画像を同システムの液晶モニター画面に集約して表示することが可能で、操作ソフトウェアと組み合わせることで、IT機器に詳しくないスタッフでも直感的な操作が行える。同システムから手術室内のほかのモニターに表示する画像を操作することも可能となっている。液晶モニターの画面サイズは55型、49型および24型から選択可能で、オプションとしてタッチパネルにも対応。加えて、筐体の材料や色、モニターの構成、時計や温度計のアクセサリなど、追加のカスタマイズ要望にも対応可能だという。
2015年11月06日シーティーシー・エスピー(CTCSP)は日本トイザらスの店舗拠点の無線LANシステム構築を受注し、全国の既存店舗の無線LANシステムを順次新システムに置き換える予定だと発表した。CTCSPは製品の提供とシステム構築を主に行い、運用での技術支援はネ日本テレマティークが行う。日本トイザらスは、全国160店舗以上の「トイザらス」「ベビーザらス」および「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」を運営。店舗では店舗スタッフの在庫管理用のハンディターミナルで無線LANを利用しており、店舗内の在庫検索や棚札の作成・出力、近隣店舗の在庫検索などに利用している。2014年7月からは店内に設置されたタブレットやパソコンを使用して、一部カテゴリーを対象に店舗で取り扱いがない商品や欠品商品を店舗にいながらオンラインストアで注文できる「ストア・オーダー・システム」でも無線LANを利用している。従来は、店舗ごとに無線LANの設定作業が必要であり、障害時の対応にも時間がかかる場合があったが、新システムでは、クラウドサービスを使用してネットワーク全体を管理する統合無線LANシステムとなる。また、日本トイザらスでは、無線APのエリア内のWi-Fiデバイスの位置を特定し、店舗内の導線情報を可視化するCisco CMX(Connected Mobile Experiences)を利用し、売り場の変更にも柔軟に対応できる無線LANシステムの構築を目指している。また、店舗内のWi-Fiデバイスの情報を分析することで、クラウド上に来店者のヒートマップを表示することで売り場の利用状況の把握や業務の効率化を支援し、顧客満足度の向上につながる施策の実施も視野に入れているという。
2015年11月04日キーサイト・テクノロジーは10月29日、ベクトル信号の生成および解析をPXI規格モジュール 4スロットで提供するフル校正済みの計測器モジュール「VXT PXIeベクトルトランシーバー M9420A」を発表した。同製品は、システム開発者に対し、即座に実行可能なVXTのソフトウェアとFPGAベースの測定機能を提供することにより、パワーアンプ(PA)とフロントエンドモジュール(FEM)用の計測ソリューションの構築を容易に実現させようというもの。18スロットPXIシャーシ1台に、最大4つのVXTモジュールを搭載し動作することができるほか、VXTモジュールのほか、DIOカードおよび1スロットPXI VNAなどを汎用のPXIシャーシに格納し、ソリューションとして構築することもできる。同製品は、60MHz~6GHzの周波数帯域と160MHzのI/Q帯域幅で、ベクトル信号の生成と解析が可能なほか、+18dBmの最大出力パワーを実現しており、スイッチマトリックスなどでの信号損失を加味しても、試験に必要となる十分な出力を得ることができるという特徴がある。なお、同製品の販売価格は、M9420A VXT PXIe ベクトルトランシーバー 3.8GHzモデルで約450万円(税別)から、となっている。
2015年10月29日米オラクルは10月27日(現地時間)、システムの監視、管理、解析ソリューションを統合したクラウド・サービス「Oracle Management Cloud」を発表した。同サービスは、「Oracle Cloud Platform」の一部として提供される。同サービスは3つのサービスから構成される。「Oracle Application Performance Monitoring (APM) Cloud Service」は、エンドユーザー・エクスペリエンスからアプリケーションサーバのリクエスト、アプリケーション・ログに至るまで、アプリケーションのパフォーマンスを確実に把握することで、モバイルやWebアプリケーションに関する問題を迅速に解決するために必要な情報をアプリケーション開発部門や運用管理部門に提供する。「Oracle Log Analytics Cloud Service」は、オンプレミスおよびクラウド上のアプリケーションやインフラストラクチャのあらゆるログデータを監視・統合・整理・解析し、これらのデータの検索・検証・関連付けによる問題解消の迅速化を実現する。「Oracle IT Analytics Cloud Service」は、アプリケーションのパフォーマンス・可用性・キャパシティ管理など、IT投資の判断材料となる情報を提供し、CIOやシステム管理責任者が、システムおよびデータの包括的な解析に基づいてIT投資に関する重要な決断を下せるサポートをする。
2015年10月29日キヤノンは10月22日、さまざまな医療画像を患者情報と関連付けて統合的に管理・共有できるクラウドソリューション「統合医療画像管理システム」を開発し、医療施設を中心に2016年3月上旬より提供開始すると発表した。新サービスは、主に「画像俯瞰機能」」「帳票スキャン機能」「画像取り込み機能」の3つの機能を提供する。画像俯瞰機能はさまざまな医療画像の統合表示が可能で、X線やCT、MRIなどの医療画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、帳票などを、画像ポータル内で患者ごとに統合的に管理・閲覧することを可能にする。帳票スキャン機能は文字認識技術による医療帳票の簡単登録を実現し、非定形医療帳票をスキャナーで読み取ると、患者情報(患者ID、診療科、帳票種別)を自動的に認識し、病院内の患者情報と関連付けてクラウドサーバーへアップロードする。これにより、院内外を問わず、患者のIDや診療科、帳票種別をもとにした検索やファイリングが可能になる。画像取り込み機能はデジタルカメラやスマートフォンの画像を自動アップロードし、院内外で撮影した画像を病院内のデータベースと連携し、患者ごとに瞬時に登録して安全に管理する。これにより、インターネット環境さえあれば、ポータル画面を通じてどこからでも画像を参照することが可能になるため、在宅医療や介護などの現場での活用が実現される。
2015年10月23日UNCOVER TRUTHは22日、スマートフォンなどのネイティブアプリ向けUX解析ツール「USERDIVE for Apps」において、ゲーム開発エンジン「Unity」のプラグインに対応したと発表した。「USERDIVE for Apps」は、定性的・定量的なデータを元にサイト内解析ができるUX解析ツール「USERDIVE」のネイティブアプリ版。ユーザーがタップした場所を可視化して注目箇所を特定する「タップヒートマップ」、アプリ内の導線を分析しユーザーがページから離脱してしまう要因を解明する「導線分析」など、アプリのUX解析に役立つ機能を提供する。既存の分析ツールでは、Unityを用いてネイティブアプリを開発した場合、「このページには100万人が訪問」といった定性的なデータは取得できたが、「どの部分をタップされているか」「どの部分が見られているか」などの定量的なデータを取得できなかった。「USERDIVE for Apps」がUnityプラグインに対応したことで、Unityで作成したネイティブアプリも、定性的・定量的な両データを活用して、UI/UX改善に役立てられるようになった。
2015年10月22日富士通は10月21日、ソニー銀行向けに、勘定系システムとパブリッククラウド型カスタマーサービス支援システム「Salesforce Service Cloud」とのリアルタイム連携を実現したコンタクトセンター・システムを構築したことを発表した。新システムでは、個人向けPC「FMVシリーズ」の大規模コンタクトセンターのシステムをリファレンスとした。「Salesforce Service Cloud」に情報を集約して、富士通データセンターにあるオンプレミスの勘定系システムとリアルタイムに連携させることで、従来は分散していた顧客管理データやコンタクトセンターでの電話情報、メールでの問い合わせ情報などの一元化を実現した。これにより、問い合わせ時に、契約しているサービス内容や利用状況などの情報をポータル画面で確認できるようになったという。情報を取り扱うコンタクトセンター業務でパブリッククラウドを活用するにあたり、情報や通信経路の暗号化、厳密なアクセスコントロールなどのセキュリティ面の考慮に加え、顧客対応に必要なレスポンスを確保し、安全性とシステムの性能要件の両立を図っている。
2015年10月22日人類最初の家畜とされる犬が、いつごろ、どこで飼いならされたのか。米コーネル大学を中心とした国際研究チームはこのたび、世界各地の犬のDNA解析を行った結果、約1万5000年ほど前に中央アジアにてユーラシア大陸に生息していたハイイロオオカミから現在の犬の起源となる種が誕生したとする研究結果を発表した。同成果は、コーネル大のAssistant ProfessorであるAdam R. Boyko氏らによるもの。詳細は10月19日(米国時間)付けで「米科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。具体的には、研究チームは世界38カ国に生息する5392頭の犬(野良犬含む)からY染色体やミトコンドリアなどのDNAを採取。それらの解析を行ったところ、犬種の交配の割合なども含め、最終的に現代のネパールやモンゴルを中心とした中央アジア地域にて、約1万5000年ほど前にオオカミから犬へと変化し、世界中に広がっていったことを突き止めたとしている。
2015年10月21日●オープンソースとクラウドコンピュータの活用で解析業務の効率が向上する?ヴァイナスは10月14日および15日の2日間、大規模・最適設計・ワークフローマネジメントのための総合ソリューションカンファレンス「VINAS Users Conference 2015」を開催した。同カンファレンスでは、同社が取り扱う解析ソリューションなどの紹介が行われたほか、同社の代表取締役社長を務める藤川泰彦氏がCFD解析の現状などについて講演を行った。そんな講演直後の藤川氏に、同社の現状、そして未来の姿がどういったものになるのか、話を聞いた。○2015年はこれまで提唱してきた取り組みの終着点今回のカンファレンスのテーマについて藤川氏は「オープンソースとクラウドコンピュータをハイブリッド利用していくことで、CAE/CFD業務の大幅効率化を目指す」と語る。これまでは、さまざまなツールベンダがさまざまなソリューションを個別に提供し、ユーザーはそれぞれを個別に選別し、活用していくという姿が一般的であったが、技術が複雑化していく中で、扱うツールが多岐にわたり、それらを管理運用するには手間がかかるようになってきた。そこで同社では数年前から「解析ツールから、計算機をオンデマンド型で提供していくまでの解析にかかるすべてを総合サービスしていく」ということを掲げて準備を進めてきた。その根幹をなすのが自社サーバや複数のクラウドコンピュータにアクセスし、ジョブの実行管理やファイルを高速に転送できるゲートウェイ「CCNV(Cloud Computing NaVigation system)」の最新版となる「CCNV V2.1」だ。「我々のスローガンは、難しい知識を持たない小学生でもスパコンを使えるようにしよう。というものであり、そのためのGUIがCCNVである」(同)であり、その最新版となるCCNV V2.1では、オープンソースCFDであるOpenFOAM用解析環境である「HELYX」(engys製)の最適化チューニングなども終わり、「1社でクラウドを基盤としたオープンソースベースの解析ソリューションサービスを提供できるようになった」(同)とする。○オープンソースの波がシミュレーションの世界にも到来藤川氏が一貫してこだわりを見せるのが「オープンソース」がもたらすシミュレーション業界への影響だ。「安価なオープンソースのツールがユーザーの解析環境に取り入れられるようになると、ライセンスのロイヤリティを売り上げの柱とする従来ビジネスモデルが崩れてくる。その時、どうするか、新たなビジネスモデルを構築する必要があった」(同)。そうした業界の動きを察知したうえでのオープンソースへの対応であり、それはクラウド化による演算資産の柔軟な確保にもつながる。同社では2015年内にCCNVによりHELYXの実行環境を自動でセットアップしたり、AWSやIBM SoftLayerでのSaaS型短期利用を可能とする「Helyx on Cloud」のサービス提供を開始する計画としている。また、特定分野に特化したフルターンキー最適設計システム「CFD Automation」というコンセプトも掲げている。例えば、自動車のとある部品のみを対象とした専用ツールといった具合に、セグメントを狭めて、GUIなども特殊なコマンド入力などをする必要なく、その分野の人たちが日常使っているような専門用語を活用したシステムの実現を目指すというもので、「目的を専門化することで、運用コストの低減も図れるようになるし、システムや作業そのものも単純化できる。それをさまざまなセグメントごとに集めていきましょうという提案」だという。さらにクラウド化という意味では、何もHPCを用いて演算性能を向上させる、というだけにとどまらない。数値解析の結果だけでなく、パワーポイントやワード文書、PDF、アニメーション、音声データなどのコンテンツをタブレットやスマートフォン上で閲覧、共有を可能とするオンラインコンテンツビューワ「CC-Cabinet」の提供も2015年より開始した。クラウド時代のビューワということを意識し、例えば計算途中の様子をスマホ上にて収束グラフで見たりすることができるほか、クラウドサーバで行っている計算を停止して、その後やり直す場合でも、最初からやり直しではなく、その情報をそのまま保持し続けているため、数カ月後であっても計算途中から復帰することが可能だ。こうした機能を実現するために、ユーザーに見えないCC-Cabinetの背後で稼働するCAE用高セキュリティオンラインストレージ「CC-Drive」も2年かけて開発したという。「オンラインストレージのデータ保存場所を物理的に国内のストレージに限定することで信頼性を高めたほか、Googleドライブ以上の機能を活用してもらえる」と藤川氏はCC-Driveの特徴を説明するほか、「クラウドサーバにアクセスしてデータを操作することとなる。そうしたニーズに柔軟性をもって対応するためにはオープンソースのツールである必要があった」と、同社がオープンソースに注力する理由を述べる。●未来のCAEは、計算をする前に結果が分かる?○CAE×ビッグデータで生み出される未来の解析とは?こうしたさまざまなツールの展開、オープンソースへの注力などを図っていくヴァイナスの今後について藤川氏は「HELYXをターンキーで利用してもらうことが重要になる。社内のコンピュータ資産で処理しきれない規模の大規模計算を短い期間だけ活用していき、設計・開発力を高めていくという流れができあがる。その際にはコンサルティングなどの能力も含めた総合力が必要になる」とビジネスの方向性を示す。また藤川氏、「スパコンを小学生でも使える環境を提供することは、ひいては日本のエンジニアの力を底上げすることにつながる。この点については、直接利益が出るわけではないので、ボランティアだと思っている。しかし、日本の企業として、外資系企業にはできない社会貢献活動であると信じている」と、同社の取り組みが単なる営利活動にとどまらないことを強調する。最後に藤川氏は、「すでにCAEなどのツールを長く活用し、一線で活躍してきたエンジニアが退職する時代が到来している。そうしたエンジニアたちが有してきた長年のノウハウが失われれば、設計・開発力の低下は免れない。そうした意味では、CAEの言語を使わずに、それぞれのセグメントの言語を用いて設計できるシステムと、そうしたベテランたちのノウハウをそこに組み込みたいというニーズは必ずでてくる。一方で、クラウドを使って、もっと楽に計算したり情報共有したいというニーズも出てくる。こうしたニーズをオープンソースを用いることでコストを抑え提供していくことで、究極的にはユーザーの設計業務の効率化を果たす手助けをしたい」と将来に向けた抱負を語ってくれた。さらに、5年以上先の未来の話としながらも、「CAEは同じ計算を何度も行うものだが、ビッグデータの理念を使えば、未知の結果に対して、これまでの計算結果などから答えを自動で出せるようになるかもしれない。そうした未来を築くためには、自社でノウハウを有していることが重要になってくる。そうしたノウハウの蓄積と、オープンソースの活用により、これまでCAEが扱ってこなかったパラメータを取り入れたりすることも容易にできるようになるかもしれない」と、CAEがAI化する可能性などを示し、そうした未来を自ら切り開いていくべく、自社の技術力強化を進め、それを日本のものづくり産業の競争力の向上につなげていきたいと語ってくれた。
2015年10月21日Windows 10無償アップグレード開始前、Microsoftは「システムの圧縮機能によって、OS(=システムファイル)の使用領域を大幅に節約する」とアナウンスしていた。弊誌Windows 10大百科の執筆時は具体的な動作を確認できなかったが、調べてみるとコマンドラインからNTFS圧縮を実行する「Compact.exe」に気になるオプションが加わっていた。このコマンドを使ったシステム全体の圧縮手順を紹介しよう。○生まれ変わった「Compact.exe」Microsoftの開発陣は2015年3月の時点で、圧縮済みシステムファイルから直接Windowsを起動する「WIMBOOT」の肥大化を避ける仕組みを加えると、公式ブログで表明している。これらは展開時に組み込む仕組みのため、一般的なスペックを備えるPCでは恩恵を受けることはできないと思われていた。だが、システムファイルの圧縮に対しては後から適用する方法を用意している。それが「Compact.exe」だ。以前から存在するCompact.exeはNTFS上のファイルをコマンドラインから圧縮するものだが、Windows 10では新たなオプションが加わった。例えば「/EXE」は変更頻度が低い実行形式ファイルに対して、XPRESSやLZXといった圧縮アルゴリズムも適用する。この圧縮を一括実行するオプションが、「CompactOs」だ。サブオプションとしては、圧縮状態を確認する「query」、すべてのシステムファイルを圧縮する「always」、すべてのシステムファイルを圧縮解除する「never」がある。これらはWindows 10インストール後でも実行できるため、ストレージの空き容量に悩んでいる多くユーザーにとって有益だろう。ただし、圧縮は伸長(解凍)とペアの存在だ。システムファイルを圧縮するということは、伸長処理もすべてのバイナリファイルに対して加わるため、必然的にパフォーマンスが落ちる。特にCPUパワーが乏しい場合は、体感的な速度低下は小さくないだろう。この点を鑑みて本Tipsを試してほしい。○システムファイルを圧縮する操作自体は簡単だ。管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、コマンドラインから「compact /CompactOS:always」と実行するだけでよい。ただし、進捗状況を示すプログレスバーなどは現れず、作業中はI/Oの負荷が大きいため、PCをそのまま放置できるタイミングで実行することをおすすめする。圧縮が完了すると、圧縮対象となったファイル数や全体の圧縮量と圧縮率を示すメッセージが現れる。今回試した環境では圧縮率「1.7対1」で、約3.5Gバイトのストレージ容量を空けることに成功した。前述のとおり、「compact /CompactOS:query」と実行すれば、現在の圧縮状態を確認できる。圧縮はしたものの、全体のパフォーマンスが低下する場合は、「compact /CompactOS:never」で圧縮を解除すればよい。圧縮時と同等の時間を要するが、筆者の環境では問題なく元の状態になることを確認した。阿久津良和(Cactus)
2015年10月18日システムサポートは10月14日、ナチュラル・オーガニックコスメ製品の輸入・製造・販売を行うネイチャーズウェイのERPを含む基幹システムを、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行・構築したことを発表した。今回、ネイチャーズウェイは基幹システムのハードウェア保守契約が切れ 、利用中のデータセンターの移転とそれに伴う費用負担の可能性が生じたことに伴い、AWSへの移行を検討したという。移行対象のシステムは、ERP/基幹業務システム「スーパーカクテルシリーズ」用のアプリサーバ、スーパーカクテル用データベース・サーバ、データ連携ソフト「DateSpider」用サーバ、BI/情報活用ツール「Dr.Sum」用サーバ。稼働は12月初旬を予定している。AWSへの移行により、既存システムで課題だった「バックアップ環境のクラウド化(既存環境ではオンプレミスのNASを利用)」「システム監視(既存環境では未実装)」を解決し、管理運用の工数削減にもつながったという。今後、サーバの管理運用工数を削減するため、オンプレミス環境(ファイルサーバ、レガシーシステム)、ホスティング環境(EDIサーバ)のクラウドへの移行も検討する予定。
2015年10月14日日立ソリューションズは10月13日、企業内に存在する複数のWebシステムや業務システムへのログインを1回の認証で実現するシングルサインオン・ソフトウェア「Single Sign-On Manager」を10月14日から販売開始すると発表した。同製品は、同社がこれまで提供してきたシングルサインオン・ソフトウェア「SRGateCA」の後継製品として、グローバルでも利用しやすい英語OSに対応したものとなる。新製品は、クライアントPCにソフトウェアを導入するクライアントエージェント(代行入力)方式で、Webシステムに加えて、独自のログイン画面を利用するようなクライアント/サーバ・システムにも対応する。Active DirectoryやOpen LDAPなどのユーザー管理サーバと連携するだけでなく、サーバを構築せずにスタンドアロンでも利用できるため、既存システムやアプリケーションへの影響が少なく、低価格かつ短期間での導入が可能となっている。仮想環境にも対応しており、仮想アプリケーション環境(Citrix XenApp)や仮想デスクトップ環境(Citrix XenDesktop)で利用可能。そのほか、指1本でシステムにログインできる指静脈認証システム「静紋」や ICカード認証との連携もサポートしており、容易にセキュリティを強化できる。価格(税別)は、1ユーザー・ライセンスが1万円、100ユーザー・ライセンスが70万円となっている。
2015年10月14日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月8日、米国IPsoftと提携し、人間の自然な会話や書き言葉を高い精度で解析する人工知能(AI)を活用した対話業務支援サービス「Virtual Assistant」を2016年夏より提供開始すると発表した。同サービスにより、コールセンターの一次受付や店頭窓口、アウトバンド要員をクラウド上のAIに置き換えることが可能で、オペレーター/販売員の後方支援としても利用できる。また、自動応答に加え、請求書発行業務やメール送信、資料の発送など、応対に伴って発生するビジネスプロセスの処理も行いながら、一人称で応対を完了することができる。例えば、コンタクトセンターなら、エンドユーザーの予約受付/トラブル相談/各種手続きなどを、自然言語による対話を通じて一人称で応対し、曖昧な質問には最適な問い直しを行い、問題を特定できる。問い直しは同サービスが自動的に判断して行うため、従来必要だった問い直し部分のシナリオの作成は不要となるという。解決できない問題や複雑な要請は人間のオペレーターに自動エスカレーションするとともに、オペレーターの応対を自動学習し、次回以降の応対に生かす。同社は商用サービスの提供に先立ち、2016年2月より開始予定のPoC(Proof of Concep)における参加企業を募集し、さまざまな利用シーンでの活用実証実験を重ねることで、サービス品質の向上を進める。
2015年10月09日日立電線ネットワークスは10月1日、テレビ会議システムとして高精細な画像とコンパクトな設計のPolycom RealPresence Groupシリーズ本体とカメラおよびモニターを一体化する専用のアタッチメントを開発したことを発表した。一体化により、持ち運びが可能となり、テレビ会議装置を設置していない会議室でも移動してすぐにテレビ会議を開催することが可能となった。また、打ち合わせコーナーのような小規模なミーティングスペースにも適しているという。この一体型ビデオ会議は、ハンドルが付いており持ち運びに便利で、さらにLANケーブルと電源コード接続だけでセッティングできる。また、Full HD相当の高精細な人物映像と資料画像や、RealPresence Group 500の場合、内蔵多地点接続可能(最大4拠点 HD相当)といった特徴を持つ。ビデオ会議システム本体は、Polycom RealPresence Group 310とPolycom RealPresence Group 500の2種があり、オプションでサウンドバースピーカーも用意されている。同シリーズの装着確認済みモニター機器は、BENQの24型ワイドモニター、I-O DATAの21.5型および23.6型ワイドモニターの3タイプ。カメラ、本体、モニターをアタッチメントで一体化した組み合わせでの提供となり、23.6型ワイドモニターの場合、重量は8.5kg。価格はオープンで提供される。
2015年10月02日NTTドコモは10月1日、大量の画像データベースからスマートフォンなどで映し出した画像と一致する画像を高速で照合する「画像認識システム」を開発したことを発表した。同システムは、サイバネットシステムが提供するスマートフォン用ARサービス「cybARnet(サイバー・エーアール)」の機能のひとつとして採用され、同日より提供されている。ドコモの「画像認識システム」の特長は、独自に開発した画像認識のアルゴリズムを利用し、700万の画像からでも一致する画像を1秒以内に照合できる処理速度と、高い認識精度を実現している点。データベースに登録する画像は、これまでドコモ側で処理を加え登録する必要があったが、画像処理を自動化する仕組みを構築したことで、開発者が画像データベースに任意の画像を自由に登録できるようになり、開発期間の短縮を図ることができる。「cybARnet」は一般向けの無料ARアプリ「cybARnetアプリ」と、法人などの開発者向けにARコンテンツ作成が可能な「ARコンテンツ開発ポータル」を提供するサービス。従来、画像認識によるARコンテンツを開発する場合には、開発者はARコンテンツを呼び出すためのQRコードの作成が必要だったが、今回ドコモの「画像認識システム」を採用したことで、スマートフォンで映し出した画像からARコンテンツを直接呼び出せるようになり、QRコードの作成が不要となった。なお、「画像認識システム」は、ドコモが持つ技術をオープンなWebAPIとして提供する「docomo Developer support」において、簡易版の画像認識APIとして利用可能となっている。
2015年10月02日人工知能を駆使したビッグデータ解析事業を手がけるUBICは10月1日、業務上のメールや日報などの電子データを解析し、潜在的なチャンスやリスクを人工知能が知らせる、ビジネスデータ分析支援システム「Lit i View AI助太刀侍(AI助太刀侍)」の提供を開始すると発表した。「AI助太刀侍」は、ビジネス上の膨大なデジタルコミュニケーションの中から、たとえば「最近お忙しそうですね?」と営業担当者の来訪を緩やかに期待する顧客からのメールのような、まだ顕在化していない「予兆」をいち早く人工知能が捉えることでビジネスチャンスの獲得と機会損失の防止、リスクの回避など行うもの。まず、顧客の経験や暗黙知に基づいて、検知が必要か不要かに仕分けられた一定数のデータを「教師データ」として「AI助太刀侍」に学習させ、次に同社のクラウド環境「Intelligence Cloud」上の「AI助太刀侍」に、顧客のメールサーバーやファイルサーバーからメール、日報などの調べたい電子データをインポートする。その電子データを「AI助太刀侍」で解析し、検知したい教師データとの関連性が高い順にスコアリングして、上位から順に表示。一定のスコアを超えたデータが発生した場合は、「AI助太刀侍」からその顧客の管理者に自動でアラートを出したり、高スコアのデータの詳細を表示させる。さらに、検知状況の統計レポートや、今後の発生を予測する分析レポートも作成する。再学習による人工知能の強化も可能で、「AI助太刀侍」の「Central Linkage(セントラルリンケージ)」の機能では、より深く調査したい対象者について、「誰から誰に宛ててメールが送られ、誰にCC:されているか?」などを相関図で表示することができ、情報が渡る経路や、送られるべき人に情報が出ていなかったり共有すべき情報が共有されていないケースなどを把握できる。今後、APIの提供による、外部のシステムと「AI助太刀侍」との連携を行う予定があり、販売代理店が独自に開発したレポートの出力、分析機能との連携も可能になるという。
2015年10月02日ESETは9月29日(現地時間)、「Vulnerable medical equipment details disclosed online」において、医療システムの多くが攻撃者によってデータ窃取などを引き起こされる可能性がある脆弱性を抱えていると伝えた。主にScott Erven氏およびMark Collao氏の発表を引用した内容になっており、データ漏洩と患者のプライバシーに関する懸念が示されている。具体的に問題を抱えている医療関連企業や組織は情報の重要度の高さから明らかにされていないほか、脆弱性の詳細も明らかにされていない。ただし、問題の多くはそうした医療システムがすでにサポートの終了した古いオペレーティングシステムを使用していることに原因があると指摘しており、その一例としてWindows XPが引き合いに出されている。医療システムのみならず、Windows XPなどセキュリティサポートの終了したオペレーティングシステムを搭載したシステムは相当数に上ると見られる。特に、ITに精通していないユーザが使用しているシステムにはこうした懸念が残る。今後、セキュリティファームや当局の発表に注目するとともに、アドバイザリに従った対処が期待される。
2015年10月01日ケースレーインスツルメンツは9月28日、同社のパラメトリック・テスト・システム「S530シリーズ」のシステム・ソフトウェアの最新版「KTE(Keithley Test Environment) version 5.6」を発表した。S530シリーズは半導体製造分野で使われており、標準のCMOS、バイポーラ、MEMS、その他関連する低電圧半導体プロセスで一般に使用される200Vシステム構成に加え、GaN、SiC、Si LDMOSパワー・デバイスの要求による、テストが難しいブレークダウン、リーク・テストのために最適化された、独自の1kVバージョンも提供されている。今回のソフトウェアアップデートにより、測定時間が最大25%短縮されるため、ウェハレベルのテスト・スループットが向上することとなる。また、低電流測定のセトリング時間を短縮するシステムSMUの強化も含まれており、最新のケースレー・デジタル・マルチメータ(DMM)が統合されることにより、短時間での低電圧、低抵抗測定が行えるようになったという。
2015年09月28日竹中工務店は9月25日、電力システム改革後に想定される多様な料金メニューに対応して電力デマンドを最適に制御可能という新しいエネルギー・マネジメント・システムである「I.SEM(アイセム)」を開発し、同社の関連会社であるTAKイーヴァックの新砂本社ビル(東京都江東区)に初導入したと発表した。新システムは、建物の負荷予測を行い、熱源や空調機器などの運転を最適に計画し、計画通りの電力デマンドを達成する。マネジメント機能を、同社が開発したクラウド利用の情報プラットフォーム上に構築することで高速処理が可能になったことや、パーソナル対応のデマンド・レスポンスを負荷予測に初めて加えたことで、最先端のリアルタイム制御を実現しているとしている。これにより、予測から運転までを一貫して高精度・高効率で可能になり、計画通りの電力デマンドを達成することで多様な料金メニューに対応するという。同社によれば従来も個別の予測システムや制御システムはあったが、各種の個別システムをクラウド上に構築してトータルに制御するマネジメント・システムの実用化は初めてだという。同システムは、パーソナル対応デマンド・レスポンスを加味した「負荷予測システム」、複雑な熱源やEVを考慮して電力調達を計画する「最適運転計画システム」、太陽光発電や発電機など多様な電源を最適にコントロールして空調や照明と統合して電力デマンドを制御する「リアルタイム制御システム」といった特長を持つ。負荷予測システムでは、電力負荷と熱負荷を±5%で予測するエンジンに、居住者の意向を反映させるパーソナル対応デマンド・レスポンスを加えてシステム化したことで、居住者に不満の無い環境での高精度な負荷予測を実現しているという。最適運転計画システムでは、電気熱源やガス熱源、蓄熱などの複雑な熱源機器とEV充電のスケジュールを、コストや省CO2などの目的に合わせて最適化し、電力調達の計画値を決定する。必要な分析機能を、同社が開発した情報プラットフォームである「ビルコミ」に構築することで、高速かつセキュアなシステムを提供しているとのこと。30分単位の計画値に対して電力デマンドを±3%に制御しているが、更に短い周期でのデマンド対応力へのポテンシャル、を持つとしている。なおビルコミのネットワークおよびクラウド・インフラには、NTTコミュニケーションズの「Arcstar Universal One」および「Cloudn」を利用しているとのことだ。リアルタイム制御システムでは、新開発のMSEG(multi-source energy gateway:エムセグ)が中核になるという。MSEGは、パワー・コンディショナー機能(PCS)とバッテリー機能を一体化したコンポーネント(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による助成を受けて開発)を制御するシステム。太陽光発電・発電機・電気自動車など最近のビルが採用する多様な分散型電源を統合して、効率良くビルの電力デマンドをリアルタイムに調整するとしている。MSEGはさらに、分散型電源を利用して停電時の自立運転が可能としている。これらの機能をパッケージ化したことでイニシャルコストを低減し、施工性を向上させるなど提案時の商品性を高めたという。同社は今後、I.SEMを導入したTAK新砂ビルで実証データを蓄積し、システムの充実をさらに図ると共に、オフィスビルを始め、集合住宅や学校、大型ショッピングセンター、駅ビルなどのエネルギー・マネジメントとBCPニーズの高い建物に提案していくという。
2015年09月28日インフォコムは9月18日、グループ会社であるGRANDITが開発・販売を推進するERP「GRANDIT」が、ウイングアーク1stの基幹システムに採用されたと発表した。ウイングアーク1stは新基幹システムの構築にあたりERPパッケージを検討した結果、費用・機能・内部統制の3つの選定基準により、GRANDITの採用を決定。特に既存で稼働している見積もりシステムや商品マスタシステム、SFA(Sales Force Automation)などのクラウドサービスや同社製品を用いた「情活基盤」との連携対応のしやすさを評価したという。一方、導入支援は、GRANDITでの導入経験数、同社製品との連携実績がある候補の中から、技術力とプロジェクト推進力、導入目的に対する提案内容が評価されたベニックソリューションが採用された。新基幹システムの稼働により情報活用のレベルは上がり、顧客情報は販売履歴や保守契約といった基幹データと統合され、顧客軸の可視性が高まったほか、外部の企業データと組み合わせることで、企業とそのグループ内でウイングアーク1stの製品を導入している企業、そうでない企業が一目で分かるようになり、新規開拓の顧客へのアプローチが容易になったという。
2015年09月18日