来年ソロデビュー10周年を迎えるファンキー加藤が、3年ぶりのワンマンライブ『I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂』を2024年4月28日(日) に日比谷野外音楽堂で開催することが決定した。『I LIVE YOU』は、これまでに東京・日本武道館、大阪・大阪城ホール、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ、愛知・日本ガイシホール、神奈川・横浜アリーナ、東京・エスフォルタアリーナ八王子と全国各地のアリーナで、全国ツアーとはひと味もふた味も違うマイク1本の1発勝負を繰り広げ、聴く人の心に真っ直ぐに言葉を届け、紡いできたイベント。ファンキー加藤も「これまで日本中の様々な大舞台に、マイク一本勝負で戦い抜いてきた『I LIVE YOU』が久々に開催されます。今度のステージは、数々の伝説を生み出してきた音楽の聖地“日比谷野音”。ソロミュージシャン・ファンキー加藤としてデビューしてからの10年間はいったい何だったのか、その答えをファンの皆さんと共に見つけ、そして共に歌いたいと思います」と聖地・野音に向けて意気込みをコメント。続けて「何よりもまずは心からの感謝と愛を。きっと晴れ渡るであろう大空の下、君の笑顔を待っています」とファンへの10年分の感謝の思いも伝えた。併せて、本公演の告知映像が公開された。ファンキー加藤『I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂』告知映像<公演情報>ファンキー加藤『I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂』2024年4月28日(日) 日比谷野外大音楽堂ファンキー加藤『I LIVE YOU 2024 in 日比谷野外音楽堂』詳細はこちら:関連リンクオフィシャルサイト:公式X(旧Twitter):公式Instagram:
2023年09月19日TBSの日比麻音子アナウンサーが17日、東京・TBS赤坂ACTシアターで行われた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表でMCを務めた。TBS開局70周年記念として上演される同舞台。お笑いコンビ・バナナマン(設楽統、日村勇紀)と4人のTBSアナウンサー(江藤愛、日比麻音子、宇賀神メグ、田村真子)が応援大使を務め、番組などを通して『ハリー・ポッター』の世界観と舞台の魅力を伝えていく。この日の製作発表でMCを務めた日比アナは、ローブとマフラーをまとったコスプレ姿を披露。主人公ハリー・ポッターを演じる藤原竜也、石丸幹二、向井理らの様子を見て、「皆さんがご挨拶されている様子を見るだけでもチームワークの強さを感じました。東京から発信する舞台、とても楽しみにしています」と笑顔で話した。また、主演の3人が「インターナショナルチームが理想とするハリー・ポッターを完成させるためにもうひと踏ん張り頑張っていけたら」(藤原)、「きっとこれは日本で開幕したら大ブームになるんじゃないかなと。会場に入ってからショーが終わるまで魔法の世界に飛び込める。私たちもそれが表現できるように精一杯頑張っていきたい」(石丸)、「魔法の世界観だけでなく1人の人間として受け取ってもらえることがたくさんあると思っています。何度も足を運んで細かい部分まで生で体験していただきたい」(向井)などと意気込みや魅力を語ると、日比アナは「ますます舞台が待ちきれなくなりました」と目を輝かせていた。本作は、ハリー・ポッターシリーズの原作者であるJ.K.ローリング自ら原案を練り上げ、「家族、愛、喪失」をテーマにハリー・ポッターの19年後の新たなストーリーを舞台化した作品。ハリー・ポッターの世界観を忠実に再現した舞台空間や衣裳、目の前で飛び交う魔法の数々、心躍る音楽など劇場で体感するすべてが、観客を魔法の世界へ誘う。ローレンス・オリヴィエ賞やトニー賞を含む60以上の演劇賞を受賞した本作は、世界では7都市目、アジアとしては初上演となる。製作発表には、ハーマイオニー・グレンジャー役の中別府葵、早霧せいな、ロン・ウィーズリー役のエハラマサヒロ、竪山隼太、アルバス・ポッター役の藤田悠、福山康平、スコーピウス・マルフォイ役の門田宗大、斉藤莉生、マクゴナガル校長役の榊原郁恵、高橋ひとみも参加。TBSテレビ代表取締役社長の佐々木卓氏、ホリプロ代表取締役社長の堀義貴氏、演出補のコナー・ウィルソンも登壇した。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、7月8日に東京・TBS赤坂ACTにて開幕する(プレビュー公演は6月16日~7月7日)。
2022年05月17日――今回、伊藤蘭さんのセカンド・アルバム『Beside You』の発売に合わせて、セカンド・コンサートツアーが開催されます。その一環で、9月26日に東京の日比谷野外大音楽堂での公演が決定しました。「私が野音のステージに立つのは、キャンディーズ時代の77年7月17日以来、まさにその場所でキャンディーズが解散宣言をしてから、44年ぶりになります」――蘭さんにとっても、ファンにとっても、非常に強く印象に残る野音のステージに、立つことへの率直な思いをお聞かせください。「数年前の私でしたらお断りしていたかもしれません。でも、実際にこのお話をいただいたとき、無下にお断りできない、NOと言えない私がいたことも確かでした。私の今の音楽活動を支えてくださるスタッフの皆さんのなかにも、キャンディーズ時代の活動や音楽に、思い入れを持ってくださっている方が多くいらっしゃるんです。今回、その方が運んでくださったお話でもあり、これは私ひとりだけで決められるものではないな、とその思いを受け止めることにしました。それは、きっとファンの皆さんも受け入れてくださることなのだろうと思い、野音のステージに立つ気持ちになりました。でも、いまだにピンときていない部分もあって、私が今、野音でコンサートを行う意味って何だろう…と考えているところです」――一昨年より音楽活動を再開した蘭さんですが、久しぶりにステージに立って歌った時は、どんな思いがありましたか。「もちろん緊張もしましたし、皆さんに受け入れていただけるのか不安もありました。でも、会場の皆さんがあたたかく迎え入れてくれて、そのエネルギーにお応えするような形で乗り越えられた気がします。あの時は、アルバムのレコーディングの段階からいろいろな思いが押し寄せて泣きそうになってしまい、こんな状態でライブなんて大丈夫かしら!?と思っていたんです。マイクを持って皆さんの前に立った時に、泣いて歌えなくなることだけはしたくないと思って…。」――前回のステージでもキャンディーズ時代の楽曲を歌われましたが、今回はいかがですか。「今回も、新曲はもちろん、キャンディーズ時代のナンバーもセットリストに入れています。ステージに立つ前は、当時の楽曲を“歌います!”って言い切れるほどの自信は持てずにいたんです。でも、私ひとりになってしまいましたが、皆さんが喜んでくださるのであれば、歌える曲は歌ってみようと思いはじめました。それにイントロが流れると、自然と当時の感じになってしまうのが不思議なものですね。振り付けも細かいところを忘れていたり、体力的にもなかなか大変ですが、皆さんに喜んでいただけている、その手ごたえがある限りは歌っていけたらと思います。」――蘭さんにとってステージとは、どういう場所でしょうか。「エネルギー源のようなものですね。音楽に身をゆだねて皆さんと同じ時間を共有し、音楽によって心が潤い、終わったあとに、楽しかったねと言える大切な場所です。去年から今年にかけてコロナ禍という状況もあり、皆さんも思うようにならないことがいろいろあったかと思います。“会えない時間が愛育てるのさ”という歌もありましたけれど、だからこそ開催できた時の喜びは、より大きく感じるでしょうね。私も今からその日を心待ちにしています」――最後に、今回の野音のステージへの意気込み、楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。「私が44年ぶりに野音のステージに立つ、その意味がどういうことなのか、それが当日分かるのが、私も今から楽しみです。あまり考え過ぎずに、またその場所に戻れたことをお互いに喜び合えるコンサートにできたらいいな、と思っています。皆さんぜひ、日比谷野音に足を運んでください。私も皆さんにお会いできることを楽しみにしています」取材:馬飼野元宏撮影:堀 清香■公演情報「伊藤 蘭コンサート・ツアー2021~Beside you & fun fun ♡ Candies!~」2021年9月20日(月・祝)フェスティバルホール16:00開場 / 17:00開演2021年9月26日(日)日比谷野外大音楽堂16:00開場 / 17:00開演2021年10月28日(木)中野サンプラザホール17:30開場 / 18:30開演2021年10月29日(金)中野サンプラザホール17:30開場 / 18:30開演券種・料金フェスティバルホール、中野サンプラザホール:全席指定 9,900円(税込)日比谷野外大音楽堂:全席指定 12,000円(税込)※お引っ越しのお祝い返し付き▼チケットはこちらから※未就学児入場不可
2021年08月11日おしゃれの悩みを解決するMOOK本が登場!2020年5月9日、宝島社から、ファッションブロガー日比理子の新刊『どんな服を着てもおしゃれに見えない! がなくなる方法教えます。』が発売された。同書は、今日から取り入れられる簡単なおしゃれテクニックが満載。「自然体なおしゃれ」が楽しめるようになる1冊だ。販売価格は1,320円(税込み)。楽天ブックスやAmazon.co.jpなどで購入することができる。いつも同じようなコーディネートになってしまう人やファッションが苦手な人、ファストファッションの活用方法が知りたい人などにオススメだ。元国内系客室乗務員の日比理子日比理子は1980年生まれ。客室乗務員として10年間勤務した後、アパレル業に転身。「ファッションを教養に!自分らしいファッションで人生をより楽しく豊かに輝かせる」をモットーに、ファッションブロガー、ライター、カラーコーディネーターとして活躍している。オフィシャルブログのフォロワー数は40,000人以上、著書には『色と着こなしの微差で一生おしゃれな人になる』『MY FASHION BOOK 色あわせと着こなしでいつもの服がおしゃれに見える!』などがある。(画像は日比理子オフィシャルブログより)【参考】※日比理子オフィシャルブログ※楽天ブックス※Amazon.co.jp
2020年05月15日TBSラジオで放送されている『アフター6ジャンクション』(毎週月曜~金曜 18:00~)に出演するTBSの宇垣美里アナ、宇内梨沙アナ、日比麻音子アナ(通称「アトロク三姉妹」)が、23日に発売される雑誌『BRODY』12月号にて、素顔に迫るグラビアを披露する。同番組のパーソナリティを務めるヒップホップグループ・RHYMESTERの宇多丸がグラビアをプロデュースし、それぞれの素顔に迫るため「本」「ゲーム」「ビール」 など3人に趣味を満喫してもらったカットや、銃を持った普段とは違う一面も見えるグラビアが収録される。さらに同誌で掲載される3人のインタビューでは、ビデオ考古学者・コンバットRECが担当し、番組の裏話が語られる他、宇垣アナの回答に対して「怖い!」とコンバットRECが声を漏らす場面も。その他にも、表紙をアイドルグループ・欅坂46の今泉佑唯が務め、ロングインタビューも掲載される。
2018年10月23日夏休み本番!どこかに旅に出るのも楽しいけれど、東京の街中に佇む、好奇心を満たしてくれる場所も気になるところ。東京駅、銀座からも歩ける距離にある日本橋。古くから栄える日本橋の街に、この夏注目を集めること間違いなしのスポットが。今夏、重要文化財に指定された「日本橋三越本店」。歴史と趣きに満ちた日本橋三越本店の見所をお届け。今に残る西洋建築は、日本橋という街の矜持江戸の城下町であった日本橋、明治期以降は日本経済の中心地として発展してきた。明治、大正と移りかわる時代の中、次々と近代的な商業ビルが建ち街を変貌させてきた。日本建築界の重鎮・辰野金吾による「日本銀行本店」、アメリカンルネッサンス仕様の「三井本館」、古今東西の美を集めた「日本橋高島屋」、そして日本一有名な橋「日本橋」など、徒歩10分ほどの圏内に、重要文化財に指定されている名建築が建ち並ぶ日本橋。そんな中、新たに「日本橋三越本店」が国の重要文化財として指定されることに。そこで日本の百貨店建築のパイオニアともいえる「日本橋三越本店」の見どころをご案内しよう。現在(2016年)の日本橋三越本店日本の百貨店建築の礎となった日本橋三越本店日本橋三越本店の歴史を紐解くと、延宝元年(1673年)創業の“現金掛け値なし”を掲げて、現金販売をいち早く実現して江戸庶民に喝采をあびた呉服店「三井越後屋」が出発点。明治37年(1904年)に呉服商としての商いからさらなる発展を、とロンドンの老舗百貨店ハロッズにならい“デパートメントストア宣言”を発表、日本最初の百貨店として名乗りを上げた。大正3年(1914年)に誕生した5階建て鉄筋コンクリート造りの日本橋三越本店は、ルネサンス様式の外観、採光天井の中央ホール、エレベーターなど、美しい装飾と最新設備がそなえられ日本の百貨店建築の礎となる。その後、関東大震災で被害を受けながらも、修復・増改築を行いながら新たな魅力をたずさえて日本橋三越本店は復活してきたのだ。大正3年(1914年)当時の日本橋三越本店昭和10年(1935年)当時の日本橋三越本店商業神マーキュリーとライオンが迎える本館ライオン口そんな歴史のある日本橋三越本店。まずはライオン像が鎮座する本館正面入口側の外観をじっくり観察。増改築を繰り返したとは思えぬ統一感ある意匠は、大正時代より一貫して同じ会社(現・横河建築設計事務所)が施工していることが大きな理由の一つであろう。装飾が施された壁面を輝かせる金色の像は、イタリアの商業神・マーキュリーだ。その下には、通称ライオン口と呼ばれる本館の正面入口があり、2頭のライオン像が鎮座する。明治時代にイギリス視察に出向いた当時の支配人・日比翁助が、トラファルガー広場のライオン像に感動。すぐに製作依頼をして大正3年(1914年)から三越でお客様をお出迎えする存在になった。合格祈願などの都市伝説を持つライオン像には、詩人・谷川俊太郎さんが像をモチーフに詠んだ詩が飾られているので注目して欲しい。本館正面入口に鎮座するライオン像下からも上からも眺めて欲しい天女像。ホールの壁にはアンモナイトそして本館にある五層吹き抜けの中央ホールへ。大理石張りの柱や梁、ステンドグラスを配したエキゾチックな装飾の天井、手摺や回廊のガラスへのアールデコ装飾、パイプオルガンなど見どころが満載。またホールの中央には、10年もの歳月をかけて手がけられた「まごころ像」と呼ばれる天女像が置かれている。柔らかな微笑みをたたえる天女像はその前面だけではなく、かわらしい鳥たちやサイケデリックな球体など背面の細やかな彫刻装飾もじっくり鑑賞してほしい。ちなみに1階と3階が天女像を見るベストビューポイントだ。そしてホールの壁のあちらこちらにアンモナイトの化石が「こんにちは」と顔をのぞかせているので、こちらもお見逃しなく。いたるところに発見のある中央ホールは、何度訪れても楽しい場所かも。毎週水・金・土・日の10時半、正午、15時の1日3回パイプオルガンの音色を聴くことができる。中央ホールには圧巻の「まごころ像」が出迎える屋上で金字塔を見終えたら大人もOKなお子様ランチでひと息大正時代を思わせるレトロモダンな意匠のエレベーターに乗り屋上ガーデンへ。青空にそびえたつような建築物は、大正10年(1921年)に作られた金字塔だ。日本橋三越本店の象徴でもあるので、ここは必ず押さえておきたい。また屋上には向島の三囲神社があるので、楽しい一日を祈念してお参りを。ほかにも豪華絢爛な装飾に圧倒される三越劇場などへも足を運びたい。さて館内の重要文化財スポットをぐるりと巡った後は、名物メニューをいただきにカフェ&レストラン「ランドマーク」へ。昭和5年(1930年)の登場以来、子どもたちがこぞっておねだりする「お子様ランチ」(800円)はランドマークの目玉メニュー。シュシュと煙を出しながら供される蒸気機関車の器には、チキンライス、エビフライ、スパゲティなど、お子様ランチといえど本格的な洋食プレート。大人の注文もOKなのでビールのお供にどうぞ。またライオン像よりずいぶんとかわいい「ライオンパンケーキ」(600円)は、子どものみならず大人女子から人気だとか。昭和5年(1930年)の登場以来人気の「お子様ランチ」(800円)さて日本橋三越本店では、その同店の歴史や館内の名物スポットを詳しく知りたい人に向けて「日本橋三越本店 店内ツアー」を開催中。お買い物ついでに、名建築を学ぶ知的ホリデーなんていいかもしれない。【日本橋三越本店 店内ツアー詳細】毎月第2土曜日:第1部11:30~ 第2部14:30~所要時間:約70分定員:各回15名参加費無料※申し込みは本館1階ライオン口案内カウンターにて受け付ける※小・中・高生生を対象とした「日本橋三越本店 歴史ツアー」もHPにて受付中
2016年08月08日長年低迷を続けてきた百貨店は近年、訪日外国人の急増を背景とした成長に湧いています。一方、元々の基盤であった日本人からの支持は、私が耳にする限り充分には回復しておらず、バブル崩壊以来続く "若年層を中心とした百貨店離れ" という最大の課題はまったく解決していないというのが実情のようです。私は、このような百貨店離れを生んだ原因を、ひとえに「百貨店各社がその存在意義を明確に打ち出せてこなかったことにある」と考えています。(若年層は百貨店を、「おじいちゃん向けショッピングセンター」と認識しているのではないでしょうか。)今回は、百貨店の歴史と近年の動向から、次の百貨店像を考えていきたと思います。○「百貨店」とは、近代小売業すべてを指す言葉そもそも「百貨店」とはどういう業態なのでしょうか。百貨店を知らない人はいないと思いますが、「百貨店って何?」と改めて聞かれ、自信を持って答えられる人は少ないと思います。2015年7月時点、経産省では「大きな店舗で多様な品揃えをして主に対面(接客)で売る(*1)」といった意味合いで定義しており、おそらく多くの人が抱くであろう「高級」「富裕層」「百貨 (多様な品揃え)」といったイメージを反映したものとなっています。しかし、歴史を振り返ると、昭和31年に施行された百貨店法では「同一の店舗で床面積の合計が1,500平方メートル以上の物品販売業」、つまり大きいお店=百貨店といったとても大雑把な言葉で定義されており、現在の高級なイメージは一切語られていません。実際、上野広小路の松坂屋は、改築時に百貨店の祖・日比翁助氏にアドバイスを求め「大衆向け百貨店」を目指していますし、大丸は戦前「どこよりも良い品をどこよりも安く」を標語としており、現在とは大きく異なる認識だったことが伺えます。このことから私は、「"百貨店" という言葉そのものは組織的に小売・流通事業を行う、いわゆる近代小売業全てを表しており、時代の流れにより、結果的に "大きな館を構えて買い回り品を中心に丁寧な接客で売る" といった姿になった企業」と捉えています。○百貨店は、存在意義を求めて常に変化することを宿命付けられている百貨店のように、定義自体が明確な "儲けるための戦略" を持たないビジネスというのは、時代の変化に合わせて、常に新しい存在意義を提示しなければならないという宿命を持っています。百貨店の歴代の経営者や従業員は、この宿命に負けることなく、むしろそれを武器とするかのように時代に合わせた変化を続け、現在に至るまでの栄光の歴史を紡いできました。この歴史を受け継いだ百貨店各社の経営陣は今、ショッピングセンターや製造小売の成熟とインターネットを用いた新興勢力各社が台頭する環境にさらされ、新しい百貨店像を描くことに頭を抱えています。実は、欧米の百貨店が仕入れから販売まで幅広い役割を担当するのに対し、日本の百貨店は、建物や陳列、催し物、接客など、お客様に見える部分を整えることを主な業務として、仕入れや物流など、お客様に見えない部分の多くを外部業者に委託するような仕組みをとっています。たとえば、商品の仕入れを行うとき、欧米の百貨店は多くの人員を割いて非常に厳しい目で一品一品細かくチェックした上で"買い取る"のに対し、日本の百貨店はより少ない人員で臨み、売れ残った商品はメーカーに引き取ってもらうような契約が主流です。これは戦後、急成長した市場に対応するために貴重な自社経営資源を前線に集中させるべく辿り着いた事業モデルで、決して怠慢でも戦略ミスでもないのですが、結果として欧米百貨店と比べると日本の百貨店は、強みを持てる領域が狭くなっています。強みを持てる領域が狭いということは、すなわち他社との違いを作り出しづらいということであり、一例をあげるならば、百貨店とショッピングセンターの違いはほとんどなくなっているという具合です。○"次の百貨店"はどこにある?このように大きく変化を選ばなければならない時期にさしかかり、百貨店各社は新しい道を歩み始めています。(残念ながら決断できていない会社も多いようではありますが・・・)Jフロントリテイリング (大丸松坂屋)は、大丸を復活させた改革者・奥田務氏 (現 取締役相談役 / 旧 会長兼CEO)の采配のもと、賃貸型を増やして自社の担当範囲を縮小していく、いわゆるショッピングセンターに近いビジネスモデルへの移行を進めています。収益が安定するだけでなく、新しいお店や商品を取り入れやすい賃貸型の強みを活かし、若い層を取り込んでいこうという「新しい百貨店像を描く」戦略です。また、先日もラオックスを拡大導入することを発表するなど、トレンドに沿った商業 施設作りに積極的に動いています。対照的な戦略を取るのが伊勢丹メンズ館を大成功に導いたマーケター・大西社長が率いる三越伊勢丹ホールディングスです。大西社長は、独自商品率や原価率の向上(品質向上)など、仕入れ・品揃えを中心に自社の担当範囲を拡げていく方針を打ち出し、欧米百貨店に近づいています。担当範囲を拡げることにより「三越伊勢丹カラー」を打ち出しやすい事業体を作り上げ、再び「三越 / 伊勢丹じゃないと買いたくない」と言われるくらい魅力的なお店を目指そうという「従来型百貨店を極める」戦略です。百貨店業界3強のもう一角を担う髙島屋は、現在の強みを活かして経済成長と円安を背景に急騰するアジアからの需要を捉えて成長しようという色が比較的強く見られるほか、国内ではグループ各社の力を結集して街ごと作り上げていこうという戦略を打ち出すなど、比較的幅広い方針が見て取れます。(海外市場に日本の魅力的な商品を届ける事業で、弊社(トランスコスモス)もご一緒させていただていています)○「百貨店って何?」にちゃんと答えられた会社だけが生き残っていく変化を宿命付けられた百貨店という業態は、小売業のリーダーたるプライドに裏付けされた努力により、常に時代を先取りする文化発信装置としての役割を担ってきました。しかし流通業の成熟と共に、今までの百貨店の居場所はなくなり、市場は全盛期とは程遠い水準まで落ち込んでしまいました。このような状況を脱するためには、新しい存在意義を打ち出す必要があり、すなわち "若年層からの「百貨店って何?」に答えられるか" がその会社の成否を分けるようになるのではないかと考えています。今後数年で、強い百貨店ほど大きく変化し、新しい価値を訴求していくことになるでしょう。そのとき、新しい百貨店がどのような価値で、私たちを再び楽しませてくれるようになるのか、期待しながら見守っていきたいと思います。*1…経済産業省・商業統計調査に於ける百貨店の定義は、衣、食、他(=住)にわたる各種商品を小売し、そのいずれも小売販売額の10%以上70%未満の範囲内にある事業所で、従業者が50人以上の事業所のうち、売場面積の50%以上がセルフサービス方式を採用していない(=対面販売が50%以上)事業所、となっている。○執筆者紹介伊藤 圭史Leonis & Co.共同代表および トランスコスモス オムニチャネル推進室 室長上智大学卒業後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現 : 日本IBM)に入社。2011年12月、オムニチャネルに特化したシステムとコンサルティングサービスを提供するLeonis & Co.を設立する。その後、オムニチャネルの専門家として通信会社や百貨店、電鉄などさまざまな企業を支援。現在は、トランスコスモスグループのオムニチャネル推進支援サービスの中核企業としてオムニチャネルマーケティングシステム「OFFERs」の提供を主軸とした展開を行っている。
2015年08月10日三越のシンボル・ライオン像が設置されてから100年を迎える2014年。日本橋三越本店は、「三越ライオン像 100歳の誕生日」を祝う企画として、ライオンにちなんだ商品の販売やイベント、展示などを開催する。会期は、4月1日から8日までの一週間。メイン会場となる本館1階中央ホールには、同じく100周年を迎えた「森永ミルクキャラメル」とのコラボレーションカフェが期間限定でオープン。お菓子作りのワークショップやデジタル・サイネージ(電子展示)による三越ライオン像100年の歴史紹介ビデオ上映なども行う。各食品ブランドからは、ライオンにちなんだ和菓子や洋菓子、弁当の数々。クッキーやマカロンにキャンディ、上生菓子、どら焼きと、ライオンの顔をモチーフにした可愛らしい商品が特別販売。デザインやパッケージにも凝った、こだわりの商品だ。期間中に食品フロアに登場するライオンモチーフのアイテムは総数3,000頭以上となり正に“ライオンづくし”の祭典となる。食品以外のフロアでも、ライオンをモチーフにしたアイテムを多数用意。「トリンプ」による「ライオン像ブラジャー」を始め、180万円相当の純金製のライオン親子や、「リチャード・ジノリ」の陶器といったインテリア雑貨、子供を対象としたライオンを探すスタンプラリーや、屋上ではライオン姿に扮した飼い犬と参加できるショー形式のイベントなど、館内全体が”ライオン一色”となる。期間中、同店の地下倉庫で保管されている5体のライオン像が、銀座線口や中央ホールなどに一斉にお目見え。熊本「お菓子の香梅」製作によるチョコレート製の等身大ライオン像や、森永ミルクキャラメルのパッケージで作られたピクセルアートのライオンオブジェ、金箔のライオン像も登場する。三越伊勢丹常務執行役員の日本橋三越・中陽次本店長は、「日本橋はいまや海外でも観光スポットとして注目され、日本のカルチャーをしっかりと発信していく場所となっている。『コレド(COREDO) 』のリニューアルもあり、街全体で楽しめる要素が増える。4月の増税対策も含めた“ライオンづくし”の催しで、当初は企画イベントで十分だと思ったが、従業員の気持ちが一つになったことで予想を遥かに上回る大規模な祭典になった。縁起の良いライオンの100周年をぜひ皆さんで祝って楽しんで頂きたい」と述べた。青銅製の2体のライオン像が同店に設置されたのは、1914年(大正3年)。本館完成に合わせて、当時経営トップだった日比翁助が「勇気と気品、度量の象徴」として設置。関東大震災や、太平洋戦争も乗り越えてきたライオン像は、三越の守り神として現在も愛され続けている。
2014年03月18日