マイケル・ダグラスの息子で昨年7月に逮捕され、後に覚せい剤とコカインの売人をしていたと自ら認めたキャメロン・ダグラスに対する判決前日、マイケルが判事に宛てた手紙が公開された。直筆で便せん5枚にもおよぶ手紙でマイケルは「私は息子を愛しています。しかし、彼の行いに目をつむることもしません。彼が壊れていくのを見たくはないのです」と、前妻との間にもうけたキャメロンを断罪しつつも、有名人家庭に育ち、両親の不仲を目の当たりにした息子のつらい生い立ちに言及、「私自身、有名な父親を持ったことで自分探しに苦しむ気持ちは分かります。それが二世代(祖父、父)分となったときの感覚は私にも分からない」と綴った。マイケルはさらに、ドラッグやアルコールの問題もダグラス家とは無縁ではないとして、自身が90年代にアルコール依存でリハビリ施設に入ったこと、弟のエリックが2004年にアルコールと処方せん薬のオーバードーズで亡くなったことを例として挙げている。31歳になるキャメロンは罪を認めており、少なくとも懲役10年が下される可能性があるが、マイケルはこの手紙で息子の減刑を求めている。ドラッグにはまったわが子を救おうとする姿はかつての主演作『トラフィック』を彷彿とさせる。父の真情が息子に確かに伝わっていることを願いたい。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:ウォール・ストリート 2010年、全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:キャリー・マリガン『17歳の肖像』インタビューオスカー候補24歳の素顔と成長
2010年04月21日その街は多くの人々を魅了し、また惑わし、時に温かく迎え、時に冷たく突き放す――。人も、出会いも、別れも愛も悲しみも…その全てを包み込む街、ニューヨーク。そびえ立つ摩天楼のはざま、公園、街角、バーなど、この街のどこかで生まれる様々な“愛”を世界各国から集まった監督たちがオムニバス形式で綴った『ニューヨーク,アイ ラブ ユー』。唯一、日本から参加となったのは海外にも多くのファンを持つ岩井俊二監督。ジョン・レノンゆかりのダコタハウスを印象的なロケーションとして使った作品で一編を担っている。岩井監督はニューヨークで何を思い、どのようにこの作品を作り上げていったのか?映画の公開を前に話を聞いた。岩井監督の作品に出演しているのは、オーランド・ブルーム&クリスティーナ・リッチという日本でも高い人気を誇る2人の俳優。互いに直接会ったことはない、仕事上のつながりだけの関係の男女の、携帯電話を通じてのコミュニケーションが軽妙に描かれる。この一編を引き受けることになったきっかけは、この作品のプロデューサーから届いた一通のメールだった。「ごく普通にメールが届いたんです。『こういう企画をやってるんだけど参加しませんか?』と。それで『じゃあやります』って。メールで依頼が来ることは多いですよ。今回に関して言えば、実際にニューヨーク入りして撮影が始まるまでは全て電話とメールのやり取りだけでしたし。まさにこの映画と同じ(笑)。直接会わずにメールと電話だけで仕事が進んでいく感じでした」。オーランドの起用に関してもひょんなきっかけから決まった。「僕はハリウッドの俳優さんは詳しくなくて、プロデューサーやキャスティング・ディレクターにいろいろ見せてもらったり紹介してもらったりしてて…。そんなことを繰り返してるうちにたまたまオーランドに行き当たったんだけど、実は彼はすごい親日家で、僕の以前の作品も観てて、すごく気に入ってくれてるということだったんです。最初はスタッフたちも『こういう内容の作品だし、キャストは大スターじゃない方が…』とか言ってたのに、オーランドがっていう話になった途端、女性スタッフは『キャー!』って(笑)。それから喫茶店で彼と会って話をして、すでに彼は役作りの話までしてくれてました。(印象は)猪突猛進型で、男らしいタイプですね(笑)」。岩井監督の本作に対するスタンスは「自然体」。本作の原案となっているパリを舞台にした『パリ、ジュテーム』を引き合いに出しつつ、監督はこう語る。「今回作るに当たって考えたのは、肩に力を入れずにフッとボールを投げようということ。個人的に、『パリ、ジュテーム』は18人の監督たちが18分の1の中で何とか特徴を出そうとユニークさを追求したのかな、と。ともすればそこに力みを感じなくもない気がして――。だから僕は力を入れずに自然体を心がけたんですが、完成した作品観たらほかのどの作品も全く力みがなくて同じ球筋でしたね(笑)」。では、その中で特に気に入っているのは?「個人的にはブレット・ラトナー監督の撮った車椅子の女の子の作品(アントン・イェルチン、オリヴィア・サールビー出演)が好きですね。まさに力が入ってない、いい感じの展開の物語でした」。監督はこの作品以前にニューヨークに1か月ほど住んでいた経験があったということだが、監督にとってこの街はどんな街なのだろうか?「自分にとって一番思い出深いのはダコタハウス。ここでジョン・レノンを殺したチャップマンという男についてのルポルタージュを読んだことがあって、すごく印象に残ってたんです。彼はポケットに『ライ麦畑でつかまえて』(J・D・サリンジャー著)を入れてるんだけど、『ライ麦畑』にもニューヨークが出てくる。ジョン・レノン殺害までの数日間、町をうろつくさまが(小説の主人公の)ホールデンと重なって…。自分で実際に(ダコタハウスに)訪れてみると、ただの場所でしかないんだけど、すごく(自分の中で存在が)大きくて。その後に作った『リリイ・シュシュのすべて』にもすごく影響を与えましたね」。最後に、もし監督が東京でこうしたオムニバスを撮るとしたら、どこを舞台にどんな物語を作るか聞いてみた。「どこだろう…恵比寿とか目黒かな?深い意味はないんですが慣れ親しんでいて、好きな街なんです、渋谷から少し離れていて…。等身大の気張らない物語を撮ると思います」。シネマカフェSweet「大人な恋愛映画ガイド特集」■関連作品:ニューヨーク,アイ ラブ ユー 2010年2月27日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© NY5,LLC-All Rights Reserved.■関連記事:「最も胸きゅんな映画」ランキング!1位はラブコメの帝王のあの群像劇『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント一緒にこたつでミカンを食べたい俳優第1位は…この冬こたつを買ったばかりの堺雅人!オーランド・ブルーム、『パイレーツ・オブ・カリビアン』最新作出演をきっぱり否定街角から生まれる愛のドラマ『ニューヨーク,アイ ラブ ユー』ブックカバーを5名様プレゼント
2010年02月26日クリント・イーストウッドがニューヨークのアメリカ映像博物館から、これまでの功績を表彰され、1日にパリス・シアターで最新監督作『インビクタス/負けざる者たち』の特別上映とガラ・ディナーが開催された。今年で25回目となる映像博物館の表彰は、過去にアル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、ロバート・デ・ニーロ、トム・ハンクス、マーティン・スコセッシ、スティーヴン・スピルバーグといった人々が受賞している。監督30作目となる『インビクタス/負けざる者たち』は90年代の南アフリカ共和国を舞台に、ネルソン・マンデラ大統領と自国開催のワールドカップ制覇を目指すラグビーの同国代表チームの白人キャプテンの実話を映画化したもので、マンデラをモーガン・フリーマン、キャプテンのフランソワ・ピナールをマット・デイモンが演じる。パリス・シアターにはイーストウッドと主演2人が出席。ほかに『ミリオン・ダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンク、『ミスティック・リバー』のケヴィン・ベーコンとマーシャ・ゲイ・ハーデンら、過去作のキャストたちが招待され、イーストウッドを祝福した。(text:Yuki Tominaga)© AFLO■関連作品:インビクタス/負けざる者たち 2010年2月5日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開■関連記事:クリント・イーストウッド、フランスの勲章を2度目の受勲
2009年12月03日全米で16日から公開の『かいじゅうたちのいるところ』のニューヨーク・プレミアが13日、リンカーン・センターのアリス・タリー・ホールにて行われ、スパイク・ジョーンズ監督や主演のマックス・レコーズをはじめ、キャスリーン・キーナー、ジェームズ・ガンドルフィーニらキャストが出席した。世界中の子供たちから愛されているモーリス・センダック原作の絵本を実写映画化したもので、御歳81歳のセンダックも杖をつきながら出席、12歳の主演男優、マックスを笑顔で讚えた。会場には、キャサリン・オハラやフォレスト・ウィッテカーら、その他のキャスト、プロデューサーを務めたトム・ハンクスの姿もあった。『かいじゅうたちのいるところ』は、オオカミの着ぐるみを着てイタズラをした罰に夕食抜きで寝室で過ごすはめになった少年が、森や野原に変貌した自室で「かいじゅうたち」の王様になり、思う存分遊ぶという物語。アニマトロニクスやCGも駆使し、2006年から撮影を始め、ポストプロダクションに2年4か月費やした力作で、日本公開は来年1月を予定している。(text:Yuki Tominaga)© Reuters/AFLO■関連作品:かいじゅうたちのいるところ 2010年1月、全国にて公開© 2009 Warner Bros. Entertainment Inc.■関連記事:かいじゅうたちの画像解禁!あなたはどのタイプ?各かいじゅうの性格も明らかにキモかわいい?“かいじゅう”がお目見え『かいじゅうたちのいるところ』来年公開
2009年10月15日