変わった切り口のアニメグッズでおなじみのグルーヴガレージは、幾原邦彦監督によるスタイリッシュな画像演出と独特のストリー展開で注目を集めたオリジナルアニメ『ユリ熊嵐』から2種類の「熊」グッズをリリースする。1つ目は、かわいい姿とは裏腹に人間を食べるクマの銀子とるるを表と裏でデザインした「【オモテウラバー】銀子/るる」。半立体のソフトPVCによるほど良い大きさと厚みで、ミニフィギュアを思わせる可愛い仕上がりとなっている。価格は1,200円(税別)。2つ目は、本編の中でも印象的に登場していた「熊警報」の垂れ幕をモチーフにした「熊警報マフラータオル」。こちらは首にかけた状態で、両側に「熊警報」のデザインが正体で見えるようにデザインされている。イベントや普段使いでも注目されること間違いなし。洗濯後、干した場合はご近所に「熊警報」を発令できる!? サイズは1,400mm×210mmで、価格は2,500円(税別)。いずれのアイテムも5月28日(木)より予約販売を開始。「【オモテウラバー】銀子/るる」は6月14日(日)に日比谷公会堂で開催される「~あなたのスキは本物? ユリ裁判を始めます!!~」にて数量限定で先行販売、6月下旬より一般販売される。「熊警報マフラータオル」は7月下旬の発売予定。(C)2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル
2015年05月28日東京都中野区・中野ブロードウェイ2階のギャラリー「pixiv Zingaro」にて、アニメ「ユリ熊嵐」のアニメーション原画などを展示する「『ユリ熊嵐』展」が開催される。会期は、4月9日~21日(水曜定休)、開場時間は12:00~19:00。入場無料。同展は、2015年1月から3月まで放送されたTVアニメ「ユリ熊嵐」の関連資料を展示するもの。最終回を迎えた今だからこそ公開できる貴重なアニメ初期設定や複製原画、幾原邦彦監督のコメントなど、同展でしかみることができない内容を予定しているとのことだ。なお、「ユリ熊嵐」は、「少女革命ウテナ」、「輪るピングドラム」など、独特の作風で人気を集める作品を手がけてきたことで知られるアニメ監督・幾原邦彦氏の最新作。流星群が降り注いで以降、「ヒト」と「クマ」が互いに対立し争うようになった地球を舞台に、「嵐が丘学園」に通う少女たちの葛藤や心の機微を描いた物語となっている。
2015年03月27日マキタスポーツと池松壮亮がW主演を務める映画『この世で俺/僕だけ』が1月31日(土)に公開を迎え、都内劇場でマキタさんと池松さん、月川翔監督の3人が舞台挨拶を行なった。サエない中年男と悪になりきれない不良高校生が偶然の出会いを経てある事件に巻き込まれ、やがて思うがままに暴走するに至るまでを描くエンタテインメント作品。「LOUIS VUITTON Journeys Awards 2009」で審査員を務めたウォン・カーウァイ、ソフィア・コッポラらから激賞された月川監督がメガホンをとり、異色の2人組のせめぎ合いを描き出す。マキタさんは撮影中の苦労を問われると「全然、なかったですね」とすました顔で答えたが、その後、すぐに「ありました。全編が苦労と言えば苦労でした」と訂正。「2年前の今頃の撮影で寒かったです。月川さんはモニターを見ながら『ククク』って意地悪な顔で笑ってた…」と恨み節も。劇中、何度も何度も池松さんに投げ飛ばされるシーンもある。月川監督は「マキタさんの必死な姿が見たくてイジメ抜いた」とドSな笑みを浮かべて充実感をにじませるが、マキタさんは「受け身をとりますけど、おじさんなので。この業界、労災とかないんでね…」とボヤいていた。池松さんは先日、発表された「第57回ブルーリボン賞」で助演男優賞を受賞した。司会者がこの件に言及し、客席からは祝福の拍手がわき起こったが、なぜかここでマキタさんが「ありがとうございます」と感謝。さらに司会者が池松さんに、マキタさんとの共演の感想を尋ねると、なぜかここでもマキタさんが「そうですねぇ…」と強引に割り込み、このマキタさんのハイテンションに池松さんは「マキタさん、今日すごいですね」と若干、引き気味…?改めて池松さんはマキタさんについて「普通の役者さんと向き合うより怖い。“生身”なので怖いです」とマキタさんと対峙して感じた普通とは違う“感覚”に言及する。本作は、一昨年に撮影され、2年を経てようやく公開を迎えたが、池松さんは「2年もかかったのは申し訳ない気もしています」と語りつつも、感慨深げ。「一昨年撮影した作品で公開されていないのがこれだけだったので、こうして公開されてひとつ、何かが終わった感じです。またここからもう1回、頑張ろうと思います」と晴れ晴れとした表情で語った。『この世で俺/僕だけ』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年02月02日映画『この世で俺/僕だけ』でW主演を果たしたマキタスポーツと池松壮亮が1月31日(土)に初日舞台挨拶を行ない、終了後には報道陣の取材に応じた。2人は映画で偶然の出会いを果たすサエない中年男とワルになりきれない不良高校生を演じており、この異色のコンビがひょんなことから事件に巻き込まれ、奔走、暴走するさまが描き出される。夜の上映回後の舞台挨拶ということで、挨拶開始時にはすでに時計の針は22時半を回っていたが、それでも若い女性を中心に多くの観客が劇場に詰めかけた。マキタさんも池松さんも上映中から客席の後ろで映画を鑑賞し観客の反応を確かめており、上映後に客席が明るくなると、紹介も何もないまま、ふらりと壇上へ上がり、終始、ゆる~い雰囲気のまま舞台挨拶は進行した。映画の中で、2人が赤ちゃんをあやすシーンがあり、男2人の意外にも上手なあやしぶりが印象的だが、マキタさんは4児の父であり、子育ては慣れたもの。「(赤ちゃんが)すごく可愛くて、ナイスアクト連発でした」とふり返り、池松さんは「マキタさんがあやしてる姿が良くて、もしカメラ持ってたら撮りたくなる感じでした」と語る。ちなみに、マキタさんは昨年12月半ばに、双子の男児を授かったばかり。元々、奥さんは「うる星やつら」が好きで、これまでも長女、次女の誕生の際に人気ヒロインと同じ“ラム”と名付けようとして、マキタさんが阻止したという経緯があったとのこと。「(赤ちゃんが)できるたびに『ラム、ラム』と話しかけて困る…」と苦笑するが、今回、男児ということでラムは消えたが「(男性キャラの)“あたる”と“面堂”と呼び始めたけど、それはない!面堂は名字だし!」と語り、どうやら、こちらの名前も何とか阻止したようだ。もうすぐバレンタインだが、どんな相手からチョコがほしいか?という質問に池松さんは「予想外の人からもらえたら嬉しいですね」と言いつつも「あんまりチョコは好きじゃないので…」と少し困ったように語り、すかさずマキタさんから「チョコのCM来るかもしれないから!」とたしなめられて「大好きです」と苦笑交じりに言い直す。また、チョコ以外の変わり種として、故郷(福岡県)の名物であり、好物だという「うどん」をバレンタインにプレゼントされたことがあると明かした。一方のマキタさんは「娘が長女は中学生で難しい年ごろで、(父親に向かって)『キモい!』とか言う域に入ってるので、娘からもらえるかですね」と年ごろの娘を持つ父親の表情を垣間見せた。池松さんは、昨年1年で『愛の渦』、『ぼくたちの家族』など数々の話題作に出演し、このほど発表された第57回ブルーリボン賞で「助演男優賞」に輝いたが「公開が重なって運が良かったと思います」と謙虚に語る。本作は一昨年に撮影され、2年を経てようやく公開を迎えホッとした表情。舞台挨拶の終わりで池松さんは「難しい作品ではないので、帰り道に思い出しながら『明日も頑張ろう』と思っていただければ」と呼びかけた。なお舞台挨拶終了後には、劇場の入口付近で池松さんの出待ちをする女性ファンの姿も多く見られ、改めてその人気と注目度の高さをうかがわせた。『この世で俺/僕だけ』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年02月01日1月13日(火)、東京ディズニーランドにてディズニー映画『アナと雪の女王』の“その後の世界”をテーマにした新スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」がスタートし、日本語吹替え版のボイスキャストを務めた神田沙也加、松たか子、ピエール瀧、そして主題歌「Let It Go」日本版エンドソングを歌ったMay J.がサプライズで登場!オープンカーに乗った日本版“ありのままで”ファミリーの総出演に、運よく居合わせたゲストたちは大興奮!パレード終了後の4人のコメントも到着した。4人は新イベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」のスタートを記念して、グランド・マーシャルとして新パレード前に特別出演。1日2回公演中のグリーティングパレード「フローズンファンタジー・グリーティング」の2回目が始まる数十分前に神田さん、松さんらのサプライズ登場のアナウンスが流れると、パレードルートに集まったゲストからはどよめきと大歓声が沸き起こり、一時騒然状態に。オープンカーに乗って登場した4人は笑顔で手を振りながら、ゲストの声援に応えていた。パレードを終えた直後、神田さんは「自分が東京ディズニーランドのパレードに出演するとは夢にも思っていなかったのでとても新鮮な光景でした。ゲストの皆さんがぬいぐるみなどを持って手を振ってくれて、『アナと雪の女王』が多くの方に愛されていることを実感しました」と感動をコメント。そして、松たか子さんは「今日がイベントの初日ということで、想像以上に多くの方が笑顔で迎えてくれ、とても幸せな瞬間でした。パレードに参加したからこそ体験できる幸せな光景を見ることができました」と笑顔で話した。また、瀧さんは「たくさんのゲストが幸せそうな顔をしていて、『アナと雪の女王』のプロジェクトに自分が参加できたことをとても感慨深く思います」とコメント。May J.さんは「ディズニー映画の主題歌を歌うことが小さい頃からの夢で、さらにパレードに出演でき、たくさんのゲストの皆さんの笑顔が見られてとても幸せです」と感激を語った。『アナ雪』関係で4人が一堂に介することは極めて珍しく、現在第1子を妊娠中の松さんの登場は昨年末の「紅白歌合戦」でも叶わなかったということもあって、この日パークにいたアナ雪のファンには、これ以上ないほどのサプライズとなった。グリーティングパレード「フローズンファンタジー・グリーティング」には主人公のアナとエルサたちも初登場し、沿道のゲストたちは全員で主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を大合唱していた。「アナとエルサのフローズンファンタジー」は3月20日(金)まで。(C) Disney(text:cinemacafe.net)
2015年01月14日映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版でヒロインのエルサを演じ、昨年11月に第1子妊娠を発表している女優・松たか子が、アナ役の神田沙也加、オラフ役のピエール瀧、日本語版のエンディング曲を歌うMay J.と共に、東京ディズニーランドできょう13日からスタートした「アナとエルサのフローズンファンタジー」の記念セレモニーにサプライズで登場した。<イベントの様子>松たか子&神田沙也加の”姉妹”2ショットが実現!セレモニー開始5分前に4人が登場することが告げられると、沿道に集まったファンから歓声が上がりパーク内は騒然。来園者が盛り上がるなか、4人はパレードを先頭するオープンカーに乗って颯爽と登場。松と神田の“姉妹共演”のほか、松とMay J.の“ありのままで共演”に、大きな歓声が沸き起こった。スペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」は3月20まで開催。
2015年01月13日2014年を代表するディズニーの大ヒット作『アナと雪の女王』。その続編が来年4月に公開される実写版『シンデレラ』と同時上映されることで話題を呼んでいるが、このほどその邦題が『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』に決定した。本作で描かれるのは、前作『アナと雪の女王』のその後を描いた物語。エルサとクリストフがアナの誕生日のためにこれまでで最高のお祝いをしようと計画するが、エルサの“魔法の力”がパーティーを危険にさらすという展開だ。日本でも大人気の雪だるま・オラフも再登場するとあって、ユーモアにあふれた演出もありそうだ。また、監督をはじめとするスタッフ陣の続投も明らかとなった。監督には『アナと雪の女王』でディズニーの新境地を開いたジェニファー・リー&クリス・バック、楽曲はアカデミー賞を受賞したロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が担当し、「Let It Go」に続く新曲を書き下すとのことだ。さらに、今年のNHK紅白歌合戦に中継で出場予定の、米女優イディナ・メンゼルがエルサ役として再び声優を務めることも決定。ディズニーとしては、松たか子(エルサ役)や神田沙也加(アナ役)、ピエール瀧(オラフ役)ら日本語吹替え版キャストの続投も熱望しているとのことだが、松さんが先日、妊娠を発表したこともあり、今後どういうキャスティングとなるかはまだ不明だ。『シンデレラ』と『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』は2015年4月25日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月12日女優の松たか子が、第1子を妊娠したことを公式HP上で11月27日(木)に発表した。直筆で書かれた文面を「ご報告」と題してアップした松さん。「私事ですが、ご報告があります。」と前置きし、「このたび、新たな命を授かることができました。私達夫婦は今、深いよろこびでいっぱいです。」と夫・佐橋佳幸(音楽プロデューサー)と喜びを噛みしめている様子。さらに「出産は来春を予定しております。仕事に関しましては、出来る限りのベストを尽くすつもりでおりますので、どうぞ、静かに見守っていただければ幸いです。」とし、「最後になりましたが、ご理解 ご協力いただいている関係者の皆様に、心からの感謝をお伝えしたいと思います。」と結んでいる。今年、大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版を担当したことで、改めて歌唱力の高さが注目された松さん。今年のNHK紅白歌合戦に出場か?と一部で報道されていたが、実現には至らなかった。今回の発表で「合点がいった!」という人も多いのではないだろうか。松さんの今後の出演作としては、木村拓哉・主演の人気ドラマの映画化『HERO』(公開:2015年7月18日)で雨宮舞子役としてスペシャルゲストで、さらに松尾スズキが監督を務める松田龍平・主演作『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(公開:2015年春)などがすでに発表されている。(text:cinemacafe.net)
2014年11月27日宮沢りえが7年ぶりに映画主演を務めることで話題の映画『紙の月』。11月22日(土)、出演する池松壮亮と、本作で監督を務めた吉田大八(『桐島、部活やめるってよ。』)が、監督の故郷・鹿児島で舞台挨拶を行った。さらに2人と観客に内緒で、宮沢さんが花束を渡すためだけにサプライズで登場し、会場は大パニックとなった。平凡な銀行の契約社員だった梨花が若い大学生との不倫に陥り、そこから銀行の金に手を付け、転落していくさまを描いた本作。先日、閉幕した第27回東京国際映画祭では宮沢さんへの「最優秀女優賞」に加え、観客の投票による「観客賞」も受賞した。吉田監督は「全員が親戚に見えます(笑)。東京では出会った事のないプレッシャーを感じています。緊張して声が出ませんが、こうして、また鹿児島に新しい映画を持って帰って来られて嬉しいです」と故郷に錦を飾れたことへの歓びを語る。さらに、主演の宮沢さんについては「現場に来ると映画のためなら何でもやる人。こっちが怖くなるくらいです。自分がキレイに写ろうとするのでなく、映画の中の自分がどう見えるために何をすれば良いかと考える。だから監督は何でも言って下さい、というスタンスだった。常に100%で立っている人で、それに応えるようスタッフはじめキャストが動いていくというように皆を引っ張っていってくれた。本当に頼りになりました」とその座長ぶりに手放しで賛辞を贈った。また、池松も「すごく身を削っていた。観に来てくれるお客様の期待に応える以上の物を作ろうとする意志を感じた。それを一番近くで観ることが出来た」と役者としてその凄味を肌で感じていたようだ。そうして、トーク、フォトセッションが終わり、いよいよ最後の締めの挨拶…というところで突然、花束を持った宮沢さんが客席から登場!客席はどよめき、池松さんと監督も驚きを隠せないといった様子で、花束を手渡される間も狐に摘ままれたような顔をしていた。さらに、驚くべきことに宮沢さんは壇上の下から花束を渡し終えると、池松さんと監督、観客にそれぞれお辞儀をし、そのまま一言も発さずに颯爽と退場して行った。嵐のように去っていった宮沢さんに、壇上の2人はまさに呆然。「バカじゃないかと(笑)。お忙しいのに…ありがとうございました」(吉田監督)、「いるなら僕らがやる意味ないじゃん(笑)!これ以上喋っても…」(池松さん)と2人が語ると、会場は大爆笑に包まれた。最後に、ようやく落ち着いたところで締めの挨拶。池松さんは「東京では好評を頂いてまして」と前置きしつつ、「鹿児島の皆さんがどう感じるかも気になりますが、九州であまりお客さんが入ってないということで…(笑)。皆さんには関係ない話ですが、鹿児島出身の監督と、福岡出身の僕からすると、ちょっとそれは話が違うぞ、という事で参りました。面白いと思った方は、ぜひ皆さんに広めて下さい」と正直すぎる胸の内を語り、最後の最後まで笑いの絶えない舞台挨拶となった。一方の舞台裏では、嵐ようなサプライズを池松さんと吉田監督にお見舞し終わった宮沢さんが「大成功!!」とスタッフと共に歓喜していた。『紙の月』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月23日来年1月より放送されるテレビアニメ『ユリ熊嵐』の先行上映会が、12月7日(日)に角川シネマ新宿で開催され、キャスト・監督による舞台あいさつが行われる。その他の情報テレビアニメ『ユリ熊嵐』は、イクニゴマキナコ(作)、森島明子(画)による人気コミックを、『輪るピングドラム』『少女革命ウテナ』の幾原邦彦監督と、『ストライクウィッチーズ』などを手がけるアニメ制作会社SILVER LINK.がアニメ化するSFファンタジー。本イベントではテレビ放送に先駆けて1話を先行上映するほか、幾原監督と荒川美穂(銀子役)による舞台あいさつが行われる。チケットはプレリザーブ(先行抽選)は受付中。一般発売は、29日(土)午前10時より開始される。『ユリ熊嵐』1話先行上映会12月7日(日)会場:角川シネマ新宿開場18:00/開映18:30登壇者(予定):幾原邦彦、荒川美穂料金:1500円(税込)プレリザーブ:11月23日(日)11:00AMまでチケット発売:11月29日(土)10:00AMより
2014年11月15日「もしかしたら、こじらせてるとでも思われてるんじゃないかな(笑)」。池松壮亮がこう呟くのには理由がある。『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督・最新作『紙の月』に池松さんは出演。吉田監督とは昨年の舞台「ぬるい毒」でも組んだ間柄なのだが、その舞台で演じたのがヒロインを翻弄する役なら、今回はヒロインが堕ちていくきっかけとなる役どころ。難しい役の機会が続く中、吉田監督の池松壮亮評を推測してもらった際、冒頭の発言が飛び出した。「ある意味、大八さんが僕の役に自分を投影している部分もあると思いますよ(笑)。大八さんはものすごく優しくて、いろんなものを大きく捉えることができる人。俯瞰して見ているようなところは、時に人には残酷に映るかもしれない。もちろん、僕にもそういうところがあるし、人間は誰しもそういうものだとも思っているんですけど。そういった一筋縄ではいかない人間の複雑さが大八さんは好きで、僕もそれが好きで」。出演を決めた理由も至ってシンプル。「大八さんの作品だから」だそうだ。「言ってしまえば、ひとりの女性が夫以外の人に恋をして、横領する話なんですよね。僕自身と物語の距離も遠かったし、光太という役にも興味を持てなかったです。何て言うか、すぐにはピンとこなかった。でも、大八さんの作品に出たくないわけがないし、やるからには信じないと始まらない」。主人公の主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は大学生・光太と出会ったことをきっかけに、勤め先である銀行の金に手をつける。「純粋で、色気があって、残酷な光太を今の池松くんで見たかった」と語るのは吉田監督だが、光太は梨花に何かを強くねだるわけでもなければ、言葉巧みに道を踏み外させるわけでもない。梨花は光太とただ恋に落ち、そして罪を犯す。それが恐ろしいし、やはり厄介だ。「光太ってよく分かんなかったけど、彼といる時の梨花の顔が一番輝いていたなと思わせられる存在になれればいいかなって。善悪を一瞬でもひっくり返せればいいんじゃないかなって思っていましたね」と語る池松さんも、その恐ろしさを認める。「本当にそうなんですよ。結局、誰が悪いのか、何が悪いのか。梨花が悪いのか、光太が悪いのか、お金が悪いのか。そういう映画だと思っています」。相手役の宮沢さんは「とにかく愛情にあふれた人」。撮影中は「こういう感じでした」と言いながら人差し指と中指を交互に動かす仕草をして見せつつ、「活字にしづらいですよね…すみません」と苦笑する。どうやら、指のどちらかが光太で、もう一方の指が梨花のようだ。「光太がいて、梨花がいて、駆け引きをしているりえさんは梨花として、いつでも包み込んでくれる準備をしていたけど、それに対して僕が光太として素直に飛び込んでいいというわけではなくて。りえさんの愛情を全て受け入れてしまっていい役どころではなかったから」。「役割を果たすためには、ひたすら考えるだけ。答えに至ることはないんですけど」という中、念頭に置いたのはやはり「梨花に一番輝いた顔をさせる」こと。梨花の輝いた顔が見られるであろう、2人がホテルのスイートルームで贅沢な時間を過ごすシーンでは「ちょっと変な感覚にもなりましたね」とも打ち明ける。「自分も夢の中にいるような感覚でした。高そうなホテルの最上階で飯を食うシーンとかを撮るわけですよ。“わっ、すげえな。そんなに値段するんだ”っていうくらい高い時計をつけて、走り回ったりもして。でも、それが毎日続くと、本当にだんだん感動しなくなってきたりもするんです。面白いなあって思いましたね」。出演を決めた理由が「大八さんの作品だから」なら、完成した作品に寄せる感想も「ああ、大八さんの映画だなって」。満足そうに、「引っ掛かりましたね。善と悪が」と頷く。「どんな人が何を求めてこの映画を観に来るのか、すごく興味がありますね。いけないことをする人の物語だっていうのを分かっていて観に来るわけですし。裁きに来るのか、自分も一瞬だけ連れて行ってほしいと思って来るのか。どっちなんだろう?でも、大八さんの作品を観て普通に帰れるとは、僕は思っていないですけどね」。とりわけ後者の“連れて行ってほしい派”にとって、やはり池松さんが光太を演じることの意味は大きいように思うが、「いやいやいや、そんな風に考える人がいたとしても、それはごく一部」と謙遜することしきり。いや、それが本音なのか。快進撃が続くこの1年、やりたいことができたかと訊くと、「結局のところ、別に何にも進歩してないですよ」との答えが返ってきた。「それはもちろん作品じゃなく僕個人の問題であって、そんな個人の気持ちなんてどうでもいいんですけどね。作品が評価されていくのは素直に嬉しいです」。12月に公開される『バンクーバーの朝日』を含め、今年公開の出演映画は計8本。そのほか、舞台に立ち、ドラマにも出演した。「出来る限りやろうと思った」結果、こうなったそうだ。「自分の心と体力が持つ限りやってみようと思って。そう思って、うまくタイミングが合った結果、こうなったという…。ただ、同じ時期に2つの作品を撮っていたりもして、となると、僕の心は10しかないので、どうしても5:5になったりするわけです。体力は別にいいんですけど、心に関してはちょっとよろしくないかもしれない」。しかしながら、池松壮亮を求める人間が、作品が後を絶たないのだから仕方がない。幸せな宿命を背負う中、若き名優はどんなオファーに心が踊るのか。「その時の勘です。もう、勘でしかない。正解か不正解かも分かんないですし、これをやったから次はこれをやろうとかもないですし、ピンときたら。ただ、映画に関わるということは、“今回はこういう作品を作りました。どうですか?”と言うということ。幸せなことにちょっとでも選べる状況にある中、それをチョイスして、自分の今の精一杯を尽くす。それだけです」。こじらせているどころか、どうしようもなくストレートな思いがそこにあった。ヘアメイク:宮田靖士(VaSO)YasushiMiyataスタイリスト:梶雄太Yuta Kaji<衣裳クレジット>トップス:ファセッタズムボトムス:サンシースニーカー:エーエムビー/ハイブリッジ インターナショナル(text:Hikaru Watanabe/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年11月14日映画『紙の月』のプレミア試写会が11月2日(日)、都内で開催され、主演の宮沢りえを始め、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美、吉田大八監督が来場し、レッドカーペットを歩いた。平凡な銀行の契約社員だった梨花が若い大学生との不倫に陥り、そこから銀行の金に手を付け、転落していくさまを描いた本作。先日、閉幕した第27回東京国際映画祭では宮沢さんへの「最優秀女優賞」に加え、観客の投票による「観客賞」も受賞した。この日は、劇場に敷かれたレッドカーペットを登壇陣が歩いたが、宮沢さんの顔が印刷されたお札が大量に降り注ぐという演出に会場が沸いた。宮沢さんは7年ぶりにの映画主演の現場について「吉田監督の演出の下、濃密で集中力のある毎日を過ごし、惜しみなく演じることが出来ました」と充実の表情。女優賞のトロフィーを見やり「授賞式でも言いましたが、出来るなら半分にちょん切って、監督にあげたい」と監督への深い信頼をうかがわせる。吉田監督は、宮沢さんの女優賞受賞について「すごくほしかった賞。この映画では『作品賞』とほぼ一緒の意味を持つと思ってます」と我がことのように喜び、「観客賞」についても「すごく勇気が出たし、励みになりました」と嬉しそうに語っていた。大島さんは、無意識の言動で梨花に道を踏み外させていく後輩銀行員を演じており「小悪魔的にシースルーで来ました!」と胸元のセクシーな黒いシースルードレスでイタズラっぽい笑みを浮かべる。細部にわたる吉田監督の演出について「マジ?ここまで?」と思ったというのが銀行員としてお札を数えるシーン。「お札の高さについて『もうちょっと上げて』『もうちょっと』とやっていき、『(お札で)私の顔が隠れちゃう…』と思ったら『大島さんを上げて!』と。『私を上げるんかい!』って思いました(笑)」と一切妥協のない現場の様子を明かす。同じく梨花の上司の厳格な銀行員を演じた小林さんは「お札を数える練習をして、誰よりも上手くできるようになったんですが本編ではすべてカットされてまして(苦笑)。監督、ありがとうございました!」と笑顔でクレームを付け、会場は笑いに包まれた。池松さんは、理花と不倫関係に陥る若い大学生を演じたが「ラブホテルのシーンで貝殻のベッドがあるんですが、りえさんはベッドで飛び跳ねてました」と宮沢さんの奇行を暴露。宮沢さんは「テンション上がっちゃって。めったに行かないので(笑)。デコレーションの素晴らしさに感動してワクワクしてました」と恥ずかしそうにふり返った。『紙の月』は11月15日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月03日東京糸井重里事務所は、Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の多目的スペース「HOBONICHIのTOBICHI」にて、新創刊のライフスタイル雑誌「つるとはな」1誌のみを扱う期間限定ショップ「ひとつの雑誌だけを売る本屋さん」をオープンする。開店日時は10月22日~26日 11:00~20:00。本レポートでは、オープンに先がけて行われた創刊記者発表会で語られた内容をお届けする。「つるとはな」は、マガジンハウスのライフスタイル雑誌「ku:nel」創刊を手がけた岡戸絹枝氏が編集長を務め、新潮社で「考える人」と「芸術新潮」の編集長を兼任していた松家仁之氏が編集制作を務めるライフスタイル雑誌。両名が出版社を退職し、フリーランスになったこと、そしてジャンルは違えど"人に話を聞いて作る雑誌"を手がけていたことなどからタッグを組み、そこに元日本コカ・コーラヴァイスプレジデントの佐藤真氏が加わって、雑誌と同名の会社を立ち上げて創刊に至った。誌名は、岡戸氏と共に「ku:nel」の創刊を手がけた編集者・ 鈴木るみこ氏の祖母、そして岡戸氏の祖母の名前から取ったのだという。アートディレクターは、「ku:nel」を手がけた有山達也氏が担当している。創刊号に関しては、雑誌広告は三越伊勢丹1社のみで、「この雑誌でしか読めない広告」を実現するため、宣伝部と協業して作り込んだコンテンツが掲載されるとのこと。出版取次は介さず、同社が直接やりとりした書店やAmazonなどのWeb流通、そして「ほぼ日刊イトイ新聞」での販売を実施する。誌名の由来、そして「人生の先輩に聞く」というサブコピーから分かるように、創刊メンバーから見て"先輩"と呼べるような年代の人々にインタビューを行い、その生き方を描く記事を掲載する。創刊号にインタビューが掲載されている料理家のホルトハウス房子氏は80歳、パートナーのレイモンド氏は95歳だ。このほか、イタリア文学者・須賀敦子氏の生前友人に宛てた手紙を発見後初めて公開するなど、文学研究者やファンにとって大きなトピックも用意されている。立ち位置としてはいわゆる「シニア層」ターゲットの雑誌であるように思われるが、マーケティング的な観点から"シニア層の関心事"と設定されているような、老後の預金や健康などを扱うものではないという。「つるとはな」という雑誌について、松家氏は「編集長・岡戸絹枝自身が抱く、"これからどうやって年を取っていけばいいのだろう"という関心から生まれたもの」なのだと解説した。この出版不況にあって新たに雑誌を創刊することに対して、松家氏は「紙のメディアにはまだ役割があります。少なくとも今後20~30年はあると思いますし、紙のメディアの方が頑張れば、50年にも及ぶかと思います。電源がなくても読めますし、紙が持つ質感やビジュアル、ぱらぱらと「めくる」マテリアルとしての魅力は失われていません」と断言。「出版界の人間が(紙のメディアを)過小評価し、自信を失いすぎている」とも付け加えた上で、「もっと面白いコンテンツを作ることで、読者を動かすことはできるという確信のようなものはあります」と語った。紙の可能性を語る一方、Webの力にも期待しているということで、同社のサイトには書店からの問い合わせ窓口を設置。販路を広げながら、ゆくゆくは書籍を発行する予定もあるとコメントした。なお、期間限定ショップでは、10月24日に岡戸氏と松家氏、そして「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰の糸井重里氏の3名によるトークイベントを開催。一般入場はすでに締め切られているが、「ほぼ日刊イトイ新聞」上にてテキスト中継が行われるという。ショップに関する詳細は「TOBICHI」のWebページにて確認してほしい。
2014年10月22日『少年は残酷な弓を射る』、『ウォールフラワー』など話題作に出演し、日本でもじわじわと人気上昇中の若手俳優エズラ・ミラー(22)。その思わず見とれてしまう端正な顔立ちは、エキゾチックな目元と黒髪は日本人にもどこか親しみやすく、“アメリカの松潤(「嵐」の松本潤)”とも言われ注目を集めている。そんなエズラが、アメコミ原作の映画「The Flash」(原題)の主役に抜擢されたと「Variety」が報じた。エズラが演じるのは、“ザ・フラッシュ”というキャラクターで、超高速移動が出来る世界最速のスーパー・ヒーローだ。同名タイトルのテレビシリーズの成功を受け、映画版の制作が決定された。『The Flash』の公開は2018年だが、主役のヒーロー“ザ・フラッシュ”が「ジャスティス・リーグ」(アメリカのスーパー・ヒーローたちが集うチーム)に属していることから、2015年公開の映画『Batman v. Superman: Dawn Of Justice』(原題)にエズラが出演する可能性もあるという。ちなみに、エズラは自身がセクシャル・マイノリティーであることを認めており、過去に「Out Magazine」のインタビューにて「様々な性別・ジェンダーの素晴らしい友人がいる」「特に誰かと恋をしているわけではないんだ。(恋愛)関係について理解しようとしてきたんだよ」と、性別にとらわれない恋愛観を話している。さらにちなみにの情報では、セクシャル・マイノリティーの俳優でスーパー・ヒーローに抜擢されたのは、エズラが初めてだという。人気アメコミヒーローの役を通して、エズラの俳優としてのさらなる飛躍に注目だ。(text:cinemacafe.net)
2014年10月21日女優の市川由衣と俳優の池松壮亮が25日、東京・テアトル新宿で行われた、映画『海を感じる時』の完成披露試写会に出席した。本作は、作家・中沢けいの処女作である同名小説を実写化した青春恋愛ドラマ。授業をさぼって新聞部の部室で暇つぶしをしていた恵美子(市川)は、先輩の洋(池松)にキスを迫られる。愛を知らずに育った恵美子は、洋に拒絶されながらも体を差し出すうちに、"女"として目覚めていく――というストーリーで、映画は9月13日から公開予定。約8年ぶりに単独主演を務めた市川は、「女優人生をかけて演じた作品なので、皆さんに見ていただけるのがうれしい。恵美子に惚れて挑んだので、感無量です」とあいさつ。「見たことがない自分がスクリーンにいました。池松さんをはじめ、色んな人に引き出してもらった」と語る市川は、エンディング曲『泣くかもしれない』を歌うMOTELが同曲を生演奏で披露すると、「いつも聴いていたので、感動しました」と涙を見せる場面も。また、イベントには原作者の中沢と安藤尋監督も出席し、中沢は1978年に発表した作品の実写化に「2人が生まれてくるのを待ってた」と市川、池松の演技を大絶賛した。そんな2人は、ヌード姿で濃厚なラブシーンにも挑んでおり、市川が「(恵美子役を)他の役者さんがやっているのを見たくないという気持ちもあって決意しました」と語ると、池松は「相当な覚悟があったと思うし、すごく良かった。良いニオイがしました」と市川との撮影を振り返ってにっこり。また、「池松さんはすごく魅力的だった。一緒に芝居をしていて惚れるな~と思う部分がたくさんあった。色っぽいし、寂しそうな目をしていたり」と明かした市川は、池松のことを"先生"と呼んでいたそうで、「(他作品でも)池松さんは前貼りをしていることが多いので、"前貼り先生"と呼ばせて頂いていました」と暴露し、池松は「結構、貼るのが早い(笑)。今日はつけてません!」とジョークを飛ばして笑いを誘っていた。
2014年08月26日市川由衣が大胆なベッドシーンに挑戦するなど公開前から話題の『海を感じる時』の完成披露試写会が8月25日(月)に開催。市川さんを始め、共演の池松壮亮、原作小説を手がけた中沢けい、安藤尋監督が舞台挨拶に登壇した。1978年、当時18歳の女子高生だった中沢さんが発表し「文学上の事件」と言われた「海を感じる時/水平線上にて」(講談社文芸文庫刊)を30年以上を経て映画化。充たされないままに高校時代の先輩である洋に体を差し出すヒロインの恵美子が、彼に必要とされたいと願い、寄り添いつつも反発し傷ついていくさまを繊細に描き出す。市川さんは、本作について「女優人生を懸けて挑んだ作品」と語り、完成にこぎつけたことに「感無量です」と充実感をにじませる。脚本を読んで「恵美子に惚れ込んだ」という市川さん。「最初に読んだ時はイタイ女だなと思い、女性としてそのイタさに共感しました。(ベッドシーンで)裸になるということで、悩む部分もありましたが、やらなかったら後悔する、ほかの役者がこの役をやっているのを見たくないという気持ちでした。いまやれることはやったと思います」と覚悟を覗かせる。市川さんと池松さんは初共演となった。池松さんは恵美子の気持ちに応えようとしないまま、それでも求めに応じて彼女を抱く洋という男について「みなさんにどう映るのか…?僕はすごく愛してますし、僕なんかよりずっと心がキレイで誠実な男だと思います」と評する。この言葉を受け、市川さんは池松さんについても「誠実です!」とニッコリ。「すごく魅力的でした。脚本を読んだとき、どうして恵美子はそこまで洋に惹かれたのか?と思いましたが、一緒に芝居をしていく中で『こりゃ惚れる!』と思うところがいっぱいありました(笑)。色っぽいし、寂しそうな眼をしてたり。あれは演技なのか…?」と称賛に次ぐ称賛。池松さんは慌てて「全然、寂しくないですよ!」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。さらに、ベッドシーンの撮影について市川さんは「(池松さんが)前貼り(※局部を隠すための小道具のシート)をされてて『前貼りセンセイ』と呼ばせていただいてました」と明かし、「今日は着けてないんですか(笑)?」と撮影中もよく交わしていたという冗談交じりの問答を再現。池松さんも「今日は着けてないです(笑)」と返し、会場は笑いに包まれたが、市川さんは「緊張しましたが、そういう会話で和みました」と笑顔で感謝の思いを口にしていた。『海を感じる時』は9月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海を感じる時 2014年9月13日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014「海を感じる時」製作委員会
2014年08月25日映画『愛の渦』やドラマ「MOZU」など、その繊細な演技と“脱ぎっぷり”で女性たちの心を鷲掴みにする池松壮亮、そして「an・an」の夏の恒例「愛とSEX」特集で大胆ショットを披露したばかりの市川由衣。そんな彼らをメインキャストに迎えて贈る、映画『海を感じる時』から今回、2人があられもなく乱れる姿が収められた、本作の幻の予告編映像が到着した。原作は1978年当時、文壇を揺るがしたと言われる18歳の女子高生の処女作。多感な少女期の心の戸惑いを鮮やかにとらえた衝撃的な内容の映像化とあって、早くも話題を集めている。本作の主人公は、ある高校の新聞部の恵美子(市川由衣)とその先輩・洋(池松壮亮)。授業をサボって部室にいた恵美子は、ある日、洋と顔を合わせる。突然、洋は恵美子にキスを迫るが、「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」と告げる。衝動的に体をあずける恵美子だったが、あくまで洋は「女の人の体に興味があっただけ」で「君じゃなくてもよかった」と言い放つ。それでも愛を知らない恵美子は洋を求め、大切にされないと分かっていても会うたびに自ら体を差し出していく。恵美子は、そんな関係に寂しさを募らせながらも、次第に“女”として目覚めていく自分に気付いていく…。今回、公開されたのは先日公開された予告編に、新たに超過激シーンが追加された幻のバージョン。その大胆なラブシーンが原因で、劇場では上映NGとなったある意味で貴重な予告編だ。この映像では、市川さん演じる恵美子が学生時代から憧れていた先輩・洋に無理やり制服を脱がされ、次第に体を差し出していくという生々しいシーンや、行きずりの男からSMのようなプレイを受ける衝撃のシーンまで、まさに体当たりの演技が目白押しだ。女優魂を燃やしながら、艶る市川さんだが「台本を初めて読んだときは、この女ウザい!としか思えなかった」のだとか。しかし、そんな強烈なインパクトを放つヒロインを見事に演じ切り、完成した作品を観て、当時の想いを堪えきれずに思わず涙したそうだ。いくら女優とはいえ、肌を露わに男たちと乱れる…想像するだに過酷な難役だ。そんな市川さんを振り回し、その絶望的なまでに深い情動と暗き心の淵に次第に飲み込まれていく洋役の池松さんの怪演も圧巻だ。そんな2人がもがきながら、求め合う姿を映像から覗いてみて。『海を感じる時』は9月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:海を感じる時 2014年9月13日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014「海を感じる時」製作委員会
2014年08月11日エプソンは30日、電子ペーパー表示技術を採用したリストウェア「Smart Canvas(スマートキャンバス)」の「松本山雅FC」シリーズ新モデルとして、「松本山雅FC 2014 ガンズくん 緑 12 番(W1-MY21120)」を発表した。同日よりエプソンダイレクトショップにて受注を開始。価格は税別18,000円となっている。松本山雅FC 2014 ガンズくん 緑 12 番は、松本山雅FCのオフィシャルキャラクター「ガンズくん」の顔が描かれたバンドとセットになっている。バンドのみでも販売し、バンド単体の価格は税別3,000円だ。Smart Canvasは、「時を感じ、時を楽しむ」をテーマとしたリストウェア。電子ペーパー表示技術(アクティブマトリクスEPD方式)の採用により、高いコントラストと300dpiの高精細な表示を実現。時刻表示だけでなく、滑らかな書体とさまざまなグラフィックが描かれ、楽しく時を演出するという。適応する腕回りサイズは最大190mm/最小135mmで長さ調節用の穴は11個設けられている。本体サイズはW38.3×D8.66×H39.4mm、重量は50g(バンド含む)。電源には小型リチウム電池の「CR2016」を用い、電池寿命は約3年。日常生活における「水のかかる」程度なら使用可能という日常生活防水性を備える。(c)2011 YAMAGA
2014年07月30日現役女子高生が書いたスキャンダラスな文学として、一躍話題を呼んだ中沢けいの小説を基に、市川由衣と池松壮亮を迎えて贈る映画『海を感じる時』。このたび、主演の市川さんがもがきながら少女から女へと変貌を遂げようとする様子が垣間見える予告編映像が公開された。恵美子(市川由衣)と洋(池松壮亮)。2人の出会いは高校の新聞部。授業をサボって部室にいた恵美子は、ある日、先輩の洋と顔を合わせる。突然、洋は恵美子にキスを迫るが、「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」と彼は言う。衝動的に体をあずける恵美子だったが、あくまで洋は「女の人の体に興味があっただけ」で「君じゃなくてもよかった」と言い放つ。それでも愛を知らない恵美子は洋を求め、大切にされないと分かっていても会うたびに自ら体を差し出していく。恵美子は、そんな関係に寂しさを募らせながらも、次第に“女”として目覚めていく自分に気付いていく…。今回公開となった予告編は、恵美子演じる市川さんとその相手となる洋を演じる池松さんの満たされない心と、抑えきれない体に葛藤しながらも濃密に男女の愛を描いていく映像。市川さんは美しくも切ないラブシーンを披露するなど、大胆なシーンにも果敢に体現し、一途な想いながら葛藤する心の揺れを力強く演じる一方、池松さんは、恵美子を翻弄しながらも恵美子への想いを昇華させ、堂々たる演技で観る者を魅了する。本作で初共演となった2人だが、恵美子と洋の後戻りできない恋愛を見事に演じ切った。女と男、家族との繋がりを豊かな感性で描き、いまもなお高く評価されている原作。『blue』、『僕は妹に恋をする』を手がけた安藤尋監督の繊細な表現力と確かな演出力で、揺れ動く登場人物たちの心の機微に迫る。『海を感じる時』は9月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年05月29日西島秀俊・主演のドラマ「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~」で、謎多き記憶喪失の男・新谷を演じ、回を追うごとに視聴者を驚愕させている池松壮亮。2014年の年頭に“ネクスト・ブレイク男子”として紹介したとおり、門脇麦・共演の『愛の渦』、橋本愛・共演の『大人ドロップ』を始め今年の公開作はなんと8本にも及び、その卓越した確かな演技力と類いまれなる存在感で圧倒的な魅力を放っている。その池松さんは、5月24日(土)より公開となった『舟を編む』の石井裕也監督の最新作『ぼくたちの家族』では、妻夫木聡と兄弟役に。少年時代、妻夫木さんに「似ていると言われていた」だけに、初共演とは思えないほどの絶妙のケミストリーを醸し出している。60歳を過ぎ、物忘れが激しくなった母・玲子(原田美枝子)。だが、そんなことは誰でもあると、長男・浩介(妻夫木聡)も次男・俊平(池松壮亮)も父・克明(長塚京三)も全く気にしていなかった。だが、浩介の妻・深雪(黒川芽以)の妊娠が分かり、双方の家族で会食した席での出来事をきっかけに病院で検査を受けると、結果は「脳腫瘍」。しかも「余命1週間」と宣告されてしまう…。原作は、2008年に映画化もされた「ひゃくはち」の作家・早見和真の実体験を元にした同名小説。突然の母の病気で明らかになった、多額のローンに生活破綻…。病気のせいで、無垢な少女のように本音をさらけ出し始めた母が教えてくれたのは、“とっくにぶっ壊れていた家族”の姿だった。中学時代に引きこもっていたことへの負い目を感じてか、そんな家族を何とか引っ張っていこうとする兄・浩介役の妻夫木さんに対し、弟・俊平役の池松さんは、どこか斜に構えた態度。“家族の絆なんてくだらない”と微妙に家族と距離を置き、感じたままを口にしてしまう母の言動にも調子よくつき合っていく。浩介はそんな俊平の態度にも、ふがいのない父親にも、そして自分自身にもイライラしっぱなし。だが、あるときから、俊平を巻き込みつつ、浩介も変わり始めていくのだ。この2人、本作で見せるふとした表情は確かに「似ている」と思わせる瞬間があり、ともに早くから実力派として注目され、真摯に演技に向かう姿勢や独特の色気も含めて、“兄弟”というのが実にしっくりくる。キャスティングの際、石井監督も「2人の顔が同時に浮かんだ」というのもうなずける。生真面目な長男・浩介とは対照的に、俊平の周りを冷静に観察しながらの素直なお調子者ぶりは、「MOZU」で見せた狂気の殺戮者とはとても同一人物には思えないほど。こんな次男坊って、“いるいる”と思わせる、年相応のごく普通の青年そのもの。やがて、そんな池松さん演じる“ザ・次男坊”が、予想外の力を発揮し、大ピンチの家族をある展開へと導いていくキーパーソンとなっていることにも注目だ。妻夫木さんとは、同じく石井監督の『バンクーバーの朝日』(12月公開)でも共演し、高校まで続けていた野球を披露する池松さん。本作以降も、6月14日(土)には松山ケンイチ主演の『春を背負って』、榮倉奈々&加瀬亮共演の『わたしのハワイの歩きかた』が公開されるほか、夏には『愛の渦』の監督、三浦大輔(ポツドール)作・演出の舞台「母に欲す」にも参加する。さらには、市川由衣と濃厚なラブシーンを演じる青春文学の映画化『海を感じる時』(9月13日公開)、宮沢りえ演じる平凡な主婦の“快楽と転落”の元凶の年下男子役となる『紙の月』(11月公開)と、シリアスで官能的な役柄も控えているだけに、これからもますます目が離せない存在であることは間違いない。『ぼくたちの家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぼくたちの家族 2014年5月24日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「ぼくたちの家族」製作委員会
2014年05月27日自らの代表作である舞台作品を映画化した『愛の渦』も好調の三浦大輔がこの夏、渾身の書き下ろし作品を放つ。その舞台に出演するのは三浦の第一回監督作品『ボーイズ・オン・ザ・ラン』で主演を果たした峯田和伸(銀杏BOYZ)と、『愛の渦』主演の池松壮亮。映像の世界で三浦作品を体現したふたりが、舞台で再び三浦とタッグを組むこととなる。3人にこの作品に賭ける思いを訊いた。『母に欲す』チケット情報「『峯田くん、池松くんとたっぷり芝居をやりたい』というところから始まった企画」と語る三浦。舞台初挑戦となる峯田は「嬉しかった気持ちと、芝居はやったことがないから不安という気持ちと半々。でも三浦さんに声をかけてもらったからにはやらなきゃな、と思った」と話す。「僕は声も小さいし、2本の舞台を経験して自分は舞台に向いていないんじゃないかと思っていた」という池松は「それでも三浦さんだったら不思議と大丈夫と思えた」とこの舞台に参加した理由を語った。実母を亡くしたふたり兄弟のもとに、ある日父親が迎えた新たな母親が来る。それをきっかけにふたりのなかで巻き起こる葛藤を描く『母に欲す』。三浦が初めて家族、母という題材に正面からぶつかってゆく物語。これまで触れてこなかった題材を選んだ真意について訊くと、「自分にとっては禁断のテーマというか、いつかはやりたいと思いながらも勇気が出なかったもの。この芝居で舞台にひと区切りをつけようと思っています」と三浦から衝撃的な発言が飛び出した。「やめないでくださいね」と声をかける峯田や「三浦さんがそういうなら僕も」と言い出す池松に笑いながら「この先どうなるかはわからない。でも次は決まっていません。それくらい崖っぷちの気持ちでやっています」と言葉を続けた。「一度映画で一緒にやったこのふたりを呼ぶことで、『また群れでやりたいんだろうな』と思う人もいるかもしれない。でも舞台に呼んでしまえば、映画でせっかく築いた信頼関係が揺らぐ可能性だってある。弱いところを見せることもできない。恐怖の方が強いんです。でもいまここでやるしかないと思っています」と改めて決意を語る三浦。これが最後の舞台作品になるかはわからないが、彼の思いをすべて注いだ究極の作品になることは間違いなさそうだ。公演は7月10日(木)から29日(火)まで東京・PARCO劇場にて。チケットの一般発売は5月31日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選「プレリザーブ」を実施中、5月13日(火)午前11時まで受付。取材・文:釣木文恵撮影:源賀津己コスチューム:三浦大輔 …「NEO RESISTANCE」「Roen」、峯田和伸・池松壮亮…「カインドウエア」スタイリスト:DAISY 石橋瑞枝( DAISY M’S OFFICE )ヘアメイク:河村陽子
2014年05月09日松潤と石原さとみ主演の『失恋ショコラティエ』を見ていて、この2人の関係性よりも、むしろ爽太(松潤)とえれな(水原希子)のセフレの関係に魅力を感じた女性も多いのではないでしょうか。えれなも何度も、「セフレ」って良いねなんて言っていますしね。たしかに2人は、セフレでありがならも、お互いが恋愛相談をしたり、ご飯を食べたりと、ドライな感じがないですよね。「あんな関係を築いてみたいな」と思っている人も多いはず。というわけで今回は、官能小説家の私、小川沙耶が「爽太とえれなのようなセフレ関係のつくり方」をご紹介しましょう。■1.自宅で会うまず、ただのセックスオンリーなセフレ関係になってしまわないためには、どちらかの家で会うようにしましょう。外で会っているばかりだと、ホテルでセックス、それで終了、的なドライな関係になっていってしまいます。そう、まずは、まるで恋人を作るような気持ちで、お互いに接していくことが重要ですね。■2.本命がいることを暴露ですが、そんなふうにただただ恋人のようにラブラブしていると、ふつうのカップルと同じになってしまい全くセフレじゃなくなってしまいますよね。そのために大切なのは、自分に本命がいることをばらすこと。失恋ショコラティエの中でもそうしていましたね。これをしておくと、恋人同士になっていくことを避けつつ、お互いにイイ距離が保てるんですね。■3.セックスなしでも楽しめる関係セックスをするようになってきて、これはもうセフレだな、という関係になったあともセックスだけを求めるのはNG。そんなことをしていると、すぐにただの道具として相手を見てしまいます。だから、あえてたまにはセックスをしないでご飯を食べたりデートをしたりという日を作ってみましょう。人間味のあるセフレ関係に近づくはず。■4.人間として尊敬爽太とえれなのステキなところは、お互いのことを人間的にも尊敬している点です。爽太はショコラティエ、えれなはモデル。お互いを性の対象として見る前に、ひとりの人間として尊敬していることが大事なんですね。だからアナタもカレに、「アソコ大きいよね・・・・・・」ではなく「仕事頑張ってるね」というようなほめ方をしてあげましょう。■5.辛いときも見捨てないセフレの関係だとどうしても、相手のピンチに薄情になります。風邪を引いているときには「ヤレないならいいや」なんて放置してしまうんですね。えれなが本命にフラレたとき、爽太はすぐに駆け付けました。ふつうのセフレならこんなこと考えられません。こういった、ピンチのときでも寄り添う関係性こそ、理想的ですね。■おわりにいかがでしたか?ドラマは終わってしまいましたが、みなさんの心の中の『失恋ショコラティエ』はまだまだここからが本番!失恋したらいつでも、爽太とえれなのことを思い出して、(そうだ、セフレだってある!)と元気を出して頑張りましょう。2人だって、そうやって頑張ってきたんですから。(小川沙耶/ハウコレ)
2014年03月25日劇団ポツドールの主宰者・三浦大輔が岸田國士戯曲賞受賞の舞台を自らメガホンをとり映画化した『愛の渦』。「ただセックスがしたい」ために都会の一室で行われる乱交パーティに集った男女を通じて、人間の欲望をむき出しにする本作。着衣時間が全編中18分半というこれまでにない作品で主演を務めた、ニート役の池松壮亮と、地味に見えるが本当は誰よりも性欲が強い女子大生役に挑んだ門脇麦のふたりが作品を振り返った。その他の画像監督が三浦だったこと、そしてその脚本に魅了されたことが出演の理由だったという池松。「よくできた脚本だなと思いました。人間性とか動物性とか本能とか、日本人であること、男と女。いろんな要素が入っていて。本当におもしろいし、挑戦的だなぁって」。一方、オーディションで役を勝ち取った門脇。ひとりに50分をかけ、バスタオル1枚で臨むという過酷なオーディションだったが、門脇本人は「そんなに大変だったとは感じませんでした」とさらり。実は本作にどうしても出演したい! と意気込んでオーディションに向かったわけではなかった。「マネージャーさんから脚本を渡されて、とりあえず感想だけ聞かせてと言われたんです。それでおもしろかったですと伝えたら、それならオーディションを受けてみようということになって。ただこの脚本を書いた人ってどんな人なんだろうという興味は湧いていました。実際、三浦さんにお会いしてみて、あ、この人好きだな。一緒にお仕事してみたいなって感じて。そこから初めて腹をくくって作品に向き合っていきました」。「撮影は疑似体験をしている感覚だった」と門脇が明かすと、池松もこれを受け、「まさにそう。もちろん演じていないわけではないですけど、いざみんなで現場に入ってパッと服を脱いだ瞬間、そこにしか生まれないものが絶対的にあったし、三浦さんはそれを撮りたがっていた。モノづくりをしていることは分かってるんだけど、それを超える瞬間を目指していたんです」と述懐。そして「思った以上に僕が演じたニートと麦ちゃんの女子大生ふたりの話になっていました。三浦さんが用意したエロという入口は、やっぱり端からそれ自体を撮るつもりではなかったんだと思いました。完成した作品は全くエロイものではなかったし、僕らもエロイものを撮ったつもりはない。音楽で品格を保っているのもさすがだと感じましたし、何より自分が自信を持って観てくださいと言える作品に関われて幸せです」と池松が締めた。『愛の渦』3月1日(土)テアトル新宿ほかにて公開R18+取材・文・写真:望月ふみ
2014年02月28日もはや“あの『ラストサムライ』の少年”という枕詞は過去のものと言えるだろう。ここ数年、TVにドラマに舞台にと目覚ましい活躍を見せる池松壮亮。そして“思わず吸い寄せられて、目が離せない”という形容がぴったりの独特の存在感と可憐さを共存させ、CMや映画が瞬く間に話題を呼び、間違いなく“ブレイク予備軍”の先頭にいる門脇麦。そんな注目株の若き2人がすごいことになっている。大胆に脱ぎ、さらけ出し、交わる!それが映画『愛の渦』である。三浦大輔監督がかつて、舞台作品として自ら主宰する劇団で上演し、岸田國士戯曲賞を受賞した作品を自身の手で映画化。セックスのためだけにマンションの一室に集った男女が相手を変え、やり方を変え、体を重ねるさまを通じて、人間の本能を描き出したと言える本作。池松さんは、親の仕送りを使ってまでこの乱交パーティに参加するニートの青年、門脇さんは地味で清楚に見えて、実は性欲の強い女子大生を演じている。セックスに次ぐセックス。いや、もちろん、あくまで撮影なのだが…。“ランナーズ・ハイ”のようなものだろうか?池松さんも門脇さんも、タオル1枚 or 裸での約2週間の撮影という非日常の中で、奇妙な高揚感・興奮状態にあったという。池松さんは言う。「同じ部屋にみんなで裸でいて、どこか変なテンションで感覚が麻痺して、スポーツ映画を撮ってるような感じでしたね。後から考えると、もうちょっと気を遣ってもよかったんじゃない?ってくらい(苦笑)」。池松さんが特に印象深かったというのがプレイルーム(※セックスをするためにいくつものベッドが用意された部屋)での、あるシーン。「僕らが“愛の渦カット”と呼んでた(笑)、セックスしているベッドの様子を天井から撮影し、部屋をグルグルと回る撮影があったんですが、ほかのベッドを映していて僕らが映らないときもあって、特に僕からは天井のカメラがどこを映してるのか見えないんです。だから、麦ちゃんが『(カメラが)来た来た来た!』って教えてくれて、『よっしゃ、行くぞ』みたいな感じで(笑)。頭おかしいよなって思いながらやってました(笑)」。門脇さんは「とはいえ、女の子だから恥ずかしい気持ちもあるじゃないですか…」と恥じらいの色を浮かべつつ、結構すごい内容を続ける。「結局、撮影になると『よし、やるぞ!』という気持ちの方が強いんですよね…。撮影のときから感じてたんですが、完成した映画を観てると本当にスポーツを見てるような感じで、湿っぽさがないんです。特にプレイルームでは、頭のネジが2~3本飛んでたと思います(笑)」。撮影中、ハードなスケジュールもあって「家には寝に帰るようなもの。毎日、寝に帰って、服着て、現場来て、また脱がされて(笑)――不思議な体験でしたね」と池松さんはしみじみ。門脇さんは撮影中のみならず、撮影を終えてしばらく時が経っても、奇妙な感覚が抜けなかったと明かす。「疑似体験をしている感覚がすごく強かったですね。実際に乱交パーティに行ったことはないのに、映画の中の一夜限りの物語を追ったような感覚がすごくあって、しばらくは変な感じが続きました。変なテンションと言うよりは…すっぽりと何かが抜けたような感じ、空っぽになっちゃった感じが撮影後1~2か月くらいは続いたかも」。池松さんは映画だけでも昨年で3本が公開され、今年は本作を含め5本が公開予定。昨秋には『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督の初の舞台演出作となる「ぬるい毒」に主演するなど、明らかに俳優として、階段を上るスピードがアップしているようにも思える。それは当然、自らの意思であり、同時に周囲から求められることが多くなったということでもある。「確かにここ1~2年で『こうありたい』『こうあるべき』と自分が目指すべき方向に近づいているという感覚はありますね。それは単純に大学を卒業したというのも大きい。学生だとやれないこともたくさんありましたから。そこから解き放たれても『あいつ、学生気分が抜けないな。変わんねぇな』と言われるようなら辞めてやろうって気持ちで、それくらい真剣にやらなきゃと思ってます。そういう時にこの『愛の渦』のお話をいただいたりしたので、恵まれているなとも感じてます」。“目指すべきところ”とは何か?それは具体的な役柄や評価ではなく、自身の作品に対する「責任」の持ちようだという。「自分が自信を持って『観てください!』と言える仕事をしていきたい。“仕事だから”という理由で嘘をつきたくないから、自分で自分の作品に対して責任を持とうと常日頃から思ってます」。門脇さんは、本作との出会いを「これから何年経ったとしても、私にとって“軸”と言える作品になったと思う」と表現する。彼女を起用するにあたって三浦監督は「彼女と心中するつもりで撮る」と宣言したというが、その決意に間違いはなかったという手応えを監督自身、誰よりも強く感じているのだろう。その後、門脇さんは三浦監督演出の舞台「ストリッパー物語」(つかこうへい作)にも呼ばれている。言葉を探しつつ、しかししっかりとした口調で彼女は言う。「私自身、まだそんなに経験がないので何て言っていいのか難しいんですが、あんなに戦っている人を間近で見て、この監督のために頑張らなきゃって強く思いました。三浦監督が私の中で特別な存在だということも、この先ずっと変わらないと思います」。池松さんが、門脇さんを初めて見たのは、本作よりもさらに前。2012年、下北沢のザ・スズナリで上演された舞台「黄色い月-レイラとリーのバラッド-」でのこと。それは彼女にとっては初めての舞台でもあった。「相手役は柄本時生(※本作にも出演)だったんですけど、見終わって時生に『あの子誰?』って聞いたのを覚えてます。確実に光るものを持ってたし、それに何をやってても、笑ってても寂しそうだったんですよね(笑)。『何か背負ってるな、孤独の色を持ってるんだな、この子は』というのが第一印象でした」。実際に一緒に仕事をしてみて、三浦監督を含めた3人は周囲からも「よく似ている」と言われることが多いのだとか。言われてみれば、そんな気も…。最後に「もう一度、共演するなら?」と尋ねると、池松さんはいたずらっぽい笑みを浮かべる。「これだけ似てるって言われると、兄妹役でいけるんじゃないかと思います。ダメですかね?『あんなことやっといて兄妹やるな!』って言われちゃうかな(笑)?」。たった2歳違い。この先、どのような形であれ、この2人が何度も同じ作品で顔を合わせることになるのは、日本映画界にとって必然だろう。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年02月26日日本映画界の巨匠・山田洋次監督の最新作『小さいおうち』。このほど、本作でヒロインの時子を演じた松たか子の、妖しさを秘めた秘密が香る場面写真が初公開となった。2010年に直木賞を受賞したベストセラー、中島京子・原作の同名小説を映画化した本作。キャリアを通じて“家族の絆”を描いてきた山田監督が、本作では昭和初頭のとある小さいおうちで起きた、ひそやかな“恋愛事件”を描き、人間の心の奥底にある“秘密”に迫っている。本作で美しく、気さくで優しい奥様・平井時子を演じた松さん。今回公開された場面写真では、思わずドキッとしてしまうような、妖艶な魅力溢れる姿を披露している。松さん演じる時子が着物の帯を口にくわえて結んでいるこのシーンは、夫がありながら青年・板倉(吉岡秀隆)に惹かれていき、“恋愛事件”の気配が高まりつつある中で、時子を案じる女中タキ(黒木華)の感情も激しく揺れ動くという、物語の重要な、そして最も妖艶なワンシーンの一つだ。しかも、本作を象徴するかのようなこの場面写真は、本作の映画化を記念して11月26日から全国の書店にて展開される、中島さんの原作『小さいおうち』の文庫本の帯にも掲載されることが決定。また、その帯の裏面には、映画の撮影時に作られた平井家の“小さなおうち”のセットの間取り図が、中島さんのコメントと合わせて掲載されており、今しか手に入れることのできない貴重な帯となっている。昭和モダンの雰囲気たっぷりな、小さく可愛らしいこの家で、いったい何が起きたのか?ますますその秘密の裏側に迫ってみたくなりそうだ。『小さいおうち』は2014年1月25日(土)より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:小さいおうち 2014年1月25日より全国にて公開(C) 2014「小さいおうち」製作委員会
2013年11月25日「プリーツ・プリーズ・イッセイ・ミヤケ(PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE)」が、”熊”をモチーフにしたシリーズ「ポーラー・ベア(POLAR BEAR)」を発売した。今秋冬のテーマは、ブランド創立時からのキーワードでもある「ON THE ROAD AGAIN - 旅」。"旅先の動物園で出逢った白熊"をモチーフとして、毛足の長い素材を使用したアイテムを展開している。ラインアップは、カーディガン(4万8,300円)やパンツ(3万9,900円)、ショートパンツ(3万5,700円)、トップス(3万8,850円)など。全国のPLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEショップで取り扱う。更に路面店限定で、細かく切ったプリーツの余り布を編んで作った熊の人形「KACHINA BEAR」(小6,300円、大8,925円)も販売する。
2013年10月18日松本潤(嵐)主演の映画『陽だまりの彼女』が10月12日(土)に公開を迎え、松本さんを始め、上野樹里、玉山鉄二、大倉孝二、谷村美月、菅田将暉、北村匠海、葵わかな、小籔千豊、三木孝浩監督ら主要キャストが舞台挨拶に登壇した。“女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1”と言われる越谷オサムの人気小説を『ソラニン』『僕等がいた』の三木監督が映像化。十数年ぶりに再会を果たし、恋に落ちた浩介と真緒だったが、真緒には誰にも言えない秘密があり…。2人の恋模様と“奇跡”を温かく描き出す。松本さんは「5年ぶりの映画です」とやや緊張した面持ちだったが、「楽しんでいただけましたか?」と観終わった観客に問いかけると万雷の拍手が沸き起こり、ホッとした表情を見せた。「僕にとっても大切な作品。これからも何度も観ると思うし、年を取ってくると感じ方が変わると思う。素敵な共演者の方々――小藪さんを除いて(笑)――と仕事ができて、三木さんの作品に参加できて幸せです」と“小藪攻撃”を交えつつ、本作への強い思い入れを明かす。“ステキな共演陣”から除外された小藪さんは怒り心頭。これまでも小藪さんは、松本さんによるイジメ(?)に苦しんでいたそうで「現場で僕がセリフを覚えてるときにずっと話しかけてきて邪魔するんです。今日も『(俳優ではない自分が)ここにいてすみません』と思ってたんですが、それを感じたのかエレベーターで『何で来たん?』みたいなこと言うんです」と訴える。そんな2人のやりとりに、上野さんは「仲良いですねぇ」とニッコリ。撮影をふり返り「穏やかな気持ちでした。冬の寒さが心地よかったです。手が冷たくなるんですが、松本さんの手がいつも温かくて」と現場の温かいムードを覗わせた。菅田さんは、松本さんの弟役を演じたが「現場に潤くんがカッコいいハットを被って来ていて『欲しいなぁ』って言ったら、『あげるよ』と言ってくれて、口約束かと思ったら、さっき『好きなの選べよ』と言ってくれた」と“兄”の優しさに感激!上野さんは菅田さんについて「松本くんと顔がちょっと似てる」と語り、松本さんと三木監督は2人が並んだときに似ていることから、弟役で菅田さんが起用されたという内幕を明かす。初めて知ったという菅田さんは「マジっすか?てゆうか何でそんな大事なことオレは知らされてないの?」と驚いていた。玉山さんは撮影時の“秘密”として「撮影の日数はそんなになかったんだけど掛け持ちで大変だった。咳が止まらない日があって病院に行ったら逆流性食道炎で凹みました」とサラリと告白。これは三木監督さえも知らなかったそうで、一同驚愕していた。『陽だまりの彼女』は全国にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:陽だまりの彼女 2013年10月12日より全国東宝系にて公開(C) 2013『陽だまりの彼女』製作委員会
2013年10月12日『桐島、部活やめるってよ』で日本映画界に新たな風を吹きこんだ吉田大八監督が、舞台演出に初挑戦!夏菜と池松壮亮という映像の世界で引っ張りだこの旬な2人を主演に迎え挑む舞台の名は、「ぬるい毒」――その稽古現場に潜入した。原作は吉田監督の長編映画デビュー作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の原作者でもある劇作家・本谷有希子の小説。本谷さん本人が「舞台化不可能」として戯曲ではなく、あくまで小説として発表した作品を“あえて”選び、吉田監督自ら脚本化した。23歳で自分の人生が決すると頑なに信じる自意識過剰の少女・熊田が、彼女に突然、電話をかけてきた向伊という謎めいた男を胡散臭く思いつつも惹かれていく、19歳からの数年間を描き出す。この日、稽古が行われていたのは熊田(夏菜)が彼女に好意を持つ年上男性・原(板橋駿谷)の部屋を訪れるシーン。ミエミエの原の誘いに対し、気のないフリをしつつ乗る熊田。ここで原を相手に人生初のキスを交わすというシーンだが、吉田監督からは時折、もっとぎこちなく、自意識過剰な女子を意識してという意味を込めて「もっと熊田っぽく」という指示が飛ぶ。続いて、東京の大学から帰省した向伊に誘われ、その友人たちも一緒に盛り上がっている居酒屋へと赴くシーン、同じく帰省した向伊と2人きりで心霊スポットである廃墟にドライブに行くシーンの稽古が進められた。ここでも吉田監督は、夏菜さんに対したびたび“熊田らしい”動きや表情、受け答えを要求。稽古を通じて熊田という主人公が形成されていくのが見て取れる。ちなみに、先のキスシーンに続き、この廃墟では熊田がかなり大胆な姿も見せており、夏菜さんの体当たりの演技に注目だ。そんな夏菜さん、池松さん、吉田監督が稽古の合間に取材に応じてくれた。本谷作品ではおなじみとも言える“自意識過剰でプライドの高いヒロイン”を演じる夏菜さんだが、「私は『ああいう時期って私にもあったよな』と思うんです」と意外や共感を口にする。具体的には?という問いに「そこ掘り下げますか…」と苦笑しつつ、「若い頃って無駄にプライドが高かったり、それでいて傷つくのも嫌で背伸びしたり、自分の周りを一枚、殻で覆ってみたり、いろんなことをして大人っぽく見せようとするものだと思う。(熊田の持つ)世間に怒っているような感じは、若かりし頃は私にもありましたよ。最近になって消えましたが(笑)」と明かす。一方、池松さんが演じる向伊もなかなかの曲者。この日の居酒屋のシーンでもそうだが、「バカにしてるのか?」と怒りたくなるギリギリ少し手前のラインを絶妙に行き来し、熊田をイラつかせながらもつかず離れずで、心に引っ掻き傷を残すようないやらしさをも感じさせるが、池松さんは決して彼に対して嫌悪感を持っているわけではなさそう。「みんな、こういうところあるんじゃないですか?こっちが意識するでもなくサラッと言ったことがトゲになることってあるでしょ。そういう積み重ねなのかなと」と語る。一方で、熊田の心理についても「ものすごくよく分かる」とのこと。「本谷さんの書く女の人って男の人の方が分かるんじゃないかなと勝手に思ってます。男の方が弱いですから(笑)」。吉田監督は「僕もまだ手探り」と言いつつも、「毎日、更新されていく感じで、それを見るのが楽しくてしょうがない」と映像とはまた違った楽しみを感じているよう。脚本だけ読んでみると、この癖のある熊田と向伊という役になぜ夏菜さんと池松さんを?とも思ってしまうが、吉田さんは「そういう意外な接点を見つけた気になるのがキャスティングの醍醐味」と、してやったりの様子。「いまのところ、キャスティングで失敗した経験はないので大丈夫。絶対にできる!(この役の要素が2人に)あると思うから」と自信を覗かせる。初日まで1か月を切っているが、夏菜さんは「確実にこれまでと違うキャラ。手応えはまだ分からないけどこれから頑張ります」と意気込み。池松さんも手応えは「まだない(笑)」と言い切るも「これだけ準備したんだから、いつも以上のことができるだろうと信じてます。いま、手応えはなくとも、それは稽古前に脚本を読んだときに確実にあったのでそれを信じてやっていきます」と淡々と意気込みを口にした。舞台「ぬるい毒」は9月13日(金)~26日(木)まで紀伊國屋ホールにて上演。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年09月04日松たか子主演のミュージカル『ジェーン・エア』が10月6日、東京・日生劇場で開幕した。シャーロット・ブロンテの傑作小説を舞台化した本作は2000年に演出家ジョン・ケアードの手によりブロードウェイで初演。2009年にはケアード自ら新演出に挑み、日本初演され、今年3年ぶりに再演される。初日前日の10月5日、公開稽古が行われ、松と共演の橋本さとしが会見に応じた。ミュージカル『ジェーン・エア』チケット情報会見で松は「再演ですけれど新たな要素も入っていますので、倍エネルギーを使う稽古でした」と振り返り、「(演出・ケアードの)リクエストに応えられたらいいなという思いで、稽古を積み重ねてきました。変わったということで身構える余裕はないです。再演だから楽しいだけではいけないですね」と気を引き締めていた。緊張した様子の松だが、3年前と変わったところを訊かれると「3歳くらい歳を取ったところ」と笑いを取る場面も。それを受けて橋本は「僕はウエストが3年前に比べて大きくなりましたね。脂身たっぷりの脂の乗ったいい感じでお届けできれば」とさらに笑わせていた。『ジェーン・エア』は孤児ジェーンが辛い日々に耐え、家庭教師として雇われた屋敷の主人ロチェスターと、紆余曲折の末に結ばれる純粋な愛の物語。舞台ではウエディングドレス姿も披露する松だが「(劇中)ほとんど黒い衣裳なので白いドレスは恥ずかしい」とはにかむ。ラブシーンについてふたりは「ラブラブした感じじゃないんですよね。僕は個人的にやってみたいんですけど(笑)。美しいラブシーンになれば」(橋本)、「ふたりで寄り添ったり、向き合ったりというシーンは少ないんですけど、やっと心が打ち解けて愛し合ったときの、静かなんだけれどそれまで抱えていた(ロチェスターへの)想いを想像しながら観て欲しい」(松)とそれぞれ語った。公演は東京・日生劇場で10月28日(日)まで。その後、福岡・博多座で11月2日(金)から18日(日)まで上演される。チケットは発売中。
2012年10月09日シャーロット・ブロンテの原作小説を舞台化したミュージカル『ジェーン・エア』。演出家ジョン・ケアードが新演出に挑んだ3年前の日本初演は“ブロードウェイ版を越えた完全版”と絶賛を受け、多くの観客を魅了した。ひたむきに愛を貫く主人公ジェーンを全身全霊で表現した松たか子は、本作で第35回菊田一夫演劇賞を受賞。相手役ロチェスターを演じる橋本さとしの陰影ある存在感も深い余韻となった。10月、その感動の舞台が帰ってくる。一部キャストの変更はあるが、ほぼ同じメンバーが揃った待望の再演、その稽古初日の様子を取材した。『ジェーン・エア』チケット情報稽古開始前の稽古場では3年ぶりの再会を喜び合うシーンがあちらこちらで見られ、またひとつの作品に向かおうと団結する高揚感が漂っていた。まずは顔寄せ行事から始まり、スタッフ、キャストを紹介。その後は台本の読み合わせが始まるかと思いきや、全員で輪を作ってぐるぐると回る軽いジョギングがスタートした。初演時も行っていたウォーミングアップだそうで、ジョギングからストレッチへと続く一連の動きを、皆慣れた様子でこなしている。稽古初日とは思えない呼吸の合った安定した空気感に、全員が共有する再演への高い志がうかがえた。ジョン・ケアードもその輪に加わって体を動かしているが、ふと足元を見ると……。以前の取材で松が「ジョンさんはいつも稽古場で裸足。足の裏を真っ黒にしているんです(笑)」と教えてくれたとおり、ケアードはずっと素足で稽古場を歩き回っていた。そんな演出家の熱い姿勢が示唆するように、“初日は軽い思い出し稽古だろう”との取材陣の予想を覆す、集中度の高い稽古が進行していった。入念な発声練習を終えていざ、セリフをまじえた歌稽古に突入。魂を絞り出すような橋本の「ジェーン!」という物悲しい叫びに、初演の荒野の風景が一瞬にして呼び覚まされる。両親を亡くした幼いジェーンをひきとって虐待する叔母のリード夫人に扮するのは、初参加となる阿知波悟美だ。その重く険しい声の響きが稽古場全体をピリリと引き締める。新たなリード夫人の誕生をケアードが深くうなずきながらみつめていた。ジェーンが過ごす教育施設ローウッド学院の院長に扮する壤晴彦が、さらに厳格で冷酷な声を響かせて緊張度を押し上げる。苦しい日々の中で自由を心から探し求めるジェーンの思いを松が力強く絶唱すると、周囲から感嘆のため息とともに拍手が沸き起こった。途中、歌詞にある「許し」という言葉に込められた意味について話し合う場面も見られた。ジェーンを始めとする登場人物たちの葛藤、人生の選択、そして信仰に対する考えについて再度、全員の理解を深めようと熱のこもった稽古が続く。ジェーンが持ち得た“愛する勇気”とは何なのか。その答えは、さらに精度を上げた再演舞台が教えてくれるに違いない。公演は10月6日(土)から28日(日)まで東京・日生劇場にて。その後福岡・博多座でも上演する。取材・文:上野紀子
2012年09月10日