異能の音楽家同士の、優雅で贅沢で、シュールで不思議な共演ふたたび。かつて『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』『暴虐のからくり人形楽団』の2枚のアルバムを共作した、谷山浩子とROLLYによる共演ライブが決まりました。Shibuya duo MUSIC EXCHANGEの20周年記念公演の一環として開催される「duo 20th Anniversary Live ROLLY & 谷山浩子」は、4月25日(木)、19時開演。久々の共演に向けて盛り上がるふたりによる、出会いのきっかけ、楽曲の分析、創作の秘密、ライブの意気込み等々、いつまでも尽きないトークをどうぞご覧あれ。――おふたりの初共演は、2008年ですね。そもそものきっかけは?谷山浩子(以下、谷山)私が毎年やっている『猫森集会』というコンサートがあって、毎回ゲストをどうするか?という会議があるんです。その時に、レコーディング・ディレクターと、当時のマネージャーが、毎回「ROLLYさんはどうですか?」と言ってくるんですよ。それで私は、本当に申し訳ないけれど、『笑っていいとも』に出ていたギターも弾ける芸人さん?みたいな認識だったので、お呼びしたとして、向こうも私も何をしていいかわからなくて、困るんじゃないか?と思ったんですね。しかもイメージとして、声が大きくて圧が強いという、私のとても苦手なタイプの人を想像してしまったので、何回も却下したんですけど。2018年猫森集会写真ROLLYはっはっは。谷山音楽を調べもせずに、イメージだけで。でも何回却下しても、毎年言ってくるんですよ。ここまでふたりが言うんだったら何かあるのかな?と思って、世田谷パブリックシアターでやっていた舞台を観に行ったんです。『三文オペラ』を。ROLLYそれはお目が高い。私は、客席に現れて、いきなり暴漢に襲われて、すっ裸にされて、娼婦のジェニーになるという、そういう役でした。谷山女性の役で歌を歌って、とても妖艶な感じで、「おおー!」と思って。終わって、楽屋にご挨拶に行って、ノックをしたら、ドアがそーっと開いて、顔が半分出て来て。その時に思ったんですけど、拾ってきたばっかりの野良猫みたいな(笑)。警戒心と、ちょっと興味と、みたいな感じの、内気な人が現れて、その時の風情を見て、“何かできるかも”と思ったんです。そのあと、曲を聴いてもらったんですよね。ROLLY僕には姉がふたりいるんですが、二番目の姉が谷山浩子さんを大好きだったんです。オルガンを弾きながら、♪ねこの森には帰れない、と歌っていたのを、横で聴いていました。その後、クイーンの「キラー・クイーン」や「マイ・ベスト・フレンド」を聴いて、クイーンというのは谷山浩子さんみたいな音楽だなと、思ったことがあるんですよ。2018年猫森集会写真――言われてみれば。リズムの弾み方が、似ているような。ROLLYピアノがね、手のひらに卵がはさまる感じの、気品のある弾き方で。それで、この曲はクイーンのギタリスト、ブライアン・メイっぽく弾いたら合うんじゃないだろうか?と思って、家で弾いているうちに、どんどん面白くなってしまった。最初は、「谷山さんの完成された素晴らしい音楽に、一体自分が何をすべきだろうか?」と、思い悩んだんです。失礼なことになってはいけないと思っていたんですが、あの、アレみたいなもんですね、スペインのどこかの教会の、歴史的な肖像画の修復を、地元のおばあちゃんが描いて台無しにしたみたいな話で(笑)。谷山さんが作られた音楽の世界に、僕がいたずら書きをするというコンセプトで、“ここに髭の生えた変な小僧が立ってるぞ”“ここに人形が覗いてるぞ”って、やっているうちに面白くなってしまった。それを、谷山さんに聴いていただいたんです。谷山びっくりしました。「ねこの森には帰れない」は、デビューアルバムに入っている曲で、船山基紀さんがアレンジしてくださって、そのイメージでずっと固定されていたんです。チューブラー・ベルズがカンカン鳴ったりする、ちょっと可愛らしい感じだったのが、すごくかっこよくなって、違う曲に聴こえたんです。今までいろんな人にギターで入ってもらったけど、こんな弾き方をする人は初めてでした。すごいコーディネート力だなと思いました。ROLLY一度、いたずら書きの手法がわかったら、どんなものにでもいたずらできるようになっちゃった。それを、ライブという形でお客様の前で発表して、さらに2枚のアルバムにもなって、そしてとうとう、お客様を洗脳することに成功したんです。どうやら(笑)。谷山そうなんですよ。だから、ROLLYさんのいないところで「さよならDINO」とか、「KARA-KURI-DOLL ~Wendy Dewのありふれた失恋~」とかを歌うと、「ROLLYさんの声が聴こえる」ってアンケートに書かれる(笑)。ROLLYいなくても聴こえてくる、それはミュージシャン冥利に尽きます。僕もたまに、あのアルバムたちを聴きます。すべての曲が好きですけど、中でも「さよならDINO」は忘れられない、思い出のある曲ですね。2018年猫森集会写真谷山エンディングで、「リボンの騎士」のテーマを弾いてくれたんですよね。ちょうど、コードがハマったので。「リボンの騎士」、大好きだったので、「うわぁー!」と思いました。ROLLY僕が、谷山浩子さんと演奏していると聞くと、みなさん「え?」って驚かれるんですよ。でもね、やってみてわかったことは、すごく手塚治虫風と言いますか、SFで乙女ちっくで、冒険があって、その世界観は非常に気持ち悪くて、ほかのアーティストの方には決してない世界なので。僕は、「あたしの恋人」という曲を聞いた時に、「これは羽根がふたつある飛行機で、たぶん恋人は曲芸飛行をやる人で、ヒューヒュー!アイラブユー!って、拍手喝采で」と思いました。それが、ある日のこと、ヒュー、スポーン!と落ちて、ぼーっと燃えて、死ねばよかったのにね……死ななかった。そして今、あたしの横にいて、汗びっしょりでうなされているわけです。手も足もなくて、目も鼻も、穴が開いてるだけで、四角い箱が置いてあって、首で……。谷山なんか、前よりも妄想が育ってます。2018年猫森集会写真ROLLY『ジョニーは戦場へ行った』ですね。そういうふうに感じたんです。僕は、谷山さんのどの曲を聴いても、必ずそういうものが浮かびます。「あやつり人形」は、安部公房の『砂の女』のラストシーンに近いですね。あやつり人形は、悪い男に操られて生きているんですが、最後に男がいなくなって、逃げてもいいんです。もう操る紐もないのに、ひとりでずっと踊り続けている。『砂の女』のラストも、砂の底に閉じ込められた男が、逃げられるのに、もう少しここにいてみようと思ってしまう。60年代とか、子供の頃に見た映画の後味の悪さと、美しさと、現代の音楽に忘れ去られたロマンと、すべてがありますね。谷山浩子さんの歌には。谷山ありがとうございます。ROLLY谷山さんの発想の素晴らしさというのは、“よもやそんな変なことが起きるとは”というもので、「たんぽぽ食べて」もそうですが、すべての曲がそうですね。だから特別なんです。谷山言ってたもんね。ROLLYさんは、“LINEの既読がつかない”とか、そういう歌詞が嫌いだって(笑)。普通のラブソングみたいな歌詞だからって。ROLLYはっはっは。谷山この間、海外ドラマの『glee/グリー』をちょっとだけ見たんですけど、歌がいっぱい出てくるドラマなんですが、“LINEの既読がつかない”的な歌詞ばっかりで。これ、わざとやってるのかな?と思うぐらい。ROLLY既読がつかないという現象に対して、もっと違う切り込み方ができるはずなんですけどね。でもね、違う切り込み方をすると、お客さんがついてこれない。谷山ごく一部の人しか、いいと思ってくれないのは確かですよね。2018年猫森集会写真ROLLYでも、作っている本人は、最高にイケてるものを作っているつもりなので、最高にイケてるわけです。谷山さんは本当に、日本を代表する特殊音楽家だと思います。そして、どんな曲を歌っても谷山さんの楽曲にしてしまう、その声。そして、それを盛り上げる石井AQさん。AQさんは、『サイボーグ009』に出てくる赤ちゃんの、001のようです。谷山似てるよね(笑)。私も思ったことがある。ROLLY漫画っぽいけど、全部が好きな感じ。僕は谷山さんのカプセル怪獣なんです。『ウルトラセブン』のモロボシダンのように、使いたい時だけひょいと出してくれたら、いつ何時でもやりますよと、そのように言っています。谷山私、ギターのことはわからないんですが、今までも、全然違うアプローチのほうに行く人はいたんです。ちょっと前衛っぽい感じとか。でもROLLYさんは、ポップの王道なんだけど、「この曲がこういうふうになるんだ!」と、すごく意外な演奏をしてくれて、さっきコーディネート力と言いましたけど、たぶんそれだと思います。だからね、うれしいんですよ、一緒にやっていて。ROLLY先日、谷山さんに、『浩子の宅録』というアルバムを送っていただいた時に、これにもいたずら書きをしようと思って……。谷山「春のさけび」という曲に、ギターと声がついて戻ってきたんです。何もお願いしていないのに。ROLLYそれをラジオ (YouTubeチャンネル「谷山浩子のSORAMIMIラジオ」)でかけてくださった結果、お客様が気に入ってくださって、その結果、今回久しぶりにこのふたりでのライブが実現したと。谷山え、そうなんですか?ROLLYわからないです(笑)。でも僕はいつでもやりますよと。僕はとても、谷山さんのやってらっしゃることにシンパシーを感じるし、できる限り参加したいと、常にうずうずしていたという話です。2018年猫森集会写真――おふたりの、久々の共演ライブ「duo 20th Anniversary Live ROLLY & 谷山浩子」は、4月25日(木)、duo MUSIC EXCHANGE にて。タイトル通りに、duoの20周年記念公演の一環として、今回のライブが実現しました。谷山20周年おめでとうございます。長く続けていらして、素晴らしいと思います。これからも頑張ってください。呼んでください。ROLLYduo MUSIC EXCHANGEを応援してくださるあなたへ。私、ROLLYも、ずいぶんとお世話になりました。20周年おめでとうございます。20年と言わず、30年、40年、50年、60年、そして100年を目指して、お互い頑張りましょう。――最後に、ファンの方々へ、意気込みや抱負を、ぜひ。谷山ええと、まだなんにも決まってないです(笑)。ROLLYもちろん、お客様が聴きたい曲もあるでしょうし、ローリング・ストーンズで言うところの「サティスファクション」のように、絶対やらなきゃいけない曲というのはあるわけですが。ここで「意気込みは?」と問われて、「今回は全曲新曲で」と言われたら、お客様も困りますよね。谷山それはちょっとね(笑)。まだ聴いたことのない人は、ROLLYさんのギターをぜひ聴いてほしいなと思います。私にとって、理想のギタリストです。ROLLYありがたいです。谷山アレンジは、けっこう変わると思います。ふたりだけなので。ROLLYたとえば、(原曲が)ゴージャスなアレンジのものを、この研ぎ澄まされた2名だけでやる時に、物足りないんじゃないか?と、ついつい思いがちなんですが。頑張って分厚くしようと思わずに、シンプルなピアノとエレキギターでやった方が、物事の芯の部分が見えてくる感じもあるかもしれませんね。僕はギターシンセサイザーを取り付けてますんで、けっこう幅広くできるんですけど、幅広くしなくても、2名の歌声と、ピアノとギターだけでも十分に、物語の本質は伝わるんじゃないか?と思います。そうであってほしいなと思います。2018年猫森集会写真Text:宮本英夫Live Photo:能美潤一郎ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★サイン入り色紙を3名様にプレゼント【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>duo 20th Anniversary Live ROLLY & 谷山浩子2024年4月25日(木) 18:15開場 / 19:00開演会場:Shibuya duo MUSIC EXCHANGE出演:ROLLY / 谷山浩子料金:前売7,000円(税込)※入場時ドリンク代が必要★ぴあアプリ先行実施中。詳細は こちら()<アルバム情報>『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』発売中『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』ジャケット【収録曲】01. ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団02. パラソル天動説03. 公爵夫人の子守唄04. ハートのジャックが有罪であることの証拠の歌05. さよならDINO06. 素晴らしき紅マグロの世界07. ねむの花咲けばジャックはせつない08. Elfin09. KARA-KURI-DOLL ~Wendy Dewのありふれた失恋~10. 第2の夢・骨の駅11. 第5の夢・そっくり人形展覧会12. ヤマハ発動機社歌13. あたしの恋人14. ねこの森には帰れない15. 哀しみのからくり人形楽団16. カズオくんと不思議なオルゴール購入リンク:『暴虐のからくり人形楽団』発売中『暴虐のからくり人形楽団』ジャケット【収録曲】01. ウミガメスープ02. ハサミトギを追いかけて03. 意味なしアリス04. 人魚は歩けない05. 手品師の心臓06. 歯ぎしりがとまらない07. KARA-KURI-BOY08. 楽園のリンゴ売り09. しっぽのきもち10. からくり人形楽団ソレントへ11. ある楽団員の回想12. 王国13. あやつり人形14. キャンディーヌ15. 不眠の力購入リンク:関連リンク谷山浩子 公式サイト: 公式サイト:
2024年02月01日“素敵なヘアスタイルをしている著名人”を選出する「ベストヘア2023」の表彰式が23日、広島市内のホテルで行われ、60代の部で新体操の山崎浩子氏が受賞した。○■受賞を聞いて「新手の詐欺かな?」今回の受賞に、山崎氏は「現役を引退して40年ぐらい経っていますが、ずっと美しさを競う競技に関わっていますので、こうして素晴らしい賞を頂けて素直にうれしいです」とコメント。また、50代の部で受賞した柔道の山口香氏は「このような賞を頂けるというのは、全く予想だにしていなくて、最初にお電話を頂いたときは『これって新手の詐欺かな?』と思うくらいだったので(笑)、大変うれしく思います」と喜びを語る。そんな2人は、最近はヘアケアの意識が強くなっているのだそう。山口氏は「年齢とともに抜け毛も目立つようになりまして、どちらかというとヘアスタイルというより、ヘアケアに少し意識がいくようになっています」といい、具体的な方法として「その手のシャンプーを使うとか、マッサージをするとか、そんなことを日々気をつけております(笑)」と紹介。山崎氏も「だいぶ毛量も減ってきてしまいまして、こういうところに年齢がくるんだなと日々感じているんですけれども、やっぱりケアをすごく大事にしたいなと思っています」と同調した上で、若々しく見える秘けつを「今63歳なんですけど、自分では63じゃないと思い込んでいけるようにしています。自分の中では40代をイメージしてるんですけど、鏡を見たり写真を撮ったときに、『えっ、こんなはずじゃ…』って思っています(笑)」と明かした。○■栗原恵、上村愛子らも受賞全日本美容業生活衛生同業組合連合会(全美連)が主催するこの賞は、全国5万軒以上の加盟店と一般から募集し、その結果を元に選考委員会が受賞者を決定。今年は、多くのスポーツ大会が世界各地で行われ、スポーツ選手への投票が多く寄せられたことから、受賞者はパリ五輪の内定者やコーチ、各競技のレジェンドたちが選出された。10代は森秋彩(20 ※交渉時19歳、スポーツクライミング)、20代は江村美咲(24、フェンシング)、30代は栗原恵(39、バレーボール)、40代は上村愛子(43、フリースタイルスキー・モーグル)、50代は山口香(58、柔道)、60代は山崎浩子(63、新体操)、70代は井村雅代(73、アーティスティックスイミング)が受賞している。
2023年10月23日谷山浩子が、デビュー50周年記念ベストアルバム『ネコとコバン』を4月27日にリリースすることが決定した。東京生まれ横浜育ちの谷山は、1972年にシングル『銀河系はやっぱりまわってる』、アルバム『静かでいいな~谷山浩子15の世界~』をキングレコードからリリースするなど早くからその才能を発揮。現在までに40作品以上のオリジナルアルバムを発売しており、独自の高い音楽性は根強いファンを獲得している。これまでにも谷山は『白と黒』『花とゆめ』といったベストアルバムを発売してきたが、今回も谷山本人セレクトによる納得の選曲となっている。CD2枚組となる今作の収録曲は主に2000年以降に発表してきた楽曲が中心となっており、DISCネコとDISCコバンのコンセプトに合わせてオールタイムで構成。DISCネコには、文字通りネコにまつわる楽曲や、かわいらしい小動物が登場する曲をメインに収録。そしてDISCコバンには宝物のような輝きを放つ谷山の人気曲が収められており、個性あふれる優れた目線で描かれた谷山ならではの味わい深い歌詞の楽曲が多数収められる。また50周年を記念するにふさわしい新曲も収録される予定だ。併せて、今作のジャケット写真が公開された。ジャケットにはこれまでのベストアルバムと同様に、ファンにはお馴染みの谷山の公式キャラクター“のこちゃん”が登場。アルバムのタイトルや作品のコンセプトに合わせたねこ目、ねこ耳の“のこちゃん”がコバンを持った非常にインパクトのあるイラストになっている。左から『白と黒』『花とゆめ』『ネコとコバン』ジャケットデザイン谷山は、アルバムの発売から2日後の4月29日に東京・東京国際フォーラム ホールCで活動50周年記念コンサート『谷山浩子デビュー50周年記念コンサート~5人でオールリクエスト~』を開催する。チケットは2月27日までプレリザーブ先行を受け付けている。■谷山浩子 コメント2枚組ベストアルバムの第2弾『花とゆめ』を作った10年前から「次に出すならタイトルは『ネコとコバン』」と密かに心に決めていました。デビュー50周年を迎える今年、やっとそれが実現しました。とても嬉しいです。振り返ってみれば、第1弾『白と黒』には「1枚目が白曲(明るい・素直・前向き)2枚目が黒曲(暗い・不思議・シュール)」という、タイトルとリンクした明確なコンセプトがありました。第2弾『花とゆめ』ではそれが若干あいまいになりました。「花のように優しいvs.夢のようにディープ……的な?」くらいのちょっと自信のない感じ。今回の第3弾『ネコとコバン』はそこからさらに一歩進んで(と言っていいのか)「1枚目はネコっぽい、2枚目めはネコっぽくない」。つまりタイトルのコバンは全く内容に関係なしということになりました。コバンっぽい曲なんてないし。「猫に小判」からの単なる思いつきだし(その思いつきを10年もあたためていたわけですが)。1枚目と2枚目の雰囲気の違いは前回よりさらに際立っていると思います。1枚目は「かわいい」成分の含有量が高く、2枚目は「怪しい・妖しい」系でほとんどの曲が短調です。『白と黒』『花とゆめ』そして今回の『ネコとコバン』の収録曲合わせて100曲あまり、これで谷山浩子の代表的な曲は大体まとめられたのではないかと思っています。時間の関係で泣く泣く外した曲もあるのですが、100曲でも「まとめた」と言うには多い曲数ですよね。今回も全ての曲に自分で解説を書きました。コレクションとして、プレゼントとして、ぜひ買ってやってください。書いたばかりのピカピカの新曲も入ってます。<リリース情報>『谷山浩子ベスト ネコとコバン』2022年4月27日(水) リリース形態:CD2枚組価格:税込3,850円『谷山浩子ベスト ネコとコバン』ジャケット【収録内容】■DISCネコ・花さかニャンコ・猫のみた夢・ねこねこでんわ・ジリスジュリス・ウミガメスープほか■DISCコバン・手品師の心臓・三日月の女神・アトカタモナイノ国・きれいな石の恋人・無限マトリョーシカほかAmazon購入リンク:商品紹介ページ:特典情報:<コンサート情報>谷山浩子デビュー50周年記念コンサート~5人でオールリクエスト~4月29日(金・祝) 東京国際フォーラム ホールC開場 16:30 / 開演 17:30■プレリザーブ先行受付期間:2月17日(木) 21:00~2月27日(日) 23:59受付URL:関連リンクオフィシャルHP:::スタッフTwitter:
2022年02月25日ムーミン・コミックスの世界観を描く新作マグカップが、フィンランド発の磁器ブランド「ワヤ フィンランド(VAJA Finland)」より登場。2020年12月1日(火)よりスキャンデックス松屋銀座および大丸札幌、公式オンラインストアにて発売される。なお、一部商品は、スキャンデックス松屋銀座にて先行販売。フィンランド生まれのムーミン×「ワヤ フィンランド」の新作マグカップフィンランド生まれのムーミンと、同郷の「ワヤ フィンランド」の精緻なハンドクラフトが出会って誕生した今回のマグカップ。登場する3種のマグは、ムーミンの原作で描かれる“フレンドシップ”“ラブ”“ライフ”の3つをテーマとし、ムーミン・コミックスから選定した、それぞれのテーマに当てはまる場面の連続コマを、大きめサイズのマグカップに落とし込んだ。原作者トーベ・ヤンソンの真骨頂の美しい線画を生かしたモノクロのムーミンたちは、可愛くもスタイリッシュで、女性だけでなく男性でも手に取りやすい。なお、デザインアイデアとイラスト選定は、長年ムーミンに携わり、トーベ・ヤンソンと文通をするなど親交のあった横川浩子が行った。マグカップと同じデザインに包まれた専用箱も用意。箱の蓋を開けると、外側のモノクロのイラストから想像した自然を感じられる“色”の世界が広がる。また、ムーミン・コミックスをモチーフとするこのマグには、本に欠かせない“しおり”も同梱。マグ・箱・しおりの全てで、ムーミンの世界観を楽しむことができる。【詳細】ワヤ フィンランド ムーミンマグ発売時期:2020年12月1日(火)※限定品につき、なくなり次第終了※フレンドシップ、ラブは、2020年9月24日(木)より松屋銀座 7F スキャンデックスショップにて先行販売価格:各5,500円(税込)取り扱い:スキャンデックス松屋銀座 / 大丸札幌、スキャンデックスオンラインストア© Moomin Characters TMPHOTO : 永禮賢
2020年10月09日2020年9月12日、歌手の谷山浩子さんのウェブサイトが更新。谷山さんが検査で乳がんと診断されたことを、所属事務所の株式会社ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスが公表しました。1977年に『河のほとりに』でプロデビューして以来、歌手や作曲家として幅広く活躍してきた谷山さん。『恋するニワトリ』や『まっくら森の歌』は音楽番組『みんなのうた』(NHK)で多くの人に親しまれています。谷山さんの病気について、所属事務所はこのようにコメントを発表しました。いつも谷山浩子を応援していただきありがとうございます。谷山浩子は、先日行った検査で乳がんと診断され、9月から治療を開始いたしました。そのため、2021年春ごろまでのコンサートの開催を見送らせていただきます。それ以降に関しては、今後の治療の経過を見ながら準備を進めて参ります。谷山浩子のコンサートを楽しみにお待ちいただいている皆さま、関係者の皆さまには多大なご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。どうかしばらくの間、温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。谷山浩子オフィシャルウェブサイトーより引用谷山さんの身体を第一に考え、当面の間コンサートなどのイベントは行わない予定とのこと。また、谷山さんはこのようにコメントしています。スタッフからもお知らせしましたように、先日乳がんが判明しました。しばらくはコンサートをお休みして治療に専念し、来年の復帰を目指したいと思ってます。くよくよ悩むのも、「がんばるぞ!」と力みすぎるのも、病気を治すのにはよくないと聞きました。だからリラックスして前向きに、治療に臨みます。コンサートを楽しみにしてくださっていた皆さまには、本当に申し訳ありません! もうしばらく、待っていてくださいね。谷山浩子オフィシャルウェブサイトーより引用この情報は谷山さんのTwitterアカウントでも発信され、多くの人から「回復を祈っています」「ゆっくり休んでくださいね」といった声が寄せられています。優しい歌声と楽曲で、幅広い世代の人を癒してきた谷山さん。1日でも早く回復し、再び谷山さんの歌声がステージで披露されることを祈ります。[文・構成/grape編集部]
2020年09月12日「沢尻は捕まったときから、薬は自分のものではないと供述していました。彼女は長らく交際していた横川容疑者と半年前に破局したのですが、最近まで2人で会っていました。彼より薬が恋しかったんじゃないか、と話す関係者もいます」(映画関係者)合成麻薬MDMAを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された沢尻エリカ容疑者(33)。その10日後の11月26日に、共同所持でファッションデザイナーのNAOKIこと横川直樹容疑者(34)も逮捕された。「2人は’11年から8年間交際し、一時期はエリカの母・リラさんと3人で生活するなど、結婚は秒読みと思われていました。しかし今年5月に破局。エリカは別の男性と交際をスタートさせましたが、すぐに別れてしまい、事件の1カ月ほど前に横川容疑者とまた会うようになったようです」(沢尻の知人)最初に交際を始めたばかりのころ、沢尻は「NAOKIを売り出そう」と必死だったという。「エリカは知名度のない横川容疑者を自身の人脈に紹介し、テレビ番組に彼がデザインした服を着て出演するなど、PR活動を積極的に行っていました。そのおかげで横川容疑者はパーティなどで顔が売れるようになりましたが、周囲はファッションデザイナーというよりも、いつも一緒に付いてくる“エリカの彼氏”という認識でした」(前出・知人)それほど“ほれていた”横川容疑者と、沢尻はなぜ別れようと思ったのだろうか。「去年、初めて大河ドラマのオファーが舞い込んだのがきっかけです。『別に』騒動でどん底まで落ちた彼女が大河ドラマに出られるなんて思ってもいなかったことでした。出演するなら自分の“代表作”にしたいと決意し、横川容疑者と決別することにしたんです」(前出・知人)大河ドラマ『麒麟がくる』では濃姫役。横川容疑者と別れた翌月からクランクインしていた。「2~3年前から個性派女優として沢尻さんの評価が高まっていました。NHKも沢尻さんを再評価し、今回の大河では番宣にも積極的に起用。彼女を押し出す姿勢を示しました。ただ、プレッシャーもあったのでしょうね。初の大河収録の連日の緊張感から再び横川容疑者と連絡を取り合うようになってしまったようです」(前出・知人)沢尻と横川容疑者に、忸怩たる思いでいっぱいなのは母・リラさんだろう。まだ交際中だった4年前の本誌の直撃にこう語っていた。「いまは3人で住んでいます。彼はとても優しい子でね。私も、もう息子のように接していますよ。2フロアあるので、2世帯住宅みたいな感じで暮らしています」一軒家で同居し、家族の一員のようにかわいがっていることを満面の笑みで明かしてくれたのだ。さらに2年前、リラさんはこんな逸話まで本誌に語ってくれた。「彼とは一緒に住み始めてもう5年。こないだ主人の十七回忌があったのですが、そのときも家族と同様に出席してくれて。長男は結婚しているんですが、子供はいないんです。孫がいれば楽しいですよね。もちろん、エリカが産んでくれればうれしいですけど……」リラさんは愛娘と、信頼していた横川容疑者との結婚を“後押し”までしていたのだ。だが今回の沢尻逮捕を受け、リラさんは捜査員に対して横川容疑者について「(娘は)彼氏のものを預かった(だけ)。娘の女優としてのキャリアに全く必要のない人物」と切り捨てたという。「息子同然に心を許していただけに、リラさんには裏切られた思いが強かったようです。ショックは計り知れません。今は憔悴しきっているようです」(前出・知人)愛娘の幸せな結婚を夢に描いていたリラさん。悔恨の思いが消える日は来るのか――。
2019年12月06日芥川賞作家の小山田浩子さんが、待望の新作を上梓。「自分の好きなものが詰まった一冊になったので、嬉しいです」と語るのは、2014年に「穴」で芥川賞を受賞した小山田浩子さん。待望の新作『庭』は、ユーモラスで奇妙、鮮やかでちょっぴり不穏な15篇が詰まった短篇集。「どれも結婚や子ども、出産といったテーマを意識していたのは間違いないです。それ以外に、読み返すと自分の実家や田舎に行く、という話が多くて。それはもうフェティッシュ的に好きなのかも(笑)」たとえば巻頭の「うらぎゅう」は、実家に戻り、祖父に不思議な儀式に連れていかれる女性の話。「これは砂灸という、砂に足形をつけてそこにお灸をするという風習を聞いて“何それ”と思ったことがきっかけでした。ここに出てくる話はどれも、そんなふうに見聞きしたり経験したりしたことが元になっていることが多いですね」祖母が彼岸花を薬草として育てていた記憶、住んでいるアパートに出るヤモリ、山の旅館に行ったら愛想のいい猟犬がいた思い出、女子校時代に校舎によく出現した小さな蟹、ショッピングモールのフードコーナーにいるさまざまな家族……。そんな現実の光景から、とんでもない非日常的展開を導き出すのが小山田作品の魅力だが、「普通のことを書いていたらこうなった、という感覚です。自分に何かを空想して物語を広げる能力があるとは思わないんです。ただ、見聞きしたことの前後を、見たことがあるかもしれない気持ちで、思い出すように書いています」動物や植物が多数出てくるのは、「じっと考えているより、虫や植物をずっと見ていた時のほうが、面白いことがたくさん出てくるんですよね。それも、実際に眺めるのでなく、どんな感じだったか思い出しながら書いている感じです」ちょっぴり不条理な世界で生きる人々が描かれる本作。夫婦や親子の気持ちの齟齬も淡々と描かれるが、「家族でも分かり合えないことや、しっくりこないことはありますよね。でもそれは悪いことじゃない。それでやってきたし、やっていくんだ、というのが気持ちとしてあります」暮らしと不可思議な世界のあわいに潜む、人生の真実を垣間見せてくれる。そんな作品集なのである。『庭』庭の彼岸花、窓のヤモリ、井戸にいるどじょう……。草花や生き物に囲まれた、ちょっぴり不条理な世界の人々の日常をとらえた短篇集。新潮社1700円おやまだ・ひろこ作家。1983年、広島県生まれ。2010年、中篇「工場」で新潮新人賞を受賞して作家デビュー。’13年、作品集『工場』で織田作之助賞、’14年「穴」で芥川賞を受賞した。※『anan』2018年4月25日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世
2018年04月24日フィンランド出身の画家トーベ・ヤンソンが生み出した『ムーミン』シリーズ。小説・絵本・コミック・アニメーションと展開し、今ではそのアート性の高さから、食器をはじめとする雑貨が一大ブームとなっています。今回は、そんな『ムーミン』についてのインタビューを2部構成でお届け。長年『ムーミン』書籍の編集に携わってきた講談社の横川浩子さんと、2019年春オープン予定の『ムーミンバレーパーク』広報担当の杉山賢祐さんに取材しました。北欧ならではのゆったりとした時間が流れる、ムーミンの世界をのぞいてみましょう。■ムーミン誕生のきっかけと歴史『ムーミン』は、好奇心旺盛な主人公・ムーミントロールと、その家族や仲間達が繰り広げる物語。国際アンデルセン賞を受賞するなど、フィンランドを代表する児童文学として知られる『ムーミン』ですが、そこには知られざる歴史がありました。──はじめに、『ムーミン』誕生の経緯について教えてください。横川「トーベ・ヤンソンの母国フィンランドは、昔からスウェーデンやロシアに支配されてきた国。第二次世界大戦中にはドイツの脅威にもさらされました。彼女は若いころ、ヒトラーなどを揶揄(やゆ)する風刺漫画を雑誌に連載していて、そのとき自分のサインに添えて描いた小さな生き物がムーミントロールの原型だったんですよ」──ふんわりと優しいイメージのあるムーミンが、風刺誌に登場していたなんて驚きです。横川「トーベは、子どもの頃から本が好きでした。戦争でアトリエの窓が割れるほどの空襲がある中で、現実逃避として書いたのがムーミンの物語なのです。1945年に出版された『小さなトロールと大きな洪水』と、2作目の『ムーミン谷の彗星』(46年)は、どちらもムーミントロールたちが自然の脅威を乗り越えるという危機感のあるストーリーでした。その後、時代的に落ち着いてきたこともあり、3作目の『たのしいムーミン一家』(48年)からは冒険があったり、魔法があったりと、児童文学感の漂う作品になっていったんです。さらに、1954年からイギリスの夕刊紙「イブニング・ニューズ」にコミックを連載したことで、ムーミン人気は世界に広がりました。一方、トーベは締め切りに追われる日々に疲弊していきます。6作目の『ムーミン谷の冬』(57年)は、そんなトーベにとって大きな転機といえる作品でした。そのきっかけのひとつは、生涯のパートナーとなったトゥーリッキ・ピエティラというグラフィックアーティストとの出会いです。それまでは義務感や忙しさから、自分が本当に書きたいものがわからなくなっていたトーベ。でも、トゥーリッキの“今、あなた自身が辛いことをムーミンに反映させてみたら?”という言葉を機に、疲弊したトーベの気持ちが解放されていきました。そして、ムーミンが危機を乗り越えていく作品を書くことで、自分自身も吹っ切れていったんです。トゥーリッキは女性のグラフィックアーティストで、実はその少し前まで同性愛は犯罪とされていた時代でした。交際も難しかったようです。でもトーベは自分の気持ちに正直に生きることを貫きました」──そのような流れがあることを、知らない人が多いかもしれませんね。横川「そうですね。でも、そういう物語だからこそ芯がしっかりしているのかもしれません。子どもの頃に読んだ時はちょっと怖かったけれど、大人になって読み返すと“そういう深さがあったんだ”という気付きがあるのが『ムーミン』の大きな魅力だと思いますね。自然の脅威という点もそうですし、『ムーミン谷の冬』ではムーミントロールが冬にひとり目が覚めてしまうのですが、パパやママが冬眠しているので、自分でなんとかしなくてはいけないという状況を乗り越えていく。そういったところも、子どもの成長と共通するところがありますよね」■“声の小さな人”たちへの暖かなまなざし──作者が『ムーミン』を通じて子どもに伝えたいメッセージはあったのでしょうか?横川「子どもに特定したメッセージではないと思います。もちろん子どもが読みやすいように工夫はしているけれど、本音を隠さずシビアな局面やキャラクターも出てきますし。ただ、子どもが楽しんでくれることはトーベ自身にも非常に喜びがあって、子どもからのファンレターには全部手書きで返事を書いていたそうですよ。トーベは子どもが好きというよりは、居場所のない声の小さな人たちへのまなざしが温かかった。トーベは国内人口の約6%と言われるスウェーデン語系フィンランド人だったために、一般的なフィンランド人とはちょっと違う立場だった、という背景もあるでしょうね」物語に登場するモランは、みんなから怖がられ、避けられているキャラクター。本人が冷気を帯びているだけで、何も悪いことはしていないのに嫌われる…そんなモランは、シリーズの後期ではムーミントロールと心を通わせる存在にもなっています。トーベは、弱者も一人の存在として認める。それは子どもに対しても同じことで、姪のソフィア・ヤンソンが島に遊びにきても、何かをしてあげるのではなくて、容赦なく対等に遊んだと聞いています」■ムーミンの原点にある、フィンランド流の子育て──トーベの人を尊重するという考え方の原点は、どこにあるのでしょうか?横川「トーベは子どもの頃、夏になると家族で島暮らしをしていました。たとえば嵐がきたら、危ないからといって隠れるのではなく、“みんなで嵐を見に行こう!”という生活をしていたんです。そんな両親に育てられたトーベは、独立心旺盛な子どもでした。森をプチ探検したり、島で泳いだり、大人の本もどんどん読んでいたそうです。『ムーミンパパ海へいく』(65年)では、突然パパの提案で小さな島に行くことになる。島でもパパは自分勝手だし、ママはいなくなっちゃうし、どうしよう…という状況で、ムーミンは巣のような居所を手に入れます。ある日、ママがムーミンを見つけるのですが、“帰ってきなさい”ではなく“ママもここでちょっと過ごそうかしら”と声をかけるんです。それは、ムーミンにとってすごく幸せなこと。ママも自分のさびしさをわかってくれている、自分はひとりでここに居てもいいんだと思えますよね。ママは、しばらくして“じゃあ気をつけてね”と帰って行く。これがムーミン的、あるいはフィンランド的に、子どもにも独立心を持たせるというひとつの現れだと思います」──なるほど。私だったら「早く帰ってきなさい」と言ってしまいそうです…。横川「そうですよね(笑)。“どうしたの?”と聞かずに受け入れてくれるママの温かさや、ムーミン谷が持っている許容の広さっていうのは、すべてフィンランドならではの子育てからくるもの。資源がない国だから人も資源ということで、小さな子どもへの支援を手厚くしようっていうのが国の政策であり、一般市民にもちゃんと定着しているんです」──では、日本の忙しい子育て中のママにおすすめの作品はありますか?横川「『ムーミン谷の仲間たち』(62年)という短編集にある『目に見えない子』ですね。ニンニという子の顔が見えなくなっちゃうのですが、それはつまり自分をなくすということ。ここでもやっぱりムーミンママが受け入れてくれて、ニンニはママについて回るんです。あるときパパが、ママを驚かせようと後ろから忍び寄っているのを見て、“私の大事なムーミンママに何をするの”とニンニが怒ってパパを海に突き落としてしまう。すると、ニンニの顔が元に戻るんです。要するに、自分の気持ちを率直に表現することで、顔を取り戻した。これは子どもにも大人にも、響くところがあると思います!もちろん思っていることをすべて言えばいいわけじゃないけれど、自分の本当の想いをあらためて見つめなおすことができる。短編なので読みやすいですし、おすすめです」■日本でのムーミン──日本のムーミン人気は、やはり1969年に放送がスタートしたアニメーションの影響が大きいのでしょうか?横川「アニメを制作した方達は、『本物を子どもたちに見せたい』という情熱に満ちた素晴らしい人たちだったようです。スタッフの中に宮崎駿さんもいらした時期があったそうですよ。アニメが放送されたのは高度成長期が落ち着いてきた頃で、少し生活を見直そうよという流れがあった。ムーミンファミリーの温かさや自然、そういうものが時代の流れにマッチしていたのかもしれませんね。一方で現在の人気は、個人を尊重する生き方やデザインなども含めた北欧ブームの影響も大きいのではないでしょうか」──日本ではムーミンのグッズが大人気ですが、フィンランドではどうですか?横川「本国でもARABIA(アラビア)のムーミンマグは1家にひとつあると言われているし、存在は大きいですね。機能性とデザイン性を兼ね備えていて、お高めですが人気があります。大人が持っていても、決して子どもっぽくならない色使いとデザインですしね。そして、流行っているから欲しいというのでなく、好きなものをずっと大切にという感じです。お好きな方には、北欧食器の王様といわれる「TEEMA(ティーマ)」シリーズと「ムーミン」のコラボレーションの魅力をまとめた『ムーミンマグ物語』という一冊もおすすめです」──これからのムーミンについて、望むことはありますか?横川「キャラクターグッズはたくさんありますが、原作を読むとさらにムーミンの良さがわかります。『ムーミン』は、読むときの自分の状態によって、心に響く言葉が違うことがよくあるんです。“この言葉が響くってことは、今、私はこんなところが疲れているのかな? 気持ちが楽になったぞ”って、心の処方箋とでも言えるみたいな…。子どもたちはムーミンの物語を読むことで、これでいいんだっていう安心や自己肯定が生まれるかもしれない。ムーミンママやパパの行動には、大人でもハッとすることがあります。読書を通して会話も生まれますし、ぜひお子さんと一緒に原作童話を読んでほしいと思います」■2019年春、『ムーミンバレーパーク』が埼玉県飯能市に誕生!ここからは、2019年春オープン予定の『ムーミンバレーパーク』PR担当の杉山賢祐さんに伺います。日本でのムーミン人気が高まる中、埼玉県飯能市に『メッツァ』のオープンが決定。『メッツァ』は2つのゾーンに分かれており、2018年秋には北欧のライフスタイルを体験できる『メッツァビレッジ』、2019年春にはムーミンの物語を主題とした『ムーミンバレーパーク』が開園予定です。──まず、『ムーミンバレーパーク』を作ることになったきっかけを教えてください。杉山「アニメーションの放送終了もあり、一時ムーミンの関連売上は下降気味でした。そんな中、2008年にムーミン全般の版権を持つムーミンキャラクターズ社が、原作の文学性やアート性を重視した展開をしようと戦略を変えたんです。それ以降、いわゆるキャラクターショップではなく雑貨店にグッズが数多く置かれるようになり、従来のムーミンファンから若い女性までキャラクター人気が復活しました。2015年にはムーミンの全世界売上に占める日本のシェアは43%となっています。このような人気を受けて、ムーミンの物語を追体験してもらえるようなパークを作り、さらなる物語の理解促進や、新たなファンの獲得につながればと考えています」──どのようなテーマパークになる予定ですか?杉山「“小さな発見が導く心の豊かさ”が『メッツァ』全体のコンセプトです。毎年発表される『世界幸福度ランキング』で北欧の国々はいつも上位に入っているけれど、その幸福度はどこから来るのかという話になったんです。ムーミンの物語を構成する要素のひとつに“自然との共生”があり、これは北欧の人たちにも言えること。フィンランドの人は、休日に4時間かけてお気に入りの森へ行き、ただ家族と森の中で過ごして、4時間かけて帰ってくるという話も聞いたことがあります。そのような生活がベースにあって、幸せを常に感じているんですよね。行った先で大きなことがあるわけじゃないけれど、そこに居るだけで気持ちが落ち着いてハッピーになる。そんな心の豊かさを『メッツァ』で感じてもらい、それぞれの小さな発見を日常生活に持ち帰ってほしいと思います」──たしかに心の豊かさはムーミンへの憧れと通ずるものがあるし、今の日本にないものだからこそ惹かれますね。杉山「ムーミンのお話を読んでいると、それぞれのキャラクターは意思がしっかりしています。ある意味自己中心的だったりするけれど、自分の気持ちをはっきり言えるし、自分らしく生きている。そういうところにも、もしかしたら日本の人たちは憧れがあるのかな? という気はしますね」■“その空間にいること”に価値を見いだせる場所へ──では、『ムーミンバレーパーク』ならではの特長はありますか?杉山「もともと従来のテーマパークとは位置づけが異なり、『ムーミンバレーパーク』はアトラクションに乗って楽しむという受動的なものではなく、みんなで一緒に作りあげていくようなイメージです。『メッツァ』全体でも、想像・挑戦・創造・共有・解放・探究という6つの体験に価値を置いていて、特に自分の心を“解放”できるというのは、他のテーマパークにはない特長かもしれません。ムーミン屋敷での生活を“想像”したり、湖を渡るジップラインに“挑戦”したり、ワークショップで “創造”したり…。まだ企画を考えている段階で具体的には決まっていませんが、それぞれの施設やアクティビティで6つの体験のうち何かを感じていただけるよう開発を進めています。よく、テーマパークはお母さんと子どもは楽しいけれど、お父さんは並ぶだけなんて話も聞きますが、男性は自然に行くことが好きな人も多いので、家族みんなで楽しめる場所になるのではないかと思います。あとは、シーズナルイベントも見どころです。クリスマスやハロウィンなど定番のイベントだけでなく、たとえば『夏至祭』など、北欧で実際に親しまれている季節のイベントも紹介できればと考えています」──北欧ならではの季節イベントは、従来のテーマパークではできない体験ですね。なぜ、飯能という場所を選んだのですか?杉山「飯能市には北欧童話の世界観が楽しめる『あけぼの子どもの森公園』があり、もともと北欧と親和性がある場所でした。実際、宮沢湖に視察へ行ったとき、湖と森を見て“ここにムーミン谷があるのは想像できる”ということになったんです。飯能の自然は豊かで、蛍やムササビ、フクロウもいるような場所なんですよね。初めは屋内型の施設も検討していましたが、やっぱりムーミンらしく本物の自然がある場所にしようと方向性を変えたんです」──すごく大きな方向転換ですね。でも、親の立場からするとリアルな自然を通して子どもが楽しめるというのは、とても魅力的です。杉山「自然とキャラクターの世界観が融合するという点は、オリジナリティが高いと思いますね。ちなみに、フィンランドにあるムーミンワールドを参考にしている部分もありますが、基本的に『ムーミンバレーパーク』は完全オリジナルで作っています。ムーミンワールドは年間で約2ヶ月間しかあいてないので、通年営業という点では世界初のムーミンパークと言えます」──特にこだわっているところはありますか?杉山「できるだけ自然を残して開発するということと、ムーミンの世界に登場しないものを表現するようなアトラクション等は作らないというところです。パークにあるのは物語に出てくる水浴び小屋や灯台などで、ファンの方々がしっかりと追体験できる場所にしたいと考えています。せわしなく過ごすのではなくて、ベンチに座ってムーミン屋敷を見て空想してもらうとか、ゆっくりとした時間の流れが感じられる空間にしていきたいですね」──テーマパークということで、食事メニューも気になるところです。杉山「現在計画中ですが、『ムーミンバレーパーク』では、キャラクターをイメージしたものだったり、物語に出てくる料理を表現したりできると、食事が楽しくなりそうですね。北欧文化を食事でも感じていただきたいです」──パークを作る上で、課題に感じていることはありますか?杉山「パークとして持続性のある場所になっていくためにも、今の子ども達にムーミンを好きになってもらい、子ども自身が行きたいと言うような場所にしたいと思っています。今までファンではなかった人に、ムーミンの世界観や魅力を伝えていきたいっていうのもありますね。アクセス面では飯能の認知度がまだまだ低く、“すごく遠そう”というイメージがあるようなんです。実際は池袋から特急で40分なので、都内からそれほど遠くない。圏央道もほぼ開通し、『メッツァ』は狭山日高インターチェンジから約6kmなので、決して不便な場所ではないということも知っていただきたいです」──最後に、開園を待つ読者のみなさんにメッセージをお願いします。杉山「『メッツァ』は“小さな発見が導く心の豊かさ”を体験できる施設。『ムーミンバレーパーク』はムーミンの世界観や物語、キャラクターを通じていろいろと気付いてもらえる場所にしていく予定です。お子さんが五感を使って自然の中で楽しめるパークですので、ぜひご家族の皆さんでムーミンとその仲間達に会いに来てもらえればと思います。グランドオープンまであと2年、楽しみにお待ちください」<取材協力>・ムーミン公式サイト ・ムーミン公式Facebook ・ムーミン公式Twitter @moomin_jp ・講談社絵本通信 ムーミンの本 ・講談社ムーミンの本Facebook ・metsa(メッツァ) ・iittala ARABIA
2017年03月27日谷山浩子が9月17日(土)・18日(日)・19日(月・祝)・21日(水)・22日(木・祝)・24日(土)・25日(日)に東京・全労済ホール/スペース・ゼロでコンサート「猫森集会2016」を開催する。【チケット情報はこちら】同コンサートは2002年より毎年秋に開催。360度客席に囲まれたステージ設計と、ゲストを迎えた特別プログラムが特徴。15回目となる今回は、17日(土)・19日(月・祝)公演に渡辺等、18日(木)公演に分島花音、21日(水)・22日(木・祝)に斎藤ネコ、24日(土)・25日(日)公演に新居昭乃がゲスト出演する。谷山浩子は1972年にアルバム『静かでいいな~谷山浩子15の世界~』でデビューしたシンガーソングライター。NHK『みんなのうた』『おかあさんといっしょ』やスタジオのジブリ映画『ゲド戦記』『コクリコ坂から』への楽曲提供で知られる。チケットは7月24日(日)午前10時より一般発売開始。なお、一般発売に先駆けて、現在先行抽選プレリザーブを実施中。受付は7月18日(月・祝)午前11時まで。■「谷山浩子・猫森集会2016 ~ Season 15 ~」【Aプログラム】ゲスト:渡辺等~等くん船長と音楽の不思議を巡る旅~9月17日(土)開場18:30 / 開演19:009月19日(月・祝)開場 17:00 / 開演17:30【Bプログラム】ゲスト:分島花音~花音と浩子のへんてこカノン~9月18日(日)開場17:00 / 開演17:30【Cプログラム】ゲスト:斎藤ネコ~なんとかなるなるトリオのオールリクエストライブ~9月21日(水)開場18:30 / 開演19:009月22日(木・祝)開場17:00 / 開演17:30【Dプログラム】ゲスト:新居昭乃~昭乃と浩子の秘密すぎる花園~9月24日(土)開場17:00 / 開演17:309月25日(日)開場17:00 / 開演17:30会場:全労済ホール/スペース・ゼロ(東京都)出演:谷山浩子、石井AQ (Syn.他)料金:前売り6,800円(全席指定)
2016年07月05日広島まちコン実行委員会は2013年2月9日、広島県広島市の横川商店街にて「第1回 横川コン」を開催する。同イベントは、歴史の街・横川で広島まちコン実行委員会と横川商店街連合会とが協力して開催する。広島生まれ広島育ち、広島が大好きなスタッフがイベントの企画から運営まで実施しているという。男性200人、女性200人という”メガ合コン”で、4時間で横川商店街の個性あふれる複数の飲食店を食べ飲み歩きするとのこと。イベント当日は、横川シネマ割や横川商店街スタンプラリーウオーキングでキャッシュバックなどの事前イベントも多数開催予定。時間は15時~19時。参加費用は男性6,000円、女性4,000円。20歳以上35歳以下の男女が対象で、定員は男女各200名(2名1組で申し込み)。参加申し込みは広島まちコン公式ホームページで受け付けている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月20日JR西日本は8日、山陽本線広島~横川間の新駅について発表した。広島駅から1.8km、横川駅から1.1kmの地点に設置され、アストラムラインの新駅も。2015年春開業を予定している。山陽本線とアストラムラインの交差部への新駅設置に関しては、国と広島市、JR西日本、広島高速交通による「JR白島新駅設置検討協議会」が設置され、2010年には、「新駅を設置し、(山陽本線とアストラムラインの)両新駅を連絡通路で結ぶ」との基本方向が取りまとめられた。広島市は白島新駅と連絡通路の整備を都市計画に位置づけ、山陽本線とアストラムラインが結節することにより、紙屋町・八丁堀地区など広島市中心部へのアクセスが強化されると見ている。JR西日本の発表によれば、山陽本線の新駅は8両編成に対応した相対式ホームと地平駅舎を設置するとのこと。駅舎はホームの北側と南側にそれぞれ置かれる。事業費は約20億円で、JR西日本も約2億円の費用負担を予定している。想定乗車人員は1日約7,000人。南側駅舎の東側(広島方)に駐輪場が置かれるほか、アストラムライン新駅への連絡通路も設置される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月09日