発達障害のある大学生が受けられる「合理的配慮」って?合理的配慮とは、障害のある人が社会生活を送るにあたって、社会の中にあるバリアによって生活が送りづらかったり、困ったりしている際に周りの人や事業者などが負担が重くない範囲で対応することが求められるものです。令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化され、学校や事業者と障害のある人が対話を重ね、一緒に解決策を検討していくことがより重要になってきます。参考:リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」|内閣府発達障害(ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、SLD/LD(限局性学習症)など)のある大学生は以下のようなことに困りやすい傾向にあります。・朝起きられない(睡眠トラブル)・友達トラブル・突然の予定の変化が苦手・マルチタスクの作業が苦手・空気を読むのが苦手・課題を溜め込んでしまう・履修表の登録方法が分からない・大勢の前での発表ができない・不器用さ・整理整頓ができない・時間が守れない・字を書くのが苦手、読むのが苦手、簡単な計算ができないなど※上記は一例ですこのコラムでは、「支援の手厚い大学」の見分け方、大学の合理的配慮の具体例、大学への伝え方、よくある困りや対策など、発達障害のある大学生の困りについてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。発達障害のある子どもの大学生活が不安!大学選び、合理的配慮の具体例、よくある困りなど専門家が回答ここからは鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生に、発達障害のある子どもの大学生活についての質問にお答えいただきます。Q:子どもに発達障害があります。大学進学を目指していますが、大学によって支援の手厚さは異なりますか?異なる場合は、どのようにしたら手厚い支援が受けられる大学なのかを見分けられるでしょうか?A:大学の規模、学生の人数、学部によって受けられる合理的配慮の幅は異なります。オープンキャンパスなどで直接学部を見学し、必要であれば質問してみましょう。特に、実習が卒業の必須条件になっている場合、その内容や必要な配慮について予め調べておくことが大切だと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:発達障害のある生徒は大学でどのような合理的配慮が受けられるのでしょうか?具体例が知りたいです。A:すべてのニーズに対して合理的配慮が得られるわけではありませんが、提出物の期限の延長とリマインドや授業中の配布物や板書の撮影、別教室での試験や試験時間の延長、パソコンの使用などがあります。これらは本人との話し合いの中で決定されます。Upload By 発達障害のキホンQ:子どもに発達障害があり、配慮してほしい項目がいくつかあるのですが、大学にどこまで伝えていいのか悩みます。過保護だと思われないでしょうか?A:過保護だと思われるかもとのご心配は不要です。修学に際しての保護者からの相談を受けることはありますが、合理的配慮の実施に関しては基本的に本人からの申し出が必要となります。できれば高校生の頃から、親御さん以外に自らのニーズを相談できる体験をしておくと良いと思います。Upload By 発達障害のキホンQ:一人暮らしで起きられない、提出物の期限が守れない、単位の計算ができず卒業できなかったらどうしよう……大学入学後に起こりそうな困りに不安を感じています。合理的配慮の範疇からは外れてしまう場合もあるかもしれませんが、発達障害のある大学生のこのような困りへの対策が知りたいです。A:合理的配慮で解決すべきか、個々の工夫や対応によって解決すべきことかの判断はケースバイケースで変わってきます。それらを整理していく意味でも学内の相談機関を利用していくことが大切です。本人が大学の学生相談室に行けることで単位履修や授業への出席、実習中の困り事などさまざまなことに対して相談が可能になります。入学前に学生相談室や相談センターについて情報を集めておくと良いと思います。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月21日大人になったときの状態から「逆算」する私は知的障害のあるお子さんの親御さんと話すときに、例えばこんなことをお伝えすることがあります。「お子さんは将来、スーパーマーケットに買い物のリストを持っていって、必要なものを購入してくることは十分にできそうです。ただし、金額の複雑な計算は難しいかもしれません」そして、その見通しから逆算する形で「いま教えたら身につきそうなことを一緒に考えていきましょう。例えば、買い物リストを見ながら必要な商品をカゴに入れることはできそうですから、練習してみましょう」といったことを具体的に提案するわけです。本人が着実に身につけていけることを考える本人が一人で買い物リストをつくることや、必要な金額を計算することは難しいかもしれません。そのようなことを教えても、適切な支援にならない可能性があります。それよりも本人が着実に身につけていけることを考える。そして家族にはサポートの仕方を知ってもらう。そのような形で、支援の枠組みを考えていくのです。家族が買い物のリストと代金を用意する。本人はそれを持って買い物に行く――そのような枠組みで、生活習慣を習得していける場合があります。仕事についても同じようなことが言えます。例えば、職場側にマニュアルを用意してもらえれば、それにそって作業を行うことはできるという人もいます。知的障害の子育てではそのような形で、本人に合った枠組みを整えていくことが大事です。親御さんがお子さんに対して「こういう支援があれば、こういうことができる」という見通しを持てれば、それをほかの人に伝えることができます。家族や園・学校の先生、療育機関の支援者、職場の関係者、ヘルパーさんなど、お子さんに関わる人たちに「こういうところを手伝ってください」と、具体的なお願いができるようになるのです。ピアジェの「認知発達理論」を参考に「逆算」を考えるときに、参考になる理論があります。スイスの心理学者ジャン・ピアジェが提唱した「認知発達理論」です。ピアジェは子どもの認知の発達を、次のように4段階に分けて説明しました。・感覚運動期(0〜2歳頃)赤ちゃんはおもちゃを手でさわったり、口にくわえたりして、ものとして認識します。ピアジェは、乳幼児期の子どもは感覚と運動によってものごとを理解していると考え、この時期を「感覚運動期」としました。・前操作期(2〜7歳頃)幼児期になると子どもは、言葉を使ってものごとを理解するようになります。しかしまだ理解があやふやで、情報をうまく扱うことはできません。ピアジェはこの時期を、ものごとを頭の中で「操作」する前の時期ということで「前操作期」としました。・具体的操作期(7〜11歳頃)小学校に入るくらいの年代になると、子どもはものごとを具体的に理解できるようになってきます。ピアジェは情報を「操作」すること、つまり論理的に考えることも、少しずつできるようになると考えました。一方で、この時期にはまだ抽象的な思考、例えば仮説を立てることなどは難しいとされています。・形式的操作期(11歳頃〜)ピアジェは11歳頃から認知の発達が次の段階に進むと考えました。この頃から、子どもは抽象的に考えることができるようになっていきます。頭の中で仮説を立てたり、一般論を考えたりするようになります。知識を使って、形式的に考えられるようになる時期ということで、「形式的操作期」とされています。ピアジェの認知発達理論を参照すると、知的機能がどのように発達していくのかがよく分かります。それによって、知的障害のあるお子さんへの支援を検討しやすくなります。大人になって「抽象的な思考が難しい」場合認知の発達には4つの段階があるわけですが、知的障害のあるお子さんの場合、将来的にも具体的操作期の段階にとどまる可能性があります。中等度よりも重い知的障害がある場合には、その可能性が高いでしょう。大人になったときに「抽象的な思考が難しい」状態だと想定される場合もあるわけです。その場合、成人期に「状況に合わせて臨機応変に立ち回る仕事」に就くのは難しいでしょう。各部署の思惑を察して社内調整をするような業務は、おそらくできません。そのような将来像を目標にしてしまうと、幼児期や学齢期に適切な支援ができなくなります。一方で、その子は将来「具体的なものを取り扱う定型的な仕事」であれば、問題なくこなせる可能性があります。そういった見通しから逆算して、今から取り組んでいけることを考えるのが「逆算の支援」です。例えば、まだ学齢期でも「一定の作業を何時から何時まで実行する」「作業が終わったら報告する」といった習慣を身につけることはできるかもしれません。将来像から逆算してそのような取り組みを考えていくと、子どもの成長をサポートできます。認知発達理論は算数・数学にも当てはまる発達の段階によって、学べることは違います。これは学校の勉強にも当てはまる話です。小学校では「算数」を学習します。中学になると「数学」になります。算数では、主に身近なものごとが扱われます。日常生活の中でも使うような、例えば人数や、ものの大きさなどを計算します。算数では、具体的なことを主に学ぶのです。それに対して数学では、抽象的なことも学んでいきます。xやyなどを使って関数の計算をしたり、「n」という記号を自然数とみなしたりします。この違いは、ピアジェの認知発達理論とおおむね一致しています。「数学は難しいが算数は分かる」状態でできる支援11歳ぐらいまでは具体的なものごとを扱い、その後少しずつ、抽象的な思考を広げていく。xやyのような抽象的な概念を扱うためには、一定の理解力が必要になるのです。これまでに何度か述べた「抽象的な思考が難しい」状態というのは、算数と数学の例で言えば、「数学を理解するのは難しいけど、算数は分かる」というようなものです。そのようなイメージを持って、逆算の支援を考えるのもいいかもしれません。大人になったときに「数学レベルの計算はできないけど、算数レベルの計算はできる」と考えると、例えば金銭管理でも、どの程度のことを教えればしっかりと身につくのかが、検討しやすくなるのではないでしょうか。Upload By 本田秀夫(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月21日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、おおむね18歳までに思考力や計算力などの知的能力と、社会生活を営むための適応能力に遅れがみられる障害のことです。症状としては、言葉や文字の習得の遅れ、意思疎通の困難、ルールの把握の困難、食事や着替えなどの身の回りのことの困難、学校での学習の遅れなどがあります。行政や医療などによって知的障害(知的発達症)の基準には違いがあります。多くの場合、障害の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つの種類に分類されています。分類はIQで表される知能指数と、社会的な能力である生活能力(適応能力)の両方を考慮したうえで行われます。医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:知的障害(精神遅滞)|厚生労働省 e-ヘルスネット参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)が生じる要因の一つに遺伝があります。しかし、知的障害(知的発達症)が遺伝による場合はまれだと言われています。遺伝以外にも出生前の感染症や染色体異常、出生後の頭部損傷や感染症などさまざまなことが要因となり得ます。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版0歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状、発達の遅れ、違和感0歳の赤ちゃんには身体面、神経面で知的障害(知的発達症)の特徴が表れることがあります。身体面では頭の大きさや手や足の形などに異常がみられる場合があります。また、運動機能の発達が遅れることで、寝返り、座る、立つなどといった動作が0歳の間にみられないといった場合もあります。ほかにも、けいれんや嘔吐、尿の匂いの異常、哺乳不良などが兆候として表れることがあります。これらは、背景に遺伝的な疾患や感染症などがあるために生じる兆候だと言われています。なお、この上記のような症状がみられる場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。知的障害(知的発達症)がある場合、運動発達面での発達の遅れなどがみられることが多いとされています。例えば、下記のような症状があげられます。・あまり泣かない、またはいつも泣いている・首が座るのが遅い・寝返りをするのが遅い・座位をするのが遅い・ずりばいをしない・ミルクの飲みが悪い・低緊張がある・全体的に発達の遅れがみられるただ、ほとんどの子どもには幼稚園に入る3歳頃までは、周りが気づくような症状はみられないとも言われています。また、0歳の赤ちゃんの発達は個人差が大きいため、上記のような様子がみられて心配な場合は、専門機関に相談するようにしましょう。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:山田 和孝著「精神遅滞児の運動発達面でのスクリーニング検査」『 脳と発達』26巻(1994)6号 p. 498-5030歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?0歳の赤ちゃんに前の章で紹介した様子がみられたり、発達の遅れが気になる場合に相談できる窓口が複数あります。心配な気持ちは家庭だけで抱えるのではなく、専門機関に相談するといいでしょう。かかりつけの小児科予防接種や健診で定期的にみてもらっているかかりつけの小児科にまずは相談しましょう。定期的にお子さんの発達をみてもらいながら、必要な福祉的な支援などについても相談してみてもいいでしょう。保健所・保健センター保健所や保健センターは地域の保健サービスを担っている機関で、子どもの発達に関しての相談をすることもできます。また、保健センターでは0歳児だと1ヶ月健診、3~4ヶ月健診など複数回乳幼児健診の機会があるので、気になることがあればその際の相談してみるといいでしょう。児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に対応している機関で、発達に関する相談も受けつけています。また、知的障害(知的発達症)の判定も行っています。児童家庭支援センター18歳未満の子どもに関する悩みについて、身近な地域で相談ができる場所です。発達に関する相談もでき、状況に応じて児童相談所などとも連携を取りながら支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもが通いながら、日常生活や集団生活に適応するためのさまざまなプログラムに取り組んでいく場所です。発達に関する相談も受けつけています。まとめ知的障害(知的発達症)は知的能力と適応能力が低いことで、生活や学習などに困難が生じる障害のことです。0歳児から表れる兆候としては、ほとんど泣かない、またはよく泣く、ミルクの飲みが悪い、寝返りが遅い、首が座るのが遅い、ずりばいをしないなどがあげられます。ただ、知的障害(知的発達症)は多くの場合、3歳頃までは周りの人が気づくような目立った症状はみられないとも言われており、上記の症状がみられたからといって必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません。気になる様子があって心配という方は、まずは乳幼児の発達について相談できる窓口に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月20日可愛すぎるんだが!?全男性を”ドキッ”とさせる魔法のセリフって?たった一言のセリフには、人間の心にインパクトを与える力が秘められています。そんな言葉の力を活かして、気になる彼との関係を前に進めることは可能です。今回は、男性が心惹かれる一言を3つ紹介します。「一緒にしよう?」女性から「一緒にしよう」と提案されると、多くの男性が内心嬉しく感じます。意図せずとも、それがときに色気を感じさせる一言となるのです。面白そうな企画やアクティビティーがあれば、積極的に「一緒に」と誘ってみるといいでしょう。ですが、使いすぎには注意です。タイミングを見極めて言葉にするとよいでしょう。「二人っきりで会いたい」何か相談したい事や行きたい場所があるとき「二人っきりで会いたい」と声をかけてみると、普通の「飲みに行こう」とか「話したいことがあって」とは違い、ハートに響く一言となります。これまで恋愛対象とは感じていなかった相手でも、この一言がきっかけで感じ方が変わることもあるでしょう。「私のことどう思う?」とりあえず「私のことどう思う?」と直接聞いてみる手もあります。この一言はこれまで特別な感情を抱いていない相手でも、あなたの事を改めて考える瞬間を作ることにつながります。進展しそうでなかなか進まないときにこの一言を伝えてみるとよいでしょう。表現力を磨き、関係を深める一言を伝える際に重要なのは、あくまでさりげなさを保つことです。不自然な態度や恥ずかしげな様子は、男性を困惑させる要素です。一言が効果を発揮するためには、ちょっとした非常識さを見せつつ、表現を心がけましょう。(愛カツ編集部)
2024年03月19日発達障害グレーゾーン小学生、特別支援学級に在籍。思春期・反抗期を迎えた時に二次障害を起こさないか不安ですQ:発達障害グレーゾーンの子どもがいます。幼少期から多動や癇癪、こだわりが激しく、就学前のWISC検査で発達にかなりの凸凹があることが分かりました。小学校では特別支援学級に在籍し、放課後等デイサービスにも通っており、今のところ大きな困り事はありませんが、思春期・反抗期を迎えた時に二次障害を起こさないか不安です。トラブルが起きないよう今からできることはないのか知りたいです。A:学校では個に合わせた教育環境を整えることで、二次障害の原因になる心理的負担を減らしたり、対人関係スキルを学びトラブルを減らしたりできると思います。家庭では、本人が困ったことなどについて親子で気軽に話せる関係を築いていけるといいでしょう。Upload By 発達障害のキホンこのケースのお子さんの場合、特別支援学級に在籍しておられるということですが、個に合わせた教育環境を整えることで、失敗経験の積み重ねによる不安や抑うつなど、二次障害の原因になる心理的な負担感を和らげることができると思います。加えて、対人関係のスキルを学ぶことで、トラブルなどを減らすこともできると思います。※法的には特別支援学級入級に際して医学的診断は必須ではありませんが、求められる地域もありますので注意が必要です。ただし教育的評価は必要です。中学校段階では、引き続き特別支援学級に籍を置いて学習面を伸ばすことを重視する場合と、通常学級に籍を移して大勢のクラスメートの中での学習に慣れていくことを重視する場合があります。これらの方向性は一人ひとりのニーズや状態、クラスメイトや学級担任などの環境要因によって変わっていきます。家庭では過剰に心配する必要はありませんが、本人が困ったことやつまずいていることに対して、親御さんと気軽に話題に出せたり相談できたりする関係を築いていけるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月16日樹里さんには2歳年上の姉・海さんがいます。海さんには発達障害があり、樹里さんはいわゆる「きょうだい児」であり、「ヤングケアラー」でした。そんなある日、日ごろ我慢していた気持ちが爆発し、お母さんに不満をぶつけた樹里さん。家事の手伝いをする気にもなれず、さらには中学校での友人関係もうまくいかなくなり、ついに学校へ行かず家に引きこもるように……。家では、海さんと喧嘩を繰り返す毎日です。樹里さんの状況を見かねたお母さんは、児童相談所の一時保護所を利用することを提案。「姉と離れて暮らせるなら……」と樹里さんもお母さんの提案を受け入れたのでした。安心できる場所に移ったはずなのに… ※相談員さんと→相談員さんに ※2ヶ月が満期でしたが→2ヶ月が満期ですが 児童相談所の一時保護所に入り、ようやく自分の居場所を見つけられたかと思っていた樹里さん。しかし、一時保護所にはさまざまな家庭の事情を抱えている子や発達障害の子がたくさんいて、落ち着いて安心できる環境ではなく相変わらず気持ちは不安定なまま。 そんな毎日を過ごしているうちにあっという間に一時保護の終了時期が近づき、家に帰ることが決まったのでした。 ◇ ◇ ◇ 家から離れたにも関わらず、一時保護所でも発達障害の子と接する機会が多い樹里さん。そのストレスが抑えられず、怒鳴って手をあげそうになってしまいましたね。しかし、発達障害のお子さんに怒鳴ると、急な大声にパニックを起こして指示がほとんど聞き取れなくなり、冷静に行動することが難しくなってしまいます。一呼吸おいて、何か伝えたいことがある場合は穏やかな声で静かに話しかけると良いでしょう。 とはいえ、保護所の職員の方が家庭の状況を理解してくれないと思っている樹里さんのストレスが、限界を迎えてしまうのも無理はないですよね……。もちろん、職員さんは樹里さんのことを思って声をかけたのだろうとは思いますが、救いを求めて向かった場所のはずなのに樹里さんのストレスが増えていくだけの状況を見て、なんだか悲しい……と感じている方も多いのではないでしょうか。 結局家に帰ることになった樹里さん。久しぶりに会う樹里さんを、お母さんや海さんが暖かく迎え入れ、穏やかな毎日が送れるようになることを願うばかりです。 >>次の話 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2024年03月15日樹里さんには2歳年上の姉・海さんがいます。海さんには発達障害があり、樹里さんはいわゆる「きょうだい児」であり、「ヤングケアラー」でした。そんなある日、日ごろ我慢していた気持ちが爆発し、お母さんに不満をぶつけた樹里さん。そしてそれ以降、家にいるときは部屋からほとんど出なくなったのでした。家事の手伝いもする気になれず、引きこもりがちになった樹里さん。それでも学校へは通っていたのですが、今度はその学校でもある問題が……。「家にいるくらいなら…」妹が選んだのは…? ※話し→話 中学校での友人関係もうまくいかず、家でも海さんと喧嘩ばかり……。自分の居場所を見失った樹里さんはお母さんに「もう限界!」と訴えます。 そんな樹里さんの叫びを聞いたお母さんは、児童相談所の一時保護所の利用を提案。一時保護所がどんなところかわからない樹里さんでしたが、「お姉ちゃんと離れて暮らせるなら……」とお母さんの提案を受け入れるのでした。 ◇ ◇ ◇ 発達障害のお子さんが自傷行為をした場合、周りは過剰な反応をせず冷静に対応してください。自傷行為をよくしてしまう場合は、どんなときに起こっているのかを記録し、原因と思われるストレスを減らせるよう環境や接し方などを工夫すると良いでしょう。 しかし、家にいてもどんどん気持ちの余裕がなくなっていく樹里さんが、つい海さんにきつく当たってしまうのもしかたないと思う方は多いのではないでしょうか。 逃げ場のなかった樹里さんは、家族の状況がわかっていても自分の気持ちを吐き出す場所もなく、ただただ自分の中にため込んでいくしかなかったのかもしれませんね。 そんな中で、お母さんから提案された児童相談所の一時保護所の話。どんなところなのかは実際に見てみないとわかりませんが、樹里さんが少しでも落ち着けるような環境であればと願わずにはいられません。 >>次の話 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2024年03月14日「騒がしくてすみません……」謝ってばかりだった私が変わった3回の転機わが家には特別支援学級に通う小学校3年生の息子がいます。診断は重度知的障害(知的発達症)とASD(自閉スペクトラム症)ですが、ADHD(注意欠如多動症)とLD・SLD(限局性学習症)の傾向もあります。息子が2歳頃は、大きい声で迷惑をかけないようにしないと気を張り、「すみません……騒がしくして……」と周りにあやまってばかりでした。そんな中、息子が3歳、4~5歳、6~9歳の頃、育児の転機を経験しました。Upload By ユーザー体験談3歳の頃訪れた転機は「母」3歳の頃、1ヶ月ほど母、息子、私の3人で一緒に暮らしたことがありました。それまでも年に1、2回は帰省していましたが、長期間一緒に暮らすのは産まれてすぐの時以来でした。この頃の息子は、癇癪を起こすとジャンプしたり、壁を叩いて大きな音を出したり、大声を出したり。でも、注意すると逆効果でますます癇癪を起こしてしまうので、「おいで」と膝に座らせてお話をしたり、別の話題で気持ちを切り替えさせたり、物を投げそうな時は「こっちだったらいいよ」とタオルを渡したりしていました。お気に入りのラムネを準備しておいて、おやつ時間にして切り換えタイミングにしたりもしていました。母へは「息子に手がかかって大変だ」という話はよくしていたのですが、実際に目の当たりにしてびっくりしたのでしょう。「本当にこの生活は大変よ。全部一人でやってるんだもん」と分かってくれました。Upload By ユーザー体験談それからは、家族などで外出や外食の話題が出た際に、私が「いやぁ、食べるもの限られてるし、まだオムツだし、温泉一緒に入れないし、バス乗れないし……」などと話していると、母が「ほんとよ!この子連れていくのは大変だと思うわ。一緒に生活してみてよく分かった!」と味方をしてくれるようになりました。自分の口からいくら伝えても理解してもらえないときがあったのですが、第三者である母による、実際に経験したうえでの言葉は伝わりやすかったのだと思います。家族や親戚へ説明するのはなかなかの負担だったのですが、母が担ってくれるようになり、また一緒に面倒を見てくれるたことで、とても救われました。「彼はこのままでいい」という自由を与えてくれた海外生活2回目の転機は、年少の時から2年間海外赴任帯同で息子も連れて行ったことでした。それまで日本で通っていた幼稚園では、椅子に座らず歩きまわる息子をほぼ放置。歯磨きやお弁当箱の片づけについて、教えられた通りにこなす息子に笑顔はありませんでした。そんな環境のあと、海外で入った保育園に驚き!園中の先生が無理なく、しかし教えるべきことはしっかり教えながら息子に寄り添って下さいました。お迎えに行くと、園長先生のオフィスで先生の膝に座って一緒にパソコンでお絵描きしていたり、先生が仕事をする横に座って窓の外を眺めたりしていたこともあり、日本で通っていた幼稚園では考えられない「彼はこのままでいい」という自由を与えてくれました。個を大事にする、みんなと同じでなくてもいい、子どもらしさを大切にしようというおおらかさがあって救われました。Upload By ユーザー体験談この時、私自身が本当の意味で障害受容ができたと思います。周りの人に積極的に息子の障害のことを話して理解を求めたり、それでも息子のこんなところがすごいということを伝えるようになりました。放課後等デイサービスでどんどん成長した息子3回目は日本に帰国したあとに療育手帳を取得し、小学校の特別支援学級と放課後等デイサービスに通えるようになったことです。特に放課後等デイサービスはとても良い施設と出合え、明るい先生たちのご指導で困りごとが改善していき、いろいろなことができるようになりました。とても根気強く、スモールステップで対応してくださったので、息子は毎日学校と放課後等デイサービスを楽しみにし、どんどん成長していきました。スタート当初はおやつも1種類しか食べられなかったので持参していたのですが、好きなおやつの日を挟みながらいろいろな種類に挑戦させてくれ、息子が気に入る新しいおやつ(バウムクーヘン)を見つけてくれました。全員で取り組むダンスに参加したくない場合は、決まった場所に座って見るなどルールを作って許すなど、無理をさせ過ぎず、かといって自由にさせ過ぎない。ちょっと頑張る日もつくるという、ちょうどよいバランスをはかりながら、支援に取り組んでくれています。おかげで、最近ではお友達との交流もできるようになり、施設内や送迎の車内でも、声を掛け合いながら楽しそうに遊んでいる様子も見られるそうです。土曜日にはいろいろな公園や施設に連れて行ってくれるのですが、3年生になったくらいからは、放課後等デイサービスで行って楽しかった場所をママともいきたいと、日曜に私を連れて紹介してくれます。思い出や感情を分かち合いをしたいというところまで成長してくれたんだな~と日々感動しています。Upload By ユーザー体験談私だけで抱え込む必要はないこれらの3つの転機は、自分だけで子育ての悩みを抱え込む必要がないことを実感させてくれました。両手を広げて迎え入れてくれる存在は、息子にとっても、私にとっても、安心して息をつける時間を作ってくれています。息子が周りのたくさんの方に愛情を注いでくださっている分、息子の笑顔も増え、私も救われているということに、この文章を書きながら改めて気づきました。今後は、息子と一緒に新しい地へ旅行をして、一緒に新しい体験をしたいなと思っています。まだ将来のことは正直よく見えないところがありますが、楽しい思い出をたくさん作って、楽しい記憶でいっぱいの人生にしてあげたいです。イラスト/マミヤエピソード参考/おかんレベル9(監修:鈴木先生より)日本と海外では教育の仕方が全然違います。私自身も小学校の3年間は米国の地元の小学校へ通っていました。生活指導は厳しかったですが、宿題はなく、昼はランチボックス持参で外の芝生の上でみんなとランチしていました。帰国すると、毎日宿題があり、昼は給食当番まであり、みんなと同じ給食を黒板に向かって食べるという殺風景なランチになってしまいました。日本にいると普通だと思っていることが、もっと広い目で見たら当たり前ではないかもしれません。これからもどんどん新しい地へ旅をして新しい体験をするべきだと私も思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年03月14日樹里さんには2歳年上の姉・海さんがいます。海さんには発達障害があり、樹里さんはいわゆる「きょうだい児」であり、「ヤングケアラー」でした。小学校低学年のころから姉の面倒をみつつ、母の手助けもしていた樹里さん。その日常は想像以上に大変なものでした。「私の気持ちはどうでもいいの…?」 ※樹里のお姉さん→樹里とお姉さん 何気ない友人との会話から、自分の置かれている境遇に引け目を感じてしまった樹里さん。さらに、家で騒ぐ海さんの姿を目にしてしまい、思わずイライラが爆発。大きな声で海さんを怒鳴りつけてしまいます。 すかさずお母さんが仲裁に入りますが、お母さんは海さんのことをかばうばかり。これには樹里さんも自分の気持ちを抑えきれなくなり、胸の内に抱えていた思いをお母さんへと訴えかけるのでした。 ◇ ◇ ◇ 思わず大きな声で怒鳴ってしまった樹里さんですが、発達障害のお子さんを大声で叱るのはよくありません。急な大声にパニックを起こして指示がほとんど聞き取れなくなり、冷静に行動することが難しくなってしまうのです。何か伝えたいことがある場合は、穏やかな声で静かに話しかけると良いでしょう。 しかし、幼いころから家事や海さんのフォローにと、自分の時間を犠牲にして努力してきた樹里さんにとって、自分の味方をしてくれる人がいないというのはつらいこと……。お母さんにも、できるだけ樹里さんのことも気にかけてあげてほしいですね。とはいえ、お母さんだって海さんのお世話や家事でいっぱいいっぱいの状態で、樹里さんを気づかう余裕がないのが現状です。 どうか、樹里さんとお母さんのお互いが、無理なく心身ともに平穏に過ごしていける方法を見つけられますように。 >>次の話監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2024年03月13日年長になり、困りごとが減ってきたワケ。それは……しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。現在保育園の年長クラスで、4月からいよいよ小学生になります。最近は困りごとが少なくなったしのくんですが、それはしのくん自身の成長だけではなく、しのくんを支えて下さった先生たちのおかげだと思っています。しのくんは2歳を過ぎるまで意味のある発語がほとんどなく、2歳半を過ぎても2語文が出ていませんでした。3歳児クラスに上がった時、保育園から「読み聞かせの時間に一人で違う遊びをしていたり、教室から脱走したり、集団行動が苦手な様子がみられます。専門家の支援を受けてはどうですか?」と薦められたことがきっかけで、療育センターへ通うようになりました。Upload By keiko特性理解に加配対応、視覚支援まで!しのくんに変化が保育園でも、しのくんの特性を理解するために、さまざまな取り組みをしてくれました。例えば、ことばの発達を促すために「ことばの教室」へ通い出した時には、保育園の先生が一緒にことばの教室へついてきてくれました。また、療育センターの先生を保育園へ呼んで、どうやったらしのくんが集団行動に参加できるようになるのか、アドバイスを求めてくれたこともありました。Upload By keikoさらに、園での支援体制についても配慮していただきました。しのくんが年少クラスに上がるタイミングで、加配の先生がつくことになったのです。加配の先生が、しのくんの特性を理解して視覚支援などで環境を整えてくれたので、しのくんは活動に参加できることが増えてきました。Upload By keiko園長先生も協力してくれていた!?保育園の配慮に驚き実は、保育園の配慮はこれだけではありませんでした。加配の先生が来る以前のことですが、みんなとの活動が難しいときには、園長先生の部屋にしのくんのお部屋(スペース)をつくってくれて、しのくんはそこで園長先生と過ごしていたそうです。それを聞いたときは驚きを隠せませんでした。また最近になってから、「家でゲームをしたり動画を見たりしたい」と泣いて、登園渋りすることがたまにあったのですが……そのときも園長先生に泣き止むまで抱っこしてもらっていたそうで、申し訳ない気持ちと感謝でいっぱいです!!Upload By keiko先生方が保育園の環境を整え、きめ細やかな支援をしてくださったことで、しのくんも大きく成長することができました。しのくんとほかの子どもの成長の違いを比べては落ち込み、不安定だった私のメンタルが落ち着いたのも、保育園の先生方のおかげだと思っています!人にも環境にも恵まれた保育園で大きく成長したわが子。就学を控えた今4月から小学校の通常学級で学ぶしのくん。保育園時代のようなきめ細かい支援は受けられないだろうな……と不安な気持ちもあります。それでも、これまで保育園や療育で培ってきたしのくんの力を信じて、学校の先生や放課後等デイサービスの先生とも協力して、しのくんの学校生活をサポートしていきたいと思っています。執筆/keiko(監修:室伏先生より)keikoさん、しのくんの保育園での過ごし方や、ご配慮の様子を共有くださり、ありがとうございました。保育園の先生方、とても親身に協力してくださって、keikoさん、しのくん共に安心して生活できる園生活が送れて本当によかったですね。保育士さんに気持ちや情熱があっても、保育士さんの人数や仕事量、ほかの園児さんへの配慮の必要度などいろいろな環境が整わないときめ細やかな配慮が難しいこともありますが、困っているお子さんの全員がこのような支援が受けられる社会になるといいなと思います。子どもの苦手な部分の指摘を受けた時、ご家族は、抵抗や不安を強く感じてしまうこともあるかもしれません。とても自然な感情です。もしかしたらkeikoさんもそのようなお気持ちを感じられていたかもしれませんが、先生方の言葉に耳を傾け、療育センターへの通所を始められたことで、園の先生方とのコミュニケーションがより円滑になったり、園の先生方も支援の方法を相談できる場ができたりして、より丁寧な支援に繋がったのではないかと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年03月13日音楽家・秦万里子さんが10日に自身のアメブロを更新。発達障害の双子の娘達が学校で大変だったことを明かした。この日、秦さんは「すごく面白い特徴がある双子を育てている、、、という自覚しかなかった私が、発達障害の娘たちを育てているという意識を持ってから、約15年」と述べ「その間にはいろいろなことがありました」と回想。「学校を出てからの過ごし方が難しいところ」だといい「二人とも芸術の道を進んでいるので、いわゆる自由業。自分のスケジュールを誰も決めてはくれません」とつづった。続けて「仕事自体もプロジェクトによって始まり時間が昼だったり、夜だったり」するといい「その日に寄って、集合時間、場所、色々変化があります」と説明。「『予定が立っていることが安心』の彼女たちには、不安定になりやすい要素です」と述べ「学校はその点、ある意味形があって、それに自分を当てはめていけばいいのですが、これが自由となると、、なかなか」とコメントした。また「学校でも、ルーティンがそのまま現実のものになる時はいいのですが、、、休校、先生の突然の欠席、補講、など急に決まるものは大変」と説明。「自習になっても、ちゃんと『自習』をしていないクラスメイトに対しては????になるので、重ねて大変でした」とコメントし「休み時間も、好きな学科に入学した二人には、『雑談』の意味が分からなかった」と双子の娘達の学校生活での様子を振り返った。さらに「そしてやってきたのは、にっくきコロナです」と述べ「学校では時間で勉強を区切られるので」「ダンス、声楽、音楽の知識、どの授業にも終わりがある」と説明。一方で「自宅での勉強にはありません」「どこまでやったらいいのか、わからず、自分を追い込み、精神的に参ってしまいました」と娘達の様子を明かし「彼女たちは、『人間は怠けやすい動物である』という公式が当てはまりません」とつづった。また「自由になったら、倒れるまでやってしまう」といい「これは今まででも何回かありました」と告白し、娘達について「学校という社会でも『???』がいっぱい」と説明。「発達障害の人は、このルールで色々行われている社会に合わせて頑張りましょう、、という傾向があります」と述べ「社会に合わせて、やっとこさ、頑張ってやると、、彼女たちの『とても大変なこと』は『やればできること』と解釈されてしまうことがとても多いのですね」とコメントした。最後に「ASDの人たちにとって、『なんだ、やればできるんじゃない!』って言われてしまうこと、一見なんでもなく見えるものも、とっても頑張って頑張ってやっとできたものもあるんです」といい「だからこそ、社会に『理解しよう』としてくださる方が一人でも増えたらすごく嬉しいと思っています」と思いをつづり、ブログを締めくくった。
2024年03月11日板書が苦手、忘れ物が多い、提出物を出せない……高校進学が不安ですQ:知的障害(知的発達症)のないASD(自閉スペクトラム症)と診断されている中学生の子どもがいます。通常学級に在籍していますが、板書が苦手、忘れ物が多い、提出物を出せないなどが成績に響いており、内申点が必要な普通科高校へ進学するのは難しいのではと思っています。もし高校に合格できたとしても、勉強や人間関係でつまずくのではないかと不安です。通信制高校などへの進学も視野に入れています。特性のある子どもの進路選びにおいて、どのようなポイントを意識するとよいでしょうか?A:本人の努力だけでは解決が困難な場合、合理的配慮の申請によって個別的な支援を得ることが考えられます。相談室やスクールカウンセリングなど、入学後の相談場所が整っているか確認しておくとよいと思います。通信制高校も多種多様なので、事前によく調べておきましょう。Upload By 発達障害のキホン高校進学に際しての不安として、入学後の勉強や人間関係でのつまずきがあげられるでしょう。特に重要なのは、中学校と比べて、高校は授業の出席が足りないと進級に直結するということです。中学校では保健室登校が出席として認められても、高校だとそれは基本的に認められません。逆に成績に関しては、テストで赤点をとってしまったとしても、再試や追試で救ってもらえる場合が多いようです。成績につながる提出物については、提出期間や提出方法について合理的配慮などで工夫してもらえる可能性はあります。入学前にできることとしては、相談室やスクールカウンセリングなど、入学後の相談場所が整っているか確認しておくとよいと思います。ちなみに、令和6年4月から私立高校でも合理的配慮の提供が義務化されます。また、実習が必須になっている学校やコースは、その内容も確認したほうがよいでしょう。できればオープンキャンパスなどで直接先生方に相談してみるとよいかもしれません。通信制高校も、インターネットを活用した教育を行っている学校、自学自習を中心とした学校、スクーリングの日数がかなり多い学校など多種多様なので、どんな通信制高校が合っているか事前によく調べておきましょう。入学前にインターネットの習い事などを体験してみて、参考にするのもよいかもしれません。参考:リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」|内閣府(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月11日気になる周囲との差、発達について指摘される?みんなの3歳児健診エピソード3歳児健診は、子どもの身体の発育や心の発達を確認して、病気などの早期発見や、専門機関につなげる機会となる大切なものです。しかし、問診票の記入や尿検査などといった事前準備も多く、保護者にとっては負担に感じる部分もあるかもしれません。特に、発達障害や発達に特性があるお子さんは、事前準備や健診に行くこと自体が大変な場合もあるでしょう。今回は、発達ナビ連載ライター陣に、3歳児健診でのエピソードをご紹介いただきました。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のコウ君は現在中学生。コウ君のお母さんである丸山さとこさんは、コウ君のことを「マイペースな子どもだな」と感じつつも、初めての子育てだったこともあり「3歳児ってこんなものなのかな?」と思っていたそうです。しかし3歳児健診で、大きな転機を迎えることに……。1歳半児健診の時にヘトヘトになった記憶がよみがえり、3歳児健診には行きたくない気持ちでいっぱいだったカタバミさん。それでも「耐え忍ぶしかない」と、重い腰を上げて向かったところ、まさかの健診「2回目」を受けることになって……!?ダウン症の息子きいちゃんを育てる星きのこさん。同じダウン症の子どものママ友たちと「3歳児健診行く?行かない!?できれば行きたくないよねえ……」と話していたそうです。周囲の視線が気になって耐えられないかも……と思った星さん。果たして、3歳児健診には行ったのでしょうか?ねこ太くんは現在小学1年生。ADHDグレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。3歳児健診の時、ねこ太くんはまだおむつが外れておらず、事前の尿検査から苦戦!お母さんである鳥野とり子さんに、当時のことを振り返っていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)の長男、けんと君を育てるゆきみさん。転勤族で知り合いもほとんどおらず、孤独を感じながらの育児でした。わが子の発達について悩んでいたゆきみさんは、相談していく中で少しずつ支援の輪が広がっていったそうです。寺島ヒロさんのご長男、タケル君は2000年生まれ。3歳児健診を受けた当時、ASD(自閉スペクトラム症)の特性については、まだあまり知られていませんでした。健診では、医師に心配なところを訴えるも理解されず、不安は解消されないままさらに7年の月日が経って……。よいこさんのご長男あー君は、現在小学6年生。ASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。家庭や幼稚園でのあー君の行動に違和感があり、3歳半健診で発達相談する!と決意していたよいこさんでしたが……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月09日学校生活での困りごと、保護者はどう対応すればいい?発達障害のあるお子さんは個性的な面も多いですが、それに対して学校はどちらかというと平均的なお子さんにあわせて作られています。ですので、発達障害のあるお子さんは学校生活の中でどうしても困りごとが多くなりがちです。学校での困りごとを解決するには、家庭と学校の連携が不可欠ですが、どうすればいいのか迷うことも多いのではないでしょうか。学校でのトラブル、今回はお友達を叩いてしまったケースを紹介します。次のような困りごとが起きたら、みなさんはどのような対応をしますか?ケース:子どもが学校で友達を叩いてしまったUpload By 専門家体験談同級生に他害をしてしまったケースです。子ども同士でもめているうちに、お子さんが相手の子に手をあげてしまいました。子どもに何があったか聞いたところ、「うまくできないことを何度もからかわれた」という背景があったことが分かりました。このような場合、どのように対応すればいいでしょうか。「からかわれたこと」と「叩いたこと」は分けて考えるUpload By 専門家体験談保護者としては、まず相手に謝罪することが第一です。それと同時に今後のトラブルを防ぐ予防策を講じることが大切です。そのためには「事実の確認」をする必要があります。子どもに確認してみると、「ちょっとした小競り合いの中で偶然手があたってしまった」ということもあります。その場合は相手に謝罪し、今後は気をつけるということでいいでしょう。しかし、今回の例のように「うまく字が書けないことを何度もからかわれた」といった理由がある場合は、「からかわれたこと」と「叩いたこと」は分けて考える必要があります。「叩いたこと」は当然悪いですが「言葉の暴力」が許されてよいわけではありません。からかってしまったお子さんにも適切な行動を教えていく必要があります。ただ、暴力を振るってしまった側が相手に対して「そちらにも原因がある」というのは簡単ではありませんので、こんなときは、担任の先生、校長、副校長などの管理職の先生も協力して、学校での出来事を確認するような形で話し合いを持つのがいいでしょう。話をしてみると、相手のお子さんも「自分はルールを守っているのにあの子だけは違うことをするのはずるい」と思っていたりする場合があります。そんなときは「学校のルール」を見直すことで、どちらのお子さんも活動しやすくなる場合もあります。私がこれまでに見聞きしたケースだと、叩いたことだけが問題視されて「とにかく暴力はいけない」で話し合いが終わってしまう例が多いです。学校の「標準」ができないことをからかわれていたお子さんは、追い詰められてしまいます。学校、相手方と話し合うのは大変なことだと思いますが、子どもを守るためには話し合うことが必要です。場合によっては、医師などの専門家に協力を求めることも一つの方法です。難しい問題に直面したときには、さまざまな人たちを頼りながら対応していきましょう。学校へどう伝える?保護者ができる3つのコツ今回のケース以外にも発達障害があるお子さんの学校でのトラブルはさまざまです。ですがどれも、保護者一人で対応するべきことではありません。学校と家庭が一緒に対応していく必要があります。学校へどう伝えるか迷われたら、以下の3つのヒントを参考にしてみてください。子どもの学校での環境を整えるためには、子どものことを一番知っている保護者が具体的な困りごとを学校へ伝えて、家庭と学校で情報共有することが大切です。しかし、保護者が困りごとに対して「こうしてほしい」という形で伝えると、学校へ対する「要求」のようになってしまうことがあります。また、こう伝えられると学校側は「はい」「いいえ」の二択を迫られる状態になり、学校側の考えと一致していない場合は、「いいえ」と断られてしまいます。学校の先生にも教育方針があり「こうしたい」という考えがあります。保護者の考えを通すのか、先生の考えを通すのかといった争いのようになってしまうと話し合いがうまくいかないので、「相談」になるよう心がけましょう。「相談」にするためには、「状況を認識して相手に伝えること」と「相手の意見を聞くこと」の両方が必要です。私が保護者の方、先生方と話すときは「お子さんにはこういう特徴があって、こういう条件だとこうなります」という伝え方をしています。「だから、こうしてください」とまでは言わないのがポイントです。そうすると「そうだとすると、こうすればいいでしょうか?」という提案が出てきます。そのような形でお互いが考えを出し合っていけるといいでしょう。先生に「こんなことが起きて困っています」と伝えたとき、一緒に対応を考えてくれる先生だといいのですが、そうならない場合は同じ話を繰り返しても対応が変わらない可能性が高いので、やり方を変えましょう。私のおすすめは、その先生と一対一で話すのは避け、ほかの先生にも話し合いに入ってもらうことです。学校には「特別支援教育コーディネーター」を担当している先生(特別支援学級の先生がなられている場合が多い)やスクールカウンセラーが必ずいます。担任の先生へ2~3回相談しても話が通じなかったら、ほかの人に入ってもらうことを検討しましょう。発達障害のある子どもはどうして学校で困っているのか私は、今の日本の学校には子どもが「標準的にやるべきこと」が多すぎると思っています。・持ち物を揃えて登校する・提出物を出す・登校の際に先生、友達に挨拶をする・授業中は席について、正しい姿勢で先生の話を聞く……など、まだまだたくさんこなさなければいけない行動があります。これが「学校の標準」になっていると、「学校の標準」をこなせない一部の子どもたちは追い詰められてしまいます。私は「学校で、みんなと同じようにできない」と学校へ行くことができなくなった子どもたちをたくさん見てきました。進学をエスカレーターにたとえると、今の学校生活は「みんなと同じ」でなければエスカレーターからはみ出し、その後の進学や進路選択がしづらくなるという面があります。ですので、「みんなと同じ」ではない標準的な道を歩くことが難しい子は、学校生活だけでなくその先もどうしても生きづらさを感じてしまい苦しむのです。そしてそれはお子さんだけでなく保護者のみなさんも同様で、学校で困っているわが子に対して、どう対応すればいいのか不安に思っている方も多いと思います。私は、この狭すぎる「学校の標準」からはみ出しても基本的に大丈夫だと思っています。フリースクール、ホームスクールなど別のルートを選んだほうが学びやすくなる場合もあります。子どもは何のために学校へ行くのか、それは、「社会に出ていくための土台をつくるため」です。学校へ登校すること、いい成績をとることなど、学校生活だけに目標をしぼると、学校を卒業することが人生のゴールのようになってしまいます。「学校の標準」という基準にあわせることを求めて、発達障害のある子どもに無理をさせない環境を保護者と先生がよくコミュニケーションをとって、そして困ったときは専門家にも相談して整えていけるといいですね。マンガ/吉田いらこ前の記事はこちらUpload By 専門家体験談(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月07日骨格を補正する外国人風ベリーショート!カラーで楽しむベリーショート!ハイライトカラーで立体感と束感を演出して透明感もUP。カットラインはツーブロックを含んだショートレイヤースタイル。毛先が柔らかく動くようにシェイブカットを施す。後頭部の奥行きをカットラインで立体裁断しているので、どこから見てもカッコいい フォルムコントロール。ハチハリ・ゼッペキ補正もOK!外国人風なフォルムです。再現性しやすいカットになっているので忙しい朝でも気軽にワックスを塗布するだけで朝ラクスタイリング。20代〜30代のクリエイティブな社会人の方から、40代〜50代の大人男子もお洒落にキマります。白髪の方にも似合わせ可能◎もちろん、おしゃれ10代〜20代の学生さんまでOK◎ショートカットが得意なサロンだからこそできる、お客様1人ひとりに似合わせるテクニックでオリジナルショートを提案します。骨格を補正する外国人風ベリーショート!を見る【ベリーショートから伸ばしていくコツ!】男性の髪型は短いスタイルが多いので、スタイルの幅が少ないと感じられますが、実は意外とたくさんあります。同じレングスでもパーマやカラーを施術することでイメージはグッと変わります。楽しみながら伸ばしていくためのヘアバリエーションを紹介していきましょう!それでは、同じモデルさんで検証していきます①かきあげバングのベリーショートいつもカッコよくベリーショートにしているモデルさん。男らしくハードにツーブロックを含んだベリーショート。短いながらに、毛先が柔らかく動くようにカットを施す。どこから見てもカッコイイ フォルムコントロールをしてあるので、外国人風な奥行き骨格補正もOK!①かきあげバングのベリーショートを見る②セットなしでキマる外国人風ベリーショートパーマへ外国人風ニュアンスパーマをプラスしたベリーショート!伸ばしていくためにサイドバックは刈り上げて、トップは伸ばしておきます。トップはレイヤーを入れて柔らかく動く色気のある質感に!また、パーマをかけて作りすぎない自然なカールが男の品を上げる!ラフな動きは小顔効果と骨格補正にも効果があるデザインに!②セットなしでキマる外国人風ベリーショートパーマへを見る③今旬スペインカールをプラスしたベリーショートへ外国人風パーマ・スペインカールをかけたベリーショート!サイドバックをハードに刈り上げたツーブロックにトップは長さはキープしつつ、レイヤーを入れて柔らかく動く質感に!強めツイストスパイラルパーマをしっかりとかけて品よく男を上げる!ウェーブの動きは小顔効果と骨格補正にも効果があるデザインに!簡単にセット可能。③今旬スペインカールをプラスしたベリーショートへを見る④ハイライトを入れた海外スポーツ選手系ベリーショートへハイライトとツイストパーマを取り入れたカッコいいべリーショート!耳上と襟足を刈り上げてツーブロックに、トップはレイヤーを入れて柔らかく動く色気のある質感に!全体的にバランスを見ながらハイライトをプラスして、作りすぎない自然な毛流れが男を上げる!ラフな動きは小顔効果と骨格補正が可能デザイン!白髪がある方はおしゃれに白髪ぼかしにもなりますよ。柔らかいツイストパーマをかけておくとセットがし易くなります。④ハイライトを入れた海外スポーツ選手系ベリーショートへを見る⑧大人の雰囲気を一気に高めるツーブロックショート柔らかさかつ上品にまとめたベリーショート!サイドをハードに、襟足は長めに刈り上げたツーブロックを含んだレイヤーショート。トップにレイヤーをたっぷり入れ、毛先が柔らかく動くように設定。ぺたっとし易い方に効果的。また、前髪をフレアーにして小顔効果やアレンジをし易いように設定する。どこから見てもカッコいい フォルムコントロールをしてあるので、外国人風な奥行き骨格補正もOK!毛先にパーマがあるとより効果アップになります。カラーリングは一度,ブリーチでハイライトを入れてからグレージュを被せる。赤味のないグレッシュな仕上がりに!全体的に再現性しやすいカットラインになっているので、忙しい朝でも気軽にパワーオイルを塗布するだけで朝ラクスタイリング。オイル系を使用することで色気のある艶々仕上がりに!⑧大人の雰囲気を一気に高めるツーブロックショートを見るグレージュカラーでキメる透明感溢れるベリーショート!ベリーショートに今旬グレージュをプラスした人気ヘアスタイル。ダブルカラーでグレージュを施術する。赤味をとり上品で透明感もUP。且つ、立体感と束感を演出する。カットラインはツーブロックを含んだショートレイヤースタイル。柔らかく毛先が動くように設定。後頭部の奥行きも確保しているので、どこから見てもカッコいい フォルムコントロール。グレージュカラーでキメる透明感溢れるベリーショート!を見る⑦トップを伸ばしハイライトを効かせたベリーショートへお洒落メンズにオススメな髪型!サイドと襟足にハードな刈り上げツーブロックを含んだベリーショート。さりげない束感が爽やか・色気を放つ。どこから見てもカッコいい フォルムコントロールをしてあるので、外国人風な奥行き骨格補正もOK!カラーリングはブリーチでハイライトを入れて、グレージュをプラスする。メリハリ・立体感がセットなしでもキマります。また、白髪がある方は白髪ぼかしにもなりますよ。カット&カラーで再現性しやすい髪型になっているので忙しい朝でも簡単セット。⑦トップを伸ばしハイライトを効かせたベリーショートへを見る⑧キメすぎない強めスパイラルの繊細マッシュショートへ頭の形をどこから見てもかっこよく見せるメンズパーママッシュ!耳周りと襟足を刈り上げてツーブロックを入れる。全体的にレイヤーを入れて重たく見えないようにする。ツイストスパイラルパーマをかけて男の色気を最大限に引き出し質感!絶壁やペタッとつぶれる根元の補正も可能です。パーマをかけると朝のセットが簡単になります。洗いざらしOK◎⑧キメすぎない強めスパイラルの繊細マッシュショートへを見る⑨ハイライトとパーマをプラスした爽やかマッシュ!ハイライトとパーマを取り入れた爽やかなマッシュスタイル!耳上と襟足を刈り上げてツーブロックに、トップはレイヤーを入れて柔らかく動く色気のある質感に!ウィービングパーマをかけて作りすぎない自然な毛流れを作る。ラフな動きは小顔効果と骨格補正が可能デザインに!カラーはハイライトを入れてカラーグレージュブラウンをかぶせて束感と躍動感をゲット◎ 白髪がある方はおしゃれに白髪ぼかしにもなりますよ。どこから見てもカッコいい フォルムコントロールをしてあるので、外国人風な奥行き骨格補正もOK!⑨ハイライトとパーマをプラスした爽やかマッシュ!を見る⑩襟足を伸ばして、パーマで爽やかUPウルフメンズショートへメンズのショートウルフはまさに今旬の髪型です。サイドだけにツーブロックの刈り上げを入れて、柔らかく質感調整した“襟足長めのショートレイヤースタイル”全体的にニュアンスパーマを加えて外国人風な仕上がり。ショートウルフは若いメンズだけでなく、スタイルによってはビジネスシーンでも活用できるスタイルです。襟足が長すぎなければ、清潔感がある爽やかなスタイルになります。ぜひチャレンジしてみてください⑩襟足を伸ばして、パーマで爽やかUPウルフメンズショートへを見る《まとめ》いかがでしたか。ショートカットが得意なサロンだからこそできる、お客様1人1人の顔型や骨格に似合わせるテクニックでオリジナルショートを提案します。いろんな自分を探してみませんんか。パーマやカラーリングのアレンジもありましたが、カットテクニックだけでも再現性バツグンなので、忙しい朝でも気軽に朝ラクスタイリング可能です。スポーツ男子の10代〜、お洒落な20代〜30代の社会人の方から〜、40代〜50代の大人男子も似合わせOK!!!ぜひお気軽にご相談ください。
2024年03月06日重度知的障害の息子にとって猫は得体の知れない存在で……私は猫が大好きです。出産前から飼っていた先代の猫が6年前に亡くなり、今の猫を飼い始めたのはコロナ禍真っ只中、4年前です。現在小学6年生の息子は、3歳の時に重度の知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子は無発語なので自分の気持ちを言葉で伝えることはできませんが、わが家の猫を世界で一番得体の知れない、不思議な存在と思っているような様子がひしひしと伝わってきます。猫に追い詰められて部屋の隅で固まって助けてアピール先代の猫も含めたら、長らく猫と同居している息子ですが、いまだに猫を怖がり、手を繋がないと猫の近くを通れないこともあります。いつも恐る恐る、猫の様子をうかがっている……といった感じです。Upload By ユーザー体験談朝、猫が部屋や階段の中央にいると、息子が身動きとれず家を出るのに時間がかかることもあります。また、猫がいたため部屋の隅に追い詰められた息子が、壁際で固まり、言葉は話せないながらも必死で助けてアピールをしていることも時々あります。小学6年生で156㎝、66kgと身体の大きい息子が、自分よりはるかに小さな猫を怖がり、部屋の隅に追い詰められている姿は、申し訳ないですがなんだかかわいらしく、おかしくも思えます。Upload By ユーザー体験談それ意味あるの?猫に対する息子の謎すぎる反撃一方猫はというと、息子に懐いてはいません。息子を意識しつつ、つねにある程度の距離を保っている……といった感じです。ですが、時々双方ともにちょっかいを出し合います。ちょっかいの程度はそれぞれ違います。猫は本格的に息子を攻撃するときがあるのですが、それに対して息子の反撃はなんともかわいいもの。タオルやティッシュをふわっと相手に投げたり、なぜが小さなおもちゃを猫の背中に置いてみたりと、ほぼ効き目のない反撃をしています。なぜ背中におもちゃを置くのでしょうか……。理由は皆目見当がつきません。当然猫はノーダメージです。人間相手だととっさに手が出てしまうことも多い息子ですが、猫に対しては手がでないのも不思議。猫に対しては明らかに及び腰で、猫の優勢は揺らぎません。ただし、そんな猫でも息子の癇癪やパニック時の様子は怖いようで、やや離れたところから様子を見ています。Upload By ユーザー体験談二人(?)の関係に変化が。息子があみだした猫対策は?そんな二人(?)の関係ですが最近変化がありました。息子が新たな猫への対応方法を身につけたのです。それは、「リビングのドアを開けて、猫を退室させること」。息子は(あ、猫がいる)と気づいたら、さっとリビングのドアを開けます。すると、なぜか猫がドアの方へ吸い込まれるように進んでしまい、そのまま部屋を出ていくのです。猫が吸い込まれない場合は、息子が猫を誘導するような動きを見せて、猫にご退室いただいています。(無発語で喋ることはできないけれど、そんな風に猫に対して気持ちを伝えようとしているんだ!頑張っているな!)とほほえましく思います。猫を相手に学び少しずつ成長している息子。いつかもう少しだけでいいので仲良くなってくれたら嬉しいな、と思う日々です。Upload By ユーザー体験談イラスト/まるエピソード参考/あきこ(監修:森先生より)ペットは、親や先生、お友達とも違って予測不可能な動きをしますから、不思議な存在ですよね。猫ちゃんもお子さんも、きっとお互いに一生懸命に観察して、相手の習性を理解しようとしているのでしょう。お互いにちょっかいを出しながらも、お子さんは猫がイヤがることはしないようにしつつ、自分達なりの快適な距離感をはかっているのかもしれませんね。発達障害の傾向がある方には、他人の感じ方を理解するのが難しいという特性があります。人間相手では「なんで気持ちを理解してくれないんだ!」とイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、動物相手であれば「自分とは感じ方が違って当然」と思って、かえって自然に受け入れることができるのかもしれません。猫の習性を理解しようと頑張ることは、他人の感じ方を考えたり、良好な関係を築くために、きっと役に立ちますよ。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年03月05日「イヤイヤ期」はいつやってくる?2歳になって身構えていたけれど……Upload By プクティ世間一般で良く耳にするイヤイヤ期は、家でも外でも関係なく癇癪を起こし、本人の気持ちを落ち着かせるのにとても手こずるという印象でした。わが家の長男も、イヤイヤ期が始まる頃とされている2歳になり、いつイヤイヤが始まるのかと身構えていたのですが……。Upload By プクティ意外にも、長男のイヤイヤ期が始まる気配は全くありませんでした。確かに、洋服の素材にこだわったり、まぶしい光が苦手だったりと、感覚の過敏さからパニックを起こすことはありました。しかし、日常生活で癇癪を起こしてどうしようもないという場面にはなかなか出合いませんでした。比較的いつも落ち着いていて大人しく、いろいろなところに出かけても苦労しないので、2人きりで遠出することなどもできていました。そのため、長男はすごく育てやすい子だなと感じていたのです。育てやすかったはずの長男が、幼稚園入園で豹変!?Upload By プクティそんな長男が幼稚園に入園したとたん、「集団行動ができず、椅子に大人しく座れなかったり、教室を飛び出してしまったりして指示が聞けない」と先生から指摘され、家庭での様子と全く違うことに非常に驚きました。Upload By プクティ幼稚園で指摘されたことがきっかけで、知能検査や病院での診察を受けた結果、長男は軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。今思い返してみると、イヤイヤ期がなかったのは、感情表現の乏しさや自己主張の苦手さといった、発達の凸凹や遅れによるものだったのかも?と思うところもあります。現在の長男の様子と、イヤイヤ期真っ盛りの次男を見て思うことUpload By プクティその後、長男は療育を受けながら、より本人の特性に合った保育園への転園も経験しました。5歳になった今は、集団に合わせた行動がずいぶんとできるようになり、椅子に座って長時間集中するようにもなりました。感覚過敏も以前より落ち着いてきて、パニックを起こすことなく過ごせるようになってきました。ちなみに、長男と3歳差で生まれた次男は、今のところ保育園で発達の遅れを指摘されることもなく、むしろクラスで一番に先生の指示に従って行動できると聞いています。しかし、家では絶賛イヤイヤ期で、激しい自己主張に悩まされているところです。同じように育てていても、子どもの発達の仕方はそれぞれ違って、その子なりのペースで成長しているのだなあ……と感じるこの頃です。執筆/プクティ(監修:森先生より)イヤイヤ期の時期や、イヤイヤが出る場面、イヤイヤが分かりやすいかどうかなど、その子の性格によってさまざまです。一般に、自分の気持ちを自分で分かるようになったり、他人に伝えることができるようになるとイヤイヤ期は落ち着いてきます。イヤイヤ期は、子ども自身の意思や、「自分でやりたい」といった自立心のあらわれとして大切なものです。イヤイヤ期が激しいからといって心配する必要はありません。また、逆に、イヤイヤ期がない、分かりにくい、遅いからといって心配する必要もありません。イヤイヤ期が目立たないとしたら、「本人からしたら特にこだわりポイントではない」とか「伝えなくても家族はやりたいことを分かってくれている」など、イヤイヤを発動させる必要がないのかもしれません。イヤイヤ期がないからといって「自分の意思がない」ということではありませんし、遅いからといって発達が遅いという話でもないので、安心してくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月05日ADHDの高校生。自己管理の苦手さから、部活の人間関係でトラブルに……イライラを親にぶつけてくるようになりましたQ:ADHD(注意欠如多動症)と診断されている高校生の子どもがいます。部活動をしていますが、自己管理が苦手で遅刻や休みが多くなっています。そのことを同級生や先輩から注意されたり、いじられたりすることが精神的な負担となっているらしく、家で親に対しイライラをぶつけてくるようになりました。自立を促さなければいけない年齢だと思いますが、保護者としてどのように関わっていけばよいでしょうか。A:人間関係に関するストレスや精神的な負担などについては、スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人の確保が大切になるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットの活用などについても検討してみましょう。Upload By 発達障害のキホン思春期になると、障害特性からくる苦手さから心理的ストレスが高まり、不安や抑うつ傾向が強くなる子どももいます。思春期では保護者に相談しにくいことも増えていくかと思います。スクールカウンセラーなども含めて、安心して相談できる場所や人を確保していくことも大切になってくるでしょう。自己管理については、本人の努力だけで補うことが難しい場合もあるので、スマートフォンやタブレットのスケジュール管理アプリや、電子タグのような市販されている忘れ物防止グッズなどを使いこなせるように教えていくことも一つの方法です。学校での合理的配慮として、メモを取る時間がかかる場合は写真を撮らせてもらう、連絡帳の代わりにアプリを使うことなども考えられます。高校段階においては、スマートフォンやタブレット機器の持ち込みが制限されている学校も多いので、使用方法などについては学校との話し合いが必要かと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月03日中学、高校、大学受験、不登校問題、子育ての転機など2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介!みなさんからお寄せいただいたエピソードを発達ナビの連載ライターさんなどのイラストをつけて、コミックマンガエッセイ化した『発達ナビ 読者体験談』。今回は、2024年2月に公開した読者体験談をまとめてご紹介いたします。2月に公開された体験談のテーマは・発達障害子育て、わが家の転機・重度障害のわが子の困った行動・特性がある子の中学、高校、大学受験など。みなさんのリアルな声をお届けします!2024年2月に公開した読者体験談中学受験をすることになったASD(自閉スペクトラム症)の男の子。面談では「ぜひうちに!」と言っていた志望校の先生ですが、お子さんの発達障害を知ったとたんに態度が一変して……。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正によって、「合理的配慮」の提供義務が私立学校にも適用されます。監修の森先生のあたたかいコメントもぜひご覧ください。高校1年生のASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)の息子さんの高校受験。全日制を目指していたのですが、勉強は自己流、しかもいじめっ子も同じ高校を志望していることを知って、志望校を通信制へ変更しました。すると、勉強をやめてしまって……。高校受験の様子や、通信制へ入学後の生活は?通信制を目指す方は必読です。ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の公立高校普通科へ通う2年生の娘さん。義務教育期間中は、スクールカウンセリングや担任との臨時の個別面談など手厚い支援がありましたが、高校に入ると支援が不足してしまったそうです……。そんな娘さんの高校受験、そして大学選びにいたるエピソードです。居住地域に自閉症・情緒障害特別支援学級がなかったため、小学校は通常学級へ入学したAAAさんのお子さん。ですが学校から「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」と言われてしまい、このままではダメだと1年生の2学期から自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校通うため引っ越し、転校しました。転校先の様子は?息子さんの困った行動に先生は?AAAさん曰く「つらいことが多かった子育て」の中でついに転機が訪れたエピソードです。知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の小学6年生のお子さん。発語がなく言葉で伝えることができないので、息子さんが何をしたいのか、何が理由なのかわからないことがありますよね。そんなそんな息子さんがある「困ったこと」をしているのが発覚!お母さまはどうされたでしょうか?就学相談で特別支援学級入学することになった境界域の年長の息子さんが、児童発達支援へ通うことになりました。不器用で強い劣等感をおぼえていた息子さんが、どんな支援をうけてどう変わったか、具体的に教えていただきました!あなたのリアルな体験談を投稿してみませんか?体験談募集中!読者体験談では、発達ナビ読者のみなさんのエピソードを募集しています。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあると共感をよぶエピソードから、ハッとしたエピソード、誰にも相談できないお悩みや、ママ友トラブルまで、さまざまな「困った」エピソードをぜひ教えてください。みなさんのリアルな体験談は、ほかのみなさんにとってとても参考になるものです。ご応募は以下の応募フォームよりお願いいたします!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月02日好きな彼と関係を深めたい!と思ったら褒め言葉を使用することが重要なカギとなります。単にいい感触を抱かせるだけではなく、彼があなたを異性として意識するきっかけにもなります。今回は、彼の心に響く、魔法のように効果的な3つの褒め言葉を紹介します。「誠実で頼りになるよね」「以前、同僚だった女性から『頼りになるよね』と言われた経験があります。それは、男性として評価された気がして、嬉しくなりました」(29歳/男性)彼が信頼されていると認識することで、その感情が恋愛のきっかけに変わる可能性があります。ですが、この言葉を使うにはタイミングが大切です。乱用すると逆効果になり、頼もしい存在であるよりむしろ、便利な存在だと思われるかもしれないので注意が必要です。「格好いい」「ストレートに『格好いい』と言われたとき、やっぱり嬉しくなるんです。それは自分自身への自信に繋がります」(31歳/男性)体型やファッション、筋肉といった見た目にこだわりのある男性にとっては特に、この言葉は非常に有効です。「あなたの○○が素敵」と具体的に言い換えると、嬉しさは倍増します。彼のスタイルのよさをぜひ見つけ、そのポイントを称賛すると、彼の心があなたへ引き寄せられるでしょう。「あなたとすごす時間、とっても楽しい」「彼女から『あなたといる時間が楽しい』って言われると嬉しいですね。さらに一緒にいる時間が楽しくなります」(26歳/男性)「あなたと一緒にいて楽しい」という気持ちを素直に伝えることで、あなた達の関係はさらに深まります。2人ですごしているときの楽しさを伝えることで、恋愛のチャンスがふえるかもしれませんよ。褒め言葉で彼の心をゲット!男性も女性も褒められることで自己認識が上がるもので、褒められた人に対して意識が向くものです。もし、彼が魅力的だと感じているのなら、その気持ちを思い切って伝えてみてはいかがでしょうか?間違いなく、彼の心を掴む一歩となるでしょう。(Grapps編集部)
2024年02月29日ユニバーサルデザインシャツを扱うThree Rivers(所在地:大阪市北区、代表:仲村 千絵)は、発達障害などの手先の細かい動きが苦手な児童向けに結びの基本が分かりやすいお弁当包み「包んで楽勝!」を考案し、2024年3月末頃に限定発売します。「包んで楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※写真はサンプルにつき、実際の商品とは異なる場合があります。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します。詳細ページ: 包んで楽勝!表側デザイン■お弁当包み ~結びの基本、視覚的に分かりやすくデザイン~発達障害など手先の細かい動きが苦手な児童にとって、布1枚で構成された正方形の布結びは困難であり、技術の習得は目標でもあります。そんな布結びの練習を日々の楽しい時間に取り入れたのが、「包んで楽勝!」です。お弁当を包めるサイズの正方形の布には、お弁当箱を置く位置が示されており、布を合わせる対角線が1対ずつ色分けされています。対角線を合わせて交差させた布は4色に色分けされている為見やすく、結びの基本が視覚的に分かりやすく示されています。■「包んで楽勝!」の使い方1. 正方形の1枚の布の中心に示された長方形部分にお弁当箱を置く2. 同色の直線で示された1対の対角線の布の両端を合わせる3. 合わせた両端を交差して結ぶ4. もう1対の対角線も同じようにして結ぶお弁当箱を黒色の四角部分に置いた状態動画の結び 完成写真 容器は約16cm×11cm×5cm■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。■商品概要商品名 : 包んで楽勝!サイズ : 約 縦48cm×横48cm素材 : 生地 綿100% リボン ナイロン100%発売日 : 2024年3月末頃販売場所: 楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」URL : ■会社概要商号 : Three Rivers代表者 : 代表 仲村 千絵所在地 : 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 : 2020年11月事業内容: ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日Three Riversは、発達障害などで手先が不器用な児童向けに、名札の付け外しが容易な留め具を開発しました。この新しい留め具「名札も楽勝!」は、安全ピンを使用せずに名札を取り付けることができるため、児童が自分で名札を管理することが可能になります。これにより、自立と自信の向上に寄与します。「名札も楽勝!」で名札を付けたポロシャツ■製品特長●安全性安全ピンを使わずに名札を付け外しできるため、児童が自分で簡単に扱えます。●使いやすさ服に縫い付けた小さな布製留め具に、名札の安全ピン部分を留め具のボタンに引っ掛けるだけで使用が可能です。●サイズの多様性障がいのある児童の保護者の会でのアンケートを基に、最も人気のある2種類のサイズを採用しました。ボタン2個スタイル■製品情報(予定)商品名 :名札も楽勝!種類 :ボタン1個スタイル、ボタン2個スタイルサイズ :留め具の台部分 2cm×4cm、ボタン 1.5cm、1.8cmカラー :ホワイト、ピンク、ブルーなど素材 :綿、ポリエステル/天然ゴム/ボタン…プラスチックなど発売日 :2024年3月末頃販売場所:楽天市場「ユニバーサルデザインシャツ012-GO」等注意事項:洗濯時、タンブラー乾燥禁止、アイロン禁止※写真は全てサンプルにつき、実際の商品とはデザイン、素材などが異なります。ボタン1個ブルー■会社情報商号 :Three Rivers代表者 :代表 仲村 千絵所在地 :〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル2階5-6設立 :2020年11月事業内容:ユニバーサルデザインシャツ等の企画販売URL :Three Rivers Website 「名札も楽勝!」についての詳細は、3月末頃に下記のショップでご覧いただけます。※販売前につき現在は商品ページがありません。新たな商品情報については、ホームページ、SNSなどでお知らせ致します楽天市場 : 楽勝ボタンシリーズ: ■社会貢献Three Riversは、障がい者の方の工賃向上に賛同しています。障がい者の方の生活の向上のため、就労継続支援事業所への発注に力を入れています。【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Three Rivers お客様相談窓口TEL : 070-8329-3176MAIL: shop@rrrivers.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月29日発達障害の診断の流れとは?発達障害の診断は以下のような流れで行われます。1.診察、問診子どもの場合は、保護者に子どもの普段の様子、症状、困り事や、生育歴についての問診を行います。また、遊びの空間などで子どもを遊ばせるなどの行動観察も行われます。2.検査等必要に応じて知能検査、発達検査などの検査を行います。質問紙を用いた評価を行うこともあります。発達障害と似たような症状を引き起こす身体疾患が疑われる場合には、血液検査、聴力検査、脳波検査、頭部画像検査を行うこともあります。3.診断診察、問診、検査の結果を踏まえ、診断基準に沿って総合的に判断されます。発達障害の検査方法にはさまざまなものがあります。知能検査知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査です。主な知能検査法として以下のようなものがあります。・田中ビネー知能検査V・WPPSI-III知能検査・WISC-V知能診断検査・WAIS-IV知能検査・KABC-II参考:知能指数 / IQ(ちのうしすう)|e-ヘルスネット発達検査発達検査とは、子どもの認知面・言語面・運動面などの発達の度合いを調べる検査です。主な発達検査法として以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・遠城寺式乳幼児精神発達検査・津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法・日本版Bayley-III乳幼児発達検査・ASQ-3・KIDS乳幼児発達スケール・ブラゼルトン新生児行動評価法・日本版デンバー式発達スクリーニング検査質問紙等また、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・SDQ・CBCL・MSPA・Vineland-IIASD(自閉スペクトラム症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・M-CHAT・PARS-TR・自閉症スペクトラム指数(AQ)ADHD(注意欠如多動症)の評価には以下のような質問紙が用いられる場合もあります。・ADHD-RS・QCD子どもの知能検査・発達検査には主に「WISC-V」 、「田中ビネー知能検査V」、「新版K式発達検査」がよく使われます。このコラムでは、・発達障害の診断を受けるメリット、デメリットは?・療育や合理的配慮は診断がないと受けられない?・発達障害は何歳くらいから診断される?など、発達障害の診断についてのギモンを専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【医師回答】発達障害の診断を受けるメリットは?デメリットはあるの?合理的配慮や療育、診断される年齢などここからはさくらキッズくりにっく院長・小児科専門医の藤井明子先生に、発達障害の診断についての質問にお答えいただきます。Q:年中の子どもがいます。3歳児健診のときに「要観察」と言われましたが、抵抗感がありお医者さんにはかかっていません。最近幼稚園でトラブルなども増えてきて、受診を悩んでいますが発達障害があるか診断を受けるには何科にかかったらいいのでしょうか?診断を受けることのメリットやデメリットなども知りたいです。A:年中の4、5歳頃になると、集団生活での様子で気になることがでてきます。まずは、かかりつけの小児科の先生に相談してみましょう。発達障害かどうかは、一般の小児科で診てもらえる場合もありますが、難しい場合には発達外来をおこなっている小児科、療育センターなどで相談するとよいでしょう。診断を受けることで、お子さんの気になる行動の背景が分かり、対応の仕方を親御さんと園の先生の間で共有しやすくなります。また、学年が変わったり、転園したりと環境が変わったときにも、相談がしやすくなります。発達障害の症状は、環境によって変わってくることもあります。デメリットというほどではないかもしれませんが、あるときには診断がついたが、あるときにはそこまで強くないと言われたなど、発達障害があるのか否かを困惑される場合があります。発達障害の診断の有無だけでなく、今現在お子さんが落ち着いて過ごせているかどうかを同時にみてあげていくことがとても大切です。Upload By 発達障害のキホンQ:年長の子どもがいます。小学校での合理的配慮をお願いしたいのですが、診断がないと配慮してもらえないのでしょうか?A:診断がなくても合理的配慮はお願いできます。令和3年に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。小学校での合理的配慮の提供にあたっては、お子さん、親御さん、小学校との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要になります。たとえば、音楽の授業の音が気になるので、イヤーマフの装着を可能とするなどです。対応の仕方などは、お子さん一人ひとりによって違ってくるため、学校の先生との連携がとても大切になっていきます。参考:障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府Upload By 発達障害のキホンQ:2歳の子どもがいます。発達に遅れがあり療育に通いたいのですが診断がないと通えないのでしょうか。A:診断がなくても、発達の遅れに対して療育が必要という医師からの意見書があれば、児童発達支援施設に通うために必要な通所受給者証を取得でき、療育に通うことは可能です。発達の遅れについて、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:年少の子どもがいます。ADHD(注意欠如多動症)ではないかと思っているのですが、何歳くらいから診断されるのでしょうか?A:ADHD(注意欠如多動症)は、幼少期より寝つきがわるい、落ち着きがなく目が離せないなどの症状がありますが、診断されるのは年中以降であることが一般的です。多動、衝動性がなく、不注意のみの場合には、小学校での忘れ物・なくし物が目立つことで気づかれ、小学校入学以降に診断を受けます。ASD(自閉スペクトラム症)は、早いお子さんでは1歳半健診で言葉の遅れを指摘されることがあります。さらに、アイコンタクトがない、あやし笑いに反応しないなどコミュニケーションの遅れを認めた場合、1歳から診断されます。言葉の遅れは顕著ではないが、集団生活の苦手さ、興味の偏りが顕著といった症状から気づかれる場合には、園などの集団生活をおくる3歳から4歳以降より診断されます。SLD(限局性学習症)は、小学校入学後、一定の学習機会があるにもかかわらず、学習の定着が顕著に遅い場合に、検査などで診断されます。早い場合で小学1年の夏以降くらいで診断がされます。あくまで診断される年齢は一般的な目安ですので、お子さんの発達・知的能力によっても個人差があります。ご心配なことがあれば、この年齢に達してなくても、かかりつけ医に相談することをお勧めいたします。Upload By 発達障害のキホン(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月26日赤ちゃんの頃から少し変わった子タケルに発達障害の可能性があることは、以前から私にはぼんやりと分かっていました。なぜなら、私は学生の時に心理学を受講していたので、少しは知識があったからです。「妙に大人びた仕草をしたり、音にすごく敏感だったり、些細なことで激しく泣くところは高機能障害とか自閉症に似ているな。でも1歳前後で言葉も出ているし障害というほどではないのかな?」と思っていました。Upload By 寺島ヒロタケルは2000年生まれ。『発達障害者支援法』の公布は2004年です。「喋れる自閉症」、その後しばらく「アスペルガー症候群」と呼ばれる自閉症のことを、私はまだ知らなかったのです。(※アスペルガー症候群は当時の名称です。現在ではASDに統合されています)。参考:発達障害者支援法とは幼稚園で強くなった違和感3歳で幼稚園の年少組に入ると、タケルが周囲の子どもたちと異なる行動や反応を示すことが目につくようになりました。常にそわそわと体を動かし、一時もじっとしていません。ほかの子どもたちの近くにはいますが、一緒に遊ぶことはなく、砂場で山をつくる、ボールプールを必ず3回潜る、滑り台も必ず3回すべる……などの自分の決めたルーティンを黙々とこなしていました。Upload By 寺島ヒロ先生の指示も聞いていないことが多く、しばしば「おうちでちゃんと、しつけしていますか?」というような事を言われていました。しかし、タケルはおうちでは普通……いえ、むしろとても良い子なのです。タケル自身は幼稚園でもちゃんとやりたいし、やっているつもりなのに、なぜか周囲とずれてしまう、私からはそういう感じに見えました。「しつけとか指導とかそういうことではないのではないか?」という思いが、また頭をもたげてきました。しかし、行政や保健所の子育て相談などに相談しても、はっきりとした診断やサポートを受けるには至りませんでした。3歳児健診で心配なところを訴えるも……幼稚園に通い始めて数ヶ月しかたっていませんでしたが、明らかにほかの子どもたちと様子が違うと感じていた私は、生まれてからこれまでの事をできる限り振り返って、詳細なイラスト入りの育児日記を書いて持参し、3歳健健診に臨みました。しかし、「高機能障害か自閉症では?」と言う私の言葉を受けての検査は、簡単なIQテストと「クレーン現象」などの顕著な行動のチェックに留まり……結局「特に異常は見られない」ということになりました。担当の医師からも「自分のしつけがうまくいかないことを障害のせいにしてるのでは?親がちゃんと教えてあげれば大丈夫」と言われました。その言葉に少し安心もしましたが、同時に強い不安も感じました。タケルは記憶力が非常に良く、教えられたことは本当によく覚えているのです。私は、タケルが23歳になる今に至るまで、何かを二度教えたことはありません。幼稚園でも先生の言ったことを全部聞いていないのではなく、一対一で言われたことは覚えているし、内容も理解しているのです。親の私たちが教えていることが「十分ではない」と言われれば否定はできません。ですが、やはり「そういうことではないんではないか?」と思えました。そして「医師や子育ての専門家にも分からない事例だとしたら何なんだ?」と不安は深まるいっぽうでした。診断を受けるきっかけは2007年の発達相談その後、6歳で受けた就学時健康診断でも「問題なし」とされ、タケルは小学校では通常学級に通うことになりました。しかし、そわそわと動き回るのは相変わらずで、クラスメートとも一方的に自分の話したいことを話すばかりで親しくなれません。そのうえ、大きな音がしたり、教室移動で取り残されたりすると、どうしていいか分からなくなって学校を脱走して帰って来てしまうのです。学校の周りの道は車通りも多いので、私はとっても心配でした!Upload By 寺島ヒロ転機になったのは2007年の発達相談会です。2004年に公布された『発達障害者支援法』を根拠として、私たちの住んでいた地域でも新体制での発達相談会が始まりました。その発達相談会に参加した結果は、私が感じていた違和感を裏づけるものでした。タケルにはアスペルガー症候群(当時の名称。現在はASD(自閉スペクトラム障害)に統合)の傾向があることがその場で告げられ、療育センターにも繋いでもらうことができました。分かってもらえた!という喜びもしかしたら、子どもが発達障害だと言われると、つらい、悲しい、ショックだ……と感じられる親御さんも多いのかもしれません。しかし、私の場合は「やっと分かってもらえた!」「これで一歩解決に近づいた!」という喜びのほうが大きかったような気がします。当時は妹のいっちゃんも生まれたばかり。抱っこの嫌いないっちゃんをベビーカーに乗せて、いつ泣き叫び始めるかとヒヤヒヤしながら、学校から居なくなったタケルを探し回るのが日常だったのです。発達障害の診断を受けて、通級指導教室に通えるようになったタケルは、それ以降「脱走」しなくなりました。執筆/寺島ヒロ(監修:藤井先生より)貴重な経験のコラムをありがとうございます。「親がちゃんと教えれば大丈夫」と言われ少しの安心と、強い不安を感じられ、その後発達相談に行かれたのですね。言葉の遅れはなく、個別では落ち着いてるように見え、集団生活が苦手、コミュニケーションが苦手である場合、3歳健診ではお子さんの困りごとが見えにくい場合があります。就学前健診も問題なしでも、学校に入学後、集団生活が苦手、こだわりが強い、友達関係がうまくいかないなどあれば、専門機関に相談することをおすすめいたします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月26日放課後等デイサービスって何?わが家の長男は現在小学6年生。発達障害グレーゾーンで特別支援学級に通っています。私が放課後等デイサービス(以下、放課後等デイ)について初めて知ったのは長男が年長の時、当時通っていた療育センターでした。ある日、長男の担当のソーシャルワーカーさんが「お母さんはお仕事されていますよね。長男くんが小学校に入学したら学童保育を利用される予定ですか。ところで、放課後等デイってご存知ですか?放課後等デイは障害のある子どもが利用できる福祉サービスなんですよ。放課後の居場所としても利用できますよ。利用を希望される場合は、まずは受給者証を取得してくださいね」と教えてくれました。当時私は会社員だったので、長男が小学生になったら放課後の過ごし方をどうしようかと悩んでいました。「そんな福祉サービスがあったなんて知らなかった……。放課後等デイ、いいかもしれない!」と思い、さっそく放課後等デイ探しと受給者証の手続きを進めました。(ちなみに長男は発達障害グレーゾーンですが、受給者証の取得はできました。お住まいの市区町村によって異なるかもしれません)。Upload By 星河ばよ発達グレー長男の放課後デイ探し、わが家が決めたポイントはわが家が決めたポイントは以下の5つでした。1.学校から近いか(長男が一人で歩いて行ける距離か。道中危なくないか)2.土曜日も開室しているか(土日も仕事のため、せめて土曜日は開いていてほしい)3.夜は7時ごろまで開室しているか(残業になっても多少は大丈夫か)4.先生は厳しすぎないか(先生が厳しいと長男が行きたがらないだろうと思い、先生が子ども達にどんなふうに接しているのかなどを確認しました)5.長男が活動を楽しんでできそうか(交通安全や電話の取り方など、週ごとにテーマに沿ったトレーニング時間があるので気に入りました)長男が楽しんで通えそうかということと、私の仕事の都合を考えて決めました。夫は帰宅が遅く、仕事が休みの日にしかお迎えを頼めなかったためです。ちなみに、放課後等デイによっては送迎ありのところも少なくないようです。送迎ありだと保護者も何かと助かりますよね。探した結果、長男の学校の近辺にたまたま希望どおりの放課後等デイが見つかったので、ホッと胸をなでおろしました。Upload By 星河ばよ放課後等デイに通って6年、現在の長男は低学年の頃の長男は放課後等デイで過ごしている時は、たいていちょっと不機嫌でした。おそらく学校の後に行くため、疲れからくるものなんだろうと思います。長男は私が会社員を辞める時まで毎日通い、私が家にいるようになってからは週1~2程度のペースで通っています。5、6年生になると学校では6時間授業が週4日あるので、平日は5時間授業の日だけ通っています。放課後等デイに親しい友だちがいるようで、行くと楽しそうです。長男が通っている施設の活動は、週ごとに決まったトレーニングのほかに、月に2~3回程度イベントがあります。遠足に行ったり、お菓子をつくったり、クリスマス会があったりと内容はバラエティ豊かだと思います。また、支援者の先生と親とで、年に1回ほど面談があります。そこで、1年間の子どもの発達について確認したり、悩んでいることや今後の進路などの相談に乗ってもらっています。長男にとっても親にとってもとても有難い存在の放課後等デイ。しかしそんな放課後等デイで長男は大きなトラブルを1度だけ起こしたことがありました。それはまた別の機会にお話しできたらと思います。Upload By 星河ばよ学校外にも頼れる先生がいる心強さ放課後等デイには以前まで小学校の先生だった人や、先生を目指している人など、いろんな先生がいらっしゃいます。私としても、長男のことで悩んだ時に相談できる先生が学校以外にもいて、とても心強いです。療育センターで教わらなかったらずっと知らなかったかもしれません。放課後等デイの先生方には、いつも感謝しています。執筆/星河ばよ(監修:初川先生より)放課後等デイを知ったきっかけ、選び方、長く利用してみての思いのシェアをありがとうございます。放課後等デイはさまざま特色ある活動をするところ、療育的な要素の強いところなど事業所によって違います。対象としているお子さんも障害の重いお子さんから通常学級で過ごす子が多く通うところまでさまざまあります。まずは受給者証を申請する際に地域の情報をうかがったり、先輩保護者さんから聞いてみたりなど情報収集から始まると思います。また、地域によってはどこも定員いっぱいであるところもあるのではと思います。ばよさんが書かれていた通り、放課後の時間帯は、お子さんたちは疲れているので学校とはまた違う様子を見せることも多いです。職員の方は地域の福祉や同じような障害種の方のその後の進路などについて経験知・実践知をお持ちの方もいらしたりします。学校とは別にお子さんについてよく見てくださり相談できる相手ができるという意味でも心強いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月25日ADHD(注意欠如多動症)とは?ADHDは注意欠如多動症とも呼ばれていて、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性によって日常生活や園での活動などに困難が生じる発達障害の一つです。不注意では「人の話を最後まで聞けない」「一つの作業に集中し続けることが難しい」、多動性では「落ち着きがなく常に動いている」「席にじっと座っていることが難しい」、衝動性では「おしゃべりが止まらない」「思いついたことをすぐ実行する」などの特性があります。特性の表れ方は人によって異なっており、不注意が表れやすいタイプ、多動性と衝動性が表れやすいタイプ、不注意と多動性、衝動性が混在しているタイプと主に3つに分けられています。ADHD(注意欠如多動症)の診断は上記のような特性が6ヶ月以上、家庭と園など複数の場所でみられ、実際に困り事が発生していることなどが条件となっています。また、特性が12歳未満で表れていることも診断の条件となっています。しかし、4歳、5歳頃の子どもにとって、集中が途切れたり、思いつきで行動したりするなどはよくあることで、この頃に診断することは難しく、小学生以降に診断を受けることが多いと言われています。ADHD(注意欠如多動症)の原因はまだ明確になっていませんが、遺伝は要因の一つだと考えられています。また、脳内の神経伝達物質の異常、低出生体重、頭部の怪我、脳の感染症なども要因としてあげられています。それらの要因が複雑に関係し、相互に影響し合うことで、ADHD(注意欠如多動症)の発症リスクが高まると言われています。ADHD(注意欠如多動症)は脳機能の偏りによるもので、治るというものではありません。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の特性と周りの環境をうまく合わせていく環境調整を行って、園などで困り事が軽減するような対策をしていくことになります。また、服薬によって特性の表れ方を和らげる方法もあります。低年齢の子どもの場合、主なADHD薬のなかで処方できるものはありません。今後の服薬については主治医と相談して対応を決めていきましょう。参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版4歳、5歳児頃から表れるADHDの特徴とは?多動?落ち着きがないだけ?気になるサイン4歳、5歳の子どもは、保育園や幼稚園の年中や年長にあたり、友達との会話を楽しんだり、ルールを決めた中で遊んだりとできることも増えてくる時期です。そのため、ADHD(注意欠如多動症)の子どもは園での活動や友達との関係で困り事が生じる傾向がみられるようです。ここでは特性ごとによくみられる特徴を紹介します。不注意・保育士が話していることを最後まで聞けない・遊んでいる最中にほかのことに気を取られることが多い・保育士から指示された課題を最後まで続けることができない・よく物をなくしたり、忘れたりする・集中力が必要なことを嫌がる多動・衝動性・落ち着きなくそわそわ動いたり、身をよじったりしている・席に座る場面でじっと座っていることができない・話を聞く場面で走り回ったり、おしゃべりをしたりする・保育士の話をさえぎってしゃべりだす・ほかの子どもが何かしようとするのを遮る・ほかの子どもが使っているおもちゃを横から取ってしまう・順番を待つことができずに割り込む・保育士の指示は聞いていても自分のしたいことを優先するただし、4歳、5歳頃にはこのような行動が多くみられるため、ADHD(注意欠如多動症)かどうかを判断するのは難しく、診断自体は7歳頃に受けることが多いと言われています。参考:第2章(子どもの発達)に盛り込むことが考えられる事項(たたき台案)|厚生労働省参考:注意欠如・多動症(ADHD)|MSDマニュアル家庭版参考:注意欠如・多動症(ADD,ADHD)|MSDマニュアルプロフェッショナル版もし子どもが友達との関係や課題への取り組みなどで園でトラブルを起こした際は、どのように対応するといいか紹介します。対応方法としては、環境調整、声かけの工夫、生活の安定などがあります。環境調整子どもの特性を考慮して困り事が生じないように周りの環境を調整していく方法のことです。例えば、気になるものがあると課題に集中できない子どもには、席を一番前にしたり、パーテーションをつけたりして、視界に入る情報を減らすといった方法があります。ほかにも、じっと座っていることが苦手な子どもには、動いていい時間と静かに座っている時間を明確に分けることでメリハリをつけて実行しやすくする方法もあります。また、子どもの安全を考えて急に走り出しても危険がないように、ぶつかると危ないものをあらかじめ撤去しておくことも環境調整の一つです。声かけの工夫できたことをほめて好ましい行動を増やしていく方法のことです。順番を待つことができたら「待ててえらいね」「最後までよくがんばったね」などと、具体的にできたことをほめていくことで、子どもが次からもその行動をする動機をつくっていきます。また、「ちゃんとしなさい」という漠然とした表現でなく、「背中を椅子につけて座る」といった具体的に分かりやすい表現で伝えることも大切です。生活の安定ADHD(注意欠如多動症)の子どもは生活習慣が乱れやすいため、1日のスケジュールを決めて行動するようにすると生活が安定し、そのことが心身の安定にもつながると言われています。スケジュールを決める際には子どもの意見も考慮することや、イラストなど視覚的に分かりやすい方法で伝えていくと取り組みやすくなります。また、園と家庭の情報共有も重要です。家庭で実行して、子どもが落ち着いたり集中できたりしたことを園に伝えることで、園でも同様の対応をしていくことができます。その逆に園で効果があったことを家庭に共有していくことも可能で、情報共有することで子どもに対する効果的な対応を増やしていくことができます。そのほかの対応として、ペアレント・トレーニングの一つである「親子相互交流療法(PCIT)」などもあります。PCITは1970年代にアメリカで考案されたプログラムで、子どもと保護者の絆を強め、より良い行動につなげていくというものです。一部の医療機関などで実施しているので、気になる方はご確認ください。参考:PCITJAPANADHD(注意欠如多動症)の子どもの行動に焦点をあて、その特徴を理解し、それに対して効果的な対処法を親が学ぶペアレントトレーニングは、ADHD(注意欠如多動症)の治療法として認識されています。肯定的な注目などのスキルを親が手にし、親の行動のあり方を変えることにより、ADHD(注意欠如多動症)を持つ子どもとの関係性が改善し、良い親子関係へと転換していきます。服薬ADHD(注意欠如多動症)は服薬によって特性を和らげる方法もあります。よく使用される薬としてはコンサータやストラテラ、インチュニブ、ビバンセなどがありますが、これらは6歳以上に処方される薬のため、4歳、5歳の子どもには用いられません。詳しいことは主治医とご相談ください。4歳、5歳児に表れることの多いADHDの特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにADHD(注意欠如多動症)と診断されるわけではありません。子どもの発達が気になったらどこに相談すればいい?子どもにADHD(注意欠如多動症)の傾向がみられたり、園でトラブルがあったりして悩んでいる場合は、専門の機関に相談する方法もあります。相談することで心が楽になったり、対応方法が分かったり、状況を踏まえてほかの支援機関を紹介してもらえたりとさまざまな利点があります。子どもに関して相談できる場所として以下のような機関があげられます。保健所・市区町村保健センター保健所や保健センターは地域の保健衛生に関する専門機関です。子どもの障害についても相談することが可能で、保健師などの専門家による相談対応や医療機関、支援機関の紹介などを行っています。かかりつけの小児科小児科医は診察などをするだけでなく、子どもの発達に関して相談することもできます。これまでの子どもの様子も知っているため、状況に応じてほかの医療機関の紹介などをしてもらえます。児童発達支援センター障害のある子どもへ、日常生活や集団生活に必要なスキルなどを習得するための支援を行っている専門機関です。児童発達支援センターでは支援のほかにも子どもの発達に関する相談も受けつけています。発達障害者支援センターADHD(注意欠如多動症)などの発達障害のある方本人や家族を対象に、幅広い支援を行っている専門機関です。状況に合わせたアドバイスをもらえるほか、医療機関や支援機関の紹介も行っています。また、診断を受けていなくても相談可能です。就学相談今後就学に不安がある方は、「就学相談」を受けることもできます。就学相談とは障害や発達が気になる子どもにどのような進学先が合っているかを、専門家と保護者で相談しながら決めていくことです。就学相談を受けるにはお住まいの地区の教育委員会に申し込む必要があります。気になる方は一度問い合わせてみるといいでしょう。参考:困ったときの相談先|厚生労働省まとめADHD(注意欠如多動症)は不注意、多動性、衝動性という特性のある発達障害のことで、4歳、5歳頃だと「席に座っていられない」「落ち着きがなく常に動いている」「ほかの子のおもちゃを取ってしまう」などが困り事としてよくみられます。ただ、上記のような行動はこの年頃の子どもにはよくみられるので、判断がつかずに悩んでいる保護者の方もいると思います。気になる様子があったら、園と連携して環境を調整していくことや、子どもとの関わりを工夫していくことが大事です。また抱え込んでしまうのではなく、身近な専門機関に相談することも検討してみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月24日なぜ指しゃぶりをするの?いつから始まる?子どもの発達について解説指しゃぶりは実は胎児の頃から始まっています。その後も乳幼児期にかけて多くの子どもに見られますが、成長と共に次第に減っていき、小学校に入る前にはほぼ見られなくなるといわれています。指しゃぶりをする理由や頻度は年齢によって異なります。胎児期:胎児の指しゃぶりは生まれたあとに母乳を飲むための練習としての役割を持っているといわれています。乳児期:生後2~4ヶ月は口の近くに来た指を無意識に吸っています。生後5ヶ月頃になると物の形状や味、感触などを口に入れることで学習していると考えられています。幼児期前半(1~2歳):手指の発達が進み、積み木やぬいぐるみなどで遊ぶことが増えると昼間の指しゃぶりは減り、退屈なときや眠いときなどに見られるようになります。幼児期後半(3歳~就学前まで):子どもの世界が広がり、外で友達と遊ぶようになるとますます指しゃぶりは減っていきます。学童期:基本的に指しゃぶりはなくなります。参考:小児科と小児歯科の保健検討委員会著「指しゃぶりについての考え方」小児保健研究 第65巻(2006)第3号P.513~515指しゃぶりをやめないのはストレスや愛情不足?いつまでにやめる?悪影響はある?具体な対応方法を解説指しゃぶりは子どもの生理的な行動で、成長と共に自然と減少していくものです。しかし、年齢に対して頻繁に指しゃぶりが見られると、心配な保護者の方もいらっしゃるかと思います。「愛情不足だと指しゃぶりが増える」と聞いたことがあるかもしれません。指しゃぶりは、子どもが心細いときや不安を感じているときなどに、気持ちを落ち着けるために行うことがあると考えられています。しかし、子どもが不安などを感じるのは自然なことなので、それだけで愛情不足といえるわけではありません。指しゃぶりが気になる場合、大人が無理にやめさせようとすると、子どもの不安な気持ちを高めてしまうこともあり得ます。そのため、子どもと一緒におもちゃを使って遊ぶなど、指しゃぶりをしなくてもいい状況をつくる工夫をしていきましょう。ほかにも、外でたくさん遊んでエネルギーを発散させるなど、生活環境の変化で改善する場合もあります。一時的に指しゃぶりが減っていても、子どもの不安が高まったタイミングで再開することも考えられます。そういった場合、例えば寝るときには手を握りながら声をかける、寝つくまで寄り添う、お気に入りのぬいぐるみと一緒に寝るなど、指しゃぶりをしなくても安心できる工夫をしていきましょう。また、「指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる」と聞いたことがあるかもしれません。指に吸いだこができてしまうほどの強い指しゃぶりや、長期間の指しゃぶりが続いていると、前歯が突出したり隙間が空いたりなど歯並びへの悪影響が懸念されます。歯並びが悪くなると、さらにさまざまな影響が出る可能性があります。前歯が出ていることで口が閉じづらくなると、口呼吸が多くなりがちになります。その結果、口腔内が乾燥しやすくなり、虫歯や口臭の原因にもなります。また、言葉の発音がうまくできなくなる可能性も指摘されています。目安として4歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合は、かかりつけの小児科医や歯科医、臨床心理士などに相談してみましょう。参考:小児科と小児歯科の保健検討委員会著「指しゃぶりについての考え方」小児保健研究 第65巻(2006)第3号p.513~515指しゃぶりは発達障害や発達の特性と関係がある?指しゃぶり自体は多くの子どもに見られる行動ですが、発達障害や発達に特性がある子どもの場合は、自己刺激行動の一つとして行うことがあると考えられています。自己刺激行動とは、自分自身に刺激を与える行動のことで、自分の身体や物をたたく、ひもなどをぐるぐる回す、同じ場所を走り回るなどがあり、指しゃぶりもその一つである可能性があります。自己刺激行動が起きる原因として、覚醒状態の維持や急な感情への対応、手持ちぶさたの解消などが考えられています。また、五感から受ける刺激を過剰に感じる「感覚過敏」、反対に刺激を感じづらい「感覚鈍麻(どんま)」といった特性が背景にある場合もあるといわれています。指しゃぶりがあるだけでは、発達に特性があると判断はできませんが、ほかにも心配なことがある場合は、子どもの発達に関する機関に相談してみるといいでしょう。参考になるアドバイスや支援を得られるかもしれません。身近な相談先として、かかりつけの小児科発達障害者支援センター児童相談所児童発達支援センターなどがあります。相談しやすい場所に問い合わせてみるといいでしょう。参考:青木康彦、野呂文行著「ASD児における自己刺激行動と同様の感覚を産出する玩具の好みと強化価に関する検討」『行動分析学研究』35巻 (2020) 1 号p.11-20指しゃぶりの原因や年齢の目安を知り、家庭での関わり方を工夫…それでもやめられないときは専門家へ相談を指しゃぶりは胎児の頃から始まる生理的な行動で、成長と共に減っていき小学校に入る前にはなくなることが多いといわれています。4歳以降も指しゃぶりが持続する場合には、子どもが不安になりがちだったり、遊ぶ時間が少なく退屈しがちだったりと、子どもの精神状態や生活環境が影響している可能性も考えられます。指しゃぶりが気になるときは無理にやめさせるのではなく、手を使った遊びを一緒にしたり、寝るときに手を握ったりと工夫していくといいでしょう。また、発達障害や発達に特性があると、自己刺激行動として指しゃぶりをしている可能性があります。指しゃぶりの強さや期間などによっては、歯並びに悪影響が出ることも懸念されます。家庭で工夫してもなかなかやめられない場合には、専門機関に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年02月16日幼稚園入園と同時に表れてきた息子の困り年少の4月から幼稚園に入園した息子。まず先立って心配だったのがトイレのこと。トイレトレーニングがなかなかうまくいかず、難航していた息子。なんとか入園式の5日前にトイレで排尿ができるようになり、入園式には布パンツで行けました。しかし心配事はほかにも……。まず息子は幼稚園のエントランスにある掲示物が気になって、登園してもなかなか上履きに履き替えられませんでした。息子の幼稚園にはさまざまなポスターや、かわいらしい壁面飾り、ときには天井にぶら下がるような飾りも掲示してあります。息子は朝登園するたびにそれらに釘付けになり、なかなか上履きに履き替えられませんでした。Upload By ネコ山息子の幼稚園は通園バスで登園するのではなく、毎朝幼稚園のエントランスまで保護者が送っていきます。年少の靴箱の前で私は何度も外靴を脱ぐように促すのですが、息子の耳には入っていないようす。息子に触れながら話しかけたり、大きめの声で声かけしたりしましたが掲示物に見入っている息子は「今それどころじゃないんですけど?」のような表情で掲示物に見入り、取り合ってはくれません。最終的には先生と一緒に靴の履き替えを促したり、そばにいたお友達と一緒に行こうと声かけするなどをして、毎朝なんとか年少の部屋まで送り出していました。Upload By ネコ山壁面飾りや掲示物に夢中で……というと、3歳児のあるあるエピソードのように感じますが、毎朝毎朝幼稚園に行くたびに上履きに履き替えるというただそれだけのことに、親としてこんなにも労力がいるとは思ってもいませんでした。幸い息子は入園当時、行きしぶったり母親である私と離れることを不安がったりするタイプではありませんでした。行きしぶりや母子分離不安ならまだ理解がしやすいのですが、ただ上履きを履き替えるだけのことでこんなにも手こずるとは思ってもみませんでした。結局、年少の1年間は毎朝、上履きに履き替えることに時間がかかっていました。また「今日は幼稚園で何したの?」と聞いても、私が聞きたいような「お砂場した」や「ねんどした」などの活動内容を答えてはくれず、いつも「おにくたべた」とお昼ごはんのメニューを答える息子。息子は幼稚園でやっていけているのだろうか……不安がつのっていきました。幼稚園、最初の個人面談では入園して3ヶ月後に、担任の先生と初めての個人面談がありました。息子は幼稚園でやっていけているのか……不安な気持ちの中、思い切って息子の幼稚園での様子を聞いてみました。すると、お友達の名前をすぐに覚える、お友達の名前を呼んでコミュニケーションをとっている、絵が上手で同級生はまだ顔だけか頭足人を描くことが多いけど息子は胴体がある絵を描くことができている、など予想以上に担任の先生は息子のことを褒めてくれました。Upload By ネコ山担任の先生が息子のいいところを見つけてくれていることに、ひと安心しました。しかし、毎朝上履きの履き替えがスムーズにいかないこと、また、1歳の頃から多動でその印象が強いことから集団生活でやっていけているのか、私は不安が拭えていませんでした。思い切って「発達的にはどうですか?」とうかがうと「朝の登園の様子なども、3歳児という幼さからなのか、発達によるものなのかまだ分からない」とのこと。続けて「気になるようだったら発達センターを紹介しますが、まずは3歳児健診を受けてみてもいいかもしれません」と、『受診目安は3歳半過ぎてから』と(私の住む自治体では)なっている、まだ受けていなかった3歳児健診を奨められました。何も指摘されなかった3歳児健診。しかし幼稚園では……幼稚園の個人面談から2ヶ月後、3歳児健診を受けました。1歳半健診では「様子見」と言われた息子。今日こそ、息子の発達について指摘される……。問診票には、発達障害のスクーニングと思われるような内容もあり、息子は多くの項目に当てはまっていました。医師の診察・問診では、イスに1人で座って問診を受け答えする息子。問診票を提出しましたが、息子は発達について何も指摘されずに3歳児健診が終わりました。確かにイスに一人で座って、先生とも受け答えできていたので、問題ないとの判断だったのでしょうか……。担任の先生のその旨を伝えると、少し驚いた表情をしたような気がしますが、それ以上は何も言われせんでした。私は絶対に発達について指摘されると思っていたので、医師にそれを全く触れられないことに意表を突かれ、むしろ自分が『息子は発達障害』だと思い込んでいただけなのでは……? ホッとすると同時にうれしささえ感じていました。しかし、夏休みが終わり2学期に入ると、息子は日に日に幼稚園での癇癪が激しくなっていきました。「やっぱり発達障害があるのかな……」と、私は再び不安になっていくのでした。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)掲示物に目を奪われて没頭してしまうというのは、自閉スペクトラム症の特性のあるお子さんでしばしばみられることですね。ですが、今回のエピソードをうかがうと、朝の登園の時にそれが顕著に目立ったということからは、おそらく視覚刺激に没頭しやすいという特性がある上に、入園して慣れない集団生活の場にこれから入っていくという朝の園のエントランスで、掲示物に没頭することで、ある種の現実逃避というか、尻込みする気持ちの表れともいえるのかもしれないと思いました。「行きしぶり」というような分かりやすく「行きたくない」と伝えるのではなくても、家を出るときにこだわりが発揮されて時間がかかる、登園の道のりで何かに没頭してしまう、今回のように保護者との別れ際でフリーズしてしまうというようなエピソードの多くは、本人なりの集団生活への不安や抵抗感が反映されていることも多いです。とはいえ、健診の場ではそうした些細な本人の特性ある行動は気付いてもらえないことも多く、保護者としては振り回されたりやきもきすることも多いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月16日勉強は自己流、成績が伸びず志望校を変更息子は現在高校1年生。小学校1年生でASD(自閉スペクトラム症)、中学1年生でLD・SLD(限局性学習症)と診断を受けました。また、聴覚過敏もあり、小中学校は特別支援学級に所属していました。中学3年生だった一年前、私たちは進学について悩んでいました。息子は全日制の普通科高校を志望していたのですが、勉強は自己流。主に学校から配布された参考書や補助教材の問題集に取り組んでいました。ただし、好きな教科しか勉強せず、嫌いな教科は一切手をつけません……。当然成績は思うように伸びませんでした。そんな中、高校の体験入学をした息子は、自分をいじめていた同級生が同じ学校を受けることを知りショックを受けていました。また、中学校とは異なり、全日制の高校には特別支援学級がありません。クラスの人数も多い全日制の学校で息子は「自分はやっていけるのだろうか?」と心配になり、学級担任の先生に相談、志望を通信制の高校へ変更しました。私は最初から息子には通信制が合っていると思っていたので、「息子にとってもあっていると思うよ!」と賛成しました。ですが、通信制の高校に決めた途端、息子はすべての勉強を辞め、ゲーム漬けになってしまったのです。Upload By ユーザー体験談受験勉強をしない息子。試験本番は人の多さに面を食らい……Upload By ユーザー体験談勉強をしなくなってしまった息子。あまり勉強をと急かすのも良くないなと思い見守りました(「やろとしていたのに、やる気がなくなった!」など言われないように……)。幸いにも、中学校では通信制高校のテスト傾向を把握しており、授業中に試験対策をしてくれました。苦手な作文には苦労していたようで、私は大丈夫なのかとハラハラ……。そして受験当日、息子はそんなに緊張はしていない様子でしたが、会場に着くと受験生とその保護者の多さに面食らっている様子でした。私は校舎に入る息子を見送り(どうか緊張せず実力を出せますように……!)と祈ることしかできませんでした。通信制高校へ合格!「選んで良かった!」というサポートが行き届いた学校生活息子は無事、第一志望の通信制高校に合格しました!息子が入学した通信制の高校はコース選択があり、週に3日スクーリングがあるコースを選びました。スクーリング中にレポートを書くことができるので出し忘れが減らせること、全く外出せずひきこもりになってしまっても……と思い選択しました。通信制の高校は、発達障害のある子どもが多いのかとてもサポートが行き届いていて「この学校に進学できて良かった!」と息子本人も言っています。「分からない事はそのままにせず聞いてね」、「困っている事はない?」などと声かけしてくれたり、レポート提出がされていないと、必ず知らせてくれます。先生方は、適度な距離感を保ちながら、クラス全体を観てくれているようです。クラスは20人ほどで、にぎやかすぎず、静かすぎずでちょうど良く、クラスメイトとはレポートについて教えあったりすることもあるそう。生活リズムは、小中学校の時より少しだけ遅寝遅起きにはなっていますが、お友達と出掛ける約束や、大好きなゲームの話などについて、SNSや電話でやり取りしているようです。友達はたびたび遊びに誘ってくれます。ですが「〇〇に行きたい」と行きたい場所の希望は伝えてくるものの、段取りをつけるのが苦手だそうで、息子が電車の時刻表を見て「何時にどこで待ち合わせをする」といった調整役をしています。そのおかげか、最近では先々の見通しを立てられるようになりました。Upload By ユーザー体験談基本、放任主義の私ですが、夕飯時に息子から学校の事を話してくれる事が小中学校の頃よりも格段に増えました。高校が居心地の良い場所になっているようでうれしいです。高校生になって急成長!社会性が身につきぐんぐん成長していますまた、高校生になって大きく成長したと感じるのは、社会性が身についたことです。今までなら絶対にやろうとしなかったボランティア活動などにも参加するようになりました。先生が誘ってくれて、入る前に見通しが立つよう事前に説明をしてくれたそうです。何をやるのかの見通しが分かったので、抵抗感なく参加できるようになったと言っていました。いままで参加しなかったのは、やりたくないのではなく、どうすればいいかわからず不安だからできなかったのですね……。それに気づいてサポートし、息子のできることを伸ばしてくださる先生方には感謝しかありません。また現在は、発達障害のあるお子さん向けの寺子屋的な教室でアルバイトをしています。以前はそちらにお世話になっていたのですが、今度は教える側になったことは、親としてもとても感慨深いです。生徒たちは、各々が言いたい事、やりたい事をしたり、上手くできないと癇癪を起こしたりすることもあります。息子はそんな生徒たちを見て「まるで、小さい頃の自分を見ているようで。その気持ちすごく分かる!」と言っています。そして「お互いに譲らなきゃいけなかったり、相手の話も聞いてあげなきゃ……ということも多いんだよね」と話す姿を見て相手の気持ちを考えることや、自分自身を客観視することなどができるようになってきたと感じています。Upload By ユーザー体験談息子は大学進学を希望しています。また進学先に迷うことがあると思いますが、社会性を身につけてきた今なら、高校受験の時より心配も少なくなるかなと思っています。どんどん成長していく息子がまぶしいです。これからも楽しい高校生活が送れますように。イラスト/ネコ山エピソード提供/しのっぺ(監修:鈴木先生より)今の日本の高校教育の中で神経発達症に一番理解のある学校は通信制と言っても過言ではないでしょう。私立でサポートが行き届いている学校もありますが、わずかしかないのが現状です。通信制の高校は身近にあって自由がきくので、神経発達症のお子さんには向いているようです。神経発達症のみならず、朝起きられず午前中調子の悪い症状のある起立性調節障害のお子さんにも向いているようです。一旦全日制の普通科高校に入学しても中退して通信制に転校したことで一日のリズムが整い、心身共にすっきりしたお子さんが多いと、日頃の外来で感じています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月14日息子にあった中学校をと考え、中高一貫校受験を決意現在13歳の息子は中高一貫校に通う中学2年生です。幼稚園年中の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。息子は加害や癇癪はほぼなく、おだやかでおっとりした性格をしています。小学校では通常学級に在籍していました。本人に障害告知はしていませんでしたが、学校へは診断を受けていることは伝えていました。物事の整理や片づけに時間がかかるタイプでしたので、その辺りの配慮はしていてもらえていたようです。地元の中学校は生徒数が多かったため、おっとりした息子の場合は少人数でじっくり見てくれる学校が良いのではと思ったのが、中学受験を考えたきっかけでした。志望校選びを間違えた?わが家の進路選択基準Upload By ユーザー体験談小学校4年生になって、中学受験をやっている学校が複数集まっている集団説明会などに行き、学校Aと学校Bの説明を聞きました。その流れで息子には「中学、高校は少人数でのんびり行ける学校が向いているんじゃないかと思ってるんだよ」と伝えたところ、息子はそんなものかといった様子で、すんなりと受け入れました。その後文化祭を見学したり、私と夫がこんな学校なんだよと説明したところ、少しずつ受験に乗り気になっていったようです。息子と一緒に2つの学校を比較し、B校を第一志望としました。B校を第一志望とした理由は、定員割れしていることもあり、より生徒が少なく先生の数が多いこと、また高校の各種設備が充実していること、説明会での生徒・先生の印象が良かったからです。しかし、このことを後々後悔することになるとは、その時思ってもいませんでした。勉強は、SST対応の発達支援塾と「親塾」でUpload By ユーザー体験談志望校は入学試験が難しいといわれるような学校ではありません。息子の生活環境をあまり変えたくなかったため、中学受験に特化した進学塾へは通わず、小2から通っているSST(ソーシャルスキルトレーニング)対応の発達支援塾で中学受験を意識したプログラムを組んでもらい、週末指導を受けました。一方平日は、父が理系、母が文系を教えて対応しました。ですが、親の指導でなんとかなるだろうと安易に考えたのは間違いだったと、今は反省しています。私が教えた国語でいうと、息子は文章を読みこなす力が弱く、長文読解では本文の内容や設問を最後までしっかり読むことがなかなかできませんでした。通信教育の教材を利用していましたが、息子にはレベルが高かったようで、理科や社会はそのまま使い、国語、算数はもう少しやさしい市販の問題集を利用しました。優しく教えようと思っても、私も夫も教師役となるとガミガミしてしまった面があります。息子は反抗するタイプではなく、親のガミガミを黙って「ハイ」と萎縮して受け入れてしまうタイプでした。そのために、どれだけ自己肯定感を低下させてしまったかと思うと……。叱咤激励は塾に任せ、親は家庭でフォローしたり、落ち着いて過ごせる環境づくりに徹すべきだったのではなかったかと反省しています。発達障害があると知ると態度が変わったB校息子は小学校の成績がよくないため、内申点が評価の対象となる自己推薦入試ではなく、当日の試験のみが評価される試験を受けるつもりでした。6年生の6月も学校説明会があり、そこで学校の職員の方と面接し、息子に発達障害があることも話しました。そうすると「4年生の時から進学を考えているくらいうちを志望してくれているなら、自己推薦入試がオススメですよ。ぜひ受けてみてはどうですか?」と勧められました。そして、自己推薦入試は12月行われるもので、前年度の自己推薦入試での不合格はゼロ人とのこと!それなら自己推薦入試で受けてみようと思いました。先生からは、11月の説明会で再度面接を受けてその時通知表を提出すれば、自己推薦入試の作文や面接課題を渡すといわれ、これで私たち夫婦はもう入学できたくらいの気分になってしまいました。ところが、11月の説明会の面接時のことです。学校行事と重なったため、私だけが通知表のコピーを持って伺いました。面接してくれたのは6月と同じ先生でしたが、その時の陽気な軽い感じの対応とは真逆の重い口ぶり……。そして、発達障害があることにより学校生活に送れるのか学校内で心配していること、12月に息子本人と話したうえで受験可能か最終的に判断したいと言われました。6月に話していた試験問題については、こちらが要求したので渋々渡してくれましたが、「これを渡したからと言って合格と思わないでほしい」「なんだったら受験しなくても」とまで言われたのです。呆然としてしまいました。Upload By ユーザー体験談その日の午後、通っていた発達支援塾の予定があったため、早速塾の先生方に相談しました。先生たちもさすがに学校の反応はおかしいと、前年入学したこの塾出身の生徒さんに様子を聞いてみてくれることになりました。そしてその夕方、先生から電話がありました。入学した生徒さんは、発達障害があること、服薬していることすべてを伝えて合格したこと。ただ、現在は素行不良のため退学ギリギリの状態となってしまっていること……。もしかすると、同じ塾からの志望者ということで警戒されたのでしょうか?今でも確かな理由は分かりません。今まで発達障害を理由になにかを断られたという経験がなく、この時は本当に衝撃を受け、混乱しました。そして12月、面接の日を迎えました。先生が直接息子に「この学校に入りたい?」と聞いたところ息子は「この学校に通いたい」とはっきり答えました。先生はそれならと受験を認めてくれましたが、再度「これで合格と思わないように」と念を押されました。息子はそのまま受験しましたが不合格。40人受けて2名不合格となったそうです。ご縁があったのは最初に説明会に行ったA校。そして、この学校の方が息子に合っていた!B校の11月の面接時の反応を受け、私たちは急遽別の学校も選択肢に入れることにしました。同じ地域、同じ程度の偏差値の2校から願書を取り寄せ、その2校を筆記試験で受験をしました。結果的に、そのうちの1校に合格しました。現在通っているこの学校は4年生の時に最初に学校見学会に参加したA校でした。説明会のときは生徒が参加しておらず学校生活をイメージしにくかったこと、小規模校で設備が弱かったこと、高校卒業後のイメージが違ったこと(国際教育や大学進学率を謳っている学校なのですが、わが家はそうした進路より、B校のように就職や専門学校の選択肢が多いことを望んでいました)ことから志望をやめていましたが、通うようになってこの学校で本当に良かったと心から思っています。息子は学校で友達もでき、部活にも楽しく参加しています。中学1年生のときはいじめに発展しそうなトラブルも何度かあったのですが、ありがたいことに息子を守りかばってくれる子、一緒に先生のところに相談に行ってくれる子など受け入れてくれる友達も多くいました。先生もすぐ対応してくださり、息子はダメージを受けていないようなのでホッとしています。現在学校からの具体的な配慮はありませんが、現在の担任は息子の特性を理解して声かけなどしてくれているようです。「夏ぐらいになったら息子くんのことがだんだん分かってきました。早めに声かけしています」とおっしゃっていました。Upload By ユーザー体験談今通っているA校はB校よりも高校になると偏差値が高く、英語にも力を入れています。また、漢検・数検なども全員受験で成績に反映されるなど、公立とかなりカリキュラムが異なるように思えます。ですが、いわゆる進学校ではないため、高校生でも受験一色にはならず学校生活を謳歌できると卒業生が言っていました。1点心配なことは、素行不良への対応が厳しいことです。中学1年生の時には、素行不良によって退学した同級生が1名いました。息子はおとなしく、トラブルを起こしたりすることは今のところありません。ですが、何かあったときは容赦なく退学となることに、私立の厳しさも感じてしまいます。息子は現時点で反抗期もなく、先生にもかわいがってもらっています。このまま優しい子に育っていってほしいです。そして、親がいなくなっても自活できるようになってくれればと思っています。イラスト/SAKURAエピソード提供/りぃ(監修:森先生より)本当に良くないことですが、発達障害に偏見がある人は一定数います。教育現場にもそのような人がいることは残念でなりませんね。ただ、そのような環境であることが入学前に分かって、本当によかったとも考えられます。保護者の方がお子さんの特性を理解して、学校にも事前にしっかりと相談していたからこそ、発達障害に理解のない環境で多感な6年間を過ごすことを防げたのですね。志望校を急遽変更することになったからといって、それまで時間をムダにしたなんて思う必要はありません。そこまでの行動があったからこそ、変更の必要があると分かったからです。「予想外の展開があれば、臨機応変に別の選択肢を探す」お子さんにこの姿勢を見せることが最大の教育であり、自活への道ではないでしょうか。2024年4月から施行される「障害者差別解消法」改正により、一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が行政だけでなく事業者にも義務化され、私立学校も対象となります。「教育内容・方法」「支援体制」「施設・整備」という3つの観点に留意して、合理的配慮を進めていくことがより強く求められています。入試や学校生活に際しても、適切な合理的配慮がされることを願います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月12日