松谷化学工業はこのほど、名城大学薬学部らとの共同研究において、希少糖の一種「プシコース」に抗肥満作用があることを明らかにした。同研究は、名城大学薬学部、名古屋第一赤十字病院内分泌内科、自治医科大学生理学講座統合生理学部門、香川大学医学部と同社研究所の希少糖(レアシュガー)研究チームと共同で行った。高ショ糖・高脂肪食の負荷マウスを用いて、希少糖「D-プシコース」の抗肥満作用について検討した。希少糖とは、自然界に微量にしかない希少な単糖およびその誘導体のこと。今回の研究で用いた「D-プシコース」も希少糖の一種である。プシコースには、肝臓内で糖の代謝を高める酵素「肝グルコキナーゼ」の核外移行を促進し、グリコーゲン量の増加を起こす作用があることがわかっている。研究では雄性マウスに、高ショ糖・高脂肪食を投与した。マウスを2群に分け、一方には5% D-プシコース溶液を与え、対照群としてのもう一方には水を投与。8週間の研究期間中、5% D-プシコース溶液、水は自由飲水下で投与した。期間中は体重増加や飲水量、摂食量を記録。摂取期間終了時に、尾静脈血糖値およびインスリン濃度、内臓脂肪量を測定したところ、D-プシコース投与により体重増加が抑制されていたことが認められたという。また、D-プシコース投与群では、血糖値、インスリン濃度および内臓脂肪量の低下が確認できた。この結果、D-プシコースは肥満を助長することなく、耐糖能および内臓脂肪蓄積を改善する作用があることが明らかとなった。同研究の結果は、5月23日に山口県下関市で開催する「第2回肝臓と糖尿病・代謝研究会」のポスターセッションで発表する。
2015年05月21日京都大学は5月8日、食事性肥満の鍵となる分泌性因子を同定したと発表した。同成果は伊藤信行 薬学研究科教授(現名誉教授)、木村郁夫 同研究科客員准教授(現東京農工大学テニュアトラック准教授)、太田紘也 同研究科特定研究員(現神戸薬科大学研究員)らの研究グループと、中尾一和 医学研究科メディカルイノベーションセンター特任教授、伏木亨 農学研究科教授、小西守周 神戸薬科大学教授らの共同研究によるもので、英科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された。分泌性因子は細胞間や組織間の情報伝達に重要な物質で、生物の恒常性維持に不可欠とされる。白色脂肪組織由来の分泌性因子レプチンは肥満の発症に関わることが知られるなど、肥満の発症に関わる分泌性因子は、抗肥満薬開発の標的として注目されている。今回の研究では、新たに発見した分泌性因子の1つであるneudesinに着目し、その役割を調べるためにneudesin遺伝子を欠損させたマウス(ノックアウトマウス)を作成し、解析を行った。その結果、ノックアウトマウスは高脂肪食を与えても極めて太りにくく、肥満に伴って発生するインスリンが効きにくくなる状態や脂肪肝の発症にも耐性を示した。これは、交換神経が活性化したことで、エネルギーを貯める白色脂肪組織で脂肪分解が亢進し、エネルギーを消費する褐色脂肪組織でも熱産生や脂肪酸酸化が高まり、エネルギー消費が向上したためだとわかった。研究グループは「今回の成果を通じて、同因子を抗肥満薬創出の標的として利用する上での基盤となる知見が得られることが期待される」とした。
2015年05月11日熊本大学は4月30日、乳がん細胞がホルモン療法に対し耐性化する仕組みを明らかにしたと発表した。同成果は熊本大学発生医学研究所細胞医学分野の斉藤典子 准教授、中尾光善 教授らと、同大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野の冨田さおり 医師、岩瀬弘敬 教授、九州大学医学研究院の大川恭行 准教授らの共同研究によるもの。4月29日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載された。乳がん治療では、エストロゲンという女性ホルモンとその受容体の働きを阻害する薬剤が使用される。しかし、この治療を長期にわたり受けていると、がん細胞が薬剤に耐性をもって再発する可能性がある。再発したがんは周りの組織に広がっていったり、リンパ節に転移するなど難治性となってしまう。研究グループはエストロゲン受容体を作る遺伝子で、活性化すると乳がん細胞の中でエストロゲン受容体が過剰に働くようになることで知られるESR1に注目し、ホルモン療法が効きにくい状態におけるESR1遺伝子の変化を調査した。その結果、難治性の乳がん細胞ではエストロゲン受容体およびESR1メッセンジャーRNA の量が数倍に増加していた。また、核内のESR1遺伝子の近くに非コードRNAの大きな塊ができていることも判明。エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞では、ESR1遺伝子の近くに多量の非コードRNAが蓄積していると考えられた。この非コードRNAを調べたところ、難治性細胞においてESR1遺伝子の働きを高く維持していることがわかった。これらの研究結果から、エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞は、ホルモン療法によってエストロゲンを長期に枯渇すると、ゲノム中のESR1遺伝子とその周囲の部分から非コードRNAが誘導されて、エストロゲン受容体を多量につくるように変わることで、ホルモン療法に対して耐性化すると結論づけられた。なお、研究グループはポリフェノールの一種であるレスべラトロールが、その非コードRNAとESR1遺伝子の高発現を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制することを突き止めており、今後新しい乳がん治療の開発につながることが期待される。
2015年04月30日「マイクロダイエット」を展開するサニーヘルスは、ダイエット情報発信サイト「microdiet.net」にて調査レポート「低体温は肥満の元! 現代人に多い低体温の改善方法」を公開した。現代は低体温の人が昔に比べて増えているという。1日の中で体温は1度ほど前後するが、日本人の平均体温は36.6度と言われており、この程度~37度が、体内酵素が最も活発に働くと考えられているという。一方、低体温とは平熱が35度台のことを指す。これには自覚症状がない人もいるが、風邪をひきやすい、手の指先や足のつま先が冷える、疲れやすい、生理痛が重いなど体に不調が出る人も多いそう。また、体温は体の免疫力に関わる重要な要素で、わずか1度下がるだけで免疫力は30~40%程度低下すると言われている。さらに低体温の悪影響は、太りやすい、むくみやすい、しみ・シワができやすい、くすみが気になるなど美容面での影響も大きいという。低体温の原因として、まず運動・筋力不足があげられる。運動で筋肉を動かすことで代謝が良くなり、熱が産生されやすくなるという。そして体の末端まで血液が循環するため、末端冷え性の人は日常的に体を動かすようにすると良いそう。運動は、大またで早歩きする、エレベーターやエスカレーターをなるべく使わず階段を上る、ストレッチをしながらテレビを見るなど、まずは生活の中でできることからで良いという。次に、栄養の偏りや食生活の乱れも原因に。食事量が少なかったり、不規則な生活で食生活が乱れたりすると、低体温の原因になるばかりか肥満の原因にも。食後に体が温まることは知られているが、これは食べた物を消化する際に熱が発生する「食事誘発性熱産生/DIT」という働きだそう。そして、体を温める作用のある食品や血行を良くする食品を選ぶことを心がけ、特に熱を産生する筋肉を作る元となるタンパク質(魚・肉・卵)や、血液を作る鉄(レバー、赤身肉、貝類、小松菜など)は、毎日適量をとると良いとのこと。また、体温調整には自律神経とホルモンが大きく関わっており、ストレスを抱えているとこのバランスが崩れるという。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、前者は日中など活発に活動している時に優位になり、後者は夜やリラックスしている時に働く。強いストレスを受けるとこれらのバランスが崩れ、血流が悪くなったり体内酵素が活発に働かなくなったりし低体温化に。また、睡眠不足や不規則な生活も、自律神経のバランスを崩す原因になるという。最後に、体を冷やさないことも大切とのこと。シャワーだけで済ませずに、温かいお風呂にゆっくりつかり体を芯から温めると、リラックスして副交感神経が高まり体を温めるという。なお、体の内側からも温めることも効果的。食品自体にも体を温めるものと冷やすものがあり、体を冷やすものには、白砂糖、コーヒー、砂糖の入ったジュース、暑い地域が原産の果物や夏野菜などがある。体を温めるためには、白砂糖よりも黒糖やはちみつ、野菜や果物なら秋から冬が旬の物を積極的に取り入れてみると良いとのこと。
2014年12月10日microdiet.net調査レポート12月5日、サニーヘルス株式会社は同社のダイエット情報発信サイトmicrodiet.netにおいて「低体温は肥満の元!現代人に多い低体温の改善方法」を公開した。年末年始のイベントシーズンを迎える前に読んでおきたい調査レポートだ。低体温とは日本人の平均体温は36.6度。36度から37度程度の体温で体内の酵素が最も活発に働くといわれている。しかし、現代では低体温の人が増えてきているらしい。低体温とは平熱が35度台で、疲れやすい、手足が冷える、風邪をひきやすいなどの不調を感じることが多い。女性の敵、低体温低体温で不調を感じるだけならば、気合いで乗り越えることも可能かもしれない。しかし低体温が本当に怖いのは、肥満の原因になることだ。体内の酵素が最も活性化するのは36度から37度程度であるということは、その体温のときに基礎代謝も活発になるということだ。基礎代謝量が少ないと太りやすいということは既によく知られている。低体温の恐怖はそれだけではない。血行や水分代謝も悪くなるためむくみやすくなる。また、肌色がくすんだり、しみやシワができやすいなど美容面へ様々な悪影響を及ぼす。さあ、体温を上げよう体温を生み出す元は筋肉。しかし、現代人は運動量の低下に伴い筋肉量が低下してきている。筋肉は熱を生産するだけでなくポンプの役割もするので、筋肉を動かすことで血液を末端まで運び、むくみなどの老廃物をリンパ管まで運ぶ。特別な運動を始めるよりも、生活の中で実行できそうなことを続けたい。また、食生活も大切だ。実は食べることでも熱は産生される。食べたものが消化される際に熱エネルギーが発生するからだ。食べないでいることや食生活の偏りは低体温を招く原因になりかねない。バランスよく、体を温める作用のあるものを食べることが大切だ。(画像はプレスリリースより)
2014年12月09日ジョージア大学が発表2014年11月10日、ジョージア大学はコーヒーにたくさん含まれているクロロゲン酸が肥満による体の悪影響を予防すると発表した。研究成果はPharmaceutical Researchに2014年9月24日から公開されている。高脂肪食マウスに週2回15週間にわたってクロロゲン酸を注射したところ、体重増加が抑えられただけでなく、血糖値と肝臓の脂肪の増加が抑制された。肥満によって、インシュリンに対する抵抗性が増し、肝臓では脂肪が蓄積する。これを放置しておくと糖尿病や肝機能の低下につながる。今回の実験からコーヒーに含まれるクロロゲン酸が肥満だけでなく、糖尿病や肝臓病の予防につながる可能性が示唆された。クロロゲン酸はコーヒーの含有量が最も高いが、リンゴや西洋なし、トマト、ブルーベリーにも含まれている。しかし、研究者のコメントによれば、今回の実験で投与したクロロゲン酸の量は人がコーヒーから摂取するには不可能なような量であり、コーヒーをたくさん飲んだり、果実を食べたりするよりは運動の方が効果があるとしている。糖尿病とコーヒー日本人における疫学的研究で、コーヒーの摂取量が糖尿病の発現率を減らすことが明らかになっている。40~69歳の男女約5万6千人を10年間追跡した調査結果から、年齢、既知の糖尿病リスク因子およびストレスと睡眠時間のグループによる差が結果に影響しないよう考慮して分析した結果、1日にコーヒーを飲む回数が多いほど、糖尿病のリスクが下がることが判明。特に女性でその傾向が大きく、飲まない人のリスクを1とすると1日3~4杯飲む人のリスクは0.62、5杯以上飲む人のリスクは0.40となった。(画像はイメージです)【参考】・ジョージア大学プレスリリース
2014年11月20日世の中には、仕事と勉強は両立できても、肥満でメタボ予備軍になっている人が多いといわれています。そこで、ポイントになるのが、仕事も勉強もメタボ対策も3つ同時にできる人間になること。どうすればそれが可能になるのでしょうか?仕事と勉強を両立するのは得意だけど……勉強熱心なサラリーマンで、仕事も勉強もうまく両立できているという人は多くいます。しかし、そういう人に限って、なぜかお腹がでっぷりしていて肥満ぎみという傾向があるようです。働きながら勉強をすると、夜中遅くまで起きていることになりますし、それなりに食べてしまいます。しかも、寝不足になればますますお腹が空いてどんどん食べてしまうことに。こうした悪循環が肥満につながってしまっているようです。仕事と勉強を両立させるのであれば、もう一つ、メタボ予防やダイエットも一緒に同時進行させることが大事といえそうです。睡眠が肥満予防の鍵に!睡眠時間が短いと肥満になりやすいということは、すでに実証されています。遅くまで起きているとつい食べてしまうという行動は、睡眠不足によるものだということはあまり知られていませんでした。しかし、実験結果によれば、睡眠時間が短くなるにつれて、食欲抑制ホルモンであるレプチンの分泌が低下し、反対に、食欲増進ホルモンのグレリンの分泌が増えることが分かっています。このことから、昼間働いて夜けなげに勉強をして睡眠時間を減らすことは、一方で肥満を助長させる行動になってしまっていることが分かります。仕事、勉強、ダイエットの3本立てを!働きながらの勉強生活は、寝不足にもなるため、ますますストレスもたまるものです。それがかえって、人をストレス解消法として食事へと向かわせることもあるようです。実際、もはや取り返しがつかないくらいに肥満状態になっている方もいるかもしれません。そんなあなたにおすすめなのが、仕事をしながら勉強する毎日に、ダイエットをプラスした3つをきちんと行うこと。ダイエットは、睡眠をたっぷりととったり、スポーツクラブに通ったり、ヘルシーなものを食べたりなどなんでもOK。ただし、激しい運動を続けたり、極端な食事制限をしたりするのはNGです。無理せず持続的なダイエットを行うことですべてがうまくまわるといわれています。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。Photo by David Martyn Hunt
2014年10月22日国立がん研究センターはこのほど、BMIが大きい傾向にある日本人女性は乳がんに罹患(りかん)するリスクが高まる可能性があることを明らかにした。日本人を対象とした長期的な観察・研究と複数の研究を集めた統合解析によって、確認した。同研究センターは、日本の8つのコホート研究(※1)で得られた18万人以上のデータをあわせたプール解析(※2)によって、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。肥満指数(BMI)は体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出するもので、肥満・やせの指標として広く使われている(BMIが大きいほど、肥満度も高い)。今回の調査では、「BMI23以上25未満」を基準とした。コホート研究で約12年(平均)の追跡期間中に乳がんになった1,783人を、閉経前・後のどちらで乳がんに罹患(りかん)したかで分類。BMIと乳がんリスクを調べた結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなることがわかった。特に閉経後乳がんでは、BMIが1上がるごとに罹患(りかん)リスクが5%上昇する直線的な関連性がみられたという。同研究の結果より、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示された。しかし、「やせ」に至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなって脳出血を起こしやすくしたりすることも知られている。同センターが提唱する「日本人のためのがん予防法」では、中高年女性のBMIの目標値として「21以上25未満」を推奨している。また、今回の研究は日本人女性を対象にしたものだが、欧米人女性とは異なる結果も見られた。日本人女性では、閉経前乳がんについてはBMIによるリスクの上昇が確認できたが、欧米では逆にBMI30以上の群や、最大カテゴリーでのみリスク減少を示す研究結果があるとのこと。この結果の違いについて同研究センターは、「アジア人女性の場合は極端に太っている人が少なく、予防的な効果がみられなかったのかもしれません。また、欧米とアジアに多い乳がんのタイプの違いなどによるのかもしれません」とコメントしている。※1大規模な対象集団を設け、長期にわたって観察する研究※2複数の研究を集めた統合解析
2014年10月16日国立がん研究センター18万人以上のデータから推定2014年10月7日、国立がん研究センターは肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究をあわせたプール解析の結果を発表しました。この研究成果は「Annals of Oncology」に掲載されています。発表概要今回の研究の対象は今まで行われた日本の8つのコホート研究をあわせた18万人以上となっています。平均追跡期間は12年で、この間に乳がんを発病したのは1,783人でした。約100人に1人の割合で発病したことになります。BMI(肥満指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの)と閉経前乳がんと閉経後乳がんの発生について、BMIが23~25未満の乳がんリスクを1としたときの、各BMIの乳がんリスクを算出しています。(画像はプレスリリースより)閉経前、閉経後にかかわらずBMIが大きくなると乳がんリスクは高くなりました。閉経前乳がんでは、BMIが30以上でリスクは2.25倍になることが分かりました。閉経後乳がんでは、BMIが1上がることにリスクは5%上昇するという関連がありました。この解析ではBMIが途中で変動している可能性があることから、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いた解析も行っていますが、結果に変動はありませんでした。欧米人との違い欧米人を対象とした同様の研究では閉経前乳がんの場合には、BMIが30を超えると乳がんのリスクが低下するとしたものが大部分です。これに関してはこの研究からは原因を見いだすことはできませんが、がん研究センターは日本人の場合には無排卵やエストロゲンレベルが低下するような極端な過体重が少ないからではないかと推測しています。また、欧米と日本では乳がんのタイプが違うの可能性があるとも推測しています。上記の推測に関しては、今後の研究を待たなければ結論的なものは言えません。痩せすぎはリスクを下げるのか閉経後乳がんでは痩せすぎの人では乳がんのリスクが減少しています。国立がん研究センターはこの件に関しては以下の用にコメントしています。痩せに至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくすることも知られています。国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて提唱する「日本人のためのがん予防法」では、総合的な健康にも配慮し、中高年女性のBMIの目標値としては21以上25未満を推奨しています。(プレスリリースより)【参考】・国立がん研究センタープレスリリース
2014年10月13日(画像はイメージです)抗肥満薬の新しい試み2014年10月5日、Hanyang(漢陽:ハニャン)大学(韓国)とユタ大学(米国)の研究者は、脂肪細胞をターゲットとした遺伝子治療に関して肥満マウスモデルで効果があったことを明らかにしました。この研究成果は10月5日からNature Materialにオンライン版で公開されています。抗肥満薬の現状現在市販されている抗肥満薬は消化管あるいは中枢神経に作用するもので、効果は限定なのに強い副作用が出ることがあります。脂肪を過剰にため込んでいる脂肪細胞に直接働きかける薬剤は確実な効果が得られ、副作用も少なくなることが予想できます。今回の研究脂肪細胞の表明にはプロヒビンという受容体があります。この受容体に結合したものは細胞内に取り込まれます。今回の研究では脂肪細胞の核内に作用して、脂肪の燃焼を促進するオリゴペプチド(アミノ酸が複数結合したもの)と、プロヒビンを標的にして運び屋として働くオリゴペプチドを結合したものです。肥満マウスに投与すると代謝が回復して、体重が20%以上減少しました。この薬剤は肥満だけでなく、肥満が関連するメタボリックシンドロームに対しても効果が期待できます。その他の細胞内の脂肪を燃やす試みラトガース大学(米国)の研究によると、抗寄生虫用薬のニコサマイドが細胞内のミトコンドリアに作用して細胞内の脂肪を燃焼する効果がありました。ニコサマイドの誘導体が近々米国で臨床試験が始まるという情報もあります。この研究成果はNature Medicine誌に10月5日からオンライン版で公開されています。【参考】・Oligopeptide complex for targeted non-viral gene delivery to adipocytesNature Materials (2014) doi:10.1038/nmat4092・Niclosamide ethanolamine–induced mild mitochondrial uncoupling improves diabetic symptoms in miceNature Medicine (2014) doi:10.1038/nm.3699
2014年10月10日国立がん研究センターは10月7日、日本人を対象とした研究で、肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について確認したと発表した。同成果はがん予防・検診研究センターの笹月静 予防研究部長らの研究グループによるもので、欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて発表された。今回の研究では18万人以上のデータを解析し、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。平均約12年の追跡期間中に乳がんになった1783人について、診断時の状況に応じて閉経前乳がんと閉経後乳がんに分類し、BMIによる乳がんリスクを比較した。その結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなり、閉経前ではBMI最大群(30以上)でのリスクは基準値に(23以上25未満)の2.25倍だった。一方、BMIが低いほど閉経後ではリスクも低く、閉経前では基準グループと同程度のリスクだった。BMIと乳がんリスクの関連性については、これまで主に欧米の研究成果から、閉経後の乳がんではBMIが大きなリスクとなることが示されており、逆に閉経前の乳がんでは予防的であるという弱い関連が報告されている。しかし、アジア人においてBMIと乳がんの関連がどのようになっているのか、特に閉経前の乳がんとの関連性は明らかにされていなかった。今回の結果によって、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示されたが、やせすぎると免疫力が弱まり、感染症を引き起こすほか、血管壁がもろくなり脳出を起こしやすくなる。そのため、同研究センターではBMIの目標値として21以上25未満を推奨している。
2014年10月07日「ステラ マッカートニー(Stella McCartney)」は、乳がん意識向上月間を支援するため、ランジェリーシリーズ「リラックスするジェマ」を発売する。イメージビジュアルにはケイト・モス(Kate Moss)が起用された。同シリーズは14-15AWランジェリーコレクションの1部。ネオンピンクのカラーリングで、ステラが象徴するナチュラルかつフェミニンな雰囲気をアピール。シンプルなスタイルに幾何学的なディティールを施している。コントゥールブラやソフトカップブラ、ビキニブリーフをラインアップし、価格はビキニブリーフが6,000円から、バルコネットブラが1万円から。オンラインストアや世界各国の直営店、百貨店などで販売される。また、売上の一部が、イギリス・リバプールにある「リンダ・マッカートニー・センター」に寄付される。同センターは、乳がん患者やその家族をサポートする目的で2000年に設立。寄付金は乳がんの早期発見や治療、新しいマンモグラフィー装置のための資金に役立てられる。
2014年10月03日(画像はイメージです)リンゴの効果2014年9月29日、ワシントン州立大学の研究者はリンゴに含まれる非消化性化合物が肥満に伴う障害の予防に有益であると発表しました。この研究内容は、Food Chemistry誌の10月号に掲載されています。この研究は、リンゴの非消化性化合物が肥満のマウスの腸内細菌叢が通常マウスの腸内細菌叢に改善することを示しました。研究内容リンゴは食物繊維やポリフェノールといった非消化性化合物を豊富に含んでおり、カロリーも少ないことから、腸内での善玉菌の成長を助けます。口での咀嚼、胃液や消化酵素によっても、非消化性化合物はそのままの形で腸に届きます。いったん腸に届くと、非消化性化合物は腸内の細菌によって発酵します。その発酵物は善玉菌の成長に有利に働きます。肥満マウスに非消化性物質を与えると、糞中の細菌は痩せたマウスと同じようになりました。研究の意義肥満の人々では腸内細菌叢のバランスは乱れています。そのため、軽度ですが、慢性の炎症と行った障害が肥満の人々に起こっています。これは将来の糖尿病になる危険性をあげてしまいます。リンゴを摂取することにより、腸内で善玉菌が増え、腸内細菌叢のバランスが良くなることが分かりました。このことは、肥満の予防に繋がることを示唆しています。つまり、普段の食事にリンゴを追加するということです。決してリンゴだけを食べていればいいというものではありません。今回の研究ではGranny Smithというリンゴの品種が使われました。事前に検討した結果、Granny SmithはBraeburn、 ふじ、Gala、Golden Delicious、McIntosh あるいは Red Deliciousといった品種よりも非消化性化合物が豊富に含まれていたからです。【参考】・ワシントン州立大学プレスリリース
2014年10月03日(画像はプレスリリースより)岡山大学が縦断的研究で明らかに2014年9月25日、岡山大学の研究グループは、早食いの習慣と肥満の関係について3年間の縦断研究で明らかにしました。早食いの習慣があるとない人に比べて肥満になる可能性が4.4倍になることが分かりました。「油っこいものを好んで食べること」や「満腹まで食べること」よりも、「早食い」が肥満のリスクをあげることも判明しています。今まで、肥満と肥満でない人を比べて早食いの習慣があるかの聞き取り調査をして、早食いと肥満の関係を比べた研究はたくさんありました(このような調査を横断研究と呼びます)。今回の研究は、早食いの習慣がある人とない人を3年間追跡することにより、肥満になるかどうかを検討したものです(このような調査を縦断研究と呼びます)。横断研究は「早食い」が肥満の原因になる可能性を示すものですが、縦断研究は「早食い」の人が肥満になる可能性を実際に確かめたものです。横断研究ではその他の習慣と「早食い」の肥満になる可能性の高さ(リスク比)を比較することができます。咀嚼法咀嚼法は肥満治療における行動療法の一つです。ものを食べるときには20~30回以上噛んでから飲み込むことです。咀嚼法は、だ液による消化を促進する、食べ過ぎを防ぐなどから肥満の行動療法として有用です。今回の研究から咀嚼法を習慣とすることで肥満を防ぐことが明らかになりました。【参考】・岡山大学プレスリリース
2014年09月30日岡山大学は9月25日、早食いの習慣を持つ大学生が肥満になりやすいことを縦断研究において突き止めたと発表した。同成果は、同大大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授、山根真由医員らの研究グループと同大保健管理センターの岩﨑良章准教授の共同研究グループによるもの。詳細は米国科学雑誌「Obesity」(電子版)に掲載された。日本では男性の場合、20代、30代、40代と年齢を重ねるにつれて肥満の割合が高くなるほか、女性の場合も、20代以降、年齢とともに肥満の割合が高くなっているという調査がある。また、早食いを自覚する人は、そうでない人よりも一口当たりの量が多く、かむ回数が少ない傾向があることが知られている。今回の研究は食事のスピードと肥満の関連性について大学生を対象に3年間の追跡調査を行う形で調査され、その結果、早食いの習慣を持つ大学生が肥満になりやすいことが判明したという。具体的には、早食いの人は早食いではない人に比べて4.4倍ほど肥満になりやすく、中でも男性は女性に比べても2.8倍肥満になりやすいことが判明したとのことで、この関係はほかの生活習慣(油っこいものを好んで食べたり、満腹まで食べたりするなど)に比べても強いもので、「肥満の前段階」になるリスクも高めることも分かったとする。なお、肥満治療ガイドラインでは、「咀嚼法」が肥満治療における行動療法の1つとして明記されているほか、1回20~30回以上かむことも推奨されていることから、研究グループでは、今回、若年者においても早食いと肥満の関係が明らかになったことから、早期に早食いを是正することで、将来の肥満やメタボリックシンドロームの予防につながることが期待できるようになると説明している。
2014年09月26日(画像はイメージです「病草子肥満の女」)隠れ肥満隠れ肥満とは、見かけ上、太っていないあるいは体格指数(BMI)が肥満と分類される値(BMI=25)以下であるのに体脂肪率が高い状態を指します。これは間違ったダイエットなどにより筋肉が落ち、内臓に脂肪が蓄積した場合に起こります。内臓に脂肪が蓄積している肥満は「内臓脂肪型肥満」と呼びます。内臓脂肪型肥満は皮下脂肪による肥満よりも将来の血管性疾患のリスクが高くなるという報告がたくさんあります。内臓脂肪は正しいダイエットを行うと比較的簡単に落ちることが分かっています。しかし、隠れ肥満であることに気づかないと内臓脂肪を放置しがちになります。このような状態で高脂肪の状態を続くと脂肪組織は王冠様構造(CLS)を取りはじめます。CLSが発生しているということは、脂肪組織が脂肪を蓄えきれない状態になっています。そのため本来は脂肪をためない臓器にも脂肪が蓄積します。(画像はプレスリリースより)CLSの形成に係わる分子に関する新しい知見2014年9月19日東京医科歯科大学は九州大学との共同研究でMincleがCLS中に高発現しており、CLS形成に大きな役割を果たしていることを明らかにしたことを発表しました。この研究成果はNature Communicationでオンライン公開しています。この研究ではMincleを活性化する結核菌由来糖脂質を投与しただけでラットにおいてCLSが形成し、耐糖能も低下することを示しています。今後、人でMincle活性化分子を発見できれば内臓脂肪型肥満発生に関する分子的機構が分かる可能性があり、メタボリックシンドロームの治療戦略の開発に繋がるとしています。また、欧米人に比べて、日本人は肝臓の脂肪蓄積をきたしやすいことが知られています。Mincleに関する研究が進めば、この違いに関しても説明が可能になるかもしれないとのことです。【参考】・東京医科歯科大学プレスリリース
2014年09月26日ニューヨーク発のライフスタイルブランド「CH キャロリーナ ヘレラ(CH Carolina Herrera)」は、乳がん撲滅キャンペーンの一環としてスマートフォン向けのアプリケーションを発表した。同ブランドは「キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)」の創業者であるキャロリーナ・ヘレラが、同名の娘とともに設立したもの。親子は乳がんを患う女性のサポートを目的とする「Support with Smile」を立ち上げ、過去5年間に渡って活動してきた。フォトアプリ「CHPink Smile」はiTunesやGoogle Play Storeから無料でダウンロード可能。撮影するとハート型のスマイルマークが画面に現れる仕組みになっており、それを口元にポイント。写真に“#chpinksmile”のハッシュタグを付け、FacebookやTwitter、Instagramでシェアすることで、乳がん撲滅への意識と認知と高めることを目的としている。また、アプリケーションからは募金をすることも可能。
2014年09月25日社会人を対象にした調査で、一日の睡眠時間が4時間未満の人は肥満を自覚する傾向にあるという結果が出たそうです。そこで今回は、4時間睡眠に絞って肥満と睡眠時間の関係についてご紹介します。4時間睡眠に関する意外な調査結果?!アイシン精機株式会社という寝具ブランドを扱っている会社が、全国1,206名の社会人に「睡眠」に関する実態調査をしました。その結果、睡眠4時間未満の人は、4時間以上の人より2.8倍も肥満の傾向にあることがわかりました。平日は特に時間がとれず、寝ていたい時間まで寝ていられないという人が多いようで、睡眠時間が短い人ほど肥満について悩んでいる傾向があることがわかりました。現代人の多くは、単純に「睡眠不足」の一言で片付けられないような悩みを抱えていることがわかります。4時間睡眠だと肥満になる理由睡眠時間が短い人が肥満を自覚する傾向にあるという結果については、しっかりとした理由があります。睡眠時間が短いと、食欲を抑える役割を果たすホルモンのレプチンが出にくくなってしまいます。すると、肥満だけでなく、糖尿病や高血圧にもなりやすくなります。さらに、睡眠不足がきっかけで肥満になり、肥満になったことで糖尿病や睡眠時無呼吸症候群になり、さらに睡眠障害を引き起こすという悪循環に陥ってしまうケースもあるようです。そのため、睡眠の質を向上させ、睡眠をしっかりと取ることが大切になります。起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう起きようとする時間に起きられるかどうかという調査結果でわかったことは、約8割の人が起きたい時刻よりも前に目が覚めてしまうことがあるということです。寝ていられる時間よりも前に、または途中で起きてしまうとのことです。さらに42.5%の人は、1時間以上も前に目が覚めてしまうといいます。ストレスや日常の焦りなどもあり、十分な睡眠が取れない環境を自ら作り出してしまっているともいえます。睡眠を取る前にしっかりと気分をほぐしリラックスさせ、平日から十分な睡眠が取れるように心がけましょう。【参考】朝日新聞『全国1,206名の社会人に聞いた「睡眠」に関する実態調査』Photo by Charlie Barker
2014年09月24日(画像はプレスリリースより)日本人女性14人に1人がかかる乳がん株式会社エムティーアイが運営する健康情報サイト『ルナルナ』では、「乳がんとピンクリボンについて」の調査を行い、結果を2014年9月22日に発表した。女性にとっては身近な病気、乳がん。日本人女性は、14人に1人がかかると言われている。しかし早期発見、早期治療で治る可能性が高いのも特徴だ。今回、10月の「ピンクリボン運動」強化月間に因み、調査が行われた。未検診は約7割も!「乳がんの検診を受けたことはあるか?」の問いに、「はい」と回答したのはわずか31.8%。未検診が68.2%であった。「乳がん検診を受けたきっかけ」については、31%が「会社の健康診断」と回答し、最も多かった。「自治体からの案内」が16.7%、「年齢的に気になった」が15.8%と続いた。また、「乳がん検診を受けたことがない」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ「年齢的に早い」と答えた人が21.6%だった。「どのように検診を受ければいいか分からない」が21%、「検診に抵抗があるから」が19.1%と続く結果となった。30代から増加し、40代から50代で最も多くが発症する乳がん。乳がん検診の費用は、病院によって異なるが、1万円前後かかる。「乳腺科」や「乳腺外科」、「乳腺外来」など乳腺を専門とする科で受診できる。早期発見し治療すれば90%が治る病気だということを忘れず、受診してほしいと『ルナルナ』では呼びかけている。
2014年09月23日(画像はプレスリリースより)体の恒常性を司る脳-肥満とやせの不思議を探る2014年9月8日、自然科学研究機構は2014年10月4日(土)に一般公開を開催することを明らかにした。その一環で、生理学研究所の箕越 靖彦教授が「体の恒常性を司る脳-肥満とやせの不思議を探る」と題して講演を行う。場所は岡崎コンファレンスセンター、時間は午前10時~10時45分。入場は無料、予約は不要。講演概要現代では世界中で肥満が問題となっている。肥満は、暴飲暴食を行うことによりその分だけ太るという訳ではない。逆に食事がとれない場合も、痩せすぎないように体が調節しているのだ。この体の調整は脳が重要な役割を果たしていることが明確になってきており、生活習慣によって脳に変化が起こり、肥満することも分かってきている。箕越教授の講演「肥満とやせにかかわる体の不思議」では、このような脳と体の関係を分かりやすく話す。箕越 靖彦教授の研究箕越 靖彦教授は「脳におけるエネルギー感受機構と食餌嗜好性調節機構の解明」と「視床下部腹内側核を介した摂食調節ホルモンの摂食・代謝調節作用とその統合機構」と題した科学研究費助成事業の研究代表者である。両研究とも2015年3月31日まで継続する予定。この事業は順調に進行しており、すでに視床下部は、摂食と末梢組織の代謝を統合的に調節することを発見し、論文投稿を行っている。また、マウス室傍核神経細胞に活性型AMPKを発現させると炭水化物食への嗜好性が亢進して過食となり、肥満することを見出し、論文投稿を行っている。【参考】・自然科学研究機構 生理学研究所プレスリリース
2014年09月12日乳がんは、女性14人のうち1人がかかるといわれている、女性にとって身近な病気です。乳がんの罹患率は、30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎えます。一般的に30~40歳代は子育て期。学費負担が50歳代まで続く家庭も少なくありません。お金がかかる時期にがんにかかったとしても治療に専念できるように、今から備えておきたいものです。乳がんを体験した子育て中の女性、がんサバイバーママへの取材等をもとに、がん治療に役立つがん保険について紹介します。乳房再生手術も保険診療に!乳がんの治療は切除手術が基本です。がん病巣部分を手術で取り出し、再発予防のために放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を行うのが一般的になっています。手術や放射線治療等を受ける1年目には大きな出費があり、2~5年目は再発予防のためのホルモン剤の治療と定期検診が行われます(ただし、ステージや治療方法等により、治療費が高額にかかる期間は異なります)。1年目の医療費が高額になる要因の1つに、「乳房再生手術」があります。がんの治療費は大半が保険診療ですが、乳房再生手術の一部(人工乳房を使用した場合)で健康保険等が使えませんでした。ところが、2013年7月にインプラント(シリコンジェルのラウンド型人工乳房)が、2014年1月には自然な形のバストを再建できる最新タイプの人工乳房(アナトミカル型/しずく型)が保険適用となりました。自由診療であったときは、乳がんの乳房全摘+乳房再建の手術費用で150~200万円程度かかったケースもあったのですが、保険診療の対象となったことで、高額療養費制度の適用となったのです。1ヶ月の自己負担限度額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」(※下記の表参照所得区分:【一般】70歳未満)と、乳がん患者の負担はかなり抑えられるようになりました。乳がん患者にとって朗報ですね。ただ、手術の患者負担が軽減したとはいえ、乳がんの場合、1年目は術後に放射線治療や抗がん剤治療等の再発予防のための治療費が高めになっているケースが多く、退院後の通院費負担も相応の覚悟が必要です。抗がん剤治療を受ける場合、かつらを使うこともあり、医療費以外の支出も増える可能性があります。乳房再建手術が保険適用になったとしても、1年目の負担は50万円近くかかってしまうケースは多いといえます。そのため、入院だけに備えるものではなく、通院治療にも対応できるがん保険を選ぶ必要があるといえます。高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満 2013年度)がん診断給付金と通院保障に注目するがん保険選びで重要なのは、「がん診断給付金」です。所定の状態になった場合に100万円、200万円等の所定の一時金が支払われるものです。がん保険によって、どんなときに給付が受けられるか、再発した場合に対応しているか等の内容が異なりますので、がん保険を選ぶ場合は、がん診断給付金の内容は必ずチェックしたいものです。がん診断給付金の内容をチェックする際のポイントは、次の3点です。入院の有無支払い回数支払い条件(複数回払いの場合)1.入院の有無がん診断給付金には、(A) がんと診断されたら、入院の有無を問わず給付が受けられるもの(B) がんと診断され、入院した場合に給付が受けられるものの2種類があります。(B) は(A) よりも保険料は安く設定されているものが多いです。乳がんの場合、手術のために入院するケースが多く、(B) のがん保険でも十分だというがんサバイバーママが多かったです。ただ、入院の有無を問わず給付される(A) のがん保険を選択したほうがより安心です。2. 支払い回数支払い回数に関しては、(C) 1回の支払い(D) 複数回払い(給付から一定期間を経過していて、かつ、がんと診断された場合は再度給付金を支払う。※入院が条件の保険会社もあるので注意が必要です)の2種類があります。保険料が安く設定されているがん保険は、(C) であることが多いです。ただ、がんは再発・転移する可能性の高いものなので、(D) を選択するほうが長い目でみると安心です。複数回払いの給付金の支払い条件は各保険会社により異なります。がん保険に加入する前には、3. の支払条件に関しても確認しておきましょう。(3) 支払い条件(複数回払いの場合)複数回払いのがん診断給付金の場合、「2年に1度」や「3年に1度」を限度にする等の支払い条件が決まっています。最近では、「1年に1度」になっている保険商品も登場しています。先進医療で、切除せずに乳がんを治療する方法もがんサバイバーママの多くが「これからの時代、付けておいたほうが安心だと思う」という特約(オプション)に、「先進医療特約(がん先進医療特約)」があります。先進医療(がん治療に特化した先進医療)の中には、「切らずに乳がんを治療する」粒子線治療や経皮的乳がんラジオ波焼灼療法(初期の乳がん)があります。先進医療の場合、技術料が全額患者負担です。たとえば、鹿児島にあるメディポリスがん粒子線治療研究センターで乳がんの粒子線治療を受けた場合、288万3,000円の費用がかかります。経済的な手当てがないと、治療に踏み込めないケースも多く、保険で備えておくのが賢明だというのです。先進医療とは、保険診療の対象ではないものの、厚生労働省が高度な先進技術であることを認め、保険給付の対象にするか否かを検討している医療技術のことです。技術料は全額自己負担となるので、この技術料と同額を保障するのが先進医療特約です。この特約は、医療保険に付加できます。がん先進医療特約は、先進医療のうち、がんに特化した技術に対してのみ保障するというもので、がん保険に付帯する場合はこちらになります。いずれの場合も、月払保険料は100円前後です。ご加入の医療保険に先進医療特約が付帯されていない場合は、がん先進医療特約の付帯されたがん保険を選択するのが賢明ですよ。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年02月27日まだ若い女性が乳がんのために亡くなるということは決して珍しいことではないようです。身近に乳がんの可能性は常にあると言えますが、毎年きちんと検診を受けている人は少ないかも。私たちはもっと乳がんについて関心を持つ必要があると言えるでしょう。エスティ ローダーの故エヴリン ローダーは、世界規模で乳がんの知識啓発と医療研究を支援することを目的とし、ピンクリボンキャンペーンを1992年にスタートさせました。今年も「乳がん早期発見啓発キャンペーン 2013」が、10月1日から始まりました。今年のキャンペーンの中心となるのは、世界的なソーシャル体験。それは、世界の人々を集結し、友人、家族、同僚などから構成される独自の「強さのサークル」をつくり、乳がん根絶に向けたあらゆる行動を起こすこと。ひとりで何かをするのは難しいと感じるかもしれませんが、Twitterなどを使うことで、大きな世界的コミュニティの一部として人々が「ともに強くつながっている」と感じることができる体験ができると聞けば、一歩踏み出す機会になるかも。各サークルでは、「定期的に医師の診断を受け、40歳以上の場合、年1回マンモグラフィーを受けることに同意する」ことや、「健康的なライフスタイルに変える」こと、「BCRFの寄付を集めることに参加する」ことが可能に。自身の乳がん予防にも役立ちそうです。今年のピンクリボン キャンペーンは、世界中の乳がん研究、教育及び医療サービスを支援するため、500万ドルの寄付金を集めることに取り組むそう。そして、エスティ ローダー グループの8つのブランドが、10月1日よりキャンペーン支援製品を限定発売するなどして、ピンクリボン キャンペーンを支援します。エスティ ローダー:エヴリン ローダー&エリザベス ハーレー ドリーム リップ コレクション(¥4,725)例えば、アヴェダの「ピンクリボン ローズマリーミント ハンドクリーム」(¥3,360)や、ボビイ ブラウンの「フレンチ ピンクセット」(¥5,880)、クリニークの「DDML+(プラス)」(¥6,825)、エスティ ローダーの「エヴリン ローダー&エリザベス ハーレー ドリーム リップ コレクション」(¥4,725)など。収益の一部が乳がんに関わる支援団体に寄付されるので、メイクを楽しみながら、ピンクリボン キャンペーンに参加できる、とてもよい機会ですね。気になる商品があったら、ぜひこの機会に購入してみては?・ピンクリボン キャンペーン 公式サイト
2013年10月12日10月はピンクリボン月間です。ピンクリボン運動とは、乳がんで亡くなったアメリカの患者の家族が、「このような悲劇が繰り返されないように」との願いを込めて作ったリボンからスタートした、乳がんの予防・早期発見・早期治療の啓発運動。現在、生涯に乳がんを患う日本人女性は15人に1人と言われ、患者数・死亡者数ともに急激な増加傾向にあるそう。今や女性のがんの罹患第1位です。女性にとって他人ごとではない乳がんですが、ある身近な乳酸菌を継続的に摂取することで、発症リスクを低減させられるという研究結果が先日発表されました。それは、公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンターの「乳酸菌摂取と乳がんの関連を検討するケース・コントロール研究」によるもの。この研究の結果、子どもの頃も含めた過去の食習慣でヤクルトで知られる「ラクトバチルスカゼイシロタ株」(以下、乳酸菌 シロタ株)を習慣的に取り入れていた人に、乳がん発症リスクの低減が認められたというもの。この調査は、乳がん罹患者と非罹患者に面接調査を行い、過去(10~12歳、20歳、10~15年前)、それぞれの期間の「乳酸菌 シロタ株」および大豆イソフラボンを含む飲食物の摂取状況を聞き取り、乳がん発症リスクとの相関性を調べたものです。その結果、「乳酸菌 シロタ株」と大豆イソフラボンの摂取量が、乳がん発症リスクを低減することがわかったそう。■調査結果1.「乳酸菌 シロタ株」の摂取頻度が高いほど、乳がん発症のリスクが低減「乳酸菌 シロタ株」の摂取頻度週4回以上の人と週4回未満の人で比較すると、週4回未満の人の乳がん発症リスクに対し、週4回以上の人に比べて、発症リスクが35%低減しており、「乳酸菌 シロタ株」の摂取頻度が高いほど、乳がん発症のリスクが低減するという結果に。■調査結果2.大豆イソフラボンの摂取量が多いほど、乳がん発症のリスクが低減また、大豆イソフラボンの摂取量が多いほど、乳がん発症のリスクが低減していることも示されました。■調査結果3.「乳酸菌 シロタ株」と大豆イソフラボンの摂取による相加関係さらに、「乳酸菌 シロタ株」と大豆イソフラボンを両方多く摂れば摂るほど乳がんの発症リスクが低減するという相加関係が示されました。この調査では、大豆イソフラボンを1日43.75ミリグラム以上摂取すると、発症リスクが低減されると示されています。これは、みそ汁や納豆などを組み合わせた和食にするだけで簡単に摂取することができる量です。乳がんは誰もがかかりうる病気。ピンクリボン月間を機会に、普段の食生活を見直してみては?・ヤクルト 公式サイト
2013年10月09日アンジェリーナ・ジョリーの叔母で61歳のデビー・マーティンさんが、5月26日(現地時間)に乳がんのため、カリフォルニア州の病院で亡くなっていたことが明らかになった。デビーさんは、乳がんのリスクを高める遺伝子変異が見つかり、両乳房の切除・再建手術を受けたことを公表したアンジェリーナの母方の叔母で、アンジェリーナと同様の遺伝子変異が見つかっていたという。2004年にがんと診断され、9年間の闘病生活の末に逝去。アンジェリーナの母親もがんで約7年の闘病生活を送り、2007年に56歳で他界している。アンジーの叔父でデビーさんの夫ロン・マーティンさんは、米エンタメ情報サイト「etonline.com」でアンジーと彼女の兄ジェームズ・ヘイブンに感謝を述べている。「アンジェリーナは、毎週、何度も連絡をしてくれて、ジェームズは毎日のように支えに来てくれた。2人ともデビーをとても愛してくれていたんだ」、「アンジェリーナとデビーはずっとメールで連絡を取り合ってたが、最後の数か月はそれも難しくなってしまった」とロンさんは語っている。また「eonline.com」によると、アンジェリーナはすぐには病院に駆け付けることができなかったものの、愛情のこもった支援をしてくれたとコメントしている。「デビーが乳がんと診断されてから何度かアンジェリーナと会っている。彼女の家族が僕らと同じような苦しみを味わなくて済むよう、両乳房切除手術を受けたことをデビーも僕も誇りに思ったよ。アンジーの父親ジョン・ヴォイトも素晴らしいサポートをしてくれた。先週の日曜日はデビーに会いに来て、一日中彼女と話をしてくれた。妻はとても楽しい時間を過ごしていたよ」とロンさんはふり返っている。そして「同じ血筋をひくアンジェリーナは、とても賢い選択をしたと思う。女性にとって、乳房を切除するという選択は本当に難しいだろうと思うからね」とコメントを加えた。(text:Mieko Nakaarai)
2013年05月28日アメリカの人気トーク番組「エレンの部屋」に1日(現地時間)、ゲスト出演したリーアム・ニーソンがチャリティの一環として水着姿を披露した。10月は、乳がんの早期発見、早期治療を啓発するための「乳がん月間」として世界各地で“ピンクリボン”キャンペーンのイベントが行われるが、60歳のリアムは治療研究費の寄付を募るために、文字通り一肌脱いで見せた。エレン・デジェネレスがホストを務める「エレンの部屋」は、写真共有サイト「Shutterfly」と共同でキャンペーンに協賛している。最新主演作で『96時間』の続編『Taken 2』(原題)の宣伝で同番組に出演したリーアムは、ピンクのガウンを羽織ってスタジオに登場。ストリップをすれば、エレンが2万ドル寄付するという話になり、ガウンを脱いでショッキングピンクの競泳水着という衝撃の姿で、水槽の中の椅子に腰かけた。椅子に座って手を前で組むリアムを見るなり、エレンは「裸に見えるわよ!いまチャンネルを合わせた人は、あなたが裸でテレビに出てると思うわ」とコメント。客席から乳がんを克服した女性が呼ばれ、エレンと射的ゲームをして見事に命中させると、水槽の中のリーアムの頭上から水がかけられた。水浸しになりながら、リーアムは笑顔で客席に拍手を送っていた。YouTube上の「EllenTV.com」にアップされたリアムの映像(text:Yuki Tominaga)© Abaca USA/AFLO■関連作品:96時間 2009年8月22日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions
2012年10月03日胸がたれるからブラジャーをつけたまま寝るという女性も多いけれど、長時間つけていると乳がんになりやすいなんてうわさを耳にしたら、途端に心配になりますよね。女性にとってブラジャーは、一生つけるものだから、正しい知識をみやかわゆうこ先生に教えてもらいましょう。(以下、みやかわゆうこ先生)ネットでは同様の情報がたくさん見つかるわ。でも、着用時間と乳がん発生率の関係は医学的には立証されていない情報である可能性が高いの。ブラジャーを長時間着けっ放しにすれば、胸や脇を締め付けてしまい、リンパ液の流れが悪くなることは誰でも予測できるわよね。リンパ液の流れが滞ると、老廃物や水分の排泄にトラブルが生じたり、むくみやたるみが出やすくなったりするの。ブラジャーを外したとき、あるいはバスタイムなど、首筋から腕、デコルテや胸の下などリンパ液の通り道を優しく撫でるマッサージをしてみてはどうかしら。ブラジャー着用からくる肩凝りなどの疲れを気持ちよくリセットしてくれるはず。あと、ナイトブラを着用しているコがいるけれど、圧迫感や締め付け感が無く、寝苦しくないかどうかをちゃんとチェックしてね。ブラジャーは長時間着用し続けるものだから、身体に負担をかけないよう、きちんと試着してから選びたいもの。ブラジャーと乳がんの因果関係には少々疑問があるけれど、実際に日本では年間約1万人もの人が乳がんで亡くなっているの。恐いことね。乳がんは早期発見で完治する可能性が高いと言うけれど、乳がんにかからないよう、普段から予防を心掛けておきたいわ。あと、参考までに、米国のがん専門家による「乳がん予防のための8か条」の中から、特に重要なポイントを紹介しておくわね。■太り過ぎ・やせ過ぎに注意。BMIは27を超さないように、20を下回らないように。■野菜・果物を多く取る。にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、パセリなどのカロチンが多い野菜は、がん予防におすすめ。■毎日身体を動かす。毎日60分程度のウォーキングや、週1回汗をかくような激しい運動を習慣にするといいでしょう。■お酒はほどほどに。1日コップ1杯程度に抑え、葉酸も一緒に摂取するといいでしょう。■タバコの喫煙、特に間接喫煙を避ける。(ビューティ&ダイエット編集部)【関連リンク】【コラム】人には言えない女子の悩み相談【ビューティ&ダイエット】【コラム】ブラジャーの寿命って?マリー先生の相談室【コラム】恋をするときれいになるってほんと?
2011年11月15日何を食べてもおいしい季節。でも、同じように食べても太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜなんでしょう?腸内に住んでいる細菌の種類によって、肥満になる確率が変わる、そんな驚きの研究結果があるそうです。どういうことなのか、平田雅子先生に詳しく伺ってみました。人間の胃腸管内には、その内壁を覆うように無数の細菌がすみついていて、これが「腸内細菌」といわれているものです。腸内細菌は、食物の消化吸収や免疫機能の強化・ビタミンの生成・中性脂肪・コレステロール・血糖の代謝促進など、さまざまな働きをしています。人間やマウスに住む腸内細菌は1,000以上の種類があり、「B類」か「F類」のどちらかのグループに属しています。そこで、太ったマウスとやせたマウスの腸内細菌B類とF類の割合を比べた結果、太ったマウスはB類細菌が50%以下と、非常に少ないことが分かったのです。この現象は人の場合も同様で、太った人ほどB類が少なかったとのこと。さらに研究者が、太ったマウスにカロリー制限を行い体重を減少させたところ、B類が増えると同時にF類が減ったそうです。また、細菌が全くない状態で飼育したマウスに、太ったマウスの腸内細菌を与えた場合と、やせたマウスの腸内細菌を与えた場合でそれぞれ飼育し、体重の変化を調べました。すると、太ったマウスの腸内細菌を与えたマウスの方が、体重が増加するという結果が出たそうです。これらの結果から、B類細菌が減ってF類細菌が腸内に増えると、食事からのカロリー回収率が高まり、肥満になりやすくなるのではないかと考えられています。現在の研究段階では、残念ですが肥満を解消する以外に、B類細菌を増やす方法は明らかにされていません。でも、栄養バランスの良い食生活を送り腸内環境を整えることは、ダイエット以外にも美容や健康の維持にも必要なこと。特に、食物繊維、オリゴ糖、酵素を含む食品は腸内環境を整えるためにオススメの食材です。普段の食生活に上手に取り入れてみてください。【関連リンク】人には言えない女子の悩み相談【ビューティ&ダイエット】ピルを飲んでカンジダになる?マリー先生の相談室【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!
2011年11月02日女性のがんのトップで、日本人女性の16人に1人がかかるという乳がん。気にはなるものの、日々の忙しさの中、なかなか検診に行けないという方も多いのでは?そんな女性のために年に一度、10月の第3日曜日を、乳がんのマンモグラフィー検査を受けられる日曜日「ジャパン・マンモグラフィーサンデー」にしようという動きがあるのをご存知だろうか。今年は10月16日(日)。全国の医療施設で検診を受けられる日曜日が、まもなくやってくる。この取り組みを行っているのは、「日本乳がんピンクリボン運動」を展開しているNPO法人J.POSH。全国の医療機関や自治体の検診担当部門に呼びかけ、「10月第3日曜日に全国どこでもマンモグラフィー検査が受診できる環境作り」に取り組んでいる。2009年より活動が始まり、現在の賛同医療機関は全国316施設。ホームページには、検診が受けられる医療機関を地図から検索できるようになっており、料金や予約の要否、女性医師・検査技師の対応の可否など、女性が知りたい情報が丁寧に掲載されている。これなら安心して、自分にあった病院を選ぶことができそうだ。乳がんは、早期発見・早期治療により「ほとんどが治るがん」と言われている。自分のために、そして愛する家族のために。平日は子育てや仕事、家事で忙しい方も、この機会に受診してみてはいかがだろうか。ジャパン・マンモグラフィーサンデー 取材/池田美砂子
2011年10月03日女性のための番組作りで知られるアメリカのケーブルTV局「Lifetime」が乳がんを題材にした短編オムニバス映画『Project Five』(原題)の製作を発表、ジェニファー・アニストンやデミ・ムーアが監督を務めることが明らかになった。上記2人のほかにアリシア・キーズ、『モンスター』のパティ・ジェンキンス監督も参加し、乳がんが患者の生活に及ぼす影響に迫る短編作品を撮るとのこと。残るひとりの監督については今後改めて発表を予定しているという。ジェニファーは代表作であるTVシリーズ「フレンズ」のクリエイター、マルタ・カウフマンと共に製作総指揮も務める。かつてトム・クルーズの右腕として『宇宙戦争』などを手がけたポーラ・ワグナー、『ディパーテッド』のクリスティン・ホーンやケヴィン・チノイ、フランチェスカ・シルヴェストリも製作総指揮として参加する。ジェニファーは「『Project Five』という作品が、エンターテイメントとしてのみならず、(乳がんについての)情報を与え、話し合いや研究、予防をうながす機会となることを願っています」とコメントしている。(text:Yuki Tominaga)写真は、自身の同じ名前の香水の発売を記念してイベントを開催、そのときに来場したジェニファー・アニストン。© Splash/AFLO■関連作品:バウンティー・ハンター 2010年7月10日より新宿ピカデリーほか全国にて公開■関連記事:ジェニファー・アニストンを池に落とせ?『バウンティー・ハンター』特別動画到着ジェニファー・アニストンらハリウッド有名女優がクレジットカード詐欺被害に
2011年03月31日