■前回のあらすじ周りから「母親失格」と言われているように感じていたうずら。ついにリミットを超えてしまい、倒れてしまった…。■意識を失っている間に見た悪夢倒れている最中、私が見ていたものは、以前うなされたことのある悪夢でした。自分も母と同じように、娘に暴言を吐いたり困らせることをしまうのではないか…。育児中、そんな不安をずっと抱えていたため、ついに夢にまで反映されてしまったのかもしれません。■この先私はどうしたらいい?初めての救急搬送。さすがに限界を感じたので、この頃からどうにかしようと思い悩み始めました。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月07日■前回のあらすじ離乳食を食べない娘に対してついにイライラが爆発。どんどん余裕がなくなり、ついに幻聴が聞こえるまでになるのでした。■幻聴で外に出るのも辛い…当時は家から出る予定のない日は一日中寝巻きで過ごし、髪をブラッシングする余裕すらありませんでした。とにかく娘を死なせないことと、夫のちゃぼが帰宅する前に部屋を綺麗な状態にすることだけでいっぱいいっぱい。ますます1人で抱え込み、ついに体は悲鳴を上げるのです。■ついに倒れてしまった…!当時はちゃぼと一緒なら、なんとか外出できていたものの、人混みはどうしても苦手で…。過労も相まってパニック発作を起こしてしまいました。この時はまだ自分がパニック障害だと知らず、何が起きたのかわからずとても不安になりました。次回に続く!『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月06日■前回のあらすじ楽しいと思っていたものが何一つ楽しいと思えなくなる日々。心身ともに疲労困憊のなか夫に頼ることもできず、ますます事態は悪化の方向へ…。■ついにイライラが大爆発余裕をなくして、ついに娘に対してイライラを爆発させてしまうことに…。「絶対に感情だけで叱らないようにしよう」そう心に決めて育児に取り組んでいたため、初めて怒鳴ってしまったこの時のことは強く印象に残っています。■ついに身体にあらわれた異変娘が1歳を迎えようとしていた頃、あらわれた「幻聴」。今でこそ「幻聴だった」と言いきれますが、数年後心療内科に通院するまではずっと幻聴だと気付かずに本当に言われていると思い込んでいました。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月05日■前回のあらすじ地獄の引越し作業の後、待ち受けたいたのは新居での荷ほどき。育児のかたわら無事作業を終えるも、体力と精神力はゴリゴリと削られ…。■何一つ楽しいと思えない日々あまりにも夫に労ってもらえないため、「自分の頑張りが足りていないのではないか?」と、不安になってきたこの頃。「夫が労ってくれるようになるまでもっと完璧に家事も育児もやってやる!」と、よくわからない方向に頑張り始めることに…。 ■娘の離乳食にも悪戦苦闘今の食欲からは想像もできないくらい食の細かった娘のひよこ。どんなに頑張って離乳食を作っても、食器ごとひっくり返されたり吐き出されたりで、心が折れそうになる日々。ますます精神的に追い込まれていくことになるのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月04日■前回のあらすじアレが出る家に嫌気がさし戸建住宅を購入することに…。しかしこれらの出来事が産後うつの一つの要因にもなっていくのでした。■体力と精神力がゴリゴリ削られていく乳幼児の世話をしながら家事と引っ越し作業をすることほど、先の見えない作業はありませんでした。疲労は蓄積し、心の余裕をすっかり失っていました。■こんなに頑張っているのに…仕事は成果を上げればきちんと評価してもらえますが、家の中での仕事はいくら頑張っても誰からも評価してもらえないし、とにかく孤独でした。いつかの保健師訪問の時に「お母さん、頑張っているね」と言ってもらって大号泣したことを思い出します。とにかく頑張っていることを誰かに認めてもらいたかった。誰かというか、主に夫に…。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月03日■前回のあらすじ実家に身を寄せると実母の暴言が再び開始。その後ライフラインが復旧し家に戻るも、母の言葉がじわじわと心を蝕んでいくことに…。■まさかの夫からの提案!なんの前触れもなく「ちょっとコンビニ行ってくる!」みたいなノリで家を買うと言い出した夫。当時は思考回路がショート寸前になりました。■翌月にはマイホームを購入!ひよこが小学生に上がる頃までには…と思っていましたが、予想外の早さで購入することになりました。そんな大きな決断をしたきっかけがGとは…人生って何が起こるかわからない。しかし思いがけない引越しがその後の私を苦しめることになるのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月02日■前回のあらすじ震災の影響で数日車中泊をするも、不安とストレスで母乳が止まる事態に。そこで先に復旧していた実母の元に身を寄せることに…。■予想通りの実母の対応たったの2日間だけの滞在でしたが、この時の母の言葉が私の心をじわりじわりと蝕んでいくことになることは知る由もありませんでした。■思い出して憂鬱になる実母のひと言「赤ちゃんには母乳が一番いい」根強くある母乳神話に悩まされた当時の私。しかし、今の私なら過去の自分に「そんなことで悩むくらいならもっと赤ちゃんのためにも笑顔を増やせ~!」って言ってあげたいです。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月01日■前回のあらすじ娘が生まれて3ヶ月たった頃に起きた東日本大震災。ライフラインの途絶えた厳しい状況下での過酷な育児が始まるのでした。■避難生活のストレスでついに…真冬の車中生活。そしてライフラインの復旧がいつになるかわからず不安になる日々。そんなストレス状態のなかでついに母乳が止まる事態に…。■お湯の確保もままならない状況ベッドでゆっくり眠ることもできず、さらにお腹がすいて泣き続けるひよこ。地震から4日経ってもライフラインは復旧しない状況のなか、致し方なく私の実家に頼ることに決めたのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月31日■前回のあらすじ実母の暴言に耐えかね自宅へ帰ることにしたうずら。夫と協力して育児をこなしていたはずが、わずか1週間で夫の口から不満がこぼれることに…。■突然の大災害にみまわれ…ようやく育児と家事の両立に慣れてきた頃、大震災にみまわれたのでした。■これまでの生活が一変する事態に…ニュースを見ようも停電でテレビがつかない…。さらに水道もガスも止まっていました。人生初のライフラインが途絶えた生活の始まり。この大災害をきっかけにさらに事態は悪化していくのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月30日■前回のあらすじ産後すぐに実家で過ごすことになったうずら。しかし母の暴言に耐えかね娘とともに自宅に帰ることを決めるのでした。■夫のひと言に反論できない…しばらくすると旦那のちゃぼが…。今思い出してもイラっとするひと言です。当時はまだ本心をちゃぼに伝えられずにいたので、自分の責任でもありますが…。産後誰にも頼れない方も多いかと思いますが、産んだばかりの女性の身体がどれだけズタボロなのか旦那さんにはきちんと理解してもらうのがやはり大切なのだと思います。当時の私は言いたいことを全て飲み込み、たった一人で家事育児を背負っていくことになるのでした。■出すぎるくらいによく出る母乳が…喪服に母乳がしみてしまうほど、当時母乳の出がよかった私。しかしとある出来事をきっかけに母乳は止まり、最悪な事態に直面することになるのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月29日■前回のあらすじ無事娘を出産したけど、繰り返す会陰裂傷や多量出血…。激しめの産後を乗り越えなんとか退院し、床上げまで実家でお世話になることに…。■翌日に豹変した実母快く受け入れてくれたと思いきや、翌日には暴言を吐き始めた実母。実は、子どもの頃から母には暴言を吐かれていました。早速、夫のちゃぼに電話すると…。自分のことならともかく娘に対して暴言を吐かれるのは許せない…。心ない実母を見かねて自宅に帰ることに決めたのでした。■自宅での新生活がスタート!この時期はとにかく便秘と切れ痔のコンボと会陰裂傷した部分の激痛がしんどかったです。日中はどうしても動き回らなければならず、「会陰の傷、ふさがらないんじゃないのこれ!?」と不安でした。そのため夫ちゃぼが夜間の授乳を手伝ってくれたのには本当に感謝しかありませんでした。しかし、そんな平和な日々(?)はわずか1週間で幕を閉じます。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月28日はじめまして。うずらと申します。娘のひよこ、夫のちゃぼと3人暮らしの主婦です。この物語は、私が産後に経験した育児ノイローゼについて綴っています。■育児ノイローゼになる前の私娘は無事誕生したものの、母親の私は…■壮絶な出産を経て…出産の際に出血量がかなり多く、さらに会陰がとんでもない裂け方をしたせいで、縫った部分が数時間で解けてしまったのでした。しかし娘のひよこは若干黄疸の数値が高かったものの、元気に産まれてきてくれました。そして、退院後実家へ。なんとなく嫌な予感はしていましたが、それが現実のものとなってしまうのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月27日■ 前回 のあらすじ娘の発達には何か問題があると思い、まずは子育て相談室へ行くことに…。■相談室のスタッフから、想定外の言葉が…「普通」…?育児のプロに見てもらったら、何か道が開けると思っていただけに、何も答えが出なくてショックでした…。■「普通」という言葉に悶々とする日々突然、名前を呼んでも良いかと聞かれて驚きました。娘は「普通」で、私が考えすぎで育児ノイローゼになってしまったのかと、この頃が一番モヤモヤしていた時期です。さて、保育士さんの真意は一体…?あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月13日2018年2月生まれの男の子を育児中のみーすけです。 そまちゃんが生後6カ月過ぎてから胃腸炎に2回かかり、2回ともバッチリ移りました。体調不良から復活……! かと思ったら……。 育児疲れが限界に達してしまったのか……。生後10カ月の子ひとりしかお世話してないのに、やっぱ育児向いてないんだ……。 なんて思ってたら、熱!!! それでか〜www 胃腸炎治ったと思ったらまた風邪、2日寝れば治るだろうと思っていたら、肺炎でした……。 みなさんもお気をつけて。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター 絵日記ブロガー みーすけ2018年生まれの男の子を育児中の絵日記ブロガー。日常をマンガにしてブログを更新中! ネットで子育て情報を検索するのが趣味。最近の悩みは赤ちゃんのおもちゃを買いすぎてしまうこと。
2021年01月02日■前回のあらすじ人工授精にステップアップしたものの、なかなか授かることができず…■うまくいかない焦り…、僕の中に黒い感情が渦巻く親だったら当たり前なのではないかと思うことを偉そうに話す人たちに、言い返すことすらできずただ虚しさだけが残る…情けなくて辛くてもどかしい、そんな思いを何度したことか…■妻の不安は僕が取り除く!悔しいことや不安はもちろんあるけれど、できることをやろう!と決めていたので、治療がこの段階になると、男の自分としてはこういったサポートしかできないなと感じていました。次回に続きます。コミックライター: トン 【同じテーマの連載はこちら】 こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ この連載の全話を見る >> 4人目と5人目の話 この連載の全話を見る >> モンスターワイフ この連載の全話を見る >>
2020年12月17日私たち家族はオーストラリア在住です。2人目出産時、頼れる身内は夫だけという状況のなか、夫婦で育児ノイローゼのようになってしまいました。ここでは、2人目で育児経験があってもうまくいかないと実感したことや、精神的に不安定な状態になってから復活までの体験をお伝えします。 オーストラリアでの出産を決意!2人目の妊娠判明後、オーストラリアでの出産を決意。理由は、長女のときは日本に戻って出産したため、夫が初めて長女に会ったのが生後3日目で、貴重な新生児期を一緒に過ごせたのはたったの1週間程でした。仕事があるので仕方のないことですが、私は夫と子どもを引き離してしまっていたことずっと後悔していたのです。日々変化する子どもの成長を夫にも見せたい!と思ってオーストラリアでの出産を決断しましたが、普段あまり娘のお世話をしていない夫と2歳イヤイヤ期真っ最中の娘を抱えての出産には正直なところ不安もありました。 ついに出産! そして…その後、妊娠38週3日の深夜に次女を出産しました。妊娠中の苦しさや、出産での疲労でくたくたでした。「これでやっと数日入院して休める」と思っていた矢先、看護師さんから「少し休んだら帰ってね」とひと言。これには驚愕しました。私は疲労困ぱいでしたし、長女と一緒に帰ったら絶対に休めないと思い、一泊だけでも入院したいと食い下がりましたが答えはNO。沐浴もまだで胎脂をつけたままの次女を連れ、出産から約8時間後に泣く泣く退院することになったのです。 空回る夫、疲れ果てた私。その結果…夫は張り切って家事・育児をしましたが、慣れない家事や2歳イヤイヤ期の娘のお世話は簡単ではなく、次第に夫の様子に異変が。表情には覇気がなく食事をしなくなり、靴を履かないだけで長女を怒鳴ったり、ぼーっとしたりしている時間も増えていき……。それを見た友人が冗談ぽく「育児ノイローゼじゃない?」とひと言。それだ!と心の中で叫びました。私のほうも夫のフォローにまわり、家事も育児も頑張った結果、心身を病み育児ノイローゼのような状態に……。めまい、食欲不振、倦怠感、突然出る涙、娘たちがかわいく思えないという事態にまでなってしまったのです。 一家の危機に救世主現れる!そして出産から2カ月後、わが家へ義母が手伝いにきてくれました。家の空気は一変! 明るくて子どもの面倒もよく見てくれる義母。バランスの良い食事を作ってくれて、家事もテキパキとおこなってくれて助かりました。私は十分に休息でき、仕事に復帰した夫も次第に育児ノイローゼのような症状が治ってよかったです。約3週間滞在してくれた義母と一緒に、私も娘たちを連れて日本に帰国しました。久しぶりの母国、実家、すぐに助けてくれる人たちがいる環境に安堵し、心から娘たちをかわいいと思える余裕が生まれました。 この経験で学んだことは、・誰でも育児ノイローゼのような状態になる・自分の力量を知り、対策する・育児や家事に完璧を求めない・産後は無理してでも休む以上4つです。まさか夫婦で精神的に不安定な状態になるとは思いませんでした。経験者でも育児を甘く見てはいけないと身をもって感じたのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:藤原 にじ二児の姉妹の母。兵庫県出身、オーストラリア在住。自身の経験と感性をもとに執筆活動中。趣味はイラスト、漫画を描くこと。旅行も大好き!妄想の中でも旅行に行く。
2020年11月11日子育てに対し、未経験者の中には『キラキラしていて楽しいもの』というイメージを持っている人は少なくないかもしれません。しかし、現実の子育ては心身ともに大変なことばかり。ストレスが蓄積した結果、産後うつや育児ノイローゼになってしまう親が数多く存在します。親も1人の人間であり、誰もが最初は子育て初心者です。いくら愛しい我が子とはいえ、夜泣きやイヤイヤ期、ワンオペ育児などが原因で疲れてしまうでしょう。産後うつや育児ノイローゼになってしまうと、従来のうつ病のように何もやる気が起きなくなってしまったり、常にイライラしてしまったり、突然泣き出してしまったりと情緒不安定な状態になってしまいます。『育児ノイローゼ気味だった時に描いた漫画』が話題に漫画家であり、2児の母親である、すがたひかる(@hen8996)さんも育児ノイローゼを経験した1人。3歳の長男が生まれたばかりの頃、初めての子育てに追われ、すがたさんは忙しい日々を送っていました。その頃を思い出すように、すがたさんは当時描いた漫画を2020年10月16日にTwitterへ投稿。すがたさん自身も「カオス」と評する内容に反響が上がっています。続き pic.twitter.com/9q3F5PJjWl — すがたひかる (@hen8996) October 16, 2020 生後11か月だった頃の長男は、元気すぎるほどだったそうです。常に叫び声や泣き声が家の中に響き渡り、すがたさんは我が子の甲高い声を聞き続けなければなりませんでした。そんな中、すがたさんに声をかけてきたのは…両耳の鼓膜!「お願いします、耳栓をしてください…このままではつらいのです…」と助けを求めてきたのです。鼓膜たちのSOSは、すがたさんの心の声だったのかもしれません。ユーモアたっぷりに描かれていますが、育児ノイローゼの恐ろしさが伝わる作品です…。漫画は拡散され、多くの子育て経験者から共感する声が寄せられています。・私も耳栓を着けたら落ち着きました!心に余裕もできた気がします。・ミギノミミコマクヌシのセンスがありすぎて笑えない話なのに笑った。・自分も子育て中はよく脳内の自分と会話してたな…。まさに今、我が子の声でストレスを溜めている人は、左耳の鼓膜さんのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。あなたの左耳の鼓膜さんとミギノミミコマクヌシも、助けを求めているかもしれません…。[文・構成/grape編集部]
2020年10月18日「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになる親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?小児科医で2人のお子さんのお母さんでもある森戸やすみ先生は、そういった子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるお母さん・お父さんに向けて、SNSやさまざまな医療メディア、そして著書 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社)などで子育てが楽になるヒントやアドバイスを発信してきました。そんな森戸先生に、お母さん・お父さんが日頃感じている子育ての悩みやつらさはどうして起こるのか、それを軽減するにはどうしたらいいかなどお話をうかがいました。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■自分の子育てを自分で責める、あなたの中の「インナー姑」――子育ての悩みにはいろいろありますが、お母さん自身が自分を責めてしまっている、先回りして自分を制してストレスがたまっているケースはないでしょうか。森戸やすみ先生(以下、森戸先生):そうですね。私はそれをインナー姑と呼んでいます。現実に姑から注意されたわけでもないのに、自分の子育てを責める自分がいるんですよね。例えば、お母さんは出産後に美容室へ行くのも申し訳ない、誰に子どもを頼もうかと悩むでしょう。でも、想像してみて欲しいのが、夫も同じ理由で悩むでしょうか? 「子どもが生まれたばかりなのに申し訳ない」と思いながら理容室へ行くでしょうか?お母さんは育児に一生懸命で責任を感じているから、自分ばっかり背負ってしまうところがあります。でも、子どもの親はお母さんだけではありません。1人ですべてを背負いこむことはないのです。――そうですよね。どうしてお母さんの中にはインナー姑が存在してしまうのでしょうか?森戸先生:「子どもの頃から子育てはお母さんがするもの」と刷り込まれているため、そういった社会的イメージにとらわれてしまうのかもしれません。この前、取材で会った方の『子どもができたら以前のように夫にいろいろやってあげられないのが申し訳ない』の言葉に私、ポカンとしちゃって(笑)。家族が1人増えたんだから、今まで通りにはいきません。親になるのはお母さんだけではなくお父さんもなんですから、夫にも自分のことは自分でしてもらうのは当然で、今までのように受け身で待つのはおかしいですよね。――先生のおっしゃる「社会的イメージ」というのは、小さい時から蓄積されてきた良妻賢母のイメージだと思います。それはお父さんとお母さん両方が持っていると思いますが、どうやって切り替えていけばいいのでしょうか。森戸先生:女性は、将来こういう風に子育てをしたい、こういう家庭にしたいと具体的に考えている方が多いように感じますが、男性でそこまで考えている方は少ない印象です。そのため、お父さんは子育てをしながら自分の育児観をつくっていくのでしょうが、その過程で前の世代の刷り込みが出てきてしまうのでしょう。私の場合、小児科医として時短で働いていましたが、夫の衣類をクリーニングに出そうとしたとき、『これって私がしなければいけないこと?』とふと気づいた瞬間がありました。私は子どものために時短勤務をしているわけで、夫のためではない。どうして私だけが仕事をセーブしなければいけないの? これはおかしいと気づいたのです。――でも、お母さんは気づいてもお父さんのほとんどは「それはおかしい」とは気づいてくれませんよね(笑)。森戸先生:それは、誰からも言われないからでしょう。ずっと妻が不機嫌で口をきいてくれないのはどうしてだろう? とは感じることはあっても、それがワンオペ育児で疲れているから、不満があるからとは想像できないのです。だから、『家族が1人増えたのだから物理的に私1人でこなすのは無理です』と伝えた方がいいです。そういう夫へのアドバイスや指導を子どもが生まれる前にできるといいのですが、医療機関にそのインセンティブ(意欲を引き出すための外部からの働きがけ)は残念ながらありません。医療行為ではないから診療報酬につながらないため、ほとんどの両親学級や父親学級でそういった指導は行われていませんね。――「まだ大丈夫」と無理をして体調を崩してしまうお母さんもいますよね。そうなる前に、自分で限界ラインが判断できるポイントはありますか?森戸先生:例えば、食べられない・眠れない場合はかなりつらいい状態だと思います。でも、妻がそんな状態になっていたら、夫に先に気づいてほしいですね。夫がそれに気づかないのは、コミュニケーション不足。育児に大変そうな妻に『大丈夫?』の一言も声もかけられないのだとしたら、それは家族とは言えませんよね。■仕事で子どもに「ちょっと待って」と言う罪悪感――今回のコロナ禍で、保育園から「なるべく登園させないようにご協力ください」と要請されたという話も聞きました。森戸先生:そう言われてしまうと、真面目な保護者ほど『先生たちが大変だから行かせないようにしよう』と頑張ってしまいますよね。そういったときのためにも、預け先の選択肢はなるべく多く持っておくといいです。『預けようと思えばいつでも預けられるけど、まだ大丈夫だからうちで見る』という状態で子どもを見るのと、『私しか子どもを見る人がいないから見るしかないんだ』というのとでは心の余裕が大きく違いますから。――家で子どもを見ながらテレワークをしていたお母さんは「仕事だからちょっと待ってて」と子どもに言わなければいけなかった状況も多かったと思います。そうやってプライベートと仕事が混同する生活は、子どもに負担をかけることになるのでしょうか?森戸先生:それは、『ちょっと待ってて』と言う理由が仕事だから、お母さんが罪悪感を持ってしまっているだけではないでしょうか。どんな場合でも、緊急度の高い順からお母さんは対応せざるを得ないので、それは仕事に限りませんよね。例えば、下の子のお世話をする場合でも上の子に『ちょっと待ってて』と言っていると思います。上の子がいろいろお母さんに話しかけていても、下の子がお椀をひっくり返した、うんちがおむつからはみ出したなどの一大事だったら『ちょっと待ってて』と、そちらにかかりきりになりますよね。それは仕方のないことで、仕事だから特別子どもが傷つくということはないと思います。――確かにそうですよね。それでも罪悪感を持ってしまうお母さんは、自分の気持ちをどうコントロールしていけばいいでしょうか。森戸先生:先ほども言いましたが、『夫も同じように罪悪感を持つだろうか? どうして私はそう感じるんだろう?』と冷静に想像して、子どもや子育てに対して距離を置いてみて欲しいのです。テレワーク中の夫は、ウェブ会議だからと子どもを部屋から締め出しても、おそらく罪悪感は抱かないと思うのです。男性はそれができるのに、どうして私は罪悪感を抱えるのだろうと客観的にとらえるとイライラしなくなるのではないでしょうか。生きていくためにはお母さんも仕事をしなければいけないし、子どもにも協力してもらわなければ共倒れになってしまいます。子どもと仕事、どちらも大切で責任感を持っているからこそ罪悪感が生まれるのであって、一時的にどちらかを優先してしまうことは仕方のないことです。子どもが理解できる年齢かにもよりますが、お母さんもお父さんと同じくらい一生懸命仕事をしていること、だから協力して欲しいことを子どもに伝えるのはいいですね。子どもに説明することで、お母さんが自分で自分を納得させるという効果も期待できます。――コロナ禍のテレワークで、子育てをお母さん1人ですることがどれほど大変か理解できたというお父さんの声も耳にします。お父さんは次にどういった行動に移ればいいと思いますか?森戸先生:今回のことをきっかけに、また保育園が預かってくれなくなった場合はどうするか、もし親のどちらかが病気をしたらどうするか、もし勤務先が倒産したらどうするかなど、もしものときへの備えについてこの機会に話し合ってはいかがでしょうか。■「夜が来るのが怖い…」寝かし方が間違っていたかも!?――なかなか子どもが寝てくれない、夜泣きがひどいなどで「夜が来るのが怖い」というお母さんが多いようです。森戸先生:アジア全域では、子どもに添い寝して家族みんなで寝るのが一般的ですね。日本もしかりで、赤ちゃんが寝るまで親は寝かしつけをし、夜泣きをしたら抱っこしてあやすなどをお母さんはしているでしょう。しかし、寝つくまでに何時間もかかる、夜泣きで度々起きなければいけないなどで、お母さんの多くは「夜が怖い」と感じてしまいます。そういった生活が続き寝不足になるお母さんが陥りやすいのが「産後うつ」や「育児ノイローゼ」です。実は、このお母さんの行動こそが赤ちゃんが寝つきにくく、夜も頻繁に起きる原因ではないかといわれています。子どもとしたら、起きている限りお母さんはずっとそばにいてくれるし、泣けばずっと相手をしてくれるわけですから。なかなか寝なくなるのは当然かもしれません。日本流の寝かしつけや夜泣き対応をしていると、子どもは1人で寝る学習がなかなかできないわけです。――夜泣きについて、先生は著書で「消去法」を推奨されていますね。森戸先生:消去法というのは、欧米で取り入れられている子どもの睡眠方法。生まれて数日したら親子は別々の部屋で夜を過ごし、子どもは1人で寝る練習をするというものです。この消去法では、赤ちゃんが泣いてもなるべく手を出さないようにして様子を見ることが大事。まるっきり一人にする必要はなく、赤ちゃんの様子を観察しつつ、なるべく抱っこしないようにします。そうすることで、一人では眠れない、泣いたらママが来てくれるといった入眠の誤学習を防ぐ方法です。眠りのトレーニングを生まれてすぐすることで、こうやって眠ればいいんだと子どもは生後3〜4カ月までには習得するようです。――泣いても相手をしてあげないと、愛情を感じずサイレント・ベビー(無表情で言葉も遅い赤ちゃん)になってしまうのではないかと心配するお母さんもいるようです。森戸先生:このサイレント・ベビー説は日本で長年信じられてきた育児神話の一つですが、医学的根拠が大変薄いのです。一小児科医が提唱した考えなので科学的根拠もありませんし、その説が正しいとしたら、消去法を取り入れている欧米の子どもはみんなサイレント・ベビーになってしまいます(笑)。赤ちゃんが夜、長時間ぐっすり寝られるように、海外には、夜用の腹持ちのいいミルクもありますよ。日本では、母親が子どものために尽くすことが美徳のようにいわれますが、お母さんも人間なので睡眠はとても大事です。生活リズムを子どもに合わせていたら寝られないし働けないというのなら、そこは大人に合わせてもらうのでいいと思います。子どもの安全を確認しつつ、一人で寝かせてもいいのではないかと考えます。例えば、夜8時に寝かしつけを始めたけれど、結局10時まで寝ないというお母さんが相談に来られるんですけど、その2時間があったらお母さんはいろいろなことができますよね。夜8時に寝かせようと頑張る母親と絶対に寝ないと頑張る子どもの戦いが毎日(笑)。それなら、9時半に寝かしつけるようにしてもいいと思うのです。育児が思い通りにならないと、イライラしてキーっとお母さんもなってしまいますよね。それでは、お母さんも子どももお互いがつらくなってしまいます。それより、多少理想とは違う子育てになっても、お母さんと子どもの両方が楽でうれしい方を選んでいいと思います。例えば『完璧なおやつを手作りしたいからキッチンへ来ないで』と子どもを追い出すよりも、2人でスナック菓子でも食べていた方がお母さんも子どもも幸せではないでしょうか。インナー姑に従って自己満足のためにやる育児ではなく、子どもと親の両方が笑顔で過ごせる方法は? という観点で優先順位を考えた方がいいですね。■「叱った後はやさしく抱きしめる」は本当に正しいの?――子どもへのしつけですが、よく育児書に「子どもを叱った後はやさしく抱きしめてあげましょう」と書いてありますが、その通りなのでしょうか? それは、DV夫が暴力・暴言の後に「ごめんね」と妻にやさしくなるのと一緒ではないかとモヤモヤするお母さんもいるようです。森戸先生:そうですね、叱られてすぐに抱きしめられたら、子どもは混乱しそうですよね。さっきまで叱っていたお母さんが急に抱っこするので「どうして?」と子どもは思います。それに、最終的にやさしく抱っこされるのなら、子どもは何をしたら叱られるかという基準がわからなくなるかもしれません。それに、大きな声やきつい言葉で叱るなどはエスカレートしやすいですし、人前で恥をかかせる行為にもなるので、子どもには逆効果となります。好ましくない言動をしたらお母さんがかまってくれると子どもが誤解しないように、叱るのではなく目を合わせない、話しかけても答えないなど、「無視」が効果的だといわれています。また、タイムアウト法といって、子どもを別部屋に連れていくなど1人にして考える時間を与えるというのも保育園などで取り入れられています。ただし、ほかの人や物、自分自身にも害が及ぶような危険な言動を子どもがした場合には、直ちに止める必要があります。――叱らず相手にしないのが効果的とのことですが、おでかけ先で子どもが泣いたり暴れたりしたとき、親が叱らないと「何だあの親は」と周囲は思いますよね。森戸先生:日本では、周囲へのパフォーマンスとして親の強く怒ってる姿を見せなければいけないというのがあるかもしれませんね。周囲に迷惑をかけるようなら、乳幼児の場合は外に出る、あやすなどの対応をし、言い聞かせることができる年齢の子なら、繰り返し穏やかな声で「静かにしなさい」と短くわかりやすく指令を伝えるブロークンレコードという手法をおすすめします。ただし、周囲へのパフォーマンスとして大声で強く叱ったりする必要はありません。でも、そういった子連れに対して文句を言う人たちは、手を貸してくれるわけではないですし、何か起こったときに責任を取ってくれるわけでもありません。だから、お母さんはあまり気にしなくていいと思います。実は、そういった文句だけの人は少数派だと思います。多くの人が『子どもが泣いてお母さん大変そうだな』『元気な子どもでかわいいな』って思ってる人の方が多いけれど、『うるさいな』というマイノリティーの言葉の方が目立つだけではないでしょうか。だから、そういうお母さんに対する周りの圧力みたいなものは気にしなくていいと思います。――家ではいろいろできそうですが、外では見逃してしまいそうです。森戸先生:それをしてしまうと、子どもは『外なら泣いたり暴れたりしても大丈夫』と覚えてしまうので、お母さんは外でも一貫性を示す必要があるでしょう。場所がどこであっても『やってはいけないことはやってはいけません。お母さんはもう知りません』という態度を示せるといいですね。なかなか難しいとは思いますが…。■イヤイヤ期の子育てがつらい、限界だというお母さんへ――2、3歳のイヤイヤ期の子を持つお母さんで、子育てが楽しく思えない、子どもをかわいく思えないというのは少なくありません。でも、そう感じてしまう自分をまた責めるという悪循環が生まれています。森戸先生:そう思うのは当然ではないでしょうか。例えば、自分もお父さんやお母さんから、いつも100%好かれていたと思いますか? 逆に、自分も親のことはすごく大好きだけど、すごく嫌いなときもありますよね。親から怒られたことがない、親が嫌で家出したいと思ったことがない人の方が少ないのではないでしょうか。子どもだから、家族だから100%好きでなければいけないことはありません。好きだけど嫌いという感情があるのは自然だと思います。――確かにそうですね。でも、頭では納得していてもイヤイヤ期の子どもにはイライラしてしまいます。それをやり過ごすコツや、自分をコントロールする方法はありますか?森戸先生:子どもに尽くそうと思わないこと。人間ですから睡眠も必要ですし、1日に1つは子どものこと以外の楽しみがあるといいですね。イヤイヤ期の子どもは暴言もはきますし、たたいてくることもあるでしょう。親であってもムカッとするのは当然です。そういった楽しみがなければ子育ては続きません。――ときにはお母さんが感情的になってしまうこともあると思います。森戸先生:いつも冷静に大きな声を出さずに子どもを育てるのは無理な話です。それでお母さんが罪悪感を持つことはありません。叱っても子どもに悪いことをやめさせる効果はないかもしれませんが、思わず大きな声が出てしまうのは仕方のないことです。うちもイヤイヤ期は大変でしたけど、当時はタイムアウト法など知りませんでした。でも、子どもが好ましくない行動をしたら無視する、応じられないものには毅然とした態度で受け入れないなど、今から考えるとタイムアウト法に近いことをやっていました。――そうなんですね。先生が子育てで一番悩まれていたのはどんなことでしたか?森戸先生:私は当直があったので『お泊まりで仕事行かないで』と娘が泣くんですよ。うちで子どもが泣いてるのに、病気の子を診なければいけない自分にすごく罪悪感を持っていました。でも、病院には私をすごく必要としてくれる子がいるのに、行ってあげられないというのも嫌だったんです。ですから、2人目が生まれた時には育休を長めにとったり、時短勤務に切り替えたりと働き方を考えました。――ということは、お子さんは0歳から預けられていたんですか?森戸先生:母に預かってもらうこともあったし、職場の保育室へ連れて行ったり、認可保育園に空きがでたら保育園へ。第一子のときは『預けて働くなんてごめんなさい』と思っていましたが、保育園の方が常に複数の先生がいらっしゃるし、相手は子育ての専門家。かわいそうなことは何にもなく、誤解だと気づきました。知らなかったからそんな不安があったんですね。3歳まではお母さん1人で子育てした方がいいといういわゆる『3歳児神話』は厚生労働省によってすでに否定されています(厚生労働省 『厚生白書(平成10年版)』 )。母親だけが育児をするものではないし、むしろ弊害があるケースがあるとはっきり提言を出しているのです。人は社会の中で生きていくのですから、小さい頃から社会に触れるのは大事だと思いますし、むしろ良い面の方がたくさんあると思います。今は、仕事を持つお母さんの方が専業主婦の倍以上いるのですから(厚生労働省 『厚生白書(平成30年版)』 )、子どもを保育園などに預けることは普通のことですよね。■自分の中の「インナー姑」を追い出すには?――自分の中の「インナー姑」を追い出すにはどうしたらいいと思いますか?森戸先生:日本の絶対は、世界の絶対ではないことに気づくことですね。外国人のお母さんに『赤ちゃんは毎日お風呂に入れてますよね?』と聞いたら『いいえ』と言われたことがありました。へその緒が取れるまでお風呂に入れてはいけないという国もあれば、北欧など寒い国では体を冷やさないように毎日お風呂には入れないそうです。子どもは毎日お風呂に入れるものと私にも先入観がありましたが、首も座らない赤ちゃんをベビーバスへ毎日入れるのは大変ですよね。目的は清潔を保つことだから、拭くだけの日があってもいいわけです。『これが絶対』と思わず、いろいろな価値観を知ると、日本古来の『インナー姑』はいなくなるのではないでしょうか。そういった意味でTwitterなどのSNSを利用したり、ネットを活用して情報を収集するのは良いと思います。例えば、母乳をよく出すと言われる食材は国によってバラバラで、決まった食材はないのです。日本ではごはんを食べるように言われますが、じゃがいもとかかぼちゃは食べるけどごはんは食べない国もあります。離乳食も、ヨーロッパはみんなじゃがいもですが、東南アジアはタロイモ、日本はおかゆ。それぞれでいいのだと気づきます。SNSやネットには嘘か本当かわからない情報も氾濫していますが、真偽が怪しいと感じたものは、コメントで質問したりするといいと思います。それで返事がない、リプライがもらえないようなら、そのまま信じずに保留で。そして、同じような意見を持っている人がほかにもいないかリサーチして、総合的に信用できるかできないかを自分で判断するようにしたらいいでしょう。「小児科医はもちろん、産科の先生や看護師、保育園や幼稚園、学校の先生など、子どもに直接関わる仕事をしている人でも、未だに医学的・科学的に根拠のない『育児神話』を唱える人が後を絶ちません。そういったママを追い詰める日本特有の『育児はこうであるべき』が早くなくなればいいと考えています」と森戸先生。その歯に衣着せぬ「子どもを100%好きでいなくてもいいのよ」「お母さんだけが育児を背負いこむことはありません」「できないことは仕方がないから無理しないで」という言葉の数々に救われたお母さんも多いでしょう。森戸先生の著書のタイトルの通り、「子育てはだいたいで大丈夫」。子どもとお母さん、そしてお父さんみんなが幸せなことが、その家族の育児の形なのではないでしょうか。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 内外出版社/森戸やすみ著/1540円(税込)朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。<参考サイト>厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」 厚生労働省: 「厚生白書(平成30年版)」
2020年07月20日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 360話で人生初の(一方的な心の)ママ友ができた私。そんなうれしい日から数日後、またまた保育園のお迎えのときのお話です。 当時の長女N子は、自分で靴を履きたがって保育室の前のテラスで毎日のように靴を片手に「あ〜でもない」「こ〜でもない」と試行錯誤を繰り返してずっとそこに座っていました。その間、私もN子の横に座りボーーーーーーとN子の気がすむのを毎日待っていました。 すると、一人のお母さんが「自分でおくつ履きたいねんな〜」と言いながら近づいて来たのです。その若くて優しそうなお母さんは「お母さん毎日おつかれさま〜お先です〜」と、まるで毎日N子と私を見てくれていたような、うれしい言葉をささやいて去って行ったのです。 !!!!! (一方的な心の)ママ友が一人見つかったものの、まだまだアウェイな保育園という空間で、またしても誰かが私に話しかけてくれるなんて!?とビックリしつつ、浮かれきった私の脳裏に、再度、あの憧れの言葉が……。 ま、ま、ま、またママ友〜〜〜!?その後、その若くて優しそうなお母さんは、実は、保育園の先生だったことが判明!先生だったのか〜と勘違いしてしまったことにちょっとハズい気持ちになりながらも、仕事とはいえ、私とN子をいつも見てるよ〜的な先生の優しく暖かい言葉はとてもうれしかったです。N子と私に優しくしてくれてありがとございました〜♡ てか、私、苦手とか言いながらママ友に超敏感〜 イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年07月08日生後間もない赤ちゃんが泣き続けて、困ったことのあるママやパパも多いのではないでしょうか。赤ちゃんが泣いているときは、何らかの理由があるため、その理由に合わせた対処を心がけるようにしましょう。今回は、赤ちゃんが泣き止まないときに考えられる原因や、泣き止んでもらうためのコツについてお話ししていきたいと思います。 ママやパパの大きな悩み! 赤ちゃんが泣き止まないのはどうして?赤ちゃんがなかなか泣き止まないときは、何らかのサインを発している可能性があります。言葉を知らない赤ちゃんは、感情を伝える方法が「泣く」以外にありません。そこで、ママやパパは赤ちゃんに変わったことが起きていないか、確認してみると良いでしょう。泣く理由の多くはおなかがすいたとき。これは、授乳をすることで泣き止みます。このほか、おむつが濡れているケースもよくありますが、これもおむつを替えることで解決します。 おっぱいをあげたばかりで、おむつもきれいなはずなのに泣き続けるときは、赤ちゃんは「不快感」を覚えていることがあります。眠りたいのに眠れない、体感温度が熱すぎるか寒すぎる、ベッドの寝心地が悪いなどの理由を探ってみましょう。ちょっとした音や照明を嫌がっていることもありえます。大人にとっては何も感じない環境でも、繊細な赤ちゃんにとっては気になる要素になってしまうことがあるのです。 また、生後5カ月ほどまでの赤ちゃんは特に理由がなくても泣き続ける傾向があります。ママやパパは、赤ちゃんとは泣くのが当たり前だと受け入れ、やさしく接するように心がけましょう。 ただし、「赤ちゃんは泣くのが普通なので、泣き止まなくても放っておけばいい」という考え方は危険です。時として、赤ちゃんは便秘などの体調不良や発熱を伝えたくて泣いている恐れがあるからです。泣き止まない状態が続くようなら、体温を測ってみるなどして体調が悪くないかどうかを確かめ、必要があれば病院に連れて行きましょう。便秘ぎみだったり、おなかが張っている様子があれば、綿棒浣腸をしてうんちやガスを出してあげると良いでしょう。 赤ちゃんが泣き止まないときの対処法について赤ちゃんが泣き止まないとき、真っ先に考えたいのは「おなかがすいている可能性」です。このとき、「十分に母乳をあげたはずなのに」という先入観は捨てましょう。赤ちゃんはその日の体調によって、満足する量が変わります。いつもの量では足りずに、泣いていることも多いのです。臨機応変に母乳をあげましょう。ただし、育児用ミルクや離乳食は1日あたりのカロリーや栄養量が計算されています。多めにあげる場合は、育児用ミルクよりも母乳にするのがベターです。 気をつけたいのは、「泣いたら、とにかく母乳」と安易な対処を繰り返してしまうことです。赤ちゃんはおっぱいをくわえたら、おなかがいっぱいでも飲んでしまう習性があります。そうすると、本当の泣き止まない原因が解決されないままになってしまうことがあります。赤ちゃんのおなかがふくらんでいるときは、おっぱい以外の原因がある可能性が高いです。たとえば、「おむつが汚れている」のもよくあるケースなので、すぐに取り替えてあげるようにしましょう。 そのほか、「乱れた洋服を直してあげる」ことや、寒暖に対する訴えの場合は「重ね着させたり、逆に枚数を減らしたりしてみる」など、衣服の調整も泣き止まない赤ちゃんへの効果的な対処法となります。遮光したり、テレビなどの音量を下げたりして、赤ちゃんが過ごしやすい環境を整えるのも効果的です。寝苦しくて赤ちゃんが苦しんできるときは、寝返りを手伝ってあげたりすると泣き止むこともあります。 しかし、何をしても泣き止まないときはあり、泣きのピークは生後1~2カ月ごろからおきて、生後5カ月ごろにおさまってきます。そのことを知っておくだけでも気持ちがラクになるかもしれません。 揺さぶりすぎに要注意! ママの心構えとイライラ解消法泣き止まない赤ちゃんに接するとき、泣き止まないことで、赤ちゃんを激しく揺らしてしまうことのないように気をつけましょう。激しく揺さぶられることによっておこる「乳幼児揺さぶられ症候群」となる危険性があります。この症候群は、網膜出血や硬膜下出血、意識障害が起こる可能性があります。赤ちゃんにさまざまな悪影響があるだけでなく、最悪の場合には死に至る恐れすらあるのです。赤ちゃんが頻繁に嘔吐したり、長時間眠って目覚めなかったり、異変が目立つような場合は、病院ですみやかに検査してもらいましょう。 乳幼児揺さぶられ症候群は、生後半年までの赤ちゃんがかかりやすいのですが、2歳までは発症のリスクが消えません。乳幼児揺さぶられ症候群を防止するためには、赤ちゃんをゆっくりとやさしく抱っこする必要があります。 とはいえ、泣き止まない赤ちゃんにストレスを感じてしまうと、思わず激しく揺さぶってしまうママやパパもいます。特に、赤ちゃんに長時間接することが多いママは、いわゆる「育児ノイローゼ」にかかることも珍しくありません。赤ちゃんの健康には、ママのメンタルケアも大きく関わってきます。 ママのストレスを軽減するためには、周囲の協力が大切です。パパや家族にサポートをしてもらい、心身ともに疲労がたまったときは休息をとりましょう。また、パパに家事を代わってもらったり、夜泣きのときに対応してもらったりするのもストレス解消のコツです。「自分だけが苦しんでいる」という状況を改善すれば、イライラも収まっていくでしょう。 まとめ赤ちゃんが泣き止まないときは、パパやママにとってストレスになりますよね。ストレスが蓄積されると、育児ノイローゼにもなりかねません。しかし、赤ちゃんが泣く理由を知っていると冷静に対処することができることもあるかもしれません。そもそも、「赤ちゃんが泣くのは健康の証」だと考え、マイナスな感情を抱かないようにできると良いですね。どうしてもストレスや疲労が解消されないときは周囲の協力を求めるなどして、思い悩まないようにしましょう。 ※参考:厚生労働省「赤ちゃんが泣き止まない~泣きへの対処と理解のために~」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2020年07月03日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 今日のお話は長女N子が保育園に慣れてきたある日の出来事です。 N子は保育園からなかなか家に帰りたがらないタイプの子で、いつもお迎えに行ってから保育園を出るまでにすごく時間がかかっていました。なので毎日毎日お迎えの時に「Nちゃんお家帰るよ〜」「早く靴下はいて〜」「じゃあマミー先帰ろうかな」というような早く帰ろうぜ的な意味の言葉を、方言丸出しでN子に語りかけていました。 するとある日、明らかにプロっぽいベテランお母さんが「やましたさんてどこの人なん?」と話しかけてくれたのでありま〜す。 !!!!! 完全アウェイだった保育園という異空間で、誰が私に質問を!?とビックリしつつ、同時に妊娠当時から不要やなと思いつつも、実は超憧れていたあの言葉が頭をよぎりました……。 ま、ま、ま、ママ友〜〜〜!? 訛りがきつかったから出身地を聞かれただけにも関わらず、これがママ友か!これがママ友の始まりなのか!!と一方的に舞い上がってスキップしながら(ぐらいの気持ちで)家路に着いたのを覚えています。 その後、このお母さんとドラマのように超マブダチになることはなかったし、子どもたちが別々の小学校に行ったので、もう会うこともあまりないですが、私の中ではいつまでも記憶に残る初ママ友ということに勝手にさせてもらってます。小動物のように怯えていたシロウトの私にフレンドリーに話しかけてくれて本当にありがとうございました〜♡ イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年07月01日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 前回358話で、助産師さんが赤ちゃんの首ねっこを触って体温が分かるのがすげ〜!というお話を描かせて頂きました。 赤ちゃんを育てていたら、いつかこんなミスターマリック(昭和に流行ったすごいマジシャン)みたいなすごいマジック(ではない)ができるお母さんになるんだろうか……と漠然と思っていたのですが、その後、保育園に入ることができ、毎朝検温するようになり、アホみたいに病院通いをしていたら、知らん間に私もパピーちゃんも首ねっこ検温ができるようになってました。 毎日の育児でへとへとだった私ですが、この首ねっこ検温で毎朝パピーちゃんと対決をして、私が正解だった時には心の底からうれしかったのを覚えています。 最近コロナで、小学生になったN子とKTも毎朝検温をしていますが、この首根っこ検温は今でもとても役立っています。 助産師さんに憧れて、首根っこ検温にトライしてみて良かったな♡と思います。 イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年06月24日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 今日は、私がプロだと思ったお母さんの番外編で本物のプロのお話です。 長女N子を出産して3日目くらい、いや、4日目、5日目……?覚えてないので3日目にさせてください。 まだまだ毎日訳も分からず助産師さんに言われた毎日のタスクを言われるがままにこなしているときのことです。 N子の熱を測るとまさかの39.5℃!N子が死んでしまう〜〜!!!と慌てふためいて助産師さんに助けを求めると、彼女は冷静にスッとN子の首の後ろを手で触り「大丈夫やわ。測りなおしてみて〜」と笑顔で去って行きました。 ぷ、プロすぎる……。まだ赤ちゃんに不慣れで、触っただけでも壊してしまいそうでドキドキしていたあのころに、仕事とはいえ助産師さんのそのすべての言動が本当にかっこよくてかっこよくて圧倒されたのを覚えています。 世の中いろんな職業があるけど、本当に世のため、人のため、素晴らしすぎる職業の一つだなと尊敬しています!助産師さん大好きです!こらからも頑張ってください♡ イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年06月17日出産した途端、授乳、抱っこ、オムツ替えの無限ループで、なかなか夜もゆっくり寝られないですよね。さらに、しばらくはガルガル期ということもあり、イライラモヤモヤすることが多いと思います。突然涙が止まらなくなったり、落ち込んだりすることもあるでしょう。そんな時、決まってかけられるのが「赤ちゃんが小さいからしょうがないよ」「子育てって大変だから」という言葉です。そう言われると「そうか、このイライラモヤモヤは育児のせいなんだ。もしかして、自分は育児ノイローゼなのかも…」と思うかもしれません。でも、それは本当に育児の大変さに対するイライラモヤモヤなのでしょうか? もしかしたら、原因は別にあるかもしれません。今回は、子育てママが勘違いしてしまう、育児が原因ではないイライラモヤモヤについてお話ししましょう。■そのイライラモヤモヤ、育児が原因ではないかも?育児は一生のうち何回も経験することではないし、少子化のため身近に相談できる人も少ないため、ひとりで悩むママは多いでしょう。育児は完璧にやらないといけない、良妻賢母でなければいけないと自分自身を追い込んでしまい、育児がつらい、苦しいと感じてしまうことも。確かに、出産によってママの生活は一変します。夜は授乳のために頻繁に起きなくてはいけませんし、ひとりの時間もなくなり食事もおでかけもままなりません。そもそも命を預かること自体の責任が重すぎて相当ストレスを感じますよね。それに加え、産後のホルモンバランスの変化から、自分以外の人やものに対して攻撃的になる、いわゆる「ガルガル期」もしばらく続きます。出産後のママからの「突然涙が止まらなくなった」「うまくできない自分を責めて落ち込んだ」「夫に当たり散らしてしまった」といった声は少なくありません。「もしかして私、育児ノイローゼなのかもしれない」と追い込まれている方もいるでしょう。そういった時、周囲はたいてい「仕方ないよ、育児が大変なんだから」となぐさめの言葉をかけてくれます。「そうか、育児が大変だから、私はこんなにイライラモヤモヤしているんだ」とママも納得するかもしれません。しかし、そのイライラモヤモヤは本当に育児だけが原因でしょうか? 子どもを育てる大変さだけが、ママを追い詰めているのでしょうか? 例えば1日、夫や親に子どもを任せてひとりで出かけても気が晴れない。夫がどんなに家事育児を分担してくれても、イライラが止まらない。そんな時は、育児が原因ではないかもしれません。■あなたのイライラモヤモヤは何が原因?直面しているつらい気持ちの原因が、育児かどうかをチェックする方法が一つあります。それは「誰(何)に責められていると感じるか?」を自分自身に問いかけてみるのです。もし、育児が原因なら、あなたを責めているのは「あなた自身」。「どうしてちゃんとできないんだろう」「子どもが泣いている理由がわからない」など、自分が思い描く理想の子育てができていないと感じ、自分を責めてしまうのです。日本には昔から、3歳までは家で親が子育てするのが望ましい、ミルクより母乳の方が丈夫な子どもが育つ、夜中の授乳や添い寝は必須といった「育児神話」が存在します。実際は、その全部もしくは一部はすでに科学的に間違いであると証明されていますが、もしかしたら、そういった育児神話にとらわれて、自分で自分を責めてしまっているのかもしれません。そんな時は、夫に「もう限界なので今日は家事をやめます」と放棄宣言をして、まずはぐっすり眠ること。また、短時間でもひとりの時間を作るなど工夫してみましょう。一方で、あなたを責めていると感じるのが自分以外の場合は、イライラモヤモヤの原因は育児ではなく、その人やものかもしれません。例えば、義母から「母乳で育てていないの?」と言われた、夜に子どもが泣いているのに夫は全く起きる気配がない、早く復職したいけれど保育園に入れなかったなどは、どれも育児に関係するイライラモヤモヤです。しかし、あなたが責められていると感じているのは、それを発した人や環境に対してではないでしょうか。自分で自分を責めているのか、他人から責められていると感じているのかをチェックすることで、あなたのつらいと感じている原因がはっきりしてきます。■イライラの原因が実母・義母にある場合の対処法育児を媒介として、他人に責められていると感じつらいのだとしたら、どうしてそう感じるのかをさらに深く自分自身に問いかけてみましょう。例えば、親が育児に口を出してきた時にカチンとしたのだとしたら、どうして素直にそのアドバイスを聞けないのかを自分に問いかけてみるのです。もしかしたら、親のアドバイスは古い常識で、今の育児とはもうかけ離れているのに、押し付けられていると感じているのかもしれません。もしくは、親がいつまでも自分を子ども扱いして、育児にまで指図しようとしてきているのを嫌だと思うこともあるでしょう。それまではつかず離れずの距離で実母や義母といい関係を築いていたのに、子どもが生まれた途端、いろいろ育児に口出しをされて仲がこじれたという話をよく耳にします。おそらくこれは、実母・義母に「育児の先輩」意識があるからでしょう。娘(嫁)の仕事や趣味、人間関係などはよくわからないけれど、育児は自分もかつてやったことがあるから、「余計な一言」を言ってしまうのです。裏を返せば、実母や義母は育児が唯一、遠慮なく口を出せる分野と思っているのでしょう。そういった時は、アドバイスされたことや行動が本当に正しいことなのかどうかを冷静に見極めることが大事です。それが、育児の古い常識であったり、ただの思い込みであったり、単なる習慣の違いだとわかったら、それに対して自分はどう振るまえばいいかを考えてみます。実母・義母には「今はもうそれは違うそうなので、保健師さんの指導に沿ってやってます。見守っていてくださいね」と直接もしくは夫を通して、きっぱりと伝えるといいでしょう。■イライラモヤモヤの原因が夫や環境にある場合の対処法イライラモヤモヤの原因が夫の言動や行動にあるようなら、実力行使に出てみてはいかがでしょうか。例えば、家事がおろそかになっていることを夫に注意されたとしたら、先でも紹介したように、「今、育児が大変で、体力も落ちています。倒れそうなので睡眠時間確保のために今は寝ます」と宣言するのもいいでしょう。育児は母親の担当という風潮が未だに残っていますが、夫もわが子の親です。どんどん弱音をはいて、どんどん頼って、育児や家事に巻き込んでいくようにすれば「家事をちゃんとしたら?」といった心ない言葉は出てこなくなるでしょう。また、育児に不親切な環境へのイライラもありますよね。気軽に預けられる先がない、保育園に入れられなかったなどが挙げられるでしょう。特に用事がなくても、地元の保育園の一時保育や保育ママなど、行政サービスを調べて利用してみるのがおすすめです。家族以外にも預け先を確保しておくことは、ママの気持ちの安定にもつながりますし、急遽お願いしなければいけないことが起こっても、預け慣れていればお願いしやすいですね。人に頼るのが苦手なタイプは「子どもが小さいのに他人へ預けるなんて…」と抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、夫婦共働きであれば、子どもを保育園などに預けたりと他人の手を借りるのは普通のこと。「長時間預けて、何かあったらどうするの?」といった言葉を口にする人もいますが、母親ひとりの育児の方が絶対に安全とは限りません。逆に、保育のプロに育児をお願いできて、自分はイライラモヤモヤから解放されるのですから一石二鳥ではないでしょうか。日本には「苦労してこそ子育て」といった風潮がありますが、育児の大変さと子どもへの愛情は、決して正比例ではありませんから、罪悪感を覚える必要はないのです。子育て中のイライラモヤモヤ、その原因が本当はどこにあるのか。ぜひ今一度、自分に問いかけてみてくださいね。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年06月12日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 皆さん双子に憧れってなかったですか? 私は憧れてました。超〜憧れてました。可愛い双子ちゃん。 が、長女N子が生まれてから育児の大変さを目の当たりにし、双子への憧れとはキッパリ決別しました。 1人ずつでもあんなにクタクタやったのに、2人同時にって…。育児能力の低い私にはとうてい無理なお話でした。 保育園の時、長女N子のクラスにも双子ちゃんがいたのですが、お母さんマジで尊敬〜。プロ以外の何者でもないですよね。 夜中倒れそうに眠たい時、二人が同時に泣き出したらどうしてるんでしょう……一人に授乳してる時にもう一人は何をしてるんでしょう……想像を絶しますよね……。 双子(もしくはそれ以上)のお母さん、心の底からお疲れす!!!!! イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年06月10日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 315話で出てきたおしりふきの成分を冷静に分析していた友だちに2人目の赤ちゃんが生まれました〜!おめでとうございます!めでたいですよね。 ただ、私が出産&育児をした平穏無事な世の中とは違い、今、このコロナ禍での育児……ストレスがものすごいんではないかと勝手に想像しています。 そんな中、赤ちゃん育児をすでに終わらせた私には「自分の家族の自粛」以外できることが何もありませんが、せっかく赤ちゃんのお母さんが見る人気サイトで漫画を描かせて頂いているので、不安を抱えているお母さん達に超心の底から超リモート応援をさせてください。 4コマ目をいつもより多く動かしてみました。 おかあさん超ファイト〜!!!!!!!!!! イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年06月03日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ 今回は、ライブドアブログの公式ブロガーでもある、あざみさんの育児マンガをご紹介! コロナの影響で幼稚園も学校も休み、自粛要請でお家の外にも行けない…そんな日々と夫の仕事、多忙な時期がドンピシャリと重なる。 こんなときこそ夫婦協力!オトンだってこの先どうなるかわからない世界で毎日精神すり減らして仕事を頑張ってるんだ。連日引きこもりワンオペ育児だけど、私も頑張らなくちゃね……そんなことを考えていたある日のこと。 久しぶりにオトンが家にいる!それだけでちょっと心が安心。だけどたまの休みだしゆっくりさせてあげなきゃね。そしていつも通りワンオペ。そしてふと思う。 てゆうかオトンだけ何してるん?てのひらクルーっ!ゆっくりさせてあげなきゃって自分で思ったくせに今度は1人寝室でのんびりしてるオトンに対しイライラしちゃうオカン。不公平ちゃう? 気づけば夕方。そこにはキッチンでたこ焼きの準備をしていたオトンがいた!オトンが焼いたたこ焼きが美味しすぎて食べすぎちゃったせいか胃が痛くなったオカン先に寝かせてもらうことに。 ところが……歯磨きもしてないオムツも変えてないさぶちゃんが寝室にきて我の眠りを妨害しておるぞ?オトンは一体何してるってんだ。 出典:ライブドアブログ 体調不良のあざみさんに「任せとけ!」とご主人から頼もしい言葉をもらったのに……? 一体ご主人は何をしていたのでしょうか……? 著者:あざみ2014年3月長男、2015年9月次男、2018年2月三男を出産し3兄弟の育児に奮闘中。書籍の発売が決定!「育児書が教えてくれない 育児のホント 妊娠から1歳までのリアル体験談」
2020年05月27日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 前回354話でも書かせて頂きましたが、子どもが小さい時には髪の手入れが難しくなりますよね(髪の手入れ=シャンプー&ドライヤーの意味)。 私はショートにする派でしたが、なんと保育園にはこんな素敵なお母さんがいたのですパート2。 丸坊主〜! もはや素敵以外の言葉が見つからないですよね。 「むっちゃ楽やで♡」と満面の笑顔を浮かべる彼女のその姿はまるで西遊記の時の夏目雅子さん(昭和を代表する女優さんのひとり)のようにキラキラと輝いていました。 プロだ〜!超プロだ〜!!かっちょよ過ぎる〜♡ イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年05月27日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは。高齢育児中のイラストレーター、やましたともこでございます。 子どもが小さくてまだまだ手がかかる時って髪の手入れがむずかしくなりませんか?むずかしいというか、私的にはシャンプーしたくない!乾かすのもめんどい!と本当に苦痛な時間でした。そこで、私はあまりのしんどさにショートにする派でしたが、なんと保育園にこんな素敵なお母さんがいたのです。 超ロング! もう1回言います。超ロング! メイクもばっちり、いい匂いまでしていました。 ブロだ〜!超ブロだ〜!!すごすぎる〜。 イラストレーターやましたともこの「脱力系ゆる育児日記」は、毎週1回お届けしています! 著者:イラストレーター やましたともこ高知県生まれ大阪市在住。お固い系の商社で働いた後に大胆転職。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。おんなこどもをメインターゲットにヤングでゆるめなイラスト描いてます。
2020年05月20日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日