慎吾が近所の公園でボールを足首に乗せる練習をしている時だった。後ろから声がした。「おい、慎吾? 慎吾じゃないか」昔のサッカー仲間だった。慎吾はドキっとした。あの事故以来、慎吾は引きこもりになったと噂を流した連中だ。表面では頑張れ、立ち直れと言っていたが、影で「もうあいつはおしまいだ」と言っているのを耳にした。それから慎吾は人を信じなくなっていたのだ。「なんだ、サッカー復活したのかよ。すげえなあ。エースストライカーだったもんな。怪我、治ったんだ」「おい、今、どっかの会社に所属してるのか?」「てか、自宅療養してるって聞いてるけどな」興味本位の質問が矢継ぎ早に飛んでくる。慎吾の心の窓が、またバタンと閉じようとしている。ボールを脇に抱えて、下を向いた。「何か言えよ。どうしたんだよ」体育会系のいかつい奴が声を荒げる。こんな奴らと一緒にサッカーをしていた自分が馬鹿みたいに思える。こぶしを握ると、桃香の艶やかな声が頭の中ではじけた。"慎ちゃん、強くなんなよ。負けてない?"慎吾は顔を上げて3人の男達をキっと睨んだ。「今はフットサルをしてる。こいつと離れる事はできないって思ったから」ボールを手のひらの上に乗せてスっと彼らの前に差し出した。「お前らもフットサルやれよ。試合を挑むよ。絶対負けない自信がある」3人は、黙って顔を見合わせる。「…へえ…そうか。ま、いつかフットサルやろうや」「あ、ああ。いいね、フットサル…」その場を繕う言葉が続く。「じゃあな、慎吾」3人は背中を丸めて立ち去った。「おにいちゃーん、ボール、おねがいしますー、そっちに転がったあ」小学生の男の子がサッカーボールを追いかけて走って来た。コロコロ転がってくるボールを足で止めて、「おにいちゃんも練習に混ぜてくれよ」と慎吾は笑った。「ほんと? 教えてくれるの? おにいちゃんプロ選手でしょ」男の子がニカっと笑う。「なんで、プロなんだよ?」「立ってるだけでわかるよ。ボール持って立ってる姿がチョー様になってる。ただ者じゃないって感じ」「おもしろいこと言うなあ。チーム名教えてくれよ」慎吾はボール二つを両手に抱えて男の子と歩き始めた。(続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年02月11日慎吾はコートから目を離さず食いいるように練習風景を見つめている。時折やって来るこぼれ球を返すとき、必ずボールを手に取ってひと呼吸ついた。まだボールがなじんでくれない。「お前は俺を捨てたんじゃないか」とボールに責められているような気がする。自分はボールを蹴ることで生きてゆく、世界中のコートでボールを蹴るんだと思っていたのに、なぜボールと距離を置くようになったのかいまだモヤモヤしている。サッカーから逃げた俺、仲間から逃げた俺。情けない自分像が浮かんでは消える。今、目の前でボールを追っているメンバーたちは、こんな弱い自分を受け入れてくれるのだろうか。趣味で蹴っているのと、夢を託して蹴っているのでは全然違うんじゃないか、どういうスタンスで蹴ればいい? 今更、コートに戻って来てもいいのだろうか。悩めば悩むほどわからなくなる。練習が終わり、冬馬が慎吾にチームの説明をした。「2ヵ月に1回くらい他のチームと試合するから、それに向けてけっこうまじに練習してるんだ。よかったら参加してくれよ。そんな強くないんだけど」慎吾は神妙な顔つきでうなづいた。そこまで決心ができていない。チラっと桃香の顔を見る。桃香は目で「がんばれ」と合図する。その様子を見て冬馬はちょっとだけ嫉妬した。帰りの電車の中で桃香は尋ねてみた。「慎ちゃん、どうだった? 見学してみて。おもしろかった?」「うん、なんかドキドキした。小学校の時、はじめて体育でサッカーの授業受けたとき思い出して」「はーん、新鮮だったってことね。よかったじゃん。初心に戻って蹴ってみればいいよ」慎吾は桃香の嬉しそうな顔を見ているとまだボールとなじめるかどうかわからないことを言い出せない。電車がカーブを曲がるとき大きく揺れた。倒れそうになった桃香を慎吾が抱きとめた。ギュっという音がきこえるようなできごと。目が合った。慎吾は照れてスっと視線を窓の外にそらした。夜の都会のネオンたちがビュンと過ぎ去る。時間が止まった瞬間を確実にふたりは感じ取った。「慎ちゃん、来週は私、歌のバイトあるから慎ちゃんひとりで練習に行ってね。冬馬には頼んどくから」桃香は照れ隠しに関係ないことをしゃべり始めた。(続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週月・水・金曜日配信】 目次ページはこちら
2015年02月09日「冬馬キャプテン! 元気そうだね! 今日は慎吾君連れて来たのでよろしくお願いします」ペコリと頭を下げる。冬馬の胸の高鳴りは激しくなる。メイクのせいか? 目元がやけにきれいだ。くっきり描かれたアイライン、意思の強さを感じる。まばたきするたびにパチンと音がするような愛らしいまつげ。冬馬はしばらく見つめてしまった。数秒おくれて慎吾が「初めまして。田所慎吾です。よろしくお願いします」と小声で言う。冬馬は我に返って「うわ、イケメンだな。こりゃ、うちのチームにファンがつくぜ。よろしくっ」男らしいゴツっとした手のひらをを慎吾に向けて差し出した。慎吾はとまどいながら、冬馬と握手をした。チームのメンバーが続々集まってくる。「ウィーっす。おっ? 女子マネージャーついに来たるってか?」「やった。ついにチームのプリンセスが現れた」みんなが歓迎してくれた。久しぶりに桃香の姿を見た冬馬は動揺してぼーっとしていた。チームの連中とはしゃぐ桃香の笑顔はあの日のままだが、社会人になり、周囲に気をつかう大人っぽい仕草にハっとさせられた。外は冬が近づいていて冷えているのに、桃香の周りだけポっと暖炉であっためられているような不思議な世界だ。桃香のほうも冬馬の成長ぶりに戸惑った。何年かの時を経て、子供っぽいニキビヅラの少年がシュっとした勇ましい顔つきの男になっている。腕も脚もほどよく筋肉がつき、ドキリとする。「冬馬、なんかオトナーって感じになった」「お前もだよ。勉強の合間によく歌ってたけど、プロになれそうなのか?」「うん、ぼちぼちね。今は時々いろいろな音楽プロデューサーさんの仮歌をうたっているんだ。アーティストが曲を選ぶのに歌が入ってなきゃ困るでしょ? 曲が決まったら私の歌った歌がアーティストによって歌われる仕事なの。プロデューサーさん達は私の声を気に入ってくれてるんだ。だからといってすぐデビューできるとかじゃないけどね。なんてったって厳しい業界だから。でもあきらめないでしぶといの。私。めげないんだ。歌ってるとその世界に入り込めて楽しいから。今は、会社員と平行してやってるけど」「桃香らしいよ。何ごとにもへこたれない。コンテスト落ちても何クソって思うんだろ。気が強かったよな、昔から」歌でデビューする夢を捨てていないと言ったのが冬馬にとっては単純に嬉しかった。自分の夢は何だったっけと思い出そうとしたが、きっとあの頃の夢なんか大学受験合格程度のものだったのだ。「俺も、こうなりたいって夢、持とうかな」「ええ? 冬馬、夢なし男? つまんない奴だね」桃香がひやかす。ふたりは昔のままの居心地のよさを感じ合った。慎吾がチラリとその様子を見たのを桃香は気づかなかった。(続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2015年02月03日スイーツの街と言われる自由が丘の新しい顔は北海道からやってきた焼きたてチーズタルトが大人気の「BAKE(ベイク)」。自由が丘駅からすぐ、外まで広がる香ばしい香りに誘われるように11時のオープン前から列ができ、1日5,000個ほど売れているそうです。自由が丘店は工場直売がコンセプト、チーズタルトは作りおきせず、チーズムースを流し込むところからオーブンで焼きあがるまで製造中の様子を見ながら買い求めることができます。2階がカフェスペース、利用する場合は席をキープし、1階で購入。チーズタルトの他にもソフトクリームやコーヒーなどのドリンクをいただくことができます。焼きたてチーズタルトは、まるで小さなお月様。サクッとしたクッキー生地に、ふんわり感のとろけるチーズムースはスフレとクリームの中間のよう。いくつでも食べられそうです。サクッとしたクッキー生地の秘密は2度焼きだそう。使用するクリームチーズは美味しさを引き出すために軽い風味の函館産とコクのある別海産、塩味が強めのフランス産の3種類をブレンドしたというこだわり。テイクアウトした当日はそのまま常温でOK 、焼きたて感を味わいたい時はオーブンで焦げないように2~3分温めると甘い香りと共にサクッ、しゅわっ食感がよみがえります。冷やしたり、冷凍してチーズクリームアイスのようにと、幾通りの味わい方も楽しめます。そして自由が丘店に足を運んだなら絶対に食べていただきたいのがこの巻きも美しいソフトクリーム。北海道産の生クリームと牛乳で作られ濃厚ですが、空気を含ませて作られているのでとても軽くなめらかでおいしいです。北海道発の「BAKE」のチーズタルトは常温で持ち運びできるお手軽さ。女の子のスカートのような模様の紙袋はハッピー色。自由が丘の手土産の新定番に決定です。BAKE CHEESE TART 自由が丘店tel.03-5731-8450東京都目黒区自由が丘1丁目31番10号 BAKEビル11:00~20:00(LO19:30) 公式サイト
2015年01月31日フットサル部を作ったキャプテンは、藤川冬馬。桃香の高校時代の同級生だ。サッカー部だがそれほど熱狂していたわけではなく、補欠どまり。気が向いたら部活に参加するチャラ部員。そんな程度の冬馬が社会人フットサル部を作ったのは、会社以外の仲間が欲しかったからだ。世間はJリーグで湧いていたし、サッカーを通じて気のいい男友達が増えるのも生活に彩りを与えた。まったく違う世界で働いていてもサッカーを通じてわかりあえる。女の子と遊ぶときもサッカーをしていると言うと明らかに相手の顔が明るくなる。話題も倍膨らむ。サッカーをしているともてる。そんな自分理論を冬馬は確立し、高校の頃以上にフットサル活動に時間を割いていた。冬馬は昔、桃香に淡い恋心を抱いていた。桃香が校舎の屋上で友達と一緒に歌を歌っている時、その澄んだ声に射抜かれた。身体中を耳にして聞き惚れた。桃香の声が空気に乗っかって屋上をくるくる踊り回る、そんなイメージをいだいた。その時から桃香のことが気になってしかたない。ただ告白まではいかず、図書館友達という関係だったが。別々の大学に進んだためほとんど会うことはない、たまにメールでお互いの存在を示す程度。冬馬は現在、デザイン事務所でパッケージデザインの仕事をしている。朝から晩までデスクワークで運動不足というのもフットサル部結成の理由のひとつだ。そんなある日、桃香から「冬馬、ゴブサタ! フットサルのチーム持ってるのよね。見学したい子がいるの。連れてっていい?」とLINEが入った。桃香と会っているわけではないが、LINEでゆるくつながっていることで、淡い恋心はとろ火のようにゆらめいていた。「今月は金曜の夜、大崎で練習してる。連れてきてOK」返事を返しながら、「ひさしぶりに桃香に会うのか…」と嬉しくなっている自分に気づいた。フットサルの夜間練習の日、桃香がコートにやって来た。袖無しの赤いダウンをはおり、セミロングの髪の毛先がクルっと外巻きで揺れている。チェックのスカートがよく似合う。屋上で歌っていた頃の桃香より少し大人っぽい顔つきになった桃香が冬馬の方に向かって歩いてくる。冬馬の胸の中で誰かがスキップしているように鼓動が早くなる。桃香の少し後ろを背の高い、高校生のようなあどけない顔をした男がきょろきょろしながら歩いている。左足を少しひきずっている。(続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月27日「慎ちゃん、なんでメールくれなくなっちゃったの?」「…」「フットサル誘ったから気を悪くした?」「…」「私、あやまらないわよ。嫌なら嫌だってはっきり言ってくれなくちゃ。プロの選手になれって言うんじゃないんだから、気軽に楽しめばいいじゃない。マネージャーになるんでもいいじゃない。」「…」「慎ちゃん、ほんとはボールと一緒にいたいんでしょ」「ボールと一緒にいたい」という言葉に慎吾は、ハっと目が覚めたような気持ちがした。どうしてこんなに我慢しているんだろう。ボールと一緒にいることを。ボールを思い浮かべると胸が苦しくなるくらい寂しかった。だからわざと考えないようにした。サッカー友達とも縁を切った。桃香の誘いは頑固な自分の殻をコツンとつついて割ってくれたようだった。サッカー選手になる夢はなくなってもボールと一緒にいることはできるんだ。その瞬間、するっと言葉が出ていた。「桃香さん、フットサルの練習日、次はいつ?」桃香は にっこり笑った。「慎ちゃん、その前にさ、髪、へんだよ。ガオカはかっこいいイケメンいっぱい歩いてるんだから。そんなヘアスタイルしてると負けちゃうよ」桃香は慎吾の頭のてっぺんにピョコンと立っていた鴨の毛を指で直した。慎吾は思いっきり恥ずかしそうに微笑んだ。ふたりは普段歩かないような裏道を歩いた。3坪ほどの小さな香辛料専門店がある。さすが女性が愛する自由が丘。料理好きの女性は香辛料や隠し味にこだわる。それを知ってか、ここに来ると世界の料理がその味を再現できると思える品揃えだ。棚を見回すとサラクワペッパーだのポナペペッパーだの聞いたことがない胡椒の名前を貼ってあるボトルが並んでいる。「胡椒って、黒と白しかないと思ってたよ」桃香がボトルを手に取ってじっと見つめる。「桃香さん、僕に胡椒かけてくれた」「はい?」「じっとしてる僕が、なんか刺激されてピリってなった」「おもしろいこと言うね、慎ちゃん」「じゃあ、ピンクペッパーってかわいいから買ってみようかな」お店のスタッフが「それほど辛くないんですよ。ほのかな香りで、色が美しいので、熱をくわえないで最後のひと振りにしていただくといいですね」「僕、買う」「鮎子に買って帰るの?」「桃香さんに。僕に胡椒かけてくれたから。お礼」「えー。おもしろすぎ。でもほんとかわいい名前だ。ピンクペッパー。半濁音がふたつはいてって、耳に残るね。知ってる? お菓子のヒット商品は名前にパピプペポのどれかが入ってるんだよ。愛されやすい音なの。とくにわかーい層にね」「へえ、よく知ってるね。じゃあ桃香さんの歌にも入れればいい」「ピンクペッパーの歌かあ」「アイラブピンクペッパー…」慎吾が小声で適当なメロディをつけて歌った。「いけてない!」桃香が背中を叩く。店員が、「とっても仲良しですね」と笑った。(続く) 【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月20日慎吾からすぐには返事がなかった。慎吾は、サッカーに関係する事象を自分の中で封印したかったし、実際3年間はそうしてきたのだ。思い出すと胸が苦しくなる。それでも思い出さずにはいられない。ボールを蹴った時、足首にボールが一瞬吸い付いてピタっと止まる。手の先から足の先から背骨から、どこからともなく湧いて出てくる力すべてがボールに向かって集まってくる。そしてターゲットを定めて豪速球と化したボールがゴールを割って入る。視線はボール追いかける。視線にも念を込める。「飛べ。俺の定めたターゲットに向かって」と。そしてネットが揺れた時の無性にスカっとする感覚。仲間にナイスパスを出すと全身で受け止めてもらえる嬉しさ。信頼感。ゴールを決めると、今までの苦しかったすべてのことが一気に帳消しになるかのような爽快気分。でも今の自分は左足が思うように動かない。医師は運動をしていいと言うが、フットサルとはいえ走ったり蹴ったりは自信がない。自分の思い通りに足が動かないもどかしさにいらだつのではないか。仲間からあわれれみの目を向けられるのではないか。大好きな桃香の問いにどう答えればいい? 慎吾の胸の中を霧がかかったような不透明感が襲った。1週間後、桃香は自由が丘の学園通りをブラブラしながらバイトを終えて出て来る慎吾を待っていた。ヘッドホンからは流行りのアメリカンポップス曲が流れて来る。肩を揺らしながらリズムを取った。通りには冬物の雑貨が色とりどりに並んでいた。店の前の棚に積まれた薔薇の香りのソープ。女の子なら誰しも欲しくなるフルーツのイラストをあしらったハンドクリーム。チューリップの花の形をしたリップクリーム。今夜から部屋に置きたくなるようなアロマポット。女の子の胸をくすぐるキューティーグッズが盛りだくさん。流行遅れかなと思えるようなチュニックも見たことない派手なプリント柄だとついハンガーごと自分の肩に当ててみたくなる。秋も冬も自由が丘はカラフルで楽しい。知らない間に新しいショップが老舗の横に出現している。ちゃっかりできてしまいました、というような唐突な出店が面白い。桃香が中学の頃からある店と最近オープンした店、英語とフランス語がカタカナで書いてある看板が楽しげに連なっているところもガオカならではだ。そんなことを考えていると慎吾のバイト先に着いた。店の前のサングラス屋のウインドウを覗き込みながら新曲を半分聞いた頃、慎吾がバイトを終え、ヌっと出て来た。髪の毛がボサっとしていて寝起きの小学生のようだ。桃香はヘッドホンをはずした。(続く)【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月13日ふたりのメール交換が始まった。ありふれた日常の報告。おいしいトルティーヤを食べたこと。新しいコミックが店に入ったこと。1時間、水を飲まずに歌ったら喉がかれたこと。コミックカフェでシャワーを浴びていたらお湯が急に冷たくなってびびったこと。仕事でヘマして鮎子とふたりで上司に怒られたこと。そして桃香は自由が丘に行くたびに慎吾のバイト先を訪ねた。作曲家をめざす女の子が主人公のコミックを慎吾が見つけて薦めてくれた。店に行くたびにそのコミックを1巻読む。主人公の女の子が夢だけじゃ生きてゆけないと周囲の反対にあいながらも曲を作り続ける。作曲家で喰ってゆくなんてひと握りの奴しかいないと、くじけてしまうような言葉を投げつけられてもメジャーなメロディラインを心の五線紙に浮かべる。桃香は応援した。「夢見たっていいじゃない。夢見る力がないと、作曲家や歌手なんてなれないんだから」と。慎吾にも感想を聞いてみると、困ったような顔をしながらかわされる。慎吾は夢をあきらめたぶん、力強い未来を描くのが苦手だ。桃香は、「慎ちゃんも新しい夢みっけようよ」とまっすぐに見つめて伝えた。慎吾はジャケットのポケットに両手をつっこんだまま何も答えず上を向いた。ふたりの関係は日ごと親密になっていく。鮎子は、心を閉ざしていた慎吾がだんだん自宅のリビングにいる時間が長くなるのを肌で感じていた。ソファの上にサッカー関連の雑誌が置いてあることもあった。恋はカチコチに固まった心をやさしくほぐす。家族が踏み込めなかったささくれた部分に光を導く。「ありがとう、桃香」口には出さなかったが、会社で桃香に会うたびに感謝した。ある日、桃香は詩を書いていた。「明日は晴れだよ」「音符がフルフル跳ね回るね」「ジャンプして、ハっとするようなブルースカイ」…コミックの主人公を励ますような言葉を考えているうちに、その対象が慎吾に変わっていった。慎吾こそ、日差しがふりそそぐコートで好きなボールと一緒に走り回って欲しい。ブルースカイをバックにゴールに向かって右足でボールを蹴り入れる。しばらく詩を走り書きしたノートを見つめていたが、ヨシっと自分にだけ聞こえるようにささやき、慎吾にメールを書いた。「慎ちゃん、サッカー、もうしないの? 私の高校時代の友達がフットサル部作ってメンバー募集してるよ。社会人、学生で月3回、夜の練習に来れる人って。下手でも歓迎だって!」ドキドキしながら送信ボタンを押した。慎吾の傷ついている部分を、人差し指でそっと押して「痛い?」と聞くようなそんな心境だ。(続く)【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2015年01月06日「慎ちゃん、クランベリージュースが口の周りについててドラキュラみたいだよー」「ねえちゃんもあごにクリームつけてんじゃねえよ」桃香は即興で「なかよしなかよし、LALALAなかよしきょうだい。スイーツ食べてハッピーきょうだい」と歌い始めた。「すごっ! うちら姉弟のテーマソング!」鮎子が叫ぶ。慎吾も目をキョロキョロさせて恥ずかしそうに笑う。慎吾とカフェに来るなんて久しぶりと言いながら鮎子はケラケラと笑う。ひとりっ子の桃香は目の前にいる仲の良い姉弟がうらやましくもあった。桃香は慎吾に今日読んだ恋愛コミックの続きを読みたいからまた店に行く、アドレスをおしえてと話しかけてみた。慎吾は自分の携帯を白いジャケットのポケットから取り出そうとした。鮎子は気を利かし、「あ、ショーウインドにメープルシロップ売ってたから買って来るね。おかあさんにお土産」と言って席を離れた。アドレスを人と交換するなど何年ぶりかといった様子で慎吾はぎこちなく、恥ずかしそうにアドレスを送った。「桃香さんの歌、聞いてみたい」と斜め下にあるメニューを見ながら小声でつぶやいた。あざやかな赤色のクランベリージュース。グラスの中で氷がじんわり溶けていった。「うん、じゃあ、今度うちにおいでよ。ピアノあるの。でもね、パパもママも歌いだしちゃうかも。そっち系の仕事してる人だから。3人で歌い始めるとうるさいよう。近所の人に注意されたことあるもん」慎吾の瞳に桃香が映る。慎吾は足の怪我をしてうちにこもっていたが、本当は外に出たくてもがいていた。どうやったら元の世界に戻れるかずっと考えていた。サッカーがない世界には帰りたくない、そんなふうに考える子供っぽい自分にも腹が立っていた。ただ、どうしていいかわからなかったのだ。最初の頃は家族にあたりちらしていた。家族は何も悪くない。でも、もどかしさをぶつけるのは家族しかいなかった。そんな自信がない自分をどうしていいかわからなかった時に桃香が現れた。底抜けに明るい、ちょっと強引な桃香。慎吾の錆び付いた心の鍵が数ミリ動く。鮎子はショーウインドの前に立ち、遠目でふたりを見つめた。(続く)【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2014年12月30日自由が丘駅からバス停3つ目にある閑静な一軒家「みき倶楽部」は1Fから3Fまでまるごとビューティーサロン。プライベートな空間でネイル、フェイシャルを受けることができます。友達の家に遊びに来たような感覚で自由に過ごせるので、子ども連れでの来店にぴったり。さっそくサロンの様子をご紹介します。■ おもちゃや絵本もある、子連れで施術もOKな閑静な住宅街のサロン「みき倶楽部」は自由が丘の住宅街にひっそりとある、隠れ家サロン。1Fはネイルサロン、2Fはメディカルエステ&ヘッドマッサージ、3Fは文化サロン・カフェで構成される、美と健康を応援するサロンです。フェイシャルを受ける時は、まずは3Fのサロンでカウンセリングをしながら目的とお肌にあったプランを決定し、2Fのメディカルエステの部屋に移動します。子ども連れの場合はサロンでおもちゃや絵本で遊ばせることもできますし、エステの部屋に連れて行くことも可能です。3Fのサロンは重厚感あるインテリアで統一され、女性オーナーがお迎えしてくれるので、とても居心地の良い空間。ついつい長居してしまいます。■ 顔のたるみやほうれい線が気になる方におすすめ! 小顔リフトアップトリートメント2Fのメディカルエステの部屋に移動し、小顔リフトアップトリートメント(75分 10,000円)の施術がスタート。このトリートメントでは、筋肉活性化・引き締め成分DMAEを高濃度で配合したジェルを、エレクトロポーションというマシンで肌深部まで導入します。お顔の表皮・真皮・筋肉層に働きかけ、たるみを改善し、フェイスラインが美しくなるコースです。まずはフットマッサージ、その後クレンジング、マシンでの施術、ハンドでのリフトアップマッサージ、リフトアップパック、ヘッド・肩・首マッサージとデコルテから上の部分のマッサージがすべて含まれており、とてもお得。特にハンドでのリフトアップマッサージは、ほとんどのお客様が気持ち良くて眠ってしまうそうです(私も眠ってしまいました)。「みき倶楽部」では、プチメニューとして、デコルテマッサージや頭皮マッサージなどを15分単位でオプションとしてご用意。短時間でもキレイになりたい方におすすめです。「自由が丘のもう一つの家」という感覚で利用できるサロン。一度足を運んでみてくださいね!■ みき倶楽部東京都世田谷区等々力7-19-5tel. 03-6432-3901open. 10:00~19:00 公式サイト
2014年12月25日週末、桃香は鮎子と一緒に自由が丘にいた。木枯らしが首筋を撫で、キュっと首をすくめたくなる。そろそろ冬の足音が聴こえる。「かわいい帽子買って帰ろうか。おそろにしようよ。白いファーがたっぷりついたのどうかな。あったかいよ。うさぎになろうよ。二人で」とガールズトークがはずむ。買い物のあとは、慎吾のバイト先のコミックカフェ見学の約束だった。店に入ると慎吾は黙々と接客仕事をこなしていた。必要最小限のことしか話さないがまじめに取り組んでいる様子だ。客がコミックを探していると、一緒に棚を見回して一生懸命探している。狭い通路を行ったり来たり動き回っている。左脚が動きにくい事は、知っていなければわからない程度だ。1時間だけふたりはオープンスペースで恋愛コミックを読みながら慎吾のバイト終了時間まで待った。コミックに出てくる瞳キラキラの恋する乙女に我が身を重ねて。作品のシーンに合わせたBGMが自然に桃香の頭の中を流れる。音楽にたずさわっていると音がないコミックでもまるで映画のように感動が広がる。嬉しいシーンには小リスがどんぐりを持って弾むようなメロディ。悲しいシーンでは心を締め付けるマイナーなバラード。桃香は夢中でページをめくる。いつか自分もこんな恋をするのだろうという予感がした。慎吾のバイト終了後、桃香は自由が丘ツウのところを見せたくてふたりを誘った。「パンケーキ専門店あるの。そりゃもう、こってりクリームやフルーツが乗ったすっごいパンケーキ! 食べようよ、3人違う種類頼めば3つの幸せじゃん!」鮎子はバイト先にしか行かない慎吾にいろいろな所へ出かけて行って欲しかったが、この3年間は誘う事すら躊躇していた。桃香の誘いがきっかけで慎吾が外へ出ればいいと思った。「行く! 慎ちゃんも行こう」と慎吾の腕を引っ張った。慎吾は少し下を向いて考えたが「ねえちゃん、おごってくれる?」と小さな声で答えた。「もっちろん、高給取りのOLですから。ゴチするわ」と鮎子はうれしそうだった。客層は女性100%のキラキラした店内。バニラの甘い香りが鼻先をつつく。3人はでかいパンケーキにキャアキャア言いながらさっき読んでいたコミックの話に花が咲いた。慎吾は休憩時間に女性向けのコミックも目を通しているので、ストーリーがだいたいわかる。漫画家の名前や過去作品までスラスラ言う慎吾に「慎ちゃん、それってオタクっていう領域よね」と鮎子が突っ込みを入れる。桃香はやりとりを楽しく傍観する。(続く)【恋愛小説『自由が丘恋物語 〜winter version〜』は、毎週火曜日配信】 目次ページはこちら
2014年12月23日東京都目黒区のスイーツのテーマパーク「自由が丘スイーツフォレスト」は25日まで、クリスマス期間限定イベント「ハートフル・スイーツクリスマス 2014」を開催している。○さまざまな楽しみ方に合わせてセレクトできるクリスマスケーキを用意同イベントでは、"スーパー・パティシエ"たちが腕を振るう、"ワクワク&サプライズが詰まったハッピー・クリスマス"をテーマに創作したおいしさと楽しさが光るクリスマス限定スイーツや、クリスマスパーティーを楽しく演出するクリスマス予約ケーキが登場するという。予約ケーキは、サイズは2人用から24人用まで、さまざまな楽しみ方に合わせてセレクトできるようバリエーション豊かにそろえた。ウェディングケーキのようなゴージャスな苺デコレーションを始め、2人用サイズのケーキや自身でデコレーションの仕上げをする"マイデコレーションケーキ"、またパティシエのキッシュやシャンメリー付フルーツポンチなどのクリスマス・スイーツを用意。予約販売は、12月25日まで実施する。また、家庭でのクリスマスパーティーを複数回、さまざまなスタイルで行う人のために、ケーキはもちろんワインと楽しめるキッシュや子供向けシャンメリー付のフルーツポンチなど、パーティーで楽ししめるアイテムを充実させた。なお今年も、クリスマスケーキを予約すると、特典サービス(ドリンク・ペア券)を用意している。施設内には、シュークリームが積み上げられた伝統的なスイーツ"クロカンブッシュ"をイメージし、"スノーホワイト"をテーマにしたオリジナルツリーが登場。今年も"エコ"活動の一環として本物のモミの木を使用し、イベント終了後は森に還される。また、自由が丘駅南口商店会では「Thank You My Dear Friends Marie Claire Christmas 2014」、自由が丘女神広場では「Thanks Liberty Christmas Carol」でもイルミネーションを開催している。
2014年12月19日慎吾が桃香をバイト先に誘った? その時の鮎子と母のリアクションはそれこそ漫画チックだった。鮎子はケーキのいちごをテーブルに落とし、鮎子の母はそそぎかけていた紅茶をソーサーの横にこぼした。そしてふたりで慎吾をじっと見つめて「今、なんて言ったの? 慎ちゃん…」と声をそろえた。慎吾が恥ずかしがって部屋に向かって階段を駆け上がった瞬間、鮎子が堰を切ったように言った。「桃香、慎吾と友達になってやって。慎吾があの事故以来、あんな言葉言ったの初めてよ。しかも、笑いながら。ねえおかあさん」「そうね、おどろいたわ。久しぶりに慎ちゃんの笑顔を見たわ」「鮎子、冗談言わないでよ。まわりがあまり気をつかいすぎるから心を閉ざしちゃったんじゃないの」鮎子はウンウンと首を縦に振りながら「たしかにね、サッカーの話題は絶対禁句って思ってた。事故でサッカー選手の夢を断たれたんだもん。それからは、就職関係の話もできなくなっちゃって」桃香は紅茶をコクンと飲んでテーブルの上に飾ってある小さなスズランの花を指で撫でた。「試合に出れなくてもサッカー関連の仕事すればって思うんだけどな。スポーツショップに勤めるとか。好きなことと寄り添えていいんじゃないのかなあ。走れないと辛いのかな?」鮎子は身を乗り出して「新しい! 新しい意見をありがとう。桃香!」と叫んだ。鮎子の母もうれしそうだ。「そうよね。走れないわけじゃないのよ。ちょっと左足をひきずるけど運動はできるはず。普通の歩き方ができないのが慎ちゃんのコンプレックスになってるかもしれないわ」「そうだね、その気持ちは本人にしかわかんないよね…」鮎子もうつむく。ケーキの上でイチゴがプルンと揺れた。桃香は慎吾のことがとても気になり始めていた。はにかむような表情が桃香の心にソっと入り込んだ。バイトと家のふたつしか世界がないなんてダメだ。夢を事故で邪魔されたからって言って閉じこもってちゃ、感動がない人生になっちゃう。そんな思いが桃香の頭の中をグルグル回る。「鮎子、私、慎ちゃんとお友達になるね。おせっかいかもしんないけど、慎ちゃんがもっと笑顔になればいいって思うから…」母が言う。「桃香ちゃん、ありがと。あの子このままじゃガールフレンドもできないまま青春を終わらせるんじゃないかって心配してたの」「おかあさん、青春なんて言葉、古いかも」「あら、テレビドラマでも使ってるじゃない。おかあさんはね、気持ちはいつも青春時代のままよ。今度、自由が丘でランチしましょう。女子会っていうの? やりましょうよ」3人で笑い合った。慎吾は2階の自分の部屋で何をしているのだろうか。桃香は階段の方にチラっと視線を移した。(続く)
2014年12月16日鮎子とは就職してから1年の付き合いになるが、気がとっても合う。プライベートでスパに行ったり女子会で遊んだり、自分が作った歌を一番先に披露するのも鮎子だ。恋の話では多いに盛り上がるいわゆる女子友。鮎子には事故で左足が不自由になった弟、慎吾がいた。2歳年下だ。サッカー選手に憧れてサッカー三昧の日々だった。サッカーがうまく、かっこいいということで慎吾ファンクラブができたほどだ。グランドを走り回る慎吾はりりしく、女の子達の視線の到着点には常に慎吾がいた。しかしある日、神様が何を思ったか慎吾を突き放した。慎吾はバイクの接触事故に巻き込まれて左膝を痛め、サッカーができなくなってしまった。3年前のことだった。事故の後から慎吾は人とあまり話さなくなった。リハビリをしたが元のように歩けない。左足を引きずってしまう。膝が思うように上がらない。もちろんサッカーも辞めてしまった。笑顔すら消えた。サッカー仲間とも交流を絶って、一緒に遊びに出かける友達がいなくなった。大学は中退して今は自由が丘のコミックカフェでバイトをしている。「大学まで辞めなくても」と親にいさめられたが、サッカー部の連中と会いたくないという理由で貫きとおした。脚を引きずりながら歩くのを見られたくないのか、バイト先と自宅の往復以外は出かけない。人が変わったようにおとなしくなった。人付き合いをしなくなり暗い性格になった慎吾に家族は気をつかい続けていた。そんなふうにひっそり暮らしていた慎吾が桃香にだけは心を開いた。鮎子の家に遊びに行った時のことだ。家族で一緒にケーキを食べた。桃香が自由が丘のスイーツフォレストで買ってきたかわいらしいフルーツケーキ。洋梨と杏のコンポがジュレに包まれてのっかているおいしそうなケーキだった。ケーキを口に運びながら桃香は無口な慎吾にいろいろ話しかけてみた。サッカーはいつ初めたのかとか、もうしないのかと、家族の間ではタブーな話題から切り出した。下を向いてむっつりしていた慎吾に畳み掛けるように話し続けた。鮎子も母親もハラハラしながら慎吾を見ていた。桃香は気にもしないというように、バイト先が自由が丘なんて最高だとうらやましがり、コミックは何冊くらいあるのか、自分は恋愛コミックしか読んだことがないとか、歌手になる夢を持ってるとか一方的に話しまくった。すると、ケーキを食べ終えた慎吾が少しだけ笑顔を浮かべて意外な言葉を口にした。「桃香さんが好きそうな恋愛コミックあるから、一度お店に来てください。自由が丘が好きなんでしょ。ありがと、このケーキすごく旨い。」(続く)
2014年12月09日桃香は小さい頃から父親の影響でジャクソン5やMotownサウンド、アメリカンPOPを聴いて育った。母親は趣味でジャズピアノを弾いていたので、ひと通り音楽の基本は教えてくれた。桃香は小さい頃、日常で起こったことをピアノに合わせて歌うのが日課だった。「きょうのおやつはケーキだよ。小人と一緒に小さなスプーンでゆっくーり食べようね」というような即興歌を小さい指で鍵盤を叩いて歌い、周りを楽しませた。父と母が桃香が歌うたびにハグして喜んでくれたせいか、歌手になりたいという小さな夢を持ったのもこの頃だ。高校時代はアメリカンPOPサークルに参加し、メンバー達とコピーバンドを結成した。先輩に連れて行かれたライブハウスで自分が作った歌を歌った時、音楽関係のプロデューサーに声をかけられ、ちょっとハッピーなことが起こった。プロデューサーと組んで仮歌でCD制作に加わるチャンスをもらったのだ。それ以降、若手のプロデューサー達からアルバム造りのたびに声をかけられるようになった。恵まれた音楽環境の中で、いつかデビューしたいという夢が膨らみ続けた。大学に入ってからは月3回ボーカルスクールに通い、歌を習っている。自分の部屋にいる時は音楽を聴くか歌を歌うかのどちらかだ。たまに大きな声でサビを歌い、階下に居る母親の美里から注意を受ける。「ママー、ママだって、若いときはおうちでピアノ弾いて、おばあちゃんにうるさいって言われてたんじゃないの」「そうね、そうだったわ。でも、今はお隣さんが近いから、そこはご配慮しなくちゃね」「私が売れたら、お隣さんも花束持ってくるって」桃香は音楽があふれる家で天真爛漫に育っていた。1年前の春から働き始めた会社は横浜にある音楽機器の会社。音楽好きの社員ばかり働いているので常に音楽に触れていられる。定時で終わる日と土日のボーカルレッスンの後は必ず自由が丘に遊びに来ることにしている。同僚の鮎子は「せっかく自宅が横浜にあるんだから横浜で遊べばいいじゃない。わざわざガオカに出かけなくても」とことあるごとに言う。そう合理的に割り切れるものではない、自分にとって自由が丘が第2のホームタウンなんだ、この街にいるとうきうきするし、いやなことを忘れる。創作意欲も湧く。「感じいいモノ」が無数にある、その「感じいいモノ」を歌にすると、自分まで感じよくなる。そう信じていた。(続く)
2014年12月02日スマートフォンで自由が丘に新しくできたケーキ屋の場所をチェックして視線を上に上げる。決めメイクをした二人連れの女性がマスカラの話で盛り上がっている。どこのメーカーの製品が太さが出るとか、青いマスカラはどこに売っているとか。たしかに二人の目元はコミックに出てくる未来ガールのようにマツゲが太くて大袈裟にカールしている。桃香は電車の中でガールズトークを盗み聞きするのが習慣になっている。東横線の電車はガールズ情報が泉のように湧いている。バッグチャームや携帯ストラップもポップなものを見かける事が多い。ついじっと見ていると買い物意欲がジュワっと湧く。「次はー自由が丘ーー」低い声のアナウンスが聴こえた。かわいらしい建物やパステル調の看板広告が窓から見える。桃香は女子高生の群れと一緒にホームへ降りる。様々な制服の女子高生達は皆、手にスマホを持ったまましゃべったり笑ったり、友達の腕をペシペシつついたり楽しそうだ。通学バッグには大きすぎるピンクの熊やキラキラにデコされたアクセサリーがゆらゆら揺れている。桃香は自由が丘が好きだ。女性に人気の街と昔から有名だが、なぜたくさんの女性がこの街を訪れるのかなんとなくわかる。センスのいいカフェや雑貨屋さんが多いだけではない。街が小ぶりで、女性が歩きやすい。1日あれば路地裏の店まで覗き見ることができる。「私の手の中にある街」感が魅力だ。仕事モードバリバリの緊張感ある街ではない。威圧的なビルもない。ビシっとしたスーツ姿で決める必要もない。カツカツと攻撃的な音が鳴るパンプスは似合わない。お気に入りのゆるいファッションで鼻歌を歌いながら歩くには最適サイズ。友達と二人で歩けば、三メートルごとに「感じいいモノ」が視界に入って話題がはずむ「わっ、あれ、かわいくない?」と喜べる。歩きながらキョロキョロしてもおかしくない、おもちゃ箱の街。桃香は少しでも長い時間この街にいたかった。iTunesで軽い曲を耳に流し込みながら街を見渡す。音楽と一緒だと街の色がワントーン明るくなる。いつか自由が丘を歌にしてみたいとふっと思った。(続く)
2014年11月25日遠藤商事が運営する「Napoli’s PIZZA&CAFFE」は10月20日、「マルゲリータ食べ放題1本勝負」を自由が丘店と渋谷神南店の2店舗限定で開催する。自由が丘店では「マルゲリータ食べ放題1本勝負60分+ソフトドリンクMサイズ付き」(税込1,000円)、渋谷神南店では「マルゲリータ食べ放題1本勝負30分+ソフトドリンクMサイズ付き」(税込1,000円)を提供。両店の営業時間は9時から24時まで、食べ放題の受付は9時から22時までとなる。両店では、マルゲリータ王妃の生誕日(11月20日/ピザの日)にちなんで毎月20日を"マルゲリータ"サービスデーに認定し、来月以降も食べ放題を開催する。1名から参加可能で、食べ終わった紙皿と交換で次のマルゲリータを提供。飲食は店内のみとなり、持ち帰りは不可とのこと。
2014年10月20日北海道札幌市の洋菓子店きのとやの子会社BAKEは11月1日、東京都目黒区に「BAKE CHEESE TART(ベイク チーズタルト)自由が丘店」をオープンする。○自由が丘に、初のカフェ併設店がオープン同店は、焼きたてチーズタルト専門店「BAKE by KINOTOYA」に、ファクトリー・カフェを併設した新業態店。1階は「工場直売」をコンセプトに、「焼きたてチーズタルト」をその場で製造し販売。2階では「大人がくつろげる穴場的カフェ」をコンセプトに、チーズタルトのほか、きのとやで人気だというソフトクリームや、コーヒーなどのドリンクを提供する。メニューは、1階が「焼きたてチーズタルト」1個216 円(税込)、6個1,118 円(税込)。2階は「焼きたてチーズタルト(プレーン)」1個216円(税込)など。所在地は、 東京都目黒区自由が丘のBAKEビル。オープン日は11月1日。開業時間は11時。営業時間は、11時~20時(ラストオーダー19時30分)。
2014年10月17日洋傘メーカーのシューズセレクションは4月12日、東京都・自由が丘に初の旗艦店「Cool Magic SHU’S(クール・マジック・シューズ)」をオープンする。○自由が丘の新ランドマーク同社は、「いいものを求めやすい価格で提供する」ことを使命とし、500円~1,000円の価格帯を中心とした傘を製造・販売している。同店は、自由が丘駅に面した角地という視認性の高い立地。店舗面積は、172.04平方メートルで4フロアの構成。17メートル四方のガラス面に、色とりどりの傘が宙に舞う様子を街から一望できるという。取り扱う商品は、同社の中心的なブランド「waterfront(ウォーターフロント)」から、昨年11月にスタートした新ブランド「SHU’S(シューズ)」、さらに、グリーティング市場において米国で100年の歴史を持つホールマーク社とのコラボ傘など、約5,000本となる。1階から3階は、同社初の小売店舗となり、同社のすべての商品を購入することができる。1階のコンセプトはライブラリー。木製ボックスを組み合わせ、図書館のように整理しながら展示する。また、傘の軽さを目で確認できるスケールや、濡れると模様が浮き出る傘のためのスプレーなど、機能を体感するコーナーも用意している。4階は、バイヤー向けのショールームとなる。具体的な売り場をイメージできるよう、店舗の規模や業態に合わせた展開方法を提案する「販売サポート体制」の充実を図るとしている。主な販売・展示傘の種類は、「ご当地傘」として、降灰対応の「桜島ファイヤー」、長崎レインボーグラス、富山サンダー、湘南シリーズ。「高機能傘」として、「コンパクトな折りたたみ傘」、遮熱機能を備えた晴雨兼用の「クールテック」、男性用の晴雨兼用の「銀行員の日傘」。「高付加価値傘」として、「98グラムの軽量傘」、「16~24本骨傘」、「一枚張り」などとなる。同店の所在地は、東京都目黒区自由が丘1-9-1。営業時間は11時から19時を予定。定休日は不定となる。
2014年03月13日自由が丘駅前から歩くこと10分、自由通り沿いの2階建ての一軒家がカフェL'atelier de maison de campagne(ラトリエ・ドゥ・メゾン・ドゥ・カンパーニュ)です。一見雑貨屋さん風で通り過ぎてしまいそうですが、階段を上ったらすぐ入口、シェフの奈緒美さんが「こんにちは~」と、大きな笑顔で迎えてくれます。白い店内は1階にキッチンがあり、テイクアウトもできる自家製の天然酵母のパン、季節のジャム、フルーツタルトやピクルスなどが並んでいます。2階のカフェは自然光が入り、中心には大きなテーブル、奥にはヨーロッパで買い付けした食器やガラス瓶などがディスプレイされ、まるで蚤の市のようです。ランチのキッシュのプレートには、パンチェッタ、マッシュルームの入りのグリーンサラダ、人参のラペ、トリュフオイルがかかったキャベツのマリネ。じゃがいもとレンズ豆のキッシュは、ふんわり口の中でとろけます。洋雑誌の中のテーブルのようなスープセット。選んだ飲み物は赤ワイン。スープの具にはグリルした塩豚、白インゲン、人参、キャベツ、セロリ、ベーコン、かぶ。野菜の旨みがたっぷり出たスープはしみじみしたおいしさです。セザンヌのような絵のような色合いが美しい、いちじく、プラム、洋ナシのタルト。ふと気がつくと、窓から入り込む黄色い日差しの中で、“羊毛とおはな”が歌うPerfectが流れていました。パリのアトリエ風の空間に風のような歌声がとても似合います。料理はフランスの田舎料理風。胃袋だけが満たされるのではなく、食べる人を喜ばせたいと思う奈緒美さんの気持ちがお皿に上に添えられているようで、幸せな気分にしてくれます。落ち着ける雰囲気なので本を広げ、ひとりでゆっくりお茶をする方も多いそうですが、私にとって大事にしたいカフェのひとつです。L'atelier de maison de campagnetel.03-6421-3940東京都目黒区自由が丘1-19-2310:00~19:00(土日9:00〜19:00)、水曜日定休 公式ブログ
2013年11月16日繁殖場や飼育放棄、虐待などから犬や猫のレスキューを行っているドッグレスキューは、11月17日と18日の11時から17時、自由が丘TOMMY HILFIGER横にて「いぬ譲渡会」を開催する。同イベントでは、「保護犬一覧」のうち、「家族募集中」の犬たちが参加する。ドッグレスキューが保護した犬猫は、協力獣医師の元でメディカルチェックと治療が行われ、ボランティア家庭のもとで家庭になじめるようにケアされながら生活している。そしてドッグレスキューでは、このような犬や猫たちと里親との出会いをつなげるため、譲渡会を定期的に行っている。今回行われる「いぬ譲渡会」は、東急東横線「自由が丘」正面出口より徒歩約3分の緑道沿いで行われる。雨天の場合は、同団体の代表ブログにて開催の有無が発表される。なお、犬の譲渡を希望しても、譲渡会でそのまま犬を連れ帰ることはできない。会場でアンケートを記入し、お見合い日程を調整する。犬は、同団体メンバーがお見合いの際に自宅まで連れてきてくれるとのこと。詳細はドッグレスキュー譲渡会お知らせページで確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月16日あおぞら銀行は29日、個人の顧客向けとして6年ぶりとなる新店舗を、東急電鉄自由が丘駅より徒歩3分の場所に開設すると発表した。新店舗は愛称を「フィナンシャルオアシス自由が丘」とし、同行の新しい店舗デザインコンセプト「都会のオアシス」を採用している。新店舗では、同行が注力している資産運用コンサルティングサービスを落ち着いた雰囲気のなかで提供するという。洗練された外観は自由が丘の街並みに相応しく、ガラス張りで明るく、清潔感のあるデザインとなっている。店舗内には落ち着いて相談できるコンサルティングブース、応接のほか、様々なイベント・セミナーに対応できるユニークな多目的スペースを備えており、来店した顧客には「フィナンシャルオアシス」という新しい銀行の形を体験してもらえる。なお「フィナンシャルオアシス自由が丘」(東京都世田谷区奥沢5-28-1)は渋谷支店の出張所となっている。これまで渋谷支店にて取引していた顧客は、渋谷と自由が丘のどちらの店舗においても、従前同様の取引が可能。あおぞら銀行は今後も顧客に様々な金融サービスを提供し、より多くの顧客に満足してもらえるよう努めていくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月31日はるやま商事は9月1日、「P.S.FA(ピーエスエフエー / パーフェクトスーツファクトリー)」自由が丘店をオープンする。「P.S.FA」は、ファッション感度の高いビジネスパーソンをメインターゲットにした、スーツを中心とするビジネスウェアを取り扱う都市型店舗。ビジネススーツは1万9,950円、2万9,400円の2プライスを中心に、3万9,900円のインポートスーツなども展開。高感度・高品質を柱に商品を提供してきた。今回オープンする新店舗は、「リビング」や「書斎」などをイメージしたこれまでにない空間デザインで、人が集い、くつろげる「CASA -友達の家-」がコンセプト。ファッション感度の高い自由が丘というエリア特性を考慮し、平日は子供連れで、休日には20~40代のカップルや夫婦など幅広い層がくつろぎながら買い物できるよう、店内の動線も広くし、心地よい憩いの空間を確保した。また、ウィメンズ商品を既存店より20%多くそろえるほか、小物を多く扱うことで、いつでも気軽に立ち寄りやすい店舗となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月28日新生活も、少し落ち着いた頃。自分の好きな空間をより洗練させたくなる。イデーショップ 自由が丘店で、6月8日(金)から11日(月)までの4日間、店舗での展示品・廃番品などを70%-10%オフになる、夏のセールが開催される。登場するアイテムは、定番人気を誇るデザインのもの、掘り出し物など、1点物ばかり。併せてランプや、ユーズドアイテムもスペシャルプライスで登場するようだ。自分に合ったアイテムを探すのも楽しそう。写真はセール対象品の一例。割引率はアイテムによって異なるので、店頭でチェックして。お問い合わせ:IDÉE tel.03-5701-7555 公式サイト ■IDÉE SUMMER SALE 2012期間:2012年6月8日(金)~6月11日(月)イデーショップ 自由が丘店add.〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-16-29営業時間:平日 11:30-20:00 土日祝 11:00-20:00
2012年06月03日リンツ ショコラ カフェ 自由が丘店が5月25日(金)午前11時にオープン!新メニューとしてリンツ・ショコラクレープが登場する。新メニュー:リンツ・ショコラクレープあこがれの住みたい街として高い人気を誇る自由が丘に、2010年の銀座店、2011年の表参道店に続くリンツ ショコラ カフェの3号店がオープンする。3階建ての店舗は、1階がチョコレート、デリース(マカロン)、ケーキ、焼き菓子等の販売、カフェのオーダーカウンターとキッチン、2・3階が客席となる。3階部分は約半分のスペースがテラスであり、快適なオープンエアのカフェ空間が誕生。リンツ ショコラ カフェとしては65席のこれまでで最大規模のカフェだ。自由が丘店のオープンを記念して、新メニューとして「リンツ・ショコラクレープ」4種類が登場。クレープ生地にもリンツのカカオの香り高いチョコレートを混ぜ込んだリンツ ショコラ カフェならではのリッチなデザートクレープ。フレーバーは定番の3種類と季節のクレープが1種類。焼き立てのクレープに冷たいアイスクリーム、とろりとしたチョコレートソースをからめていただこう。お問い合わせ: リンツ ジャパンサイト
2012年04月30日携帯専用放送局BeeTVにて、大人気放映中の『湘南☆夏恋物語』。この鉄板王道青春ラブストーリーでW主演を務めるを、歌手、俳優と多方面で活躍している小池徹平と西島隆弘(AAA)にインタビューをお届けする。●初めて、ドラマ『湘南☆夏恋物語』の出演が決まった時の感想はいかがでしたか?西島:最初、お話をいただいたときに、僕は機械オンチでもあるので(笑)、携帯でドラマを見たことがなかったのですが、自分の中では新しいことでもありチャレンジさせていただきました。小池:THE青春ストーリーです。20代前半の方たちがぶつかる、仕事・恋愛・人間関係などを描く、若さあふれる作品だなという印象がすごい強かったです。同世代の人たちと仕事をするのが久々だったのでワクワクするものがあり、携帯ドラマに対して自分は無知だったので、どういうものなのかなと新しいことにチャレンジできる喜びもありました。●主人公:野々村洋介、河合彰を演じるにあたって、難しかったところや共感できるところなどありますか?小池:話の軸となる洋介は、仕事に一回失敗し、挫折するところから始まります。今まで噛み合わなかった歯車が、彰と出会うことで動き出し、自分の人生が噛み合いだしていく。その中にはもちろん恋愛が入ってきたりと。展開が早い作品なので、感情をつなげていくのが大変でした。洋介は、優しいし、本当は器用だし、でも一歩引いて周りを見ることができる大人な部分を持っている人、逆に彰は、ストレートにガツガツ感情表現する明るいキャラをやってくれていたので、「動と静」みたいなイメージで、メリハリのある2人だったので西島隆弘という役者のおかげで、洋介を楽しく演じることができました。西島:僕のキャラクターは過去にエゴを貫き通してなかなかうまくいかず、失敗して今に至った人。洋介とは失敗した経験の内容や意味合いは違うと思うんですけど、洋介との海の家での出会いによって、あきらめかけていたものに挑戦していく男同士の友情が描かれています。洋介にはないストレートな部分を出していかないとなと思い、洋介を見ながら彰を成長させていきました。●役どころは自分に似ていると思いますか?小池:彰は西島に似ていると思いますよ!とっても!西島:僕もそう思います(笑)。ストレートで素直な感じは近いものがありますね。小池:僕は洋介にはあまり似ていないかもしれないですね。でも人を見守るというか、客観視する視点の置き方はちょっと似ているかもしれないですね。●臼田あさ美さん、木南晴夏さんとの共演はいかがでしたか?西島:僕は2人とも共演は初めてでした。小池:僕は臼田さんとは2回目で、いつもはおっとりしている方なんですが、キツイお嬢様役だったのでびっくりしましたね。木南とは初めてですが10年来の知り合いなので、あんまり初めてな感じはしなかったですね。西島:臼田さんの笑い方は特徴的で、ほかの人の笑いを誘うような笑い方をするんです。(下から入る感じの笑いなんです。)小池:木南はサバサバしているからいじりやすいですね。いい意味で女の子だけど「なんでやねん!」ってどつけるみたいな。(笑)西島:こちらも笑い方は特徴的でしたよ。右肩あげて笑います。(笑)●江ノ島での撮影エピソードを教えてください。面白かったことやハプニングはありましたか?小池:撮影していた海の家の周りに食べ物がたくさん売っていて、暇なときや空き時間などに自分の好きなタイミングで買いにいけるのが楽しかったですね(笑)。ニックンロールを賭けて西島と木南とジャンケンしたり。ジュースよりも値段が高いので、みんな本気になりましたよ(笑)。西島:そうそう(笑)小池:きゅうりの一本漬けを食べたいがために、朝食を食べない!みたいな。それがすごい楽しかったですね。西島:撮影前半は、イルカ問題はすごかったですよ。もう大変だった。音が・・・(苦笑)。小池:お昼のいい時間帯に、撮影している海の家の真裏でイルカショーが始まるんですよ。西島:本番前に「さぁ~みなさん!イルカショーがはじまります!」そのあと歓声で「うぉおおおお~!おぉおおお~!」って。小池:あ、イルカとんだな~みたいな(笑)。スタッフが「すみません、イルカショーのため20分中断します!」とかなってしまったり(笑)。後半はうまい具合に時間を合わせて撮影できました。●ドラマ『湘南☆夏恋物語』のみどころ、オススメポイント、メッセージをなどお願い致します。小池:ものすごく早い展開なので、いつでも簡単に見られるという部分と、若者の青春というストーリー部分と、見ていて気持ちのいい感じがするところが、一番のみどころだとおもいます。珍しい二人というか、アーティストイメージの強い西島くんと一緒に演じたことや、画面に映る姿もなんか新鮮でおもしろかったですね。西島:ドラマの現場でもファンの方がたくさんいらっしゃっていたりして盛り上がった作品なので、楽しんでいただければと思います。寝る前や移動中に、海に行きたいなって気持ちにもうひとつ、ダブル押しできるようなストーリーになっているので、仕事している人とかには息抜きに見てもらって、「夏休みは、絶対外に出て動きたい!」という気持ちにもなると思うので、ぜひ見てほしいですね。…ロケ地となっている海の家では、本作の世界観が味わえる装飾、そして本編に出てくる同じフード、飲み物メニューを楽しめて、こちらもぜひ出かけてみたいスポット。豪華“夏恋ユニット”が誕生した鉄板王道青春ラブストーリーに引き続き注目だ。
2011年08月19日